(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】がん処置のためのVCP/p97阻害薬
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20230614BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230614BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230614BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230614BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/706 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/7068 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20230614BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20230614BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/69 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/5025 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20230614BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230614BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P37/02
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61K31/706
A61K31/7068
A61K31/704
A61K45/00
A61K31/53
A61P43/00 105
A61K31/69
A61K31/573
A61K31/454
A61K31/5025
A61K31/437
A61K31/497
A61K9/20
A61K9/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568708
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 US2021031622
(87)【国際公開番号】W WO2021231323
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522439814
【氏名又は名称】クリーブ セラピューティクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステュアート,モニック ジェイン
(72)【発明者】
【氏名】ル モニュ,ロナン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ダニエル ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ラジャンガン,カーニャ ラクシュミー
(72)【発明者】
【氏名】ジャコヴィッチ,ステヴァン ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】バルガス,ジェシー ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
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4C086GA07
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4C086MA35
4C086MA37
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB07
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
【解決手段】
1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法が本明細書に説明される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記対象に投与し、それによって前記対象が治療効果を経験することを含む、方法。
【請求項2】
前記医薬組成物が、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドのトシル酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記用量が、約25mg~約1000mg、約25mg~約750mg、約25mg~約500mg、約25mg~約350mg、約25mg~約175mg、約50mg~約1000mg、約50mg~約750mg、約50mg~約500mg、約50mg~約350mg、約50mg~約175mg、約75mg~約1000mg、約75mg~約750mg、約75mg~約500mg、約75mg~約350mg、約75mg~約175mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約750mg、約100mg~約500mg、約100mg~約350mg、又は約100mg~約175mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記用量が、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約275mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記がんが血液がんである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記がんが、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄異形成/骨髄増殖性重複腫瘍(MDS/MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、多発性骨髄腫、骨髄腫、アミロイドーシス、原発性マクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫としても知られている)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、Bリンパ芽球性白血病、Tリンパ芽球性白血病、リンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞急性リンパ芽球性リンパ腫、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫、バーキット白血病/リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞NHL、濾胞性リンパ腫、濾胞辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)、ダブルヒット/トリプルヒットB細胞リンパ腫、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、多血後骨髄線維症、本態性血小板血症後骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)、M3 AML、及び急性前骨髄球性白血病(APL)からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記がんが急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記AMLが再燃AML、再発AML、難治性AML、又はこれらのいずれかの組合せである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記AMLが、de novoAML、治療関連AML及び骨髄異形成症候群関連の変化を有するAML(MRCを伴うAML)を含む二次性AML、急性混合型白血病(分化系統不明瞭な急性白血病とも称される)、又は再発性異常を伴うAMLである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記AMLが、治療につながる変異を有するAMLである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記AMLが、治療につながる変異を有さないAMLである、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記MDSが再燃MDS又は難治性MDSである、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記MDSが、改訂国際予後予測スコアリングシステム(IPSS-R)によって低リスクMDS、中リスクMDS、高リスクMDS、又は非常に高いリスクを伴うMDSであると分類される、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記MDSが、単一血球系統の異形成を伴ったMDS(MDS-SLD)、多血球系異形成を伴ったMDS(MDS-MLD)、環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS)、単一血球系統の異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-SLD)、環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS)、多血球系異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-MLD)、芽球増加を伴うMDS1及び/又は芽球増加を伴うMDS2(MDS-EB-1、MDS-EB-2)、分類不能なMDS(MDS-U)、並びに単独欠失(5q)を伴うMDSからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が、前記対象の突然変異又は細胞遺伝学的状態に関係なく処置される、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
治療効果が、完全寛解、微小残存病変を伴わない完全寛解、造血機能の回復が不十分な完全寛解、形態学的芽球消失又は部分寛解、血液学的改善、細胞遺伝学的完全奏効、輸血非依存性、赤血球輸血非依存性若しくは血小板輸血非依存性、又は幹細胞移植の適格性を含む、請求項5~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
治療効果が、全生存率の増加、無再発生存期間の増加、無イベント生存率の増加、奏効期間の増加、又は再発の累積罹患の低下を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記医薬組成物が、(a)対象への4日連続の薬物投与、続いて3日連続の投与なし、(b)対象への5日連続の薬物投与、続いて2日連続の投与なし、(c)週1回の投与、又は(d)週2回の投与を含むレジメンで投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記投与レジメンが繰り返される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記医薬組成物が、各サイクルの1~4日目、8~11日目、15~18日目、22~25日目の投与を含む28日サイクルで投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記28日サイクルが少なくとも1回繰り返される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記医薬組成物が投与の日に1日1回投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物が投与の日に1日2回投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記医薬組成物が経口投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記医薬組成物が錠剤又はカプセルとして投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記がんがAMLであり、前記対象がABL1、ASXL1、BCOR、BCORL1、BCR、BRAF、CALR、CBFB、CBL、CBLB、CDKN2A、CEBPA、CSF3R、CUX1、DEK、DNMT3A、ETV6、EZH2、FBXW7、FLT3、GATA1、GATA2、GNAS、HRAS、IDH1、IDH2、IKZF1、JAK2、JAK3、KDM6A、KIT、KMT2A、MECOM(EVI1)、MLL、MLLT3、MPL、MYD88、MYH11、NOTCH1、NPM1、NUP214、NRAS、PDGFRA、PHF6、PTEN、PTPN11、RAD21、RUNX1、SF3B1、SRSF2、SMC1A、SMC3、STAG2、TET2、TP53、U2AF1、WT1、及びZRSR2からなる群から選択される遺伝子座に1つ以上の突然変異を有する、請求項7~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記処置が第2の治療薬の投与を更に含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の治療薬が、DNA傷害剤、脱メチル化剤、DNA合成を妨げる薬剤、又はDNA複製を妨げる薬剤である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の治療薬がデシタビン、アザシチジン、又はシタラビンである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の治療薬が、アントラサイクリン抗生物質を用いる7+3レジメンで投与されるシタラビンである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記7+3が、7日間のシタラビン、並びにダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、及びミトキサントロンから選択される3日間のアントラサイクリン抗生物質を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の治療薬がチロシンキナーゼ阻害薬である、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記第2の治療薬がDNA損傷修復阻害薬である、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の治療薬がATM、ATR、PARP、又はChk1の阻害薬である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の治療薬がプロテアソーム阻害薬である、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の治療薬がVelcade(ボルテゾミブ)又はKyprolis(カルフィルゾミブ)である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の治療薬がレナリドミド、デキサメタゾン、又はこれらの組合せである、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の治療薬がFLT3、IDH1又はIDH2の阻害薬である、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の治療薬が、がん免疫治療薬又は免疫調節薬である、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
前記がんが充実性腫瘍、転移性充実性腫瘍、進行性転移性充実性腫瘍、リンパ腫及び進行性リンパ腫からなる群から選択される、請求項1~4、17~25、27~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記対象が少なくとも1つの事前治療を受ける、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2の治療薬がギリテリチニブ又はその類似体を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記がんがFLT3突然変異を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の治療薬がポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)を阻害する、請求項27に記載の方法。
【請求項45】
前記第2の治療薬がタラゾパリブ又はその類似体を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記がんがBRCA-2突然変異を含む、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記がんが相同組換えを失わせる突然変異を含む、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の治療薬がBcl-2を阻害する、請求項27に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の治療薬がBH3ミメティックを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記BH3ミメティックがベネトクラクス又はその類似体を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第2の治療薬がベネトクラクス及びアザシチジンを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項52】
前記がんがbcr-abl陰性の骨髄性腫瘍である、請求項5に記載の方法。
【請求項53】
前記投与が前記対象に視覚障害をもたらさない、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第2の治療薬が、前記医薬組成物の投与前に投与される、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項55】
前記第2の治療薬が前記医薬組成物の投与の約24時間又は1日前に投与される、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月11日に出願された米国仮特許出願第63/023,120号及び2020年11月16日に出願された米国仮特許出願第63/114,435号の恩典を主張するものであり、これら双方は、それらの全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
バロシン含有タンパク質VCP/p97及びその機能は、細胞が生存し続けるためには不可欠である。
【発明の概要】
【0003】
1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドはVCP/p97阻害薬である。一態様では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法を本明細書にて説明している。
【0004】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドのトシル酸塩を含む。いくつかの実施形態では、用量は約25mg~約1000mg、約25mg~約750mg、約25mg~約500mg、25mg~約350mg、約25mg~約175mg、約50mg~約1000mg、約50mg~約750mg、約50mg~約500mg、50mg~約350mg、約50mg~約175mg、75mg~約1000mg、約75mg~約750mg、約75mg~約500mg、75mg~約350mg、約75mg~約175mg、100mg~約1000mg、約100mg~約750mg、約100mg~約500mg、100mg~約350mg、又は約100mg~約175mgである。いくつかの実施形態では、用量は約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約275mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgである。いくつかの実施形態では、がんは充実性腫瘍、転移性充実性腫瘍、進行性転移性充実性腫瘍、リンパ腫及び進行性リンパ腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、がんは血液がんである。いくつかの実施形態では、がんは急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome、MDS)、骨髄異形成/骨髄増殖性重複腫瘍(myelodysplastic/myeloproliferative overlap neoplasms、MDS/MPN)、慢性骨髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia、CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(atypical chronic myeloid leukemia、aCML)、多発性骨髄腫、骨髄腫、アミロイドーシス、原発性マクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫としても知られている)、急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia、ALL)、Bリンパ芽球性白血病、Tリンパ芽球性白血病、リンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞急性リンパ芽球性リンパ腫、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫、バーキット白血病/リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(Non-Hodgkin’s lymphoma、NHL)、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)、小リンパ球性リンパ腫(small lymphocytic lymphoma、SLL)、B細胞NHL、濾胞性リンパ腫、濾胞辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL)、ダブルヒット/トリプルヒットB細胞リンパ腫、骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasm、MPN)、本態性血小板血症(essential thrombocythemia、ET)、真性多血症(polycythemia vera、PV)、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、多血後骨髄線維症、本態性血小板血症後骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia、CML)、芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍(blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm、BPDCN)、M3 AML、及び急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia、APL)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、がんは急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である。いくつかの実施形態では、AMLは再燃AML、再発AML、難治性AML、又はこれらのいずれかの組合せである。いくつかの実施形態では、AMLはde novoAML、治療関連AML及び骨髄異形成症候群関連の変化を有するAML(MRCを伴うAML)を含む二次性AML、急性混合型白血病(分化系統不明瞭な急性白血病とも称される)、又は再発性異常を伴うAMLである。いくつかの実施形態では、AMLは治療につながる変異を有するAMLである。いくつかの実施形態では、AMLは治療につながる変異を有さないAMLである。いくつかの実施形態では、MDSは再燃MDS又は難治性MDSである。いくつかの実施形態では、MDSは、改訂国際予後予測スコアリングシステム改訂版(Revised International Prognostic Scoring System、IPSS-R)によって低リスクMDS、中リスクMDS、高リスクMDS、又は非常に高いリスクを伴うMDSであると分類される。いくつかの実施形態では、MDSは、単一血球系統の異形成を伴ったMDS(MDS with single lineage dysplasia、MDS-SLD)、多血球系異形成を伴ったMDS(MDS with multilineage dysplasia、MDS-MLD)、環状鉄芽球を伴うMDS(MDS with ringed sideroblasts、MDS-RS)、単一血球系統の異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-SLD)、多血球系異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-MLD)、芽球増加を伴うMDS1及び/又は芽球増加を伴うMDS2(MDS with excess blasts 1、MDS-EB-1、MDS with excess blasts 2、MDS-EB-2)、分類不能なMDS(MDS unclassifiable、MDS-U)、及び単独欠失(5q)を伴うMDSからなる群から選択される。
【0005】
いくつかの実施形態では、対象は、対象の突然変異又は細胞遺伝学的状態に関係なく処置される。
【0006】
いくつかの実施形態では、治療効果は、完全寛解、微小残存病変を伴わない完全寛解、造血機能の回復が不十分な完全寛解、形態学的芽球消失又は部分寛解、血液学的改善、細胞遺伝学的完全奏効、輸血非依存性、赤血球輸血非依存性若しくは血小板輸血非依存性、又は幹細胞移植の適格性を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、治療効果は、全生存率の増加、無再発生存期間の増加、無イベント生存率の増加、奏効期間の増加、又は再発の累積罹患の低下を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、(a)対象への4日連続の薬物投与、続いて3日連続の投与なし、(b)対象への5日連続の薬物投与、続いて2日連続の投与なし、(c)週1回の投与、又は(d)週2回の投与を含むレジメンで投与される。いくつかの実施形態では、投与レジメンが繰り返される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、各サイクルの1~4日目、8~11日目、15~18日目及び22~25日目の投与を含む28日サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、28日サイクルは少なくとも1回繰り返される。
【0008】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は投与の日に1日1回投与される。
【0009】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は投与の日に1日2回投与される。
【0010】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は経口投与される。
【0011】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤又はカプセルとして投与される。
【0012】
いくつかの実施形態では、がんはAMLであり、対象はABL1、ASXL1、BCOR、BCORL1、BCR、BRAF、CALR、CBFB、CBL、CBLB、CDKN2A、CEBPA、CSF3R、CUX1、DEK、DNMT3A、ETV6、EZH2、FBXW7、FLT3、GATA1、GATA2、GNAS、HRAS、IDH1、IDH2、IKZF1、JAK2、JAK3、KDM6A、KIT、KMT2A、MECOM(EVI1)、MLL、MLLT3、MPL、MYD88、MYH11、NOTCH1、NPM1、NUP214、NRAS、PDGFRA、PHF6、PTEN、PTPN11、RAD21、RUNX1、SF3B1、SRSF2、SMC1A、SMC3、STAG2、TET2、TP53、U2AF1、WT1、及びZRSR2からなる群から選択される遺伝子座に1つ以上の突然変異を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、処置は第2の治療薬の投与を更に含む。いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、DNA傷害剤、脱メチル化剤、DNA合成を妨げる薬剤、又はDNA複製を妨げる薬剤である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はデシタビン、アザシチジン、又はシタラビンである。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はアントラサイクリン抗生物質を用いる7+3レジメンで投与されるシタラビンである。いくつかの実施形態では、7+3は7日間のシタラビン、並びにダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、及びミトキサントロンから選択される3日間のアントラサイクリン抗生物質を含む。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はチロシンキナーゼ阻害薬である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はDNA損傷修復阻害薬である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はATM、ATR、PARP、又はChk1の阻害薬である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はプロテアソーム阻害薬である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はVelcade(ボルテゾミブ)又はKyprolis(カルフィルゾミブ)である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はレナリドミド、デキサメタゾン、又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はFLT3、IDH1、又はIDH2の阻害薬である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はがん免疫治療薬又は免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はがん免疫治療薬又は免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、がんは充実性腫瘍、転移性充実性腫瘍、進行性転移性充実性腫瘍、リンパ腫、及び進行性リンパ腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、対象は少なくとも1つの事前治療を受ける。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はギリテリチニブ又はその類似体を含む。いくつかの実施形態では、がんはFLT3突然変異を含む。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はポリADP-リボースポリメラーゼ(poly ADP ribose polymerase、PARP)を阻害する。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はタラゾパリブ又はその類似体を含む。いくつかの実施形態では、がんはBRCA-2突然変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは相同組換えを失わせる突然変異を含む。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はBcl-2を阻害する。いくつかの実施形態では、第2の治療薬はBH3ミメティックを含む。いくつかの実施形態では、BH3ミメティックはベネトクラクス又はその類似体を含む。いくつかの実施形態では、がんはbcr-abl陰性の骨髄性腫瘍である。いくつかの実施形態では、投与は対象に視覚障害を生じさせない。いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、医薬組成物の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、第2の治療薬は医薬組成物の投与の約24時間又は1日前に投与される。
【0014】
援用記載
本明細書で言及されている全ての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれ個別の刊行物、特許又は特許出願が本明細書の一部として援用されていることを具体的かつ個別に示すと仮定した上で、適用可能かつ関連性のある程度で、及び同程度で、本明細書の一部として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】A549肺腺がん異種移植片腫瘍についての化合物1の種々の投与レジメンの有効性を示す。
【
図2】急性骨髄性白血病のMLL-AF9播種マウスモデルの循環MLL-AF9細胞での化合物1の効果を示す。
【
図3】急性骨髄性白血病のMLL-AF9播種マウスモデルの動物生存率への化合物1の効果を示す。
【
図4】急性骨髄性白血病のMLL-AF9播種マウスモデルの循環MLL-AF9細胞でのシタラビン/ドキソルビシンと組み合わせた化合物1の効果を示す。
【
図5】急性骨髄性白血病のMLL-AF9播種マウスモデルの動物生存でのシタラビン/ドキソルビシンと組み合わせた化合物1の効果を示す。
【
図6】25mgQDで投与される2名のヒト対象での化合物1についての血漿中薬物濃度曲線を示す。
図6Aは、化合物1投与後1日目のμM濃度単位(左のグラフ)及びng/mL濃度単位(右のグラフ)の経時的な血漿中薬物濃度曲線を示す。
図6Bは、化合物1投与後4日目のμM濃度単位(左のグラフ)及びng/mL濃度単位(右のグラフ)の経時的な血漿中薬物濃度曲線を示す。
【
図7】化合物1の血漿中薬物濃度曲線とCB5083の血漿中薬物濃度曲線との比較を示す。
【
図8】25mgQD、50mgQD、100mgQD及び175mgQDでの化合物1の血漿中薬物濃度曲線の比較を示す。
【
図9】CB-5339であり、本明細書では化合物1とも称される1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドの構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
腫瘍は不均一性が高いにもかかわらず、がんの悪性転換によってがん細胞に共通の特徴(いわゆる、「がんの顕著な特徴(hallmarks of cancer)」が生じる。こうした特徴としては、複製による不死化、負の増殖シグナル及びアポトーシスに対する抵抗性、血管新生を誘導する能力が挙げられる。これらの特性は、がん細胞に生存優位性を与えるものの、これらは正常細胞が通常は経験することのないストレス条件にもさらされており、ストレス条件自体は非発がん性であるがそれにもかかわらず生存に不可欠となる細胞内経路に依存せざるを得ない(いわゆる、「非発がん依存性」)。この観察に基づき、合成致死的方式でがん細胞と相互作用するストレス過剰負荷の機序は、治療的介入にとって実行可能な選択肢であると考えられている。
【0017】
がん細胞が直面する主な2つのストレスは、タンパク質毒性ストレス及びゲノム毒性ストレスである。タンパク質毒性ストレス又は正常タンパク質、突然変異がん関連タンパク質及び新規がん関連融合タンパク質を含む細胞内及び細胞外タンパク質の不適当な過剰産生は、タンパク質ホメオスタシス経路への依存性及び小胞体ストレス応答を引き起こす。がん細胞でのタンパク質毒性ストレスレベルが高いということは、タンパク質ホメオスタシスを標的とする治療戦略が、タンパク質ホメオスタシス機構に過剰に依存するがん細胞にアポトーシスを誘導することで抗がん活性が顕著であることを示唆している。タンパク質ホメオスタシス経路及び分解経路はがん細胞に特異なものではないが、こうした系にがん細胞が過剰に依存することで、これらはタンパク質ホメオスタシスの特異的な阻害薬に感作し、正常細胞への毒性が低い抗がん活性がもたらされ得る。ゲノムストレスは、悪性転換を可能にするゲノム完全性に関与する遺伝子に対する初期突然変異及び自身の増殖可能性によってがん細胞で生じ、変異がん細胞の増殖に付随して起こるDNA複製エラーは、突然変異の数により潜在的に増幅されるが、これは複製忠実度及びこれらのプロセス中に生じるようなDNA損傷の適切な修復を担当する機構に潜在し得る。
【0018】
ユビキチンプロテアソーム系(ubiquitin proteasome system、UPS)及びオートファジーリソソーム系(autophagy lysosome system、ALS)というタンパク質ホメオスタシスを制御する主な2つの細胞内分解経路が存在する。バロシン含有タンパク質VCP/p97は、小胞体関連分解(endoplasmic reticulum-associated degradation、ERAD)と称されるプロセスにて小胞体から誤って折り畳まれたタンパク質を抽出する箇所であるUPSで十分に説明されている役割を有し、分解を目的とするプロテアソームにタンパク質のサブセットを付き添わせる。VCP/p97はまた、DNA損傷応答及び修復などのクロマチン関連事象の調節で重要な役割も果たす。VCP/p97は、複数のがんで過剰産生されることが知られている。したがって、VCP/p97機能の薬理学的干渉は、分解できない小胞体(ER)ストレス及び/又は分解できない遺伝毒性ストレスを生じさせることで重要な抗腫瘍効果を有すると予想される。これにより、VCP/p97機能の阻害薬はタンパク質ホメオスタシスへのがん細胞依存性及びDNA損傷修復経路を活用する機序を提供することができる。
【0019】
有用ながん治療薬であるVCP/p97の阻害薬が必要とされている。こうした阻害薬の1つは、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド(化合物1)である。化合物1を投与することと、処置が困難ながんのタイプ及びサブタイプなどで治療効果を得るための投与レジメンを含む、化合物1を用いてがんを処置する方法が本明細書にて提供される。本明細書での方法としては、有効性を高め、かつ/又は可能性のある副作用を軽減若しくは緩和するための方法が挙げられる。有効性又は治療効果を高め、かつ/又は化合物1と1つ以上の追加の治療薬とを組み合わせて処置されるがんの範囲を増やすための方法もまた提供される。
【0020】
定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、相反するものに指定しない限り、以下の用語はこの下の文にて示される意味を有する。
【0021】
単数形「a」、「and」及び「the」は、文脈にてその他の場合を明示しない限り複数の指示対象を含む。これにより、例えば「薬剤」への参照は複数のこうした薬剤を含み、「細胞」への参照は1つ以上の細胞(又は複数の細胞)及びこれらの等価物への参照を含む。分子量などの物理的特性又は化学式などの化学的特性について範囲を本明細書で使用する場合には、この中の範囲の全ての組合せ及び部分的な組合せ並びに特定の実施形態が含まれることを意図している。数又は数値範囲に言及する場合、「約」という用語は、言及される数字又は数値範囲は実験上の変動内(又は統計的実験誤差内)の概数であり、これにより数又は数値範囲は記載の数又は数値範囲の1%~15%の間で変動する。「含む(comprising)(及び「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「有する(having)」又は「含む(including)」)という用語は、他の特定の実施形態では例えば、本明細書に説明される物質の任意の組成物、組成物、方法、用途又はプロセスなどの一実施形態が、説明される特徴「からなる(consist of)」又は「から本質的になる(consist essentially of)」ことができるということを除外すると意図してはいない。
【0022】
「任意の」又は「任意には」は、後に説明される事象又は状況が生じ得ること又は生じ得ないことを意味し、かつその説明は事象若しくは状況が生じる場合の例又は事象若しくは状況が生じない場合の例を含むことを意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「処置」又は「処置する(treating)」又は「緩和する」又は「回復させる」は、本明細書で互換的に使用される。これらの用語は、治療効果及び/又は予防効果を含むがこれらに限定されない有益な、又は所望の結果を得るためのアプローチを指す。「治療効果」は、処置されている基礎障害の根絶又は回復を意味する。更には、治療効果は、患者が基礎障害に依然として罹患しているとしても、患者で改善が観察されるように、基礎障害に関連する生理学的症状の1つ以上の根絶又は回復により達成される。予防効果のため、組成物は、特定の疾患の診断がなされていなかったとしても、こうした疾患を発症するリスクがある患者に、又は疾患の生理学的症状のうちの1つ以上を報告する患者に投与される。
【0024】
本明細書に説明される化合物1の投与量及び範囲は、化合物1遊離塩基の用量又は化合物1の薬学的に許容される塩形態の用量を指す。
【0025】
いくつかの実施形態では、「参加者」、「対象」及び「患者」は互換的に使用される。いくつかの実施形態では、「対象」は健康な個体を指す。他の実施形態では、「対象」は処置の必要がある患者を指す。いくつかの実施形態では、「対象」はヒト又は動物、特に哺乳動物を指す。いくつかの実施形態では、「対象」はヒトを指す。いくつかの実施形態では、「対象」は非ヒトの哺乳動物を指す。
【0026】
1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド(化合物1)はVCP/p97阻害薬である。1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド(化合物1)はCB-5339である。「化合物1」、「CB-5339」又は「1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド」は、以下の構造:
【0027】
【0028】
いくつかの実施形態では、化合物1は薬学的に許容される塩の形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ゲンチシン酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩及びコハク酸塩から選択される薬学的に許容される塩の形態である。いくつかの実施形態では、化合物1はトルエンスルホン酸塩の形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は硫酸塩の形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は塩酸塩の形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は遊離塩基である。加えて、化合物1は、非溶媒和形態及び薬学的に許容される溶媒を含む溶媒和形態で存在し得る。いくつかの実施形態では、化合物1は溶媒和されている。いくつかの実施形態では、化合物1は非溶媒和されている。
【0029】
本明細書に使用される場合、「薬学的に許容される」は担体又は希釈剤などの物質を指し、これは化合物の生物学的活性又は特性を抑制せず、比較的非毒性である。これはすなわち、物質は望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、又は含有される組成物の構成成分のうちいずれかと有害な様式で相互作用することなく、個体に投与されるということである。
【0030】
「薬学的に許容される塩」という用語は、好適な陰イオンと組み合わせた治療活性薬の陽イオン形態、又は代替的な実施形態では好適な陽イオンと組み合わせた治療活性薬の陰イオン形態からなる治療活性薬の形態を指す。Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use.International Union of Pure and Applied Chemistry,Wiley-VCH 2002.S.M.Berge,L.D.Bighley,D.C.Monkhouse,J.Pharm.Sci.1977,66,1-19。P.H.Stahl and C.G.Wermuth,editors,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,Weinheim/Zurich:Wiley-VCH/VHCA,2002。薬学的な塩は典型的には、非イオン種よりも溶解性が高く、胃液及び腸液では更に迅速に可溶するため、固体剤形では有用である。更には、これらの溶解度は多くの場合、pHの関数であるため、消化管の一部分又は別の部分での選択的溶解が可能である。遅延放出挙動及び持続放出挙動の一面としてこの能力を操作することができる。加えて、塩形態分子は中性形態にて平衡であり得るため、生体膜の通過が調整され得る。
【0031】
溶媒和化合物は、溶媒の化学量論的又は非化学量論的量のいずれかを含有し、生成物形成プロセス又は水、エタノール、メタノール、tert-ブチルメチルエーテル(tert-butyl methyl ether、MTBE)、ジイソピルエーテル(diisopropyl ether、DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(methyl isobutyl ketone、MIBK)、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone、MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、ジクロロメタン(dichloromethane、DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリルなどといった薬学的に許容される溶媒を用いた単離プロセス中に形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和化合物はクラス3の1つ以上の溶媒を使用するがこれらに限定されない溶媒を使用して形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和化合物はクラス2の1つ以上の溶媒を使用するがこれらに限定されない溶媒を使用して形成される。溶媒のカテゴリは、例えば日米EU医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use、ICH)、「医薬品の残留溶媒ガイドライン(Q3C(R6))」(2016年10月)に定義されている。水和物は、溶媒が水である場合に形成される。あるいはアルコラートは溶媒がアルコールである場合に形成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、化合物1は、非晶質相、結晶形態、粉砕形態及びナノ微粒子を含むがこれらに限定されない種々の形態で調製される。
【0033】
方法
約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法が本明細書にて開示される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドのトルエンスルホン酸塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドの硫酸塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミドの塩酸塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。
【0034】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド遊離塩基を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。
【0035】
いくつかの実施形態では、国内又は国際的に認められた医療コンソーシアムなど、治療効果は確立した又は提案された医療規格により測定される1つ以上の応答基準の達成を含む。例示的な規格としては、AMLの2017 European LeukemiaNet(ELN)応答基準(Dohner et al.(2017),Blood Vol.129(4)424-427)、MDSの2006 revised International Working Group(IWG)(Cheson et al.(2006),Blood Vol.108(2),419-25)、成人における骨髄異形/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)の均一応答基準の国際コンソーシアムによる提案(Savona et al.Blood(2015),Vol.125(12),1857-65)が挙げられており、参照Tefferi et al.Blood(2013),Vol.122(8),1395-98もまた参照されたい。
【0036】
いくつかの実施形態では、約25mg~約1000mg、約25mg~約750mg、約25mg~約500mg、約25mg~約350mg、約25mg~約300mg、約25mg~約200mg、約25mg~約175mg、約50mg~約1000mg、約50mg~約750mg、約50mg~約500mg、約50mg~約350mg、約50mg~約175mg、約50mg~約300mg、約50mg~約200mg、75mg~約1000mg、約75mg~約750mg、約75mg~約500mg、約75mg~約350mg、約75mg~約175mg、約75mg~約300mg、約75mg~約200mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約750mg、約100mg~約500mg、約100mg~約350mg、又は約100mg~約175mg、約100mg~約300mg、約100mg~約200mg、約300mg~約1000mg、約300mg~約750mg、約300mg~約500mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約1000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約750mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約500mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約350mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約175mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約50mg~約1000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約50mg~約750mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約50mg~約500mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約50mg~約350mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約50mg~約175mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約75mg~約1000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約75mg~約750mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約75mg~約500mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約75mg~約350mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約75mg~約175mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約100mg~約1000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約100mg~約750mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約100mg~約500mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約100mg~約350mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約100mg~約175mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。
【0037】
いくつかの実施形態では、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約275mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、又は約1000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法が本明細書にて説明される。いくつかの実施形態では、約25mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約50mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約75mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約100mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約125mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約150mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約175mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約200mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約250mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約275mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約300mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約350mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約400mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約450mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約500mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約600mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約700mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約800mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約900mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約1000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法である。
【0038】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象の、充実性腫瘍、転移性充実性腫瘍、進行性転移性充実性腫瘍、リンパ腫及び進行性リンパ腫からなる群から選択されるがんを処置する方法が本明細書にて説明される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象の充実性腫瘍といったがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象の転移性充実性腫瘍といったがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象の進行性転移性充実性腫瘍といったがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のリンパ腫といったがんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、がんは進行性リンパ腫である。
【0039】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはbcr-abl陰性の骨髄性腫瘍である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、MDS/MPN-RS-T、分類不能なMDS/MPNなどの骨髄異形成/骨髄増殖性重複腫瘍(MDS/MPN)、CMML-1及びCMML-2などの慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、多発性骨髄腫、骨髄腫、アミロイドーシス、原発性マクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫としても知られている)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、Bリンパ芽球性白血病、Tリンパ芽球性白血病、リンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞急性リンパ芽球性リンパ腫、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫、バーキット白血病/リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞NHL、濾胞性リンパ腫、濾胞辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)、ダブルヒット/トリプルヒットB細胞リンパ腫、CES-NOS及び分類不能なMPNを含む骨髄増殖性腫瘍(MPN)、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、骨髄線維症、慢性好中球性白血病(CNL)、原発性骨髄線維症、多血後骨髄線維症、本態性血小板血症後骨髄線維症、多血後/本態性血小板血症後骨髄線維症、骨髄線維症からPV及びETの予後モデル[myelofibrosis secondary to PV and ET-prognostic model、MYSEC-PM]、慢性骨髄性白血病(CML)、芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)、M3 AML、及び急性前骨髄球性白血病(APL)から選択される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは骨髄異形成症候群(MDS)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは骨髄異形成/骨髄増殖性重複腫瘍(MDS/MPN)である。いくつかの態様では、MDS/MPNはMDS/MPN-RS-T又は分類不能なMDS/MPNである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。いくつかの態様では、CMMLはCMML-1又はCMML-2である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは非定型慢性骨髄性白血病(aCML)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは骨髄腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはアミロイドーシスである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは原発性マクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫としても知られている)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはBリンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはTリンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはB細胞急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはT細胞急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはB細胞急性リンパ芽球性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはT細胞急性リンパ芽球性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量
で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはバーキット白血病/リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは慢性リンパ性白血病(CLL)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは小リンパ球性リンパ腫(SLL)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはB細胞NHLである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは濾胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは濾胞辺縁帯リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはマントル細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはびまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはダブルヒット/トリプルヒットB細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは骨髄増殖性腫瘍(MPN)である。いくつかの態様では、MPNはCES-NOS又は分類不能なMPNである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは本態性血小板血症(ET)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは真性多血症(PV)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは骨髄線維症である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは原発性骨髄線維症である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは原発性骨髄線維症である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは多血後骨髄線維症又は本態性血小板血症後骨髄線維症である。いくつかの態様では、骨髄線維症は多血後/本態性血小板血症後骨髄線維症、骨髄線維症からPV及びETの予後モデル[MYSEC-PM]である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは慢性骨髄性白血病(CML)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは慢性好中球性白血病(CNL)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんはM3 AMLである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、血液がんの処置を必要とする対象の血液がんを処置する方法であり、この場合、血液がんは急性前骨髄球性白血病(APL)である。
【0040】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは再燃AML、再発AML、難治性AML、又はこれらのいずれかの組合せである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは再燃リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは再発リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは難治性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは再燃AML、再発AML、難治性AMLのいずれかの組合せである。
【0041】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLはde novoAML、治療関連AML、及び骨髄異形成症候群関連の変化を有するAML(MRCを伴うAML)を含む二次性AML、急性混合型白血病(分化系統不明瞭な急性白血病とも称される)、又は再発性異常を伴うAMLである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLはde novoAMLである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは治療関連AML及び骨髄異形成症候群関連の変化を有するAML(MRCを伴うAML)を含む二次性AMLである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは骨髄異形成症候群関連の変化を有するAML(MRCを伴うAML)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは急性混合型白血病(分化系統不明瞭な急性白血病とも称される)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは再発性異常を伴うAMLである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは治療につながる変異を有するAMLである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、AMLは治療につながる変異を有さないAMLである。
【0042】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは再燃性MDS又は難治性MDSである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは改訂国際予後予測スコアリングシステム(IPSS-R)によって低リスクMDSであると分類される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは改訂国際予後予測スコアリングシステム(IPSS-R)によって中リスクMDSであると分類される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは改訂国際予後予測スコアリングシステム(IPSS-R)によって高リスクMDSであると分類される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは改訂国際予後予測スコアリングシステム(IPSS-R)によって非常に高いリスクを伴うMDSであると分類される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することに含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは、単一血球系統の異形成を伴ったMDS(MDS-SLD)、多血球系異形成を伴ったMDS(MDS-MLD)、環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS)、単一血球系統の異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-SLD)、環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS)、多血球系異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-MLD)、芽球増加を伴うMDS1及び/又は芽球増加を伴うMDS2(MDS-EB-1、MDS-EB-2)、分類不能なMDS(MDS-U)及び単独欠失(5q)を伴うMDSからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは単一血球系統の異形成を伴ったMDS(MDS-SLD)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは多血球系異形成を伴ったMDS(MDS-MLD)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは単一血球系統の異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-SLD)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは多血球系異形成を伴った環状鉄芽球を伴うMDS(MDS-RS-MLD)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは芽球増加を伴うMDS1及び/又は芽球増加を伴うMDS2(MDS-EB-1、MDS-EB-2)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは分類不能なMDS(MDS-U)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、MDSは単独欠失(5q)を伴うMDSである。
【0043】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、対象は、対象の突然変異又は細胞遺伝学的状態に関係なく処置される。
【0044】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は、完全寛解、微小残存病変を伴わない完全寛解、造血機能の回復が不十分な完全寛解、形態学的芽球消失又は部分寛解、血液学的改善、細胞遺伝学的完全奏効、輸血非依存性、赤血球輸血非依存性若しくは血小板輸血非依存性、又は幹細胞移植の適格性を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は完全寛解を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は部分寛解を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は血液学的改善を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は細胞遺伝学的完全奏効を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は輸血非依存性を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は赤血球輸血非依存性又は血小板輸血非依存性を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は幹細胞移植の適格性を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は全生存率の増加、無再発生存期間の増加、無イベント生存率の増加、奏効期間の増加、又は再発の累積罹患の低下を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は全生存率の増加を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は無再発生存期間の増加を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は無イベント生存率の増加を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は奏効期間の増加を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、治療効果は再発の累積罹患の低下を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は、(a)対象への4日連続の薬物投与、続いて3日連続の投与なし、(b)対象への5日連続の薬物投与、続いて2日連続の投与なし、(c)週1回の投与、又は(d)週2回の投与を含むレジメンで投与される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は、(a)対象への4日連続の薬物投与、続いて3日連続の投与なし、を含むレジメンで投与される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は、5日連続の対象への薬物投与、続いて2日連続での非投与を含むレジメンで投与される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は、週1回の投与を含むレジメンで投与される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は、週2回の投与を含むレジメンで投与される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、投与レジメンは繰り返される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は、各サイクルの1~4日目、8~11日目、15~18日目及び22~25日目の投与を含む28日サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は、各サイクルの1~4日目、8~11日目、15~18日目及び22~25日目の投与を含む28日サイクルで投与され、28日サイクルは少なくとも1回繰り返される。
【0047】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は投与の日に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又は薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は投与の日に1日2回投与される。
【0048】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は経口投与される。
【0049】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を必要とする対象のMDSを処置する方法であり、この場合、医薬組成物は錠剤又はカプセルとして投与される。
【0050】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、急性骨髄性白血病(AML)の処置を必要とする対象のAMLを処置する方法であり、この場合、ABL1、ASXL1、BCOR、BCORL1、BCR、BRAF、CALR、CBFB、CBL、CBLB、CDKN2A、CEBPA、CSF3R、CUX1、DEK、DNMT3A、ETV6、EZH2、FBXW7、FLT3、GATA1、GATA2、GNAS、HRAS、IDH1、IDH2、IKZF1、JAK2、JAK3、KDM6A、KIT、KMT2A、MECOM(EVI1)、MLL、MLLT3、MPL、MYD88、MYH11、NOTCH1、NPM1、NUP214、NRAS、PDGFRA、PHF6、PTEN、PTPN11、RAD21、RUNX1、SF3B1、SRSF2、SMC1A、SMC3、STAG2、TET2、TP53、U2AF1、WT1、及びZRSR2からなる群から選択される遺伝子座又は複数の遺伝子座の1つ以上の突然変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、ABL1、ASXL1、BCOR、BCORL1、BCR、BRAF、CALR、CBFB、CBL、CBLB、CDKN2A、CEBPA、CSF3R、CUX1、DEK、DNMT3A、ETV6、EZH2、FBXW7、FLT3、GATA1、GATA2、GNAS、HRAS、IDH1、IDH2、IKZF1、JAK2、JAK3、KDM6A、KIT、KMT2A、MECOM(EVI1)、MLL、MLLT3、MPL、MYD88、MYH11、NOTCH1、NPM1、NUP214、NRAS、PDGFRA、PHF6、PTEN、PTPN11、RAD21、RUNX1、SF3B1、SRSF2、SMC1A、SMC3、STAG2、TET2、TP53、U2AF1、WT1、及びZRSR2からなる群の2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個以上の遺伝子座に突然変異を有する。
【0051】
治療効果
本明細書での方法は、処置される対象に治療効果を提供するために1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド(化合物1)又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む。治療効果は、処置されるがんのタイプ並びに処置される対象、がんのステージ、対象の前処置及び他の健康因子に依存し得る。本明細書でのいくつかの実施形態では、処置されるがんは、AML又はMDSなどの血液がんを含み、治療効果は、完全寛解、微小残存病変を伴わない完全寛解、造血機能の回復が不十分な完全寛解、形態学的芽球消失又は部分寛解、血液学的改善、細胞遺伝学的完全奏効、輸血非依存性、赤血球輸血非依存性、血小板輸血非依存性、又は幹細胞移植の適格性のうちの1つである。いくつかの実施形態では、治療効果は、1つ以上の全生存率の増加、無再発生存期間の増加、無イベント生存率の増加、奏効期間の増加若しくは再発の累積罹患の低下を含む、又は1つ以上の全生存率の増加、無再発生存期間の増加、無イベント生存率の増加、奏効期間の増加若しくは再発の累積罹患の低下である。
【0052】
併用療法
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はDNA傷害剤、脱メチル化剤、DNA合成を妨げる薬剤、又はDNA複製を妨げる薬剤である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はDNA傷害剤である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は脱メチル化剤である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はDNA合成を妨げる薬剤である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はDNA複製を妨げる薬剤である。
【0053】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はデシタビン、アザシチジン又はシタラビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はデシタビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はアザシチジンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はシタラビンである。
【0054】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は、7日間のシタラビン並びにダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン及びミトキサントロンから選択される3日間のアントラサイクリン抗生物質を含む7+3レジメンで投与されるシタラビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は、7日間のシタラビン並びに3日間のアントラサイクリン抗生物質を含む7+3レジメンで投与されるシタラビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は、7日間のシタラビン並びに3日間のダウノルビシンを含む7+3レジメンで投与されるシタラビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は、7日間のシタラビン並びに3日間のドキソルビシンを含む7+3レジメンで投与されるシタラビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は、7日間のシタラビン並びに3日間のイダルビシンを含む7+3レジメンで投与されるシタラビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は、7日間のシタラビン並びに3日間のミトキサントロンを含む7+3レジメンで投与されるシタラビンである。
【0055】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はチロシンキナーゼ阻害薬である。
【0056】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はDNA損傷修復阻害薬である。
【0057】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はATM、ATR、PARP、又はChk1の阻害薬である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はATMの阻害薬である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はATRの阻害薬である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)の阻害薬である。方法のいくつかの実施形態では、PARP阻害薬はタラゾパリブ又はその類似体を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はChk1の阻害薬である。
【0058】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はプロテアソーム阻害薬である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はVelcade(ボルテゾミブ)である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はKyprolis(カルフィルゾミブ)である。
【0059】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はレナリドミド、デキサメタゾン、又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はレナリドミドである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はデキサメタゾンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はレナリドミドとデキサメタゾンの組合せである。
【0060】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は、FLT3阻害薬、IDH1阻害薬、IDH2阻害薬、ヘッジホッグ経路阻害薬、抗CD33抗体、プリン類似体及びBcl-2阻害薬から選択される。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はFLT3の阻害薬である。方法のいくつかの実施形態では、FLT3阻害薬はギリテリチニブ又はその類似体を含む。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はIDH1の阻害薬である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はIDH2の阻害薬である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はヘッジホッグ経路阻害薬の阻害薬である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はヘッジホッグ経路阻害薬の阻害薬であり、この場合、ヘッジホッグ経路阻害薬はグラスデギブである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は抗CD33抗体である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は抗CD33抗体であり、この場合、抗CD33抗体はゲムツズマブオゾガマイシンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はプリン類似体である。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はプリン類似体であり、この場合、プリン類似体はフルダラビンである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はBcl-2の阻害薬である。方法のいくつかの実施形態では、Bcl-2阻害薬はBH3ミメティックである。いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はBcl-2阻害薬であり、この場合、Bcl-2阻害薬はベネトクラクスである。
【0061】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬はがん免疫治療薬である。
【0062】
いくつかの実施形態では、約25mg~約2000mgの用量で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与し、それによって対象が治療効果を経験することを含む、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であり、この場合、処置は第2の治療薬の投与を更に含み、第2の治療薬は免疫調節薬である。
【0063】
投与量
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する、化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、又は約500mgであり、その中には増加分を含む。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、又は約750mgであり、その中には増加分を含む。
【0064】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約1500mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約1000mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約750mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約500mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約450mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約400mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約375mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約350mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約325mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約300mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約275mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約250mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約225mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約200mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約175mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約150mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約125mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約100mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約75mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約25mg~約50mgである。
【0065】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約1000mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約750mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約500mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約450mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約400mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約350mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約300mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約250mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約200mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約150mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約125mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約100mgである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、約50mg~約75mgである。
【0066】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は経口投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は食物と共に投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は食物なしで投与される。
【0067】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は1日に1回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は1日に2回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は1日3回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は1日4回投与される。
【0068】
いくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、連続投与間の数日間の期間の治療「休日」を設けて投与される。例えば、化合物1の用量は1~7日間(「オン」の日)にわたって投与され、次に1~7日間の期間が「休日」であり、この時には化合物1は対象に投与されない(「オフ」の日)。いくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は、4日間オン/3日間オフ、5日間オン/3日間オフ、5日間オン/2日間オフ、又は4日間オン/2日間オフとして投与される。いくつかの実施形態では、オン/オフ投与のサイクルが繰り返され、化合物1の投与は2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル以上のオン/オフスケジュールで投与される。
【0069】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は2日ごとに1回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は3日ごとに1回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は4日ごとに1回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は5日ごとに1回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は6日ごとに1回投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は週に1回投与される。
【0070】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、必要とする対象に投与され、それによって対象が治療効果を経験する化合物1又はその薬学的に許容される塩の用量は4日間投与され、3日間投与なしで投与される。
【0071】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対象は少なくとも1つの事前治療を受ける。
【0072】
医薬組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド医薬組成物は、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、固体剤形で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、固体剤形で、結晶性1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、固体剤形で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含み、この場合、固体剤形は、粉末、錠剤、かみ砕き崩壊錠(bite-disintegration tablet)、チュアブル錠、カプレット、カプセル、ジェルキャップ、発泡性粉末、急崩壊錠剤、乱用防止錠剤、放出調節錠剤、放出調節カプレット、放出調節カプセル及び粉末から製造された水性懸濁液から選択される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、固体剤形で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含み、この場合、固体剤形はカプセルである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、固体剤形で、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含み、この場合、固体剤形は錠剤である。
【0073】
賦形剤
本明細書に説明される1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド医薬組成物中で使用するための好適な任意の賦形剤は、薬学にて一般に使用される賦形剤のいずれかを含み、有効医薬品との適合性及び所望の剤形の放出プロファイル特性に基づいて選択される。賦形剤としては、結合剤、充填剤、流動助剤、崩壊剤、潤滑剤、滑剤、高分子担体、可塑剤、安定剤、界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に説明される賦形剤の概説は、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;and Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins,1999)に見ることができ、これらの全体は本明細書に援用される。
【0074】
充填剤又は希釈剤は、医薬組成物の嵩を増大させる。かかる化合物としては例えば、乳糖;デンプン;マンニトール;ソルビトール;デキストロース;Avicel(登録商標)などの微結晶セルロース;ProSolv(登録商標)HD90などのケイ酸処理微結晶セルロース、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム;無水乳糖;噴霧乾燥乳糖;アルファ化デンプン(pregelatinzed starch);Di-Pac(登録商標)(Amstar)などの精製白糖;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;スクロース系希釈剤;粉糖;一塩基性硫酸カルシウム一水和物;硫酸カルシウム二水和物;乳酸カルシウム三水和物;デキストレーツ;加水分解穀物固体;アミロース;粉末セルロース;炭酸カルシウム;グリシン;カオリン;塩化ナトリウム;イノシトール;ベントナイトなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は2種類の充填剤を含む。本明細書に説明される医薬組成物のいくつかの実施形態では、第1の充填剤及び第2の充填剤は、乳糖、マンニトール、リン酸水素カルシウム、微結晶セルロース、ケイ酸処理微結晶セルロース及びアルファ化デンプン(デンプン1500)から選択される。本明細書に説明される医薬組成物のいくつかの実施形態では、第1の充填剤及び第2の充填剤は、乳糖、マンニトール、微結晶セルロース及びケイ酸処理微結晶セルロースから独立して選択される。
【0075】
結合剤は、固体の経口剤形組成物に凝集性を付与する。粉末で充填されたカプセル製剤については、結合剤によってソフト又はハードカプセルに充填することができる詰め物の形成が支援され、錠剤形成については、これらによって錠剤は確実に打錠後に変質しない状態となり、打錠工程又は充填工程前のブレンドの均一性の保証を支援する。本明細書に説明される固体剤形での結合剤としての使用に好適な物質としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Hypromellose USP Pharmacoat-603)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートステアラート(Aqoate HS-LF及びHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、ProSolv(登録商標)HD90などのケイ酸処理微結晶セルロース、微結晶デキストロース、アミロース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、酸性多糖、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、アルファ化デンプン、トラガカント、デキストリン、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、モラセス、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、ラクトース、アカシア、トラガカント、ガッチガム、サイリウムの粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン(例えば、Povidone(登録商標)CL,Kollidon(登録商標)CL,Polyplasdone(登録商標)XL-10及びPovidone(登録商標)K-12)、カラマツアラビノガラクタン、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどの天然又は合成ゴムが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、結合剤はヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロースである。
【0076】
滑剤は、粉末混合物の流動特性を向上させる。かかる化合物としては、例えばCab-o-sil(登録商標)などのコロイド状二酸化ケイ素;リン酸三カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、DL-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、カオリン及び微粒子化非晶質二酸化ケイ素(Syloid(登録商標))などが挙げられる。本明細書に説明される医薬組成物のいくつかの実施形態では、滑剤はコロイド状二酸化ケイ素又はタルクである。いくつかの実施形態では、滑剤はタルクである。いくつかの実施形態では、滑剤はコロイド状二酸化ケイ素である。
【0077】
潤滑剤は、物質の粘着又は摩擦を防止し、低下し、又は阻害する化合物である。例示的な潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸;水酸化カルシウム、タルク;パラフィン;鉱油などの炭水化物又は水添大豆油(Sterotex(登録商標))、Lubritab(登録商標)、Cutina(登録商標)などの水添植物油;高級脂肪酸及びアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのそれらのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、グリセロール、タルク、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、酢酸ナトリウム、ロイシン、Carbowax(商標)といったポリエチレングリコール又はメトキシポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル(Compitrol 888(登録商標))、パルミトステアリン酸グリセリル(Precirol(登録商標))、Syloid(商標)、Carb-O-Sil(登録商標)などのコロイド状シリカ、トウモロコシデンプンなどのデンプン、シリコーン油、界面活性剤などが挙げられる。親水性潤滑剤としては、例えばフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV(登録商標)の商標名で現在市販されている)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate、SLS)、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。本明細書に説明される医薬組成物のいくつかの実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はフマル酸ステアリルナトリウムである。いくつかの実施形態では、潤滑剤はステアリン酸である。いくつかの実施形態では、潤滑剤はフマル酸ステアリルナトリウムである。いくつかの実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0078】
崩壊剤は、投与後の医薬製剤の分解又は崩壊を促進させる。崩壊剤の例としては、例えばトウモロコシデンプン又はジャガイモデンプンなどの天然デンプン、National 1551若しくはAmijel(登録商標)などのアルファ化デンプン、又はPromogel(登録商標)若しくはExplotab(登録商標)などのデンプングリコール酸ナトリウム;木製品などのセルロース、例えばAvicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)及びSolka-Floc(登録商標)などの微結晶セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース若しくは架橋クロスカルメロースなどの架橋セルロース;デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋ポリビニルピロリドン;アルギン酸などのアルギナート又はアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩;Veegum(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)などのクレイ;アガー、グアー、ローカスト、カラヤ、ペクチン又はトラガカントなどのガム;デンプングリコール酸ナトリウム;ベントナイト;天然海綿;陽イオン交換樹脂などの樹脂;柑橘パルプ;ラウリル硫酸ナトリウム;デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。本明細書に説明される医薬組成物のいくつかの実施形態では、崩壊剤はポビドン、クロスポビドン、ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコールから選択される。いくつかの実施形態では、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。いくつかの実施形態では、崩壊剤はポリビニルアルコールである。いくつかの実施形態では、崩壊剤はヒドロキシプロピルセルロースである。いくつかの実施形態では、崩壊剤はヒプロメロースである。いくつかの実施形態では、崩壊剤はポビドンである。いくつかの実施形態では、崩壊剤はクロスポビドンである。
【0079】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、1種以上のpH調整剤又は緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、アセタート、カルボナート、ホスファート、シトラート及びグルタマートから選択される緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、リン酸二水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム及びリン酸水素二ナトリウムから選択される。いくつかの実施形態では、緩衝剤は許容できる範囲に医薬製剤のpHを維持するのに必要な量で含まれる。
【0080】
いくつかの実施形態では、フィルムコーティングは医薬組成物のまわりに設けられる。いくつかの実施形態では、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩のコーティングは、即放性コーティングである。いくつかの実施形態では、即放性コーティングは、可塑剤と共に、又は可塑剤なしで、界面活性剤及び消泡剤(透明又は着色済又は染色済)と共に、又はこれらなしで、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。いくつかの実施形態では、1-(4-(ベンジルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩のコーティングは、防湿層を有する即放性コーティングである。いくつかの実施形態では、フィルムコーティングはオパドライAMB II Beigeである。いくつかの実施形態では、防湿層を有する即放性コーティングは、可塑剤と共に、又は可塑剤を含まずに、かつ界面活性剤及び消泡剤(透明又は着色済又は染色済)と共に、又は界面活性剤を含まずにポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)を含む。いくつかの実施形態では、組成物を粒子に調合し(例えばカプセルで投与するため)、粒子の一部又は全てをコーティングする。いくつかの実施形態では、組成物を粒子に製剤化し(例えばカプセルで投与するため)、粒子の一部又は全てをマイクロカプセルに封入する。いくつかの実施形態では、組成物を粒子に製剤化し(例えばカプセルで投与するため)、粒子の一部又は全てをマイクロカプセルに封入せず、コーティングしない。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物は、パルス剤形を用いて送達される。パルス剤形によって、制御されているラグタイム後の所定の時点で、又は特定の部位にて1回以上の即放性パルスを提供することが可能である。他の多くの種類の制御放出系が当業者に知られており、これは本明細書に説明される組成物と共に使用するのに好適である。かかる放出系の例としては、例えばポリ乳酸及びポリグリコール酸、ポリ酸無水物及びポリカプロラクトンなどのポリマーベースの系;多孔質母材、コレステロール、コレステロールエステル及び脂肪酸などのステロール、又はモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドなどの中性脂肪を含む、脂質である非ポリマーベースの系;ヒドロゲル放出系;シラスティック系;ペプチドベースの系;ワックスコーティング、生体内崩壊性剤形、従来の結合剤を使用した打錠済み錠剤などが挙げられる。例えば、Liberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms,2Ed.,Vol.1,pp.209-214(1990)、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.751-753(2002)、米国特許第4,327,725号、同4,624,848号、同4,968,509号、同5,461,140号、同5,456,923号、同5,516,527号、同5,622,721号、同5,686,105号、同5,700,410号、同5,977,175号、同6,465,014号及び同6,932,983号を参照されたい。
【0082】
安定剤としては、例えばブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)、アスコルビン酸ナトリウム及びトコフェロールといった抗酸化剤のいずれかなどの化合物;緩衝剤、酸などが挙げられる。
【0083】
界面活性剤としては、こうしたポリソルベート、ポロキサマー、バイルソルツ、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、酸化エチレンと酸化プロピレンのコポリマー及びd-α-トコフェリルポリエチレングリコールコハク酸(ビタミンE、TPGS)といった化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、界面活性剤はPEG4000、PEG6000、ポロキサマー6200及びKolliphor P407 microから選択される。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポロキサマーである。いくつかの実施形態では、界面活性剤はKolliphor P407 microである。
【0084】
上述の賦形剤は、例としてのみ与えられており、可能な全ての選択肢を含むことを意味するわけではない。他の好適な賦形剤クラスは、着色剤、造粒剤、保存剤、消泡剤、可塑剤などを含む。更には、多くの賦形剤は2つ以上の役割又は機能を有し、あるいは2つ以上の群に分類可能である。分類は説明用に過ぎず、特定の賦形剤の使用のいずれもを制限しようと意図したものではない。
【0085】
キット/製造品
本明細書に説明される方法で使用するため、キット及び製造品もまた本明細書に説明される。かかるキットは、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器(container)を受容するように区画を分けられている容器(carrier)、パッケージ又は入れ物を含み、1つ以上の容器のそれぞれは、本明細書に説明される方法で使用される別個の要素のうちの1つを含む。好適な容器としては例えば、ボトル、バイアル、シリンジ及び試験管が挙げられる。一実施形態では、容器はガラス又はプラスチックなどの種々の物質から形成される。
【0086】
本明細書にて提供される製造品はパッケージ材料を含む。医薬品の包装に使用するためのパッケージ材料としては、例えば米国特許第5,323,907号が挙げられる。医薬用パッケージ材料の例としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル並びに選択される製剤及び投与及び処置の意図する様式に好適なパッケージ材料のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される化合物1の医薬組成物は、有効成分を含有する1つ以上の単位剤形を含有し得るパッケージ又はディスペンサデバイスにて提供される。本明細書に説明される化合物1の医薬組成物は単独でパッケージされ、あるいは別の化合物又は別の成分若しくは添加剤と共にパッケージされる。いくつかの実施形態では、パッケージは、医薬組成物の成分のうち1つ以上で充填される1つ以上の容器を含有する。いくつかの実施形態では、パッケージはブリスターパックなど、金属箔又はプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、パッケージ又はディスペンサには、医薬の製造、使用又は販売を規制する行政機関により規定される形態にて容器に付随する形で通知が同封される。この通知は、ヒト又は獣医学的な投与のための薬物形態の承認を反映している。いくつかの実施形態では、こうした通知は例えば、処方薬に関して、米国食品医薬品局によって承認されるラベル又は認可された製品への挿入物である。
【0088】
キットは、内容物及び/又は使用説明書を列挙するラベル並びに使用説明書を含む添付文書を典型的には含む。一連の説明もまた典型的には含まれる。
【0089】
一実施形態では、ラベルは容器上にある、あるいは容器に付随している。一実施形態では、ラベルを形成する文字、数字又は他の文字が容器自体に添付、成形又は書き入れられる場合にはラベルは容器上にあり、ラベルが、例えば添付文書として容器もまた保持する入れ物又は容器内に提示される場合には、これは容器に付随する。一実施形態では、ラベルは、内容物が特定の治療用途に使用されなければならないと示すために使用される。ラベルはまた、本明細書に説明される方法でなど、内容物の使用に関する指示を示す。
【実施例】
【0090】
略語一覧
本発明の説明を通して使用される場合、以下の略語は、別の場合を指示しない限り、以下の意味を有すると理解される:
AML=急性骨髄性白血病、AUC∞=0から24時間時点の血漿濃度-時間曲線下面積;AUC0-t=0から定量可能な最終評価時期の濃度-時間曲線下面積;Cmax=最大観察血漿濃度;CR=完全寛解;CRi=造血機能の回復が不十分な完全寛解;DoCR=完全寛解/造血機能の回復が不十分な完全寛解の期間;DoR=寛解期間;ELN=European LeukemiaNet;IWG=International Working Group;MTD=最大耐用量;MDS=骨髄異形成症候群;PD=薬力学的;PK=薬物動態的;PR=部分寛解;RP2D=推奨される第II相用量;RR=再燃/難治性;t1/2=半減期;tmax=最大濃度までの時間。
【0091】
I.化学合成
実施例1:化合物1の調製
化合物1の調製は、米国特許第9,828,363号に開示されており、その内容全体が援用される。
【0092】
II.生物学的データ
実施例2:p97阻害アッセイ
p97アッセイは、p97複合体に対する化合物の阻害活性を決定するために使用されるアッセイである。p97プロテオソーム複合体の活性の阻害によりアポトーシスが可能になり、腫瘍細胞(がん細胞)の排除が引き起こされる。アッセイはNat.Cell Biol.,(2011)14:93中のChristiansonのアッセイに従う。p97アッセイに使用される試薬は、50mM TRIS(pH7.5)、20mM MGCl、0.02%のTX-100、1mM DTT及び0.2%(v/v)グリセロールの混合物であるアッセイ緩衝剤を含む。ウェルプレートは、Corning 3674、384ウェルプレートである。同定キットはADP gloキット(Promega)、すなわち停止緩衝剤、検出試薬である。
【0093】
アッセイは、以下のように実施される:
-1:3.33倍で10回段階希釈にてDMSO中で化合物を段階希釈する。
-384ウェルプレートの各ウェルに、以下の試薬を加える:
DMSO(最終濃度10%)で段階希釈した0.5μLの化合物
2μLのATP(最終濃度=20μM、アッセイ緩衝剤で希釈)
2.5μLのp97(最終濃度=20nM、アッセイ緩衝剤で希釈)
-37℃で15分インキュベートする。
-5μLの停止緩衝剤を加え、RTで40分間インキュベートする。
-10μLの検出試薬を加え、RTで30分間インキュベートする。
-Envisionプレートリーダで発光を読み取る。
【0094】
発光読取り値からデータを取得すると、データは以下のように解析され得る:
-酵素(完全阻害)及び化合物(阻害なし)コントロールを使用しない発光データを正規化する。
対数変換した濃度値に対する正規化した発光データのグラフを表示し、シグモイド曲線に当てはめ、IC50値を決定する(Collaborative Drug Discoveryソフトウェアを決定する。
【0095】
上記アッセイで試験した場合、化合物1は、30nM未満でのp97のIC50について、p97を阻害する能力を実証する。
【0096】
実施例3:ヒト急性骨髄性白血病の30継代1(P1)モデルにおける化合物1のエクスビボ評価
急性骨髄性白血病(AML)は、成人では最も一般的な急性白血病である。血液がんという疾患は、複数のサブタイプを有する非常に不均一なものである。約30%のAML症例は、高い再燃リスクを伴いつつ、疾患を高度に増殖させ、かつより悪性度を高くするFLT3/ITD突然変異を内部に有している。FLT3/ITD突然変異AMLは、多数のFLT3阻害薬を用いて首尾よく標的化される。ただし、臨床応答持続期間は抵抗性の迅速な発生によって全体的に短時間である。この試験の目的は、Cell Titer Gloによりヒト急性骨髄性白血病の30継代1(P1)モデルにおける、単独薬剤としての化合物1又は500nM デシタビン、22nM シタラビン、8nM ギリテリチニブ若しくは8nM ベネトクラクスと組み合わせた化合物1の細胞傷害性を評価することであった。
【0097】
単独薬剤としての化合物1は、2回反復して5つの濃度で試験された。更に、一定濃度のデシタビン(500nM)、シタラビン(22nM)、ギリテリチニブ(8nM)、又はベネトクラクス(8nM)と組み合わせて、5つの濃度(5000nM、1667nM、556nM、185nM、62nM、0nM)で化合物1を試験した。培地のみの3連ウェル及びビヒクル(0.2%DMSO)の2連ウェルをネガティブコントロールとして使用した。シタラビン(5μM)を含む3連ウェルをアッセイのポジティブコントロールとして使用した。増殖を測定するため、Cell Titer Gloにより0日目及び6日目の未処置の細胞を評価した。
【0098】
プロトコル:
1.AML細胞を解凍し、StemSpan(商標)無血清増殖培地(Serum-Free Expansion Media、SFEM)、2%の熱不活性化FBS、StemSpan(商標)CC110及び組換えヒトIL-3から構成される濃縮培地中に再懸濁した。
2.100μLの体積中、ウェルあたり20,000個の細胞を試験0日目に播種した。
3.用量あたり、対応する単独薬剤のウェルに100μLの化合物1(2倍溶液)、デシタビン、シタラビン、グリテリチニブ又はベネトクラクス(2倍溶液)を加えた。対応する組合せのウェルに50μLの化合物1(4倍溶液)と50μLのデシタビン、シタラビン、グリテリチニブ又はベネトクラクス(4倍溶液)を加えた。
4.薬物が存在する状態で細胞を6日間インキュベートした。
5.6日目にインキュベータからプレートを取り外し、室温で20分間平衡化した。各ウェルに100μL/ウェルのCell Titer Gloを加え、10分間インキュベートした後、プレートを読み取った。
6.Tecan Infinite M Plexプレートリーダを使用し、発光を記録した。
【0099】
単独薬剤としての化合物1及び標準治療薬と組み合わせた化合物1のIC50を表1に示す。30AMLモデルの遺伝子突然変異を表2に示す。単独薬剤としての化合物1は、これらのモデルの約200~800nMの範囲のIC50では広範にわたる有効性を示した。デシタビン(500nM)、シタラビン(22nM)、ギリテリチニブ(8nM)、又はベネトクラクス(8nM)と組み合わせた化合物1は、単独での化合物1と比較するとICTG-2227、CTG-2701及びCTG-2704ではシタラビン(22nM)との組合せがIC50の有意な低下をもたらしたことを除いては、単独薬剤としての化合物1と概ね類似するIC50を有した。CTG2704ではギリテリチニブ(8nM)と組み合わせた化合物1もまた、単独での化合物1と比較すると、IC50の有意な低下をもたらした。MV-411細胞株では、デシタビン(500nM)、ギリテリチニブ(8nM)、又はベネトクラクス(8nM)と化合物1との組合せもまた、単独での化合物1と比較すると、IC50の有意な低下をもたらした。
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
実施例4:ヒト肺腺がんA549異種移植片腫瘍白血病の腫瘍増殖における化合物1の効果
ヒトA549肺腺がん異種移植片腫瘍を移植したメスのSCIDベージュマウスでの化合物1の抗腫瘍有効性を調査した(
図1)。具体的には、18日間の期間にわたり、3つの異なる化合物1の有効性の投与レジメンを評価した。群1は、4日間のPOオン、3日間のビヒクルのオフ投与(QD4/3オフ)を受けた。群2は、100mg/kgの化合物1のQD4/3オフ投与を受けた。群3は、150mg/kgの化合物1の隔週(BIW)投与を受けた。群4は、225mg/kgの化合物1の週に1回(1/W)投与を受けた。
【0104】
それぞれ150mg/kgの化合物1をBIW投与した後、2日目及び3日目には、20%の腫瘍増殖阻害(tumor growth inhibition、TGI)といったわずかな抗腫瘍活性及び-1.5%及び-3.9%の名目上の体重減少を観察した。BIW試験コホートでは死亡は観察されなかった。225mg/kgの化合物1の毎週投与により、4日目に31%のTGI及び名目上の-8.1%の体重減少が実証された。1/Wコホートでは死に関連する単独薬物が観察されなかった。
【0105】
61%のTGIをもたらす100mg/kgの化合物1のQD4/3オフ投与では、最も強い抗腫瘍活性を示した。この投与レジメンは、2日目に平均で-7.0%の体重減少及び試験群内での薬物関連死が1件であったことにより、試験全体を通じた忍容性は一般的であった。最後に、55mg/kgのCB-5083のQD4/3オフ投与(1-[7,8-ジヒドロ-4-[(フェニルメチル)アミノ]-5H-ピラノ[4,3-d]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド、対象にて事前に試験した化合物)により33%のTGIがもたらされた。この投与レジメンは、2日目に平均で-7.6%の体重減少及び試験群で観察された薬物関連死がなかったことにより忍容性があった。
【0106】
投与1日目の間、ビヒクル群ではいくらか体重減少が観察され、2日目には平均で-5.4%の体重減少(body weight change、BWC)がもたらされた。8匹の動物のうち、特に同一ケージに収容されている4匹は8%を超えるBWCを経験した。こうした効果は、水痘及び一旦食餌ゲルを取り入れ、それらを水和させた後に回収された動物により引き起こされたものと判定された。観察されたこうした体重減少は腫瘍増殖では明らかな影響を及ぼすことがなく、コントロール群は試験中に計画されたように使用した。
【0107】
実施例5:急性骨髄性白血病の同種異系間播種マウスモデルにおける化合物1の効果
AMLのMLL-AF9同種異系間播種マウスモデルで化合物1を試験した。6週齢のオスのC57BL/6マウス(The Jackson Laboratory)に、尾静脈を介して200,000MLL-AF9細胞を注射した。細胞注射の8日後に開始し、2回の完全サイクル(2週間で合計4回のオン/3回のオフ)にわたり、4日間の「オン」(4日間それぞれで連続して投与される)、続いて3日間の「オフ」(連続して3日間それぞれで投与しない)の投与スケジュールにて、経口胃管栄養により送達される化合物1(90mg/kg)又はビヒクル(0.5%メチルセルロース)を用いてマウスを処置した。
【0108】
フローサイトメトリーを使用し、末梢血中のMLL-AF9細胞の割合(群あたりn=6匹のマウス)をMLL-AF9細胞を注射した12日後に測定した。マウス末梢血、骨髄及び脾臓を各器官から採取し、PBS-0.1%BSA-2mM EDTAで洗浄して赤血球溶解緩衝剤(Sigma)で10分間溶解させた。PBS-0.1%BSA-2mM EDTAで2回洗浄した後、CD45(CD45抗体アルカリホスファターゼ抱合体、Invitrogen)に対応する細胞表面抗体を用いて骨髄細胞を4℃で30分間染色した。続いてPBS-0.1%BSA-2mM EDTAを用いて2回洗浄した後、BD FACSCanto II(BD Biosciences)を用いてCD45+(高)にゲーティングした10,000個の細胞を解析し、AML芽細胞集団を単離した。ビヒクルと比較してマン・ホイットニーのU検定を使用し、統計的有意性を決定した。結果を
図2に示す。エラーバーは平均±SEMを表す。
【0109】
マウスの全生存率を示すカプランマイヤー曲線を
図3に示す。統計的有意性はログランク(マンテル・コックス)検定により決定された。*p<0.05(ビヒクルとの比較による)。化合物1で処置された動物は、ビヒクルコントロールと比較すると循環芽細胞数が減少し(エラー!参照ソースが見つからない)、疾患に罹っているマウスの全生存率を向上させた(
図3)。
【0110】
実施例6:急性骨髄性白血病の同種異系間播種マウスモデルにおけるSOCと組み合わせた化合物1の効果
AMLのMLL-AF9同種異系間播種マウスモデルにて、標準治療の化学療法レジメン(「SOC」又は「Chemo」)と組み合わせた化合物1を試験した。実施例5に説明される通りにMLL-AF9細胞をマウスに注射した。0.5%のメチルセルロースと一緒に(ビヒクル群)、又は4日間オン/3日間オフで50mg/kgの化合物1と一緒に(化合物1群)、又はそれぞれ3日間にわたり0.5mg/kgで、及び5日間にわたり75mg/kgで腹腔内投与されるドキソルビシンとシタラビンと一緒に(Chemo群)、又は化合物1+Chemoの併用処置で、細胞注射の9日後に処置を開始した。MLL-AF9細胞注射の11日後、末梢血中のMLL-AF9細胞の割合(群あたりn=3匹のマウス)をアッセイし、実施例5に説明される通りにグラフにした。
【0111】
結果を
図4に示す。マウス(群あたりn=5)の全生存率を示すカプランマイヤー曲線を
図5に示す。*p<0.05(ビヒクルとの比較による)、#p<0.05(化合物1又はChemo群との比較による)。化合物1+Chemoを用いた処置は、ビヒクルコントロール及び化合物1単独療法と比較すると循環芽細胞数が減少し(
図4)、疾患に罹っているマウスの全生存率を向上させた(
図5)。体重減少をもたらさなかったため、この組合せは忍容性が良好であった。
【0112】
実施例7:再燃/難治性急性骨髄性白血病又は再燃/難治性中リスク若しくは高リスク骨髄異形成症候群に罹患している参加者にて化合物1の安全性及び薬物動態プロファイルを評価するための第I相試験
このファーストインヒューマン(first-in-human、FIH)試験の目的は、R/RS AML又はR/R中リスク~高リスクMDSに罹患している成人参加者での化合物1単独療法の用量漸増の安全性、薬物動態(PK)、予備的な有効性及び薬力学(PD)プロファイルを評価すること及び推奨される第II相用量(RP2D)及び投与スケジュールを明らかにすることである。
【0113】
試験デザイン
これは、R/R AMLに罹患している参加者又はR/R中リスク~高リスクMDSに罹患している参加者で経口投与された化合物1の、複数の医療機関にわたる非盲検第I相試験である。この試験は、1)R/R AML又はR/R中リスク~高リスクMDSに罹患している参加者での用量漸増段階と、2)疾患の寛解につながる可能性がある実施可能な標準治療法が存在しないR/R AMLに罹患している参加者での用量拡大段階との2部を含む。脱メチル化剤後のR/R中リスク~高リスクMDSに罹患している参加者についての追加コホート又は他のAMLコホートをこれよりも後に追加してもよい。
【0114】
試験の両段階中、進行性疾患又は忍容不可能な毒性が発生するまで連続する28日サイクル、4/3スケジュールにて、化合物1をQD経口投与する。初期PK評価に応じてBID投与も試験した。身体検査及び臨床検査を含む安全性評価のため、参加者を定期的に評価した。AMLの2017 European LeukemiaNet(ELN)応答基準又はMDSの2006 revised International Working Group(IWG)応答基準にある通り、腫瘍応答の評価目的を含め、骨髄吸引及び/又は生検を一定間隔で実施した。集中的PK試験及びPDバイオマーカ評価のため、末梢血試料をサイクル1で採取する。患者内用量漸増を受けている任意の参加者に対して、追加の集中的PK試験を収集する。
【0115】
用量漸増段階
この試験は、R/R AML又はR/R中リスク~高リスクMDSに罹患している参加者の最大耐用量(MTD)及び/又は化合物1単独療法のRP2Dを規定するため、加速漸増デザインを使用し、用量漸増段階から開始する。試験のこの部分の間、同意した適格な参加者を化合物1の漸増用量の連続コホートに登録する。6つの計画された投与コホートを有する4/3の毎週の投与スケジュールを使用し、化合物1の出発用量25mgをQD経口投与する(表3)。サイクルは28日からなり、第1のサイクルはDLT観察期間を含む。
【0116】
【0117】
加速段階中の初期用量漸増については、単独-参加者コホートを使用する。いずれかの用量レベルで段階2以上の非血液学的有害事象の第1の例を観察したとき(第1のサイクル中)には、加速段階は終了し、用量漸増を3+3デザインに変更する。上記状況の全てにおいて、非血液学的AEへの言及は、介入研究に関連する可能性があると考えられる全AEを含む。
【0118】
3+3デザインを利用する場合には、(2つのDLTが最初の2名の参加者内で生じない限り)最低3名の参加者を用量コホートに登録する。コホートの最後の参加者が28日間のDLT観察期間(すなわち、サイクル1)を完了した後にDLTが観察されない場合には、この試験は安全性審査に従って用量漸増を次のコホートに進める。第1のサイクル中に3名の参加者のうち1名がDLTを経験する場合には、3名の追加の参加者をそのコホートに登録する。追加の3名の参加者が誰もDLTを経験しない場合には、用量漸増は安全性審査に従って次のコホートに進めてもよい。第1のサイクル中にコホートの2名以上の参加者がDLTを経験する場合には、用量漸増を停止し、次に低い用量レベルをMTDであると宣言する。あるいは、6名の参加者のうち2名未満がこの用量でDLTを経験する場合には、MTDを超過する用量レベルと以前の用量レベルとの中間用量レベルを調査し、MTDを宣言してもよい。MTDコホートが3名のみの参加者を含む場合を想定すると、6名の参加者のうち2名未満がこの用量でDLTを経験するかを確認するために追加の3名の参加者をこの用量レベルに登録する。
【0119】
用量コホートの最後の参加者が処置を開始する際にスクリーニングプロセスに追加の参加者がいる場合には、参加者が最後に登録された参加者の1週間以内に処置を開始し、医用モニターからの承認を受ける限りは、追加の参加者をコホートに登録する。
【0120】
各コホートがDLTウィンドウを完了した後、安全性データ及びいずれかの利用可能なPKデータを評価して用量漸増が発生し得るかどうかを決定し、追加の参加者の用量コホートへの登録、中間用量の評価、又はBID投与の試験を行わなければならない(表4)。中間用量を評価する場合には、更なる用量漸増のため、25mg及び75mgのカプセル強度の利用可能性に基づき適合された修正フィボナッチスキームを考慮しなければならない。100%を超える増加は許容しない。BID投与が利用される場合には、第1のBID投与コホートは、評価される最終QD用量コホートの総用量を超えてはならない。
【0121】
【0122】
潜在的に臨床的に意義のある用量で処置された参加者の数を最適化するため、参加者が現在の用量を忍容し、医用モニターの承認を得た場合には、サイクル1後に参加者内での用量漸増を許可する。用量漸増を予め排除したいずれかの用量レベルに許可する。参加者に関して発生し得る用量漸増の数に制限はない。
【0123】
4/3投与スケジュールについてMTD及び/又はRP2Dを規定した後、代替的な用量スケジュール(例えば、1週間に1回又は1週間に2回)もまた評価してもよい。薬物動態プロファイルにより示される場合、又はMTD若しくは4/3投与スケジュールによるRP2Dを規定する前に、4/3投与スケジュールによる臨床的に有意な毒性(例えば、有意な数の段階2のAE又は試験処置の非忍容性による保留/投与中止)が発生した場合、代替的なスケジュールの評価を早期に開始してもよい。代替的な投与スケジュールは、累積的な安全性及び利用可能なPKデータに基づき規定され、プロトコルに対する正式な改正で概説される。
【0124】
これらの追加の1名以上の参加者/1つ以上のコホートに関する試験手順は、他の試験参加者/コホートについて説明される試験手順と同じものである。
【0125】
RP2Dの選択
試験の用量漸増完了時に、試験の拡大段階のRP2Dの決定に、以下のデータが利用可能である。
・MTD、これは第1のサイクル中の少なくとも6名の参加者のDLTの割合が≦17%である用量として規定される。
・遅延DLT(第1のサイクル終了後に発生するDLT)
・顕著な用量規定毒性
・全体的な安全性プロファイル
・各コホートからの薬物動態
・試験薬物の停止又は用量減少を必要とする参加者の数
【0126】
拡大段階
一旦RP2Dが明らかとなると、安全性を更に確認し、参加者での予備的な活性を評価するため、R/R AMLに罹患しているおよそ38名の追加の参加者のコホートをRP2D(及びスケジュール)で処置する。この試験内の、又は他の非臨床データ若しくは外部データによる、発生データに応じて、治験依頼者は、R/R中リスク~高リスクMDS又はAMLの特定のサブタイプに罹患している参加者について別のコホートの追加を選択する。こうすることで、拡大段階の試料サイズを増加させることができる。
【0127】
合計20名のR/R AMLに罹患している参加者をRP2D及びスケジュールでコホートに登録し、少なくとも2回のサイクルにわたって処置した後、治験依頼者は、AMLの単独療法としての化合物1の開発試験を停止するかどうかを判定するため、予備的な有効性及び安全性データ並びにベネフィット/リスクプロファイルを評価する。仮に、化合物1の単独療法についての無益な閾値を満たしているにもかかわらず、活性を暗示するORR又は他のパラメータが観察される場合には、正式なプロトコル改正による承認された療法と組み合わせた用量漸増及び用量拡大コホートを含んでもよい。
【0128】
介入研究の持続期間
28日間の1回のサイクルにわたり、毎週の4/3スケジュール化合物1をQD経口投与する。安全性及び忍容性について参加者を評価し、サイクル1の完了後にそれらの腫瘍ステータスを評価する。試験療法により許容できない毒性を被らない参加者は、研究療法の第2のサイクルを受けることを許可され、この後に安全性、忍容性及び有効性についてこれらの参加者を再評価する。サイクル2の終了時、許容できない毒性がなく、試験療法からのベネフィットを得ていると医師によって判定される(例えば、MDS参加者については疾患が進行しているという証拠が認められない、又はAMLに罹患している参加者については少なくともPRの証拠が認められない)参加者は、どれが最初に発生したとしても、疾患の進行、許容できない毒性、処置の完了又は投与中止の他の基準を満たさない限りは、試験療法を継続することが認められる。参加者は、処置サイクル最後の28日目の後、30日間(±5日間)の処置終了(EoT)診断のために臨床現場に戻る。
【0129】
処置の終了後、参加者は、更なる追跡調査のための同意を取り消さない限り、3ヶ月(±2週間)ごとの長期間生存追跡調査試験を継続する。
【0130】
参加者
合計でおよそ50~60名の参加者を登録し、用量漸増段階及び用量拡大段階で処置する。この中には、登録及び用量拡大段階での処置を予定するおよそ38名のR/R AML参加者が含まれている。
【0131】
投与
進行性疾患又は忍容不可能な毒性が発生するまで連続する28日サイクル、4/3投与スケジュール(4日間のオン、3日間のオフ)にて、化合物1をQD経口投与する。初期PK評価に応じてBID投与も試験した。
【0132】
基準
選択基準
・男性又は女性であり、同意書署名時の年齢が18歳以上
・以下の進行性血液系腫瘍のうちの1つを含む:
〇用量漸増及び用量拡大:
■2016年のWHO基準(Arber et al.2016)により規定されるような再燃又は難治性AMLであり、かつ同種異系間造血幹細胞移植などの根治療法の候補者ではない、又は医師に従って疾患寛解に至る可能性がある利用可能な標準治療が存在しない参加者
〇用量漸増のみ:
■再発又は難治性の骨髄異形成症候群の予後を評価するための改訂された国際スコアリングシステムによるMDS高リスク~非常に高いリスク又は参加者は、処置する医師に従い、それらの症状(例えば、脱メチル化剤を用いた処置後に再燃する、又は4回のサイクル以上の後に応答がなくなる)にとって臨床的な利益をもたらすことで知られている確立された療法に不忍容性である。中リスクの基準を満たすような潜在的な参加者は、参加者に1つ以上の重篤な血球減少及び/又は骨髄芽細胞数の上昇が存在する場合には、医用モニターによる承認によって考慮される。
・適切な臓器機能は以下のように定義される:
〇1.5mg/dL以下の血清クレアチニン又はCockcroft-Gaultの糸球体濾過量の式により計算される60mL以上の推定糸球体濾過量
〇ジルベール疾患又は白血病に起因すると考えられない限り、正常値の1.5倍以下の上限(ULN)の総ビリルビン
〇3倍以下のULNのアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Aspartate aminotransferase、AST);3倍以下のULNのアラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase、ALT)。5倍以下のULNのAST及び/又はALTのレベルは、試験医用モニターとの議論後に既知の白血病合併症に罹患している参加者に許容可能であり得る
・2個以下の米国東海岸がん臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group、ECOG)のパフォーマンスステータス
・男性又は女性の避妊薬使用は、臨床試験に参加している人々にとっての避妊方法に関する地方条例と一致しなければならない。妊娠の可能性がある場合、試験中及び化合物1の最終投与後90日間の妊娠を避けるために有効な避妊方法(すなわち、ラテックス製のコンドーム、ペッサリー、子宮頸管カップなど)を使用することに同意する。妊娠の可能性がある女性参加者は、試験登録の7日以内にネガティブ血清又は尿妊娠試験が必要となる。妊娠していないとは、閉経後1年以上又は避妊手術を受けているものと規定される
・インフォームドコンセント用紙(informed consent form、ICF)及びこのプロトコルに記載の要件及び条件への応諾を含む、付属書1に説明されるような署名が入ったインフォームドコンセントを得ることが可能
【0133】
除外基準
・t(15;17)(q22;q12)を有する急性前骨髄球性白血病;又は異常性前骨髄球性白血病/レチノイン酸受容体α(PML-RARA)。
・活動性中枢神経系(central nervous system、CNS)白血病又は既知のCNS白血病を暗示する臨床症状を有する参加者。脳脊髄液の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS合併症の臨床的疑いがある場合にのみ必要とされる。
・制御不能な出血、低酸素症及びショックを伴う肺炎及び/又は播種性血管内凝固症候群など、直ちに生命を脅かすような白血病の重篤な合併症を伴う参加者。
・皮膚の基底細胞がん又は扁平上皮細胞がん、子宮頚部の生体内原位置細胞がん又は限局性前立腺がんを除く、有効な処置を必要とする同時悪性腫瘍
〇乳がん又は前立腺がんのアジュバント治療が可能である。
・スクリーニング中又はサイクル1の1日目より前(C1D1;医師によって腫瘍に起因すると考えられない限り)の進行性の制御不能な全身性感染症又は重篤な局所感染
〇予防抗感染薬を受けている参加者も試験では許容される。
・350個の細胞/μL未満のCD4+T細胞数を有する既知のヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)感染症、C1D1前4週間以内に抗レトロウイルス治療の開始、又はC1D1前12ヶ月以内の後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome、AIDS)関連感染症
・定量限界を超えるウイルス量を有するB型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus、HBV)又はC型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus、HCV)感染症
・制御不能な狭心症又は生命を脅かす不安定な不整脈、基準前12週間以内の心筋梗塞の病歴、クラス3以上のニューヨーク心臓協会(New York Heart Association、NYHA)によるうっ血性心不全又はC1D1の28日目以内に心エコー(echocardiogram、ECHO)により測定される45%未満の左室心筋駆出率(left ventricular ejection fraction、LVEF)を定義するがこれらに限定されない主要な心臓異常
・480ミリ秒を超えるFredericia補正法(QTcF)による補正QT間隔の持続性(5分以上の間隔で実施された3回の連続ECG)延長
・短腸症候群、胃不全麻痺、炎症性腸疾患又は急性膵臓炎を含むがこれらに限定されない、経口投与された薬物の吸収を妨げる可能性がある胃腸管系の症状
【0134】
実施例8:進行性充実性腫瘍及びリンパ腫に罹患している参加者の化合物1の安全性及び薬物動態プロファイルを評価するための第I相試験
この試験の目的は、進行性充実性腫瘍及びリンパ腫に罹患している患者での、1日1回、4日間のオン及び3日間のオフというスケジュールで経口投与される化合物1の安全性、忍容性及び推奨される第II相用量(RP2D)を確立することである。
【0135】
試験デザイン
これは、進行性転移性充実性腫瘍及びリンパ性悪性腫瘍に罹患している成人患者での経口化合物1のファーストインヒューマン非盲検第I相試験である。この試験を、初期用量漸増段階、次に同じ患者集団にて推奨される第II相用量(RP2D)での用量拡大段階といった2部で実施する。追加の拡大コホートは、低用量レベルでの薬力学エンドポイントを調査するために考慮され得る(治験デザインに対するこれらの変更についてプロトコル改正を提出する)。
【0136】
以下に説明されるように試験全体を通して患者の評価を実施する。プロトコル治療開始前8日以内に、基準となる病歴、身体検査、臨床評価及びECGを実施しなくてはならない。プロトコル治療が適格性スクリーニング評価の8日間以内に開始される場合、これらのスクリーニング評価からの結果を基準測定値として使用してもよい。スクリーニング評価から8日超経過した場合には、病歴、身体検査、臨床評価及びプロトコル治療を開始する前にECGを繰り返さねばならない。
【0137】
基準腫瘍のイメージングは、プロトコル治療開始前28日間以内に実施されなければならない。プロトコル治療が適格性スクリーニング腫瘍イメージングの28日間以内に開始する場合には、スクリーニング評価イメージングの結果を基準測定値として使用してもよく、スクリーニング評価腫瘍イメージングから28日超が経過した場合には、プロトコル治療を開始する前にイメージングを繰り返さねばならない。
【0138】
基準(プロトコル治療開始8日以内)、サイクル1の1週目、2週目、3週目及び4週目の間及びその後の各サイクルの開始時(処置前3日以内)に、病歴及び身体検査を実施する。
【0139】
基準(プロトコル治療開始8日以内)、サイクル1の1週目、2週目、3週目及び4週目の間及びその後の各サイクルの開始(サイクル中+/-1日及び新規サイクルの開始前最大3日間)及びこの1週間の間に、差を有する実験室CBC;血液生化学検査、血小板)を実施する。
【0140】
基準(プロトコル治療開始8日以内)時にECGを実施し、他の後続サイクル(すなわち、3回目、5回目、7回目以上のサイクル)の1日目(投与前)に臨床的に必要な場合に実施してもよい。
【0141】
全患者から相関性PD及びPK試験のための血液及び尿試料を採取する。
【0142】
腫瘍の対生検を基準時、及び拡大コホートで第1の投与を受けた4~6時間後に採取し、疾患の進行又は「進行前」(再分類スキャンに示される腫瘍体積にて10~19%増加と規定される)に任意の生検を採取してもよい。
医師は、基準時のスクリーニング中に光干渉断層撮影(optical coherence tomography、OCT)、色覚検査及び全患者へのアンケートを含む眼の検査を実施する。アンケートをサイクル1の1日目又は2日目の処置後に繰り返し、臨床的に必要な場合にはNEIによりアンケート及び眼試験を繰り返すことができる。アンケート及び眼試験に関する詳細は、事前に存在する視覚障害の閾値と共に付属書Bに見ることができる。
【0143】
化合物1を1日1回、4日間オン及び3日間オフのスケジュールで経口投与する(28日サイクル)(表5)。RP2D(MTD)が確立されるまで用量漸増を継続する。患者内用量漸増は許容される。
【0144】
【0145】
一旦RP2Dに到達すると、薬力学エンドポイントを更に調査し、かつ追加の薬物動態データを取得するため、15名の追加患者をこの量で処置する。拡大コホートについては、DLTの発生について患者の監視を継続する。一旦、RP2Dで薬力学データが利用可能になると、追加の拡大コホートは、低用量レベルでの薬力学エンドポイントを調査するために考慮され得る(治験デザインに対するこれらの変更についてプロトコル改正を提出する)。
【0146】
1日目の化合物1投与の前に、続いてサイクル1の最初の24時間(全患者の投与後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間)にわたって薬物動態解析のための血液及び尿試料を採取する。最初の3名の試験患者については、サイクル1の4日目(投与後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間)にのみ採取する。1日目の化合物1投与前、及び1日目に化合物1を受けた4~6時間後に末梢血単核細胞(Peripheral blood mononuclear cell、PBMC)を採取する。1日目の化合物1投与前、続いて各サイクルの開始時に循環腫瘍DNA(ctDNA)の血液試料を採取してもよい。腫瘍生検は化合物1投与前及び第1の投与を受けた4~6時間後のみに拡大コホート中に必須であり、疾患進行時/疾患進行付近で任意の生検を採取してもよい。
【0147】
投与
28日サイクルで1日1回、4日間オン及び3日間オフで化合物1を投与する。食事1時間前又は食事2時間後のいずれかで、絶食状態で化合物1カプセルを摂取しなければならない。
【0148】
基準
適格性基準
・標準治療のうち少なくとも1つのラインに従って疾患が進行している、組織学的に確認されている転移性又は限局性進行性(手術を受けられない)充実性腫瘍に罹患している患者
・適切な事前治療は、プロトコルの登録前(前治療と試験登録との間で最低1週間)に、4週間以上(ニトロソ尿素及びマイトマイシンCについては6週間)、又は既知の場合には事前薬剤の5半減期以上(いずれか短い方)完了していなければならない。また、参加者は事前毒性から適格なレベルに回復しなければならない。事前の根治的放射線治療は4週間以上完了していなければならず、又は緩和的放射線治療は試験登録前に2週間以上完了していなければならず、全ての関連する毒性は適格なレベルまで回復していなければならない(試験での患者は、PIの自由裁量にて治療2サイクル後の非標的病変への緩和的放射線治療に適格であり得る)。PIの自由裁量にていずれかの治験薬が第0相試験の一部として投与されるため、患者は2週間以上でなければならず(治療用量以下の薬物を投与した場合)、いずれの毒性から段階1又は基準まで回復していなければならない。
・事前のモノクローナル抗体治療を受けていた患者は、プロトコルの登録前に6週間以上この治療(又は抗体の3半減期、いずれか短い方)を完了していなければならない(事前治療と試験登録との間で最低1週間)。男性又は女性の避妊薬使用は、臨床試験に参加している人々にとっての避妊方法に関する地方条例と一致しなければならない。妊娠の可能性がある場合、試験中及び化合物1の最終投与後90日間の妊娠を避けるために有効な避妊方法(すなわち、ラテックス製のコンドーム、ペッサリー、子宮頸管カップなど)を使用することに同意する。妊娠の可能性がある女性参加者は、試験登録の7日以内にネガティブ血清又は尿妊娠試験が必要となる。妊娠していないとは、閉経後1年以上又は避妊手術を受けているものと規定される。
・年齢は18歳以上。18歳未満の年齢の患者への化合物1の使用に現在利用可能である投与データ又は有害事象データが存在しないため、子供はこの試験から除外されるが、将来的な小児臨床試験には適格である。
・2以下のECOGパフォーマンスステータス(60%以上のカルノフスキー、付属書Aを参照)及び3ヶ月超の平均余命。
・患者は、以下に記載されるような適切な臓器及び骨髄機能を有さなければならない。
-1,500/mcL以上の絶対的な好中球数
-100,000/mcL以上の血小板(充実性腫瘍患者)
-75,000/mcL以上(リンパ腫患者)
-正常値の1.5倍以下の機関上限(ULN)の総ビリルビン
-3倍以下の機関ULNのAST(SGOT)/ALT(SGPT)
-1.5倍の機関正常値を超えるクレアチニンレベルを有する患者については1.5倍以下の機関ULNのクレアチニン又は60mL/分/1.73m2
・発達中のヒト胎児への化合物1の効果は知られていない。この理由のため、p97阻害薬が催奇性であり得ることから、妊娠の可能性がある女性及び男性は、試験参加前又は試験参加の持続期間中及びその後4ヶ月間、適切な避妊薬(避妊のためのホルモン又は方法、禁酒)を使用することに同意しなければならない。女性とそのパートナーがこの試験に参加しているものの、女性が妊娠している、又は妊娠している可能性があると疑われる場合には、女性は自分を処置している医師に直ちにそのことを報告しなければならない。このプロトコルで処置又は登録された男性もまた、試験参加期間にわたって、及び化合物1投与完了後4ヶ月の試験前に適切な避妊薬の使用に同意しなければならない。
・記載されたインフォームドコンセント文書を理解する能力及びこれに署名する意思。
・拡大コホートの対象はまた、2回のコア生検手技を受け、生検を受けられる病変かあるかどうかを受ける意思がなければならない。
・進入時のECHOによる正常値の下限以上の左室心筋駆出率
・Frederica補正を使用した470ms未満の心拍数(QTc)について補正された平均QT間隔
【0149】
除外基準
・試験に入る前の4週間以内(ニトロソ尿素又はマイトマイシンCについては6週間)に化学療法又は放射線治療を受けた患者。
・脱毛症を除き、事前の抗がん治療(すなわち、グレード1未満の残留毒性を有する)による有害事象から回復していない患者。
・任意の他の治験薬を受けている患者。
・活動性又は制御不能な感染症、免疫不全、B型肝炎、C型肝炎、活動性結核、制御不能な喘息、症候性うっ血性心不全、不安定な狭心症、制御不能な心不整脈、過去6ヶ月以内の心筋梗塞、過去6ヶ月以内の脳血管障害事故/発作又は試験要件への応諾を限定する精神疾患/社会的状況を含むがこれらに限定されない、この試験への参加が危うくなるような臨床的に有意な疾患に罹患している患者。
〇6ヶ月以内に、ウイルス量が検出されなくなる有効な抗レトロウイルス治療を受けているヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者は、この治験に適格である。
〇慢性B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus、HBV)感染の証拠を有する患者については、その存在が示される場合には、HBVウイルス量は抑制治療では検出不可能でなければならない。
・既知の脳転移又はがん性髄膜炎に罹患している患者は、脳転移の処置後、脳転移疾患ステータスが4週間以上安定した状態を保っている患者を除き、この治験から除外される。患者が非酵素誘発性抗てんかん薬を摂取している、又はこれらに転換することができる場合には、治験責任医師の自由裁量で抗てんかん薬を服用している患者を登録してもよい。
・化合物1は催奇性又は堕胎効果の可能性を有し得ることから、妊娠中の女性はこの試験から除外される。知られてはいないが、この薬剤による母親の処置に続発して乳児に有害事象が生じる潜在的なリスクがあることから、母親が化合物1で処置される場合には、母乳栄養は中止しなければならない。
・増殖性糖尿病性網膜症、重度の網膜血管疾患及び進行性加齢黄斑変性を含む(がこれらに限定されない)失明の恐れがある網膜疾患の現在の病歴又は既往歴。
・QT延長の病歴若しくはトルサード・ド・ポワントの病歴、又はQT延長薬物摂取歴を有する患者は適格ではない。
【0150】
実施例9:化合物1のヒト投与及び薬物動態データ
実施例7に説明されるように、25mgの化合物1QDで2名の対象を処置した。1日目の投与前、並びに投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間及び24時間に、4日目の投与前、並びに投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間及び48時間に、化合物1の血漿濃度をアッセイした。ng/mL及びμM濃度単位として表される血漿濃度について、血漿中薬物濃度曲線の線形及び片対数グラフを
図6に示す。Cmax、Cmax/用量、AUC(曲線下面積)、tmax及び半減期(t1/2)を含む薬物動態測定解析を表6に示す。2名の対象では、有害事象及び視覚障害の症状は何ら見られなかった。
【0151】
【0152】
2名の対象の結果はほぼ同一のプロファイルを実証した。結果は、化合物1については半減期が約3~4時間であることを示している。1日目から4日目の間には化合物1の蓄積は認められなかった。驚くべきことに、化合物1は、予め対象で試験された化合物であるCB-5083(1-[7,8-ジヒドロ-4-[(フェニルメチル)アミノ]-5H-ピラノ[4,3-d]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-インドール-4-カルボキサミド)よりも著しく高い血漿暴露を呈した。25mgQDの化合物1により、40mgQDで投与されたCB-5083よりも著しく高い血漿暴露が比較的生じた。化合物1の暴露は、200mgよりも高いCB-5083投与よりも高かった。
図7を参照されたい。ここではCB-5083とは異なり、同等の血漿暴露では、CB-5083で見られたような化合物1は視覚障害又は他の有害事象の症状を何ら生じなかった。
【0153】
実施例7のプロトコルに従い、用量漸増試験で追加の患者を処置した。
図8は、25mgQDの化合物1(2名の患者)、50mgQD(1名の患者)、100mgQD(3名の患者)及び175mgQD(3名の患者)で投与される合計9名の患者の処置からの暴露データを示す。投与間の暴露レベル増加は比例及び線形であった。100mgレベルでの3名の対象の投与のうち2名は、プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor、PPi)を同時使用しており、化合物1の溶解度への影響に起因すると考えられる暴露低下を引き起こした可能性が高い。化合物1の暴露はCB-5083の投与よりも高かった。これまでの最大レベルの投与(275mgQD)を含む任意の用量レベルの化合物1については、視覚障害の症状又は他の視覚事象は見られなかった。
【0154】
実施例10:化合物1と追加の治療薬との組合せ
実施例3と類似のプロトコルに従い、追加の治療薬を用いて化合物1を試験した。各組合せを3つの細胞株で試験した:MOML-13(ヒト急性骨髄性白血病細胞株;Addex Bio)、MV-4-11(ヒトBリンパ芽球性白血病細胞株(Human B Myelomoncytic Leukemia cell line);ATCC)及びOCI-AML-3(ヒト急性骨髄性白血病細胞株)。p53、FLT3-IDT、BRCA1及びBRCA2に関するこれらの細胞株の遺伝子型を表7に示す。
【0155】
【0156】
化合物1と他の治療薬との組合せを試験するため、各薬剤を単独で使用した場合に取得される薬剤のIC50よりも1log高い~1log低い範囲に均一にわたるよう、用量反応についての濃度範囲を設定した。この範囲内では、各組合せについて20の用量レベルを試験し、2回反復して各応答を決定した。評価された各薬剤-細胞株の組合せについて、各個の薬物の用量反応を2つの薬剤の3つの組合せの用量反応と比較した。それぞれ用量反応を通して3つの固定比:1:1、1:2又は2:1で混合し、化合物1をこの比の第1の薬剤として常に規定した。各個の薬物について取得されたIC50値から、これらの比での実際の薬物濃度を決定した。例えば、化合物1のIC50が1μMであり、追加薬剤のIC50が10μMであるとした場合、1:1のIC50比についての薬物の実際の比は1:10である。
【0157】
Graph Pad Prism、4つのパラメータのロジスティック適合度及びChou-Talalay薬物併用解析を使用して生データを解析した。Chou-Talalay解析では、データを正規化し、フラクショナル効果として定義することが求められる。このデータは0~1の数であることが必須であるが、0は効果がないことを表し(薬物が存在しない状態でのCTGシグナル)、1は起こり得る最大効果を表す(細胞が存在しない状態でのCTGシグナル)。実際には、多くのデータ点は用量範囲の下端又は上端のこれらの限界からわずかに外れていた。1を超えるフラクショナル効果を有するデータ点については、Feを0.999に設定した。0未満のデータ点については、フラクショナル効果を0.001に設定した。0.99超又は0.01未満のデータ点はChou-Talalay解析から省略した。これはChou-Talalay解析がフラクショナル効果の対数にデータを当てはめ、効果範囲にわたって等しい重みを適用するからであり、結果として用量反応の上端及び下端は、実験誤差範囲内の効果での非常にわずかな変化によってモデル適合度の結果は誤った方式で偏ってしまう。
【0158】
各併用用量について、グラフ化された実際の併用係数(combination index、CI)対フラクショナル効果値を示す併用係数対フラクショナル効果グラフを描いた。この解析では、CI=1は相加活性であり、CI>1は相加活性未満であることを表し(多くの場合、拮抗作用と称される)、CI<1=相乗活性(相加活性よりも良好)である。3つのスコア全てにわたるCIスコアを平均化し、単独での化合物1と比較した。結果を表8に示す。
【0159】
【0160】
0.200~0.800のスコアは組合せによる相乗効果を実証しており、0.800~1.200を超えるスコアは相加効果を示し、1.200を超えるスコアは組合せによる拮抗作用を示す。いくつかの組合せは相乗効果を実証した。PARP阻害薬、タラゾパリブは、特にBRCA2突然変異細胞株であるMOML-13では化合物1と組み合わせると強い相乗作用を示した。FLT-3薬剤のギリテリチニブは、同種接合突然変異株であるMV-4-11で相乗的であり、FLT3野生型及び異種接合AML株では相加効果があった。ベネトクラクスと化合物1との組合せによって、MOML-13株では相乗作用が示され、他の2種のAML株では強い相加作用(ほぼ相乗効果であった)が示された。
【0161】
化学療法薬であるシタラビンなどのいくつかの薬剤によって、細胞株全体に相加効果が生じた。プロテアソーム阻害薬であるイキサゾミブなどの他の薬剤は、化合物1と組み合わせた場合には驚くべきことに拮抗性であった。ED50、ED75及びED90にわたるシタラビン、ギリテリチニブ、タラゾパリブ及びベネトクラクスとの併用係数データを以下の表9~表12に示す。
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
実施例11:化合物1と治療薬との追加の組合せ
細胞株MOML-13及びMV-4-11(実施例3及び10を参照)及びHL-60(ヒト急性前骨髄球性白血病、ATCC)での追加の治療薬と組み合わせた化合物1を試験した。この実施例のための追加の治療薬はアザシチジン(Cayman Chemicalカタログ番号11164)、デシタビン(Sigmaカタログ番号A3656)及びベネトクラクス(InvivoChemカタログ番号V0001)であった。
【0167】
細胞培養:この試験には、HL60、MV4;11及びMOLM-13といった3つのヒト急性骨髄性白血病腫瘍細胞株を使用した。HL60及びMV4;11を、20%及び10%のFBSをそれぞれ含むIMDM基本培地で増殖させた。MOLM-13を、20%のFBSを含むRPMI1640基本培地で増殖させた。全培地は、2mM グルタミン、100単位/mLのペニシリンGナトリウム、25μg/mLのゲンタマイシン及び100μg/mLの硫酸ストレプトマイシンを含有した。37℃、5%のCO2雰囲気及び95%の空気中で加湿したインキュベータ中の組織培養フラスコで、腫瘍細胞を培養した。
アッセイ:必要とされるインキュベーション期間中、100μL/ウェルの培地体積で96ウェルのマイクロ培養プレートに、いくつかの集団の倍加(典型的には3~5倍)を可能とするために十分低い初期密度で腫瘍細胞を2回反復して播種した。24時間のインキュベーション後、試験薬を各ウェルに加えた。試験物品を用いて培養した72時間後、Cell Titer-Glo(登録商標)(Promega G7571)アッセイを使用し、細胞生存率を決定した。簡潔に述べると、Cell Titer-Glo(登録商標)(Promega G7571)試薬を室温で30分間平衡化し、ウェルあたり100μLをエンドポイント(72時間)で加えた。プレートを穏やかに2分間振盪し、続いてBMG Clariostar Plusマイクロプレートリーダで発光を読み取る前に室温で10分間インキュベートした。
【0168】
単独での各薬剤については、各細胞株のIC50値を決定し、続いてこれを使用してIC20及びIC90付近の固定薬物濃度を選択した。一方、20点、1:1.5比型用量反応曲線にて化合物1濃度を変更した。これは5μMで開始し、ビヒクルコントロールを含んでいた(「非固定剤」と呼ばれる)。第2のセットの組合せは、各細胞株のIC20付近の化合物1の固定濃度又はビヒクルコントロールからなっており、それぞれ化合物1については50μM、アザシチジン及びデシタビンについては40μM、ベネトクラクスについては10μMで開始する2倍段階希釈の20点用量反応を使用して変化する濃度の第2の薬剤と組み合わせた。
【0169】
結果を表13~表15に示す。適用される非固定薬剤(ビヒクル)コントロールと比較した組合せのIC50の比から、各組合せのIC50比を計算した。併用時に活性の増大を呈した薬剤の比は1未満である。例えば、MOML-13細胞では、アザシチジンと化合物1の組合せは、化合物1(変動する投与薬剤として使用される)と低用量及び高用量の両方のアザシチジンとを組み合わせると0.39の比を呈し、化合物1を固定用量で提供し、かつアザシチジンを一定範囲の用量で提供した場合には0.28の比を呈した。化合物1とデシタビンとの組合せ及び化合物1とベネトクラクス+アザシチジンとの組合せもまた、単独療法と比較すると活性の増大をもたらした。これらの組合せに関する同様の活性の増大を、MV4;11細胞でも確認した。HL60細胞ではこれらの効果はほとんど表れなかった。
【0170】
【0171】
【0172】
【国際調査報告】