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  • 特表-通路システム 図1
  • 特表-通路システム 図2
  • 特表-通路システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】通路システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568804
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 DE2021000085
(87)【国際公開番号】W WO2021228295
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】102020002894.2
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522440876
【氏名又は名称】エバライン,マルティン
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エバライン,マルティン
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA35
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの脚要素(3)と、脚要素(3)上に取り付けられた少なくとも1つの遮断要素(4)であって、通路(2)を少なくとも部分的に遮断するための少なくとも1つの遮断位置(5a)と、通路を開放する少なくとも1つの開放位置(5b)との間を移動可能な遮断要素(4)と、遮断要素(4)を移動させるための駆動ユニット(6)と、駆動ユニット(6)の制御器(7)と、商品を検知および識別するための検出ユニット(11)と、データ処理器(9)に対するインターフェース(8)とを備え、追加の要素(10)をさらに備えていてもよい通路システム(1)に関する。本発明は、遮断要素(4)上に少なくとも1つの光学検出器(12)が配置され、この光学検出器(12)は検出ユニット(11)の一要素であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの脚要素(3)と、
脚要素(3)上に取り付けられた少なくとも1つの遮断要素(4)であって、通路(2)を少なくとも部分的に遮断するための少なくとも1つの遮断位置(5a)と、通路を開放する少なくとも1つの開放位置(5b)との間を移動可能な遮断要素(4)と、
前記の少なくとも1つの遮断要素(4)を移動させるための駆動ユニット(6)と、
駆動ユニット(6)の制御器(7)と、
商品を検知および識別するための検出ユニット(11)と、
データ処理ユニット(9)に対するインターフェース(8)とを備え、
追加の要素(10)をさらに備えていてもよい通路システム(1)において、
前記遮断要素(4)上に少なくとも1つの光学検出器(12)が配置され、この光学検出器(12)は、検出ユニット(11)の一要素であることを特徴とする、通路システム。
【請求項2】
前記の少なくとも1つの光学検出器(12)が、赤外光を検出し、
同じ光学検出器(12)、または少なくとも1つの他の光学検出器(12)が、可視光を検出することを特徴とする、請求項1に記載の通路システム。
【請求項3】
前記の少なくとも1つの光学検出器(12)が、カメラ(13)および/または読取り機(14)であることを特徴とする、請求項1に記載の通路システム。
【請求項4】
前記検出ユニット(11)が、一定間隔で配置された複数の光学検出器(12)で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の通路システム。
【請求項5】
前記検出ユニット(11)は、交互に配置されたカメラ(12)および読取り機(13)で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の通路システム。
【請求項6】
前記の少なくとも1つの遮断要素(4)が遮断位置(5a)にあるとき、前記の少なくとも1つの光学検出器(12)が前記の少なくとも1つの遮断要素(4)の下方および/または上方の検知空間(15)の方向に向けられることを特徴とする、請求項1に記載の通路システム。
【請求項7】
前記検出ユニット(11)が異なる複数の視点から連続検出プロセスで検出ユニット(11)に対して移動する商品を検出することを特徴とする、請求項1に記載の通路システム。
【請求項8】
前記検出ユニット(11)によって生成されたデータまたは信号が駆動ユニット(6)の制御器(7)によって使用されることを特徴とする、請求項1に記載の通路システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの脚要素と、脚要素上に取り付けられた少なくとも1つの遮断要素であって、通路を少なくとも部分的に遮断するための少なくとも1つの遮断位置と、通路を開放する少なくとも1つの開放位置との間を移動可能な遮断要素と、前記の少なくとも1つの遮断要素を移動させるための駆動ユニットと、駆動ユニットの制御器と、商品を検知および識別するための検出ユニットと、データ処理ユニットに対するインターフェースとを備え、追加の要素をさらに備えていてもよい通路システムに関する。
【背景技術】
【0002】
脚要素(foot element)と可動遮断要素とを備えた通路システムが、特に、西独国特許出願公開第2548069号明細書、独国特許出願公開第4037796号明細書、独国実用新案第20111709号明細書、欧州特許出願公開第2184435号明細書、および欧州特許出願公開第2717235号明細書に記載されている。このような通路システムは、互いに隣り合わせに、または前後に対として配置され、制御器の助けを借りて協調的な形で開閉されることが知られている。作動中の通路システムの脚要素は床に永久的に接続され、通路の側方の境界を形成する。通路を少なくとも部分的に遮断するための遮断位置において、少なくとも1つの遮断要素が通過方向を横切る方向に脚要素から通路内に突出して、通路を少なくとも部分的に遮断する。開放位置において、遮断要素は、少なくとも遮断位置よりも通路への突出が大幅に少なくなるか、または通路を完全に開放する。特に改札口の場合、遮断位置および/または開放位置が1つ多くあってもよいが、旋回ブラケット形態の遮断要素の場合、遮断位置と開放位置が1つずつのみあるのが通常である。
【0003】
通路区域で人と物を検知するために、以下の解決策が提案されている。
【0004】
欧州特許出願公開第2184435号明細書は、遮断要素に容量センサが配置された通路システムを示している。
【0005】
欧州特許出願公開第2717235号明細書は、平らな設計の遮断要素にRFIDアンテナユニットを組み込むことを提案する。
【0006】
独国特許出願公開第3912667号明細書は、商品番号を光学的に、または無線を用いて検知する遠隔データ認識装置をスーパーマーケットのチェックアウト通路の上方に配置することを提案する。
【0007】
独国特許発明第102008020953号明細書は、少なくとも1つの遮断要素の位置をモニタリングするモニタリング装置を備えた入口システムを記載する。
【0008】
独国特許出願公開第19935024号明細書は、電波を受信して数量別かつ種類別に商品を検知する方法を記載する。
【0009】
独国特許発明第102009008123号明細書は、スキャンゲートの2つの側面部分がスキャン領域を形成し、RFIDタグを検知する技術を紹介する。図1は、通路システムとスキャンゲートの配列を示しており、通路の左右側に脚要素があり、回転式の遮断要素が脚要素の上に配置される。図1のシステムにおいて、スキャンゲートから商品を検知し、支払いの後に通路システムを開放することができる。
【0010】
商品の検知と支払による通路システムの開放方式が国際公開第2018/013046号に紹介されている。
【0011】
独国実用新案第202017100982号明細書は、特にトランスポンダを備えた商品の在庫モニタリング装置に関するものであり、そのために倉庫と商品通路に出入りするための装置を提案する。
【0012】
「AmazonGo」店舗は顧客のスマートフォンと作用する入出口装置を使用し、そのために「AmazonGo」アプリを実行する。
【0013】
商品の識別検知に使用される検出ユニットは、商品を区別する装置である。ライトバリアやモーションセンサーのように、単に商品の存在を登録する装置は検出ユニットではない。検出ユニットはRFID技術の場合は情報媒体として無線信号を利用し、カメラ、バーコードスキャナ、QRコード(登録商標)スキャナなどの光学装置の場合は可視光線と赤外線を利用する。
【0014】
RFIDタグを使用するには欠点がある。このタグは印刷されたバーコードやQRコードよりも高価であり、商品や容器が干渉方式で電波を反射する場合、検知が安定しない。このため、割引小売店では依然としてバーコードとバーコードスキャナを主に使用している。他の可視的な表面特徴に基づいて商品を光学的に検出することができるので、読取り機だけでなくカメラも検出装置として適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】西独国特許出願公開第2548069号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4037796号明細書
【特許文献3】独国実用新案第20111709号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2184435号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2717235号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第3912667号明細書
【特許文献7】独国特許発明第102008020953号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第19935024号明細書
【特許文献9】独国特許発明第102009008123号明細書
【特許文献10】国際公開第2018/013046号
【特許文献11】独国実用新案第202017100982号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、RFID技術なしで運搬機上に置かれて運搬機によって水平に移動される商品の識別検知が可能となるように、前述したタイプの通路システムをさらに発展させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この問題の解決策は請求項1の特徴部に記載されている。
【0018】
本発明は、通路領域における物品の光学的検出のために、少なくとも1つの遮断要素が遮断位置において通路の中へ突出するという事実を利用する。本発明の解決策は、平らなバスケット付きのプラットフォームカートまたはショッピングカート上で移動する商品を検知するのに最適である。このような運搬機の場合、複数の商品を上下ではなく横に並べて配置することができるので、検出ユニットの視点から個別に見て同時に検知することができる。
【0019】
以下の有利な実施形態は、少なくとも1つの遮断要素に配置された少なくとも1つの光学検出器を用いた商品の識別検出を迅速かつ信頼できるようにするのに適している。
【0020】
第1の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの光学検出器が、赤外光を検出し、同じ光学検出器または少なくとも1つの別の光学検出器が可視光を検出する。
【0021】
第2の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの光学検出器はカメラおよび/または読取り機であり、適切な読取り機は、特にバーコードスキャナおよびQRコードスキャナである。
【0022】
第3の有利な実施形態によれば、検出ユニットが、一定間隔で配置された複数の光学検出器で形成されている。
【0023】
第4の有利な実施形態によれば、検出ユニットは、交互に配置されたカメラおよび読取り機で形成されている。
【0024】
第5の有利な実施形態によれば、前記の少なくとも1つの遮断要素が遮断位置にあるとき、前記の少なくとも1つの光学検出器が前記の少なくとも1つの遮断要素の下方および/または上方の検知空間の方向に向けられる。
【0025】
第6の有利な実施形態によれば、検出ユニットが異なる複数の視点から連続検出プロセスで検出ユニットに対して移動する商品を検出するように構成されている。
【0026】
第7の有利な実施形態によれば、検出ユニットによって生成されたデータまたは信号は、物品を検出するためだけでなく、駆動ユニットを制御するためにも使用される。
【0027】
図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態を示す。
図2】本発明の実施形態を示し、第1~第4実施形態を示す。
図3】本発明の実施形態を示し、第5~第6実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、少なくとも1つの脚要素3と、脚要素3上に取り付けられた少なくとも1つの遮断要素4であって、通路2を少なくとも部分的に遮断するための少なくとも1つの遮断位置5aと、通路2を開放する少なくとも1つの開放位置5bとの間を移動可能な遮断要素4と、前記の少なくとも1つの遮断要素4を移動させるための駆動ユニット6と、駆動ユニット6の制御器7と、商品を検知および識別するための検出ユニット11と、データ処理ユニット9に対するインターフェース8とを備え、追加の要素10をさらに備えていてもよい通路システム1を示す。遮断要素4上に少なくとも1つの光学検出器12が配置され、光学検出器12は検出ユニット11の一要素である。
【0030】
図1は、通路2の側方の境界を形成する左右の脚要素3a、3bを備え、それぞれに1つの遮断要素4を備える通路システム1を示す。この通路システム1は異なるように構成されてもよく、例えば、図3に示すように、脚要素3を1つだけ設けることができ、脚要素1つに遮断要素4を1つより多く設けることができる。
【0031】
光学検出器12は、検出ユニット11内に設置されてもよく(図1の左側および図2)、露出または突出されてもよい(図1の右側および図3)。検出ユニット11自体は、商品の識別検出に関して機能ユニットを形成し、かつ互いに空間的に分離された複数の部分から構成されてもよい(図3参照)。
【0032】
図1は通過方向16を示す。少なくとも1つの遮断要素4の遮断位置5aにおける遮断要素4の向きは、遮断要素4が側方から水平に通路2内に突出するように、通過方向に対して直角であることが好ましい。したがって、遮断要素4上における、光学検出器12を有する検出ユニット11の位置決めは、遮断位置5aで遮断要素4の下方および/または上方に配置または移動される商品を検出するのに最適である。
【0033】
図2は、複数の光学検出器12を有する検出ユニット11であって、これらの光学検出器12が、交互に配置されたカメラ13および読取り機14である検出ユニット11を示す。このような長い検出ユニット11は、例えばコンピュータビジョン、バーコードスキャニングなどの異なる相補的な複数の光学検出技術を統合し、通路2の全幅を検知できる(図1参照)ので、RFID技術を使用しなくても商品を検知および識別することができる。
【0034】
図3は、通過方向16を横切る通路システム1を示す。脚要素3に2つの遮断要素4が遮断位置5aにある。光学検出器12を備えた下向きおよび上向きの検出ユニット11はそれぞれ遮断要素4に配置され、これらが一緒に通路システム1の検出ユニット11を形成する。円錐形の破断線で示された検出ユニット11の上下の検知空間15は、通路システム1の検知空間を形成する。また、ローラ上を移動する運搬機の一部を形成するかごやプラットフォームとして3箇所に商品コンテナ17があり、商品コンテナ17が検出ユニット11の上や下で水平方向18に移動することができる。運搬機が通路を介して押される場合、その方向18は通過方向16とほぼ同じである。
【0035】
通路システム1と運搬機の大きさを調整すると、運搬機が通路2の内へと押されるとき(図1参照)、輸送される商品が完全に検知空間15を通過しながら検知され続けるため、RFID技術がなくても商品の識別ができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】