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<図1>
  • -電子南京錠 図1
  • -電子南京錠 図2
  • -電子南京錠 図3
  • -電子南京錠 図4
  • -電子南京錠 図5
  • -電子南京錠 図6
  • -電子南京錠 図7
  • -電子南京錠 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】電子南京錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 67/18 20060101AFI20230614BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
E05B67/18
E05B49/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568854
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 FI2021050336
(87)【国際公開番号】W WO2021229143
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】20205477
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】597098121
【氏名又は名称】アブロイ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコーグストレム、ペーテル
(72)【発明者】
【氏名】ヘイスカネン、ヴィッレ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA24
2E250BB08
2E250BB66
2E250DD06
2E250FF25
2E250FF27
2E250FF36
(57)【要約】
本発明の目的は、電子南京錠(1)であって、それによって電子南京錠を誤って開ける可能性が低減される、電子南京錠(1)を提供することである。本発明による電子南京錠は、本体(2)及びシャックル(3)を備える。本体は、ラッチ部品(4)、カムピース(5)、及び電子アクチュエータ(6)を有する。電子アクチュエータ(6)は、カムピース(5)を回転させてラッチ部品(4)をロック状態から解放するように構成されている枢軸シャフト(7)を備える。電子アクチュエータ(6)とカムピース(5)との間には、ブロック機構(8)が存在する。ブロック機構は、電子アクチュエータ(6)の枢軸シャフト(7)をカムピース(5)に、それを電子アクチュエータ(6)によって回転させるように、かつ本体(2)に対するカムピース(5)のいかなる他の回転も防止するように、機能的に接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子南京錠であって、本体(2)及びシャックル(3)を備え、前記本体は、ラッチ部品(4)、カムピース(5)、及び電子アクチュエータ(6)を有し、前記電子アクチュエータは、枢軸シャフト(7)を備え、前記枢軸シャフトは、前記カムピース(5)を回転させて前記ラッチ部品(4)をロック状態から解放するように、及び前記カムピース(5)を回転させて前記ラッチ部品(4)を前記ロック状態に保持するように構成されており、前記ロック状態では、前記ラッチ部品(4)は、前記シャックル(3)が動かされて前記電子南京錠を開けることを防止し、前記電子アクチュエータ(6)と前記カムピース(5)との間には、前記電子アクチュエータの前記枢軸シャフト(7)の方向において、ブロック機構(8)が存在し、前記ブロック機構(8)は、前記電子アクチュエータの前記枢軸シャフト(7)を前記カムピース(5)に、前記カムピース(5)を前記電子アクチュエータ(6)によって回転させるように、かつ前記本体(2)に対する前記カムピース(5)のいかなる他の回転も防止するように、機能的に接続し、
前記ブロック機構(8)は、ロックプレート(9)、ラッチピース(10)、及び駆動体(11)を備え、前記ロックプレート(9)は、前記電子アクチュエータの前記枢軸シャフト(7)に接続され、前記ロックプレートは、解放凹部(12)を有する周縁部(13)を有し、前記ロックプレート(9)は、前記駆動体(11)に対して回転するように構成され、
前記駆動体は、前記カムピース(5)に接続されているねじり突起部(14)を有し、前記駆動体(11)は、前記ラッチピース(10)がその中に配置されている孔(15)を有し、前記本体(2)は前記ラッチピース(10)のための凹部(16)を有し、
前記ブロック機構(8)は、前記ラッチピース(10)が部分的に前記凹部(16)内にかつ部分的に前記駆動体の孔(15)内にあるとき、前記カムピース(5)の回転を防止するように構成され、前記ロックプレート(9)の前記周縁部(13)は、前記ラッチピース(10)が前記枢軸シャフト(7)に向かって動くことを防止し、前記ブロック機構(8)は、前記電子アクチュエータ(6)が、前記枢軸シャフト(7)を回転させることにより、前記ロックプレート(9)の前記解放凹部(12)を前記駆動体の孔(15)まで回転させたとき、前記カムピース(5)の回転を可能にし、前記ラッチピース(10)が前記枢軸シャフト(7)に向かって動くのを可能にするように構成され、それによって、前記電子アクチュエータ(6)による前記枢軸シャフト(7)の回転を更に続けると、前記ロックプレート(9)に加えて、前記駆動体(11)及びそれに接続された前記カムピース(5)もまた回転し、
前記ブロック機構(8)は、前記駆動体(11)上に支持されているばね(17)を更に備え、前記ばねは、ばねヘッド(18)を有し、前記ロックプレート(9)は前記ばねヘッド(18)のための孔(19)を備え、前記ラッチピース(10)が部分的に前記凹部(16)内にかつ部分的に前記駆動体の孔(15)内にあるとき、前記ばねヘッド(18)は前記孔内にあり、前記ロックプレートの前記周縁部(13)は、前記ラッチピース(10)が前記枢軸シャフト(7)に向かって動くことを防止することを特徴とする、電子南京錠。
【請求項2】
前記ラッチピース(10)は、ボール又はローラーであり、前記ローラーの長さ及び幅は、同じか又はほぼ同じであることを特徴とする、請求項1に記載の電子南京錠。
【請求項3】
前記ロックプレートの前記周縁部(13)は、前記枢軸シャフト(7)から離れる突出部(20)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子南京錠。
【請求項4】
前記駆動体(11)は、前記ばね(17)のための支持面(21)を有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の電子南京錠。
【請求項5】
前記駆動体は、前記ロックプレート(9)のための取り付け突出部(22、23)を有することを特徴とする、請求項4に記載の電子南京錠。
【請求項6】
前記ロックプレート(9)の中央部に、前記枢軸シャフトのための孔(24)が存在することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子南京錠。
【請求項7】
前記電子アクチュエータ(6)は、電気モータ又はソレノイドであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子南京錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子南京錠に関する。本発明は、具体的には、ラッチ部品をロック状態から解放するために、電子アクチュエータが、カムピースを回転させるように構成されている、電子南京錠に関する。ラッチ部品がロック状態から解放されると、電子南京錠を開けることができる。
【背景技術】
【0002】
従来技術の電子南京錠は、多くの場合、ロックを開放するために電子アクチュエータを使用する。電子南京錠は、実装方法に応じて、異なる方式で開放コードを受け取ることができる。開放コードは、例えば、Bluetooth接続を介して、又は何らかの他の無線ネットワークを介して、携帯電話から、電子南京錠に入力することができる。RFID技術やNFC技術を使用することもできる。電子南京錠はまた、開放コードを入力するためのキーボード若しくはタッチスクリーンを有することもでき、又は錠は、例えば指紋識別部を有する。正しい開放コードが電子南京錠に入力されると、錠内の電子アクチュエータがロックを解放し、それによって、南京錠を開けることができる。ロックが解放されると、南京錠シャックルを閉位置から開位置に動かすことができ、すなわち南京錠を開けることができる。
【0003】
電子アクチュエータは、例えば、南京錠のカムピースを回転させるように構成されている電気モータであり得る。カムピースは、南京錠がロックされているときに、ラッチ部品をシャックルの相対する孔に対して保持する部品である。電子南京錠が正しい開放コードを受け取ると、電子アクチュエータは、カムピースの凹部がラッチ部品のそばにくるように、カムピースを(通常は90度)回転させる。したがって、ラッチ部品は、シャックルの相対する孔から離れるように動くことができ、すなわちロック状態が解放され、電子南京錠を開けることができる。電子南京錠がロックされると、シャックルは閉位置にあり、電子アクチュエータはカムピースをロック位置に回転させ、それによって、ラッチ部品をシャックルの相対する孔に対して保持する。ラッチ部品は、通常は、ボールである。
【0004】
上記のような電子南京錠では、電子アクチュエータ又はそのギアの内部摩擦によってのみ、カムピースの回転を制限することができる。したがって、電子南京錠をトントンとたたくことにより、カムピースを誤って回転させることができ、それによって、電子南京錠がもはやロックされず、開けることができる。
【0005】
WO2018/184070は、コイルばねがカムピースの回転に影響する、電子南京錠の一実装態様を提示している。この解決策では、コイルばねは、カムピースをロック位置に保持するように努める。WO公開の解決策では、電子アクチュエータに関連するブロックピース及び回転ノブが存在する。ブロックピースが、電子アクチュエータの助けによってブロック位置から解放されると、カムピースを回転させて電子南京錠を開けるために、回転ノブを手動で回転させることができる。したがって、この解決策では、錠を開けるために、カムピースがコイルばねに逆らって手動で回転される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、電子南京錠の誤った開放の可能性を低減し、又は更には誤った開放の可能性を排除する、電子南京錠を提供することである。これは、独立請求項に提示された様式で達成される。従属請求項は、本発明の異なる実施形態を提示する。
【0007】
本発明による電子南京錠は、本体及びシャックルを備える。本体は、ラッチ部品、カムピース、及び電子アクチュエータを有する。電子アクチュエータは、カムピースを回転させてラッチ部品をロック状態から解放するように、及びやはりカムピースを回転させてラッチ部品をロック状態に保持するように構成されている、枢軸シャフトを備える。ロック状態では、ラッチ部品は、シャックルが動かされて電子南京錠を開けることを防止する。電子アクチュエータとカムピースとの間には、電子アクチュエータの枢軸シャフトの方向において、ブロック機構が存在する。ブロック機構は、電子アクチュエータの枢軸シャフトをカムピースに、それを電子アクチュエータによって回転させるように、かつ本体に対するカムピースのいかなる他の回転も防止するように、機能的に接続する。
【0008】
ブロック機構は、ロックプレート、ラッチピース、及び駆動体を備える。ロックプレートは、電動アクチュエータの枢軸シャフトに接続されている。ロックプレートは、解放凹部を有する周縁部を有する。ロックプレートはまた、駆動体に対して回転するように構成されている。駆動体は、カムピースに接続されるねじり突起部を有する。駆動体はまた、ラッチピースがその中に配置される孔を有し、本体は、ラッチピースのための凹部を有する。
【0009】
ブロック機構は、ラッチピースが部分的に凹部内にかつ部分的に駆動体の孔内にあるとき、カムピースの回転を防止するように構成されており、ロックプレートの周縁部は、ラッチピースが枢軸シャフトに向かって動くことを防止する。ブロック機構はまた、電子アクチュエータが、枢軸シャフトを回転させることによって、ロックプレートの解放凹部を駆動体の孔まで回転させたとき、該カムピースの回転を可能して、ラッチピースが枢軸シャフトに向かって動くことを可能にするようにも構成されている。電子アクチュエータによる枢軸シャフトの回転を更に続けると、ロックプレートに加えて、駆動体及びそれに接続されたカムピースもまた回転する。
【0010】
ブロック機構は、追加的に、駆動体上に支持されているばねを備え、ばねは、ばねヘッドを有する。ロックプレートは、ばねヘッドのための孔を備える。ラッチピースが部分的に凹部内にかつ部分的に駆動体の孔内にあるとき、ばねヘッドは孔内にあり、ロックプレートの周縁部は、ラッチピースが枢軸シャフトに向かって動くことを防止する。
【0011】
以下では、添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による電子南京錠の一実施例を示す。
図2】本発明による電子南京錠の電子アクチュエータ、ブロック機構、及びカムピースの一実施例を示す。
図3図2の実施例を別の角度から示す。
図4】電子南京錠がロックされた状態の、図1の実施例の部分断面を示す。
図5】電子南京錠のロックが解放された状態の、図1の実施例の部分断面を示す。
図6】ブロック機構の一実施例を示す。
図7】本発明による電子南京錠の部品の一実施例を示す。
図8図7の実施例を別の角度から示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明による電子南京錠1の一実施例を示す。本発明による電子南京錠は、本体2及びシャックル3を備える。本体は、ラッチ部品4、カムピース5、及び電子アクチュエータ6を有する。電子アクチュエータは、カムピース5を回転させてラッチ部品4をロック状態から解放するように、及びやはりカムピース5を回転させてラッチ部品4をロック状態に保持するように構成されている枢軸シャフト7(図7)を備える。ロック状態では、ラッチ部品4は、シャックル3が動かされて電子南京錠を開けることを防止する。図1は、ロック状態を示す。カムピースを(通常は、90度又は約90度)回転させると、カムピースの凹部25がラッチ部品に向かう。したがって、ラッチ部品は、シャックル3の凹部26から離れるように動くことができ、シャックルを、本体2から引き出すことができる。シャックルを本体2から離すように動かすと、シャックルと本体との間のループが開き、すなわち、したがって、電子南京錠が開けられる。図4は、電子南京錠1がロックされた状態の、図5は、ロックが開放された状態の、線Lに沿った部分断面を示す。
【0014】
図1はまた、シャックル開口部28(図7)内の封止リング27、装着部品29、及び通信部品30などの電子南京錠の他の部品も示す。装着部品は、本体2内の電子アクチュエータ6、ブロック機構8、及びカムピース5を、これらの部品に意図されているよう、うまく保持する。通信部品30は、例えば、RFID部品、Bluetooth部品、又は電子南京錠のための開放コードを受信するための、並びに場合によってはまた電子南京錠の状態及び動作に関する情報も送信するための別の部品を備える。通信部品は、接続部品31を介して電子アクチュエータ6と接続している。開放コードが正しい場合、電子アクチュエータは、ロックを開放するように機能することができる。電池などの電源及び制御電子機器を、通信部品に接続して配置することもできる。しかしながら、電源(例えば、電池)は、やはり制御電子機器のように、電子アクチュエータ6に接続して配置することも可能である。
【0015】
したがって、図1は、電子南京錠の全ての部品を示しておらず、分かるように、電子南京錠は、多くの異なる方式で実現することができる。通信部品は、例えば、本体2に対して異なる方式で配置することができ、例えば、キーボード若しくはタッチスクリーン、又は指紋識別部を有することができる。電子南京錠はまた、錠の状態及び動作を検出するための異なる識別部を有することもできる。図1は、本発明の必要部品を示すように努めている。
【0016】
電子アクチュエータ6とカムピース5との間には、電子アクチュエータの枢軸シャフト7の方向において、ブロック機構8が存在する。ブロック機構8は、電子アクチュエータの枢軸シャフト7をカムピース5に、それを電子アクチュエータ6によって回転させるように、かつ本体2に対してカムピース5のいかなる他の回転も防止するように、機能的に接続する。図2及び図3は、同じ軸A上、すなわち電子アクチュエータの枢軸シャフト7の方向における、電子アクチュエータ6、カムピース5、及びブロック機構8の配置を示す。
【0017】
図6は、ブロック機構の一実施例を示す。ブロック機構8は、ロックプレート9、ラッチピース10、及び駆動体11を備える。ロックプレート9は、電子アクチュエータの枢軸シャフト7に接続される。ロックプレートは、解放凹部12を有する周縁部13を有する。ロックプレート9はまた、駆動体11に対して回転するように構成されている。駆動体は、カムピース5に接続されるねじり突起部14を有する。駆動体11はまた、ラッチピース10がその中に配置される孔15も有し、本体2は、ラッチピース10のための凹部16を有する。凹部16は、図4及び図5に見られる。
【0018】
図4及び図5は、ブロック機構の動作と、同時に、電子南京錠のロック及び開放とを示す。図4では、電子南京錠はロックされている。図5では、ロックが解放され、電子南京錠を開けることができる。ブロック機構8は、ラッチピース10が部分的に凹部16内にかつ部分的に駆動体の孔15にあるとき、カムピース5の回転を防止するように構成されており(図1)、ロックプレート9の周縁部13は、ラッチピース10が枢軸シャフト7に向かって動くことを防止する。駆動体11は回転することができず、それによって、カムピース5もねじり突起部14によって回転することができない。
【0019】
ブロック機構8はまた、電子アクチュエータ6が、枢軸シャフト7を回転させることによって、ロックプレート9の解放凹部12を駆動体の孔15まで回転させたとき、該カムピース5の回転を可能にして、ラッチピース10が枢軸シャフト7に向かって動くことを可能にするように構成されている。電子アクチュエータ6による枢軸シャフト7の回転を更に続けると、ロックプレート9に加えて、駆動体11及びそれに接続されたカムピース5も回転する。図5は、駆動体11も回転されるそのような状況を示す。駆動体は、カムピース5に接続されたねじり突起部を介しているので、カムピースも回転され、それによって、カムピースの凹部25が、ラッチ部品10に向かう。したがって、ラッチ部品は、シャックル3の凹部26から離れるように動くことができ、シャックルを、本体2から引き出すことができる。
【0020】
ブロック機構8は、追加的に、駆動体11上に支持されるばね17を備え、ばねは、ばねヘッド18を有する(図7及び図8)。ばねは、目的に好適な金属でできている。ロックプレート9は、ばねヘッド18のための孔19(図6)を備える。ラッチピース10が部分的に凹部16内にかつ部分的に駆動体の孔15内にあるとき、ばねヘッド18は孔内にあり、ロックプレートの周縁部13は、ラッチピース10が枢軸シャフト7に向かって動くことを防止する。したがって、電子南京錠はロックされている。例えばトントンとたたくことによって、誰かが電子南京錠を誤って開こうとする場合、ばね17は、トントンとたたくこと又は他の振動及び他の様式によって引き起こされる可能性のあるロックプレート9の回転を防止するように努める。したがって、ばねは、ロックプレートを図4の位置に保持するように、すなわち電子南京錠をロックされたままにするように、かつロックプレートの両方向の回転を防止するように努める。したがって、トントンとたたくことや振動の方向は問題ではない。
【0021】
追加的に、ブロック機構の構造はまた、別様に、振動及び打撃を行っても、ロックプレート9を十分に回転させて電子南京錠を開けることができる可能性は非常に低いようなものでもある。まず、ロックプレートを、解放凹部12が駆動体の孔15のそばにくるように回転させ、次いで、駆動体が更に回転して、カムピース5の凹部25がラッチピース10に向かうように、更に回転させねばならない。ばねはまた、支持プレートを、その半径方向の所定の位置に保持するという役割も行う。これは、特に電子南京錠のシャフト7が何らかの形で損傷している場合に、有利である。
【0022】
図4図6から、ロックプレートの周縁部13上に、枢軸シャフト7から離れる突出部20が存在し得ることが分かる。突出部は、ロックプレート9から駆動体11へトルクを伝達するために(また、特にロックプレートをロックの方向に回転させるとき、ラッチピースとしても)使用される。突出部はまた、(例えば、ロックされている場合)錠の状態を検出するためのセンサ/スイッチ32と共に使用することができる。突出部はまた、本体2に対するロックプレート9のための支持体を形成する。
【0023】
図6から、駆動体11は、ばね17のための支持面21を有することも分かる。ばねの相対する支持面21Aは、支持面に対して定着する。駆動体を回転させても、ばね17は、駆動体11に対して所定の位置に留まることが分かる。また、ロックプレートをロック位置(図4の位置)から離れるように回転させると、ばねのヘッド18はロックプレートの孔19内にないことも分かる。
【0024】
図6及び図8から、駆動体11は、ロックプレート9のための取り付け突出部22、23を有することができることが分かる。突出部23は、図の実施形態では、突出部22よりも大きい。ロックプレート9は、突出部22と突出部23との間に設置される。突出部23はまた、ばねを支持する。したがって、取り付け突出部22、23は、部品を互いに対して取り付けることを容易にする。
【0025】
本発明による電子南京錠は、多くの異なる方式で実装することができることが分かる。例えば、電子アクチュエータのシャフト7は、図の実施形態では十字形で示されるが、別の形状を有することもできる。図のシャフト7は、電子アクチュエータ6から伸展して、シャフト状孔24内に設置することができるように実装される。孔は、枢軸シャフトのために、ロックプレート9の中央部に存在する。電子アクチュエータのシャフト7が別の形状の凹部を形成し、その中にロックプレートの対応する形状の突出部が設置されることも、当然可能である。
【0026】
電子アクチュエータ6は、電気モータ又はソレノイドとすることができる。電動モータを使用すると、通常は、より直接的であるが、ロックプレートを回転させることは、ソレノイドでも行うことができる。したがって、電子アクチュエータ6は、ソレノイドの動き(ソレノイドのペグの動きなど)を、シャフト7を回転させる動きに伝達するための何らかの種類の動力伝達を有する。
【0027】
ラッチピース10は、ボール又はローラーである。ローラーの長さ及び幅は、同じ又はほぼ同じである。したがって、ブロック機構8は、電子アクチュエータのシャフト7の方向において不必要な空間を占有せず、ブロック機構は、比較的小さな空間に収まることができる。追加的に、図4及び図5から、それを用いてロックプレート9の回転を検出することができるセンサ/スイッチ32を見ることができる。この情報は、電子南京錠の状態を検出するために使用することができる。追加的に、それは、電子南京錠をロックするために使用することができる。電子南京錠は、シャックルが本体2に向かって動かされて、本体と共に閉ループを形成するように、ロックされる。これは、例えば(図には示されていない)たぶん第2のセンサを用いて検出することができる。通信部品30を介して錠をロックするために、コードを電子南京錠に入力することもできる。電子南京錠をロックしようとする希望に関する情報は、例えば制御コマンドとして、電子アクチュエータ6に送信され、電子アクチュエータ6は、シャフト7を回転させ、したがってロックプレート及び駆動体11をロック状態にする。ロック状態は、図1及び図4に見られる。
【0028】
本発明による解決策は、電子アクチュエータ6の内部構造がロックを保持することができない場合、カムピース5の誤った回転を効果的に防止する。解決策は、例えば電子南京錠をトントンとたたき又は加熱することによって、カムピース5をロック位置から離れるように誤って回転させることを効果的に防止する。加熱は、電子アクチュエータの部品を損傷する可能性があり、そうすると、カムピースは、より自由に回転することができる。
【0029】
本発明による電子南京錠は、上記の明細書から認識することができるように、多くの異なる方式で実現することができる。したがって、本発明は、本明細書に提示される実施例に限定されないが、独立請求項の範囲内で異なる方式で実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子南京錠に関する。本発明は、具体的には、ラッチ部品をロック状態から解放するために、電子アクチュエータが、カムピースを回転させるように構成されている、電子南京錠に関する。ラッチ部品がロック状態から解放されると、電子南京錠を開けることができる。
【背景技術】
【0002】
従来技術の電子南京錠は、多くの場合、ロックを開放するために電子アクチュエータを使用する。電子南京錠は、実装方法に応じて、異なる方式で開放コードを受け取ることができる。開放コードは、例えば、Bluetooth接続を介して、又は何らかの他の無線ネットワークを介して、携帯電話から、電子南京錠に入力することができる。RFID技術やNFC技術を使用することもできる。電子南京錠はまた、開放コードを入力するためのキーボード若しくはタッチスクリーンを有することもでき、又は錠は、例えば指紋識別部を有する。正しい開放コードが電子南京錠に入力されると、錠内の電子アクチュエータがロックを解放し、それによって、南京錠を開けることができる。ロックが解放されると、南京錠シャックルを閉位置から開位置に動かすことができ、すなわち南京錠を開けることができる。
【0003】
電子アクチュエータは、例えば、南京錠のカムピースを回転させるように構成されている電気モータであり得る。カムピースは、南京錠がロックされているときに、ラッチ部品をシャックルの相対する孔に対して保持する部品である。電子南京錠が正しい開放コードを受け取ると、電子アクチュエータは、カムピースの凹部がラッチ部品のそばにくるように、カムピースを(通常は90度)回転させる。したがって、ラッチ部品は、シャックルの相対する孔から離れるように動くことができ、すなわちロック状態が解放され、電子南京錠を開けることができる。電子南京錠がロックされると、シャックルは閉位置にあり、電子アクチュエータはカムピースをロック位置に回転させ、それによって、ラッチ部品をシャックルの相対する孔に対して保持する。ラッチ部品は、通常は、ボールである。
【0004】
上記のような電子南京錠では、電子アクチュエータ又はそのギアの内部摩擦によってのみ、カムピースの回転を制限することができる。したがって、電子南京錠をトントンとたたくことにより、カムピースを誤って回転させることができ、それによって、電子南京錠がもはやロックされず、開けることができる。
【0005】
WO2018/184070は、コイルばねがカムピースの回転に影響する、電子南京錠の一実装態様を提示している。この解決策では、コイルばねは、カムピースをロック位置に保持するように努める。WO公開の解決策では、電子アクチュエータに関連するブロックピース及び回転ノブが存在する。ブロックピースが、電子アクチュエータの助けによってブロック位置から解放されると、カムピースを回転させて電子南京錠を開けるために、回転ノブを手動で回転させることができる。したがって、この解決策では、錠を開けるために、カムピースがコイルばねに逆らって手動で回転される。
【0006】
WO2017/097186は、ソレノイドを有するブロック機構を有する電子南京錠 である。WO2019/119631は、空洞を有するプレートを有するブロック機構を 有する電子南京錠を開示している。CN205 531 813はまた、クラッチ機構を 有する電子南京錠を開示している。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、電子南京錠の誤った開放の可能性を低減し、又は更には誤った開放の可能性を排除する、電子南京錠を提供することである。これは、独立請求項に提示された様式で達成される。従属請求項は、本発明の異なる実施形態を提示する。
【0008】
本発明による電子南京錠は、本体及びシャックルを備える。本体は、ラッチ部品、カムピース、及び電子アクチュエータを有する。電子アクチュエータは、カムピースを回転させてラッチ部品をロック状態から解放するように、及びやはりカムピースを回転させてラッチ部品をロック状態に保持するように構成されている、枢軸シャフトを備える。ロック状態では、ラッチ部品は、シャックルが動かされて電子南京錠を開けることを防止する。電子アクチュエータとカムピースとの間には、電子アクチュエータの枢軸シャフトの方向において、ブロック機構が存在する。ブロック機構は、電子アクチュエータの枢軸シャフトをカムピースに、それを電子アクチュエータによって回転させるように、かつ本体に対するカムピースのいかなる他の回転も防止するように、機能的に接続する。
【0009】
ブロック機構は、ロックプレート、ラッチピース、及び駆動体を備える。ロックプレートは、電動アクチュエータの枢軸シャフトに接続されている。ロックプレートは、解放凹部を有する周縁部を有する。ロックプレートはまた、駆動体に対して回転するように構成されている。駆動体は、カムピースに接続されるねじり突起部を有する。駆動体はまた、ラッチピースがその中に配置される孔を有し、本体は、ラッチピースのための凹部を有する。
【0010】
ブロック機構は、ラッチピースが部分的に凹部内にかつ部分的に駆動体の孔内にあるとき、カムピースの回転を防止するように構成されており、ロックプレートの周縁部は、ラッチピースが枢軸シャフトに向かって動くことを防止する。ブロック機構はまた、電子アクチュエータが、枢軸シャフトを回転させることによって、ロックプレートの解放凹部を駆動体の孔まで回転させたとき、該カムピースの回転を可能して、ラッチピースが枢軸シャフトに向かって動くことを可能にするようにも構成されている。電子アクチュエータによる枢軸シャフトの回転を更に続けると、ロックプレートに加えて、駆動体及びそれに接続されたカムピースもまた回転する。
【0011】
ブロック機構は、追加的に、駆動体上に支持されているばねを備え、ばねは、ばねヘッドを有する。ロックプレートは、ばねヘッドのための孔を備える。ラッチピースが部分的に凹部内にかつ部分的に駆動体の孔内にあるとき、ばねヘッドは孔内にあり、ロックプレートの周縁部は、ラッチピースが枢軸シャフトに向かって動くことを防止する。
【0012】
以下では、添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による電子南京錠の一実施例を示す。
図2】本発明による電子南京錠の電子アクチュエータ、ブロック機構、及びカムピースの一実施例を示す。
図3図2の実施例を別の角度から示す。
図4】電子南京錠がロックされた状態の、図1の実施例の部分断面を示す。
図5】電子南京錠のロックが解放された状態の、図1の実施例の部分断面を示す。
図6】ブロック機構の一実施例を示す。
図7】本発明による電子南京錠の部品の一実施例を示す。
図8図7の実施例を別の角度から示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明による電子南京錠1の一実施例を示す。本発明による電子南京錠は、本体2及びシャックル3を備える。本体は、ラッチ部品4、カムピース5、及び電子アクチュエータ6を有する。電子アクチュエータは、カムピース5を回転させてラッチ部品4をロック状態から解放するように、及びやはりカムピース5を回転させてラッチ部品4をロック状態に保持するように構成されている枢軸シャフト7(図7)を備える。ロック状態では、ラッチ部品4は、シャックル3が動かされて電子南京錠を開けることを防止する。図1は、ロック状態を示す。カムピースを(通常は、90度又は約90度)回転させると、カムピースの凹部25がラッチ部品に向かう。したがって、ラッチ部品は、シャックル3の凹部26から離れるように動くことができ、シャックルを、本体2から引き出すことができる。シャックルを本体2から離すように動かすと、シャックルと本体との間のループが開き、すなわち、したがって、電子南京錠が開けられる。図4は、電子南京錠1がロックされた状態の、図5は、ロックが開放された状態の、線Lに沿った部分断面を示す。
【0015】
図1はまた、シャックル開口部28(図7)内の封止リング27、装着部品29、及び通信部品30などの電子南京錠の他の部品も示す。装着部品は、本体2内の電子アクチュエータ6、ブロック機構8、及びカムピース5を、これらの部品に意図されているよう、うまく保持する。通信部品30は、例えば、RFID部品、Bluetooth部品、又は電子南京錠のための開放コードを受信するための、並びに場合によってはまた電子南京錠の状態及び動作に関する情報も送信するための別の部品を備える。通信部品は、接続部品31を介して電子アクチュエータ6と接続している。開放コードが正しい場合、電子アクチュエータは、ロックを開放するように機能することができる。電池などの電源及び制御電子機器を、通信部品に接続して配置することもできる。しかしながら、電源(例えば、電池)は、やはり制御電子機器のように、電子アクチュエータ6に接続して配置することも可能である。
【0016】
したがって、図1は、電子南京錠の全ての部品を示しておらず、分かるように、電子南京錠は、多くの異なる方式で実現することができる。通信部品は、例えば、本体2に対して異なる方式で配置することができ、例えば、キーボード若しくはタッチスクリーン、又は指紋識別部を有することができる。電子南京錠はまた、錠の状態及び動作を検出するための異なる識別部を有することもできる。図1は、本発明の必要部品を示すように努めている。
【0017】
電子アクチュエータ6とカムピース5との間には、電子アクチュエータの枢軸シャフト7の方向において、ブロック機構8が存在する。ブロック機構8は、電子アクチュエータの枢軸シャフト7をカムピース5に、それを電子アクチュエータ6によって回転させるように、かつ本体2に対してカムピース5のいかなる他の回転も防止するように、機能的に接続する。図2及び図3は、同じ軸A上、すなわち電子アクチュエータの枢軸シャフト7の方向における、電子アクチュエータ6、カムピース5、及びブロック機構8の配置を示す。
【0018】
図6は、ブロック機構の一実施例を示す。ブロック機構8は、ロックプレート9、ラッチピース10、及び駆動体11を備える。ロックプレート9は、電子アクチュエータの枢軸シャフト7に接続される。ロックプレートは、解放凹部12を有する周縁部13を有する。ロックプレート9はまた、駆動体11に対して回転するように構成されている。駆動体は、カムピース5に接続されるねじり突起部14を有する。駆動体11はまた、ラッチピース10がその中に配置される孔15も有し、本体2は、ラッチピース10のための凹部16を有する。凹部16は、図4及び図5に見られる。
【0019】
図4及び図5は、ブロック機構の動作と、同時に、電子南京錠のロック及び開放とを示す。図4では、電子南京錠はロックされている。図5では、ロックが解放され、電子南京錠を開けることができる。ブロック機構8は、ラッチピース10が部分的に凹部16内にかつ部分的に駆動体の孔15にあるとき、カムピース5の回転を防止するように構成されており(図1)、ロックプレート9の周縁部13は、ラッチピース10が枢軸シャフト7に向かって動くことを防止する。駆動体11は回転することができず、それによって、カムピース5もねじり突起部14によって回転することができない。
【0020】
ブロック機構8はまた、電子アクチュエータ6が、枢軸シャフト7を回転させることによって、ロックプレート9の解放凹部12を駆動体の孔15まで回転させたとき、該カムピース5の回転を可能にして、ラッチピース10が枢軸シャフト7に向かって動くことを可能にするように構成されている。電子アクチュエータ6による枢軸シャフト7の回転を更に続けると、ロックプレート9に加えて、駆動体11及びそれに接続されたカムピース5も回転する。図5は、駆動体11も回転されるそのような状況を示す。駆動体は、カムピース5に接続されたねじり突起部を介しているので、カムピースも回転され、それによって、カムピースの凹部25が、ラッチ部品10に向かう。したがって、ラッチ部品は、シャックル3の凹部26から離れるように動くことができ、シャックルを、本体2から引き出すことができる。
【0021】
ブロック機構8は、追加的に、駆動体11上に支持されるばね17を備え、ばねは、ばねヘッド18を有する(図7及び図8)。ばねは、目的に好適な金属でできている。ロックプレート9は、ばねヘッド18のための孔19(図6)を備える。ラッチピース10が部分的に凹部16内にかつ部分的に駆動体の孔15内にあるとき、ばねヘッド18は孔内にあり、ロックプレートの周縁部13は、ラッチピース10が枢軸シャフト7に向かって動くことを防止する。したがって、電子南京錠はロックされている。例えばトントンとたたくことによって、誰かが電子南京錠を誤って開こうとする場合、ばね17は、トントンとたたくこと又は他の振動及び他の様式によって引き起こされる可能性のあるロックプレート9の回転を防止するように努める。したがって、ばねは、ロックプレートを図4の位置に保持するように、すなわち電子南京錠をロックされたままにするように、かつロックプレートの両方向の回転を防止するように努める。したがって、トントンとたたくことや振動の方向は問題ではない。
【0022】
追加的に、ブロック機構の構造はまた、別様に、振動及び打撃を行っても、ロックプレート9を十分に回転させて電子南京錠を開けることができる可能性は非常に低いようなものでもある。まず、ロックプレートを、解放凹部12が駆動体の孔15のそばにくるように回転させ、次いで、駆動体が更に回転して、カムピース5の凹部25がラッチピース10に向かうように、更に回転させねばならない。ばねはまた、支持プレートを、その半径方向の所定の位置に保持するという役割も行う。これは、特に電子南京錠のシャフト7が何らかの形で損傷している場合に、有利である。
【0023】
図4図6から、ロックプレートの周縁部13上に、枢軸シャフト7から離れる突出部20が存在し得ることが分かる。突出部は、ロックプレート9から駆動体11へトルクを伝達するために(また、特にロックプレートをロックの方向に回転させるとき、ラッチピースとしても)使用される。突出部はまた、(例えば、ロックされている場合)錠の状態を検出するためのセンサ/スイッチ32と共に使用することができる。突出部はまた、本体2に対するロックプレート9のための支持体を形成する。
【0024】
図6から、駆動体11は、ばね17のための支持面21を有することも分かる。ばねの相対する支持面21Aは、支持面に対して定着する。駆動体を回転させても、ばね17は、駆動体11に対して所定の位置に留まることが分かる。また、ロックプレートをロック位置(図4の位置)から離れるように回転させると、ばねのヘッド18はロックプレートの孔19内にないことも分かる。
【0025】
図6及び図8から、駆動体11は、ロックプレート9のための取り付け突出部22、23を有することができることが分かる。突出部23は、図の実施形態では、突出部22よりも大きい。ロックプレート9は、突出部22と突出部23との間に設置される。突出部23はまた、ばねを支持する。したがって、取り付け突出部22、23は、部品を互いに対して取り付けることを容易にする。
【0026】
本発明による電子南京錠は、多くの異なる方式で実装することができることが分かる。例えば、電子アクチュエータのシャフト7は、図の実施形態では十字形で示されるが、別の形状を有することもできる。図のシャフト7は、電子アクチュエータ6から伸展して、シャフト状孔24内に設置することができるように実装される。孔は、枢軸シャフトのために、ロックプレート9の中央部に存在する。電子アクチュエータのシャフト7が別の形状の凹部を形成し、その中にロックプレートの対応する形状の突出部が設置されることも、当然可能である。
【0027】
電子アクチュエータ6は、電気モータ又はソレノイドとすることができる。電動モータを使用すると、通常は、より直接的であるが、ロックプレートを回転させることは、ソレノイドでも行うことができる。したがって、電子アクチュエータ6は、ソレノイドの動き(ソレノイドのペグの動きなど)を、シャフト7を回転させる動きに伝達するための何らかの種類の動力伝達を有する。
【0028】
ラッチピース10は、ボール又はローラーである。ローラーの長さ及び幅は、同じ又はほぼ同じである。したがって、ブロック機構8は、電子アクチュエータのシャフト7の方向において不必要な空間を占有せず、ブロック機構は、比較的小さな空間に収まることができる。追加的に、図4及び図5から、それを用いてロックプレート9の回転を検出することができるセンサ/スイッチ32を見ることができる。この情報は、電子南京錠の状態を検出するために使用することができる。追加的に、それは、電子南京錠をロックするために使用することができる。電子南京錠は、シャックルが本体2に向かって動かされて、本体と共に閉ループを形成するように、ロックされる。これは、例えば(図には示されていない)たぶん第2のセンサを用いて検出することができる。通信部品30を介して錠をロックするために、コードを電子南京錠に入力することもできる。電子南京錠をロックしようとする希望に関する情報は、例えば制御コマンドとして、電子アクチュエータ6に送信され、電子アクチュエータ6は、シャフト7を回転させ、したがってロックプレート及び駆動体11をロック状態にする。ロック状態は、図1及び図4に見られる。
【0029】
本発明による解決策は、電子アクチュエータ6の内部構造がロックを保持することができない場合、カムピース5の誤った回転を効果的に防止する。解決策は、例えば電子南京錠をトントンとたたき又は加熱することによって、カムピース5をロック位置から離れるように誤って回転させることを効果的に防止する。加熱は、電子アクチュエータの部品を損傷する可能性があり、そうすると、カムピースは、より自由に回転することができる。
【0030】
本発明による電子南京錠は、上記の明細書から認識することができるように、多くの異なる方式で実現することができる。したがって、本発明は、本明細書に提示される実施例に限定されないが、独立請求項の範囲内で異なる方式で実施することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子南京錠であって、本体(2)及びシャックル(3)を備え、前記本体は、ラッチ部品(4)、カムピース(5)、及び電子アクチュエータ(6)を有し、前記電子アクチュエータは、枢軸シャフト(7)を備え、前記枢軸シャフトは、前記カムピース(5)を回転させて前記ラッチ部品(4)をロック状態から解放するように、及び前記カムピース(5)を回転させて前記ラッチ部品(4)を前記ロック状態に保持するように構成されており、前記ロック状態では、前記ラッチ部品(4)は、前記シャックル(3)が動かされて前記電子南京錠を開けることを防止し、前記電子アクチュエータ(6)と前記カムピース(5)との間には、前記電子アクチュエータの前記枢軸シャフト(7)の方向において、ブロック機構(8)が存在し、前記ブロック機構(8)は、前記電子アクチュエータの前記枢軸シャフト(7)を前記カムピース(5)に、前記カムピース(5)を前記電子アクチュエータ(6)によって回転させるように、かつ前記本体(2)に対する前記カムピース(5)のいかなる他の回転も防止するように、機能的に接続し、
前記ブロック機構(8)は、ロックプレート(9)、ラッチピース(10)、及び駆動体(11)を備え、前記ロックプレート(9)は、前記電子アクチュエータの前記枢軸シャフト(7)に接続され、前記ロックプレートは、解放凹部(12)を有する周縁部(13)を有し、前記ロックプレート(9)は、前記駆動体(11)に対して回転するように構成され、
前記駆動体は、前記カムピース(5)に接続されているねじり突起部(14)を有し、前記駆動体(11)は、前記ラッチピース(10)がその中に配置されている孔(15)を有し、前記本体(2)は前記ラッチピース(10)のための凹部(16)を有し、
前記ブロック機構(8)は、前記ラッチピース(10)が部分的に前記凹部(16)内にかつ部分的に前記駆動体の孔(15)内にあるとき、前記カムピース(5)の回転を防止するように構成され、前記ロックプレート(9)の前記周縁部(13)は、前記ラッチピース(10)が前記枢軸シャフト(7)に向かって動くことを防止し、前記ブロック機構(8)は、前記電子アクチュエータ(6)が、前記枢軸シャフト(7)を回転させることにより、前記ロックプレート(9)の前記解放凹部(12)を前記駆動体の孔(15)まで回転させたとき、前記カムピース(5)の回転を可能にし、前記ラッチピース(10)が前記枢軸シャフト(7)に向かって動くのを可能にするように構成され、それによっ て、前記ロックプレートの前記周縁部(13)は、前記ロックプレート(9)から前記駆 動体(11)へトルクを伝達するための、前記枢軸シャフト(7)から離れる突出部(2 0)を有し、それによって、前記電子アクチュエータ(6)による前記枢軸シャフト(7)の回転を更に続けると、前記ロックプレート(9)に加えて、前記駆動体(11)及びそれに接続された前記カムピース(5)もまた回転し、
前記ブロック機構(8)は、前記駆動体(11)上に支持されているばね(17)を更に備え、前記ばねは、ばねヘッド(18)を有し、前記ロックプレート(9)は前記ばねヘッド(18)のための孔(19)を備え、前記ラッチピース(10)が部分的に前記凹部(16)内にかつ部分的に前記駆動体の孔(15)内にあるとき、前記ばねヘッド(18)は前記孔内にあり、前記ロックプレートの前記周縁部(13)は、前記ラッチピース(10)が前記枢軸シャフト(7)に向かって動くことを防止することを特徴とする、電子南京錠。
【請求項7】
前記電子アクチュエータ(6)は、電気モータ又はソレノイドであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子南京錠。
【国際調査報告】