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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】燃料電池流動場のための波状構造体
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/023 20160101AFI20230614BHJP
   H01M 8/0247 20160101ALI20230614BHJP
   H01M 8/0232 20160101ALI20230614BHJP
【FI】
H01M8/023
H01M8/0247
H01M8/0232
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569020
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2023-01-04
(86)【国際出願番号】 US2021032587
(87)【国際公開番号】W WO2021231951
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】63/025,615
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505163578
【氏名又は名称】ヌヴェラ・フュエル・セルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】ブランシェット,スコット
(72)【発明者】
【氏名】バン・ボーイェン,ロジャー
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA08
5H126BB06
5H126FF03
5H126GG02
5H126GG08
5H126HH00
5H126HH02
5H126HH03
5H126HH06
5H126HH10
5H126JJ01
5H126JJ03
5H126JJ09
(57)【要約】
燃料電池用の波状構造体であり、複数の山と谷を含む。燃料電池用の構造体を作製する方法であり、1以上の縁を有するメッシュ又はスクリーンシートを提供すること、メッシュ又はスクリーンシートを波状構造に成形すること、及び縁の1以上を処理することを含む。燃料電池のための流動場であり、少なくとも1つの金属メッシュ又はスクリーンを含み、少なくとも1つの金属メッシュ又はスクリーンは複数の山と谷を含む。燃料電池であり、燃料電池のアノード内に位置する第1の波形のメッシュ又はスクリーン、燃料電池のカソード内に位置する第2の波形のメッシュ又はスクリーン、および第1の波形のメッシュ又はスクリーンと第2の波形のメッシュ又はスクリーンとの間に位置する膜を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池のための構造体を製造する方法であって、
1つまたはそれより多くの縁を有するメッシュまたはスクリーンシートを提供すること;
該メッシュまたはスクリーンシートを波状構造体に成形すること;および
該縁の1つまたはそれより多くを処理すること
を含む、上記方法。
【請求項2】
前記波状構造体をプレスまたはフラット化することをさらに含む、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項3】
プレスまたはフラット化が、カレンダーローラーを用いて行われる、請求項2に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項4】
プレスまたはフラット化された波状構造体の高さが、0.2mm~1.5mmである、請求項2に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項5】
プレスまたはフラット化された波状構造体の降伏強度が、5kgF/cm~200kgF/cmである、請求項2に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項6】
前記波状構造体をクリーニングまたは不動態化することをさらに含む、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項7】
クリーニングまたは不動態化が、超音波処理、酸洗浄、浸漬処理、および電気化学的処理の1つまたはそれより多くを含む、請求項6に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項8】
前記メッシュまたはスクリーンシートが、ウーブンワイヤーである、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項9】
前記メッシュまたはスクリーンシートが、エキスパンドメタルである、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項10】
前記波状構造体が、プリーツ状のフィーチャを含む、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項11】
前記波状構造体が、波形のフィーチャを含む、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項12】
前記波状構造体が、ヘビ状のフィーチャを含む、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項13】
前記波状構造体の高さが、0.2mm~2.0mmの範囲内である、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項14】
前記波状のフィーチャの隣接する山の間の距離が、0.2mm~3.0mmの範囲である、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項15】
前記スクリーンまたはメッシュシートが、ステンレス鋼、クロム、ニオブ、ジルコニウム、ニッケル、銀、チタン、またはそれらの合金で成形されている、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項16】
前記ステンレス鋼が、オーステナイト系ステンレス鋼である、請求項15に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項17】
前記スクリーンまたはメッシュシートが、0.015インチ~0.0005インチの直径を有するワイヤーを含む、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項18】
前記スクリーンまたはメッシュシートが、30メッシュ~500メッシュの寸法を有するメッシュである、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項19】
前記縁の1つまたはそれより多くを処理することが、前記縁の1つまたはそれより多くを織ること、前記縁の1つまたはそれより多くをフラット化すること、前記縁の1つまたはそれより多くをヘミング曲げすること、前記縁の1つまたはそれより多くを圧縮すること、前記縁の1つまたはそれより多くを折り畳むこと、前記縁の1つまたはそれより多くを切断すること、前記縁の1つまたはそれより多くを融着させること、前記縁の1つまたはそれより多くをブラッシングすること、または前記縁の1つまたはそれより多くを封入することの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の燃料電池のための構造体を製造する方法。
【請求項20】
燃料電池のための流動場であって、少なくとも1つの金属メッシュまたはスクリーンを含み、該少なくとも1つの金属メッシュまたはスクリーンは、複数の山と谷を含む、流動場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[1]本出願は、参照によりその全体が組み入れられる2020年5月15日付けで出願された米国仮出願第63/025,615号への優先権の利益を主張する。
[2]本発明の開示は、高分子電解質膜燃料電池の分野に向けられる。
【背景技術】
【0002】
[3]典型的な高分子電解質膜(polymer electrolyte membrane, PEM)燃料電池(プロトン交換膜燃料電池としても公知)は、数々の構成要素を有する。このような燃料電池は、電解質として機能する高分子膜を有し、これは十分に水和されている場合にプロトン伝導の機能を提供し、加えて、高度に反応性のガス、すなわち水素および酸素の分離を提供する。触媒は、電池が電力を生産することを可能にする電気化学反応、具体的には、アノード側で水素をその構成成分である電子と陽子に解離させ、カソード側で活性化された酸素を含有する種を形成することを促進するために使用される。
【0003】
[4]アノード電極触媒およびカソード電極触媒は、典型的には、以下の2つの方法のうち1つで電池のそれぞれの側に適用される:(1)ガス拡散電極(gas diffusion electrode, GDE)の形態で適用され、この場合、触媒およびその支持体は、反応物の流動場(flow field)と膜との間に設置されたガス拡散媒体(典型的には熱分解した炭素またはグラファイト繊維のマット(matte))上に含浸されている;または(2)触媒層付き膜(catalytically coated membrane, CCM)の形態で適用され、この場合、触媒およびその支持体は、それぞれの側で高分子膜表面のイオノマー伸長部分上に固定されている。どの形態が使用されるかに関係なく、電池の組み立ての間、ガス拡散媒体と高分子膜との間に電気的接続が確立され、触媒はその間に配置される。アノード触媒と接触している膜の側がアノード側であり、カソード触媒と接触している膜の側がカソード側である。
【0004】
[5]燃料電池はまた、2つのセパレータープレート(「バイポーラプレート」としても公知)も有し、これは、隣接する流体区画を隔離しながら電気伝導を行うように機能する。アノード区画は、膜のアノード側とセパレータープレートとの間にあるスペースである。カソード区画は、膜のカソード側とセパレータープレートとの間にあるスペースである。
【0005】
[6]燃料ガス、例えば水素含有ガスは、アノード区画に供給される。酸化体を含有するガス、例えば空気は、カソード区画に供給される。燃料電池を作動させるためには、水素は、膜のアノード側に到達することが可能でなければならず、一方で酸素は、カソード側に到達しなければならない。アノード区画またはカソード区画のそれぞれに経路を作り出すために導電性スペーサーを使用できる。これらのスペーサーはまた、存在する場合、反応物ガスと生成物である水とがそれらを通って対流する流動場(flow field)としても機能する。用語「流動場(flow field)」および「流動場スペーサー」および「スペーサー」は、本明細書で使用される場合、全て複数の機能を有する構成要素を指し、これらは本開示において同義的に使用される。
【発明の概要】
【0006】
[7]一実施態様において、本発明の開示は、燃料電池のための構造体を作製する方法であって、1つまたはそれより多くの縁(edge)を有するメッシュまたはスクリーンシートを提供すること;メッシュまたはスクリーンシートを波状構造体(undulating structure)に成形すること;および縁の1つまたはそれより多くを処理することを含む、上記方法に向けられる。
【0007】
[8]一形態において、構造体は、集電体のメッシュまたはスクリーン、膜支持体のメッシュまたはスクリーン、流動場構造体、およびガス拡散電極の1つまたはそれより多くを含んでいてもよい。本方法は、1つまたはそれより多くの縁を有するメッシュまたはスクリーンシートを提供することを含んでいてもよい。メッシュまたはスクリーンシートは、オーステナイト系ステンレス鋼、クロム、ニオブ、ジルコニウム、ニッケル、銀、チタン、またはそれらの合金で成形することができる。メッシュまたはスクリーンシートとしては、ウーブンワイヤー、ワイヤークロス、またはエキスパンドメタルを挙げることができる。本方法は、メッシュまたはスクリーンシートを波状構造体に成形することを含んでいてもよい。波状構造体としては、波形のフィーチャ(corrugated feature)、ヘビ状のフィーチャ(serpentine feature)、またはプリーツ状のフィーチャ(pleated feature)を挙げることができる。波状構造体は、カレンダーローラー(calendering roller)、1つまたはそれより多くのローラー、テキスタイルプリーツ機(textile pleating machine)、またはクロスコルゲーション(cross-corrugation)を使用して成形することができる。本方法は、縁の1つまたはそれより多くを処理することを含んでいてもよい。縁の1つまたはそれより多くは、縁の1つまたはそれより多くをヘミング曲げする(hemming)こと、縁の1つまたはそれより多くを圧縮すること、縁の1つまたはそれより多くを折り畳むこと、縁の1つまたはそれより多くを封入する(encapsulating)こと、縁の1つまたはそれより多くの自由に露出した(freely exposed)ワイヤーを曲げること、もしくはブラッシングすること、または縁の1つまたはそれより多くを、レーザー、プラズマまたは他の熱切断方法を用いて切断することによって処理することができる。本方法は、加えて、波状構造体をプレスまたはフラット化することを含んでいてもよい。
【0008】
[9]別の実施態様において、本発明の開示は、燃料電池のための流動場であって、少なくとも1つの金属メッシュまたはスクリーンを含み、少なくとも1つの金属メッシュまたはスクリーンは複数の山と谷を含む、流動場に向けられる。ある特定の形態において、複数のメッシュまたはスクリーンは金属であってもよく、正弦波のプロファイル、鋸歯状のプロファイル、台形のプロファイル、またはトロイダルビーズ状のプロファイルを有する断面図を含んでいてもよい。
【0009】
[10]別の実施態様において、本発明の開示は、燃料電池のアノード内に位置する第1の波形の(corrugated)メッシュまたはスクリーン、燃料電池のカソード内に位置する第2の波形のメッシュまたはスクリーン、および第1の波形のメッシュまたはスクリーンと第2の波形のメッシュまたはスクリーンとの間に位置する膜を含む燃料電池に向けられる。燃料電池は、燃料電池のアノード内に位置する3.0mmのメッシュまたはスクリーンを含んでいてもよい。
【0010】
[11]さらなる実施態様において、本発明の開示は、カソード、アノード、およびカソードとアノードとの間に挿入された膜、ならびに第1のメッシュまたはスクリーンを含む第1の開放型流動場(open flow field)を含む燃料電池であって、第1のメッシュまたはスクリーンは、複数のコルゲーション(corrugation)を含む、燃料電池に向けられる。
【0011】
[12]さらに別の実施態様において、本発明の開示は、全体的な流れ方向を有する開放型流動場を含む燃料電池であって、全体的な流れ方向に対して垂直の方向での流れの透過性は、全体的な流れ方向に対して平行な方向での流れの透過性より高い、燃料電池に向けられる。
【0012】
[13]本発明の開示の別の実施態様は、流れ方向を有する燃料電池のための開放型流動場であって、少なくとも1つのスクリーン、メッシュ、フォーム、またはエキスパンドメタル、および少なくとも1つの流路を含み、少なくとも1つの流路は、流れ方向と交差する方向に伸長する、開放型流動場に向けられる。
【0013】
[14]さらなる実施態様において、本発明の開示は、カソード、アノード、およびカソードとアノードとの間に挿入された膜、ならびに波、ジグザグ、または正弦波の形状を有する複数の流路を含む開放型流動場を含む燃料電池であって、流路は、開放型流動場を通して反復(repeat across)している、燃料電池に向けられる。
【0014】
[15]本発明の開示はまた、第1の周期性を含む繰り返しのパターンを有する複数のチャネルを有するアノードの開放型流動場、および第2の周期性を含む繰り返しのパターンを有する複数のチャネルを有するカソードの開放型流動場を含む燃料電池であって、アノードの開放型流動場の複数のチャネルとカソードの開放型流動場の複数のチャネルとは、第1の周期性と第2の周期性とが、90度~270度の範囲の量で位相がずれるように位置している、燃料電池にも向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[16]図1A、1B、および1Cは、燃料電池のための波状構造体を作製する方法を例示する。
図2】[17]図2および2Aは、燃料電池の波状構造体のための様々な断面の配列を例示する。
図3】[18]図3は、第1および第2の波状構造体を含む流動場を例示する。
図4】[19]図4は、波状構造体を通る全体的な流れ方向を例示する。
図5】[20]図5は、ジグザグパターンで配列された構造体の波(undulations)を示す。
図6】[21]図6は、流動場のためのジグザグパターンを互い違いにすることによって生産された圧縮パターンを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[22]本開示の第1の形態に従って、図1aに、燃料電池のための構造体を作製する方法を例示する。構造体は、燃料電池のあらゆるフィーチャ、構成要素、または部分を含んでいてもよい。例えば、構造体は、流動場全体を構成するのに使用してもよいし、または、膜支持体構成要素の一部のみを構成したり、電極、集電体のメッシュまたはスクリーン、膜支持体のメッシュまたはスクリーン、スペーサー、流動場構造体、ガス拡散電極、または他のあらゆる燃料電池の部分の全部または一部を構成したりするのに使用してもよい。
【0017】
[23]一部の実施態様において、構造体は、構造体材料と、アクセス可能な空隙(accessible void space)との両方からなる構造体であってもよく、この場合、「構造体材料」は、固体材料とそれに関連するあらゆるアクセス不可能なスペースを意味し、「アクセス可能な空隙」は、流体の制限されていない流れを多孔質構造体を介して支持できる空隙を意味し、この場合、構造体は「開放型」であり、構造体のアクセス可能な空隙内のあらゆる2つのポイントが構造体のアクセス可能な空隙内に全体的に存在する仮想の滑らかなパスラインによって接続可能であるという意味であり、この場合、用語「滑らかな」は、パスラインが、それに沿ったあらゆるポイントで固有に定義される接ベクトル(tangent vector)を有することを意味し、語句「流体の制限されていない流れを支持する」は、全ての前述のパスラインにつき非干渉基準(non-interference criterion)を満たしていることを意味し、これは、パスライン上の全てのポイントにつき、(a)前記ポイントをその中心として有する円、(b)前記ポイントにおけるパスラインの接ベクトルに垂直な面にある円、および(c)5マイクロメートルの半径を有する円が、いずれの固体材料とも交差しないことを意味し、この場合、用語「~内の」は、それが燃料電池の配置で他の構成要素と共に組み立てられるときの構造体の凸包(convex hull)の内部を意味する。
【0018】
[24]構造体は、その目的に応じてあらゆる望ましい材料で成形することができる。例えば、構造体は、オーステナイト系ステンレス鋼、クロム、ニオブ、ジルコニウム、ニッケル、銀、チタン、またはそれらの合金などの金属材料で成形することができる。別の形態において、構造体は、非金属成分を含んでいてもよい。非金属成分は、導電性であってもよく、例えば炭素繊維、炭素粉末または炭素コーティングであってもよい。別の形態において、構造体は、燃料電池内での使用に適したポリマー性材料で作製されてもよい。
【0019】
[25]図1aで示されるように、構造体は、材料11のシートとして始まっていてもよい。材料11のシートは、あらゆる寸法またはあらゆる形状を有していてもよい。シートは、ロール10として提供されてもよい。あるいは、材料11のシートは、フラットに提供されてもよい。材料としては、ウーブンワイヤーメッシュ、スクリーン、パンチングメタル、金属フェルトまたはエキスパンドメタルを挙げることができる。織り(weave)または開口部の間隔は、一様であってもよいし、または変化していてもよい。メッシュの寸法は、30メッシュ~500メッシュの範囲であってもよく、この場合、「メッシュ」は、「1リニアインチ当たりのフィラメントの数」を意味する。例えば、特定の実施態様において、メッシュ寸法は、少なくとも50メッシュ、少なくとも75メッシュ、少なくとも100メッシュ、少なくとも150メッシュ、少なくとも200メッシュ、少なくとも250メッシュ、少なくとも300メッシュ、少なくとも350メッシュ、少なくとも400メッシュ、および少なくとも450メッシュである。織りとしては、あらゆるスタイルを挙げることができる。例えば、織りのスタイルは、平織(plain)、綾織(twill)、畳織(Dutch)、ロッククリンプ織(lock-crimp)、またはフィラメント間の開口部またはスペースの形成を可能にするあらゆるスタイルであってもよい。エキスパンドメタルは、あらゆる形状のギャップまたは開口部を有するように成形することができる。例えば、ギャップまたは開口部は、丸型、楕円型、正方形、長方形、平坦(flat)、ひし形(diamond)、または他のあらゆる多角形もしくは片面の形状(single-sided shape)であってもよい。あるいは、開口部は、細いスリットまたはスロットを含んでいてもよい。加えて、材料は、焼きなまされた状態(annealed state)、1/4硬さの状態(quarter-hard state)、1/2硬さの状態(half-hard state)、または他のあらゆる適切な加熱処理した状態で始めてもよい。
【0020】
[26]メッシュまたはスクリーンシートを構成するワイヤーは、0.0005インチ~0.015インチの範囲の直径を有していてもよい。例えば、特定の実施態様において、直径は、少なくとも0.001インチ、少なくとも0.005インチ、少なくとも0.01インチであってもよい。直径は、メッシュまたはスクリーンにわたり、一貫していてもよいし、または変化していてもよい。例えば、第1の直径のワイヤーは、織りの第1の部分を構成していてもよく、一方で、第2の直径のワイヤーは、織りの第2の部分を構成していてもよい。第3の直径を有する第3のワイヤーは、織りの第3の部分を構成していてもよい、などである。加えて、ワイヤーは、第1の部分で第1の直径を有していてもよく、第2の部分で第2の直径を有していてもよい。
【0021】
[27]図1aで例示されるように、メッシュまたはスクリーンシート11は、ロール10上に提供されてもよい。メッシュまたはスクリーンシート11は、1つまたはそれより多くの縁を含んでいてもよく、あらゆる望ましい形状を有していてもよい。しかし、正方形または長方形の形状が、製造の容易さにとって望ましい場合がある。メッシュまたはスクリーンシートの幅は、構造体の望ましい使用に応じて変更が可能である。例えば、燃料電池のカソードとしてまたはカソード側に使用される場合、幅は、10mm~1000mmの範囲であってもよい。特定の実施態様において、幅は、少なくとも10mm、少なくとも25mm、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも125mm、少なくとも150mm、少なくとも175mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、少なくとも300mm、少なくとも400mm、少なくとも500mmであってもよい。これらの実施態様において、幅は、1000mmまたはそれ未満、900mmまたはそれ未満、800mmまたはそれ未満、750mmまたはそれ未満、700mmまたはそれ未満、600mmまたはそれ未満、500mmまたはそれ未満、400mmまたはそれ未満、300mmまたはそれ未満、250mmまたはそれ未満、200mmまたはそれ未満、175またはそれ未満であってもよい。これらの実施態様に加えて、幅の範囲は、2つの前の文で開示された範囲の下限および上限のあらゆる組合せを包含することが意図されている。したがって、幅の非限定的な例示的な範囲としては、10mm~800mm、10mm~600mm、10mm~400mm、10mm~250mm、10mm~200mm、10mm~175mm、25mm~1000mm、25mm~800mm、25mm~600mm、25mm~400mm、25mm~250mm、25mm~200mm、25mm~175mm、50mm~1000mm、50mm~800mm、50mm~600mm、50mm~400mm、50mm~250mm、50mm~200mm、50mm~175mm、75mm~1000mm、75mm~800mm、75mm~600mm、75mm~400mm、75mm~250mm、75mm~200mm、75mm~175mm、100mm~1000mm、100mm~800mm、100mm~600mm、100mm~400mm、100mm~250mm、100mm~200mm、100mm~175mm、125mm~1000mm、125mm~800mm、125mm~600mm、125mm~400mm、125mm~250mm、125mm~200mm、125mm~175mm、150mm~1000mm、150mm~800mm、150mm~600mm、150mm~400mm、150mm~250mm、150mm~200mm、150mm~175mm、175mm~1000mm、175mm~800mm、175mm~600mm、175mm~400mm、175mm~250mm、200mm~1000mm、200mm~800mm、200mm~600mm、200mm~400mm、200mm~250mm、250mm~1000mm、250mm~800mm、250mm~600mm、250mm~400mm、300mm~1000mm、300mm~800mm、300mm~600mm、および300mm~400mmが挙げられる。
【0022】
[28]あるいは、燃料電池のアノードとしてまたはアノード側に使用される場合、幅は、10mm~1000mmの範囲であってもよい。特定の実施態様において、幅は、少なくとも10mm、少なくとも25mm、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも125mm、少なくとも150mm、少なくとも175mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、少なくとも300mm、少なくとも400mm、少なくとも500mmであってもよい。これらの実施態様において、幅は、1000mmまたはそれ未満、900mmまたはそれ未満、800mmまたはそれ未満、750mmまたはそれ未満、700mmまたはそれ未満、600mmまたはそれ未満、500mmまたはそれ未満、400mmまたはそれ未満、300mmまたはそれ未満、250mmまたはそれ未満、200mmまたはそれ未満、175mmまたはそれ未満であってもよい。これらの実施態様に加えて、幅の範囲は、2つの前の文で開示された範囲の下限および上限のあらゆる組合せを包含することが意図されている。したがって、幅の非限定的な例示的な範囲としては、10mm~800mm、10mm~600mm、10mm~400mm、10mm~250mm、10mm~200mm、10mm~175mm、25mm~1000mm、25mm~800mm、25mm~600mm、25mm~400mm、25mm~250mm、25mm~200mm、25mm~175mm、50mm~1000mm、50mm~800mm、50mm~600mm、50mm~400mm、50mm~250mm、50mm~200mm、50mm~175mm、75mm~1000mm、75mm~800mm、75mm~600mm、75mm~400mm、75mm~250mm、75mm~200mm、75mm~175mm、100mm~1000mm、100mm~800mm、100mm~600mm、100mm~400mm、100mm~250mm、100mm~200mm、100mm~175mm、125mm~1000mm、125mm~800mm、125mm~600mm、125mm~400mm、125mm~250mm、125mm~200mm、125mm~175mm、150mm~1000mm、150mm~800mm、150mm~600mm、150mm~400mm、150mm~250mm、150mm~200mm、150mm~175mm、175mm~1000mm、175mm~800mm、175mm~600mm、175mm~400mm、175mm~250mm、200mm~1000mm、200mm~800mm、200mm~600mm、200mm~400mm、200mm~250mm、250mm~1000mm、250mm~800mm、250mm~600mm、250mm~400mm、300mm~1000mm、300mm~800mm、300mm~600mm、および300mm~400mmが挙げられる。
【0023】
[29]前の2つの段落に記載のこれらの幅は単に例示の目的のためである。本発明の開示によるロールは、あらゆる幅で提供でき、望ましい幅は、構造物を望ましい幅に切断することによって達成できることが理解される。
【0024】
[30]波状構造は、ローラー12を使用してメッシュまたはスクリーンシート11中に形成される。ローラー12は、ローラーを通過したときにメッシュまたはスクリーン11に波状構造が付与されるように、1つまたはそれより多くのフルート(flute)、うね(ridge)、谷、凹部、または他のあらゆる高くなった、または低くなった部分を含んでいてもよい。ローラー12は、互いに近接していてもよいし、またはオフセットであってもよい。ローラー12は、メッシュまたはスクリーンシート11を変形させることによって、メッシュまたはスクリーンシート11に波状構造体を付与する。図1bは、波状構造体の一例を示す。図1bは、複数の山と谷を有する波形構造体を示す。幅w1、高さh1、および隣接する谷の間の間隔s1を有するメッシュまたはスクリーンシート11が示される。間隔s1は、山と谷の両方で一貫していることが示されるが、以下で論じられるように一貫していなくてもよい。一形態において、高さh1は、0.2mm~2.0mmの範囲であってもよく、隣接する山の間の間隔s1は、0.2mm~3.0mmの範囲であってもよい。例えば、特定の実施態様において、高さh1は、少なくとも0.4mm、少なくとも0.6mm、少なくとも0.8mm、少なくとも1.0mm、少なくとも1.2mm、少なくとも1.4mm、少なくとも1.6mm、少なくとも1.8mmであってもよい。同様に、特定の実施態様において、隣接する山の間の間隔s1は、少なくとも0.4mm、少なくとも0.6mm、少なくとも0.8mm、少なくとも1.0mm、少なくとも1.2mm、少なくとも1.4mm、少なくとも1.6mm、少なくとも1.8mm、少なくとも2.0mm、少なくとも2.2mm、少なくとも2.4mm、少なくとも2.6mm、少なくとも2.8mmであってもよい。高さh1の間隔s1に対する比率は、5対1(5:1)~1対15(1:15)の範囲であってもよく、例えば、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:5、および1:10などであってもよい。
【0025】
[31]図1aでは2つのみのローラー12が例示されるが、それより多くの、またはそれより少ないローラーを使用できることが理解される。例えば、波状構造体は、単一のローラーを用いて、または3つまたはそれより多くのローラーを使用して成形することができる。加えて、図1aは、ロール10に対して垂直に配列されたローラー12を示すが、一部の実施態様は、メッシュまたはスクリーンシート11の長さに対して平行な波状構造体を成形するためにロール10に対して平行に配列されたローラー12を含んでいてもよい。
【0026】
[32]メッシュまたはスクリーンシート11は、ローラー12を通過させた後、ローラー12と同じラインで、カレンダーローラー13を通過させてもよい。カレンダーローラー13は、実質的に滑らかな、または平坦な表面を有する1つまたはそれより多くのローラーを含んでいてもよい。カレンダーローラー13は、一方の側に硬質金属ローラーを含んでいてもよく、他方の側に柔らかいフェルトまたは紙製のローラーを含んでいてもよい。1つまたはそれより多くのローラーは、互いに隣接していてもよいし、またはオフセットであってもよい。カレンダーローラー13は、波形のフィーチャをプレスするかまたは部分的にフラット化して、望ましい最終的な高さ、弾性コンプライアンス、降伏強度、および/または流れ抵抗を達成するように配列される。図1cからわかるように、メッシュまたはスクリーンシート11の高さh2は、図1bに示される高さh1より低い。高さh1は、望ましい最終的な高さよりおよそ30%高くてもよい。例えば、ローラー12は、およそ0.67mmの高さh1を有する波状構造体を成形することができる。カレンダー加工のとき、高さh2は、およそ0.52mmであってもよい。幅w2は、幅w1と実質的に類似していてもよいし、幅w1よりわずかに大きくてもよいし、または幅w1よりわずかに小さくてもよい。一形態において、プレスまたはフラット化された波状構造体の高さは、0.2mm~1.5mmの範囲であってもよく、例えば、0.2mm~1.3mm、0.2mm~1.1mm、0.2mm~1.0mm、0.2mm~0.8mm、0.2mm~0.6mm、0.2mm~0.4mm、0.4mm~1.5mm、0.4mm~1.3mm、0.4mm~1.1mm、0.4mm~1.0mm、0.4mm~0.8mm、0.4mm~0.6mm、0.6mm~1.5mm、0.6mm~1.3mm、0.6mm~1.1mm、0.6mm~1.0mm、0.6mm~0.8mm、0.8mm~1.5mm、0.8mm~1.3mm、0.8mm~1.1mm、0.8mm~1.0mm、1.0mm~1.5mm、1.0mm~1.3mm、1.0mm~1.1mm、1.1mm~1.5mm、1.1mm~1.3mm、1.3mm~1.5mmなどの範囲であってもよい。波状構造体をカレンダー加工することは、プレスまたはフラット化された波状構造体の降伏強度を、5kgF/cm~200kgF/cmの範囲、例えば、25kgF/cm~200kgF/cm、50kgF/cm~200kgF/cm、75kgF/cm~200kgF/cm、100kgF/cm~200kgF/cm、125kgF/cm~200kgF/cm、150kgF/cm~200kgF/cm、175kgF/cm~200kgF/cm、5kgF/cm~175kgF/cm、25kgF/cm~175kgF/cm、50kgF/cm~175kgF/cm、75kgF/cm~175kgF/cm、100kgF/cm~175kgF/cm、125kgF/cm~175kgF/cm、150kgF/cm~175kgF/cm、5kgF/cm~150kgF/cm、25kgF/cm~150kgF/cm、50kgF/cm~150kgF/cm、75kgF/cm~150kgF/cm、100kgF/cm~150kgF/cm、125kgF/cm~150kgF/cm、5kgF/cm~125kgF/cm、25kgF/cm~125kgF/cm、50kgF/cm~125kgF/cm、75kgF/cm~125kgF/cm、100kgF/cm~125kgF/cm、5kgF/cm~100kgF/cm、25kgF/cm~100kgF/cm、50kgF/cm~100kgF/cm、75kgF/cm~100kgF/cm、5kgF/cm~75kgF/cm、25kgF/cm~75kgF/cm、50kgF/cm~75kgF/cm、5kgF/cm~500kgF/cm、25kgF/cm~50kgF/cm、5kgF/cm~25kgF/cmなどの範囲にする可能性がある。
【0027】
[33]メッシュまたはスクリーンシート11の1つまたはそれより多くの縁は、ローラー12を通過する前もしくはその後に、またはカレンダーローラー13を通過する前もしくはその後に処理することができる。縁を処理することは、1つまたはそれより多くの縁においてダメージを受けた、擦り切れた、またはそれ以外で分離したフィラメントの出現可能性を低減するであろう。ダメージを受けた、擦り切れた、またはそれ以外で分離したフィラメントは、電気化学的膜に穴を開けたり、またはそれ以外の方法で燃料電池を傷つけたりする可能性がある。処理は、縁の1つまたはそれより多くにおいて緩いワイヤーまたはフィラメントで織ること、縁の1つまたはそれより多くを折り畳むこと、縁の1つまたはそれより多くをプレスすること、縁の1つまたはそれより多くをフラット化すること、縁の1つまたはそれより多くをヘミング曲げする(hemming)こと、縁の1つまたはそれより多くを圧縮すること、縁の1つまたはそれより多くを封入する(encapsulating)こと、またはそれらのあらゆる組合せを含んでいてもよい。1つまたはそれより多くの縁の処理は、例えば1つまたはそれより多くの縁を封入するときのように、メッシュまたはスクリーンシート11を、別の材料を含むように改変することを含んでいてもよい。加えて、メッシュまたはスクリーンシート11の1つまたはそれより多くの縁は、例えば、レーザー切断、レーザー融着、熱切断、熱融着、ダイカッティング、ローラーブレード切断、ブラッシングおよび/または剪断によって処理してもよい。
【0028】
[34]上述したプロセスは、構造体にとって最終的な望ましい幅をもたらすことができ、また、構造体は、どのような望ましい長さに切断してもよい。切断は、波状構造体にダメージを与えたりまたは改変したりしないと予想されるあらゆる標準的な切断装置で実行することができる。
【0029】
[35]波状構造体は、複数の山と谷、または互い違いのうねと溝を含んでいてもよい。波状構造体は、プリーツ状のフィーチャ、波形のフィーチャ、またはヘビ状のフィーチャ(serpentine feature)を含んでいてもよい。プリーツ状のフィーチャは、あらゆる方法で、メッシュまたはスクリーンシートを折り畳むこと、または折り重ねることによって成形することができる。上述したプロセスに加えて、プリーツ状のフィーチャは、テキスタイルプリーツ機を使用しても成形することができる。ヘビ状のフィーチャは、これまでに論じられた方式のいずれでも成形することができ、山と谷または互い違いのうねと溝のあらゆる不規則な、または一貫していないパターンを含む。図2は、様々な波状構造体の断面図を例示する。複数の鋭い山と谷を有するメッシュまたはスクリーンシート15が示される。山と谷は、均一に間隔を開けられていてもよいし、または不規則な間隔を有していてもよい。例えば、ギャップ25aによって間隔が開けられた山と谷の第1のセット25bおよび山と谷の第2のセット25cを有するメッシュまたはスクリーンシート25が示される。平坦な部分を有する複数の山と谷を有するメッシュまたはスクリーンシート16が示される。山と谷は、均一に間隔を開けられていてもよいし、または不規則な間隔を有していてもよい。例えば、ギャップ26aによって間隔が開けられた山と谷の第1のセット26bおよび山と谷の第2のセット25cを有するメッシュまたはスクリーンシート26が示される。複数の正弦波の山と谷を有するメッシュまたはスクリーンシート17が示される。山と谷は、均一に間隔を開けられていてもよいし、または不規則な間隔を有していてもよい。例えば、ギャップ27aによって間隔が開けられた山と谷の第1のセット27bおよび山と谷の第2のセット27cを有するメッシュまたはスクリーンシート27が示される。複数の半円の山を有するメッシュまたはスクリーンシート18が示される。山は、均一に間隔を開けられていてもよいし、または不規則な間隔を有していてもよい。例えば、ギャップ28aによって間隔が開けられた山の第1のセット28bおよび山の第2のセット28cを有するメッシュまたはスクリーンシート28が示される。示されていないが、波状構造体は、谷のみを含んでいてもよい。さらに、波状構造体は、1つより多くの断面形状を含んでいてもよく、不規則な間隔を含んでいてもよい。例えば、波状構造体は、半円の谷によって隔てられた鋭い山で構成されていてもよい。
【0030】
[36]図2Aは、プレス、フラット化、またはカレンダー加工などによって機械的に処理された様々な波状構造体の断面図を例示する。シート50の面に垂直にプレスまたはフラット化されたメッシュまたはスクリーンシート50が示される。剪断動作でプレスまたはフラット化されたメッシュまたはスクリーンシート51が示される。所定の角度でプレスまたはフラット化されたメッシュまたはスクリーンシート52が示される。得られた波状構造体は、矢印で示されたメッシュまたはスクリーンの3つの層を含む。メッシュまたはスクリーンの5つの層が生じるように所定角度でプレスまたはフラット化されたメッシュまたはスクリーンシート53が示される。波状構造体をプレスまたはフラット化することができる角度は、1度~90度の範囲のいずれの角度であってもよい。
【0031】
[37]本方法は、加えて、波状構造体をクリーニングまたは不動態化することを含んでいてもよい。クリーニングまたは不動態化は、超音波処理、酸洗浄、浸漬処理、および電気化学的処理の1つまたはそれより多くを含んでいてもよい。クリーニングおよび不動態化は、使用される材料および波状構造体の望ましい使用に依存し得る。加えて、波状構造体は、焼きなましてもよいし、またはそれ以外の方法で熱処理してもよい。
【0032】
[38]一形態において、1つまたは複数の構造体を使用して、燃料電池のための流動場を作り出すことができる。流動場は、1つまたは複数の金属メッシュまたはスクリーンを含んでいてもよい。1つまたは複数の金属メッシュまたはスクリーンのそれぞれは、上記で論じられたように成形することができ、複数の山と谷を含んでいてもよい。複数の構造体は、互いに、または燃料電池内の他の構造体に、化学的、機械的、または冶金的に合体させてもよく、または単に互いに隣接して設置するだけでもよい。例えば、部分は、圧縮力、縛り付け(tying)、またはエンサークリング(encircling)の適用の後に、一緒に貫通させることにより一緒に織り合わせるかまたは「フック留め(hooking)」することによって合体させてもよい。一形態において、1つまたは複数の構造体は、電気化学的膜の両方の側に開放型流動場を形成することができる。別の形態において、1つまたは複数の構造体は、電気化学的膜の一方の側の開放型流動場で使用することができる。複数の構造体は、導電性スペーサーとして、アノード区画およびカソード区画のそれぞれの中に経路を作り出すのに使用できる。これらのスペースはまた、反応物ガスと生成物である水とがそれを通って対流する流動場としても機能し得る。加えて、電極触媒を、流動場を形成する複数の構造体の1つまたはそれより多くの上に堆積させてもよい。
【0033】
[39]図3は、第1の波状構造体31および第2の波状構造体32を含む燃料電池の流動場を例示する。第1の波状構造体31および第2の波状構造体32は、上述したプロセスに従って成形することができる。第1の波状構造体は、燃料電池のアノード内に位置していてもよく、一方で第2の波状構造体32は、燃料電池のカソード内に位置していてもよい。電気化学的膜(示されていない)は、第1の波状構造体31と第2の波状構造体32との間に位置していてもよい。第1の波状構造体31の山と谷は、第2の波状構造体32の山と谷に対して垂直に位置している。このような配列は、電気機械的膜(示されていない)を支持する領域が、スクエアドット格子圧縮パターン35を形成することを可能にし、この場合、第2の波状構造体32の谷34が、第1の波状構造体31の山33と接触している。この配列は、電気化学的膜(示されていない)が両方の側から適切に支持され、電気化学的膜へのダメージを回避することを保証する。
【0034】
[40]したがって、この実施態様に記載された燃料電池によれば、燃料電池のアノード内に位置する第1の波形のメッシュまたはスクリーン、燃料電池のカソード内に位置する第2の波形のメッシュまたはスクリーン、および第1の波形のメッシュまたはスクリーンと第2の波形のメッシュまたはスクリーンとの間に位置する膜がある。第1の波形のメッシュまたはスクリーンは、スクエアドット格子パターンを作り出すために、第2の波形のメッシュまたはスクリーンに対して垂直に位置していてもよい。一部の実施態様において、第1の波形のメッシュまたはスクリーンのコルゲーションは、ジグザグパターンを構成し、他の実施態様において、第2の波形のメッシュまたはスクリーンのコルゲーションは、ジグザグパターンを構成する。第1の波形のメッシュまたはスクリーンのジグザグパターンは、第2の波形のメッシュまたはスクリーンのジグザグパターンに対して垂直であってもよい。他の実施態様において、第1の波形のメッシュまたはスクリーンおよび第2の波形のメッシュまたはスクリーンは、膜の両方の側に開放型流動場を構成する。追加の実施態様において、第1の波形のメッシュまたはスクリーンまたは第2の波形のメッシュまたはスクリーンは、集電体のメッシュまたはスクリーン、膜支持体のメッシュまたはスクリーン、流動場構造体、およびガス拡散電極の1つを形成する。
【0035】
[41]本発明の開示の他の形態は、カソード、アノード、およびカソードとアノードとの間に挿入された膜、ならびに第1のメッシュまたはスクリーンを含む第1の開放型流動場を含む燃料電池であって、第1のメッシュまたはスクリーンは、複数のコルゲーションを含む、燃料電池に向けられる。カソードおよび/またはアノードは、複数のチャネルを含んでいてもよい。開放型流動場における複数のコルゲーションは、波状構造体を構成し、複数のコルゲーションは、複数のチャネルに対して所定の角度であってもよい。角度は、少なくとも45度であってもよい。一部の実施態様において、角度は、90度またはそれ未満であってもよい。例えば、角度は、45度~90度の範囲であってもよく、例えば、45度~75度、45度~60度、60度~90度、60度~75度、および75度~90度などであってもよい。
【0036】
[42]特定の実施態様において、燃料電池は、第2の波形のメッシュまたはスクリーンを含む第2の開放型流動場をさらに含み、この場合、第2のメッシュまたはスクリーンは、複数のコルゲーションを含む。他の実施態様において、第1の開放型流動場または第2の開放型流動場は、第3のメッシュまたはスクリーンを含み、この場合、第3のメッシュまたはスクリーンは、複数のコルゲーションを含む。
【0037】
[43]一部の実施態様において、開放型流動場は、複数のコルゲーションを有する少なくとも1つの第1のメッシュまたはスクリーンを含んでいてもよい。一部の実施態様において、開放型流動場は、複数のコルゲーションを有する第1、第2、および第3のメッシュまたはスクリーンを含んでいてもよい。一部の実施態様において、第1のメッシュまたはスクリーンおよび第2のメッシュまたはスクリーンは、1度~90度の範囲の、例えば、5度~90度、10度~90度、25度~90度、45度~90度、60度~90度、75度~90度、1度~75度、5度~75度、10度~75度、25度~75度、45度~75度、60度~75度、1度~60度、5度~60度、10度~60度、25度~60度、45度~60度、1度~45度、5度~45度、10度~45度、および25度~45度などのパターン角度を有するジグザグパターンを含んでいてもよい。一部の実施態様において、パターン角度は、第1のメッシュまたはスクリーンと第2のメッシュまたはスクリーンとで同じであってもよい。一部の実施態様において、パターン角度は、異なっていてもよい。
【0038】
[44]一部の実施態様において、第1のメッシュまたはスクリーンは、第1のジグザグパターンを含み、第2のメッシュまたはスクリーンは、第2のジグザグパターンを含む。第1のジグザグパターンおよび第2のジグザグパターンは、同一であってもよいし、または異なっていてもよい。一部の形態において、第1のジグザグパターンは、第2のジグザグパターンに対して所定の角度で位置している。この角度は、1度~90度の範囲であってもよく、例えば、5度~90度、10度~90度、25度~90度、45度~90度、60度~90度、75度~90度、1度~75度、5度~75度、10度~75度、25度~75度、45度~75度、60度~75度、1度~60度、5度~60度、10度~60度、25度~60度、45度~60度、1度~45度、5度~45度、10度~45度、および25度~45度などであってもよい。一部の実施態様において、第1のジグザグパターンは、第1のジグザグパターンが第2のジグザグパターンに対して垂直になるように、第2のジグザグパターンに対して所定の角度で位置している。
【0039】
[45]1つの流れの配置において、全体的な流れ方向40は、波状構造体における山と谷の方向に対して垂直である。流動場の入口および/または出口における流れにおける非均一性は、図4で示されるように、コルゲーションの方向での流動場の高い透過性によって迅速に消散する。一形態において、燃料電池は、波状構造体を有する1つまたはそれより多くのメッシュまたはスクリーンで成形された、全体的な流れ方向40を有する開放型流動場を含んでいてもよい。全体的な流れ方向40に対して垂直の方向での流れの透過性は、全体的な流れ方向に対して平行な方向での流れの透過性より高い。流れの透過性は、波状構造体を含むメッシュまたはスクリーンの開口部のサイズ、波状構造体の高さ、波状構造体の幅、波状構造体における山と谷の間隔、メッシュまたはスクリーンを成形するワイヤーの厚さ、およびメッシュまたはスクリーンに適用されたあらゆる表面処理と相関する。これらのパラメーターを調整して、全体的な流れ方向に対して垂直の方向での流れの透過性の、全体的な流れ方向に対して平行な方向での流れの透過性に対する比率を、少なくとも1.05:1にすることができる。一部の実施態様において、全体的な流れ方向に対して垂直の方向での流れの透過性の、全体的な流れ方向に対して平行な方向での流れの透過性に対する比率は、20:1~1.05:1の範囲であってもよく、例えば例えば、15:1、10:1、5:1、3:1、2:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.25:1、1.2:1、1.15:1、および1.1:1などであってもよい。一部の実施態様において、全体的な流れ方向に対して垂直の方向での流れの透過性は、全体的な流れ方向に対して平行な方向での流れの透過性の少なくとも2倍大きくてもよい。一部の実施態様において、開放型流動場は、少なくとも1つの波状構造体を含み、他の実施態様において、開放型流動場は、波形のメッシュまたはスクリーンを含む。
【0040】
[46]図5において、流動場の波状構造体の山と谷のジグザグパターン50が例示される。このような配置において、カソードとアノードの両方の全体的な流れ方向は、ジグザグ方向に対して垂直であってもよく、全体的な流れ方向に対して垂直方向の高い透過性が維持される。ジグザグパターンが示されているが、波または正弦波の形状を有するパターンも使用できる。ジグザグパターン50は、アノードおよびカソード内に位置する波状構造体の1つまたはそれより多くに含まれていてもよい。複数の波状構造体がアノードとカソードの両方に位置していてもよいことに留意する。流動場は、長さFlおよび幅Fwを含む。ジグザグパターンは、ジグザグパターン角度αでずれていてもよく、ジグザグパターン幅Zwを含んでいてもよい。ジグザグパターン角度αは、1度~90度の範囲であってもよく、例えば、5度~90度、10度~90度、25度~90度、45度~90度、60度~90度、75度~90度、1度~75度、5度~75度、10度~75度、25度~75度、45度~75度、60度~75度、1度~60度、5度~60度、10度~60度、25度~60度、45度~60度、1度~45度、5度~45度、10度~45度、および25度~45度などであってもよい。山と谷がそれぞれ、所定の幅Cwを含んでいてもよい。ジグザグパターンがアノードとカソードとの間で互い違いになっている場合、スクエアドット格子圧縮パターンが維持される。例えば、第2の構造体のパターンを、第1の構造体のFw軸に沿って(Zw/2)の値でシフトすることによって、スクエアドット格子圧縮パターンが維持される。
【0041】
[47]別の形態において、燃料電池は、第1の周期性を含む繰り返しのパターンを有する複数のチャネルを有するアノードの開放型流動場、および第2の周期性を含む繰り返しのパターンを有する複数のチャネルを有するカソードの開放型流動場を含んでいてもよく、アノードの開放型流動場の複数のチャネルおよびカソードの開放型流動場の複数のチャネルは、第1の周期性と第2の周期性とが、90度~270度の範囲の量で、例えば、90度~225度、90度~180度、90度~135度、135度~270度、135度~225度、135度~180度、180度~270度、180度~225度、および225度~270度などの範囲の量で位相がずれるように位置している。特定の実施態様において、アノードの開放型流動場の複数のチャネルおよびカソードの開放型流動場の複数のチャネルは、第1の周期性と第2の周期性とが180度位相がずれるように位置している。一部の実施態様において、第1および第2の周期性は、同じであってもよい。一部の実施態様において、第1および第2の周期性は、異なっていてもよい。
【0042】
[48]図6は、このような配置を有する流動場60を例示する。示した通り、カソードの波状構造体の谷61は、アノードの波状構造体の山62と接触して、スクエアドット格子圧縮パターン63を成形する。上記で論じられたように、この配列は、電気化学的膜(示されていない)が両方の側から適切に支持されることを確実にする。
【0043】
[49]別の形態において、流れ方向を有する燃料電池のための開放型流動場は、少なくとも1つのスクリーン、メッシュ、フォーム、またはエキスパンドメタル、および少なくとも1つの流路を含んでいてもよく、少なくとも1つの流路は、流れ方向に交差する方向に伸長する。一部の実施態様において、少なくとも1つの流路は、流動場の一部の幅にわた伸長する。スクリーン、メッシュ、フォーム、またはエキスパンドメタルは、1つまたはそれより多くの波状構造体を含んでいてもよい。流路は、複数の波状構造体を含んでいてもよく、特定の実施態様において、これらの波状構造体は、コルゲーションまたはプリーツを含む。一形態において、少なくとも1つの流路は、直線状である。一形態において、流路は、少なくとも1つの曲がり部分または曲線を含んでいてもよい。曲がり部分または曲線は、鋭くてもよいし、またはゆるやかであってもよく、一連の曲線または曲がり部分を含んでいてもよい。一部の実施態様において、流路は、それぞれ流れ方向と交差する複数の他の流路に平行であってもよい。
【0044】
[50]一形態において、少なくとも1つの流路は、1度~180度の範囲の角度で、例えば、例えば、15度~180度、30度~180度、45度~180度、60度~180度、75度~180度、90度~180度、105度~180度、120度~180度、135度~180度、150度~180度、165度~180度、1度~135度、15度~135度、30度~135度、45度~135度、60度~135度、75度~135度、90度~135度、105度~135度、120度~135度、1度~90度、15度~90度、30度~90度、45度~90度、60度~90度、75度~90度、1度~75度、15度~75度、30度~75度、45度~75度、60度~75度、1度~60度、15度~60度、30度~60度、45度~60度、1度~45度、15度~45度、30度~45度、1度~30度、および15~30度などの角度で、流れ方向と交差していてもよい。
【0045】
[51]本発明の開示のさらなる実施態様は、カソード、アノード、およびカソードとアノードとの間に挿入された膜;ならびに波、ジグザグ、または正弦波の形状を有する複数の流路(flow channels)を含む開放型流動場を含む燃料電池であって、流路は、開放型流動場を通して反復(repeat across)している、燃料電池に向けられる。一部の実施態様において、流路は、開放型流動場の流れ方向(flow direction)と交差するように配列され、さらなる形態において、流路は、1度~90度の角度で、例えば、15度~90度、30度~90度、45度~90度、60度~90度、75度~90度、1度~75度、15度~75度、30度~75度、45度~75度、60度~75度、1度~60度、15度~60度、30度~60度、45度~60度、1度~45度、15度~45度、30度~45度、1度~30度、および15~30度などの角度で流れ方向と交差する。一部の形態において、流路は、開放型流動場の流れ方向と垂直である。他の形態において、流路に沿った透過性は、流れ方向に沿った透過性より大きい。
【0046】
[52]構造体の例示的な実施態様を本明細書に記載したが、本発明の開示の本質から逸脱することなく様々な改変およびバリエーションをなし得ることは当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0047】
10 ロール
11 材料、メッシュまたはスクリーンシート
12 ローラー
13 カレンダーローラー
15~18 メッシュまたはスクリーンシート
25 メッシュまたはスクリーンシート
25a ギャップ
25b 山と谷の第1のセット
25c 山と谷の第2のセット
26 メッシュまたはスクリーンシート
26a ギャップ
26b 山と谷の第1のセット
27 メッシュまたはスクリーンシート
27a ギャップ
27b 山と谷の第1のセット
27c 山と谷の第2のセット
28 メッシュまたはスクリーンシート
28a ギャップ
28b 山の第1のセット
28c 山の第2のセット
50~53 フラット化したメッシュまたはスクリーンシート
31 第1の波状構造体
32 第2の波状構造体
33 山
34 谷
35 スクエアドット格子圧縮パターン
40 流れ方向
50 ジグザグパターン
60 流動場
61 カソードの波状構造体の谷
62 アノードの波状構造体の山
63 スクエアドット格子圧縮パターン
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】