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特表2023-526320高硬度ディスクから物品を機械加工により製作する方法
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  • 特表-高硬度ディスクから物品を機械加工により製作する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】高硬度ディスクから物品を機械加工により製作する方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4093 20060101AFI20230614BHJP
   B23P 15/28 20060101ALI20230614BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20230614BHJP
   B23Q 17/20 20060101ALI20230614BHJP
   B23H 9/00 20060101ALI20230614BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20230614BHJP
   G01N 29/04 20060101ALI20230614BHJP
   G01N 21/95 20060101ALI20230614BHJP
   B23B 27/14 20060101ALN20230614BHJP
   B23B 27/20 20060101ALN20230614BHJP
   B23K 26/38 20140101ALN20230614BHJP
【FI】
G05B19/4093 D
B23P15/28 Z
B23Q17/24 Z
B23Q17/20 Z
B23H9/00 Z
B23Q15/00 301J
G05B19/4093 H
G01N29/04
G01N21/95 A
B23B27/14 B
B23B27/20
B23K26/38 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569474
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2021062867
(87)【国際公開番号】W WO2021229071
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】2007251.8
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506231892
【氏名又は名称】エレメント シックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】カリー エリック
(72)【発明者】
【氏名】マクナマラ ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
2G047
2G051
3C029
3C046
3C059
3C269
4E168
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047AD11
2G047BC07
2G047BC18
2G051AA71
2G051AB02
2G051CA04
2G051CA11
2G051EA14
2G051EC01
3C029BB01
3C029BB10
3C029EE20
3C046FF35
3C046HH00
3C059AA01
3C059AB05
3C059HA01
3C269AB08
3C269AB11
3C269EF02
3C269EF59
3C269MN09
3C269MN26
3C269MN46
3C269QA06
4E168AD07
4E168JA15
(57)【要約】
本開示は、高硬度(superhard:場合によっては「超硬度」と表現される)材料、例えば多結晶ダイヤモンド(PCD)または多結晶立方晶窒化硼素(PCBN)から物品を機械加工により製作する方法に関する。本方法は、直径100mm以下、厚さ10mm以下のディスクを用意するステップと、ネスチングパターンを施すステップと、ディスクを走査してディスクに傷があればこれら傷を識別して存在場所を突き止めるステップと、その後、傷を考慮に入れた機械加工プログラムを作成するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高硬度材料から成るディスクから物品を機械加工により製作する方法であって、前記方法は、
‐機械加工されるべきディスクを用意するステップを含み、前記ディスクは、100mm以下の直径および10mm以下の厚さを有し、
‐ディスクから機械加工により製作されるべき1つ以上の物品を含むネスチングパターンを施すステップを含み、
‐前記ディスクを走査して欠陥のない部分および/または欠陥のある部分を識別するステップを含み、前記欠陥のある部分は、以下の欠陥、すなわち、微細構造傷、掻き傷、および組成的汚染物のうちの任意の1つ以上を含み、
‐機械加工プログラムを作成するための走査中に識別された前記ネスチングパターンを走査中に識別された前記ディスクの前記欠陥のある部分および/または前記欠陥のない部分上に重ねるステップを含み、
‐前記機械加工プログラムに従って前記ディスクから前記1つ以上の物品を機械加工により製作するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記ディスクを走査する前記ステップは、前記ディスクを超音波により走査して超音波走査データを生じさせるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記超音波走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のない部分を識別するステップを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記超音波走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のない部分の存在場所を突き止めるステップをさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記超音波走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のある部分を識別するステップを含む、請求項2、3または4記載の方法。
【請求項6】
前記超音波走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のある部分の存在場所を突き止めるステップをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ディスクを走査する前記ステップは、前記ディスクを視覚的に走査して視覚的走査データを生じさせるステップを含む、請求項1~6のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記視覚的走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のない部分を識別するステップを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記視覚的走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のない部分の存在場所を突き止めるステップをさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記視覚的走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のある部分を識別するステップを含む、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記視覚的走査データを用いて前記ディスクの前記欠陥のある部分の存在場所を突き止めるステップをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
欠陥のある部分があるかどうかについて第1の前記機械加工プログラムファイルをレビューし、その後、第1の前記機械加工プログラムを修正して前記ディスクのどれでも欠陥のある部分と重なり合う1つ以上の物品を除去し、それにより第2の機械加工プログラムファイルを作成するステップをさらに含む、請求項1~11のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
前記ディスクは、多結晶ダイヤモンド(PCD)から成る、請求項1~12のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記ディスクは、多結晶立方晶窒化硼素(PCBN)から成る、請求項1~12のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項15】
前記物品は、切削チップである、請求項1~14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項16】
前記機械加工は、ワイヤ放電加工を含む、請求項1~15のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項17】
前記機械加工は、ワイヤレーザ切断を含む、請求項1~16のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
コンピュータプログラムであって、コンピュータ装置上での実行時、前記コンピュータ装置が請求項1~17のうちいずれか一に記載の方法を実施するようにするコンピュータ可読コードを有する、コンピュータプログラム。
【請求項19】
コンピュータ可読媒体および請求項18記載のコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータ可読媒体上に記憶されている、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高硬度(superhard:場合によっては「超硬度」と表現される)ディスクから物品を機械加工により製作する方法、特に、損傷を最小限に抑えた状態で効率的に機械加工することができる機械加工装置のためのネスチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工のためのカッターインサートおよび他の工具は、典型的には、焼結(超硬)合金基板(サブストレート)に結合された多結晶ダイヤモンド(PCD)の層を有する。PCDは、「高硬度」材料の一例であり、超砥粒(スーパーアブレーシブ)材とも呼ばれ、この材料は、焼結(超硬)炭化タングステンの硬度値よりも実質的に大きい硬度値を有する。高硬度材料は、40GPa超のビッカース硬度を有する。
【0003】
PCDから成る部品は、硬質または研磨物質、例えば岩石、金属、セラミックス、複合材および木材含有材料を切削し、機械加工し、穴あけしまたは分解するための多種多様な工具に用いられている。PCDは、典型的には、ひとかたまりの実質的に内方成長した立方晶ダイヤモンド粒から成り、かかる立方晶ダイヤモンド粒は、これら立方晶ダイヤモンド粒相互間に隙間を形成する骨格状の塊状体を形成している。PCD材料は、少なくとも約80体積%のダイヤモンドを含み、かかるPCD材料を製作するには、ダイヤモンド向きの触媒材料と呼ばれる場合のある焼結助剤の存在下において、ダイヤモンド粒の凝集塊状体に約5GPa超、典型的には約5.5GPa超の超高圧および少なくとも約1200℃、典型的には約1440℃の温度を加える場合がある。この焼結プロセスは、HPHTプレス内に配置された高温高圧(HPHT)のカプセル内で起こる。
【0004】
ダイヤモンド用触媒材料は、ダイヤモンド粒の直接的な内方成長をダイヤモンドが黒鉛よりも熱力学的により安定した圧力および温度条件下で促進することができる材料であると理解される。ダイヤモンド用触媒材料の例は、コバルト、鉄、ニッケルおよびこれら元素のうちの任意のものの合金を含むある特定の合金である。
【0005】
PCDは、自立型であっても良く裏当てされても良い。PCDは、コバルト焼結炭化タングステン基板上に形成されるのが良く、このコバルト焼結炭化タングステン基板は、PCDのためのコバルト触媒材料の源となることができる。PCD材料の本体の焼結中、焼結炭化物基板の一成分、例えばコバルト焼結炭化タングステン基板のコバルトは、液化してひとかたまりのダイヤモンドの粒子に隣接して位置する領域からダイヤモンド粒子相互間の隙間領域中に流れるように動く。この例では、コバルトは、結合ダイヤモンド粒の生成を容易にするための触媒として働く。オプションとして、ダイヤモンド粒子および基板にHPHT焼結条件を与える前に、金属溶媒触媒をダイヤモンド粒子と混合するのが良い。PCD材料内の隙間は、少なくとも部分的に触媒材料で満たされるのが良い。したがって、内方成長ダイヤモンド構造は、元のダイヤモンド粒子ならびに新たに沈澱しまたは再成長したダイヤモンド相を含み、かかるダイヤモンド相は、元のダイヤモンド粒子を橋渡しする。最終の焼結構造では、触媒/溶媒材料は、一般に、焼結ダイヤモンド粒相互間に存在する隙間のうちの少なくとも何割かの中に存在したままである。
【0006】
焼結時、最適焼結温度は、所望の最終PCD焼結本体の特性に従って設定される。この時点で、焼結温度が低すぎる場合または高すぎる場合、PCD焼結本体の特性、例えば耐衝撃性や耐研磨性は、所望の特性の範囲外にあり、その結果、製品の欠陥が生じる。
【0007】
典型的には、PCD焼結本体エキスプレス(ex-press)は、円筒形であり、円筒形断面(標準直径)を備えたディスクを次に焼結本体からダイシングする。PCDは、通常、裏当てポリッシュドディスクの形態で工具メーカーに供給される。工具メーカーは、PCD内の金属によって補助される放電加工(EDM)を用いて設計に従って物品(例えば、工具ブランク)を取り除く。変形例として物品自体が工具メーカーに供給され、工具メーカーは、次に、最終の幾何学的形状および仕上げを与える。
【0008】
潜在的に互いに異なるサイズおよび互いに異なる形状の複数の物品が単一のディスクから打ち抜かれるようになっている場合、物品は、最大の割り当てが得られるようネスチングされる。ディスクへの物品の割り当ては、コンピュータによって実行される既定のネスチングプログラムに基づいて通常は自動的である。
【0009】
ディスクの欠陥のある部分への物品の割り当てにより、工具ブランクの品質が落ちる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ネスチング割り当てのためのディスクの利用可能な領域を最大にし、他方、ディスクがその表面または本体内に抱える場合のある欠陥があればどのような欠陥でも考慮に入れることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点によれば、高硬度材料から成るディスクから物品を機械加工により製作する方法であって、本方法は、
‐機械加工されるべきディスクを用意するステップを含み、ディスクは、100mm以下の直径および10mm以下の厚さを有し、
‐ディスクから機械加工により製作されるべき1つ以上の物品を含むネスチングパターンを施すステップを含み、
‐ディスクを走査して欠陥のない部分および/または欠陥のある部分を識別するステップを含み、欠陥のある部分は、以下の欠陥、すなわち、微細構造傷、掻き傷、および組成的汚染物のうちの任意の1つ以上を含み、
‐機械加工プログラムを作成するための走査中に識別されたネスチングパターンを走査中に識別されたディスクの欠陥のある部分および/または欠陥のない部分上に重ねるステップを含み、
‐機械加工プログラムに従ってディスクから1つ以上の物品を機械加工により製作するステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0012】
本発明の第1の観点の好ましいかつ/あるいはオプションとしての特徴が従属形式の請求項2~17に記載されている。
【0013】
本発明の第2の観点によれば、コンピュータプログラムであって、コンピュータ装置上での実行時、コンピュータ装置が本発明の第1の観点の方法を実施するようにするコンピュータ可読コードを有することを特徴とするコンピュータプログラムが提供される。
【0014】
本発明の第3の観点によれば、コンピュータ可読媒体および本発明の第2の観点のコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体上に記憶されていることを特徴とするコンピュータプログラム製品が提供される。
【0015】
次に、添付の図面を参照して本発明について具体的に説明するが、これは例示であるに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】先行技術の工具モジュールの斜視図である。
図2】先行技術の切削工具の斜視図である。
図3】本発明に従って物品を高硬度ディスクから機械加工により製作する方法を示す流れ図である。
図4】高硬度ディスクの斜視図である。
図5】本発明のイメージを示す図であり、ディスクからの切削工具取り出しの前にディスク上に並置された向かい合っているネスチング状態の切削工具の組み合わせを示す図であり、特に、ディスクの欠陥のある部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、先行技術の工具モジュールが全体を符号10で示されている。工具モジュール10は、例えばミルまたは旋盤に取り付けられた工具組立体(図示せず)に連結可能である。工具モジュール10は、細長い工具ホルダ12および工具ホルダ12の一端部のところに着脱可能に取り付けられた取り外し可能な切削工具14を有する。この特定の切削工具14は、平面図で見て正方形である。切削工具14は、解除可能なクランプ16によって定位置に保持されている。
【0018】
符号18で表示された別の先行技術の切削工具が図2に示されている。切削工具16は、平面図で見て三角形であり、中央の貫通穴20を備えている。
【0019】
切削工具10,18は、典型的には、ディスク形の焼結本体から取り外され、この焼結本体は、平面図で見て円形である。ディスクから得ることができる工具の割り当てを最大にするため、ネスチングソフトウェアが一般的に用いられる。
【0020】
図3は、本発明に従って物品を高硬度ディスク22から機械加工により製作する例示の方法を示している。以下の番号は、図3の番号に対応している。
【0021】
S1.所要のディスク22を選択する。100mm以下の直径および10mm以下の厚さを有するディスクだけが使用に適している。ディスクは、焼結PCDから成る。PCDは一般に、超硬度(ultrahard)材料と見なされており、と言うのは、これは、80GPaを超えるビッカース硬度を有するからである。変形例として、ディスクは、焼結多結晶立方晶窒化硼素(PCBN)材料から成っていても良い。PCBNは、一般的に、高硬度材料と見なされており、と言うのは、これは、80GPaを超えるビッカース硬度を有するからである。
【0022】
この実施形態では、図4で最も良く理解されるように、ディスク22は、炭化タングステン基板(サブストレート)23に焼結方式で接合されたPCD層21から成る。ディスク22は、直径が76.5mmであり、その全体的高さは、1.6mmである。PCD層21は、厚さが0.5mmである。
【0023】
各ディスク22は、これを特定するために一意的な番号が与えられており、この識別番号は、プロセス全体を通じてディスク22と共に動く。各ディスク22はまた、ディスク配向のための基準点を有する。
【0024】
S2およびS3.ディスク22を走査してディスク22を特徴づけるとともにその品質を算定する。場合によっては、高硬度ディスク22は、図5で最も良く分かるように欠陥のない部分24およびさらに欠陥のある部分26を有する。欠陥のある部分26は、傷または許容できない等級または品質の傷を含み、他方、欠陥のない部分24には傷がなくまたは最悪でも許容可能な等級または品質の傷しかない。傷は、等級公差仕様に関して層中でばらつきのある場合があり、表面上の掻き傷である場合があり、あるいは研磨上の欠陥である場合がある。全てのディスク22が欠陥のある部分26を有するわけではないが、ディスクから取り出された工具セグメントまたはブランク28の前に傷があればどのような傷でもこれらを識別することが有益であることは明らかである。欠陥のある工具セグメントから作られた機械加工工具は、使用中に時期尚早な破損を生じやすく、それによりこれら機械加工工具が機械加工している工作物の損傷を増大させる。
【0025】
走査は、視覚的走査および/または超音波走査を含むのが良い。
【0026】
視覚的走査は、各ディスク上の約12,000箇所の自動走査を含む。当初、表面欠陥を拡大下の目視検査で確認する。次に、視覚的に欠陥のある部分をディスク表面上にマーク付けし、視覚的欠陥発見カメラは、表面のコントラスト像を撮影し、ディスクの彩色領域を表す高いまたは低い値を持つ全部で12,000箇所を出力する。
【0027】
超音波走査は、ディスクの厚さを測定し、各箇所の深さで約96,000箇所を走査する。超音波走査もまた自動化される。
【0028】
個々のディスクの各々からの走査データをトレーサビリティのためにログ記録する。各箇所は、超音波走査のためにZ層深さとともにX位置およびY位置を有する。
【0029】
ステップ2およびステップ3は、いずれの順序でも実施できる。オプションとして、走査は、S2だけまたはS3だけから成って良い。好ましくは、走査ステップは、視覚的走査と超音波走査の両方を含む。
【0030】
S4.視覚的走査、超音波走査またはこれら両方の走査からの走査データを単一の走査結果ファイルの状態にコンパイルする。これは、走査データを表すデジタルファイルであり、このファイルは、AutoCAD dxf であるのが良い。走査結果ファイルは、各ディスクにとって一意的であり、また、他のディスクには移送可能ではなくまたはかかる任意他のディスクを表していない。走査結果ファイルは、欠陥を特定するための手段およびこれら欠陥の存在場所を突き止める手段を含む。代替的にまたは追加的に、走査結果ファイルは、ディスクの欠陥のない部分を識別し、オプションとして、かかる欠陥のない部分の存在場所を突き止めるための手段を有する。
【0031】
好ましくは、走査データファイルをマクロ機能で分析し、公差外れの層を指示する場所および高コントラスト彩色領域をdxfフォーマットでプロットする。
【0032】
S5.ネスチングファイルを選択する。あらかじめ構成された各ネスチングファイルは、個々の工具セグメントの寸法形状に応じて、工具セグメントの各組について異なっている。ネスチングファイルは、ディスク材料の品質とは無関係に、ディスクの最大使用を可能にするためにディスク上に配置された1つ以上の提案対象の工具セグメントのアウトラインを示している。図5では、提案された工具セグメント28は、三角形である。
【0033】
S6.走査結果とネスチングパターンを組み合わせて機械加工ファイルを作成するのを助ける。図5に示されているように、ネスチングされた工具セグメント28の提案対象のレイアウトを走査結果上に並置する。ディスクが何らかの別のインターベンションに用いられる場合、ディスク20の欠陥のある部分26に源を発する工具セグメント28が結果として生じる。
【0034】
S7.かくして、次に、機械加工ファイルをこの時点で調整するのが良い。このステップは、好ましくは、幾分かの手動操作を必要とするソフトウェアを介して自動化される。欠陥のある部分から機械加工により作られることになっていた工具セグメント28を機械加工プログラムから除く。ディスクの欠陥のない部分24に収まる工具セグメント28のみを残す。変形例として、機械加工ファイルを調節してディスク22の欠陥のない部分24をフィルタにかけることによって除去しても良い。
【0035】
S8.工具セグメント18をワイヤEDMまたはレーザ切断を用いて改訂された機械加工プログラムに従ってディスクから機械加工により作る。
【0036】
次に、プロセスに応じて、工具セグメント18は、クリーニングされる必要がある。
【0037】
その後、各工具セグメント18を視覚検査して認可された図とのコンフォーミティを判定し、その後、顧客に発送する。
【0038】
大抵の場合、顧客は、工具セグメント18を特定の機械加工工具にロウ付けする。変形例として、図1を参照して上述したように工具セグメント18を定位置にクランプしても良い。
【0039】
ディスク配向が機械加工プログラムと機械加工の前の実際のディスクの両方について同一であることは絶対必要条件である。
【0040】
以上要約すると、本発明者は、新規なプロセスが切断および加工において効率的であることを発見しており、重要なこととして、このプロセスは、手作業を少なくする。ユーザは、材料に対する良好な管理を行う。重要なこととして、このプロセスは、ISO認定を裏付けるので、最終使用者にとってセールスポイントである。
【0041】
実施形態を参照して本発明を具体的に図示するとともに説明したが、当業者であれば理解されるように、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく形態および細部における種々の変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】