(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】マイクロビーズおよびその使用
(51)【国際特許分類】
G01N 33/543 20060101AFI20230614BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20230614BHJP
G01N 27/62 20210101ALI20230614BHJP
C12N 15/10 20060101ALI20230614BHJP
C12Q 1/68 20180101ALI20230614BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20230614BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20230614BHJP
C07K 14/00 20060101ALN20230614BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20230614BHJP
【FI】
G01N33/543 525E
G01N33/543 525U
G01N33/543 525C
G01N33/53 D
G01N33/53 P
G01N33/53 M
G01N27/62 V
G01N27/62 G
C12N15/10 110Z
C12Q1/68
C12N15/11 Z
C12P21/08
C07K14/00
C07K16/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569495
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2021094398
(87)【国際公開番号】W WO2021233303
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/090905
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521497372
【氏名又は名称】シャンハイ ポラリス バイオロジー カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, ラン
(72)【発明者】
【氏名】スン, シュアンウー
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ユーチョン
(72)【発明者】
【氏名】ゲ, ジヤン
【テーマコード(参考)】
2G041
4B063
4B064
4H045
【Fターム(参考)】
2G041DA14
2G041FA06
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2G041FA12
4B063QA01
4B063QA13
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4H045AA10
4H045AA11
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4H045BA10
4H045CA40
4H045DA75
4H045EA50
(57)【要約】
マイクロビーズおよびそれを調製するための方法を提供する。併せて、元素分析を使用することによって試料中の生体分子を検出および分析するための方法も提供される。本発明は、例えば、マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含むマイクロビーズであって、前記複数の前記官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化することができるキレート基に結合され、前記複数の前記官能基の第2のサブセットが標的分子に結合することができる親和性部分と結合される、マイクロビーズを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含むマイクロビーズであって、前記複数の前記官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化することができるキレート基に結合され、前記複数の前記官能基の第2のサブセットが標的分子に結合することができる親和性部分と結合される、マイクロビーズ。
【請求項2】
前記マイクロビーズ基材が、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン-メタクリル酸(PSMAA)、ポリスチレン-ジビニルベンゼン(P[S/DVB])、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマーによって形成される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項3】
前記マイクロビーズ基材がポリスチレン(PS)によって形成される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項4】
前記マイクロビーズが50nm~10μmの直径を有する、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項5】
前記マイクロビーズが1~3μmの直径を有する、請求項4に記載のマイクロビーズ。
【請求項6】
前記官能基が、カルボキシル、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、マレイミド、アジド、アルキニル、ビオチンおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項7】
前記官能基がカルボキシルである、請求項6に記載のマイクロビーズ。
【請求項8】
前記マイクロビーズがその表面に10
4~10
10個の官能基を含む、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項9】
前記マイクロビーズがその表面に10
6~10
9個の官能基を含む、請求項8に記載のマイクロビーズ。
【請求項10】
前記マイクロビーズが、前記官能基に結合した10
4~10
10個のキレート基を含む、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項11】
前記マイクロビーズが、前記官能基に結合した10
6~10
9個のキレート基を含む、請求項10に記載のマイクロビーズ。
【請求項12】
前記マイクロビーズが、前記官能基と結合した10
4~10
10個の親和性部分を含む、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項13】
前記マイクロビーズが、前記官能基と結合した10
5~10
6個の親和性部分を含む、請求項12に記載のマイクロビーズ。
【請求項14】
前記親和性部分が、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、アビジン、ストレプトアビジン、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項15】
前記抗体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、Fabフラグメント、Fcフラグメント、軽鎖、重鎖、免疫グロブリンおよび免疫グロブリンフラグメントからなる群より選択される、請求項14に記載のマイクロビーズ。
【請求項16】
前記親和性部分が前記官能基と直接結合される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項17】
前記親和性部分がスペーサーを介して前記官能基と結合される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項18】
前記スペーサーが少なくとも2つの異なるスペーサーを含む、請求項17に記載のマイクロビーズ。
【請求項19】
前記スペーサーが、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH
2-(PEG)
n-マレイミドから選択される、請求項17または18に記載のマイクロビーズ。
【請求項20】
前記キレート基が、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項21】
前記キレート基が前記官能基に直接結合される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項22】
前記キレート基がスペーサーを介して前記官能基に結合される、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項23】
前記スペーサーが少なくとも2つの異なるスペーサーを含む、請求項22に記載のマイクロビーズ。
【請求項24】
前記スペーサーが、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH
2-(PEG)
n-マレイミドから選択される、請求項22または23に記載のマイクロビーズ。
【請求項25】
前記マイクロビーズの前記キレート基が、元素タグとさらにキレート化する、請求項1に記載のマイクロビーズ。
【請求項26】
前記元素タグが元素または元素の組み合わせを含む、請求項25に記載のマイクロビーズ。
【請求項27】
元素の前記組み合わせが、2またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項26に記載のマイクロビーズ。
【請求項28】
元素の前記組み合わせが、3またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項27に記載のマイクロビーズ。
【請求項29】
前記元素が金属またはその同位体である、請求項26に記載のマイクロビーズ。
【請求項30】
前記金属が、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgからなる群から選択される、請求項29に記載のマイクロビーズ。
【請求項31】
前記同位体が、Y-89、Rh103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Ce-142、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-144、Sm-147、Sm-148、Sm-149、Sm-150、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-154、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-160、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-164、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-170、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、Lu-175、Lu-176、およびBi-209からなる群から選択される、請求項29に記載のマイクロビーズ。
【請求項32】
組み合わせ標識マイクロビーズを調製するための方法であって、
(a)ポリマーマイクロビーズ基材を用意すること、
(b)前記ポリマーマイクロビーズ基材を官能基化して、前記ポリマーマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を設けること、
(c)キレート基が(b)の前記ポリマーマイクロビーズ基材の表面上の前記官能基の第1のサブセットに結合するように、前記キレート基を前記ポリマーマイクロビーズ基材と反応させること、および
(d)親和性部分が(b)の前記ポリマーマイクロビーズ基材の表面上の前記官能基の第2のサブセットと結合するように、前記親和性部分を前記ポリマーマイクロビーズ基材と反応させること、を含む、方法。
【請求項33】
元素タグを前記キレート基にキレート化することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記元素タグが元素または元素の組み合わせを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
元素の前記組み合わせが、2またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
元素の前記組み合わせが、3またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記元素が金属またはその同位体である、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記ポリマーマイクロビーズ基材が、スチレン、スチレン-メタクリル酸(SMAA)、スチレン-ジビニルベンゼン(S/DVB)およびメチルメタクリレート(PMMA)の重合によって得られる、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
10
4~10
10個の前記官能基が前記ポリマーマイクロビーズ基材の前記表面上に設けられる、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
10
6~10
9個の前記官能基が前記ポリマーマイクロビーズ基材の前記表面上に設けられる、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記ポリマーマイクロビーズの前記表面上に設けられる前記官能基が、カルボキシル、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、マレイミド、アジド、アルキニル、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記ポリマーマイクロビーズの前記表面上に設けられる前記官能基がカルボキシルである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記キレート基がスペーサーを介して前記官能基に結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記スペーサーが、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH
2-(PEG)
n-マレイミドから選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記キレート基が、前記キレート基のアミンを介して前記官能基に結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記アミンが第一級アミンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記キレート基がカルボジイミド架橋を介して前記官能基に結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
前記カルボジイミド架橋が、前記キレート基を前記官能基に結合させる前に、カルボジイミド化合物によって前記官能基を活性化することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記カルボジイミド化合物が、EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)およびDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記カルボジイミド架橋が、前記キレート基を前記官能基に結合させる前にNHS-エステル中間体を形成することをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記NHS-エステル中間体が、NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)またはスルホ-NHS(N-ヒドロキシ-スルホ-スクシンイミド)によって形成される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記親和性部分がスペーサーを介して前記官能基と結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項53】
前記スペーサーが、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH
2-(PEG)
n-マレイミドから選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記親和性部分が、前記親和性分子のアミンを介して前記官能基と結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項55】
前記アミンが第一級アミンである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記親和性部分が、カルボジイミド架橋を介して前記官能基と結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項57】
前記カルボジイミド架橋が、前記親和性部分を前記官能基とカップリングさせる前に、カルボジイミド化合物によって前記官能基を活性化することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記カルボジイミド化合物が、EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)およびDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記カルボジイミド架橋が、前記親和性部分を前記官能基とカップリングさせる前にNHS-エステル中間体を形成することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記NHS-エステル中間体が、NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)またはスルホ-NHS(N-ヒドロキシ-スルホ-スクシンイミド)によって形成される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記親和性部分が、前記キレート基を前記官能基に結合させる前に前記官能基と結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項62】
前記親和性部分が、前記キレート基を前記官能基に結合させた後に前記官能基と結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項63】
前記親和性部分が、前記元素タグを前記キレート基にキレート化する前に前記官能基と結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項64】
前記親和性部分が、前記元素タグをキレート基にキレート化した後に前記官能基と結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項65】
マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団であって、少なくとも1つの前記マイクロビーズが、マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、前記複数の前記官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合され、前記複数の前記官能基の第2のサブセットが標的分子に結合することができる親和性部分と結合され、前記マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が前記マイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、前記マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が前記マイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む、マイクロビーズの集団。
【請求項66】
前記元素タグが元素の組み合わせである、請求項65に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項67】
元素の前記組み合わせが、2またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項66に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項68】
元素の前記組み合わせが、3またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項66に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項69】
前記元素が金属またはその同位体である、請求項65に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項70】
前記マイクロビーズの各亜集団の前記元素タグが、元素タグの前記亜集団を他の亜集団から識別する、請求項65に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項71】
前記元素分析がMSである、請求項70に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項72】
前記MSが、ICP-MS、ICP-TOF-MSおよびマスサイトメトリーからなる群から選択される、請求項71に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項73】
10%未満である直径の可変係数(CVd)を有する、請求項65に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項74】
5%未満である直径の可変係数(CVd)を有する、請求項73に記載のマイクロビーズの集団。
【請求項75】
試料中の分析物を検出するための方法であって、(a)前記試料をマイクロビーズと接触させることであって、前記マイクロビーズがマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、前記複数の前記官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合され、前記複数の前記官能基の第2のサブセットが前記分析物に結合することができる親和性部分と結合される、接触させること、
(b)前記分析物に結合した前記マイクロビーズを、前記分析物に結合していない前記マイクロビーズから識別すること、および
(c)前記試料中の前記分析物を決定すること、を含む、方法。
【請求項76】
前記識別することが、前記マイクロビーズを固定試薬と共にインキュベートすることを含み、前記固定試薬が前記分析物に特異的に結合し、前記分析物に結合した前記マイクロビーズを固定する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記分析物に結合した前記マイクロビーズを単離することをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記識別することが、前記マイクロビーズを検出試薬とインキュベートすることを含み、前記検出試薬が前記分析物に特異的に結合し、前記分析物に結合した前記マイクロビーズの検出を可能にする、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記試料から前記マイクロビーズを単離することをさらに含む、請求項78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記検出試薬が、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記検出試薬が抗体である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記検出試薬が検出元素タグで標識される、請求項78~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記検出元素タグが金属またはその同位体である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記金属が、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgからなる群から選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記同位体が、Y-89、Rh103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175からなる群から選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記分析物を前記決定することが、前記試料中の前記分析物の実体を明らかにすることを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項87】
前記分析物の前記実体を前記明らかにすることが、前記元素タグの実体を分析することによって行われる、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記分析物を前記決定することが、前記試料中の前記分析物の量を定量することを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項89】
前記分析物の量を前記定量することが、前記検出元素タグを分析することによって行われる、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記分析物を前記決定することが、元素分析によって行われる、請求項75に記載の方法。
【請求項91】
前記元素分析がMSである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記MSが、ICP-MS、ICP-TOF-MSおよびマスサイトメトリーからなる群から選択される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記試料が対象から得られる、請求項75に記載の方法。
【請求項94】
前記試料が体液である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記体液が、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸管分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、胃腸分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物からなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記分析物が、疾患を予測または診断するための1またはそれを超えるバイオマーカーである、請求項75に記載の方法。
【請求項97】
前記バイオマーカーが、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物からなる群から選択される、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
試料中の2またはそれを超える分析物の多重分析を実施する方法であって、
(a)マイクロビーズの集団を前記試料と接触させることであって、少なくとも1つの前記マイクロビーズが前記マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、前記複数の前記官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合され、前記複数の前記官能基の第2のサブセットが前記2またはそれを超える分析物のうちの1つの分析物に結合することができる親和性部分と結合され、前記マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が前記マイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる前記元素タグを含み、前記マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が前記マイクロビーズの別の亜集団とは異なる前記親和性部分を含む、接触させること、
(b)前記マイクロビーズの前記集団を2またはそれを超える検出試薬とインキュベートすることであって、前記検出試薬の各々が分析物に結合したマイクロビーズの検出を可能にする、インキュベートすること、および
(c)前記試料中の前記2またはそれを超える分析物を同時に分析すること、を含む、方法。
【請求項99】
前記元素タグが元素の組み合わせである、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
元素の前記組み合わせが、2またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
元素の前記組み合わせが、3またはそれを超える元素の組み合わせである、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記試料から前記マイクロビーズを単離することをさらに含む、請求項98に記載の方法。
【請求項103】
前記検出試薬が検出元素タグで標識される、請求項98に記載の方法。
【請求項104】
前記2またはそれを超える分析物を前記分析することは、前記試料中の前記2またはそれを超える分析物の実体を明らかにすることを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項105】
前記2またはそれを超える分析物の前記実体を前記明らかにすることが、前記元素タグの実体を分析することによって行われる、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記2またはそれを超える分析物を前記分析することが、前記試料中の前記2またはそれを超える分析物の量を定量することを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項107】
前記2またはそれを超える分析物の量を前記定量することが、前記検出元素タグを分析することによって行われる、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記2またはそれを超える分析物を前記分析することが、元素分析によって行われる、請求項98に記載の方法。
【請求項109】
前記元素分析がMSである、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記MSが、ICP-MS、ICP-TOF-MSおよびマスサイトメトリーからなる群から選択される、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記試料が対象から得られる、請求項98に記載の方法。
【請求項112】
前記試料が体液である、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記体液が、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸管分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、胃腸分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物からなる群から選択される、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記2またはそれを超える分析物のそれぞれが、疾患を予測または診断するためのバイオマーカーである、請求項98に記載の方法。
【請求項115】
前記バイオマーカーが、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物からなる群から選択される、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
キットであって、
(1)前記キットを使用して2またはそれを超える分析物の多重分析を実施するための指示と、
(2)マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含む前記マイクロビーズの集団であって、少なくとも1つの前記マイクロビーズがマイクロビーズ基材の表面上の複数の官能基を含み、前記複数の前記官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合され、前記複数の前記官能基の第2のサブセットが標的分子に結合することができる親和性部分と結合され、前記マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が前記マイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、前記マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が前記マイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む、マイクロビーズの集団と、
(3)2またはそれを超える検出試薬であって、前記検出試薬のそれぞれが検出元素タグを含み、前記2またはそれを超える分析物のうち1つの分析物に特異的に結合する、検出試薬と、を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
マスサイトメトリーは、細胞の定量に用いられている元素分析に基づく質量分析技術である。このアプローチでは、抗体などの細胞親和性分子を元素とコンジュゲートさせ、さらにこれらの細胞親和性分子を使用して標的細胞を標識し、さらにその元素のシグナルに基づいてマスサイトメトリーおよび分析を行う。従来のフローサイトメトリーと比較して、このアプローチは、蛍光の代わりに元素または同位体をレポーター系として利用し、その高い精度および感度を維持しながらより広いスペクトルを提供する。
【0002】
生体分子の検出および/または同定は、診断、毒物学、および病理学を含む医療分野において不可欠である。生体分子を検出および分析する技術の開発は、健康、疾患および処置のメカニズムの理解において前例のない進歩をもたらした。しかしながら、これらの技術の欠点は、主に、感度、精度、選択性、ならびに多分析物の量を同時に決定する能力の限界に関連している。より正確で費用対効果が高く、高スループットで生体分子を検出するための方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本明細書で認識されているのは、複数の生体分子を同時に正確に、費用対効果が高く、ハイスループットで検出するための方法および組成物の必要性である。本発明は、この必要性に対処し、さらに関連する利点を提供する。
【0004】
一態様では、マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含むマイクロビーズが提供され、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化することができるキレート基に結合され、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合される。いくつかの実施形態では、マイクロビーズ基材は、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン-メタクリル酸(PSMAA)、ポリスチレン-ジビニルベンゼン(P[S/DVB])、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマーによって形成される。いくつかの実施形態では、マイクロビーズ基材はポリスチレン(PS)によって形成される。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは50nm~10μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは1~3μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、官能基は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、マレイミド、アジド、アルキニル、ビオチンおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、官能基はカルボキシルである。
【0005】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に104~1010個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に106~109個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、官能基に結合した104~1010個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、官能基に結合した106~109個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、官能基に結合した104~1010個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、官能基に結合した105~106個の親和性部分を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、親和性部分は、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、アビジン、ストレプトアビジン、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、Fabフラグメント、Fcフラグメント、軽鎖、重鎖、免疫グロブリンおよび免疫グロブリンフラグメントからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、官能基と直接結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、スペーサーを介して官能基と結合される。いくつかの実施形態では、スペーサーは少なくとも2つの異なるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH2-(PEG)n-マレイミドから選択される。いくつかの実施形態では、キレート基は、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、キレート基は官能基に直接結合される。いくつかの実施形態では、キレート基は、スペーサーを介して官能基に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサーは少なくとも2つの異なるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH2-(PEG)n-マレイミドから選択される。
【0007】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズのキレート基は、さらに元素タグとキレート化する。いくつかの実施形態では、元素タグは、1つの元素または元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、2またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、3またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素は金属またはその同位体である。いくつかの実施形態では、金属は、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、同位体は、Y-89、Rh103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Ce-142、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-144、Sm-147、Sm-148、Sm-149、Sm-150、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-154、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-160、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-164、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-170、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、Lu-175、Lu-176、およびBi-209からなる群から選択される。
【0008】
別の態様では、組み合わせ標識マイクロビーズを調製するための方法であって、(a)ポリマーマイクロビーズ基材を用意すること、(b)ポリマーマイクロビーズ基材を官能基化して、ポリマーマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を設けること、(c)キレート基が(b)のポリマーマイクロビーズ基材の表面上の官能基の第1のサブセットに結合するように、キレート基をポリマーマイクロビーズ基材と反応させること、および(d)親和性部分が(b)のポリマーマイクロビーズ基材の表面上の官能基の第2のサブセットと結合するように、親和性部分をポリマーマイクロビーズ基材と反応させること、を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、元素タグをキレート基にキレート化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、元素タグは、1つの元素または元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、2またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、3またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素は金属またはその同位体である。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズ基材は、スチレン、スチレン-メタクリル酸(SMAA)、スチレン-ジビニルベンゼン(S/DVB)およびメチルメタクリレート(PMMA)の重合によって得られる。
【0009】
いくつかの実施形態では、104~1010個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~109個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズの表面上に設けられる官能基は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、マレイミド、アジド、アルキニル、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズの表面上に設けられる官能基はカルボキシルである。
【0010】
いくつかの実施形態では、キレート基は、スペーサーを介して官能基に結合される。いくつかの実施形態では、スペーサーは、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH2-(PEG)n-マレイミドから選択される。いくつかの実施形態では、キレート基は、キレート基のアミンを介して官能基に結合される。いくつかの実施形態では、アミンは第一級アミンである。いくつかの実施形態では、キレート基は、カルボジイミド架橋を介して官能基に結合される。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、キレート基を官能基に結合させる前に、カルボジイミド化合物によって官能基を活性化することを含む。いくつかの実施形態では、カルボジイミド化合物は、EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)およびDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)から選択される。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、キレート基を官能基に結合させる前にNHS-エステル中間体を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、NHS-エステル中間体は、NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)またはスルホ-NHS(Sulfo-NHS)(N-ヒドロキシ-スルホ-スクシンイミド)によって形成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、親和性部分は、スペーサーを介して官能基と結合される。いくつかの実施形態では、スペーサーは、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)またはNH2-(PEG)n-マレイミドから選択される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、親和性分子のアミンを介して官能基と結合される。いくつかの実施形態では、アミンは第一級アミンである。いくつかの実施形態では、親和性部分は、カルボジイミド架橋を介して官能基と結合される。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、親和性部分を官能基とカップリングさせる前に、カルボジイミド化合物によって官能基を活性化することを含む。いくつかの実施形態では、カルボジイミド化合物は、EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)およびDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)から選択される。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、親和性部分を官能基とカップリングさせる前に、NHS-エステル中間体を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、NHS-エステル中間体は、NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)またはスルホ-NHS(N-ヒドロキシ-スルホ-スクシンイミド)によって形成される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、キレート基を官能基に結合させる前に官能基と結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、キレート基を官能基に結合させた後に官能基と結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、元素タグをキレート基にキレートする前に官能基と結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、元素タグをキレート基にキレート化した後に官能基と結合される。
【0012】
別の態様では、マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、少なくとも1つのマイクロビーズは、マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合され、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合され、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が、マイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が、マイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、元素タグは元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、2またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、3またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素は金属またはその同位体である。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの各亜集団の元素タグは、元素分析においてマイクロビーズの親和性部分のバーコードとして機能する。
【0014】
いくつかの実施形態では、元素分析はMSである。いくつかの実施形態では、MSは、ICP-MS、ICP-TOF-MSおよびマスサイトメトリーからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、10%未満である直径の可変係数(variable coefficient of diameter)(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、5%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。
【0015】
別の態様では、試料中の分析物を検出するための方法であって、
(a)試料をマイクロビーズと接触させることであって、マイクロビーズがマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合され、複数の官能基の第2のサブセットが分析物に結合することができる親和性部分と結合される、接触させること、(b)分析物に結合したマイクロビーズを、分析物に結合していないマイクロビーズから識別すること、(c)試料中の分析物を決定すること、を含む、方法が提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、識別することは、マイクロビーズを固定試薬とインキュベートすることを含み、固定試薬は分析物に特異的に結合し、分析物に結合したマイクロビーズを固定する。いくつかの実施形態では、本方法は、分析物に結合したマイクロビーズを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、識別することは、マイクロビーズを検出試薬とインキュベートすることを含み、検出試薬は分析物に特異的に結合し、分析物に結合したマイクロビーズの検出を可能にする。いくつかの実施形態では、本方法は、試料からマイクロビーズを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、検出試薬は、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、検出試薬は抗体である。
【0017】
いくつかの実施形態では、検出試薬は検出元素タグで標識される。いくつかの実施形態では、検出元素タグは金属またはその同位体である。いくつかの実施形態では、金属は、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、同位体は、Y-89、Rh103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Ce-142、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-144、Sm-147、Sm-148、Sm-149、Sm-150、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-154、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-160、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-164、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-170、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、Lu-175、Lu-176、およびBi-209からなる群から選択される。
【0018】
いくつかの実施形態では、分析物を決定することは、試料中の分析物の実体を明らかにすることを含む。いくつかの実施形態では、分析物の実体を明らかにすることは、元素タグの実体を分析することによって行われる。いくつかの実施形態では、分析物を決定することは、試料中の分析物の量を定量することを含む。いくつかの実施形態では、分析物の量を定量することは、検出元素タグを分析することによって行われる。いくつかの実施形態では、分析物を決定することは、元素分析によって行われる。いくつかの実施形態では、元素分析はMSである。いくつかの実施形態では、MSは、ICP-MS、ICP-TOF-MSおよびマスサイトメトリーからなる群から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態では、試料は対象から取得される。いくつかの実施形態では、試料は体液である。いくつかの実施形態では、体液は、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸管分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、胃腸分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、分析物は、疾患を予測または診断するための1またはそれを超えるバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物からなる群から選択される。
【0020】
別の態様では、試料中の2またはそれを超える分析物の多重分析を実施する方法であって、(a)マイクロビーズの集団を試料と接触させることであって、少なくとも1つのマイクロビーズがマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合され、複数の官能基の第2のサブセットが2またはそれを超える分析物のうちの1つの分析物に結合することができる親和性部分と結合され、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む、接触させること、(b)マイクロビーズの集団を2またはそれを超える検出試薬とインキュベートすることであって、検出試薬の各々が分析物に結合したマイクロビーズの検出を可能にする、インキュベートすること、および(c)試料中の2またはそれを超える分析物を同時に分析すること、を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、元素タグ(he element tag)は元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、2またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、元素の組み合わせは、3またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、本方法は、試料からマイクロビーズを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、検出試薬は検出元素タグで標識される。
【0021】
いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物を分析することは、試料中の2またはそれを超える分析物の実体を明らかにすることを含む。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物の実体を明らかにすることは、元素タグの実体を分析することによって行われる。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物を分析することは、試料中の2またはそれを超える分析物の量を定量することを含む。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物の量を定量することは、検出元素タグを分析することによって行われる。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物を分析することは、元素分析によって行われる。いくつかの実施形態では、元素分析はMSである。いくつかの実施形態では、MSは、ICP-MS、ICP-TOF-MSおよびマスサイトメトリーからなる群から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、試料は対象から取得される。いくつかの実施形態では、試料は体液である。いくつかの実施形態では、体液は、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸管分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、胃腸分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物のそれぞれは、疾患を予測または診断するためのバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物からなる群から選択される。
【0023】
別の態様では、キットであって、(1)キットを使用して2またはそれを超える分析物の多重分析を実施するための指示と、(2)マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団であって、少なくとも1つのマイクロビーズがマイクロビーズ基材の表面上の複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合され、複数の官能基の第2のサブセットが標的分子に結合することができる親和性部分と結合され、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む、マイクロビーズの集団と、(3)2またはそれを超える検出試薬であって、検出試薬のそれぞれが検出元素タグを含み、2またはそれを超える分析物に特異的に結合する、検出試薬と、を含む、キットが提供される。
【0024】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な記載、および添付の図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本開示のマイクロビーズの概略図を示す。
【0027】
【
図2A】
図2Aは、親和性部分をマイクロビーズの表面上の官能基とカップリングさせるための例示的なプロセスを示す。
図2Bは、マイクロビーズの表面上の官能基にキレート基を結合させるための例示的なプロセスを示す。
図2Cは、マイクロビーズの表面上の官能基に親和性部分をコンジュゲートさせるために使用することができる例示的なスペーサーを示す。
【0028】
【
図3】
図3は、ICP-TOF-MSを使用することによる組み合わせ元素タグ(141Pr、159Tb、166Ho)を有するマイクロビーズの分析を示す。
【0029】
【
図4】
図4は、マスサイトメトリーを使用することによる、組み合わせ元素タグ(141Pr、159Tb、166Ho)およびマウスIgG(169Tmで標識)を有するマイクロビーズの分析を示す。
【0030】
【
図5】
図5Aは、異なる濃度のマウスIgGとのマイクロビーズのカップリング効率を示す。
図5Bは、線形座標における検出元素タグの定量を示す。
図5Cは、対数座標における検出元素タグの定量を示す。
【0031】
【
図6】
図6Aは、マスサイトメトリーによるマイクロビーズの使用による試料中のヒトTNFαの検出を示す。
図6Bは、マスサイトメトリーによるマイクロビーズの使用による試料中のヒトTNFαの定量を示す。
【0032】
【
図7】
図7は、マスサイトメトリーによる異なる組み合わせ元素を有するマイクロビーズの検出を示し、黄色の矢印は、141Pr、159Tb、169Tmの組み合わせの元素タグ(165Hoなし)を有し、CD3プライマーと結合したマイクロビーズのシグナルを示し、赤色の矢印は、141Pr、165Ho、169Tmの組み合わせの元素タグ(159Tbなし)を有し、CD4プライマーと結合したマイクロビーズのシグナルを示し、緑色の矢印は、141Pr、159Tb、165Hoの組み合わせの元素タグ(169Tmなし)を有し、CD19プライマーと結合したマイクロビーズのシグナルを示す。
【0033】
【
図8】
図8A~
図8Cは、それぞれH
2O、HEK293T RNA、および末梢血単核細胞(PBMC)RNAを含む試料中の核酸の定量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
本発明の実施形態を記載する前に、かかる実施形態は例としてのみ提示され、本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が本発明の実施において使用され得ることを理解されたい。本発明から逸脱することなく、当業者は多数の変形、変更、および置換に想到する。
【0035】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料と類似のまたは同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む本特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。本発明から逸脱することなく、当業者は多数の変形、変更、および置換に想到する。
【0036】
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「and」、および「the」は、文脈が明らかに別のことを示していない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「a group(基)」への言及は複数のかかる基を含み、「a monomer(モノマー)」への言及は複数のかかるモノマーを含み、「the pendent moiety(ペンダント部分)」への言及は1またはそれを超えるペンダント部分(または複数のペンダント部分)および当業者に公知のその均等物などへの言及を含む。
【0037】
本明細書における「約(about)」または「およそ(approximately)」という用語は、当業者によって求められる特定の値の許容され得る誤差範囲内を意味し、値がどのように測定または決定されるか、すなわち一つには測定系の限界に依存する。例えば、「約」は、当技術分野の慣例に従って、標準偏差が1以内または標準偏差が1を超えることを意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載されている場合、特に明記しない限り、「約」または「およそ」という用語は、特定の値の許容され得る誤差範囲内を意味すると想定されるべきである。
【0038】
本明細書において、範囲が、直径などの物理的特性、または官能基などの化学的特性のために使用される場合、範囲およびその中の特定の実施形態のすべての組み合わせおよび部分的組み合わせが含まれることが意図される。値の範囲が示される場合、文脈が明らかに別のことを示していない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在値、およびその記載された範囲における任意の他の記載された値または介在値が本明細書で提示される本開示内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、記載された範囲における任意の具体的に除外された限界を条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方または両方を除外した範囲も本明細書で提示される本開示に含まれる。
【0039】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、2つの単語または表現が一緒にまたは個別に解釈されるべきであることを示す機能語である。例えば、Aおよび/またはBは、A単独、B単独、ならびにAおよびBを一緒に包含する。
【0040】
「含むこと(comprising)」という用語(および「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有する(having)」または「含む(including)」などの関連する用語)は、他の実施形態において、例えば、本明細書に記載される物質、組成物、方法またはプロセスなどの任意の組成物の実施形態が、記載された特徴「からなり(consist of)」得るまたは「から本質的になり(consist essentially of)」得ることを排除することを意図しない。
【0041】
本明細書で使用される「マイクロビーズ」という用語は、有機ポリマーからなるマイクロメートルサイズの単分散粒子を指す。それは、元素分析において、元素タグおよび分析される標的分子の両方の担体として機能する。10nm~1mmの範囲のサイズを有する任意の適切な粒子を、本開示のマイクロビーズとして利用することができる。例えば、本開示のマイクロビーズは、10nm~1mm、10nm~100μm、0.1μm~-10μm、またはそれらの間の任意の範囲のサイズの粒子であり得る。
【0042】
本明細書で互換的に使用される「官能基」、「反応性基」および「反応性部分」という用語は、それらの分子の特徴的な化学反応を担う分子内の特定の置換基または部分を指す。同じ官能基は、それが分子の一部であるその分子のサイズにかかわらず、同じまたは類似の化学反応(複数可)を起こす。
【0043】
本明細書で使用される「キレート基」という用語は、原子またはイオンに結合することができ、本開示のマイクロビーズの表面上の官能基に結合することができる官能部分を含む分子成分を指す。キレート基の官能部分の例としては、2-アミノメチルピリジン、イミノ酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、1,4,7,10テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10四酢酸(DOTA)、カルボニルイミノ二酢酸、メチレンイミノ酢酸、メチレンイミノ二酢酸、エチレンチオエチレンイミノ酢酸、エチレンチオエチレンイミノ二酢酸、TMT、テルピリジニル基、テルピリジル基およびカルボキシメチルアミノ基を含むキレート剤、または前記の酸のいずれかの塩が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいキレート基は、DTPA、DTPA-BMA、DPDP、TMT、DOTAおよびHPDO3Aである。
【0044】
本明細書で使用される「元素」という用語は、マイクロビーズの表面上のキレート基とキレート化することができる任意の化学元素または同位体を指す。元素の例としては、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Og、またはこれらの同位体が挙げられるが、これらに限定されない。同位体の例としては、Y-89、Rh103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Ce-142、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-144、Sm-147、Sm-148、Sm-149、Sm-150、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-154、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-160、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-164、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-170、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、Lu-175、Lu-176、およびBi-209が挙げられるが、これらに限定されない。ランタニド金属は、環境中に存在量が少ないため好ましい。いくつかの実施形態では、金属はランタニド金属であり、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、またはそれらの同位体から選択される。
【0045】
本明細書で使用される「タグ」という用語は、標的分子を同定および/または定量するための分子またはその部分を指す。タグは、標的分子に直接または間接的に結合され得る。タグは、リンカーまたは本明細書のマイクロビーズを介して標的分子に結合され得る。タグは、本明細書に開示されるマイクロビーズに直接または間接的に結合され得る。タグは、本明細書に開示される官能基を介してマイクロビーズに結合され得る。本開示のタグは、それが結合している標的分子の同定、認識、および/または定量を可能にする元素または元素の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、タグは、蛍光指示薬、例えば、蛍光色素などの他の指示薬をさらに含み得る。標的分子またはマイクロビーズにタグを結合させるプロセスは、本明細書では「タグ付け」と呼ばれることがあり、タグ付けを受けるかまたはタグを含む分子またはマイクロビーズは「タグ付けされた」(例えば、「タグ付けされたマイクロビーズ」)と呼ばれる。本開示のタグが、試料中の複数の標的分子を同時に検出する際に使用するために元素の組み合わせによって構成される場合、タグは「バーコード」とも呼ばれ得る。
【0046】
本明細書で使用される「バーコード」という用語は、2つ以上の分析物を同時に同定することを可能にする複数の元素タグの組み合わせを含むタグを指す。元素タグの所定の組み合わせと、1またはそれを超える特定の元素タグの有無とを使用して、特定の分析物の有無を確認することができる。分析物と結び付けられた各元素タグの相対的存在量を使用して、分析物の絶対的または相対的存在量を求めることもできる。いくつかの実施形態では、特定のバーコードを使用して、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの亜集団を差別的に標識する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの亜集団を標識するためのバーコードは、マイクロビーズの別の亜集団の少なくとも別のバーコードとは異なる。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団の中のマイクロビーズの各亜集団のバーコードは互いに異なり得る。
【0047】
本明細書で使用される「親和性部分」という用語は、マイクロビーズの表面上の官能基と結合することができ、標的分子を試料から捕捉するように標的分子に結合することができる任意の分子成分を指す。親和性部分の例としては、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、アビジン、ストレプトアビジン、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書で使用される「スペーサー」という用語は、親和性部分またはキレート基をマイクロビーズの表面上の官能基とコンジュゲートさせるために使用することができる分子断片を指す。いくつかの実施形態では、スペーサーは、抗体などの親和性部分とマイクロビーズとの間の立体障害を克服し、親和性部分の活性に対する影響を低減するように、それらの間に適切な距離を設けることができる。
【0049】
用語「MS」(質量分析)は、化学種をイオン化し、それらの質量電荷比に基づいてイオンを選別する分析技術である。本開示では、限定するものではないが、飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF)を備えたマトリックス支援レーザー脱離/イオン化源、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)、加速器質量分析(AMS)、原子吸光分光法(AAS)、熱イオン化質量分析(TIMS)、四重極質量分析計、イオントラップ分析計、オービトラップ分析計、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI)、フーリエ変換質量分析(例えば、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)、タンデム質量分析(MS/MS)、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)、およびスパークソース質量分析(SSMS)、ならびにマスサイトメトリーを含む様々なタイプのMSを使用することができる。
【0050】
「ICP-MS」(誘導結合プラズマ質量分析)は、干渉されていない低バックグラウンド同位体上で1015分の1(千兆分の1、ppq)という低い濃度で金属および非金属などの元素を検出することができる質量分析の一種である。これは、誘導結合プラズマで試料をイオン化し、次いで質量分析計を使用してそれらのイオンを分離および定量することによって達成される。
【0051】
「ICP-TOF-MS」(飛行時間型誘導結合プラズマ質量分析)はまた、高精度で信頼性の高い元素トレース分析検出を提供する。この方法の検出限界は、100万分の1(ppm)(工業生産用途のための日常的な分析)から、研究開発目的の10億分の1(ppb)または1兆分の1(ppt)のレベルまでの範囲である。これは微量の汚染および未知の化学物質を同定することもできる。
【0052】
「マスサイトメトリー」は、元素質量分析を利用して、単一細胞上の目的の抗原に細胞内または細胞外で結合した元素コンジュゲート抗体を検出する次世代フローサイトメトリープラットフォームである。マスサイトメトリーは、チャネルの重なりなしに異なる原子質量の金属および同位体などの元素を正確に区別することができ、これは複雑な補償マトリックスの必要性を改善し、蛍光フローサイトメトリーよりもはるかに多数の細胞の特徴を同時に分析することを可能にする。
【0053】
本明細書で使用される「標的分子」という用語は、分析される様々な生物学的分子のいずれかを指す。標的分子の例としては、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、標的分子の例としては、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、修飾または誘導体化ヌクレオチド、酵素、受容体、受容体リガンド(ホルモンなど)、抗体、抗原および毒素、ならびに血液細胞および組織細胞を含む細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書で使用される「分析物」という用語は、試料中に存在する目的の物質を指す。本発明において検出可能な分析物は、本開示のマイクロビーズの親和性部分によって捕捉され得る分析物である。分析物の例としては、サイトカイン、ホルモン、成長因子、タンパク質、ペプチド、CD抗原、ウイルス抗原、抗体、ニューロトロフィン、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用される「バイオマーカー」という用語は、生物学的変化と定量的または定性的に関連する分子を指す。臨床的には、バイオマーカーは、疾患を予測する、診断する、または治療的介入に対する応答を評価するために使用することができる。本開示のバイオマーカーの例としては、サイトカイン、ホルモン、成長因子、タンパク質、ペプチド、CD抗原、ウイルス抗原、抗体、ニューロトロフィン、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
「予防」または「予防すること」、「処置」または「処置すること」または「緩和すること」または「改善すること」という用語は、本明細書では互換的に使用することができ、限定するものではないが、治療上の利益および/または予防的利益などの有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチを指す。治療上の利益は、処置されている根本的な障害の根絶または改善を指す。いくつかの実施形態では、治療上の利益は、対象が依然として根本的な障害に罹患している可能性があるにもかかわらず、対象において改善が観察されるように、根本的な障害に関連する生理学的症状の1またはそれを超える根絶または改善によって達成される。いくつかの実施形態では、予防的利益を達成するために、本組成物は、疾患を発症するリスクがある対象、または疾患の診断がなされていなくてもこの疾患の1またはそれを超える生理学的症状を報告する対象に投与され得る。
【0057】
本明細書で使用される「対象」、「個体」または「患者」という用語は、限定するものではないが、ヒト、霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ブタなどの、本開示で使用され得る任意の動物を指す。
【0058】
本明細書で使用される「インビボ」という用語は、対象の体内で起こるイベントを指す。
【0059】
本明細書で使用される「インビトロ」という用語は、対象の体外で起こるイベントを指す。いくつかの実施形態では、インビトロアッセイは、対象アッセイ以外で行われる任意のアッセイを包含する。インビトロアッセイは、生細胞または死細胞が使用される細胞ベースのアッセイを包含する。インビトロアッセイはまた、無傷細胞が使用されない無細胞アッセイを包含する。
【0060】
マイクロビーズ
1回のアッセイで複数の生体分子を同時に検出および定量することは、生物学的分析の効率を有意に改善することができる。しかしながら、検出の重大な課題は、少量の試料から十分な分析物を捕捉すること、および分析物を高感度および高精度の手法で検出することを含む。
【0061】
一態様では、試料中の分析物または標的分子を検出および定量するためのマイクロビーズが本明細書で提供される。マイクロビーズの構造は、試料中の分析物または標的分子の正確で費用効果の高いハイスループットの検出および定量を可能にする。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示のマイクロビーズは、マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化することができるキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合している。マイクロビーズの親和性部分は、分析される標的分子の捕捉を可能にする一方で、マイクロビーズのキレート基は、元素分析のための元素タグのマイクロビーズとのキレート化を可能にする。
【0063】
任意の適切なポリマーを使用して、本開示のマイクロビーズの基材を形成することができる。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの基材を形成するために使用することができるポリマーはホモポリマーである。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの基材を形成するために使用することができるポリマーはコポリマーである。マイクロビーズの基材に使用できるポリマーの例としては、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン-メタクリル酸(PSMAA)、ポリスチレン-ジビニルベンゼン(P[S/DVB])、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの基材はポリスチレン(PS)の重合によって形成される。
【0064】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの基材は、官能化に供する前に予め製造されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、マイクロビーズの基材は、商業的供給業者から入手することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの形状は、不規則、または実質的に球形、立方体、菱形、四角形、十二面体、卵形、円筒形などであり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの形状は実質的に球形である。
【0066】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、10nm~1mmの範囲、またはその間の任意の範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、50nm~100μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、50nm~10μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~10μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~10μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~10μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~5μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~5μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~5μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~3μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~3μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~3μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~3μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~10μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~5μmの範囲のサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、5μm~10μmの範囲のサイズを有し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、10nm~1mmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、50nm~100μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、50nm~10μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~10μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~10μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~10μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~5μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~5μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~5μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~3μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~3μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~3μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~3μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~10μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~5μmの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、5μm~10μmの範囲の直径を有し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、10nm~1mmまたはその間の任意の範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、50nm~100μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、50nm~10μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~10μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~10μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~10μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~5μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~5μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~5μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、100nm~3μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、300nm~3μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、500nm~3μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~3μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~10μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、1μm~5μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、5μm~10μmの範囲の直径を有する実質的に球形であり得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは表面に複数の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に104~1010個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に105~1010個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に106~1010個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に107~1010個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に108~1010個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に109~1010個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に104~109個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に104~108個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に104~107個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に104~106個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に105~109個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に106~109個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に107~109個の官能基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、その表面に106~108個の官能基を含む。
【0070】
マイクロビーズの表面上の官能基は、キレート基に結合し、親和性部分および/またはスペーサーとカップリングすることができる任意の適切な官能基であり得る。いくつかの実施形態では、官能基の例としては、カルボキシル、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、マレイミド、アジド、アルキニル、ビオチンおよびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの表面に使用される官能基はカルボキシルである。
【0071】
いくつかの実施形態では、本開示のマイクロビーズは、ポリスチレンによって形成された実質的に球形であり、マイクロビーズの表面上の官能基として104~1010個のカルボキシル基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、ポリスチレンによって形成された実質的に球形であり、マイクロビーズの表面上の官能基として106~109個のカルボキシル基を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの表面上の複数の官能基の第1のサブセットは、キレート基に結合している。マイクロビーズの表面上の官能基に結合したキレート基は、元素タグとキレート化することができる任意の適切なキレート基であり得る。いくつかの実施形態では、キレート基の例としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、PDCA(2,6-ピリジンジカルボン酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、DCTA(ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10四酢酸)、TETA(N,N’-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミン)、NOTA(1,4,7トリアザシクロノナン-N,N’、N’’-三酢酸)およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~1010個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した105~1010個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した106~1010個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した107~1010個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した108~1010個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した109~1010個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~109個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~108個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~107個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~106個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した105~109個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した106~109個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した107~109個のキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した106~108個のキレート基を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの表面上の官能基に結合したキレート基は、同じキレート基であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの表面上の官能基に結合したキレート基は、異なるキレート基の組み合わせ、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、PDCA(2,6-ピリジンジカルボン酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、DCTA(ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10四酢酸)、TETA(N,N’-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミン)およびNOTA(1,4,7トリアザシクロノナン-N,N’、N’’-三酢酸)のうちの2つ、3つまたはそれを超えるものの任意の組み合わせであり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~1010個のDOTAを含む。マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した106~109個のDOTAを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~1010個のEDTAを含む。マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した106~109個のEDTAを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した104~1010個のDTPAを含む。マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基に結合した106~109個のDTPAを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上に104~1010個の組み合わせキレート基を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上に106~109個の組み合わせキレート基を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、キレート基は、マイクロビーズの表面上の官能基に直接結合している。いくつかの実施形態では、キレート基は、スペーサーを介してマイクロビーズの表面上の官能基に結合している。キレート基を官能基に連結するために、任意の適切なスペーサーを使用することができる。キレート基を官能基に連結するスペーサーの例としては、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)、NH2-(PEG)n-マレイミド、およびこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超えるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超える同じスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、2またはそれを超える異なるスペーサーを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズのキレート基は、さらに元素タグとキレート化する。本開示のマイクロビーズのキレート基とのキレート化には、元素分析に適した任意の元素タグを使用することができる。いくつかの実施形態では、元素は金属またはその同位体である。
【0078】
本開示で使用することができる金属の例としては、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
本開示で使用することができる同位体の例としては、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、2またはそれを超える元素またはその同位体の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、2つの元素またはその同位体の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、3つの元素またはその同位体の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、4つの元素またはその同位体の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、5つの元素またはその同位体の組み合わせを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogから選択される2つの金属の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175から選択される2つの同位体の組み合わせを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogから選択される3つの金属の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175から選択される3つの同位体の組み合わせを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogから選択される4つの金属の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本開示の元素タグは、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175から選択される4つの同位体の組み合わせを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの表面上の複数の官能基の第2のサブセットは、親和性部分と結合している。親和性部分は、標的分子に結合することができる任意の適切な部分であり得る。親和性部分の例としては、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、アビジン、ストレプトアビジン、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、親和性部分は抗体であり、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片、Fab断片、Fc断片、軽鎖、重鎖、免疫グロブリン、および免疫グロブリン断片から選択することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した親和性部分は、同じ親和性部分であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した親和性部分は、異なる親和性部分の組み合わせ、例えば、2、3またはそれを超える異なる親和性部分の組み合わせであり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した104~1010個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~1010個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した106~1010個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した107~1010個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した108~1010個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した104~109個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~109個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した106~109個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~108個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した106~108個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した107~108個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~107個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した106~107個の親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~106個の親和性部分を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した104~1010個の抗体を含む。マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~106個の抗体を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した104~1010個の抗体を含む。マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~106個の抗体を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した104~1010個の抗体を含む。マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~106個の抗体を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した104~1010個の組み合わせ抗体を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、マイクロビーズの表面上の官能基と結合した105~106個の組み合わせ抗体を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、親和性部分は、マイクロビーズの表面上の官能基と直接結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、スペーサーを介してマイクロビーズの表面上の官能基と結合される。いくつかの実施形態では、スペーサーは、抗体などの親和性部分とマイクロビーズとの間の立体障害を克服し、親和性部分の活性に対する影響を低減するように、それらの間に適切な距離を設ける。
【0089】
親和性部分を官能基に連結するために、任意の適切なスペーサーを使用することができる。親和性部分を官能基に連結するために使用することができるスペーサーの例としては、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)、NH2-(PEG)n-マレイミド、およびこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超えるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超える同じスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、2またはそれを超える異なるスペーサーを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、ポリスチレンによって形成された実質的に球形であり、マイクロビーズの表面上の官能基として104~1010個のカルボキシル基を含み、カルボキシル基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化することができるキレート基に結合しており、カルボキシル基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合している。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、ポリスチレンによって形成された実質的に球形であり、マイクロビーズの表面上の官能基として104~1010個のカルボキシル基を含み、カルボキシル基の第1のサブセットは、元素の組み合わせを含む元素タグとキレート化するキレート基に結合しており、カルボキシル基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合している。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、ポリスチレンによって形成された実質的に球形であり、マイクロビーズの表面上の官能基として104~1010個のカルボキシル基を含み、カルボキシル基の第1のサブセットは、3つの元素の組み合わせを含む元素タグとキレート化するキレート基に結合しており、カルボキシル基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合している。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、ポリスチレンによって形成された実質的に球形であり、マイクロビーズの表面上の官能基として104~1010個のカルボキシル基を含み、カルボキシル基の第1のサブセットは、3つの元素の組み合わせを含む元素タグとキレート化するキレート基に結合しており、カルボキシル基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる抗体と結合している。
【0092】
別の態様では、マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が本明細書で提供され、少なくとも1つのマイクロビーズは、マイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が、マイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団が、マイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む。マイクロビーズの各亜集団は、対応する標的分子を捕捉することができ、これにより、マイクロビーズの集団は、1回のアッセイで試料の多標的分子を同時に検出することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの1つの亜集団の親和性部分は、マイクロビーズの別の亜集団の親和性部分とは異なる標的分子に結合する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの1つの亜集団の親和性部分は、マイクロビーズの別の亜集団の親和性部分とは異なるエピトープに結合する。
【0094】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの各亜集団の元素タグは元素の組み合わせを含み、元素は金属またはその同位体であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの元素タグは、2つの元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの元素タグは、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgから選択される2つの元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの元素タグは、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175から選択される2つの元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの元素タグは、3つの元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの元素タグは、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgから選択される3つの元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの元素タグは、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175から選択される3つの元素の組み合わせを含む。
【0095】
元素の組み合わせは、元素分析を使用することによってマイクロビーズの集団中のマイクロビーズの亜集団の鑑別同定を可能にするバーコードとして機能することができる。このような元素の組み合わせをマイクロビーズの亜集団のバーコードとして使用することによって、マイクロビーズの集団に対して限られた数の元素を使用してより多様なタグを得ることが可能になる。例えば、マイクロビーズの集団に対して10個の異なる元素を使用し、10個の異なる元素から3個をバーコードとして選択することにより、マイクロビーズの集団の最大120個の亜集団に対して120個の異なるバーコードを生成することができる。組み合わせ元素を使用する戦略は、1回の元素分析で試料中の多数の分析物を同時に多重分析することを可能にし、これは有意に費用効果が高く、時間を節約する。
【0096】
いくつかの実施形態では、2つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、3つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、4つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、5つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、6つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、7つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、8つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、9つの異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。いくつかの実施形態では、10個の異なる元素の組み合わせを使用して、マイクロビーズの亜集団のためのバーコードとして機能する。
【0097】
いくつかの実施形態では、2つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、3つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、4つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、5つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、6つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、7つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、8つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、9つの異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、10個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、11個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、12個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、13個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、14個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、15個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、16個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、17個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、18個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、19個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、20個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、50個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。いくつかの実施形態では、100個の異なる元素を使用して、マイクロビーズの集団に対する多様なバーコードを生成する。
【0098】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの複数の亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる親和性部分を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも別の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの3またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の2つの亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの4またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの5またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの10またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの20またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの50またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの100またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの200またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの500またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの1000またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団が提供され、マイクロビーズの各々は表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットは、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットは、標的分子に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの1つの亜集団は、そのバーコードとして元素の固有の組み合わせを有する元素タグを含み、マイクロビーズの他の亜集団の親和性部分とは異なる親和性部分を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、10%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、9%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、8%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、7%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、6%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、5%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、4%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、3%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、2%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は、1%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。
【0101】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、10%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、9%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、8%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、7%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、6%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、5%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、4%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、3%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、2%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団は実質的に球形であり、1%未満である直径の可変係数(CVd)を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団の複数の親和性部分は、試料中の複数の標的分子を同時に捕捉するために使用することができ、親和性部分のバーコードとして機能するマイクロビーズの元素タグは、元素分析において親和性部分を確認するために使用することができ、その結果、複数の標的分子の分析が同時に可能になる。マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの各亜集団の親和性部分の例としては、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、アビジン、ストレプトアビジン、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団中のマイクロビーズの各亜集団の親和性部分は抗体である。
【0103】
いくつかの実施形態では、標的分子を捕捉した後、本開示のマイクロビーズまたはマイクロビーズの集団を元素分析に供することができる。本開示の元素分析として、元素や同位体を分析可能な任意の手法を用いることができる。いくつかの実施形態では、元素分析は質量分析(MS)である。元素分析のために用いることができるMSの例としては、ICP-MS、ICP-TOF-MS、マスサイトメトリーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
調製方法
別の態様では、本開示のマイクロビーズを調製するための方法であって、ポリマーマイクロビーズ基材を用意すること、ポリマーマイクロビーズ基材を官能基化して、ポリマーマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を設けること、キレート基が(b)のポリマーマイクロビーズ基材の表面上の官能基の第1のサブセットに結合するように、キレート基をポリマーマイクロビーズ基材と反応させること、および親和性部分が(b)のポリマーマイクロビーズ基材の表面上の官能基の第2のサブセットと結合するように、親和性部分をポリマーマイクロビーズ基材と反応させること、を含む方法が提供される。
【0105】
マイクロビーズのポリマーマイクロビーズ基材は、任意の基材の重合によって形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズ基材は、スチレン、スチレン-メタクリル酸(SMAA)、スチレン-ジビニルベンゼン(S/DVB)およびメチルメタクリレート(PMMA)、またはそれらの任意の組み合わせの重合によって得られる。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズ基材は、スチレンの重合によって得られるポリスチレン(PS)である。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズ基材は、スチレン-メタクリル酸(SMAA)の重合によって得られるポリスチレン-メタクリル酸(PSMAA)である。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズ基材は、スチレン-ジビニルベンゼン(S/DVB)の重合によって得られるポリスチレン-ジビニルベンゼン(P[S/DVB])である。いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズ基材は、メチルメタクリレート(MMA)の重合によって得られるポリメチルメタクリレート(PMMA)である。
【0106】
いくつかの実施形態では、ポリマーマイクロビーズ基材は、ポリマーマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を設けるように官能化される。ポリマーマイクロビーズ基材を官能化するために使用することができる官能基の例としては、カルボキシル、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、マレイミド、アジド、アルキニル、ビオチン、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
いくつかの実施形態では、104~1010個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、105~1010個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~1010個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、107~1010個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、108~1010個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、109~1010個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~109個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~108個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~107個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~106個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、105~109個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~109個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、107~109個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~108個の官能基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。
【0108】
いくつかの実施形態では、104~1010個のカルボキシル基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~109個のカルボキシル基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~1010個のスルフヒドリル基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~109個のスルフヒドリル基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~1010個のカルボキシル基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~109個のカルボキシル基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~1010個のアジド基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~109個のアジド基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、104~1010個のビオチン基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、106~109個のビオチン基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上に設けられる。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示のマイクロビーズを調製するための方法は、キレート基がポリマーマイクロビーズ基材の表面上の官能基の第1のサブセットに結合するように、キレート基をポリマーマイクロビーズ基材と反応させることを含む。元素タグをキレート化することができる任意の適切なキレート基を使用して、マイクロビーズの表面上の官能基に結合することができる。キレート基の例としては、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
いくつかの実施形態では、キレート基は、キレート基のアミンを介して官能基に結合される。いくつかの実施形態では、アミンは第一級アミンである。いくつかの実施形態では、キレート基は、カルボジイミド架橋を介して官能基に結合される。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、キレート基を官能基に結合させる前に、カルボジイミド化合物によって官能基を活性化することを含む。カルボジイミド化合物の例としては、EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、キレート基を官能基に結合させる前にNHS-エステル中間体を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、NHS-エステル中間体は、NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)によって形成される。いくつかの実施形態では、NHS-エステル中間体は、スルホ-NHS(N-ヒドロキシ-スルホ-スクシンイミド)によって形成される。
【0111】
いくつかの実施形態では、キレート基は、スペーサーを介して官能基に結合される。キレート基を官能基に接続するために使用することができるスペーサーの例としては、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)およびNH2-(PEG)n-マレイミドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超えるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超える同じスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、2またはそれを超える異なるスペーサーを含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、本方法は、元素タグをキレート基にキレート化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、元素タグは1つの元素を含む。いくつかの実施形態では、元素は金属またはその同位体である。
【0113】
本開示で使用することができる金属の例としては、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
本開示で使用することができる同位体の例としては、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
いくつかの実施形態では、元素タグは元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、元素タグは、2またはそれを超える元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、元素タグは、3またはそれを超える元素の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせの元素は、一定の比率でキレート基にキレート化される。いくつかの実施形態では、組み合わせの元素は、ランダムな比率でキレート基にキレート化される。いくつかの実施形態では、組み合わせの元素は、等しい比率でキレート基にキレート化される。いくつかの実施形態では、組み合わせの元素は、等しくない比率でキレート基にキレート化される。
【0116】
いくつかの実施形態では、本方法は、親和性部分がポリマーマイクロビーズ基材の表面上の官能基の第2のサブセットと結合するように、親和性部分をポリマーマイクロビーズ基材と反応させることを含む。標的分子に結合することができる任意の適切な親和性部分を使用して、マイクロビーズの表面上の官能基と結合させることができる。親和性部分の例としては、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、アビジン、ストレプトアビジン、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体として、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、Fabフラグメント、Fcフラグメント、軽鎖、重鎖、免疫グロブリンおよび免疫グロブリンフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
いくつかの実施形態では、親和性部分は、親和性部分のアミンを介して官能基と結合される。いくつかの実施形態では、アミンは第一級アミンである。いくつかの実施形態では、親和性部分は、カルボジイミド架橋を介して官能基と結合される。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、キレート基を官能基に結合させる前に、カルボジイミド化合物によって官能基を活性化することを含む。カルボジイミド化合物の例としては、EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)、およびDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、カルボジイミド架橋は、親和性部分を官能基とカップリングさせる前に、NHS-エステル中間体を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、NHS-エステル中間体は、NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)によって形成される。いくつかの実施形態では、NHS-エステル中間体は、スルホ-NHS(N-ヒドロキシ-スルホ-スクシンイミド)によって形成される。
【0118】
いくつかの実施形態では、親和性部分は、スペーサーを介して官能基と結合される。親和性部分を官能基に接続するために使用することができるスペーサーの例としては、MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)およびNH2-(PEG)n-マレイミドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超えるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは2またはそれを超える同じスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、2またはそれを超える異なるスペーサーを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、親和性部分は、キレート基を官能基に結合させる前に官能基と結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、キレート基を官能基に結合させた後に官能基と結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、元素タグをキレート基にキレート化する前に官能基と結合される。いくつかの実施形態では、親和性部分は、元素タグをキレート基にキレート化した後に官能基と結合される。
【0120】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団を調製するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団を調製するための方法は、最初に固有の元素バーコードおよび親和性部分を含むマイクロビーズの各亜集団を調製し、次いで、マイクロビーズのすべての亜集団を一緒に混合してマイクロビーズの集団を形成することを含む。
【0121】
使用方法
別の態様では、試料中の分析物を検出するための方法であって、試料をマイクロビーズと接触させることであって、マイクロビーズがマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットが、分析物に結合することができる親和性部分と結合している、接触させること、分析物に結合したマイクロビーズを、分析物に結合していないマイクロビーズから識別すること、試料中の分析物を決定すること、を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、分析物は、マイクロビーズの元素タグに基づいて決定される。
【0122】
いくつかの実施形態では、識別することは、マイクロビーズを固定試薬とインキュベートすることを含み、固定試薬は分析物に特異的に結合し、分析物に結合したマイクロビーズを固定する。分析物に特異的に結合することができる任意の適切な固定試薬を使用して、分析物に結合したマイクロビーズを識別することができる。いくつかの実施形態では、固定試薬は、分析物に特異的に結合することができる表面にコンジュゲートされた親和性成分を含む表面である。表面の例としては、分析物に特異的に結合することができる表面にコンジュゲートされた親和性成分を含む、基材、マトリックス、粒子、ビーズ、プレート、チップの表面が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、親和性成分は、本開示のマイクロビーズの親和性部分とは異なる分析物の分子表面に結合する。いくつかの実施形態では、親和性成分は、本開示のマイクロビーズの親和性部分とは異なる分析物のエピトープに結合する。
【0123】
いくつかの実施形態では、本方法は、元素分析によって分析物を決定する前に、分析物に結合したマイクロビーズを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、分析物に結合したマイクロビーズは上記のように表面によって固定され、分析物に結合していないマイクロビーズを洗い流して、結合していないマイクロビーズから分析物に結合したマイクロビーズを単離することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、元素分析によって分析物を決定する前に、表面によって固定されたマイクロビーズを取り外すことをさらに含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、識別することは、マイクロビーズを検出試薬とインキュベートすることを含み、検出試薬は分析物に特異的に結合し、分析物に結合したマイクロビーズの検出を可能にする。いくつかの実施形態では、本方法は、試料からマイクロビーズを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、遠心分離によって試料から単離される。
【0125】
検出用試薬の例としては、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、検出試薬は抗体である。いくつかの実施形態では、検出抗体は、本開示のマイクロビーズの親和性部分とは異なる分析物の分子表面に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、検出抗体は、本開示のマイクロビーズの親和性部分とは異なる分析物のエピトープに特異的に結合する。
【0126】
いくつかの実施形態では、検出試薬は、分析物に結合したマイクロビーズの検出を可能にする検出タグで標識される。検出タグは、マイクロビーズの識別を可能にする任意の適切なタグであり得る。いくつかの実施形態では、検出タグは検出元素タグである。いくつかの実施形態では、検出元素タグは金属またはその同位体である。
【0127】
検出元素タグに用いることができる金属の例としては、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgが挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
検出元素タグに用いることができる同位体の例としては、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175が挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
いくつかの実施形態では、試料中の分析物を検出するための方法は、試料を本開示のマイクロビーズと接触させることであって、マイクロビーズの複数の官能基が、元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、マイクロビーズの複数の官能基が、分析物に結合することができる親和性部分と結合している、接触させること、および、分析物に特異的に結合することができる検出試薬を用いて、分析物に結合したマイクロビーズを分析物に結合していないマイクロビーズから識別することであって、検出試薬が分析物に結合したマイクロビーズの元素分析による検出を可能にする検出元素タグを含む、識別すること、を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、元素分析は質量分析(MS)である。元素分析のために用いることができるMSの例としては、ICP-MS、ICP-TOF-MS、マスサイトメトリーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
いくつかの実施形態では、分析物を検出するための方法は、試料中の分析物を決定することを含む。いくつかの実施形態では、分析物を決定ことは、試料中の分析物の実体を明らかにすることを含む。いくつかの実施形態では、分析物の実体を明らかにすることは、元素タグの実体を分析することによって行われる。いくつかの実施形態では、分析物を決定することは、検出元素タグによって分析物に結合されたマイクロビーズを分析し、マイクロビーズの元素タグによって試料中の分析物の実体を分析することによって行われる。
【0132】
いくつかの実施形態では、分析物を決定することは、試料中の分析物の量を定量することを含む。いくつかの実施形態では、分析物の量を定量することは、検出元素タグを分析することによって行われる。いくつかの実施形態では、分析物の量を定量することは、検出元素タグの相対量によって行われる。いくつかの実施形態では、分析物の量を定量することは、検出元素タグの絶対量によって行われる。
【0133】
いくつかの実施形態では、本方法を使用して、対象から得られた試料を分析することができる。いくつかの実施形態では、試料は対象の体液である。体液の例としては、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸管分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、胃腸分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
いくつかの実施形態では、上記の方法を使用して、試料中の1またはそれを超えるバイオマーカーを分析することができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーを使用して、疾患を予測または診断することができる。バイオマーカーの例としては、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、成長因子、タンパク質、ペプチド、CD抗原、ウイルス抗原、抗体、ニューロトロフィン、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
いくつかの実施形態では、本開示の方法を使用して、液体または固体基質の状態の試料の中の核酸を分析することができる。いくつかの実施形態では、本開示の方法を使用して、細胞試料、RNA試料、DNA試料またはそれらの任意の組み合わせの中の核酸を分析することができる。異なる試料を分析するために、追加の酵素を適用することができる。例えば、細胞または無細胞試料中の核酸を分析するために、Taq酵素、他のDNAポリメラーゼおよびその変異体を使用することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、バイオマーカーの例としては、インターロイキン(例えば、IL-1a、IL-1b、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6からIL-36)、インターフェロン(例えば、IFNα、IFNβ、IFNγ)、成長因子(例えば、M-CSF、G-CSF、GM-CSF、EGF、VEGF、FGF、GDNF、HGF、IGF、TGF)、および受容体リガンド(例えばOX40L、CD40L、FASL、CD27L、CD30L、4-1BBL、TRAIL)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって分析することができるサイトカインの例としては、IFN-アルファ、IFN-ガンマ、TNF-アルファ、TNF-ベータ、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-15、IL-1アルファ、IL-1ベータ、CNTF、LIF、OSM、EPO、G-CSF、PRL、GM-CSF、M-CSF、SCF、aFGF、bFGF、INT-2、KGF、EGF、ベータセルリ、SCDGF、アンフィレグリン、HB-EGF、4-1BB、アディポネクチン、AITRL、AIF1、アンジオポエチン、アポリポタンパク質、B-細胞活性化因子、ベータデフェンシン、ベータセルリン、骨形態形成タンパク質、BST、B型ナトリウム利尿ペプチド、カルジオトロフィン、CTLA4、EBI3、エンドグリン、エピレグリン、FAS、Flt3リガンド、フォリスタチン、ヘッジホッグタンパク質、インターフェロン、インターロイキン、オトラプリン、レジスチン、血清アミロイドA、TPO、トレフォイル因子、TSLP、腫瘍壊死因子、ウテログロビン、ビスファチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって分析することができるケモカインの例としては、CCL14、CCL19、CCL20、CCL21、CCL25、CCL27、CXCL12、CXCL13、CXCL-8、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、CXCL10、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CCR10A、CCR10B、CCR11、ECRF-3、EBI-1(EBV誘導遺伝子-1)、US28、MCP-4、MIP-4、I-309、TECK、GCP-2、Mig、リンホタクチン、MCP-2、MCP-3、エオタキシン-1、MCIF、TARC、MDC、MPIF-2(エオタキシン-2)、SDF-1、およびフラクタルカイン(ニューロタクチン)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって分析することができる可溶性CD抗原の例としては、sCD4、sCD8、sCD23、sCD25、sCD27、sCD30、sCD52などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0140】
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって分析することができる成長因子の例としては、アクチビン、CSF、CTGF、エピゲン、エリスロポエチン 線維芽細胞成長因子、ガレクチン、HDGF、肝細胞成長因子、IGFBPインスリン様成長因子、インスリン、ケラチノサイト成長因子、レプチン、マクロファージ遊走阻害因子、メラノーマ阻害活性ミオスタチン、ノギン、NOV、オメンチン、オンコスタチン-M、オステオポンチン、オステオプロテゲリン、PDGF、ペリオスチン、胎盤成長因子、胎盤ラクトゲン、プロラクチンPRL RANKリガンド、レチノール結合タンパク質、幹細胞因子、トランスフォーミング成長因子、VEGF、EGF、FGF、NGF、PDGF、VEGF、IGF、GMCSF、GCSF、TGF、エリスロポエチン(Erythropieitn)、TPO、BMP、HGF、GDF、ニューロトロフィン、MSF、SGF、GDFなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって分析することができるホルモンの例としては、エンドセリン、エキセンジン、FSH、GHRP、GLP、グルカゴン、HCG、インヒビンA、LHRH、ACTH、アラレリン、アンチド、アトシバン、ブセレリン、セトロレリクス、DDAVP、デスロレリン、エルカトニン、ガニレリクス、GHRLタンパク質、ゴセレリン、ヘキサレリン、ヒストレリン、ランレオチド、ロイプロレリンヒト、リプレシン、メラノタン-I、メラノタン-II、NAF、PMSG、プラムリンチド、セクレチン、シンカリド、ソマトスタチン、テルリプレシン、チモペンチン、プロカルシトニン、PTH、スタニオカルシン、チモシン、トリプトレリンアセタート、チロスチムリン、TSH、バソプレシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
別の態様では、試料中の2またはそれを超える分析物の多重分析を実施する方法であって、(a)マイクロビーズの集団を試料と接触させることであって、マイクロビーズの各々がマイクロビーズ基材の表面上に複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合しており、複数の官能基の第2のサブセットが2またはそれを超える分析物のうちの1つの分析物に結合することができる親和性部分と結合しており、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む、接触させること、(b)マイクロビーズの集団を2またはそれを超える検出試薬とインキュベートすることであって、検出試薬の各々が分析物に結合したマイクロビーズの検出を可能にする、インキュベートすること、および(c)試料中の2またはそれを超える分析物を同時に分析すること、を含む方法が提供される。
【0143】
いくつかの実施形態では、マイクロビーズの集団の各マイクロビーズの元素タグは元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、それは2またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、それは3またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、それは4またはそれを超える元素の組み合わせである。いくつかの実施形態では、それは5またはそれを超える元素の組み合わせである。このような元素の組み合わせを用いることで、限られた数の元素を用いることによってより多様なタグを得ることが可能となる。例えば、10個の異なる元素から3個を選択することにより、120個の異なる元素の組み合わせ、すなわち120個の異なる元素タグを生成することができる。組み合わせ元素を使用する戦略は、1回の元素分析で試料中の多数の分析物を同時に多重分析することを可能にし、これは有意に費用効果が高く、時間を節約する。
【0144】
検出用試薬の例としては、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、検出試薬は抗体である。いくつかの実施形態では、検出抗体は、本開示のマイクロビーズの親和性部分とは異なる分析物の分子表面に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、検出抗体は、本開示のマイクロビーズの親和性部分とは異なる分析物のエピトープに特異的に結合する。
【0145】
いくつかの実施形態では、検出試薬は検出元素タグで標識される。検出元素タグは、分析物に結合したマイクロビーズと、分析物に結合していないマイクロビーズとを識別することを可能にする。いくつかの実施形態では、検出元素タグは金属またはその同位体である。
【0146】
検出元素タグに用いることができる金属の例としては、Y、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、およびOgが挙げられるが、これらに限定されない。
【0147】
検出元素タグに用いることができる同位体の例としては、Y-89、Rh-103、Pd-102、Pd-104、Pd-105、Pd-106、Pd-108、Pd-110、Cd-106、Cd-108、Cd-110、Cd-111、Cd-112、Cd-113、Cd-114、Cd-116、In-115、La-139、Ce-140、Pr-141、Nd-142、Nd-143、Nd-144、Nd-145、Nd-146、Nd-148、Nd-150、Sm-147、Sm-149、Sm-152、Sm-154、Eu-151、Eu-153、Gd-155、Gd-156、Gd-157、Gd-158、Gd-160、Tb-159、Dy-161、Dy-162、Dy-163、Dy-164、Ho-165、Er-166、Er-167、Er-168、Er-170、Tm-169、Yb-171、Yb-172、Yb-173、Yb-174、Yb-176、およびLu-175が挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
いくつかの実施形態では、多重分析のための元素分析は、質量分析(MS)であり得る。MSの例としては、ICP-MS、ICP-TOF-MSおよびマスサイトメトリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0149】
いくつかの実施形態では、多重分析は、試料中の2またはそれを超える分析物の実体を明らかにすることを含む。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物の本質は、マイクロビーズの元素タグを分析することによって明らかにされる。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える分析物の本質は、マイクロビーズの元素タグおよび検出元素タグを分析することによって明らかにされる。いくつかの実施形態では、多重分析は、試料中の2またはそれを超える分析物の量を定量することを含む。いくつかの実施形態では、定量は、検出元素タグを分析することによって決定される。
【0150】
いくつかの実施形態では、多重分析を実施するための方法は、試料からマイクロビーズを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、単離は遠心分離機によって行われる。
【0151】
いくつかの実施形態では、多重分析を使用して、対象から得られた試料を分析することができる。いくつかの実施形態では、試料は対象の体液である。体液の例としては、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸管分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、胃腸分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0152】
いくつかの実施形態では、上記の多重分析を使用して、試料中の複数のバイオマーカーを同時に分析することができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、疾患を予測する、診断する、または治療的介入に対する応答を評価するために使用することができる。バイオマーカーの例としては、サイトカイン、ホルモン、成長因子、タンパク質、ペプチド、CD抗原、ウイルス抗原、抗体、ニューロトロフィン、核酸、オリゴヌクレオチド、および代謝産物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの例としては、インターロイキン(例えば、IL-1a、IL-1b、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6からIL-36)、インターフェロン(例えば、IFNα、IFNβ、IFNγ)、成長因子(例えば、M-CSF、G-CSF、GM-CSF、EGF、VEGF、FGF、GDNF、HGF、IGF、TGF)、および受容体リガンド(例えばOX40L、CD40L、FASL、CD27L、CD30L、4-1BBL、TRAIL)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
本開示の多重分析によって分析することができるサイトカインの例としては、IFN-アルファ、IFN-ガンマ、TNF-アルファ、TNF-ベータ、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-15、IL-1アルファ、IL-1ベータ、CNTF、LIF、OSM、EPO、G-CSF、PRL、GM-CSF、M-CSF、SCF、aFGF、bFGF、INT-2、KGF、EGF、ベータセルリ、SCDGF、アンフィレグリン、HB-EGF、4-1BB、アディポネクチン、AITRL、AIF1、アンジオポエチン、アポリポタンパク質、B-細胞活性化因子、ベータデフェンシン、ベータセルリン、骨形態形成タンパク質、BST、B型ナトリウム利尿ペプチド、カルジオトロフィン、CTLA4、EBI3、エンドグリン、エピレグリン、FAS、Flt3リガンド、フォリスタチン、ヘッジホッグタンパク質、インターフェロン、インターロイキン、オトラプリン、レジスチン、血清アミロイドA、TPO、トレフォイル因子、TSLP、腫瘍壊死因子、ウテログロビン、ビスファチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
本開示の多重分析によって分析することができるケモカインの例としては、CCL14、CCL19、CCL20、CCL21、CCL25、CCL27、CXCL12、CXCL13、CXCL-8、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、CXCL10、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CCR10A、CCR10B、CCR11、ECRF-3、EBI-1(EBV誘導遺伝子-1)、US28、MCP-4、MIP-4、I-309、TECK、GCP-2、Mig、リンホタクチン、MCP-2、MCP-3、エオタキシン-1、MCIF、TARC、MDC、MPIF-2(エオタキシン-2)、SDF-1、およびフラクタルカイン(ニューロタクチン)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
本開示の多重解析によって解析することができる成長因子の例としては、アクチビン、CSF、CTGF、エピゲン、エリスロポエチン 線維芽細胞成長因子、ガレクチン、HDGF、肝細胞成長因子、IGFBPインスリン様成長因子、インスリン、ケラチノサイト成長因子、レプチン、マクロファージ遊走阻害因子、メラノーマ阻害活性ミオスタチン、ノギン、NOV、オメンチン、オンコスタチン-M、オステオポンチン、オステオプロテゲリン、PDGF、ペリオスチン、胎盤成長因子、胎盤ラクトゲン、プロラクチンPRL RANKリガンド、レチノール結合タンパク質、幹細胞因子、トランスフォーミング成長因子、VEGF、EGF、FGF、NGF、PDGF、VEGF、IGF、GMCSF、GCSF、TGF、エリスロポエチン、TPO、BMP、HGF、GDF、ニューロトロフィン、MSF、SGF、GDFなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
本開示の多重分析によって分析することができるホルモンの例としては、エンドセリン、エキセンジン、FSH、GHRP、GLP、グルカゴン、HCG、インヒビンA、LHRH、ACTH、アラレリン、アンチド、アトシバン、ブセレリン、セトロレリクス、DDAVP、デスロレリン、エルカトニン、ガニレリクス、GHRLタンパク質、ゴセレリン、ヘキサレリン、ヒストレリン、ランレオチド、ロイプロレリンヒト、リプレシン、メラノタン-I、メラノタン-II、NAF、PMSG、プラムリンチド、セクレチン、シンカリド、ソマトスタチン、テルリプレシン、チモペンチン、プロカルシトニン、PTH、スタニオカルシン、チモシン、トリプトレリンアセタート、チロスチムリン、TSH、バソプレシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0157】
キット
別の態様では、キットであって、キットを使用して2またはそれを超える分析物の多重分析を実施するための指示と、マイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含むマイクロビーズの集団であって、少なくとも1つのマイクロビーズがマイクロビーズ基材の表面上の複数の官能基を含み、複数の官能基の第1のサブセットが元素タグとキレート化したキレート基に結合されており、複数の官能基の第2のサブセットが標的分子に結合することができる親和性部分と結合されており、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの少なくとも別の亜集団とは異なる元素タグを含み、マイクロビーズの少なくとも1つの亜集団がマイクロビーズの別の亜集団とは異なる親和性部分を含む、マイクロビーズの集団と、2またはそれを超える検出試薬であって、検出試薬のそれぞれが検出元素タグを含み、2またはそれを超える分析物に特異的に結合する、検出試薬と、を含むキットが提供される。
【0158】
いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の2またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの2またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の3またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの3またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の4またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの4またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の5またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの5またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の10またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの10またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の20またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの20またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の50またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの50またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の100個の分析物を捕捉するためのマイクロビーズの100またはそれを超える亜集団を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、試料中の200またはそれを超える分析物を捕捉するためのマイクロビーズの200またはそれを超える亜集団を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、本キットは、2またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、3またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、4またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、5またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、10またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、20またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、50またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、100またはそれを超える検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、200またはそれを超える検出試薬を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、本開示のキットは、分析を実施するための医薬賦形剤をさらに含む。賦形剤の例としては、安定剤、バッファー、保存剤、等張化剤および酸化防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
いくつかの実施形態では、本開示のキットに含めることができるバッファーの例としては、ホウ酸バッファー、クエン酸バッファー、酒石酸バッファー、リン酸バッファー、酢酸バッファーおよびTris-HClバッファー(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよびHClを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0162】
実施例
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し記載してきたが、かかる実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかである。本発明から逸脱することなく、当業者は多数の変形、変更、および置換に想到する。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0163】
実施例1:マイクロビーズの調製
マイクロビーズ基材をポリスチレン(PS)の重合によって調製して、平均直径約1.9μmの球状マイクロビーズ基材を得た。マイクロビーズ基材の表面を、カルボキシル基(マイクロビーズ当たりおよそ109個のカルボキシル基)でさらに官能化した。次いで、カルボキシル基をさらに反応させた。
【0164】
図1は、マイクロビーズを調製するためのプロセスを示す。このプロセスでは、マイクロビーズ基材[1]をポリスチレン(PS)の重合によって調製し、マイクロビーズ基材の表面を複数のカルボキシル基で官能化し[2]、次いで、元素タグとキレート化することができるキレート基[3]をカルボキシル基の第1のサブセットに結合させ、標的分子に結合することができる親和性部分[4]をカルボキシル基の第2のサブセットと結合させた。
【0165】
図2Aは、親和性部分をマイクロビーズの表面上の官能基とカップリングさせるための例示的なプロセスを示す。これらのプロセスにおいて、カルボジイミド化合物EDC(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)[6]を用いて、マイクロビーズ[5]の表面のカルボキシル基を活性化し、親和性部分の第一級アミンと反応し得る反応性中間体[7]を形成した。この反応性中間体[7]を親和性部分[8]とさらに反応させて、親和性部分と結合したマイクロビーズ[9]を得た。
【0166】
代替のプロセスでは、EDCを用いて反応性中間体[7]を形成した後、NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)[10]を添加して、親和性部分の第一級アミンと反応することができるNHS-エステル中間体[11]を形成した。NHS-エステル中間体[11]を親和性部分[8]とさらに反応させて、親和性部分と結合したマイクロビーズ[9]を得た。
【0167】
別のプロセスでは、EDCを用いて反応性中間体[7]を形成した後、スルホ-NHS(N-ヒドロキシ-スルホ-スクシンイミド)[12]を添加して、親和性部分の第一級アミンと反応することができるスルホ-NHS-エステル中間体[13]を形成した。スルホ-NHS-エステル中間体[13]を親和性部分[8]とさらに反応させて、親和性部分と結合したマイクロビーズ[9]を得た。
【0168】
図2Bは、マイクロビーズの表面上の官能基にキレート基を結合させるための例示的なプロセスを示す。二官能性キレート剤[14]をキレート基として使用した。当該二官能性キレート剤は、マイクロビーズの表面のカルボキシ基と結合するためのアミノ基と、Ln3+カチオンまたは元素の組み合わせ[15]などの元素タグに結合することができるカチオンキレート基とを含む。このプロセスでは、まず二官能キレート剤をLn3+と反応させて金属カチオンと結合したキレート剤[16]を形成し[16]、次いで金属カチオンと結合したキレート剤をマイクロビーズ表面のカルボキシル基とキレート剤のアミノ基を介して反応させ、キレート基を有するマイクロビーズ[17]を得た。あるいは、二官能性キレート剤[14]を最初にマイクロビーズの表面のカルボキシル基と反応させ、次いでLn3+カチオンまたは元素の組み合わせ[15]などの元素タグと反応させて、キレート基を有するマイクロビーズ[17]を得ることができる。
【0169】
図2Cは、マイクロビーズの表面上の官能基に親和性部分をコンジュゲートさせるために使用することができる例示的なスペーサーを示す。スペーサー[20]は、マイクロビーズ[18]と親和性部分[19]との間に共有結合を形成することができる。このスペーサーは、生体分子などの親和性部分とマイクロビーズとの間の立体障害を克服し、親和性部分の活性に対する影響を低減するように、それらの間に適切な距離を設けることができる。スペーサーは、化合物MPBH(4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)[21]、または官能性オリゴマーNH2-(PEG)
n-マレイミド[22]であり得る。[21]および[22]は、いずれもマイクロビーズのカルボキシルとコンジュゲートするアミノ基と、生体高分子(抗体)のスルフヒドリル基とコンジュゲートするマレイミド基とを有する。
【0170】
実施例2:ICP-TOF-MSを用いることによる組み合わせ元素タグを有するマイクロビーズの分析
元素(141Pr、159Tb、165Ho)の組み合わせを含む元素タグで標識されたカルボキシル修飾マイクロビーズを、親和性部分とのカップリングなしで、実施例1に記載のプロセスによって調製した。調製したマイクロビーズの特徴は表1に示す通りである。
【表1】
【0171】
上記で調製したマイクロビーズを1×10
6ビーズ/mLの濃度で蒸留水に再懸濁した後、ICP-TOF-MSで分析した。マススペクトルの結果は
図3に示す通りであり、1秒間の累積で130から176の質量範囲(AMU)であった。各元素のピークは、表2に示すように、1秒間の累積での各ピークの積分によってさらに定量した。
【表2】
【0172】
実施例3:マスサイトメトリーによる、組み合わせ元素タグおよびマウスIgGを有するマイクロビーズの分析
実施例1に記載のプロセスにより、元素(141Pr、159Tb、165Ho)の組み合わせを含む元素タグで標識されたカルボキシル修飾マイクロビーズを調製し、さらにそのマイクロビーズをマウスIgGと結合させた。次いで、マイクロビーズをビオチン標識抗マウスIgG抗体および169Tm標識ストレプトアビジンとインキュベートして、検出元素タグ169Tmを有する抗マウスIgGに結合したマイクロビーズを得た。次いで、上記マイクロビーズ(
図4の下部パネル)を、対照としてのマウスIgGとのカップリングなしで組み合わせ元素タグのみを有する実施例2で調製したマイクロビーズ(
図4の上部パネル)と共に、マスサイトメトリーに供した。
【0173】
図4は、マスサイトメトリーの結果を示す。
図4から分かるように、マウスIgGと結合し、検出元素タグ169Tmを有する抗マウスIgGとインキュベートしたマイクロビーズは、検出元素タグ169Tmを介してマウスIgGを含まないマイクロビーズから識別することができ、これは、分析物に結合したマイクロビーズを分析物に結合していないマイクロビーズから識別することにおける検出元素タグの機能を裏付ける。
【0174】
141Pr、159Tb、165Hoおよび169Tmを含む各元素を、
図4の各元素の中央値および平均強度に基づいてさらに定量した。定量の結果は表3Aおよび表3Bに示す通りである。
【表3A】
【表3B】
【0175】
実施例4:親和性部分とマイクロビーズとのカップリング効率
元素(141Pr、159Tb、165Ho)の組み合わせを含む元素タグで標識され、マウスIgGと結合したカルボキシル修飾マイクロビーズを上記のように調製した。次いで、このマイクロビーズを、それぞれ169Tm標識抗マウスIgG抗体の勾配濃度(2、4および8μg/mL)でインキュベートした。インキュベーション後、マイクロビーズをさらに1×10
6ビーズ/mLで蒸留水に再懸濁し、マスサイトメトリーに供した。異なる濃度(0、0.067、0.13、0.25、0.5、2、4、8μg/mL)の169Tm標識抗マウスIgGを陽性対照として使用した。マウスIgGを含まないマイクロビーズを陰性対照として使用した(データは示さず)。結果は
図5Aに示す通りである。
【0176】
各群の検出元素タグ169Tmは、
図5Bおよび
図5Cにそれぞれ示すように、線形座標および対数座標の両方でさらに定量した。
【0177】
実施例5:本開示の方法を使用することによるヒトTNFαの分析
元素(141Pr、159Tb、165Ho)の組み合わせを含む元素タグで標識され、抗ヒトTNFα抗体と結合したカルボキシル修飾マイクロビーズを実施例1に記載したように調製した。次いで、このマイクロビーズを、勾配濃度(0、3.13、6.25、12.5、25.0、50.0ng/mL)のヒトTNFαを含む試料とインキュベートした。ビオチン標識抗ヒトTNFα抗体および(検出元素タグとしての)169Tm標識ストレプトアビジンをマイクロビーズの懸濁物にさらに添加した。次いで、マイクロビーズをマスサイトメトリー分析に供した。
図6Aは、マスサイトメトリーを用いることによるヒトTNFαの分析を示す。
図6Aから分かるように、本出願の方法は、試料中のヒトTNFαを3.13ng/mLという低い濃度まで検出することができ、これは、本出願の方法の高い感度を証明している。
【0178】
検出元素タグ169Tmは、
図6Bに示すように、
図6Aの中央強度(median intensity)に基づいてさらに定量した。
【0179】
実施例6:本開示の方法を用いることによる核酸の分析
141Pr、159Tb、165Ho、および169Tmから選択される元素の組み合わせを含む元素タグを、実施例1に記載のとおりカルボキシル修飾マイクロビーズと結合させた。次いで、141Pr、159Tb、169Tmで標識されたマイクロビーズを、TAGがT塩基、A塩基およびG塩基からなる特異的核酸配列である、CD3を標的化するためのNH2-TAG-CD3プライマーFとさらに結合させた。141Pr、165Ho、169Tmで標識したマイクロビーズを、CD4を標的化するためにNH2-TAG-CD4プライマーFとさらに結合させた。141Pr、159Tb、165Hoで標識したマイクロビーズを、CD19を標的化するためにNH2-TAG-CD19プライマーFとさらに結合させた。
【0180】
上記3種類のマイクロビーズにおける141Pr、159Tb、165Ho、169Tmの元素シグナルを、
図7に示すように、マスサイトメーターで定量した。
図7において、黄色の矢印は、141Pr、159Tb、169Tmの組み合わせの元素タグ(165Hoなし)を有し、CD3プライマーと結合したマイクロビーズのシグナルを示し、赤色の矢印は、141Pr、165Ho、169Tmの組み合わせの元素タグ(159Tbなし)を有し、CD4プライマーと結合したマイクロビーズのシグナルを示し、緑色の矢印は、141Pr、159Tb、165Hoの組み合わせの元素タグ(169Tmなし)を有し、CD19プライマーと結合したマイクロビーズのシグナルを示す。
図7から、元素の異なる組み合わせを有し、異なる遺伝子を標的とするプライマーと結合されたマイクロビーズは、マスサイトメトリー分析によって区別できることが分かる。
【0181】
次いで、異なる組み合わせ元素およびプライマーを含む上記3種類のマイクロビーズの混合物を、それぞれH2O(対照)、HEK293T RNAおよび末梢血単核細胞(PBMC)RNAを含む試料と共に、PCR反応のためのビオチン-プライマーR、dNTP、バッファー、酵素、RNase/DNase非含有水を含有するPCRミックスAと共にインキュベートした。別法として、プライマーR、ビオチン-dCTP、dATP、dTTP、dGTP、バッファー、酵素、RNase/DNase非含有水を含有するPCRミックスBを反応に使用することもできる。
【0182】
PCRの後、試料中のマイクロビーズを0.25μmカラムによって精製し、次いで再懸濁し、SA-Eu151検出元素タグを含有するバッファー中でさらに数分間インキュベートし、続いてマスサイトメーターによって分析した。
【0183】
図8A~
図8Cは、H
2O、HEK293T RNA、および末梢血単核細胞(PBMC)RNAを含む試料からマスサイトメトリー分析によって検出されたEu151の中央値を示す。Eu151の中央値を、表4に示すようにさらに定量した。
【表4】
【0184】
図8A~
図8Cおよび表4は、CD3、CD4およびCD19がいずれもPBMCにおいて高度に発現されたが、HEK293細胞におけるCD3、CD4およびCD19の発現レベルはいずれも比較的低かったことを示す。これらの知見は、これらの細胞の既知の特徴と一致し、核酸試料を定量する際の本出願の方法の精度および感度を示した。
【国際調査報告】