(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】治療薬を送達する医療スコープ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20230614BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20230614BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A61B1/12 523
A61M37/00
A61B1/00 714
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570158
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2021035682
(87)【国際公開番号】W WO2021247850
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】サイモン, ジョン, クラウダー
(72)【発明者】
【氏名】ジタール, ショーン, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】カラザース, クリストファー, エー.
(72)【発明者】
【氏名】ブリーン, リアム
(72)【発明者】
【氏名】サーティ, ヴィハー, シー.
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF30
4C161HH04
4C161HH32
4C161LL02
4C161QQ07
4C267AA01
4C267BB52
4C267CC04
4C267EE01
4C267EE07
(57)【要約】
本実施形態は、治療薬をターゲットサイトに送達するのに適したシステム及び方法を提供する。一例において、システムは、治療薬を保持するコンテナと、加圧された流体を有する圧力源と、を有し、圧力源は、コンテナの少なくとも一部分との間の選択的流体連通状態にある。カテーテルが、コンテナとの間の流体連通状態において配置され、且つ、ターゲットサイトへの治療薬の送達のためにサイズ設定された管腔を有する。ハウジングが、コンテナを堅固に保持するように構成される。システムは、カテーテルに結合されたカメラヘッドを有するカメラを更に有し、カメラは、治療薬の送達の際にターゲットサイトの視覚的画像を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療薬をターゲットサイトに送達するのに適したシステムであって、
前記治療薬を保持するコンテナと、
加圧された流体を有する圧力源であって、前記コンテナの少なくとも一部分との間の選択的流体連通状態にある圧力源と、
前記コンテナとの間の流体連通状態にある、且つ、ターゲットサイトへの前記治療薬の送達のためにサイズ設定された管腔を有する、カテーテルと、
前記コンテナを堅固に保持するように構成されたハウジングと、
前記カテーテルに結合されたカメラヘッドを有するカメラと、
を有し、
前記カメラは、前記治療薬の送達の際に前記ターゲットサイトの視覚的画像を提供する、システム。
【請求項2】
灌注流体を保持するリザーバを更に有し、前記リザーバは、灌注コンテナによって前記ハウジングに堅固に装着され、且つ、前記灌注流体は、前記カテーテルの灌注管腔を通じて送達される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
入口ポートと、少なくとも第1及び第2出口ポートと、を有する弁組立体を更に有し、加圧された流体は、前記入口ポートを通じて進入し、第1状態において、前記加圧された流体は、前記治療薬の送達の欠如を伴う通気を提供するために前記第1出口ポートを通じて導かれ、第2状態において、前記加圧された流体は、前記治療薬の送達を提供するために、前記第2出口ポートを通じて且つ前記治療薬を保持する前記コンテナ内に導かれる請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記弁組立体は、ほぼ管状のボディ、近位端及び遠位端、その間に延在する管腔を有するプランジャと、前記プランジャの側部表面を通じて延在する並びに前記プランジャの前記管腔との間の連通状態にある第1及び第2スロットと、を有し、前記第1スロットは、前記第1及び第2状態の両方において前記入口ポートと位置合わせし、前記第2スロットは、前記第1状態において前記第1出口ポートのみと選択的に位置合わせし、前記第2状態においては前記第2出口ポートとのみ位置合わせする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1スロットは、前記第2スロットよりも大きな軸方向の長さを有する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記弁組立体は、灌注流体を保持するリザーバとの間の選択的流体連通状態にある第3出口ポートを有し、前記第1及び第2状態の両方において、前記加圧された流体は、前記第3出口ポートを通じて導かれる請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記弁組立体の前記第3出口ポートと前記カテーテルの間に灌注弁が配設され、前記灌注弁は、前記灌注流体が前記カテーテルの灌注管腔を通じて送達される時点を調節する請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
メインボディ、近位端、及び遠位端を有するカテーテルアダプタを更に有し、前記カテーテルアダプタは、前記ハウジングとの関係において固定されており、前記カテーテルアダプタの前記遠位端は、前記カテーテルの近位端に結合され、前記カテーテルアダプタの前記近位端は、第1直径を有し、且つ、前記カテーテルアダプタの前記遠位端は、第2直径を有し、前記第1直径は、前記第2直径超であり、少なくとも1つのテーパーが、前記第1直径から前記第2直径に遷移するために前記カテーテルアダプタの前記近位端と前記遠位端の間に提供される請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記カテーテルアダプタは、
前記治療薬の送達用の第1管腔であって、前記治療薬を保持する前記コンテナと前記ターゲットサイトへの前記治療薬の送達のためにサイズ設定された前記カテーテルの前記管腔の間において流体連通を提供する、前記カテーテルアダプタの第1管腔と、
カメラコードの受け入れ用の第2管腔であって、前記ハウジングの前記カメラコンテナと前記カテーテルの前記カメラ管腔との間に前記カメラコード用の通路を提供する、前記カテーテルアダプタの第2管腔と、
を更に有する請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記カテーテルアダプタは、吸引管腔、灌注管腔、光伝達管腔、及び偏向ワイヤ管腔から構成される群から選択される少なくとも2つの更なる管腔を有する請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記カテーテルは、前記ターゲットサイトから前記ハウジングに向かう遠位から近位への方向における吸い上げを許容するように構成される吸引管腔を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記吸引管腔の遠位セグメントは、前記治療薬を送達する前記管腔の遠位セグメントとの関係において非平行な角度を有する請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
近位領域及び遠位領域を有する少なくとも1つの偏向ワイヤを更に有し、前記近位領域は偏向アクチュエータに結合され、且つ、前記遠位領域は、前記偏向アクチュエータの作動の際に前記カテーテルの遠位領域を操作する能力を提供するために前記カテーテルの偏向ワイヤ管腔を通じて延在する請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
4つの偏向ワイヤが提供され、前記システムは、
第1偏向アクチュエータであって、前記第1偏向アクチュエータが回転される方向に基づいて第1及び第2方向において前記カテーテルの運動を可能にするために前記第1及び第2偏向ワイヤに結合される第1偏向アクチュエータと、
第2偏向アクチュエータであって、前記第2偏向アクチュエータが回転される方向に基づいて第3及び第4方向において前記カテーテルの運動を可能にするために前記第3及び第4偏向ワイヤに結合される第2偏向アクチュエータと、
を更に有する請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記カテーテルは、4つの偏向ワイヤ管腔を有し、前記4つの偏向ワイヤ管腔のそれぞれは、個々の偏向ワイヤを受け入れる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ハウジングは、ユーザーの手で保持されるように適合されており、且つ、前記ハウジングは、前記圧力源を有するカートリッジを更に保持する請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記圧力源からの流体は、前記コンテナの第2領域に向かう方向に、前記コンテナの第1領域を通じて導かれており、前記流体は、前記コンテナの前記第2領域から前記コンテナの前記第1領域に向かい、その後に、前記ターゲットサイトに向かう、方向に前記治療薬を付勢するように少なくとも部分的にリダイレクトされる請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記治療薬は、粉末を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記加圧された流体は、二酸化炭素を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記カメラは、前記カメラヘッドに結合されたカメラコードを有し、前記カメラコードの少なくとも一部分は、前記ハウジングのカメラコンテナから前記カテーテルのカメラ管腔を通じて延在する請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
ターゲットサイトに治療薬を送達するのに適したシステムであって、
前記治療薬を保持するコンテナと、
加圧された流体を有する圧力源であって、前記コンテナの少なくとも一部分との間の選択的流体連通状態にある圧力源と、
前記コンテナとの流体連通状態にある、且つ、ターゲットサイトへの前記治療薬の送達のために寸法設定された管腔を有する、カテーテルと、
前記コンテナを堅固に保持するように構成されるハウジングと、
入口ポート並びに少なくとも第1及び第2出口ポートを有する弁組立体であって、加圧された流体は、前記入口ポートを通じて進入し、第1状態において、前記加圧された流体は、前記治療薬の送達の欠如を伴って通気を提供するために前記第1出口ポートを通じて導かれ、且つ、第2状態において、加圧された流体は、前記治療薬の送達を提供するために、前記第2出口ポートを通じて前記治療薬を保持する前記コンテナ内に導かれている、弁組立体と、
を有するシステム。
【請求項22】
前記弁組立体は、ほぼ管状のボディ、近位端及び遠位端、その間において延在する管腔を有するプランジャと、前記プランジャの側部表面を通じて延在する及び前記プランジャの前記管腔との間の連通状態にある第1及び第2スロットと、を有し、前記第1スロットは、前記第1及び第2状態の両方において前記入口ポートと位置合わせし、前記第2スロットは、前記第1状態において、前記第1出口ポートとのみ選択的に位置合わせし、前記第2状態において、前記第2出口ポートのみと位置合わせしている請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1スロットは、前記第2スロットよりも大きな軸方向の長さを有する請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記弁組立体は、灌注流体を保持するリザーバとの間で選択的流体連通状態にある第3出口ポートを有し、前記第1及び第2状態の両方において、前記加圧された流体は、前記第3出口ポートを通じて導かれる請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記弁組立体の前記第3出口ポートと前記カテーテルの間に灌注弁が配設され、前記灌注弁は、前記灌注流体が前記カテーテルの灌注管腔を通じて送達される時点を調節する請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
ターゲットサイトに治療薬を送達するのに適した方法であって、
加圧された流体を有する圧力源を作動させるステップであって、前記圧力源は、治療薬を保持するコンテナの少なくとも一部分との間で選択的流体連通状態にあり、ハウジングが、前記コンテナを堅固に保持するように構成されている、ステップと、
前記加圧された流体を介して、前記コンテナ及びターゲットサイトとの流体連通状態にあるカテーテルを通じて、前記治療薬を送達するステップと、
前記カテーテルに結合されたカメラヘッドを有するカメラを使用して、前記治療薬の送達の際に前記ターゲットサイトを視覚化するステップと、
を有する方法。
【請求項27】
灌注流体を保持するリザーバが灌注コンテナによって前記ハウジングに堅固に装着されており、前記方法は、前記カテーテルの灌注管腔を通じて前記灌注流体を送達するステップを更に有する請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記治療薬の送達の欠如を伴って通気流体を提供するために第1状態において弁組立体を使用するステップと、前記治療薬の送達を提供するために前記第2出口ポートを通じて且つ前記治療薬を保持する前記コンテナ内に加圧された流体を導くように第2状態において前記弁組立体を使用するステップと、を更に有する請求項26に記載の方法。
【請求項29】
ターゲットサイトへ治療薬を送達するのに適したシステムであって、
前記治療薬を保持するコンテナと、
加圧された流体を有する圧力源であって、前記コンテナの少なくとも一部分との間の選択的流体連通状態にある圧力源と、
前記コンテナとの流体連通状態にある、且つ、ターゲットサイトへの前記治療薬の送達のためにサイズ設定された管腔を有する、カテーテルと、
灌注流体を保持するリザーバと、
を有し、
前記システムは、灌注、通気、及び治療薬送達のために圧力を供給し得る、システム。
【請求項30】
前記システムは、前記同一の圧力源から灌注、通気、及び治療薬送達のそれぞれのために圧力を供給し得る請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
入口ポートと少なくとも第1及び第2出口ポートとを有する弁組立体を更に有し、加圧された流体は、前記入口ポートを通じて進入し、第1状態において、前記加圧された流体は、前記治療薬の送達の欠如を伴って通気を提供するために前記第1出口ポートを通じて導かれ、第2状態において、前記加圧された流体は、前記治療薬の送達を提供するために前記第2出口ポートを通じて前記治療薬を保持する前記コンテナ内に導かれる請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記コンテナを堅固に保持するように構成されたハウジングを更に有し、前記リザーバは、灌注コンテナによって前記ハウジングに堅固に装着され、前記灌注流体は、前記カテーテルの灌注管腔を通じて送達される請求項29に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年6月5日付で出願された「Medical Scopes for Delivering Therapeutic Agents」という名称の米国仮特許出願第63/035,270号の優先権の利益を主張するものであり、この特許文献の開示内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
【0002】
本実施形態は、一般に、医療装置に関し、且つ、更に詳しくは、ターゲットサイトに治療薬を送達する医療スコープに関する。
【背景技術】
【0003】
人間又は動物の身体内に治療薬を導入することが望ましい場合がある、いくつかの例が存在する。例えば、生物学的効果を実現するために、治療薬剤又は生体活性材料を導入することができる。生物学的効果は、止血の誘発、穿孔の封止、再狭窄尤度の低減、或いは、癌性腫瘍又はその他の疾病の治療などの、多数の狙いとする結果を含み得る。
【0004】
このような治療薬の多くは、静脈内(IV)技法を使用して且つ内服薬を介して注入されている。このような技法は、薬剤の一般的な導入を許容しているが、多くの例においては、選択されたターゲットサイトへの治療薬のガイドされた且つ正確な送達を許容し得る、治療薬の局所化された又は的を絞った送達の提供が望ましい場合がある。例えば、腫瘍への治療薬の局所的な送達は、正常な健康な組織への治療薬の曝露を低減することができ、これにより、潜在的に有害な副作用を低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
治療薬の局所的な送達は、カテーテル及び類似の導入装置を使用して実行される。例として、カテーテルは、患者内のターゲットサイトに向かって前進させることができ、次いで、治療薬をカテーテルの管腔を通じてターゲットサイトに注入することができる。通常、カテーテルの管腔内に治療薬を注入するために、注射器又は類似の装置を使用することができる。但し、このような送達技法は、注入された治療薬の相対的に弱い流れを結果的にもたらす場合がある。
【0006】
更には、粉末形態などの特定の形態においては、的を絞った方式で治療薬を望ましいサイトに送達することが、困難であるか又は不可能である場合もある。例えば、治療粉末は、注射器又はその他のコンテナ内に保持されている場合には、潜在的に有害な副作用を低減し得る局所的な方式で、カテーテルを通じてターゲットサイトに容易に送達することができない。
【0007】
更には、いくつかの治療薬は、内視鏡などのターゲットサイトの撮像を可能にする別個の医療スコープの管腔を通じて前進されたカテーテルを使用して送達される。但し、別個のカテーテル及び医療スコープの使用は、スコープの管腔を通じてフィットし得る器具のサイズ、内視鏡手順に対処する能力を有する特定の部屋への患者の搬送、などの制限を包含し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態は、ターゲットサイトへの治療薬の送達に適したシステム及び方法を提供する。一例において、システムは、治療薬を保持するコンテナと、加圧された流体を有する圧力源と、を有し、圧力源は、少なくともコンテナの一部分との間の選択的流体連通状態にある。カテーテルは、コンテナとの間の流体連通状態において配置されており、且つ、ターゲットサイトへの治療薬の送達のためにサイズ設定された管腔を有する。ハウジングは、コンテナを堅固に保持するように構成される。システムは、カテーテルに結合されたカメラヘッドを有するカメラを更に有しており、カメラは、治療薬の送達の際にターゲットサイトの視覚的画像を提供する。
【0009】
一実施形態において、システムは、メインボディ、近位端、及び遠位端を有するカテーテルアダプタを有し、カテーテルアダプタは、ハウジングとの関係において固定されており、且つ、カテーテルアダプタの遠位端は、カテーテルの近位端に結合されている。カテーテルアダプタの近位端は、第1直径を有し、且つ、カテーテルアダプタの遠位端は、第2直径を有し、第1直径は、第2直径超である。
【0010】
一実施形態において、システムは、入口ポートと、少なくとも第1及び第2出口ポートと、を有する弁組立体を有する。加圧された流体は、入口ポートを通じて進入し、且つ、第1状態において、加圧された流体は、治療薬の送達の欠如を伴う通気を提供するために第1出口ポートを通じて導かれる。第2状態においては、加圧された流体は、治療薬の送達を提供するために第2出口ポートを通じて且つ治療薬を保持するコンテナ内に導かれる。
【0011】
一実施形態において、治療薬をターゲットサイトに送達する方法は、加圧された流体を有する圧力源を作動させるステップを有し、圧力源は、治療薬を保持するコンテナの少なくとも一部分との間の選択的流体連通状態にあり、ハウジングは、コンテナを堅固に保持するように構成されている。治療薬は、加圧された流体を介してコンテナ及びターゲットサイトとの間の流体連通状態にあるカテーテルを通じて送達される。方法は、カテーテルに結合されたカメラヘッドを有するカメラを使用して治療薬の送達の際にターゲットサイトを視覚化するステップを更に有する。
【0012】
本発明のその他のシステム、方法、特徴、及び利点については、以下の図及び詳細な説明を参照した際に、当業者には明らかであり且つ明らかとなろう。すべてのこのような更なるシステム、方法、特徴、及び利点は、本発明の範囲に含まれており且つ添付の請求項によって包含されるものと解釈されたい。
【0013】
本発明については、以下の図面及び説明を参照して更に十分に理解することができる。図中のコンポーネントは、必ずしも縮尺が正確ではなく、その代わりに、本発明の原理の図示に重点が置かれている。更には、図において、同一の参照符号は、異なる図の全体を通じて対応する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態による治療薬を送達するシステムの斜視図である。
【
図2】ハウジングの一部分が除去された状態の
図1のシステムの概略側面図である。
【
図3】ハウジングの一部分が除去された状態の
図1~
図2のシステムの斜視図である。
【
図4A】
図1との関係においてハウジングの反対側を示す
図1~
図3のシステムの概略側面図である。
【
図4B】
図2との関係において反対方向から観察されたハウジングの一部分が除去された状態の
図1のシステムの概略側面図である。
【
図5-7】それぞれ、本システムと共に使用される弁組立体の側面図、回転された側面図、及びクローズアップ斜視図であり、選択された外側コンポーネントは、内部特徴の図示を支援するために、透視状態において示されている。
【
図8】カテーテルに結合されたカテーテルアダプタの斜視図であり、カテーテルの外側部分は、内部特徴の図示を支援するために透視状態において示されている。
【
図9】
図8のカテーテルアダプタ及びカテーテルの一部分の斜視図であり、外部部分は、内部特徴の図示を支援するために透視状態において示されている。
【
図10】
図8のラインA-Aに沿って取得されたカテーテル及び選択された内部コンポーネントの断面図である。
【
図11】ハウジングの一部分が偏向ワイヤ組立体の特徴を示すように除去された状態の
図1のシステムの上面斜視図である。
【
図12】一実施形態による偏向アクチュエータ及びワイヤフォロワを示す斜視図である。
【
図13】
図12との関係において反対の角度から観察された且つ図示を目的として偏向アクチュエータの1つが省略された状態の
図12の偏向アクチュエータ及びワイヤフォロワを示す斜視図である。
【
図14】
図11~
図12の偏向アクチュエータの1つとワイヤフォロワの1つの結合を示す斜視図である。
【
図15】カテーテルの吸引管腔の遠位領域との関係において非平行角度において配設されたカテーテルの治療薬管腔の遠位領域を描く概略側面図である。
【
図16】それぞれが関連付けられた管腔を有する複数のカテーテルが単一カテーテルの代わりに使用される例示用の一構成を描く、代替実施形態の断面概略図である。
【
図17】図示を目的としてハウジングの一部分及び偏向アクチュエータが除去された状態の一代替実施形態による治療薬を送達するシステムの側面図である。
【
図19】偏向ワイヤが含まれており且つ図示を目的として選ばれたチュービングが除去された状態の
図17~
図18のシステムの斜視図である。
【
図21】
図17~
図20のシステムと共に使用され得る選ばれたチュービングとカテーテルの間の複数のアダプタの特徴を示す斜視図である。
【
図22】出口ポート及び圧縮スプリングの配置が
図5~
図7のシステムとの関係において変更されている代替作動弁組立体を内蔵したシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願において、「近位(proximal)」という用語は、医療手技において医師に全般的に向かう方向を意味する一方で、「遠位(distal)」という用語は、医療手技の際に患者の解剖構造内のターゲットサイトに全般的に向かう方向を意味する。
【0016】
まず、
図1~
図4Bを参照すれば、1つ又は複数の治療薬を送達するのに適したシステム20の第1実施形態が示されている。この実施形態においては、システム20は、更に十分に後述するように、カテーテル90を通じて治療薬38を患者内のターゲットサイトに送達するために治療薬38を保持するように構成されたコンテナ30を有し、且つ、コンテナ30の少なくとも一部分との間の選択的流体連通状態において配置されるように構成された少なくとも1つの圧力源68を更に有する。
【0017】
システム20は、ハウジングを更に有し、これは、コンテナ30、圧力源68,カテーテル90、及び後述するその他のコンポーネントを堅固に保持し、これに係合し、且つ/又はこれらをカバーするのに適している。好ましくは、ハウジング22は、ユーザーによって把持され得る直立セクション24と、コンテナ30に係合するセクション25と、を有する。アクチュエータ26は、ユーザーによって係合することが可能であり、且つ、後述する機能を実行するように選択的に動作させることができる。
【0018】
コンテナ30は、治療薬38を保持するための任意の適切なサイズ及び形状を有することができる。
図1~
図4Bにおいて、コンテナ30は、コンテナ30の内部によって定義された第1領域31、第2領域32、及びリザーバ33を有する全般的にチューブ形状の構成を有する。
【0019】
コンテナ30は、入口チューブ40、出口チューブ50、及びキャップ60を更に有することができ、キャップ60は、
図2~
図3において最良に観察されるように、コンテナ30の第1領域31に固定されるように構成されている。入口チューブ40は、管腔がその間において延在する状態において第1及び第2端部41及び42を有する一方で、出口チューブ50は、管腔がその間において延在する状態において第1及び第2端部51及び52を有する。
図2において示されているように、入口チューブ40の第1端部41は、キャップ60内において形成された入口ポート62との間の流体連通状態において配置されている一方で、出口チューブ50の第1端部51は、キャップ60内において形成された出口ポート63との間の流体連通状態において配置されている。
【0020】
動作の際に、キャップ60の入口ポート62を通過した流体は、入口チューブ40を通じて且つリザーバ33内に導かれている。特に、コンテナ30の第2領域32の近傍のu形状の曲がりは、流体が、もともとコンテナ30の第1領域31から第2領域32に向かう方向において流れ、且つ、次いで、第2領域32から第1領域31に向かって戻るように流れるように、約180度だけ、流体フローの方向を事実上変更している。
図1~
図4Bの実施形態においては、コンテナ30の第1領域31は、使用の際に、コンテナ30の第2領域32の上方において垂直方向において配設されているが、少なくとも部分的に水平方向に互いに隣接した状態において配設されるように、相互の関係において第1及び第2領域31及び32の異なる配置を有することも可能である。
【0021】
出口チューブ50の第2端部52は、
図1~
図2及び
図4A~
図4Bに示されているように、コンテナ20の第2領域32の上方において既定の距離において終端することができる。従って、更に後述するように、圧力源68からの流体が第2領域32から第1領域31に向かってリダイレクトされた際に、リザーバ33内の流体及び治療薬38は、出口チューブ50を通じて、出口ポート63を通じて、且つ、ターゲットサイトに向かって導くことができる。或いは、この代わりに、出口チューブ50が省略されてもよく、且つ、治療薬38がリザーバ33から出口ポート63内に直接的に流れることもできる。コンテナ30及び出口ポート63に関するその他の変形については、米国特許第8,118,777号明細書において見出すことができ、この特許文献は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。
【0022】
更には、いくつかの実施形態において、プラットフォームは、米国特許第8,118,777号明細書において更に説明されているように、第2領域32と関連する湾曲した部分の上方においてコンテナ30内において位置決めされていてもよく、プラットフォームは、コンテナ30の内側表面との間において実質的に流体密封止を形成し、これにより、リザーバ33内において配設された治療薬38が第2領域32における湾曲に到達することを防止している。このような実施形態においては、プラットフォームは、米国特許第8,118,777号明細書において更に説明されているように、圧力源68からの流体がこれを通じて第2領域32において配設されたu形状のチューブを介して導かれている開口部を有することができる。
【0023】
キャップ60は、コンテナ30の第1領域31に封止方式で係合するための任意の適切な構成を有することができる。一例においては、リザーバ33内の治療薬38を保持するために、Oリングがキャップ60の周囲の周りの定位置において保持されている。入口及び出口チューブ40及び50は、米国特許第8,118,777号明細書において更に説明されているものなどの1つ又は複数の支持部材により、コンテナ30内において定位置において保持することができる。
【0024】
更には、
図2に描かれているように、キャップ60は、ハウジング22のセクション25の相補的内部領域との間の堅固な着脱自在の係合を許容する1つ又は複数のフランジ60aを有することもできる。例えば、コンテナ30を回転させることにより、キャップ60のフランジ60aをセクション25内の定位置においてロックすることができる。
【0025】
有利には、この結果、システム20と共に使用されるように第1治療薬を保持する第1コンテナをハウジング22に結合することができると共に、その後に、システム20と共に使用されるように第2組成又は物質を保持する第2コンテナをハウジング22に結合することができる。例として、且つ、限定を伴うことなしに、一実施形態において、システム20には、粉末止血剤の形態の治療薬を保持する第1コンテナ30を「事前装填」することができる。後の時点において、粘膜付着性組成を送達することが有益であると考えられる場合があり、このケースにおいては、ハウジングのセクション25からそのフランジ60aを係合解除するように、且つ、次いで、粘膜付着性組成の送達のために第2コンテナを30ハウジング22のセクション25内に挿入するように、第1コンテナ30を回転させることができる。簡潔性を目的として、コンテナ30内の製剤は、「治療薬38」と呼称することとするが、本明細書において説明されているように、ハウジング22に結合されたコンテナ内の特定の製剤は、相互交換又は変更されてもよく、且つ、それ自体で治療効果を実現してもよく、或いは、実現しなくてもよい。
【0026】
圧力源68は、望ましい圧力を有する流体を生成又は提供する能力を有する1つ又は複数のコンポーネントを有することができる。一実施形態において、圧力源68は、液体又はガスなどの加圧された流体を有することができる。例えば、
図2~
図3において示されているように、圧力源68は、二酸化炭素、窒素、又は人間の身体との間において適合性を有し得る任意のその他の適切なガス又は液体などの選択されたガス又は液体の加圧された流体カートリッジを有することができる。加圧された流体カートリッジは、例えば、カートリッジの内側において約1,800psiなどの相対的に大きな第1既定圧力においてガス又は液体を収容することができる。圧力源68は、任意選択により、1つ又は複数の市販のコンポーネントを有することができる。
【0027】
流体は、
図2において描かれているように、圧力源68から相対的に小さな第2既定圧力に圧力を低減し得る圧力出口72を有するレギュレータ弁70などの圧力レギュレータを通じて流れることができる。アクチュエータ26は、圧力源68から流体を放出するように作動させることができる。例えば、ユーザーは、アクチュエータ26を回転させてもよく、これは、アクチュエータ26とハウジング22の間のねじによる係合を介して線形モーションに変換されている。線形の前進が圧力源68に付与された際に、レギュレータ弁70は、高圧流体を放出するように、圧力カートリッジの封止を穿孔することができる。レギュレータ弁70が圧力を低減した後に、流体は、圧力出口72からチュービング75を介して作動弁組立体80に向かって流れることができる。
【0028】
図1~
図4Bとの関連において、
図5~
図7を参照すれば、作動弁組立体80は、
図5~
図6において最良に観察されるように、近位領域81a及び遠位領域81bを有するハウジング81を有する。近位及び遠位領域82a及び82bを有するピストン82が、ハウジング81内において少なくとも部分的に配設されている。ピストン82の近位領域82aは、
図2~
図3に描かれているように、作動ボタン88に結合されていてもよく、これにより、ユーザーが更に後述する特定の機能を実行することを許容している。ピストン82のこの近位領域82aは、作動ボタン88に対する結合を促進するために、
図2に描かれているように、ハウジング81の外側において所定の距離だけ延在し得る。ピストン82の遠位領域82bは、
図2及び
図5~
図6において描かれているように、圧縮スプリング87の近位端に隣接した状態において位置決めすることができる。この結果、ピストン82には、後述する目的のために、ピストン82が更に近位において配設されるように傾斜するが、ユーザーが十分な力を作動ボタン88に印加した場合にピストン82がスプリング87の力に抗して遠位において運動され得る既定の位置を提供することができる。特に、作動ボタン88は、ピストン82が作動弁組立体80から係合解除されないように作動ボタン88の近位移動を制限するために、
図3において最良に観察されるように、ハウジング22のストップ部材27に圧接状態において当接することができる。
【0029】
様々な入口及び出口ポートが作動弁組立体80と関連付けられている。一実施形態においては、入口ポート92及び3つの異なる出口ポート93~95が作動弁組立体80と関連付けられている。
【0030】
作動弁組立体80の入口ポート92は、
図2に描かれているように、レギュレータ弁70の圧力出口72から延在するチュービング75に結合されていてもよく、これにより、既定の圧力における加圧された流体を作動弁組立体80内に提供する。
【0031】
一実施形態においては、ピストン82は、
図6~
図7において最良に観察されるように、近位及び遠位領域82a及び82bの間において延在する管腔84を有する全般的に管状のボディ83を有する。更には、
図5~
図7において観察されるように、第1及び第2スロット85及び86がピストン82の管状ボディ83の異なる領域を通じて延在している。
【0032】
ピストン82の第1スロット85は、少なくとも1つの動作状態において入口ポート92との間に軸方向に位置合わせされている。ピストン82の第2スロット86は、第1状態において、出口ポート93との間で軸方向に位置合わせされていてもよく、且つ、更には、第2状態においては、出口ポート94との間で軸方向に位置合わせされていてもよく、これにより、更に後述するように、ピストン82と出口ポート93又は出口ポート94の間の流体連通を選択的に提供する。
【0033】
作動ボタン88がユーザーによって係合されていない場合には、圧縮スプリング87によって提供される力は、
図5~
図7に描かれているように、ピストン82の第1スロット85が入口ポート92との間で軸方向に位置合わせされる且つ更にはピストンの第2スロット86が出口ポート93との間で軸方向に位置合わせされる第1状態にピストン82を付勢している。この結果、(レギュレータ弁70によって調節されている)圧力源68からの加圧された流体は、出口ポート93内に且つ通気チュービング101内に導かれており、この時点において、ユーザーは、更に後述するように、例えば、弁102及び限定を伴うことなしに停止コック又はボタン弁を作動させることにより、通気流体を選択的に提供するという選択肢を有する。
【0034】
作動ボタン88が、圧縮スプリング87によって提供された力を克服する方式によってユーザーによって押下された際に、ピストン82は、ピストン82の第1スロット85が入口ポート92との間で軸方向に位置合わせされた状態に留まる一方でピストン82の第2スロット86が出口ポート94との間で軸方向に位置合わせされた状態となる第2状態に遠位において前進させられる。この結果、(レギュレータ弁70によって調節されている)圧力源68からの加圧された流体は、出口ポート94内に且つチュービング61内に導かれ、そこで、次いで、キャップ60の入口ポート62内に且つ治療薬38を保持するコンテナ30内に導かれる。特に、加圧された流体がハウジング81を通じて横断するのに伴って流体密封止を提供するために、Oリング96a~96cなどの1つ又は複数の封止部材を使用することができる。
【0035】
一実施形態において、第1スロット85は、長さL
1を有し、且つ、第2スロット86は、長さL
2を有し、
図5~
図7において描かれているように、長さL
1は、長さL
2超である。その相対的に長い長さL
1に起因し、第1スロット85は、第1及び第2状態の両方において、即ち、ユーザーが作動ボタン88を押下する前及び後において、入口ポート92との間の流体連通状態において留まることができる。対照的に、その相対的に短い長さL
2に起因して、第2スロット86は、ユーザーが作動ボタン88を押下した際に、出口ポート93との間の流体連通状態から出口ポート94に運動する。
【0036】
ピストン82の遠位領域82bは、
図5~
図7において描かれているように、圧縮スプリング87の近位端に固定することができる。或いは、この代わりに、ピストン82は、スプリング力がピストン82に伝達される限り、固定メカニズムを伴うことなしに直接的に圧縮スプリング87に圧接状態において当接していてもよく、或いは、間接的に方式で結合されていてもよい。いずれのケースにおいても、圧縮スプリング87の遠位端が作動弁組立体80のハウジング81との関係において定位置において固定された状態において留まっていることが好ましい。一実施形態において、圧縮スプリング87は、
図5~
図7において描かれているように、圧縮スプリング87の遠位端を定位置において保持する作動弁組立体80の運動不能な内部フランジ89に圧接状態において当接することができる。
【0037】
また、ピストン82の管腔84は、更には、圧力源68からの加圧された流体が出口ポート95を通じて送達されるように作動弁組立体80の出口ポート95との間における流体連通状態にある。具体的には、入口ポート92を通じて進入する加圧された流体の特定の量が、ピストン82内の第1及び第2スロット85及び86を超えて、且つ、ピストン82の遠位領域82bを通じて、遠位において流れ、この時点において、加圧された流体は、次いで、
図5~
図7に示されているように、圧縮スプリング87を収容するフランジ89内の圧縮スプリング87の内部の空間を通過し、且つ、次いで、フランジ89の遠位に位置する管腔97内に流れる。次いで、管腔97からの加圧された流体は、出口ポート95を通じて離脱することができる。出口ポート95を通じて離脱した加圧された流体は、
図2~
図3において最良に観察されるように、チュービング111内に且つ流体リザーバ110に向かって遠位において移動することができる。
【0038】
流体リザーバ110は、コンテナ118の内部において配設された灌注流体を有することができる。出口ポート95から且つチュービング111を通じて移動した加圧された流体は、
図2において最良に観察されるように、(開放状態にある際に)弁112を通過することができ、次いで、コンテナ118と関連する入口ポート113を通過することができる。この時点において、(圧力源68に由来する)加圧された流体は、更に後述するように、コンテナ118と関連する出口チューブ114及び出口ポート115を通じて且つカテーテルアダプタ120に最終的に接続するチュービング116を通じてリザーバ110内の灌注流体を推進している。
【0039】
特に、弁112は、流体リザーバ110内への加圧された流体のフローを選択的に抑制するようにユーザーによって動作可能であり、且つ、その結果、このアクションは、ターゲットサイトへの灌注流体の送達を選択的に停止又は再開する。一実施形態において、流体リザーバ110内の灌注流体は、水又は別の適切な流体を有していてもよく、これは、更に後述するように、システム20と関連するカメラレンズをクリーニングするために使用することができる。
【0040】
図1~
図7には、例示用のポート92~95及び関連する(チュービング75、101、61、及び111などの)チュービングが描かれているが、チュービングの様々な部分を様々な弁及びポートに固定するために、その他の適切な結合メカニズムを利用することができることを理解されたい。
【0041】
次に
図8~
図10を参照すれば、システム20は、カテーテル90に向かってシステム20のコンポーネントの方向及びルーティングを促進するために、カテーテル90と共に使用されるカテーテルアダプタ120を有することができる。特に、
図8~
図9は、(近位から遠位に対向する方向において)カテーテルアダプタ120及びカテーテル90の近位端98の2つの図を提供する一方で、
図10は、(遠位から近位に対向する方向において)
図8のラインA-Aに沿って取得されたカテーテル90の断面図を示している。
【0042】
カテーテルアダプタ120は、近位端122及び遠位端123を有するメインボディ121を有し、近位端122は、遠位端123における直径D
2超である直径D
1を有する。相対的に大きな直径D
1から相対的に小さな直径D
2に遷移するように、少なくとも1つのテーパーを近位端122と遠位端123の間において配設することができる。
図8~
図10の実施形態においては、2つの異なるテーパー124及び125がメインボディ121の近位端122及び遠位端123の間に提供されている。
【0043】
有利には、近位端122における相対的に大きな直径D1は、本明細書において記述されているように、多数のチュービング及びその他のコンポーネントの受け入れを許容している一方で、テーパーは、その結果、カテーテル90の直径に相対的に近接している、相対的に小さな直径D2への遷移を促進する。
【0044】
図8~
図9において、カテーテルアダプタ120は、管腔131~140を有しており、これらについては、更に後述するが、これらは、カテーテル90の対応する管腔131a~140aとの間の連通状態にある。一例として、
図8~
図9のカテーテルアダプタ120の治療薬管腔131は、
図10のカテーテル90の治療薬管腔131aとの間の流体連通状態にある。この結果、カテーテルアダプタ120の管腔とカテーテル90の管腔の間には直接的な対応性が存在する。
【0045】
カテーテルアダプタ120のメインボディ121のテーパー化は、カテーテルアダプタ120の近位端122における管腔131~140の相対的に大きな内径をカテーテル90の対応する管腔の相対的に小さな内径と比較した際に、様々な管腔の直径を特定の量低減することに対処している。例えば、一実施形態において、治療薬管腔131は、カテーテルアダプタ120の近位端122における第1内径と、カテーテル90の管腔131a内の第2の相対的に小さな内径と、を有していてもよく、内径の遷移は、
図9において描かれているように、カテーテルアダプタ120に沿って発生する。
【0046】
様々な管腔131~140の内径の低減は、好ましくは、1つ又は複数の管腔について少なくとも5%であり、且つ、いくつかの実施形態においては、管腔及びその目的に応じて、所与の管腔について10~90%である。治療薬管腔131などの特定の管腔が、カテーテル内のその対応する相対的に小さな管腔131aとの関係において、カテーテルアダプタ120の近位端122における第1直径から過剰に低減された状態でないことが臨床的に重要な場合があり、その理由は、小さすぎるカテーテル管腔は、目詰まりを起こし得るからである。但し、カテーテル90のその他の管腔131a~140aは、相対的に小さな管腔に対する大きな欠点が存在しない場合には、相当に小さな直径を実現することができる。
【0047】
図8~
図10において観察されるように、カテーテルアダプタ120は、治療薬管腔131を有しており、これは、治療薬38を保持する
図1~
図4Bのコンテナ30との間の流体連通状態にある。再度
図2を参照すれば、コンテナ30内のキャップ60内の出口ポート63は、チュービング64との間の流体連通状態において配置されていてもよく、チュービング64は、例えば、カプラ65の第1取入ポート66a及び限定を伴うことなしにy形状の又はt形状のカプラに向かって遠位方向において延在している。カプラ65の排出ポート67は、出口チュービング69に固定されており、出口チュービング69は、カテーテルアダプタ120の治療薬管腔131の第1の相対的に大きな直径との間の係合状態内に遠位において延在している。特に、カプラ65の第2取入ポート66bは、通気チュービング101との間の流体連通状態にあり、通気チュービング101は、上述のように、弁組立体80の出口ポート93から延在している。
【0048】
有利には、この結果、カテーテルアダプタ120の治療薬管腔131及びカテーテル90の対応する管腔131aは、ピストン82の第2スロット86が、第1状態において出口ポート93との間で軸方向に位置合わせされているのか、或いは、その代わりに、第2状態において出口ポート94との間で軸方向に位置合わせされているのか、に応じて、圧力源68からの治療薬38及び加圧された流体又はその代わりに圧力源68からの加圧された流体のみの選択的な送達を提供する。これは、ユーザーが治療薬送達モード又はこの代わりに(治療薬の送達を欠いた)通気モードの間においてスイッチングするための単純且つ効率的な能力を提供する。
【0049】
図8~
図10に示されているように、カテーテルアダプタ120は、吸引管腔132を更に有しており、これは、ハウジング22内において提供された吸引アパーチャ145を介して吸引源(図示されてはいない)との間の流体連通状態にある。いくつかの実施形態において、吸引源は、吸引アパーチャ145を通じて延在するチュービング(図示されてはいない)を介して吸引管腔132との間の流体連通状態にある外部吸い上げポンプを有することができる。或いは、この代わりに、吸引源は、治療薬38及び加圧された流体68がカテーテル90から放出されるのと同時にカテーテル90の吸引管腔132aを通じて空気が引き込まれるように、受動的にパワー送達される且つ治療薬38及び加圧された流体68の送達のそれぞれの作動からターンオンするタービン又はファンを有することもできる。
【0050】
有利には、吸引管腔132aは、カテーテル90の遠位端及びターゲットサイトにおいて又はその近傍において吸い上げ能力を提供することが可能であり、これにより、カテーテル90内への加圧された流体の連続的な又は間欠的な吸い上げを可能にすることができる。これは、治療薬送達メカニズムからの過剰なガス膨張を低減するために有益であり得ると共に、生体内における容積及び圧力を維持することができる。更には、吸引管腔132aを介して送達される吸引源からの吸い上げ能力は、ユーザーにとっての視認性を回復するためにエアロゾル化した過剰な量の治療薬38の一掃を促進するために有利である。
【0051】
外部ポンプが使用されている場合には、推進体と吸引の連続的な注入を実行することができる。このような連続的な注入は、治療薬38の送達のための通路の目詰まりを低減するという利益を含み得る。更には、連続的な吸引は、患者内の安定した通気容積の維持を支援することができると共に、且つ、ターゲットサイトから血液を吸引するために使用することができる。
【0052】
任意選択により、システム20は、吸引管腔132aへの吸引の提供を閉鎖するための弁(図示されてはいない)を内蔵していてもよく、これは、影響を受けた身体領域の通気を促進することになる。このような弁は、一定の正の圧力を有する、即ち、ターゲットサイトに向かう加圧された流体68の連続的な送達が存在する、システム内において有用であり得るが、これは、カテーテル90の治療薬管腔131aを目詰まりさせ得る流体の逆流を防止するために有益であり得る。このような一定の正の圧力システムにおいては、吸引を選択的に許容するためのこのような弁は、開放位置にある際の一般的な吸い上げモード又は閉鎖位置にある際の通気モードの間の遷移を支援することになる。
【0053】
更に
図8~
図10を参照すれば、カテーテルアダプタ120は、灌注管腔133を更に有し、これは、灌注流体を保持する
図1~
図4Bのコンテナ118のリザーバ110との間の流体連通状態にある。再度
図2を参照すれば、コンテナ118のキャップ内の出口ポート115は、チュービング116との間の流体連通状態において配置されていてもよく、チュービング116は、カテーテルアダプタ120の灌注管腔131に向かって遠位方向において延在しており、且つ、次いで、カテーテル90の灌注管腔131aとの流体連通状態において配置されている。この結果、灌注管腔131aは、弁112が開放位置にある際に、圧力源68からの加圧された流体によって駆動される灌注流体の送達を提供する。
【0054】
更に
図8~
図10を参照すれば、カテーテルアダプタ120は、カメラ管腔134及び第1及び第2光伝達管腔135及び136を更に有する。カテーテルアダプタ120のカメラ管腔134及びカテーテル90の対応するカメラ管腔134aは、カメラ150と関連する少なくともなんらかの機器を受け入れるように寸法設定されている。非限定的な一実施形態においては、カメラは、
図15の概略図において描かれているように、有線接続されており、且つ、カメラコード152及びカメラヘッド154を有する(
図15においては、図示を目的としてのみ、カテーテル90の管腔のいくつかが省略されていることに留意されたい)。別の実施形態において、カメラは、無線接続されることが可能であり、且つ、従って、カメラコード152が省略され得ることを理解されたい。この例においては、カメラヘッド154は、WiFi又はその他の適切なネットワークを通じて情報を画像処理又は分析コンポーネントに送信することができる。
【0055】
カメラ150は、システムのハウジング22に結合されたカメラコンテナ156内において保持されている部分を有する。再度簡潔に
図4Aを参照すれば、一実施形態において、カメラコンテナ156は、ハウジング22の第1側部表面28に取り付けられた又はその他の方法で固定されたほぼ箱の形態を有する。この例においては、カメラコード152の近位領域152aは、カメラ管腔134から近位に延在してもよく、ハウジング22の第1側部表面28のアパーチャ157を通じて且つカメラコンテナ156内にルーティングされていてもよい。カメラコード152の近位領域152aは、画像処理機器又は外部結合用のアダプタなどのカメラコンテナ156内において収容されているその他のカメラに関係する機器に結合されていてもよい。一例において、HDMI(登録商標)ケーブルなどの適切なケーブルがカメラコンテナ156のポートに接続されていてもよく、且つ、次いで、HDMI(登録商標)ケーブルは、更なる画像処理又は分析機器に接続されていてもよい。
【0056】
一実施形態において、カメラ150は、本明細書において記述されている治療薬38及びその他の機器及び流体の送達の際に(
図15において描かれている)ターゲットサイトTの視覚的画像を促進するCMOSカメラを有する。カテーテルの第1及び第2光伝達管腔135a及び136aは、カメラヘッド154を使用した高分解能撮像に適した照明を提供する。光伝達管腔は、光伝達コンポーネントの提供を可能にすることができ、これは、一例においては、且つ、限定を伴うことなしに、1つ又は複数のLEDを有することができる。一例において、2つのLED(管腔135a及び136aごとに1つずつ)に動作自在に結合されたワイヤが提供されていてもよく、ワイヤは、電源に向かって近位において戻るように延在している。様々な非限定的な実施形態において、電源は、電池を有していてもよく、或いは、この代わりに、電力は、カメラコンテナ156内の又はこれに結合された機器から引き出されていてもよい。非限定的な一例において、電力は、カメラコンテナ156に結合されたHDMI(登録商標)ケーブルを通じて提供されていてもよく、このケースにおいては、ワイヤは、カメラコンテナ156内の回路に動作自在に結合されていてもよく、且つ、HDMI(登録商標)ケーブルから電力を受け取っていてもよい。好ましくは、第1及び第2光伝達管腔135a及び135aは、一般に、
図10において描かれているように、カメラ管腔134aの反対側部において位置決めされており、その理由は、カメラ150の一側部のみにおける照明の提供が画像上の不十分な照明又はコントラストを提供し得るからである。
【0057】
図8~
図10との関連において
図11~
図14を参照すれば、システム20は、近位及び遠位領域を有する少なくとも1つの偏向ワイヤを更に有し、近位領域は、ハウジングにおいて偏向アクチュエータに結合されており、且つ、遠位領域は、偏向アクチュエータの作動の際にカテーテルの遠位領域を操作する能力を提供するためにカテーテルの偏向ワイヤ管腔を通じて延在している。
【0058】
一実施形態においては、
図10において描かれているように、4つの異なる偏向ワイヤ161~164が、カテーテル90の個々の偏向ワイヤ管腔137a~140aを通じて配設されている。偏向ワイヤ161~164は、遠位から近位への方向において、カテーテル90の遠位端99における離隔した係合地点から、カテーテル90の個々の偏向ワイヤ管腔137a~140aを通じて、カテーテルアダプタ120の個々の偏向ワイヤ管腔137~140を通じて延在し、且つ、次いで、偏向ワイヤ161~164の近位領域が、偏向ワイヤを選択的に操作するためにユーザーによって係合され得る偏向アクチュエータ171及び172に接近する時点まで、ハウジング22の内部空間を通じて延在している。
【0059】
図11~
図14においては、第1及び第2ワイヤフォロワ181及び182が、偏向アクチュエータ171及び172と偏向ワイヤ161~164の間において結合されている。第1及び第2ワイヤフォロワ181及び182は、
図4Bにおいて最良に観察されるように、且つ、
図11において描かれているように、ハウジング22の内部において配設され得る一方で、偏向アクチュエータ171及び172は、ハウジング22の外部において配設することができる。本明細書において示されている実施形態においては、偏向アクチュエータ171及び172は、ハウジング22の第2側部表面29、即ち、カメラコンテナ156が固定されている第1側部表面28とは反対側である側部表面、上において配設されているが、偏向アクチュエータ171及び172は、カメラコンテナ156と同一の表面28上において又はハウジング22上の又はその近傍の別の場所において配設され得ることを理解されたい。
【0060】
図12~
図13において示されているように、第1ワイヤフォロワ181は、メインボディ181aを有することができると共に、第1偏向ワイヤ161の近位端が固定され得る第1結合領域161aを更に有することができる。第1ワイヤフォロワ181は、第2偏向ワイヤ162の近位端が固定され得る第2結合領域162aを更に有する。この例においては、第1結合領域161aは、
図12~
図13において描かれているように、第2結合領域162aとの関係においてメインボディ181a上において約180度だけ離れるように配設されている。
【0061】
第1偏向アクチュエータ171は、第1偏向アクチュエータ171が特定の円周方向において回転された際に第1ワイヤフォロワ181の対応する円周方向の回転を実現するように、第1ワイヤフォロワ181に動作自在に結合されている。一例においては、
図14において示されているように、トルクシャフト175が、第1偏向アクチュエータ171と第1ワイヤフォロワ181の間において横方向において延在している。トルクシャフト175は、第1偏向アクチュエータ171及び第1ワイヤフォロワ181と共に一体的に形成されていてもよく、或いは、第1ワイヤフォロワ181上の第1偏向アクチュエータ171に印加された円周方向のモーションを伝達する1つ又は複数のリンケージ又はその他の機械的なコンポーネントを有することもできる。
【0062】
同様に、第2ワイヤフォロワ182も、メインボディ182aを有することができると共に、第3偏向ワイヤ163の近位端が固定され得る第3結合領域163aを更に有することができる。第2ワイヤフォロワ182は、第4偏向ワイヤ164の近位端が固定され得る第4結合領域164aを更に有する。この例においては、第3結合領域163aは、
図12~
図13において描かれているように、第4結合領域162bとの関係においてメインボディ182a上において約180度だけ離れて配設されている。
【0063】
第2偏向アクチュエータ172は、第2偏向アクチュエータ172が特定の円周方向において回転された際に第2ワイヤフォロワ182の対応する円周方向の回転を実現するように、第2ワイヤフォロワ182に動作自在に結合されている。一例においては、
図12~
図13において描かれているように、第2偏向アクチュエータ172には、内向きの表面177内において形成された複数のピンホール176が提供されていてもよく、且つ、第2ワイヤフォロワ182には、内向きに対向する表面187上において複数のピンホール186が提供されていてもよい。ダウエルピン(図示されてはいない)などの複数のピンが、個々の部分内の複数のピンホール176及び186の間において延在することができる。従って、この結果、第2偏向アクチュエータ172に印加された円周方向のモーションが第2ワイヤフォロワ182に対して付与されている。この実施形態においては、第2偏向アクチュエータ172及び第2ワイヤフォロワ182は、
図12~
図13において描かれているように、それぞれ、第1偏向アクチュエータ171及び第2ワイヤフォロワ181を接続するトルクシャフト175の外側表面の周りにおいてそれぞれが配設された中央アパーチャ178及び188を有していることに留意されたい。
【0064】
一例においては、第1方向における第1偏向アクチュエータ171の回転は、第1ワイヤフォロワ181の対応する円周方向の運動を生成し、これにより、上向き方向においてカテーテル90の遠位端99を運動させるために第1偏向ワイヤ161に対して張力を付与することができる。逆に、反対の第2方向における第1偏向アクチュエータ171の回転は、第2方向における第1ワイヤフォロワ181の円周方向の運動を生成し、これにより、下向き方向においてカテーテル90の遠位端99を運動させるために第2偏向ワイヤ162に対して張力を付与することができる。
【0065】
更には、第1方向における第2偏向アクチュエータ172の回転は、第2ワイヤフォロワ182の対応する円周方向の運動を生成し、これにより、左から右への方向においてカテーテル90の遠位端99を運動させるために第3偏向ワイヤ163に対して張力を付与することができる。逆に、反対の第2方向における第2偏向アクチュエータ172の回転は、第2方向における第2ワイヤフォロワ182の円周方向の運動を生成し、これにより、右から左への方向においてカテーテル90の遠位端99を運動させるために第4偏向ワイヤ164に対して張力を付与することができる。
【0066】
この結果、4つの偏向ワイヤ161~164は、4つの別個の方向においてカテーテル90の遠位端を運動させることが可能であり、これにより、カメラヘッド154によるターゲットサイトTにおける撮像が促進されることになる。
【0067】
図15を参照すれば、この実施形態においては、カテーテル90の治療薬管腔131aの遠位領域131a’は、カテーテル90の吸引管腔132aの遠位領域132a’との関係において非平行角度において配設することができる。有利には、このような技法は、治療薬38がカメラの視野を不明瞭にし得る方式でターゲットサイトTからカメラ150に向かって跳ね返されるようになる又はその他の方法でその機能を無効にし得る方式でカメラに係合する尤度を低減することができる。
【0068】
図15の例においては、治療薬管腔131aの遠位領域131a’は、カテーテル90の長手方向の主軸Lとの関係において角度αにおいて配設されている。角度αは、約5度~約75度の範囲であってよく、且つ、更に好ましくは、約20~約60度の範囲である。吸引管腔132aの遠位領域132a’は、長手方向の主軸Lとの関係において同一の角度αにおいて配設されていてもよく、或いは、この代わりに、異なる角度において配設されていてもよいが、いずれのケースにおいても、これらの特定の管腔の遠位領域131a’及び132a’の非平行な位置合わせは、カメラによる視覚化を改善することができる。
【0069】
動作の際に、カテーテル90の遠位端99は、相対的にターゲットサイトの近傍において位置決めすることができる。カテーテル90は、開放技法、管腔内技法を使用して、口、結腸、鼻孔を通じて、又は任意のその他の適切な技法を使用して、ターゲットサイトまで前進させることができると共に、カメラ150は、ターゲットサイトにおける位置決めを促進することができる。
【0070】
カテーテル90が望ましいターゲットサイトにおいて位置決めされた際に、アクチュエータ26に係合することにより、圧力源68を作動させることができる。上述のように、加圧された流体は、圧力源68からレギュレータ弁70を通じて流れることができると共に、望ましい圧力及びレートに設定することができる。加圧された流体を望ましいパラメータに設定するために、任意の受動型のフローレギュレータが使用され得ることを理解されたい。次いで、流体は、チュービング75を通じて且つ入口ポート91を介して作動弁組立体80内に流れている。
【0071】
次いで、加圧された流体は、作動ボタン88がその緩和状態にある際に、出口ポート93及び95を通じて流れている。この時点において、ユーザーは、加圧された流体が出口ポート93を通じて利用可能である場合には、弁102を作動させることにより、通気流体を選択的に提供する選択肢を有している。
【0072】
ユーザーが治療薬38の送達を所望する際には、ユーザーは、作動ボタンを押下し、これにより、圧縮スプリング87からの力を克服し、且つ、プランジャ82の第2スロット86を出口ポート94と位置合わせさせている。この時点において、調節された加圧流体は、出口ポート94を通じて且つチュービング61を通じてコンテナ30に向かって流れている。次いで、流体は、入口ポート62を通じて、コンテナ30内の入口チューブ40を通じて、導かれており、且つ、次いで、加圧された流体の方向は、コンテナ30の底部において上向きにリダイレクトされる。次いで、調節された流体は、出口チューブ50を通じて治療薬38を付勢する。次いで、流体及び治療薬38は、詳細に上述されているように、出口チューブ50の第1端部51を通じて、キャップ60の出口ポート63を通じて、次いで、カプラ65、カテーテルアダプタ120、を通じて、且つ、最終的にカテーテル90を通じて、離脱し、これにより、望ましい圧力においてターゲットサイトに治療薬38を送達する。
【0073】
システム20は、様々な手順において治療薬38を送達するために使用することができると共に、治療薬38は、カテーテル90の遠位端からの注入の際に望ましい機能を実行するように選択することができる。例としてのみ、且つ、限定を伴うことなしに、治療薬38の提供は、止血、穿孔の閉鎖、砕石術の実行、腫瘍及び癌の治療、腎透析瘻狭窄の治療、血管移植片狭窄、及びこれらに類似したものを提供するために使用することができる。治療薬38は、冠動脈血管形成術、腎動脈血管形成術、及び頸動脈手術などの手技の際に送達することが可能であり、或いは、一般的に、様々なその他の心血管、呼吸器、消化器、又はその他の状態を治療するための使用することができる。また、上述のシステムは、経腟、臍帯、鼻、及び気管支/肺に関係する用途において使用することもできる。
【0074】
例えば、止血を目的として使用される場合には、局所的な出血を低減するために、トロンビン、エピネフリン、又は硬化剤を提供することができる。同様に、穿孔を閉鎖するために使用される場合には、フィブリンシーラントを局所的な損傷に送達することができる。治療薬38の止血プロパティに加えて、流体及び治療薬の相対的に高い圧力は、それ自体で圧縮力を提供することによって機械的なタンポン挿入として機能し、これにより、止血を実現するために必要とされる時間を低減し得ることに留意されたい。
【0075】
治療薬38は、例えば、身体血管の内部壁からの組織の内殖の促進などの1つ又は複数の望ましい生物学的機能を実行するように、或いは、その代わりに、再狭窄などの血管壁内の望ましくない状態を軽減又は防止するように、選択することができる。多くのその他のタイプの治療薬38をシステム20との関連において使用することができる。
【0076】
治療薬38は、任意の適切な形態において送達することができる。例えば、治療薬38は、粉末、液体、ゲル、エアロゾル、又はその他の物質を有することができる。有利には、圧力源68は、これらの形態の任意のものにおける治療薬38の送達を促進することができる。
【0077】
また、利用される治療薬38は、例えば、身体血管内における血栓形成を抑制又は防止する任意の生物活性剤などの抗血栓生物活性剤を有することができる。抗血栓生物活性剤のタイプは、抗凝固剤、抗血小板薬、及び線維素溶解薬を含む。抗凝固剤は、生化学カスケード内の因子、補因子、活性化された因子、又は活性化された補因子の任意のものに作用する且つフィブリンの合成を抑制する生体活性材料である。抗血小板生体活性剤は、血小板の接着、活性化、及び凝集を抑制するが、これらは、トロンビンの主要な成分であり、且つ、血栓症において重要な役割を演じている。線維素溶解生体活性剤は、線維素溶解カスケードを改善するか、或いは、さもなければ、血栓の分解を支援する。抗血栓薬の例は、限定を伴うことなしに、トロンビン、因子Xa、因子VIIa、及び組織因子抑制剤などの抗凝固剤、糖タンパク質IIb/IIIa、トロンボキサンA2、ADP誘発型糖タンパク質IIb/IIIa、及びホスホジエステラーゼ抑制剤などの抗血小板薬、及びプラスミノーゲン活性剤、トロンビン活性化可能線維素溶解抑制剤(TAFI)抑制剤などの線維素溶解薬、フィブリンを切り裂くその他の酵素を含む。
【0078】
これに加えて、又はこの代わりに、治療薬38は、身体血管内の血流に悪影響を及ぼし得る血餅を分解するために使用される血栓溶解剤を含み得る。血栓溶解剤は、フィブリン線維を直接的に消化する或いはこれを実行するための自然なメカニズムを活性化する任意の治療薬である。市販の血栓溶解剤の例は、括弧内の対応する活性剤を伴って、限定を伴うことなしに、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、アボキナーゼオープンキャス(ウロキナーゼ)、アクチバーゼ(アルテプラーゼ、組み換え体)、エミナーゼ(アニトストレプラーゼ)、レタバーゼ(レテプラーゼ、組み換え体)、及びストレプターゼ(ストレプトキナーゼ)を含む。その他の一般的に使用される名称は、アニソイル化プラスミノーゲン-ストレプロトキナーゼ活性剤複合体、APSAC、組織タイププラスミノーゲン活性剤(組み換え体)、t-PA、rt-PAである。治療薬38は、負傷及び/又は創傷を保護する又はその治癒を支援するための被覆形成剤を有することができる。
【0079】
但し、いくつかの例示用の治療薬38が上述されているが、多数のその他の適切な治療薬がシステム20との関連において使用され得ると共にカテーテル90を通じて送達され得ることが明らかであろう。
【0080】
有利には、システム20は、望ましい調節された圧力における望ましい量の治療薬38の局所的な送達を許容している。カテーテル90の遠位端が相対的にターゲットサイトの近傍において配置され得ることから、システム20は、経口において又はIVシステムを通じて送達される治療薬との比較において大きな利点を提供しており、且つ、健康な組織内における治療薬の蓄積を低減し、これにより、副作用を低減することができる。更には、ターゲットサイトへの治療薬38の送達は、相対的に大きな流体の圧力に起因して相対的に高速な方式で実行され、これにより、従来の装置との比較においてターゲットサイトへの迅速な送達が提供されている。
【0081】
治療薬38は、自身をカテーテル90を通じた送達に適するようにする特定の範囲のプロパティを有することができる。具体的には、治療薬38の個々の粒子の質量は、特定の範囲内にあることを要する。治療薬38の粒子が過剰に重い場合には、カテーテル90の長さだけ移動するために過剰に大きな圧力を必要とすることになり、且つ、カテーテル90の目詰まりを結果的にもたらし得る。粒子が過剰に軽い場合には、ターゲットサイトまで推進される代わりに、例えば、胃腸空間内などの患者の身体内においてエアロゾル化することになる。治療薬38の個々の粒子の質量に加えて、粒子のサイズも、カテーテル90を通じた適切な送達を保証するために重要である。治療薬38の粒子のサイズが過大である場合には、送達カテーテル90内において目詰まりする傾向を有することになる。粒子が過剰に小さい場合には、ターゲットサイトまで推進される代わりに、相対的に大きなエアロゾル化される尤度を有し得る。粒子のエアロゾル化及びカテーテルの目詰まりなどのイベントの尤度を低減することが予想されるカテーテル90との関係における治療薬30の適切なプロパティの詳細については、米国特許第9,867,931号明細書において記述されており、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。
【0082】
以上、システム20の更なる動作のステップについて説明した。例えば、ユーザーは、任意選択により、上記で記述されているように、吸引管腔132aを介して吸い上げを提供することができ、カメラ150のクリーニングを支援するために(灌注弁112が開放位置にある際に)灌注管腔133aを介して灌注流体を選択的に提供することができると共に、偏向ワイヤ161~164を選択的に操作するために偏向アクチュエータ171及び172に係合し、これにより、少なくとも4つの別個の方向においてカテーテル90の遠位端を運動させることができる。
【0083】
有利には、システム20内には、カテーテル90内の専用の管腔を含むシステムの一部分としてカメラ150が提供されていることから、内視鏡などの別個の視覚化システムが不要である。この結果、システム20は、その独自の撮像能力を有するスタンドアロン治療薬送達システムとして使用することが可能であり、且つ、内視鏡などの別個のスコープの管腔を通じて送達される必要がない。
【0084】
従って、関係する利点として、システム20は、従来のスコープの管腔を通じてフィットし得る器具のサイズによる影響を受けない。更には、従来のスコープを通じたカテーテル90の送達が不要であることから、内視鏡手技に対処する能力を有する特定の部屋への患者の搬送を回避することができる。
【0085】
次に
図16を参照すれば、一代替実施形態において、カテーテル90は、複数のカテーテル190a及び190bによって置換することができる。
図16においては、一般的なコンポーネント及び動作は、後述する選択された相違点を伴って、システム20のものと同一であることに留意されたい。
【0086】
図16の実施形態においては、上述のように、システム20と関連する管腔131~140のすべてを担持するカテーテル90の代わりに、カテーテル190a及び190bは、それぞれ、相対的に少ない数の選択された管腔を有することができる。一例として、且つ、限定を伴うことなしに、カテーテル190aは、治療薬管腔191、カメラ管腔192、光伝達管腔193、及び少なくとも1つの偏向ワイヤ管腔194を有することができる。カテーテル190bは、吸引管腔195及び少なくとも1つの偏向ワイヤ管腔196を有することができる。
【0087】
図16のシステムは、経鼻送達用途において特に有利となり得る。この例においては、それぞれのカテーテル190a及び190bは、事実上、2鼻孔送達システムとなるように、1つの鼻孔を通過することができる。カテーテル190a及び190bは、安定化するように、鼻の外側においてマニホルド又はホルダによって1つに結合することができる。例えば、それぞれのカテーテル190a及び190bが上述の異なるタイプの管腔を含む相対的に多くの又は少ない数の管腔を有するなどのように、カテーテル190a及び190bのそれぞれ内の特定の管腔は、本実施形態の精神を逸脱することなしに再構成することができる。例えば、吸い上げ能力を極大化するために、(
図16において示されているように)相対的に少ない数の管腔を有するカテーテル内において吸引管腔195を提供することが有益である場合があるが、代替実施形態においては、カメラ管腔(或いは、その他の管腔)が吸引管腔と同一のカテーテル内において存在し得る。
【0088】
有利には、
図16のシステムは、緊急事態環境においてすぐに使える送達システムを提供しており、患者は、挿管する必要がなく、その理由は、これが内視鏡手技ではないからである。このようなシステムは、病院の救急処置室又は非病院環境内において保管されていてもよく、且つ、治療を促進することができと共に、挿管及び意識下鎮静法と関連する潜在的な合併症を防止することができる。また、上述の実施形態の任意のものは、経口的に送達されてもよく、且つ、例えば、カテーテルが、直径において十分に小さい、且つ、限定を伴うことなしに、約6mm以下である、シナリオにおいては、挿管のニーズを回避し得ることに留意されたい。
【0089】
図17~
図21を参照し、治療薬を送達するシステム220の一代替実施形態について図示及び説明する。代替システム220は、以下において参照されている顕著な例外を伴って、上記で詳述されているシステム20に類似している。
図17~
図18は、ハウジング22’の一部分及び偏向アクチュエータ171及び172が図示を目的として除去された状態における代替システム220の側面図及び斜視図であるが、これらのコンポーネントは、
図19~
図20にも示されていることに留意されたい。
【0090】
図17~
図21の実施形態においては、通気流体のフローを選択的に許容するために第1弁202が提供され、灌注流体のフローを選択的に許容するために第2弁212が提供され、且つ、吸引流体のフローを選択的に許容するために第3弁246が提供される。第1及び第2弁202及び212は、上述の弁102及び112にほぼ対応し、これらは、それぞれ、通気流体及び灌注流体を調節する。
図17~
図21において、弁202、212、及び246は、例えば、且つ、限定を伴うことなしに、一般的に上述されているように、停止コック又はボタン弁或いはこれを通じて流れる流体を調節するのに適したその他の弁タイプを有することができる。
【0091】
図17において観察されるように、(レギュレータ弁70によって調節されている)圧力源68からの加圧された流体は、入口ポート92を通じて導かれ、且つ、(上記で詳述されているように)出口ポート93内に、次いで、通気チュービング101a内に、選択的に導かれており、この時点において、ユーザーは、弁202を作動させることにより、通気流体を選択的に提供する選択肢を有している。弁102を使用する上述の実施形態と同様に、弁202の作動の際に、通気流体は、更に後述するように、出口チュービング101bを通じて且つカテーテル90に向かって流れる。
【0092】
図17~
図21において、圧力源68からの加圧された流体は、更には、上述の
図2~
図3及び
図5~
図7において記述されている方式により、ピストン82の管腔84を介して作動弁組立体80の出口ポート95との間の流体連通状態にある。但し、
図17~
図18の実施形態においては、出口ポート95から離脱した流体は、介在する弁を伴うことなしに、灌注流体を保持するリザーバ110と関連する入口ポート213との間の連通状態に直接的に配置されている代替灌注チュービング211内に導かれている。次いで、リザーバ110から離脱した流体は、チュービング216を介して、出口ポート215を通じて、且つ、弁212内に、導かれており、且つ、上述のように、弁212は、自身を通じた灌注流体の選択的な流れを許容している。灌注流体が弁212を超えて通過することが許容されている際には、灌注流体は、更に後述するように、出口チュービング217内に且つカテーテル90に向かって流れている。
【0093】
特に
図17~
図21の実施形態においては、灌注弁212は、灌注弁112がリザーバ110との関係において上流において配設されている
図1~
図3の実施形態とは対照的に、リザーバ110との関係において下流において配設されている。ユーザーは、本実施形態の精神を逸脱することなしに、弁202、212、及び246などの弁の位置を特定のリザーバ、チュービング、又はその他のコンポーネントの上流又は下流になるようにスイッチングすることができることを理解されたい。
【0094】
図17~
図21においては、吸引源(図示されてはいない)によって提供された吸引流体が、チュービング245を通じて導かれてもよく、これは、
図17において観察されるように、ハウジング22’内において提供されている吸引アパーチャ145を通過している。チュービング245は、弁246が自身を通じた吸引流体の選択的フローを許容するように、
図17に描かれているように、弁246の入口ポートに結合されている。吸引流体が弁246を超えて通過することが許容されている際には、吸引流体は、更に後述するように、入口チュービング247内に且つカテーテル90に向かって流れている。
【0095】
図17~
図19との関連において
図21を参照すれば、システム220は、通気流体又は治療薬並びに灌注流体及び吸引流体を搬送するチュービングの様々な部分がカテーテル90との間の流体連通状態において配置されることを許容するアダプタシステム320を更に有する。特に、
図17~
図21のアダプタシステム320は、上述のカテーテルアダプタ120の一代替肢であるが、チュービングの複数の相対的に大きな部分がカテーテル90の内部の空間制約に相対的に良好にマッチングし得るチュービング(或いは、カニューレ)の相対的に小さな部分内に遷移することを許容していることから、アダプタシステム320の目的は類似している。
【0096】
図17及び
図21において最良に観察されるように、アダプタシステム320は、選ばれたチュービングとカテーテル90の間において複数のアダプタ322、332、及び342を使用している。具体的には、第1アダプタ322は、(上述のようにカプラ65の排出ポート67から延在する)出口チュービング69とカテーテル90の間において結合されている。第1アダプタ322は、出口チュービング69の遠位端を受け入れる(
図21において視覚化が相対的に容易である第2アダプタ332のカプラ333に類似した)棘要素を有し得る近位結合ポート323を有する。出口チュービング69との比較において相対的に小さな内径及び外径を有する第1カニューレ325が第1アダプタ322とカテーテル90の間において固定されている。具体的には、第1カニューレ325の近位端は、例えば、圧入又はその他の機械的な又は接着性の固定を使用して第1アダプタ322の出口領域324との関係において固定されている。更には、第1カニューレ325の遠位端は、圧入又はその他の固定技法を使用して(
図10の断面において観察される)カテーテル90の治療薬管腔131a内において固定されている。この結果、第1アダプタ322は、相対的に大きな直径の出口チュービング69を介してカプラ65をもともと離脱した治療薬又は通気流体が、相対的に小さな直径カニューレ325内にガイドされ、次いで、カテーテル90の治療薬管腔131a内に受け入れられることを許容する遷移ゾーンを提供する。
【0097】
更に
図21を参照すれば、第2アダプタ332は、(上述のように、灌注流体と関連する弁212から延在する)出口チュービング217とカテーテル90の間において結合されている。第2アダプタ332は、
図21において示されているように、出口チュービング217の遠位端を受け入れる(棘要素を有し得る)近位結合ポート333を有する。出口チュービング217との比較において相対的に小さな内径及び外径を有する第2カニューレ335が、第2アダプタ332とカテーテル90の間において固定されている。具体的には、第2カニューレ335の近位端は、例えば、圧入又はその他の機械的な又は接着性の固定を使用して第2アダプタ322の出口領域334との関係において固定されている。第2カニューレ335の遠位端は、圧入又はその他の固定技法を使用して(
図10の断面において観察される)カテーテル90の灌注管腔133a内において固定されている。この結果、第2アダプタ332は、相対的に大きな直径の出口チュービング217を介して弁212をもともと離脱した灌注流体が、相対的に小さな直径のカニューレ335内にガイドされ、次いで、カテーテル90の灌注管腔133a内に受け入れられることを許容する遷移ゾーンを提供する。
【0098】
図17及び
図21において最良に観察される第3アダプタ342は、(上述のように、吸引流体と関連する弁246から延在する)出口チュービング247とカテーテル90の間において結合されている。第3アダプタ342は、出口チュービング247の遠位端を受け入れる(棘要素を有し得る)近位結合ポート343を有する。出口チュービング247との比較において相対的に小さな内径及び外径を有する第3カニューレ345は、第3アダプタ342とカテーテル90の間において固定されている。具体的には、第3カニューレ345の近位端は、例えば、圧入又はその他の機械的な又は接着性の固定を使用して第3アダプタ342の出口領域344との関係において固定されている。第3カニューレ345の遠位端は、圧入又はその他の固定技法を使用して(
図10の断面において観察される)カテーテル90の吸引管腔132a内において固定されている。この結果、第3アダプタ342は、相対的に大きな直径の出口チュービング247を介して弁246をもともと離脱した吸引流体が、相対的に小さな直径のカニューレ345内にガイドされ、次いで、カテーテル90の吸引管腔132a内に受け入れられることを許容する遷移ゾーンを提供する。
【0099】
図21において、偏向ワイヤ161~164は、部分的に分解された状態において示されており、その近位端は、図示を目的としてのみ、固定されておらず(但し、使用の際には、これらは、上記で詳述されているように偏向アクチュエータ171及び172に結合されることになろう)、且つ、その遠位端は、
図10において上述されているように、カテーテルのその個々の偏向ワイヤ管腔137a~140a内に延在していることに留意されたい。更には、
図17~
図21においては、カメラ用のカメラコード152及び光伝達要素が図示を目的としてのみ省略されているが、これらのコンポーネントは、上述の
図10において記述されている方式によってカテーテル90のその個々の管腔134a、135a、136a内にルーティングされ得ることにも留意されたい。
【0100】
図17~
図21の実施形態において、カテーテル90の近位端98は、
図17及び
図21において最良に観察されるように、カテーテルホルダ291を使用してハウジング22’との関係において固定することができる。一例において、カテーテルホルダ291は、自身を通じて軸方向において延在する管腔293を有するほぼ円筒形のガイド292を有する。ガイド292は、ガイド292が摩擦嵌めによって且つ/又は接着剤又は機械的結合を使用してハウジング22’との関係において保持されるように、
図21において示されているように、ハウジング22’の排出開口部23’を近似した外径を有することができる。カテーテル90は、カテーテル90の近位端98が、摩擦嵌めによって且つ/又は接着剤又は機械的結合を使用してカテーテルホルダ291との関係において保持されるように、
図21において描かれているように、カテーテルホルダ291の管腔293のサイズを近似した外径を有することができる。
【0101】
図22を参照すれば、変更された作動弁組立体80’を有する一代替システム220’が示されている。この実施形態においては、
図5~
図7の作動弁組立体80内のその配置との関係において、代替出口ポート95’及び圧縮スプリング87’の配置が変更されている。具体的には、作動弁組立体80’の遠位領域81b’は、
図22において示されているように、圧縮スプリング87’との関係において近位において(或いは、上流において)配設された出口ポート95’を有する。このような設計によれば、ユーザーによる作動ボタン88の押下が相対的に容易になり得るが、その理由は、大きな圧力がピストン82に伴って蓄積され得ないからである。
図22のその他の要素は、上述の同一の部分に一般的に対応しており、且つ、上記で詳述されているように、チュービング(図示されてはいない)が、出口ポート95’に結合されることになり、且つ、灌注流体を保持するリザーバ110と関連する入口ポート113又は213までルーティングされることになることに留意されたい。
【0102】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、本発明は、添付の請求項及びその均等物に鑑みた場合を除いて限定されてはならない。更には、本明細書において記述されている利点は、必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、且つ、本発明のすべての実施形態が、記述されている利点のすべてを実現することは、必ずしも予想されていない。
【国際調査報告】