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特表2023-526380スライドファスナチェーン用上止めおよびスライドファスナからスライダの係合を解除する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】スライドファスナチェーン用上止めおよびスライドファスナからスライダの係合を解除する方法
(51)【国際特許分類】
   A44B 19/28 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
A44B19/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570232
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 GB2021051570
(87)【国際公開番号】W WO2021260357
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】2009464.5
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】トレーシー アリシア
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼澤 成吉
(72)【発明者】
【氏名】ローストロン マシュー
【テーマコード(参考)】
3B098
【Fターム(参考)】
3B098BA01
3B098BA06
3B098CC03
3B098EA02
(57)【要約】
スライドファスナ(10)用の上止め(30)は、第1本体部(31a)を含む。第1本体部(31a)は、上止め(30)の第1側に入口(32)と、上止め(30)の第2側に出口(34)とを有するチャネル(36)を備え、第2側は第1側の反対側である。チャネル(36)は、スライドファスナ(10)のスライダ(20)の一部(24a)を受容するように構成され、チャネル(36)は、チャネル第1側壁(38)およびチャネル第2側壁(37)およびその間のチャネル底面(35)によって画定されている。チャネル第2側壁(37)は、チャネル(36)の内の当接突起(37a)を画定する突出部を含む。上止め(30)は、スライドファスナ(10)の動作軸(A)に平行な長手の軸を含む。チャネル第1側壁(38)とチャネル第2側壁(37)の間の上止め(30)の長手の軸に平行な距離は、チャネル幅を画定する。当接突起(37a)から延びるチャネル幅(G)は、入口(32)のチャネル幅(F)と出口(34)のチャネル幅(J)よりも小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドファスナ(10)用の上止め(30、130、230、330)であって、
第1本体部(31a、131a、231a、331a)であって、前記上止め(30、130、230、330)の第1側に入口(32、132、232、332)と、前記上止め(30、130、230、330)の第2側に出口(34、134、234、334)とを有するチャネル(36、136、236、336)を備え、前記第2側は前記第1側の反対側である、第1本体部(31a、131a、231a、331a)を備え、
前記チャネル(36、136、236、336)は、前記スライドファスナ(10)のスライダ(20)の一部(24a)を受容するように構成され、前記チャネル(36、136、236、336)は、チャネル第1側壁(38、138、238、338)とチャネル第2側壁(37、137、237、337)と、それらの間のチャネル底面(35)とによって画定されており、
前記チャネル第2側壁(37、137、237、337)は、前記チャネル(36、136、236、336)の内部の当接突起(37a,137a,237a,337a)を画定する突出部を備え、
前記上止め(30、130、230、330)は、前記スライダ(20)の動作軸(A)に平行な長手の軸を含み、前記チャネル第1側壁(38,138,238,338)とチャネル第2側壁(37,137,237,337)の間の前記上止め(30、130、230、330)の前記長手の軸に平行な距離はチャネル幅を画定し、
前記当接突起(37a,137a,237a,337a)から前記チャネル第1側壁(38,138,238,338)まで延びるチャネル幅(G)は、前記入口(32)のチャネル幅(F)と前記出口のチャネル幅(J)よりも小さい、上止め(30、130、230、330)。
【請求項2】
前記当接突起(37a、137a、237a、337a)は、前記スライダ(20)の前記一部が前記チャネル(36、136、236、336に受容され、前記スライダ(20)を前記スライドファスナ(10)のストリンガ(12a)から解放するために前記出口(34、134、234、334)から前記入口(32、132、232、332)に向けて並進しているときは、前記スライダの前記一部(24a)の、前記チャネル(36、136、236、336)に沿った走行を防止するように構成される、請求項1に記載の上止め(30、130、230、330)。
【請求項3】
前記当接突起(37a、137a、237a、337a)と前記上止め(30)の前記第2側との間の、前記上止めの前記長手の軸に垂直な方向の距離(K)は、前記スライダ(20)の前記一部(24a)が前記当接突起(37a)と接触しているときには、前記スライダ(20)の前記一部(24a)が前記チャネル第1側壁(38、138、238、338)上の、前記チャネル(36、136、236、336)の前記出口(34、134、234、334)に形成された旋回点(P)の周りを旋回できるように、選択されており、
前記当接突起(37a、137a、237a、337a)は、前記スライダ(20)の前記一部(24a)用の解放点(37b、137b)を画定し、
前記距離(K)によって、前記スライダ(20)の前記一部(24b)が前記解放点(37b、137b)を越えて、前記当接突起(37a、137a、237a、337a)を通過して旋回するために必要な力が決まる、請求項2に記載の上止め(30、130、230、330)。
【請求項4】
前記チャネル第1側壁(38、138、238、338)は、前記チャネルの前記入口(32、132、232、332)から前記出口(34、134、234、334)まで、一定の傾斜で延びている、請求項1から3のいずれか1項に記載の上止め(30、130、230、330)。
【請求項5】
前記チャネル第2側壁(37、137、237、337)は前記チャネル(36)の前記出口(34、134、234、334)に隣接する出口突起(39、139、239、339)を画定する第2突出部を備え、
前記出口突起(39、139、239、339)は、前記スライダ(20)の前記一部(24a)が前記チャネル(36、136、236、336)の前記出口(34、134、234、334)に入ることを防ぐように構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の上止め(30、130、230、330)。
【請求項6】
前記入口(32、132、232、332)と前記出口(34、134、234、334)における前記チャネル幅は、前記出口突起(39、139、239、339)と前記当接突起(37a、137a、237a、337a)の中間のいかなるチャネル幅(H)よりも小さい、請求項5に記載の上止め(30、130、230、330)。
【請求項7】
前記入口(32、132、232、332)の前記チャネル幅(F)は、前記出口(34、134、234、334)の前記チャネル幅(J)より大きい、請求項1から6のいずれか1項に記載の上止め(30、130、230、330)。
【請求項8】
前記チャネルの前記出口(34、134、234、334)の上方に位置するストッパ部(33、133、233、333)をさらに備え、前記ストッパ部(33、133、233、333)は、前記スライダ(20)の前記一部に当接することによって前記スライドファスナ(10)のチェーンに沿った前記スライダ(20)の走行を制限するように構成される、請求項1から7のいずれか1項に記載の上止め(30、130、230、330)。
【請求項9】
第1ストリンガ(12a)の結合縁部(16)に取り付けられた第1結合要素(14a)の列を有する第1ストリンガ(12a)と、
第2ストリンガ(12b)の結合縁部(16)に取り付けられた第2結合要素(14b)の列を有する第2ストリンガ(12b)と、を備え、
前記第1および第2ストリンガ(12a、12b)は、前記第1および第2結合要素(14a、14b)の列の相互嵌合および結合解除によって互いに着脱され、
前記第1および第2ストリンガ(12a、12b)の少なくとも一方は、請求項1から8のいずれか1項に記載の上止め(30、130、230、330)を備えている、スライドファスナチェーン(18)。
【請求項10】
前記上止め(30、130、230、330)は、前記第1および第2ストリンガ(12a、12b)の少なくとも一方の前記結合縁部(16)に取り付けられ、前記上止め(30、130、230、330)は、前記第1または第2結合要素(14a、14b)と一直線上に配置され、
前記上止め(30、130、230、330)は、前記結合縁部(16)の内側の内側部分と、前記結合縁部(16)の外側の外側部分を備え、
前記チャネル(36、136、236、336)の前記入口(32、132、232、332)は、前記内側部分に位置し、前記チャネル(36、136、236、336)の前記出口(34、134、234、334)は、前記外側部分に位置する、請求項9に記載のスライドファスナチェーン(18)。
【請求項11】
前記上止めの第1本体部は、前記第1および第2ストリンガ(12a、12b)の前記少なくとも一方の第1平面上に装着されている、請求項10に記載のスライドファスナチェーン。
【請求項12】
前記上止め(30、130、230、330)は、前記第1および第2ストリンガ(12a、12b)の前記少なくとも一方の第2平面上に装着するための第2本体部(31b、131b、231b、331b)をさらに含み、
前記第2本体部(31b、131b、231b、331b)は、前記第1本体部(31a、131a、231a、331a)の前記チャネル(36、136、236、336)と略同一の第2チャネル(36、136、236、336)を備える、請求項10または11に記載のスライドファスナチェーン(18)。
【請求項13】
前記チャネル第2側壁(37、237、337)は、前記チャネルの前記入口(32、232、332)から前記当接突起(37a、237a、337a)までの、前記チャネル(36、236、336)の前記入口(32、232、332)から前記当接突起(37a、237a、337a)までの、前記上止め(30)の前記長手の軸に対して一定の角度を有する傾斜を含む、請求項9から12のいずれか1項に記載のスライドファスナチェーン(18)。
【請求項14】
前記チャネル第2側壁(137)が、第1傾斜(140)と第2傾斜(142)を含み、
前記第1傾斜(140)は、前記入口(132)から前記第2傾斜(142)まで前記上止め(130)の前記長手の軸に対して第1角度(α)で延び、
前記第2傾斜(142)は、前記第1傾斜(140)と前記当接突起(137a)の間を、前記上止め(130)の前記長手の軸に対して第2角度(β)で延び、
前記第2角度(β)は、前記第1角度(α)より小さい、請求項9から12のいずれか1項に記載のスライドファスナチェーン(18)。
【請求項15】
前記上止め(30、130、230、330)は、前記第1および第2ストリンガ(12a、12b)の前記少なくとも一方の前記結合縁部(16)上に射出により成形されている、請求項9から14のいずれか1項に記載のスライドファスナチェーン(18)。
【請求項16】
スライドファスナ(10)からスライダ(20)を係合解除する方法であって、
スライダ(20)の一部を、前記スライドファスナ(10)の上止め(30、130、230、330)に設けられた、チャネル第1側壁(38、138、238、338)とチャネル第2側壁(37、137、237、337)によって画定されるチャネル(36、136、236、336)内へ並進させることと、
前記チャネル第2側壁(37、137、237、337)に設けられた当接突起(37a、137a、237a、337a)に対して前記スライダの前記一部を当接させることと、
前記スライダ(20)を、前記チャネル第1側壁(38、138、238、338)上の出口(34、134、234、334)に位置する旋回点を中心として、前記チャネル(36、136、236、336)まで旋回させて、前記スライダの前記一部が前記当接突起(37a)上に画定された解放点(37b、137b)を通って回転させることと、
前記スライダ(20)の前記一部を残りのチャネル(36、136、236、336)を通って入口(32、132、232、332)まで並進させて、前記スライダ(20)を前記上止め(30、130、230、330)から取り外すことと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記スライダの前記一部が、チャネル(36、136、236、336)の前記出口(34、134、234、334)に隣接した前記チャネル第2側壁(37、137、237、337)に設けられた出口突起(39、139、239、339)を通って回転できるように、前記スライダ(20)を回転させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、スライドファスナチェーン用上止めおよびそのような上止めを含むスライドファスナチェーンに関する。また、本願は、スライドファスナからスライダの係合を解除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスライドファスナ(またはジップまたはジッパ)は、一対のストリンガと、通常スライダと呼ばれる開閉手段と、を備えている。各ストリンガは、テープと複数の結合要素とを含む。結合要素は、各テープの第1縁部に沿って延び、スライドファスナのスライダが、閉鎖位置へ移動すると、ストリンガの対応する結合要素と相互嵌合、結合、または連動する。スライドファスナの各テープを物品の別体の部分に取り付けて分離すると、その物品の別体の部分は、スライダを閉鎖位置に移動させてスライドファスナを閉鎖させることによって、解放可能に接合させることにより、結合要素を上記の相互嵌合の関係にすることができる。
【0003】
したがって、スライドファスナは、有用かつ汎用的なものであり、衣服、家具、旅行鞄など様々な用途に採用されている。公知のスライドファスナは、一般に次のような構造になっている。
【0004】
通常、複数の結合要素(務歯とも呼ばれる)の形をした結合部分が、テープの第1縁部に取り付けられてストリンガを形成する。この第1縁部は、ストリンガの結合縁部と呼ばれることがある。テープは、織物、または編物でよく、例えばポリエステルなどから形成されてもよい。結合要素は、例えば、テープの補強された縁部に結合要素を圧着または成形することによって、テープに取り付けることができる。場合によっては、補強された端部はコードを含み、コードはテープに縫い付けられたり織り込まれたりすることがある。あるいは、結合要素は連続したコイルとして形成されてもよい。この場合、結合要素は、最も一般的には、テープの縁部でテープの表面に縫い付けられるか、あるいは、テープに織り込まれるか、または編み込まれる。
【0005】
2枚のストリンガは、各ストリンガの結合要素が、例えば、相互嵌合によって互いに付着し、チェーンを形成することができるように、接合される。チェーンは、概ね平坦であり、チェーン(およびチェーンの一部を形成する結合要素)は、チェーンの長手の軸に沿って延びる。スライダは、スライダがチェーンに沿って2枚のストリンガの間を移動できるように、それぞれのストリンガの結合要素上でチェーンに装着されている。
【0006】
スライダは、一般に、各ストリンガの結合要素が通過する上翼と下翼を有する本体を含む。本体には引手または引張りコードが取り付けられており、ユーザがこれを握ってスライダをチェーンに沿って効果的に動かすことができる。本体はガイドポスト(ダイヤモンドと呼ばれることもある)を含み、その一部は、第1および第2ストリンガの結合要素を運ぶように構成されたY字型チャネルを画定している。スライダは、上下翼の左右の側縁部、すなわちスライダの動作方向と略平行なスライダの縁部のそれぞれに配設される上側フランジおよび下側フランジを含んでいてもよい。上翼に設けられたフランジは下翼に向かって下方に突出し、下翼に設けられたフランジは上翼に向かって上方に突出している。フランジは、結合要素と摺動係合するように構成されている。
【0007】
チェーンに沿うスライダの、スライダの動作軸に沿った第1摺動方向への移動により、第1ストリンガの結合要素が第2ストリンガの結合要素に取り付けられる。スライダが第1摺動方向にそれ以上要素を結合することができなくなったとき、すなわち、第1ストリンガの実質的にすべての結合要素が第2ストリンガの実質的に全ての結合要素へ取り付けられたとき、スライドファスナは完全に閉じた構成にあると見なすことができる。チェーンに沿うスライダが、第1摺動方向とは逆の、スライダの動作軸に沿った第2摺動方向へ移動することにより、第1ストリンガの結合要素が第2ストリンガの結合要素から外れる。スライダが第2摺動方向にそれ以上要素を結合解除することができなくなったとき、すなわち、第1ストリンガの実質的にすべての結合要素が第2ストリンガの結合要素から取り外されたとき、スライドファスナは完全に開いた構成にあると見なすことができる。
【0008】
チェーンを所望の長さに切断し、所望の長さのスライドファスナを形成する。止具(上止め、下止めと呼ばれることもある)は、チェーンのどちらか一方、または両方の端に取り付けられる。止具はスライダがチェーンに沿って移動できる範囲を制限する。通常、スライダの第1摺動方向への移動を上止めが制限し、第2摺動方向への移動を下止めが制限する。一般的には、チェーンに沿ったスライダの動きを制限するために、止具を使用してもよい。一般的に、スライダは、下止めや上止めなど、何らかの止具に当接すると、要素を結合したり、結合解除したり、移動することができなくなる。上止めは、スライダの上部、例えばスライダ胴体に設けられたフランジの上縁部に当接し、スライダの第1摺動方向への移動を制限するように構成されていてもよい。下止めは、スライダの底部、例えばスライダ胴体に設けられたフランジの底縁部に当接し、スライダの第2摺動方向への移動を制限するように構成されていてもよい。また、スライダの上下翼に当接するように止具を構成することもできる。
【0009】
スライドファスナの中には、第1および第2ストリンガの両方に取り付けられる単一の下止めを有するものがある。他のスライドファスナは、分離型スライドファスナと呼ばれることもあり、2つの別々の下止めがそれぞれ対応する各ストリンガに取り付けられていてもよい。2つの下止めは、リテーナボックスと挿入ピンのそれぞれの形態をとることができる。挿入ピンは、第1ストリンガと第2ストリンガを互いに連結するために、リテーナボックスに挿入することができる。逆に、スライダを通過させて第1ストリンガと第2ストリンガを互いに分離するために、スライダがリテーナボックスに隣接して位置するときに、挿入ピンをリテーナボックスから取り外すことができる。
【0010】
スライドファスナによっては、2つの別個の上止めを有し、それぞれがストリンガの対応する1つに取り付けられてもよい。他のスライドファスナでは、片方または両方のストリンガに1つの上止めが取り付けられている場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
少なくとも1つの上止めは、スライダが結合要素、ひいてはスライドファスナから係合を解除するのを防止するために、第1摺動方向へのスライダの動きを制限する。しかし、例えば、スライダが破損して交換が必要な場合など、スライダを取り外す必要がある場合がある。いくつかの場合において、結合要素の不整合が発生し、この不具合を修正するためにスライダの取り外しが必要になることがある。スライダを取り付ける前に、テープに上止めを形成してもよい。例えば、上止めは、テープの補強された縁部に圧着または成形されてもよい。いくつかの場合において、1つ以上の上止めがそれぞれのストリンガに取り付けられた後、スライダをストリンガの結合要素に装着できるようにすることが上止めにとっては望ましい場合がある。例えば、ファスナチェーンが何らかの障害でスライダを装着せずに衣服に初めに縫い付けられる場合、縫い付け後にスライダを装着した方が望ましい場合がある。
【0012】
上述したかどうかにかかわらず、既知のスライドファスナの問題点を克服した上止めを提供することが望ましい。また、上止めの代替デザインを提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願の態様によれば、スライドファスナ用の上止めが提供される。上止めは、第1本体部を含んでもよい。第1本体部は、上止めの第1側に入口と、上止めの第2側に出口とを有するチャネルを含んでいてもよく、第2側は第1側の反対側である。チャネルは、スライドファスナのスライダの一部を受容するように構成される。チャネルは、チャネル第1側壁とチャネル第2側壁と、それらの間のチャネル底面とによって画定されてもよい。チャネル第2側壁は、チャネル内の当接突起を画定する突出部を含む。上止めは、スライダの動作軸に平行な長手の軸を含んでもよい。チャネル第1側壁とチャネル第2側壁の間の上止めの長手の軸に平行な距離は、チャネル幅を画定する。当接突起からチャネル第1側壁まで延びるチャネル幅は、入口のチャネル幅と出口のチャネル幅よりも小さい。
【0014】
本願による上止めは、スライドファスナチェーンのストリンガにスライダを容易に挿入でき、スライドファスナの使用中にスライダが不意に外れることを防止することが可能である。また、上止めは、例えば、破損した、または不具合のスライダを交換する必要がある場合に、スライダを取り外し易くする。
【0015】
当接突起は、スライダの一部がチャネルに受容され、スライドファスナのストリンガからスライダを解放するために出口から入口に向かって並進されるとき、チャネルに沿ったスライダの一部の走行を制限するように構成されてもよい。したがって、当接突起は、チャネルに沿ったスライダのさらなる走行を防止するための止具を提供し、スライドファスナからのスライダの偶発的な係合解除を防止することができる。
【0016】
上止めの長手の軸に垂直な方向における当接突起と上止めの第2側との間の距離は、スライダの一部が当接突起に接触しているとき、スライダの一部がチャネルの出口においてチャネル第1側壁に形成された旋回点を中心に旋回できるように選択することができる。
【0017】
当接突起は、スライダの一部のための解放点を画定してもよい。この距離によって、スライダの一部が解放点を越えるとともに当接突起を通過して旋回するために必要な力が決まる。したがって、スライダが解放点を越えて旋回するのに必要な力が最小になるように、上止めを調整することができる。上止めは、スライドファスナのさまざまな仕様に対応できるように調整してもよく、例えば、スライダの迅速かつ容易な解放が求められる場合には、解放点と出口の間の距離を比較的短くしてもよい。
【0018】
チャネル第1側壁は、チャネルの入口から出口まで一定の傾斜で延びていてもよい。これにより、スライダが入口からチャネルを通ってストリングファスナに設けられた結合要素の列と摺動係合するため並進して入り易くすることができる。
【0019】
チャネル第2側壁は、チャネルの出口に隣接して出口突起を画定する第2突起を含んでもよい。出口突起は、スライダの一部がチャネルの出口に入るのを防ぐように構成されてもよい。
【0020】
突起を有するチャネル第2側壁は、幅が変化するチャネルを提供する。入口と出口におけるチャネル幅は、出口突起と当接突起の中間のいかなるチャネル幅よりも小さくてもよい。入口のチャネル幅は出口のチャネル幅より大きくてもよい。
【0021】
上止めは、チャネルの出口の上方に位置するストッパ部をさらに含んでもよい。ストッパ部は、スライダの一部との当接によって、スライドファスナのチェーンに沿ったスライダの走行を制限するように構成されてもよい。ストッパ部は、上止めが通常の使用のために方向付けられるとき、チャネルの出口を越えて位置してもよい。このように、上止めは、スライドファスナの通常の使用時にスライダがチェーンから係合解除することを防止するように機能することができる。
【0022】
スライドファスナのストリンガは、結合要素が取り付けられる結合縁部と、結合縁部と反対で平行な外縁とを有する第1平面と第2平面を有するテープを含むことができる。
【0023】
本願の他の態様によれば、スライドファスナチェーンが提供される。スライドファスナチェーンは、第1結合要素の列が第1ストリンガの結合縁部に取り付けられた第1ストリンガと、第2結合要素の列が第2ストリンガの結合縁部に取り付けられた第2ストリンガを含む。第1および第2ストリンガは、第1および第2結合要素の列を相互嵌合および結合解除することにより、互いに着脱される。第1および第2ストリンガの少なくとも一方は、既述の態様による上止めを備えていてもよい。
【0024】
第1結合要素の列および第2結合要素の列は、務歯結合要素であってもよい。あるいは、第1結合要素の列および第2結合要素の列は、それぞれのコイル部材によって形成されてもよい。
【0025】
上止めは、第1および第2ストリンガの少なくとも一方の結合縁部に取り付けられてもよい。
【0026】
上止めは、第1または第2結合要素と一直線上に位置してもよい。
【0027】
上止めは、結合縁部の内側の内側部分と、結合縁部の外側の外側部分を含んでいてもよい。チャネルの入口は、内側部分に位置し、チャネルの出口は、外側部分に位置してもよい。
【0028】
上止めの第1本体部は、第1および第2ストリンガのうちの少なくとも一方の第1平面上に装着されてもよい。
【0029】
いくつかの実施例では、上止めは、テープの1つの平面上に結合要素、例えばコイル状ファスナを有するストリンガと共に使用するために提供されてもよい。この場合、スライダは、通常、スライダ胴体の上翼または下翼の一方(例えば、コイルが延びるストリンガの側に対応する)から延びて結合要素を係合する一対のフランジのみを含むことができ、それに応じて、結合要素を有するストリンガの対応する平面上に装着するために第1本体部上に形成されたチャネルを有する上止めであれば、十分、スライドファスナチェーンからスライダを取り外すことができる。
【0030】
上止めは、第1および第2ストリンガの少なくとも一方の第2平面上に装着するための第2本体部をさらに含んでもよく、第2本体部は、第1本体部のチャネルと実質的に同一である第2チャネルを含む。
【0031】
いくつかの実施例では、上止めは、ストリンガのテープの両方の平面に結合要素を有するか、圧着または成形されたストリンガ、例えば務歯状の結合要素を有するストリンガと共に使用するために提供されてもよい。この場合、スライダは、通常、結合要素を係合するための2対の対向フランジ(当該スライドファスナチェーンの両側に1つずつ)を含むことができる。ストリンガのテープの対向する平面上に装着され得る第1および第2本体部に形成されたチャネルを有する上止めは、スライドファスナの各側で、スライダの対向するフランジを、上止めを介して並進させることができるので、取り外し易さが向上する。
【0032】
あるいは、第2本体部は、入口および出口、チャネル第1側壁、およびチャネル第2側壁を有する第2チャネルを含んでもよい。チャネル第1側壁と第2側壁との間の距離は、チャネル幅を画定し、第2チャネルのチャネル幅は、実質的に一定であってもよい。チャネル幅は、スライダのフランジがチャネル内を並進できる程度にするのがよい。上止めは、第1本体部に突出部を有するチャネルを有し、第2本体部に一定幅のチャネルを有することにより、スライダは一方の面に設けられた単一の当接突起を回転すればよいので、2対の対向フランジを有するスライダを容易に取り外すことができる場合がある。
【0033】
チャネル第2側壁は、チャネルの入口から当接突起までの上止めの長手の軸に対して一定の角度を有するチャネルの入口から当接突起までの傾斜を含んでもよい。したがって、チャネルは、スライダのフランジを、チャネルおよびスライダを通って、隣接する結合要素との摺動係合させるよう仕向けるためのガイドとして機能することができる。
【0034】
チャネル第2側壁は、第1傾斜および第2傾斜を含んでもよい。第1傾斜は、入口から第2傾斜まで上止めの長手の軸に対して第1角度で延びる。第2傾斜は、第1傾斜と当接突起の間を、上止めの長手の軸に対して第2角度で延びる。第2角度は、第1角度より小さい。これにより、チャネル第2側壁の第2傾斜の幅が狭く、角度が浅いことから、スライダがこの第2部分を通過してその後のスライダファスナチェーンからの解放を可能にするために、さらに意図的な操作を必要とするため、スライドファスナチェーンからスライダの不本意な係合解除を防ぐ追加の障壁を提供することができる。
【0035】
チャネルの入口には、凹部を設けてもよい。これにより、ユーザがスライダのフランジをチャネルに挿入し易くなる場合がある。また、ストリンガの結合縁部に上止めを形成しやすくなる場合もある。例えば、上止めは、第1および第2ストリンガの少なくとも一方の結合縁部上に射出成形されてもよい。
【0036】
チャネル底面は、上止めが取り付けられているストリンガによって形成されてもよい。この点で、第1または第2または両方の本体部は、チャネル幅によって分離される2つの異なるセクションを含んでいてもよく、それによってセクションの間にチャネルが形成される。あるいは、チャネルの底面は、上止めと同じ材料を含んでもよい。このような場合、第1または第2または両方の本体部には、その第1または第2または両方の本体部にそれぞれ形成されたチャネルを有する単一の構成要素を含んでもよい。
【0037】
上止めは、任意の適切な材料から形成されてもよく、例えば、上止めは、ポリエステル、ポリアセタール、またはポリエチレンなどのポリマー材料を含んでもよく、または上止めは、アルミニウム、ニッケルなどの金属ベースであってもよい。
【0038】
本願の他の態様によれば、スライドファスナが提供される。スライドファスナは、前の態様によるスライドファスナチェーンと、第1および第2ストリンガに装着され、第1および第2結合要素の選択的な相互嵌合および結合解除を提供するように構成されたスライダと、を含んでもよい。
【0039】
本願の他の態様によれば、スライドファスナを含む物品が提供される。スライドファスナは、第1結合要素を有する第1ストリンガと、第2結合要素を有する第2ストリンガと、第1および第2結合要素の選択的な相互嵌合および結合解除を提供するために第1および第2ストリンガに装着されるように構成されたスライダと、を含む。第1ストリンガは第1テープを含み、第2ストリンガは第2テープを含み、第1テープは物品の第1部分に取り付けられ、第2テープは物品の第2部分に取り付けられる。第1および第2ストリンガの少なくとも一方は、既述の態様による上止めを備えている。
【0040】
本願の他の態様によれば、スライダをスライダファスナから係合解除する方法が提供される。本方法は、スライダの一部を、スライドファスナの上止めに設けられた、チャネル第1側壁とチャネル第2側壁によって画定されるチャネル内へ並進させることと、チャネル第2側壁に設けられた当接突起に対してスライダの一部を当接させることと、スライダを、チャネル第1側壁上の出口に位置する旋回点を中心として、チャネルまで旋回させ、スライダの一部が当接突起上に画定された解放点を越えて回転させることと、スライダの一部を残りのチャネルを通って入口まで並進させ、スライダを上止めから取り外せるようにすることと、を含む。
【0041】
本方法は、スライダの一部が、チャネルの出口に隣接して第2側壁に設けられた出口突起を通って回転できるように、スライダを回転させることをさらに含んでもよい。
【0042】
ある態様に関連して定義された特徴は、適切な場合には、他の任意の態様に関連して適用され得ることを認識されたい。
【0043】
本願のこれらおよび他の態様を、添付の図面を参照しながら、単に例示のみを目的として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本願に係る上止めを有するスライドファスナを示す図である。
図2】スライダファスナにおける図1に示す上止めの斜視図である。
図3A】本願に係る上止めの正面図である。
図3B】本願に係る上止めの背面図である。
図3C】本願に係る上止めの側面図である。
図3D】本願に係る上止めの側面図である。
図4】本願の上止めを含むファスナストリンガへのスライダの挿入を示す図である。
図5A】本願の上止めを含むファスナストリンガからスライダを取り外す様子を示す図である。
図5B】本願の上止めを含むファスナストリンガからスライダを取り外す様子を示す図である。
図6】本願に係る代替的な上止めの斜視図である。
図7図6に示す上止めの正面図である。
図8A】本願の代替的な上止めを示す図である。
図8B】本願の代替的な上止めを示す図である。
図9A】本願の代替的な上止めを示す正面図である。
図9B】本願の代替的な上止めの背面図である。
図9C】本願の代替的な上止めを示す側面図である。
図9D】本願の代替的な上止めを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、スライドファスナ10を示す。スライドファスナ10は、スライダ20と、一対のストリンガ12a、12bとを含む。各ストリンガは、各ストリンガのテープの縁部に取り付けられる結合要素14a、14bの列の形態の結合部を含む。結合要素が取り付けられる縁部は、結合縁部16と呼ばれることもある。テープは織物でも編物でもよく、例えば、ポリエステル、ビニロン、ポリウレタンなどの合成繊維および/または綿などの天然繊維から形成することができる。結合要素14a、14bは、図1に示すように、成形されていてもよいし、または、圧着務歯(図示せず)であってもよいし、または、コイル要素が結合要素を形成する連続したコイル(図示せず)であってもよい。本実施形態では、ストリンガ12a、12bのテープに、結合要素14a、14bを取り付けるコード16a(図2に示す)を含む補強された縁部を設けてもよい。ストリンガ12aに補強された縁部の有無は任意である。
【0046】
各ストリンガのテープは、第1平面と、第1平面と反対側の第2平面とを含む。第1平面と第2平面は、結合要素14a、14bが第1平面と第2平面の両方の結合縁部16を包含するように、結合要素14a、14bとそれらを取り付けるコード16aを含む結合縁部16で接合している。結合要素14a、14bは、協働するストリンガの対向する結合要素のヘッド部14cとの係合を可能にする係合部材が設けられているヘッド部14cを含んでいる。また、テープは、結合縁部16と反対側で平行な外縁を含む。
【0047】
2枚のストリンガ12a、12bは、各ストリンガ12a、12bの結合要素14a、14bの列が、相互嵌合することによって、互いに取り付けられるように、接合される。スライドファスナチェーン18は、2枚のストリンガ12a、12bを含み、スライドファスナ10の長手軸Aに沿って延びている。この軸は、動作軸としても知られている。
【0048】
スライダ20は、スライダ20が2枚のストリンガ12a、12b間の結合要素の列に沿って移動できるように、スライドファスナチェーン18に取り付けられる。スライダ20は、スライダ胴体21を含む。本実施形態のスライダ胴体21は、上翼23と、上翼23と平行になるように離間配設された下翼(図示せず)と、上翼23と下翼の前端部分を接続するガイドポスト26と、を有する。上翼21および下翼の左右の側縁部、すなわちスライダの操作方向と実質的に平行なスライダの縁部には、上側フランジ24a、24bおよび下側フランジ(図示せず)がそれぞれ配設されている。上翼23の上面には、ブリッジ部22を介して、引手25が配設されている。この引手25は、スライダ20を結合要素の列に沿って効果的に移動させるために、ユーザが把持してもよい。
【0049】
スライダ胴体21の前端部には、ガイドポスト26を介在する左右の肩口21a、21bが形成され、スライダ胴体21の後端部には後口21cが形成されている。上翼23と下翼の間には、ガイドポスト26が左右の肩口21a、21bと後口21cを連絡し、スライダ20内と刃の間に実質的にY字型チャネルが形成される。
【0050】
スライドファスナ10を係合または係合解除するために、第1ストリンガ12aの結合要素14aの列は、右肩口21aを通り、第2ストリンガ12bの結合要素14bの列に解放可能に結合接触するまで右肩口21aから延びるY字型のチャネルの部分に沿って通過する。そして、第2ストリンガ12bに設けられた結合要素の列は、後口から延びるY字形状のチャネルの部分に入り込む際に、左肩口21bから延びるY字形状のチャネルの部分に沿って通過する。スライダ20に結合要素の一方の列だけが挿入され、その後、スライダ20が結合要素の列に沿って係合方向および係合解除方向に走行できることが理解できる。さらに、スライダ胴体21の上側フランジ24a、24bと下側フランジとの間には、ストリンガのテープの一部が挿入される挿入隙間(図示せず)が設けられている。上記のような構造を有するスライダ20を用いることにより、第1および第2ストリンガ12a、12bの左右の列の結合要素14a、14bの結合および分離を円滑に行うことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、フランジは、上翼または下翼のいずれかのみから延びていてもよい。図9A図9Dは、このようなスライダに適切であろう本願による上止めの例を示している。
【0052】
結合要素14a、14bの列に沿うスライダ20を第1摺動方向Eへ移動することにより、第1ストリンガ12aの結合要素14aが第2ストリンガ12bの結合要素14bに取り付けられる。チェーンに沿うスライダを、第1摺動方向Eとは逆の第2摺動方向Dへ移動することにより、第1ストリンガ12aの結合要素14aが第2ストリンガ12bの結合要素14bから外れる。取り付けられた結合要素は、結合された結合要素、係合された結合要素またはペアリングした結合要素としても知られている。結合要素を取り付ける工程は、結合、係合、ペアリングとしても知られている。
【0053】
結合要素14a、14bの列の上端18aには、上止め30、40が設けられている。本実施例では、結合要素14a、14bの各列の上端に異なる上止めを設けている。しかしながら、場合によっては、単一の上止め30のみが(すなわち、ストリンガのうちの1つのみの一部として)必要とされ、および/または各上止め30、40が同一であってもよいことは理解できる。上止めは、任意の適切な材料から形成されてもよく、例えば、ポリエステル、ポリアセタール、ポリエチレンなどのポリマー材料を含んでもよいし、アルミニウム、ニッケルなどの金属ベースであってもよい。
【0054】
結合要素14a、14bの列の下端18bには、その列の、結合要素14a、14bの列の上端18aとは反対側に、第1および第2ストリンガ12a、12bを相互に結合するために挿入ピン15を挿入できるリテーナボックス11が設けられている。ストリンガ12aに設けられたボックスピン13は、リテーナボックスに永久的に固定されていてもよく、したがって、スライダ20がリテーナボックス11に隣接して位置しているときに挿入ピン15をリテーナボックス11から取り外して、スライダ20を通過させて第1および第2ストリンガ12a、12bを互いに分離させてもよい。ストリンガ12a、12bは、このようにして分離することができる。ストリンガ12a、12bを分離すると、スライダ20はリテーナボックス11が取り付けられているストリンガ12aに保持される。したがって、スライドファスナ10は、オープンエンド型の紐状ファスナ10の一例である。
【0055】
本願に従って後述する上止め30および上止め130、230、330についての前述の説明は、あらゆるタイプのスライドファスナにおいて適用可能であり、添付図面に示す実施例に限定されないことは理解できる。
【0056】
ストリンガ12aのコード16a(または補強された縁部)を含む結合縁部16に取り付けられた上止め30の斜視図が、図2に示されている。補強された縁部が設けられていない場合は、テープの結合縁部に直接上止めを取り付けてもよい。
【0057】
本実施形態では、上止め30は、射出成形によりファスナテープに一体的に射出されている。結合要素14a、14bと同様に上止め30は、ストリンガ12aのテープの外縁17に向かって延びる延長部を有する第1平面と第2平面を包含するテープの結合縁部16に固定される。上止め30は、第1平面(図3A)側の第1本体部31aと、第2平面(図3B)側の第2本体部31bとを有している。すなわち、上止めは、ストリンガ12a、12bのテープの対向する平面上に装着された2つの本体部を含む。なお、上止め30は、テープの周囲に単一の構成要素として形成されていてもよく、例えば、第1および第2本体部31a、31bがテープの周囲に一体的に形成されていてもよい。あるいは、テープの周囲に共に接合された異なる本体部であってもよい。上止めの側面図が図3Cおよび図3Dに示されている。本体部は、チャネル36の入口32がテープの結合縁部16に設けられ(図3C)、チャネル36の出口34がテープの外縁17により近接して設けられる(図3D)ように、テープの結合縁部の周りで接触するか、結合するか、または収束する。図3Dに示してはいないが、上止め30には、ファスナテープを受容する溝を設けることができる。いくつかの実施例では、上止め30は、実質的に長方形である。
【0058】
上止め30は、ストッパ部33を備えている。ストッパ部33は、スライダ20の第1方向Eへの移動を制限する。ストッパ部33は、好ましくは、スライダ20が接近したときに、スライダ本体21の一部、例えばフランジ24aがストッパ部33に接触するように動作軸に垂直な方向に延びている。ストッパ部33は、ストリンガ12aの結合縁部から遠位に(上止めの他の部分に対して)位置し、第1摺動方向Eにおいてチャネル36の上に位置する。チャネル36が、上止め30に設けられてストリンガ12aからスライダ20を取り外し易くする。すなわち、ストッパ部33は、上止め30の第1および第2本体部31a、31bからテープの外縁17に向かって突出している。ストッパ部33は、上止め30の第1および第2本体部31a、31bの少なくとも一方内に含まれていてもよい。
【0059】
上止め30は、入口32と出口34を有するチャネル36と、チャネル底面35とを含む。チャネル36は、スライダの一部、例えばスライダ20に設けられたフランジ24aを受容するように構成されている。チャネル36は、ストリンガ12a、12bにスライダを挿入しやすく構成されており、例えば、リテーナボックス11およびボックスピン13が取り付けられたストリンガ12aに挿入できるように構成されている。すなわち、通常の使用では、上止め30がスライダ20の結合要素14aの列を越えた第1摺動方向Eへの移動を防止し、ボックスピン13(またはリテーナボックス11あるいはその両方)がスライダ20の結合要素14aの列を越えた第2摺動方向Dへの移動を防止するので、スライダ20が結合要素14aの列から不意に外れることはない。
【0060】
また、チャネル36は、例えば壊れたまたは故障したスライダを交換するために必要な場合、スライダ20を取り出し易くするように構成されている。ストリンガ12aのテープの結合縁部16における上止め30の側には、チャネル36への入口32が形成されている。チャネルの入口32には、任意に凹部32aを設けてもよい。出口34は、テープの外縁17に近接する上止め30の側に形成され、ストッパ部33の下方に位置している。すなわち、出口34は、上側ストッパ部30に近接する結合要素列の端部と、上止め30のストッパ部33との間に位置している。出口34は、入口32よりも結合要素14aの列の上端18aに近い位置にある。
【0061】
したがって、入口32は、スライダ20をスライドファスナチェーン18上に挿入するためにチャネル36にスライダ20が入ることができる上止め30の口であり、出口34は、結合要素14aの列上にスライドして挿入を完了するためにスライダ20が上止め30のチャネル36を出ることができる上止め30の口である。スライダ20を結合要素14aの列から解放しようとするとき、入口32および出口34は逆に機能すると理解できる。ただし、一貫性を持たせるために、これらの用語の意味はそのままとし、スライダ20の移動方向によって変化させない。
【0062】
チャネル36は、チャネル第1側壁38とチャネル第2側壁37とチャネル底面35を含む。チャネル第1側壁38は、チャネル第2側壁37よりもストリンガ12aの結合要素の列に対して近接して配設されている。チャネル第1側壁38とチャネル第2側壁37は、互いに反対側にあり、チャネル36のチャネル底面35は、平坦面を含み、チャネル第1側壁38とチャネル第2側壁37を接続する。すなわち、入口32から出口34まで延びる溝が、チャネル36として形成されている。いくつかの実施形態において、チャネル底面35は、テープ12aを含んでもよいことが理解できる。したがって、第1、または第2、または両方の本体部31a、31bは、チャネル幅によって分離される2つの異なるセクションを含んでいてもよく、それによってセクションの間にチャネル36(または谷)が形成される。このように、チャネル(または谷)底面35は、ファスナテープ12aを含んでいてもよい(またはその一部によって画定されていてもよい)。他の実施例では、チャネル底面35は、上止めと同じ材料を含んでもよい。このような場合、第1または第2または両方の本体部31a、31bは、チャネル36が本体部に形成された単一の構成要素を含んでもよい。
【0063】
チャネル第1側壁38は、実質的に平坦または直線状の外形を有し、チャネルの入口32から出口34まで一定の傾斜で下方に延びている。チャネルの第2側壁37は、チャネル36の長さにわたって変化する幅をチャネル36に提供するために、段差のある外形を含む。チャネルに沿った任意の点でのチャネル幅は、チャネル第1および第2側壁間の上止めの長手の軸に平行な距離として画定される。通常の使用では、上止めの長手の軸は、スライドファスナの動作軸(A)(または長手の軸)と平行になるようにする。入口32のチャネル36の幅は、文字Fで示されている。
【0064】
チャネル第2側壁37は、入口32から傾斜して延び、当接突起37aの端点37bまでチャネルの幅が狭くなっている。端点37bの当接突起37aからチャネル第1側壁38まで延びるチャネル幅は文字Gで示されている。この端点37bは、スライダ20を結合要素14aの列から解放する操作中にチャネル36に受容されるスライダのフランジ24aの解放点として画定することも可能である。そして、チャネル第2側壁37は、チャネル第1側壁から離れる方向に延び、チャネル36を広げ、当接突起37aを形成している。この点でのチャネル幅は文字Hで示されている。チャネル第2側壁37は、チャネル第2側壁37がチャネル第1側壁38に向かって延び、再び出て、出口34で出口突起39を形成する、別の突出部を含む。このときのチャネル幅36は文字Jで示されている。
【0065】
したがって、本実施例の上止め30は、出口突起39の形態で出口に隣接するものと、当接突起37aの形態のものと、2つの段差領域を備えている。当接突起37aの端点37b、解放点におけるチャネル36のチャネル幅Gは、入口32のチャネル幅より小さく、また、出口のチャネル幅より小さい(F>G、J>G)。当接突起37aと出口突起39の中間のチャネル36のチャネル幅Hは、出口34のチャネル幅Jおよび当接突起37aの端点37bの幅Gより大きい(H>J>G)。本実施形態では、当接突起の端点37bにおけるチャネル36のチャネル幅Gは、チャネル36の幅の中で最小の幅を有し、このチャネル幅Gは、フランジ24aの厚さより大きい。さらに、入口32のチャネル幅は、当接突起37aと出口突起39の中間のチャネル36のチャネル幅Hより小さくてもよい。さらに、入口32のチャネル幅Fは、出口34のチャネル幅Jよりも大きくてもよい。
【0066】
上止め30に近接した結合要素14aの列の端部と出口34との間の距離は、上止め30に近接した結合要素14aの列の端部と入口32との間の距離より小さく、結果として、チャネル36のチャネル第1側壁38は90度未満の角度でスライドファスナの動作軸Aから離れるように傾斜している。
【0067】
チャネル第2側壁37は、少なくとも3つの平坦面を有する。入口32と当接突起37aの端点37bとの間には、第2方向Dに対して傾斜する第1平坦面が形成されている。この傾斜はチャネル第1側壁の傾斜よりも鋭角であってもよいし、同一であってもよい。他の実施形態では、鋭角の度合いが小さくてもよい。当接突起37aの端点37bと出口突起39の基部(根元)との間には、第2平坦面が形成されている。出口突起39の基部と出口突起39の端点39aとの間、または出口突起を有さない実施形態では出口34との間に、第3の平坦面が形成されている。
【0068】
図2および図3Dの実施例では、チャネルは、上止め30の第1および第2本体部31a、31bの双方に設けられる。したがって、結合縁部16には2つの入口32があり、テープ外縁17に近接した上止めの側には2つの出口34があり、スライダに設けられた上下のフランジ24aを通過させることができるようになっている。このような実施形態では、スライダ20の上翼23から突出したフランジは、上止め30の第1本体部31aに設けられた入口32に入ることができ、スライダ20の下翼から突出したフランジは、上止め30の第2本体部31bに設けられた入口32に入ることができる。
【0069】
スライダ20は、図4に示すように、スライドファスナのストリンガに装着することができる。図4では、スライダ20の上翼23が取り外され、フランジ24a、24bおよびガイドポスト26が見える。フランジ24aの幅27は、フランジ24aが上翼23の右側縁(またはフランジ24bの左側縁)に垂直に延びる距離として画定することができる。フランジ24aの長さは、フランジ24aが右側縁(またはフランジ24bの左側縁)に平行に延びる距離として画定することができる。図4では、フランジ24aの幅27は、フランジ24aに沿った2箇所に印が付けられている。この実施例では、フランジ24aの幅27は、フランジ24aの長さに渡って一定である。しかしながら、いくつかの実施例では、フランジ24aまたはフランジ24a、24bは、フランジ24aまたはフランジ24a、24bの長さに沿った異なる位置で異なる幅を備えてもよいことが理解できる。
【0070】
フランジ24aは、入口32でチャネル36に入る。チャネル36の長さに沿ったチャネル幅は、常にフランジ24aの幅よりも広い。さらに、上止め30の第1および第2本体部31a、31bに設けられた各チャネル36のチャネル底面35間の厚さは、上翼23のフランジ24aと下翼のフランジとの間の隙間より狭いので、スライダ20は、上止め30を通過することができる。ストリンガ12aのテープは、例えば、テープ材料を屈曲させる、および、または、折り曲げることによって操作されてもよく、スライダは、フランジ24aが出口34からチャネル36を通って並進し、上止め30に隣接する結合要素との摺動係合になるように、引手25を介して引っ張られてもよい。スライダ20の下翼に設けられた下部フランジが、上止め30の第2本体部31bに設けられたチャネル36を通って並進することができることが理解できる。その後、スライダ20を要素14aの下方の第2摺動方向Dに移動させて、挿入ピン15を使用して第2ストリンガ12bの結合要素14bの列を位置決めし、スライドファスナの動作を可能にするようにしてもよい。
【0071】
通常の使用では、スライダ20は第1方向Eに引っ張られて結合要素14a、14bを相互嵌合し、スライダの意図した走行の終端(スライドファスナの端部)に、スライダ20のフランジ24aの先端はストッパ部33に突き当たり、スライダ20のさらなる走行を防ぐことになる。スライダ20に何らかの不整合が生じた場合、例えば、第1方向Eまたは第2方向D以外の方向に力が加わった場合、スライダ20のフランジ24aがチャネル36の出口突起39に当接し、フランジ24aの先端が出口34でチャネル36に入ることを防ぐことになる。したがって、出口突起39は、通常動作時にスライダが残りのスライドファスナから誤って係合解除することを防ぐことができる。
【0072】
図5A図5Bに示すように、スライダ20をスライドファスナから意図的に取り外すことができる。図5Aでは、ストリンガ12aのテープを操作してスライダをひねり、スライダ20のフランジ24aが上止め30に形成されたチャネル36の出口34に入り込むようにしている。テープ材の折り返しまたは屈曲、例えばテープの部分をそれ自体に折り返す、または動作軸Aに対して斜めの方向に屈曲させるという形での操作により、フランジ24aは出口突起39を迂回してチャネル36に進入することができる。このようなテープ材の屈曲は、テープの平面内での屈曲であってもよい。フランジ24aは、フランジ24aの先端が当接突起37aに当接するまで、チャネル内にさらに引き込まれる。したがって、当接突起37aは、スライダの偶発的な係合解除を防ぐためのさらなるストッパを提供することができる。
【0073】
スライダの取り外しが望まれる場合、スライダ20は次に旋回点Pを中心として旋回することができる。したがってフランジ24aは当接突起37a(図5B)の解放点を通って並進することができ、スライダ20をスライドファスナから係合解除することができる。
【0074】
旋回点Pを中心としてスライダ20を旋回させると、ガイドポスト26が回転し、ストリンガ12aの最上部の結合要素14aに接触する。ガイドポスト26は点Rで結合要素14aを押し、点Qで結合要素14aをフランジ24aに接触させる。結合要素14aを介してテープからの反力もガイドポスト26に作用させる。当接突起37aの解放点を介してフランジ24aを並進させるためには、旋回点Pを中心としてスライダ20を旋回させるために加えられる力が、ガイドポスト26上の結合要素14aからの点Rにおける反力よりも大きくなければならない。
【0075】
図5Aに示す実施例では、スライダは反時計回りに回転させることができるが、回転はストリンガ上の上止めとスライダの向きに依存する場合があると理解できる。
【0076】
フランジ24aを旋回させるのに必要な力の量は、出口34から当接突起37aの解放点までの長手の軸に垂直な距離に依存することになる。この距離は、フランジ24aが移動して当接突起37aを通過するために、すなわちガイドポスト26に加えられる反力に抗して、結合要素14aがその垂直軸から走行する必要がある程度を決定するものである。この距離が大きいほど、結合要素14aおよびテープを撓ませる必要があり、その結果、ガイドポスト26に大きな反力が生じ、したがって、フランジ24aを旋回させるための大きな力が必要となる。そのため、スライダをスライドファスナから係合解除するために必要な力が最小限になるように、上止めを調整することができる。
【0077】
ストリンガ12aのさらなる操作、例えばストリンガを折り畳むことによって、点Qにおけるフランジ24aと結合要素14aとの間の接触を維持し、上止め30のチャネル36を通過するのに必要な向きにフランジ24aを維持するのを助ける。代替的にまたは同時に、フランジ24aが旋回して当接突起37aから解放されると、スライダを(図の向きでは概ね上方に)引っ張ってチャネル36を通してフランジ24aを並進させ、スライダをスライドファスナから解放してもよい。
【0078】
代替的な上止め130が、図6および図7に示されている。その上止め130は、図6に斜視図で示されている。特に指定しない限り、前の例と同じである上止め130の特徴は、100ずつ増分された同様の参照数字で示し、簡潔にするために説明は繰り返さない。
【0079】
上止め130のチャネル136にも、突出部が設けられている。この実施例では、チャネル第2側壁137は、入口132から始まり、第2傾斜142まで延びる第1傾斜140を含み、第1傾斜140は、第2方向Dに関して、上止め130の長手の軸Aに対して第1角度αを有する。この第1傾斜140は、第2傾斜142まで延び、第2傾斜は、第2方向Dに関して、上止めの長手の軸Aに対する第2角度βを有する。この実施例では、第1角度αおよび第2角度βは共に鈍角であり(これは常にそうとは限らないが)、第2角度βは第1傾斜140の第1角度αより小さい(または鈍角でない)。そして、チャネル第2側壁137は、当接突起137aを形成するチャネル第1側壁138から離れる方向に延びる。当接突起137aの解放点137bと出口134との間の上止めの長手の軸に垂直な距離Kは、スライダのフランジの幅よりも大きく、それに応じて、解放点を介してスライダを旋回させるにはより大きな力が必要である。上止め130はまた、チャネル第2側壁137がチャネル第1側壁138に向かって延び、チャネル136の出口134で再び離れることによって形成される出口突起139を含む。
【0080】
上止め230の別の形態が、図8Aおよび図8Bに示されている。特に指定しない限り、前の例と同じである上止め230の特徴は、200ずつ増分された同様の参照数字で示され、簡潔性のために説明は繰り返さない。上止め230は、ストリンガ12aまたは12bの結合縁部を中心として形成され、ストリンガ12aまたは12bのテープの各平面上に1つずつ配置された第1本体部231a(図8A)および第2本体部231b(図8B)を含む。第1本体部231aは、当接突起237aおよび出口突起239を有するチャネル236を備えている。突起237a、239は、上止め30のチャネル36と同じであることが示されているが、チャネル236は、上述した双方の上止め130のチャネル136と同じであってもよいことが理解できる。また、第2本体部231bは、チャネル235を備えており、チャネル235は、実質的に一定のチャネル幅を有している。すなわち、チャネル第1側壁235aおよびチャネル第2側壁235bは、長手の軸に対して傾斜しており、それぞれ実質的に平坦面を有している。
【0081】
図1に示すように)歯結合要素を結合するように構成されたスライダは、務歯14aを係合するためにスライダ20の両側に設けられた上側および下側フランジを有している。上止め230は、このようなスライダの挿入および除去を可能にするために2つのチャネルを備え、上側および下側フランジは、それぞれ上止めの第1および第2チャネルと相互作用することになる。しかし、チャネルのうちの1つだけが突起237a、239を含むので、克服すべき当接突起237aが1つだけであるため、スライダ20を解放するのに必要な力はより小さくなる。
【0082】
さらなる上止め330が、図9A図9Dに示されている。特に指定しない限り、前の例と同じである上止め330の特徴は、300ずつ増分された同様の参照数字で示され、簡潔性のために説明は繰り返さない。上止め330は、ストリンガ12aまたは12bの結合縁部16を中心として形成され、ストリンガ12aまたは12bのいずれかの側に1つずつ位置決めされた、第1本体部331a(図9A)および第2本体部331b(図9B)を含む。第1本体部331aは、上述したチャネル36、236と実質的に同一のチャネル336を備える。チャネルは、同じく上述したチャネル136に従って形成されてもよいことが理解できる。第2本体部331bは、チャネルがなく、水平な面を有する。上止め330は、コイル状の結合要素がテープ12a、12bのただ一つの平面上にのみ存在するため、連続コイルの形態の結合要素を有するスライドファスナと共に使用するのに特に適している場合がある。このように、スライダは、テープの前記一平面上の結合要素の係合を促すために、スライダの上翼または下翼にフランジを有するのみとなり、したがって、既に述べたのと同様の方法でスライダが上止めを通過し易くするためには、上止めにただ一つのチャネルを有してさえいればよいことになる。あるいは、上止め330は、コイル結合要素が取り付けられるストリンガの平面上に位置決めするためのただ一つの本体部を備えてもよい。ただ一つの本体部は、これまでの実施例で説明したようなチャネルを含んでもよい。このような実施形態では、ストリンガの平面上に、コイル結合要素が取り付けられていない第2本体部が存在しない。
【0083】
図面には示されていないが、2つのスライダを有する可動式スライドファスナに本願による上止めを使用することも可能である。その場合、ストリンガの下端、すなわち上止め部とは反対側のストリンガの端部にリテーナボックスとボックスピンを取り付ける代わりに、リテーナピンのみを取り付ければよい。このような実施形態では、ストリンガ上の両方のスライダが上止めを利用し、ストリンガに取り付けたり取り外したりすることができる。
【0084】
本明細書で提供される実施例は、本願の単なる例示であり、特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であることを理解されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
【国際調査報告】