(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】肌テスト及びカスタマイズ調合のためのスマートシステム、ならびに化粧品の製造方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230614BHJP
A45D 44/00 20060101ALI20230614BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230614BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20230614BHJP
G06V 10/82 20220101ALI20230614BHJP
G06T 7/90 20170101ALI20230614BHJP
G06T 7/11 20170101ALI20230614BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230614BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20230614BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230614BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
G06Q50/10
A45D44/00 Z
G06T7/00 350C
G06T7/00 660A
G06T7/60 300A
G06V10/82
G06T7/90 A
G06T7/11
A61K8/06
A61K8/02
A61Q19/00
A61Q13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570278
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 IB2021054329
(87)【国際公開番号】W WO2021234599
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522448517
【氏名又は名称】エイビービーアイ エスエイエス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】イフェルガン,ジョアンナ
(72)【発明者】
【氏名】イフェルガン,フレデリック
【テーマコード(参考)】
4C083
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
4C083CC02
4C083CC05
4C083CC06
4C083CC14
4C083DD23
4C083DD30
4C083DD31
4C083EE03
4C083EE50
4C083FF10
4C083KK01
5L049CC11
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA06
5L096FA14
5L096FA15
5L096FA17
5L096FA52
5L096FA64
5L096FA69
5L096HA11
5L096HA13
5L096JA11
(57)【要約】
使用者のためにカスタマイズされた化粧品調合を確立するための方法であって、画像またはビデオタイプの情報アイテムを集めるステップと、この情報アイテムをデータベースに記憶させるステップと、集めた情報アイテムをデータベースに存在する情報アイテムと比較するステップと、分析結果をまとめるステップと、を含む。本方法は、使用者に適応された少なくとも1つの化粧基材及び/または少なくとも1つの活性成分を備えた、化粧品調合を生成する提案を行なうステップを含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧の分野において使用者に適応された、テイラーメイド調合を確定するための方法であって、
写真またはビデオの情報を集積するステップと、
前記情報をデータベースに記憶させるステップと、
集積した前記情報から、少なくとも1つの肌状態を分析するステップと、
集積した前記情報を、前記データベースの情報と比較するステップと、
前記分析から各肌状態を評価するステップと、
分析結果を考察するステップと、
前記分析結果から、使用者のために調整された少なくとも化粧基材及び少なくとも活性成分を含んだ化粧品調合を、提案するステップと、
を含み、
前記方法は、顔の輪郭を描写するステップ、及び顔をゾーンに分割するステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの活性成分は、粗さ、肌のひび割れ、皮脂の過剰分泌、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、肌粒、しわ、色素沈着、肌艶、肌の明るさ、赤み、敏感さ、乾燥、肌の水分、及び、ほくろ、しみ、黒しみ、目の下のクマまたは腫れなどのデフォルト、から選択された状態のうち、少なくとも1つの状態について確定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
顔の走査は、目、鼻孔、または唇の中から選択されたベンチマークを含んだ、顔の輪郭の少なくとも70%において成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
顔全体の前記走査は少なくとも99.8%であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
際立った肌のゾーンを伴う顔全体の前記走査は、少なくとも98%であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
化粧基材は、クリーム、セラム、オイル、香油、ジェル、クリーミージェル、乳液、またはそれらの組み合わせ、の中から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
テイラーメイドの化粧品調合を見出すことは、
写真を撮り、前記写真における顔を検出するステップと、
分析及び顔をゾーンに分割するために、顔の輪郭を描写するステップと、
前記写真から肌を分析するステップと、
前記分析から評価するステップと、
テイラーメイドの化粧品調合を作り出すステップと、
テイラーメイドの化粧品調合から、テイラーメイドの化粧製品を作り出すステップと、
前記化粧製品の適用前後に、比較分析するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか一項に記載の方法を実施できるシステムであって、走査、分析、提案、及び、テイラーメイドの化粧品調合で製造するためのデバイスを含み、ミラータイプである、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品分野において使用者に適応された、テイラーメイド調合を見出すための方法に関する。詳細には、本発明は、少なくとも化粧品基材及び少なくとも1つの活性成分を含んだ、テイラ―メイド式の化粧品調合の確定を可能にする、肌の検査に関する。この種の検査は、例えばスマートミラーによって実施することができる。
【背景技術】
【0002】
「テイラーメイド調合」とは、化粧品分野において最終的な特定の特性を与え得る、活性成分及び基材の任意の組み合わせ、または合成物を意味する。これらの組み合わせは、与えられた人に対して有効であり、この調合の結果を評価するために必要な任意の種類のパラメータを考慮に入れる。例えば、パラメータは肌の特徴とし得る。
【0003】
「化粧品基材」とは、特に表皮である肌の様々な外側部分に接触するよう設計された物質、または合成物を意味する。化粧製品の基材は、純粋な活性成分を除く全てを構成する。基材は、乳液、クリーム、ジェル、クリーミージェル、香油、セラム、オイル、またはそれらの組み合わせの形態とすることができる。基材は、純粋な活性成分を収容できる。基材は、肌のタイプに従って様々な触感を有してよく、化粧製品の総体積の80%を超える割合を占めることが多い。
【0004】
「活性成分」とは、高度に濃縮された物質を意味し、そのため非常に少ない量が化粧製品の中に導入される。活性成分は化粧製品の活性部分でもあり、それは、活性成分がある反応を提供して、ある特性を化粧製品に与えることを意味する。これは、化粧製品の特質を確定して、確定された状態を目標とすることを可能にする。活性成分は、肌のタイプと共に肌の損傷に関連する。
【0005】
「スマートミラー」は、いくつかの機能を実施できるデバイスである。詳細には、スマートミラーは、写真を撮り、情報をデータベースに記録し、分析結果をスクリーン表示として提供できる。
【0006】
化粧製品を使用するとき、使用者は肌に適応されていない製品、すなわち悪影響を誘発し得る製品を使用し得る。使用者は、予想された結果をもたらさない製品、すなわち有効性が低いか、または向上性が弱くて遅い製品も使用し得る。したがって、この領域において、任意の特定使用者に適応されたテイラーメイド調合を開発する必要がある。
【0007】
使用者の1つのみ、もしくはいくつかの写真またはビデオの分析に従って、製品を推奨する方法、ならびに美容、スキンケア及びアンチエイジング製品について、米国特許第9760935号明細書によって提供された先行技術の解決方法が公知である。
【0008】
しかし、この文献の解決方法は、主に予測的なものである。それは、何人かの他の使用者の統計結果から、製品を推奨することに依存した予測を、使用者に提供するよう設計される。したがって、それはテイラーメイドの解決方法を使用者に提供しない。
【0009】
複数の顔の特徴を含んだデジタル写真から、化粧製品のための改善されたインターフェースを提供するための、表示スクリーン及びプロセッサを伴うコンピュータ装置で実施された方法について、米国特許出願公開第2019/0026013号明細書によって提供された先行技術の解決方法が公知である。
【0010】
しかし、この解決方法は、選択された顔の特徴に適合した、現存の化粧製品を選択かつ推奨し、画像表示及び画像処理によって顔の予測を提供するためのみに設計されている。やはり、この文献の解決方法は、特定の使用者のために調整された新しい化粧品調合を推奨することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第9760935号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0026013号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、テイラーメイドの化粧品調合を提供する肌の検査方法によって、従来技術の課題を克服するために設計され、使用者のためにテイラーメイドの化粧製品を製造する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、使用者に適応されたテイラーメイドの化粧品調合を確定するための方法から構成され、それは、写真またはビデオの情報を集積するステップと、この情報をデータベースに記憶させるステップと、この情報をデータベースに記憶させるステップと、集積された情報を、データベースの情報と比較するステップと、分析結果を考察するステップと、を含む。本方法は、使用者のために調整された少なくとも1つの化粧基材及び/または少なくとも1つの活性成分を含んだ、化粧品調合を提案するステップを備えることを特徴とする。
【0014】
実施形態によると、本方法は、粗さ、肌のひび割れ、皮脂の過剰分泌、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、肌粒、しわ、色素沈着、肌艶、肌の明るさ、赤み、敏感さ、乾燥、肌の水分、及び、ほくろ、しみ、黒しみ、目の下のクマまたは腫れなどのデフォルト、から選択された、好ましくは少なくとも1つの状態において、使用者の顔を検出できるセンサシステムを含むことを特徴とする。
【0015】
実施形態によると、本方法は、少なくとも1つの活性成分が、粗さ、肌のひび割れ、皮脂の過剰分泌、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、肌粒、しわ、色素沈着、肌艶、肌の明るさ、赤み、敏感さ、乾燥、肌の水分、及び、ほくろ、しみ、黒しみ、目の下のクマまたは腫れなどのデフォルト、から選択された状態のうち、少なくとも1つの状態について確定されることを特徴とする。
【0016】
実施形態によると、本方法は、顔の走査が、目、鼻孔、または唇の中から選択されたベンチマークを含んだ顔の輪郭の、少なくとも70%において成されることを特徴とする。
【0017】
実施形態によると、本方法は、顔全体の走査が少なくとも99.8%であることを特徴とする。
【0018】
実施形態によると、本方法は、際立った肌のゾーンを伴う顔全体の走査が、少なくとも98%であることを特徴とする。
【0019】
実施形態によると、本方法は、化粧基材が、クリーム、セラム、オイル、香油、ジェル、クリーミージェル、乳液、またはそれらの組み合わせ、の中から選択されることを特徴とする。
【0020】
実施形態によると、本方法は、テイラーメイドの化粧品調合を見出すことが、以下のステップを含むことを特徴とする:
・写真を撮り、この写真における顔を検出するステップ。
・分析及び顔をゾーンに分割するために、顔の輪郭を描写するステップ。
・この写真から肌を分析するステップ。
・この分析から評価するステップ。
・テイラーメイドの化粧品調合を作り出すステップ。
・このテイラーメイドの化粧品調合から、テイラーメイドの化粧製品を作り出すステップ。
・この化粧製品の適用前後に、結果を比較分析するステップ。
【0021】
本発明は、本方法を実施できるスマートミラーデバイスも含む。
【0022】
本方法の他の特徴及び利点は、以下の説明及び添付の図面を用いて明らかになる。
【0023】
しかし、この解決方法は、選択された顔の特徴に適合した、現存の化粧製品を選択かつ推奨し、画像表示及び画像処理によって顔の予測を提供するためのみに設計されている。やはり、この文献の解決方法は、特定の使用者のために調整された新しい化粧品調合を推奨することはできない。
【0024】
本発明は、テイラーメイドの化粧品調合を提供する肌の検査方法によって、従来技術の課題を克服するために設計され、使用者のためにテイラーメイドの化粧製品を製造する。
【0025】
本発明は、使用者に適応されたテイラーメイドの化粧品調合を確定するための方法から構成され、それは、写真またはビデオの情報を集積するステップと、この情報をデータベースに記憶させるステップと、この情報をデータベースに記憶させるステップと、集積された情報を、データベースの情報と比較するステップと、分析結果を考察するステップと、を含む。この方法は、使用者のために調整された少なくとも1つの化粧基材及び/または少なくとも1つの活性成分を含んだ、化粧品調合を提案するステップを含むことを特徴とする。
【0026】
実施形態によると、本方法は、粗さ、肌のひび割れ、皮脂の過剰分泌、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、肌粒、しわ、色素沈着、肌艶、肌の明るさ、赤み、敏感さ、乾燥、肌の水分、及び、ほくろ、しみ、黒しみ、目の下のクマまたは腫れなどのデフォルト、から選択された、好ましくは少なくとも1つの状態において、使用者の顔を検出できるセンサシステムを含むことを特徴とする。
【0027】
実施形態によると、本方法は、少なくとも1つの活性成分が、粗さ、肌のひび割れ、皮脂の過剰分泌、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、肌粒、しわ、色素沈着、肌艶、肌の明るさ、赤み、敏感さ、乾燥、肌の水分、及び、ほくろ、しみ、黒しみ、目の下のクマまたは腫れなどのデフォルト、から選択された条件のうち、少なくとも1つの状態について確定されることを特徴とする。
【0028】
実施形態によると、本方法は、顔の走査が、目、鼻孔、または唇の中から選択されたベンチマークを含んだ顔の輪郭の、少なくとも70%において成されることを特徴とする。
【0029】
実施形態によると、本方法は、顔全体の走査が少なくとも99.8%であることを特徴とする。
【0030】
実施形態によると、本方法は、際立った肌のゾーンを伴う顔全体の走査が、少なくとも98%であることを特徴とする。
【0031】
実施形態によると、この方法は、化粧基材が、クリーム、セラム、オイル、香油、ジェル、クリーミージェル、乳液、またはそれらの組み合わせ、の中から選択されることを特徴とする。
【0032】
実施形態によると、この方法は、テイラーメイドの化粧品調合を見出すことが、以下のステップを含むことを特徴とする:
・写真を撮り、この写真における顔を検出するステップ。
・分析及び顔をゾーンに分割するために、顔の輪郭を描写するステップ。
・この写真から肌を分析するステップ。
・この分析から評価するステップ。
・テイラーメイドの化粧品調合を作り出すステップ。
・このテイラーメイドの化粧品調合から、テイラーメイドの化粧製品を作り出すステップ。
・この化粧製品の適用前後に、結果を比較分析するステップ。
【0033】
本発明は、本方法を実施できるスマートミラーデバイスも含む。
【0034】
本方法の他の特徴及び利点は、以下の説明及び添付の図面を用いて明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図2a】使用者の顔を検出するための、本発明による装置を示す図である。
【
図2b】テイラーメイドの化粧製品を製造するための、本発明による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
【0037】
第1のステップは、使用者の写真を撮り、次に写真の顔を検出することから構成される。
【0038】
使用者は、任意の特定の方法でポーズをとる必要はない。顔周りの簡単なスナップ写真で十分である。使用者は、スマートミラー、または写真を捕捉して表示するためのシステムを含んだ任意の手段などの装置を用いて、それを得ることができる。
【0039】
使用者の顔の走査は、人工ニューラルネットワーク、及び/または50,000を超える顔を教え込まれた「機械学習」に依拠する。顔全体に対する走査は、少なくとも99.9%である。この走査は、色の付いた肌及び非常に際立った顔では、少なくとも98%である。この走査は、100%未満で70%まで低下した内部輪郭を伴う顔を意味する、軽減された輪郭の顔にも作動する。
【0040】
第2のステップは、分析及びゾーンに分割するために、顔の輪郭を描写するステップから構成される。
【0041】
本方法の実施形態によると、第2のステップは、例えば写真の背景、頸、及び髪を除外した、正確な輪郭を描写する。そうするために、人工知能は2本の柱に依拠する:
・例えば目、鼻孔、及び唇とし得るベンチマークの走査。
・ぼやけた輪郭を検出するための、特定の人工ニューラルネットワーク。
【0042】
有利には、結果は、顔で100ドットを超えて結ぶことができ、かつ具体的に処置される各ゾーンと、処置されないゾーンとの両方を識別できる、隣接した幾何学的形状のセットから構成される。
【0043】
例えば、一方における目及び耳の間の菱面体と、他方における額及び頬骨の間の菱面体との間の比較は、必然的に異なる照度の鼻を示す。したがって、同じ特定のゾーンに関連して考えられる相違は、有利に考慮されることになる。
【0044】
例えば処置されないゾーンについて、本方法は、目、口、及び鼻孔を体系的に除外する。
【0045】
追加として本方法は、別種の処置されないゾーン、すなわち「肌ではない」ゾーンを、人工知能によって考慮する。例えばこれは、眼鏡、ピアス、考えられる傷、または(極端な閃光または強すぎる影の影響などの)誤った照明からもたらされた収差などの例外を検出するために、画定された分析ゾーンを走査するアルゴリズムのセットである。
【0046】
このような処置されないゾーンを除外することは、対象ゾーンにおける、より良好な合焦を有利に可能にし、それによって顔の正確な輪郭の、より良好な検出を有利に可能にする。
【0047】
詳細には、このアルゴリズムは、各ゾーンの色及び照明の特徴を学習することで始まり、平均を計算して、関連の例外を推定する。
【0048】
例えば、強すぎる影は、際立った肌から除外され、その一方で同じレベルの照明を伴う同じ色は、暗い肌の顔に含まれ得る。
【0049】
特定のアルゴリズムが、各分析のために開発されている。実際、一般的にこれらのアルゴリズムを、肌の一般色に従って適応させることができる。これらのアルゴリズムは、各ゾーンの特異性を考慮することができ、計算された平均値から大きく外れた極値を除外し得る。
【0050】
このように、これらのアルゴリズムは有利に自動適応する。
【0051】
分析するための2、3の状態のために、規則及び対象を画定することは不可能であった。そのため機械学習システムが設計されている。実際、ニューラルネットワーク及び/または関連した各分析に特化した「機械学習」は、検出対象の、最低2500枚の写真のデータベースにおいて教え込まれる。
【0052】
第3のステップは、写真から肌を分析することから構成される。分析の主な対象は、粗さ、肌のひび割れ、皮脂過剰、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、肌粒、しわ、色素沈着、肌艶、肌の明るさ、赤み、敏感さ、乾燥、肌の水分、及び、ほくろ、しみ、黒しみ、目の下のクマまたは腫れなどのデフォルト、の肌状態に関連する。
【0053】
しわについて、人工知能は、形状及び位置によってしわを画定することを可能にする、様々な色を検出する。
【0054】
有利には、各しわの視覚的描写は1つの層に描かれる。そこでは、検出されたしわが各々、値に比例して示される。
【0055】
有利には、走査は各しわの長さを評価するのを可能にする。
【0056】
有利には、走査は、しわの幅及び様々な明度の強度に従って、しわの深さを評価する。
【0057】
有利には、走査は、ゾーンごと及びカテゴリーごとに、しわを数えることを可能にする。
【0058】
肌の粗さについて、走査ステップは、小さいひび割れ及び/または大きい肌の触感を走査する。それは皮脂過剰、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、または年齢及びゾーンによる多くの黒しみ、とすることができる。
【0059】
有利には、走査ステップの結果は、均一性における重要な変化を強化する層であり、表面と特定ゾーンの強度との両方を重み付けできるスコアをもたらす。
【0060】
肌の赤み状態について、方法はまず、肌の概観及び使用者の一般的状態に応じた、肌の平均色を画素走査することによって、画素を開始する。
【0061】
次に2回目において、肌の吹出物及び敏感肌サンプルの写真の集合から選択された赤を用いて、肌が赤くなる傾向の平均に関する走査を伴って進められる。
【0062】
例えば、メーキャップは容易に吹出物のゾーンを隠すことができるが、転換することは稀であり、基準色が識別されたときに誤った肯定的結果が生じる。
【0063】
有利には、しみが付いたドットは、サイズを描き顔のゾーンを形状付けるもののみであり、それは外傷またはボタンを除外する。
【0064】
有利には、走査は、炎症もしくは極端な乾燥、または火傷をもたらす特定の密度を際立たせる。
【0065】
水分状態のために、分析は、油性肌の症状すなわち明るさ及び周辺光を反射する機能に関連する。
【0066】
水分のデフォルトは、艶のない肌をもたらす。鼻の先端及び禿げている場合の額の頂部など、2、3のドットは除外される。
【0067】
走査は、メーキャップパウダーによって容易に無効にされる場合があり、その一方で本発明による制御された照明下におけるクリームの適用前後の走査は、非常に信頼性がある。
【0068】
艶の状態について、分析は互いに近い2つのドット間の色素沈着差を測定し、全てのゾーンにおける多くのドットにおいて方法を繰り返す。平均値から大きく離れた広い表面が検出されたら直ぐに、その輪郭は測定値から体系的に除外される。
【0069】
このようにアルゴリズムは、測定値の不一致と、大幅な不一致を伴うドットの数との間の重み付けである、全体的なスコアを与える。例えば測定ゾーンは、鼻の先端から顔の下部分を除外する。
【0070】
皮膚のデフォルト状態について、分析は全体的に機械学習に依拠する。ニューラルネットワークは、小さい隆起及び特定の箇所で赤く変化する傾向によって検出できる、出現するボタンを含んだ、ボタン及びゾーンを認識するよう、教え込まれる。
【0071】
例えば、この開発は、20,000を超えた肌のデフォルトを基に、ニキビが明白な2,000の写真のデータベースに依拠する。
【0072】
有利には、写真において、コメントされた写真が多いほど、システムはより正確である。
【0073】
有利には、システムは照明の問題を自動的に補正する。
【0074】
第4のステップは、表面及びゾーンの強度の両方を重み付けすることで、分析から評価することから構成される。
【0075】
アルゴリズムは、測定値の不一致と、大幅な不一致を伴うドットの数との間の重み付けである、全体的なスコアを与える。例えばスコアは、使用者の年齢及びしわを考慮に入れる。この評価システムは、各問題に対して有効である。
【0076】
評価の信頼性は、所与の状態における所与の瞬間の使用者について分析することに依拠する。年齢のみによる評価、または他の人に関する評価は、無効にされる。
【0077】
第5のステップは、テイラーメイドの化粧品調合を作り出すことから構成される。
【0078】
分析及び評価は、少なくとも1つの基材及び少なくとも1つの活性成分を用いて、テイラーメイドの化粧品調合を選択する方法を開始することを可能にする。そうするために、少なくとも1つの状態は、どの活性成分をテイラーメイドの化粧品調合が備えるべきかを確定するよう保持される。
【0079】
選択は、状態すなわち、粗さ、肌のひび割れ、皮脂過剰、ニキビによる傷跡、肌の弾力性の複合損失、肌粒、しわ、色素沈着、肌艶、肌の明るさ、赤み、敏感さ、乾燥、肌の水分、及び、ほくろ、しみ、黒しみ、目の下のクマまたは腫れなどのデフォルト、などの重要性を判断することに依拠し、使用者の年齢を考慮する。次に本システムは、類似または同じ年齢の他の人を参照して、上記の選択された状態の重要さを比較する。次に本システムは、それにスコアを与える。このスコアが平均よりも高い場合、本システムは特定の活性成分を有利に割り当てる。このスコアが平均よりも低い場合も、本システムは特定の活性成分を有利に割り当てる。
【0080】
本システムは、年齢、癒すための条件選択、及び各条件の重要さに応じたマトリクスにより、活性成分を確定する。
【0081】
本システムは、テイラーメイドの化粧品調合を設計するために、癒すための条件に従った基材も確定する。
【0082】
基材がジェル、セラムまたはクリームである場合、調合基材は水性とする。
【0083】
基材が香油である場合、調合基材は水性基材及び油性基材とする。
【0084】
基材がオイルである場合、調合基材は油性基材とする。
【0085】
このように本システムは、活性成分との相乗効果、したがってテイラーメイドの化粧品調合の効率性において基材を有利に割り当てる。
【0086】
本方法は、多くの様々な調合、すなわち少なくとも40,000を超えた様々な調合の設計を、有利に可能にする。
【0087】
第6のステップは、テイラーメイドの化粧品調合から、テイラーメイドの化粧製品を作り出すことから構成される。
【0088】
実施形態によると、本発明の全てのステップは、1つのみのシステムまたは装置で実施することができる。これは、走査、様々な分析、調合の提案、及びテイラーメイドの化粧製品の製造、を実現できる装置を意味する。
【0089】
別の実施形態によると、一方では、化粧製品の製造は、走査、分析、及びステップ1~5による調合の提案ができる装置によって、成すことができる。例えばスマートミラー(
図2a参照)である。他方では、上記の装置を、テイラーメイドの化粧製品を製造するためのデバイスに連結することができる。
【0090】
第7のステップは、化粧製品の適用前後の比較分析から構成される。使用者は、化粧製品を評価し、選択された状態を目的とした活性成分の有効性を測定することができる。
【0091】
図2aは、使用者の顔7を検出するための、本発明による装置5、6を示す。
【0092】
図2aは、テイラーメイドの化粧製品を製造できる、本発明の変形による装置を示す。本発明の変形によると、テイラーメイドの化粧製品(4)の製造は、本発明による基材(2)のセット及び本発明による活性成分(3)のセットを含んだ、テイラーメイドの化粧品調合の製造装置(1)によって実現される。
【国際調査報告】