(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】走査式MEMS片持ち梁のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B81C 1/00 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
B81C1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570537
(86)(22)【出願日】2021-05-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 US2021033798
(87)【国際公開番号】W WO2021237191
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヒックマン, スティーブン アレクサンダー-ボイド
(72)【発明者】
【氏名】マックエイド, サラ コリン
(72)【発明者】
【氏名】ラジブ, アビジット
(72)【発明者】
【氏名】ショーウェンガート, ブライアン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】メルヴィル, チャールズ デイビッド
【テーマコード(参考)】
3C081
【Fターム(参考)】
3C081AA17
3C081BA04
3C081BA06
3C081BA43
3C081BA48
3C081CA02
3C081CA14
3C081CA15
3C081CA29
3C081CA32
3C081DA03
3C081DA04
3C081DA27
3C081DA29
3C081DA30
3C081DA43
3C081EA11
(57)【要約】
デバイス表面と、テーパ状表面と、端部領域とを有する、片持ち梁を加工するための方法は、第1の側と、第1の側と反対の第2の側とを有する、半導体基板を提供するステップと、第2の側の所定の部分をエッチングし、複数の陥凹を第2の側内に形成するステップとを含む。複数の陥凹はそれぞれ、エッチング終端表面を備える。本方法はまた、エッチング終端表面を異方的にエッチングし、片持ち梁のテーパ状表面を形成するステップと、デバイス表面の所定の部分をエッチングし、片持ち梁の端部領域を解放するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片持ち梁を加工するための方法であって、前記方法は、
第1の半導体層と、前記第1の半導体層に結合される第1の誘電層と、前記第1の誘電層に結合される第2の半導体層とを備える半導体基板を提供することと、
前記第1の半導体層に結合される第2の誘電層を形成することと、
前記第2の半導体層に結合される第3の誘電層を形成することと、
前記第2の誘電層に結合される第1の硬質マスク層を形成することであって、前記第1の硬質マスク層は、前記第2の誘電層の第1の表面部分を暴露する開口部の第1のセットを備える、ことと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第2の誘電層をエッチングすることと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第1の半導体層をエッチングすることと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第1の誘電層をエッチングすることと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第2の半導体層をエッチングし、それぞれがテーパ状表面を伴う複数の陥凹を形成することであって、前記複数の陥凹はそれぞれ、第1の領域における第1の深度と、第2の領域における第1の深度を上回る第2の深度とを備える、ことと、
前記第1の硬質マスク層を除去することと、
前記第3の誘電層に結合される第2の硬質マスク層を形成することであって、前記第2の硬質マスク層は、前記第3の誘電層の第2の表面部分を暴露する開口部の第2のセットを備え、前記第3の誘電層の第2の表面部分は、前記複数の陥凹のそれぞれの第2の領域の少なくとも一部と整合される、ことと、
前記第2の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第3の誘電層および前記第2の半導体層をエッチングし、前記複数の陥凹の中に延在させることと、
前記第2の硬質マスク層を除去することと、
前記第3の誘電層を除去することと、
前記第2の誘電層を除去することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の半導体層に結合されるクロム層を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の誘電層を形成することは、低圧化学蒸着(LPCVD)プロセスを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の誘電層をエッチングすることは、反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の半導体層をエッチングすることは、深層RIE(DRIE)プロセスを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の半導体層は、(110)結晶配向によって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の半導体層は、(111)結晶配向によって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の半導体層をエッチングすることは、所定の期間にわたって、水酸化カリウム(KOH)プロセスを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の陥凹のテーパ状表面および前記第2の誘電層に結合される保護誘電層を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記保護誘電層を形成することは、前記第2の半導体層をエッチングすることの後に実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
デバイス表面と、テーパ状表面と、端部領域とを有する片持ち梁を加工するための方法であって、前記方法は、
第1の側と、前記第1の側と反対の第2の側とを有する半導体基板を提供することと、
前記第2の側の所定の部分をエッチングし、複数の陥凹を前記第2の側内に形成することであって、前記複数の陥凹はそれぞれ、エッチング終端表面を備える、ことと、
前記エッチング終端表面を異方的にエッチングし、前記片持ち梁のテーパ状表面を形成することと、
前記デバイス表面の所定の部分をエッチングし、前記片持ち梁の端部領域を解放することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記片持ち梁のテーパ状表面を異方的にエッチングし、前記半導体基板の第1の側と垂直な第1の側方テーパ状表面を形成することをさらに含み、前記第1の側方テーパ状表面は、前記片持ち梁のテーパ状表面のテーパ方向に沿ってテーパ状になる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記片持ち梁のテーパ状表面を異方的にエッチングし、前記半導体基板の第1の側と垂直な第2の側方テーパ状表面を形成することをさらに含み、前記第2の側方テーパ状表面は、前記第1の側方テーパ状表面と反対に形成され、前記第2の側方テーパ状表面は、前記片持ち梁のテーパ状表面のテーパ方向に沿ってテーパ状になる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の側方テーパ状表面のテーパは、前記第2の側方テーパ状表面のテーパより急峻である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の側方テーパ状表面のテーパは、前記第2の側方テーパ状表面のテーパより緩慢である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の側方テーパ状表面のテーパは、前記第2の側方テーパ状表面のテーパと同じである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記半導体基板の第1の側に結合されるクロム層を形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
低圧化学蒸着(LPCVD)プロセスを使用して、前記半導体基板に結合される第2の誘電層を形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の側の所定の部分をエッチングすることは、RIEプロセスを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記エッチング終端表面を異方的にエッチングすることは、水酸化カリウム(KOH)、エチレンジアミンおよびピロカテコール(EDP)、または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)プロセスを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記半導体基板は、(110)結晶配向によって特徴付けられる第1の半導体層と、(111)結晶配向によって特徴付けられる第2の半導体層とを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記半導体基板は、(111)結晶配向によって特徴付けられる第2の半導体層を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記デバイス表面の所定の部分をエッチングすることは、RIEプロセスを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
半導体片持ち梁を加工するための方法であって、前記方法は、
半導体基板を提供することであって、前記半導体基板は、第1の半導体層と、前記第1の半導体層に結合される第1の誘電層と、前記第1の誘電層に結合される第2の半導体層と、前記第2の半導体層に結合される第2の誘電層と、前記第2の誘電層に結合される第3の誘電層とを備える、ことと、
前記第1の半導体層に結合される第4の誘電層を形成することと、
前記第3の誘電層に結合される第5の誘電層を形成することと、
前記第4の誘電層に結合される第1の硬質マスク層を形成することであって、前記第1の硬質マスク層は、前記第4の誘電層の第1の表面部分を暴露する開口部の第1のセットを備える、ことと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第4の誘電層をエッチングすることと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第1の半導体層をエッチングすることと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第1の誘電層をエッチングすることと、
前記第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第2の半導体層をエッチングし、それぞれがテーパ状表面を伴う複数の陥凹を形成することであって、前記複数の陥凹はそれぞれ、第1の領域における第1の深度と、第2の領域における第1の深度を上回る第2の深度とを備える、ことと、
前記第5の誘電層に結合される第2の硬質マスク層を形成することであって、前記第2の硬質マスク層は、前記第5の誘電層の第2の表面部分を暴露する開口部の第2のセットを備え、前記第5の誘電層の第2の表面部分は、前記テーパ状表面の第2の領域の少なくとも一部と整合される、ことと、
前記第2の硬質マスク層をマスクとして使用して、前記第5の誘電層、前記第3の誘電層、および前記第2の半導体層をエッチングし、前記複数の陥凹の中に延在させることと、
前記第2の硬質マスク層を除去することと、
前記第5の誘電層を除去することと、
前記第4の誘電層を除去することと
を含む、方法。
【請求項25】
前記第3の誘電層に結合されるクロム層を形成することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第4の誘電層を形成することは、LPCVDプロセスを使用することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第4の誘電層をエッチングすることは、RIEプロセスを使用することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の半導体層をエッチングすることは、DRIEプロセスを使用することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の半導体層は、(110)結晶配向によって特徴付けられ、前記第2の半導体層は、(111)結晶配向によって特徴付けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の半導体層は、(111)結晶配向によって特徴付けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の半導体層をエッチングすることは、所定の期間にわたって、水酸化カリウム(KOH)プロセスを使用することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記テーパ状表面および前記第4の誘電層に結合される保護誘電層を形成することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記保護誘電層を形成することは、前記第2の半導体層をエッチングすることの後に実施される、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その全内容が、あらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる、2020年5月22日に出願され、「METHOD AND SYSTEM FOR SCANNING MEMS CANTILEVERS」と題された、米国仮特許出願第63/029,258号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、視認者に提示される、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進している。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、視認者の周囲の実際の世界の可視化の拡張として、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する改良された方法およびシステムの必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、概して、走査式微小電気機械システム(MEMS)片持ち梁の加工のための方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、テーパ状外形を伴う、走査式MEMS片持ち梁を加工するための方法およびシステムを提供する。本発明は、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途に適用可能である。
【0005】
本発明の実施形態によると、片持ち梁を加工するための方法が、提供される。本方法は、第1の半導体層と、第1の半導体層に結合される、第1の誘電層と、第1の誘電層に結合される、第2の半導体層とを備える、半導体基板を提供するステップと、第1の半導体層に結合される、第2の誘電層を形成するステップと、第2の半導体層に結合される、第3の誘電層を形成するステップと、第2の誘電層に結合される、第1の硬質マスク層を形成するステップとを含む。第1の硬質マスク層は、第2の誘電層の第1の表面部分を暴露する、開口部の第1のセットを備える。本方法はまた、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第2の誘電層をエッチングするステップと、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第1の半導体層をエッチングするステップと、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第1の誘電層をエッチングするステップとを含む。本方法はさらに、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第2の半導体層をエッチングし、それぞれ、テーパ状表面を伴う、複数の陥凹を形成するステップを含む。複数の陥凹はそれぞれ、第1の領域における第1の深度と、第2の領域における第1の深度を上回る第2の深度とを備える。第1の硬質マスク層は、次いで、除去される。
【0006】
加えて、本方法は、第3の誘電層に結合される、第2の硬質マスク層を形成するステップを含む。第2の硬質マスク層は、第3の誘電層の第2の表面部分を暴露する、開口部の第2のセットを備え、第3の誘電層の第2の表面部分は、複数の陥凹のそれぞれの第2の領域の少なくとも一部と整合される。本方法はまた、第2の硬質マスク層をマスクとして使用して、第3の誘電層および第2の半導体層をエッチングし、複数の陥凹の中に延在させるステップと、第2の硬質マスク層を除去するステップと、第3の誘電層を除去するステップと、第2の誘電層を除去するステップとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記の方法はまた、第2の半導体層に結合される、クロム層を形成するステップを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、第2の誘電層を形成するステップは、低圧化学蒸着(LPCVD)プロセスを使用するステップを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第3の誘電層をエッチングするステップは、反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用するステップを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の半導体層をエッチングするステップは、深層RIE(DRIE)プロセスを使用するステップを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の半導体層は、(110)結晶配向によって特徴付けられる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2の半導体層は、(111)結晶配向によって特徴付けられる。
【0013】
第1の半導体層および第2の半導体層が、異なる結晶配向によって特徴付けられる、いくつかの実施形態では、それらは、別個に形成され、次いで、接合プロセスを使用して、ともに継合される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2の半導体層をエッチングするステップは、所定の期間にわたって、水酸化カリウム(KOH)プロセスを使用するステップを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、複数の陥凹のテーパ状表面および第2の誘電層に結合される、保護誘電層を形成するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、保護誘電層を形成するステップは、第2の半導体層をエッチングするステップ後に実施される。
【0017】
本発明の別の実施形態によると、デバイス表面と、テーパ状表面と、端部領域とを有する、片持ち梁を加工するための方法が、提供される。本方法は、第1の側と、第1の側と反対の第2の側とを有する、半導体基板を提供するステップと、第2の側の所定の部分をエッチングし、複数の陥凹を第2の側内に形成するステップとを含む。複数の陥凹はそれぞれ、エッチング終端表面を備える。本方法はまた、エッチング終端表面を異方的にエッチングし、片持ち梁のテーパ状表面を形成するステップと、デバイス表面の所定の部分をエッチングし、片持ち梁の端部領域を解放するステップとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、片持ち梁のテーパ状表面を異方的にエッチングし、半導体基板の第1の側と垂直な第1の側方テーパ状表面を形成するステップを含み、第1の側方テーパ状表面は、片持ち梁のテーパ状表面のテーパ方向に沿ってテーパ状になる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、片持ち梁のテーパ状表面を異方的にエッチングし、半導体基板の第1の側と垂直な第2の側方テーパ状表面を形成するステップを含み、第2の側方テーパ状表面は、第1の側方テーパ状表面と反対に形成され、第2の側方テーパ状表面は、片持ち梁のテーパ状表面のテーパ方向に沿ってテーパ状になる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の側方テーパ状表面のテーパは、第2の側方テーパ状表面のテーパより急峻である。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の側方テーパ状表面のテーパは、第2の側方テーパ状表面のテーパより緩慢である。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の側方テーパ状表面のテーパは、第2の側方テーパ状表面のテーパと同じである。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、半導体基板の第1の側に結合される、クロム層を形成するステップを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、低圧化学蒸着(LPCVD)プロセスを使用して、半導体基板に結合される、第2の誘電層を形成するステップを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第2の側の所定の部分をエッチングするステップは、RIEプロセスを使用するステップを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、エッチング終端表面を異方的にエッチングするステップは、水酸化カリウム(KOH)、エチレンジアミンおよびピロカテコール(EDP)、または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)プロセスを使用するステップを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、半導体基板は、(110)結晶配向によって特徴付けられる、第1の半導体層と、(111)結晶配向によって特徴付けられる、第2の半導体層とを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、デバイス表面の所定の部分をエッチングするステップは、RIEプロセスを使用するステップを含む。
【0029】
本発明の具体的実施形態によると、半導体片持ち梁を加工するための方法が、提供される。本方法は、半導体基板を提供するステップを含む。半導体基板は、第1の半導体層と、第1の半導体層に結合される、第1の誘電層と、第1の誘電層に結合される、第2の半導体層と、第2の半導体層に結合される、第2の誘電層と、第2の誘電層に結合される、第3の誘電層とを備える。本方法はまた、第1の半導体層に結合される、第4の誘電層を形成するステップと、第3の誘電層に結合される、第5の誘電層を形成するステップと、第4の誘電層に結合される、第1の硬質マスク層を形成するステップとを含む。第1の硬質マスク層は、第4の誘電層の第1の表面部分を暴露する、開口部の第1のセットを備える。
【0030】
本方法はさらに、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第4の誘電層をエッチングするステップと、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第1の半導体層をエッチングするステップと、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第1の誘電層をエッチングするステップとを含む。本方法はまた、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第2の半導体層をエッチングし、それぞれ、テーパ状表面を伴う、複数の陥凹を形成するステップを含む。複数の陥凹はそれぞれ、第1の領域における第1の深度と、第2の領域における第1の深度を上回る第2の深度とを備える。本方法は、第1の硬質マスク層を除去するステップを含む。加えて、本方法は、第5の誘電層に結合される、第2の硬質マスク層を形成するステップを含む。第2の硬質マスク層は、第5の誘電層の第2の表面部分を暴露する、開口部の第2のセットを備え、第5の誘電層の第2の表面部分は、テーパ状表面の第2の領域の少なくとも一部と整合される。さらに、本方法は、第2の硬質マスク層をマスクとして使用して、第5の誘電層、第3の誘電層、および第2の半導体層をエッチングし、複数の陥凹の中に延在させるステップと、第2の硬質マスク層を除去するステップと、第5の誘電層を除去するステップと、第4の誘電層を除去するステップとを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、第3の誘電層に結合される、クロム層を形成するステップを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、第4の誘電層を形成するステップは、LPCVDプロセスを使用するステップを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、第4の誘電層をエッチングするステップは、RIEプロセスを使用するステップを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1の半導体層をエッチングするステップは、DRIEプロセスを使用するステップを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、半導体基板は、(110)結晶配向によって特徴付けられる、第1の半導体層と、(111)結晶配向によって特徴付けられる、第2の半導体層とを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、第2の半導体層をエッチングするステップは、所定の期間にわたって、KOHプロセスを使用するステップを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、テーパ状表面および第4の誘電層に結合される、保護誘電層を形成するステップを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、保護誘電層を形成するステップは、半導体層をエッチング後に実施される。
【0039】
従来の技法に優る多数の利益が、本発明の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、ファイバ走査ディスプレイシステムの中に統合され得る、片持ち梁を加工するために使用され得る、方法およびシステムを提供する。本発明の実施形態によって実装される方法は、片持ち梁に均一品質を提供し得る。本発明の実施形態を用いて加工される片持ち梁は、微調整され得る、テーパ状外形を含み得る。片持ち梁のテーパ状先端のサイズは、加工プロセスの間、微制御され、異なるファイバ走査ディスプレイシステムに適応し得る。
【0040】
本開示のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、以下の文章および添付の図と併せてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、簡略化された側面図である。
【0042】
【
図2A】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2B】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2C】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2D】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2E】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2F】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2G】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2H】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2I】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2J】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【
図2K】
図2A-2Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法の中間段階を図示する、部分断面図である。
【0043】
【
図2L】
図2Lは、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、斜視図である。
【0044】
【0045】
【
図2N】
図2Nは、本発明の実施形態による、別の片持ち梁を図示する、斜視図である。
【0046】
【
図2O】
図2Oは、本発明の別の実施形態による、片持ち梁を図示する、部分底面図である。
【0047】
【
図2P】
図2Pおよび2Qは、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、簡略化された上面図である。
【
図2Q】
図2Pおよび2Qは、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、簡略化された上面図である。
【0048】
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。
【0049】
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、簡略化された側面図である。
【0050】
【
図5A】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5B】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5C】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5D】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5E】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5F】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5G】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5H】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5I】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5J】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【
図5K】
図5A-5Kは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、部分断面図である。
【0051】
【
図5L】
図5Lは、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、斜視図である。
【0052】
【0053】
【
図5N】
図5Nは、本発明の実施形態による、別の片持ち梁を図示する、斜視図である。
【0054】
【
図5O】
図5Oは、本発明の別の実施形態による、片持ち梁を図示する、部分底面図である。
【0055】
【
図5P】
図5Pおよび5Qは、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、簡略化された上面図である。
【
図5Q】
図5Pおよび5Qは、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、簡略化された上面図である。
【0056】
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
詳細な説明
本発明の実施形態は、ファイバ走査ディスプレイシステムのための片持ち梁を加工するための方法およびシステムに関する。いくつかのファイバ走査ディスプレイシステムでは、走査要素の走査先端は、光ファイバの通常断面と比較して、有意に低減された断面を有する。テーパ状走査先端を伴う、片持ち梁は、ファイバ走査ディスプレイシステム内の走査要素として使用されることができる。本発明の実施形態は、半導体基板上に加工される、そのような片持ち梁を提供する。
【0058】
図1は、本発明の実施形態による、片持ち梁100を図示する、簡略化された側面図である。
図1を参照すると、片持ち梁100は、第1の半導体層110と、第1の半導体層110に結合される、第1の誘電層120と、第1の誘電層120に結合される、第2の半導体層130とを含んでもよい。一実施形態では、片持ち梁100は、絶縁体上シリコン(SOI)ウエハを使用して作製されてもよい。この場合、第1の半導体層110は、シリコンを含んでもよく、約300μmの厚さを有することができる。第1の誘電層120は、SiO
2を含む、埋設酸化物(BOX)層であってもよく、約1μmの厚さを有することができる。第2の半導体層130は、シリコンを含む、デバイス層であって、約115μmの厚さを有してもよい。第2の半導体層130は、デバイス表面132を含んでもよく、その中にMEMSデバイスが、加工されることができる、またはそれに対してMEMSデバイスが、取り付けられることができ、テーパ状表面134は、デバイス表面132と反対にある。第2の半導体層130は、実質的に、第1の半導体層110および第1の誘電層120と整合される、基部部分130aと、第1の半導体層110から突出する、片持ち梁部分130bとに分割される。片持ち梁部分130bは、テーパ状表面134と、端部先端136とを含んでもよい。
【0059】
図2A-2Lを参照すると、本発明の実施形態による、片持ち梁200を加工する方法が、説明される。
図2Aは、第1の半導体層110と、第1の半導体層110に結合される、第1の誘電層120と、第1の誘電層120に結合される、第2の半導体層130とを備える、半導体基板(例えば、SOIウエハ)を図示する、部分断面図である。説明を明確にするために、第2の半導体層130が配置される、側は、半導体基板の第1の側として指定され、第1の半導体層110が配置される、側は、半導体基板の第2の側として指定される。一実施形態では、第1の半導体層110は、約300μmの厚さを有する、シリコンを備える。第1の誘電層120は、約1μmの厚さを有する、SiO
2層等の埋設酸化物(BOX)層であってもよい。第2の半導体層130は、約115μmの厚さを有する、単結晶シリコンを備えてもよい。第1の半導体層110、第1の誘電層120、および第2の半導体層130の厚さは、特定の用途の必要に応じて、変動し得ることに留意されたい。一実施形態では、第1の半導体層110は、(100)または(110)結晶配向によって特徴付けられ、第2の半導体層130は、(111)結晶配向によって特徴付けられる。第1の半導体層110および第2の半導体層130が、異なる結晶配向を有する、いくつかの実施形態では、それらは、別個に形成され、次いで、接合プロセスを使用して、ともに継合されてもよい。第2の半導体層130は、デバイス表面132を備え、その中にMEMSデバイスは、加工されてもよい、またはそれに対してMEMSデバイスが、取り付けられてもよい。実施例として、金属層(例えば、クロム)が、デバイス表面132上に堆積されることができる。次いで、リフトオフプロセスが、金属層をパターン化するために実施されてもよい。
【0060】
図2Bを参照すると、第2の誘電層210が、第1の半導体層110上に形成され、第3の誘電層220が、第2の半導体層130上に形成される。一実施形態では、第2の誘電層210および第3の誘電層220は、約0.5~2μmの範囲内の厚さを有する、窒化ケイ素(Si
3N
4)を備えてもよい。一実施形態では、第2の誘電層210および第3の誘電層220は、低圧化学蒸着(LPCVD)プロセスを使用して形成されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、下記により完全に説明されるように、その中でデバイス表面132が片持ち梁のデバイス表面としての役割を果たす、片持ち梁が、形成されてもよい。したがって、第3の誘電層220が、デバイス表面132を後続エッチングプロセスから保護してもよい。いくつかの実施形態では、第2の誘電層210および/または第3の誘電層220は、特定の用途の必要に応じて、利用されなくてもよい。
【0061】
図2Cを参照すると、第1の硬質マスク層230が、第2の誘電層210上に形成される。第1の硬質マスク層230が、開口部の第1のセット232を用いてパターン化され、それを通して第2の誘電層210の第1の表面部分212が、暴露される。
【0062】
図2D-2Fは、半導体基板の第2の側の所定の部分をエッチングし、複数の陥凹を第2の側内に形成する、中間段階を示し、複数の陥凹はそれぞれ、エッチング終端表面を備える。
図2Dを参照すると、エッチングプロセスが、第1の硬質マスク層230をマスクとして使用して、第2の誘電層210上で実施され、複数の陥凹240を形成する。一実施形態では、エッチングプロセスは、RIEプロセスを含んでもよい。
【0063】
図2Eを参照すると、エッチングプロセスが、第1の硬質マスク層230をマスクとして使用して、第1の硬質マスク層230上で実施される。一実施形態では、エッチングプロセスは、陥凹240を第1の半導体層110を通して延在させる、DRIEプロセスを含んでもよい。
【0064】
図2Fを参照すると、エッチングプロセスが、第1の硬質マスク層230をマスクとして使用して、第1の誘電層120上で実施される。一実施形態では、エッチングプロセスは、第1の誘電層120を通して通過する、陥凹240を形成する、RIEプロセスを含み、エッチング終端表面242を形成してもよい。その後、第1の硬質マスク層230は、除去される。
【0065】
図2Gを参照すると、エッチングプロセスが、陥凹240のそれぞれのエッチング終端表面242(
図2Fに示される)上で実施され、テーパ状表面134を第2の半導体層130内に形成する。一実施形態では、第1の半導体層110は、(110)結晶配向によって特徴付けられ、第2の半導体層130は、(111)結晶配向によって特徴付けられる。エッチングプロセスは、KOHベースのエッチングプロセスを含んでもよい。別の実施形態では、エッチングプロセスは、EDPプロセスまたはTMAHプロセスを含んでもよい。一実施形態では、エッチングプロセスは、30分等の所定の期間にわたって実施される。期間は、特定の用途の必要に応じて、第2の半導体層130の厚さおよび採用される特定のエッチングプロセスに従って、変動し得ることに留意されたい。陥凹240のそれぞれでは、テーパ状表面134は、第2の半導体層130の厚さh1が実質的に不変のままである、基部領域137から、第2の半導体層130の厚さh2が10μm等の所定の厚さまで実質的に低減される、端部領域135まで進行する。
【0066】
図2Hを参照すると、保護誘電層250が、テーパ状表面134および第2の誘電層210上に形成される。一実施形態では、保護誘電層250は、約0.5~2μmの範囲内の厚さを有する、SiO
2またはフォトレジスト層を含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態では、保護誘電層250が、テーパ状表面134を後続エッチングプロセスから保護してもよい。いくつかの他の実施形態では、本方法は、特定の用途に応じて、保護誘電層250を形成するプロセスを省略してもよい。
【0067】
図2I-2Jは、半導体基板のデバイス表面の所定の部分をエッチングし、片持ち梁の端部領域135を解放する、中間段階を示す。
図2Iを参照すると、第2の硬質マスク層260が、第3の誘電層220上に形成される。一実施形態では、第2の硬質マスク層260は、パターン化され、開口部の第2のセット262を画定し、それを通して第3の誘電層220の第2の表面部分222が、暴露される。一実施形態では、第2の表面部分222は、エッチングプロセスが片持ち梁の端部領域135を第2の半導体層130の残りから分離することを可能にするように、テーパ状表面134の端部領域135の少なくとも一部と整合される(開口部の第2のセット262によって画定されるように)。一実施形態では、開口部の第2のセット262のサイズは、分離後の端部領域135における厚さh2を10μm等の所定の値にするように決定される。
【0068】
図2Jを参照すると、エッチングプロセスが、第2の硬質マスク層260をマスクとして使用して、第3の誘電層220上で実施される。一実施形態では、エッチングプロセスは、RIEプロセスを含んでもよい。次いで、付加的エッチングプロセスが、第2の硬質マスク層260をマスクとして使用して、第2の半導体層130上で実施される。一実施形態では、付加的エッチングプロセスは、緩衝酸化物エッチング(BOE)プロセスを含んでもよい。付加的エッチングプロセス後、端部先端136が、端部領域135に形成される。一実施形態では、端部先端136の厚さは、10μmであってもよい。
【0069】
図2Kを参照すると、第2の硬質マスク層260、第3の誘電層220、保護誘電層250、および第2の誘電層210が、除去される。
図2Kに示されるように、片持ち梁200は、第1の誘電層120および第1の半導体層110と整合される、基部部分130aと、テーパ状表面134および端部先端136を伴う、片持ち梁部分130bとに分割される。
【0070】
図2Lは、本発明の実施形態による、片持ち梁200を図示する、斜視図である。
図2Lを参照すると、片持ち梁200は、第1の半導体層110と、第1の誘電層120と、デバイス表面132、テーパ状表面134、および端部先端136を備える、第2の半導体層130とを含んでもよい。加えて、第2の半導体層130はさらに、
図2Lを参照して説明されるように、相互に平行である、側方表面134bおよび134cを含んでもよい。
【0071】
図2Mは、
図2Kに示されるように、片持ち梁200の部分底面図である。
図2Mを参照すると、テーパ状表面138a、138b、および138cによって画定されたテーパ状構造は、
図2Gを参照して説明される、KOHエッチングプロセスの結果として、第2の半導体層130内に形成される。テーパ状表面134によって標識される、斜線矩形は、
図2Kに示されるように、片持ち梁部分130bの長さおよび幅を示す。一実施形態では、DRIEプロセス等の付加的異方性エッチングプロセスが、テーパ状表面138a、138b、および138cによって示される、第2の半導体層130の部分を除去し、半導体基板の第1の側と垂直な側方表面134bおよび134cを形成するために実施されてもよい。一実施形態では、側方表面134bおよび134cは、相互に平行である。一実施形態では、通路140aおよび140bが、DRIEプロセス等のエッチングプロセスを使用して形成され、第1の半導体層110と第2の半導体層130との間の経路を提供してもよい。
【0072】
図2Nは、本発明の実施形態による、別の片持ち梁201を図示する、斜視図である。
図2Nに示される片持ち梁201の
図2Lに示されるものとの差異は、片持ち梁部分130b(
図2Kに示される)のために提供される、三重テーパ状表面にある。
図2Nを参照すると、片持ち梁201は、第1の半導体層110と、第1の誘電層120と、デバイス表面132、端部先端136、テーパ状表面134、および側方テーパ状表面134bおよび134cを備える、第2の半導体層130とを含む。三重テーパ状表面134、134b、および134cを伴う、片持ち梁201は、端部先端136のサイズを調節するための柔軟性を提供し得る。下記に議論されるように、縦軸L1を中心とした端部先端136の位置付けは、側方テーパ状表面134bおよび134cのテーパを制御することによって調節されることができる。
【0073】
図2Oは、本発明の別の実施形態による、片持ち梁201を図示する、部分底面図である。
図2Oを参照すると、テーパ状表面138aによって示される第2の半導体層130の部分をエッチングし、側方表面134bおよび134cを形成するとき、片持ち梁部分130bの幅は、基部領域137から端部領域135までテーパ状になり、2つの側方テーパ状表面134bおよび134cを形成する。一実施形態では、テーパ状表面134bおよび134cのテーパは、片持ち梁201の縦軸L1を中心として対称である。別の実施形態では、テーパ状表面134bおよび134cのテーパは、縦軸L1を中心として非対称であってもよい。例えば、テーパ状表面134bのテーパは、テーパ状表面134cのものより急峻であってもよい。別の実施形態では、テーパ状表面134bのテーパは、テーパ状表面134cのものより緩慢であってもよい。テーパ状表面134bおよび/または134cのテーパは、特定の用途の必要に応じて、変動してもよい。
【0074】
図2Pおよび2Qは、本発明の実施形態による、片持ち梁201を図示する、簡略化された上面図である。
図2Pを参照すると、側方テーパ状表面134cのテーパは、側方テーパ状表面134bのものより急峻である。結果として、端部先端136は、端部先端の中心が縦軸L1の左に配置されるような様式で位置付けられる。したがって、
図2Nに示されるように、デバイス表面132に対して法線方向であって、かつ縦軸L1と垂直な方向V1に沿って、端部先端136を視認するとき、端部先端136は、
図2Nにおける縦軸L1の左にオフセットされる。
図2Qを参照すると、側方テーパ状表面134cのテーパは、側方テーパ状表面134bのものより緩慢である。結果として、端部先端136は、右にオフセットされる。したがって、
図2Nに示されるように、デバイス表面132に対して法線方向であって、縦軸L1と垂直な方向V1に沿って、端部先端136を視認するとき、端部先端136は、
図2Nにおける縦軸L1の右にオフセットされる。
【0075】
多数の利益が、単独で、または組み合わせて、三重テーパ状表面134、134b、および134cを制御することによって、端部先端136を調節する柔軟性によって提供され得る。例えば、異なるように構成される端部先端136を伴う、片持ち梁201が、走査式ファイバディスプレイデバイスの異なる光学構造に適応するために使用されてもよい。
【0076】
図3は、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法300を図示する、簡略化されたフローチャートである。
図3を参照すると、方法300は、第1の半導体層と、第1の誘電層と、第2の半導体層とを含む、半導体基板を提供するステップ(302)を含む。図示される実施形態では、半導体基板は、第1の半導体層(例えば、Si)と、第1の半導体層に結合される、第1の誘電層(例えば、SiO
2)と、第1の誘電層に結合される、第2の半導体層(例えば、Si)とを備える、SOI基板を含んでもよい。一実施形態では、第1の半導体層は、約300μmの厚さを有する、Si層を含んでもよく、第1の誘電層は、約1μmの厚さを有する、SiO
2層を含んでもよく、第2の半導体層は、約115μmの厚さを有する、Si層を含んでもよい。
【0077】
方法300はさらに、第1の半導体層に結合される、第2の誘電層を形成し、第2の半導体層に結合される、第3の誘電層を形成するステップ(302)を含んでもよい。一実施形態では、第2の誘電層および第3の誘電層は、後続エッチングプロセスの間、窒化ケイ素(Si3N4)を含み、半導体基板の上側表面および下側表面を保護してもよい。いくつかの実施形態では、方法300は、第2の誘電層を形成するプロセスを省略することができる。
【0078】
方法300はさらに、第2の誘電層に結合される、第1の硬質マスク層を形成するステップ(306)を含んでもよい。第1の硬質マスク層は、第2の誘電層の第1の表面部分を暴露する、開口部の第1のセットを含むことができる。
【0079】
方法300はさらに、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第2の誘電層、第1の半導体層、および第1の誘電層をエッチングするステップ(308)を含む。ある実施形態では、第2の誘電層のエッチングは、反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用してもよい。別の実施形態では、第1の半導体層のエッチングは、深層RIE(DRIE)プロセスを使用してもよく、これは、高度に異方性エッチングを提供し、急峻な側面エッチング陥凹を生産し得る。一実施形態では、第1の誘電層のエッチングは、RIEプロセスを使用してもよい。
【0080】
方法300はさらに、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第2の半導体層をエッチングし、それぞれ、テーパ状表面を伴う、複数の陥凹を形成するステップ(310)を含んでもよい。エッチングプロセスが完了された後、本方法はさらに、第1の硬質マスク層を除去するステップを含んでもよい。複数の陥凹はそれぞれ、第1の領域における第1の深度と、第2の領域における第1の深度を上回る第2の深度とを備える。一実施形態では、第1の半導体層は、(110)結晶配向によって特徴付けられ、第2の半導体層は、(111)結晶配向によって特徴付けられる。第2の半導体層をエッチングするステップは、(100)結晶配向に関して、(111)結晶配向の400倍高いエッチング率選択性を示す、水酸化カリウム(KOH)プロセスを使用してもよい。別の実施形態では、第2の半導体層のエッチングは、エチレンジアミンおよびピロカテコール(EDP)プロセスと、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)プロセスとを利用して、第2の半導体層をエッチングし、テーパ状表面を形成することができる。
【0081】
方法300はさらに、複数の陥凹のテーパ状表面および第2の誘電層に結合される、保護誘電層を形成するステップ(312)を含んでもよい。一実施形態では、保護誘電層は、SiO2またはレジスト材料を含んでもよい。
【0082】
方法300はさらに、第3の誘電層に結合される、第2の硬質マスク層を形成するステップ(314)を含んでもよい。第2の硬質マスク層は、第3の誘電層の第2の表面部分を暴露する、開口部の第2のセットを含むことができる。第3の誘電層の第2の表面部分は、したがって、複数の陥凹のそれぞれの少なくとも一部と整合されることができる。
【0083】
次いで、方法300はさらに、第2の硬質マスク層をマスクとして使用して、第3の誘電層および第2の半導体層をエッチングし、複数の陥凹の中に延在させるステップ(316)を含んでもよい。故に、エッチングされる面積は、硬質マスク内の開口部が陥凹の一部と整合されるため、陥凹の中に延在し得る。その後、方法300は、第2の硬質マスク層、第3の誘電層、および第2の誘電層を除去するステップ(318)を含んでもよい。
【0084】
図3に図示される具体的ステップは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、異なる順序において、上記の概略されたステップを実施してもよい。さらに、
図3に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて、種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0085】
図4は、本発明の実施形態による、片持ち梁を図示する、簡略化された側面図である。
図4を参照すると、片持ち梁400は、第1の半導体層410と、第1の半導体層410に結合される、第1の誘電層420と、第1の誘電層420に結合される、第2の半導体層430と、第2の半導体層430に結合される、第2の誘電層440と、第2の誘電層440に結合される、第3の誘電層450とを含んでもよい。一実施形態では、片持ち梁400は、絶縁体上シリコン上シリコン(SO-SOI)ウエハ等の半導体基板を使用して作製されてもよい。この場合、第1の半導体層410は、シリコンを含んでもよく、約400μmの厚さを有することができる。第1の誘電層120は、SiO
2を含む、埋設酸化物(BOX)層であってもよく、約1μmの厚さを有することができる。第2の半導体層130は、シリコンを含む、第1のデバイス層であってもよく、約105μmの厚さを有することができる。第2の誘電層440は、SiO
2を含む、別のBOX層であってもよく、1μmの厚さを有することができる。第3の誘電層450は、シリコンを含む、第2のデバイス層であってもよく、10μmの厚さを有することができる。第3の誘電層450は、デバイス表面452を含んでもよく、その中にMEMSデバイスが、加工されてもよい、またはそれに対してMEMSデバイスが、取り付けられてもよい。第2の半導体層430、第2の誘電層440、および第3の誘電層450は、基部部分430aと、片持ち梁部分430bとに水平に分割される。第2の半導体層430の片持ち梁部分430bは、テーパ状表面434と、端部先端436とを含んでもよい。
【0086】
図5A-5Kを参照すると、本発明の実施形態による、片持ち梁500を加工する方法が、説明される。
図5Aは、第1の半導体層510と、第1の半導体層510に結合される、第1の誘電層520と、第1の誘電層520に結合される、第2の半導体層530と、第2の半導体層530に結合される、第2の誘電層540と、第2の誘電層540に結合される、第3の誘電層550とを備える、半導体基板(例えば、SO-SOIウエハ)を図示する、部分断面図である。説明を明確にするために、第3の誘電層550が配置される、側は、半導体基板の第1の側として指定される。第1の半導体層510が配置される、側は、半導体基板の第2の側として指定される。一実施形態では、第1の半導体層510は、約400μmの厚さを有する、シリコンを含んでもよい。第2の半導体層520は、SiO
2層等のBOX層であってもよく、約1μmの厚さを有してもよい。第2の半導体層530は、単結晶シリコンを含む、第1のデバイス層であってもよく、約105μmの厚さを有してもよい。第2の誘電層540は、SiO
2層等、約1μmの厚さを有する、別のBOX層であってもよい。第3の誘電層550は、単結晶シリコンを含む、第2のデバイス層であってもよく、約10μmの厚さを有してもよい。第1の半導体層510と、第1の誘電層520と、第2の半導体層530と、第2の誘電層540と、第3の誘電層550とを含む、個別の半導体層の厚さは、特定の用途の必要に応じて、変動し得ることに留意されたい。一実施形態では、第1の半導体層510は、(100)または(110)結晶配向によって特徴付けられ、第2の半導体層530は、(111)結晶配向によって特徴付けられ、第3の誘電層550は、(100)結晶配向によって特徴付けられる。第3の誘電層550は、デバイス表面552を含んでもよく、その中にMEMSデバイスが、加工されてもよい、またはそれに対してMEMSデバイスが、取り付けられてもよい。実施例として、金属層(例えば、クロム)が、デバイス表面552上に堆積されることができる。次いで、リフトオフプロセスが、金属層をパターン化するために実施されてもよい。
【0087】
図5Bを参照すると、第4の誘電層560が、第1の半導体層510上に形成され、第5の誘電層570が、第3の誘電層550上に形成される。一実施形態では、第4の誘電層560および第5の誘電層570は、約0.5~2μmの範囲内の厚さを有する、窒化ケイ素(Si
3N
4)を含んでもよい。一実施形態では、第4の誘電層560および第5の誘電層570は、LPCVDプロセスを使用して形成されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、下記により完全に説明されるように、その中でデバイス表面552が片持ち梁のデバイス層としての役割を果たす、片持ち梁が、形成されてもよい。したがって、第5の誘電層570は、後続エッチングプロセスの間、デバイス表面552を保護してもよい。いくつかの実施形態では、第4の誘電層560および/または第5の誘電層570は、特定の用途の必要に応じて、利用されなくてもよい。
【0088】
図5Cを参照すると、第1の硬質マスク層580が、第4の誘電層560上に形成される。第1の硬質マスク層580は、開口部の第1のセット582を用いてパターン化され、それを通して第4の誘電層560の第1の表面部分562が、暴露される。
【0089】
図5D-5Fは、半導体基板の第2の側の所定の部分をエッチングし、複数の陥凹を第2の側内に形成する、中間段階を示し、複数の陥凹はそれぞれ、エッチング終端表面を含んでもよい。
図5Dを参照すると、エッチングプロセスが、第1の硬質マスク層580をマスクとして使用して、第4の誘電層560上で実施され、複数の陥凹512を形成する。一実施形態では、エッチングプロセスは、RIEプロセスを含んでもよい。
【0090】
図5Eを参照すると、エッチングプロセスが、第1の硬質マスク層580をマスクとして使用して、第1の半導体層510上で実施される。一実施形態では、エッチングプロセスは、陥凹512を第1の半導体層510を通して延在させる、DRIEプロセスを含んでもよい。
【0091】
図5Fを参照すると、エッチングプロセスが、第1の硬質マスク層580をマスクとして使用して、第1の誘電層520上で実施される。一実施形態では、エッチングプロセスは、第1の誘電層520を通して通過する、陥凹512を形成する、RIEプロセスを含み、エッチング終端表面514を形成してもよい。その後、第1の硬質マスク層580は、除去される。
【0092】
図5Gを参照すると、エッチングプロセスが、第2の半導体層530上で実施され、テーパ状表面534を陥凹512のそれぞれ内に形成する。一実施形態では、第1の半導体層510は、(110)結晶配向によって特徴付けられ、第2の半導体層530は、(111)結晶配向によって特徴付けられる。エッチングプロセスは、KOHベースのエッチングプロセス、EDPプロセス、またはTMAHプロセスを含んでもよい。一実施形態では、エッチングプロセスは、30分等の所定の期間にわたって実施される。期間は、特定の用途の必要に応じて、第2の半導体層530の厚さおよび採用される特定のエッチングプロセスに従って、変動し得ることに留意されたい。陥凹512のそれぞれでは、テーパ状表面534は、第2の半導体層530の厚さh1が実質的に不変のままである、基部領域537から、第2の半導体層530の厚さh2が10μm等の所定の厚さまで実質的に低減される、端部領域535まで進行する。
【0093】
図2Hを参照すると、保護誘電層526が、テーパ状表面534および第4の誘電層560上に形成される。一実施形態では、保護誘電層526は、約0.5~2μmの範囲内の厚さを有する、SiO
2またはフォトレジスト層を含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態では、保護誘電層526は、テーパ状表面534を後続エッチングプロセスから保護してもよい。いくつかの他の実施形態では、本方法は、特定の用途に応じて、保護誘電層526を形成するプロセスを省略してもよい。
【0094】
図5I-5Jは、半導体基板のデバイス表面の所定の部分をエッチングし、片持ち梁の端部領域535を解放する、中間段階を示す。
図5Iを参照すると、第2の硬質マスク層590が、第5の誘電層570上に形成される。一実施形態では、第2の硬質マスク層590は、パターン化され、開口部の第2のセット592を画定し、それを通して第5の誘電層570の第2の表面部分572が、暴露される。一実施形態では、第2の表面部分572は、エッチングプロセスが、片持ち梁の端部領域535を第2の半導体層530の残りから分離することを可能にするように、テーパ状表面534の端部領域535の少なくとも一部と整合される(開口部の第2のセット592によって画定されるように)。一実施形態では、開口部の第3のセット592のサイズは、分離後の端部領域535における厚さh2を10μm等の所定の値にするように決定される。
【0095】
図5Jを参照すると、エッチングプロセスが、第2の硬質マスク層590をマスクとして使用して、第5の誘電層570上で実施される。一実施形態では、エッチングプロセスは、RIEプロセスを含んでもよい。次いで、付加的エッチングプロセスが、第2の硬質マスク層590をマスクとして使用して、第3の誘電層550、第2の誘電層540、および第2の半導体層530上で実施される。一実施形態では、付加的エッチングプロセスは、BOEプロセスを含んでもよい。付加的エッチングプロセス後、端部先端536が、端部領域535に形成される。一実施形態では、端部先端536の厚さは、10μmであってもよい。
【0096】
図5Kを参照すると、第2の硬質マスク層590、第5の誘電層570、保護誘電層526、および第4の誘電層560は、除去される。
図5Kに示されるように、片持ち梁500は、基部部分530aと、片持ち梁部分530bとに分割される。一実施形態では、第1の半導体層510および第1の誘電層520は、基部部分530aのみを含んでもよい一方、第2の半導体層530、第2の誘電層540、および第3の誘電層550は、基部部分530aおよび片持ち梁部分530bの両方を含んでもよい。一実施形態では、第2の半導体層530の片持ち梁部分530bは、テーパ状表面534と、端部先端536とを含み、第2の誘電層540の片持ち梁部分530bは、端部表面546を含み、第3の誘電層550の片持ち梁部分530bは、端部表面556を含む。いくつかの実施形態では、端部先端536、端部表面546、および端部表面556は、組み合わせて構成され、走査式ファイバディスプレイデバイスの発光先端として機能してもよい。いくつかの他の実施形態では、端部先端536のみが、走査式ファイバディスプレイデバイスの発光先端として使用されることが可能である。
【0097】
図5Lは、本発明の実施形態による、片持ち梁500を図示する、斜視図である。
図5Lを参照すると、片持ち梁500は、第1の半導体層510と、第1の誘電層520と、第2の半導体層530と、第2の誘電層540と、第3の誘電層550とを含んでもよい。第2の半導体層530は、テーパ状表面534と、端部先端536とを含む。第2の誘電層540は、端部表面546を含む。第3の誘電層550は、デバイス表面552と、端部表面556とを含む。加えて、第2の半導体層530、第2の誘電層540、および第3の誘電層550は、下記に説明されるように、相互に平行である、側方表面534bおよび534cを含んでもよい。
【0098】
図5Mは、
図5Kに示されるような片持ち梁500の部分底面図である。
図5Mを参照すると、テーパ状表面538a、538b、および538cによって画定されたテーパ状構造は、
図5Gを参照して説明される、KOHエッチングプロセスの結果として、第2の半導体層530内に形成される。テーパ状表面534によって標識される、斜線矩形は、
図5Lに示されるように、片持ち梁部分530bの長さおよび幅を示す。一実施形態では、DRIEプロセス等の付加的異方性エッチングプロセスが、テーパ状表面538a、538b、および538cによって示される、第2の半導体層530、第2の誘電層540、および第3の誘電層550の部分を除去し、半導体基板の第1の側と垂直な側方表面534bおよび534cを形成するために実施されてもよい。一実施形態では、側方表面534bおよび534cは、相互に平行である。一実施形態では、通路539aおよび539bが、DRIEプロセス等のエッチングプロセスを使用して形成され、第1の半導体層510、第2の半導体層530、および第3の誘電層550の中への経路を提供してもよい。
【0099】
図5Nは、本発明の別の実施形態による、別の片持ち梁501を図示する、斜視図である。
図5Nを参照すると、片持ち梁501は、第1の半導体層510と、第1の誘電層520と、第2の半導体層530と、第2の誘電層540と、第3の誘電層550とを含む。第2の半導体層530は、テーパ状表面534と、端部先端536とを含む。第2の誘電層540は、端部表面546を含み、第3の誘電層550は、端部表面556を含む。第2の半導体層530、第2の誘電層540、および第3の誘電層550は、側方テーパ状表面534bおよび534cを片持ち梁部分530bに含む。三重テーパ状表面534、534b、および534cを伴う、片持ち梁501は、端部先端536、端部表面546、および端部表面556のサイズを調節するための柔軟性を提供し得る。下記に議論されるように、縦軸L1を中心とした端部先端536、端部表面546、および端部表面556の位置付けは、側方テーパ状表面534bおよび534cのテーパを制御することによって調節されることができる。
【0100】
図5Oは、本発明の別の実施形態による、片持ち梁501を図示する、部分底面図である。
図5Oに示される片持ち梁501の
図5Mに示されるものとの差異は、片持ち梁部分530b(
図5Nに示される)のために提供される三重テーパ状表面にある。
図5Oを参照すると、テーパ状表面538aによって示される、第2の半導体層530、第2の誘電層540、および第3の誘電層550の部分をエッチングするとき、片持ち梁部分530bの幅は、基部領域537から端部領域535までテーパ状になり、2つの側方テーパ状表面534bおよび534cを形成する。一実施形態では、テーパ状表面534bおよび534cのテーパは、片持ち梁501の縦軸L1を中心として対称である。別の実施形態では、テーパ状表面534bおよび534cのテーパは、縦軸L1を中心として非対称であってもよい。例えば、テーパ状表面534bのテーパは、テーパ状表面534cのものより急峻であってもよい。別の実施形態では、テーパ状表面534bのテーパは、テーパ状表面534cのものより緩慢であってもよい。テーパ状表面534bおよび534cのテーパは、特定の用途の必要に応じて、変動してもよい。
【0101】
図5Pおよび5Qは、本発明の実施形態による、片持ち梁501を図示する、簡略化された上面図である。
図5Pを参照すると、側方テーパ状表面534cのテーパは、側方テーパ状表面534bのものより急峻である。結果として、端部先端536、端部表面546(図示せず)、および端部表面556(図示せず)は、端部先端の中心が縦軸L1の左に配置されるような様式で位置付けられる。したがって、
図5Nに示されるように、デバイス表面552に対して法線方向であって、縦軸L1と垂直な方向V1に沿って、端部先端536を視認するとき、端部先端536、端部表面546、および端部表面556は、
図5Nにおける縦軸L1の左にオフセットされてもよい。
図5Qを参照すると、側方テーパ状表面534cのテーパは、側方テーパ状表面534bのものより緩慢である。したがって、
図5Nに示されるように、デバイス表面552に対して法線方向であって、縦軸L1に対して垂直の方向V1に沿って、端部先端536を視認するとき、端部先端536、端部表面546、および端部表面556は、
図5Nにおける縦軸L1の右にオフセットされてもよい。
【0102】
多数の利益が、単独で、または組み合わせて、三重テーパ状表面534、534b、および534cを制御することによって、端部先端536、端部表面546、および端部表面556を調節する柔軟性によって提供され得る。例えば、異なるように構成される端部先端536、端部表面546、および端部表面556を伴う、片持ち梁501が、走査式ファイバディスプレイデバイスの異なる光学構造に適応するために使用されてもよい。
【0103】
図6は、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する方法600を図示する、簡略化されたフローチャートである。
図6を参照すると、方法600は、第1の半導体層と、第1の誘電層と、第2の半導体層と、第2の誘電層と、第3の誘電層とを含む、半導体基板を提供するステップ(602)を含む。図示される実施形態では、半導体基板は、第1の半導体層(例えば、Si)と、第1の半導体層に結合される、第1の誘電層(例えば、SiO
2)と、第1の誘電層に結合される、第2の半導体層(例えば、Si)と、第2の半導体層に結合される、第2の誘電層(例えば、SiO
2)と、第2の誘電層に結合される、第3の誘電層(例えば、Si)とを備える、SO-SOI基板を含んでもよい。一実施形態では、第1の半導体層は、約400μmの厚さを有する、Si層を含んでもよく、第1の誘電層は、約1μmの厚さを有する、SiO
2層を含んでもよく、第2の半導体層は、約105μmの厚さを有する、Si層を含んでもよく、第2の誘電層は、約1μmの厚さを有する、SiO
2層を含んでもよく、第3の誘電層は、約10μmの厚さを有する、Si層を含んでもよい。
【0104】
方法600はさらに、第1の半導体層に結合される、第4の誘電層を形成し、第3の誘電層に結合される、第5の誘電層を形成するステップ(604)を含んでもよい。一実施形態では、第4の誘電層および第5の誘電層は、Si3N4を含み、後続エッチングプロセスの間、半導体基板の下側表面および上側表面を保護してもよい。いくつかの実施形態では、方法600は、第4の誘電層を形成するプロセスを省略することができる。
【0105】
方法600はさらに、第4の誘電層に結合される、第1の硬質マスク層を形成するステップ(606)を含んでもよい。第1の硬質マスク層は、第4の誘電層の第1の表面部分を暴露する、開口部の第1のセットを含むことができる。
【0106】
方法600はさらに、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第4の誘電層、第1の半導体層、および第1の誘電層をエッチングするステップ(608)を含んでもよい。ある実施形態では、第4の誘電層のエッチングは、RIEプロセスを使用してもよい。別の実施形態では、第1の半導体層のエッチングは、DRIEプロセスを使用してもよい。一実施形態では、第1の誘電層のエッチングは、RIEプロセスを使用してもよい。
【0107】
方法600はさらに、第1の硬質マスク層をマスクとして使用して、第2の半導体層をエッチングし、それぞれ、テーパ状表面を伴う、複数の陥凹を形成するステップ(610)を含んでもよい。複数の陥凹はそれぞれ、第1の領域における第1の深度と、第2の領域における第1の深度を上回る第2の深度とを含んでもよい。エッチングプロセスが完了された後、本方法はさらに、第1の硬質マスク層を除去するステップを含んでもよい。一実施形態では、第1の半導体層は、(110)結晶配向によって特徴付けられ、第2の半導体層は、(111)結晶配向によって特徴付けられる。第2の半導体層をエッチングするステップは、KOHベースのプロセスを使用してもよい。別の実施形態では、第2の半導体層のエッチングは、EDPプロセスおよびTMAHプロセスを利用して、第2の半導体層をエッチングし、テーパ状表面を形成してもよい。
【0108】
方法600はさらに、複数の陥凹のテーパ状表面および第4の誘電層に結合される、保護誘電層を形成するステップ(612)を含んでもよい。一実施形態では、保護誘電層は、SiO2またはレジスト材料を含んでもよい。
【0109】
方法600はさらに、第5の誘電層に結合される、第2の硬質マスク層を形成するステップ(614)を含んでもよい。第2の硬質マスク層は、第5の誘電層の第2の表面部分を暴露する、開口部の第2のセットを含むことができる。第5の誘電層の第2の表面部分は、したがって、複数の陥凹のそれぞれの第2の領域の少なくとも一部と整合されることができる。
【0110】
次いで、本方法はさらに、第2の硬質マスク層をマスクとして使用して、第5の誘電層、第3の誘電層、および第2の半導体層をエッチングし、複数の陥凹の中に延在させるステップ(616)を含んでもよい。その後、本方法は、第2の硬質マスク層、第5の誘電層、および第4の誘電層を除去するステップ(618)を含んでもよい。
【0111】
図6に図示される具体的ステップは、本発明の実施形態による、片持ち梁を加工する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、異なる順序において、上記の概略されたステップを実施してもよい。さらに、
図6に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて、種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0112】
本発明の実施形態は、付随の図面を参照して本明細書に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明が、徹底的かつ完全であり、可能性として考えられる実施形態の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。特徴は、正確な縮尺で描かれない場合があり、一部の詳細は、明確にするために、他の要素に対して誇張される場合がある。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0113】
図面は、正確な縮尺で描かれておらず、類似参照番号は、類似要素を表すために使用されることを理解されたい。本明細書で使用されるように、用語「例示的実施形態」、「例示的実施形態」、および「本実施形態」は、必ずしも、単一実施形態を指すわけではなく、種々の例示的実施形態は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、容易に組み合わせられ、入れ替えられてもよい。
【0114】
さらに、本明細書で使用されるような専門用語は、例示的実施形態を説明する目的のためのみのものであって、本発明の限定であることを意図するものではない。本点において、本明細書で使用されるように、用語「in(~内)」は、「in(~内)」および「on(~上)」を含んでもよく、用語「a」、「an」、および「the」は、単数形および複数の参照を含んでもよい。さらに、本明細書で使用されるように、用語「by(~によって)」はまた、文脈に応じて、「from(~から)」を意味し得る。さらに、本明細書で使用されるように、用語「if(~場合)」はまた、文脈に応じて、「when(~とき)」または「upon(~に応じて)」を意味し得る。さらに、本明細書で使用されるように、単語「and/or(および/または)」は、関連付けられる列挙されたアイテムのうちの1つまたはそれを上回るものの任意の可能性として考えられる組み合わせを指し、かつそれを包含し得る。
【0115】
用語「第1」、「第2」、「第3」等は、本明細書では、種々の要素、コンポーネント、領域、層、および/または区分を説明するために使用され得るが、これらの要素、コンポーネント、領域、層、および/または区分は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、領域、層、または区分を別の領域、層、または区分から区別するためにのみ使用される。したがって、下記に議論される第1の要素、コンポーネント、領域、層、または区分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層、または区分と称され得る。
【0116】
本願で使用されるような用語「水平」は、ウエハまたは基板の配向にかかわらず、ウエハまたは基板の従来の平面または表面と平行な平面として定義される。用語「垂直」は、上記で定義されたような水平と垂直な方向を指す。「on(~の上)」、「side(~の側)」(「側壁」におけるように)、「below(~の下方)」、「above(~の上方)」、「higher(~より高い)」、「lower(~より低い)」、「over(~にわたって)」、および「under(~の下)」等の前置詞は、ウエハまたは基板の配向にかかわらず、従来の平面または表面に対して、ウエハまたは基板の上部表面上にあるものと定義される。これらの用語は、図に描写される配向に加え、デバイスの異なる配向を包含するように意図されることを理解されたい。
【0117】
添付の請求項は、図面に図示される精密な構成に限定されないことを理解されたい。当業者は、種々の修正、代替、および変形例が、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の方法およびデバイスの配列およびステップにおいて行われてもよいことを認識するであろう。
【国際調査報告】