(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】RON変異が関与する膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5355 20060101AFI20230614BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/4365 20060101ALI20230614BHJP
A61K 31/4355 20060101ALI20230614BHJP
C12Q 1/6827 20180101ALI20230614BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20230614BHJP
C07K 14/715 20060101ALN20230614BHJP
【FI】
A61K31/5355
A61P35/00 ZNA
A61K31/4365
A61K31/4355
C12Q1/6827 Z
C12N15/12
C07K14/715
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570557
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 KR2021006183
(87)【国際公開番号】W WO2021235813
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0059150
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522466625
【氏名又は名称】ウェルマーカー バイオ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WELLMARKERBIO CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リュ, ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ジュン‐イ
(72)【発明者】
【氏名】コ, ヨン‐オク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ダ‐ウン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミン‐ファ
(72)【発明者】
【氏名】コ, ウン‐ヒ
【テーマコード(参考)】
4B063
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4B063QA13
4B063QA17
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR62
4B063QR72
4B063QR77
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX01
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086CB29
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA51
4H045EA50
(57)【要約】
本発明は、RON変異が関与する膵臓がんの予防又は処置用医薬組成物及びそれを用いる方法に関する。本発明によるがんの予防又は処置用医薬組成物は、RON変異が存在する膵臓がんの患者に適用することができる。特に、本発明は、従来の抗がん剤治療に用いられるセツキシマブに対して耐性を有し、RON△155、RON△160又はRON△165変異を有する膵臓がんの患者に対する精密医療として有用に使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1若しくは式2で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含む、膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物。
【化1】
(式1中、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1-10アルコキシ又はハロC
1-10アルキルであり;
Xは、-C(-R
3)=又は-N=であり;
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1-10アルキル、又はC
1-10アルコキシであり;
R
5は、H、ハロゲン、又はC
1-10アルキルであり;
R
6及びR
7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、4~10員複素環を形成するか、又はR
6は-C
2H
4-O-CH
3であり、R
7はH、メチル又はt-ブトキシカルボニルであり;
前記複素環は、R
6及びR
7が結合しているN原子に加えて、N、O及びSからなる群から選択される1又は2個のヘテロ原子をさらに有するか若しくは有さず、また、前記複素環は、置換されていないか、又はハロゲン及びC
1-6アルキルから選択される少なくとも1つで置換されている。)
【化2】
(式2中、
Lは、-NH-又は-CH
2-であり、
R
1~R
4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
3-7シクロアルキル、C
6-10アリール、5~9員ヘテロアリール又は3~9員ヘテロシクロアルキルであり、
Xは、O、S、-CH(-Rx)-又は-N(-Rx)-であり、
Rxは、水素、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
6-10アリール、C
6-10アリール-C
1-4アルキル、又は3~9員ヘテロシクロアルキルであり、
Yは、-N=又は-CH=であり、
R
5及びR
6は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロゲン、シアノ、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、アミノ-C
1-6アルコキシ、アミノカルボニル、C
1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C
1-6アルキルカルボニルアミノ、C
1-6アルキルカルボニルアミノ、C
1-6アルキルアミノ、又はC
1-6アルキル-アミノ-C
1-6アルコキシであり、
R
5及びR
6は、それぞれ独立して、置換されていないか、又は3~9員シクロアルキル;若しくは3~9員ヘテロシクロアルキルで置換されており、
前記シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C
1-6アルキル、アミノ、ジ-C
1-6アルキルアミノ、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
1-6アルコキシ-C
1-6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有するか又は有さず、
前記ヘテロシクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含む。)
【請求項2】
式1で表される化合物が、
4-エトキシ-N-[3-フルオロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;及び
4-エトキシ-N-{3-フルオロ-4-[(2-{5-[(-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ]フェニル}-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド
からなる群から選択される化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
式2で表される化合物が、
N-(3-フルオロ-4-((6-メトキシ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル)オキシ)フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;又は
N-(4-((7-(3-(3-シアノアゼチジン-1-イル)プロポキシ)-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ)-3-フルオロフェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド
である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記膵臓がんが、RON(Recepteur d’origine nantais)変異が存在するものである、請求項1に記載の膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物。
【請求項5】
前記膵臓がんが、EGFR標的治療薬に対して耐性を有する、請求項1に記載の膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物。
【請求項6】
前記RON変異が、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、又はエクソン11が欠失したRON△165である、請求項4に記載の膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物。
【請求項7】
前記EGFR標的治療薬が、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アパチニブ、イコチニブ、ブリガチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、AEE788、XL647、ザクチマ又はパニツムマブである、請求項5に記載の膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物。
【請求項8】
膵臓がんに罹患している対象に由来する生体サンプル中のRONの変異を検出するステップであって、前記RON変異が、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、又はエクソン11が欠失したRON△165である、ステップと、
RONの前記変異が検出された対象に、請求項1に記載の医薬組成物を投与するステップと
を含む、膵臓がんの予防又は治療方法。
【請求項9】
膵臓がんに罹患している対象に由来する生体サンプル中のRONの変異を検出するステップであって、前記RON変異が、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、又はエクソン11が欠失したRON△165である、ステップと、
RONの前記変異が検出された対象に対して、請求項1に記載の医薬組成物が膵臓がんの予防又は治療に適している旨の情報を提供するステップと
を含む、抗がん剤治療薬に関する情報を提供する方法。
【請求項10】
膵臓がんの予防又は治療のための、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RON変異が関与する膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物、並びにそれを用いた膵臓がんの予防又は治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膵臓がんは、膵臓に発生するがん細胞である。膵臓に発生する腫瘍は、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌細胞由来の腫瘍(5~10%)、及び消化酵素の分泌に関連する外分泌細胞由来の腫瘍(90%以上)に大きく分けられる。内分泌細胞由来の機能性腫瘍は極めて稀であり、内分泌細胞から発生する腺癌は一般に膵臓がんと呼ばれている。膵臓がんは、主に男性、及び50歳以上の高齢者に発生する。70歳以上の高齢者では、年間約1,000人に1人の割合で発生する。
【0003】
膵臓がんの危険因子としては、喫煙(30%)、高カロリー食(20%)、慢性膵炎(4%)、遺伝的要因(10%)等が挙げられる。残りの36%はまだ原因を追究できていないと報告されている。膵臓がんは初期症状がないため、早期発見率は非常に低く、10%未満である。膵臓がんの最も一般的な症状は腹痛であり、次いで黄疸、食欲減退、体重減少等である。
【0004】
遺伝的要因としては、KRAS(V-Ki-ras2カーステン・ラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ)と呼ばれる遺伝子の異常が特に注目されている。この遺伝子の修飾は膵臓がんの90%以上で認められており、環境要因の中では喫煙が発癌に大きな影響を与えることが知られている。特に、肉類の摂取及び食品の脂肪含量が膵臓がんの発生と相関関係を有するという報告があるが、明確に証明されてはいない。果物、野菜、食物繊維、ビタミンC等が膵臓がんの予防に効果があるという報告があるが、明確に証明されてはいない。膵臓の生存率は10%未満であり、早期診断が困難であり、再発率が70~80%を超えるため、このための治療薬剤開発の重要性が高まっている。
【0005】
一方、セツキシマブは、上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とするモノクローナル抗体である。この抗体は、細胞表面のEGFRに特異的に結合し、がん細胞の増殖を抑制する。特に、転移性非小細胞肺がん、転移性小細胞肺がん、転移性大腸がんのがん細胞ではEGFRが過剰発現しているため、セツキシマブは主に本疾患の治療に使用される。
【0006】
しかし、セツキシマブは、抗がん剤に耐性を有する患者には使用できない。セツキシマブに対する耐性には、いくつかの原因がある。代表的なものとして、EGFR標的治療薬に対する耐性は、RON(Recepteur d’origine nantais)変異が関与することによって特徴づけることができる。RONが活性か否かは、腫瘍の発生、進行、及び転移に重要な役割を果たす。特に、膵臓がん、肺がん、大腸がん、乳がんでは、過剰発現又は過剰活性化により腫瘍の浸潤及び転移を誘発し、細胞死の抑制に寄与することが報告されている。RONの異常な活性を特異的に阻害し得る物質は、RONが関与する様々な疾患、特に膵臓がん等の腫瘍を効果的に治療することができる。
【0007】
RON(Recepteur d’origine nantais)はc-METファミリーに属するタンパク質受容体であり、肝臓により分泌され、マクロファージの作用を調節する血清タンパク質(マクロファージ刺激タンパク質;MSP)の受容体である。セツキシマブ等の抗がん剤治療の効果を判定するために、RONに変異があるとがん患者の薬剤に対する反応性及び生存期間が著しく向上することが知られており、非常に重要であると考えられている。
【0008】
したがって、がんを効果的に治療するために、従来の抗がん剤に耐性であるRON変異を含むがんに適用できる新規の抗がん剤が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、RON変異を有する膵臓がんを予防又は治療することができる化合物又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含む、膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物、並びにそれを用いた膵臓がんの予防又は治療方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一態様では、式1若しくは式2で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含む、膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物が提供される。
【0011】
【0012】
本発明の別の態様では、膵臓がんに罹患している対象に由来する生体サンプル中のRONの変異を検出するステップであって、RON変異が、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、又はエクソン11が欠失したRON△165である、ステップと、RONの変異が検出された対象に、請求項1に記載の医薬組成物を投与するステップとを含む、膵臓がんの予防又は治療方法が提供される。
【0013】
本発明の別の態様では、膵臓がんに罹患している対象に由来する生体サンプル中のRONの変異を検出するステップであって、RON変異が、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、又はエクソン11が欠失したRON△165である、ステップと、RONの変異が検出された対象に対して、請求項1に記載の医薬組成物が膵臓がんの予防又は治療に適している旨の情報を提供するステップとを含む、抗がん剤治療薬に関する情報を提供する方法が提供される。
【0014】
本発明の別の態様では、膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物の使用が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるがんの予防又は治療用医薬組成物は、RON変異が存在する膵臓がんの患者に適用することができる。特に、医薬組成物は、従来の抗がん剤治療に使用されるセツキシマブに対して耐性を有し、RON△155、RON△160又はRON△165変異を有する膵臓がんの患者の治療において有用に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】
図1Aは、それぞれ1μM及び5μMの濃度の実施例1(WM-S1-030)~5及び陽性対照1(BMS-777607)の化合物で処理した、変異RON△155型の膵臓がん細胞株であるPanc-1細胞株及びCapan-1細胞株、並びに変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2細胞株に関して、殺細胞効果を比較及び確認することにより得られた結果を示す。
【
図1B】
図1Bは、それぞれ1μM及び5μMの濃度の実施例1(WM-S1-030)~5及び陽性対照1(BMS-777607)の化合物で処理した、変異RON△155型の膵臓がん細胞株であるPanc-1細胞株及びCapan-1細胞株、並びに変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2細胞株に関して、殺細胞効果を比較及び確認することにより得られた結果を示す。
【
図1C】
図1Cは、それぞれ1μM及び5μMの濃度の実施例1(WM-S1-030)~5及び陽性対照1(BMS-777607)の化合物で処理した、変異RON△155型の膵臓がん細胞株であるPanc-1細胞株及びCapan-1細胞株、並びに変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2細胞株に関して、殺細胞効果を比較及び確認することにより得られた結果を示す。
【
図2】
図2は、実施例1(WM-S1-030)を30mpkの用量で、陽性対照1(BMS-777607)を30mpkの用量で投与した、変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2細胞株を移植したモデルマウスに関して、腫瘍増殖速度を確認することにより得られた結果を示す。
【
図3】
図3は、実施例1(WM-S1-030)を10mpk又は30mpkの用量、陽性対照(BMS-777607)を30mpkの用量で投与した、変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2細胞株を移植したマウスモデルに関して、腫瘍組織の免疫化学染色により得られた結果を示す。
【
図4】
図4は、8種類の膵臓がん細胞株におけるRON変異の配列の解析により得られた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0018】
本発明の一態様では、式1若しくは式2で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含む、膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物が提供される。
【0019】
この場合には、膵臓がんは、RON(Recepteur d’origine nantais)変異が存在するものであってもよい。特に、本明細書では、膵臓がんは、EGFR標的治療薬に対して耐性を有していることがある。さらに、EGFR標的治療薬は、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アパチニブ、イコチニブ、ブリガチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、AEE788、XL647、ザクチマ及びパニツムマブからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、「RON」という用語は、ヒトMST1R(マクロファージ刺激因子1受容体)遺伝子によりコードされるタンパク質である。RONは、c-METファミリーに属するタンパク質受容体であり、肝臓により分泌され、マクロファージの作用を調節する血清タンパク質(マクロファージ刺激タンパク質;MSP)の受容体である。細胞表面でリガンドが結合すると、RONの細胞内ドメインにおけるリン酸化が誘導され、下流のシグナル伝達分子とのドッキング部位がもたらされる。RONからのシグナルは、創傷部位における上皮細胞の移動、増殖、生存を促進することにより、創傷治癒反応を活性化する。RONは、マクロファージの移動及び食作用活性を制御することにより、自然免疫反応に関与している。さらに、RONは、MST1リガンド以外の成長因子に応答して、細胞遊走及び増殖等のシグナルを促進する可能性もある。RONは、主に肝臓、肺、腸、腎臓、脳、骨、副腎、皮膚等の上皮細胞に発現している。
【0021】
RONの変異型は、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、膵臓がん、及び大腸がん等の種々の固形がんで認められる。この場合、RONは、配列番号2、3又は4のヌクレオチド配列を有していてもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、「MST1R遺伝子」という用語は、MST1リガンドと結合することによって細胞質にシグナルを伝達するチロシンキナーゼ受容体を指す。MST1R遺伝子は、細胞の生存、移動、分化を含む様々な生理的プロセスを制御している。
【0023】
本明細書で使用される場合、「RON変異」という用語は、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、並びにエクソン11が欠失したRON△165の少なくとも1つであるという特徴を有し得る。RON△155のcDNAは、配列番号2のヌクレオチド配列を有していてもよい。RON△160のcDNAは、配列番号3のヌクレオチド配列を有していてもよい。RON△165のcDNAは、配列番号4のヌクレオチド配列を有していてもよい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「耐性」という用語は、薬剤に対して敏感に反応しないため、薬剤の効能がないことを意味する。
【0025】
本明細書で使用される場合、「EGFR標的治療薬」という用語は、EGFRを標的とする抗がん剤を指し、抗がん作用を示す限り、いかなるEGFR標的治療薬も適用可能である。EGFR標的治療薬は、好ましくはセツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アパチニブ、イコチニブ、ブリガチニブ、ラパチニブ、カナーチニブ、AEE788、XL647、ザクチマ又はパニツムマブであってもよく、最も好ましくは、セツキシマブである。
【0026】
本発明に使用される式1の化合物は、以下のように表される。
【0027】
【0028】
式1中、
R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C1-10アルコキシ又はハロC1-10アルキルであり;
Xは、-C(-R3)=又は-N=であり;
R3及びR4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C1-10アルキル、又はC1-10アルコキシであり;
R5は、H、ハロゲン、又はC1-10アルキルであり;
R6及びR7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、4~10員複素環を形成するか、又はR6は-C2H4-O-CH3であり、R7はH、メチル又はt-ブトキシカルボニルであり;
複素環は、R6及びR7が結合しているN原子に加えて、N、O及びSからなる群から選択される1又は2個のヘテロ原子をさらに有するか若しくは有さず、また、複素環は、置換されていないか、又はハロゲン及びC1-6アルキルから選択される少なくとも1つで置換されている。
【0029】
C1-10アルキルとしては、C1-6アルキル、C1-3アルキル、C3-10アルキル、C3-6アルキル、C6-10アルキル等を挙げることができる。さらに、C1-10アルコキシとしては、C1-6アルコキシ、C1-3アルコキシ、C3-10アルコキシ、C3-6アルコキシ、C6-10アルコキシ等を挙げることができる。さらに、4~10員複素環としては、4~7員複素環、4~6員複素環、5~7員複素環、5又は6員複素環等を挙げることができる。
【0030】
一実施形態によれば、式1において、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メトキシ、又は-CF3であってもよく、ハロゲンはF、Cl、Br又はIであってもよい。
【0031】
別の実施形態によれば、式1において、R3及びR4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよく、ハロゲンは、F、Cl、Br又はIであってもよい。
【0032】
別の実施形態によれば、式1において、Xは-C(-R3)=であり;R3及びR4はそれぞれ独立してH、ハロゲン、メチル、メトキシ又はエトキシであり、ただしR3及びR4はともにHであってはならない。
【0033】
別の実施形態によれば、式1において、Xは、-N=であってもよく;R4は、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよく、ハロゲンは、F、Cl、Br、又はIであってもよい。
【0034】
別の実施形態によれば、式1において、R5は、H又はハロゲンであってもよく、ハロゲンは、F、Cl、Br又はIであってもよい。
【0035】
別の実施形態によれば、式1において、R
6及びR
7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、
【化3】
(式中、R
a及びR
bは、それぞれ独立してC
1-3アルキレンであってもよく;Aは-N(-R
9)-又は-O-であってもよく、R
9はC
1-6アルキルであってもよい。)を形成していてもよい。具体例として、R
6及びR
7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、アゼチジニル、ジアゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、ピペラジニル、ジアジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、アゼパニル、ジアゼパニル、又はそれらがC
1-6アルキルで置換された複素環基を形成していてもよい。さらに、R
a及びR
bはそれぞれ独立して、-CH
2-、-C
2H
4-又はC
3H
6-であってもよい。さらに、R
9は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等でもあってもよい。
【0036】
別の実施形態によれば、式1において、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メトキシ、又は-CF3であってもよく;R3及びR4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよく、R5はH又はハロゲンであってもよく、R6は-C2H4-O-CH3であってもよく、R7は、H、メチル又はt-ブトキシカルボニルであってもよく、又はR6及びR7は互いに連結してモルホリノ又はメチルピペラジニルを形成してもよく、ハロゲンはF、Cl、Br又はIであってもよい。
【0037】
特定の実施形態によれば、式1の化合物は、以下の式1aによって表すことができる。
【0038】
【0039】
式1aにおいて、R1~R7は、上記式1で定義した通りである。
【0040】
詳細には、式1aにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は-CF3であってもよい。さらに、R3及びR4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよく、ただし、R3及びR4はともにHであってはならない。さらに、R5は、H又はハロゲンであってもよい。
【0041】
より詳細には、式1aにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は-CF3であってもよく;R3及びR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよく;R5はH又はハロゲンであってもよく;R6は-C2H4-O-CH3であってもよく、R7はH、メチル、又はt-ブトキシカルボニルであってもよい。
【0042】
別の特定の実施形態によれば、式1の化合物は、以下の式1bによって表すことができる。
【0043】
【0044】
式1bにおいて、R1~R7は、上記式1で定義した通りである。
【0045】
詳細には、式1bにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は-CF3であってもよい。さらに、R4は、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよい。さらに、R5は、H又はハロゲンであってもよい。
【0046】
より詳細には、式1bにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は-CF3であってもよく;R4は、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよく;R5は、H又はハロゲンであってもよく、R6は-C2H4-O-CH3であってもよく;R7はH、メチル、又はt-ブトキシカルボニルであってもよい。
【0047】
別の特定の実施形態によれば、式1の化合物は、以下の式1cによって表すことができる。
【0048】
【0049】
式1cにおいて、R1~R5は上記式1で定義した通りであってもよく;Ra及びRbはそれぞれ独立してC1-3アルキレンであってもよく;Aは-N(-R9)-又は-O-であってもよく、R9はC1-6アルキルであってもよい。
【0050】
詳細には、式1cにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は-CF3であってもよい。さらに、R3及びR4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよく、ただし、R3及びR4がともにHであってはならない。さらに、R5は、H又はハロゲンであってもよい。さらに、Ra及びRbは、それらが結合しているN及びAと一緒になって、モルホリノ又はメチルピペラジニルを形成していてもよい。
【0051】
別の特定の実施形態によれば、式1の化合物は、以下の式1dによって表すことができる。
【0052】
【0053】
式1dにおいて、R1~R5は上記式1で定義した通りであってもよく;Ra及びRbはそれぞれ独立してC1~3アルキレンであってもよく;Aは-N(-R9)-又は-O-であってもよく;R9はC1~6アルキルであってもよい。
【0054】
詳細には、式1dにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は-CF3であってもよい。さらに、R4は、ハロゲン、メチル、メトキシ、又はエトキシであってもよい。さらに、R5は、H又はハロゲンであってもよい。さらに、Ra及びRbは、それらが結合しているN及びAと一緒になって、モルホリノ又はメチルピペラジニルを形成していてもよい。
【0055】
特定の実施形態によれば、式1で表される化合物の特定の例は以下の通りである:
1) 4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
2) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-4-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
3) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-4-メトキシ-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
4) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
5) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
6) t-ブチル{[6-(7-{4-[4-エトキシ-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド]-2-フルオロフェノキシ}チエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)ピリジン-3-イル]メチル}(2-メトキシエチル)カルバメート;
7) 4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
8) 1-(4-クロロフェニル)-4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
9) N-(3-クロロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-4-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
10) N-(2-クロロ-4-{[-2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-4-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
11) 1-(4-フルオロフェニル)-4-メトキシ-N-(4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
12) 4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-オキソ-1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
13) 1-(4-クロロフェニル)-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-4-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
14) 4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(3-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
15) 4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-メトキシフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
16) 4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(3-メトキシフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
17) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-(4-フルオロフェニル)-5-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-4-カルボキサミド;
18) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-5-メチル-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-4-カルボキサミド;
19) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-3-オキソ-2-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-4-カルボキサミド;
20) N-(3-フルオロ-4-[{2-(5-[{(2-メトキシエチル)アミノ}メチル]ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ]フェニル)-2-(4-フルオロフェニル)-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-4-カルボキサミド;
21) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-6-メチル-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
22) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
23) 5-ブロモ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
24) 5-クロロ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
25) N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-4-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
26) N-(2-クロロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-4-エトキシ-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
27) N-(3-フルオロ-4-([2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ)メチル]ピリジン-2-イル}チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ]フェニル}-1-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
28) N-(3-フルオロ-4-{[-2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-4-メチル-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
29) N-(3-フルオロ-4-{[-2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-5-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
30) 4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
31) 4-エトキシ-N-[3-フルオロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
32) 4-エトキシ-N-[3-フルオロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
33) 4-エトキシ-N-{3-フルオロ-4-[(2-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ]フェニル}-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
34) 4-エトキシ-N-{3-フルオロ-4-[(2-{5-[(-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ]フェニル}-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
35) 1-(4-クロロフェニル)-4-エトキシ-N-[3-フルオロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
36) N-[3-クロロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-4-エトキシ-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;及び
37) N-[2-クロロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-4-エトキシ-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド。
【0056】
好ましくは、式1で表される化合物は、以下からなる群から選択される化合物であってもよい:
4-エトキシ-N-[3-フルオロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;
4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド;及び
4-エトキシ-N-{3-フルオロ-4-[(2-{5-[(-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ]フェニル}-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド。
【0057】
本発明による組成物に使用される式1の化合物は、韓国特許第10-2221689号に開示された方法により調製することができ、有機合成分野の他の公知方法及び/又は技術に基づいて、様々な方法により調製することができる。上記の方法に基づいて、置換基の種類に応じて適切な合成方法を使用し、様々な誘導体を合成することができる。
【0058】
本発明で使用する式2の化合物は、以下のように表される。
【0059】
【0060】
式2中、Lは、-NH-又は-CH2-であり、
R1~R4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、5~9員ヘテロアリール又は3~9員ヘテロシクロアルキルであり、
Xは、O、S、-CH(-Rx)-又は-N(-Rx)-であり、
Rxは、水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、C6-10アリール-C1-4アルキル、又は3~9員ヘテロシクロアルキルであり、
Yは、-N=又は-CH=であり、
R5及びR6は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、アミノ-C1-6アルコキシ、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルアミノ、又はC1-6アルキル-アミノ-C1-6アルコキシであり、
R5及びR6は、それぞれ独立して、置換されていないか、又は3~9員シクロアルキル;若しくは3~9員ヘテロシクロアルキルで置換されており、
シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びC1-6アルコキシ-C1-6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有するか又は有さず、
ヘテロシクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含む。
【0061】
C1-6アルキルとしては、C1-3アルキル、C3-6アルキル等を挙げることができる。さらに、C1-6アルコキシとしては、C1-3アルコキシ、C3-6アルコキシ等を挙げることができる。
【0062】
一実施形態によれば、式2において、R1~R4は、それぞれ独立して、水素、C1-4ハロアルキル、又はハロゲンであってもよく、ハロゲンは、F、Cl、Br又はIであってもよい。詳細には、R1は水素、トリフルオロメチル、又はフルオロであってもよく、R2は水素であってもよく、R3はフルオロであってもよく、R4は水素であってもよい。
【0063】
別の実施形態によれば、式2において、XはO又はCH(-Rx)-であってもよく、Rxは水素又はC1-6アルキルであってもよい。
【0064】
別の実施形態によれば、式2において、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、アミノ-C1-6アルコキシ、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル-アミノ-C1-6アルコキシ、又は5~9員のヘテロアリールであってもよく、R5及びR6は、それぞれ独立して、置換されていないか、又はC1-6アルキル;C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-アミノ、3~9員シクロアルキル及び3~9員ヘテロシクロアルキルのいずれか1つで置換されたC1-6アルキル若しくはC1-6アルキル-アミノ-C1-6アルキル;3~9員シクロアルキル;又は3~9員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよく;シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ及びC1-6アルコキシ-C1-6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有していても、有していなくてもよく;ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0065】
詳細には、ヘテロアリールはピリジニル、イミダゾリル、又はピラゾリルであってもよく、ヘテロシクロアルキルはアゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、モルホリニル、ジオキシドチオモルホリノ、ピペラジニル、ピペリジニル又はオキセタニルであってもよく、シクロアルキルはシクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであってもよい。
【0066】
さらに、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルが少なくとも1つのN原子を含む場合、それらのうち任意の1つのN原子の位置に置換されていてもよいが、特に限定されるものではない。
【0067】
別の実施形態によれば、式2において、R1及びR2は、水素、C1-4ハロアルキル、又はハロゲンであってもよく、R3及びR4は、水素又はハロゲンであってもよく、Xは、O又はCH(-Rx)-であってもよく、Rxは、水素又はC1-4アルキルであってもよく、Aは、キノリン、キナゾリン、ピリジン、ピリミジン、チエノピリジン、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリジン、ピロロピリミジン、ジヒドロピロロピリミジン、フロピリジン、ピラゾロピリミジン、プリン又はインダゾールであってもよく、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、アミノ-C1-6アルコキシ、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル-アミノ-C1-6アルコキシ又は5~9員のヘテロアリールであってもよく;R5及びR6は、それぞれ独立して、置換されていないか、又はC1-6アルキル;C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-アミノ、3~9員シクロアルキル及び3~9員ヘテロシクロアルキルのいずれか1つで置換されたC1-6アルキル若しくはC1-6アルキル-アミノ-C1-6アルキル;3~9員シクロアルキル;又は3~9員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよく;シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びC1-6アルコキシ-C1-6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有していても、有していなくてもよく;ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0068】
別の実施形態では、式2において、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素、ニトロ、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、アミノC1-6アルコキシ、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-6アルキルアミノカルボニル、C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル-アミノ-C1-6アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アリール-C1-4アルキル又は5~9員へテロアリ-ルであつてもよく;アミノ、アルキル、アルコキシ、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ独立して、置換されていないか、又はC1-6アルキル;C1-6アルコキシ-C1-6アルキルアミノ、3~9員シクロアルキル及び3~9員ヘテロシクロアルキルのいずれか1つで置換されたC1-6アルキル若しくはC1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル;3~9員シクロアルキル;又は3~9員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよく;シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ及びC1-6アルコキシ-C1-6アルキルからなる群より選ばれる少なくとも1つの置換基を有していても、有していなくてもよく;複素環、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0069】
別の実施形態によれば、式2において、R5及びR6は、同時にC6-10アリール、C6-10アリール-C1-4アルキル、又は5~9員ヘテロアリールではない。別の実施形態によれば、式1において、R5及びR6は、同時に、C1-6アルキル、又はC1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル;3~9員シクロアルキル;又は3~9員ヘテロシクロアルキルのいずれか1つで置換された3~9員シクロアルキル及び3~9員ヘテロシクロアルキルで置換されていなくてもよい。具体例として、R5がアリール又はヘテロアリール等の環を含む場合、R6は環を同時に含まなくてもよい。また、R5がシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル等の環を含む基で置換されている場合、R6が同時に環を含む基で置換されていなくてもよい。
【0070】
より特定の例としては、R5はC6-10アリール、C6-10アリール-C1-4アルキル、又は5~9員ヘテロアリールであってもよく、R6は水素、ニトロ、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、アミノ-C1-6アルコキシ、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-6アルキルアミノカルボニル、C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルアミノ、又はC1-6アルキル-アミノ-C1-6アルコキシであってもよく、R5は置換されていないか、又はC1-6アルキル;又はC1-6アルコキシ-C1-6アルキルアミノ、3~9員シクロアルキル及び3~9員ヘテロシクロアルキルのいずれか1つで置換されたC1-6アルキル若しくはC1-6アルキルアミノ-C1-6アルキルで置換されていてもよい。さらに、R6は、置換されていないか、又は3~9員シクロアルキル;若しくは3~9員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよく、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ及びC1-6アルコキシ-C1-6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有していても、有していなくてもよく、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0071】
別の実施形態によれば、式2において、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-6アルキルアミノカルボニル、C1-6アルキルカルボニルアミノ、シアノ、C1-4ハロアルキル、C1-6アルキル、5~9員ヘテロアリール、Ax-(CH2)a-L1-(CH2)b-L2-、又はAx-(CH2)a-L1-(CH2)b-L2-ピリジニルであってもよく、AxはC3-6シクロアルキル又は3~6員ヘテロシクロアルキルであってもよく、L1及びL2は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-NH-、-C(=O)-NH-、又は-NH-C(=O)-であってもよく、a及びbは、それぞれ独立して0~3の整数であってもよく、ただし、bが0の時、L2は単結合であり、シクロアルキル、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、C1-6アルキル、メトキシ、メトキシメチル、ジメチルアミノ、及びメトキシエチルアミノメチルからなる群から選択される1又は2個の置換基を有していても、有していなくてもよく、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよく、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0072】
式2で表される化合物の具体例は、以下の通りである:
40) N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
41) N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-6-オキソ-5-フェニル-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
42) N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-6-オキソ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
43) N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-6-オキソ-5-(3-フルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
44) N-{3-フルオロ-4-[(6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
45) N-{3-フルオロ-4-[(7-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
46) N-{4-[(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
47) N-{4-[(6-カルバモイル-7-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
48) N-(3-フルオロ-4-{[7-メトキシ-6-(メチルカルバモイル)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
49) N-(4-{[6-(ジメチルカルバモイル)-7-メトキシキノリン-4-イル]オキシ}-3-フルオロフェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
50) N-[3-フルオロ-4-({7-メトキシ-6-[(2-モルホリノエチル)カルバモイル]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
51) N-(4-{[6-(エチルカルバモイル)-7-メトキシキノリン-4-イル]オキシ}-3-フルオロフェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
52) N-{4-[(6-アセトアミド-7-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
53) N-(3-フルオロ-4-{[7-メトキシ-6-(2-モルホリノアセトアミド)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
76) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
77) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-2-(4-フルオロフェニル)-3-オキソ-3,5,6,7-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[c]ピリジン-4-カルボキサミド;
78) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
79) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-6-オキソ-5-フェニル-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
80) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
81) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
82) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
83) N-{3-フルオロ-4-[(7-{3-[3-(ヒドロキシメチル)アゼチジン-1-イル]プロポキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
84) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
85) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(3-メトキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
86) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
87) N-[4-({7-[3-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
88) N-[4-({7-[3-(3-シアノアゼチジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
89) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(3-メチルアゼチジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
90) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
91) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
92) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(3-メトキシピロリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
93) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
94) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(3-フルオロピロリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
95) N-[4-({7-[3-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
96) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
97) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
98) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
99) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(4-メトキシピペリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
100) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(3-メトキシピペリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
101) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(4-オキソピペリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
102) N-[4-({7-[3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
103) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
104) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(4-フルオロピペリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
105) N-[4-({7-[3-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
106) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(4-メチルピペリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
107) N-[4-({7-[3-(4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
108) N-{3-フルオロ-4-[(7-{3-[(3-ヒドロキシシクロブチル)アミノ]プロポキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
109) N-{3-フルオロ-4-[(6-メトキシ-7-{3-[(3-メトキシシクロブチル)アミノ]プロポキシ}キノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
110) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[3-(オキセタン-3-イルアミノ)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
111) N-{3-フルオロ-4-[(6-メトキシ-7-{3-[(オキセタン-3-イルメチル)アミノ]プロポキシ}キノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
112) N-{3-フルオロ-4-[(7-{3-[(3-ヒドロキシシクロペンチル)アミノ]プロポキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
113) N-{3-フルオロ-4-[(7-{3-[(3-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]プロポキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
114) N-(3-フルオロ-4-{[7-(3-{[(3-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]アミノ}プロポキシ)-6-メトキシキノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
115) N-{3-フルオロ-4-[(6-メトキシ-7-{3-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ]プロポキシ}キノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
116) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(3-{[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル]アミノ}プロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
117) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
118) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
119) N-{3-フルオロ-4-[(7-{2-[3-(ヒドロキシメチル)アゼチジン-1-イル]エトキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
120) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
121) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(3-メトキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
122) N-{3-フルオロ-4-[(6-メトキシ-7-{2-[3-(メトキシメチル)アゼチジン-1-イル]エトキシ}キノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
123) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
124) N-[4-({7-[2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
125) N-[4-({7-[2-(3-エチニルアゼチジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
126) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(3-メチルアゼチジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
127) N-[4-({7-[2-(3,3-ジメチルアゼチジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
128) N-{4-[(7-{2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]エトキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
129) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
130) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
131) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(3-メトキシピロリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
132) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
133) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(3-フルオロピロリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
134) N-[4-({7-[2-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
135) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
136) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
137) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
138) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(4-メトキシピペリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
139) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(3-メトキシピペリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
140) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(4-オキソピペリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
141) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(3-オキソピペリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
142) N-[4-({7-[2-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
143) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
144) N-[3-フルオロ-4-({7-[2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
145) N-[4-({7-[2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
146) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
147) N-[4-({7-[2-(4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)エトキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
148) N-{3-フルオロ-4-[(7-{2-[(3-ヒドロキシシクロブチル)アミノ]エトキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
149) N-{3-フルオロ-4-[(6-メトキシ-7-{2-[(3-メトキシシクロブチル)アミノ]エトキシ}キノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
150) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[2-(オキセタン-3-イルアミノ)エトキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
151) N-{3-フルオロ-4[(6-メトキシ-7-{2-[(オキセタン-3-イルメチル)アミノ]エトキシ}キノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
152) N-{3-フルオロ-4-[(7-{2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]エトキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
153) N-{3-フルオロ-4-[(7-{2-[(3-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]エトキシ}-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
154) N-(3-フルオロ-4-{[7-(2-{[(3-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]アミノ}エトキシ)-6-メトキシキノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
155) N-{3-フルオロ-4-((6-メトキシ-7-{2-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ]エトキシ}キノリン-4-イル)オキシ)フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
156) N-{3-フルオロ-4-[(6-メトキシ-7-{2-[(4-メトキシシクロヘキシル)アミノ]エトキシ}キノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
157) N-(3-フルオロ-4-{[7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
158) N-(3-フルオロ-4-{[7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
159) N-(3-フルオロ-4-{[7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-2-(4-フルオロフェニル)-3-オキソ-3,5,6,7-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[c]ピリジン-4-カルボキサミド;
160) N-[3-フルオロ-4-({7-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
161) 7-{2-[3-フルオロ-4-({7-[3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]アセチル}-5-(4-フルオロフェニル)-3,5-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-6(2H)-オン;
162) 7-{2-[3-フルオロ-4-({7-[3-(4-メチルピペリジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]アセチル}-5-(4-フルオロフェニル)-3,5-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-6(2H)-オン;
163) N-(3-フルオロ-4-{[6-(メチルカルバモイル)-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
164) N-(3-フルオロ-4-{[-(メチルカルバモイル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
165) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(メチルカルバモイル)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
166) N-(3-フルオロ-4-{[7-(メチルカルバモイル)-6-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
167) N-(3-フルオロ-4-{[6-フルオロ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
168) N-(3-フルオロ-4-{[6-フルオロ-7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
169) N-(3-フルオロ-4-{[7-(2-モルホリノエトキシ)-6-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
170) N-(3-フルオロ-4-{[7-(3-モルホリノプロポキシ)-6-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
171) N-(4-{[6-クロロ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}-3-フルオロフェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
172) N-(4-{[6-クロロ-7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}-3-フルオロフェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
173) N-(4-{[6-シアノ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}-3-フルオロフェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
174) N-(4-{[6-シアノ-7-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}-3-フルオロフェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
175) N-(3-フルオロ-4-{[7-メトキシ-6-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
176) N-(3-フルオロ-4-{[7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
177) N-(3-フルオロ-4-{[6-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
178) N-(3-フルオロ-4-{[6-(3-モルホリノプロポキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
179) N-{4-[(6-アミノ-7-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
180) N-(3-フルオロ-4-{[7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロパンアミド)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
181) N-{4-[(7-アミノ-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
182) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(2-モルホリノアセトアミド)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
183) N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(3-モルホリノプロパンアミド)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
184) N-{4-[(7-アセトアミド-6-メトキシキノリン-4-イル)オキシ]-3-フルオロフェニル}-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
185) N-[3-フルオロ-4-({7-メトキシ-6-[(2-モルホリノエチル)アミノ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
186) N-[3-フルオロ-4-({7-メトキシ-6-[(3-モルホリノプロピル)アミノ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
187) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[(2-モルホリノエチル)アミノ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;及び
188) N-[3-フルオロ-4-({6-メトキシ-7-[(3-モルホリノプロピル)アミノ]キノリン-4-イル}オキシ)フェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド。
【0073】
好ましくは、式2で表される化合物は、
N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;又は
N-[4-({7-[3-(3-シアノアゼチジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド
であってもよい。
【0074】
以下、式2の化合物の調製方法について説明する。式2の化合物は、以下の反応スキームに示される方法によって調製することができるが、これらの方法によって調製されることに限定されるものではない。特に、当業者であれば、本発明の式2の化合物は、当技術分野で周知の技術を用いた様々な方法によって調製し得ることを十分に理解するであろう。
【0075】
以下の反応スキームは、式2の化合物を段階的に調製する方法を示し、以下の調製工程で使用する試薬及び溶媒を変更するか、又は反応順序を変更することにより、複数の式2の化合物を調製することができる。
【0076】
一実施形態によれば、式2の化合物は、以下の反応スキーム1及び2の手順に従って調製することができる。
【0077】
【0078】
反応スキーム1において、R1、R2、及びXは、上記式2で定義した通りである。
【0079】
反応スキーム1では、市販品として容易に入手できるか、又は公知の方法により調製できるラクトン系化合物(2)を出発物質として、カルボン酸化合物(6a)を調製する。
【0080】
上記反応スキーム1の各工程について、以下に詳細に説明する。
【0081】
工程1では、市販品として容易に入手できる化合物(2)を、ジメチルジメトキシアセタールを用いてホルミル化反応させることにより、式(3)の化合物を調製する。一般に、高温で反応させてもよいが、反応に時間がかかるため、マイクロ波反応器を用いて反応を行う。
【0082】
工程2では、上記工程1でホルミル化させたラクトン化合物(3)、及び市販品として容易に入手できるトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレートを用いて、化合物(4)を調製する。本反応は無水条件下で実施し、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばN,N-ジクロロメタン又はクロロホルム等を用いて実施することが好ましい。本反応は、一般に室温で実施される。
【0083】
工程3では、上記工程2で調製した化合物(4)を、ナトリウムエトキシドの存在下、従来公知の方法により調製したエチル-3-アミノ-3-オキソプロピオン酸化合物と反応させ、環状化化合物(5)を調製する。本反応は、反応に悪影響を及ぼさないエタノール溶媒を用いて実施することが好ましい。反応温度は特に限定されないが、一般に、反応は低温から加熱温度で実施することができ、好ましくは室温で反応を実施する。
【0084】
或いは、環状化化合物(5)を調製するためには、工程4と同様に、市販品として容易に入手できるラクトン系化合物(2)を出発物質として、四塩化チタン及びピリジンの存在下に従来公知の方法で調製したエチル-3-アミノ-3-オキソプロピオン酸化合物を反応させて、化合物(6)を調製してもよい。この反応は、反応に悪影響を与えないジクロロメタンを用いて実施することが好ましい。反応温度は特に限定されないが、一般に、低温から室温で実施することができ、反応は好ましくは、最初に低温で実施した後、室温で実施する。
【0085】
その後、工程5において、ジメチルジメトキシアセタールを用いて、上記工程4で調製した化合物(6)をホルミル化及び環化することにより、化合物(5)を調製する。
【0086】
一般に、本反応は、加熱温度で実施しても、高温で実施してもよいが、好ましくは、加熱温度で実施する。
【0087】
工程6では、上記工程3及び5で調製した環状化化合物(5)を加水分解することにより、カルボン酸化合物(6a)を調製する。一般に、加水分解反応は、水酸化ナトリウム水溶液、又は水酸化リチウム水溶液等の塩基性水溶液を用いて実施される。この反応は、エタノール、メタノール、又はテトラヒドロフラン等の反応に悪影響を与えない溶媒を使用し、加水分解反応に使用し得る水酸化リチウム水溶液の存在下で実施される。反応温度は特に限定されないが、反応は、一般に室温から加熱温度で実施することができ、好ましくは加熱温度で反応を実施し、カルボン酸化合物(6a)を調製することができる。
【0088】
【0089】
反応スキーム2では、R1~R6、X及びYは上記式2で定義した通りであり、Wは離脱基である。
【0090】
以下、本発明の所望の化合物(10)を調製するための、上記反応スキーム2の各工程について詳細に説明する。
【0091】
工程1では、市販品として容易に入手できるか、或いは公知の方法で調製される単環式化合物又は二環式化合物(7)を、炭酸カリウム等の塩基の存在下に市販品として容易に入手できるニトロフェノール化合物と反応させ、フェノキシ化合物(8)を調製する。この反応は、一般にフェノール化合物のエーテル化反応であり、エーテル化反応に使用し得る塩基の存在下で実施される。この目的で使用し得る塩基の例としては、水素化ナトリウム(NaH)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、ナトリウムアルコキシド又はカリウムアルコキシド等が挙げられる。また、反応は、反応に悪影響を与えない溶媒の存在下で実施することが好ましく、反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又はジフェニルエーテル等の溶媒を用いて実施する。反応温度は特に限定されないが、一般に、室温から加熱温度で反応を実施することができ、好ましくは加熱温度で反応を実施する。
【0092】
工程2では、上記工程1で調製したニトロフェノール化合物(8)を、鉄及び塩化アンモニウムの存在下で還元して、アミン化合物(9)を調製する。本反応は、一般にニトロ化合物のアミンへの還元反応であり、水素、鉄、錫(±塩化物)、亜鉛等の各種還元剤を用いて反応を実施することができる。また、反応に悪影響を与えない溶媒、例えば、ジクロロメタン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、又はN,N-ジメチルホルムアミド等を用いて反応を実施することが好ましく、反応によっては水を共溶媒として用いて反応を実施する。反応温度は特に限定されないが、一般に室温から加熱温度で反応を実施することができ、好ましくは加熱温度で反応を実施する。
【0093】
工程3では、上記工程2で調製したアミン化合物(9)と反応スキーム1で調製したカルボン酸化合物(6a)を、カップリング試薬を用いて反応させる一般的なアミド化反応により、所望の化合物(10)を調製する。一般的に、市販品として容易に入手できる1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC)、1,3-ジシクロヘキシルカルボイミド(DCC)、1,1-カルボニルジイミダゾール(CDI)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)等を、カップリング試薬として用いて反応を実施する。本反応は塩基を使用せずに実施してもよいが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、又はジクロロメタン等を使用し、アミド化反応に使用し得る一般的な塩基、例えば4-ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N-メチルモルホリン又はジメチルフェニルアミン等の存在下で反応を実施する。反応温度は特に限定されないが、一般に、室温から加熱温度で反応を実施することができ、室温で反応を行うことが好ましく、目的化合物(10)を調製することができる。
【0094】
上記反応スキームで生成した所望の化合物は、従来の方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、又は再結晶等を用いて分離及び精製することができる。
【0095】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、特に指定しない限り、F、Cl、Br又はIを指す。
【0096】
「アルキル」という用語は、特に断らない限り、直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素部分を指す。例えば、「C1-10アルキル」は、1~10個の炭素の骨格を有するアルキルを指す。詳細には、C1-10アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等を挙げることができる。
【0097】
「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1つのハロゲンで置換されたアルキルを指す。詳細には、ハロアルキルは、同種の2個以上のハロゲンで置換されたアルキルであってもよいし、2種以上のハロゲンで置換されたアルキルであってもよい。
【0098】
「アルコキシ」という用語は、特に指定しない限り、式-O-アルキルを有する基を指し、この場合、上記で定義したアルキル基は、酸素原子を介して親化合物に結合している。アルコキシ基のアルキル部分は、1~20個の炭素原子(すなわち、C1-C20アルコキシ)、1~12個の炭素原子(すなわち、C1-C12アルコキシ)、又は1~6個の炭素原子(すなわち、C1-C6アルコキシ)を有してもよい。好適なアルコキシ基の例としては、メトキシ(-O-CH3又は-OMe)、エトキシ(-OCH2CH3又は-OEt)、t-ブトキシ(-O-C(CH3)3又は-O-tBu)等が挙げられる。
【0099】
「アリール」という用語は、親芳香族環系を構成する炭素原子から1つの水素原子を除去することによって得られる芳香族炭化水素ラジカルを指す。例えば、アリール基は、6~20個の炭素原子、6~14個の炭素原子、又は6~10個の炭素原子を有していてもよい。
【0100】
「シクロアルキル」という用語は、環内に炭素原子のみを含む飽和単環又は多環を指す。シクロアルキルは、単環として3~7個の炭素原子、二環として7~12個の炭素原子、及び多環として最大約20個の炭素原子を有していてもよい。
【0101】
「ヘテロアリール」という用語は、環内に少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族ヘテロシクリルを指す。ヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、フラニル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル(環内に少なくとも1つの置換基を有していてもよい)等が挙げられる。
【0102】
「複素環」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香環又は非芳香環を指し、飽和又は不飽和であってもよく、単環式又は多環式であってもよい。例えば、「4~10員複素環」とは、ヘテロ原子及び炭素原子を含む合計4~10個の原子を骨格とする複素環を指す。詳細には、4~10員複素環としては、アゼチジン、ジアゼチジン、ピロリジン、ピロール、イミダゾリジン、イミダゾール、ピラゾリジン、ピラゾール、オキサゾリジン、オキサゾール、イソオキサゾリジン、イソオキサゾール、チアゾリジン、チアゾール、イソチアゾリジン、イソチアゾール、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ジアジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、ジアゼパン等を挙げることができる。
【0103】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環内に少なくとも1つのヘテロ原子を有する非芳香族ヘテロシクリルを指す。ヘテロシクロアルキルは、二重結合の存在により環が芳香族でない程度に、環内に少なくとも1つの炭素-炭素二重結合又は炭素-ヘテロ原子二重結合を有していてもよい。ヘテロシクロアルキルの非限定的な例としては、アゼチジニル、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル(これは環内に少なくとも1つの置換基を有していてもよい)等が挙げられる。
【0104】
「ヘテロ原子」という用語は、炭素(C)以外の原子を指し、詳細には、窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)原子であってもよい。上記ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、例えば、1、1~2、1~3、又は1~4のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0105】
「置換」という用語は、分子構造中の水素原子を置換基で置換することにより、その置換から化合物が指定原子の原子価を超えることなく化学的に安定であることを指す。例えば、「基Aが置換基Bで置換されている」又は「基Aが置換基Bを有する」とは、基Aの骨格を構成する炭素等の原子に結合している水素原子が置換基Bに置換され、基Aと置換基Bが共有結合を形成していることを指す場合がある。したがって、離脱可能な水素原子を有しない基が置換基を有することは実質的に困難又は不可能である。したがって、本明細書において、置換基を有することが困難な基を含む各種基と置換基の組み合わせの範囲を例示する場合、明らかに置換基を有することが不可能な置換基と基の組み合わせは、その範囲から除外されると解釈すべきである。
【0106】
本発明の医薬組成物は、式1又は式2で表される化合物の薬学的に許容できる塩を有効成分として含有する。
【0107】
薬学的に許容できる塩は、ヒトに対する毒性が低くなければならず、親化合物の生物活性及び物理化学的性質に悪影響を及ぼさないものでなければならない。
【0108】
例えば、薬学的に許容できる塩は、薬学的に許容できる遊離酸によって形成される酸付加塩であってもよい。
【0109】
遊離酸は、無機酸又は有機酸であってもよく、無機酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、臭素酸等であってもよく、有機酸は、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、サリチル酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、エンボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等であってもよい。
【0110】
酸付加塩は、従来の方法により調製することができ、例えば、式1又は式2の化合物を過剰の酸水溶液に溶解し、メタノール、エタノール、アセトン、又はアセトニトリル等の水混和性有機溶媒を用いて塩を析出させることにより調製し得る。
【0111】
さらに、薬学的に許容できる塩は、アルカリ金属塩(ナトリウム塩等)又はアルカリ土類金属塩(カリウム塩等)であってもよい。
【0112】
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、例えば、式1又は式2の化合物を過剰の水酸化アルカリ金属又は水酸化アルカリ土類金属溶液に溶解し、溶解していない化合物塩を濾過し、濾液を蒸発乾固することにより得ることができる。
【0113】
さらに、本発明の化合物は不斉炭素中心を有していてもよく、したがって、R又はS異性体、ラセミ化合物、個々のエナンチオマー又は混合物、個々のジアステレオマー又は混合物の形態で存在することがある。このような立体異性体及びその混合物は、全て本発明の範囲に入り得る。
【0114】
さらに、本発明の化合物は、式1又は式2の化合物の水和物及び溶媒和物を含む場合もある。水和物及び溶媒和物は、公知の方法を用いて調製することができ、好ましくは、無毒であり、水溶性である。特に好ましくは、水和物及び溶媒和物は、それぞれ1~5分子の水及びアルコール溶媒(特に、エタノール等)が結合したものであってもよい。
【0115】
本発明の医薬組成物は、有効成分として、組成物の総重量を基準として約0.1重量%~約90重量%、特には約0.5重量%~約75重量%、より特には約1重量%~約50重量%の量の式1若しくは式2で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を含有し得る。
【0116】
本発明の医薬組成物は、従来の方法に従って製剤に配合された従来の無毒な薬学的に許容できる添加剤を含んでいてもよい。例えば、医薬組成物は、薬学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含んでいてもよい。
【0117】
本発明の組成物に用いられる添加剤の例としては、甘味剤、結合剤、溶剤、可溶化剤、湿潤剤、乳化剤、等張化剤、吸収剤、崩壊剤、酸化防止剤、防腐剤、滑沢剤、流動促進剤、充填剤、香味剤等を挙げることができる。例えば、添加剤としては、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリシン、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、オレンジエッセンス、イチゴエッセンス、バニラフレーバー等を挙げることができる。
【0118】
本発明の組成物は、経口投与用(例えば、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤又は乳剤)又は非経口投与用(例えば、筋肉内、静脈内又は皮下注射)の様々な製剤形態に製剤化してもよい。
【0119】
好ましくは、本発明の組成物は、経口投与用の製剤に製剤化することができる。この場合、使用される添加剤としては、セルロース、ケイ酸カルシウム、コーンスターチ、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、リン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ゼラチン、タルク、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、希釈剤等を挙げることができる。詳細には、流動促進剤の例としては、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム等を挙げることができ、希釈剤の例としては、微結晶セルロース、乳糖Fast Flo無水乳糖、乳糖一水和物、ケイ化MCC HD 90等を挙げることができ、崩壊剤の例としては、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等を挙げることができ、滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸等を挙げることができる。
【0120】
さらに、経口投与用液体製剤としては、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等を例示することができ、通常に用いられる単純な希釈剤である水、流動パラフィンに加え、湿潤剤、甘味剤、香料、防腐剤等の様々な賦形剤を含有させることも可能である。
【0121】
さらに、非経口投与用製剤としては、無菌水溶液、非水溶液、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤が挙げられる。非水系溶媒及び懸濁化剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射用エステル等を使用することができる。また、坐剤の基剤としては、ウィテップゾール、マクロゴール、Tween61、カカオバター、ラウリンバター、グリセロゼラチン等を使用することができる。一方、注射剤には、可溶化剤、等張化剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、防腐剤等の従来の添加剤を含有させてもよい。
【0122】
「予防」という用語は、医薬組成物を投与することにより、膵臓がんの発生を抑制するか、又は発症を遅延させるあらゆる行為を指す。「治療」という用語は、医薬組成物を投与することにより、膵臓がんの症状を改善又は有益に変化させるあらゆる行為を指す。
【0123】
本発明の化合物又は組成物は、治療上有効な量又は薬学上有効な量で患者に投与することができる。
【0124】
本明細書において、「治療上有効な量」又は「薬学上有効な量」という用語は、対象疾患の予防又は治療に有効な化合物又は組成物の量を指し、医療に適用される妥当な利益/リスク比で疾患を治療するのに十分で、副作用が生じない量を意味する。有効量のレベルは、患者の健康状態、疾患の種類及び重症度、薬剤の活性、薬剤に対する感受性、投与方法、投与時間、投与経路及び排泄率、治療期間、併用又は同時使用の薬剤、その他医学分野で周知の要因を含む要因に応じて決定することができる。
【0125】
本明細書において、「投与」という用語は、所定の物質を任意の適切な方法で患者に導入することを意味し、コンジュゲートが標的組織に到達し得る限り、任意の通常の経路で投与することができる。投与経路としては、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻腔内投与、肺内投与、直腸内投与等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0126】
本発明の化合物又は組成物は、個々の治療剤として投与してもよく、他の治療薬と併用して投与してもよく、従来の治療剤と順次又は同時に投与してもよく、単回又は複数回に分けて投与してもよい。上記全ての要因を考慮すると、最小の副作用で、又は副作用なしに、最小の量によって最大の効果をもたらし得る量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定することができる。
【0127】
詳細には、本発明の組成物における化合物の有効量は、患者の年齢、性別、体重によって異なることがあり、一般的には、体重1kgあたり約0.1mg~約1,000mg、又は約5mg~約200mgを毎日又は隔日に投与してもよく、1日1~3回に分けて投与してもよい。しかし、投与経路、疾患の重症度、性別、体重、年齢等に応じて投与量は増減し得るため、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0128】
好ましくは、本発明の化合物又は組成物は、化学療法、放射線療法、免疫療法、ホルモン療法、骨髄移植、幹細胞置換療法、他の生物学的療法、外科的介入又はこれらの組み合わせと組み合わせて腫瘍療法のために投与してもよい。例えば、本発明の化合物又は組成物は、他の長期的な治療戦略と組み合わせてアジュバント療法として使用してもよく、又は重症の患者において腫瘍退縮又は化学予防療法後の患者の状態を維持するために使用してもよい。
【0129】
本発明の医薬組成物は、1種又は複数の有効成分をさらに含んでいてもよく、追加の有効成分は、例えば、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化合物、アルキル化化合物、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤等の抗増殖性化合物、細胞分化プロセス誘導化合物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、MMP阻害剤、mTOR阻害剤、抗新生物、抗代謝物、白金化合物、タンパク質又は脂質キナーゼ活性を標的とする/低減する化合物、抗血管形成化合物、タンパク質又は脂質ホスファターゼ活性を標的とするか、低減するか、又は阻害する化合物、ゴナドレリンアゴニスト、抗アンドロゲン、メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤、ビスホスフォネート、生体反応修飾剤、抗増殖抗体、ヘパラナーゼ阻害剤、Ras腫瘍性アイソフォームの阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、血液悪性腫瘍の治療で使用する化合物、Flt-3の活性を標的とするか、低下するか、又は阻害する化合物、Hsp90阻害剤、キネシン紡錘体タンパク質阻害剤、MEK阻害剤、ロイコボリン、EDG結合剤、抗白血病化合物、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤、止血ステロイド、コルチコステロイド、他の化学療法化合物、又は光増感化合物であってもよいが、これらに限定はされない。
【0130】
追加の有効成分は、公知の抗がん剤であってもよい。抗がん剤の非限定的な例としては、メクロエタミン、クロラムブシル、フェニルアラニン、マスタード、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ストレプトゾトシン、ブスルファン、チオテパ、シスプラチン及びカルボプラチン等のDNAアルキル化剤;ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、プリカマイシン、マイトマイシンC、及びブレオマイシン等の抗がん性抗生物質;ビンクリスチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド、テニポシド、トポテカン、及びイリノテカン等の植物アルカロイドが挙げられる。
【0131】
この場合、薬剤は、式1又は式2で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩であってもよい。
【0132】
この場合、EGFR標的治療薬に対する耐性は、上記の通りである。さらに、EGFR標的治療薬は、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アパチニブ、イコチニブ、ブリガチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、AEE788、XL647、ザクチマ又はパニツムマブであってもよい。
【0133】
本発明の別の態様では、膵臓がんの予防又は治療用医薬組成物の使用が提供される。この場合、医薬組成物は、上記の通りである。
【0134】
本発明の別の態様では、膵臓がんに罹患している対象に由来する生体サンプル中のRONの変異を検出するステップであって、RON変異が、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、又はエクソン11が欠失したRON△165である、ステップと、RONの変異が検出された対象に、本発明の一態様による医薬組成物を投与するステップとを含む、膵臓がんの予防又は治療方法が提供される。
【0135】
RON、RONの変異、医薬組成物、投与、予防及び治療については、上記の通りである。
【0136】
生体サンプルとは、対象から得られたサンプルを指す。生体サンプルは、組織、血液、血漿、血清、骨髄液、リンパ液、唾液、涙液、粘液、羊水、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0137】
対象は、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ヒツジ、ヤギ又はネコ等の哺乳類であってもよい。対象は、RONの変異に関連する疾患、例えば膵臓がんに罹患している患者、又は膵臓がんに罹患する可能性が高い対象であってもよい。
【0138】
本方法は、対象に抗がん剤を投与するステップをさらに含んでもよい。抗がん剤は、医薬組成物と同時に、別々に、又は順次に投与してもよい。
【0139】
投与方法は、経口投与であってもよく、非経口投与であってもよい。投与方法は、例えば、経口、経皮、皮下、直腸、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、胸骨内、局所、鼻腔内、気管内、又は皮内経路であってもよい。本組成物は、全身又は局所的に、単独で、又は他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて投与してもよい。
【0140】
医薬組成物の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾患の重症度、薬剤の形態、投与経路、投与期間に依存して変化するが、当業者によって適切に選択することができる。
【0141】
投与量は、例えば、成人を基準として、約0.001mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、又は約0.1mg/kg~約1mg/kgの範囲であってもよい。投与は、1日1回、1日複数回、又は1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、又は4週間に1回から1年に1回実施することができる。
【0142】
本発明の別の態様では、膵臓がんに罹患している対象に由来する生体サンプル中のRONの変異を検出するステップであって、RON変異が、エクソン5、6及び11が欠失したRON△155、エクソン5及び6が欠失したRON△160、又はエクソン11が欠失したRON△165である、ステップと、RONの変異が検出された対象に対して、本発明の一態様による医薬組成物が膵臓がんの予防又は治療に適している旨の情報を提供するステップとを含む、抗がん剤治療薬に関する情報を提供する方法が提供される。
【0143】
生体サンプル、RON、RONの変異、医薬組成物、対象、予防、治療については、上記の通りである。
【実施例】
【0144】
以下、本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。しかし、以下の実施例は、本発明を説明するためのみのものであり、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0145】
調製例1:5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸
工程1:3-[(ジメチルアミノ)メチレン]-ジヒドロフラン-2-(3H)-オンの合成
【0146】
【0147】
ガンマ-ブチロラクトン(2.69mL、35.0mmol)及びジメチルジメトキシアセタール(11.62mL、87.5mmol)を攪拌し、次いでマイクロ波反応器中、温度230℃で70分以上反応させた。反応混合物を濃縮し、過剰のジメチルジメトキシアセタールを除去した。これをジエチルエーテルで固化し、沈殿した固体をジエチルエーテルで洗浄しながら濾過した。濾過した固体を減圧濃縮し、標題の化合物(2.9g、収率:59%、茶色がかった固体)を得た。
【0148】
1HNMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.13 (s, 1H), 4.24(t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.11 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.03 (s, 6H); 1H NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 7.00 (t, J = 1.5 Hz,1H), 4.11 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.06 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.00 (s, 3H)
【0149】
工程2:3-[(ジメチルアミノ)メチレン]-2-(3H)-ジヒドロフラニリデンエチルオキソニウムテトラフルオロボレートの合成
【0150】
【0151】
工程1で得られた化合物(1.085g、7.68mmol)を8mLのクロロホルムに溶解し、次いでそこにトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート(1.729g、7.68mmol)を添加し、混合物を、窒素下、室温で1日以上攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、出発物質及び生成物が約15:85の割合で生成していることを核磁気共鳴法で確認し、精製することなしに、次の反応を実施した。
【0152】
1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.93 (s, 1H),4.86-4.82 (m, 2H), 4.51 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.30 (t, J = 8.5 Hz,2H), 3.26 (s, 3H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0153】
工程3:エチル5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの合成
【0154】
【0155】
工程2で得られた未精製の混合物(1.96g)を10mLのエタノールに溶解した後、0℃の水浴中でナトリウムエトキシド(20wt%エタノール溶液、2.56mL、6.53mmol)を添加し、次いで、混合物を室温になるまで30分間ゆっくりと攪拌した。反応混合物にエチル3-{(4-フルオロフェニル)アミノ}-3-オキソプロピオネート(1.47g、6.53mmol)を添加し、混合物を室温で少なくとも20時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、水及びジクロロメタンで抽出した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題の化合物(900mg、収率:39%(工程2及び3の合計収率を基準とする)/46%(工程3の収率を基準とする)、黄色固体)を得た。
【0156】
1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (t, J = 1.5Hz, 1H), 7.42-7.40 (m, 2H), 7.34-7.31 (m, 2H), 4.74 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 4.17(q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.05 (td, J = 8.0 Hz, 2H), 1.21 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0157】
工程4:5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸の合成
【0158】
【0159】
工程3で得られた化合物(0.9g、2.97mmol)を10mLのエタノール及び蒸留水5mLに溶解し、次いでそこに水酸化リチウム一水和物(249mg、5.94mmol)を添加し、混合物を50℃に加熱して少なくとも4時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、水及びジクロロメタンで抽出した。分離した水層に1N塩酸水溶液を添加し、次いで水及びジクロロメタンで抽出した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。少量のジクロロメタン及びジエチルエーテルにより、濃縮残渣中に固体を沈殿させ、濾過した後、濾過した固体を乾燥して標題の化合物(680mg、収率:84%、灰色がかった白色の固体)を得た。
【0160】
1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 14.5 (bs, OH), 7.97(s, 1H), 7.54-7.51 (m, 2H), 7.41-7.37 (m, 2H), 4.90 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.11(td, J = 8.5, 1.0 Hz, 2H)
【0161】
実施例1:4-エトキシ-N-[3-フルオロ-4-({2-[5-(モルホリノメチル)ピリジン-2-イル]チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル}オキシ)フェニル]-1-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
韓国特許第10-2221689号の実施例31に記載された方法により標題の化合物すなわち化合物WM-S1-030を合成した。
【0162】
【0163】
1HNMR (500MHz, DMSO-d6) δ 10.66 (s, 1H), 8.81(s, 1H), 8.60 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.43 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.23(d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 5.0 Hz, 1H),7.52-7.45 (m, 4H), 7.39-7.36 (m, 2H), 6.83 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 6.53 (d, J =10.0 Hz, 1H), 4.44 (s, 2H), 4.26 (qt, J = 5.0 H, 2H), 3.96-3.94 (m, 2H), 3.77(t, J = 10.0 Hz, 2H), 3.32-3.30 (m, 2H), 3.14 (qt, J = 10.0 2H), 1.31 (t, J =5.0 Hz, 3H)
【0164】
実施例2:4-エトキシ-N-(3-フルオロ-4-{[2-(5-{[(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル]オキシ}フェニル)-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
韓国特許第10-2221689号の実施例1に記載された方法により、標題の化合物を合成した。
【0165】
【0166】
1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.70 (brs, 1H),9.50 (brs, 2H), 8.80 (s, 1H), 8.69 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.44 (d,J = 5.0 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 10.0及び5.0 Hz, 1H), 7.99(d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.57-7.40 (m, 7H), 6.97 (d, J =5.0 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.29-4.25 (m, 4H), 3.65 (t, J = 5.0 Hz,2H), 3.31 (s, 3H), 3.16-3.12 (m, 2H), 1.31 (t, J = 5.0 Hz, 3H)
【0167】
実施例3:4-エトキシ-N-{3-フルオロ-4-[(2-{5-[(-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ]フェニル}-2-オキソ-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
韓国特許第10-2221689号の実施例34に記載された方法により、標題の化合物を合成した。
【0168】
【0169】
1HNMR (500MHz, DMSO-d6) δ 10.68 (s, 1H), 8.82 (brs,1H), 8.61 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.41 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.23 (s,1H), 7.97 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.56-7.46 (m, 5H),7.42-7.40 (m, 2H), 6.86 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.26(qt, J = 5.0 H, 2H), 3.93 (brs, 8H), 3.58 (brs, 2H), 2.81 (s, 3H), 1.31 (t, J =5.0 Hz, 3H)
【0170】
実施例4:N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド
工程1:4-{2-[(4-クロロ-6-メトキシキノリン-7-イル)オキシ]エチル}モルホリン
【0171】
【0172】
4-クロロ-6-メトキシキノリン-7-オール(500mg、2.39mmol)をジメチルホルムアミドに溶解し、次いで、炭酸セシウム(2.33g、7.16mmol)、ヨウ化ナトリウム(536mg、3.58mmol)及び4-((2-クロロエチル)モルホリン)塩酸塩(666mg、3.58mmol)を順次添加し、温度60℃で一晩攪拌した。その後、混合物を酢酸エチル及び水で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題の化合物(310mg、収率:40%、象牙色固体)を得た。
【0173】
1HNMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.57(d, J = 5.2 Hz,1H), 7.40(d, J = 6.0 Hz, 2H), 7.35(d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.33 (t, J = 6.4Hz, 2H),4.02(s, 3H), 3.74 (t, J = 4.8Hz, 4H), 2.95 (t, J = 6.0Hz, 2H), 3.74 (t, J =5.2Hz, 4H) δ 8.58 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H),7.40 (s, 1H), 7.36 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.28 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 4.03 (s, 3H),3.85 (m, 4H), 2.65 (m, 4H), 2.32 (m, 2H), 2.15 (m, 2H)
【0174】
工程2:4-(2-{[4-(2-フルオロ-4-ニトロフェノキシ)-6-メトキシキノリン-7-イル]オキシ}エチル)モルホリンの合成
【0175】
【0176】
工程1で調製した化合物(310mg、0.96mmol)をジフェニルエーテルに溶解し、次いで、無水炭酸カリウム(199mg、1.44mmol)及び2-フルオロ-4-ニトロフェノール(302mg、1.92mmol)を順次添加し、温度220℃で一晩攪拌した。その後、混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル及び水で抽出し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題の化合物(362mg、収率:85%、黄色固体)を得た。
【0177】
1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.57(d, J = 5.5 Hz,1H), 8.47-8.45(dd, J = 3.0 Hz, J = 10.5 Hz, 1H), 8.21(m, 1H), 7.63 (t, J =8.5Hz, 1H), 7.48(s, 1H), 7.45(s, 1H), 6.78(d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.30 (t, J =5.5Hz, 2H), 3.92(s, 3H), 3.60 (t, J = 4.5Hz, 4H), 2.80 (t, J = 5.5Hz, 2H),2.52-2.49 (m, 4H, DMSOと一部重複した)
【0178】
工程3:3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}アニリンの合成
【0179】
【0180】
工程2で調製した化合物(360mg、0.81mmol)をエタノール及び水に溶解し、次いで、室温で鉄(136mg、2.43mmol)及び塩化アンモニウム(433mg、8.10mmol)を順次添加し、混合物を80℃の温度に加熱して4時間攪拌した。反応の完了後、セライトパッドを用いて濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン及び水で抽出した。分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した後、ヘキサンで濾過して標題の化合物(280mg、収率:83%、黄色固体)を得た。
【0181】
1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.45 (d, J = 5.0Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.07 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 6.54 (d, J =10.0 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 5.50 (brs,2H), 4.27 (t, J = 10.0 Hz, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.60 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.79(brs, 2H) 2.52 (brs, 4H, DMSOと一部重複した)
【0182】
工程4:N-(3-フルオロ-4-{[6-メトキシ-7-(2-モルホリノエトキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミドの合成
【0183】
【0184】
調製例1で調製した化合物(149mg、0.54mmol)をジメチルホルムアミドに溶解し、次いで、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、205mg、0.54mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(293μL、1.80mmol)、及び工程3で調製した化合物(150mg、0.36mmol)を順次添加し、室温で一晩攪拌した。その後、混合物を酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題の化合物(170mg、収率:70%、白色固体)を得た。
【0185】
1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.89 (s, 1H), 8.48(d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.54-7.49 (m,3H), 7.45-7.37 (m, 5H), 6.48 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.85 (t, J = 10.0 Hz, 2H),4.32 (brs, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.63 (brs, 4H), 3.11 (t, J = 10.0 Hz, 2H), 2.52(m, 2H, DMSOと一部重複した), 2.50 (m, 4H, DMSOと重複した)
【0186】
実施例5:N-[4-({7-[3-(3-シアノアゼチジン-1-イル)プロポキシ]-6-メトキシキノリン-4-イル}オキシ)-3-フルオロフェニル]-5-(4-フルオロフェニル)-6-オキソ-2,3,5,6-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド
【0187】
【0188】
アゼチジン-3-カルボニトリルを出発物質として用いた以外は、上記実施例4の合成経路と同様にして、標題の化合物(収率:57%、灰色がかった白色の固体)を得た。
【0189】
1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.04 (S, 1H), 8.48(d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 12.4, 2.4 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.40-7.37(m, 5H), 7.26-7.22 (m, 2H), 7.17 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.44 (d, J = 5.6 Hz, 1H),5.01 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 4.26 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.03 (s, 3H), 3.64 (t, J =11.6 Hz, 4H), 3.20 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.81 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.05 (q, J =6.8 Hz, 3H)
【0190】
実験例1.膵臓がん細胞株における細胞増殖抑制能力の確認
実施例1(WM-S1-030)~5及び陽性対照1(BMS-777607)の変異RON△155型の2種類の膵臓がん細胞株(Panc-1及びCapan-1)及び変異RON△160型の1種類の膵臓がん細胞株(Mia-PaCa2)における細胞増殖抑制能力を比較及び確認するために、MTSアッセイを実施した。
【0191】
MTSアッセイについては、96ウェルプレートに各膵臓がん細胞株を1ウェルあたり1,000個の細胞を播種し、24時間後に各ウェルあたり100μLの10%FBS-RPMI培地(Welgene)中、実施例1~5及び陽性対照1の化合物により、種々の濃度(0.000001μM~10μM)で処理した。その後、細胞を72時間培養した。20μLのMTS溶液(Promega)を添加し、2時間培養した後、490nmで吸光度を測定した。GraphPad Prism(商標)5を用いて、実施例1~5及び陽性対照1の化合物のIC50を算出し、細胞毒性を解析した。変異RON△155型の2種類の膵臓がん細胞株及び変異RON△160型の1種類の膵臓がん細胞株が実施例1~5に対して高い反応性を示し、細胞増殖が抑制されることが確認された。これに対し、陽性対照1の場合、薬剤に対する反応性が低いことが確認された(表1)。
【0192】
【0193】
実験例2.膵臓がん細胞株における殺細胞効果の確認
変異RON△155型の2種類の膵臓がん細胞株(Panc-1及びCapan-1)及び変異RON△160型の1種類の膵臓がん細胞株(Mia-PaCa2)を分注し、24時間後に培地を交換しながら実施例1(WM-S1-030)~5及び陽性対照1(BMS-777607)の化合物、それぞれ1μM及び5μMで処理した。48時間後、細胞及び細胞液を採取し(1,500rpm、4分)、トリパンブルー(15250-061、Gibco)排除アッセイにより生細胞及び死細胞を定量した。統計解析はExcelのT-testを用いて行った。
【0194】
その結果、実施例1~5の化合物で処理した変異RON型の膵臓がん細胞株では、細胞死が誘導されることが確認された。これに対し、陽性対照1で処理した場合には、薬剤に対する反応性が低いことが確認された(
図1A~
図1C)。
【0195】
実験例3.膵臓がん細胞株(Mia-PaCa2:mRON△160)移植動物モデルにおける実施例1による腫瘍増殖抑制効果の確認
変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2を移植したマウスモデルに、30mpkの用量で実施例1(WM-S1-030)を投与し、腫瘍増殖が抑制されるか否かを確認した。
【0196】
詳細には、5週齢の雌のBALB/c-ヌードマウスを購入し、1週間環境に慣らした。その後、変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2(2×106個細胞/マウス)をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)及びマトリゲルで希釈し、100μLをマウスの右背面に皮下注射した。腫瘍の大きさが約100mm3になった時点で、陰性対照(賦形剤)及び実施例1を経口投与した。この時、陽性対照1(BMS-777607)は、30mpkの用量で投与した。薬剤を1日1回、4週間投与し、週2回、腫瘍の大きさ及び体重を測定した。薬剤投与が完了した後、マウスを安楽死させ、腫瘍を摘出し、重量を測定した。
【0197】
その結果、実施例1を30mpkの用量で投与したマウスでは、腫瘍の増殖が有意に抑制されることが確認された。これに対し、陽性対照1の場合、腫瘍の増殖抑制は比較的小さいことが確認された(表2及び
図2)。
【0198】
【0199】
実験例4.膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2細胞株を移植した動物モデルにおける、実施例1によるタンパク質発現の変化の解析
変異RON△160型の膵臓がん細胞株であるMia-PaCa2細胞株を移植したマウスモデルに、実施例1(WM-S1-030)を各濃度(10mpk、30mpk)で、陽性対照1(BMS-777607)を30mpkの用量で投与した。腫瘍を摘出し、免疫化学染色によりタンパク質の発現の変化を分析した。
【0200】
詳細には、殺処分されたマウスから分離した組織を用いてパラフィンスライドを作製した。組織切片を脱パラフィン及び再水和した後、ターゲットリカバリー緩衝液1×(ScyTek Laboratories、カタログ番号CBB999)に浸し、15分間加熱して抗原回復処理を行った。反応後、組織切片をトリス緩衝食塩水-0.05% Tween20(TBS-T)(T&I、BTT-9310)で5分間洗浄し、次いで、非特異抗体反応ブロッキング試薬(ベクター、SP-5035)で1時間反応させた。
【0201】
組織切片をmRON(Abcam、ab52927、1:50)、pTyr-mRON(Mybioscience、MBS462024、1:100)、切断カスパーゼ3(Asp175)(R&D Systems、MAB835、1:50)、又はサイクリンD1(cyclin D1(SP4)、#Z2027RS、1:100)とともに4℃で一晩培養し、次いでTBS-Tで5分間洗浄した後、ペルオキシダーゼブロッキング試薬(Cellmarque、925B-05)を用いて内因性のペルオキシダーゼ活性をブロッキングした。その後、組織切片をTBS-Tで5分間洗浄した後、ウサギ二次抗体(ベクター、PK-6101)と室温で1時間インキュベートした。組織切片をTBS-Tで5分間洗浄した後、ジアミノベンジジン(カタログ番号SK-4100)で発色させた。組織の核を染色するために、ヘマトキシリン(ScyTek Laboratories、HMM999)で1分間染色し、脱水した後、カプセル化した。
【0202】
その結果、実施例1投与群(WM-S1-030)では、pTyr-mRONの発現が低下し、切断カスパーゼ3の発現が誘導されることが確認された。さらに、PDマーカーであるサイクリンD1の発現が低下していることが確認された(
図3)。
【0203】
実験例5.膵臓がん細胞株におけるRON変異配列の解析
8種類の膵臓がん細胞株を採取し、Trizol(Invitrogen)を用いてRNA抽出(調製)を行った。得られたRNAから、AccuPower(登録商標)RT PreMixキット(Bioneer)を用いてcDNAを合成した。合成したcDNAを用い、エクソン5及び6の欠失、エクソン11の欠失をPCRで確認した。使用したプライマーをそれぞれ配列番号5、6、7及び8に示す:(エクソン5及び6の欠失F:5’-GAGCTGGTCAGGTCACTAAAC-3’;エクソン5及び6の欠失R:5’-CAGACACTCAGTCCCATTGAC-3’;エクソン11の欠失F:5’-ATCTGTGGCCAGCATCTAAC-3’;エクソン11の欠失R:5’-AAAGGCAGCAGGATACCAAG-3’)。
【0204】
PCRが完了した産物をゲル電気泳動で確認し、QIAquick Gel Extractionキット(QIAGEN)を用いてバンドを抽出した後、Macrogenにサンガー配列決定を依頼し、配列を解析してRONが変異しているかどうかを確認した。
【0205】
合計8種類の膵臓がん細胞株を解析した結果、エクソン5及び6が欠失したmRON△160を有する細胞株が1株(Mia-PaCa2)、エクソン5、6及び11の全てが欠失したmRON△155を有する細胞株が1株(Panc-1)同定された。さらに、mRON△155及びエクソン6のみが欠失した形態がヘテロで存在する3つのサンプル(Capan-1、Capan-2、Panc03.27)、並びにmRON△165及びエクソン6のみが欠失した形態がヘテロで存在する3つのサンプル(ASPC-1、Panc08.13、BXPC3)が同定された(
図4)。
【配列表】
【国際調査報告】