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特表2023-526452再生ポリアミドをベースとする多層構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】再生ポリアミドをベースとする多層構造体
(51)【国際特許分類】
   B32B 1/08 20060101AFI20230614BHJP
   C08L 77/02 20060101ALI20230614BHJP
   C08L 77/06 20060101ALI20230614BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20230614BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20230614BHJP
   F16L 11/08 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
B32B1/08 Z
C08L77/02
C08L77/06
C08L23/00
B32B27/34
F16L11/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570574
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 FR2021050858
(87)【国際公開番号】W WO2021234265
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】2005007
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モンタナーリ, チボー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルバウヘーデ, ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァセラン, ティエリ
(72)【発明者】
【氏名】ニデルコーン, ピエール
【テーマコード(参考)】
3H111
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
3H111AA02
3H111BA15
3H111CB04
3H111DA09
3H111DB08
3H111DB20
3H111EA04
4F100AK01D
4F100AK01E
4F100AK03A
4F100AK03C
4F100AK47B
4F100AK48A
4F100AK48B
4F100AK48C
4F100AL05A
4F100AL05B
4F100AL05C
4F100BA03
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100CA04A
4F100CA04C
4F100CA22A
4F100CA22C
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4F100CA23C
4F100CA30A
4F100CA30B
4F100CA30C
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4J002BB022
4J002BB052
4J002BB062
4J002BB072
4J002BB112
4J002BB152
4J002BP012
4J002BP022
4J002CL011
4J002CL031
4J002DA017
4J002DA027
4J002DA037
4J002EH026
4J002EH126
4J002EH156
4J002EV286
4J002FD026
4J002FD107
4J002GF00
4J002GM00
(57)【要約】
本発明は、少なくとも3つの層:少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(1)であり、前記組成物は、自動車用流体を輸送することのための多層管からの少なくとも50%の再生材料からなり、前記管は、少なくとも1つのポリアミドを主に含む組成物からなる、層(1)と、少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドおよび任意に少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2)であり、層(2)がPA12および/またはPA612および/またはPA1010である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる場合、前記組成物は、前記耐衝撃性改良剤を含む、層(2)と、少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2’)とを含み、前記層(2)および前記層(2’)は、それぞれ少なくとも90%の非再生材料からなる、自動車用流体を輸送するための多層管状構造体(MLT)に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用流体、特に、空気、オイル、水、尿素溶液、グリコール系冷却液、または燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンもしくはディーゼル、特にバイオディーゼル、もしくは水素を輸送するための多層管状構造体(MLT)であって、少なくとも3つの層:
脂肪族単位を主に含む少なくとも1つの第1のポリアミド樹脂と、芳香族単位を主に含む少なくとも1つの第2の樹脂からなる少なくとも50%のポリアミド樹脂とを含む組成物からなる少なくとも1つの層(1)であり、
前記組成物が、特に上記で定義された自動車用流体を輸送していた多層管からの少なくとも50%の再生材料からなり、前記管が、少なくとも1つのポリアミドを主に含む組成物からなる、層(1)と、
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドおよび任意に少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2)であり、
層(2)が、PA12および/またはPA612および/またはPA1010である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる場合、前記組成物は、前記耐衝撃性改良剤を含む、層(2)と、
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2’)と
を含み、
前記層(2)および前記層(2’)は、それぞれ少なくとも90%の非再生材料からなる、
多層管状構造体。
【請求項2】
前記層(1)が、層(2)と層(2’)の間に位置する、請求項1に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項3】
層(2’)が、流体と接触する層である、請求項1または2に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項4】
層(2’)が、層(2)について定義されたとおりであり、好ましくは層(2)と(2’)が同一である、請求項1から3のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項5】
少なくとも1つのバインダー層(3)が存在し、前記層(3)は、層(2)と層(1)との間および/または層(1)と層(2’)との間に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項6】
前記層(1)が、前記多層管状構造体(MLT)の総厚さの少なくとも10%、特に少なくとも30%、とりわけ少なくとも50%を占める、請求項1から5のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項7】
前記層(1)が組成物からなり、前記組成物が、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12であり、Cで表される、少なくとも50重量%、特に50~97重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Bで表される、0~25%重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Aで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
0~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と;
0~20重量%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と
を含み、
構成要素の合計は100%に等しい、
請求項1から6のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項8】
再生材料が、寸断された多層管、寸断されて再合成された多層管、および、寸断され再合成されて再配合された多層管から選択される多層管に由来する、請求項1から7のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項9】
層(1)の前記組成物が、可塑剤および/または耐衝撃性改良剤を含まず、再生材料が、寸断された多層管、寸断されて再合成された多層管、および、寸断され再合成されて再配合された多層管から選択される多層管に由来する、請求項8に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項10】
層(1)の前記組成物が、可塑剤、耐衝撃性改良剤および添加剤から選択される少なくとも1つの化合物を含み、前記再生材料が、寸断され、次に再合成され、再配合された多層管から選択される多層管に由来する、請求項8に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項11】
前記多層管によって輸送される流体が、前記多層管状構造体(MLT)のものと同じである、請求項1から10のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項12】
前記多層管によって輸送される流体が、前記多層管状構造体のものと異なる、請求項1から10のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項13】
層(2)が組成物からなり、前記組成物が、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には9~15であり、Dで表される、少なくとも50重量%、とりわけ50~97重量%、特に50~95重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Eで表される、0~50重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Fで表される、0~50重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と;
0~20重量%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と、
0~35%の少なくとも1つの帯電防止充填剤と
を含み、
構成要素の合計は100%に等しい、
請求項1から12のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項14】
前記層(1)の前記組成物が、AおよびBで表されるポリアミドを含まず、前記層(2)の前記組成物は、E、Fで表されるポリアミドおよびこれらの混合物から選択されるポリアミドを含む、請求項13に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項15】
前記層(1)の前記組成物が、A、Bで表されるポリアミドおよびこれらの混合物から選択されるポリアミドを含み、前記層(2)の前記組成物は、EおよびFで表されるポリアミドを含まない、請求項14に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項16】
層(1)のポリアミドが、再生多層管から得られる、請求項13から15のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項17】
層(1)の優勢な半結晶性脂肪族ポリアミドのTmが、20K/分の加熱速度において、ISO11357-3:2013に従ってDSCにより決定した場合225℃以下、特に200℃以下である、請求項1から16のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項18】
層(1)の優勢な半結晶性脂肪族ポリアミドが、20K/分の加熱速度において、ISO11357-3:2013に従ってDSCにより決定した場合25J/g以上、好ましくは40J/g以上、特に45J/g以上の結晶化エンタルピーを有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【請求項19】
MLTが、以下の3つの構造体の層:(2)//(1)//(2)からなる、請求項1から18のいずれか一項に記載の多層管状構造体(MLT)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
毎年、世界中で数百万台の車が廃棄されている。使用済み自動車(ELV)は、排油、バッテリー、空調流体、エアバッグの爆発性の機構などの、多くの有害物質および汚染物質(液体または固体)を含有している。この廃棄物の処理を誤ると、土壌汚染および水質汚染、ならびに事故などにつながるおそれがある。そのため、ELVは、有害廃棄物として考えられる。
【0002】
多くの車両部品は、中古部品または原材料として回収され、再生利用されうる。再利用を目的とした部品(ヘッドライト、ウインカー、エンジン、ラジエーター、スターターモーター、ボンネット、フェンダー、ドアなど)は、再販のために取り外され、保管される。
【0003】
フレームおよびリサイクル不可能な部品(鉄および非鉄金属、プラスチック、ガラス、ゴムなど)は、再生または埋め立てのために寸断される。
【0004】
使用済み自動車に関する欧州指令2000/53/ECは、2015年からの再利用および回収率目標を車1台あたり95重量%と定めた。
【0005】
5%の最終廃棄物、すなわち、現在の技術的および経済的条件では処理することができず、焼却されるか、または特別な保管施設に送られる廃棄物のみが残ることになる。
【0006】
再利用され回収される95%は、以下のために処理される。
エネルギー回収:他の廃棄物と共にまたはそれ無しでの直接的な焼却による、エネルギー生成手段としての廃棄物(オイル、タイヤ、プラスチックなど)の使用;
材料回収:再利用:同じ用途を保ち、変形させない部品の新しい利用、または再生:廃棄物に由来する材料を生産サイクルに導入することを目的とし、未使用材料の全体または一部を置き換える運用。
【0007】
自動車は、多数のパイプ、特に、流体、例えば、空気、オイル(例えば、トランスミッションオイルクーラーの冷却用)、水、尿素溶液、グリコール系冷却液、燃料、例えばガソリン、特にバイオガソリンもしくはディーゼル、特にバイオディーゼル、もしくは水素を輸送するためのパイプを有している。
【0008】
これらのパイプは、特にポリアミドをベースとした単層および/または多層管状構造体であり得る。
【0009】
自動車が使用済みになったとき、自動車の中に存在する様々なパイプは、一般的に、過度に劣化しているか、または劣化が進み、危険なしに、または過度な劣化した使用特性をもたらすことなく、そのまま管の形態で再利用することは不可能になっている。
【0010】
実際、特にボンネット下の管は、通常150℃に達するエンジンから発生する熱、および空気、したがって酸素の存在により、厳しい熱酸化環境に置かれる。典型的に、温度が10℃上昇するごとに、管の耐用寿命が半減し、さらに安定剤などの前記管に含有される特定の添加剤の劣化が起こる。
【0011】
さらに、燃料輸送ホース、例えば可塑剤を含有するポリアミドホースは、使用済みに至ったとき可塑剤のほとんどを失い、元々存在したポリアミドは解重合および/または劣化して安定剤のほとんどを失い、安全な再利用が妨げられる。
【0012】
現在のところ、使用済み自動車のパイプは再利用されず、多くの場合、焼却されるが、これは後に地球温暖化の原因となり、その削減は21世紀の大きな課題の1つになっている。
【0013】
さらに、いくつかの車メーカーは、自社で製造する自動車の100%を再生利用して環境影響ゼロを達成するという長期的目標を持っている。
【0014】
したがって、再生されたパイプをこれらのメーカーに供給することは不可欠なことになり、さらに、廃棄または焼却されるパイプの量を削減することを可能にする。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明は、自動車用流体、特に空気、オイル(例えば、トランスミッションオイルクーラー、またはTOCの冷却用)、水、尿素溶液、グリコール系冷却液、または燃料、例えばガソリン、特にアルコール系ガソリン、バイオガソリンもしくはディーゼル、特にバイオディーゼル、もしくは水素を輸送するための多層管状構造体(MLT)であって、少なくとも3つの層:
脂肪族単位を主に含む少なくとも1つの第1のポリアミド樹脂と、芳香族単位を主に含む少なくとも1つの第2の樹脂からなる少なくとも50%のポリアミド樹脂とを含む組成物からなる少なくとも1つの層(1)であり、
前記組成物が、特に上記で定義された自動車用流体の輸送のための多層管からの少なくとも50%の再生材料からなり、前記管が、少なくとも1つのポリアミドを主に含む組成物からなる、層(1)と、
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドおよび任意に少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2)であり、層(2)がPA12および/またはPA612および/またはPA1010である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる場合、前記組成物は、前記耐衝撃性改良剤を含む、層(2)と、
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2’)と
を含み、
前記層(2)および前記層(2’)は、それぞれ少なくとも90%の非再生材料からなる、
多層管状構造体(MLT)に関する。
【0016】
したがって、本願発明者らは、驚くべきことに、脂肪族単位を主に含む少なくとも1つの第1のポリアミド樹脂と芳香族単位を主に含む少なくとも1つの第2の樹脂とからなり、特に2つのポリアミド系層の間に埋め込まれた、少なくとも50%の再生材料からなるポリアミド系層からなり、非再生材料からなる、ポリアミド樹脂をベースとする層は、埋め込み層を構成する再生多層管によって元々輸送されていた流体の種類に関わらず、自動車用流体、特に空気、オイル、水、尿素溶液、グリコール系冷却液、または燃料、例えばガソリン、特にバイオガソリンもしくはディーゼル、特にバイオディーゼル、もしくは水素の輸送が可能である少なくとも3つの層を含む多層管状構造体の構成を可能にすることを見出した。
【0017】
換言すれば、本発明は、自動車用流体、特に空気、オイル(例えば、トランスミッションオイルクーラー、またはTOCの冷却用)、水、尿素溶液、グリコール系冷却液、または燃料、例えばガソリン、特にアルコール系ガソリン、バイオガソリンもしくはディーゼル、特にバイオディーゼル、もしくは水素を輸送するための多層管状構造体(MLT)であって、少なくとも3つの層:
脂肪族単位を主に含む少なくとも1つの第1のポリアミド樹脂と、芳香族単位を主に含む少なくとも1つの第2の樹脂からなる少なくとも50%のポリアミド樹脂とを含む組成物からなる少なくとも1つの層(1)であり、
前記組成物が、特に上記で定義された自動車用流体の輸送のための多層管からの少なくとも50%の再生材料からなり、前記管が、少なくとも1つのポリアミドを主に含む組成物からなる、層(1)と、
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドおよび任意に少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2)であり、層(2)がPA12および/またはPA612および/またはPA1010である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる場合、前記組成物は、前記耐衝撃性改良剤を含む、層(2)と、
少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを主に含む組成物からなる少なくとも1つの層(2’)と
を含み、
前記層(2)および前記層(2’)は、それぞれ少なくとも90%の非再生材料からなる、
多層管状構造体(MLT)に関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
したがって、再生材料が得られる元となる、自動車用流体を元々輸送していた単層および/または多層管は、少なくとも数カ月間、特に数年間、既に前記流体を輸送した使用済み管である。
【0019】
したがって、流体を元々輸送していた単層および/または多層管は、未使用管を除外する。
【0020】
「流体」という用語は、自動車に使用される気体または液体、特に空気、オイル、水、尿素溶液、グリコール系冷却液、または燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンもしくはディーゼル、特にバイオディーゼル、もしくは水素を指す。
【0021】
有利には、前記流体は、燃料、特にガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルを指す。
【0022】
「ガソリン」という用語は、石油を蒸留して得られる炭化水素の混合物を指し、これに添加剤またはアルコール、例えばメタノールおよびエタノールが添加されてもよく、場合によってはアルコールが主成分となる。
【0023】
「アルコール混合ガソリン」とは、メタノールまたはエタノールが添加されたガソリンのことである。「アルコール混合ガソリン」はまた、石油蒸留物を含まないE95ガソリンのことも指す。
【0024】
「ポリアミド系」という用語は、層中に少なくとも50重量%のポリアミドがあることを意味する。
【0025】
「少なくとも1つのポリアミド…を主に含む組成物」という語句は、組成物中に少なくとも50重量%の前記ポリアミドがあることを意味する。
【0026】
一実施形態では、前記層(2)は、組成物の総重量に対して3~45重量%の比率で、少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと少なくとも1つの耐衝撃性改良剤とを主に含む組成物からなる。
【0027】
層(1)に関して
層(1)は、脂肪族単位を主に含む少なくとも1つの第1のポリアミド樹脂と、芳香族単位を主に含む少なくとも1つの第2の樹脂とからなる少なくとも50%のポリアミド樹脂を含む組成物からなり、
前記組成物は、自動車用流体の輸送に使用された多層管からの少なくとも50%の再生材料からなる。
【0028】
ポリアミドを定義するために用いられる命名法は、ISO標準1874-1:2011「Plastics-Polyamide(PA)Moulding And Extrusion Materials-Part 1:Designation」に記載されており、当業者に周知である。
【0029】
本発明による「ポリアミド」という用語は、ホモポリアミドまたはコポリアミドの両方を指す。
【0030】
「脂肪族単位を主に含む第1のポリアミド樹脂」という用語は、前記第1の樹脂が少なくとも50%の脂肪族単位を含むことを意味する。
【0031】
「芳香族単位を主に含む第2のポリアミド樹脂」という用語は、前記第1の樹脂が少なくとも50%の芳香族単位を含むことを意味する。
【0032】
一実施形態において、脂肪族単位を主に含む前記第1のポリアミド樹脂は、半結晶性ポリアミドである。
【0033】
有利には、脂肪族単位を主に含む前記第1のポリアミド樹脂は、半結晶性脂肪族ポリアミドである。
【0034】
別の実施形態において、芳香族単位を主に含む前記第2のポリアミド樹脂は、半結晶性ポリアミドである。
【0035】
有利には、芳香族単位を主に含む前記第1のポリアミド樹脂は、半結晶性半芳香族ポリアミドである。
【0036】
さらに別の実施形態において、脂肪族単位を主に含む前記第1のポリアミド樹脂および芳香族単位を主に含む前記第2のポリアミド樹脂は、半結晶性ポリアミドである。
【0037】
有利には、脂肪族単位を主に含む前記第1のポリアミド樹脂は、半結晶性脂肪族ポリアミドであり、芳香族単位を主に含む前記第1のポリアミド樹脂は、半結晶性半芳香族ポリアミドである。
【0038】
本記載全体を通じた本発明の意味での「半結晶性ポリアミド」という表現は、融解温度(Tm)および融解エンタルピーΔHは25J/g超、特に40J/g超、とりわけ45J/g超を有し、さらにISO標準11357-1:2016ならびにISO標準11357-2および3:2013に従ってDSCにより20K/分の加熱速度で決定されたガラス転移温度(Tg)を有する、ポリアミドを指す。
【0039】
前記少なくとも1つの脂肪族半結晶性ポリアミドは、少なくとも1つのラクタムの重縮合から、または少なくとも1つのアミノ酸の重縮合から、または少なくとも1つのジアミンXaと少なくとも1つのジカルボン酸Ybの重縮合から得られる。
【0040】
前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのラクタムの重縮合から得られる場合、前記少なくとも1つのラクタムは、C6~C18ラクタム、好ましくはC10~C18、より好ましくはC10~C12から選択されてもよい。
C6~C12ラクタムは、特にデカノラクタム、ウンデカノラクタム、およびラウリルラクタムである。
【0041】
前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのラクタムの重縮合から得られる場合、前記半結晶性脂肪族ポリアミドは、したがって、単一のラクタムまたは複数のラクタムを含んでもよい。
【0042】
有利には、前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドは、単一のラクタムの重縮合から得られ、前記ラクタムは、ラウリルラクタムおよびウンデカノラクタムから選択され、有利にはラウリルラクタムである。
【0043】
前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのアミノ酸の重縮合から得られる場合、前記少なくとも1つのアミノ酸は、C6~C18アミノ酸、好ましくはC10~C18アミノ酸、より好ましくはC10~C12アミノ酸から選択されてもよい。
【0044】
C6~C12アミノ酸は、特に、6-アミノヘキサン酸、9-アミノノナン酸、10-アミノデカン酸、10-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸および11-アミノウンデカン酸ならびにこれらの誘導体、特にN-ヘプチル-11-アミノウンデカン酸である。
【0045】
前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが少なくとも1つのアミノ酸の重縮合から得られる場合、半結晶性脂肪族ポリアミドは、したがって、単一のアミノ酸または複数のアミノ酸を含んでもよい。
【0046】
有利には、前記半結晶性脂肪族ポリアミドは、単一のアミノ酸の重縮合から得られ、前記アミノ酸は、11-アミノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸から選択され、有利には11-アミノウンデカン酸である。
【0047】
前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドが、少なくとも1つのC4~C36、好ましくはC5~C18、好ましくはC5~C12、より好ましくはC10~C12ジアミンXaと、少なくとも1つのC4~C36、好ましくはC6~C18、好ましくはC6~C12、より好ましくはC10~C12二酸Ybとの重縮合から得られる場合、前記少なくとも1つのジアミンXaは脂肪族ジアミンであり、前記少なくとも1つの二酸Ybは脂肪族二酸である。
【0048】
ジアミンは直鎖状または分岐鎖状であってよい。有利には、二酸は直鎖状である。
【0049】
前記少なくとも1つのC4~C36ジアミンXaは、特に、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,14-テトラデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミンおよび1,18-オクタデカメチレンジアミン、オクタデセンジアミン、エイコサンジアミン、ドコサンジアミンおよび脂肪酸から得られたジアミン類から選択されてよい。
【0050】
有利には、前記少なくとも1つのジアミンXaは、C5~C18であり、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,14-テトラデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミンおよび1,18-オクタデカメチレンジアミンから選択される。
【0051】
有利には、前記少なくとも1つのC5~C12ジアミンXaは、特に、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン(heptamethylediamine)、1,8-オクタメチレンジアミン(octamethylediamine)、1,9-ノナメチレンジアミン(nonamethylediamine)、1,10-デカメチレンジアミン(decamethylediamine)、1,11-ウンデカメチレンジアミン(undecamethylediamine)、および1,12-ドデカメチレンジアミン(dodecamethylediamine)から選択される。
【0052】
有利には、前記少なくとも1つのC6~C12ジアミンXaは、特に、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン(heptamethylediamine)、1,8-オクタメチレンジアミン(octamethylediamine)、1,9-ノナメチレンジアミン(nonamethylediamine)、1,10-デカメチレンジアミン(decamethylediamine)、1,11-ウンデカメチレンジアミン(undecamethylediamine)、および1,12-ドデカメチレンジアミン(dodecamethylediamine)から選択される。
【0053】
有利には、使用されるジアミンXaは、C10~C12ジアミンであり、特に、1,10-デカメチレンジアミン(decamethylediamine)、1,11-ウンデカメチレンジアミン(undecamethylediamine)、および1,12-ドデカメチレンジアミン(dodecamethylediamine)から選択される。
【0054】
前記少なくとも1つのC4~C36ジカルボン酸Ybは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、および脂肪酸から得られる二酸類から選択されてよい。
【0055】
二酸は直鎖状または分岐鎖状であってよい。有利には、二酸は直鎖状である。
【0056】
有利には、前記少なくとも1つのジカルボン酸Ybは、C6~C18であり、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸から選択される。
【0057】
有利には、前記少なくとも1つのジカルボン酸Ybは、C6~C12であり、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、およびドデカン二酸から選択される。
【0058】
有利には、前記少なくとも1つのジカルボン酸Ybは、C10~C12であり、セバシン酸、ウンデカン二酸、およびドデカン二酸から選択される。
【0059】
前記半結晶性脂肪族ポリアミドが、少なくとも1つのジアミンXaと少なくとも1つのジカルボン酸Ybとの重縮合から得られる場合、前記半結晶性脂肪族ポリアミドは、したがって、単一のジアミンまたは複数のジアミンおよび単一のジカルボン酸または複数のジカルボン酸を含んでもよい。
【0060】
有利には、前記半結晶性脂肪族ポリアミドは、単一のジアミンXaと単一のジカルボン酸Ybとの重縮合から得られる。
【0061】
前記少なくとも1つの半芳香族半結晶性ポリアミドは、上記で定義された少なくとも1つのジアミンXaと少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸との重縮合またはジアミンXbと上記で定義されたジカルボン酸Ybとの重縮合から得られる。
【0062】
芳香族ジカルボン酸は、有利には、テレフタル酸(Tで表される)、イソフタル酸(Iで表される)および2,6-ナフタレンジカルボン酸(Nで表される)またはこれらの混合物から選択され、特にテレフタル酸(Tで表される)、イソフタル酸(Iで表される)またはこれらの混合物から選択される。
【0063】
ジアミンXbは、有利にはアリールアミンであり、メタ-キシリレンジアミン(MXD、CAS番号:1477-55-0)またはパラ-キシリレンジアミン(PXD、CAS番号:539-48-0)から選択されてもよい。
【0064】
前記半結晶性半芳香族ポリアミドが、少なくとも1つのジアミンXaと少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸との重縮合、または少なくとも1つのジアミンXbと少なくとも1つのジカルボン酸Ybとの重縮合から得られる場合、前記半結晶性半芳香族ポリアミドは、したがって、単一のジアミンまたは複数のジアミンと単一のジカルボン酸または複数のジカルボン酸とを含んでもよい。
【0065】
有利には、前記半結晶性脂肪族ポリアミドは、単一のジアミンXaと単一の芳香族ジカルボン酸との重縮合から、または単一のジアミンXbと単一のジカルボン酸Ybとの重縮合から得られる。
【0066】
有利には、前記半結晶性半芳香族ポリアミドは、少なくとも1つのジアミンXaと、テレフタル酸およびイソフタル酸、特にテレフタル酸から選択される少なくとも1つのジカルボン酸との重縮合から得られるか、または前記半芳香族半結晶性ポリアミドは少なくとも1つのジアミンXbと少なくとも1つのジカルボン酸Ybとの重縮合から得られる。
【0067】
前記少なくとも1つのC6~C12ジアミンXaは、特に、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン(heptamethylediamine)、1,8-オクタメチレンジアミン(octamethylediamine)、1,9-ノナメチレンジアミン(nonamethylediamine)、1,10-デカメチレンジアミン(decamethylediamine)、1,11-ウンデカメチレンジアミン(undecamethylediamine)、および1,12-ドデカメチレンジアミン(dodecamethylediamine)から選択される。前記少なくとも1つのジカルボン酸は、テレフタル酸およびイソフタル酸から選択される酸、特にテレフタル酸である。
【0068】
特に、前記少なくとも1つのジアミンXbは、メタ-キシリレンジアミン(MXD、CAS番号:1477-55-0)またはパラ-キシリレンジアミン(PXD、CAS番号:539-48-0)から選択されてよいアリールアミンであり、前記少なくとも1つのジカルボン酸Ybは、C6~C18であり、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸から選択される。
【0069】
有利には、前記少なくとも1つのジカルボン酸Ybは、C6~C12であり、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、およびドデカン二酸から選択される。
【0070】
これらの半芳香族ポリアミドのそれぞれは、ラクタムまたはアミノ酸と共重合して、PA11/9T、PA11/10T、PA11/12T、PA12/9T、PA12/10TおよびPA12/12T、またはPA11/MXD6、PA11/MXD10、PA12/MXD6、PA12/MXD10などの構造を与えることが可能である。
【0071】
有利には、層(1)の前記組成物は、前記組成物の総重量に対して、少なくとも60重量%、とりわけ少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%、より詳細には少なくとも90重量%の、脂肪族単位を主に含む少なくとも1つの第1のポリアミド樹脂と芳香族単位を主に含む少なくとも1つの第2の樹脂とからなるポリアミド樹脂を含む。
【0072】
層(1)の前記組成物は、自動車用流体の輸送に使用されていた多層管からの少なくとも50%再生材料からなる。
【0073】
これは、前記組成物の「少なくとも1つの優勢なポリアミド」全体が「少なくとも50%の再生材料」と呼ばれるものに相当するか、または組成物の全成分の少なくとも50重量%が、多層管の混合物に由来する再生原料によるものであることを意味する。
【0074】
再生材料は、自動車用流体の輸送に使用された多層管から得られたものであってもよい。したがって、前記管は、使用済み管であり、すなわち、上記で定義された前記流体を輸送するために少なくとも1年間使用されたものである。
【0075】
前記多層管は、半結晶脂肪族ポリアミドと任意に耐衝撃性改良剤および/または添加剤とを含む組成物からなる少なくとも1つの層と、半結晶性脂肪族および半結晶性芳香族ポリアミドと任意に耐衝撃性改良剤および/または添加剤のブレンドを含む少なくとも1つの層とを含む。したがって、前記多層管は、半結晶脂肪族ポリアミドまたは半結晶脂肪族と半芳香族半結晶ポリアミドとのブレンド以外の熱可塑性ポリマー、例えば、ポリプロピレン、半芳香族ポリアミドまたはポリエチレンビニルアルコール(EVOH)から製造された他の層を含む。
【0076】
多層管は、多層管のいくつかの種類のうち1つの層のうち少なくとも1つが半結晶脂肪族ポリアミドからなることを条件として、異なる種類の多層管のブレンドであり得ることも明らかである。
【0077】
混合管が互いに不相溶である場合、Bで表され、C=C-1、優先的にはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有する、第2の半結晶性脂肪族ポリアミドの添加、好ましくは第3のポリアミドの添加によって、それらの混合管を相溶性にすることができる。
【0078】
自動車用流体を輸送するために使用され、したがって使用済みとなった前記多層管は、再生されるために、以下のいくつかの異なる処理を経ることができる。
多層管は単純に寸断され得る。
多層管が寸断され、再合成され得る。すなわち、寸断後、寸断された粒子を押出機、とりわけ同時回転二軸スクリュー型または共混練型(Buss)押出機に供給し、そこで溶融により粒子が再混合される。溶融材料はロッド状で押出機から排出され、冷却されてペレットに切断される。
多層管は、寸断され、再合成され、再配合され得る。すなわち、寸断後、寸断された粒子は、上に定義したように、押出機に供給され、そこで、再生または非再生由来の半結晶性脂肪族ポリアミド、少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、可塑剤、添加剤および帯電防止装填材料から選択される少なくとも1つの化合物を添加して溶融することによって再混合される。溶融材料はロッド状で押出機から排出され、冷却されてペレットに切断される。
【0079】
任意に、自動車用流体の輸送のための多層管は、寸断前に洗浄および/またはクリーニング工程を経る。
【0080】
任意に、寸断された管は、寸断後に洗浄および/またはクリーニング工程を経る。
【0081】
任意に、自動車用流体の輸送のための多層管は、寸断前に洗浄および/またはクリーニング工程を経て、次いで任意に、寸断後、再合成前に洗浄および/またはクリーニング工程に供される。
【0082】
クリーニング工程は、例えば減圧下で実施されてもよい。
【0083】
一実施形態において、層(1)の前記組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも50重量%、特に50~99重量%、とりわけ50~98重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Bで表される、0~50重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Aで表される、0~50重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
0~45%重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に1~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に2~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と、
0~20重量%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と
を含み、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0084】
別の実施形態において、層(1)の前記組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも50重量%、特に50~99重量%、とりわけ50~98重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Bで表される、0~25%重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Aで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
0~45%重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に1~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に2~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と、
0~20%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0085】
A、BおよびCで表されるポリアミドは、層(1)の組成物が少なくとも50%の再生材料からなることを条件として、再生由来であっても非再生由来であってもよい。
【0086】
有利には、層(1)の優勢な半結晶性脂肪族ポリアミドのTmは、20K/分の加熱速度において、ISO11357-3:2013に従って決定した場合、225℃以下、特に200℃以下である。
【0087】
一実施形態において、層(1)の前記組成物は、可塑剤および/または耐衝撃性改良剤を含まず、前記再生材料は、寸断された管、寸断されて再合成された管、および、寸断され再合成されて再配合された管から選択される管に由来する。
【0088】
別の実施形態において、層(1)の前記組成物は、可塑剤、耐衝撃性改良剤および添加剤から選択される少なくとも1つの化合物を含み、前記再生材料は、寸断され、次に再合成され、再配合された管から選択される。
【0089】
一実施形態において、前記多層管によって輸送される流体は、前記多層管状構造体(MLT)の流体とは異なっている。
【0090】
つまり、多層管が空気などの流体を搬送していた場合、前記多層管状構造体(MLT)は、ガソリンを輸送することが意図されてもよく、または多層管がアルコール混合ガソリンなどの流体を輸送していた場合、前記多層管状構造体(MLT)は、ディーゼルを輸送することが意図されてもよい。
【0091】
別の実施形態において、前記多層管によって輸送される流体は、前記多層管状構造体(MLT)のものと同じである。
【0092】
つまり、多層管がガソリンなどの流体を搬送した場合、多層管と前記多層管状構造体(MLT)のガソリンが同じである、例えばアルコール混合ガソリンであれば、前記管状構造体(MLT)は、ガソリンを輸送することが意図されてもよい。
【0093】
有利には、再生材料は、PA11//PPA9TおよびPA12//PPA9TまたはPA11//MXD6およびPA12//MXD6などの多層管に由来する。
【0094】
一実施形態において、層(1)の前記組成物は、少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%、より特に少なくとも95%の再生材料を含む。
【0095】
別の実施形態において、層(1)の前記組成物は、100重量%の再生材料からなる。
【0096】
再生される使用済み多層管
第1の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、単に寸断されたものであり、前記再生によって得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも61重量%、特に96%~99重量%、とりわけ96%~98重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および少なくとも1つの半結晶性半芳香族ポリアミドと;
0~2%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤、特に安定剤と;
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0097】
有利には、この第1の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0098】
有利には、この第1の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0099】
有利には、この第1の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0100】
第2の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成されたものであり、前記再生から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも61重量%、特に96%~99重量%、とりわけ96%~98重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および少なくとも1つの半結晶性半芳香族ポリアミドと;
0~2%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤、特に安定剤と;
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0101】
有利には、この第2の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0102】
有利には、この第2の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0103】
有利には、この第2の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0104】
第3の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成され、再配合されたものであり、前記再生および再配合から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも58.5重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および半結晶性半芳香族ポリアミドと;
6~14%、特に6~8%の少なくとも6つの可塑剤と;
0~1.5重量%の少なくとも1つの添加剤、特に安定剤と;
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0105】
有利には、この第3の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0106】
有利には、この第3の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0107】
有利には、この第3の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0108】
第4の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成され、再配合されたものであり、前記再生および再配合から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも58重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および半結晶性半芳香族ポリアミドと;
6~14%、特に6~8%の少なくとも6つの可塑剤と;
1~2%重量%の少なくとも1つの添加剤、特に安定剤および触媒と;
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0109】
有利には、この第4の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0110】
有利には、この第4の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0111】
有利には、この第4の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0112】
有利には、組成物は合成中に脱気され、さらに有利には、脱気は、溶融区域の直後、BBSA等の可塑剤が導入される区域の前に配置される。
【0113】
第5の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成され、再配合されたものであり、前記再生および再配合から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも50重量%、特に50%~99重量%、とりわけ50%~98重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および少なくとも1つの半結晶性半芳香族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Bで表される、0~25%重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Aで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
0~2%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0114】
有利には、この第5の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0115】
有利には、この第5の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0116】
有利には、この第5の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0117】
第6の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成され、再配合されたものであり、前記再生および再配合から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも55重量%、特に55%~99重量%、とりわけ55%~98重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および少なくとも1つの半結晶性半芳香族ポリアミドと;
0~45%重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に1~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に2~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と、
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0118】
有利には、この第6の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0119】
有利には、この第6の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0120】
有利には、この第6の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0121】
第7の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成され、再配合されたものであり、前記再生および再配合から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも50重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および半結晶性半芳香族ポリアミドと;
0~43.5重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に1~43.5重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に2~43.5重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と、
6~14%、特に6~8%の少なくとも6つの可塑剤と;
0~1.5重量%の少なくとも1つの添加剤、特に安定剤と;
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0122】
有利には、この第7の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0123】
有利には、この第7の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0124】
有利には、この第7の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0125】
第8の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成され、再配合されたものであり、前記再生および再配合から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも50重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および半結晶性半芳香族ポリアミドと;
0~43重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に1~43重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に2~38重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と、
6~14%、特に6~8%の少なくとも6つの可塑剤と;
1~2%重量%の少なくとも1つの添加剤、特に安定剤および触媒と;
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0126】
有利には、この第8の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0127】
有利には、この第8の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0128】
有利には、この第8の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0129】
第9の変形例において、自動車用流体の搬送のための前記管は、多層であり、寸断され、再合成され、再配合されたものであり、前記再生および再配合から得られた層(1)の組成物は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には8~12である、Cで表される、少なくとも50重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、および半結晶性半芳香族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Bで表される、0~25%重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Aで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
0~43重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に1~43重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に2~38重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と、
0~20%の少なくとも1つの可塑剤と、
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい。
【0130】
有利には、この第9の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択される。
【0131】
有利には、この第9の変形例では、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0132】
有利には、この第9の変形例では、Cで表される半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA612、PA1012、PA1010、PA11およびPA12、特にPA11から選択され、半結晶性半芳香族ポリアミドは、PA9T、PA10T、PA12T、MXD6およびMXD10から選択され、前記管は、燃料、例えばガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルの輸送のためのものであった。
【0133】
耐衝撃性改良剤に関して
耐衝撃性改良剤は、有利には、ISO178:2010規格に従って測定され、相対湿度:RH50%、23℃で決定された、100MPa未満の曲げ弾性率、および0℃未満のTg(規格11357-2:2013に従って、DSC熱グラムの変曲点、20K/分の加熱速度で測定)を有するポリマー、とりわけポリオレフィンからなる。
【0134】
耐衝撃性改良剤のポリオレフィンは、官能化されていても非官能化されていてもよく、または少なくとも1つの官能化ポリオレフィンおよび/または最も少ない1つの非官能化ポリオレフィンの混合物であってもよい。以下、簡略化のためポリオレフィンを(B)で表し、官能基化ポリオレフィン(B1)と非官能基化ポリオレフィン(B2)について説明する。
【0135】
非官能化ポリオレフィン(B2)は、古典的には、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-オクテン、ブタジエンなどのα-オレフィンまたはジオレフィンのホモポリマーまたはコポリマーである。例として、以下のものを挙げることができる。
- ポリエチレンのホモポリマーおよびコポリマー、特にLDPE、HDPE、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)およびメタロセンポリエチレン。
-プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー。
- エチレン/α-オレフィンコポリマー、例えば、エチレン/プロピレン、EPR(エチレン-プロピレン-ゴムの略語)、およびエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)。
- スチレン/エチレン-ブテン/スチレン(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/エチレン-プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー。
- エチレンと、アルキル(メタ)アクリレート(例えばアクリル酸メチル)などの不飽和カルボン酸の塩またはエステル、または酢酸ビニル(EVA)などの飽和カルボン酸のビニルエステルから選択される少なくとも1つの生成物とのコポリマーであって、コモノマーの比率が40重量%に達し得るもの。
【0136】
官能基化ポリオレフィン(B1)は、反応性単位(官能基)を有するαオレフィンのポリマーであってもよく、そのような反応性単位は、酸、無水物、またはエポキシ官能基である。例として、不飽和エポキシド、例えばグリシジル(メタ)アクリレートによって、またはカルボン酸もしくは対応する塩もしくはエステル、例えば(メタ)アクリル酸(これはZnなどの金属によって全体的または部分的に中和され得る)によって、さらにはカルボン酸無水物、例えば無水マレイン酸によって、グラフト化またはコポリマー化もしくはターポリマー化された先のポリオレフィン(B2)が挙げられる。官能化ポリオレフィンは、例えばPE/EPR混合物であり、その重量比は広い範囲で変動してもよく、例えば40/60~90/10の間で変動することがあり、前記混合物は、例えば0.01~5重量%のグラフト率で、無水物、特に無水マレイン酸により共グラフト化される。
【0137】
官能化ポリオレフィン(B1)は、無水マレイン酸またはメタクリル酸グリシジルでグラフト化された、グラフト化率が例えば0.01~5重量%である、以下の(コ)ポリマーから選択されてよい。
- PE、PP、例えば35~80重量%のエチレンを含有するエチレンとプロピレン、ブテン、ヘキセン、またはオクテンとのコポリマー;
- エチレン/α-オレフィンコポリマー、例えば、エチレン/プロピレン、EPR(エチレン-プロピレン-ゴムの略語)、およびエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)。
- スチレン/エチレン-ブテン/スチレン(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/エチレン-プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー。
- 最大40重量%の酢酸ビニルを含有する、エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA);
- 最大40重量%のアルキル(メタ)アクリレートを含有する、エチレン-アルキル(メタ)アクリレートコポリマー;
- 最大40重量%のコモノマーを含有する、エチレンビニルアセテート(EVA)とアルキル(メタ)アクリレートコポリマー。
【0138】
官能化ポリオレフィン(B1)は、主に無水マレイン酸グラフト化プロピレンによるエチレン/プロピレンコポリマーから選択され、次いでモノアミンポリアミド(またはポリアミドオリゴマー)(EP-A-0,342,066に記載の製品)と縮合されてもよい。
【0139】
また、官能基化ポリオレフィン(B1)は、少なくとも以下の単位:(1)エチレン、(2)アルキル(メタ)アクリレートまたは飽和カルボン酸のビニルエステルおよび(3)無水マレイン酸または(メタ)アクリル酸などの無水物、またはグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシのコポリマーまたはターポリマーであってもよい。
【0140】
後者のタイプの官能化ポリオレフィンの例は、以下のコポリマーであり、ここで、エチレンは、好ましくは少なくとも60重量%を表し、ターモノマー(官能)は、例えばコポリマーの0.1~10重量%を表す。
- エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸もしくは無水マレイン酸またはメタクリル酸グリシジルコポリマー;
- エチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸またはメタクリル酸グリシジルコポリマー;
- エチレン/酢酸ビニルまたはアルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸もしくは無水マレイン酸またはメタクリル酸グリシジルコポリマー;
【0141】
先のコポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸は、ZnまたはLiで塩化されていてもよい。
【0142】
(B1)または(B2)における用語「(アルキル)(メタ)アクリレート」は、C1~C8アルキルメタクリレートおよびアクリレートを指し、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチル-2-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートから選択されてよい。
【0143】
さらに、前述のポリオレフィン(B1)は、任意の適切な方法または薬剤(ジエポキシ、二酸、過酸化物など)により架橋されてもよく、官能化ポリオレフィンという用語は、前述のポリオレフィンとそれらと反応できる二酸、二無水物、ジエポキシなどの二官能試薬との混合物、または互いに反応できる少なくとも2つの官能化ポリオレフィンの混合物も含む。
【0144】
前述のコポリマー(B1)および(B2)は、統計的または順番に共重合されていてもよく、直鎖状または分岐鎖状構造を有していてもよい。
【0145】
これらのポリオレフィンの分子量、MFI指標、密度も大きく変動することがあり、これは当業者には理解されることである。MFIは、メルトフローインデックスの略であり、溶融状態における流動性の尺度である。MFIはASTM1238規格に従って測定される。
【0146】
有利には、非官能化ポリオレフィン(B2)は、ポリプロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、および任意のエチレンホモポリマーまたはエチレンコポリマー、ならびに高級α-オレフィンコモノマー、例えば、ブテン、ヘキセン、オクテンまたは4-メチル-1-ペンテンから選択される。例えば、PP、高密度PE、中密度PE、直鎖状低密度PE、低密度PE、超低密度PEが挙げられる。これらのポリエチレンは、「フリーラジカル」法、「チーグラー」触媒法、または最近ではいわゆる「メタロセン」触媒によって生成されるものとして当業者に公知である。
【0147】
有利には、官能化ポリオレフィン(B1)は、α-オレフィン単位と、極性反応性を有する単位、例えば、エポキシ、カルボン酸またはカルボン酸無水物とを含む任意のポリマーから選択される。そのようなポリマーの例としては、エチレン、アクリル酸アルキルおよび無水マレイン酸またはメタクリル酸グリシジルのターポリマー、例えば本出願人のLotader(登録商標)、または無水マレイン酸によりグラフト化されたポリオレフィン、例えば本出願人のOrevac(登録商標)、およびエチレン、アクリル酸アルキルおよび(メタ)アクリル酸のターポリマーが挙げられる。カルボン酸無水物によりグラフト化され、次いでポリアミドと縮合したポリプロピレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはモノアミンポリアミドオリゴマーも挙げることができる。
【0148】
添加物に関して
本発明の組成物に任意に使用される添加剤は、ポリアミドに使用される従来の添加剤であり、この添加剤は当業者に周知であり、EP2098580に特に記載されている。
【0149】
例えば、添加剤は、触媒、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、無機充填剤、難燃剤、核剤および染料、補強用繊維、ワックスおよびこれらの混合物から選択される。
【0150】
「触媒」という用語は、鉱物または有機酸などの重縮合触媒を表す。
【0151】
有利には、触媒の重量比率は、組成物の総重量に対して、約50ppm~約5000ppm、特に約100~約3000ppmとなる。
【0152】
有利には、触媒は、リン酸(HPO)、亜リン酸(HPO)、次亜リン酸(HPO)、またはこれらの混合物から選択される。
【0153】
一例として、安定剤は、UV安定剤、有機安定剤、またはより一般的には有機安定剤、例えば、フェノール酸化防止剤(例えば、Ciba-BASF社製irganox(登録商標)245または1098もしくは1010タイプのもの)、リン酸塩酸化防止剤(例えばCiba-BASF社製Irgafos(登録商標)126およびIrgafos(登録商標)168)および任意に他の安定剤、例えば、ヒンダードアミン光安定剤を意味するHALS(例えばCiba-BASF社製Tinuvin(登録商標)770)、抗紫外線剤(例えばCiba社製Tinuvin(登録商標)312)、またはリン系安定剤の組み合わせであってよい。アミン系酸化防止剤、例えば、Crompton社製Naugard(登録商標)445または多官能性安定剤、例えばClariant社製Nylostab(登録商標)S-EEDも使用されてよい。
【0154】
この安定剤はまた、鉱物安定剤、例えば銅系安定剤であってもよい。このような鉱物安定剤の例としては、ハロゲン化物および酢酸銅が挙げられる。副次的に、銀などの他の金属も任意に検討されてよいが、効果が低いことが公知である。これらの銅系化合物は、典型的にアルカリ金属ハロゲン化物、とりわけカリウムと関連している。
【0155】
可塑剤に関して
一例として、可塑剤は、ベンゼンスルホンアミド誘導体、例えばn-ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA);エチルトルエンスルホンアミドまたはN-シクロヘキシルトルエンスルホンアミド;ヒドロキシ安息香酸エステル、例えばパラヒドロキシ安息香酸2-エチルヘキシルおよびパラヒドロキシ安息香酸2-デシルヘキシル;テトラヒドロフルフリルアルコールのエステルまたはエーテル、例えばオリゴエチレンオキシテトラヒドロフルフリルアルコール;ならびにクエン酸またはヒドロキシマロン酸のエステル、例えばオリゴエチレンオキシマロネートから選択される。
【0156】
可塑剤の混合物を使用することは、本発明の範囲外ではないだろう。
【0157】
添加剤が組成物中に存在する場合、添加剤の比率は、有利には1~20重量%、とりわけ5~15重量%、望ましくは5~12重量%である。
【0158】
帯電防止充填剤に関して
帯電防止充填剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、特にカーボンブラックおよびカーボンナノチューブから選択される。
【0159】
層(2)に関して
「半結晶性ポリアミド」および「脂肪族」という用語は、層(1)の場合と同じ定義を有する。
【0160】
前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドは、層(1)に関する前述と同様にして得られる。
【0161】
層(2)の第1の変形例において、前記層(2)は、耐衝撃性改良剤を含まない。
【0162】
この場合、PA12もしくはPA612またはPA1010である半結晶性脂肪族ポリアミドは、層(2)を構成する組成物から除外される。
【0163】
層(2)の第2の変形例において、前記層(2)は、3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を含んでいる。
【0164】
この第2の変形例の一実施形態において、前記層(2)は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には9~15である、Dで表される、少なくとも50重量%、とりわけ50~97重量%、特に50~95重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Eで表される、0~25重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Fで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と;
0~20%の少なくとも1つの可塑剤と;
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と、
0~35%の少なくとも1つの帯電防止充填剤と
を含み、
構成要素の合計は100%に等しい、
組成物からなる。
【0165】
この第2の変形例の別の実施形態において、前記層(2)は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には9~15である、Dで表される、少なくとも50重量%、特に50~97重量%、とりわけ50~95重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Eで表される、0~25重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Fで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と;
0~20%の少なくとも1つの可塑剤と;
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と、
0~35%の少なくとも1つの帯電防止充填剤と
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい、
組成物からなる。
【0166】
有利には、前記層(2)の組成物は、PA11、PA12またはPA612と、3~45重量%の耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の耐衝撃性改良剤とを含む。
【0167】
層(2’)に関して
「半結晶性ポリアミド」および「脂肪族」という用語は、層(1)または層(2)の場合と同じ定義を有する。
【0168】
前記少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドは、層(1)および層(2)に関する前述と同様にして得られる。
【0169】
層(2’)の第1の変形例において、前記層(2’)は、耐衝撃性改良剤を含まない。
【0170】
層(2’)の第2の変形例において、前記層(2’)は、3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を含んでいる。
【0171】
この第2の変形例の一実施形態において、前記層(2’)は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には9~15である、Dで表される、少なくとも50重量%、とりわけ50~97重量%、特に50~95重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Eで表される、0~25重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Fで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と;
0~20%の少なくとも1つの可塑剤と;
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と、
0~35%の少なくとも1つの帯電防止充填剤と
を含み、
構成要素の合計は100%に等しい、
組成物からなる。
【0172】
この第2の変形例の別の実施形態において、前記層(2’)は、
で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数が6~18、有利には9~15である、Dで表される、少なくとも50重量%、特に50~97重量%、とりわけ50~95重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Eで表される、0~25重量%の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドと;
=C-1、好ましくはC=C-2で表される窒素原子1個あたりの平均炭素原子数を有し、Fで表される、0~25重量%の半結晶性脂肪族ポリアミドと;
3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤と;
0~20%の少なくとも1つの可塑剤と;
0~2重量%の少なくとも1つの添加剤と、
0~35%の少なくとも1つの帯電防止充填剤と
からなり、
構成要素の合計は100%に等しい、
組成物からなる。
【0173】
有利には、前記層(2’)の組成物は、PA11、PA12またはPA612と3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤とを含む。
【0174】
構造体に関して
「層(1)に関して」の段落で上記に記載した層(1)のすべての実施形態は、本節に詳述された構造体に使用されてよい。
【0175】
一実施形態において、前記層(1)は、層(2)と層(2’)との間に位置する。
【0176】
有利には、前記層(2’)は、輸送される流体と接触する層である。
【0177】
有利には、前記層(2’)は、層(2)について定義されたとおりであり、好ましくは層(2)と(2’)は同一である。
【0178】
この後者の実施形態において、前記層(2’)は層(2)について定義されたとおりであり、層(2)と層(2’)の組成物が同じであっても異なっていてもよいことを意味する。
【0179】
層(2)と層(2’)の組成物が異なる場合、それらはポリアミドまたはポリアミドの比率が異なるか、または組成物の他の構成成分の1つが異なる場合がある。
【0180】
有利には、前記層(2)の組成物は、PA11、PA12またはPA612を含み、再生材料は、PA11またはPA12とPA9T、PA10T、PA12T、PAMXD6およびPAMXD10とを含む組成物からなる多層管に由来し、特に層(1)の組成物は100%再生材料からなる。
【0181】
有利には、前記層(2)の組成物は、PA11、PA12またはPA612を含み、再生材料は、PA11またはPA12とPA9T、PA10T、PA12T、PAMXD6およびPAMXD10とを含む組成物からなる多層管に由来し、特に層(2’)の組成物はPA11、PA12またはPA612を含む。
【0182】
有利には、前記層(2)の組成物は、PA11、PA12またはPA612と3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤とを含み、再生材料は、PA11またはPA12とPA9T、PA10T、PA12T、PAMXD6およびPAMXD10とを含む組成物からなる多層管に由来し、特に層(1)の組成物は100%再生材料からなる。
【0183】
有利には、前記層(2)の組成物は、PA11、PA12またはPA612と3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤とを含み、再生材料は、PA11またはPA12とPA9T、PA10T、PA12T、PAMXD6およびPAMXD10とを含む組成物からなる多層管に由来し、特に層(1)の組成物は100%再生材料からなり、前記層(2’)の組成物は、PA11、PA12またはPA612と3~45重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤、特に5~20重量%の少なくとも1つの耐衝撃性改良剤とを含む。
【0184】
有利には、層(2)と層(2’)の組成物は同一であり、したがって層(2)および(2’)は明らかに同一であり、したがって、ポリアミドと組成物の他の構成成分の両方は本質的に同一であり、2つの層(2)と(2’)の比率および厚さは同一である。層(2’)は、そのような場合、層(2)である。
【0185】
多層管状構造体(MLT)の第1の変形例において、多層管状構造体(MLT)は、3つの層(2)//(1)//(2’)、特に(2)//(1)//(2)からなる。
【0186】
一実施形態において、少なくとも1つのバインダー層(3)が存在し、前記層(3)は、層(2)と層(1)との間および/または層(1)と層(2’)との間に位置する。
【0187】
多層管状構造体(MLT)の第2の変形例において、多層管状構造体(MLT)は、4つの層(2)//バインダー(3)//(1)//(2’)、特に(2)//バインダー(3)//(1)//(2)からなる。
【0188】
多層管状構造体(MLT)の第3の変形例において、多層管状構造体(MLT)は、4つの層(2)//(1)//バインダー(3)//(2’)、特に(2)//(1)//バインダー(3)//(2)からなる。
【0189】
多層管状構造体(MLT)の第4の変形例において、多層管状構造体(MLT)は、5つの層(2)//バインダー(3)//(1)//バインダー(3)//(2’)、特に(2)//バインダー(3)//(1)//バインダー(3)//(2)からなる。
【0190】
この第4の変形例において、2つのバインダー層(3)は同一でも異なっていてもよく、特に2つのバインダー層(3)は同一である。
【0191】
別の実施形態において、EVOHの少なくとも1つの層が存在し、前記層(3)は、層(1)と層(2’)との間に位置する。
【0192】
多層管状構造体(MLT)は、このような場合、4つの層(2)//(1)//EVOH//(2’)、特に(2)//(1)//EVOH//(2)からなる。
【0193】
一実施形態において、前記層(1)は、前記多層管状構造体(MLT)の総厚さの少なくとも10%、特に少なくとも30%、とりわけ少なくとも50%を占める。
【0194】
有利には、前記層(1)は、前記多層管状構造体(MLT)の総厚さの少なくとも60%、特に少なくとも70%を占める。
【0195】
多層管状構造体(MLT)またはEVOHを持つ4層構造体の4つの変形例のうちの1つの実施形態において、前記層(1)の前記組成物は、AおよびBで表されるポリアミドを欠き、前記層(2)の前記組成物は、E、Fで表されるポリアミドおよびこれらの混合物から選択されるポリアミドを含む。
【0196】
多層管状構造体(MLT)またはEVOHを持つ4層構造体の4つの変形例のうちの1つの別の実施形態において、前記層(1)の前記組成物は、A、Bで表されるポリアミドおよびこれらの混合物から選択されるポリアミドを含み、前記層(2)の前記組成物は、EおよびFで表されるポリアミドを含まない。
【0197】
多層管状構造体(MLT)またはEVOHを持つ4層構造体の4つの変形例のうちの1つのさらに別の実施形態において、前記層(1)の前記組成物は、A、Bで表されるポリアミドおよびこれらの混合物から選択されるポリアミドを含み、前記層(2)の前記組成物は、E、Fで表されるものおよびそれらの混合物から選択されるポリアミドを含む。
【0198】
多層管状構造体(MLT)またはEVOHを持つ4層構造体の4つの変形例のうちの1つのさらに別の実施形態において、前記層(1)の前記組成物は、A、Bで表されるものから選択されるポリアミドを欠き、前記層(2)の前記組成物は、EおよびFで表されるポリアミドを欠く。
【0199】
有利には、これら最後の4つの実施形態において、層(1)は、多層再生管に由来し、
【0200】
有利には、これら最後の4つの実施形態において、層(1)は、多層再生管に由来し、前記層(1)の前記組成物のみが、少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を含む。
【0201】
有利には、これら最後の4つの実施形態において、層(1)は、多層再生管に由来し、前記層(1)の前記組成物ならびに層(2)および層(2’)の前記組成物は、少なくとも1つの耐衝撃性改良剤を含む。
【0202】
一実施形態において、前記多層管(MLT)は、燃料、例えば、ガソリン、特にアルコール混合ガソリン、バイオガソリンまたはディーゼル、特にバイオディーゼルから選択される流体の輸送が意図されている。
【0203】
バインダーに関して
バインダーは、とりわけ特許EP1452307およびEP1162061、EP1216826、EP0428833およびEP3299165に記載されている。
【0204】
層(2)と(1)または(1)と(2’)は、互いに接着していることが示唆される。バインダー層は、互いに接着しないか接着が困難である2つの層の間に挿入されることが意図されている。
【0205】
バインダーは、例えば、これらに限定されないが、Mn16000の50%のコポリアミド6/12(重量比70:30)とMn16000の50%のコポリアミド6/12(質量比30:70)とをベースとする組成物、三井化学社製Admer QF551Aの名称で知られている、無水マレイン酸でグラフト化されたPP(ポリプロピレン)をベースとする組成物、PA610(Mn30000、別途規定あり)と36%のPA6(Mn28000)と1.2%の有機安定剤(0.8%のフェノールであるGreat Lakes社製Lowinox44B25、0.2%の亜リン酸塩であるCiba社製Irgafos168、0.2%の抗紫外線剤であるCiba社製Tinuvin312からなる)とをベースとする組成物、PA612(Mn29000、別途規定あり)と36%のPA6(Mn28000、別途規定あり)と1.2%の有機安定剤(0.8%のフェノールであるGreat Lakes社製Lowinox44B25、0.2%の亜リン酸塩であるCiba社製Irgafos168、0.2%の抗紫外線剤であるCiba社製Tinuvin312からなる)とをベースとする組成物、PA610(Mn30000、別途規定あり)と36%のPA12(Mn35000、別途規定あり)と1.2%の有機安定剤(0.8%のフェノールであるGreat Lakes社製Lowinox44B25、0.2%の亜リン酸塩であるCiba社製Irgafos168、0.2%の抗紫外線剤であるCiba社製Tinuvin312からなる)とをベースとする組成物、40%のPA6(Mn28000、別途規定あり)と、40%のPA12(Mn35000、別途規定あり)と20%の官能化EPR Exxelor VA1801(Exxon社製)と1.2%の有機安定剤(0.8%のフェノールであるGreat Lakes社製Lowinox44B25、0.2%の亜リン酸塩であるCiba社製Irgafos168、0.2%の抗紫外線剤であるCiba社製Tinuvin312からなる)とをベースとする組成物、あるいは40%のPA6.10(Mn30000、別途規定あり)と、40%のPA6(Mn28000、別途規定あり)と、重量比が68.5:30:1.5のエチレン/エチルアクリレート/無水物型である20%の耐衝撃性改良剤(190℃において2.16kgの状況下でMFI6)と、1.2%の有機安定剤(0.8%のフェノールであるGreat Lakes社製Lowinox44B25と、0.2%のホスフィトであるCiba社製Irgafos168と、0.2%のUV安定剤であるCiba社製Tinuvin312とからなる)とをベースとする組成物であってもよい。
【実施例
【0206】
本発明の各種組成物において以下の樹脂を使用した。
PA11:Mn(数平均分子量)29000のポリアミド11。融解温度は190℃であり、融解エンタルピーは56kJ/m2である。
このPA11の組成物は、0.25%(±0.05%)のHPOを含む。
PA12:Mn(数平均分子量)35000のポリアミド12。融解温度は178℃であり、融解エンタルピーは54kJ/m2である。
PA12-B:Mn(数平均分子量)41000のポリアミド12。融解温度は178℃であり、融解エンタルピーは54kJ/m2である。
PA1012:Mn(数平均分子量)27000のポリアミド1012。融解温度は190℃であり、融解エンタルピーは57kJ/m2である。
PA612:Mn(数平均分子量)29000のポリアミド612。融解温度は218℃であり、融解エンタルピーは67kJ/m2である。
PA610:Mn(数平均分子量)30000のポリアミド610。融解温度は223℃であり、融解エンタルピーは61kJ/m2である。
PA6:Mn(数平均分子量)28000のポリアミド6。融解温度は220℃であり、融解エンタルピーは68kJ/m2である。
ISO11357-3:2013に従って、融解温度および融解エンタルピーを決定した。
【0207】
本発明の組成物において、以下の添加剤、可塑剤および耐衝撃性改良剤を使用した。
安定剤:0.8%のフェノールであるGreat Lakes社製Lowinox44B25、20%の亜リン酸塩であるCiba社製Irgafos168から作製された安定剤
BBSA:BBSA(ブチルベンゼンスルホンアミド)可塑剤、
Imod=ポリオレフィンまたは他の種類の耐衝撃性改良剤、例えば、とりわけPEBA(ポリエーテルブロックアミド)、コアシェル、シリコーンを総称して表す。
Imod1:Exxon社製Exxellor VA1801の、MFI9(230℃、以下)10kgの、無水物官能性を有する反応性基により官能化されたEPR(0.5~1質量%)を表す。
Imod2:質量比68.5/30/1.5、190℃、2.16kgの条件下でMFI6の、エチレン/エチルアクリレート/無水物の耐衝撃性改良剤。
Imod3:質量比79/18/3、190℃、2.16kgの条件下でMFI5の、エチレン/ブチルアクリレート/無水物の耐衝撃性改良剤。
【0208】
本発明による管を製造するために、以下の組成物を使用した。
記載全体において、すべてのパーセンテージは重量基準で示されている。
【0209】
本発明の管の層(1)または反例管に使用される「recy」、「recy2」、「recy3」と称される組成物の場合に、劣化した管を模擬するために以下のプロトコールを使用した。
【0210】
プロトコールA:熱酸化させるために、管を空気中に(酸素の存在下で)150℃で96時間(4日間)置くことからなる再現性の高いモデルプロトコールに基づき、管を(人工的に)劣化させる。この劣化モデルは、高温のエンジンに隣接して車両内で10年間使用された場合に管が受ける平均的な熱酸化を代表する。
【0211】
衝撃、劣化、曲げ弾性率、粘着力および伸長度に関して得られた結果は、プロトコールAが再寸断ガソリン管を代表するものであることを示す。
【0212】
劣化した管の(再)合成時に使用される特別なプロトコール。
【0213】
劣化後、場合によっては、以下の2つのプロトコールに従って、寸断された管を再合成することができる。
プロトコールB:寸断された管を、Coperion/Werner社製40mm二軸押出機で、70kgh、300rpm、270℃の設定値により、-100mmHgの脱気条件で再合成する。
プロトコールB2:寸断された管を、Coperion/Werner社製40mm二軸押出機で、70kgh、300rpm、270℃の設定値により、-660mmHgの強力な脱気条件で再合成する。
【0214】
本発明の管の調製に使用した各種組成物を以下に示す。
PA11PL=PA11+7%BBSA+1%安定剤
PA12PL=PA12+12%BBSA+1%安定剤
PA11PL-recy=プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、後に再生されるPA11PL管。
PA11PL-recy2=PA11PLを、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、プロトコールB2に従って再合成し、この再合成中に7%のBBSA+0.5%の安定剤を添加し、後に再生される管。
PA11PL-recy+50%PA12PL-recy=PA11PL-recyとPA12PL-recy顆粒の50/50混合物。
PA11PL-recy=プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、後に再生されるPA11PL管。
PA11PL4=PA11+12%BBSA+1%安定剤
PA12HIP-recy3=PA12HIPHLを、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、プロトコールBに従って再合成し、この再合成中に、6%imod1、9%BBSAおよび1%安定剤を添加し、後に再生されることのための管。
11NX3=PA11+10%imod2+5%PA610+5%PA6+4%BBSA+1%安定剤
PA11PL-recy+50%PA11PL=PA11PL-recyとPA11PL顆粒、再生材料と未使用材料の50/50混合物。
PA12HIPHL=PA12+6%imod1+10%BBSA+1%安定剤
PA11PL-recy=PA12HIPHLを、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、後に再生される管
PA12HIPHL-recy2=PA12HIPHLを、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、プロトコールBに従って再合成し、この再合成中に、10%BBSA+5%安定剤を添加し、後に再生される管。
PA12HIP-recy3=PA12HIPHLを、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、プロトコールBに従って再合成し、この再合成中に、6%imod1、9%BBSAおよび1%安定剤を添加し、後に再生されることのための管。
MLT-cx11-recy=MLT(45//15//40%の11NX3//OHhi//11NX3)を、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、プロトコールBに従って再合成し、後に再生される管
MLT-cx21-recy=MLT(80/20%の11NX3//MXD6hi)を、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、プロトコールBに従って再合成し、後に再生される管
MXD6hi=MXD6耐衝撃性改良組成物=耐衝撃性改良剤を有するMXD6型コポリアミドをベースとする組成物(Solvay社によりIxef BXT-2000の名称で販売)。その融点は237℃である。
MLT-cx11-recy+20%MLTcx31-recyは、80%のMLT-cx11-recyと20%のMLT-cx31-recyの混合物である。
MLT-cx31-recy=MLT(15/60/25%のPA12HI2//PA11-recyNX3//PPA9T)を、プロトコールAに従って劣化させ、再寸断し、プロトコールBに従って再合成し、後に再生される管
PA12HI2=PA12-B+10%imod1+5%BBSA+1%安定剤
OHhi=耐衝撃性改良EVOH、Eval-Kuraray社によりEVAL LA170Bの名称で販売
【0215】
これらの組成物は、Coperion40のような同時回転二軸スクリュー押出機内で、300rpm、270℃(成分が260℃より高い融点を有する場合は300℃)にて、通常の合成を行うことにより製造される。
【0216】
本発明の多層管
層は外側から内側へ記載され、続いてそれぞれの厚さが%で表示され、管の寸法は8*1mmである。
【0217】
多層構造体(管)の調製:
多層管を共押出しにより製造する。スパイラルマンドレル付きの多層押出ヘッドに接続された5台の押出機を備えた、工業用Maillefer多層押出ラインを使用する。
【0218】
使用するスクリューは、ポリアミドに適したスクリュー外形を有する押出単軸スクリューである。5台の押出機および多層押出ヘッドに加え、押出ラインは以下を含む。
共押出ヘッドの先端にあるダイパンチ組立品;ダイの内径とパンチの外径は、製造される構造物およびその構成材料、ならびに管の寸法およびライン速度によって選択される。
真空レベルが調整可能な真空タンク。このタンクには、全体として20℃に維持された水が循環しており、タンク内にゲージが浸され、管を最終的な寸法に成形することを可能にしている。ゲージの直径は、製造する管の寸法に合わせ、外径8mm、厚さ1mmの管の場合、典型的に8.5~10mmとなる。
一連の冷却タンク、その中で水は約20℃に保たれ、頭部からドローイングベンチまでの経路に沿って管を冷却できる;
直径計;
ドローイングベンチ。
【0219】
5台の押出機構成を使用して、2層から5層までの管(および単層管)を製造する。5層未満の構造体の場合、複数の押出機に同じ材料を投入する。
【0220】
試験前に、管の最良の特性および良好な押出品質を確保するために、押出材料において押出前の残留水分が0.08%未満であることを確認する。そうでない場合は、試験前に、通常は真空乾燥機内で、80℃にて、材料を一晩乾燥させる追加工程を行う。
【0221】
本特許出願に開示された特性を満たす管は、押出パラメータが安定した後、当該管の寸法がもはや経時的に変化することがなくなってから取り出したものである。直径は、ラインの端に設置されたレーザー直径計で制御される。
【0222】
ライン速度は典型的に20m/分である。
ライン速度は、通常、5~100m/分の範囲である。
【0223】
押出機のスクリュー速度は、当業者に公知のように、層の厚さとスクリューの直径によって決まる。
【0224】
一般に、押出機および工具(ヘッドおよびコネクタ)の温度を、当該組成物の溶融温度より十分に高くなるように調節し、それにより組成物が溶融状態を維持することにより、組成物の固化や機械の閉塞を回避するようにしなければならない。
【0225】
次に、上記の押出成形で製造した多層管を以下の複数の基準で評価した。
可撓性:23℃および50%の湿度気候で平衡にした管の、23℃でISO178に従って測定した曲げ弾性率を指す。
「+」を用いて、1000MPa以下かつ500MPa超に対応する「良い」と評価できる可撓性を表す。
「++」を用いて、500MPa以下かつ250MPa超に対応する「非常に良い」と評価できる可撓性を表す。
衝撃:VW-40℃型衝撃規格VW TL52435 2010を指す。
「++」を用いて、破損率10%以下に対応する「非常に良い」と評価できる衝撃性能を表す。
「+」を用いて、破損率25%以下かつ10%超に対応する「良い」と評価できる衝撃性能を表す。
「-」を用いて、破損率75%以下かつ25%超に対応する「かなり悪い」と評価できる衝撃性能を表す。
「--」を用いて、破損率75%超に対応する「非常に悪い」と評価できる衝撃性能を表す。
劣化:これは耐久性、すなわち、温風中での酸化劣化に対する管の耐久性を指す。管を150℃の空気中で劣化させた後、DIN73378規格に従って衝撃を与える。この衝撃は-40℃で行われ、試験した管の50%が破損する時間に対応する半減期(単位:時間)が示される。この値には定性的な解説が付く。
「++」を用いて、200時間以上の半減期に対応する「非常に良い」と評価できる耐久性を表す。
「+」を用いて、半減期100時間以上(200時間未満)に対応する「良い」と評価できる耐久性(熱酸化劣化耐性)を表す。
「+-」を用いて、半減期50時間以上(100時間未満)に対応する「許容できる」と評価できる耐久性(熱酸化劣化耐性)を表す。
「-」を用いて、半減期50時間未満に対応する「悪い」と評価できる耐久性(熱酸化劣化耐性)を表す。
【0226】
半減期数値がわずかな違いで表されている場合は、評価の精度につながる有効数字を考慮し、この数値を25時間単位で丸めている。
【0227】
接着性:これは接着強度である。接着性はN/cm単位で表示され、23℃、相対湿度50%で15日間以上調湿された直径8mmおよび厚さ1mmの管で測定され、試料において湿度平衡が達成されるようにされている。
【0228】
この値は、最も弱い接触面、すなわち多層膜の中で最も接着力が弱く、したがって剥離の危険性が最も高い接触面に対するものである。接触面剥離は、以下の手順で片方を90°の角度で50mm/minの速度で引っ張ることにより行う。
【0229】
9mm幅の管の試料片を切り出す。したがって、この試料片はタイル状になっており、元の管のすべての層が残っている。ナイフを使用して評価する2層の接触面の分離を開始する。こうして分離された層のそれぞれを、引張機の顎部に留める。剥離は、これら2つの層を両側において180度で50mm/分の速度で引き離すことによって行われる。試験片、したがって接触面は、引っ張る方向に対して90度の角度で保持される。
【0230】
以下の表示を用いる。
+++:非常に良い、50超
++:良い、20超かつ50以下
+:かなり良い(許容できる)、10超かつ20以下
-:悪い、10以下
【0231】
伸び%:直径8mm、厚さ1mmの管で測定することを除き、ISOR527規格に従った破断点伸びである。試料をISO条件で調整する。すなわち、23℃、相対湿度50%で15日間以上調整し、試料において湿度平衡が達成されるようにする。
【0232】
以下の表示を用いる。
+++:非常に良い、200%以上の伸長度
++:良い、100以上かつ200%未満の伸長度
+:不十分:100%未満の伸長度
【0233】
結果を表1に示す。
【国際調査報告】