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特表2023-526455高精度ナノスケール薄膜作製プロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】高精度ナノスケール薄膜作製プロセス
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20230614BHJP
【FI】
G02B7/00 B
G02B7/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570586
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 US2021032989
(87)【国際公開番号】W WO2021236657
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/026,215
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/031,681
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522450783
【氏名又は名称】エスディーエス・ナノ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シュラワン・シンハル
(72)【発明者】
【氏名】シドルガタ・ブイ・スリーニヴァサン
【テーマコード(参考)】
2H043
【Fターム(参考)】
2H043AA23
2H043AA24
2H043AB10
2H043AB14
(57)【要約】
マルチレンズカラムにおける1つ又は複数の要素を作製するための方法。紫外線(UV)硬化性液体の滴は、チャックによって支持され得る基板上にインクジェットによって吐出される。不均一な液膜が次いで、インクジェットされた滴の広がりと合流などによって形成される。膜が次いで、デジタルマイクロミラーデバイスアレイを使用するなどによって局所的に加熱される。膜が次いで、UV光に露出させることによって硬化され、ここで、硬化膜は、基板とともにマルチレンズカラムの要素を形成する。基板は次いで、計測ステーションにもたらされ、そこで、品質制御のために、硬化膜と基板に対して光学的計測が行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチレンズカラムにおける1つ又は複数の要素を作製するための方法であって、
基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することと、
前記インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することと、
前記膜を局所的に加熱することと、
UV光に前記膜を露出させることにより前記膜を硬化させることであって、ここで、前記硬化膜は、前記基板とともに前記マルチレンズカラムの要素を形成する、ことと、
前記硬化膜と前記基板に対して光学的計測を行うことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記インクジェットされた滴の前記広がりと合流は、スーパーストレートによって可能になる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光学的計測は、前記不均一な液膜の前記形成と同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化膜と前記基板から形成される前記マルチレンズカラムの前記要素は、前記マルチレンズカラムの1つ又は複数の他の要素の光学収差を補正する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記膜の前記局所的な加熱は、デジタルマイクロミラーデバイスアレイを用いて投影される赤外光源、分散マイクロヒーター、及びステージに取り付けられた赤外レーザー源の1つ又は複数を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
マルチレンズカラムにおける1つ又は複数の要素を作製するための方法であって、
ナノスケール精密プログラマブルプロファイリングプロセスを使用して、外部収差又は固有の収差を補正するために、不精密レンズの表面に硬化膜を堆積することであって、前記ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、
基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することと、
前記インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することと、
前記膜を局所的に加熱することと、
UV光に露出させることにより前記膜を硬化させることと、
を含む、ことと、
前記硬化膜のプロファイルをドライエッチによって前記基板に転写することであって、ここで、前記硬化膜の前記転写されたプロファイルを有する前記基板は、前記マルチレンズカラムの要素を形成する、ことと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記インクジェットされた滴の前記広がりと合流は、スーパーストレートによって可能になる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記光学的計測は、前記不均一な液膜の前記形成と同時に行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記硬化膜と前記基板から形成される前記マルチレンズカラムの前記要素は、前記マルチレンズカラムの1つ又は複数の他の要素の光学収差を補正する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記膜の前記局所的な加熱は、デジタルマイクロミラーデバイスアレイを用いて投影される赤外光源、分散マイクロヒーター、及びステージに取り付けられた赤外レーザー源の1つ又は複数を用いて行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
マルチレンズカラムであって、
ナノスケール精密プログラマブルプロファイリングプロセス及びドライエッチプロセスを用いて作製された1つ又は複数の光学要素であって、前記ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、
基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することと、
前記インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することと、
前記膜を局所的に加熱することと、
UV光に露出させることにより前記膜を硬化させることと、
を含む、1つ又は複数の光学要素と、
前記硬化膜のプロファイルを前記ドライエッチプロセスによって前記基板に転写することであって、ここで、前記硬化膜の前記転写されたプロファイルを有する前記基板は、前記マルチレンズカラムの光学要素を形成する、ことと、
を含む、マルチレンズカラム。
【請求項12】
前記1つ又は複数の光学要素は、軸上収差、軸外収差、色収差、及び偏光収差のうちの1つ又は複数を補正する補正板を含む、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項13】
前記1つ又は複数の光学要素は、半導体リソグラフィ、イメージング、顕微鏡、検査、特性評価、計測、及びカメラのうちの1つ又は複数で使用される、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項14】
前記1つ又は複数の光学要素は、暗視野イメージング、明視野イメージング、共焦点顕微鏡、及び高開口数対物レンズの1つ又は複数で使用される、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項15】
前記マルチレンズカラムにおける全収差は、λ/10よりも優れたピークトゥーバレー(P-V)の光学路差の誤差であり、前記λは光の波長に対応する、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項16】
前記マルチレンズカラムにおける全収差は、λ/30よりも優れた二乗平均平方根(RMS)の光学路差の誤差であり、前記λは光の波長に対応する、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項17】
前記1つ又は複数の光学要素の光学結像品質は、0.95を超えるストレール比を有する、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項18】
前記1つ又は複数の光学要素の開口数は、0.90を超える、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項19】
前記1つ又は複数の光学要素は、SiO、UVグレードの溶融シリカ、CaF、MgF、Al、及びZnSの材料のうちの1つで作製される、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の光学要素は、前記マルチレンズカラムにおける他の要素が組み立てられた後に、設計、製作、及び組み立てられる、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項21】
前記1つ又は複数の光学要素は、前記他の組み立てられた要素の収差を補償する、請求項20に記載のマルチレンズカラム。
【請求項22】
前記マルチレンズカラムの視野は、対角幅が100マイクロメートルよりも大きく、ここで、前記マルチレンズカラムはイメージングに使用される、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項23】
前記マルチレンズカラムの視野は、対角幅が1ミリメートルよりも大きく、ここで、前記マルチレンズカラムはイメージングに使用される、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項24】
前記マルチレンズカラムの視野は、250平方ミリメートルよりも大きく、ここで、前記マルチレンズカラムは投影リソグラフィに使用される、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項25】
前記1つ又は複数の光学要素は、反応性イオンエッチングチャンバ内でエッチング不可能な材料で作製され、ここで、犠牲材料が前記エッチング不可能な材料の上に堆積される、請求項11に記載のマルチレンズカラム。
【請求項26】
前記エッチング不可能な材料は、前記犠牲材料とともにテクスチャ化された界面を有する、請求項25に記載のマルチレンズカラム。
【請求項27】
前記犠牲材料と前記エッチング不可能な材料は、実質的な同様の速度で研磨される、請求項25に記載のマルチレンズカラム。
【請求項28】
前記犠牲材料は、Si、Si、及びSiのうちの1つを含む、請求項25に記載のマルチレンズカラム。
【請求項29】
前記犠牲材料は、前記エッチング不可能な材料と実質的に同様の屈折率を有する、請求項25に記載のマルチレンズカラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年5月18日に出願された「High Precision Nanoscale Thin Film Fabrication Processes」と題する米国仮特許出願第63,026,215号の優先権を主張しており、その全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。本出願はさらに、2020年5月29日に出願された「High Precision Nanoscale Thin Film Fabrication Processes」と題する米国仮特許出願第63/031,681号の優先権を主張しており、その全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、一般に、ナノスケール薄膜堆積に関し、より詳細には、ナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスを用いたマルチレンズカラムにおける光学要素の作製に関する。
【背景技術】
【0003】
現在の最先端の半導体パターニングは、100nmを大きく下回り、場合によっては10nmにまで迫るフィーチャサイズを含む。このような高解像度のフィーチャでは、解像度が波長に正比例するため、可視波長ではもはや十分でない。そのため、UV域の電磁放射線が必要となる。一般的に使用される幾つかの波長には、248nm(水銀蒸気)、193nm(エキシマレーザー)、及び157nm(真空UV)が含まれる。同時に、解像度はシステムの開口数を増やす、典型的には0.9を超えると向上する。これは理論的には、大口径のレンズを使用することで実現できる。しかしながら、これらのレンズは従来、製作、位置合わせ、及びシステムへの取り付けが困難で高価であった。このような制約を調整するために、このような光学システムは通常、典型的には10枚を超える多数のレンズ要素で設計されている。複数の要素を使用することで、個々では開口数が低いが、連携して機能して所望の開口数値を得ることができるより小さい要素を使用して、高い開口数を達成することができる。
【0004】
しかしながら、光学システムに複数の要素を使用することは、他の困難を導入する。それらの困難の1つは、個々の要素間の「隙間」の存在である。理想的には、光学要素-隙間の界面にわたって最小限の屈折率不整合を可能にする光学セメントをそれらの隙間に使用したいものである。しかしながら、エキシマレーザー及び他のUV放射線の使用は、それらのセメントの品質を急速に低下させ得るため、このようなセメントの使用は排除される。そこで、セメントの代わりに、隙間をそのままにしておく、つまり隙間を空隙とすることができる。この場合は、光学要素と空隙との間の屈折率不整合が大きくなり、入射角と屈折角が全内部反射の臨界角を超えないように光学システムを設計することが重要になる。さらに、光学システム全体もまた、システム内の全光学収差が画像を歪ませることができる値を超えないように設計される必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態において、マルチレンズカラムにおける1つ又は複数の要素を作製するための方法は、基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することを含む。本方法はさらに、インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することを含む。本方法は追加的に、膜を局所的に加熱することを含む。さらに、本方法は、UV光に膜を露出させることにより膜を硬化させることを含み、ここで、硬化膜は、基板とともにマルチレンズカラムの要素を形成する。追加的に、本方法は、硬化膜と基板に対して光学的計測を行うことを含む。
【0006】
本発明の別の実施形態において、マルチレンズカラムにおける1つ又は複数の要素を作製するための方法は、ナノスケール精密プログラマブルプロファイリングプロセスを使用して、外部収差又は固有の収差を補正するために、不精密(imprecise)レンズの表面に硬化膜を堆積することを含む。ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することを含む。ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、さらに、インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することを含む。ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、追加的に、デジタルマイクロミラーデバイスアレイを用いて膜を局所的に加熱することを含む。さらに、ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、UV光に露出させることにより膜を硬化させることを含む。本方法はさらに、硬化膜のプロファイルをドライエッチングによって基板に転写することを含み、ここで、硬化膜の転写されたプロファイルを有する基板は、マルチレンズカラムの要素を形成する。
【0007】
本発明のさらなる実施形態において、マルチレンズカラムの1つ又は複数の光学要素は、ナノスケール精密プログラマブルプロファイリングプロセス及びドライエッチプロセスを用いて作製された。ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することを含む。ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスはさらに、インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することを含む。ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは追加的に、膜を局所的に加熱することを含む。さらに、ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、UV光に露出させることにより膜を硬化させることを含む。追加的に、ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、硬化膜のプロファイルをドライエッチプロセスによって基板に転写することを含み、ここで、硬化膜の転写されたプロファイルを有する基板は、マルチレンズカラムの光学要素を形成する。
【0008】
上記は、以下に続く本発明の詳細な説明がより良く理解されるように、本発明の1つ又は複数の実施形態の特徴及び技術的利点をむしろ一般的に概説したものである。以下、本発明の請求項の主題を形成し得る本発明の追加の特徴及び利点について説明する。
【0009】
以下の詳細な説明を以下の図面と共に考慮すると、本発明のより良い理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による、公称非平坦の基板上でのナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスのための方法のフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態による、スーパーストレート(superstrate)を使用せずにナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための方法のフローチャートである。
図3A】本発明の一実施形態による、図2に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図3B】本発明の一実施形態による、図2に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図3C】本発明の一実施形態による、図2に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図3D】本発明の一実施形態による、図2に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図3E】本発明の一実施形態による、図2に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図4】本発明の一実施形態による、スーパーストレートを使用せずにナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための方法のフローチャートである。
図5A】本発明の一実施形態による、図4に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図5B】本発明の一実施形態による、図4に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図5C】本発明の一実施形態による、図4に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図5D】本発明の一実施形態による、図4に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図5E】本発明の一実施形態による、図4に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図6】本発明の一実施形態による、スーパーストレートを使用してナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための方法のフローチャートである。
図7A】本発明の一実施形態による、図6に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用してnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図7B】本発明の一実施形態による、図6に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用してnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図7C】本発明の一実施形態による、図6に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用してnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図7D】本発明の一実施形態による、図6に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用してnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図7E】本発明の一実施形態による、図6に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用してnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図8】本発明の一実施形態による、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用の要素を作製するための方法のフローチャートである。
図9A】本発明の一実施形態による、図8に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図9B】本発明の一実施形態による、図8に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図9C】本発明の一実施形態による、図8に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図10】本発明の一実施形態による、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用の要素を作製するための代替的な方法のフローチャートである。
図11A】本発明の一実施形態による、図10に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図11B】本発明の一実施形態による、図10に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図11C】本発明の一実施形態による、図10に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
図12】本発明の一実施形態による、マルチレンズ光学システムの一例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態による、元のシステムの一部であるnP3を用いて作製された要素を示す図である。
図14】一実施形態による、光学性能を改善し、システム内の他の要素のための設計、製作、及び組み立ての公差を緩和するために、nP3プロセスを使用して製作され、元のシステムに追加された補正板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
背景のセクションで述べたように、現在の最先端の半導体パターニングは、100nmを大きく下回り、場合によっては10nmにまで迫るフィーチャサイズを含む。このような高解像度のフィーチャでは、解像度が波長に正比例するため、可視波長ではもはや十分でない。そのため、UV域の電磁放射線が必要となる。一般的に使用される幾つかの波長には、248nm(水銀蒸気)、193nm(エキシマレーザー)、及び157nm(真空UV)が含まれる。同時に、解像度はシステムの開口数を増やす、典型的には0.9を超えると向上する。これは理論的には、大口径のレンズを使用することで実現できる。しかしながら、これらのレンズは従来、製作、位置合わせ、及びシステムへの取り付けが困難で高価であった。このような制約を調整するために、このような光学システムは通常、典型的には10枚を超える多数のレンズ要素で設計されている。複数の要素を使用することで、個々では開口数が低いが、連携して機能して所望の開口数値を得ることができるより小さい要素を使用して、高い開口数を達成することができる。
【0012】
しかしながら、光学システムに複数の要素を使用することは、他の困難を導入する。それらの困難の1つは、個々の要素間の「隙間」の存在である。理想的には、光学要素-隙間の界面にわたって最小限の屈折率不整合を可能にする光学セメントをそれらの隙間に使用したいものである。しかしながら、エキシマレーザー及び他のUV放射線の使用は、それらのセメントの品質を急速に低下させ得るため、このようなセメントの使用は排除される。そこで、セメントの代わりに、隙間をそのままにしておく、つまり隙間を空隙とすることができる。この場合は、光学要素と空隙との間の屈折率不整合が大きくなり、入射角と屈折角が全内部反射の臨界角を超えないように光学システムを設計することが重要になる。さらに、光学システム全体もまた、システム内の全光学収差が画像を歪ませることができる値を超えないように設計される必要がある。
【0013】
本発明の原理は、半導体ウェハ検査に望ましい公差を超えて画像を歪ませることができる値を超えないシステム内の全光学収差を有する光学システムを開発するために使用される。
【0014】
ここで図を詳細に参照すると、図1は、公称非平坦の基板上でのナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスのための方法100のフローチャートである。以下の説明は、公称曲率を有する基板に関連しているが、平坦、非球面、自由形状などの他の基板プロファイルも、同じプロセスを用いて処理することができる。
【0015】
図1を参照すると、ステップ101において、基板のプロファイル又は他の特性が測定される。
【0016】
ステップ102において、プロファイリング材料滴パターンが生成され、基板又はスーパーストレートの上に吐出される。一実施形態では、スーパーストレートは、名目上、ポリカーボネート、PET、PENなどの可撓性材料の非パターン化ロールであるが、テクスチャ又はパターンの横方向の空間長尺が所望のプロファイルの横方向の空間長尺より少なくとも1桁低いテクスチャ化又はパターン化ロールでもあり得る。
【0017】
一実施形態では、スーパーストレートウェブ速度は、滴下配置精度を維持するために、吐出タイミングサイクルと同期される。一実施形態では、滴下位置はまた、基板とのコンフォーマル接触時に、滴が基板上の必要な場所に配置されるように、基板上の所望の位置に対応する。
【0018】
ステップ103において、堆積された滴を有するスーパーストレート領域は、紫外線(UV)ランプ及びUV透過性(UVT)チャックの下のプロファイリングゾーンまで移動される(traversed)。スーパーストレートの張力は、最終的な表面プロファイルによって必要とされる所望のレベルに調整される。一実施形態では、UVTチャックは、その後にスーパーストレートを所定の位置に保持するために使用される。
【0019】
ステップ104において、基板をチャックに取り付けた垂直チャック運動(VCM)ステージが、水平XYステージの助けによってプロファイリングゾーンにもたらされる。VCMステージは、ボイスコイル、圧電アクチュエータ、空気圧アクチュエータなどを用いて作動させることができる。一実施形態では、チャックは、変化する曲率を支持するために3ピンマウントとすることができる。一実施形態では、VCMステージの垂直先端傾斜運動により、基板とスーパーストレートとの適切な位置合わせ及び隙間制御が可能となる。
【0020】
ステップ105において、キャビティ内の空気圧を高めてスーパーストレートウェブの曲率を作り、滴を合流させて連続膜を形成することができる。これにより、巻き込まれた気泡を軽減することができる。UVTチャックに取り付けたカメラを使用して、気泡の巻き込みを観察する。画像処理により気泡を特定し、滴の広がりと気泡の軽減を確実にするために、スーパーストレートの狙った位置に自動的に空気を送り込む。
【0021】
ステップ106において、液膜(連続膜)は、デジタルマイクロミラーデバイスアレイを通して投影される赤外放射源、又は分散マイクロヒーター、又は基板を横切って急速に走査できるステージに取り付けられたレーザー源などの空間的に変調された熱アクチュエータの助けによって、局所的に加熱される。局所加熱により、膜厚プロファイルをさらに制御することができる。
【0022】
ステップ107において、毛管力及び熱力が所望のトポグラフィを形成するのに必要な所定の時間の後、プロファイリング材料をUV硬化させる。VCMステージは、その垂直運動によってスーパーストレートから基板を分離するために使用される。
【0023】
ステップ108において、基板は、VCMステージとともに、計測ステーションにもたらされる。VCMステージは、測定点における基板の曲面に対する法線を、干渉計、収差計、又はシャック・ハルトマン波面センサなどの測定システムの光軸に合わせるのを助ける。レーザービームは基板を通り、(異なる出力を考慮するための)自動テレスコピックシステムを通して測定システムに伝送される。XYステージを使用して基板を水平面内で走査し、基板上のあらゆる位置でトポグラフィを測定する。測定が行われると、さらなる処理が必要かどうかの判断が行われる(多段階プロセスの場合、又は前段階の間違いを修正するため)。処理が必要な場合は、水平ステージが基板をプロファイリングゾーンに戻す。一実施形態では、ツール内の通信モジュールは、基板計測、ツールセンサ及び滴パターンに関連するデータを転送し交換するために使用することができる。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態による、スーパーストレートを使用せずにナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための方法200のフローチャートである。図3A~3Eは、本発明の一実施形態による、図2に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して非平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図を示す。
【0025】
図2図3A~3Eと併せて参照すると、ステップ201において、図3Aに示されるように、非平坦基板303上にインクジェット302によってUV硬化性液体301(例えば、MicroResist(登録商標) TechnologiesからのmrUVCur26-SF)の滴が吐出される。一実施形態では、インクジェット302によって吐出されるUV硬化性液体301の量は、所望の膜厚プロファイルに基づく。
【0026】
ステップ202において、図3Bに示されるように、インクジェットされた滴301の広がりと合流によって、所望の不均一な液膜304が形成される。
【0027】
ステップ203において、図3Cに示すように、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)アレイ305を使用して膜304を局所的に加熱する。一実施形態では、DMDアレイ305(例えば、Texas Instruments(登録商標)からのデジタル光処理(DLP)チップセット)は、高反射アルミニウムマイクロミラーのアレイを含む光学マイクロ電気機械システム(MEMS)に対応し、それは、膜304上などでIR光を反射させる。一実施形態では、赤外(IR)光は、1,000~11,000nmの間の波長範囲からなる。一実施形態では、IR光源は、IRレーザーである。一実施形態では、膜304の局所的な加熱は、DMDアレイ305を用いて投影される赤外光源、分散マイクロヒーター、及びステージに取り付けられた赤外レーザー源のうちの1つ又は複数を用いて行われる。
【0028】
一実施形態では、DMDアレイ305は、熱勾配及び流動勾配の時空間制御による超精密プロファイリングを可能にする。
【0029】
ステップ204において、毛管力及び熱力が所望のトポグラフィを形成するのに必要な所定の時間の後、図3Dに示すように、膜304は、UV光306に露出させることによってUV硬化され、それによって硬化膜307を形成し、これは基板303とともに、マルチレンズカラムの要素を形成する。
【0030】
ステップ205において、基板303は次に計測ステーションにもたらされ、そこで図3Eに示すように、品質制御のために、光学計測308が硬化膜307及び基板303に対して行われる。一実施形態では、光学計測は、リアルタイムのフィードバック及び制御を可能にするために、ステップ202及び203と同時にin-situで実施される。
【0031】
一実施形態では、nP3プロセスの後に、任意の反応性イオン又はドライエッチングステップを行うことができる。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態による、スーパーストレートを使用せずにナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための方法400のフローチャートである。図5A~5Eは、本発明の一実施形態による、図4に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用せずにnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図を示す。
【0033】
図4図5A図5Eと併せて参照すると、ステップ401において、図5Aに示すように、チャック504によって支持された平坦基板503上にインクジェット502によってUV硬化性液体501の滴が吐出される。一実施形態では、インクジェット502によって吐出されるUV硬化性液体501の量は、所望の膜厚プロファイルに基づく。
【0034】
ステップ402において、図5Bに示すように、インクジェットされた滴501の広がりと合流によって、所望の不均一な液膜505が形成される。
【0035】
ステップ403において、図5Cに示すように、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)アレイ506を使用して膜505を局所的に加熱する。一実施形態では、DMDアレイ506(例えば、Texas Instruments(登録商標)からのデジタル光処理(DLP)チップセット)は、高反射アルミニウムマイクロミラーのアレイを含む光学マイクロ電気機械システム(MEMS)に対応し、それは、膜505上などでIR光を反射させる。一実施形態では、赤外(IR)光は、1,000~11,000nmの間の波長範囲からなる。一実施形態では、IR光源は、IRレーザーである。一実施形態では、膜505の局所的な加熱は、DMDアレイ506を用いて投影される赤外光源、分散マイクロヒーター、及びステージに取り付けられた赤外レーザー源のうちの1つ又は複数を用いて行われる。
【0036】
一実施形態では、DMDアレイ506は、熱勾配及び流動勾配の時空間制御による超精密プロファイリングを可能にする。
【0037】
ステップ404において、毛管力及び熱力が所望のトポグラフィを形成するのに必要な所定の時間の後、図5Dに示すように、膜505は、UV光507に露出させることによってUV硬化され、それによって硬化膜508を形成し、これは基板503とともに、マルチレンズカラムの要素を形成する。
【0038】
ステップ405において、基板503は次に計測ステーションにもたらされ、そこで図5Eに示すように、品質制御のために、光学計測509が硬化膜508及び基板503に対して行われる。一実施形態では、光学計測は、リアルタイムのフィードバック及び制御を可能にするために、ステップ402及び403と同時にin-situで実施される。
【0039】
一実施形態では、nP3プロセスの後に、任意の反応性イオン又はドライエッチングステップを行うことができる。
【0040】
図6は、本発明の一実施形態による、スーパーストレートを使用してナノスケール精密プログラマブルプロファイリング(nP3)プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための方法600のフローチャートである。図7A~7Eは、本発明の一実施形態による、図6に記載されたステップを使用した、スーパーストレートを使用してnP3プロセスを使用して平坦基板上にマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図を示す。
【0041】
図6図7A~7Eと併せて参照すると、ステップ601において、図7Aに示すように、チャック704によって支持された平坦基板703上にインクジェット702によってUV硬化性液体701の滴が吐出される。一実施形態では、インクジェット702によって吐出されるUV硬化性液体701の量は、所望の膜厚プロファイルに基づく。
【0042】
ステップ602において、図7Bに示すように、インクジェットされた滴701を広げ、合流させるために、スーパーストレート706を吐出されたUV硬化性液体701の滴と接触させることによって、所望の不均一な液膜705が形成される。一実施形態では、スーパーストレートは、名目上、ポリカーボネート、PET、PENなどの可撓性材料の非パターン化ロールであるが、テクスチャ又はパターンの横方向の空間長尺が所望のプロファイルの横方向の空間長尺より少なくとも1桁低いテクスチャ化又はパターン化ロールでもあり得る。
【0043】
ステップ603において、図7Cに示すように、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)アレイ707を使用して膜705を局所的に加熱する。一実施形態では、DMDアレイ707(例えば、Texas Instruments(登録商標)からのデジタル光処理(DLP)チップセット)は、高反射アルミニウムマイクロミラーのアレイを含む光学マイクロ電気機械システム(MEMS)に対応し、それは、膜705上などでIR光を反射させる。一実施形態では、IR光は、1,000~11,000nmの間の波長範囲からなる。一実施形態では、IR光源は、IRレーザーである。一実施形態では、膜705の局所的な加熱は、DMDアレイ707を用いて投影される赤外光源、分散マイクロヒーター、及びステージに取り付けられた赤外レーザー源のうちの1つ又は複数を用いて行われる。
【0044】
一実施形態では、DMDアレイ707は、熱勾配及び流動勾配の時空間制御による超精密プロファイリングを可能にする。
【0045】
ステップ604において、毛管力及び熱力が所望のトポグラフィを形成するのに必要な所定の時間の後、図7Dに示すように、膜705は、UV光708に露出させることによってUV硬化され、それによって硬化膜709を形成し、これは基板703とともに、マルチレンズカラムの要素を形成する。
【0046】
ステップ605において、図7Eに示すように、スーパーストレート706を、エッチングを介するなどして除去する。
【0047】
ステップ606において、基板703は次に計測ステーションにもたらされ、そこで図7Eに示すように、品質制御のために、光学計測710が硬化膜709及び基板703に対して行われる。一実施形態では、光学計測は、リアルタイムのフィードバック及び制御を可能にするために、ステップ602及び603と同時にin-situで実施される。
【0048】
一実施形態では、nP3プロセスの後に、任意の反応性イオン又はドライエッチングステップを行うことができる。
【0049】
図8は、本発明の一実施形態による、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用の要素を作製するための方法800のフローチャートである。図9A~9Cは、本発明の一実施形態による、図8に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図を示す。
【0050】
図8図9A~9Cと併せて参照すると、ステップ801において、図9A~9Bに示すように、基板901の固有の収差を補正するために、nP3プロセスを用いて、異なる種類のガラス(例えば、溶融シリカ、石英、BK-7、UVグレード溶融シリカなど)又はシリコンから作製されるような不精密基板901の表面上に薄膜902を堆積する。このようなプロセスの目的は、理想的な基板を作製することである。
【0051】
ステップ802では、硬化後、薄膜のプロファイル903がドライエッチによって下の基板901に転写され、それによって図9Cに示すような完成した理想的なレンズが形成される。一実施形態では、転写されたプロファイル903を有する基板901は、マルチレンズカラムの要素を形成する。
【0052】
図10は、本発明の一実施形態による、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用の要素を作製するための代替的な方法1000のフローチャートである。図11A~11Cは、本発明の一実施形態による、図10に記載されたステップを使用した、不精密レンズ上でnP3プロセスを使用してマルチレンズカラム用などの要素を作製するための断面図である。
【0053】
図10図11A~11Cと併せて参照すると、ステップ1001において、図11A~11Bに示すように、基板1101の外部収差を補正するために、nP3プロセスを用いて、異なる種類のガラス(例えば、溶融シリカ、石英、BK-7、UVグレード溶融シリカなど)又はシリコンから作製されるような不精密基板1101の表面上に薄膜1102を堆積する。このようなプロセスの目的は、収差が補正されたレンズを作製することである。
【0054】
ステップ1002では、硬化後、薄膜のプロファイル1103がドライエッチによって下の基板1101に転写され、それによって図11Cに示すような収差が補正された完成したレンズが形成される。一実施形態では、転写されたプロファイル1103を有する基板1101は、マルチレンズカラムの要素を形成する。
【0055】
一実施形態では、nP3プロセスは、精密光学機器に使用される。精密光学要素には、多種多様な用途のためのミラー及びレンズが含まれる。用途に応じて、このような要素は、異なる基板材料から作製する必要があり得、平坦、自由形状、又は公称曲面の何れかであることができる。nP3プロセスは、基板上の既存のトポグラフィを補正して所望のトポグラフィに一致させるか、あるいは、光学収差の最小化などのシステムに望ましい幾つかの機能特性を付与するために、出発基板から全く異なるプロファイルを生成するために使用することができる。幾つかの用途では、nP3プロセスは、基板上に残される機能性膜を堆積する。例えば、光学用途では、機能性材料は、基板の屈折率と一致する屈折率を有する膜とすることができる。幾つかの用途では、nP3プロセスは犠牲膜を堆積し、それは次いで、エッチングステップを用いて基板に膜のプロファイルを転写するために使用することができる。ポリマー膜と基板又は基板上の下地膜との間の相対的なエッチレート比は、0.02~50の範囲で変化することができる。このエッチレート比に基づいて、犠牲膜のプロファイルを変更し、基板に最終的な所望のプロファイルを得ることができる。また、犠牲膜のプロファイルは、エッチングステップなどの前処理又は後処理ステップにおける系統的誤差を補償するように調整することができる。これらの用途の幾つかでは、ポリマー膜の存在は、基板の機能性を低下させ得るため、例えば、高強度レーザービーム光学機器、又は深紫外(DUV)顕微鏡対物レンズなどの他のハイエンド精密光学機器、又は半導体ウェハ及びマスクの計測及び特性評価で使用されるものなどの機能性を可能にするために除去される必要がある。一実施形態では、エッチングステップは、犠牲プロファイリング材料と下の基板材料のエッチレートの間の所望の比率を得るために、プラズマプロセスを用いて反応性イオンエッチング(RIE)チャンバ内で実施される。エッチングステップ自体は、複数の粗いステップと細かいステップに分解することができ、粗いステップでは、高いスループットのために高いエッチレートで相当量の材料を除去することができ、細かいステップでは所望のプロファイルの誤差を補正することができる。一実施形態では、粗いステップと細かいステップの間に中間計測を実施することができる。さらに、幾つかの用途では、nP3プロセス膜上に追加の均一な膜を堆積させることができる。例えば、基板に適切なプロファイルで光反射特性を与えることができるように、nP3プロセスの後に均一な金属層を堆積させてもよい。
【0056】
一実施形態において、精密光学機器のためのnP3プロセスの例示的な用途は、半導体光リソグラフィ、計測、及び検査装置である。
【0057】
nP3プロセスを用いて作製される光学要素の例示的な用途は、半導体光学リソグラフィ、イメージング、検査、計測、顕微鏡、特性評価、カメラ、及びマルチレンズカラムを必要とする他のシステムの間に使用されるマルチレンズ光学システムを含む。一実施形態では、nP3プロセスは、RIEと組み合わされてもよい。現在の最先端の半導体パターニングは、100nmを大きく下回り、場合によっては10nmにまで迫るフィーチャサイズを含む。このような高解像度のフィーチャでは、解像度が波長に正比例するため、可視波長ではもはや十分でない。そのため、UV域の電磁放射線が必要となる。一般的に使用される幾つかの波長には、248nm(水銀蒸気)、193nm(エキシマレーザー)、及び157nm(真空UV)が含まれる。同時に、解像度はシステムの開口数を増やす、典型的には0.9を超えると向上する。これは理論的には、大口径のレンズを使用することで実現できる。しかしながら、これらのレンズは従来、製作、位置合わせ、及びシステムへの取り付けが困難で高価であった。このような制約を調整するために、このような光学システムは通常、典型的には10枚を超える多数のレンズ要素で設計されている。複数の要素を使用することで、個々では開口数が低いが、連携して機能して所望の開口数値を得ることができるより小さい要素を使用して、高い開口数を達成することができる。
【0058】
しかしながら、光学システムに複数の要素を使用することは、他の困難を導入する。それらの困難の1つは、個々の要素間の「隙間」の存在である。理想的には、光学要素-隙間の界面にわたって最小限の屈折率不整合を可能にする光学セメントをそれらの隙間に使用したいものである。しかしながら、エキシマレーザー及び他のUV放射線の使用は、それらのセメントの品質を急速に低下させ得るため、このようなセメントの使用は排除される。そこで、セメントの代わりに、隙間をそのままにしておく、つまり隙間を空隙とすることができる。この場合は、光学要素と空隙との間の屈折率不整合が大きくなり、入射角と屈折角が全内部反射の臨界角を超えないように光学システムを設計することが重要になる。さらに、光学システム全体もまた、システム内の全光学収差が所望の公差を超えて画像を歪ませることができる値を超えないように設計される必要がある。光学収差の典型的な仕様には、システム全体に対してλ/10よりも優れたピークトゥーバレー(P-V)、及び/又は、λ/30よりも優れた二乗平均平方根(root mean square;RMS)の光学路差の誤差、及び、少なくとも0.9、多くの場合0.95を超えるストレール比(光学要素の光学結像品質)が含まれ、ここで、λは使用される光の波長である。これらの仕様はまた、典型的には、多くの変更なしに個々の要素自体に直接移される。このような厳しい性能仕様は、厳しい作製公差を意味し、故に個々の要素のコストを上昇させる。さらに、マルチレンズ光学システムはまた、偏光収差、軸上収差(例えば、球面収差)、及び軸外収差(例えば、コマ)など、特定の収差の制御に特化した個々の要素を有することもできる。また、短波長では、実質的に単色の光源を使用しているにもかかわらず、色収差が大きくなることがあり、精密なダブレットレンズ及び/又はトリプレットレンズを使用して補正する必要があり得る。例えば、溶融シリカは、波長248nmで±5nmの帯域幅にわたって~0.007の屈折率変化を示す。BK-7ガラスでは、可視光域全体の大部分にわたって同様の屈折率変化が観察される。
【0059】
これらの収差の性質はまた、個々の要素の取り付けと位置合わせの後に決定されるものでもある。従って、光学性能の仕様は、特に、輸送中、このような要素及びそれらの取り付け台が-40℃~60℃の温度範囲にさらされ得ることを考えると、個々の要素の取り付け及び位置合わせにおける公差をも導く。システムの最終的な品質認証の間にシステムにおける全体の収差を最小にするために、カラム内の1つ又は複数の要素を調整又は変換することができる。これらの収差は、偏光収差、色収差、及び軸上収差と軸外収差の両方から構成され得る。
【0060】
開口数(NA)及び光学収差も、システムの達成可能な倍率に影響を与える可能性があり、これは、センサアレイのサイズと相まって、視野の定義につながる。結果として、これは重要な検討事項となり得るが、なぜなら、システムのスループットを最大化するためには、大きな視野を有することが望ましいからである。典型的に、NAを大きくすると、ワーキングディスタンスが短くなり、解像度が上がり、倍率が上がり、視野が狭くなる。収差プロファイルを広い面積にわたって精密に制御できる場合、より広い視野にわたって高NA(高倍率)を達成することができる。本明細書に開示された本発明の原理は、システムのNAを損なうことなく、視野を拡大することができる。例えば、マルチレンズカラムの視野は、マルチレンズカラムが投影リソグラフィに使用される場合、250平方ミリメートルよりも大きい。イメージングシステムでは、視野はイメージングセンサのサイズにも依存し、センササイズによる倍率の関数として与えることができる。例えば、対角幅(diagonal width)100mmのイメージングセンサで倍率が1000倍の場合、視野の対角幅は0.1mmとなる。高解像度化には、大きな倍率が重要である。しかしながら、このような大きな倍率は、システムのNAが高い、典型的に0.9を超え、理想的には0.95を超える場合にのみ可能であり、ここで達成可能なNAは、システムにおける収差の関数である。低収差で高スループットを実現するイメージングシステムでは、対角幅が100マイクロメートルを超え、理想的には対角幅が1mmを超えることができる視野を有することが望ましい。リソグラフィ用の投影光学機器のような照明システムでは、固定サイズのイメージングセンサの制約を受けずに高NAを実現することができる。水中浸漬を使用して、NAを、1.9を超えて高くすることができる。このようなシステムでは、典型的には10倍よりも低い倍率(通常は1倍又は4~5倍の減倍率)において高開口数とともに大視野が可能となり得る。典型的なリソグラフィシステムは投影走査方式を使用し、約26mm×5mmの視野を有する。大視野、高NAの光学機器を作製するには、多数のレンズ要素(例えば5~15個)のシステムが必要であり、これらのレンズ要素のそれぞれを高精度に研磨し、精密に組み立てる必要がある。そのため、光学システム全体の歩留まりは、これらの精密レンズのそれぞれの歩留まりの積によって決まる。このことは、非常に低い歩留まりにつながることがあり、このようなレンズシステムの作製を、法外に高価(又は非現実的)にする可能性がある。
【0061】
本発明の実施形態は、レンズシステムにおける複数のレンズに対する要求を低減し、複数のレンズに対する低減された要求を補償することができる複雑なプロファイルを有する1つ又は少数の精密補正板の作製に重点をおくことによって、この問題を回避する。このことは、要素のうちの少数のみが高精度を必要とするため、システム全体の歩留まりを向上させることで、高NA、高視野、及び高倍率のレンズシステムの製作を可能にすることができる。
【0062】
図12は、本発明の一実施形態による、マルチレンズ光学システムの一例を示す。
【0063】
一実施形態では、nP3プロセスの使用は、図12に示すように、半導体光学イメージング、リソグラフィ、計測、顕微鏡、検査、特性評価、診断、カメラ、及びマルチレンズカラムを必要とする他のシステム用のマルチレンズ光学システムで用いるための要素を作製するために、RIEと組み合わせられることがある。このプロセスは、このようなシステムで使用ことができる1つ又は複数の光学要素のプロファイルにわたる精密な制御を提供する。これらの要素は、公称曲面であるレンズ(球面、非球面、自由形状、トーリックなど)又は公称平坦である板(例えば、窓)の何れかとすることができる。さらに、一実施形態では、nP3プロセスを用いて作製された1つ又は複数の要素を有するマルチレンズ光学システムの使用を、RIEと組み合わせることができる。このような1つ又は複数のnP3要素は直接、元のシステム設計の一部とすることができ(図13に示す)、nP3プロセスの使用は、より低い又は同様のコスト構造で、おそらくは現在の最先端よりも高い精度、及び、結果としてより良い光学性能を提供する。図13は、本発明の一実施形態による、元のシステムの一部であるnP3を用いて作製された要素1301を示す。
【0064】
nP3要素の設計及び製作は、nP3要素を有しないシステムの収差及び光学性能を測定した後に行うことができる。そのような1つ又は複数のnP3要素はまた、システムの製作及び組み立てにおいて生じる収差を補償するために元のシステムに追加される、カスタム補正板であることができる(図14に示す)。図14は、一実施形態による、光学性能を改善し、システム内の他の要素のための設計、製作、及び組み立ての公差を緩和するために、nP3プロセスを使用して製作され、元のシステムに追加される補正板1401を示す。
【0065】
これらの収差は、軸上収差、軸外収差、色収差、単色収差、偏光収差、及び他の収差を含むことができる。一実施形態では、これらの収差は、システムの組み立て後、nP3補正板の組み立ての前に測定される。これにより、光学システム内の非nP3要素をより緩やかな公差で製作及び組み立てすることが可能になり、一方で、1つ又は複数のnP3要素は、他の要素から生じる誤差を補償するために製作及び組み立ての必要な精度を有し、ここで、このような誤差は、システムの最終組み立ての前に測定される。従って、このようなnP3要素は、レンズカラム内の他の要素が組み立てられた後に、設計、製作、及び組み立てられる。
【0066】
一実施形態では、このような光学nP3要素は、暗視野イメージング、明視野イメージング、共焦点顕微鏡、及び高開口数対物レンズで使用される。
【0067】
一実施形態では、このような光学nP3要素は、組み立ての間に空隙とともに使用される。
【0068】
また、nP3プロセスによって可能になる、このような1つ又は複数のnP3要素は、おそらく、従来の研磨又は研削プロセスを用いて作製された光学要素を使用して設計された光学システムにおけるほど多くの要素を必要とせずに所望の光学性能を達成することができる、より少ない要素、又はより大きな面積の要素による新しい光学システム設計につながる可能性もある。このような1つ又は複数のnP3要素はまた、より大きな視野を可能にし、システムのスループットを向上させることもできる。このような1つ又は複数のnP3要素はまた、SiO(UVグレードの溶融シリカ、溶融石英、及び他の種類のガラスを含む)、Al、MgF、CaF、ZnSなどの材料から作製することも可能である。MgF及びCaFなどの幾つかの材料(本明細書では「エッチング不可能な材料」と呼ぶ)は、一般に使用されるエッチガス(例えば、酸素、アルゴン、CHF、HBr、Clなど)と反応することによって揮発性の副生成物を容易に形成しない場合があるので、プラズマチャンバ内でのエッチングが困難又は実質的にエッチング不可能なことがある。このような材料の場合、Si、Si、Si、又はRIEを用いてエッチングできる他の酸化物及び窒化物の中間犠牲膜を、化学気相成長(CVD)又は物理気相成長(PVD)プロセスを用いて基板上に堆積させることができる。この中間犠牲膜は次いで、RIEと組み合わせてnP3を使用してプロファイル化され、その結果、下にあるエッチング不可能な材料を犠牲材料で実質的に覆う。このような犠牲材料は、光学要素とのシームレスな界面を形成するように、下にあるエッチング不可能な材料と実質的に一致する屈折率を有することができる。このような犠牲材料は、犠牲材料の存在による光学性能の損失が最小になるように、十分に低い厚さを有することができる。このような犠牲材料は、界面がモスアイ構造のように振る舞い、反射による損失を最小限に抑えるように、エッチング不可能な材料のテクスチャ層上に堆積させることができる。このような犠牲材料はまた、犠牲材料とエッチング不可能な材料の両方に対する材料除去率が実質的に類似し、エッチング不可能な材料へのプロファイルの実質的な転写をもたらすように、(例えばサブアパーチャ研磨などの技術を使用して)研磨又は研削されることもある。多くの研磨プロセスは、材料除去率が研磨圧力と基板の相対速度に正比例するというプレストン方程式に従う。比例係数はプレストン係数と呼ばれ、典型的には、実験的に得られる。研磨プロセスは、犠牲材料とエッチング不可能な材料の両方でプレストン係数の値が類似することを確実にするように設計又は最適化することができる。研磨又は研削プロセスにおける任意の系統的誤差は、犠牲材料のnP3プロファイリングにおいて補償され得る。
【0069】
本発明の様々な実施形態の記載は、例示の目的で提示されたが、網羅的であること又は開示された実施形態に限定されることを意図するものではない。記載された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実用化又は技術改善を最もよく説明するために、又は当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することを可能にするために、選択されたものである。
【符号の説明】
【0070】
301、501、701 滴、UV硬化性液体
302、502、702 インクジェット
303 非平坦基板
304、505、705 液膜
305、506、707 DMDアレイ
306、507、708 UV光
307、508、709 硬化膜
308、509、710 光学計測
503、703 平坦基板
504、704 チャック
706 スーパーストレート
901、1101 基板
902、1102 薄膜
903、1103 プロファイル
1301 要素
1401 補正板
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチレンズカラムにおける1つ又は複数の要素を作製するための方法であって、
基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することと、
前記インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することと、
前記膜を局所的に加熱することと、
UV光に前記膜を露出させることにより前記膜を硬化させることであって、ここで、前記硬化膜は、前記基板とともに前記マルチレンズカラムの要素を形成する、ことと、
前記硬化膜と前記基板に対して光学的計測を行うことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記インクジェットされた滴の前記広がりと合流は、スーパーストレートによって可能になる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光学的計測は、前記不均一な液膜の前記形成と同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化膜と前記基板から形成される前記マルチレンズカラムの前記要素は、前記マルチレンズカラムの1つ又は複数の他の要素の光学収差を補正する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記膜の前記局所的な加熱は、デジタルマイクロミラーデバイスアレイを用いて投影される赤外光源、分散マイクロヒーター、及びステージに取り付けられた赤外レーザー源の1つ又は複数を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
マルチレンズカラムにおける1つ又は複数の要素を作製するための方法であって、
ナノスケール精密プログラマブルプロファイリングプロセスを使用して、外部収差又は固有の収差を補正するために、不精密レンズの表面に硬化膜を堆積することであって、前記ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、
基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することと、
前記インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することと、
前記膜を局所的に加熱することと、
UV光に露出させることにより前記膜を硬化させることと、
を含む、ことと、
前記硬化膜のプロファイルをドライエッチによって前記基板に転写することであって、ここで、前記硬化膜の前記転写されたプロファイルを有する前記基板は、前記マルチレンズカラムの要素を形成する、ことと、
前記基板に対して光学的計測を行うことと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記インクジェットされた滴の前記広がりと合流は、スーパーストレートによって可能になる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記膜の前記局所的な加熱は、デジタルマイクロミラーデバイスアレイを用いて投影される赤外光源、分散マイクロヒーター、及びステージに取り付けられた赤外レーザー源の1つ又は複数を用いて行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
マルチレンズカラムであって、
ナノスケール精密プログラマブルプロファイリングプロセス及びドライエッチプロセスを用いて作製された1つ又は複数の光学要素であって、前記ナノスケール精密プログラミングプロファイリングプロセスは、
基板上にインクジェットによって紫外線(UV)硬化性液体の滴を吐出することと、
前記インクジェットされた滴の広がりと合流によって不均一な液膜を形成することと、
前記膜を局所的に加熱することと、
UV光に露出させることにより前記膜を硬化させることと、
を含む、1つ又は複数の光学要素と、
前記硬化膜のプロファイルを前記ドライエッチプロセスによって前記基板に転写することであって、ここで、前記硬化膜の前記転写されたプロファイルを有する前記基板は、前記マルチレンズカラムの光学要素を形成する、ことと、
を含む、マルチレンズカラム。
【請求項10】
前記1つ又は複数の光学要素は、軸上収差、軸外収差、色収差、及び偏光収差のうちの1つ又は複数を補正する補正板を含む、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の光学要素は、半導体リソグラフィ、イメージング、顕微鏡、検査、特性評価、計測、及びカメラのうちの1つ又は複数で使用される、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項12】
前記マルチレンズカラムにおける全収差は、λ/10よりも優れたピークトゥーバレー(P-V)の光学路差の誤差であり、前記λは光の波長に対応する、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項13】
前記マルチレンズカラムにおける全収差は、λ/30よりも優れた二乗平均平方根(RMS)の光学路差の誤差であり、前記λは光の波長に対応する、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項14】
前記1つ又は複数の光学要素の光学結像品質は、0.95を超えるストレール比を有する、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項15】
前記1つ又は複数の光学要素の開口数は、0.90を超える、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項16】
前記1つ又は複数の光学要素は、SiO、UVグレードの溶融シリカ、CaF、MgF、Al、及びZnSの材料のうちの1つで作製される、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項17】
前記1つ又は複数の光学要素は、前記マルチレンズカラムにおける他の要素が組み立てられた後に、設計、製作、及び組み立てられ、前記1つ又は複数の光学要素は、前記他の組み立てられた要素の収差を補償する、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項18】
前記マルチレンズカラムの視野は、対角幅が100マイクロメートルよりも大きく、ここで、前記マルチレンズカラムはイメージングに使用される、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項19】
前記マルチレンズカラムの視野は、対角幅が1ミリメートルよりも大きく、ここで、前記マルチレンズカラムはイメージングに使用される、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項20】
前記マルチレンズカラムの視野は、250平方ミリメートルよりも大きく、ここで、前記マルチレンズカラムは投影リソグラフィに使用される、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項21】
前記1つ又は複数の光学要素は、反応性イオンエッチングチャンバ内でエッチング不可能な材料で作製され、ここで、犠牲材料が前記エッチング不可能な材料の上に堆積される、請求項に記載のマルチレンズカラム。
【請求項22】
前記エッチング不可能な材料は、前記犠牲材料とともにテクスチャ化された界面を有する、請求項21に記載のマルチレンズカラム。
【請求項23】
前記犠牲材料と前記エッチング不可能な材料は、実質的な同様の速度で研磨される、請求項21に記載のマルチレンズカラム。
【請求項24】
前記犠牲材料は、前記エッチング不可能な材料と実質的に同様の屈折率を有する、請求項21に記載のマルチレンズカラム。
【国際調査報告】