IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アクラレント インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-526519ENTガイド器具用のシャフト偏向制御アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】ENTガイド器具用のシャフト偏向制御アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20230614BHJP
【FI】
A61M25/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571233
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 IB2021053954
(87)【国際公開番号】W WO2021234505
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/028,609
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/239,761
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マットロック・ジョージ・エル
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】アミン・ビーナム
(72)【発明者】
【氏名】モハン・カールティック・ラムヤン
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン・クリシュナ・エム
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA07
4C267BB02
4C267BB28
4C267CC15
4C267HH08
(57)【要約】
装置は、本体、シャフトアセンブリ、及び偏向作動アセンブリを含む。シャフトは、長手方向軸を画定し、可撓性遠位部分を含む。偏向作動アセンブリは、第1の回転アクチュエータ、並進可能な作動部材、及び弾性部材を含む。並進可能な作動部材は、シャフトアセンブリを通って延び、第1の回転アクチュエータとシャフトアセンブリの可撓性遠位部分とに動作可能に結合されている。第1の回転アクチュエータは、回転力によって回転可能であり、それにより並進可能な作動部材を長手方向に駆動する。弾性部材は、第1の回転アクチュエータと本体との間に配置されており、第1の回転アクチュエータと本体との間に摩擦力を加えるように構成されている。摩擦力は、第1の回転アクチュエータを回転させるのに必要な回転力を増加させるように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、
(c)偏向作動アセンブリであって、
(i)第1の回転アクチュエータ、
(ii)前記シャフトアセンブリを通って延在する並進可能な作動部材であって、前記第1の回転アクチュエータ及び前記シャフトアセンブリの前記可撓性遠位部分と動作可能に結合されており、前記第1の回転アクチュエータは、回転力によって回転可能であり、それによって前記並進可能な作動部材を長手方向に駆動し、前記可撓性遠位部分は、前記並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して前記長手方向軸から離れる方向に偏向するように構成されている、並進可能な作動部材、並びに
(iii)前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間に配置された弾性部材であって、前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間に摩擦力を加えるように構成されており、前記摩擦力は、前記第1の回転アクチュエータを回転させるのに必要な前記回転力を増加させるように動作可能である、弾性部材、を含む、偏向作動アセンブリと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、圧縮ばねを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記圧縮ばねは、トロイダル形状に形成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、ガーターばねを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間に加えられる前記摩擦力が一定になるように、前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間で半径方向に圧縮されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の回転アクチュエータは、予め定められた複数の回転位置を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記本体と結合され、前記第1の回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材を更に備え、前記フィードバック部材は、前記第1の回転アクチュエータが回転するときに前記第1の回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、前記協働は、ユーザへのフィードバック指示を生成するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記フィードバック指示は、可聴騒音を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィードバック指示は、触覚応答を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の回転アクチュエータの前記フィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、前記フィードバック部材は、前記第1の回転アクチュエータが回転すると前記1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の回転アクチュエータの前記フィードバック部分における前記1つ又は2つ以上の戻り止めの各々は、前記第1の回転アクチュエータの回転位置に対応するように配置されており、前記第1の回転アクチュエータの前記回転位置は、前記長手方向軸から離れる方向への前記可撓性遠位部分の偏向の程度に対応するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記シャフトアセンブリに対して摺動可能であり、拡張可能な拡張器を備える、拡張カテーテルを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記拡張カテーテル内に摺動可能に配設されたガイドワイヤを更に含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
シャフト回転アセンブリを更に備え、前記シャフト回転アセンブリは、前記シャフトアセンブリを、前記長手方向軸を中心に回転させるように動作可能であり、前記シャフト回転アセンブリは、前記本体の遠位部分に配置された第2の回転アクチュエータを備え、前記第2の回転アクチュエータは、前記長手方向軸に対して垂直の軸を中心に回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記回転アクチュエータと結合されたピンを更に備え、前記回転アクチュエータは、前記並進可能な作動部材を長手方向に駆動するために、前記並進可能な作動部材と前記ピンを介して動作可能に結合されており、前記回転アクチュエータは、回転軸を中心に回転するように構成されており、前記ピンは、前記回転軸から横方向にオフセットされている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリの一部分が、患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されており、前記シャフトアセンブリは、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの前記可撓性遠位部分と動作可能に結合された偏向作動アセンブリであって、回転アクチュエータが回転軸を中心に回転可能であり、それによって前記可撓性遠位部分を前記長手方向軸から離れる方向に偏向させ、前記回転軸は、前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸を横切る、偏向作動アセンブリと、
(d)前記本体と結合され、前記回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材であって、前記回転アクチュエータが回転するときに前記回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、前記協働は、ユーザへのフィードバック指示を生成するように動作可能である、フィードバック部材と、を備える、装置。
【請求項17】
前記回転軸は、前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸に対して垂直である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記回転アクチュエータの前記フィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、前記フィードバック部材は、前記第1の回転アクチュエータが回転されると前記1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の回転アクチュエータの前記フィードバック部分における前記1つ又は2つ以上の戻り止めの各々は、前記第1の回転アクチュエータの回転位置に対応するように配置されており、前記第1の回転アクチュエータの前記回転位置は、前記長手方向軸から離れる方向への前記可撓性遠位部分の偏向の程度に対応するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、
(c)偏向作動アセンブリであって、
(i)第1の回転アクチュエータ、
(ii)カム部材であって、前記第1の回転アクチュエータが、前記カム部材を前記本体に対して前記長手方向軸に沿って長手方向に並進させるように回転可能である、カム部材、
(iii)前記カム部材と摺動可能に結合された引張部材であって、前記カム部材は、前記引張部材を長手方向に並進させるように長手方向に並進可能であり、前記引張部材は、前記本体及び前記カム部材に対して前記長手方向軸を中心に回転するように構成されている、引張部材、並びに
(iv)前記引張部材と前記シャフトアセンブリの前記可撓性遠位部分とに結合された並進可能な作動部材であって、前記可撓性遠位部分は、前記並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して前記長手方向軸から離れる方向に偏向するように構成されている、並進可能な作動部材、を含む、偏向作動アセンブリと、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2020年5月22日出願の米国仮特許出願第63/028,609号、発明の名称「Shaft Deflection Control Assembly for ENT Guide Instrument」の優先権を主張し、その開示内容は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一部の症例においては、患者の解剖学的通路の拡張が望ましい場合がある。これには、副鼻腔の口の拡張(例えば、副鼻腔炎を治療するため)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などが含まれ得る。解剖学的通路を拡張する1つの方法としては、ガイドワイヤ及びカテーテルを用いて解剖学的通路内に膨張可能なバルーンを配置し、続いてバルーンを流体(例えば、生理食塩水)を用いて膨張させて解剖学的通路を拡張することが挙げられる。例えば、拡張可能なバルーンを副鼻腔の口内に配置し、次に膨張させることによって、粘膜の切開又は骨の切除を必要とせずに、口に隣接する骨を再構築することにより口を拡張することができる。その後、拡張した口によって、罹患した副鼻腔からの排液及びその副鼻腔の通気を改善することができる。このような手技を行うために使用され得るシステムは、2011年1月6日に公開された米国特許出願公開第2011/0004057号、発明の名称「Systems and Methods for Transnasal Dilation of Passageways in the Ear,Nose or Throat」の教示に従って提供され得、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。かかるシステムの一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva(登録商標)Spin Balloon Sinuplasty Systemがある。
【0003】
耳管拡張との関連で、拡張カテーテル又は他の拡張器具を耳管に挿入し、続いて、これを膨張させるか、ないしは別の方法で拡張することによって耳管を拡張することができる。拡張された耳管は、鼻咽頭から中耳への通気を改善し、更に中耳から鼻咽頭への排液を改善することができる。耳管を拡張するための方法及びデバイスは、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0274188号、発明の名称「Method and System for Treating Target Tissue within the ET」(2010年10月28日公開)、及び開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0274715号、発明の名称「Method and System for Eustachian Tube Dilation」(2013年10月17日公開)、に開示されている。このようなシステムの一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるAera(登録商標)Eustachian Tube Balloon Dilation Systemがある。
【0004】
可変視野方向内視鏡は、解剖学的通路内の可視化に使用できるが、バルーンの膨張前に、バルーンの正しい配置の更なる視覚的確認を得ることが望ましい場合もある。これは、照明ガイドワイヤを用いて行うことができる。かかるガイドワイヤは、標的領域内に配置され、その後、ガイドワイヤの遠位端部から投射される光によって照明することができる。この光は、隣接組織(例えば、皮下(hypodermis)組織、皮下(subdermis)組織など)を照明するため、皮膚を通過する照明により患者の体外から肉眼で見ることができる。例えば、遠位端部が上顎洞内に配置されると、患者の頬を通して光を見ることができる。このような外部可視化を使用してガイドワイヤの位置を確認し、その後、バルーンを拡張部位の位置内にガイドワイヤに沿って遠位に進めることができる。このような照明ガイドワイヤは、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Sinus Illumination Lightwire Device」と題する2015年10月13日発行の米国特許第9,155,492号の教示に従って得ることができる。このような照明ガイドワイヤの一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva Luma Sentry(登録商標)副鼻腔照明システムがある。
【0005】
画像誘導手術(image-guided surgery、IGS)は、コンピュータを使用して、患者の身体内に挿入された器具の場所の、術前に得られた画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)のセットに対するリアルタイムの相関を得ることで、コンピュータシステムが器具の現在の場所を術前に得られた画像に重ねる技術である。IGS手技で使用できる電磁IGSナビゲーションシステムの例は、Biosense-Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO(登録商標)3 Systemである。いくつかのIGS手技では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次に、特別にプログラムされたコンピュータを使用して、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁界を発生させる及び/又は外部で発生した電磁界に反応する電磁コイル)を有する特別な器具を使用して手技を実行し、同時に、センサがコンピュータに各外科用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対する各外科用器具のリアルタイム位置を示す指示(例えば、十字線又は照明ドットなど)と共にビデオモニタ上に表示される。したがって、外科医が器具自体を体内のその現在の場所において直接視覚化することができない場合であっても、外科医は、ビデオモニタを見ることによって各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0006】
ENT及び副鼻腔手術で使用できる電磁IGSシステムの例は、Biosense-Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO(登録商標)3 Systemである。機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)、バルーンサイナプラスティ(balloon sinuplasty)、及び/又は他のENT手技に適用される場合、IGSシステムを使用することで、外科医は、内視鏡単独を通して見ることによって達成することができる外科用器具の移動及び配置よりも正確に外科用器具を動かして配置することが可能になる。その結果、IGSシステムは、FESS、バルーンサイナプラスティ、及び/又は通常の解剖学的目印が存在しないか又は内視鏡的に可視化することが困難である他のENT手技の実行中に特に有用であり得る。ENT手技におけるIGSシステムの使用例は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」と題する2014年12月11日公開の米国特許出願公開第2014/0364725号、及び開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」と題する2020年2月18日発行の米国特許第10,561,370号に記載されている。
【0007】
単独の操作者のみによって行われる手技などにおいて、解剖学的通路内に拡張カテーテルのバルーンを容易に制御して配置できることが望ましい場合がある。これまでに解剖学的通路内に拡張カテーテルのバルーンを配置するためのいくつかのシステム及び方法が作られ、使用されているが、本発明者らに先行して、添付の特許請求の範囲に記載される本発明を製造又は使用した者はいないと考える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論とするものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
図1A】ガイドワイヤ及び拡張カテーテルがそれぞれ、それぞれの近位位置にある、例示的な拡張器具の斜視図を示す。
図1B】ガイドワイヤが遠位位置にあり、拡張カテーテルが近位位置にある、図1Aの器具の斜視図を示す。
図1C】ガイドワイヤ及び拡張カテーテルがそれぞれ、それぞれの遠位位置にあり、拡張カテーテルの拡張器が非拡張状態にある、図1Aの器具の斜視図を示す。
図1D】ガイドワイヤ及び拡張カテーテルがそれぞれ、それぞれの遠位位置にあり、拡張カテーテルの拡張器が拡張状態にある、図1Aの器具の斜視図を示す。
図2】ガイドワイヤ及び拡張カテーテルがそれぞれ、それぞれの近位位置にある、択一的な拡張器具の一例の斜視図を示す。
図3図2の器具のガイドシャフトアセンブリの分解斜視図を示す。
図4A】屈曲部分が非膨張状態にある、図2の器具の屈曲部分の側面図を示す。
図4B】屈曲部分が偏向状態にある、図2の器具の屈曲部分の側面図を示す。
図5図2の器具のガイドシャフトアセンブリの斜視図を示し、偏向制御ノブは回転されており、屈曲部はガイドシャフトアセンブリの長手方向軸から離れるよう偏向している。
図6図2の器具の一部の側面図を示し、ハンドルアセンブリの遠位端部にある内部構成要素が見えるように器具のハンドルアセンブリからハウジング部分が取り外されている。
図7図5の7-7線に沿った、図2の器具の一部の断面図を示す。
図8A図5の線8-8に沿った図2の器具の一部分の断面図を示し、偏向制御ノブ及び触覚フィードバック部材が第1の位置にある。
図8B図5の線8-8に沿った図2の器具の一部分の断面図を示し、偏向制御ノブ及び触覚フィードバック部材が第2の位置にある。
図8C】偏向制御ノブ及び触覚フィードバック部材が第3の位置にある、図5の線8-8に沿った図2の器具の一部分の断面図を示す。
図9A】偏向制御ノブ及びカムバレルが第1の位置にある、図5の線9-9に沿った図2の器具の一部分の断面図を示す。
図9B】偏向制御ノブ及びカムバレルが第2の位置にある、図5の線9-9に沿った図2の器具の一部分の断面図を示す。
図10図2の器具のガイドシャフトアセンブリの斜視図を示し、シャフト回転制御ノブは回転されており、屈曲部分はガイドシャフトアセンブリの長手方向軸を中心に回転する。
図11A図2の器具の一部分の斜視図を示し、ハウジング部分は、ハンドルアセンブリの遠位端部にある内部構成要素が見えるように器具のハンドルアセンブリから取り外されており、シャフト回転制御ノブは透明に示され、第1の位置に回転されている。
図11B図2の器具の一部分の斜視図を示し、ハウジング部分は、ハンドルアセンブリの遠位端部にある内部構成要素器具が見えるように器具のハンドルアセンブリから取り外されており、シャフト回転制御ノブは透明に示され、第2の位置に回転されている。
図12A図10の線12-12に沿った図2の器具の一部分の断面図を示し、シャフト回転制御ノブは第1の位置に回転されている。
図12B図10の線12-12に沿った図2の器具の一部分の断面図を示し、シャフト回転制御ノブは第2の位置に回転されている。
【0009】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示するものであり、説明共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。例えば、様々であるが。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0011】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に対して使用されることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位側にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準にして使用されていることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0012】
本明細書に記載の教示、表現、変形、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、変形、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点も更に理解される。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0013】
I.例示的な拡張器具
A.概要
図1A図1Dは、副鼻腔の小孔を拡張する、副鼻腔の排液に関連する別の通路を拡張する、耳管を拡張する、又は他の何らかの解剖学的通路(例えば、耳、鼻、又は咽喉内などの)を拡張するために使用することが可能な例示的な拡張器具(10)を示している。以下でより詳細に説明するように、本実施例の拡張器具(10)は、操作者が異なる器具間で切り替える必要なく、操作者が異なる場面で拡張器具(10)を使用することを可能にする調整性を提供する。例えば、拡張器具(10)を使用して、器具の構造的特徴に簡単な調整を行うことにより、様々な異なる解剖学的通路(例えば、前頭洞小孔、前頭洞窩、上顎洞小孔、蝶形骨洞小孔、篩骨洞小孔、耳管など)を拡張することができる。
【0014】
本実施例の拡張器具(10)は、ハンドルアセンブリ(500)と、ハンドルアセンブリ(500)から遠位方向に延在するガイドシャフトアセンブリ(100)と、ハンドルアセンブリ(500)と摺動可能に結合されたガイドワイヤ作動アセンブリ(600)と、ハンドルアセンブリ(500)と摺動可能に結合された拡張カテーテル作動アセンブリ(700)と、を含んでいる。ガイドワイヤモジュール(12)が、コネクタ(604)を介して拡張器具(10)のガイドワイヤ(602)と結合されている。膨張流体源(14)及び灌注流体源(16)が、コネクタ(710)を介して拡張器具(10)の拡張カテーテル(702)と結合されている。吸引源(18)は、吸引ポート(550)と、ハンドルアセンブリ(500)を貫通する導管(図示せず)とを介して拡張器具(10)のガイドシャフトアセンブリ(100)と結合されている。
【0015】
ハンドルアセンブリ(500)は、操作者の片手で握られて操作されるようなサイズ及び構成となっている。操作者は、ハンドルアセンブリ(500)を握るのと同じ方の片手で、ガイドワイヤ作動アセンブリ(600)及び拡張カテーテル作動アセンブリ(700)を選択的に操作することができる。図1Aから図1Bへの移行に示されるように、操作者は、ガイドワイヤ作動アセンブリ(600)をハンドルアセンブリ(500)に沿って遠位方向に前進させ、これによりガイドワイヤ(602)を遠位方向に前進させて、ガイドワイヤ(602)の遠位端部(606)を、ガイドシャフトアセンブリ(100)の遠位端部の遠位側に配置することができる。図1Bから図1Cへの移行に示されるように、操作者は、拡張カテーテル作動アセンブリ(700)をハンドルアセンブリ(500)に沿って遠位方向に前進させ、これにより拡張カテーテル(702)を遠位方向に前進させて、拡張カテーテル(702)の遠位先端部(720)をガイドシャフトアセンブリ(100)の遠位端部の遠位側に位置付けることができる。拡張カテーテル(702)が遠位位置に前進された状態で、次に施術者は、拡張カテーテル(702)の拡張器(722)を膨張させて、図1Dに示される膨張状態を達成し、それにより拡張器(722)が中に配置された解剖学的通路を拡張することができる。
【0016】
本実施例では、拡張カテーテル(702)は、ガイドシャフトアセンブリ(100)内に同軸に配設され、ガイドワイヤ(602)は、拡張カテーテル(702)内に同軸に配設されている。いくつかの他の変形例では、ガイドシャフトアセンブリ(100)が拡張カテーテル(702)内に同軸に配設され、ガイドワイヤ(602)がガイドシャフトアセンブリ(100)内に同軸に配設される。また、いくつかの変形例では、ガイドワイヤ(602)は省略される。
【0017】
図2は、副鼻腔の小孔を拡張し、副鼻腔の排液に関連する別の通路を拡張し、耳管を拡張する、又は他の何らかの(例えば、耳、鼻、又は咽喉などにある)解剖学的通路を拡張するために使用し得る例示的な代替の拡張器具(400)を示す。本実施例の拡張器具(400)は、拡張器具(10)と実質的に同じ又は同様の機能性を提供するように動作可能であり、以下に記載される相違を除いて、拡張器具(10)と同様に構成及び動作可能である。本実施例の拡張器具(400)は、ハンドルアセンブリ(402)と、ハンドルアセンブリ(402)から遠位方向に延在するガイドシャフトアセンブリ(404)と、ハンドルアセンブリ(402)と摺動可能に結合されたガイドワイヤ作動アセンブリ(406)と、ハンドルアセンブリ(402)と摺動可能に結合された拡張カテーテル作動アセンブリ(408)と、を含んでいる。ガイドワイヤモジュール(図示せず)は、拡張器具(10)のガイドワイヤモジュール(12)及びガイドワイヤ(602)と同様に、ガイドワイヤ(図示せず)と結合されている。膨張流体源(410)及び灌注流体源(412)が、コネクタ(416)を介して拡張器具(400)の拡張カテーテル(414)と連通されている。吸引源(418)は、吸引ポート(420)、及びハンドルアセンブリ(500)を貫通する導管(図示せず)を介して拡張器具(400)のガイドシャフトアセンブリ(404)と結合される。
【0018】
拡張器具(10)と同様に、施術者は、ガイドワイヤ作動アセンブリ(406)をハンドルアセンブリ(402)に沿って遠位に前進させ、それによってガイドワイヤを遠位に前進させることができる。施術者は、拡張カテーテル作動アセンブリ(408)をハンドルアセンブリ(402)に沿って遠位方向に前進させ、それにより拡張カテーテル(414)を遠位方向に前進させて、拡張カテーテル(414)の遠位先端部(図示せず)をガイドシャフトアセンブリ(404)の遠位端部の遠位側に配置することができる。拡張カテーテル(414)が遠位位置に前進された状態で、次に施術者は、拡張器を器具(10)の拡張器(722)と同様に膨張させて、図1Dに示される膨張状態を達成し、それにより拡張器(722)が中に配置された解剖学的通路を拡張することができる。
【0019】
本実施例では、拡張カテーテル(414)は、ガイドシャフトアセンブリ(404)内に同軸に配設され、ガイドワイヤは、拡張カテーテル(414)内に同軸に配設されている。いくつかの他の変形例では、ガイドシャフトアセンブリ(404)が拡張カテーテル(414)内に同軸に配設され、ガイドワイヤがガイドシャフトアセンブリ(404)内に同軸に配設される。また、いくつかの変形例では、図2に示すように、ガイドワイヤが省略されている。
【0020】
上述の拡張器具(400)の構成要素の特徴及び機能の例を、下記に詳細に述べる。これらの特徴及び機能はあくまで例示的な例に過ぎない。更なる例として、本明細書に記載の特徴及び機能は、2020年12月29日に発行された、「Adjustable Instrument for Dilation of Anatomical Passageway(解剖学的通路の拡張のための調節可能な器具)」と題された米国特許第10,874,839号、及び開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2019/0015646号、発明の名称「Adjustable Instrument for Dilation of Anatomical Passageway」(2019年1月17日公開)の教示に従って修正することができる。本明細書の教示を考慮することで、本明細書に記載される特徴及び機能の他の変形例が当業者に明らかとなろう。
【0021】
B.例示的なガイドシャフトアセンブリ及び偏向作動アセンブリ
図3図12Bは、ガイドシャフトアセンブリ(404)の様々な構成要素をより詳細に示したものである。この例のガイドシャフトアセンブリ(404)は、剛性シャフト部材(422)、可撓性シャフト部材(424)、プッシュプルワイヤ(426)、カムバレル(428)、プルスリーブ(430)などの並進可能部材、及び偏向制御ノブ(432)及びシャフト回転アセンブリ(498)などの回転アクチュエータを含む。この例では、シャフト部材(422、424)、カムバレル(428)、プルスリーブ(430)、及び偏向制御ノブ(432)は互いに同軸に整列され、プッシュプルワイヤ(426)は、シャフト部材(422、424)、カムバレル(428)、プルスリーブ(430)、及び偏向制御ノブ(432)が共有する長手方向中心軸(434)から横方向にオフセットしている。以下により詳細に説明するように、ガイドシャフトアセンブリ(404)は、拡張器具(10)のガイドワイヤ(602)と同様に、ガイドワイヤ及び拡張カテーテル(414)を、ガイドシャフトアセンブリ(404)の長手方向中心軸(434)に対して施術者が選択する脱出角度に沿って案内するように動作可能である。
【0022】
いくつかの変形例では、シャフト部材(422、424)はいずれも、ステンレス鋼及び/又はニチノールなどの金属材料から形成される。いくつかのそのような変形例では、シャフト部材(422、424)(及び器具(400)の少なくともいくつかの別の部分)は、再利用可能であり、かかる再利用可能な構成要素は、異なる患者で使用する間に洗浄及び滅菌される。いくつかの他の変形例では、シャフト部材(422、424)の一方又は両方をポリマー材料から形成することができる。いくつかのそのような変形例では、シャフト部材(422、424)は、1回使用のみの構成要素として扱うことができる。可撓性シャフト部材(424)は、剛性シャフト部材(422)に固定され、剛性シャフト部材(422)に対して遠位側に配置されている。
【0023】
図4A~4Bに最も分かりやすく見られるように、可撓性シャフト部材(424)は、一連のノッチ(440)によって分離された一連のリブ(438)によって形成される屈曲部分(436)を含んでいる。ノッチ(440)は略V字形であり、各「V」の頂点に円形の開口部を有している。ノッチ(440)は、対応するサブノッチ(444)に嵌合するタブ部分(442)も含んでいる。各「V」の頂部は止め機構のセット(446)を含んでいる。図4Aに示されるように、屈曲部分(436)が真っ直ぐな構成にあるとき、タブ部分(442)は、対応するサブノッチ(444)内に配設されるが、サブノッチ(444)内に完全には座していない。図4Aにも示されるように、屈曲部分(436)が真っ直ぐな構成にある場合、止め機構(446)は互いに分離されている。図4Bは、完全に屈曲した構成にある屈曲部分(436)を示す。この状態では、タブ部分(442)はサブノッチ(444)内に完全に座しており、止め機構(446)は互いに係合している。図4A図4Bに示される状態間での移行の間、タブ部分(442)とサブノッチ(444)とが協働することで、屈曲部分(436)が横方向に充分な安定性を維持しながらしっかり屈曲し、また、屈曲部分(436)がしっかり安定した屈曲状態又は真っ直ぐな状態を提供することが保証される。
【0024】
ほんの一例として、屈曲部分(436)は、レーザカッティング又は他の任意の適切な製造プロセスによって形成することができる。いくつかの変形形態では、屈曲部分(436)は、可撓性ラップ(図示せず)により覆われる。かかる可撓性ラップは、屈曲部分(436)の可撓性を損なうことなく、組織及び他の構造がノッチ(440)内に引っ掛かる又は挟まれることを防止することができる。可撓性ラップはまた、ガイドシャフトアセンブリ(404)を通して提供される吸引を遠位端部(448)に集中させることを確実にし得る。屈曲部分(436)が取り得る様々な適切な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかになろう。更なる単なる例として、屈曲部分(436)は、2018年11月1日公開の米国特許出願公開第2018/0311472号、発明の名称「Deflectable Guide for Medical Instrument」(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築及び動作することができる。
【0025】
プッシュプルワイヤ(426)は、シャフト部材(422、424)の内部に配設されており、屈曲部分(436)の制御された屈曲を提供するように動作可能である。図4A~4Bに示されるように、プッシュプルワイヤ(426)の遠位端部(450)は、可撓性シャフト部材(424)の遠位端部(448)、すなわち屈曲部分(436)の遠位側に固定されている。プッシュプルワイヤ(426)は、ノッチ(440)の「V」の頂部の近くに配設されている。したがって、プッシュプルワイヤ(426)が近位方向に引張されると、屈曲部分(436)は偏向構成へと屈曲する。プッシュプルワイヤ(426)が遠位方向に押されると、屈曲部分(436)は真っ直ぐな構成に向かって曲がっていく。プッシュプルワイヤ(426)の近位端部(452)は、保持ホルダ(454)(図3及び図11A図11B)と結合しており、保持ホルダは、保持キー(456)(図3及び図11A図11B)によってスリーブ(430)を引っ張るために固定されている。より具体的には、近位端部(452)は、保持ホルダ(454)と結合され、保持ホルダ(454)は、保持キー(456)に挿入され、保持キーは、保持ホルダ(454)と嵌合する相補的なサイズ及び形状を有する、プルスリーブ(430)の内部空洞として形成されており、軸(434)に沿ったプルスリーブ(430)の長手方向の運動は、軸(434)に沿ったプッシュプルワイヤ(426)の相補的な長手方向の運動をもたらす。図5に示され、以下でより詳細に説明されるように、偏向制御ノブ(432)の回転は、プッシュプルワイヤ(426)の長手方向並進を引き起こし、それによって、プッシュプルワイヤ(426)の長手方向並進が屈曲部分(436)の直線化又は屈曲を引き起こす。
【0026】
図3及び図6図7に示されるように、偏向制御ノブ(432)は、サムホイール(458)、シャフト(460)、及びノッチギア(462)を含む。図6~7に示されるように、偏向制御ノブ(432)はハンドルアセンブリ(402)のハウジング(464)に、サムホイール(458)がハウジング(464)の上にあり、シャフト(460)がハウジング(464)の間に捕捉されるように固定されている。サムホイール(458)は、施術者がハンドルアセンブリ(402)を把持している方の手の親指を使用して、サムホイール(458)をハウジング(464)に対して回転させることができるように配置されている。ばね(468)などの弾性部材は、ハウジング(464)と係合するようにシャフト(460)の外部に沿って配置されている。具体的には、ばね(468)は、サムホイール(458)の下面(470)とハウジング(464)のフランジ(466)の上面(472)との間に配置されている。いくつかの変形例では、ばね(468)は、トロイダル形状に形成された圧縮ばねである。代替の変形例では、ばね(468)の端部はトロイダル形状に結合され、ガーターばねを形成する。ばね(468)は、ばね(468)が楕円形を形成するよう半径方向に圧縮されるように、サムホイール(458)の下面(470)とハウジング(464)のフランジ(466)の上面(472)との間に配置されている。したがって、ばね(468)は、ハウジング(464)に対する偏向制御ノブ(432)の回転運動に抗する抵抗の一定の摩擦力を加える。結果として、ばね(468)は、施術者が偏向制御ノブ(432)を回転させるのに必要な最小力を増加させ、したがって、偏向制御ノブ(432)は、拡張器具(400)の動作中にエラーを引き起こし得る意図しない又は他の望ましくない回転運動を許容する影響を受けにくい。更に、ばね(468)は、偏向制御ノブ(432)を回転させるのに必要な力を増加させるが、ばね(468)は、偏向制御ノブ(432)が回転できる回転度を制限しない。したがって、偏向制御ノブ(432)は、必要に応じて、任意の数の回転位置を中心に無限に回転可能である。
【0027】
以下でより詳細に説明するように、可撓性シャフト部材(424)の屈曲部分(436)は、偏向制御ノブ(432)がガイドシャフトアセンブリ(404)の長手方向軸(434)に対して垂直な軸(476)を中心に回転するときに、ガイドシャフトアセンブリ(404)の長手方向軸(434)から離れる方向に偏向するように構成されている。偏向制御ノブ(432)が回転すると、偏向制御ノブ(432)のノッチギア(462)は、施術者に触覚及び可聴フィードバックを提供するように構成されたフィードバック部材(474)と係合するように配置される。この特徴は、イメージガイダンスモニタのより良好な視認又は照明ガイドワイヤのより良好な視認を可能にするために、暗い照明で実行される手術などの、いくつかの手術で使用される拡張器具(400)に任意選択的に含まれてもよい。施術者が、自分の眼をモニタから拡張器具(400)に移し、偏向制御ノブ(432)の回転配置を確認することが必要である場合、内視鏡の位置を見失い、バルーンサイナプラスティ装置の誤配置などの問題を引き起こすことがある。したがって、フィードバック部材(474)を含めることにより、可聴騒音又は振動などの、偏向制御ノブ(432)の回転位置を示す触覚フィードバックを施術者に提供することができる。フィードバック部材(474)は、屈曲し、屈曲位置から解放されると、音又は振動フィードバックを提供するように動作可能な任意の材料を含むことができる。例えば、フィードバック部材(474)は、ポリエステル、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ステンレス鋼ばね、ループ状ステンレス鋼ワイヤ、ニチノールワイヤ、ばね作用線形プランジャ、硬質プラスチックストリップ、及び/又は他の好適な材料の任意のデバイスなどの材料を含むことができる。
【0028】
図8A~8Cに示されるように、フィードバック部材(474)は、ハウジング(464)と結合され、偏向制御ノブ(432)のノッチギア(462)に隣接して配置することができる。フィードバック部材(474)は、偏向制御ノブ(432)が回転されるときに、ノッチギア(462)のフィードバック部分と協働するように構成することができ、協働は、ユーザに触覚及び可聴フィードバック指示を生成するように動作可能である。ノッチギア(462)のフィードバック部分は、1つ又は2つ以上の突出部分(480)によって分離された1つ又は2つ以上の戻り止め部分(478)によって画定される。図8Aに示される第1の位置では、フィードバック部材(474)は、戻り止め部分(478)内に延在することができる。図8Bに示されるように、偏向制御ノブ(432)(したがって、ノッチギア(462))が回転されると、フィードバック部材(474)は、突出部分(480)に接触して曲がるように構成されている。図8Cに示すように、フィードバック部材(474)は、戻り止め部分(478)に達すると、真っ直ぐな構成に移動するか、又は「スナップ」して戻る。フィードバック部材(474)が真っ直ぐな構成に戻ると、クリック音などの可聴騒音又は振動が発生し、偏向制御ノブ(432)の所望の回転位置が到達されたことを施術者に指示し、したがって、屈曲部分(436)の所望の偏向角度(θ)(図5を参照)が達成されている。したがって、戻り止め部分(478)は、長手方向軸(434)から離れた屈曲部分(436)の1つ又は2つ以上の所望の偏向程度に対応するように、ノッチギア(462)上に予め設定することができる。例えば、ノッチギア(462)は、施術者に3つの触覚フィードバックを促す戻り止めを含むことができる。これらの3つの例示的な戻り止め部分(478)は、長手方向軸(434)に対して屈曲部分(436)の55度、70度、及び110度の偏向角度(θ)に対応するように構成することができる。これらの3つの例示的な角度(θ)は、ガイドシャフトアセンブリ(404)を3つ又は4つ以上の別個の副鼻腔口又は他の通路(例えば、耳管など)のうちのいずれか1つに挿入できるように特に構成することができる。
【0029】
施術者が屈曲部分(436)の所望の偏向角度を達成すると、戻り止め部分(478)はセルフロック機能を提供することができ、これにより、施術者が偏向制御ノブ(432)を剛性シャフト部材(422)に対して再び回転させて偏向角度を更に調整するまで、屈曲部分(436)は器具(400)のその後の通常の使用時に選択された偏向角度を維持することができる。ガイドワイヤ及び拡張カテーテル(414)は、ガイドシャフトアセンブリ(404)内に摺動可能に配置されているため、ガイドワイヤ及び拡張カテーテル(414)は、施術者が選択した任意の偏向角度でガイドシャフトアセンブリ(404)の遠位端部から出て行く。上記を考慮すると、施術者は、剛性シャフト部材(422)に対して偏向制御ノブ(432)を回転させることによってガイドワイヤ及び拡張カテーテル(414)に対して種々の脱出角度を容易に達成することができる。したがって、施術者は、器具を交換する必要なく、かつ器具(400)の部品を交換する必要なく、様々な解剖学的通路を容易に拡張することができる。
【0030】
図9A図9Bに示すように、ガイドシャフトアセンブリ(404)の屈曲部分(436)の偏向は、プッシュプルワイヤ(426)、カムバレル(428)、プルスリーブ(430)、及び偏向制御ノブ(432)を使用して動作可能である。更に、偏向制御ノブ(432)は、長手方向軸(434)に沿ってカムバレル(428)を長手方向に(遠位及び近位に)並進させるためにピン(482)を含む。ピン(482)は、カムスロット(484)に挿入されるようにサイズ決定及び成形され、これは、いくつかの変形例では、カムバレル(428)の上面に形成される長手方向軸(434)に垂直に貫通する線形凹部を含み得る。ピン(482)は、シャフト(460)及び偏向制御ノブ(432)の回転軸に対して横方向にオフセットされている。図7及び図9Aに示すように、ピン(482)は、偏向制御ノブ(432)がユーザによって回転されるときに、カムスロット(484)内の中央に配置され、偏向制御ノブ(432)の回転軸を中心に軌道経路に沿って回転するように動作可能である。ピン(482)は、この軌道経路を横切り、ピン(482)の運動は、長手方向成分及び横方向成分の両方を有する。したがって、長手方向軸(434)を横切る方向成分は、カムスロット(484)を通してピン(482)を移行させ、一方で、長手方向の方向成分は、カムバレル(428)を遠位及び近位に押したり引いたりする。図9Bに示すように、偏向制御ノブ(434)、したがってピン(482)は、反時計回り方向に4分の1だけ回転して示されており、カムバレル(428)はハンドルアセンブリ(402)のハウジング(464)に対して近位に並進する。偏向制御ノブ(434)が更に4分の1だけ回転すると、カムバレル(428)は、引っ張られることができる限り近位に引張される。更に4分の1回転すると、カムバレル(428)は、図9Bに示すのと同様の位置に遠位に戻されて並進される。最終的に、第4の4分の1回転後には、図9Aに示すように、カムバレル(428)は、その最遠位位置に戻る。
【0031】
カムバレル(428)は、ハンドルアセンブリ(402)のハウジング(464)に対する長手方向の並進を可能にするために付加的な造作を含む。例えば、カムバレル(428)は、偏向制御ノブ(432)のシャフト(460)が長手方向に並進中に通過することを可能にするようにサイズ決定及び成形された長手方向凹部(486)を含む。更に、図7に示すように、カムバレル(428)は、ハウジング(464)の内部領域によって形成された剛性レール(488)と結合されており、その結果、カムバレル(428)は、レール(488)に沿って長手方向に摺動することができる。更にカムバレル(428)は、長手方向軸(434)を中心にシフト又は回転することが防止されている。図7に示すように、1つ又は2つ以上のタブ(490)は、カムバレル(428)から横方向にまとまって突出し、レール(488)と嵌合するように構成されている。したがって、カムバレル(428)は、ハンドルアセンブリ(402)のハウジング(464)内及びそれに対して摺動可能に配設される。他の適切な構造を使用して剛性シャフト部材(488)とカムバレル(428)とのこのような関係を実現することもできる。
【0032】
上述されるように、プッシュプルワイヤ(426)の近位端部(452)がカムバレル(430)に固定されていることにより、剛性シャフト部材(422)に対する偏向制御ノブ(432)の回転に応じて、プッシュプルワイヤ(426)はカムバレル(430)と共に剛性シャフト部材(422)に対して並進する。図9A図9Bに示されるように、プルスリーブ(430)の近位部分の1つの側面は、スロット(492)を有している。スロット(492)は、カムバレル(428)のリブ(494)と嵌合するように構成されている。したがって、プッシュプルワイヤ(426)がプルスリーブ(430)と結合され、かつプルスリーブ(430)がカムバレル(428)に有効に固定されている場合、偏向制御ノブ(432)が回転されると、プルスリーブ(430)及びプッシュプルワイヤ(426)は、剛性シャフト部材(422)に対して遠位及び近位に並進する。図9Bに見られるように、プッシュプルワイヤ(426)、プルスリーブ(430)、及びカムバレル(428)を近位方向に並進させると、プルスリーブ(430)とシャフト回転アセンブリ(498)との間に空隙(496)が形成される。やはり上述されるように、剛性シャフト部材(422)に対するプッシュプルワイヤ(426)の並進は、屈曲部分(436)を横方向に偏向させる。したがって、施術者は、偏向制御ノブ(432)を剛性シャフト部材(422)に対して回転させることによって屈曲部分(436)を選択的に偏向させることができる。
【0033】
C.代表的なシャフトアセンブリ
様々な解剖学的通路へのアクセスを容易にする屈曲部分(436)の偏向ための制御を提供することに加えて、ガイドシャフトアセンブリ(434)の長手方向軸(434)を中心としたガイドシャフトアセンブリ(404)の回転を可能とし、様々な解剖学的通路へのアクセスを更に促進することが望ましい。そのために、図10に示すように、器具(400)は、長手方向軸(434)を中心にガイドシャフトアセンブリ(404)を回転させるためのシャフト回転アセンブリ(498)を含む。ガイドシャフトアセンブリ(404)の回転は、そのように所望される場合、偏向制御ノブ(432)と同時に実行することができる。例えば、施術者は、剛性シャフト部材(422)の回転と、所望の解剖学的通路に到達するための可撓性シャフト部材(424)の偏向との両方を含む、一連のガイドシャフトアセンブリ(404)の調整を実行することを必要とすることがある。
【0034】
図9A図9Bに示されるように、プルスリーブ(430)のスロット(492)とカムバレル(428)のリブ(494)との間のスロット結合は、プルスリーブ(430)がスリップ結合と同様に動作することを可能にし、それによって、レール(488)を介して位置固定されたカムバレル(428)に対するプルスリーブ(430)の無限の回転を可能にする。より具体的には、プルスリーブ(430)及びプッシュプルワイヤ(426)は、長手方向軸(434)を中心に制限されることなく、360度回転することができる。
【0035】
図11A図12Bに示されるように、図3を付加的に参照すると、シャフト回転アセンブリ(498)は、シャフト回転ノブ(650)及びスロットガイド(652)から構成される。シャフト回転ノブ(650)は、スロットガイド(652)の外面上に形成されたスロット(654)を介してスロットガイド(652)に固定される。スロット(654)は、シャフト回転ノブ(650)の内面の上にある突出部(656)を受け入れるように構成されており、それにより、シャフト回転ノブ(650)が回転すると、突出部(656)がスロット(654)に対応して、スロットガイド(652)を長手方向軸(434)を中心に回転させる。更に、シャフト回転ノブ(650)は、ピン(658)(図9A図9B)によって位置が保持され、ハウジング(464)の周囲に形成されたリブスロット(660)に対応するように固定される。シャフト回転ノブ(650)が回転すると、ピン(658)とリブスロット(660)との間の関係は、ピン(658)がリブスロット(660)を通って回転し並進するように形成され、それによってシャフト回転ノブ(650)の360度の回転を可能にしながら、シャフト回転ノブ(650)をハウジング(464)に対して所定の位置に固定する。他の適切な構造を使用して剛性シャフト部材(464)と偏向制御ノブ(650)とのこのような関係を実現することもできる。
【0036】
スロットガイド(652)は、図9A図9Bに示されるように、剛性シャフト部材(422)及びプルスリーブ(430)に固定されている。上述のように、プルスリーブ(430)及びプッシュプルワイヤ(426)は、長手方向軸(434)を中心に制限されることなく、360度回転することができる。したがって、シャフト回転ノブ(650)が回転すると、スロットガイド(652)が、長手方向軸(434)を中心に回転され、プルスリーブ(430)、プッシュプルワイヤ(426)、及び剛性シャフト部材(422)の各々が、それぞれ長手方向軸(434)を中心に回転する。
【0037】
図11A及び図12Aは、シャフト回転ノブ(650)、したがってガイドシャフトアセンブリ(404)を第1の回転位置で示す。図11B及び図12Bに示されるように、シャフト回転ノブ(650)が長手方向軸(434)を中心に回転されると、剛性シャフト部材(422)、プルスリーブ(430)、及びプッシュプルワイヤ(426)は、長手方向軸(434)を中心として一緒に回転される。
【0038】
II.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であると見なされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものと見なされるべきではない。
【実施例1】
【0039】
装置であって、(a)本体と、(b)本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、(c)偏向作動アセンブリであって、(i)第1の回転アクチュエータと、(ii)シャフトアセンブリを通って延在する並進可能な作動部材であって、第1の回転アクチュエータとシャフトアセンブリの可撓性遠位部分とに動作可能に結合されており、第1の回転アクチュエータは、回転力によって回転可能であり、それによって並進可能な作動部材を長手方向に駆動し、可撓性遠位部分は、並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して長手方向軸から離れる方向に偏向するように構成されている、並進可能な作動部材、及び(iii)第1の回転アクチュエータと本体との間に配置された弾性部材であって、第1の回転アクチュエータと本体との間に摩擦力を加えるように構成されており、摩擦力は、第1の回転アクチュエータを回転させるのに必要な回転力を増加させるように動作可能である、弾性部材、を含む、偏向作動アセンブリと、を備える、装置。
【実施例2】
【0040】
弾性部材は、圧縮ばねを備える、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0041】
圧縮ばねは、トロイダル形状に形成されている、実施例2に記載の装置。
【実施例4】
【0042】
弾性部材は、ガーターばねを含む、実施例1に記載の器具。
【実施例5】
【0043】
弾性部材は、第1の回転アクチュエータと本体との間に加えられる摩擦力が一定になるように、第1の回転アクチュエータと本体との間で半径方向に圧縮されるように構成されている、実施例1~4のいずれかに記載の装置。
【実施例6】
【0044】
第1の回転アクチュエータは、予め定められた複数の回転位置を更に含む、実施例1~5のいずれかに記載の装置。
【実施例7】
【0045】
本体と結合され、第1の回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材を更に備え、フィードバック部材は、第1の回転アクチュエータが回転するときに第1の回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、協働は、ユーザへのフィードバック指示を生成するように動作可能である、実施例1~6のいずれかに記載の装置。
【実施例8】
【0046】
フィードバック指示は、可聴騒音を含む、実施例7に記載の装置。
【実施例9】
【0047】
フィードバック部材は、触覚応答を含む、実施例7又は8に記載の装置。
【実施例10】
【0048】
触覚応答は、振動を含む、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0049】
第1の回転アクチュエータのフィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、フィードバック部材は、第1の回転アクチュエータが回転すると1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、実施例7~10のいずれかに記載の装置。
【実施例12】
【0050】
第1の回転アクチュエータのフィードバック部分における1つ又は2つ以上の戻り止めの各々は、第1の回転アクチュエータの回転位置に対応するように配置されており、第1の回転アクチュエータの回転位置は、長手方向軸から離れる方向への可撓性遠位部分の偏向の程度に対応するように構成されている、実施例11に記載の装置。
【実施例13】
【0051】
1つ又は2つ以上の戻り止めは3つの戻り止めを含み、3つの戻り止めは、長手方向軸に対する可撓性遠位部分の55度、70度、及び110度の偏向角度に対応するように構成されている、実施例12に記載の装置。
【実施例14】
【0052】
シャフトアセンブリに対して摺動可能であり、拡張可能な拡張器を備える、拡張カテーテルを更に含む、実施例1~13のいずれかに記載の装置。
【実施例15】
【0053】
拡張カテーテル内に摺動可能に配設されたガイドワイヤを更に含む、実施例14に記載の装置。
【実施例16】
【0054】
ガイドワイヤ作動アセンブリを更に含み、ガイドワイヤ作動アセンブリは、ガイドワイヤを本体に対して並進させるように動作可能であり、ガイドワイヤ作動アセンブリは、長手方向軸を中心にガイドワイヤを回転させるように更に動作可能である、実施例15に記載の装置。
【実施例17】
【0055】
シャフト回転アセンブリを更に備え、シャフト回転アセンブリは、シャフトアセンブリを、長手方向軸を中心に回転させるように動作可能である、実施例1~16のいずれかに記載の装置。
【実施例18】
【0056】
シャフト回転アセンブリは、本体の遠位部分に配置された第2の回転アクチュエータを備え、第2の回転アクチュエータは、長手方向軸に対して垂直の軸を中心に回転可能である、実施例17に記載の装置。
【実施例19】
【0057】
並進可能な作動部材は、プルワイヤを含む、実施例1~18のいずれかに記載の装置。
【実施例20】
【0058】
回転アクチュエータと結合されたピンを更に備え、回転アクチュエータは、並進可能な作動部材を長手方向に駆動するために、並進可能な作動部材とピンを介して動作可能に結合されている、実施例1~19のいずれかに記載の装置。
【実施例21】
【0059】
回転アクチュエータは、回転軸を中心に回転するように構成されており、ピンは、回転軸から横方向にオフセットされている、実施例20に記載の装置。
【実施例22】
【0060】
並進可能な作動部材の表面上に画定されたスロットを更に備え、ピンは、スロットと協働して、並進可能な作動部材を長手方向に駆動するように構成されている、実施例20又は21に記載の装置。
【実施例23】
【0061】
装置であって、(a)本体と、b)本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリの一部分が、患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されており、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、(c)偏向作動アセンブリであって、(i)シャフトアセンブリを通って延在し、可撓性遠位部分と動作可能に結合された並進可能な作動部材、(ii)回転軸を中心に回転可能であり、それにより並進可能な作動部材を、可撓性遠位部分が長手軸から離れる方向に偏向させるように作動させる回転アクチュエータ、及び(iii)回転アクチュエータと結合されており、回転軸から横方向にオフセットされたピンであって、回転アクチュエータは、並進可能な作動部材を作動するためにピンを介して並進可能な作動部材と動作可能に結合されている、ピンを含む、偏向作動アセンブリと、を備える、装置。
【実施例24】
【0062】
回転軸は、長手方向軸を横切るように配向されている、実施例23に記載の装置。
【実施例25】
【0063】
回転アクチュエータと本体との間に配置された弾性部材を更に備え、弾性部材は、回転アクチュエータの回転を部分的に制限するために摩擦力を誘発するように構成されている、実施例23又は24に記載の装置。
【実施例26】
【0064】
弾性部材は、圧縮ばねを含む、実施例25に記載の装置。
【実施例27】
【0065】
圧縮ばねは、トロイダル形状に形成されている、実施例26に記載の装置。
【実施例28】
【0066】
弾性部材は、ガーターばねを含む、実施例23又は24に記載の装置。
【実施例29】
【0067】
弾性部材は、回転アクチュエータと本体との間に加えられる摩擦力が一定になるように、回転アクチュエータと本体との間で半径方向に圧縮されるように構成されている、実施例23~28のいずれかに記載の装置。
【実施例30】
【0068】
本体と結合され、回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材を更に備え、フィードバック部材は、回転アクチュエータが回転するときに回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、協働は、ユーザへの触覚フィードバック指示を生成するように動作可能である、実施例23~29のいずれかに記載の装置。
【実施例31】
【0069】
フィードバック指示は、可聴騒音を含む、実施例30に記載の装置。
【実施例32】
【0070】
フィードバック指示は、触覚応答を含む、実施例30又は31に記載の装置。
【実施例33】
【0071】
回転アクチュエータのフィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、フィードバック部材は、回転アクチュエータが回転すると1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、実施例30~32に記載のいずれかの装置。
【実施例34】
【0072】
回転アクチュエータのフィードバック部分における1つ又は2つ以上の戻り止めの各々は、回転アクチュエータの回転位置に対応するように配置されており、回転アクチュエータの回転位置は、長手方向軸から離れる方向への可撓性遠位部分の偏向の程度に対応するように構成されている、実施例33に記載の装置。
【実施例35】
【0073】
1つ又は2つ以上の戻り止めは、3つの戻り止めを含み、3つの戻り止めは、長手方向軸に対する可撓性遠位部分の55度、70度、及び110度の偏向角度に対応するように構成されている、実施例33~34のいずれかに記載の装置。
【実施例36】
【0074】
装置であって、(a)本体と、(b)本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリの一部分が、患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されており、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、(c)シャフトアセンブリの可撓性遠位部分と動作可能に結合された偏向作動アセンブリであって、回転アクチュエータが回転軸を中心に回転可能であり、それによって可撓性遠位部分を長手方向軸から離れる方向に偏向させ、回転軸は、シャフトアセンブリの長手方向軸を横切る、偏向作動アセンブリと、(d)本体と結合され、回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材であって、回転アクチュエータが回転するときに回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、協働は、ユーザへのフィードバック指示を生成するように動作可能である、フィードバック部材と、を備える、装置。
【実施例37】
【0075】
回転軸は、シャフトアセンブリの長手方向軸に対して垂直である、実施例36に記載の装置。
【実施例38】
【0076】
フィードバック指示は、可聴騒音を含む、実施例36又は37に記載の装置。
【実施例39】
【0077】
フィードバック部材は、触覚応答を含む、実施例36~38のいずれかに記載の装置。
【実施例40】
【0078】
触覚応答は振動を含む、実施例39に記載の装置。
【実施例41】
【0079】
回転アクチュエータのフィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、フィードバック部材は、第1の回転アクチュエータが回転すると1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、実施例36~40のいずれかに記載の装置。
【実施例42】
【0080】
第1の回転アクチュエータのフィードバック部分における1つ又は2つ以上の戻り止めの各々は、第1の回転アクチュエータの回転位置に対応するように配置されており、第1の回転アクチュエータの回転位置は、長手方向軸から離れる方向への可撓性遠位部分の偏向の程度に対応するように構成されている、実施例41に記載の装置。
【実施例43】
【0081】
1つ又は2つ以上の戻り止めは3つの戻り止めを含み、3つの戻り止めは、長手方向軸に対する可撓性遠位部分の55度、70度、及び110度の偏向角度に対応するように構成されている、実施例42に記載の装置。
【実施例44】
【0082】
回転アクチュエータと本体との間に配置された弾性部材を更に備え、弾性部材は、回転アクチュエータと本体との間で半径方向に圧縮されるように構成されており、弾性部材は、回転アクチュエータの回転を部分的に制限するように一定の摩擦力を誘発するように動作可能である、実施例36~43のいずれかに記載の装置。
【実施例45】
【0083】
弾性部材、圧縮ばねを含む、実施例44に記載の装置。
【実施例46】
【0084】
弾性部材は、トロイダル形状に形成されている、実施例45に記載の装置。
【実施例47】
【0085】
弾性部材は、ガーターばねを含む、実施例44に記載の装置。
【実施例48】
【0086】
弾性部材は、第1の回転アクチュエータと本体との間に加えられる摩擦力が一定になるように、第1の回転アクチュエータと本体との間で半径方向に圧縮されるように構成されている、実施例44~47のいずれかに記載の装置。
【実施例49】
【0087】
回転アクチュエータと結合されたピンを更に備え、回転アクチュエータは、並進可能な作動部材を長手方向に駆動するために並進可能な作動部材とピンを介して動作可能に結合されている、実施例36~48のいずれかに記載の装置。
【実施例50】
【0088】
回転アクチュエータは、回転軸を中心に回転するように構成されており、ピンは、回転軸から横方向にオフセットされている、実施例49に記載の装置。
【実施例51】
【0089】
並進可能な作動部材の表面上に画定されたスロットを更に備え、ピンは、スロットと協働して、並進可能な作動部材を長手方向に駆動するように構成されている、実施例49又は50に記載の装置。
【実施例52】
【0090】
装置であって、(a)本体と、(b)本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、(c)偏向作動アセンブリであって、(i)第1の回転アクチュエータ、(ii)カム部材であって、第1の回転アクチュエータが、カム部材を本体に対して長手方向軸に沿って長手方向に並進させるように回転可能である、カム部材、(iii)カム部材と摺動可能に結合された引張部材であって、カム部材は、引張部材を長手方向に並進させるように長手方向に並進可能であり、本体及びカム部材に対して長手方向軸を中心に回転するように構成されている、引張部材、及び(iv)引張部材、及びシャフトアセンブリの可撓性遠位部分と結合された並進可能な作動部材であって、可撓性遠位部分は、並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して長手方向軸から離れるよう偏向するように構成されている、並進可能な作動部材、を含む、偏向作動アセンブリと、を備える、装置。
【実施例53】
【0091】
第1の回転アクチュエータと結合されたピンを更に備え、第1の回転アクチュエータは、並進可能な作動部材を長手方向に駆動するためにピンを介して並進可能な作動部材と動作可能に結合されている、実施例52に記載の装置。
【実施例54】
【0092】
第1の回転アクチュエータは、回転軸を中心に回転するように構成されており、ピンは、回転軸から横方向にオフセットされている、実施例53に記載の装置。
【実施例55】
【0093】
並進可能な作動部材の表面上に画定されたスロットを更に備え、ピンは、スロットと協働して並進可能な作動部材を長手方向に駆動するように構成されている、実施例53又は54に記載の装置。
【実施例56】
【0094】
スロットは、線形構成を有する、実施例55に記載の装置。
【実施例57】
【0095】
引張部材及びカム部材は、リブスロット結合部を介して互いを結合する、実施例52~56のいずれかに記載の装置。
【実施例58】
【0096】
引張部材は、長手方向軸を中心にシャフトアセンブリを回転させるために、長手方向軸を中心に回転可能である、実施例52~57のいずれかに記載の装置。
【実施例59】
【0097】
並進可能な作動部材は、シャフトアセンブリの周囲に同軸に、かつ摺動可能に配設されている、実施例52~58のいずれかに記載の装置。
【実施例60】
【0098】
カム部材及び本体は、カム部材が本体に対して長手方向に並進することを可能にする相補的造作を含み、一方、カム部材が長手方向軸を中心に回転するのを防止する、実施例52~59のいずれかに記載の装置。
【実施例61】
【0099】
シャフト回転アセンブリを更に含み、シャフト回転アセンブリは、シャフトアセンブリを長手方向軸を中心に回転させるように動作可能である、実施例52~60のいずれかに記載の装置。
【実施例62】
【0100】
シャフト回転アセンブリは、本体の遠位部分に配置された第2の回転アクチュエータを含み、第2の回転アクチュエータは、長手方向軸に対して垂直の軸を中心にして回転可能である、実施例61に記載の装置。
【実施例63】
【0101】
第1の回転アクチュエータ及び第2の回転アクチュエータは各々、ユーザが手を置き換えることなく、本体を把持するユーザの手によって作動可能である、実施例62に記載の装置。
【実施例64】
【0102】
並進可能な作動部材は、プルワイヤを含む、実施例52~63のいずれかに記載の装置。
【実施例65】
【0103】
シャフトアセンブリに対して摺動可能であり、拡張可能な拡張器を含む拡張カテーテルを更に含む、実施例52~64のいずれかに記載の装置。
【実施例66】
【0104】
拡張カテーテル内に摺動可能に配設されたガイドワイヤを更に含む、実施例52~65のいずれかに記載の装置。
【実施例67】
【0105】
シャフトアセンブリの可撓性遠位部分は、シャフトアセンブリが長手方向軸を中心に回転する際に、長手方向軸から離れるよう偏向するように同時に動作可能である、実施例52~66のいずれかに記載の装置。
【実施例68】
【0106】
本体と結合され、第1の回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材を更に備え、フィードバック部材は、第1の回転アクチュエータが回転するときに第1の回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、協働は、ユーザへのフィードバック指示を生成するように動作可能である、実施例52~67のいずれかに記載の装置。
【実施例69】
【0107】
フィードバック指示は、可聴騒音及び触覚応答のうちの少なくとも1つを含む、実施例68に記載の装置。
【実施例70】
【0108】
第1の回転アクチュエータのフィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、フィードバック部材は、第1の回転アクチュエータが回転すると1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、実施例68又は69に記載の装置。
【実施例71】
【0109】
並進可能な作動部材は、長手方向軸から横方向にオフセットされている、実施例52~70のいずれかに記載の装置。
【実施例72】
【0110】
装置であって、(a)本体と、(b)本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、(c)偏向作動アセンブリであって、(i)第1の回転アクチュエータ、(ii)カム部材であって、第1の回転アクチュエータが、カム部材を本体に対して長手方向軸に沿って長手方向に並進させるように回転可能である、カム部材、(iii)カム部材と摺動可能に結合された引張部材であって、カム部材は、引張部材を長手方向に並進させるように長手方向に並進可能であり、本体及びカム部材に対して長手方向軸を中心に回転するように構成されている、引張部材、並びに(iv)引張部材とシャフトアセンブリの可撓性遠位部分とに結合された並進可能な作動部材であって、可撓性遠位部分は、並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して長手方向軸から離れるよう偏向するように構成されている、並進可能な作動部材、を含む、偏向作動アセンブリと、(d)シャフトアセンブリ及び引張部材を長手方向軸を中心に回転させるように動作可能なシャフト回転アセンブリと、を備える、装置。
【実施例73】
【0111】
第1の回転アクチュエータと結合されたピンを更に備え、第1の回転アクチュエータは、並進可能な作動部材を長手方向に駆動するためにピンを介して並進可能な作動部材と動作可能に結合されている、実施例72に記載の装置。
【実施例74】
【0112】
第1の回転アクチュエータは、回転軸を中心に回転するように構成されており、ピンは、回転軸から横方向にオフセットされている、実施例73に記載の装置。
【実施例75】
【0113】
並進可能な作動部材の表面上に画定されたスロットを更に備え、ピンは、スロットと協働して並進可能な作動部材を長手方向に駆動するように構成されている、実施例73又は74に記載の装置。
【実施例76】
【0114】
スロットは、線形構成を有する、実施例75に記載の装置。
【実施例77】
【0115】
引張部材及びカム部材は、リブスロット結合部を使用して互いを結合する、実施例72~76のいずれかに記載の装置。
【実施例78】
【0116】
長手方向軸を中心とする引張部材の回転が、シャフトアセンブリを長手方向軸を中心に回転させるように動作可能である、実施例72~77のいずれかに記載の装置。
【実施例79】
【0117】
カム部材及び本体は、カム部材が本体に対して長手方向に並進することを可能にする相補的造作を含み、一方、カム部材が長手方向軸を中心に回転するのを防止する、実施例72~78のいずれかに記載の装置。
【実施例80】
【0118】
シャフト回転アセンブリを更に含み、シャフト回転アセンブリは、シャフトアセンブリを長手方向軸を中心にして回転させるように動作可能である、実施例72~79のいずれかに記載の装置。
【実施例81】
【0119】
シャフト回転アセンブリは、本体の遠位部分に配置された第2の回転アクチュエータを含み、第2の回転アクチュエータは、長手方向軸に対して垂直の軸を中心にして回転可能である、実施例80に記載の装置。
【実施例82】
【0120】
第1の回転アクチュエータ及び第2の回転アクチュエータは各々、ユーザが手を置き換えることなく、ユーザの手によって作動可能である、実施例81に記載の装置。
【実施例83】
【0121】
並進可能な作動部材は、プルワイヤを含む、実施例72~82のいずれかに記載の装置。
【実施例84】
【0122】
シャフトアセンブリに対して摺動可能であり、拡張可能な拡張器を含む拡張カテーテルを更に備える、実施例72~83のいずれかに記載の装置。
【実施例85】
【0123】
シャフトアセンブリの可撓性遠位部分は、シャフトアセンブリが長手方向軸を中心に回転する際に、長手方向軸から離れるよう偏向するように同時に動作可能である、実施例72~84のいずれかに記載の装置。
【実施例86】
【0124】
装置であって、(a)本体と、(b)本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリと、(c)シャフトアセンブリを長手方向軸を中心に回転させるように動作可能なシャフト回転アセンブリと、(d)偏向作動アセンブリであって、(i)回転アクチュエータ、(ii)カム部材であって、回転アクチュエータの回転がカム部材を本体に対して遠位及び近位に並進させるように動作可能である、カム部材、(iii)スリップ結合を介してカム部材と結合された引張部材であって、回転アクチュエータは、引張部材を長手方向に並進させるように回転可能であり、引張部材は、長手方向軸を中心にするシャフト回転アセンブリの回転に応答して、長手方向軸を中心にカム部材に対して回転するように構成されている、引張部材、及び(iv)引張部材と結合された並進可能な作動部材であって、並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して、シャフトアセンブリの一部分を長手方向軸から離れるよう偏向するように構成された並進可能な作動部材、を含む、偏向作動アセンブリと、を備える、装置。
【0125】
III.その他
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。単なる例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0126】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0127】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0128】
本明細書に開示される装置の変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置の変形形態は、分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにおいて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分を洗浄時及び/又は交換時に、装置の変形形態は、再調整用の施設において、又は外科手技の直前に外科チームによってのどちらかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0129】
単に一例として、本明細書に記載の変形形態は、手術前に処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0130】
本発明の様々なバージョンについて図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0131】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、
(c)偏向作動アセンブリであって、
(i)第1の回転アクチュエータ、
(ii)前記シャフトアセンブリを通って延在する並進可能な作動部材であって、前記第1の回転アクチュエータ及び前記シャフトアセンブリの前記可撓性遠位部分と動作可能に結合されており、前記第1の回転アクチュエータは、回転力によって回転可能であり、それによって前記並進可能な作動部材を長手方向に駆動し、前記可撓性遠位部分は、前記並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して前記長手方向軸から離れる方向に偏向するように構成されている、並進可能な作動部材、並びに
(iii)前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間に配置された弾性部材であって、前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間に摩擦力を加えるように構成されており、前記摩擦力は、前記第1の回転アクチュエータを回転させるのに必要な前記回転力を増加させるように動作可能である、弾性部材、を含む、偏向作動アセンブリと、
を備える、装置。
(2) 前記弾性部材は、圧縮ばねを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記圧縮ばねは、トロイダル形状に形成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記弾性部材は、ガーターばねを含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記弾性部材は、前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間に加えられる前記摩擦力が一定になるように、前記第1の回転アクチュエータと前記本体との間で半径方向に圧縮されるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0132】
(6) 前記第1の回転アクチュエータは、予め定められた複数の回転位置を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記本体と結合され、前記第1の回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材を更に備え、前記フィードバック部材は、前記第1の回転アクチュエータが回転するときに前記第1の回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、前記協働は、ユーザへのフィードバック指示を生成するように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記フィードバック指示は、可聴騒音を含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記フィードバック指示は、触覚応答を含む、実施態様7に記載の装置。
(10) 前記第1の回転アクチュエータの前記フィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、前記フィードバック部材は、前記第1の回転アクチュエータが回転すると前記1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、実施態様7に記載の装置。
【0133】
(11) 前記第1の回転アクチュエータの前記フィードバック部分における前記1つ又は2つ以上の戻り止めの各々は、前記第1の回転アクチュエータの回転位置に対応するように配置されており、前記第1の回転アクチュエータの前記回転位置は、前記長手方向軸から離れる方向への前記可撓性遠位部分の偏向の程度に対応するように構成されている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記シャフトアセンブリに対して摺動可能であり、拡張可能な拡張器を備える、拡張カテーテルを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記拡張カテーテル内に摺動可能に配設されたガイドワイヤを更に含む、実施態様12に記載の装置。
(14) シャフト回転アセンブリを更に備え、前記シャフト回転アセンブリは、前記シャフトアセンブリを、前記長手方向軸を中心に回転させるように動作可能であり、前記シャフト回転アセンブリは、前記本体の遠位部分に配置された第2の回転アクチュエータを備え、前記第2の回転アクチュエータは、前記長手方向軸に対して垂直の軸を中心に回転可能である、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記回転アクチュエータと結合されたピンを更に備え、前記回転アクチュエータは、前記並進可能な作動部材を長手方向に駆動するために、前記並進可能な作動部材と前記ピンを介して動作可能に結合されており、前記回転アクチュエータは、回転軸を中心に回転するように構成されており、前記ピンは、前記回転軸から横方向にオフセットされている、実施態様1に記載の装置。
【0134】
(16) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリの一部分が、患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されており、前記シャフトアセンブリは、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの前記可撓性遠位部分と動作可能に結合された偏向作動アセンブリであって、回転アクチュエータが回転軸を中心に回転可能であり、それによって前記可撓性遠位部分を前記長手方向軸から離れる方向に偏向させ、前記回転軸は、前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸を横切る、偏向作動アセンブリと、
(d)前記本体と結合され、前記回転アクチュエータに隣接して配置されたフィードバック部材であって、前記回転アクチュエータが回転するときに前記回転アクチュエータのフィードバック部分と協働するように構成されており、前記協働は、ユーザへのフィードバック指示を生成するように動作可能である、フィードバック部材と、を備える、装置。
(17) 前記回転軸は、前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸に対して垂直である、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記回転アクチュエータの前記フィードバック部分は、1つ又は2つ以上の戻り止めを含み、前記フィードバック部材は、前記第1の回転アクチュエータが回転されると前記1つ又は2つ以上の戻り止めに接触するように構成されている、実施態様16に記載の装置。
(19) 前記第1の回転アクチュエータの前記フィードバック部分における前記1つ又は2つ以上の戻り止めの各々は、前記第1の回転アクチュエータの回転位置に対応するように配置されており、前記第1の回転アクチュエータの前記回転位置は、前記長手方向軸から離れる方向への前記可撓性遠位部分の偏向の程度に対応するように構成されている、実施態様18に記載の装置。
(20) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定するシャフトアセンブリであって、可撓性遠位部分を含む、シャフトアセンブリと、
(c)偏向作動アセンブリであって、
(i)第1の回転アクチュエータ、
(ii)カム部材であって、前記第1の回転アクチュエータが、前記カム部材を前記本体に対して前記長手方向軸に沿って長手方向に並進させるように回転可能である、カム部材、
(iii)前記カム部材と摺動可能に結合された引張部材であって、前記カム部材は、前記引張部材を長手方向に並進させるように長手方向に並進可能であり、前記引張部材は、前記本体及び前記カム部材に対して前記長手方向軸を中心に回転するように構成されている、引張部材、並びに
(iv)前記引張部材と前記シャフトアセンブリの前記可撓性遠位部分とに結合された並進可能な作動部材であって、前記可撓性遠位部分は、前記並進可能な作動部材の長手方向の並進に応答して前記長手方向軸から離れる方向に偏向するように構成されている、並進可能な作動部材、を含む、偏向作動アセンブリと、
を備える、装置。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
【国際調査報告】