(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】消毒システムを備える廃棄物圧縮容器
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20230614BHJP
B65F 1/10 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
B65F1/00 B
B65F1/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571775
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 ES2021070365
(87)【国際公開番号】W WO2021234206
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522454714
【氏名又は名称】ドゥエニャス サンチェス,シルヴェリオ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ドゥエニャス サンチェス,シルヴェリオ
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA08
3E023AA14
3E023AA18
3E023GB02
3E023HA04
3E023MA09
3E023MB01
(57)【要約】
消毒システムを備える廃棄物圧縮容器は、(i)垂直方向に変位可能な構造体と、(ii)蓋部と、(iii)袋と、によって構成されている。前記構造体は、密封容器を内部に支持する枠部であって、垂直方向に固定された下部側方構造体を両側部に有する枠部;2つの下部側方構造体であって、各々が複数の円筒体、スチールケーブル、ばねおよび伸縮管によって形成されている2つの下部側方構造体;ハンドルを備える、2つの上部側方構造体;ならびに、下部円筒形本体および上部円筒形本体によって形成された密封容器を備える。当該容器蓋部は、前記枠部の上に配置され、2つの前記上部側方構造体に沿って移動し、気密封止樹脂を有し、かつ、前記密封容器の内部に配置された袋の内部に収容された廃棄物を滅菌および圧縮するための複数の機械要素を収容している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に変位可能な容器の主要な骨組を形成する構造体であって、
-密封容器を内部に支持し、かつ複数の円筒体(7)を通じて垂直方向に固定された下部側方構造体(6’)を両側部に有する枠部(5)であって、その基部に複数のホイール(10)を有する枠部(5)と、
-前記枠部(5)の各側部に縦方向に固定された2つの下部側方構造体(6’)であって、これらの下部側方構造体(6’)の各々が、
-前記枠部(5)の下方の点および上方の点の各々に固定された円筒体(7)と、
-両方の円筒体(7)に接触するスチールケーブル(25)と、
-下側の前記円筒体(7)の上に配置されたばね(9)と、
-前記ばね(9)の上に配置された伸縮管(8)と、
を備える、2つの下部側方構造体(6’)と、
-2つの上部側方構造体(6)の下端部が複数の前記下部側方構造体(6’)の各々に接合された、2つの当該上部側方構造体(6)と、
-前記枠部(5)の骨格内に収容された密封容器であって、
-下部円筒形本体(3)と、
-上部円筒形本体(2)と、
を備える、密封容器と、
を備える、構造体と、
前記枠部(5)の上に配置され、変位歯車(24d)および複数のプーリ(71)によって、2つの前記上部側方構造体(6)に沿って移動し、かつ、気密封止樹脂(4)を有する蓋部(1)であって、
-空気入口管および空気出口管(16)とともに空気圧縮機(21)に接続されたオゾン生成ランプ(11)と、
-超音波移動センサ(13)と、
-カーボンフィルタ(15)と、
-前記蓋部(1)の移動を作動させるギアモータ(20)であって、プーリ車軸(17)に配置されたプーリ車軸歯車(24a)に接続したモータ歯車(24b)に、モータばね(18b)を通じて接触する、ギアモータ(20)と、
を備える、蓋部(1)と、
前記密封容器の内部に配置された、袋(31)と、
を備える、消毒システムを備える廃棄物圧縮容器であって、
前記蓋部(1)は、複数の変位歯車(24d)によって、前記プーリ車軸(17)に固定されており、
前記オゾン生成ランプ(11)は、変流器(12)、バッテリ(14)および空気圧縮機(21)と接続されており、
前記上部円筒形本体(2)が前記蓋部(1)によって圧縮された場合において、当該上部円筒形本体(2)が前記下部円筒形本体の位置へ縦方向下方に移動するときに、廃棄物が消毒および圧縮されることを特徴とする、消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【請求項2】
前記蓋部(1)は、コイルばね(18a)に接続されたストリングコイル(19)を備え、
前記コイルばね(18a)は、コイルピストン駆動電気弁(23b)によって支持されたコイル歯車(24c)に接続されており、
前記コイル歯車(24c)は、前記モータ歯車(24b)と接続されることを特徴とする、請求項1に記載の消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【請求項3】
前記モータ歯車(24b)、前記コイル歯車(24c)、および、前記プーリ車軸(17)を回転させる前記プーリ車軸歯車(24a)が運動することによって、前記密封容器が圧縮することを特徴とする、請求項1または2に記載の消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【請求項4】
前記プーリ車軸歯車(24a)および前記モータ歯車(24b)は、複数の歯付きレール(22)に沿って前記変位歯車(24d)を昇降させ、
同じ車軸において、当該プーリ歯車(24a)および複数の前記変位歯車(24d)は、同じ車軸に挿入されており、
同じ車軸には、複数の前記スチールケーブル(25)を巻き取りそして繰り出す複数の前記円筒体(7)が配置されており、
その結果、当該モータ電気弁(23a)および当該コイル電気弁(23b)は、前記密封容器の内部への空気の入口を開閉し、
前記ギアモータ(20)による前記蓋部の開閉が作動することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【請求項5】
前記上部側方構造体(6)は、蓋部(1)の開閉を作動させる前記蓋部(1)の前記変位歯車(24d)と接続したコイルばね(40)を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【請求項6】
前記密封容器は、ハンドル(30)と複数の膨張溝(29)とを備える上部中空円筒体(28)によって形成されており、
前記上部中空円筒体(28)は、別の中間中空円筒体(27)の内側をスライドし、
前記中間中空円筒体(27)は、基部が閉じた別の下部中空円筒体(32)の内側をスライドし、
前記中間中空円筒体(27)と前記下部中空円筒体(32)との間には、前記袋(31)が配置されており、
前記袋(31)の側方周囲部および下部周囲部を、ストリング(26)が取り巻いていることを特徴とする、請求項1に記載の消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【請求項7】
前記密封容器は、
上部中空円筒体であって、その本体に沿った複数の膨張溝(29)およびその直径全体を取り囲む内方折り返しタブ(28a)を有する上部中空円筒体(28)と、
下部中空円筒体であって、その直径全体を取り囲む外方折り返しタブ(27a)および下方に配置されたレース(27b)を有する下部中空円筒体と、
によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【請求項8】
前記袋(31)は、前記蓋部(1)の前記ストリングコイル(19)を作動させるときに前記袋を圧縮する前記ストリング(26)を通すための、複数のワッシャ(33a)を備える複数の穴(33b)を有することを特徴とする、請求項1に記載の消毒システムを備える廃棄物圧縮容器。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の目的〕
本発明は、家庭内の廃棄物(残留物)または商業上の廃棄物を、ユーザが圧縮および滅菌することを可能にすることを意図している。廃棄物を、本発明の内部に収容し、次いで、圧縮および消毒することができる。このため、本発明に係る容器は、枠部と、2つの上部側方構造体と、2つの下部側方構造体と、前記枠部の骨格内に収容された密封容器と、によって構成された、主要な構造体または骨組(フレームワーク);ならびに、前記枠部の上に配置され、かつ、複数の前記上部側方構造体に沿って移動する蓋部であって、前記密封容器の内部に配置された袋の内部に収容された廃棄物を滅菌および圧縮するための複数の機械要素を収容する蓋部を備える。このようにして、ユーザが前記密封容器の内部に配置された前記袋内に廃棄物である残留物を配置(処分)したときに、前記残留物は、前記構造体の前記枠部の上の前記蓋部が及ぼす作用によって、圧縮および消毒される。
【0002】
本発明の分野は、廃棄物容器の製造および商業化の分野に含まれ、具体的には、消毒システムを備える廃棄物圧縮容器に関する。
【0003】
〔発明の背景〕
現在、COVID-19ウイルス等の感染力の高いウイルスに個体が感染した場合には、罹患中にこの個体によって生成された廃棄物は通常、従来のゴミ箱において処理される。この個体が自宅で疾患を耐え忍んでいる場合には、なおさら、従来のゴミ箱において処理される。発生した廃棄物を効果的に消毒することができる家庭内システムがこれまでに知られていないため、いかなる種類の事前処理もなしにこれらの廃棄物を処分することが、最も広く普及した方法であるからである。その結果、患者が自宅治療をする場合にあっては、敷地内の他の全ての居住者が危険にさらされることとなってしまう。また、患者が病院で治療を受けている場合にあっては、清掃職員および廃棄物輸送業者が危険にさらされてしまう。これらの廃棄物は、公営のゴミ捨て場やリサイクル場で残りの都市廃棄物と共に処分されているため、環境をも脅かすこととなる。
【0004】
そこで、本発明に係る容器によって、感染症の際に発生する全ての廃棄物を、患者と、この人物と接する必要のある他の全ての個体との両方に対して、安全に圧縮および消毒することができる。強調されるべき他の特徴としては、この容器によって、家屋、商業地、病院等で発生した他の全ての廃棄物を廃棄することもまた可能であることが挙げられる。これらの廃棄物もまた、圧縮および消毒し、その体積を90%まで減少させることができる。その結果、袋と、これらの廃棄物を廃棄するのに必要な空間とが、節約される。したがって、本発明に係る容器によって、これらのパッケージ(包装物)を頻繁に輸送および/またはリサイクルする車両のカーボンフットプリントが著しく低減し、とりわけ、パッケージが汚染されずにリサイクルされることが保証されることを、主張することができる。
【0005】
このように、上記の説明によれば、本発明に係る消毒システムを備える廃棄物圧縮容器は、この分野で現在知られているものと比較して、改良された異なる解決策を提供するものである。本発明は、枠部と、2つの上部側方構造体と、2つの下部側方構造体と、前記枠部の骨格内に収容された密封容器と、によって構成された、主要な構造体;ならびに、前記枠部の上に配置され、かつ、複数の前記上部側方構造体に沿って移動する蓋部であって、前記密封容器の内部に配置された袋の内部に収容された廃棄物を滅菌および圧縮するための複数の機械要素を収容する蓋部を備える。これにより、本発明に係る容器は、従来知られている容器とは異なる改良した方法で、当該容器の内部に収容されるあらゆる種類の廃棄物を滅菌および圧縮する。
【0006】
このように、上記の説明によれば、本発明に係る容器は、廃棄物容器製造における一歩の前進である。従来知られているものとは異なる、改良されたタイプの構造(物)が、定められた構成を通じて得られるからである。
【0007】
本発明を以下に詳細に説明し、これまでに導入された思想をさらに説明する。
【0008】
〔詳細な説明〕
本発明に係る消毒システムを備える廃棄物容器は、枠部、2つの上部側方構造体、2つの下部側方構造体および密封容器を備える、容器の主要な構造体を形成する構造体と、蓋部と、袋と、によって構成されている。枠部は、前記密封容器を内部に支持している。その本体上には、2つの下部側方構造体が、複数の円筒体によって垂直(縦)方向に固定されている。さらに、枠部の基部には、移動可能となるように、ホイールが組み込まれている。
【0009】
前述の複数の下部側方構造体の各々は、複数の円筒体、ならびに、それらの間に配置された、ばね、伸縮管およびスチールケーブルによって、構成されている。当該スチールケーブルは、これらの本体の内部にあり、およびこれらの本体に沿っている。それらの上端部において、各下部側方構造体が、上部側方構造体を固定している。容器の前記蓋部は、複数の変位歯車によって固定されている。なお、前記蓋部は、前記密封容器の内部に配置された前記袋の内部に収容された廃棄物を滅菌および圧縮するための複数の機械要素を有することに留意されたい。この密封容器は、前記枠部の骨格内に収容されており、下部円筒形本体と、その上部にある上部円筒形本体と、によって構成されている。
【0010】
このように、消毒システムを備える前記廃棄物圧縮容器は、再使用可能であり、密封閉鎖部を有する。前記廃棄物圧縮容器は、圧縮装置を備え、当該圧縮装置は、2つの円筒形管によって、その体積の増減を可能としている。当該2つの円筒形管は、複数のプーリ、スチールケーブル、およびギアードモータによって作動される。
【0011】
このように、本発明は、独立した2つの円筒体を有する枠部と、基部を有する下部円筒形本体と、蓋部を有する上部円筒形本体と、によって構成されている。これらは、複数の伸縮管によって、前記下部側方構造体の複数の側部に固定されている。当該複数の伸縮管により、両方の円筒体は、完全に分離することなく、垂直方向にスライドできるようになっている。さらに、当該複数の伸縮管は、アセンブリの運動のための案内としても働く。
【0012】
前記主要な構造体の外側の平行な複数の下部伸縮管の内部には、対称的かつ平行な2つのばねが配置されている。当該2つのばねの目的は、前記上部円筒形本体を、2つの円筒体を圧縮するケーブルが力を及ぼさなくなったときに上昇させることである。
【0013】
これらの円筒体は、当該ケーブルが下側円筒体においてこの構造体に固定または固定されるように、上述した複数の垂直方向外側管の内部を通り抜ける2本のスチールケーブルによって接合されている。ケーブルは、上側円筒体に達し、当該上側円筒体において、一組のプーリは、下側円筒体上に固定された別のプーリへ、ケーブルを下方に押し付ける。これが、ケーブルを、当該ケーブルの他端部へ、上方に引っ張り、当該ケーブルは、上側円筒体の蓋部における一組の対称プーリに固定される。両者は、水平車軸によって接続されており、これは、ギアードモータに接続された歯車によって作動される。この結果、両組のプーリは、ケーブルの作用によって、容器の2つの円筒体のアセンブリを圧縮するのに必要な力を分散する。
【0014】
他方、膨張可能なシリコンシールを備える蓋部は、前記枠部の上部分に配置されており、それを密封する。この蓋部の内部には、容器アセンブリの圧縮作用を作動させる複数の機構および複数の構成要素、蓋部の自動開閉装置、空気抽出および廃棄物消毒システム、ならびに、袋をパックしまたは閉じるときの信頼性を当該袋に与えるためのワイヤまたはメッシュコイルが収容されている。
【0015】
枠部の内側に収容された容器は、少なくとも2つの円筒形本体を備える。袋は、上部円筒形本体の内部にある。その内側円筒形本体において、廃棄物がぎっしりと詰められ、圧縮および滅菌される。
【0016】
本発明に開示される新規な点として、一方の車軸が圧縮機に結合され、反対側の車軸が歯車に結合されているために、空気圧縮機として機能するギアモータが、蓋部の内部にあることが挙げられる。ギアモータによって作動されるこの歯車は、その車軸に沿って長手方向に移動する。これは、ばねまたはピストン駆動の電気弁によって作動される。これは、作動すると、歯車を側方にスライドさせる。ギアモータ歯車が上述のように側方に変位した場合、車軸に結合された歯車は係合し、容器を圧縮する複数のプーリを回転させ、さらに、前記車軸の両端部における複数の歯車を作動させたときに蓋部を開閉できるようにする。ギアモータ歯車がプーリ車軸における歯車と係合しない場合には、空気圧縮機のみが作動することが、明記されるべきだろう。
【0017】
ギアモータ車軸に対して平行に、かつ、複数のプーリを回転させる車軸に対して平行に、別の歯車によって作動される別の車軸がある。当該別の歯車は、前述した車軸と同様に機能する。そこには、別のばねおよび別のピストン駆動電気弁がある。これは、作動されたとき、歯車を側方に変位させ、ギアモータ車軸と係合することができ、または係合しないことができる。このギアシステムはまた、3つの歯車によって機能する。
【0018】
このギアシステムはまた、他の電気弁を収容する。当該他の電気弁は、オゾンランプに対する空気の取入れまたは出力ダクトを変更する。これにより、ユーザは、容器の内部の廃棄物を滅菌するか、容器が配置されている部屋を滅菌するか、またはその両方を行うのかを、選択することができる。
【0019】
また、蓋部の内側には、超音波近接センサがある。これは、プーリ車軸の両端部に結合された複数の歯車の機構により、蓋部を自動的に開閉することができる。このとき、蓋部は、2つの歯付きレールに沿って複数の歯車が回転することによって、移動する。当該2つの歯付きレールは、容器本体のハンドルを固定する複数の側方部材の内側に配置されている。ギアモータが一方の方向もしくは他方の方向に回転して、複数の歯車を直接作動させるときに、または、上部側方構造体の一部である容器ハンドルバーの両端部に結合された2つのコイルばねのときに、蓋部は開閉する。蓋部が閉じている場合、ばねが展開しているときに蓋部に力が及ぼされる。ギアモータを解放するときに、歯車は、自動的にばねを巻き、これにより、蓋部が開くことができるようになる。同様に、蓋部を閉じるために、ギアモータが作動すると、複数の歯車が作動し、その結果、蓋部が閉じて、コイルばねが再び張った状態に至る。
【0020】
2つのオゾンセンサが、密封容器内に配置されている。当該2つのオゾンセンサは、容器の内側および外側の両方におけるオゾン濃度を示す。
【0021】
容器の主要な構造体の枠部には、複数の伸展可能な立方体または円筒形本体がある。当該複数の伸展可能な立方体または円筒形本体は、容器の内部の袋内に廃棄物または物体を配置(処分)し、次いで、当該廃棄物を圧縮および滅菌できるように設計されている。複数の前記円筒形本体の新規な点は、これらの本体をそれらの使用位置に伸展または展開し、その結果、容量または体積を最大化することを可能とするシステムである。蓋部の作用の後、複数の円筒形本体は、複数のばねを展開した状態に保つ機構を解放するときに圧縮される。圧縮位置にある廃棄物容器と同じ体積を有するまで、すなわち、上部円筒形本体が下部円筒形本体の内側にある状態となるまで、複数の当該本体は収縮する。
【0022】
廃棄物を保管するために、密封容器には、オゾンによって破壊されないような特性を有する袋が使用される。このため、廃棄物は、圧縮時、パックされたままの状態である。このことは、これらの袋の底部が密封されまたは閉じており、これにより、穿孔可能な余分な表面を有する二重の底部が形成され、リング形状金属片をその穿孔内に配置することができる、という事実によって達成される。袋の上部分の周囲には、複数の穴がある。これは、袋の内側と同様の形状である。リング形状片を配置することができる。この一組の穴によって、密封容器の蓋部内に位置するコイルからのストリングを通すことができる。このため、コイルを回転させると、袋を取り巻くストリングが締め付けられ、結果として、袋が包装される。
【0023】
〔図面の簡単な説明〕
この説明を補足し、本発明の諸特徴をより良く理解するために、一式の図面が、本開示の不可欠な部分として提供されている。これらの図面は、例示であって限定ではなく、次の事柄を描写するものである。
【0024】
図1は、蓋部が開いた状態にある、使用位置における消毒システムを備える廃棄物圧縮容器の自由斜視図を示す。
【0025】
図2は、上部円筒形本体が下部円筒形本体の内側で変位したときの、圧縮容器の自由斜視図を示す。
【0026】
図3は、容器蓋部の縦断面を示しており、その内部に収容された構成要素が概略的に描かれている。
図4は、
図3における蓋部の縦断面の詳細を示す。
【0027】
図5は、複数の歯車がストリングコイルを作動させるときの、容器蓋部内部におけるこれらの歯車の構成の詳細を示す。
【0028】
図5Aは、複数の歯車がプーリ車軸およびギアモータ車軸を一緒に動かすときの、容器蓋部内部におけるこれらの歯車の構成の詳細を示す。
【0029】
図6は、本発明の一実施形態における、ギアモータによる容器蓋部の作動の一描写を示す。
【0030】
図7は、複数の歯車が歯付きレールに係合せず、蓋部が閉じた状態における、容器蓋部の内部部品の一実施形態の一描写を示す。
【0031】
図7Aは、モータ車軸歯車およびモータ歯車が歯付きレールに係合し、蓋部が開いた状態における、容器蓋部の内部部品の一実施形態の一描写を示す。
【0032】
図8は、容器構造体の1つのハンドルに配置されたコイルばねが蓋部のプーリ車軸歯車に力を及ぼし、蓋部が閉じた状態における、蓋部の閉鎖の機能を示す。
【0033】
図8Aは、コイルばねが蓋部のプーリ車軸歯車に力を及ぼさず、蓋部が開いた状態における、
図8に係る蓋部の開放の機能を示す。
【0034】
図9は、密封容器アセンブリを圧縮するための、容器の側方構造体における一組の円筒体の機構を示す。
【0035】
図9Aは、密封容器アセンブリを圧縮するための、
図9に係る一組の円筒体の機構を示す。
【0036】
図10は、滅菌および/または圧縮されるべき廃棄物が配置される、互いにスライドする一組の中空かつ交換可能な円筒体によって構成された、密封容器の一実施形態の分解図を示す。
【0037】
図11は、滅菌および/または圧縮されるべき廃棄物が配置されている期間中に複数の円筒体の離隔を防止するタブを有する一組の当該円筒体によって構成された、密封容器の一実施形態の分解図を示す。
【0038】
図12は、
図11に係る密封容器を示す。圧縮前後における上部中空円筒体および下部中空円筒体の位置が示されている。
【0039】
【0040】
図13は、圧縮前後における、
図10に示す密封容器および袋を含む全ての要素の模式図を示す。
【0041】
図14は、圧縮されるべき廃棄物がパックされる圧縮容器袋の図であり、ストリングを通過させるための案内として振る舞う、穴およびワッシャの配置が示されている。
【0042】
〔発明の実施形態の詳細な説明〕
図面から分かるように、本発明の一実施形態において、容器本体は、滅菌および圧縮するための複数の構成要素であって、蓋部(1)を開閉するための複数の構成要素を収容する当該蓋部(1)と、上部円筒形本体(2)および下部円筒形本体(3)によって構成された密封容器と、膨張可能封止シリコン樹脂(4)と、当該本体およびその構成要素を一緒に保持する枠部(5)と、2つの上部側方構造体(6)の内側に一筋の歯付きレールを有し、アセンブリハンドルをも含む当該2つの上部側方構造体(6)と、を有する。当該一筋の歯付きレールにおいて、歯車は、蓋部(1)を開閉するように転がる。また、図面には、2つの下部側方構造体(6’)が示されている。2つの下部側方構造体(6’)の各々は、2つの円筒体(7)内に配置されたプーリであって、ケーブルがそこでスライドするプーリと、下部円筒形本体(3)の上の上部円筒形本体(2)をスライドさせるための案内としての伸縮管(8)と、当該ケーブルが2つの当該円筒体に力を及ぼさなくなったときに上部円筒形本体(2)をその定位置へ上昇させるばね(9)と、アセンブリ全体を移動させるためのホイール(10)と、を有する。
【0043】
他方、図面を見れば、上部円筒形本体(2)が下部円筒形本体(3)の内部で変位したとき、密封容器の内部に収容された廃棄物または残留物が圧縮されることも分かる。
【0044】
蓋部(1)の内部に位置する構成要素は、オゾン生成ランプ(11);前記オゾンランプに通電する変流器(12);超音波移動センサ(13);全てのシステムの機構および構成要素に通電するための再充電可能なバッテリ(14);活性炭フィルタ(15)またはHEPA(High Efficiency Particulate Air)(高性能微粒子除去)フィルタ;空気圧縮機(21)から出ている空気入力管および空気出力管(16);複数のプーリ(71)を両端部に有し、ギアモータ(20)車軸と結合したプーリ車軸(17);アセンブリの可動部分を作動させる歯車(24a、24bおよび24c);ならびに、袋を閉じるためのストリングコイル(19)である。
【0045】
蓋部(1)は、ギアモータ(20)のギアを作動させるためのモータピストン駆動電気弁(23a)と、ストリングコイル(19)のギアを作動させるためのコイルピストン駆動電気弁(23b)と、を備える。また、ギアモータ(20)車軸のモータ歯車(24b)、およびコイル歯車(24c)はそれぞれ、モータばね(18b)およびコイルばね(18a)によって、力が及ぼされている。図面から分かるように、複数の歯車(24a、24bおよび24c)の配置に基づき、複数の運動構成が、蓋部(1)の内部において設定され得る。これらの構成の間で、複数の歯車は、密封容器を圧縮するプーリ車軸(17)を回転させ得る(図示せず);または、複数の歯車は、蓋部(1)を開閉するために、それらの車軸の端部に留まり得る;または、ストリングコイル(19)を作動させるコイル歯車(24c)を回転させ得る;または、プーリ車軸(17)およびギアモータ(20)車軸の位置に応じて、複数の歯車が全て一緒に移動し得る。また、複数の歯車は、モータ歯車(24b)と係合しなくてもよく、その結果、空気圧縮機(21)のみが機能することになる。
【0046】
このように、ギアモータ(20)による蓋部(1)の作動の一実施形態では、プーリ車軸歯車(24a)およびモータ歯車(24b)が歯付きレール(22)によって変位歯車(24d)を昇降させるときに、蓋部(1)の開閉が機能し得る。さらに、スチールケーブル(25)を巻き取りまたは繰り出す円筒体(7)は、プーリ歯車(24a)および変位歯車(24d)が挿入されているのと同じ車軸に、配置されている。図面から分かるように、モータ電気弁(23a)およびコイル電気弁(23b)がこの位置に配置されているとき、密封容器の内部に留まる廃棄物への空気またはオゾンの入口を開閉することができる。
【0047】
図面に見ることができる別の詳細は、プーリ車軸歯車(24a)およびモータ歯車(24b)がそれらの定位置にあるときの、蓋部(1)の複数の構成要素の配置である。この場合、ケーブル(25)は、膨張可能封止シリコン樹脂(4)に圧力を及ぼし、密封容器を支持する枠部(5)に関して蓋部(1)を下げる。蓋部(1)が不活性状態にある場合には、変位歯車(24d)は、プーリおよびプーリ車軸(17)が回転して上部円筒形本体(2)を圧縮していたとしても、歯付きレール(22)に係合することができず、プーリ車軸歯車(24a)およびモータ歯車(24b)は、自由に回転している。他方、ケーブル(25)が圧力を及ぼさなくなり、プーリ(71)を圧縮していないときの、蓋部(1)の複数の構成要素の配置では、複数の歯車は、反対方向に回転することとなり、その結果、シリコンシール(4)が膨張するため、蓋部(1)が上昇する。その結果、モータ車軸歯車(24a)およびモータ歯車(24b)は、歯付きレール(22)と係合する。
【0048】
蓋部(1)の開閉は、容器の上部側方構造体(6)におけるハンドルによって行われる。そこでは、コイルばね(40)が、ギアモータ(20)がプーリ車軸歯車(24a)に力を及ぼさなくなったときに、蓋部(1)に力を与える;両者は蓋部の内部に位置するため、コイルばね(40)の作用によって蓋部(1)が上昇する。逆に、蓋部(1)を再び閉じるために、ギアモータ(20)がモータ歯車(24b)を作動させると、蓋部(1)は同じ経路を辿る。ただし、この場合は反対方向である。
【0049】
また、図面から分かるように、容器本体は、密封容器を圧縮するスチールケーブル(25)によって接続された、下部側方構造体(6’)に位置する一組の円筒体(7)および蓋部(1)におけるプーリ(71)によって構成された機構を有する。底部からのスチールケーブル(25)の経路は、次の通りに説明される:スチールケーブル(25)の第1端部は、下側円筒体の枠部(5)の下方の位置に固定されている。それは、この点から、上側円筒体の枠部(5)の上方の点に固定された当該上側円筒体(7)に達し、この上側円筒体(7)の周囲を取り巻き、別の下側円筒体(7)へ下降する。当該別の下側円筒体(7)は、枠部(5)の下方の点に固定されている。スチールケーブル(25)は、この下側円筒体(7)の周囲を取り巻き、蓋部(1)の内側に位置するプーリ(71)に達する。その結果、蓋部(1)がプーリ車軸(17)によって作動され、当該プーリ車軸(17)は、ギアモータ(20)のモータ歯車(24b)に結合されたプーリ車軸歯車(24a)によって作動される。
【0050】
本発明の別の詳細は、この容器本体の機構が、下部側方構造体(6’)に位置する複数の円筒体(7)またはタック(tack)、および蓋部のプーリ(71)によって構成され得ることである。そこでは、密封容器を圧縮する力は、ケーブル(25)に沿って分散する。本発明の一実施形態では、密封容器は、滅菌および/または圧縮されるべき物体または廃棄物が配置された、交換可能な本体によって形成されている。図面に示すように、密封容器を、ハンドル(30)と膨張溝(29)とを備える上部中空円筒体(28)であって、中間中空円筒体(27)の内側をスライドする上部中空円筒体と、下部中空円筒体(32)の内側をスライドする中間中空円筒体(27)と、下部中空円筒体(32)の基部が閉じた当該下部中空円筒体(32)と、によって構成することができる。中間中空円筒体(27)と下部中空円筒体(32)との間には、袋(31)がある。袋(31)は、紙袋であることが好ましい。当該袋(31)の側方周囲部および下部周囲部を、ストリング(26)が取り巻いている。
【0051】
また、上部中空円筒体(28)は、その直径を取り囲む内方折り返しタブ(28a)を有し得る。下部中空円筒体は、外方折り返しタブ(27a)と、当該外方折り返しタブ(27a)のわずかに下方に位置するレース(lace)(27b)と、を有する。このシステムの目的は、満たされている間、2つの円筒体を垂直に展開した状態に保ち、内方折り返しタブ(28a)が当該2つの円筒体の離隔を防止することで、それらがスライドしまたは曲がることを防止することである。逆に、レース(27b)は、膨張溝(29)によって、外方折り返しタブ(28a)を膨張させるためにいかなる力も及ぼされていない場合には、当該2つの円筒体が曲がることを可能にする。図面では、密封容器は、圧縮前後の上部中空円筒体(28)および下部中空円筒体によって描写されている。これにより、その内容物が圧縮されると、袋(31)がパックされ、閉じることができるようになる。密封容器から、上部中空円筒体(28)および中間中空円筒体(27)が取り外されると、基部を有する下部中空円筒体(32)のみが、消毒および圧縮された廃棄物と共に残される。袋(31)は、ストリングコイル(19)からストリング(26)を引っ張るときに、自動的に結ばれる。最後に、図面には、金属ワッシャまたはプラスチックワッシャ(33a)が据え付けられた穴(33b)を有する袋(31)が示されている。これは、ストリング(26)のための案内として働く。この特徴により、蓋部(1)内に配置された前述のギアモータ(20)によってストリングコイル(19)がストリング(26)を巻き取るときに、袋(31)は、圧縮された廃棄物をパックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】蓋部が開いた状態にある、使用位置における消毒システムを備える廃棄物圧縮容器の自由斜視図を示す。
【
図2】上部円筒形本体が下部円筒形本体の内側で変位したときの、圧縮容器の自由斜視図を示す。
【
図3】容器蓋部の縦断面を示しており、その内部に収容された構成要素が概略的に描かれている。
【
図5】複数の歯車がストリングコイルを作動させるときの、容器蓋部内部におけるこれらの歯車の構成の詳細を示す。
【
図5A】複数の歯車がプーリ車軸およびギアモータ車軸を一緒に動かすときの、容器蓋部内部におけるこれらの歯車の構成の詳細を示す。
【
図6】本発明の一実施形態における、ギアモータによる容器蓋部の作動の一描写を示す。
【
図7】複数の歯車が歯付きレールに係合せず、蓋部が閉じた状態における、容器蓋部の内部部品の一実施形態の一描写を示す。
【
図7A】モータ車軸歯車およびモータ歯車が歯付きレールに係合し、蓋部が開いた状態における、容器蓋部の内部部品の一実施形態の一描写を示す。
【
図8】容器構造体の1つのハンドルに配置されたコイルばねが蓋部のプーリ車軸歯車に力を及ぼし、蓋部が閉じた状態における、蓋部の閉鎖の機能を示す。
【
図8A】コイルばねが蓋部のプーリ車軸歯車に力を及ぼさず、蓋部が開いた状態における、
図8に係る蓋部の開放の機能を示す。
【
図9】密封容器アセンブリを圧縮するための、容器の側方構造体における一組の円筒体の機構を示す。
【
図9A】密封容器アセンブリを圧縮するための、
図9に係る一組の円筒体の機構を示す。
【
図10】滅菌および/または圧縮されるべき廃棄物が配置される、互いにスライドする一組の中空かつ交換可能な円筒体によって構成された、密封容器の一実施形態の分解平面を示す。
【
図11】滅菌および/または圧縮されるべき廃棄物が配置されている期間中に複数の円筒体の離隔を防止するタブを有する一組の当該円筒体によって構成された、密封容器の一実施形態の分解平面を示す。
【
図12】
図11に係る密封容器を示す。圧縮前後における上部中空円筒体および下部中空円筒体の位置が示されている。
【
図13】圧縮前後における、
図10に示す密封容器および袋を含む全ての要素の模式図を示す。
【
図14】圧縮されるべき廃棄物がパックされる圧縮容器袋の図であり、ストリングを通過させるための案内として振る舞う、穴およびワッシャの配置が示されている。
【国際調査報告】