(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】改善された垂直3Dメモリデバイス及びアクセス方法
(51)【国際特許分類】
H10B 63/00 20230101AFI20230614BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20230614BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20230614BHJP
H10B 63/10 20230101ALI20230614BHJP
H10N 70/00 20230101ALI20230614BHJP
H10N 99/00 20230101ALI20230614BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20230614BHJP
G11C 13/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
H10B63/00
H01L27/088 E
H01L27/088 331E
H10B63/10
H10N70/00 A
H10N70/00 Z
H10N99/00
H01L29/78 613B
G11C13/00 310
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572291
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2020020028
(87)【国際公開番号】W WO2021240203
(87)【国際公開日】2021-12-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッラ コラード
(72)【発明者】
【氏名】シッパーズ ステファン フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ファンティーニ パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ボランドリナ エフレム
【テーマコード(参考)】
5F048
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F048AA01
5F048AB01
5F048AC01
5F048AC03
5F048BA19
5F048BA20
5F048BB02
5F048BC02
5F048BC03
5F048BC18
5F048BD02
5F048BD07
5F048BF15
5F048BF16
5F048CB01
5F048CB03
5F048CB04
5F083FZ10
5F083GA10
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA18
5F083PR06
5F110AA01
5F110AA09
5F110AA14
5F110BB05
5F110BB11
5F110CC09
5F110DD05
5F110EE02
5F110EE09
5F110GG02
5F110HK09
5F110HM12
(57)【要約】
本開示は、メモリデバイス及びそのアクセス/選択解除方法を提供する。メモリデバイスは、その中に形成されたメモリセルの垂直3次元(3D)メモリアレイを含むメモリ層であって、メモリセルは、相互に直交するワード線及びデジット線を通じてアクセスされ、デジット線は、垂直方向に拡張する導電性ピラーの形態にある、メモリ層と、メモリ層の下方に形成され、メモリセルにアクセスするためのその中に形成された薄膜トランジスタ(TFT)を有するピラー選択層と、ピラー選択層の下方に形成され、ワード線及びビット線のためのセンスアンプ及びデコーディング回路を有する周辺回路層とを含み、TFTはピラー毎に構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に形成されたメモリセルの垂直3次元(3D)メモリアレイを含むメモリ層であって、メモリセルは、相互に直交するワード線及びデジット線を通じてアクセスされるように構成され、前記デジット線は、垂直方向に拡張する導電性ピラーの形態にある、前記メモリ層と、
前記メモリ層の下方に形成され、メモリセルにアクセスするためにその中に形成された少なくとも1つの薄膜トランジスタ(TFT)を有するピラー選択層と、
前記ピラー選択層の下方に形成され、ワード線及びビット線のためのセンスアンプ及びデコ-ド回路を有する周辺回路層と
を含み、
TFTはピラー毎に構成される、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記TFTは、前記ピラーに結合されたドレイン領域を有するn型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタである、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記TFTは、チャネル領域の一方の側にあるゲート酸化物と、前記チャネル領域の他方の側にある別のゲート酸化物とを有する平行な2つのゲート領域を有する、
請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記チャネル領域は前記ドレイン領域の下方に形成され、ソース領域は前記チャネル領域の下方に形成される、
請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記導電性ピラーは、相互に別個の第1のサブピラー及び第2のサブピラーを更に含み、
前記薄膜トランジスタ(TFT)は、前記第1のサブピラーのために構成された第1のTFTであり、
前記メモリデバイスは、前記第2のサブピラーのために構成された第2の薄膜トランジスタ(TFT)を更に含む。
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記TFTのピッチは前記ピラーのピッチに一致する、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記薄膜トランジスタ(TFT)は、ポリシリコン層内に形成される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記周辺回路層はシリコン基板層内で実現される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
複数のデジット線に直交するように構成された複数のワード線を含む垂直3Dメモリとして構造化されたメモリセルのメモリアレイと、
少なくとも2つのワード線と交差する各デジット線と、
対応するデジット線の一端にある少なくとも1つの選択トランジスタと、
前記対応するデジット線を選択し、前記対応するデジット線に関連付けられた少なくとも1つのメモリセルにアクセスするための薄膜トランジスタ(TFT)である前記選択トランジスタと
を含むメモリデバイス。
【請求項10】
薄膜トランジスタ(TFT)のマトリックスには、デジット線毎に1つのトランジスタが前記デジット線の下方及び/又は上方に提供される、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
ワード線及びビット線のためのセンスアンプ及びデコーディング回路を有する前記マトリックスの下方に周辺回路が形成される、請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記薄膜トランジスタ(TFT)はポリシリコン層内に形成される、請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
シリコン基板内で実現されたセンスアンプ及びデコーディング回路を有する周辺回路層を更に含む、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記TFTは、前記デジット線に結合されたドレイン領域を有するn型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタである、
請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記TFTは、チャネル領域の一方の側にあるゲート酸化物と他方の側にある別のゲート酸化物とを有する平行な2つのゲート領域を含む、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
複数のビルディングブロックのスタックを含み、各ビルディングブロックは、
個別の複数のデジット線に直交するように構成された個別の複数のワード線を有する個別のメモリ層であって、前記個別の複数のデジット線内の各デジット線は、前記個別の複数のワード線内の少なくとも2つのワード線と交差する、前記個別のメモリ層と、
個別の複数の薄膜トランジスタ(TFT)を有する個別のピラー選択層であって、各TFTは、前記個別の複数のデジット線内の対応するデジット線を選択するためのものである、前記個別のピラー選択層と
を含む、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項17】
他のワード線が所定の電圧にある間に、選択されたワード線に第1の電圧を印加することと、
前記選択されたワード線を前記メモリセルと共有する他のメモリセルに関連付けられた前記TFTのゲート領域に第2の電圧を印加することと、
他のTFTのソース領域が前記所定の電圧にある間に、前記選択されたワード線を共有するメモリセルに関連付けられた前記TFTのソース領域に前記第2の電圧を印加することと、
前記メモリセルに関連付けられた前記TFTのゲート領域に第3の電圧を印加すること
を含む、請求項1に記載の前記メモリデバイスのメモリセルにアクセスするための方法。
【請求項18】
前記第1の電圧は正の極性のプログラミング又は読み出し電圧であり、前記第2の電圧は負の極性のプログラミング又は読み出し電圧であり、前記第3の電圧は正の極性の通過電圧であり、前記所定の電圧は接地電圧である、
請求項17に記載のメモリセルにアクセスするための方法。
【請求項19】
前記第1の電圧は負の極性のプログラミング又は読み出し電圧であり、前記第2の電圧は正の極性のプログラミング又は読み出し電圧であり、前記第3の電圧は前記第2の電圧よりも高い正の極性の通過電圧であり、前記所定の電圧は接地電圧である、
請求項17に記載のメモリセルにアクセスするための方法。
【請求項20】
各メモリセルが1つのワード線と1つのアレイデジット線との前記交点にあり、複数のデッキ上の水平方向に拡張する複数のワード線と、垂直方向に拡張する複数のアレイデジット線とを有する3Dメモリアレイ内の非アドレッシングのメモリセルを選択解除するための方法であって、
前記非アドレッシングのメモリセルに結合された前記複数のアレイデジット線の内のアレイデジット線をフロ-ティングにすること
を含む、方法。
【請求項21】
前記アレイデジット線をフロ-ティングにすることは、前記アレイデジット線とビット線との間に結合された薄膜トランジスタ(TFT)のゲートに抑制電圧を印加することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記アレイデジット線に容量結合された前記複数のワード線の内の非選択のワード線を接地すること
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
第2のアレイデジット線と第2のビット線との間に結合された第2の薄膜トランジスタ(TFT)にパス電圧を印加することと、
前記第2のビット線を接地することと、
前記第2のアレイデジット線を接地すること
に少なくとも部分的に基づいて、前記3Dメモリアレイ内の前記第2のアレイデジット線に結合された第2の非アドレッシングのメモリセルを選択解除すること
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のワード線内の非選択のワード線を接地することによって第2の非アドレッシングのメモリセルを選択解除することを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記複数のワード線内の選択されたワード線にワード線アクセス電圧を印加することと、
選択されたアレイデジット線に結合された選択されたビット線にビット線アクセス電圧を印加することと、
前記ビット線アクセス電圧を前記選択されたアレイデジット線へ転送するために、前記選択されたアレイデジット線と前記選択されたビット線との間に結合された選択されたTFTのゲートに通過電圧を印加すること
に少なくとも部分的に基づいて、前記非アドレッシングのメモリセルを選択解除している間に、前記選択されたアレイデジット線に結合されたアドレッシングされたメモリセルを選択することを更に含む、請求項20から24の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[クロスリファレンス]
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡されかつその全体が本書類に参照によって明確に組み込まれる、VILLA等による「IMPROVED VERTICAL 3D MEMORY DEVICE AND ACCESSING METHOD」と題され2020年5月25日出願の国際特許出願番号PCT/IB2020/020028の国内移行出願である。
【背景技術】
【0002】
以下の開示は、一般的に、エレクトロニクスの分野に関し、より具体的には、改善された垂直3D(3次元)メモリデバイス構造体及び関連するアクセス方法に関する。
【0003】
電子メモリデバイス(以下、簡単に“メモリデバイス”と称する)は、タブレット、コンピュータ、無線通信デバイス(例えば、スマートフォン)、カメラ、及びデジタルディスプレイ等の様々な電子デバイス内にデータを蓄積するために広く使用されている。
【0004】
メモリデバイスは、コンピュータ、無線通信デバイス、カメラ、及びデジタルディスプレイ等の様々な電子デバイス内に情報を蓄積するために広く使用されている。情報は、メモリデバイスの異なる状態をプログラミングすることによって蓄積される。例えば、バイナリデバイスは、論理1又は論理0でしばしば示される2つの状態の内の1つを頻繁に蓄積する。他のデバイスでは、2つよりも多い状態が蓄積され得る。蓄積された情報にアクセスするために、デバイスのコンポーネントは、メモリデバイス内の少なくとも1つの蓄積された状態を読み出し得、又はセンシングし得る。情報を蓄積するために、デバイスのコンポーネントは、メモリデバイス内に状態を書き込み得、又はプログラミングし得る。
【0005】
磁気ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗変化型RAM(RRAM)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCM)、及びその他のカルコゲナイドベ-スのメモリ等を含む様々なタイプのメモリデバイスが存在する。メモリデバイスは、揮発性又は不揮発性であり得る。
【0006】
メモリデバイスの改善は、一般的に、メトリクスの中でもとりわけ、メモリセル密度の増加、読み出し/書き込み速度の向上、信頼性の向上、データ保持の向上、電力消費の削減、又は製造コストの削減等を含み得る。メモリアレイ内のスペースの節約、メモリセル密度の増加、又は3次元垂直アーキテクチャを用いるメモリアレイの全体的な電力使用の削減のための解決策が要望され得る。
【0007】
本開示の目的は、追加の選択素子を有する改善されたメモリデバイスと、メモリデバイスのメモリセルにアクセスするための効率的な方法とを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの一例を説明する。
【
図2A】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図2B】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図2C】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図2D】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図2E】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図2F】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3A】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3B】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3C】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3D】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3E】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3F】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3G】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3H】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図3I】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図4A】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする更なる例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図4B】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする更なる例示的なメモリアレイの図を示す。
【
図5】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする更なる例示的なメモリアレイを説明する。
【
図6】本明細書に開示するような例に従った例示的なNMOS TFTを説明する。
【
図7A】本明細書に開示するような例に従った例示的なNMOS TFTセレクタの図を示す。
【
図7B】本明細書に開示するような例に従った例示的なNMOS TFTセレクタの図を示す。
【
図7C】本明細書に開示するような例に従った例示的なNMOS TFTセレクタの図を示す。
【
図8A】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスのメモリセルにアクセスするための図を示す。
【
図8B】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスのメモリセルにアクセスするための図を示す。
【
図8C】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスのメモリセルにアクセスするための図を示す。
【
図8D】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスのメモリセルにアクセスするための図を示す。
【
図9】本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスにアクセスする方法を説明するフロ-チャ-トを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、NMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイス、及びそれにアクセスする方法に関する。メモリデバイスは、その中に形成されたメモリセルの垂直3次元(3D)メモリアレイを含むメモリ層であって、メモリセルは、相互に直交するワード線及びデジット線を通じてアクセスされ、デジット線は、垂直方向に拡張する導電性ピラーの形態にある、メモリ層と、メモリ層の下方に形成され、メモリセルにアクセスするためにその中に形成された薄膜トランジスタ(TFT)を有するピラー選択層と、ピラー選択層の下方に形成され、ワード線及びビット線のためのセンスアンプ及びデコーディング回路を有する周辺回路層とを含み得、TFTはピラー毎に構成される。幾つかの場合、TFTは、ピラーに結合されたドレイン領域を有するn型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタである。幾つかの場合、TFTのチャネル領域は第1の所定値まで拡張される。幾つかの場合、TFTは、チャネル領域の一方の側にあるゲート酸化物と、チャネル領域の他方の側にある別のゲート酸化物とを有する2つのゲート領域を有する。幾つかの場合、チャネル領域はドレイン領域の下方に形成され、ソース領域はチャネル領域の下方に形成される。幾つかの場合、チャネル領域の長さは第2の所定値まで延長される。幾つかの場合、第1の所定値は120nmである。幾つかの場合、第2の所定値は220nmである。幾つかの場合、導電性ピラーは、相互に別個の第1のサブピラーと第2のサブピラーとを更に含み、2つのTFTは、第1のサブピラーのための一方と、第2のサブピラーのための他方とを有する導電性ピラーのために構成される。幾つかの場合、TFTのピッチはピラーのピッチに一致する。
【0010】
幾つかの例では、デジット線毎に1つのトランジスタを有するデジット線の下方及び/又は上方に薄膜トランジスタ(TFT)のマトリックスが設けられる一方、ワード線及びビット線のためのセンスアンプ及びデコーディング回路を有する該マトリックスの下方に周辺回路が形成される。
【0011】
したがって、薄膜トランジスタのマトリックスはポリシリコン層内に形成される一方、周辺回路層はシリコン基板層内に実現され、幾つかの例では、周辺回路層は該ポリシリコン層の下方にあり得、ポリシリコン層は3Dメモリアレイの下方にあり得る。
【0012】
幾つかの例では、メモリデバイスは、メモリデバイスのメモリアレイに印加される電圧を持続するための誘電体の厚さを維持しつつメモリセル間の間隔を減少させ得る、導電性材料及び絶縁性材料の代替層を通る導電性コンタクト及び開口部の配置を含み得、メモリデバイスはまた、垂直3Dメモリデバイスのデコーディングを可能にするNMOS TFTである、各導電性コンタクトに結合された選択トランジスタを含み得る。
【0013】
幾つかの例では、メモリデバイスは、あるパタ-ン(例えば、幾何学的パタ-ン)に配置されたコンタクトのセットを有する基板と、基板上に形成された第1の絶縁性材料(例えば、誘電体材料)とを含み得る。導電性材料のプレーンのセットは、第2の絶縁性材料(例えば、誘電体材料)によって相互に分離され得、基板材料上に形成され得る。すなわち、導電性材料と絶縁性材料との交互のプレーンが基板上に形成され得る。導電性材料のプレーンはワード線の例であり得る。
【0014】
メモリデバイスの製造中に、導電性材料と絶縁性材料との交互のプレーンをエッチングすることによって、1つ以上のトレンチが形成され得る。トレンチは、相互に平行に拡張し得、基板を露出させ得る。幾つかの例では、導電性材料及び誘電体材料のプレーンはトレンチの側壁を形成し得る。導電性材料のプレーンは、誘電体材料及び導電性材料のプレーンが凹部のセットを形成するようにエッチングされ得、各凹部はストレージ素子材料(例えば、カルコゲナイド材料)を受け入れるように構成され得る。トレンチ内に犠牲層(例えば、コンフォ-マル材料)が堆積し得、幾つかの場合、犠牲層は凹部を充填する。犠牲層の最上部のトレンチ内に絶縁性材料が堆積し得る。
【0015】
犠牲層及び絶縁性の一部分は、第1の開口部を形成するために除去され得る。第1の開口部は、基板の一部分、導電性コンタクトのセットの少なくともいくつか、並びに導電性材料のプレーン及び誘電体材料のプレーンの一部分を露出させ得る。第1の開口部内にストレージ素子材料(例えば、カルコゲナイド材料)が堆積し得る。ストレージ素子材料は、誘電体材料のプレーン及び導電性材料のプレーンによって形成された凹部を充填し得る。ストレージ素子材料は、凹部内のストレージ素子材料が残るように、第1の開口部から部分的に除去され得る。凹部に位置付けられたストレージ素子材料は、ストレージ素子コンポーネント(例えば、カルコゲナイドコンポーネント)であり得る。
【0016】
凹部内にストレージコンポーネントを含む第1の開口部内に導電性ピラーが形成され得る。導電性ピラーは、(例えば、導電性材料のプレーンに対して実質的に垂直に)導電性材料のプレーンを通って拡張し、基板に接触するように配置され得る。各導電性ピラーは、導電性材料の同じプレーンに各々順に接触する2つのストレージ素子コンポーネントに接触し得る。各導電性ピラーは、1つ又は2つの導電性コンタクトと更に結合され得、したがって、NMOS TFTは各導電性ピラーに関連付けられ得る。幾つかの場合、ピラーは、バリア材料及び導電性材料で形成され得る。幾つかの場合、ピラー毎に単一のNMOS TFTが提供され得る。
【0017】
導電性ピラーの一部分は、第2の開口部を形成するために除去され得る。第2の開口部は、各ピラーを第1のピラーと第2のピラーとに分割し得る。第1及び第2のピラーはデジット線の例である。第1のピラーは、導電性材料のプレーンに結合された第1のストレージ素子コンポーネントと接触し得、第2のピラーは、導電性材料のプレーンに結合された第2のストレージ素子コンポーネントと接触し得る。幾つかの場合、第1のピラー及び第2のピラーの各々は、基板上の異なる導電性コンタクトと結合され得る。幾つかの他の場合、第1のピラーの各々は、基板上の異なる導電性コンタクトと結合され得、第2のピラーの各々は、第1の基板の上方に形成された第2の基板上の異なる導電性コンタクトと結合され得る。幾つかの場合、第1のピラー及び第2のピラーの各々は、個別のNMOS TFTに関連付けられ得る。言い換えれば、1つのピラーは、それに結合された単一のNMOS TFTを有し得る。
【0018】
幾つかの場合、NMOS TFTは、メモリセルのアレイの下方、特に各ピラーの下方に形成され得る。幾つかの場合、NMOS TFTのドレイン領域はピラーに結合され得る。幾つかの場合、NMOS TFTの活性領域(すなわち、ポリシリコンチャンネル)は、所定値(例えば、120nm)まで拡張され得る。幾つかの場合、NMOS TFTは、チャネル領域の一方の側にあるゲート酸化物と、チャネル領域の他方の側にある別のゲート酸化物とを有する2つのゲート領域を有し得、したがって、NMOS TFTの幅を2倍にする。幾つかの場合、メモリデバイスの第1の底部シリコン層は、ワード線及びビット線のためのセンスアンプ及びデコーディング回路の専用であり得る。幾つかの場合、第1のシリコン層の上方にポリシリコンのエピタキシャル成長が提供され、このポリシリコン層内において、NMOS TFTがピラーの下方に一種のマトリックスとして提供され得る。
【0019】
本開示は更に、NMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスのメモリセルにアクセスするための方法に関する。一般的に、3Dメモリアレイのセルは、ワード線及びビット線によってアドレッシングされ得る。対象のセルをアドレッシングするために、正のバイアス電圧が(ビット線の垂直部分であり得る)デジット線に印加され得、負のバイアス電圧がワード線プレ-トに印加され得る。しかしながら、負のバイアス電圧を受け入れるワード線は、同じワード線プレ-トに関連付けられ、他のピラー(すなわち、ビット線の垂直部分)にリンクされたその他の全てのセルと共通であり得る。したがって、所望のビット線を決定する必要がある。
【0020】
以下に詳細に説明するであろうアクセス方法に従って、他の全てを選択解除している間に、単一のNMOS TFTを有する単一のセルを選択することが可能である。したがって、セット電圧又はプログラミング及びリセット電圧、並びに読み出し電圧をバイアスすることも可能である。開示する解決策はまた、負のバイアス電圧が(ビット線の垂直部分であり得る)デジット線に印加され、正のバイアス電圧がワード線プレ-トに印加された場合に単一のセルを選択するのに適している。
【0021】
図1は、本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トするメモリアレイ100(例えば、3次元(3D)メモリアレイ)の一例を説明する。メモリアレイ100は、基板104の上方に位置付けられたメモリセルの第1のアレイ又はデッキ105と、第1のアレイ又はデッキ105の上にあるメモリセルの第2のアレイ又はデッキ108とを含み得る。
【0022】
メモリアレイ100は、ワード線110及びデジット線115を含み得る。第1のデッキ105及び第2のデッキ108のメモリセルは、1つ以上の自己選択メモリセルを各々有し得る。
図1に含まれる幾つかの素子は、数表示でラベルが付され、その他の対応する素子はラベルが付されていないが、それらは同じであり、又は同様であると理解されるであろう。
【0023】
メモリセルのスタックは、第1の誘電体材料120、ストレージ素子材料125(例えば、カルコゲナイド材料)、第2の誘電体材料130、ストレージ素子材料135(例えば、カルコゲナイド材料)、及び第3の誘電体材料140を含み得る。第1のデッキ105及び第2のデッキ108の自己選択メモリセルは、幾つかの例では、各デッキ105及び108の対応する自己選択メモリセルがデジット線115又はワード線110を共有し得るように、共通の導電線を有し得る。
【0024】
幾つかの例では、メモリセルは、メモリストレージ素子を含み得るセルに電気パルスを提供することによってプログラミングされ得る。パルスは、第1のアクセス線(例えば、ワード線110)若しくは第2のアクセス線(例えば、デジット線115)又はそれらの組み合わせを介して提供され得る。幾つかの場合、パルスを提供すると、メモリセルの極性に依存して、イオンがメモリストレージ素子内を移動し得る。したがって、メモリストレージ素子の第1の側又は第2の側に対するイオンの濃度は、第1のアクセス線と第2のアクセス線との間の電圧の極性に少なくとも部分的に基づき得る。幾つかの場合、非対称形状のメモリストレージ素子は、より広い面積を有する素子の部分においてイオンをより密集させ得る。メモリストレージ素子のある部分は、より高い抵抗率を有し得、したがって、メモリストレージ素子の他の部分よりも高閾値電圧を生じさせ得る。イオン移動のこの説明は、本明細書に説明する結果を実現するための自己選択メモリセルのメカニズムの一例を表す。メカニズムのこの例は、限定的とみなすべきではない。この開示は、本明細書に説明する結果を実現するための自己選択メモリセルのメカニズムの他の例をも含む。
【0025】
メモリアレイ100のアーキテクチャは、幾つかの場合、メモリセルがワード線110とデジット線115との間のトポロジカルなクロスポイントで形成される垂直クロスポイントアーキテクチャと称され得る。そうしたクロスポイントアーキテクチャは、他のメモリアーキテクチャと比較して製造コストが低く、比較的高密度のデータストレージを提供し得る。例えば、クロスポイントアーキテクチャは、他のアーキテクチャと比較して面積が削減され、その結果、メモリセル密度が増加したメモリセルを有し得る。
【0026】
図1の例は2つのメモリデッキ105及び108を示しているが、他の構成が可能である。幾つかの例では、自己選択メモリセルの単一のメモリデッキが基板104の上方に構築され得、これは2次元メモリと称され得る。幾つかの例では、メモリセルの3つ又は4つのメモリデッキが、3次元クロスポイントアーキテクチャにおいて同様の方法で構成され得る。
【0027】
メモリアレイ100は、グリッド又はジグザグパタ-ンで配置されたコンタクトのセットを有する基板104を含み得る。幾つかの場合、コンタクトのセットは、基板を通って拡張し得、メモリアレイ100のアクセス線と結合し得る。メモリアレイ100は、(例えば、2つのデッキ105及び108の上方に位置付けられた)追加の基板104を含み得る。追加の基板104は、(例えば、基板を通って拡張する)コンタクトのセットを有し得、メモリアレイ100のアクセス線と結合され得る。
【0028】
メモリアレイ100は、基板材料上の第1の絶縁性材料上に形成された第2の絶縁性材料によって相互に分離された導電性材料のプレーンのセットを含み得る。導電性材料のプレーンのセットの各々は、その中に形成された凹部のセットを含み得る。プレーンのセットは、例えば、同じデッキ(例えば、メモリデッキ105、メモリデッキ108)上の1つ以上のワード線110に対応するワード線プレ-トは、スタック堆積処理ステップ中のエッチングのために犠牲層(例えば、コンフォ-マル層)を使用し、セル画定後にコンフォ-マル層を除去し、コンフォ-マル層をより導電性の高い材料と置換することによる置換プロセスによって得られ得る。
【0029】
導電性ピラーのセットは、導電性材料及び基板のプレーンのセットに対して実質的に垂直に拡張するように開口部内に形成され得る。導電性ピラーのセットは、ピラー対のセットに分割され得る。ピラーの対の各ピラーは、導電性コンタクトの異なる1つに結合され得る。幾つかの場合、ピラーの対の各ピラーは、基板104上の導電性コンタクトに結合され得る。追加的又は代替的に、ピラーの各対の一方のピラーは、基板104上の導電性コンタクトに結合され得、ピラーの各対の他方のピラーは、(例えば、メモリデッキ105及び108の上方に位置付けられた)異なる基板104上の導電性コンタクトに結合され得る。
【0030】
幾つかの例では、メモリデッキ105及び108は、論理状態を蓄積するように構成されたカルコゲナイド材料を含み得る。例えば、メモリデッキ105及び108のメモリセルは、自己選択メモリセルの例であり得る。カルコゲナイド材料は、凹部のセットの各個別の1つ内のカルコゲナイド材料がピラーの対のセットの1つのピラーと少なくとも部分的に接触するように、凹部のセット内に形成され得る。
【0031】
図2A~
図2Fは、本明細書に開示するような例に従った積み重ねられたメモリデバイスを形成するために実施され得る一連のステップ又はプロセス中の例示的なメモリアレイ200-a、200-b、200-c、及び200-dの様々な図を示す。具体的には、
図2A~
図2Fには、ワード線プレーンを形成し、犠牲層及び絶縁性材料を堆積するプロセスが示されている。
【0032】
図2Aは、例示的なメモリアレイ200-aの側面図を示す。
図2Bは、
図2Aに説明したものに続くプロセスステップ中の
図2Aの切断線A-A′に沿った例示的なメモリアレイ200-bの上面図を示す。
図2Cは、
図2Bの切断線B-B′に沿って取られた(例えば、
図2Bに示したような)メモリアレイ200-bの断面図を示す。
図2Dは、
図2B及び
図2Cに説明したものに続くプロセスステップ中の
図2Bの切断線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-cの断面図を示す。
図2Eは、
図2Dに説明したものに続くプロセスステップ中の
図2Bの切断線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-dの断面図を示す。
図2Fは、
図2Eの切断線A-A′に沿った(例えば、
図2Dに示したような)例示的なメモリアレイ200-dの上面図を示す。
【0033】
図2Aは、本明細書に開示するような例に従った例示的なメモリアレイ200-aの側面図を説明し、例えば、メモリアレイ200-aは、NMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トし得る。メモリアレイ200-aは、基板104-a又は104-bを通って拡張する導電性コンタクト235のセットを含み得る。メモリアレイ200-aは、材料240及び絶縁性材料245(例えば、絶縁性材料層、誘電体層)の交互層を更に含み得る。幾つかの場合、材料240は、(例えば、導電層を形成するための)導電性材料であり得る。他の場合では、材料240は、(例えば、絶縁性材料245とは異なる)犠牲絶縁性材料であり得る。
【0034】
基板104は、誘電体膜等の誘電体材料であり得る。導電性コンタクト235のセットの単一の導電性コンタクトは、任意の単一の垂直ピラー(例えば、デジット線)をトランジスタ(例えば、選択トランジスタ又はデジット線セレクタ)と結合するように構成され得る。
【0035】
幾つかの例では、導電性コンタクト235は、基板104-a及び104-bの両方内に形成され得る。例えば、導電性コンタクト235-aは、(例えば、デジット線に対応する)ピラーの対の第1のピラーをトランジスタに結合し得る。導電性コンタクト235-cは、ピラーの対の第2のピラーをトランジスタに結合し得る。導電性コンタクト235-b及び導電性コンタクト235-dは、ピラーの第2の対の1つのピラーをトランジスタに各々結合し得る。追加的又は代替的に、導電性コンタクト235の各々は、基板104-bを通って拡張し得る(例えば、導電性コンタクト235-c及び235-dは、基板104-bを通って形成され得る)。例えば、導電性コンタクト235-aは、ピラー対の第1のピラーをトランジスタに結合し得、コンタクト235-bは、ピラーの対の第2のピラーをトランジスタに結合し得る。
【0036】
導電性コンタクト235のセットは、グリッドパタ-ンで配置され得る。幾つかの例では、導電性コンタクト235のセットの個別の1つは、最大8つの他の導電性コンタクト235によって取り囲まれ得る。追加的又は代替的に、導電性コンタクト235のセットは、互い違いのパタ-ン又は六角形のパタ-ンで配置され得る。例えば、導電性コンタクト235のセットの個別の1つは、最大6つの他の導電性コンタクト235によって取り囲まれ得る。
【0037】
メモリアレイ200-aはまた、絶縁性材料245の積み重ねられたプレーンのセットと、材料240の積み重ねられたプレーン(例えば、ワード線プレーン又はワード線プレ-ト)のセットとを含み得、材料240は、導電性材料又は(例えば、
図2Aに説明したものに続くプロセスステップ中に導電性材料に置換される)絶縁性材料であり得る。材料240の積み重ねられたプレーンは、絶縁性材料245のプレーンのセットによって相互にz方向に分離され(例えば、垂直に分離され)得る。例えば、第2の絶縁性材料245の第1のプレーン(底部プレーン)が基板104-bのプレーン上に形成され(例えば、堆積され)得、その後、材料240のプレーンが第2の絶縁性材料245の第1のプレーン上に形成され得る。幾つかの例では、第1の絶縁性材料245の層は、基板104-b上に堆積し得る。幾つかの例では、材料240は、導電性炭素の層又は活性材料と適合可能なその他の導電層であり得る。幾つかの例では、材料240は、保護バリアを通じて活性材料によって分離された導電層を含み得る。材料240の各層は、少なくとも1つのワード線プレ-トとして機能するように構成され得る。幾つかの例では、材料240及び絶縁性材料245は、交互層等の層のセットを形成する。
【0038】
或いは、材料240は犠牲絶縁性材料であり得る。ここで、メモリアレイ200-aは、犠牲絶縁性材料240の積み重ねられたプレーンのセットと、絶縁性材料245の積み重ねられたプレーンのセットとを含み得る。犠牲絶縁性材料240は、絶縁性材料245とは異なる材料(例えば、夫々、酸化物材料と窒化物材料と)であり得る。
図2Aに説明したものに続くプロセスステップ中、犠牲絶縁性材料240は除去され得、導電性材料(例えば、導電性炭素の層又は活性材料と適合可能なその他の導電層)によって置換され得る。
【0039】
第2の絶縁性材料245の追加のプレーンは、
図2Aに説明するように交互の方法で材料240上に形成され得る。第2の絶縁性材料245は、誘電膜又は層等の誘電体材料であり得る。幾つかの例では、第2の絶縁性材料245及び基板104-aは、同じタイプの絶縁性材料であり得る。本明細書に開示する絶縁性材料の例は、酸化シリコン等の誘電体材料を含むが、これに限定されない。
【0040】
材料240のプレーンのセットの各個別の1つは、メモリアレイ200-aの異なるレベルにあり(例えば、該レベルを形成し)得る。メモリセルを形成する材料の個々のプレーンは、3Dメモリアレイ200-aのデッキと称され得る。材料240(例えば、導電性材料)は、とりわけ、金属(若しくは半金属)材料又はドープされたポリシリコン材料等の半導体材料を含み(例えば、それらで形成され)得る。幾つかの例では、材料240は導電性炭素のプレーンであり得る。
【0041】
材料240の6つのプレーン及び第2の絶縁性材料245の7つのプレーンが
図2Aに示されている。第2の絶縁性材料245の第7のプレーンは、メモリアレイ200-aの最上層であり得る。材料240及び第2の絶縁性材料245のプレーンの量は、
図2Aに説明した量に限定されない。材料240及び第2の絶縁性材料245は、6つを超えるデッキ又は6つ未満のデッキに配置され得る。
【0042】
図2Bは、
図2Aの切断線A-A′に沿ったメモリアレイ200-bの上面図を示す。
図2Bは、メモリアレイ200-bの材料240(例えば、導電性材料、絶縁性材料)及び第2の絶縁性材料245の交互のプレーンを通るトレンチ250の形成を示す。トレンチ250は、トレンチ250の底部で基板104及び(
図2Aに以前に示した)導電性コンタクト235を露出させ得る。トレンチ250は、上から下にエッチングされ得、直線形状にエッチングされ得る。幾つかの場合、トレンチ250は、トレンチ250内に凹部を形成するために垂直及び水平エッチングプロセスの組み合わせによって形成され得る。エッチングプロセス及び凹部について追加の詳細は、
図2Cを参照して示され、説明される。トレンチ250は、材料240の各プレーン(例えば、ワード線プレーン、導電層)上で実質的に平行な方向に拡張する開口部のセットを形成し得る。
【0043】
図2Cは、
図2Bの線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-bの側面図を示す。メモリアレイ200-bは、メモリアレイ200-bのプレーンの各々において、材料240(例えば、導電性材料、絶縁性材料)内に凹部215のセットを形成することを説明する。例えば、トレンチ250の側壁290及び291に凹部215のセットを等方的な方法で形成するために、選択的エッチング動作が実施され得る。幾つかの例では、トレンチ250は、第2の側壁291から隔離した第1の側壁290を含み、第1の絶縁性材料245によって形成された第1の側壁290の第1の部分292は、第1の絶縁性材料245によって形成された第2の側壁291の第1の部分293から第1距離だけ隔離される。第1の材料240によって形成された第1の側壁290の第2の部分294は、第1の材料240によって形成された第2の側壁291の第2の部分294から、第1の距離よりも大きい第2の距離だけ隔離され得る。幾つかの例では、第1の材料240によって形成されたトレンチ250の側壁290及び291の部分は、第1の絶縁性材料245によって形成されたトレンチ250の側壁290及び291の部分に対して凹んでいる。
【0044】
エッチング動作は、1つ以上の垂直エッチングプロセス(例えば、異方性エッチングプロセス若しくはドライエッチングプロセス又はそれらの組み合わせ)若しくは水平エッチングプロセス(例えば、等方性エッチングプロセス)又はそれらの組み合わせを含み得る。例えば、垂直エッチングプロセスは、基板104-bと1つ以上の導電性コンタクト235を露出させるためにトレンチ250を垂直にエッチングするために実施され得、水平エッチングプロセスは、少なくとも1つの材料240内に少なくとも1つの凹部215を形成するために使用され得る。エッチングパラメ-タは、材料240が例えば、第2の絶縁性材料245よりも速くエッチングされるように選択され得る。
【0045】
図2Dは、
図2Bの線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-bの側面図を示す。メモリアレイ200-cは、コンフォ-マル材料220(例えば、犠牲材料又は犠牲層)を形成することを説明する。コンフォ-マル材料220は、メモリアレイ200-cのトレンチ250中に堆積し得る。コンフォ-マル材料220は、コンフォ-マル材料220をコンフォ-マルに堆積させることによって
図2Cに示すように凹部215内に形成され得る。コンフォ-マル材料220は、(例えば、基板104-b及びコンタクト235と接触する)各トレンチ250の第1の側壁290、第2の側壁291、及び底壁295と接触する。
図2Dは、トレンチ250の側壁上(例えば、トレンチ250に面する異なる層内の第2の絶縁性材料245及び材料240の表面上)に形成されたコンフォ-マル材料220を示しているが、例はそのように限定されない。例えば、コンフォ-マル材料220は、幾つかの場合、異なる層の材料240(例えば、導電性材料、絶縁性材料)内の凹部215のセットに制限され得る。幾つかの場合、コンフォ-マル材料220は、コンフォ-マル層又は犠牲層と称され得る。
【0046】
幾つかの場合、コンフォ-マル材料220の形成に続いてエッチング動作が実施され得る。エッチング動作では、コンフォ-マル材料220は、開口部又はトレンチ250を形成するためにエッチングされ得る。エッチング動作は、コンフォ-マル材料220の表面(例えば、トレンチ250に面する表面)が第2の絶縁性材料245の表面(例えば、トレンチ250に面する表面)から隔離されることをもたらし得る。幾つかの場合、エッチング動作は、コンフォ-マル材料220の表面(例えば、トレンチ250に面する表面)が第2の絶縁性材料245の表面(例えば、トレンチ250に面する表面)と凡そ同一平面にあることをもたらし得、それによってトレンチの連続した側壁を形成する。エッチング動作は更に、(例えば、トレンチ250の底壁295からコンフォ-マル材料220を除去して)基板104-b及びコンタクト235が露出されることをもたらし得る。本明細書に説明するエッチング動作は、垂直エッチングプロセス(例えば、異方性エッチングプロセス若しくはドライエッチングプロセス又はそれらの組み合わせ)又は水平エッチングプロセス(例えば、等方性エッチングプロセス)であり得る。例えば、トレンチ250を垂直にエッチングするために垂直エッチングプロセスが実施され得、第1の材料240(例えば、第1の導電性材料240、犠牲絶縁性材料240)内に少なくとも1つの凹部を形成するために水平エッチングプロセスが使用され得る。
【0047】
図2Eは、
図2Bの線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-bの側面図を示す。メモリアレイ200-dは、メモリアレイ200-dのコンフォ-マル材料220の上のトレンチ250内に誘電体材料218を堆積させることを説明する。誘電体材料218はコンフォ-マル材料220に接触し得る。誘電体材料218は1つ以上のコンタクト235に更に接触し得る。誘電体材料218及びコンフォ-マル材料220は、トレンチ250を充填するように協働し得る。幾つかの場合、誘電体材料218は、絶縁性材料の一例である。幾つかの例では、コンフォ-マル材料220は、誘電体材料218と同一平面を形成するように選択的にエッチングバックされ得る。凹部の深さは、所望の厚さに依存して画定され得る。
【0048】
図2Fは、
図2Eの切断線A-A′に沿った例示的なメモリアレイ200-dの上面図を示す。
図2Fは、誘電体材料218がトレンチ250のセット中に堆積した後のメモリアレイ200-dを説明する。メモリアレイ200-dのトレンチ250の各々は、コンフォ-マル材料220でライニングされ、誘電体材料218で充填される。トレンチ250は、
図2Eに示すように、材料240(例えば、導電性材料240、犠牲絶縁性材料240)の層の各々を通って拡張し得る。
【0049】
図3A~
図3Iは、本明細書に開示するような例に従った積み重ねられたメモリデバイスを形成するために実施され得る一連のステップ又はプロセス中の例示的なメモリアレイ200-e、200-f、200-g、200-h、及び200-iの様々な図を示す。
【0050】
図3Aは、
図2Fに説明したものに続くプロセスステップ中の例示的なメモリアレイ200-eの上面図の
図2Fの断面C-C′を示す。
図3Bは、
図3Aの切断線B-B′に沿った例示的なメモリアレイ200-eの断面図を示す。
図3C及び
図3Dは、
図3A及び
図3Bに説明したものに続くプロセスステップ中の例示的なメモリアレイ200-fを説明する。
図3Cは、例示的なメモリアレイ200-fの上面図の(
図2Fに説明した)断面C-C′を示し、
図3Dは、
図3Cの切断線B-B′に沿った例示的なメモリアレイ200-fの断面図を示す。
図3E、
図3F、及び
図3Gは、
図3C及び
図3Dに示されたものに続くプロセスステップ中の例示的なメモリアレイ200-gを説明する。
図3Eは、(例えば、
図3Dの切断線A-A′に沿った)例示的なメモリアレイ200-gの上面図の(
図2Fに説明した)断面C-C′を示す。
図3Fは、例示的なメモリアレイ200-gの上面図を示し、
図3Gは、
図3Eの切断線B-B′に沿った例示的なメモリアレイ200-gの断面図を示す。
図3Hは、
図3E、
図3F、及び
図3Gに示したものに続くプロセスステップ中の例示的なメモリアレイ200-hの上面図の
図3Fの断面C-C′を示す。
図3Iは、本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイを説明する。
【0051】
図3Aは、例示的なメモリアレイ200-eの上面図の
図2Fの断面C-C′を示す。例示的なメモリアレイ200-eは、
図2E及び2Fに説明したものに続く処理ステップ中の
図2Fに示したような例示的メモリアレイ200-dの断面-C′を示し得る。開口部360は、誘電体材料218及び/又はコンフォ-マル材料220の一部分をエッチング除去することによってトレンチ250内に形成され得る。開口部360は、開口部360の形成がコンタクト235の内の1つの少なくとも一部分を露出させるように、コンタクト235の内の1つ以上の上方に位置付けられ得る。開口部360とコンタクト235との間の関係についての更なる詳細は、
図3Bを参照して示され、説明される。幾つかの場合、例示的なメモリアレイ200-eは開口部360のセットを含み得る。例えば、開口部のセットは、トレンチ250の各々に沿って間隔を空けて形成され得る。トレンチ250内の開口部360の各々は、誘電体材料218によってトレンチ250内の他の開口部から分離され得る。開口部360を形成するためのエッチングプロセスは垂直エッチングプロセスであり得る。幾つかの例では、エッチング動作は、例えば、開口部360が形成されていない場合、コンフォ-マル材料320の全ての部分をエッチング除去しなくてもよい。
【0052】
図3Bは、
図3Aの線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-eの側面図を示す。
図3Bに示すように、プレーンの各々の材料240内に凹部215のセットが形成され得る。凹部215のセットは、(例えば、
図3Aを参照して論じたように)開口部360の形成中に形成され得る。例えば、完全に又は部分的に等方的な方法で凹部215のセットを形成するために選択的エッチング動作が実施され得る。エッチング化学物質は、材料240に選択的に到達するように選択され得る。コンタクト235は、トレンチ250内に開口部360を形成することによって露出され得る。
【0053】
図3Cは、本明細書に開示するような例に従った例示的なメモリアレイ200-fの
図2Fに説明した断面C-C′の上面図を示す。上面図は、
図3Bの切断線A-A′に沿って取られた図であり得る。例示的なメモリアレイ200-fは、例示的なメモリアレイ200-eによって
図3A及び
図3Bに説明した処理ステップに続いて形成され得る。
図3Cに示すように、開口部360内にストレージ素子材料365が形成され得る。幾つかの場合、ストレージ素子材料365は、材料240の各側壁に接触するように拡張し得る。ストレージ素子材料365は、コンフォ-マル材料220及び誘電体材料218に更に接触し得る。(例えば、開口部360内にストレージ素子材料365を堆積させることによって)開口部360内にストレージ素子材料365を形成することは、開口部360のサイズを減少させ得る。
【0054】
ストレージ素子材料365は、自己選択ストレージ素子材料(例えば、選択デバイス及びストレージ素子の両方として機能し得る材料)として機能し得る、カルコゲナイド合金及び/又はガラス等のカルコゲナイド材料の一例であり得る。例えば、ストレージ素子材料365は、プログラミングパルス等の印加電圧に応答し得る。閾値電圧未満の印加電圧の場合、ストレージ素子材料365は非導電状態(例えば、“オフ”状態)のままであり得る。或いは、閾値電圧よりも大きい印加電圧に応答して、ストレージ素子材料365は、導電状態(例えば、“オン”状態)に入り得る。
【0055】
図3Dは、
図3Cの線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-fの側面図を示す。ストレージ素子材料365は、ストレージ素子材料365をトレンチ250中にコンフォ-マルに堆積させることによって、凹部215のセット内に形成され得る。ストレージ素子材料365は、コンフォ-マル材料320のエッチングによって露出したトレンチ250の側壁290及び291並びに底壁295に接触するように堆積し得る。ストレージ素子材料365がトレンチ250の底壁295に接触する場合、ストレージ素子材料365は、露出したコンタクト235を覆う。ストレージ素子材料365は最上層366を含み得る。
【0056】
図3Eは、(例えば、切断線A-A′に沿った)例示的なメモリアレイ200-gの上面図の(
図2Fに説明した)断面C-C′を示す。エッチング動作は、例示的なメモリアレイ200-gを生成するために、
図3C及び
図3Dに示した例示的なメモリアレイ200-fに対して実施され得る。エッチング動作は、(例えば、ストレージ素子材料365を含む)ストレージ素子コンポーネントを創出するために、ストレージ素子材料365の一部分を除去し得る。ストレージ素子材料365のストレージ素子コンポーネントの各々は、材料240(例えば、導電性材料240)の層と接触し得る。幾つかの例では、コンフォ-マル材料220の一部分は、ストレージ素子材料365のストレージ素子コンポーネントの両側に設置され得る。ストレージ素子材料365のエッチングは、開口部360によってストレージ素子材料365のストレージ素子コンポーネントを分離し得る。ストレージ素子コンポーネントは、メモリアレイ200-g(及びメモリアレイ200-gに続く処理ステップによって形成されるメモリアレイ200)がデータを蓄積することを可能にし得る。すなわち、ストレージ素子コンポーネントは、ストレージ素子材料365を含み得、論理状態(例えば、論理値O′又は論理値′)を蓄積するように構成され得る。
【0057】
ストレージ素子コンポーネントは、プログラミング閾値を満たすパルス(例えば、プログラミングパルス)を印加することによって目標状態にプログラミングされ得る。プログラミングパルスの振幅、形状、又はその他の特徴は、ストレージ素子材料365に目標状態を示させるように構成され得る。例えば、プログラミングパルスを印加した後、ストレージ素子コンポーネントのイオンはストレージ素子全体に再分配され得、それによって、読み出しパルスが印加された場合に検出されるメモリセルの抵抗を変更する。幾つかの場合、ストレージ素子コンポーネントの閾値電圧は、プログラミングパルスを印加することに基づいて変化し得る。
【0058】
ストレージ素子コンポーネントによって蓄積された状態は、読み出しパルスをストレージ素子コンポーネントに印加することによってセンシングされ得、検出され得、又は読み出され得る。読み出しパルスの振幅、形状、又はその他の特徴は、ストレージ素子コンポーネント上に如何なる状態が蓄積されているかをセンスコンポーネントが判定することを可能にするように構成され得る。例えば、幾つかの場合、読み出しパルスの振幅は、ストレージ素子コンポーネントが第1の状態では“オン”状態にあるであろう(例えば、電流が材料を通って伝導する)が、第2の状態では“オフ”状態にあるであろう(例えば、殆ど又は全く電流が材料を通って伝導しない)レベルにあるように構成される。
【0059】
幾つかの場合、ストレージ素子コンポーネントに印加される(プログラミングであるか読み出しであるかにかかわらない)パルスの極性は、実施されている動作の結果に影響を与え得る。例えば、ストレージ素子コンポーネントが第1の状態を蓄積する場合、第1の極性の読み出しパルスは、ストレージ素子コンポーネントが“オン”状態を示すことをもたらし得る一方、第2の極性の読み出しパルスは、ストレージ素子コンポーネントが“オフ”状態を示すことをもたらし得る。このことは、状態を蓄積している場合に、ストレージ素子コンポーネント内のイオン又はその他の材料の非対称分布が原因で発生し得る。同様の原理が、プログラミングパルス及びその他のパルス又は電圧に適用される。
【0060】
ストレージ素子コンポーネントとして機能し得るカルコゲナイド材料の例は、カルコゲナイド材料の中でもとりわけ、In2Sb2Te5、In1Sb2Te4、In1Sb4Te7等のインジウム(In)-アンチモン(Sb)-テルル(Te)(IST)材料、及びGe8Sb5Te8、Ge2Sb2Te5、Ge1Sb2Te4、Ge1Sb4Te7、Ge4Sb4Te7等のゲルマニウム(Ge)-アンチモン-(Sb)-テルル(Te)(GST)材料を含み、実例として、動作中に相を変化させない合金(例えば、セレンベ-スのカルコゲナイド合金)を含む。更に、カルコゲナイド材料は、少量の濃度のその他のド-パント材料を含み得る。カルコゲナイド材料の他の例は、テルル-ヒ素(As)-ゲルマニウム(OTS)材料、Ge、Sb、Te、シリコン(Si)、ニッケル(Ni)、ガリウム(Ga)、As、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、セレン(Se)、酸素(O)、硫黄(S)、窒素(N)、炭素(C)、イットリウム(Y)、及びスカンジウム(Sc)材料、並びにそれらの組み合わせを含み得る。本明細書で使用するとき、ハイフンでつながれた化学組成表記は、特定の混合物又は化合物に含まれる元素を指し示し、指し示された元素を含む全ての化学量論を表すことを意図している。幾つかの例では、カルコゲナイド材料は、カルコゲナイドガラス又はアモルファスカルコゲナイド材料であり得る。幾つかの例では、主にセレン(Se)、ヒ素(As)、及びゲルマニウム(Ge)を有するカルコゲナイド材料はSAG合金と称され得る。幾つかの例では、SAG合金はシリコン(Si)を含み得、そうしたカルコゲナイド材料はSiSAG合金と称され得る。幾つかの例では、カルコゲナイドガラスは、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、塩素(Cl)、又はフッ素(F)等の追加の元素を、各々原子又は分子の形態で含み得る。幾つかの例では、導電率は、様々な化学種を使用したド-ピングを通じて制御され得る。例えば、ド-ピングすることは、第3族(例えば、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)等)又は第4族(スズ(Sn)、炭素(C)、シリコン(Si)等)元素を組成物に組み込むことを含み得る。
【0061】
図3Fは、
図3Dの切断線A-A′に沿った例示的なメモリアレイ200-gの上面図を示す。
図3Fは、
図3Eに説明した断面C-C′を含む。例示的なメモリアレイ200-gはトレンチ250のセットを示す。トレンチ250の各々は、ストレージ素子材料365のストレージ素子コンポーネントのセットを含む。ストレージ素子コンポーネントのセットは、開口部360及び誘電体材料218によって他のストレージ素子コンポーネントから分離され得る。ストレージ素子コンポーネントは、コンフォ-マル材料220と接触し得る。
【0062】
図3Gは、
図3Fの線B-B′に沿って取られたメモリアレイ200-gの側面図を示す。エッチング動作は、ストレージ素子材料365の表面(例えば、トレンチ250に面する表面)が絶縁性材料245の層の表面(例えば、トレンチ250に面する表面)と凡そ同一平面上にあるように(例えば、
図3C及び
図3Dを参照して論じたような)ストレージ素子材料365を形成することに続いて実施され得る。ストレージ素子材料365のエッチングは、連続的な側壁を形成し得、
図3Dに示したようなストレージ素子材料365の最上層366を除去し得る。ストレージ素子材料365のエッチングはまた、基板104-b内のコンタクト235を露出させ得る。
【0063】
凹部内に位置付けられたストレージ素子材料365の部分は、ストレージ素子コンポーネントに対応し得る。各凹部において、ストレージ素子材料365の各ストレージ素子コンポーネントは、単一の導電性材料240(例えば、ストレージ素子材料365のセルに隣接して設置された単一の導電性材料240)と、少なくとも2つの誘電体層(例えば、ストレージ素子材料365のストレージ素子コンポーネントの最上部に設置された最上部絶縁性材料245、及びストレージ素子材料365のストレージ素子コンポーネントの底部に設置された底部絶縁性材料245)とに接触し得る。幾つかの場合、ストレージ素子材料365の各ストレージ素子コンポーネントは単一の材料240に接触し得る。ここで、材料240は、その後(例えば、
図3Gに説明したものに続くプロセスステップ中に)除去され得、導電性材料によって置換され得る。ストレージ素子材料365のエッチングは、ストレージ素子材料365のストレージ素子コンポーネントを露出させ得る。ストレージ素子材料365のエッチングは、基板104-b内のコンタクト235をも露出させ得る。
【0064】
図3Hは、
図3E、
図3F、及び
図3Gに説明したものに続くプロセスステップ中の例示的なメモリアレイ200-hの上面図の(
図3Fに説明した)断面C-C′を説明する。
図3Hに示すように、開口部360中に導電性材料370が堆積する。導電性材料370は、第1の基板(例えば、
図2Cを参照して説明したような基板104-a)から第2の基板(例えば、基板104-b)まで拡張する導電性ピラーを形成し得る。幾つかの実装では、導電性材料370は、
図3Gに示したように、絶縁性材料層245及びストレージ素子材料365の層の少なくとも一部分に接触する。幾つかの例では、導電性材料370は活性材料と適合する。導電性材料370は、均一な導電性材料(例えば、コンフォ-マル導電性材料)、又は内部材料を有するバリア層(例えば、バリア層が導電性材料を取り囲む場合)であり得る。
【0065】
導電性材料370がバリア層及び内部材料を含む場合、開口部360中にバリア材料が堆積し得る。幾つかの実装では、バリア材料は、
図3Gに示したように絶縁性材料245及びストレージ素子材料365の少なくとも一部分と接触し得る。幾つかの例では、バリア材料は活性材料と適合され得る。バリア材料は、導電性材料(例えば、コンフォ-マル導電性材料)、又は導電性材料を有するバリア層であり得る。例えば、バリア材料は酸化アルミニウムを含み得る。内部材料は、導電性ピラーを形成するために(例えば、バリア材料と接触するように)開口部360内に堆積し得る。内部材料は、とりわけ、金属(若しくは半金属)材料、又はドープされたポリシリコン材料等の半導体材料であり得る。しかしながら、その他の金属、半金属、又は半導体材料が金属材料又は誘電体材料として使用され得る。
【0066】
導電性材料370は、ストレージ素子材料365で形成された第1及び第2のストレージ素子コンポーネントに接触し得る。開口部360のセットの各個別の1つ内に形成された(例えば、導電性材料370の)ピラーは、材料240及び絶縁性材料245の交互のプレーンに実質的に直交して拡張するように配置され得る。開口部360のセットの各個別の1つ内に形成されたストレージ素子材料365及び導電性ピラーは、実質的に正方形の形状に形成され得る。本開示の例は、正確な又は準正確な正方形の形状に限定されない。実例として、ストレージ素子材料365及び導電性ピラーは、円形又は楕円形を含む任意の形状で形成され得る。
【0067】
図3Iは、本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする例示的なメモリアレイ200-iを説明する。
図3Iに示したメモリデバイスの構成において、導電性材料のピラー370は、同じ基板104-b上のコンタクト235に接触する。基板104-bは、導電性材料370のピラーの下方に位置付けられるように示されているが、幾つかの他の場合では、コンタクト235は、導電性材料370のピラーの上方に位置付けられた基板104-aを通って形成され得る。
【0068】
コンタクト235は、導電性材料370で形成されたピラーを、選択トランジスタ等の追加の選択素子に結合し得る。例えば、コンタクト235は、ピラー(例えば、デジット線)を、基板104-bの下方のピラー選択層内に形成されたNMOS TFT305に結合し得る。幾つかの例(図示せず)では、ピラー選択層はメモリ層の上方にあり得、例えば、TFTはデジット線の上方から接触し得る。2つの構成の組み合わせも可能であり、例えば、デジット線の選択が一部は上方からで、一部は下方からであり得るように、幾つかのTFTはメモリ層の下方にあり得、幾つかはメモリ層の上にあり得る。NMOS TFT305の詳細は以下に説明されるであろう。ピラー選択層の上方の部分は、メモリセルの垂直3Dメモリアレイが設置されるメモリ層を形成し得る。トランジスタ305は、規則的なマトリックスで形成されたデジット線セレクタであり得る。トランジスタ305は、アクセス動作(例えば、読み出し動作、書き込み動作、リフレッシュ動作)中の様々な時間にピラー(例えば、デジット線)を選択的に結合又は絶縁するように位置付けられ得る。トランジスタ305を活性化することは、ストレージ素子材料365で形成されたストレージ素子コンポーネントの内の1つのアクセス動作を開始し得る。例えば、トランジスタ305を活性化し、材料240に電圧を印加する(例えば、ワード線ドライバによって導電性材料に電圧を印加する)ことは、ストレージ素子材料365で形成されたストレージ素子コンポーネントにアクセスし得る。
【0069】
ピラー選択層の下方に周辺回路層が形成され得、周辺回路層内には、例えば、センスアンプ及びデコーディング回路がワード線及びビット線のために配置され得る。
【0070】
図4A及び
図4Bは、本明細書に開示するような例に従った積み重ねられたメモリデバイスを形成するために実施され得る一連のステップ又はプロセス中の例示的なメモリアレイ200-j及び200-kを説明する。
【0071】
図4Aは、本明細書に開示するような例に従った例示的なメモリアレイ200-jの上面図を示す。それは、
図3Gの後に実施され得る一連のステップ又はプロセス中の例示的なメモリアレイ200-jを説明し得る。
【0072】
導電性ピラーを形成するために、開口部360中に導電性材料370が堆積し得る。幾つかの場合、ピラーは、導電性材料370によって部分的に充填され得、続いて誘電体材料705によって充填され得る。幾つかの場合、誘電体材料705は誘電体材料218と同じであり得る。ピラーは、第1の基板(例えば、基板104-a)から第2の基板(例えば、基板104-b)まで拡張し得る。
【0073】
導電性材料370は、ストレージ素子材料365で形成された第1及び第2のストレージ素子コンポーネントに接触し得る。開口部360のセットの各個別の1つ内に形成された(例えば、導電性材料370及び誘電体材料705の)ピラーは、材料240及び絶縁性材料245の交互のプレーンに実質的に直交して拡張するように配置され得る。
【0074】
図4Bは、本明細書に開示するような例に従った例示的なメモリアレイ200-kの上面図を示す。メモリアレイ200-kは、第2の開口部を形成し、続いて第2の開口部を絶縁性材料710で充填した後に形成され得る。幾つかの場合、誘電体材料705及び絶縁性材料710は同じ材料の例である。トレンチ250内の第2の開口部は、導電性材料370の一部分をエッチング除去することによって形成され得る。エッチングプロセスは、他の材料の一部分をエッチング除去することを更に含み得る。例えば、エッチングプロセスは、誘電体材料218のいくつか(又は全て)をエッチングし得る。エッチングプロセスは、材料240及び絶縁性材料245の交互のプレーンに対して実質的に直交して発生する垂直エッチングプロセスを含み得る。例えば、エッチングプロセスは、例示的なメモリアレイ200-kの第2の開口部を創出するためのシングルゲート垂直チャネル3D not AND(SGVC)技術を含み得る。第2の開口部は、1つ以上のコンタクト235を露出させるために、底部基板(例えば、104-b)まで拡張し得る。第2の開口部は、(例えば、導電性材料370及び誘電体材料705を含む)ピラーを、第1のピラー(例えば、サブピラー)と第2のピラー(例えば、サブピラー)とを含むピラーの対に分割し得る。ピラーの対の各サブピラーはデジット線に対応し得る。ピラーの対の各サブピラーのサイズ(例えば、断面積)は、メモリアレイ200-kの動作に影響を与えなくてもよい。すなわち、(例えば、基板104-a等の第1の基板から基板104-b等の第2の基板まで拡張する)ピラーの対の各サブピラーの高さは、比較的低くてもよい(例えば、2マイクロメートル未満であってもよい)。
【0075】
幾つかの場合、トレンチ250は拡張し得、(例えば、誘電体材料218によって分離された)第2の開口部のセットを含み得、各開口部はピラーをピラーの対に分割する。絶縁性材料710は誘電体材料であり得る。幾つかの場合、絶縁性材料710は、誘電体材料218と同じ材料であり得る。絶縁性材料710は、導電性材料370で形成されたピラーに接触し得る。絶縁性材料710は、最上部基板(例えば、
図2Aに示した基板104-a)から底部基板(例えば、
図2Aに示した基板104-b)まで拡張し得、したがって、ピラーの対の各サブピラーを絶縁する。絶縁性材料710は、絶縁性材料218に接触するように更に拡張し得る。ここで、絶縁性材料(例えば、絶縁性材料218と組み合わせた絶縁性材料410)は、トレンチ250の長さに渡って拡張し得る。
【0076】
絶縁性材料710は、ピラー対内のピラーを相互に絶縁し得る。このことは、第1及び第2のストレージ素子コンポーネントが同じ凹部内に位置付けられた場合に、第2のストレージ素子コンポーネント上の第1のストレージ素子コンポーネントへのアクセスの影響を減少させ得る。絶縁性材料710は、トレンチ250の両側でストレージ素子材料365を絶縁し得る。すなわち、絶縁性材料710は、トレンチ250の第1の側壁に接触する(例えば、ストレージ素子材料365で形成された)メモリセルを、トレンチ250の第2の側壁に接触するメモリセルから(例えば、電気的に)絶縁し得る。
【0077】
図5は、本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスをサポ-トする更なる例示的なメモリアレイ200-Iを説明する。具体的には、
図5は、デジット線をデジット線セレクタに結合するための構成を説明する。
【0078】
図5は、メモリアレイ200-Iの断面図を示す。断面図は、
図4Bの何れかに示したような切断線B-B′に沿い得る。
図5は、(例えば、ピラーの対の)導電性材料370の各ピラーが同じ基板104上のコンタクト235に接触するメモリデバイスの構成を説明する。基板104-bは、導電性材料370のピラーの下方に位置付けられるように示されているが、幾つかの他の場合では、コンタクト235は、導電性材料370のピラーの上方に位置付けられた基板104-aを通って形成され得る。
【0079】
メモリアレイ200-Iは、基板104-bのコンタクト235-aと接触する導電性材料370-aで形成された第1のピラー(又は第1のサブピラー)を含み得る。コンタクト235-aは、導電性材料370-aで形成されたピラーを、選択トランジスタ等の追加の選択素子に結合し得る。例えば、コンタクト235-aは、第1のピラー(例えば、デジット線)を、基板104-bの下方のピラー選択層(
図5には示さず、
図3Iに示すものと同様)内に形成されたNMOS TFT505-aに結合し得る。NMOS TFT505-aの詳細は以下に説明されるであろう。ピラー選択層の上方の部分は、メモリセルの垂直3Dメモリアレイが設置されるメモリ層(
図5には示さず、
図3Iに示すものと同様)を形成し得る。トランジスタ505-aは、規則的なマトリックスで形成されたデジット線セレクタであり得る。トランジスタ505-aは、アクセス動作(例えば、読み出し動作、書き込み動作、リフレッシュ動作)中の様々な時間にピラー(例えば、デジット線)を選択的に結合又は絶縁するように位置付けられ得る。トランジスタ505-aを活性化することは、ストレージ素子材料365で形成されたストレージ素子コンポーネントの内の1つのアクセス動作を開始し得る。例えば、トランジスタ505-aを活性化し、材料240-aに電圧を印加する(例えば、ワード線ドライバによって導電性材料に電圧を印加する)ことは、ストレージ素子材料365-aで形成されたストレージ素子コンポーネントにアクセスし得る。材料240-aは、導電性材料240の一例であり得る。幾つかの場合、材料240-aは、導電性材料として(例えば、
図2Aに以前に説明したプロセスステップ中に)スタック上に堆積し得る。幾つかの他の場合、材料240-aは、犠牲絶縁性材料としてスタック上に堆積し得る。後続のプロセスステップにおいて、材料240-aは除去され、導電性材料240-aと置換され得る。
【0080】
メモリアレイ200-Iは、基板104-bのコンタクト235-bと接触する導電性材料370-bで形成された第2のピラー(又は第2のサブピラー)を更に含み得る。導電性材料370-aで形成されたピラーと導電性材料370-bで形成されたピラーとはピラーの対であり得る。すなわち、導電性材料370-aで形成されたピラーと導電性材料370-bで形成されたピラーとは、導電性ピラーがエッチングプロセスによって分割された場合に形成され得る。コンタクト235-bは、導電性材料370-bで形成された第2のピラーを、規則的なマトリックスで形成されたデジット線セレクタであり得るトランジスタ(例えば、NMOS TFT)505-bに結合し得る。幾つかの場合、トランジスタ505-bは、トランジスタ505-aと同じレベル(例えば、同じマトリックスの一部)にあり得る。NMOS TFT505-a及び505-bの詳細は以下で説明されるであろう。
【0081】
幾つかの実施形態では、セレクタTFT505-a及び505-bは、メモリ層の両側にあり得、(
図5に描写したように)下方から及び上方から(図示せず)個別のサブピラーに接触し得、幾つかの場合、両方のTFTがメモリ層の上方のピラー選択層、例えば、ポリシリコン層内にあり得る。
図5には示さず、
図3Iにしたものと同様である周辺回路層は、ピラー選択層の下方に形成され得、周辺回路層には、例えば、ワード線及びビット線のためにセンスアンプ及びデコーディング回路が配置され得る。
【0082】
図6は、本明細書に開示するような例に従ったトランジスタ半導体デバイス、実例として、電界効果NMOS薄膜トランジスタ(TFT)の一例を説明する。
図6は、垂直方向に向けられたビット線部分又はアレイデジット線(図示せず)を選択するために使用され得る2つのTFT選択デバイス504a及び504bを描写する一実施形態の図である。各TFT選択デバイス504a、504bは、2つのソース/ドレイン(S/D)領域を有する。ソース/ドレイン領域は、チャネル領域の両側上にある。ソース/ドレイン領域及びチャネル領域は、一実施形態ではポリシリコンである。TFT選択デバイス504a、504bは、チャネル領域と上部Dとの間の上部接合部と、チャネル領域と下部Sとの間の下部接合部とを有する。
【0083】
TFT選択デバイス504a、504bの各々は、2つのゲート507と、チャネル領域及びS/D領域から各ゲートを分離する誘電体材料505とを有する。この誘電体は、ゲート507をチャネル領域及びS/D領域から分離するので、ゲート誘電体と称され得る。一実施形態では、ゲート誘電体505は、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域又は各選択デバイスの側面に沿って拡張する。ゲート誘電体は、チャネル領域及びS/D領域を含むピラー構造体の垂直側壁に沿ってx方向に延長され得る。
【0084】
ゲート誘電体は、幾つかの場合、チャネル領域又はソース/ドレイン領域の何れかからゲートを分離する。この例では、各ゲート507は、下部接合部の下方から上部接合部の上方まで垂直方向に拡張する。すなわち、ゲート507は、チャネル領域の垂直範囲に直接隣接し、両方のS/D領域の垂直範囲の一部分に直接隣接して形成される。上部ドレインは、垂直方向に向けられたビット線部分又はアレイデジット線に接続され得る。幾つかの実施形態では、ゲート507は、ゲート材料を堆積させ、それを選択的に、例えば、異方的に除去して形成され得、例えば、チャネル領域に沿って及び/又はチャネル領域の周りに、ゲート誘電体に隣接するゲート材料のスペ-サ状の構造体を形成する。
【0085】
酸化物等のギャップ充填誘電体520は、隣接する選択デバイス間に絶縁性材料として形成される。幾つかの場合、TFT選択デバイス504a及び504bは、それらの間で同じゲート507を共有し得る。言い換えれば、隣接する選択デバイス504aと504bとの間にギャップが存在しなくてもよい。
【0086】
幾つかの場合、TFT選択デバイスは、メモリアレイの下方、特に、メモリセルのピラーの下方に規則的なマトリックスで形成され得る。この例では、x方向の隣接するTFT選択デバイスのピッチは、メモリセルの対応するピッチと一致し得、それは、
図7A~
図7Cを参照して更に説明されるであろう。
【0087】
図7A~
図7Cは、本明細書に開示するような例に従った例示的なNMOS TFTセレクタの様々な図を示す。
【0088】
従来、実例としてピッチが48nmでチャネル長が100nmのポリSiベ-スのTFTは、最大ドレインバイアスとして1.5V、最大ゲートバイアスとして3.5Vをサポ-トすることが可能であり得、20μAのIONを有し得る。その他の電圧及び/又は電流値が可能である。これは、N+S/DインプラントとN-チャネルインプラントとを備えた常時空乏型MOSFETである。しかしながら、本開示では、V-3D MTXセルの著しく緩和したピッチと首尾一貫して、10倍を超えるIONを可能にする並列の少なくとも2つの細長いTFTで構成されたセレクタトランジスタが提案される。この10倍は、(110nm~220nmの)チャネル長の倍化の結果として5倍以上になるであろう。
【0089】
図7A~
図7Cに示すように、ストリップ710はゲート端子を表し得る。矩形のボックスによって表され得るチャネル領域720の一方の側にゲート酸化物を有し、他方の側に別のゲート酸化物を有する2つのゲートがあり得、したがって、TFTの幅は2倍であり得る。矩形のボックス720の下方には、TFTのソース領域があり得、矩形のボックスはトランジスタチャネルのポリシリコンピラーに物理的に対応する一方、ドレイン領域はピラーに接続される。
【0090】
言い換えれば、薄膜トランジスタ(TFT)のマトリックスには、デジット線毎に1つのTFTトランジスタがデジット線の下方に提供される。薄膜トランジスタ(TFT)は、3Dメモリアレイの下方のポリシリコン層内に形成される一方、ワード線及びビット線のためのセンスアンプ及びデコーディング回路を備えた周辺回路がマトリックスの下方に形成される。
【0091】
これらの
図7Aから分かり得るように、トランジスタチャネルは、50nmに制限された統合距離で120nmまで拡張されている。したがって、トランジスタの幅は緩和又は拡張され、(幅が広いので)駆動能力が約5倍であり得、したがってメモリセルに適切な電流を供給することが可能であるように2つのトランジスタは並列に配置されている。
【0092】
図7Bは、ゲート端子のストリップ730が正方形の構成でチャネル領域740を囲むように形成された代替構成を概略的に示す。
【0093】
更なる代替として、
図7Cでは、統合距離を55nmに削減したまま維持しながら、2つの隣接チャネル領域720間でストリップ750を2重にした例を示す。
【0094】
図8A~
図8Dは、本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイスのメモリセルにアクセスするための様々な図を示す。具体的には、
図8A~
図8Dは、その他の全てを選択解除している間に、単一のNMOS TFTを有する単一のメモリセルを選択することが可能な方法を示す。
【0095】
これらの図は、ピラー(P1、・・・、P9、すなわち、ピラーが読者に向かって垂直に伸びている)の例示的な3×3マトリックスとしてのみ示し、より詳細には、9個のTFT選択トランジスタの小さなマトリックスには、ピラー毎に1つのTFTがこれらのピラーの底部に提供されている。
【0096】
図8Aに示すように、GNDに短絡することができない非選択のピラーに対するフロ-ティングバイアスの方策が、選択解除のために安全に採用されている。フロ-ティングのままの非選択のピラーの電位は、ピラーとWLとの間の容量比によって規定され(選択されていないものは全てGNDにバイアスされ、選択されているものは-3.5Vにバイアスされ)、したがって、凡そGNDにある。
【0097】
図8Aの左側には、ピラー(P1、・・・、P9)の例示的な3×3マトリックスが表されている。各ピラーは、
図1のデジット線115に対応し得、幾つかの例では、上に説明したように、導電性材料370を含み得る。各ピラー(P1、・・・、P9)は、ピラーセレクタトランジスタ305、505-a、505-bに対応し得、幾つかの例ではNMOS薄膜トランジスタ(TFT)であり得る個別の選択トランジスタ(T1、・・・、T9)に結合される。トランジスタ(T1、・・・、T9)は、メモリ層の下方のピラー選択層内に形成され得、ピラー選択層の下方に周辺回路層が形成され得る。セレクタトランジスタ(T1、・・・、T9)は、上に
図6及び
図7を参照して説明したように形成され得る。
【0098】
ピラー(P1、・・・、P9)及びセレクタトランジスタ(T1、・・・、T9)は、
図8Aに描写するように行及び列に編成され得る。例えば、トランジスタT1、T2、及びT3は、共通線L0に結合された個別の端子、例えばソース端子を有し得、トランジスタT4、T5、及びT6は、共通線L1に結合された個別の端子、例えばソース端子を有し得、トランジスタT7、T8、及びT9は、共通線L3に結合された個別の端子、例えばソース端子を有し得る。線L0、L1、及びL2は、ピラー選択層の下方に形成された周辺回路層、例えばCMOSアンダーアレイ等のシリコン基板層内に形成されたデジット線ドライバに結合され得る(図示せず)。線L0、L1、及びL2は、選択されたデジット線のプログラミング(例えば、セット/リセット)若しくは読み出し電圧又は非選択のデジット線電圧であり得る個別の線電圧V_L0、V_L1、及びV_L2にバイアスされるように構成される。
【0099】
描写した行/列編成では、トランジスタT1、T4、及びT7は、共通の行線R2に結合された個別のゲート端子を有し得、トランジスタT2、T5、及びT8は、共通の行線R1に結合された個別のゲート端子を有し得、トランジスタT3、T6、及びT9は、共通の行線R0に結合された個別のゲート端子を有し得る。線R0、R1、及びR2は、周辺回路層内に形成されたデジット線ドライバ制御回路に結合され得る(図示せず)。行線R0、R1、及びR2は、実施される動作及びセル又はピラーのアドレスに基づいて、通過電圧であり得る個別の行線電圧V_R0、V_R1、及びV_R2に、又は抑制電圧にバイアスされるように構成される。
【0100】
図8Aの右側には、3Dメモリアレイの一部分の概略断面が表されている。各メモリセルは、デジット線、例えばピラーPiと、選択されたワード線SWL又は非選択のワード線UWLであり得るワード線との交点にストレージ素子を含む。適切な振幅及び極性のプログラミングパルスを印加することによって、メモリセルは少なくとも2つの状態の内の1つにプログラミングされ得る。例えば、メモリセルは、メモリセルの閾値電圧よりも高い大きさを有する第1の極性パルスを印加して、第1の状態、セット状態にプログラミングされ得、第1の極性は、
図8Bを参照した論考にみられるように、正の極性、例えば、デジット線電圧よりも高いワード線電圧であり得る。メモリセルは、メモリセルの閾値電圧よりも高い大きさを有する第2の極性パルスを印加して、第2の状態、リセット状態にプログラミングされ得、第2の極性は、第1の極性とは異なり得、例えば、反対であり得、したがって、第2の極性は、
図8Cを参照した論考にみられるように、負の極性、例えばデジット線電圧よりも小さいワード線電圧であり得る。幾つかの実施形態では、プログラミング極性は相互に交換され得、例えば、幾つかの場合、セット状態は負の極性でプログラミングされ得、リセット状態は正の極性でプログラミングされ得る。セット状態及びリセット状態は、論理1及び論理0の状態に夫々対応し得るが、異なる規則が採用されてもよい。
【0101】
異なる状態(例えば、セットとリセット、又は論理1と0)にあるメモリセルは、異なる閾値電圧を有し得る。したがって、メモリセルに渡ってセンシング又は読み出し電圧を印加してセル状態を読み出すことが可能である。読み出し電圧は、正の電圧又は負の電圧であり得、以下に説明するように、読み出し電圧の極性に依存して、異なる状況が発生し得る。
【0102】
一般的に言えば、所与の極性にあるプログラミングパルスの後、メモリセルは、同じ極性で読み出しが実行された場合に低閾値電圧を有する一方、反対の極性で読み出された場合に高閾値電圧を有する。したがって、上に説明したように、セット状態が正の極性パルスでプログラミングされた場合、同じ(正極の)極性で読み出された場合に低閾値電圧を有する。反対に、正の極性パルスでセット状態にプログラミングされたセルは、反対の(負の)極性で読み出された場合に高閾値電圧を有する。同時に、上に説明したように、リセット状態が負の極性のパルスでプログラミングされた場合、反対の(正の)極性で読み出された場合に高閾値電圧を有する。反対に、負の極性パルスでリセット状態にプログラミングされたセルは、同じ(負の)極性で読み出された場合に低閾値電圧を有する。
【0103】
読み出し極性とは無関係に、セット状態とリセット状態とを区別することが可能であり、それ故、それに関連するセルの論理状態を読み出すことが可能である。実際、選択されたデジット線端子及び選択されたワード線SWL端子を、メモリセルの低閾値電圧と高閾値電圧との間の中間である読み出し電圧にバイアスし、何れのメモリセルが高電流を流すか、又は閾値を有するかを検出するのに十分である。上の例では、負の極性読み出し方式を採用すると、正の極性パルスでセット状態にプログラミングされたセルは閾値化しない一方、負の極性でリセット状態にプログラミングされたセルは閾値化する。既に述べたように、異なる読み出し方式、例えば正の極性読み出し方式が採用され得る。
【0104】
図8Aの右側に示した断面を再び参照すると、アクセス動作中、ピラーが選択されたピラー(例えば、
図8Aの左部分のピラーP5)である場合、ピラーは、動作が実行されることに基づいて、プログラミング電圧(例えば、セット又はリセット電圧)であり得るアドレッシングされたデジット線アクセス電圧に、又は読み出し電圧にバイアスされる。選択されたピラーに結合された全てのセルは、デジット線アクセス電圧にバイアスされたデジット線端子を有するが、アドレッシングされたセル(描写した例では、下から4番目のプレーンにあるセル)のみが、ワード線アクセス電圧VWLにバイアスされたワード線端子SWLを有し、その他の全てのセル、例えば選択されたピラー内の非選択のセルは、非選択電圧、例えば接地(GND)電圧にバイアスされた非選択のワード線UWL端子を有する。
【0105】
アクセス動作中、ピラーが非選択のピラー(例えば、ピラーP1、・・・、P4、P6、・・・、P9)である場合、以下で詳細に説明するように、対応するセレクタトランジスタ(T1、・・・、T4、T6、・・・、T9)は抑制状態にあり、それ故、ピラーをバイアス回路から効果的に絶縁する(又はバイアス回路によって提供された抑制電圧、例えば接地電圧GNDを通過する)ので、ピラーはフロ-ティング(又は接地)される。非選択のピラーがフロ-ティングである場合、それはワード線に容量結合されるため、実際のピラー電圧は、個別の容量比(各WLノ-ドに関するピラー容量を総容量、例えば、全てのWLノ-ドに対するピラー容量で割ったもの)によって重み付けされたワード線電圧に依存する。非アドレッシングの又は非選択の全てのワード線UWLはアクセス動作中に接地電圧にあり、アドレッシングされた又は選択されたワード線SWLのみがアクセス電圧にあるので、ピラー電圧は接地に近いままである。接地電圧からの逸脱は、ワード線の数が増加すると、例えば、3Dメモリアレイ内のプレーン又はデッキの数が増加すると減少する。
【0106】
3行3列に編成されたピラー(P1、・・・、P9)及びセレクタトランジスタ(T1、・・・、T9)の小さなマトリックスが
図8Aに示されているにもかかわらず、任意の数の行及び列が使用され得る。以下の説明では、ピラーP5は、アドレッシングされた又は対象のピラーとみなされ、例えば、アドレッシングされたセルは、選択されたピラーP5に、及び選択されたプレーン又はワード線SWLに結合される。所望の動作に基づいて、選択されたワード線SWLは、典型的にはデジット線アクセス電圧に関して反対の極性のものであるアクセスワード線電圧V_WLにバイアスされ、正確に分割された電圧アプロ-チでは、デジット線電圧とワード線電圧とは同じあり、又は凡そ同じであるが、1以外の振幅比等、異なるアプローチが採用され得、例えば、明確に指定されていない場合であっても、非アドレッシングのワード線UWLは通常、対応するワード線回路(図示せず)によって接地電圧にバイアスされる。
【0107】
以下の説明を簡単にするために、負の電圧読み出し方式が採用され、例えば、読み出しアクセス動作中、メモリセルの選択されたワード線SWL端子と選択されたデジット線端子(ピラーP5)にかかる全体的な電圧降下は、負であり、すなわち、V_WL-V_L1<0ボルトである。更に、セット状態(例えば、論理1状態)にあるメモリセルの閾値電圧は、(約+3.5Vから約+4.5Vまでの正の電圧読み出し範囲に対応する)約-6.5Vから約-5.5Vまでの負の電圧範囲にある一方、リセット状態(例えば、論理0状態)にあるメモリセルの閾値電圧は、(約+5.5Vから約+6.5Vまでの正の電圧読み出し範囲に対応する)約-4.5Vから約-3.5Vまでの負の電圧範囲にあると仮定されるであろう。これは単なる例であり、異なる閾値電圧値及び範囲が使用され得る。したがって、上の例では、
図8Dに説明するように、メモリセルを読み出すためのアクセス動作中、アドレッシングされたメモリセルに渡って-5.0Vの読み出し電圧(例えば、選択されたワード線SWLの電圧対選択されたデジット線P5の電圧)が印加され得る。
【0108】
図8Bに示すように、P5ピラーに接続されたメモリセルはSET状態にプログラミングされ得る。この目的のために、(5.5~6.5Vの目標リセットプログラミング状態閾値電圧範囲に対する0.5Vのマージンを考慮すると)セルは最大7Vの高閾値電圧Vtでリセット状態になり得るので、+7V付近の正のバイアスパルスが印加される必要があり得る。これは、選択されたワード線に少なくとも+3.5Vまで印加し(一方、その他はGNDにある、ここでは図示せず、
図8Aを参照)、ビット線L1に少なくとも-3.5Vまで印加することによって得られ得る。電圧は、例えば、行線R1に印加される+1.0Vのゲートパス電圧でセクタトランジスタT5を有効化することによって、アレイ内のアドレッシングされたセルのデジット線(ピラーP5)へ転送される。セルが同じワード線及び/又はビット線を共有する可能性があり得るその他のピラー(P1、・・・、P9、P5以外)は、選択解除される必要がある。
【0109】
-3.5Vよりも高いバイアスで行線R0及びR2とそれらに結合されたゲートとの電圧が増加すると、トランジスタT4及びT6はオンに切り替わり、それ故、アドレッシングされたビット線L1に結合されたアレイデジット線、例えばピラーP4及びP6を不要にバイアスする。したがって、T4及びT6のスイッチオンを回避するために、行線R0及びR2に-3.5Vの遮断又は抑制バイアスが課され得、このことは、アレイデジット線P4及びP6が事実上フロ-ティングになることをもたらす。その後、接地電圧GNDがビット線L0及びL2に印加され得る。
【0110】
この構成では、全てのTFT T1、・・・、T9(T5以外)はオフ状態にあり得、例えば、ビット線L0、L1、及びL2に結合された個別の端子における電圧は、個別のピラーP1、・・・、P9(P5以外)へ転送されず、それ故、フロ-ティングになることをもたらし得る。トランジスタT2及びT8は、それらの実際の閾値電圧及び(それに応じて調整され得る)行線R1の実際のバイアス電圧に基づいて、GND電圧を個別のピラーP2及びP8へ転送してもしなくてもよい。
【0111】
フロ-ティングしているピラーの電位は、ピラーとWLとの間の容量比によって決まるであろう(非選択の全てのワード線はGNDにバイアスされ、選択されたWLは+3.5Vにバイアスされる)。そのため、フロ-ティングしているピラーは、選択解除に安全な僅かな正のバイアス(例えば、+1V)に達し得る。
【0112】
図8Cに示すように、P5ピラーに接続されたメモリセルはリセット状態にプログラミングされ得る。この目的のために、リセット状態にあるセルも再プログラミングされる必要があり、及び/又は(-5.5~-6.5Vの目標セットプログラミング状態閾値電圧範囲に対する0.5Vのマージンを考慮して)セルは最大-7Vの高閾値電圧Vtでセット状態にあり得るので、-7V付近の負のバイアスパルスが印加される必要があり得る。これは、選択されたワード線に-3.5Vを印加し(一方、その他はGNDにあり、ここでは図示せず、
図8Aを参照)、ビット線L1に+3.5Vを印加することによって得られ得る。電圧は、例えば、行線R1に印加される+4.5Vのゲートパス電圧でセクタトランジスタT5を有効化することによって、アレイ内のアドレッシングされたセルのデジット線(ピラーP5)へ転送される。セルが同じワード線及び/又はビット線を共有する可能性があり得るその他のピラー(P1、・・・、P9、P5以外)は、選択解除される必要がある。
【0113】
トランジスタT4及びT6をスイッチオフし、それ故ビット線L1からピラーP4及びP6を効果的に絶縁するために、行線R0及びR2並びにそれらに結合されたゲートは、P4及びP6ピラーがフロ-ティングになるように、+3.5Vにバイアスされ得る。その後、接地電圧GNDがビット線L0及びL2に印加され得るため、アレイデジット線ピラーP1、P2、P3、P7、P8、及びP9は、個別のトランジスタT1、T2、T3、T7、T8、及びT9を通じてGNDに短絡されるであろう。
【0114】
この構成では、ピラーP4及びP6のみがフロ-ティングになることをもたらし得る。デジット線P4及びP6ピラーの電位は、ピラーとWLとの間の容量比によって決まるであろう(全ての非選択のワード線はGNDにバイアスされ、選択されたワード線は-3.5Vにバイアスされる)。そのため、フロ-ティングしているピラーは、僅かな負のバイアス(例えば、-1V)に達し得、これは選択解除に安全である。その他の非アドレッシングピラーは接地され、これは、選択解除のための安全な状態でもある。
【0115】
図8Dに示すように、P5ピラーに接続されたメモリセルの状態が読み出される。この目的のために、-5V付近の負のバイアスパルスが印加される必要があり得る。これは、選択されたワード線に少なくとも-2.5Vまで印加し(一方、その他はGNDにあり、ここでは図示せず。
図8Aを参照)、ビット線L1に少なくとも+2.5Vまで印加することによって得られ得る。電圧は、例えば、行線R1に印加される+3.5Vのゲートパス電圧でセクタトランジスタT5を有効化することによって、アレイ内のアドレッシングされたセルのデジット線(ピラーP5)へ転送される。セルが同じワード線及び/又はビット線を共有する可能性があり得るその他のピラー(P1、・・・、P9、P5以外)は、選択解除される必要があり得る。
【0116】
トランジスタT4及びT6をスイッチオフし、それ故ピラーP4及びP6をビット線L1から効果的に絶縁するために、行線R0及びR2並びにそれらに結合されたゲートは、P4及びP6ピラーがフロ-ティングになるように、+2.5Vにバイアスされ得る。その後、接地電圧GNDがビット線L0及びL2に印加され得るため、アレイデジット線ピラーP1、P2、P3、P7、P8、及びP9は、個別のトランジスタT1、T2、T3、T7、T8、及びT9を通じてGNDに短絡されるであろう。
【0117】
この構成では、ピラーP4及びP6のみがフロ-ティングになることをもたらし得る。デジット線P4及びP6ピラーの電位は、ピラーとWLとの間の容量比によって決まるであろう(非選択のワード線は全てGNDにバイアスされ、選択されたワード線は-2.5Vにバイアスされる)。そのため、フロ-ティングしているピラーは僅かな負のバイアス(例えば、-0.5V)に達し得、これは選択解除に安全である。その他の非アドレッシングのピラーは接地され、これは、選択解除のための安全な状態でもある。
【0118】
正の極性読み出し方式が採用される場合(何れの図にも表されていない)、
図8Bに描写したセット状態へのメモリセルのプログラミングに関して説明されたものと同様であるが、全てのセルの閾値化を回避し、むしろ、セットセルのみにスナップバックを誘導するためにワード線パルス及びビット線パルスに対する振幅を小さくしたバイアス条件が適用され得る。例えば、+2.5Vの正のワード線読み出し電圧V_WLが選択されたワード線SWLに印加され得、-2.5Vの負のビット線読み出し電圧が選択されたビット線L1に印加され得、+1.0の通過電圧が、行線R1を通じてアドレッシングされたデジット線P5に結合された選択トランジスタT5のゲート端子に印加され得、上に説明したバイアス条件は、アドレッシングされたセルに+5.0Vの読み出し電圧を印加するのに適している。異なる振幅が使用され得る。また、非アドレッシングの又は非選択のビット線L0及びL2は接地電圧にバイアスされ得、非アドレッシングの又は非選択のワード線R0及びR2は、例えば-2.5Vの遮断電圧又は抑制電圧にバイアスされ得、全ての非アドレッシングの又は非選択のデジット線をフロ-ティングにもたらす。
【0119】
上の説明で使用された電圧値は単なる例示的な値であり、発明の範囲を維持しながら変更され得る。幾つかの場合、接地電圧(GND)は0Vとは異なり得、例えば、その他の正又は負の電圧が評価される正又は負の電圧であり得る。上に説明した同じ概念及び解決法は、
図8A~
図8Dを参照して描写した3Dメモリデバイス構成とは異なるアレイ構成にも適用され得、例えば、
図4~
図7を参照して説明したものと同様のメモリアレイ内の3Dサブピラーは、必要な微調整でアドレッシングされ得る。幾つかの場合、共有されるビット線は、各デッキ又はプレーンにおいて偶数/奇数のワード線によって偶数/奇数のセルが選択されるスプリットピラーアーキテクチャについての
図7A及び
図7Bに描写したように、セレクタトランジスタ(例えば、TFTトランジスタ)のゲートを駆動し得、或いは、偶数/奇数のサブビット線は、
図7Cに描写したようにセレクタトランジスタのゲートを独立して駆動し得る。セレクタトランジスタに対する(例えば、
図8に描写したビット線L0~L2/行線R0~R2とは異なる)その他のピラー又はサブピラーデコーディング構成も実装され得る。
【0120】
更に、(何れの図面にも明確には描写されていないが)セレクタトランジスタ、例えばピラーセクション層は、メモリ層の上に少なくとも部分的に形成され得ることに留意すべきである(前述の層をよりよく識別するために、
図3Iを参照)。例えば、TFTは、メモリアレイの下方(例えば、ワード線導電性材料層の下方)の一部に形成され(例えば、偶数のビット線/サブピラーに結合され)得、メモリアレイの上方の一部に形成され(例えば、奇数のビット線/サブピラーに結合され)得る。追加的又は代替的に、メモリ層及び対応するピラー選択層を各々含む複数のビルディングブロックは、ビルディングブロックスタック内で相互の上に配置され得る。これらの配置は、高さが増加し(例えば、より高く、より多くのデッキ及び層を有し)、それ故、表面密度が増加した3Dメモリアレイを得るために、製造中に(例えば、所与の数のメモリデッキ又は層及び対応するピラーの選択を含む)同じ基本的なビルディングブロックを数回複製することを可能するであろう。対応するTFTセレクタトランジスタをデコ-ドするための異なるブロックに対するビット線及び/又は行線は、全ての垂直方向に積み重ねられたブロックによって共有され得(この場合、ワード線は別個にデコ-ドされ)、又はそれらは、積み重ねられたブロック毎に分離され得る(この場合、ワード線は共通に又は個々にデコ-ドされ得る)。ビット線、行線、及び/又はワード線への接続は、基板(CMOSアンダーアレイ(CUA)回路、例えばデコ-ド及びセンシング回路を収容するシリコン基板等)内の周辺回路層から、メモリアレイに隣接して垂直方向に継続する対応するビルディングブロックまで拡張し得る。
【0121】
図9は、本明細書に開示するような例に従ったNMOS TFTセレクタを有する垂直3Dメモリデバイス内のメモリセルにアクセスする方法を説明するフロ-チャ-トを示す。方法900の動作は、メモリデバイスと関連付けられた1つ以上のコントロ-ラによって実装され得る。幾つかの例では、1つ以上のコントロ-ラは、説明する機能を実施するためにメモリデバイスの1つ以上の機能的要素を制御するための命令セットを実行し得る。追加的又は代替的に、1つ以上のコントロ-ラは、専用ハードェアを使用して、説明する機能の一部分を実施し得る。
【0122】
910において、方法900は、その他のワード線が所定の電圧にある間に、選択されたワード線に第1の電圧を印加することを含み得る。910の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。
【0123】
930において、方法900は、選択されたワード線をメモリセルと共有するその他のメモリセルに関連付けられたTFTのゲート領域に第2の電圧を印加することを含み得る。930の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。
【0124】
950において、方法900は、その他のTFTのソース領域が所定の電圧にある間に、選択されたワード線を共有するメモリセルに関連付けられたTFTのソース領域に第2の電圧を印加することを含み得る。950の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。
【0125】
970において、方法900は、メモリセルに関連付けられたTFTのゲート領域に第3の電圧を印加することを含み得る。970の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。
【0126】
幾つかの場合、使用される技術に従って、第1の電圧は+3.5Vであり得、第2の電圧は-3.5Vであり得、第3の電圧は+1Vであり得、所定の電圧は接地電圧であり得る。
【0127】
幾つかの場合、使用される技術に従って、第1の電圧は+2.5Vであり得、第2の電圧は-2.5Vであり得、第3の電圧は+1Vであり得、所定の電圧は接地電圧であり得る。
【0128】
幾つかの場合、第1の電圧は-3.5Vであり得、第2の電圧は+3.5Vであり得、第3の電圧は+4.5Vであり得、所定の電圧は接地電圧であり得る。
【0129】
幾つかの場合、第1の電圧は-2.5Vであり得、第2の電圧は+2.5Vであり得、第3の電圧は+3.5Vであり得、所定の電圧は接地電圧であり得る。
【0130】
単一のNMOS TFTでなされるアクセスでは、3.5Vを受け入れる非選択のピラーの場合、トランジスタチャネルはチョ-クされ得、電流が流れないことがあり得、したがって、ソース領域をGNDに置く必要さえないことがあることに留意すべきである。対応するNMOS TFTはフロ-ティングのままであり得る。フロ-ティングしているNMOS選択トランジスタのピラーは、メモリデバイスの正しい読み出しにとって危険な場合がある。しかしながら、対象のセルがプログラミングされている場合、選択されたワード線のプレ-ト又はプレーンのみが(
図8Aに示すように)3.5Vにバイアスされる。それ故、接地にバイアスされたその他の全てのプレ-ト又はプレーンの容量結合のために、フロ-ティングしているピラーでさえ接地に近い電圧になり、メモリデバイスの機能に影響を及ぼさない。
【0131】
本開示で提供されるアクセス方式は、選択されたピラーに近いピラーの少なくとも幾つかが接地に近いバイアス電圧のままであり、選択されたピラーに対して実施されるアクティビティによって影響を受けないことを更に示し得る。
【0132】
複数のデッキ上で水平方向に拡張する複数のワード線と、垂直方向に拡張する複数のアレイデジット線とを有する3Dメモリアレイ内の非アドレッシングのメモリセルを選択解除するための方法が開示され、各メモリセルは、1つのワード線と1つのアレイデジット線との交点にあり、非アドレッシングのメモリセルに結合された複数のアレイデジット線の内のアレイデジット線をフロ-ティングにすることを含む。
【0133】
幾つかの実施形態では、アレイデジット線をフロ-ティングにすることは、アレイデジット線とビット線との間に結合された薄膜トランジスタ(TFT)のゲートに抑制電圧を印加することを含む。
【0134】
幾つかの実施形態では、方法は、アレイデジット線に容量結合された複数のワード線の内の非選択のワード線を接地することを更に含む。
【0135】
幾つかの実施形態では、方法は、第2のアレイデジット線と第2のビット線との間に結合された第2の薄膜トランジスタ(TFT)にパス電圧を印加することに少なくとも部分的に基づいて、3Dメモリアレイ内の第2のアレイデジット線に結合された第2の非アドレッシングのメモリセルを選択解除することと、第2のビット線を接地することと、第2のアレイデジット線を接地することを更に含む。
【0136】
幾つかの実施形態では、方法は、複数のワード線内の非選択のワード線を接地することによって、第2の非アドレッシングのメモリセルを選択解除することを更に含む。
【0137】
幾つかの実施形態では、方法は、非アドレッシングのメモリセルを選択解除している間に、複数のワード線内の選択されたワード線にワード線アクセス電圧を印加することに少なくとも部分的に基づいて、選択されたアレイデジット線に結合されたアドレッシングされたメモリセルを選択することと、選択されたアレイデジット線に結合された選択されたビット線にビット線アクセス電圧を印加することと、選択されたアレイデジット線へビット線アクセス電圧を転送するために、選択されたアレイデジット線と選択されたビット線との間に結合された選択されたTFTのゲートに通過電圧を印加することを更に含む。
【0138】
例えば、
図8Bを参照して説明したバイアス条件に言及すると、メモリセルは、L0、L1、及びL2に電圧GND、-3.5V(読み出しでは-2.5V)、及びGNDを夫々印加することと、R0、R1、及びR2に電圧-3.5V、+1.0V、及び-3.5Vを夫々印加することによってSET状態にプログラミングされ得る(又は、正の電圧読み出し方式に従って読み出され得る)。3Dアレイ内のアドレッシングされたワード線は、所望のワード線アクセス電圧(例えば、SETの場合は+3.5V、又は読み出しの場合は+2.5V)にバイアスされ得る一方、非アドレッシングのWLは接地され得る。この構成は、アドレッシングされたメモリセルに結合されたアレイデジット線P5が所望のデジット線アクセス電圧(SETの場合は-3.5V、又は読み出しの場合は-2.5V)にバイアスされることをもたらし、それ故、アドレッシングされたメモリセルに渡って全体的な所望の電圧降下が得られるであろう。異なるアレイデジット線(例えば、ピラーP1、P2、P3、P4、P6、P7、P8、及びP9)に結合されたメモリセルは、個別のデジット線がフロ-ティングにされているため妨害されず、それらの電位は、容量比に従って重み付けされたワード線電圧によって決定され得、アクセス電圧でバイアスされているアドレッシングされたWLを除いて全てのWLが接地されているため、接地電圧とは非常に少量だけ異なり得る。
【0139】
同様の方法で、
図8C(リセット状態へのプログラミング)及び
図8D(負の読み出し方式に従った読み出し)を参照して説明したバイアス条件に言及すると、メモリセルは、L0、L1、及びL2に電圧GND、+3.5V(読み出しでは+2.5V)、及びGNDを夫々印加し、R0、R1、及びR2に電圧+3.5V、+4.5V、及び+3.5Vを夫々印加することによってアクセスされ得る。3Dアレイ内のアドレッシングされたワード線は、所望のワード線アクセス電圧(例えば、SETの場合は-3.5V、又は読み出しの場合は-2.5V)にバイアスされ得る一方、非アドレッシングのWLは接地され得る。この構成は、アドレッシングされたメモリセルに結合されたアレイデジット線P5を所望のデジット線アクセス電圧(SETの場合は+3.5V、又は読み出しの場合は+2.5V)にバイアスすることをもたらし、それ故、アドレッシングされたメモリセルに渡って全体的な所望の電圧降下を得るであろう。異なるアレイデジット線に結合されたメモリセルは、個別のデジット線が接地されているか(例えば、ピラーP1、P2、P3、P7、P8、及びP9)、フロ-ティングにされている(例えば、ピラーP6、P7)ため妨害されない。
【0140】
幾つかの実施形態では、非アドレッシングのメモリセルは、アドレッシングされたメモリセルに結合されたアレイデジット線とは異なるアレイデジット線(例えば、3Dメモリアレイ内の垂直ピラー)に結合され得る。非アドレッシングのメモリセルは、アドレッシングされたメモリセルと同じワード線を共有し得る。非アドレッシングのメモリセルに結合されたデジット線をフロ-ティングにすることによって、非アドレッシングのメモリセルに対する又は非アドレッシングのメモリセルからの妨害を回避又は少なくとも最小限にするために、アドレッシングされたメモリセルにアクセスしている(例えば、セット又はリセット等、読み出している又はプログラミングしている)間に安全な状態が確立される。フロ-ティングにされたデジット線の実際の電圧は、フロ-ティングにされたデジット線に容量結合されたワード線の電圧に依存し得る。各ワード線は、フロ-ティングにされたデジット線の電圧を容量結合することによって影響を与えることがあり、全ての非アドレッシングのワード線が接地され得る一方、アドレッシングにされたワード線のみが読み出し/プログラミングアクセス電圧にバイアスされ得るため、フロ-ティングにされたデジット線の実際の電圧は接地に近いままである。幾つかの構成では、非アドレッシングのセルに結合されたデジット線の幾つかは接地され得、それ故、安全で妨害のない状態をも提供する。更に、アドレッシングされたメモリセルと同じデジット線を共有するメモリセルを含む、非アドレッシングのワード線(例えば、異なるデッキ又はプレーンのワード線)に結合されたメモリセルは、それに結合された非アドレッシングのワード線を接地することによって安全で妨害のない状態に保たれ得る。上に説明した方法のステップは、説明した順序とは異なる順序で実行され得る。説明されていない追加のステップが実行され得る。
【0141】
本明細書の説明は、当業者が開示を製作又は使用可能なように提供されている。開示への様々な修正は当業者に分かるであろうし、本明細書で定義される包括的な原理は開示の範囲から逸脱することなくその他の変形に適用され得る。したがって、開示は、本明細書に説明した例及び設計に限定されず、本明細書に開示した原理及び新規の機構と一致する最も広い範囲に一致する。
【国際調査報告】