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特表2023-526599ガスを搬送する医療用導管内の水分検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(54)【発明の名称】ガスを搬送する医療用導管内の水分検出
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20230615BHJP
   A61M 16/08 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
A61M16/16 A
A61M16/08 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569472
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 IB2021020027
(87)【国際公開番号】W WO2021229307
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】63/025,878
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】シークアップ ピーター アラン
(72)【発明者】
【氏名】ゲメル ルーク モーガン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ストックス エルモ ベンソン
(57)【要約】
導管の電気特性を使用して、導管内、具体的には呼吸又は手術ガスを供給するためのガス供給システム導管内の水分状態の検出。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給システム内で使用できる加湿システムであって、
加湿器と、
導管であって、
第1の導電性要素と、
第2の導電性要素とを含む、導管と、
信号の少なくとも一部に基づいて前記導管内の水分を示す値を決定するために、前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素の1つ又は複数を使用して前記信号を監視するように構成された制御装置とを含む、加湿システム。
【請求項2】
前記信号は、前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素との間の静電容量を示す、請求項1に記載の加湿システム。
【請求項3】
前記信号は、前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素との間の静電容量の変化を示す、請求項1に記載の加湿システム。
【請求項4】
信号発生器を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項5】
前記制御装置は、信号発生器を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項6】
前記制御装置は、1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェア・プロセッサを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項7】
前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素は、容量電荷を前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素との間で感知できるように構成された距離だけ分離される、請求項1~6のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項8】
前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素との間に置かれた誘電材料を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項9】
前記誘電材料は、水蒸気又は液体透過性である、請求項8に記載の加湿システム。
【請求項10】
前記水蒸気透過性誘電材料は、周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制する、請求項9に記載の加湿システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記第1の導電性要素及び/又は前記第2の導電性要素の測定の比較に基づいて、前記水分を示す値を決定するように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項12】
前記水分を示す値は、基準抵抗器と直列の前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素を含む、回路の時定数を含む、請求項11に記載の加湿システム。
【請求項13】
前記信号は、前記第1の導電性要素及び/若しくは前記第2の導電性要素を含む、回路の時定数又は共振周波数を示す、請求項1に記載の加湿システム。
【請求項14】
前記信号は、前記第1の導電性要素及び/若しくは前記第2の導電性要素を含む、回路の時定数の変化又は共振周波数の変化を示す、請求項1に記載の加湿システム。
【請求項15】
前記導管内の前記水分を示す値は、前記導管のインダクタンスに対応する、請求項1又は13若しくは14のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項16】
前記導管内の前記水分を示す値は、前記導管のインダクタンスの変化に対応する、請求項1又は13若しくは14のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項17】
共振回路を更に含み、誘導要素は容量要素と並列に電気接続される、請求項1又は13~16のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項18】
前記共振回路は、前記第1の導電性要素及び/又は前記第2の導電性要素を含む、前記回路と並列に電気接続される、請求項17に記載の加湿システム。
【請求項19】
信号発生器を更に含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項20】
前記制御装置は、信号発生器を含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項21】
前記制御装置は、1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェア・プロセッサを含む、請求項13~20のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項22】
前記共振回路は、前記信号によって十分に励起された時に、共振挙動を示すように調節される、請求項17~21のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項23】
前記共振回路は、前記信号によって励起された時に、共振挙動を示すように調節され、前記信号は前記共振回路を励起するために選択されている、請求項17~21のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項24】
前記制御装置は、定格制御電力と連動して前記第1の導電性要素に追加の電力を印加するように構成される、請求項1に記載の加湿システム。
【請求項25】
AC電源を更に含む、請求項1又は24のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項26】
DC電源を更に含む、請求項1又は24若しくは25のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項27】
前記信号は、前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素の温度を示す、請求項1又は24~26のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項28】
前記信号は、前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素の温度の変化を示す、請求項1又は24~26のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項29】
前記信号は、前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素との間の媒体の熱伝導率を示し、又は前記信号は、前記第1の導電性要素若しくは前記第2の導電性要素に近接した媒体の熱伝導率を示す、請求項1又は24~26のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項30】
前記信号は、前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素との間の媒体の熱伝導率の変化を示し、又は前記信号は、前記第1の導電性要素若しくは前記第2の導電性要素に近接した媒体の熱伝導率の変化を示す、請求項1又は24~26のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項31】
前記信号は、前記第1の導電性要素と前記第2の導電性要素との間の温度差を示す、請求項1又は24~26のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項32】
前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素の温度の変化は、実質的に直線である、請求項1又は24~31のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項33】
前記第1の導電性要素は前記信号を測定する、請求項1又は24~32のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項34】
前記第2の導電性要素は前記信号を測定する、請求項1又は24~32のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項35】
前記信号は、前記第2の導電性要素の抵抗に対応し、前記第2の導電性要素の前記抵抗は、前記第2の導電性要素の前記温度によって異なる、請求項1又は24~34のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項36】
前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素は、サーミスタを更に含む、請求項1又は24~35のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項37】
前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素は、ダイオードを更に含む、請求項1又は24~36のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項38】
前記ダイオードは、前記サーミスタと並列に電気接続される、請求項37に記載の加湿システム。
【請求項39】
前記ダイオードは、前記サーミスタと並列に電気接続され、前記サーミスタと実質的に隣接して位置付けられる、請求項37に記載の加湿システム。
【請求項40】
前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素は、互いに隣接する、請求項1又は24~39のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項41】
前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素は、互いに隣接しない、請求項1又は24~39のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項42】
前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素は、前記導管のビーズ内にある、請求項1又は24~41のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項43】
前記信号は、前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素の抵抗を示す、請求項1に記載の加湿システム。
【請求項44】
前記第1の導電性要素又は前記第2の導電性要素は、互いから電気切断される少なくとも2つの部分を含む、請求項1又は43のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項45】
前記少なくとも2つの部分は、前記導管の内腔の中に突出する、請求項44に記載の加湿システム。
【請求項46】
前記少なくとも2つの部分は、前記導管の内壁と同一平面である、請求項44に記載の加湿システム。
【請求項47】
前記少なくとも2つの部分は、前記チューブ壁内に配置され、前記導管の前記内腔と空圧結合される、請求項44~46のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項48】
前記少なくとも2つの部分は、互いに直列である、請求項44~47のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項49】
前記少なくとも2つの部分は、互いに並列である、請求項44~48のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項50】
前記制御装置は、前記信号の大きさ及び/又は位相の少なくとも一部に基づいて前記導管内の水分を示す値を決定する、請求項1に記載の加湿システム。
【請求項51】
信号発生器を更に含む、請求項1又は50のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項52】
前記信号は、30Hz~300GHzの周波数を有する、請求項1又は50若しくは51のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項53】
前記信号は、1MHz~100MHzの周波数を有する、請求項1又は50若しくは51のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項54】
前記信号は、約10MHzの周波数を有する、請求項1又は50若しくは51のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項55】
前記第1の導電性要素及び/又は前記第2の導電性要素は、前記信号の波長の4分の1である、請求項1又は50~54のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項56】
前記信号の前記波長は、前記第1の導電性要素及び/又は前記第2の導電性要素の長さより4倍長い、請求項1又は50~54のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項57】
前記信号発生器は、前記信号を前記第1の導電性要素の中に注入する、請求項51~56のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項58】
前記第1の導電性要素は、送信機であるように構成される、請求項1又は50~57のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項59】
前記第2の導電性要素は、前記第1の導電性要素によって送信された前記信号を受信する受信機であるように構成される、請求項1又は50~58のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項60】
前記信号の前記大きさ及び/又は位相は、無線周波数変換器によって測定される、請求項1又は50~59のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項61】
前記無線周波数変換器は、AM受信機、RFサンプリングADC、又はRF整流器であることが可能である、請求項60に記載の加湿システム。
【請求項62】
前記信号をフィルタリングするフィルタを更に含む、請求項1又は50~61のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項63】
前記フィルタは、ハイパス又はバンドパスフィルタを含む、請求項62に記載の加湿システム。
【請求項64】
前記フィルタは、主電源周波数をフィルタで除去するように構成される、請求項62又は63のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項65】
前記フィルタは、50Hz~60Hzの周波数をフィルタで除去するように構成される、請求項62~64のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項66】
前記送信機は、ループアンテナを含む、請求項58~65のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項67】
前記送信機は、モノポールアンテナを含む、請求項58~66のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項68】
前記受信機はループアンテナを含む、請求項59~67のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項69】
前記受信機は、モノポールアンテナを含む、請求項59~68のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項70】
前記第1の導電性要素は、第1のスイッチに電気接続される、請求項1又は50~69のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項71】
前記第2の導電性要素は、第2のスイッチに電気接続される、請求項1又は50~70のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項72】
前記第1のスイッチは、前記第1の導電性要素の一端を電気切断するように構成される、請求項71に記載の加湿システム。
【請求項73】
前記第2のスイッチは、前記第2の導電性要素の一端を電気切断するように構成される、請求項71又は72のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項74】
前記第1のスイッチ及び/又は前記第2のスイッチは、以下のいずれか1つ、すなわち、ヒータベース、センサカートリッジ、前記導管、外部構成要素、又は中間コネクタに置かれる、請求項71~73のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項75】
前記制御装置は、前記水分を示す値が第1の閾値より低い場合に、警報を出力するように構成される、請求項1~74のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項76】
前記制御装置は、前記水分を示す値が第2の閾値を超える場合に、警報を出力するように構成される、請求項1~75のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項77】
前記警報は、受容できないレベルの水分を示す、請求項1~76のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項78】
前記制御装置は、前記導管内の前記水分及び/又は湿度を示す値に応答して、呼吸又は吸入ガスの加湿を自動的に低減するように構成される、請求項1~77のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項79】
前記導管に送達された前記湿度の低減は、ヒータプレート電力の低減によって達成される、請求項1~78のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項80】
前記導管は複合導管である、請求項1~79のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項81】
前記導管は、水蒸気及び/又は液体透過性ビーズを含む、請求項1~80のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項82】
前記透過性ビーズは、周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制する、請求項81に記載の加湿システム。
【請求項83】
前記透過性ビーズは、超親水特性を有する活性化パーフルオロポリマー材料、親水性熱可塑性樹脂、通気性熱可塑性コポリエステル、通気性特性を示す織目加工布、又は親水性ポリエステル・ブロック・コポリマの1つ又は複数である、請求項81に記載の加湿システム。
【請求項84】
前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素は、前記導管の少なくとも長さの周りに螺旋状に巻かれる、請求項1~83のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項85】
前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素は、前記導管内に、前記導管を通って、又は前記導管の周りに螺旋状に巻かれる、請求項1~84のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項86】
前記第1の導電性要素及び前記第2の導電性要素は、前記導管壁の一部を形成する、請求項1~85のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項87】
前記第1の導電性要素は感知ワイヤである、請求項1~86のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項88】
前記第1の導電性要素は加熱ワイヤである、請求項1~87のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項89】
前記第2の導電性要素は感知ワイヤである、請求項1~88のいずれか一項に記載の加湿システム。
【請求項90】
前記第2の導電性要素は加熱ワイヤである、請求項1~89のいずれか一項に記載の加湿システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
あらゆる優先権出願への参照による組み込み
外国又は国内の優先権の主張が本出願と共に出願された出願データシートにおいて同定されているありとあらゆる出願は、米国特許法施行規則1.57に基づいて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、導管内の水分を検出することに関する。より詳細には、本開示は、凝縮水、湿度及び/若しくは体液の1つ若しくは複数の存在、量並びに/又は場所を検出できる、呼吸或いは手術用ガス搬送システムについて記載する。
【背景技術】
【0003】
呼吸補助装置及び手術吸入器は、導管システムを通ってガス流又は加圧ガス流を患者に提供する。これら及び同様のデバイスを使用する用途の範囲では、供給されたガスを加湿することが有益である。これらの用途は、手術中に患者の手術部位にガスが吹き込まれる、及び/又はガスが供給される場合を含む。導管を通って加湿ガスを提供することの欠点は、導管内に凝縮水が形成される可能性である。凝縮水に加えて、他の型の水分も、患者(例えば唾液、血液、粘液などの体液の形で)、任意の熱水分交換器(HME)、任意の吸入器、及び/又は環境(例えば室内に取り込む換気装置を介して、又は液体若しくは水蒸気を透過できる導管壁などを通して)から導管の中に導かれることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加湿ガスは、ガス源とガス送達目的地との間の導管システムを通過する際に冷却する可能性がある。これにより、ガスが冷却すると導管の内側に水分(又は液体)が形成される可能性がある。水分は、導管内の凝縮水、水、又はあらゆる液体の存在を指すことができる。水分の形成は、典型的には呼吸支援装置及び手術吸入器に望ましくない。例えば導管内の凝縮水は、「レインアウト」と呼ばれる状態をもたらす可能性がある。レインアウトは、水分が形成される時に起き、導管システムの壁を流れ落ちる可能性がある。水分は、導管システムの下部に溜まる可能性があり、或いは水分は導管システムから流出して患者の呼吸系、身体の中に流れ、ガス源に戻り、又は換気装置に戻り、又は呼吸支援装置若しくは手術吸入器の導管に連結された他のデバイスに入る可能性がある。これらのレインアウト効果の全てが望ましくなく、多数の厄介な問題を起こす可能性がある。同様に他の源(患者、他の器具及び/若しくは環境を含む)からの流体は、望ましくないことがあり、並びに/又は他の理由のために監視するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で使用する場合、語句「導管システム」は、あらゆる導管(本明細書ではチューブとも呼ばれる)、コネクタ、或いはガス源と患者との間でガスを搬送する、及び/又は患者から呼吸支援装置若しくは手術吸入器の別の構成要素に呼気を搬送する患者インタフェースを包含する。例えば以下に更に詳しく論じるように、導管システムは、吸気チューブ、呼気チューブ、吸入チューブ、コネクタ、Yピース、患者チューブ、及び/又は患者インタフェース(マスク、鼻カニューレ、鼻ピロー、気管内チューブ、気管切開チューブ、手術カニューレ、その他を含む)の1つ又は複数を含むことができる。更に水分、凝縮水、凝縮及び液体は、本明細書におけるそれらの用語の文脈の使用から当業者には理解されるはずであるように、本開示では概して同意語として使用される。
【0006】
呼吸支援装置及び手術吸入器(本明細書では集合的にガス供給システムと呼ばれる)は、熱源を提供するために導管システム内又は導管システムの一部若しくは全ての構成要素の壁内で、1つ又は複数の加熱ワイヤを利用することができる。1つ又は複数の加熱ワイヤにより、ガスが導管システムを通過する際に、導管がガスの温度及び/又は相対湿度を所望の値若しくは範囲に制御することができ、凝縮の可能性が低下する。1つ又は複数のセンサワイヤも、同様に導管システム内又は導管システムの壁内に含むことができる。1つ又は複数のセンサワイヤは、典型的には1つ又は複数の温度センサから導管及び/又は患者インタフェースを通ってガス供給システムの制御装置に戻って流れる、加湿ガスの温度測定情報を搬送するために使用される。ガス供給システムは、ガス供給システムの1つ又は複数の加熱ワイヤ若しくは他の構成要素によって提供された熱量を調節するために、フィードバック制御システム内で温度測定情報を使用することができる。
【0007】
加熱ワイヤを備える場合であっても、凝縮及びレインアウトは依然として起こり、他の源からの流体が依然として導かれることがある。本開示は、水分を検出することを提供する。水分は、導管システム内部若しくは導管システム壁に埋め込まれた2つ以上の離間した導体の静電容量、誘導抵抗、及び/若しくは電気抵抗、又は静電容量、誘導抵抗、及び/若しくは電気抵抗の変化を測定或いは推定することによって検出することができる。これらの導体は、例えば1つ若しくは複数の加熱ワイヤ及び/又は1つ若しくは複数のセンサワイヤなどの、1つ若しくは複数の導線であることが可能である。別法として又は追加として、専用導体は、導管の内腔を含む導管システム内に提供され、又は埋め込まれてもよい。静電容量は、固有/寄生容量であることが可能である。測定は、ワイヤの時間応答及び/又は周波数応答を使用することができる。水分は、本明細書に開示されたような抵抗の変化、及び/又はRF信号などの無線信号への変化を測定することによって検出することもできる。
【0008】
本開示は、ガス供給システム内で使用できる加湿システムを提供し、加湿システムは、加湿器と、導管であって、第1の導電性要素と第2の導電性要素とを含む、導管と、信号の少なくとも一部に基づいて導管内の水分を示す値を決定するために、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数を使用して信号を監視するように構成された制御装置とを含む。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量を示すことができる。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量の変化を示すことができる。制御装置は、信号発生器を含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェア・プロセッサを含むことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、容量電荷が第1の導電性要素と第2の導電性要素との間で感知できるように構成された距離だけ分離することができる。加湿システムは、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間に置かれた誘電材料も含むことができる。誘電材料は水蒸気又は液体透過性であることが可能である。水蒸気透過性誘電材料は、周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制する。制御装置は、第1の導電性要素及び/又は第2の導電性要素の測定の比較に基づいて、水分を示す値を決定するように構成することができる。水分を示す値は、基準抵抗器と直列の第1の導電性要素又は第2の導電性要素を含む回路の時定数を含むことができる。信号は、第1の導電性要素及び/若しくは第2の導電性要素を含む、回路の時定数又は共振周波数を示すことができる。信号は、第1の導電性要素及び/若しくは第2の導電性要素を含む、回路の時定数の変化又は共振周波数の変化を示すことができる。導管内の水分を示す値は、導管のインダクタンスに対応する。導管内の水分を示す値は、導管のインダクタンスの変化に対応する。加湿システムは、共振回路も含むことができ、インダクタはコンデンサと並列に置かれる。共振回路は、第1の導電性要素、第2の導電性要素、又は第1の導電性要素及び第2の導電性要素の両方と並列に電気接続することができる。共振回路は、信号によって十分に励起された時に、共振挙動を示すように調節することができる。共振回路は、信号によって励起された時に、共振挙動を示すように調節することができ、信号は共振回路を励起するために選択されている。制御装置は、定格制御電力と連動して第1の導電性要素に追加の電力を印加するように構成することができる。加湿システムは、AC電源も含むことができる。加湿システムは、DC電源も含むことができる。信号は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の温度を示すことができる。信号は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の温度の変化を示すことができる。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の媒体の熱伝導率を示すことができ、又は信号は、第1の導電性要素若しくは第2の導電性要素に近接した媒体の熱伝導率を示すことができる。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の媒体の熱伝導率の変化を示すことができ、又は信号は、第1の導電性要素若しくは第2の導電性要素に近接した媒体の熱伝導率の変化を示すことができる。第1の導電性要素又は第2の導電性要素の温度の変化は、実質的に直線であることが可能である。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の温度差を示すことができる。第2の導電性要素は信号を測定することができる。信号は、第2の導電性要素の抵抗に対応することができ、第2の導電性要素の抵抗は、第2の導電性要素の温度によって異なる。第1の導電性要素又は第2の導電性要素は、サーミスタを更に含むことができる。第1の導電性要素又は第2の導電性要素は、ダイオードを更に含むことができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続することができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続され、サーミスタと実質的に隣接して位置付けることができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、互いに隣接することができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、互いに隣接しないことが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管のビーズ内にあることが可能である。第1の導電性要素は、信号を測定することができる。信号は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の抵抗を示すことができる。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の媒体の抵抗を示すことができる。第1の導電性要素又は第2の導電性要素は、互いから電気切断される少なくとも2つの部分を含むことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、第1の導電性要素の長さの一部に対して、及び第2の導電性要素の長さの一部に対して他の導電性要素から電気的に絶縁することができる。少なくとも2つの部分は、導管の内腔の中に突出することができる。少なくとも2つの部分は、導管の内壁と同一平面であることが可能である。少なくとも2つの部分は、チューブ壁内に配置することができ、導管の内腔と空圧結合される。互いに電気切断することができる少なくとも2つの部分は、互いに直列に接続することができる。互いに電気切断することができる少なくとも2つの部分は、互いに並列に接続することができる。制御装置は、信号の大きさ及び/又は位相の少なくとも一部に基づいて、導管内の水分を示す値を決定することができる。加湿システムは、信号発生器も含むことができる。信号は、30Hz~300GHzの周波数を有することができる。信号は、1MHz~100MHzの周波数を有することができる。信号は、約10MHzの周波数を有することができる。第1の導電性要素及び/又は第2の導電性要素は、信号の波長の4分の1であることが可能である。信号の波長は、第1の導電性要素及び/又は第2の導電性要素の長さより4倍長いことが可能である。信号発生器は、信号を第1の導電性要素の中に注入することができる。第1の導電性要素は、送信機であるように構成することができる。第2の導電性要素は、第1の導電性要素によって送信された信号を受信する受信機であるように構成することができる。信号の大きさ及び/又は位相は、無線周波数変換器によって測定することができる。無線周波数変換器は、AM受信機、RFサンプリングADC、又はRF整流器であることが可能である。加湿システムは、信号をフィルタリングするフィルタも含むことができる。フィルタは、ハイパス又はバンドパスフィルタを含むことができる。フィルタは、主電源周波数をフィルタで除去するように構成することができる。フィルタは、50~60Hzの周波数をフィルタで除去するように構成することができる。送信機は、ループアンテナを含むことができる。受信機は、ループアンテナを含むことができる。受信機は、モノポールアンテナを含むことができる。送信機は、モノポールアンテナを含むことができる。第1の導電性要素は、第1のスイッチに電気接続することができる。第2の導電性要素は、第2のスイッチに電気接続することができる。第1のスイッチは、第1の導電性要素の一端を電気切断するように構成することができる。第2のスイッチは、第2の導電性要素の一端を電気切断するように構成することができる。第1のスイッチ及び/又は第2のスイッチは、以下のいずれか1つ、すなわち、ヒータベース、センサカートリッジ、導管、外部構成要素、又は中間コネクタに置くことができる。
【0009】
制御装置は、水分を示す値が第1の閾値より低い場合に、警報を出力するように構成することができる。制御装置は、凝縮水を示す値が第2の閾値を超える場合に、警報を出力するように構成することができる。警報は、受容できないレベルの水分を示す。制御装置は、導管内の水分及び/又は湿度を示す値に応答して、呼吸又は吸入ガスの加湿を自動的に低減するように構成することができる。患者に送達された湿度の低減は、ヒータプレート電力の低減によって達成することができる。導管は複合導管であることが可能である。導管は、水蒸気及び/又は液体透過性ビーズを含むことができる。透過性ビーズは、周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制する。透過性ビーズは、超親水特性を有する活性化パーフルオロポリマー材料、親水性熱可塑性樹脂、通気性熱可塑性コポリエステル、通気性特性を示す織目加工布、又は親水性ポリエステル・ブロック・コポリマの1つ又は複数であることが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管の少なくとも長さの周りに螺旋状に巻くことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管内に、導管を通って、又は導管の周りに螺旋状に巻くことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管壁の一部を形成することができる。第1の導電性要素は、感知ワイヤであることが可能である。第1の導電性要素は、ヒータワイヤであることが可能である。第2の導電性要素は、感知ワイヤであることが可能である。第2の導電性要素は、ヒータワイヤであることが可能である。
【0010】
本開示は、呼吸又は手術ガスを搬送するために使用されるガス供給システムの導管内の水分の表示を検出する方法を提供し、方法は、導管の特性の少なくとも一部に基づいて、水分の存在及び/又はレベルを決定することを含む。水分の存在又はレベルの決定は、導管の誘電特性から推定することができる。特性の決定は、導管内の第1の導電性要素に信号を印加することを含むことができる。特性の決定は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量を測定することを含むことができる。特性の決定は、印加された信号に基づいて、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量を測定することを含むことができる。特性の決定は、第1の導電性要素を含む回路の時定数又は共振周波数の表示を測定することを含む。特性の決定は、インダクタンスを示す値を処理することを含むことができる。特性の決定は、第1の導電性要素の抵抗の表示を測定することを更に含むことができる。特性の決定は、温度の表示を測定することを更に含むことができる。特性の決定は、熱伝導率の表示を測定することを更に含むことができる。特性の決定は、信号の大きさ及び/又は位相を測定することを更に含むことができる。導管は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管であることが可能である。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0011】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、誘電体によって分離され、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた2つの導電性要素を提供すること、及び水分の測定値若しくは導管内の凝縮水を示すために静電容量又は静電容量の変化を測定することを含む。
【0012】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた2つの導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定値を示すために抵抗又は抵抗の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0013】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた2つの導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定値を示すために、時定数、共振周波数、時定数の変化、又は共振周波数の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0014】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた2つの導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定値を示すために、抵抗又は抵抗の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0015】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた2つの導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定値を示すために、温度又は温度の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0016】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた2つの導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定値を示すために、熱伝導率又は熱伝導率の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0017】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた2つの導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定値を示すために、信号の大きさ及び/若しくは位相、又は信号の大きさ及び/若しくは位相の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0018】
本開示は、外部付属品を提供する。外部付属品の例は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジである。本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する第1の導電性要素及び第2の導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッド及び第2の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1の導電性要素及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な吸気導管の第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。
【0019】
本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する第1の導電性要素及び第2の導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッド及び第2の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1の導電性要素及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な吸気導管の第1の導電性要素及び第2の導電性要素を含む、回路の時定数又は共振周波数を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。
【0020】
本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する第1の導電性要素及び第2の導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッド及び第2の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1の導電性要素及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な吸気導管の第1の導電性要素又は第2の導電性要素の抵抗を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。
【0021】
本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する第1の導電性要素及び第2の導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッド及び第2の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1の導電性要素及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な吸気導管の第1の導電性要素又は第2の導電性要素の温度を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。
【0022】
本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する第1の導電性要素及び第2の導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッド及び第2の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1の導電性要素及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な吸気導管の第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の媒体の熱伝導率を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する第1の導電性要素及び第2の導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッド及び第2の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1の導電性要素及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な吸気導管の第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の信号の大きさ及び/若しくは位相、又は信号の大きさ及び/若しくは位相の変化を使用時に測定するように構成することができる。
【0023】
本開示は、ガス供給システム内で使用可能な加湿器を提供し、加湿器は、ガス供給器を加湿するように構成された加湿チャンバと、第1の導電性要素及び第2の導電性要素を含む吸気導管と連結するように構成された吸気導管コネクタと、信号の少なくとも一部に基づいて導管内の水分を示す値を決定するために、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数を使用して信号を監視するように構成された制御装置とを含む。制御装置は、信号を監視するように更に構成することができる。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量を示すことができる。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量の変化を示すことができる。信号は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の時定数又は共振周波数を示すことができる。信号は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の温度を示すことができる。信号は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の温度の変化を示すことができる。信号は、第1の導電性要素若しくは第2の導電性要素の間の媒体の熱伝導率を示すことができ、又は信号又は信号は、第1の導電性要素若しくは第2の導電性要素に近接した媒体の熱伝導率を示す。信号は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の間の媒体の熱伝導率の変化を示すことができ、又は信号又は信号は、第1の導電性要素若しくは第2の導電性要素に近接した媒体の熱伝導率の変化を示す。信号は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の温度差を示すことができる。水分を示す値は、信号の大きさ及び/若しくは位相、又は信号の大きさ及び/若しくは位相の変化であることが可能である。制御装置は、信号発生器を含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェア・プロセッサを含むことができる。加湿器は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を更に含むことができる。
【0024】
本開示は、呼吸又は手術ガス供給システムと共に使用される導管を提供し、導管は、第1の導電性要素と、容量効果が水分の存在を変えるように、容量効果が第1の導電性要素と第2の導電性要素との間に存在することができるように構成された距離だけ、第1の導電性要素から離間された第2の導電性要素と、第2の導電性要素から第1の導電性要素を分離する材料とを含む。導電性要素の少なくとも1つは、ヒータワイヤ又はセンサワイヤの1つ又は複数であることが可能である。導管は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量又は静電容量の変化を決定することにより、導管内の水分の存在及び/又は表示を決定するように構成された制御装置を更に含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のマイクロプロセッサであることが可能である。制御装置は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間に存在する容量性リアクタンス及び/又はインダクタンスを測定することにより、導管内の水分の存在又は表示を決定するために、第1の導電性要素及び第2の導電性要素を使用することができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、静電容量を測定できるように十分に近いが、水分の存在に起因して静電容量の変化を測定できるように十分に離れて置くことができる。
【0025】
本開示は、呼吸又は手術ガス供給システムと共に使用される導管を提供し、導管は、第1の導電性要素と、第2の導電性要素とを含み、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数は、導管内の水分の存在若しくは量を示す時定数又は共振周波数の測定値を提供するように構成される。導管は共振回路を更に含むことができ、誘導要素は、容量要素と並列に電気接続される。第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数は、共振回路と並列に電気接続するように構成することができ、誘導要素は、容量要素と並列に電気接続される。共振回路は、導管の外部にあることが可能である。共振回路は、信号によって励起された時に共振挙動を示すために調節することができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数は、信号発生器と並列に電気接続するように構成することができる。導管は、時定数、共振周波数、時定数の変化、又は共振周波数の変化を決定することにより、導管内の水分の存在及び/又は表示を決定するように構成された制御装置を含むことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数は、制御装置と並列に電気接続するように構成することができる。制御装置は、信号発生器を含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のマイクロプロセッサであることが可能である。
【0026】
本開示は、呼吸又は手術ガス供給システムと共に使用される導管を提供し、導管は、第1の導電性要素と、第2の導電性要素とを含み、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数は、導管内の水分の存在又は量を示す抵抗特性の測定値を提供するように構成される。第1の導電性要素又は第2の導電性要素は、互いから電気切断される少なくとも2つの部分を含むことができる。少なくとも2つの部分は、導管の内腔の中に突出することができる。少なくとも2つの部分は、導管の内壁と同一平面であることが可能である。少なくとも2つの部分は、チューブ壁内に配置することができ、導管の内腔と空圧結合することができる。互いに電気切断することができる少なくとも2つの部分は、互いに直列することが可能である。互いに電気切断することができる少なくとも2つの部分は、互いに並列することが可能である。導管は、抵抗又は抵抗の変化を決定することにより、導管内の水分の存在及び/又は表示を決定するように構成された制御装置を更に含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のマイクロプロセッサであることが可能である。
【0027】
本開示は、呼吸又は手術ガス供給システムと共に使用される導管を提供し、導管は、第1の導電性要素と、第2の導電性要素とを含み、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数は、導管内の水分の存在又は量を示す温度又は熱伝導特性の測定値を提供するように構成される。第1の導電性要素又は第2の導電性要素は、サーミスタを更に含むことができる。第1の導電性要素又は第2の導電性要素は、ダイオードを更に含むことができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続することができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続し、サーミスタと実質的に隣接して位置付けることができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、互いに隣接することができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、互いに隣接しないことが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管のビーズ内にあることが可能である。導管は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素の温度、熱伝導率、温度の変化、又は熱伝導率の変化を決定することにより、導管内の水分の存在及び/又は水分の表示を決定するように構成された制御装置を更に含むことができる。制御装置は、定格制御電力と連動して第1の導電性要素に追加の電力を印加するように構成することができる。制御装置は、1つ又は複数のマイクロプロセッサであることが可能である。
【0028】
本開示は、呼吸又は手術ガス供給システムと共に使用される導管を提供し、導管は、第1の導電性要素と、第2の導電性要素とを含み、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の1つ又は複数は、導管内の水分の存在又は量を示す信号の大きさ及び/若しくは位相、又は信号の大きさ及び/若しくは位相の変化を測定するように構成される。第1の導電性要素は、送信機であるように構成することができる。第2の導電性要素は、第1の導電性要素によって送信された信号を受信するための受信機であるように構成することができる。送信機は、ループアンテナを含むことができる。受信機は、ループアンテナを含むことができる。送信機は、モノポールアンテナを含むことができる。受信機は、モノポールアンテナを含むことができる。第1の導電性要素は、第1のスイッチに電気接続することができる。第2の導電性要素は、第2のスイッチに電気接続することができる。第1のスイッチは、第1の導電性要素の一端を電気切断するように構成することができ、第2のスイッチは、第2の導電性要素の一端を電気切断するように構成することができる。導管は、第1の導電性要素又は第2の導電性要素内の信号の大きさ及び/若しくは位相、又は信号の大きさ及び/若しくは位相の変化を決定することにより、導管内の水分の存在及び/又は表示を決定するように構成された制御装置を更に含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のマイクロプロセッサであることが可能である。
【0029】
材料は、流体透過性材料であることが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、細長いフィラメントであることが可能である。細長いフィラメントは、電気的に絶縁するジャケットによって包囲されることが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管の長さの少なくとも一部の周りに螺旋状に巻くことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管の一端から導管の他端に延在する。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管の一端から導管の他端の長さの少なくとも一部に延在する。導管は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の静電容量又は静電容量の変化を決定することにより、導管内の水分の存在及び/若しくは表示を決定するように構成された制御装置を含み、並びに/又は制御装置と通信することができる。導管は複合導管であることが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管の壁の一部を形成する。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、複合導管内に配列されたビーズの一部を形成することができる。別法として、第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、第1の導電性要素及び第2の導電性要素が導管内で自由に動くことができるように、導管内に配列することができる。材料は、水蒸気及び/又は液体透過性材料であることが可能である。材料は、周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制する。材料は、超親水特性を有する活性化パーフルオロポリマー材料、親水性熱可塑性樹脂、通気性熱可塑性コポリエステル、通気性特性を示す織目加工布、又は親水性ポリエステル・ブロック・コポリマの1つ又は複数であることが可能である。導管は、水分を動かすために毛細管現象を使用するように構成された微細構造を更に含むことができる。水蒸気及び/又は液体透過性材料は、誘電材料であることが可能である。導管は、第1の導電性要素及び/又は第2の導電性要素の一部を横切って水分を吸い上げるように構成された微細構造を含むことができる。導管は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の毛細管現象により水分を搬送するように構成された開口を更に含むことができる。導管は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の水分を搬送するように構成された吸い上げ材料を含むことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、リボンワイヤであることが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、透過性、非透過性、又は一部が透過性、及び非透過性ビーズ内に含まれることが可能である。第1の導電性要素及び第2の導電性要素及びビーズは、押し出されることが可能である。導管は、導電性メッシュを更に含むことができる。第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の間隔は、導管内に存在する水分の存在及び/又は量に依存して変化することができる。材料は、第1の導電性要素及び第2の導電性要素を水分の存在に基づいて接触又は分離させることができる。材料は、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の水分を許容し、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の容量効果に影響を与えるように構成された、開口、鍵穴、窪み、チャネル及び/又は間隙を含むことができる。第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、導管の接触に鋭敏に反応することができる。材料は、水分の存在を拡大又は収縮するアコーディオン形状を含むことができ、それによって第1の導電性要素及び第2の導電性要素が共に更に遠ざかり、又は近づくように動く。材料は、第1の導電性要素及び第2の導電性要素を水分の存在に基づいて接触又は分離させることができる。
【0030】
本開示は、ガス供給システムで使用可能な加湿システムを提供し、加湿システムは、加湿器と、導電性要素を含む導管と、信号の少なくとも一部に基づいて導管内の水分を示す値を決定するために、導電性要素を使用して信号を監視するように構成された制御装置とを含む。信号は、導電性要素の時定数又は共振周波数を示すことができる。信号は、導電性要素の時定数の変化又は共振周波数の変化を示すことができる。値は、導管のインダクタンスに対応する導管内の水分を示すことができる。導管内の水分を示す値は、導管のインダクタンスの変化に対応することができる。加湿システムは、共振回路を更に含むことができ、誘導要素は、容量要素と並列に電気接続される。共振回路は、導電性要素と並列に電気接続することができる。加湿システムは、信号発生器を更に含むことができる。制御装置は、信号発生器を含むことができる。制御装置は、ハードウェア及び/又はソフトウェア・プロセッサの1つ又は複数を含むことができる。共振回路は、信号によって十分に励起された時に共振挙動を示すために調節することができる。共振回路は、信号によって励起された時に共振挙動を示すために調節することができ、信号は、共振回路を励起するように選択されている。制御装置は、定格制御電力と連動して導電性要素に追加の電力を印加するように構成することができる。加湿システムは、AC電源を更に含むことができる。加湿システムは、DC電源を更に含むことができる。信号は、導電性要素の温度を示すことができる。信号は、導電性要素の温度の変化を示すことができる。信号は、導電性要素に近接した媒体の熱伝導率を示すことができる。信号は、導電性要素に近接した媒体の熱伝導率の変化を示すことができる。導電性要素の温度の変化は、実質的に直線であることが可能である。導電性要素は、サーミスタを更に含むことができる。導電性要素は、ダイオードを更に含むことができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続することができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続され、サーミスタと実質的に隣接して位置付けることができる。導電性要素は、導管のビーズ内にあることが可能である。導電性要素は、信号を測定することができる。制御装置は、水分を示す値が第1の閾値より低い場合に、警報を出力するように構成することができる。制御装置は、水分を示す値が第2の閾値を超える場合に、警報を出力するように構成することができる。警報は、受容できないレベルの水分を示す。警報は、受容できないレベルの水分を示す。制御装置は、導管内の水分及び/又は湿度を示す値に応答して、呼吸又は注入ガスの加湿を自動的に低減するように構成することができる。導管に送達された湿度の低減は、ヒータプレート電力の低減によって達成することができる。導管は、複合導管であることが可能である。導管は、水蒸気及び/又は液体透過性ビーズを含むことができる。透過性ビーズは、周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制する。透過性ビーズは、超親水特性を有する活性化パーフルオロポリマー材料、親水性熱可塑性樹脂、通気性熱可塑性コポリエステル、通気性特性を示す織目加工布、又は親水性ポリエステル・ブロック・コポリマの1つ又は複数であることが可能である。導電性要素は、導管の少なくとも長さの周りに螺旋状に巻くことができる。導電性要素は、導管内に、導管を通って、又は導管の周りに螺旋状に巻くことができる。導電性要素は、導管壁の一部を形成することができる。導電性要素は、感知ワイヤであることが可能である。導電性要素はヒータワイヤであることが可能である。
【0031】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定を示すために、時定数、共振周波数、時定数の変化、又は共振周波数の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0032】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定を示すために、温度又は温度の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0033】
本開示は、加湿ガスを搬送するために利用された導管内の水分を検出する方法を提供し、方法は、導管内、導管の周り又は導管上に置かれた導電性要素を提供すること、及び導管内の水分若しくは凝縮水の測定を示すために、熱伝導率又は熱伝導率の変化を測定することを含む。方法は、本明細書に開示されたあらゆる導管実装形態の導管を使用する。方法は、本明細書に開示されたあらゆる加湿システムの加湿システムを使用する。
【0034】
本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な呼吸導管の導電性要素を含む回路の時定数又は共振周波数を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。
【0035】
本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な呼吸導管の導電性要素の温度を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。
【0036】
本開示は、呼吸又は手術加湿システム内の加湿器と共に使用するためのカートリッジを提供し、カートリッジは、加湿器の取り外し可能な加湿チャンバ内のガス流の特性を感知するための1つ又は複数のセンサと、加湿器の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第1の電気コネクタと、カートリッジと取り外し可能に係合可能な吸気導管の対応する電気コネクタと電気接続させるように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタは、吸気導管の長さの少なくとも一部に沿って延在する導電性要素と電気接続させるように構成された、少なくとも第1の電気端子又はパッドを含むことができる、第2の電気コネクタと、1つ又は複数のセンサ並びに第1及び第2の電気コネクタと通信接続された制御装置とを含む。カートリッジは、加湿器に取り外し可能に取り付けることができ、制御装置は、取り外し可能な呼吸導管の導電性要素に近接した媒体の熱伝導率を示す信号を使用時に測定するように構成することができる。
【0037】
本開示は、ガス供給システム内で使用可能な加湿器を提供し、加湿器は、ガス供給器を加湿するように構成された加湿チャンバと、導電性要素を含む吸気導管と連結するように構成された吸気導管コネクタと、信号の少なくとも一部に基づいて導管内の水分を示す値を決定するために、導電性要素を使用して信号を監視するように構成された制御装置とを含む。信号は、導電性要素の時定数又は共振周波数を示すことができる。信号は、導電性要素の温度を示すことができる。信号は、導電性要素に近接した媒体の熱伝導率を示すことができる。制御装置は、信号発生器を含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェア・プロセッサを含むことができる。加湿器は、本明細書に開示されたあらゆる導管の実装形態の導管を更に含むことができる。
【0038】
本開示は、呼吸又は手術ガス供給システムと共に使用される導管を提供し、導管は、導電性要素を含み、導電性要素は、導管内の水分の存在又は量を示す時定数又は共振周波数の測定値を提供するように構成される。導管は、共振回路を更に含むことができ、誘電要素は、静電要素と並列に電気接続される。共振回路は、導管の外部にあることが可能である。共振回路は、信号によって十分に励起された時に共振挙動を示すために調節することができる。共振回路は、信号によって励起された時に共振挙動を示すために調節することができ、信号は、共振回路を励起するために選択されている。導電性要素は、信号発生器と並列に電気接続するように構成することができる。導管は、時定数、共振周波数、時定数の変化、又は共振周波数の変化を決定することにより、導管内の水分の存在及び/又は表示を決定するように構成された制御装置を更に含むことができる。導電性は、制御装置と並列に電気接続するように構成することができる。制御装置は、信号発生器を含むことができる。制御装置は、1つ又は複数のマイクロプロセッサを含むことができる。
【0039】
本開示は、呼吸又は手術ガス供給システムと共に使用される導管を提供し、導管は、導電性要素を含み、導電性要素は、導管内の水分の存在又は量を適切に示す温度又は熱伝導率の測定値を提供するように構成される。導電性要素は、サーミスタを更に含むことができる。導電性要素は、ダイオードを更に含むことができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続することができる。ダイオードは、サーミスタと並列に電気接続され、サーミスタと実質的に隣接して位置付けることができる。導電性要素は、導管のビーズ内にあることが可能である。導管は、導電性要素の温度及び/若しくは温度の変化を決定することにより、並びに/又は導電性要素に近接した媒体の熱伝導率及び/若しくは導電性要素に近接した媒体の熱伝導率の変化を決定することにより、導管内の水分の存在並びに/或いは表示を決定するように構成された制御装置を更に含むことができる。制御装置は、定格制御電力と連動して導電性要素に追加の電力を印加するように構成することができる。制御装置は、1つ又は複数のマイクロプロセッサであることが可能である。
【0040】
本開示は、2つの導電性要素を備えたあらゆる公知の導管に適用することができる。材料は、流体透過性材料であることが可能である。導電性要素は、細長いフィラメントであることが可能である。細長いフィラメントは、電気的に絶縁するジャケットによって包囲されることが可能である。導電性要素は、導管の長さの少なくとも一部の周りに螺旋状に巻くことができる。導電性要素は、導管の一端から導管の他端に延在する。導電性要素は、導管の一端から導管の他端の長さの一部のみに延在する。導管は、複合導管であることが可能である。導電性要素は、導管の壁の一部を形成することができる。導電性要素は、複合導管内に配列されたビーズの一部を形成することができる。別法として、第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、第1の導電性要素及び第2の導電性要素が導管内で自由に動くことができるように、導管内に配列することができる。材料は、水蒸気及び/又は液体透過性材料であることが可能である。材料は、周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制する。材料は、超親水特性を有する活性化パーフルオロポリマー材料、親水性熱可塑性樹脂、通気性熱可塑性コポリエステル、通気性特性を示す織目加工布、又は親水性ポリエステル・ブロック・コポリマの1つ又は複数であることが可能である。導管は、水分を動かすために毛細管現象を使用するように構成された微細構造を更に含むことができる。水蒸気及び/又は液体透過性材料は、誘電材料であることが可能である。導管は、導電性要素の一部を横切って水分を吸い上げるように構成された微細構造を含むことができる。導管は、毛細管現象により水分を搬送するように構成された開口を更に含むことができる。導管は、水分を搬送するように構成された吸い上げ材料を更に含むことができる。導電性要素は、リボンワイヤであることが可能である。導電性要素は、透過性、非透過性、又は一部が透過性、及び非透過性ビーズ内に含まれることが可能である。導電性要素及びビーズは、共に押し出されることが可能である。導管は、導電性メッシュを更に含むことができる。導電性要素は、導管の接触に鋭敏に反応することができる。
【0041】
主に呼吸支援装置及び手術吸入器に関して論じたが、本出願によって提供された水分検出の開示は、水分の存在又は程度を検出することが望ましい、導管若しくは加湿ガス搬送システムの他の医療又は非医療の使用にも適用することができることを理解されたい。
【0042】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、特定の実装形態の図を参照して記載されており、これらは特定の実装形態を概略的に例示しており、本開示を限定しないことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1A】例示的呼吸加湿システムを概略的に例示する。
図1B】例示的加湿器を例示する。
図1C】例示的ヒータベース及びカートリッジを例示する。
図1D】電空コネクタが図1Bの加湿器から切断された、例示的加湿器を例示する。
図1E】例示的ヒータベース及び加湿チャンバを例示する。
図1F】例示的カートリッジを例示する。
図1G図1Bの加湿器の電空コネクタを例示する。
図2】例示的手術加湿システムを概略的に例示する。
図3A】例示的複合導管の一部の側面平面図を示す。
図3B図3Aの例示的複合導管に類似した、チューブの上部の長手方向断面を示す。
図3C】複合導管内の第1の細長い部材を例示する、別の長手方向断面を示す。
図4A】複合導管の非透過性ビーズと相互作用する凝縮水を例示する。
図4B】複合導管の透過性ビーズと相互作用する凝縮水を例示する。
図5A】凝縮水を検出するために静電容量を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図5B】凝縮水を検出するために静電容量を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図6】凝縮水を検出するためにインダクタンスから抽出した時定数又は共振周波数を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図7】凝縮水を検出するために抵抗を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図8】凝縮水を検出するために抵抗及び短絡を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図9A】凝縮水を検出するために信号減衰を使用して、例示的凝縮水検出システムを概略的に例示する。
図9B】信号減衰を使用して水分を検出するように構成された、導管壁構造を例示する。
図10A】凝縮水を検出するために信号減衰を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図10B】モノポールで凝縮水を検出するために信号減衰を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図11A】ビーズ内でワイヤから放出する熱を例示する。
図11B】凝縮水を検出するために温度又は熱伝導率を使用して、凝縮水検出システムの例示的にモデル化された回路システムを例示する。
図12】凝縮水検出システム内の抵抗器電圧に対する時定数の表を例示する。
図13A】凝縮水検出モードの流れ図を例示する。
図13B】凝縮水測定モードの流れ図を例示する。
図13C】共振周波数を使用して凝縮水測定モードの流れ図を例示する。
図13D】信号減衰を使用して凝縮水測定モードの流れ図を例示する。
図13E】熱伝導率を使用して凝縮水測定モードの流れ図を例示する。
図14】水分を検出するように構成された、例示的ビーズの様々な導管壁構造を例示する。
図15】開口を備えたビーズの例示的構成を例示する。
図16】開口を備えたビーズの第2の例示的構成を例示する。
図17A】チューブ壁の一部の例示的構成の断面を例示する。
図17B】チューブ壁の一部の第2の例示的構成の断面を例示する。
図18】平行な要素を備えたチューブ壁の一部を例示する。
図19】要素が枢動することができるチューブ壁の一部を例示する。
図20】導管壁の透過性壁部の例を例示する。
図21】導管壁の透過性壁部の第2の例を例示する。
図22】要素が外部導管壁の表面に平行な同じ平面にある、例示的導管構成を例示する。
図23】要素が長手方向に内腔に平行に提供され、チューブの周囲に等距離に離間される、例示的導管の断面を例示する。
図24】追加の導管要素が導管壁の外側の周りに巻かれる、例示的導管の断面を例示する。
図25】2つのメッシュの個々の撚糸が絶縁されて多重にされることが可能な、例示的導管の断面を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
特定の実装形態及び例が以下に記載されているが、本開示は、具体的に開示された実装形態及び/又は使用、並びにそれらの明らかな修正及び等価物を越えて広がることが当業者には理解されよう。こうして開示された本明細書における本開示の範囲は、以下に記載されるいかなる特定の実装形態によっても制限されるべきではないことが意図される。例えば本開示に提供された寸法は例であり、限定するものではない。同様に主に呼吸又は手術加湿システムに関して記載されているが、本開示は、水分を測定することが望ましい、あらゆるチューブ配置に適用可能である。以下の例は、存在、任意に具体的には凝縮水(例えば凝縮された水若しくは他の加湿液)の量及び/又は場所の検出について記載するが、開示された方法及び装置は、別法として又は追加として、ガスの湿度及び/又は導管システム内の他の水分若しくは流体の存在を検出するために適用されてもよい。
【0045】
例示的ガス供給システム
図1は、1つ又は複数の導管103、117を含む導管システム、患者インタフェース115、及びYピース135を含む、例示的呼吸支援装置を概略的に例示する。呼吸支援装置は、換気装置、持続的に変化する若しくは2層式気道陽圧(PAP)システム、又は例えばハイフロー療法などの他の形の呼吸療法であってもよい。
【0046】
ガスは、以下のように、図1の呼吸回路内で搬送されてもよい。乾性又は相対乾性ガスは、ガス源105からドライラインチューブ157を通って、乾性ガスを加湿する加湿器107に通過する。ガス源105は、例えば換気装置又は送風機であってもよい。加湿器107は、ポート111を介して吸気チューブ103などの導管の端部109に連結する。吸気チューブ103は、患者インタフェース115を通して、任意にYピース113を使用して患者101に連結される。呼気チューブ117などの任意の呼気導管も、Yピース113を通して患者インタフェース115に連結される。呼気チューブは、患者101から吐き出されたガスを遠ざけるように構成されてもよい。図1に例示されたように、呼気チューブ117は、患者101から吐き出されたガスをガス源105に戻す。別法として、吸気チューブ103は、Yピース113なしに患者インタフェース115に直接連結する。このような実装形態では、吐き出されたガスは、周囲環境に直接流すことができる。
【0047】
吸気チューブ103は、ヒータ、センサ及び/又は水分検出要素145などの導電性要素を含むことができる。同様に、呼気チューブ117は、ヒータ、センサ及び/又は水分検出要素147を含むことができる。更にYピース113及び患者インタフェース115も、ヒータ、センサ及び/又は水分検出要素を含むことができる。以下に更に詳細に説明されるように、ヒータ、センサ及び/又は水分検出要素145、147は、ワイヤ又はフィラメントであることが可能である。
【0048】
図1の例示的呼吸支援装置に示されたように、乾性又は相対乾性ガスは、通気口119を通ってガス源105に入る。ファン121は、通気口119を通って空気又は他のガスを引き寄せることにより、ガス源105の中に入るガス流を増進することがある。ファン121は、例えば電子制御装置123がファンの速度を制御する、可変速度ファンであってもよい。また電子制御装置123は、一部の実装形態では、第2の電子制御装置125によって制御されてもよく、逆も同様である。
【0049】
加湿器107は、大量の水130又は他の適切な加湿液を含有する加湿チャンバ129を含むことができる。加湿チャンバ129は、加湿器107から取り外すことができる。加湿チャンバ129は、加湿器107上のヒータプレート131と接触又は関連した高温の熱伝導性ベース(例えばアルミニウムベース)を含んでもよい。
【0050】
加湿器107は、電子制御部も含んでもよい。図1では、例えば加湿器107は、電子、アナログ、又はデジタル制御装置125を含む。制御装置125は、関連するメモリに記憶されたコンピュータソフトウェアコマンドを実行するマイクロプロセッサベースの制御装置であってもよい。ユーザインタフェース133及び/又は集積センサを介して提供された湿度、温度又は他のフィードバック値に応答して、制御装置125は、患者(本明細書ではユーザとも呼ばれる)に加湿ガスを提供するために使用された熱、流れ、圧力及び/又は他の変数を決定する。ユーザインタフェース133は、1つ又は複数のハードウェアボタン及び/又はディスプレイ若しくはタッチスクリーンディスプレイであることが可能である。ディスプレイは、ユーザに音響及び/又は視覚フィードバックを提供することができる。凝縮水が検出された時に、あらゆる数の警報、警告、フィードバック、指針又は命令が、凝縮水状態に対する存在、程度又は治療を示すためにユーザに提供することができる。例えばユーザインタフェースは、凝縮水が検出された時に警報を提供することができる。ユーザインタフェースは、凝縮水の視覚表示を提供することができる。ユーザインタフェースは、凝縮水を適切に排出する方法をユーザに命令するために動画も提供することができる。
【0051】
あらゆる適切な患者インタフェースが使用されてもよい。患者インタフェースは、広義語であり、当業者に対してその通常及び慣用的意味を与えるべきであり(すなわち特定又はカスタマイズされた意味に限定するべきではない)、限定することなく、マスク(気管マスク、フェイスマスク、及び鼻マスクなど)、気管内チューブ、気管切開チューブ、カニューレ、及び鼻枕を含む。温度プローブ135は、Yピース113付近で吸気チューブ103に、又は直接Yピース113若しくは患者インタフェース115に組み込まれ、或いは連結されてもよい。温度プローブ135は、患者インタフェース115付近又は患者インタフェース115でガス流の温度を監視する。(要素145などの)加熱ワイヤは、ガス流の温度を飽和温度より高く維持するために、患者インタフェース115、Yピース113、及び/若しくは吸気チューブ103の温度を調節し、それによって望ましくない凝縮の機会を低減し、並びに/又は患者療法に対する最適温度(例えば吸気チューブの患者端で40℃及び/若しくは非侵襲的療法の患者では37℃)でガスを送達するために使用されてもよい。図1に示されたように、吐き出されたガスは、任意に患者インタフェース115から呼気チューブ117を介してガス源105に戻される。
【0052】
図1のシステムは、これに限定されないが、腹腔鏡、及び同種のものを含む、ユーザ又は患者に加熱及び/又は加湿ガス流の供給に関与する、他の適用に容易に適合し得る。このような適用は、代替ガス、作動パラメータ(例えば流れ、圧力、温度、又は湿度)及び患者インタフェースを使用してもよい。更に別個の換気装置及び加湿システムに関して示されているが、本開示は、一体型換気装置/送風機及び加湿システムと共に使用することもできることを理解されたい。
【0053】
図1のシステムは、ポート149を通してユーザに酸素(O2)又はO2濃度も提供することができる。図1のシステムは、遠隔源から、及び/又は大気を遠隔源から流入するO2と混合することによりO2を受領することができる。大気と流入するO2の混合は、ガス源105若しくは加湿器107内に置かれたベンチュリ又は類似の入口を介して行うことができる。
【0054】
図1Bは、例示的呼吸加湿器をより詳細に例示する。以下に記載された差は別として、加湿器は、その他は図1Aに例示されたシステムの加湿器107に類似している。
【0055】
例示された加湿器は、ヒータプレート、ユーザインタフェース及び制御装置を備えたヒータベース151と、取り外し可能で交換可能な加湿チャンバ153と、取り外し可能で交換可能なカートリッジ155とを含む。加湿チャンバ153は、ヒータベース151によりヒータプレート152と熱接触して受領される。
【0056】
カートリッジ155は、電子機器、及び使用時に加湿チャンバを通って流れるガスの1つ若しくは複数の特性を感知する1つ又は複数のセンサを収容する。センサは、使用時にカートリッジから加湿チャンバの入口又は出口内の孔を通って突出するプローブ上に提供されてもよい。カートリッジは、制御装置と通信(例えばシリアル通信)するためにヒータベースと電気接続させる電気コネクタも含む。カートリッジは、以下に更に詳細に記載されるように、静電容量若しくは吸気チューブの静電容量の変化を決定又は推定するように構成された電子機器の一部或いは全体を更に収容し、これを制御装置に電子コネクタを介して連通してもよい。従ってカートリッジは、好ましくはセンサ及び制御装置と通信可能に接続されたマイクロコントローラを含む。別法として又は追加として、一部又は全体がヒータプレート内に提供された制御装置は、電気接続を介してセンサから受信されたデータから静電容量を決定又は推定するように構成されてもよい。
【0057】
使用時に、ガス源からガス流を受領するドライラインチューブ157の出口は、加湿チャンバ153の入口と空圧接続され、電子空圧コネクタ161を含む吸気チューブ159は、カートリッジと電気接続され、ガスの加湿流を患者に向かって搬送するために加湿チャンバ153の出口と空圧接続される。電子空圧コネクタは、加湿チャンバ及び/又はカートリッジと解除可能で係止可能に接続させ、解除ボタン163を含む。
【0058】
図1Cに更に詳細に示された電子空圧コネクタ161は、感知及び加熱ループのそれぞれを形成する、吸気チューブ内に埋め込まれた1対のセンサワイヤ173及び1対のヒータワイヤ175とそれぞれが結合された電気端子又はパッド171を含む。電子空圧コネクタ161は、電子空圧コネクタ161内に埋め込まれた識別抵抗器又は他の識別要素と電気接続された電気端子又はパッド171も含み、電子空圧コネクタ161は、カートリッジと連結された吸気チューブの型を同定するために加湿器によって使用されてもよい。更に詳細に記載されるように、吸気導管内の水分は、電気的に分離された加熱ループと感知ループとの間の静電容量の測定から検出されてもよい。コネクタは、単独又は1つ若しくは複数のセンサ若しくはヒータワイヤと組み合わせて吸気チューブ内の水分を検出するように構成された、追加のワイヤ又は導体を更に含んでもよい。対応する水分検出端子又はパッド171も含むことができる。別法として、追加のワイヤ又は導体は、識別抵抗器又は他の識別要素の代わりに「識別」端子又はパッドと電気接続されてもよく、任意に各チューブモデルに特有の所定の抵抗(若しくは所定の範囲内の抵抗)、静電容量、又は共振周波数を有してもよい。この配置は、識別及び水分検出の二重機能を提供する。例えば特定の抵抗器を有する水分検出ワイヤは、容量水分検出のために構成されるようにチューブを同定するために加湿器によって使用されてもよく、並びに/又はその特定のチューブモデルで水分検出のためのカートリッジ及び/若しくはヒータベースの較正が可能であり得る。
【0059】
電子空圧コネクタ161の前述した電気端子又はパッド171は、カートリッジ(図1Bの155)上で対応するパッド又は端子と電気接続するように構成される。こうして既存の加湿器ベースは、吸気チューブ内の水分を検出するために必要なあらゆる追加の電子機器、及び/又は電気パッド若しくは端子を含む交換用カートリッジを後付けされてもよい。同様に開示された加湿器は、必要な場合に、代替の吸気導管と互換性がある交換用カートリッジを後付けされてもよい。別法として、電子空圧コネクタ及びカートリッジの電気端子又はパッドは、選択された「コア」端子又はパッドが、2つ以上の異なるカートリッジの対応する端子又はパッドと電気接続する一方で、「任意の」端子又はパッドが、それらの接続を使用するように構成された特定の端子又はパッドのみと電気接続するように配置されてもよい。
【0060】
吸気導管の遠位(患者)端部には、感知ループを形成する対の組み込まれた感知ワイヤに電気接続された温度センサが提供され、加熱ループを形成する加熱ワイヤも互いに電気接続される。追加のワイヤ又は導体は、同様にチューブの遠位端に電気接続されてもよいが、これは少なくとも一部の実装形態に必要ないことがある。
【0061】
カートリッジは、電力を呼気加熱ワイヤに供給するために、呼気導管(図1Aの147)の対応するコネクタに接続するように構成されたコネクタ及び/又はケーブルを更に含んでもよい。一部の実装形態では、カートリッジ及び呼気導管は、別法として又は追加として、必要な電気接続を提供するコネクタ及び/又はケーブルを備えた、呼気チューブ内の水分を検出するように構成されてもよい。
【0062】
図2は、例えば腹腔鏡手術に使用することができる例示的手術吸入デバイスを例示する。腹腔鏡カニューレ207は、例えばルアーロックコネクタ4を介してガス送達導管206に連結することができる。カニューレ207は、患者の腔2内などの手術部位の中にガスを送達するために使用することができる。カニューレ207は、ガス及び/又は1つ若しくは複数の手術器具を手術腔の中に導くために、1つ又は複数の通路を含むことができる。手術器具は、スコープ、電気メスツール、又はあらゆる他の器具であることが可能である。手術器具は、スクリーンを有することができる撮像デバイスに連結することができる。撮像デバイスは、複数の手術ツール及び/又は装置を含むことができる、手術用具の一部であることが可能である。
【0063】
加湿チャンバ205は、任意に又は好ましくは更なる導管204を介してガス供給部9に直列接続することができる。ガス供給部9は、二酸化炭素などの1つ又は複数の吸入ガスを加湿チャンバ205に提供することができる。ガス供給部は、連続したガス流又は断続したガス流を提供することができる。ガスが水の量220を含有できる加湿チャンバ205を通過する際に、ガスは加湿されることが可能である。
【0064】
加湿チャンバ205を組み込む加湿器は、あらゆる型の加湿器であることが可能である。加湿チャンバ205は、金属又は別法により導電性ベースをそれに密封したプラスチックで形成したチャンバを含むことができる。ベースは、使用中にヒータプレート212と接触することができる。チャンバ205内に含有された水の量220は、ヒータプレート212によって加熱することができ、ヒータプレート212は、加湿器の制御装置又は制御手段208の制御を受けることができる。チャンバ205内の水の量220は、蒸発するように加熱することができ、ガスを加熱して加湿するために、チャンバ205を通って流れるガスと水蒸気を混合する。
【0065】
制御装置又は制御手段208は、加湿器ベースユニット221内に収容することができ、加湿器ベースユニット221は、ヒータプレート212も収容することができる。ヒータプレート212は、その中に又はそれと熱接触する電気加熱要素を有することができる。加湿器ベースユニット221及び/又はヒータプレート212は、加湿チャンバ205と取り外し可能に係合することができる。加湿チャンバ205は、別法として又は追加として、一体型ヒータも含むことができる。
【0066】
温度センサも、出口209から加湿チャンバ205を出る加湿ガスの温度を監視するために、出口209に又は出口209付近に置くことができる。追加のセンサも、例えばガスの特性(温度、湿度、流れ、若しくはその他など)を患者の端部又はガス送達導管206に沿ったいずれかの場所で感知するために任意に組み込むことができる。温度センサは、センサワイヤを通してガス送達導管206内で、ガス送達導管206全体を通して、又はガス送達導管206の周りで制御装置208に連結することができる。
【0067】
ガスは、加湿器の出口209を通って出て、ガス送達導管206の中に入ることができる。ガスは、ガス送達導管206を通って、カニューレ207を介して患者の手術腔2の中に動くことができ、それによって腔内の圧力を膨張して維持する。好ましくは、加湿チャンバ205の出口209から出るガスは、約100%の相対湿度を有することができる。ガスは、ガス送達導管206に沿って進む。上に論じた様々な例示的加湿システムの全てと同じように、「レインアウト」が起きる可能性があるので、水蒸気がガス送達導管206の壁上に凝縮する可能性がある。凝縮水は、患者に送達されたガスの含水量を不利益に低減するなどの、望ましくない影響を有する可能性がある。ガス送達導管206内の凝縮の発生を低減及び/又は最小にするために、ヒータワイヤ210は、ガス送達導管206内、ガス送達導管206全体を通して、又はガス送達導管206の周りに提供することができる。ヒータワイヤ210は、加湿器ベースユニット221に、例えばガス送達導管206の電子空圧コネクタによって電子接続することができる。
【0068】
複合チューブ
図3Aは、例示的複合導管又はチューブ301の一部の側面平面図を示す。概して複合チューブ301は、第1の細長い部材303及び第2の細長い部材305を含む。部材は、広義語であり、当業者に対してその通常及び慣用的意味を与えるべきであり、特定又はカスタマイズされた意味に限定するべきではなく、限定せずに、一体部、一体構成要素、及び異なる構成要素を含む。こうして図3Aは2つの異なる構成要素からなる実装形態を例示しているが、他の実装形態では、第1の細長い部材303及び第2の細長い部材305は、単一材料から形成されたチューブ内の領域も表すことができることが認識されよう。こうして第1の細長い部材303は、チューブの中空部を代表することができる一方で、第2の細長い部材305は、中空部に構造的支持を加えるチューブの構造的支持又は強化部を表すことができる。中空部及び構造的支持部は、本明細書に記載されたように、螺旋構成を有することができる。複合チューブ301は、上に記載されたような、あらゆる型のシステムの吸気チューブ及び/若しくは呼気チューブ、上に記載されたような同軸チューブ、又は本開示のいずれかに記載されたようなあらゆる他のチューブを形成するために使用されてもよい。
【0069】
この例では、第1の細長い部材303は、長手方向軸LA-LAを有する細長いチューブ、及び長手方向軸LA-LAに沿って延在する内腔307の少なくとも一部を形成するために螺旋に巻いた中空体を含む。少なくとも1つの実装形態では、第1の細長い部材303は、螺旋管状部材である。好ましくは、第1の細長い部材303は可撓性である。更に第1の細長い部材303は、好ましくは透明、又は少なくとも半透明若しくは半不透明である。ある程度の光透過性により、介護者又はユーザは内腔307の閉塞若しくは汚染物質を点検し、又は凝縮水の存在を確認することができる。医療用プラスチックを含む種々のプラスチックは、第1の細長い部材303の本体に適切である。適切な材料の例には、ポリオレフィンエラストマ、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマ、EPDMポリプロピレン混合物、及び熱可塑性ポリウレタンが含まれる。
【0070】
第1の細長い部材303の中空体構造は、複合チューブ301に対する絶縁特性に寄与する。絶縁チューブ301が望ましいのは、上に説明されたように、熱損失を防ぐからである。これは、チューブ301が加熱加湿器から患者にガスを送達することを可能にする一方で、最小のエネルギー消費で熱損失を及び凝縮水を改善する。
【0071】
第1の細長い部材303の中空部は、任意にガスを充填することができる。ガスは空気であることが可能であり、空気は、その低い熱伝導率(300Kで2.62x10-2W/mK)及び非常に低コストであることのために望ましい。空気より粘性のあるガスも、より高い粘性は対流伝熱を低減するので、好都合に使用され得る。こうしてアルゴン(300Kで17.72x10-3W/mK)、クリプトン(300Kで9.43x10-3W/mK)、及びキセノン(300Kで5.65x10-3W/mK)などのガスは、絶縁性能を高めることができる。これらのガスのそれぞれは、無毒、化学的に不活性、難燃であり、市販されている。第1の細長い部材303の中空部は、チューブの両端を密封することができ、内部のガスは実質的に不活性になる。別法として、中空部は、チューブの患者の端部から制御装置に圧力フィードバックを伝えるための圧力サンプルラインなどの二次空圧接続であることが可能である。第1の細長い部材303は、任意に穿孔することができる。例えば第1の細長い部材303の表面は、内腔307と反対の外方に面する表面を穿孔することができる。第1の細長い部材303の中空部も、任意に液体を充填することができる。液体の例は、水又は高熱量を持つ他の生体適合性液体を含むこともできる。例えばナノ流体を使用することができる。適切な熱量を持つ例示的ナノ流体は、水及びアルミニウムなどの物質のナノ粒子を含む。
【0072】
第2の細長い部材305も、螺旋状に巻かれ、第1の細長い部材303の隣接した捻りの間で第1の細長い部材303に接合される。第2の細長い部材305は、細長いチューブの内腔307の少なくとも一部を形成する。第2の細長い部材305は、第1の細長い部材303に対する構造的支持として作用する。
【0073】
第2の細長い部材305は、任意にベース(内腔307付近)でより広く、頂部でより狭いことが可能である。例えば第2の細長い部材は、概して三角形形状、概してT字形状、又は概してY字形状であることが可能である。しかし対応する第1の細長い部材303の外形に一致するあらゆる形状が適切である。
【0074】
第2の細長い部材305は、チューブの屈曲を促進するために可撓性であることが可能である。第2の細長い部材305は、第1の細長い部材303より可撓性が低いことが可能である。これは、第1の細長い部材303を構造的に支持するために第2の細長い部材305の機能を向上させる。例えば第2の細長い部材305のモジュールは、好ましくは30~50MPa(又は約30~50MPa)である。第1の細長い部材303のモジュールは、第2の細長い部材305のモジュールより少ない。第2の細長い部材305は、中実又はほぼ中実であることが可能である。加えて、第2の細長い部材305は、加熱要素、感知ワイヤ若しくはアンテナなどの導電材料をカプセル化し又は収容することができる。一部の実施形態では、第2の細長い部材305は、突き出すことができる。加熱要素(本明細書では、加熱ワイヤ、加熱フィラメント又はフィラメントとも呼ばれる)は、水分の多い空気からの凝縮水がその上に形成されることが可能な低温表面を最小にすることができる。加熱要素は、複合チューブ301の内腔307内のガスの温度分布を変えるためにも使用することができる。感知ワイヤは、温度センサなどのセンサと結合され、チューブの遠位端内に一体化され、又は別法によりチューブの遠位端に提供され、使用時に、1つ又は複数の加熱ワイヤ若しくはガス供給システムの他の構成要素によって提供された熱量を調整するために、フィードバック制御システムにおいて加湿器107などのガス供給システムによって使用されてもよい測定値を提供する。医療用プラスチックを含む種々のポリマ及びプラスチックは、第2の細長い部材305の本体に適切である。適切な材料の例は、ポリオレフィンエラストマ、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマ、EPDMポリプロピレン混合物、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性及び熱変色性材料を含む。一部の構成では、第1の細長い部材303及び第2の細長い部材305は、同じ材料から作成することができる。第2の細長い部材305は、第1の細長い部材303と異なる色の材料からも作成することができ、透明、半透明又は不透明であることが可能である。例えば第1の細長い部材303は、透明プラスチックから作成することができ、第2の細長い部材305は、不透明な青(又は他の色)のプラスチックから作成されてもよい。
【0075】
可撓性の中空体及び一体化した支持部を含むこの螺旋に巻いた構造は、圧縮抵抗を提供することができる一方で、導管壁は、捻じれ、閉塞、又は崩壊することなく、短い半径の屈曲を十分に可能にする可撓性を残す。好ましくは、チューブは、例えばISO 5367:2014(E)による屈曲による流動抵抗の増加に対する試験に定義されたように、捻じれ、閉塞、又は崩壊することなく、直径25mmの金属円筒の周りに曲げることができる。この構造は、実質的に平滑な内腔307の表面(チューブ穴)も提供することができ、内腔307は、チューブに堆積がない状態を保つ働きをし、ガス流を向上させる。中空体は、チューブの絶縁特性を向上させる一方で、チューブが軽量のままであることが可能なことが分かった。しかし他の実装形態では、以下に記載されるように、非平滑な内腔表面又はチューブ穴が好ましいことがある。
【0076】
上に説明されたように、複合チューブ301は、導管システム内の呼気チューブ及び/若しくは吸気チューブ、又は導管システムの一部として使用することができる。
【0077】
(カプセル化された加熱要素及び感知ワイヤを備えた)第1の細長い部材303及び第2の細長い部材305は、連続した長さのチューブを形成するために二重螺旋配置の回転マンドレル上に互いに隣接してそれぞれが突き出してもよい。連続した長さのチューブは、導管システム内の使用に適するあらゆる所望の長さに切断し(その工程で加熱要素及び感知ワイヤを切り離す)、それぞれの端部を適切なコネクタで終了してもよい。例えば吸気導管は、加湿チャンバ129と空圧接続し、加湿器107と電気接続するために一端をチャンバ端部コネクタで、Yピース135又は患者インタフェース115と空圧接続するために他端を患者端部コネクタで終了してもよい。患者端部コネクタは、感知回路を形成するために切断された感知ワイヤと電気接続される、一体型温度センサを含んでもよい。患者端部コネクタ又はその付近で、切断された加熱要素も、加熱回路を形成するために互いに電気接続されてもよい。別法として、加熱要素及び/又は感知ワイヤは、導管システムの別の構成要素と電気接続するために、患者端部コネクタにおいてそれぞれの加熱及び/又は感知終端によって終了してもよい。チャンバ端部コネクタで、切断された加熱要素及び感知ワイヤは、チャンバ端部コネクタ内で一体化されたそれぞれの加熱及び/又は感知終端と電気接続されてもよい。チャンバ端部コネクタは、同時に加湿チャンバ129の出口と空圧接続し、加湿器107と電気接続するように構成されてもよい。別法として、チャンバ端部コネクタは、例えば加湿チャンバ129及び加湿器107のそれぞれと独立して空圧及び電気接続するために、電気ソケットを含んでもよい。
【0078】
一部の実装形態では、チューブは、チューブの第1の半体又は全長のいずれも、第1又は第2の極性でヒータワイヤに電力を供給することによって選択的に加熱することができるダイオードを含む、中点コネクタなどの1つ又は複数の中間コネクタを更に提供されてもよい。中点コネクタは、追加として又は別法として、温度センサなどの更なるセンサを含んでもよい。別法として、チューブの2つ以上の帯域は、あらゆる1つ又は複数の帯域が、選択的に加熱及び/又は感知され得るように、互いに完全に独立して制御されるように構成されてもよい。
【0079】
図3Bは、図3Aの例示的複合チューブ301の頂部の長手方向断面を示す。図3Bは、図3Aと同じ配向を有する。この例は、第1の細長い部材303の中空体形状を更に例示する。この例に見られるように、第1の細長い部材303は、閉囲部309の長手方向断面を形成する。第1の細長い部材303の部分309は、第2の細長い部材305の隣接した巻き付けと重なる。第1の細長い部材303の一部311は、内腔(チューブの穴)の壁を形成する。
【0080】
第1の細長い部材303の隣接した捻りの間の隙間313は、複合チューブ301の全絶縁特性を向上させることができる。更に隣接した泡の間の隙間313は、伝熱抵抗率(R値)を増加させることができ、それに応じて複合チューブ301の熱伝導率が低減する。この隙間構成も、より短く半径を屈曲することを可能にすることにより、複合チューブ301の可撓性を向上させる。T字形状の第2の細長い部材305は、図3Bに示されたように、隣接した泡の間の隙間313を保持する働きをすることができる。それにもかかわらず、第1の細長い部材303の隣接部分は、接触するように構成することができる。例えば隣接部分は一緒に接合することができる。このような接合した構成では、T字形状の第2の細長い部材305、又は以下に更に記載されるように、凝縮水が存在する静電容量の測定を向上させるために、水を透過でき、若しくは吸い上げ材料から作成される他の形状の部材などの細長い部材を含むことができる。
【0081】
1つ又は複数の導電材料(本明細書では「要素」、「導電性要素」若しくは「フィラメント」と呼ばれる)は、ガス流を加熱及び/又は感知するための第2の細長い部材305内に配列することができる。この例では、2つの要素315は、「T」の垂直部の各側部で1つずつ、第2の細長い部材305内にカプセル化される。要素315は、アルミニウム(Al)及び/若しくは銅(Cu)の合金、又は導電性高分子などの導電材料を含む。好ましくは、第2の細長い部材305を形成する材料は、要素315がそれらの作動温度に達する時に、要素315内の金属と反応しないように選択される。要素315は、要素が内腔307に曝されないように、内腔307から離間されてもよい。複合チューブの1端では、対の要素は連結ループの中に形成することができる。
【0082】
複数の要素は、第2の細長い部材305内に配列することができる。要素は、共通レールを共有するために一緒に電気接続することができる。例えば加熱要素などの第1の要素は、第2の細長い部材305の第1の側面上に配列することができる。感知要素又はワイヤなどの第2の要素は、第2の細長い部材305の第2の側面上に配列することができる。地盤要素などの任意の第3の要素は、第1の要素と第2の要素との間に配列することができる。第1、第2、及び/又は第3の要素は、第2の細長い部材305の1端に一緒に接続することができる。第3の要素は、チューブ及び/又はガスを加熱するために電力も放出するように構成されてもよく、加湿器は、第2の細長い部材305と接続されたセンサが、ヒータワイヤに電力供給されるかされないかにかかわらず、読み取ることができるように構成されたバイアス発生器回路を含んでもよい。加熱及び感知回路が互いに独立するように、チューブの遠位端で電気接続される(又は連続する)各対のそれぞれの端部に関して4つのワイヤ(2つの加熱ワイヤ及び2つの感知ワイヤ)が存在することも可能である。配置は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のワイヤを含むことができる。これらの要素は、複合チューブの空圧コネクタから分離した、又は一体化した電気コネクタを使用して、ガス供給システムに接続することができる。螺旋状に巻いた導管のピッチは、以下に更に詳細に記載されるように、導管の一部の領域で容量測定を高めるために変えることができる。
【0083】
他の実装形態では、チューブは、別のワイヤ若しくは回路と静電容量を結合させる目的で特に設けられた、一般に容量性ワイヤと呼ばれる1つ又は複数の追加のワイヤ又は導電性要素を備えてもよい。容量性ワイヤは、概ねそうなる加熱及び感知ワイヤのような閉ループ又は回路を必ずしも形成する必要はない。容量性ワイヤは、チューブの全長に必ずしも延在する必要もない。一部の実装形態では、異なる長さの複数の容量性ワイヤが存在してもよく、それによりチューブ内のあらゆる水分の通常の場所を検出することができ得る。
【0084】
一部の実装形態では、複合チューブ301は、四重螺旋配置に巻いた第1及び第2の細長い部材303、305のそれぞれの対を含んでもよい。具体的には、感知ワイヤは、第2の細長い部材305の一方に提供されてもよく、加熱ワイヤ及び少なくとも1つの容量性ワイヤは、他方の第2の細長い部材305に提供され、それぞれは対の第1の細長い部材303によって分離される。このような配置は、加熱ワイヤと容量性ワイヤとの間に水分依存性容量結合を提供することを指すことがある一方で、センサの読取に影響を及ぼすことがある感知ワイヤとのあらゆる容量結合を最小にする。
【0085】
複合チューブの上述は限定を意味するのではなく、例として提供したに過ぎない。あらゆる他の型の導管が、本開示の凝縮水検出に使用できることを理解されたい。これは、図3Cに示されたように、又はチューブ内の1つ若しくは複数の場所に取り付けられた、チューブ内を自由に浮動又はぶら下がる要素のような、チューブの壁及び/若しくはチューブ内腔内に加熱、センサ並びに/又は凝縮水検出要素を組み込む、あらゆる大きさ、形状、或いは構造のチューブを含む。図3Cに示されたように、チューブ391は、壁393及び浮動又はぶら下がる要素395を含む。以下に更に詳細に記載されるように、水分は、隣接した要素の間の静電容量の変動から検出されてもよい。異なる導管構造は、この検出を高めるために開発され得る異なる特性を有する。例えば図3A~3Bに関して上記の加熱要素及び感知ワイヤなどの螺旋状に巻いた要素は、要素の長さに起因して比較的高い静電容量特性を有することができ、導管壁上のあらゆる場所の凝縮水を検出することがある。一方、チューブ内の浮動要素は、凝縮水も蓄積することがある導管の底部に据える傾向があるという利点を有し、これは一部の配置では好ましいことがある。浮動要素も、チューブと共に押し出される必要はなく、浮動要素の設計(例えば材料、製造方法、及び/又は浮動要素の長さに沿った寸法の変化)をより柔軟にすることができる。当業者には理解されるはずであるように、当技術分野で使用されて公知の多くの異なる型のチューブが存在し、それらのいずれも本開示で使用することができる。
【0086】
凝縮水検出
静電容量及びインダクタンスに基づいた凝縮水検出
2つ以上の要素が導管内に置かれた時に、寄生容量(リアクタンス及び/又はインダクタンス)がそれらの間に存在してもよい。この寄生容量は、センサ測定に悪影響を与える可能性があり、従って(例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれた、国際公開第2018116187号に論じられているように)寄生容量効果を軽減するために取組みが行われてきたが、寄生容量は、導管内の水分に依存する可能性があり、従って湿度、水分、流体及び/若しくは凝縮水(本明細書では簡潔にするために集合的に「凝縮水」と呼ばれる)の表示並びに/又は測定として使用することができることが発見された。一部の実装形態では、静電容量の測定は、あらゆるセンサが導管内のガスの流路に曝される必要はない一方で、他の実装形態では、あらゆる公知のセンサは、静電容量を測定するために使用することができる。導管内の既存の導電性要素(例えば既存の加熱又はセンサ要素)を利用することにより、この発見は、導管若しくはガス供給システムを実質的に変えることなく、導管内の凝縮水の存在及び/又は量を検出するために安価で正確な解決策を提供する。別法として、特にこの目的のために追加の導体がチューブ内に含まれてもよい。これは、チューブが感知ワイヤで寄生容量を最小にし、並びに/又は別法により加熱及び/若しくは感知ワイヤの性能を妥協することなく、凝縮水への感度を高めるように設計することができ得る。例えば加熱及び水分検出要素は、感知ワイヤが離間され、及び/又は非透過性材料内に埋め込まれて、互いに近接近して提供されてもよい。別の配置では、チューブは、導管壁内に埋め込まれた感知ワイヤを含んでもよく、加熱要素及び専用の凝縮水検出ワイヤは、図3Cに示されたように、内腔内で自由に浮動する。別の配置では、上に開示されたように、感知ワイヤは、四重螺旋チューブ内の加熱及び水分検出ワイヤと別の第2の細長い部材305内に提供されてもよい。
【0087】
2つの電気的に絶縁した導電性要素の間の誘電率、ひいては静電容量は、要素間の距離と同様に、導管の内壁表面上の凝縮水の存在又は量(若しくは水蒸気透過性壁の場合、壁の中に入る個々の水分子の量)に依存して異なる。換言すると、導管に固有の静電容量は、要素が固定距離にある場合、チューブ内に存在する凝縮水の量及び近さにより変わる可能性がある。要素が分離している距離は、要素の使用に適切な均衡を保つために設計の考慮が必要である。例えば要素は、検出可能な静電容量を生成するように十分に接近し、しかも静電容量に検出可能な変化を生成するために十分な水分の変化があるように十分に離間するべきである。
【0088】
導電性要素(本明細書では簡略して「要素」と呼ばれる)は、ヒータワイヤ若しくはセンサワイヤなどのワイヤ又はフィラメントに関して主に記載されているが、要素は物理的ワイヤ以外のものであることが可能であることを理解されたい。例えば要素は、導電性プレート、高分子、テープ若しくはリボン、導電性インク、導電性糸又はあらゆる他の導電性材料であることが可能である。
【0089】
図4Aは、今回は導電性加熱及び感知要素415のそれぞれの対を含む導管壁401、並びにチューブの内壁上に存在する凝縮水407が、電気的に絶縁しているあらゆる2つのワイヤの間の誘電体にどのように影響を及ぼすかを概略的に例示する。一部の実装形態では、図3A~3Bの細長い部材305はビーズ405である。例えば図4Aでは、ビーズ405は流体に対して透過性を持たない。この配置における凝縮水407は、従って加熱要素415と感知要素415との間に直接ではなく、むしろ隣接しているが、導電性要素の間の寄生容量に測定可能な変化をもたらすことが分かった。別法として又は追加として、以下に更に詳細に記載されるように、ビーズ405のプロファイルは、例えば2つの要素415の間の凝縮水407を受領するために内腔に開いている隣接した導電性要素の間にチャネルを提供することにより、凝縮水への感度を高めるように修正されてもよい。
【0090】
要素415の間の静電容量を増加させるために、ワイヤは交互又はインターリーブ配置、すなわち加熱-感知-加熱-感知の順で並んで提供されてもよい。加熱-感知-感知-加熱、又は加熱-加熱-感知-感知などの他の配置が、別法として使用されてもよい。
【0091】
図4Bは、水蒸気透過性及び/又は流体透過性のいずれかである、第2の例を概略的に例示する。水蒸気透過性材料は、ワイヤ間の寄生容量が結合すると凝縮水の影響を高めるので、より高精度で検出できることが分かった。一例では、材料は、材料により周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を効果的に遮断するような、水蒸気透過性が可能である。吸気チューブ内に水蒸気又は流体透過性材料を使用することは、患者に送達されたガスの湿度を低減するので概して望ましくないが、ビーズ405内のみで使用される場合に、このガスの乾燥は、最小になる。更にこの材料は、水蒸気又は流体を周囲に漏らすことを許すことなく、測定目的の水蒸気又は流体を浸透させることができるために、水蒸気又は流体の透過性材料ではない別の材料によって外側を覆われることが可能である。例えば図3Bでは、細長い部材303の近位部が一緒に接合される場合、水蒸気又は流体透過性の細長い部材305は周囲に漏らさないはずである。
【0092】
ビーズ405は、例えば1つ又は複数の超親水特性を有する活性化パーフルオロポリマー材料(NAFIONブランド品など)、親水性熱可塑性樹脂、通気性特性を示す織目加工布、親水性ポリエステル・ブロック・コポリマ(SYMPATEXブランド品など)、ARNITEL(登録商標)VT 3108などの通気性熱可塑性コポリエステル(TPC)、又は周囲空気への水の蒸発を可能にする一方で、周囲空気への液体水及び呼吸ガスの通過を抑制若しくは遮断するあらゆる他の材料から作成することができる。このような材料を使用して、個々の分子409は、あらゆる2つの電気的に絶縁したワイヤ又は要素の間の誘電率に直接影響する拡散により、ビーズを通過することができる。誘電率は、チューブの内壁上に凝縮水が存在することに起因して影響を及ぼすことにもなる。ワイヤは、短絡及び/又は腐食を防ぐためにシースによって覆うことができることを留意するべきである。
【0093】
以下及び本明細書全体を通して、壁全体にわたって液体水のバルク通過又は呼吸ガスのバルク流を許すことなく、水分子が溶液拡散機構を介して材料のモノリシック壁を通って通過できる材料は、「通気性」材料として記載される。壁内の水分子は、媒体内で分子的に分散され、従って状態(固体、液体、又は気体)を持たないが、当技術分野では蒸気と呼ばれることがある(例えば転送率は、水蒸気透過率などと呼ばれる事が多い)ことが当業者には認識されるべきである。モノリシック壁は、ある主要表面から別の表面へのオープンチャネル又は貫通孔を含有しないので、ウイルスは、空気又は液体水滴と一緒にこのようなチャネル又は孔を通って、穴を流れる機構を介して運ぶことができることを更に認識するべきである。全ての高分子と同様に、呼吸ガス(酸素、二酸化炭素若しくは窒素など)の一部の小分子の搬送は、微量又はデミニミス量(すなわち「バルク」流ではない)で起こることがあり、これは、本明細書に定義されたように通気性材料に対して、典型的には水分子に対するより少なくとも1桁低い率であるはずであることを、尚更に認識されるべきである。更に患者へ、又は患者から送達される呼吸ガスに特に関連し、呼吸ガスのそのような小分子の搬送は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、付属書Eに提示された方法を介して試験されたISO 2367:2014の第5.4節の漏れ試験において、関連規格への準拠が認められた量より少ない量からなるはずである。
【0094】
導管内の他の要素構造も使用することができる。例えば要素は、導管の壁内に含まれる必要はないが、導管内で浮動することができる可能性がある。このような構成では、要素は、チューブの最低部で凝縮水内に静止する傾向があり、これは凝縮水検出を向上させることができる。更に蒸気及び/又は液体透過性材料は、凝縮水測定を向上させるために要素を囲んで接合するために使用することができる。別法として図3Cに示されたように、綿又はオープンセル発泡材料などの液体水の吸収、吸い上げ、及び/又は親水性材料397は、凝縮水測定を向上させるために要素399を包囲して接合するために使用することができる。このような材料は、凝縮水が最も望ましくないセンサ、患者又は換気装置に向かう凝縮水の可動性を抑制する利点も提供する。追加として又は別法として、導管は、液体の凝縮水を毛細管現象により適切な測定要素に向かって及び/又は沿って搬送するために、チャネルなどの微細構造を含むことができる。これらの構造の更なる例は、図8~18に関連して以下に記載されている。
【0095】
チューブの内壁は、開口(例えば窪み、襞、谷、四角形チャネル、並びに/又は大きさ及び形状が異なる起伏を含む)内への凝縮水の蓄積を増進するために開口も有してもよい。例えばこれは、要素間の静電容量に影響する凝縮水が蓄積するように、関連要素に隣接した谷を備えた平行若しくは螺旋状の襞又は長手方向チャネルを含むことができる。これは、患者インタフェースの中に凝縮水が流れる可能性を低減することにより、患者に安全性を提供することがあり、特定の測定部位も提供することがある。
【0096】
一部の実装形態では、静電容量測定は、1つ又は複数の要素に沿ってチューブを通過する信号を発生することによって行うことができる。これは、検出器507によって、要素と1つ又は複数の隣接した要素との間の固有の静電容量「C」に依存する時定数を検出及び測定するために使用される。この工程は、図5に概略的に表されている。供給された電力ステップの変化又はパルス若しくは一連のパルスは、静電容量の変化を測定するために発生された信号として使用することができる。これらの測定は、温度感知測定若しくは加熱ワイヤの使用のいずれか又は両方と同時に或いはインターリーブすることができる。静電容量は、静電容量を測定又は決定するあらゆる公知の方法によって測定することもできる。
【0097】
図5Aは、信号発生器501、導管システム503、抵抗器R 505及び検出器507を概略的に例示する。信号発生器501、抵抗器505及び検出器507は、概して上に記載されたように、カートリッジ及び/又はヒータベース内などの導管システム503と電気的に通信する加湿器と一体化されるはずである。導管システム503は、可変コンデンサCによって表されている。導管システムの導電性要素は、例えばヒータ、センサ及び/又は静電容量測定要素によってもたらされたそれら自体の電気抵抗も有するが、これはわかりやすくするために割愛されている。導管システム503の静電容量Cと連動した要素及び抵抗器R 505の直列抵抗は、特徴的な時定数を備えた回路を形成する。時定数は、τ=RCと数学的に表すことができ、式中τは、抵抗器を通して初期充電電圧ゼロから印加電圧の約63.2%(1-e-1)に静電容量を充電するために、又は同じ抵抗器を通してコンデンサをその初期充電電圧の約36.8%(e-1)に放出するために必要な時間を表す。抵抗Rが要素抵抗に比べて非常に大きくなった場合は、要素抵抗は無視することができ、時定数τの近似値は、抵抗Rと導管の静電容量Cの積に等しくなる。抵抗Rが一定である場合は、時定数は、導管の静電容量に比例する。
【0098】
静電容量は、導管内の凝縮水の量に応じて異なる。静電容量及び導管内の凝縮水の量は、導管の設計を通して正に関連するように構成することができる。従って導管内の凝縮水の存在は、静電容量(時定数τなど)を表す測定値と所定の閾値との比から推定されてもよい。別法として又は追加として、導管内の凝縮水の近似値量は、静電容量を示す測定値の絶対測定から推定することができる。別法として又は追加として、水がチューブ内で現在凝縮しているか又は蒸発しているかは、静電容量を示す値の2つ以上の測定を継時的に比較することによって推定されてもよい。
【0099】
抵抗器Rを横切る電圧VRは以下の通りである。
[1]VR=Vin-t/RC
【0100】
Rが抵抗器の値である場合、Cはチューブの静電容量であり、Vinは信号発生器の出力である。
【0101】
以下のこともわかる。
[2]Vin=VC+VR
[3]VR=Vin-VC
【0102】
抵抗器Rを横切る電圧は、あらゆる適切な手段、例えば検出器を使用することによって測定されてもよく、その出力は、マイクロコントローラの汎用入力/出力(GPIO)ピンを使用することによって読み取られてもよい。追加として又は別法として、高速フーリエ変換(FFT)などの周波数領域技法は、静電容量を推定するために使用することができる。例えば信号発生器501は、ある特定の周波数で信号を発生するように構成することができる。あらゆる所与の周波数で、静電容量は電流フローを妨げるリアクタンスXCを示し、この場合、XC=1/(2πfC)であり、fは周波数である。次いで導管システム503及び抵抗器R 505は分圧器を形成し、それによって検出器507は、ある特定の静電容量又は凝縮水レベルを表すある特定の電圧レベルを検出するように構成することができる。
【0103】
別法として、チューブの静電容量は、凝縮水の存在及び/又は量を決定するためにRC発振器回路内に含むことができる。図5Bは、例示的RC発振器回路であるが、あらゆる同等のRC発振器回路を使用することができる。図5Bにおける例示的RC発振器回路は、可変チューブ静電容量C511、発振器抵抗器R513、動作可能な増幅器515、第1の抵抗器517、及び第2の抵抗器519を有してもよく、これらは全て電気接続される。発振器回路は、周波数センサに電気接続されてもい。周波数センサは、ヒータベース、外部付属品、センサカートリッジ、中間チューブコネクタ、又はチューブ自体の内部に置くことができる。
【0104】
周波数センサは、発振器回路の出力の周波数を決定する。例えば周波数センサは、固定した時間窓にわたって起きるパルスの数を数えることにより、発振器の出力周波数を測定することができ、次いで発振器回路の周波数を決定するために使用することができる。発振器回路の出力周波数は、可変チューブの静電容量の変化に比例することができ、具体的には静電容量が増加する場合に、発振器の周波数は、以下の方程式に示されたように低減し、この場合kは抵抗器R1とR2の間の割合を表す定数である。
【数1】
【0105】
チューブの静電容量は、チューブ内の凝縮水の量に応じて異なる。チューブ内の凝縮水の存在は、静電容量(周波数fなど)を示す測定値と所定の閾値との比較から推定されてもよい。別法として又は別法として、導管内の凝縮水の近似値の量は、静電容量を示す測定値の絶対測定値から推定することができる。別法として又は追加として、水がチューブ内で現在凝縮しているか又は蒸発しているかは、静電容量を示す値の2つ以上の測定を継時的に比較することによって推定されてもよい。
【0106】
別法として、固定されたインダクタは、回路、及び抵抗器-インダクタ-コンデンサ(RLC)若しくはインダクタ-コンデンサ(LC)回路の共振周波数から計算又は推定された静電容量に追加されてもよい。インダクタンスに基づいた検出システムでは、呼吸チューブ内の1つ又は複数のワイヤのインダクタンスは、凝縮水の存在を検出するために測定することができる。例えば呼吸チューブのビーズ(例えば図4Aのビーズ405)内に埋め込まれたワイヤは、インダクタとして機能するように構成することができる。インダクタのインダクタンスは、インダクタの中心部内に存在する媒体の透過性機能である。空気及び水は、異なる相対透過性を有し、ひいては1端で測定できる呼吸チューブのインダクタンスは、呼吸チューブ内の含水量の変化に起因して異なることがある。
【0107】
図6は、第2の構成要素610に電気接続された第1の構成要素601を有することができる、LC型回路600を概略的に例示する、例示的インダクタンスに基づいた凝縮水検出システムである。第1の構成要素601は、第1のコンデンサCtube602と平行な第1のインダクタLtube603としてモデル化することができる。第2の構成要素は、第2のコンデンサCtank613、励起モジュール615(例えばセンサ)、及び制御装置617と平行な第2のインダクタLtank611としてモデル化することができる。一部の実装形態では、第1のインダクタLtube603、第1のコンデンサCtube602、第2のインダクタLtank611、第2のコンデンサCtank613、又はそれらのあらゆる組み合わせは、インダクタ及びコンデンサなどの実際に電気的な構成要素である。一部の実装形態では、第1のインダクタLtube603、第1のコンデンサCtube602、第2のインダクタLtank611、第2のコンデンサCtank613、又はそれらのあらゆる組み合わせは、固有の静電容量又はインダクタンスの結果である。第2のインダクタLtank611と第2のコンデンサCtank613の組み合わせは、共振タンク、共振回路、タンク回路、同調回路、LCネットワーク、若しくはLC発振器、又は励起された時に共振挙動を示すインダクタ及びコンデンサのあらゆる他の平行な組み合わせと呼ぶことができる。共振タンクは、励起モジュール615に電気接続することができ、励起モジュール615は、次いで制御装置617に電気接続される。
【0108】
一部の実装形態では、第2の構成要素610は、オンボードであり、加湿器ヒータベース(例えば図1Bのヒータベース151)内に置くことができる一方で、第1の構成要素601は、オフボードであり、チューブ(例えば図1Bの吸気チューブ159)内にあってもよい。その結果、共振タンクは加湿器ヒータベース内に置くことができ、埋め込まれたワイヤ及び励起モジュール615の一方に平行に連結される。共振タンクは、エネルギーの注入によって励起することができる。エネルギーの注入の一例は、励起モジュール615によって制御装置617の方向に注入することができる電流の段階的変化である。「共振周波数」(ω)として公知の周波数で起きる電流及び電圧の発振は、こうして観察される。
【0109】
別法として、共振タンク、励起モジュール615、制御装置617、又は共振タンク、励起モジュール615、及び制御装置617のあらゆる組み合わせは、外部付属品、センサカートリッジ、中間チューブコネクタ、又はチューブ自体の内部に置くことができる。
【0110】
一部の実施形態では、第1の構成要素601及び第2の構成要素610は、電気接続されない。例えば共振タンクは、第1の構成要素601に電気接続されなくてもよいが、チューブの周りに巻いた別個のワイヤを含んでもよい。これは、共振タンクに対する高いインダクタンスを生成することがある。一部の実施形態では、共振タンクの別個のワイヤの実装形態は、チューブの壁内にあるが、ビーズの外部にある。
【0111】
共振周波数は、回路内のインダクタンス及び静電容量に依存する。Ltank及びCtankは、公知であり設計によって固定され、従って共振周波数の変化は、第1のインダクタLtube又は第1のコンデンサCtubeの変化から推定することができる。
【0112】
システム(ω)の共振周波数は、以下の式によって決定された全システムのインダクタンスL及び全システムの静電容量Cによって決定することができる。
【数2】
【0113】
tank及びCtankは、公知であり設計によって固定される、上記の方程式に見られるように、共振周波数は、Ltube又はCtubeの両方によって影響を及ぼされる。LtubeがCtubeよりはるかに大きい(例えば1桁以上)場合は、Ltubeは、従ってチューブモデル内の主な要素である。測定された共振周波数の変化は、Ltubeの変化に関連することができ、Ctubeは無視することができる。
【0114】
インダクタンスは透過性と関係し、水は空気より低い透過性を有するので、チューブ内の凝縮水の値が増加すると、Ltubeは低減する。これは測定された共振周波数に反映し、共振周波数は対応して増加する。Ltube(Ctubeを無視する)に対する正しい式は、以下の通りである。
【数3】
【0115】
ω及びLtubeを除いて全てのパラメータは固定しているので、Ltubeが低減する場合、ωは増加しなければならない。
【0116】
別法として、CtubeがLtubeよりはるかに大きい(例えば1桁以上)場合は、Ctubeは、従ってチューブモデル内の主な要素である。測定された共振周波数の変化は、Ctubeの変化に関連することができ、Ltubeは無視することができる。
【0117】
静電容量は透過性と関係し、水の透過性は空気/ビーズ材料よりはるかに高いので、Ctubeは水分が存在すると増加する。これは測定された共振周波数に反映され、共振周波数は対応して低減する。Ltubeを無視し、Ctubeは以下のように概算することができる。
【数4】
【0118】
この場合、ω及びCtubeのみが変化するので、共振周波数は、チューブの静電容量が増加するにつれて低減する。
【0119】
一部の実装形態では、チューブは、CtubeがLtubeよりはるかに大きいように構成することができる。一部の実装形態では、チューブは、LtubeがCtubeよりはるかに大きいように構成することができる。
【0120】
LCタンクの全インダクタンスに寄与するチューブのインダクタンスを測定するために、共振タンクをあらゆる組み込まれたチューブワイヤと並列に接続することにより、細長いワイヤコイル及び水の固有のインダクタンスを利用し、具体的にはそれらの存在の仕方が、共振タンクが励起モジュール615によって活発に励起される時に、共振タンクの共振周波数に影響を及ぼす。
【0121】
共振タンクの共振周波数を測定することにより、インダクタンスが、Ltankの公知の公称値及び未知のLtube又はCtube(どちらかは、はるかに大きく構成された)及びCtankの公知の公称値を含む場合、加湿を行うデバイスの制御装置は、チューブ内の凝縮水の存在に起因して異なるLtube又はCtubeの近似値を決定することができる。こうしてLtube若しくはCtubeの値、及び/又はLtube若しくはCtubeの継時的変化の仕方は、チューブ内の凝縮水の存在及び/又は凝縮水の量の表示を提供することができる。
【0122】
第1のインダクタLtube603及び第1のコンデンサCtube602のどちらか又は両方は、第1の構成要素601に必要なインダクタンス及び/又は静電容量を提供するために要素の組み合わせであることが可能である。一部の実装形態では、第2のインダクタLtank611及び第2のコンデンサCtank613のどちらか又は両方は、第2の構成要素610に必要なインダクタンス及び/又は静電容量を提供するために要素の組み合わせであることが可能である。
【0123】
一部の実装形態では、励起モジュール615(例えばセンサ)は、第2の構成要素610の一部ではないが、その代わりに励起モジュール615は、第1の構成要素601の一部である。他の実装形態では、励起モジュール615は1つの選択肢であり、第2の構成要素610又は第1の構成要素601のいずれかの一部でなくてもよい。
【0124】
一部の実装形態では、LC型回路600はその代わりにRLC回路である。
【0125】
一部の実装形態では、共振周波数を測定するための代替デバイス又は回路が、励起モジュール615、制御装置617、又はそれらの組み合わせのいずれかの代わりに利用されてもよい。例示的代替形態は、以下の、すなわちデジタル信号プロセッサ及びアナログで作動可能な増幅器回路、若しくは類似のデバイス並びに回路、又はそれらの組み合わせのいずれかを含む。
【0126】
抵抗に基づいた検出
水及び凝縮水も、ビーズ材料より導電性が多いことがある。その結果、抵抗は、凝縮水が存在するかどうかを決定するために、チューブワイヤの特定の区画又は場所で測定されてもよい。
【0127】
図7Aは、ビーズ710内に置かれた第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703を概略的に例示する、抵抗に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図である。一部の実装形態では、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、同じワイヤであってもよく、又は異なるワイヤであってもよい。水分は、第1の検出ワイヤ701と第2の検出ワイヤ703との間に低抵抗通路707を生成することができるビーズ710の中に吸収することができ、これにより、電流705が第1の検出ワイヤ701と第2の検出ワイヤ703との間を流れることができるはずである。電流705は漏れ電流であると考えられる。第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、第1の検出ワイヤ701及び/若しくは第2の検出ワイヤ703上の抵抗又は電流を測定することができる、1つ又は複数のセンサに接続される。
【0128】
一部の実装形態では、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、ビーズ710内で互いに平行に走る。一部の実装形態では、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703がビーズの中心又は中心線から等距離にあるように、ビーズ710内で互いに平行に走る。一部の実装形態では、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703がビーズの中心又は中心線から等距離にないように、ビーズ710内で互いに平行に走る。
【0129】
一部の実装形態では、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、ビーズ710の1端であらゆる他のワイヤ又は構成要素に電気接続されず、こうして両方の検出ワイヤは、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703に沿って電流を流すことができないように、ビーズの1端が開いた回路であるはずである。
【0130】
より多くの水分が存在する時に、1つの場所であっても又は複数の場所であっても、第1の検出ワイヤ701と第2の検出ワイヤ703との間により多くの電流が、1つ又は複数のセンサによって第1の検出ワイヤ701及び/又は第2の検出ワイヤ703上で測定される。
【0131】
一部の実装形態では、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、ヒータワイヤ、サーミスタワイヤ、又はビーズ710内のあらゆる他のワイヤであることが可能である。
【0132】
図7Bは、ビーズ710内に置かれた第1の組の検出ワイヤ721、第2の組の検出ワイヤ723、及び第3の組の検出ワイヤ725を概略的に例示する、抵抗に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図である。水分は、1組の検出ワイヤの間に低抵抗通路を生成することができるビーズ710の中に吸収されることが可能であり、低抵抗通路は、1組の検出ワイヤの間に電流を流すことができるはずである。例えば、水分は、電流が第1の組の検出ワイヤ721の間に流れるように、第1の組の検出ワイヤの間に低抵抗通路を生成する、ビーズ710の中に吸収されてもよい。
【0133】
一部の実装形態では、水分は、異なる組の検出ワイヤの1つ又は複数の検出ワイヤの間に低抵抗通路を生成することができる、ビーズ710の中に吸収されることが可能であり、低抵抗通路は、電流を流すことができるはずである。例えば水分は、電流が流れるように、第1の組の検出ワイヤ721の1つのワイヤと第2の組の検出ワイヤ723の別の1つのワイヤとの間に低抵抗通路を生成する、ビーズ710の中に吸収されてもよい。
【0134】
一部の実装形態では、第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703は、ビーズ710の1端であらゆる他のワイヤ又は構成要素に電気接続されず、こうして両方の検出ワイヤは、電流が第1の検出ワイヤ701及び第2の検出ワイヤ703に沿って流れることができないように、ビーズの1端が開いた回路であるはずである。
【0135】
一部の実装形態では、第1の組の検出ワイヤ721の長さは、第2の組の検出ワイヤ723の長さと異なる。一部の実装形態では、第2の組の検出ワイヤ721の長さは、第3の組の検出ワイヤ723の長さと異なる。例えば第1の組の検出ワイヤ721は、ビーズ710の長さの3分の1を走ってもよく、第2の組の検出ワイヤ723は、ビーズ710の長さの3分の2を走ってもよく、第3の組の検出ワイヤ725は、ビーズ710の全長を走ってもよい。あらゆる組の検出ワイヤは、ビーズ710に沿ったあらゆる長さ又はビーズ710の一部であることが可能である。
【0136】
一部の実装形態では、第1の組の検出ワイヤ721の1つのワイヤの長さは、第1の組の検出ワイヤ721の別の1つのワイヤの長さと異なる。例えば第1の組の検出ワイヤ721の1つのワイヤは、ビーズ710の長さの3分の1を走ってもよい一方で、第1の組の検出ワイヤ721の別の1つのワイヤは、ビーズ710の長さの3分の2を走ってもよい。あらゆる組の検出ワイヤは、一部に沿ったあらゆる長さであることが可能である。1組の検出ワイヤのあらゆるワイヤが、ビーズ710に沿ったあらゆる長さ又はビーズ710の一部であることが可能である。
【0137】
一部の実装形態では、より長い組の検出ワイヤは、より短い組の検出ワイヤの長さに対してより長い組の検出ワイヤの長さに沿って絶縁されてもよく、より短い組の検出ワイヤは、より短い組の検出ワイヤの長さに沿って異なる組のワイヤの間に電流が流れるのを防ぎ又は軽減するはずである。例えば第2の組の検出ワイヤ723は、第1の組の検出ワイヤ721の長さに対して第2の組の検出ワイヤ723の長さに沿って絶縁体731を有し、第3の組の検出ワイヤ725は、第2の検出ワイヤ723の長さに対して第3の組の検出ワイヤ725の長さに沿って絶縁体731を有する。この絶縁体は、あらゆる形の水分絶縁であることが可能である。水分絶縁の例は、水を透過可能なビーズ710内に材料の膜又は層、又はビーズ710の他の部分より少ない水分を吸収するビーズ710内の材料の膜又は層を含むことができる。
【0138】
一部の実装形態では、4組以上の検出ワイヤがビーズ710内に置かれている。一部の実装形態では、2組以下の検出ワイヤがビーズ710内に置かれている。
【0139】
一部の実装形態では、第1の組の検出ワイヤ721、第2の組の検出ワイヤ723、及び第3の組の検出ワイヤ725のあらゆる組み合わせのあらゆる検出ワイヤが、加熱ワイヤ、サーミスタワイヤ、又はビーズ710内のあらゆる他のワイヤであることが可能である。
【0140】
ほぼ3組の検出ワイヤが存在することが可能であることを理解されたい。第1の組の検出ワイヤ721、第2の組の検出ワイヤ723、及び第3の組の検出ワイヤ725の上の記載は、あらゆる他の組の検出ワイヤと相互に交換可能であることも理解されたい。
【0141】
短絡に基づいた検出
追加として、水又は凝縮水は、ある閾値で1つ又は複数のワイヤの間に電気的短絡を引き起こす可能性がある。これが起きるのは、水又は凝縮水がビーズ材料より導電性が多いことがあるからである。図8Aは、チューブ内壁810を通って導管の内腔811に曝される1つ又は複数の検出ワイヤ801を概略的に例示する、短絡に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図であり、1つ又は複数の検出ワイヤ801は、ヒータベース又はセンサカートリッジ及び測定構成要素内で電源に電気接続される。1つ又は複数の検出ワイヤ801は、導管の内腔811に1つ又は複数の露出部813を有することがある。一部の実装形態では、露出部813は、1つ又は複数の検出ワイヤ801から導管の内腔811の中に突出する。1つ又は複数の検出ワイヤ801は、チューブの全長又はチューブの長さの一部のみのいずれかに対してチューブ全体を通して離間することができる。一部の実装形態では、1つ又は複数の検出ワイヤは、周期的に離間される。1つ又は複数の検出ワイヤ801は、電源に電気接続することができる。一部の実装形態では、1つ又は複数の検出ワイヤ801に電気接続された電源は、1つ又は複数の分離した電源である。
【0142】
1つ又は複数の検出ワイヤ801の1つ又は複数の露出部813は、凝縮水を検出するために使用することができる。例えば通常測定抵抗値100MΩを提供する、1つ又は複数の検出ワイヤ801の1つ又は複数の露出部813が存在してもよい。しかし1つ又は複数の露出部813が水分によって(例えば潜在的短絡場所815で)一緒に短絡した時に、測定抵抗値は90MΩ以下に降下することがある。別法として、測定電流が変化して、凝縮水によって短絡が形成された可能性があることを示すことができる。潜在的短絡場所815は、異なる検出ワイヤ801の1つ又は複数の露出部813の間、又は同じ検出ワイヤ801の複数の露出部の間である可能性がある。このような短絡場所815は、チューブの長さに沿って凝縮水を検出するために使用することができる。一部の実装形態では、1つ若しくは複数の検出ワイヤ801の1つ又は複数の露出部813は、例えばチューブに沿って同じ長さ又はほぼ同じ長さに1つ又は複数の露出部を有することにより、チューブの断面における水分を検出するように構成することができる。
【0143】
1つ又は複数の検出ワイヤ801は、凝縮水が位置する場所を正確に見出すために使用されてもよい。例えば2つの検出ワイヤ801に沿って抵抗の降下があるかもしれない。これは、短絡をもたらす両方の検出ワイヤの1つ若しくは複数の露出部813の周り及び/又は間に凝縮水があることを意味することができる。
【0144】
別法として、1つ又は複数の検出ワイヤ801は、ヒータワイヤ、サーミスタワイヤ、若しくはチューブ内のあらゆる他のワイヤの1つ又は組み合わせであることが可能である。
【0145】
図8Bは、ビーズ830内の検出ワイヤ821を概略的に例示する、短絡に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図であり、検出ワイヤ821は、ヒータベース又はセンサカートリッジ内及び測定構成要素内の電源に電気接続される。検出ワイヤ821は、ビーズチャネル831への1つ又は複数の露出部833を有してもよい。一部の実装形態では、露出部833は、検出ワイヤ821からビーズチャネル831の中に突出する。検出ワイヤ821は、チューブの全長又はチューブの長さの一部のみのいずれかに対してビーズ830を通って走ることができる。例えば測定抵抗値100MΩを提供することがある、検出ワイヤ821の1つ又は複数の露出部833が存在することがある。しかし1つ又は複数の露出部833が水分によって(例えば潜在的短絡場所835で)一緒に短絡した時に、測定抵抗値は90MΩ以下に降下することがある。潜在的短絡場所835は、互いに直列である、若しくは互いに並列である1つ又は複数の露出部833を短絡する可能性がある。別法として、測定された電流は増加する可能性がある。
【0146】
水又は凝縮水は、空気より導電性が多い。同様に水又は凝縮水は、ビーズ材料より導電性が多いことがある。これは、水又は凝縮水が露出部833で検出ワイヤ821の回路を一部又は完全に短絡することができるはずであり、それによって測定抵抗値が低減し、又は水若しくは凝縮水を検出するために測定構成要素で測定された電流が増加する。
【0147】
ビーズ830は、凝縮水放水チャネル(例えば後に記載される図15の1つ又は複数の開口903)を有することができる。検出ワイヤ821の一部は、チャネルの内部に周期的に露出することができる。一部の実装形態では、検出ワイヤは、完全な回路でなくてもよい(例えば患者端部が開いている)。こうして水分がビーズチャネルの中に迂回する時に、水は検出ワイヤの露出部の間の回路が完成することがある。これは、ビーズチャネル内に凝縮水がない場合は非常に高い可能性があるワイヤ抵抗値、又は回路が完成しない場合は非常に低い可能性がある電流を測定することによって検出することができる。
【0148】
一部の実装形態では、抵抗に基づいた凝縮水検出システムは、1つ若しくは複数の検出ワイヤ801、821によって測定された抵抗又は電流の変化を測定することにより、水又は凝縮水が存在する量を検出することもできることがある。
【0149】
抵抗に基づいた凝縮水検出システムは、1つ又は複数の検出点が、凝縮水が非常に高い傾向があるチューブ内の公知の点、例えば撓みにより凝縮水が溜まる可能性があるチューブの中点に位置する場合に有益であることがある。チューブは、患者のベッドの脇に加湿器及びチューブを配置することに起因して撓むことがある。
【0150】
別法として、検出ワイヤ821は、ヒータワイヤ、サーミスタワイヤ、若しくはビーズ830内のあらゆる他のワイヤの1つ又は組み合わせであることが可能である。
【0151】
無線周波数(RF)の減衰に基づいた検出
水及び凝縮水は、高い周波数信号に対して伝播媒体が乏しい。この特性は、凝縮水が呼吸チューブ内に存在するかどうかを検出するために使用することができる。
【0152】
図9Aは、センサカートリッジ901、送信機911(Tx)、及び受信機913(Rx)を概略的に例示する、RF減衰に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図である。センサカートリッジ901は、制御装置903、信号発生器905及び信号測定構成要素907を有することがある。
【0153】
図9Aの例示的概略図では、制御装置903は、信号発生器905及び信号測定構成要素907に電気接続される。信号発生器905は、送信機911に電気接続される。信号測定構成要素907は、受信機913に電気接続される。
【0154】
制御装置903は、送信機911によって送信される信号915を発生するように信号発生器905に命令することができる。次いで信号915は、受信機913によって受信され、次いで信号測定構成要素907で測定される。一旦信号915が測定されると、信号測定構成要素907は、応答方法を決定するために、信号915の測定情報を制御装置903に通信することができる。凝縮水が送信機911と受信機913との間の伝送経路に生じると、凝縮水は、受信機913によって受信された時に、信号915の減衰が著しく増加した信号をもたらす可能性がある。減衰とは、信号が媒体を通って伝播される時の信号の大きさ又は強度の低減である。こうして受信機913で受信された信号は、信号915が減衰された形になる。送信機911と受信機913との間の水の存在は、受信した信号の大きさを測定することによって検出することができる。受信された信号の大きさは、送信機911と受信機913との間に存在する、水又は凝縮水の量を決定するために使用することもできる。
【0155】
信号の周波数は、周波数の広域スペクトル、つまり水又は凝縮水を通る伝送が、信号を減衰するはずである、あらゆる周波数を包含してもよい。これは、例えば周波数帯域30Hz~300GHzを含むことができる。一部の実装形態では、信号は1~100MHz帯域に周波数を有する。一部の実装形態では、信号は約10MHzの周波数を有する。約10MHzでは、送信機911及び受信機913のアンテナの長さは、信号の波長の4分の1であってもよい。4分の1の波長のアンテナは、送信された信号915の電力、従って受信された信号を最大にし得る、共振に有益である可能性がある。一部の実装形態では、水の共振周波数(約2.45GHz)は、信号915の周波数である。水の共振周波数を使用することは、受信機アンテナで最低の信号対雑音比を生じることがあり、受信機アンテナは凝縮水の変化への感度も増加させることがある。
【0156】
信号発生器905は、あらゆる適切な高い周波数信号発生器であることが可能である。同様に、信号測定構成要素907は、AM受信機、RF整流回路又はRFサンプリングADCなどのあらゆる適切な高い周波数変換器であることが可能である。
【0157】
一部の実装形態では、制御装置903、信号発生器905、及び信号測定構成要素907のあらゆる組み合わせが、ベース(例えば図1Bのベース151)内又は呼吸チューブ(例えば図1Bの呼吸チューブ159)の一部内に位置することができる。
【0158】
図9Bは、RF減衰に基づいた凝縮水検出システム内のヒータワイヤ922及びサーミスタワイヤ924を含む、埋め込まれたワイヤを備えたチューブビーズ920の例示的断面を提供する。この例では、無線周波数信号は、信号発生器(例えば図9Aの信号発生器905)によってヒータワイヤ922の中に注入され、それによりヒータワイヤ922は信号926の送信機として作用する。サーミスタワイヤ924は信号926の受信機として作用し、信号を信号測定構成要素(例えば図9Aの信号測定構成要素907)に搬送する。
【0159】
図9Bの例示的実装形態では、ヒータワイヤ922はサーミスタワイヤ924に隣接している。一部の実装形態では、ヒータワイヤ922及びサーミスタワイヤ924は隣接しないワイヤである。
【0160】
図10Aは、ヒータワイヤ1011を送信機(例えば図9Aの送信機911)として、及びサーミスタワイヤ1013を受信機(例えば図9Aの受信機913)として使用する、RF減衰に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図である。図10Aは、センサカートリッジ1001、ヒータワイヤ1011、及びサーミスタワイヤ1013を概略的に例示する。センサカートリッジ1001は、信号発生器1003、フィルタ1005及び信号測定構成要素1007を有してもよい。
【0161】
図10Aの例示的概略図では、信号発生器1003は、ヒータワイヤ1011に電気接続される。サーミスタワイヤは、フィルタ1005に電気接続され、フィルタ1005は、次いで信号測定構成要素1007に電気接続される。信号発生器1003、フィルタ1005、及び信号測定構成要素1007は、センサカートリッジ1001内の他の構成要素又は加湿器の他の構成要素に電気接続される。
【0162】
信号発生器1003は、ヒータワイヤ1011によって送信される信号1015を生成する。次いで信号1015は、サーミスタワイヤ1013によって受信される。ヒータワイヤ1011は送信機として使用され、サーミスタワイヤ1013は図9Aに関して記載されたように、受信機として使用される。受信された信号は、次いで減衰された形の信号1015のみが、信号測定構成要素1007で測定されるように、信号発生器1003によって発生された1つ若しくは複数の周波数以外の外部からの周波数を取り除くために、フィルタ1005によってフィルタリングされてもよい。例示的フィルタは、ハイパス又はバンドパスフィルタであることが可能である。フィルタは、主電源周波数からフィルタリングするように構成することもでき、主電源周波数とは、主電源の周波数を指す。主電源は、壁/コンセント又は電力網に由来する電力である。
【0163】
図9Aに関して記載されたように、受信された信号の大きさは、ヒータワイヤ1011とサーミスタワイヤ1013との間の水の存在を検出するため、又はその間に存在する水若しくは凝縮水の量を決定するために使用することができる。
【0164】
ヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013は、ビーズ内で信号を搬送するために使用された他のワイヤとは別のワイヤである可能性がある。一部の実装形態では、ヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013は、ビーズ内で信号を搬送するために使用された別のワイヤではない。
【0165】
一部の実装形態では、フィルタ1005は存在しない。その結果、信号測定構成要素1007は、サーミスタワイヤ1013上のどの信号も測定する。一部の実装形態では、ヒータワイヤ信号を他のRF信号から分離する、及び/若しくはサーミスタワイヤ信号を他のRF信号から分離するために追加のフィルタ又は代替フィルタ構成が存在することがある。これにより、ヒータワイヤ及び/又はサーミスタワイヤ上の凝縮水検出信号と、凝縮水の検出以外の目的に使用される信号などの他のRF信号との区別が可能になる。
【0166】
図10Aでは、ヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013は、どちらもセンサカートリッジ1001及び/又は加湿器に電気接続される。その結果、ヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013の両方が、ループアンテナを形成する。この実装形態は、ループアンテナが30MHzを下回る周波数に有効であることが可能であるので、低い周波数の信号1015の送受信に適切であることがある。
【0167】
信号発生器1003は、ヒータワイヤ1011又はサーミスタワイヤ1013を横切る他の信号のための信号発生器とは分離した信号発生器であることが可能である。
【0168】
図10Bは、図10Aに類似したRF減衰に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図である。やはりヒータワイヤ1011は送信機として使用され、サーミスタワイヤ1013は受信機として使用される。しかし図10Bの例示的実装形態では、スイッチ1004、1008は、加湿器又はセンサカートリッジ1001の他の部分からヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013のそれぞれの1端を切断するために利用される。ヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013のそれぞれの1端を切断することにより、モノポールアンテナが形成される。一部の実装形態では、ヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013によって形成されたモノポールアンテナは、4分の1波長のモノポールアンテナである。スイッチ1004、1008は、以下のいずれか1つ、すなわちヒータベース、センサカートリッジ、導管、外部構成要素、又は中間コネクタ内に置かれる。加熱ゾーンを備えた新生児用バブルチューブは、例示的中間コネクタである。
【0169】
図9Bを参照すると、ヒータワイヤ1011はサーミスタワイヤ1013に隣接する。一部の実装形態では、ヒータワイヤ1011及びサーミスタワイヤ1013は、隣接しないワイヤである。
【0170】
一部の実装形態では、スイッチ1004、1008、信号発生器1003、フィルタ1005、及び信号測定構成要素1007のあらゆる組み合わせが、ベース(例えば図1Bのヒータベース151)又は加湿器の別の部分(例えば図1Bのカートリッジ155)内に置かれる。一部の実装形態では、スイッチ1004、1008、信号発生器1003、フィルタ1005、及び信号測定構成要素1007のあらゆる組み合わせが、呼吸チューブ内(例えば図1Bの吸気チューブ159の中間点)に置かれる。一部の実装形態では、スイッチ1004、1008、信号発生器1003、フィルタ1005、及び信号測定構成要素1007のあらゆる組み合わせが、ベース又はチューブに取り付け可能なカートリッジ(例えば図1Bのカートリッジ155)内に置かれる。一部の実装形態では、スイッチ1004、1008、信号発生器1003、フィルタ1005、及び信号測定構成要素1007のあらゆる組み合わせが、ベース及びチューブの両方の間に置かれる。
【0171】
熱に基づいた検出
特定の媒体又は媒体の特性は、伝熱の効率及び/又は大きさに影響を及ぼす。水は、ビーズ材料の熱伝導率と異なることがある熱伝導率を有する。同様に、水は、ビーズ材料の特定の熱容量と異なることがある特定の熱容量を有する。水及びビーズ材料の熱伝導率の差及び/又は特定の熱容量の差は、凝縮水が呼吸チューブの内に存在するかどうかを検出するために使用することができる。凝縮水がビーズの周り及び/又は内部に存在する時に、1対の埋め込まれたチューブワイヤの間の熱伝導が向上することがある。
【0172】
図11Aは、2つのワイヤの間の熱伝導率の例示的図である。図11Aは、サーミスタワイヤ1113、ヒータワイヤ1111、及びヒータワイヤ1111とサーミスタワイヤ1113との間の距離を表す半径r1117を例示する。
【0173】
線熱源が存在する場合の熱伝導率と温度変化率との間の関係は以下のように表される。
【数5】
【0174】
温度Tは、半径r及び時間tの関数であり、式中λは熱伝導率であり、
【数6】
は線熱源の特定の熱出力であり、γはオイラー定数であり、αは熱拡散率である。
【0175】
半径rが一定であるとすれば、温度Tは、2つの異なる点で定時に測定されてもよく、温度変化は、熱拡散率又は実際の半径を知る必要なしに、容易に計算することができる。
[10]ΔT=T(r,t2)-T(r,t1
【0176】
熱伝導率を以下のように並べ替える。
【数7】
【0177】
このステップは、対流熱損失がゼロである仮説が必要であり、これは、測定が線形領域内で取られるのであれば正確になる。温度Tの変化がIn(t)の変化と直線関係にある領域が存在する。この線形領域は、初期温度上昇の後だが安定化する前に、TとIn(t)との間にほぼ直線関係がある時間ウインドウが存在するように、時間依存性であることが可能である。
【0178】
一部の実装形態では、凝縮水検出システムは、凝縮水の存在及び/又は存在する凝縮水の量を検出するために熱伝導率を使用する。例えば凝縮水は、ヒータワイヤ1111に電力の段階的変化を適用し、サーミスタワイヤ1113又はヒータワイヤ1111自体のその後の温度上昇を測定することによって検出することができる。
【0179】
水は、ビーズ内、ビーズ上、又はチューブ内のいずれかの場所で検出することができる。ビーズ内の水は、最も熱伝導率を変化させるが、熱伝導率の変化は、水がチューブ内のどこかにあるかどうかを検出することができる。
【0180】
図11Bは、熱源としてのヒータワイヤ1111及びサーミスタワイヤ1113を使用する、熱伝導率に基づいた凝縮水検出システムの例示的概略図である。図11Bは、センサカートリッジ1101、ヒータワイヤ1111、及びサーミスタワイヤ1113を概略的に例示する。サーミスタワイヤ1113は、バイパス(シャント)ダイオード1117及びサーミスタ1119を含んでもよく、サーミスタ1119は、バイパスダイオード1117の使用によって迂回される。
【0181】
図11Bの例示的概略図では、センサカートリッジ1101は、ヒータワイヤ1111及びサーミスタワイヤ1113の両方に電気接続される。一部の実装形態では、ヒータワイヤ1111及びサーミスタワイヤ1113の一方又は両方は、ヒータベース又は加湿器の他の構成要素に電気接続される。
【0182】
凝縮水は、電力の段階的変化をヒータワイヤ1111に適用し、サーミスタワイヤ1113又はヒータワイヤ1111自体のその後の温度上昇を測定することによって検出することができる。一部の実装形態では、電力の段階的変化は、一定時間である。一部の実装形態では、電力レベルのあらゆる変化は、負でも正でも適用され得る。
【0183】
一部の実装形態では、サーミスタワイヤ1113の温度が測定される。ここでは、線熱源(ヒータワイヤ1111)と測定された本体(サーミスタワイヤ1113)との間の半径rは、小さいがゼロではない。導体(ヒータワイヤ1111及びサーミスタワイヤ1113のどちらも導体であることが可能である)の抵抗と温度との間の関係が直線比例であることに起因して、温度は配線抵抗を測定することによって容易に推定することができる。しかし例えばチューブに沿った公知の場所、例えばサーミスタ1119に隣接して並列接続されたダイオード1117を使用して、バイパスを介してサーミスタワイヤ1113の測定された抵抗へのサーミスタ1119の抵抗への寄与を取り除くことが望ましいことがある。サーミスタ1119の抵抗を取り除くことにより、ワイヤの抵抗は、測定された抵抗の主要な原因である。一部の実装形態では、バイパスは、チューブの患者端部でサーミスタ1119に近接している。
【0184】
ヒータワイヤ1111から加熱するためにサーミスタワイヤ1113の温度の応答に遅延することがある。サーミスタワイヤ1113の加熱におけるこの遅延は、サーミスタワイヤ1113の加熱を観察する前に、ヒータワイヤ1111から離れてサーミスタワイヤ1113に熱を伝導させる必要があることに起因する。この遅延は、ヒータワイヤ1111の電力の段階的変化の後に簡単に観察できる温度の過渡的な不整合を克服し得る。
【0185】
一部の実装形態では、ヒータワイヤ1111自体の温度が測定される。先に記載された原理と同じ原理がこの実装形態に適用できるが、その代わりに半径r(温度式[9])はゼロであることが企図される。電力の段階的変化がヒータワイヤ1111に適用される時に、ビーズ材料の熱伝導率は、ヒータワイヤ1111から離れた熱伝導又は放熱の程度に影響を及ぼす。例えばヒータワイヤ1111から離れた熱伝導率、すなわちヒータワイヤ1111からの放熱は、ヒータワイヤ1111の周りに存在する凝縮水の量に関連して変化する。従って抵抗と温度との間の直線比例関係も、やはりワイヤ抵抗を測定することによって温度を推定するように使用されてもよい。この実装形態が好都合であることがあるのは、凝縮水検出システムを実装するために追加のハードウェア構成要素が必要ないことがあるからである。
【0186】
一部の実装形態では、サーミスタワイヤ1113は通電されてもよく、ヒータワイヤ1111の温度は測定される。一部の実装形態では、複数のワイヤ(例えばヒータワイヤ及び/又はサーミスタワイヤ)は通電されてもよく、1つのワイヤの温度は測定される。一部の実装形態では、1つのヒータワイヤ1111又はサーミスタワイヤ1113は通電されてもよく、複数のワイヤ(例えばヒータワイヤ及び/又はサーミスタワイヤ)の温度は測定される。
【0187】
一部の実装形態では、ヒータワイヤ1111及びサーミスタワイヤ1113は、ビーズワイヤ配置で隣接する。一部の実装形態では、ヒータワイヤ1111及びサーミスタワイヤ1113は、ビーズワイヤ配置で隣接しない。
【0188】
一部の実装形態では、段階的変化は、ヒータワイヤ1111に通電するためにAC電源における段階的変化である。一部の実装形態では、段階的変化は、DC電源における。一部の実装形態では、ヒータワイヤ1111を通電する前に、AC電源をDCに整流するために回路を追加する必要がある。一部の実装形態では、複数の電力信号がインターリーブされる。例えばワイヤに電気接続された回路に電力供給するための制御電力、及び電力の段階的変化は、ワイヤ上でインターリーブされる。
【0189】
一部の実装形態では、サーミスタワイヤ1113又はヒータワイヤ1111の温度は、デバイス、例えば熱電対温度計の使用によって測定されてもよい。一部の実装形態では、サーミスタワイヤ1113又はヒータワイヤ1111の温度は、ワイヤの温度を測定する他の公知の方法によって測定されてもよい。
【0190】
凝縮水検出の全ての方法に概ね適用可能
一部のワイヤは、加熱、感知、ヒータ、又はサーミスタワイヤとして上に記載されていることがあるが、これらのワイヤは、このような機能のあらゆる組み合わせを行うことができることを理解されたい。
【0191】
これらの凝縮水検出システムは、相互に排他的ではないことを理解されたい。あらゆる凝縮水検出システムの実装形態を含む、あらゆる凝縮水検出システムは、例えばエラーチェック又は冗長性を提供するために、互いに組み合わせて使用されてもよい。凝縮水検出システムのあらゆる出力は、互いに対して重みを掛けることがある。一部の実装形態では、特定の凝縮水検出システムは、正確性又は精度を高めることに起因してより重いことがある。
【0192】
信号発生器
信号発生器は、電圧信号を発生するために使用することができる。制御装置のI/Oピンからのパルスを含む、信号を発生するあらゆる方法が使用されてもよい。励起モジュールは信号発生器であることが可能である。同様に上記の凝縮水検出方法の多くは、複数の離散信号発生器又は複数の離散信号を生成できる信号発生器を必要とすることがある。
【0193】
一部の実装形態では、5Vの矩形波信号が信号発生器から発生されることが可能である。一例の信号発生器は、呼吸チューブを加熱するために制御可能な周期「パルス」を発生するパルス幅変調(PWM)ヒータワイヤ電流である。このような一構成では、時定数は、静電容量がPWM信号の連続した「オン」の期間の間に完全に放電されるように、PWM期間より短い。別法として、PWMヒータワイヤ電流のデューティサイクルは、コンデンサを完全に放電させるために、選択的又は周期的にPWMヒータワイヤ電流の2つ以上の連続する期間に対して0%に設定され、及び/又は静電容量を完全に充電し、以下に更に詳細に記載されるように時定数を測定できるようにするために、2つ以上の連続する期間に対して100%に設定されてもよい。
【0194】
導管モデル
上に検討したように、導管システムは、要素抵抗及び固有の静電容量Cを含むことができるが、要素抵抗は、抵抗器Rが要素抵抗より大幅に大きい場合に無視することができる。
【0195】
検出回路
検出回路は比較器を含むことができる。比較器は、抵抗器Rを横切る電圧を閾値電圧と比較する。比較器は、抵抗器を横切る電圧が閾値電圧より高い場合にバイナリ1(HIGH)、抵抗器を横切る電圧が閾値電圧を下回る場合にバイナリ0(LOW)を出力するように構成されてもよい。閾値電圧は、要素に印加した電圧パルスのe-1又は36.8%に対応してもよい。しかしあらゆる適切な代替閾値電圧が使用されてもよい。図12は、「ドライ」及び「ウェット」のチューブに対して比較器の出力を比較する。図12に例示されたように、X軸及びY軸のユニットは、容易に理解するように標準化されているが、実際の測定値は異なってもよい。
【0196】
図12では、「パルス」は信号発生器の電圧、例えば5Vの矩形波又はパルスを表し、これは図で標準化されている。「閾値」は閾値電圧を表す。閾値電圧は、あらゆる値、例えば信号発生器電圧の36.8%であってもよい。「V0」及び「V1」は、ドライ及びウェットチューブのそれぞれに対する抵抗器Rを横切る電圧を表し、「D0」及び「D1」はそれに応じた検出器の出力を表す。
【0197】
図12に例示されたように、D1はD0より大きい時定数に対応する。より大きい時定数は、チューブ内の「ドライ」対「ウェット」状態の差によってもたらされ、これは要素間の絶対誘電率に差をもたらす。コンデンサCは最初に放電される。すなわちコンデンサCを横切る電圧VCは0Vである。信号発生器が正循環の上昇中に0Vから+5Vに変化すると、コンデンサは、短絡として作用するので、コンデンサを横切る電圧は0Vである。すなわちコンデンサの第1及び第2の端子は、どちらも5Vである。VR=Vin-VCから、抵抗器Rを横切る瞬時電圧は、従って信号発生器の出力と同じになることがわかる。Rを通って流れて得られる電流により、コンデンサCが充電する率が決まる。コンデンサCが充電し、それを横切る電圧が増加すると、抵抗器Rを横切る電圧は低下し始める。コンデンサが完全に充電されると、抵抗器Rを横切る電圧は0Vになる。この逆転は、コンデンサが放電する時に信号発振器の電圧が+5Vから0Vに変化すると起きる。この場合、抵抗器は、それを横切る負電圧を有することになる。電圧が閾値線を再度交差する点では、比較器の出力がLOWになる。こうしてチューブの時定数を表すパルスを発生することができる。時定数の持続時間は、制御装置のGPIOピンを介して測定することができる。間隔又は持続時間、例えば発生されたパルスの間隔又は持続時間を測定するあらゆる他の適切な方法が使用されてもよい。
【0198】
閾値点(本明細書では所定の閾値とも呼ばれる)は、例えば、これに限定されないが、治療の種類、周囲条件、導管の種類、長さ、及び/又は構造を含む、あらゆる数の作動条件に基づいて、制御装置を含むあらゆる適切な手段によって選択できることがあることが認識されよう。
【0199】
複数の閾値は、制御装置がチューブ内の凝縮水の程度に依存して異なる応答をすることができるように、又は「ウェット」若しくは「ドライ」状態の検出の間にヒステリシスを提供するように、実装することができることもわかるべきである。追加として、凝縮レベルは、制御アルゴリズムが所定の閾値で単純に切り替えるモードより、むしろ凝縮レベル及び/又は他の入力に依存して可変出力を有することができるように、連続体として検出することができる。
【0200】
凝縮水検出工程
呼吸支援装置は、水分検出と通常の作動モードとの間で切り替えることができる。呼吸支援装置が通常の作動モードである時に、呼吸支援装置は、図1~2に関して記載されたように通常の作動を行う。呼吸支援装置が水分検出モードである時に、呼吸支援装置は、水分を検出する上記の方法の1つ又は複数を使用する。一部の実装形態では、複数の水分検出モード及び/又は複数の通常の作動モード、例えば一次検出及び二次検出モードが存在してもよい。例示的一次検出モードは、凝縮水の存在を検出することに関与することがある一方で、例示的二次検出は、凝縮水の量を検出することに関与することがある。これらの複数の水分検出モード及び/又は複数の一般的に作動可能なモードは、1つ又は複数の水分検出及び/又は通常の作動可能な操作を実行することがある。
【0201】
一部の実装形態では、呼吸支援装置は、水分検出と通常の作動モードとの間を周期的に切り替える。一部の実装形態では、呼吸支援装置は、通常の作動モードに入る前に水分検出モードで開始する。一部の実装形態では、呼吸支援装置は、水分検出モードと通常の作動モードとの間を手動で切り替えることができる。一部の実装形態では、特定の条件が存在することにより、呼吸支援装置を特定の水分検出及び/又は通常の作動モードから他の水分検出及び/又は通常の作動モードに切り替えることがある。
【0202】
別法として、呼吸支援装置は、水分検出作動と通常の作動可能な操作との間を切り替えることができる。一部の実装形態では、水分検出は、通常の作動モードと併せて、又は平行して行われる。これにより、通常の作動モード/操作及び凝縮水検出モード/操作をインターリーブすることに関与することができる。例えば呼吸支援装置は、通常の作動モード/操作及び凝縮水検出モード/操作をインターリーブために時分割多重を使用してもよい。
【0203】
呼吸支援装置は、他のモードにも同様に入ることができることを知るべきである。呼吸支援装置は、凝縮水以外の異なる状態を検出し、又は呼吸支援装置の他の機能、例えば水の流出、逆流、若しくは前に記載されたような他の機能を検出することを作動し得る、他のモードに入ることができる。
【0204】
一部の実装形態では、水分検出モードを出ることは、凝縮水が検出されない所定の期間、特定の閾値を満たすか若しくは満たさないか、又は凝縮水がないことに対する試験に十分に成功したことに基づくことが可能である。
【0205】
図13Aは、導管内の少なくとも2つの導電性要素の固有の静電容量を使用して、凝縮水の存在を検出するための流れ図の例示的アルゴリズムを例示する。凝縮水検出は、通常の作動と無関係に又は一緒に機能してもよい。例えば通常の作動は、凝縮水検出が行われている間に、一定期間中断してもよい。別の例では、凝縮水検出は、通常の作動と異なる周波数で作動して、通常の作動と連動して作用してもよい。
【0206】
図13Aに示されたように、凝縮水検出モードは、信号を発生すること1303、発生された信号に応答して戻された信号を受信すること1305、時定数を決定すること1307、時定数を所定の閾値と比較すること1309、及び時定数が所定の閾値より高いかどうかを決定すること1311によって作動する。時定数が所定の閾値より高い場合1311に、システムは、望ましくない量の凝縮水が存在すると決定し、凝縮水軽減戦略が実施される1313。1311で時定数が所定の閾値を超えない場合、望ましくない量の凝縮水はチューブ内に存在しないと決定され、システムは、通常のヒータワイヤ又はセンサ制御モードに切り替えて戻る1315。凝縮水軽減戦略を実施後、システムは、通常のヒータワイヤ又はセンサ制御モードに切り替えて戻る1315。
【0207】
別法として、単一の所定の時定数閾値の代わりに、複数の閾値は、凝縮水の状態を数値化し、又は凝縮水の量を測定するために異なる細分性(例えば「ドライ」、「低」、「中」、及び「高」、又は1~10の段階)を使用することができる。図13Bは、凝縮水の表示を検出するために、流れ図の例示的アルゴリズムを例示する。表示は、凝縮水の相対的段階(例えば低、中又は高)、凝縮水の傾向(例えば増加又は低減)、凝縮水の量(例えば5mlの凝縮水)、凝縮水を受けている導管若しくは導管の一部の百分率、又は上記のあらゆる組み合わせであることが可能である。
【0208】
図13Bに示されたように、凝縮水測定モードは、信号を発生すること1323、戻された信号を受信すること1325、時定数を決定すること1427、凝縮水の表示を決定すること1329、及び凝縮水軽減戦略を実施すること1331によって作動する。
【0209】
図13Cに示されたように、システム(例えば図6のインダクタンス検出システム600)の共振周波数を測定すること1341、システムの共振周波数を測定すること1343、及び呼吸チューブの共振周波数が、第1の閾値を超えるか、又は第2の閾値を下回るかを決定すること1343によって作動する、インダクタンスに基づいて検出するための例示的凝縮水検出モード。1343で共振周波数が第1の閾値を超えるか、又は第2の閾値を下回る場合に、システムは、望ましくない量の凝縮水が存在することを決定し、凝縮水軽減戦略が実施される1345(例えば凝縮水警報を設定する)。1345で、共振周波数が第1の閾値を越えないか、又は第2の閾値より低くない場合、望ましくない量の凝縮水がチューブ内に存在しないと決定され、システムは、所定の時間間隔の後に再度共振周波数を測定する1341。凝縮水軽減戦略を実施後に、システムは所定の時間間隔の後に再度共振周波数を測定する1341。
【0210】
図13Dに示されたように、補足信号をヒータワイヤ又はヒータワイヤ信号の中に注入すること1351、信号をサーミスタワイヤ上で受信すること1353、サーミスタワイヤ上で受信された信号の大きさを測定すること1355、及び大きさが閾値を下回るかどうかを決定すること1357によって作動する、信号減衰に基づいた検出のための例示的凝縮水検出モード。1357で受信された信号の大きさが所定の閾値を下回る場合に、システムは、望ましくない量の凝縮水が存在することを決定し、凝縮水軽減戦略が実施される1359(例えば凝縮水警報を設定する)。1357で、受信された信号の大きさが所定の閾値より低くない場合、望ましくない量の凝縮水がチューブ内に存在しないことが決定され、システムは、所定の時間間隔の後に再度補足信号をヒータワイヤ又はヒータワイヤ信号の中に注入する1351。凝縮水軽減戦略を実施後に、システムは所定の時間間隔の後に再度補足信号をヒータワイヤ又はヒータワイヤ信号の中に注入する1351。
【0211】
図13Eに示されたように、ヒータワイヤ電力の段階的変化を適用すること1361、ヒータワイヤ又はサーミスタワイヤの温度上昇を測定すること1363、ヒータワイヤ又はサーミスタワイヤのいずれかの熱伝導率を計算すること1365、及びヒータワイヤ又はサーミスタワイヤの熱伝導率が閾値より高いかどうかを決定すること1367によって作動する、熱に基づいた検出のための例示的凝縮水検出モード。1367でヒータワイヤ又はサーミスタワイヤの熱伝導率が、所定の閾値より高い場合に、システムは、望ましくない量の凝縮水が存在することを決定し、凝縮水軽減戦略が実施される1369(例えば凝縮水警報を設定する)。1367で、ヒータワイヤ又はサーミスタワイヤの熱伝導率が、所定の閾値を超えない場合に、望ましくない量の凝縮水がチューブ内に存在しないことが決定され、システムは、所定の時間間隔の後に再度ヒータワイヤ電力の段階的変化を適用する1361。凝縮水軽減戦略を実施後、システムは所定の時間間隔の後に再度ヒータワイヤ電力の段階的変化を適用する1361。
【0212】
開示された全ての方法に対して、凝縮水検出閾値は厳密な大きさの閾値ではなくてもよく、その代わりに変化率、変化の持続的な率、大きさの持続的な増加若しくは低減、傾向又は他の統計的測定の閾値であってもよいことに留意されたい。複数の閾値、例えばソフト閾値及びハード閾値が使用されてもよい。閾値は、上限又は下限閾値であってもよく、加湿器がその中で動作する許容範囲を設定するために使用されてもよい。追加として、閾値を超えることに応答して、以下に論じる凝縮水軽減戦略などの警報の設定に限らず、あらゆる代替応答が考えられる。例えば聴覚、視覚及び/若しくは聴覚視覚警報、警告又は助言が誘発されてもよい。尚更に、誘発は凝縮水軽減戦略におけるフィードバックとして使用されてもよい。開示された全ての方法に対して、方法が、上限閾値について記載する(例えば方法が閾値を超えることを記載する)場合、方法は下限閾値も使用してもよいことに留意されたい。同様に方法が、下限閾値について記載する(例えば方法が閾値より下がることを記載する)場合、方法は上限閾値も使用してもよい。追加として、上記の方法に記載された所定の時間間隔は、現状及び/又はユーザ入力に基づいて変化することができる。
【0213】
開示されたあらゆる方法が、凝縮水の存在を示す純粋なバイナリ出力を持たなくてもよい。経験的に決定された値又はメモリに記憶された公知の関係を使用して、あらゆる方法が、存在する凝縮水の量を数値化する(例えば10mL、15mL、20mL、その他)ために使用されてもよい。このメモリは、ヒータベース、外部付属品、センサカートリッジ、導管、又は中間チューブコネクタ内に置くことができる。
【0214】
凝縮水軽減戦略
凝縮水軽減戦略1313、1331、1345、1359、及び1369を実施することは、凝縮水の存在又は表示を操作者に報告すること、凝縮水の量を操作者に報告すること、凝縮水の量が増加しているか又は低減しているかを報告すること、導管から凝縮水を安全に取り除くために視覚ガイドを提供すること、視覚又は聴覚警報を提供すること、又は絶対湿度を低減させる、若しくはガスの温度を高くするためにガス供給システムに作動変化を自動的に実施することを含むことができる。凝縮水軽減戦略が成功し、凝縮水が望ましくない量未満に低減されると、システムは、凝縮水の存在又は表示がないことを操作者に報告し、凝縮水の低減した量を操作者に報告し、凝縮水の低減率を報告し、視覚若しくは聴覚警報を提供し、又は絶対湿度を増加させ、若しくはガスの温度を低減させるために、ガス供給システムに作動変化を自動的に実施することができる。
【0215】
制御装置は、凝縮水の受容できない値又は存在が上記の先に記載したあらゆる方法を使用して検出された時に、湿度の送達の原因となる特定のパラメータを変更するように(例えばメモリに記憶されたソフトウェア命令を実施することにより)構成することができる。例えばパラメータは、静電容量に基づいた検出方法によって企図された回路の時定数の持続時間が所定の閾値を超える時に変更されてもよい。例えば所定の閾値は、ドライチューブに対応する時定数の持続時間に設定することができる。時定数の持続時間が、検出方法に依存して凝縮水の蓄積のために所定の閾値を超える又は下回る時に、制御装置は、チャンバからの湿度出力を低減するために、チャンバ出力設定点などの作動設定点又はパラメータを変更することができる。例えば湿度計のヒータプレートに供給された電力は、呼吸チューブに供給された呼吸ガスに加えた水分のレベルを低減するために低減されてもよく、及び/又は呼吸チューブの加熱ワイヤに供給された電力は、加湿ガスの温度がそれらの露点より低いことを防ぐために増加されてもよい。一旦持続時間が検出方法に依存して所定の閾値(若しくは一定期間の後に)より低い又は超えると、制御装置は、通常の/前の作動を再開してもよい。閾値は、ヒステリシスを提供し、作動モード間の振動を回避するために、変化してもよく、又は異なる閾値を使用してもよい。
【0216】
別法として、凝縮水の検出は、持続時間の絶対値ではなく、時定数信号の前回と今回の持続時間の差に基づく。時定数の増加は、チューブ内の凝縮水の増加を示す。時定数の低減は、チューブの乾燥を示す。時定数は、上に論じたように凝縮水のあらゆる表示と相互に関連することもできる。この手法は、以下に記載されるように較正処置を必要とせず、静電容量を継時的に、又はチューブごとに変えることによって影響を受けないという利点を有する。
【0217】
較正
ドライ静電容量及び時定数には、チューブごとに固有のばらつきが出ることを理解するべきである。このようなばらつきは、異なるチューブ構成、或いは例えば所与のチューブ構成、周囲条件、構成要素若しくは製造公差、又は供給者/材料の変化に起因することがある。そのように各チューブは、ガス供給システムがチューブのモデル及び/若しくは特定のチューブを同定することができ、並びに/又は特定のチューブ若しくはチューブモデルに対する静電容量若しくは時定数の閾値情報をガス供給システムに提供する計器(抵抗値、静電容量、共振周波数、若しくはEPROMなど)を任意に含むことができる。ガス供給システム、例えば加湿器は、連結されたチューブを使用するためにそれ自体を較正するように構成されてもよい。静電容量又は時定数の閾値情報は、個々に測定され、チューブの製造時にEPROMにプログラミングされてもよく、又は加湿器若しくはEPROMは、そのチューブモデルに適切な公称値(例えば平均若しくは典型値)を用いてプログラミングされてもよい。別法として、加湿器などのガス供給システムは、加湿器をウォーミングアップする間若しくは前に、較正ルーチン(例えばドライチューブの時定数を最初に測定すること)を行うようにプログラミングされてもよい。
【0218】
一部の実装形態では、独特のドライ静電容量は、ガス供給システムに連結されたチューブを同定するために、それ自体が少なくとも部分的に使用されてもよい。例えば、成人の呼吸治療のために設計されたチューブは、ドライ静電容量を有してもよく、ドライ静電容量は、新生児の呼吸治療のために設計されたチューブのドライ静電容量と異なる。加湿器は、ドライ静電容量を測定することによってチューブを同定し、それに応じて適切な作動パラメータを選択してもよい。適切な作動パラメータは、例えば加湿制御装置のルックアップテーブル(LUT)に記憶されてもよい。
【0219】
導管配置
様々な配置を使用して凝縮水検出を向上させることができる。以下の配置は、上に詳しく記載された複合導管と、又は波型導管、螺旋導管、突き出した導管を含むあらゆる他の型と、又は当業者に公知のあらゆる他の導管と併せて使用することができる。以下の各構造は、別個に一体化し又は一緒に組み合わせることができることを理解されたい。従って以下の構造は別個に記載されているが、構造又は構造の態様は、混合して一緒に組み合わせることができる。図14~25のそれぞれは、図3A及び4Aのそれぞれのチューブの第2の細長い部材305又はビーズ405の異なる実装形態の断面を例示し、内腔は、例示された断面の下に位置付けられるはずである。
【0220】
図14は、1つ又は複数のマイクロチャネルを画定することがある微細構造1403を含む、複合導管のビーズなどの内部導管壁1401の一部を例示する。本明細書で使用する場合、用語「微細構造」は、約2.3mm未満、好ましくは1~1000ミクロン(μm)の範囲の寸法を有する構造を指す。マイクロチャネル内の液体の動きは、慣性力又は重力より、むしろ主に表面力に基づき、微細構造の独特の寸法が、室温で約2.3mmである水の毛細管の長さより小さい場合に、表面力が概して優位であることが分かった。吸い上げを増進するために、高いアスペクト比及び/又は高い表面エネルギー(約π/2未満の平衡接触角)を備えた構造が望ましいことが分かった。界面活性剤は、ほぼ0°の接触角をもたらすことができるので、吸い上げは容易に起きることが可能である。マイクロチャネル内の微細構造又はナノ構造の隆起は、固体/液体/水蒸気の接触線をピンで留める作用をし、表面積を増加させ、及び/又は凝縮水の核形成部位として作用することがある。
【0221】
例示された微細構造1403は、マイクロチャネルを介して壁1401の長さに沿って凝縮水を吸い上げ、静電容量の測定を向上させるために、要素1405のより大きい部分にわたって凝縮水を分配する。別法として又は追加として、横方向マイクロチャネルなどの微細構造は、液体を要素1405に向かって搬送するために、壁1401に隣接した複合チューブの少なくとも一部の第1の細長い部材303の内部表面上に提供されてもよい。マイクロチャネルの深度勾配は、液体を特定の方向、例えば要素1405に向かって動かすように制御するために使用されてもよい。液体はより深いチャネルの方向に動く傾向があることがわかった。勾配は、液体の吸い上げを速める、又は別法により向上させることもできる。別法として又は追加として、第1の細長い部材303及び第2の細長い部材305の内部表面は、それぞれが凝縮水を要素1405に向かって方向付けるために、親水性及び親水性材料又は被覆を含んでもよい。
【0222】
図15は、1つ又は複数の開口1503(例えば窪み、穴、鍵穴、チャネル若しくは間隙など)を含む、複合導管のビーズなどの内部導管壁1501の一部を例示する。これらの1つ又は複数の開口1503は、1つ又は複数の開口1503の中に凝縮水を引き寄せることができ、要素1505の間の静電容量が変わる。凝縮水は、例えば毛細管現象若しくは重力によって引き寄せることができ、又は開口1503は、透過性若しくは吸収性材料を充填されてもよい。そのようなビーズを含むチューブは、任意に凝縮水を1つ又は複数の開口1503に向かって搬送するために、第1の細長い部材の内部表面上に微細構造を更に含んでもよい。これは、凝縮水検出アルゴリズムの感度及び/又は応答時間を更に向上することがある。
【0223】
図16は、図15に含まれた開口と同様の1つ又は複数の開口1603を備えた、複合導管のビーズなどの内部導管壁1601の一部を例示する。図16の例では、導管壁又はビーズの一部は、水蒸気及び/又は液体透過性領域などの透過性領域1607を含む。開口1603内に蓄積する凝縮水は、周囲環境への拡散によって放出されることがある。この配置では、2つの導電性要素1611は、それらの容量結合を増加させるために実質的に平行なプレート又はリボン線を含んでもよい。加熱ループ又は回路は、一方の要素1605及び一方の要素1611によって形成されてもよく、感知ループ又は回路は、要素1605、1611のそれぞれの他方によって形成されてもよい。別法として、両方の要素1605は、専用の水分検出要素を含んでもよい。静電容量は、要素1605又は要素1611のいずれかの間で検出されてもよい。
【0224】
図17Aは、図3B、4A又は4Bに例示された複合導管のような複合導管のビーズなどの内部導管壁1701の一部を例示する。内部導管壁1701は、非透過性材料1709及び広がる透過性材料1707に繋がる非透過性材料内の間隙1713を含む。透過性材料は、水蒸気透過性若しくは液体透過性又は2つの組み合わせであることが可能である。例えば透過性材料1707の内部は、液体透過性であることが可能である一方で、外部は水蒸気透過性のみであることが可能である。透過性材料1707は、第2の非透過性材料によって周囲空気から分離することもできる。透過性材料1707は、導体1711によって非透過性材料1709から任意に分離することができ、導電性プレート又はリボンの形を取ることができる。一方の導体1711は、加熱回路の一部を形成することがあり、他方は感知回路又は水分検出要素若しくは回路の一部を形成する。プレート又はリボンの表面積が増加することにより、その間の容量結合が増加する。別法として、両方の導体1711は、専用の水分検出要素を含んでもよい。要素1705は、別法として透過性材料1707内に含まれることが可能である。水分子は、間隙1713を通って透過性材料1707の中に入ることができる。導管の内腔側における比較的小さい間隙1713は、比較的少ない水蒸気、例えば湿度が、患者に供給された加湿された呼吸ガスから確実に消失される。一方、液体凝縮水は、凝縮水への凝縮水検出アルゴリズムの感度を高めるために、微細構造、開口又は同種のものによって間隙1713に向かって方向付けられてもよい。呼気ガスの乾燥が望ましい呼気管として使用するように設計されたチューブでは、間隙1713ははるかに大きくてもよく、又は非透過性材料1709は全体が割愛されてもよい。透過性材料の両側の導体1711は、静電容量を測定若しくは推定し、又は導体1711の間に存在する凝縮水の量に対応する静電容量を変えることができる。
【0225】
導電性要素(ワイヤ、フィラメント若しくは本明細書に論じた他の要素の間のプレートなど)の間の距離に、従って静電容量に物理的変化をもたらす構成が、別法として又は追加として使用することができる。このような配置では、静電容量は、水分に対して負に関連することがある。例えば図18は、導管壁1801の一部、例えば複合導管のビーズを例示し、これは非透過性領域内にカプセル化された実質的に平行な要素1811、透過性領域1807、及び中空領域1803を含む。要素1811は、互いに電気接続されていない専用の水分検出要素をそれぞれが含んでもよく、各要素1811は、図5のモデル内のコンデンサC503の平行なプレートの一方を効果的に形成する。透過性領域1807は、チューブ内に存在する凝縮水の容量に依存して、要素1811の距離を物理的に変えるために長さを変える(例えば膨張する)ように構成することができる。例えば透過性領域は、凝縮水が透過性領域1807を通過する時に、長くなる/真っ直ぐになるアコーディオン形状を有することができる。要素1811は、例示されたように水平に若しくは垂直に、又は傾斜して動くように構成することができる。この構成は正方形又は長方形形状に示されているが、この構成は、要素が何らかの方法で凝縮水と分離できるあらゆる形状であることが可能である。更に透過性領域の長さは、水分に正又は負のいずれかに関連する(例えば凝縮水の存在にそれぞれ膨張、若しくは収縮する)ことがあるが、要素1811間の静電容量の影響は、誘電率の変化から生じるものを補完するか、又ははるかに上回ることが好ましい。
【0226】
別の例として、導管壁内に含まれた透過性材料は、要素の角度を変えることができる。図19は、透過性材料が膨張した際に要素1911が枢動できるような構成を例示する。要素は、枢支点1915及び/又は保持機構1917を有することができる。要素間の静電容量は、要素が接近する又は遠ざかる際に測定することができる。図18の実装形態の変形では、上部(最外部)透過性領域1807は、代わりに水分の存在で大きさ/形状を変えない非透過性材料及び/又は透過性材料であってもよい。下部透過性領域1807の伸張(又は収縮)は、従って要素1811の間に角度を生成し、その間の静電容量を変える。非透過性外部材料も、呼吸ガスの水分消失及び望ましくない乾燥を最小にする。
【0227】
透過性材料の膨張により、二元凝縮水検出のためのスイッチ状構造の開閉もできる。例えば、図20及び21は、要素2003、2005、2103、2105を含む導管壁の透過性壁部を例示する。これらの要素は、例示されたように凝縮水の存在で開き又は閉じる。要素2003、2005又は2103、2105が接触すると、回路を閉じ、こうしてスイッチとして作用する。スイッチは、図20に示されたように通常の開(NO)、又は図21に示されたように通常の閉(NC)のいずれかであってもよい。要素2003、2005、2103、2105は、チューブの長さに沿って連続してもよく、又は1つ若しくは複数の離散したスイッチは、チューブの長さに沿って特定の場所に提供されてもよい。
【0228】
一部の実装形態では、導管の周りの1つ若しくは複数の場所に位置付けられた歪みゲージを備えた、1つ又は複数のホイートストンブリッジ回路。1つ又は複数の歪みゲージは、ビーズに沿って置かれ、ビーズが膨張又は収縮などに形状を変える場合に、1つ又は複数の歪みゲージが変換器を通る信号を生成するように構成することができる。この信号は、凝縮水の存在及び/又は量を示すために制御装置に送信することができる。
【0229】
近接型感知外部導管壁
導管壁の外部の近接感知は、凝縮水検出に追加又は代替の機能として含むこともできる。導管の外部と接触し若しくは近接した寝具、患者の四肢、又は他の異物があるかどうかを検出することは、安全機構として作用することができる。例えばこれは、導管の表面温度が熱過ぎ、患者が火傷する可能性がある場合を防止することができる。人(患者又は操作者など)が導管壁に触れているかどうかを検出することは、導管の外部表面の付近に据えられた要素を有することによって行うことができる。要素は、皮膚が表面に触れることに応答して要素間の誘電特性が変化するように構成することができる。異物の近接は、静電容量の変化率に基づいて、又は内腔に隣接したワイヤとチューブの外部表面に隣接したワイヤとの間の静電容量を検出することにより凝縮水と区別され得る。
【0230】
図22(一定の縮尺ではない)は、要素2205及び2203が外部導管壁2201の表面に平行な、実質的に同じ平面に提供される、例示的導管構成を例示する。指又は他の身体部が外部表面に接触すると、誘電特性が変化して、静電容量の適度な変化をもたらす。
【0231】
別の例として、図17Bは、図17Aの導管壁部を例示する。図17Bでは、追加要素1715は、導管壁の外部表面付近に組み込まれる。指などの身体部からの接触は、静電容量に適度な変化をもたらす。
【0232】
スイッチ回路
一部の配置では、チューブは1対のワイヤを含んでもよく、1対のワイヤは、チューブの遠位端で互いに選択的に電気接続してもよい。ワイヤは、加熱若しくは感知ループ又は回路を形成するために閉じ、対のワイヤがコンデンサの平行なプレートを効果的に形成するように開いてもよい。
【0233】
チューブの遠位端は、継電器などのスイッチを含んでもよい。チューブは、加熱若しくは感知ループに選択的に電力供給し、又はワイヤ間の静電容量を測定するために、加湿器がスイッチの作動を制御できるように、1つ又は複数の制御ワイヤを更に含んでもよい。
【0234】
対のワイヤは、比較的低い周波数には短絡だが、比較的高い周波数には開回路を効果的に提供するために選択されたインダクタを含んでもよい。具体的にはインダクタは、直流(DC)又は低周波数(例えば50/60Hz)の交流(AC)のヒータワイヤ電流に、あるとしてもほとんど影響を与えないように選択されてもよいが、対のワイヤ間の静電容量を測定するために使用されることがある高周波数(例えば1kHz以上)の信号を効果的に遮断する。インダクタは、上に記載されたように、回路の共振周波数を決定することにより、ワイヤ間の静電容量を決定するために更に使用されてもよい。ドライチューブの共振周波数は、特定のチューブモデルを同定し、それに応じて加湿器又はガス源を構成するように更に使用されてもよい。
【0235】
メッシュ状導体
導電性メッシュは、別法として又は追加として、凝縮水の存在を決定するために使用することができる。一部の実装形態では、図25に例示されたように、チューブ2501は、第1の(すなわち内部)メッシュ2502、及び透過性誘電材料2504又は空隙によって分離された第2の(すなわち外部)同軸メッシュ2503を含む外壁を有する。チューブは、呼吸ガスの過度の乾燥を防ぐために、具体的には吸気導管として使用される場合に、非透過性外部層を更に含んでもよい。凝縮水は、透過性誘電材料2504によって吸収又は拡散されてもよく、誘電率、ひいては第1のメッシュ2502と第2のメッシュ2503との間の静電容量を修正する。メッシュ2502、2503は、凝縮水が検出できる導管の表面積を増加させてもよい。メッシュ2502、2503のいずれか又は両方は、導体箔又は網組シースによって置換されてもよい。内箔は、凝縮水が誘電材料2504の中に通過できるために、穿孔されてもよく、又は間隙を備えた螺旋状に巻いたストリップを含んでもよい。メッシュ2502、2503のいずれか又は両方は、加熱回路の一部を任意に形成してもよい。ヒータワイヤに比べて増加した表面積のメッシュ2502、2503は、より均一な加熱及び低減した凝縮水を提供してもよい。凝縮水の蒸発冷却により、メッシュの表面積がより大きくなることに起因して、必要な電力が増加することがあるので、凝縮水は、加熱回路への電力入力からも確認又は検出され得る。
【0236】
凝縮水の検出場所
導管内の凝縮水の場所も検出することができる。例えば導管は、凝縮水の場所を決定できるように区画又は帯域を含むことができる。例えば区画は、導管の長さに沿って帯域を生成する導管のある特定の長さを走ることができる。上に記載されたように、チューブは、2つ以上の連続し、独立して制御可能な帯域を含んでもよい。各帯域内の静電容量は、独立して確認されてもよい。典型的には加湿器と患者との間に垂れることがあるチューブの始点又は中間に向かう帯域における静電容量の増加は、チューブの低点に溜まる凝縮水の動きを示すことがある。一方、チューブの患者の端部における帯域内の静電容量の増加は、チューブ内の体液を示すことがある。帯域は長さが等しくても、等しくなくてもよい。
【0237】
図20に対して上に開示されたように、要素2003、2005は、通常の開(NO)の1つ又は複数のスイッチを形成してもよい。凝縮水が存在する状態では、スイッチは回路を形成するために閉じる。得られる回路の長さは、加湿器から検出された凝縮水の距離に比例し、凝縮水の場所は、得られる回路の抵抗から決定されてもよい。
【0238】
別法として、複数の導電性要素、例えばワイヤは、チューブ内の凝縮水のおおよその場所を決定するために、チューブに異なる長さで延在することができる。
【0239】
別法として又は追加として、凝縮水の周囲の場所が決定されてもよい。導管は、導管(又は帯域)の長さを走る四分円などの区画に分離することができる。例えば図23は、四分円2309を含む導管2301の断面を示し、要素2305は、内腔に平行に長手方向に提供され、チューブの周囲に等距離に離間される。要素2305は、本明細書で先に論じたように、凝縮水の存在又は量を検出するために使用することができる。四分円は、製造工程の一部として導管壁と共に押し出し、又は導管が構築された後に追加することができる。四分円は、隣接した各ワイヤの間の静電容量を測定することにより、凝縮水が溜まる(例えばチューブの下部)周辺場所を決定するように使用することができる。別法として又は追加として、導管は、内腔内に垂れ下がった中央ワイヤ2311を含んでもよく、中央ワイヤと各周辺ワイヤとの間の静電容量が決定されてもよい。四分円は、凝縮水の尚より正確な場所を提供するために、上の区画と組み合わせることができる。図23のチューブの変形では、図24(一定の縮尺ではない)に示されたように、追加の導電性要素(例えばメッシュ、リボン又は他の構造)は、チューブ(又はチューブの帯域)の長さにほぼ等しいピッチを持つ導管壁の外側に巻かれるはずであり得る。すなわち追加要素は、チューブ(又は帯域)の1端から他端にチューブの周りを1回転以下することが好ましい。追加の巻いた要素と各埋め込まれた要素2305との間の静電容量は、独立して測定又は推定されてもよい。追加の巻いた要素とあらゆる1つ又は複数の要素2305との間の静電容量の増加は、巻いた要素がそれぞれの要素2305を交差するチューブの点又は点付近の凝縮水を示す。図24のチューブが4つの埋め込まれたワイヤを含むが、更なるワイヤを使用して解像度を向上させてもよい。同様に2つ以上の巻いたワイヤが使用されてもよい。
【0240】
同様に図25のチューブの変形では、第1及び第2のメッシュ2502、2503の一方又は両方の個々の撚糸は、絶縁されて多重化されてもよい。第1の方向に延在する撚糸のそれぞれと、異なる方向に延在する撚糸のそれぞれとの間の静電容量を選択的に測定又は推定することにより、凝縮水の1つ又は複数の場所が決定されてもよい。
【0241】
尚他の実装形態では、1つ又は複数の特定の場所における凝縮水は、導体の間の静電容量が、チューブの長さに沿って選択された場所のみにおいて、水分に依存する、又は水分により依存するチューブ構造によって決定されてもよい。これは、例えばチューブの長さに沿って導体のピッチ、間隔、表面積、形状又は整合を変えること、チューブの長さに沿って選択された場所のみにおいて導体間に透過性材料を提供すること、チューブの長さに沿って選択された場所のみに開口を提供すること、又はチューブの長さに沿って選択された場所に水分に依存したスイッチを提供することによって達成されてもよい。例えば使用時に概して最も低く垂らして、内腔を限定又は塞ぐことがある可動の凝縮水を蓄積する、チューブの一部における凝縮水を検出し、又は患者に最も近いチューブの部分における体液を検出することが望ましいことがある。チューブの他の領域では、静電容量は、センサの読取りの誤差を改善するために最小化又は低減されることがある。
【0242】
ガス源検出
本開示の凝縮水検出は、ボトル若しくは壁源、又は室内の空気を巻き込むガス源が加湿器107で使用されているかどうかを検出するために使用することができる。例えば周囲空気の湿度は、加湿器が加湿チャンバによって含有された加湿液体を暖め始める前に、導体間の静電容量から見積もることができる。別法として、加湿器は、ガス源がボトル又は壁源である場合に、凝縮水をもたらすと予期されないはずであるが、ガス源が室内の空気を巻き込む換気装置である場合に、凝縮水をもたらすはずである、選択された電力レベルでまず所定の期間作動してもよい。ガス源の型は、所定の期間後に吸気チューブ内の導体間の静電容量を測定することによって決定されてもよい。
【0243】
水分検出の他の方法
上記の水分検出システム及び方法の別法として又は追加として、導管は、水分の存在に依存して色又は透明性が変わるように構成することもできる。例えば導管は、凝縮水が存在しない時に透明であることが可能であるが、凝縮水の存在で不透明又は明るい色になる(又は逆も同様である)。このような変化は、患者、看護師、又は他の人に導管内の水分の存在及び/又は場所を視覚的に表示する。
図1
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】