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特表2023-526619高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物
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  • 特表-高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物 図1A
  • 特表-高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物 図1B
  • 特表-高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物 図2A
  • 特表-高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(54)【発明の名称】高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/076 20060101AFI20230615BHJP
   C03C 3/078 20060101ALI20230615BHJP
   C03C 3/062 20060101ALI20230615BHJP
   G02B 1/00 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
C03C3/076
C03C3/078
C03C3/062
G02B1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570146
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 US2021031088
(87)【国際公開番号】W WO2021236343
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/026,309
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】マー,リーナー
(72)【発明者】
【氏名】プライヴェン,アレクサンダー アイ
【テーマコード(参考)】
4G062
【Fターム(参考)】
4G062AA01
4G062AA04
4G062BB01
4G062CC10
4G062DA05
4G062DA06
4G062DB01
4G062DC01
4G062DD01
4G062DE01
4G062DE02
4G062DE03
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4G062EA03
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4G062FB04
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4G062FD01
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4G062FE02
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4G062FG04
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4G062FH02
4G062FH03
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4G062GA01
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4G062HH11
4G062HH13
4G062HH15
4G062HH17
4G062HH20
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4G062JJ05
4G062JJ07
4G062JJ10
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4G062KK04
4G062KK05
4G062KK06
4G062KK07
4G062KK08
4G062KK10
4G062MM02
4G062MM27
4G062NN02
4G062NN33
4G062NN34
4G062NN40
(57)【要約】
約44.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量、及び約1.0モル%以下のZnOの含有量を有するガラス組成物。更に、上記ガラス組成物は、Pb及びBiを本質的に含まない。上記ガラス組成物は、1.75以上の屈折率及び約4.5g/cm以下の密度も有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約44.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量;及び
約1.0モル%以下のZnOの含有量
を有する、ガラス組成物であって、
前記ガラス組成物はPb及びBiを本質的に含まず、
前記ガラス組成物は1.75以上の屈折率nを有し、
前記ガラス組成物は約4.5g/cm以下の密度を有する、ガラス組成物。
【請求項2】
前記ガラス組成物の前記屈折率nは1.78以上である、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項3】
前記ガラス組成物の前記屈折率nは1.80以上である、請求項2に記載のガラス組成物。
【請求項4】
前記ガラス組成物の前記密度は4.0g/cm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス組成物。
【請求項5】
前記SiOの含有量は、約45.0モル%以上かつ約55.0モル%以下である、請求項1~4のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【請求項6】
約20.0モル%以下のTiOの含有量を更に有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のガラス組成物。
【請求項7】
約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量
を有する、ガラス組成物であって、
前記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-1.42-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす、ガラス組成物。
【請求項8】
約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量
を有する、ガラス組成物であって、
前記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.21+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、ガラス組成物。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で2020年5月18日出願の米国仮特許出願第63/026,309号からの優先権を主張するものであり、上記仮特許出願はその全体が参照によって本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物、特に光学ディスプレイに使用するのに好適な、高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
直近の10年間で、高い屈折率を有する光学ガラスの需要は、成長を続ける拡張現実及び仮想現実デバイスの市場において高まっている。屈折率が比較的高いと、屈折率が比較的低い場合に比べてデバイスのユーザに対して生成される歪みが少ないため、比較的良好な視聴体験が提供される。拡張現実及び仮想現実デバイスにおいて使用される光学ガラスの別の要件は、低い密度である。このようなデバイスはウェアラブルなものとなるように作製されるため、デバイスの重量はユーザによって保持される。長期間にわたると、比較的軽量のデバイスであっても、ユーザにとって、装着するのに不便なものとなる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、軽量で低密度のガラスは、拡張現実又は仮想現実デバイスにおける光学ガラスとしての使用に望ましい。拡張現実又は仮想現実デバイスにおいて使用される光学ガラスの更なる要件としては、可視域における良好な透過率、良好なガラス形成性、化学的耐久性、及び比較的低い製造コストが挙げられる。例えば光学ガラスは、清掃用塗布剤及び様々な環境条件に耐えるために、良好な化学的耐久性を有する必要がある。
【0005】
従来、高い屈折率及び低い密度を有する光学ガラスを、他の化学的ないし機械的特性との望ましい組み合わせを維持しながら作製することは、困難であった。ガラスの屈折率を増大させるための以前の試みは密度も増大させるため、拡張現実又は仮想現実デバイスの場合にユーザにとって重く、かつ装着が困難なガラスが形成されていた。低い密度を維持しながら屈折率を増大させるための他の試みは、ガラスの著しい着色及び曇りを引き起こし、これは拡張現実又は仮想現実デバイスでのガラスの使用を妨げるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中で開示される実施形態は、高い屈折率及び低い密度を、光学ガラスに必要とされる望ましい化学的ないし機械的特性との組み合わせを維持しながら有する、ガラス組成物を提供する。例えば上記ガラス組成物は、拡張現実若しくは仮想現実デバイスでの使用、又は光ファイバ、光学レンズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、及びレーザガラスといった他の光学部品に、好適であり得る。本明細書中で開示されるガラス組成物は、可視域における良好な透過率、良好なガラス形成性、良好な化学的耐久性、及び比較的低い製造コストを有する。
【0007】
本開示のある態様によると、ガラス組成物は、約44.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量、及び約1.0モル%以下のZnOの含有量を有する。上記ガラス組成物はまた、Pb及びBiを本質的に含まない。更に上記ガラス組成物は、室温において1.75以上の屈折率及び約4.5g/cm以下の密度を有する。
【0008】
本開示の別の態様によると、ガラス組成物は、約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量を有し、ここで上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-1.42-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす。
【0009】
本開示の別の態様によると、ガラス組成物は、約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量を有し、ここで上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.21+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす。
【0010】
更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、またその一部は、当業者にはこの「発明を実施するための形態」から容易に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって把握されるだろう。
【0011】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも単なる例であり、特許請求の範囲の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は1つ又は複数の実施形態を示し、これは説明と併せて、様々な実施形態の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本開示の実施形態によるガラス組成物及び比較例の、密度及び屈折率の予測値のプロット
図1B】本開示の実施形態によるガラス組成物及び比較例の、密度及び屈折率の測定値のプロット
図2A】本開示の実施形態によるガラス組成物及び比較例の、シリカ含有量及び屈折率の予測値のプロット
図2B】本開示の実施形態によるガラス組成物及び比較例の、シリカ含有量及び屈折率の測定値のプロット
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、これらは、当該記載から当業者に明らかとなるか、又は請求項及び添付の図面を伴う以下の記載において説明されるように本開示を実践することにより、認識されるだろう。
【0014】
当業者及び本開示を作製又は使用する者には、本開示の修正形態が想起されるだろう。従って、図面に示され以下に記載される実施形態は、例示を目的としたものにすぎず、均等論を含む特許法の原理に従って解釈される以下の特許請求の範囲によって定義される、本開示の範囲を限定することを意図したものではないことが理解される。
【0015】
本明細書中で使用される場合、用語「約(about)」は、量、サイズ、処方、パラメータ、並びに他の量及び特徴が、正確ではなくかつ正確である必要がないものの、必要に応じて許容誤差、換算係数、丸め、測定誤差等、及び当業者に公知のその他の因子を反映した、おおよそのもの、及び/又は大きい若しくは小さいものであってよいことを意味している。一般に、量、サイズ、処方、パラメータ、又は他の量若しくは特徴は、そのように明記されているかいないかにかかわらず、「約」又は「おおよそ(approximate)」のものである。用語「約」がある値又はある範囲のある端点を記述する際に使用される場合、本開示は、言及された具体的な値又は端点を含むことを理解されたい。本明細書中の数値又は範囲の端点が「約」として記載されているかどうかにかかわらず、上記数値又は範囲の端点は、2つの実施形態、即ち:「約」で修飾された実施形態、及び「約」で修飾されていない実施形態を含むことを目的としている。更に、各範囲の端点は、他の端点との関連においても、他の端点とは独立したものとしても、重要であることが理解されるだろう。
【0016】
用語「…から形成される(formed from)」は、「…を含む(comprise)」、「…から本質的になる(consist essentially of)」、又は「…からなる(consists of)」のうちの1つ以上を意味することができる。例えば、ある特定の材料から形成された構成部品は、この特定の材料を含む場合も、この特定の材料から本質的になる場合も、この特定の材料からなる場合もある。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は、2つ以上の項目の列挙において使用される場合、列挙された項目のうちのいずれの1つを単独で採用でき、又は列挙された項目のうちの2つ以上のいずれの組み合わせを採用できることを意味する。例えば、ある組成物が成分A、B、及び/又はCを含有するものとして説明される場合、当該組成物は:Aを単独で;Bを単独で;Cを単独で;A及びBを組み合わせて;A及びCを組み合わせて;B及びCを組み合わせて;又はA、B、及びCを組み合わせて含有できる。
【0018】
用語「液相線温度(liquidus temperature)」は、これを超えるとガラス組成物がガラスの構成成分の結晶化を伴わずに完全に液体となる温度を指す。
【0019】
用語「液相粘度(liquidus viscosity)」は、ガラス組成物の液相線温度におけるガラス組成物の粘度を指す。
【0020】
本明細書に記載されるガラス組成物の実施形態では、別段の定めがない限り、構成成分(例えばSiO、Al等)の濃度は、酸化物基準のモルパーセント(モル%)を単位として指定される。ガラス組成物中の構成成分のモルパーセントは、ガラス組成物の単位モル数あたりの構成成分のモル数を100倍したものを指す。
【0021】
本明細書中で使用される場合、用語「一価金属酸化物(monovalent metal oxide)」は、1に等しい典型的な価数のうちの1つを有する金属の酸化物、即ち:LiO、NaO、KO、RbO、Cs2O、AgO、CuO、AuO、及びTlOのうちの1つを指す。
【0022】
本明細書中で使用される場合、用語「二価金属酸化物(divalent metal oxide)」は、2に等しい典型的な価数のうちの1つを有する金属の酸化物、即ち:BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、MnO、FeO、CoO、NiO、CuO、ZnO、PdO、CdO、SnO、EuO、PtO、HgO、及びPbOのうちの1つを指す。
【0023】
本明細書中で使用される場合、用語「屈折率(refractive index)」、又は「RI」、又はnは、別段の定めがない限り、室温で測定された約587.6nmにおける黄色ヘリウムd線に関するガラス組成物の屈折率を指す。本明細書中で提示される例示的なガラスの屈折率の値と従来技術によって公開されたデータとを比較する際、587.6nmにおけるRIの値が報告されなかった場合には、589.3nm(D線)といった類似の波長に関するデータも一部使用された。用語nは、約486.13nmにおけるガラス組成物の屈折率を指し、用語nは、約656.27nmにおけるガラス組成物の屈折率を指す。本明細書中で開示される屈折率は、数学的計算を用いて測定又は予測できる。
【0024】
本明細書中で使用される場合、用語「ガラス転移温度(glass transition temperature)」、又はTは、およそ10K/分の速度でガラス試料を加熱した場合に示差走査熱量測定(DSC)試験で観察される、吸熱効果の開始温度を指す。試験を実施する前に、ガラスは溶融され、その後空気中で冷却された。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「結晶化開始温度(crystallization onset temperature)」、又はTは、およそ10K/分の速度でガラス試料を加熱した場合に示差走査熱量測定(DSC)試験で観察される、結晶化の発熱効果の開始温度を指す。試験を実施する前に、ガラスは溶融され、その後空気中で冷却された。℃で表現される差(T-T)は、再加熱時の失透から保護するガラス組成物の能力の定量的推定として用いられる。
【0026】
用語「含まない(free)」及び「本質的に含まない(essentially free)」は、ガラス組成物中の特定の構成成分の濃度及び/又は不在を説明するために使用される場合、上記構成成分がガラス組成物に意図的に添加されたものではないことを意味する。しかしながら、ガラス組成物は、微量の上記構成成分を混入物質又はトランプとして含有する場合がある。ガラス組成物中の特定の構成成分を説明するために使用される場合、用語「トランプ(tramp)」は、ガラス組成物に意図的に添加されたものではなく、0.05モル%未満の量で存在する構成成分を指す。トランプ成分は、別の構成成分中の不純物として、又はガラス組成物の加工中にトランプ成分が組成物へと移動することにより、ガラス組成物に意図せず添加される場合がある。
【0027】
本明細書中で開示されるガラス組成物は、比較的高い屈折率及び比較的低い密度を有するガラスを提供する。屈折率は、ガラス材料の光学性能を決定する。ある特定の焦点距離においては、屈折率が高いほど薄い光学素子(例えばレンズ)を形成できる。提供する光学素子を、焦点距離を維持したまま薄くするほど、ガラスを使用したときに見える像の歪みが小さくなる。これは、例えば拡張現実又は仮想現実デバイスに上記ガラスを使用する場合に重要である。
【0028】
軽量のガラスもまた、例えば拡張現実又は仮想現実デバイスにおいてガラスを使用する場合に重要である。このようなデバイスはユーザによって装着されるため、いずれの重量がデバイスの使用時のユーザの快適さに寄与する。重量は材料のサイズ及び密度の関数である。従って、ガラスの屈折率が高いほどガラスをより薄くすることができ、従って小さなサイズを提供できる。更に、比較的低い密度を有する材料は比較的軽い。
【0029】
従って、高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物は、拡張現実デバイス又は仮想現実デバイスといったウェアラブルデバイスでの使用に有益である。しかしながら典型的には、これらの2つの特性には強い相関性がある。屈折率が高いときは密度も高く、屈折率が低いときは密度も低いため、高い屈折率を維持しながら低い密度を有するガラスを製造することは従来困難であった。
【0030】
本明細書中で提供される本開示の実施形態は、高い屈折率及び低い密度を有するガラス組成物を生成するための、構成成分の独自の組み合わせを提供する。例えば、以下で更に検討されるように、本明細書中で開示されるガラス組成物は、(室温で)1.75以上の屈折率及び4.5g/cm以下の密度を有し得る。構成成分の説明は以下に提供される。
【0031】
シリカ(SiO
シリカはガラス組成物の主要なガラス形成剤の構成成分である。これは、ガラスを形成する溶融物の粘度を上昇させることによって冷却時の結晶化を防ぐ、ケイ素原子及び酸素原子の構造ネットワークを提供する。従って、シリカは本明細書中で開示されるガラス組成物の必要な成分である。
【0032】
ガラス組成物中にシリカを組み込むことにより、低密度ガラスを提供する。しかしながら、シリカはガラスの屈折率を低下させる。純シリカの屈折率は1.46であり、これは、拡張現実及び仮想現実デバイスといった高性能光学システムに必要とされる屈折率よりはるかに低い。従って、シリカの含有量が低いほど、高い屈折率を達成することが容易である。しかしながら、シリカ含有量が少なすぎると、ガラス組成物は、良好なガラス形成、均質性(即ち相分離がない)、再加熱時の失透からの保護、及び高い化学的耐久性といった、良好な製造特性を有しなくなる。
【0033】
従って本開示の実施形態は、約30.0モル%以上、又は約35.0モル%以上、又は約37.0モル%以上、又は約40.0モル%以上、又は約45.0モル%以上、又は約48.0モル%以上、又は約50.0モル%以上、又は約55.0モル%以上のシリカ含有量を有する。更に又はあるいは、上記シリカ含有量は、約60.0モル%以下、又は約57.0モル%以下、又は約55.0モル%以下、又は約50.0モル%以下、又は約48.0モル%以下である。シリカ含有量の下限及び上限は、良好な製造特性を有するガラス組成物を依然として提供しながら高い屈折率(例えば1.75以上)を得る必要性によって決定される。
【0034】
いくつかの実施形態では、上記シリカ含有量は、約44.0モル%以上かつ約60.0モル%以下、又は約45.0モル%以上かつ約55モル%以下、又は約40.0モル%以上かつ約55.0モル%以下、又は約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下、又は約30.0モル%以上かつ約55.0モル%以下、又は以上約30.0モル%かつ約54.0モル%以下である。
【0035】
チタニア(TiO
屈折率を増大させるために、ガラス組成物にチタニアを添加してよい。しかしながら、チタニアを十分に高い濃度で組み込むとガラスに暗色をもたらし、ガラスが光学デバイスでの使用に適さないものとなる。更に、高濃度のチタニアは、ガラス中での結晶化及び/又は相分離を刺激する場合がある。従ってチタニアの含有量は、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約15.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約10.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約5.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約18.0モル%以下、又は約2.0モル%以上かつ約18.0モル%以下、又は約4.0モル%以上かつ約16.0モル%以下、又は約6.0モル%以上かつ約14.0モル%以下、又は約8.0モル%以上かつ約12.0モル%以下である。
【0036】
ニオビア(Nb
屈折率を増大させるために、本明細書中で開示されるガラス組成物にニオビアも添加してよい。しかしながら、ニオビアを十分に高い濃度で組み込むと、ガラス中での結晶化及び/又は相分離が刺激される。従ってニオビアの含有量は、約5.0モル%以上かつ約25.0モル%以下である。Nbの含有量が約5.0モル%以上である場合、ガラス組成物は比較的低い密度(例えば約4.0g/cm以下)で高い屈折率(例えば約1.75以上)を得ることができる。更に、ニオビアの含有量が約25.0モル%以下である場合、ガラス組成物は十分なガラス形成特性を有する(即ち、ガラス物品の製造時にガラス溶融物が結晶化しない)。
【0037】
ニオビアの含有量は好ましくは、約5.0モル%以上かつ約23.0モル%以下、又は約10.0モル%以上かつ約23.0モル%以下、又は約6.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約8.0モル%以上かつ約18.0モル%以下である。
【0038】
他の実施形態では、ニオビアの含有量は0.0モル%以上である。従ってこれらの実施形態では、ニオビアはガラス組成物に添加されない場合があり、上述の特性はガラス組成物の他の成分によって維持される。
【0039】
ジルコニア(ZrO
ニオビアと同様に、ジルコニアもガラスの屈折率を上昇させる。しかしながら、ジルコニアはガラスを形成する溶融物の粘度を更に増大させ、これはガラスの特定の組成及び用途に応じて望ましくない場合も望ましい場合もある。例えば、ガラス組成物が十分に高い濃度のシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、及び他の粘度上昇性の種を含む場合、ガラスの粘度は既に高い場合がある。従って、ジルコニアの組み込みによる粘度の更なる増大により、ガラス組成物が、使用に適さない高いガラス転移温度を有するものとなる場合がある。しかしながら、ガラス組成物の粘度が不十分である場合(例えば液相線温度における粘度が低い(これはガラスの失透を刺激し得る)場合)、ジルコニアの添加が望ましい場合がある。十分に高い濃度でのジルコニアのガラス組成物への添加は、結晶化自体を刺激する可能性があることにも留意されたい。
【0040】
ジルコニアの含有量は、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約15.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約10.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約9.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約8.0モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約7.5モル%以下、又は約0.0モル%以上かつ約6.5モル%以下である。これらの開示された範囲において、ジルコニアは密度を有意に増大させることなくガラス組成物の屈折率を上昇させるだけでなく、良好なガラス形成能をもたらし、ガラスの熱膨張係数を低下させ、ガラスがガラス物品の冷却時に高い熱応力を形成するのを防ぐ。
【0041】
希土類金属酸化物
ガラス組成物に希土類金属酸化物を組み込むことも、結果として得られるガラスの屈折率を増大させる。更に、これは有利なことに、結果として得られるガラスの弾性率、剛性、及び/又は液相粘度を増大させ得る。本開示の目的のために、希土類金属は、IUPAC周期表のランタニド系列に記載された金属に、イットリウム及びスカンジウムを追加したもので構成される。ガラスへの着色を回避するために、好ましい希土類金属酸化物としては、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化ルテチウム(Lu)、酸化セリウム(Ce)、酸化プラセオジム(Pr)、酸化ネオジム(Nd)、酸化サマリウム(Sm)、酸化ユウロピウム(Eu)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ジスプロシウム(Dy)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化エルビウム(Er)、酸化ツリウム(Tm)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。コスト節約に関して、酸化ランタン(La)は比較的安価な希土類金属酸化物である。酸化ネオジム(Nd)及び酸化ユウロピウム(Eu)は例えば、本明細書中で開示されるガラス組成物において、レーザ光学素子で使用して蛍光又は燐光効果を得るために特に有用であり得る。
【0042】
希土類金属酸化物の総含有量は、約0.0モル%以上かつ約25.0モル%以下、又は約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下、又は約5.0モル%以上かつ約20.0モル%以下である。
【0043】
いくつかの実施形態では、酸化ランタン(La)は、ガラス組成物中において、約0.0モル%以上かつ約16.0モル%以下、又は約12.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約8.0モル%以下、又は約6.0モル%以下、又は約4.0モル%以下、又は約2.0モル%以下、又は約1.0モル%以下の濃度で使用される。本明細書中で開示されるものよりもLaの濃度が高い場合、ガラスのガラス形成能が低下する、及び/又はガラスが望ましくない着色(暗色化)を有する可能性がある。
【0044】
追加の屈折率上昇成分
本明細書中で開示されるガラス組成物は更に、1つ以上の他の屈折率上昇成分を含んでよい。例えばガラス組成物は、酸化モリブデン(MoO)、酸化タングステン(WO)、酸化スズ(SnO)、又はこれらの組み合わせを含んでよい。これらの追加の屈折率上昇成分の総含有量は、約10.0モル%以下、又は約7.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。
【0045】
改質剤
ガラスの構造を変化させるために、本明細書中で開示されるガラス組成物に1つ以上の改質剤を添加してよい。例えば、上述の屈折率上昇成分の大半は、シリケートガラスを形成する溶融物への溶解性が限定的である。従って、ガラス組成物へのこれらの溶解性を増大させるために(そして溶融物の失透を防ぐために)、ガラス組成物に1つ以上の改質剤を添加してよい。改質剤は、ガラスの構造を変化させ、屈折率上昇成分をガラス形成ネットワークの一部とすることができる。
【0046】
改質剤の例としては、一価金属の酸化物及び/又は二価金属の酸化物が挙げられる。一価金属の酸化物としては、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、酸化ルビジウム(RbO)、及び/又は酸化セシウム(CsO)といったアルカリ金属酸化物が挙げられる。酸化リチウム(LiO)は、軽量性の要件が特に重要である場合に、ガラス組成物において有益であり得る。いくつかの実施形態では、特に最高の屈折率が必要である場合、2つ以上のアルカリ金属酸化物の混合物を使用してよい。
【0047】
更なる一価金属の酸化物としては例えば、酸化銀(AgO)、酸化銅(CuO)、及び/又は酸化タリウム(TlO)が挙げられる。例えば、酸化銀を使用して殺菌剤効果を提供することもできる。
【0048】
一価金属酸化物の総含有量は、約0.0モル%以上かつ約25.0モル%以下、又は約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約15.0モル%以下、又は約2.0モル%以上かつ約10.0モル%以下である。
【0049】
いくつかの実施形態では、酸化リチウム(LiO)の含有量は、約0.0モル%以上かつ約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。更に又はあるいは、酸化ナトリウム(NaO)の含有量は、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。更に又はあるいは、酸化カリウム(KO)の含有量は、約0.0モル%以上かつ約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。
【0050】
二価金属の酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO);酸化ベリリウム(BeO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び/又は酸化バリウム(BaO)といったアルカリ土類金属酸化物;並びに上で列挙した他の種が挙げられる。
【0051】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二価金属酸化物は、屈折率上昇成分を適応させるためにガラス組成物に必要な成分である。本明細書中で開示されるガラス組成物中の二価金属酸化物の総含有量は、約1.0モル%以上かつ約30.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約28.0モル%以下、又は1.0モル%以上かつ約25.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約18.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約15.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約5.0モル%以下、又は約1.5モル%以上かつ約18.0モル%以下、又は約1.5モル%以上かつ約15.0モル%以下である。
【0052】
いくつかの実施形態では、酸化亜鉛(ZnO)の含有量は、約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下、又は約3.0モル%以下、又は約1.0モル%以下、又は約0.8モル%以下、又は約0.5モル%以下、又は約0.25モル%以下、又は約0.1モル%以下である。更に又はあるいは、酸化マグネシウム(MgO)の含有量は、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。更に又はあるいは、酸化カルシウム(CaO)の含有量は、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。更に又はあるいは、酸化ストロンチウム(SrO)の含有量は、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。更に又はあるいは、酸化バリウム(BaO)の含有量は、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約15.0モル%以下、又は約10.0モル%以下、又は約5.0モル%以下である。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書中で開示されるガラス組成物は、一価金属酸化物及び二価金属酸化物の両方を含む。両方の酸化物を含めることにより、ガラス形成領域が広くなるため、より多くの改質剤を添加する必要なしに、屈折率上昇成分の量が増える。高濃度の一価金属酸化物及び二価金属酸化物が両方とも含まれている場合、これらは互いに反対に作用するため、これらの個々の効果が低下する。従っていくつかの実施形態では、一価金属酸化物と二価金属酸化物との総含有量は、約1.0モル%以上かつ約35.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約33.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約30.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約25.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下、又は約1.0モル%以上かつ約15.0モル%以下である。
【0054】
制限される成分
例えば、鉄(Fe)、クロム(Cr)、銅(Cu)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、及びコバルト(Co)といった一部の成分は、ガラスに暗色を付与し、従ってガラスを不透明にする。従って、本明細書中で開示されるガラス組成物中のこれらの成分の含有量は、約1.0モル%未満、又は約0.5モル%未満、又は約0.2モル%未満、又は約0.1モル%未満、又は約0.05モル%未満、又は約0.005モル%未満といった小さな値に制限する必要がある。いくつかの実施形態では、本明細書中で開示されるガラス組成物は、これらの成分を含まないか、又は本質的に含まない。
【0055】
本明細書中で開示されるガラス組成物が、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、及び/又はフッ素(F)(これらの酸化物:PbO、PbO、Bi、Bi、Taを含む)を含まないか、又は本質的に含まないことも企図される。これらの成分は極めて重いため、低密度ガラス組成物を提供するためにはこれらを含めることは回避する必要がある。従っていくつかの実施形態では、これらの成分の含有量は0.0モル%である。しかしながら他の実施形態では、例えば約1.0モル%未満、又は約0.5モル%未満、又は約0.2モル%未満、又は約0.1モル%未満、又は約0.05モル%未満、又は約0.005モル%未満といった少量のこれらの成分を含めることも企図される。ガラス組成物中の他の成分によって密度の要件が満たされる場合、本明細書中で開示される組成物は少量のPb、Bi、Ta、及び/又はFを含んでよい。これらの種の中で最も好適なのは酸化タンタル(Ta)であり、これは例えば約2.0モル%以下、又は約3.0モル%以下、又は約4.0モル%以下、又は約5.0モル%以下といった比較的高い含有量でガラス組成物に添加してよい。
【0056】
制限/回避すべき他の成分としては、酸化アルミニウム(Al)、酸化ホウ素(B)、及び/又は酸化リン(P)が挙げられる。これらの成分は低い屈折率を提供するため、制限及び/又は回避する必要がある。例えば、本明細書中で開示されるガラス組成物中の酸化アルミニウム(Al)、酸化ホウ素(B)、及び酸化リン(P)の含有量は、約1.0モル%以下、又は約0.5モル%未満、又は約0.2モル%未満、又は約0.1モル%以下、又は約0.05モル%未満、又は約0.005モル%未満である。いくつかの実施形態では、ガラス組成物はこれらの成分を含まないか、又は本質的に含まない。これらの種の中で最も好適なのは酸化ホウ素(B)であり、これはいくつかの実施形態では、屈折率を必要な値より低く低下させない量、例えば約2.0モル%以下、又は約3.0モル%以下、又は約5.0モル%以下、又はしばしば約10.0モル%以下だけ、ガラス組成物に添加してよい。
【0057】
例えばヒ素(As)アンチモン(Sb)といったいくつかの他の元素の酸化物も、ガラス組成物に清澄剤として低濃度で添加してよいが、これらの種は環境にやさしくないため、可能であれば避けるべきである。
【0058】
特性
上述したように、本明細書中で開示されるガラス組成物は、高い屈折率及び低い密度を有する。屈折率は、1.70以上、又は1.75以上、又は1.76以上、又は1.77以上、又は1.78以上、又は1.79以上、又は1.80以上、又は1.81以上、又は1.82以上、又は1.83以上、又は1.84以上、又は1.85以上である。いくつかの実施形態では、屈折率は、1.75以上かつ1.90以下、又は1.76以上かつ1.87以下、又は1.77以上かつ1.85以下である。
【0059】
本開示のガラス組成物の密度は、約5.0g/cm以下、又は約4.7g/cm以下、又は約4.5g/cm以下、又は約4.3g/cm以下、又は約4.0g/cm以下、又は約3.7g/cm以下、又は約3.5g/cm以下、又は約3.3g/cm以下である。
【0060】
本開示のガラス組成物は、可視域における高い透過率を有する光学ガラスを提供する。更に、光学ガラスはシリカの比較的高い百分率を有し、これは化学的耐久性及び製造の容易さを向上させる。光学ガラスはまた、結晶化開始温度(T)とガラス転移温度(T)との差が比較的大きく、130℃≦(T-T)≦190℃であることにより、再加熱時のガラス物品の失透を防ぐ。
【0061】
例示的な実施例
本開示のガラス組成物の例示的実施形態が以下に提供される。しかしながら、本開示は本明細書中で提供される実施例及び実施形態に限定されない。
【0062】
本開示による例示的なガラス組成物が以下の表1~5に示されており、これらの表は、本開示により成分の組み合わせ及びこれらそれぞれの量(一部の量は範囲で示されている)を特定する。表1~5のガラス組成物は、本明細書に記載される本開示の態様による追加の成分を含んでよい。
【0063】
以下の表1~5に列挙されたガラス組成物は、従来のガラス形成方法で調製されたものである。これらのガラスは原料又は出発材料のバッチ(例えば5~2000gのガラス溶融物、理論収率100%;典型的な収率は、例えばガラス溶融物のるつぼの壁への付着により、約90重量%であった)から作製されたものであり、上記原料又は出発材料は例えば、SiO(MinTec、99.999%)、LiCO(ChemPoint(FMC))、NaCO(Fisher Scientific、99.99%)、CaCO(Fisher Scientific、99.9%)、BaCO(AMREX Chemical)、ZnO(Zochem Inc.、流通業者:Meyers Chemical Inc.)、ZrO(MEL Chemicals PRC)、TiO(Harry W Gaffney、99.68%)、La(MolyCorp)、Nb(Alfa Aesar)、SnO(Endeka Ceramics)を含み、例えば白金るつぼ内で、アルミニウムカバーを用いて又は用いずに、空気中で1350℃~1500℃で1~6時間にわたって溶融される。続いてガラスを、空気中で冷却するか、又は鋼板の上に注いだ。得られた数ミリ厚の試料の一部を、1~5時間にわたってアニーリングした。各ガラス試料を、屈折率及び密度に関して試験した。
【0064】
【表1】
【0065】
表1のガラス組成物は、最大のガラス形成能及び化学的耐久性のために設計されたものである。従ってこの実施形態の組成物は、高いSiOの含有量を有する。このような高いSiOの含有量において高い屈折率を達成するために、ZrOの含有量が制限される。というのは、ZrOの含有量が比較的高いと、ガラス溶融物が結晶化する傾向があるためである。この作用を防ぐために、この実施形態のガラス組成物は、48.0モル%にもなり得る、大量の一価及び二価金属酸化物を含む。更に、酸化ホウ素の含有量は、高い屈折率を維持するために0.5モル%に制限される。
【0066】
【表2】
【0067】
表2のガラス組成物は、高いSiOの含有量を伴う高い屈折率のために設計されたものである。従って、本実施形態に属するガラス組成物は、シリカの高い含有量、並びにNb、TiO及びZrO等の屈折率上昇成分の高い含有量を特徴とする。屈折率上昇成分の総含有量は58.0モル%にもなり得る。
【0068】
【表3】
【0069】
表3のガラス組成物は、高いガラス形成能及び自然環境要件のために設計されたものである。ガラス形成能のために、上記ガラス組成物は1つ以上のアルカリ土類金属酸化物と共に1つ以上のアルカリ金属酸化物を含む。自然環境要件を満たすために、上記ガラス組成物は、酸化鉛を実質的に含まないか、又は極めて少量の酸化鉛を含む。軽量さを維持するために、上記ガラス組成物は、Bi及びTaといった重い成分も、制限された量だけ含む。ZrOの含有量もまた、冷却時のガラス溶融物の失透を防ぐために制限される。Bの含有量は、高い屈折率を維持するために0.5モル%に制限される。
【0070】
【表4】
【0071】
表4のガラス組成物は、高いガラス形成能に加えて屈折率と密度との間の高い比率を提供するよう設計されたものである。
【0072】
図1A及び1Bは、本開示の例示的実施形態と、従来技術の比較例によるガラス組成物との、密度及び屈折率に関する比較を提供する。図2A及び2Bは、本開示の例示的実施形態と、従来技術の比較例によるガラス組成物との、シリカ含有量及び屈折率に関する比較を提供する。図1A~2Bの具体的なガラス組成物が、以下の表5及び6で提供されている。図1A及び2Aの密度及び屈折率値は予測値であり、図1B及び2Bの屈折率値は測定値である。
【0073】
図1A及び1Bに提示されている全ての組成物(例示的実施形態及び比較例の組成物の両方)は、表4で指定されている条件を満たす。
【0074】
図2A及び2Bに提示されている全ての組成物(例示的実施形態及び比較例の組成物の両方)は、表2で指定されている条件を満たす。
【0075】
図1Aに示されるように、本開示の実施形態は、比較例に比べて、比較的低い密度と比較的高い屈折率との組み合わせを達成する。本開示の例示的実施形態は、図1Aにも示されている以下の条件(1)及び(2)を満たす。
【0076】
屈折率=1.42+0.10×密度(g/cm) (1)
屈折率-1.42-0.10×密度(g/cm)>0.00 (2)
しかしながら、図1Aの比較例は、上記の条件(1)及び(2)を満たさず、代わりにこれらの条件のプロットを下回る密度及び屈折率を有する。
【0077】
例えば、例示的実施例24は、3.61g/cmの密度及び1.803の屈折率を有する。例示的実施例25は、3.58g/cmの密度及び1.787の屈折率を有する。例示的実施例27は、3.73g/cmの密度及び1.811の屈折率を有する。このような高い屈折率と共にこのような低い密度を達成できる比較例はない。
【0078】
上述したように、そして図1Aに示されているように、全ての例示的実施形態が条件(1)及び(2)を満たす。更に、例示的実施形態のうちの一部は、以下の条件(3)及び(4)も満たす。
【0079】
屈折率=1.43+0.10×密度(g/cm) (3)
屈折率-1.43-0.10×密度(g/cm)>0.00 (4)
図1Bもまた、選択された番号の例示的実施形態の例及び比較例を、条件(1)~(4)と共に示す。
【0080】
図2Aに示されているように、本開示の実施形態は、比較例に比べて、高い屈折率を依然として維持しながら良好な製造特性(例えば良好なガラス形成、均質性、再加熱時の失透からの保護、高い化学的耐久性)を提供するための十分に高いシリカ含有量を達成する。本開示の例示的実施形態は、図2Aにも示されているように、以下の条件(5)及び(6)を満たす。
【0081】
屈折率=2.21-0.0086×SiO(モル%) (5)
屈折率-2.21+0.0086×SiO(モル%)>0.00 (6)
しかしながら、図2Aの比較例は、条件(5)及び(6)を満たさず、代わりにこれらの条件のプロットを下回るシリカ含有量及び屈折率を有する。
【0082】
例えば、例示的実施例24は、49.89モル%のシリカ含有量及び1.803の屈折率を有する。例示的実施例25は、49.92モル%のシリカ含有量及び1.787の屈折率を有する。例示的実施例27は、49.87モル%のシリカ含有量及び1.811の屈折率を有する。このような高い屈折率と共にこのような高いシリカ含有量を達成できる比較例はない。
【0083】
上述したように、そして図2Aに示されているように、全ての例示的実施形態が条件(5)及び(6)を満たす。更に、例示的実施形態のうちの一部は、以下の条件(7)及び(8)も満たす。
【0084】
屈折率=2.23-0.0086×SiO(モル%) (7)
屈折率-2.23+0.0086×SiO(モル%)>0.00 (8)
図2Bもまた、選択された番号の例示的実施形態の例及び比較例を、条件(5)~(8)と共に示す。
【0085】
以下の表5は、屈折率及び密度の測定値及び予測値と共に例示的実施例を提供する。予測値は以下の等式(9)及び(10)に基づいて算出され、ここで屈折率はモル%で提供され、密度はg/cmで提供される。
【0086】
屈折率=1.66040-0.0019575×SiO-0.0012005×B+0.0097681×La+0.0049583×TiO+0.0016595×ZnO+0.0045141×ZrO+0.0016435×CaO+0.011459×Nb+0.002465×BaO+0.0045473×WO+0.0088971×Gd+0.0079032×Y+0.010713×Ta+0.00011409×LiO-0.002614×Al-0.00068328×NaO-0.00037904×GeO+0.0031546×SrO+0.014493×Bi+0.0087809×Yb-0.00096658×KO+0.006201×PbO(9)
密度=3.25903-0.0098232×SiO-0.0092217×B+0.070094×La+0.0055203×TiO+0.015363×ZnO+0.021612×ZrO+0.0053681×CaO+0.031432×Nb+0.00093374×MgO+0.033533×BaO+0.053049×WO+0.10625×Gd+0.047221×Y+0.097478×Ta-0.0051458×LiO-0.010310×Al-0.0027528×NaO+0.0034794×GeO+0.027194×SrO+0.11606×Bi+0.11896×Yb-0.0081723×KO+0.062242×PbO(10)
【0087】
【表5-1】
【0088】
【表5-2】
【0089】
【表5-3】
【0090】
【表5-4】
【0091】
【表5-5】
【0092】
【表5-6】
【0093】
【表5-7】
【0094】
【表5-8】
【0095】
【表5-9】
【0096】
【表5-10】
【0097】
【表5-11】
【0098】
【表5-12】
【0099】
【表5-13】
【0100】
【表5-14】
【0101】
【表5-15】
【0102】
【表5-16】
【0103】
【表5-17】
【0104】
【表5-18】
【0105】
【表5-19】
【0106】
【表5-20】
【0107】
【表6-1】
【0108】
【表6-2】
【0109】
【表6-3】
【0110】
第1の態様によると、約45.0モル%以上かつ約57.0モル%以下のSiO、約5.0モル%以上かつ約23.0モル%以下のNb、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のTiO、約0.0モル%以上かつ約6.5モル%以下のZrO、約0.0モル%以上かつ約16.0モル%以下のLa、約0.0モル%以上かつ約1.0モル%以下のB、約0.0モル%以上かつ約1.0モル%以下のLiO、約0.0モル%以上かつ約5.0モル%以下のBi、約45.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiO+Al+B、約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のLiO+NaO+KO、約1.0モル%以上かつ30.0モル%以下のMgO+CaO+SrO+BaO+ZnO、及び約5.0モル%以上かつ約40.0モル%以下のNb+TiOを含むガラス組成物が提供され、上記組成物はPbOを本質的に含まない。
【0111】
第2の態様によると、上記ガラス組成物がLa以外の更なる希土類金属酸化物を含み、Laを含む希土類金属酸化物の合計が約0.0モル%以上かつ約25.0モル%以下である、第1の態様に記載のガラス組成物が提供される。
【0112】
第3の態様によると、上記ガラス組成物がLa及び/又はYを希土類金属酸化物として含む、第2の態様に記載のガラス組成物が提供される。
【0113】
第4の態様によると、上記ガラス組成物が更に、RbO及び/又はCsOを含み、アルカリ金属酸化物(LiO+NaO+KO+RbO+CsO)の合計が約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下である、第1の態様に記載のガラス組成物が提供される。
【0114】
第5の態様によると、上記ガラス組成物が約4.0g/cm以下の密度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載のガラス組成物が提供される。
【0115】
第6の態様によると、上記ガラス組成物が約3.6g/cm以下の密度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載のガラス組成物が提供される。
【0116】
第7の態様によると、上記ガラス組成物が約1.80以上の屈折率nを有する、先行する態様のいずれか1つに記載のガラス組成物が提供される。
【0117】
第8の態様によると、上記ガラス組成物が約25.0以上かつ約40.0以下のアッベ数νを有する、先行する態様のいずれか1つに記載のガラス組成物が提供される。
【0118】
第9の態様によると、上記ガラス組成物が約0.20cm/グラム以上の比(n-1)/dを有し、ここでnは屈折率であり、dは密度、g/cmである、先行する態様のいずれか1つに記載のガラス組成物が提供される。
【0119】
第10の態様によると、約45.0モル%以上のSiO、約0.0モル%以上かつ約1.0モル%以下のLiO、約1.0モル%以上かつ約19.5モル%以下のTiO、約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下の一価金属酸化物、約1.0モル%以上の二価金属酸化物、及び約40.0モル%以下の一価金属酸化物と二価金属酸化物との合計を含む、ガラス組成物が提供され、上記ガラス組成物はPbO及びフッ素を本質的に含まず、上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-1.42-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす。
【0120】
第11の態様によると、更に上記ガラス組成物が以下の条件:屈折率-1.43-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす、第10の態様に記載のガラス組成物が提供される。
【0121】
第12の態様によると、約45.0モル%以上かつ約57.0モル%以下のSiO、約5.0モル%以上かつ約23.0モル%以下のNb、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のTiO、約0.0モル%以上かつ約6.5モル%以下のZrO、約0.0モル%以上かつ約16.0モル%以下のLa、約0.0モル%以上かつ約1.0モル%以下のB、約45.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiO+Al+B、約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のLiO+NaO+KO、約1.0モル%以上かつ約30.0モル%以下のMgO+CaO+SrO+BaO+ZnO、約5.0モル%以上かつ約40.0モル%以下のNb+TiO、35.0モル%以上の60.0モル%以下のSiO、約0.0モル%以上かつ約1.0モル%以下のLiO、約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のTiO、約1.0モル%以上の一価金属酸化物、約1.0モル%以上の二価金属酸化物、及び約40.0モル%以下の一価金属酸化物と二価金属酸化物との合計を含む、ガラス組成物が提供され、上記ガラス組成物はPb、F、Tl、及びBiを本質的に含まず、上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率=2.21-0.0086×SiO(モル%)を満たす。
【0122】
第13の態様によると、更に上記ガラス組成物が以下の条件:屈折率-2.23+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、第12の態様に記載のガラス組成物が提供される。
【0123】
第14の態様によると、約45.0モル%以上かつ約57.0モル%以下のSiO、約5.0モル%以上かつ約23.0モル%以下のNb、約0.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のTiO、約0.0モル%以上かつ約6.5モル%以下のZrO、約0.0モル%以上かつ約16.0モル%以下のLa、約0.0モル%以上かつ約1.0モル%以下のB、約45.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiO+Al+B、約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のLiO+NaO+KO、約1.0モル%以上かつ約30.0モル%以下のMgO+CaO+SrO+BaO+ZnO、及び約5.0モル%以上かつ約40.0モル%以下のNb+TiOを含む、ガラス組成物が提供される。
【0124】
第15の態様によると、約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiO、約0.0モル%以上かつ約1.0モル%以下のLiO、約1.0モル%以上かつ約20.0モル%以下のTiO、約0.0モル%以上かつ約10.0モル%以下のBiO、約1.0モル%以上の一価金属酸化物、約1.0モル%以上の二価金属酸化物、及び約40.0モル%以下の一価金属酸化物と二価金属酸化物との合計を含む、ガラス組成物が提供され、上記ガラス組成物は、Pb、フッ素、及びタリウムを本質的に含まず、ここで上記ガラス組成物の屈折率は1.7超であり、上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率=2.21-0.0086×SiO(モル%)を満たす。
【0125】
上述の本開示の構造及び他の構成要素が、いずれの特定の材料に限定されないことは、当業者には理解されるだろう。本明細書中で開示される本開示の他の例示的実施形態は、特に説明がない限り、多様な材料から形成してよい。
【0126】
本開示の精神及び様々な原理から実質的に逸脱することなく、本開示の上述の実施形態に様々な変形及び修正を施してよい。全てのこのような修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、以下の特許請求の範囲によって保護される。
【0127】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0128】
実施形態1
約44.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量;及び
約1.0モル%以下のZnOの含有量
を有する、ガラス組成物であって、
上記ガラス組成物はPb及びBiを本質的に含まず、
上記ガラス組成物は1.75以上の屈折率nを有し、
上記ガラス組成物は約4.5g/cm以下の密度を有する、ガラス組成物。
【0129】
実施形態2
上記ガラス組成物の上記屈折率nは1.78以上である、実施形態1に記載のガラス組成物。 実施形態3
上記ガラス組成物の上記屈折率nは1.80以上である、実施形態2に記載のガラス組成物。
【0130】
実施形態4
上記ガラス組成物の上記屈折率nは1.82以上である、実施形態3に記載のガラス組成物。
【0131】
実施形態5
上記ガラス組成物の上記密度は4.0g/cm以下である、実施形態1~4のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0132】
実施形態6
上記ガラス組成物の上記密度は3.7g/cm以下である、実施形態5に記載のガラス組成物。
【0133】
実施形態7
上記SiOの含有量は、約45.0モル%以上かつ約55.0モル%以下である、実施形態1~6のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0134】
実施形態8
約20.0モル%以下のTiOの含有量を更に有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0135】
実施形態9
上記TiOの含有量は、約1.0モル%以上かつ約18.0モル%以下である、実施形態8に記載のガラス組成物。
【0136】
実施形態10
約5.0モル%以上かつ約25.0モル%以下のNbの含有量を更に有する、実施形態1~9のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0137】
実施形態11
上記Nbの含有量は、約10.0モル%以上かつ約23.0モル%以下である、実施形態9に記載のガラス組成物。
【0138】
実施形態12
上記ガラス組成物は、約25.0モル%以下の希土類金属酸化物の含有量を有する、実施形態1~11のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0139】
実施形態13
上記ガラス組成物は、約25.0モル%以下の一価金属酸化物の含有量を有する、実施形態1~12のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0140】
実施形態14
上記ガラス組成物は、約1.0モル%以上かつ約30.0モル%以下の二価金属酸化物の含有量を有する、実施形態1~13のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0141】
実施形態15
上記ガラス組成物は、約1.0モル%以上かつ約35.0モル%以下の、一価金属酸化物と二価金属酸化物との総含有量を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0142】
実施形態16
上記ガラス組成物は、Fe、Cr、Cu、V、Mo、Co、及びFを本質的に含まない、実施形態1~15のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0143】
実施形態17
上記ガラス組成物は約0.1モル%以下のAl、B、及びPの総含有量を有する、実施形態1~16のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0144】
実施形態18
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-1.42-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす、実施形態1~17のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0145】
実施形態19
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-1.43-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす、実施形態18に記載のガラス組成物。
【0146】
実施形態20
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.21+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、実施形態1~19のいずれか1つに記載のガラス組成物。。
【0147】
実施形態21
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.23+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、実施形態20に記載のガラス組成物。
【0148】
実施形態22
約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量
を有する、ガラス組成物であって、
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-1.42-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす、ガラス組成物。
【0149】
実施形態23
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-1.43-0.10×密度(g/cm)>0.00を満たす、実施形態22に記載のガラス組成物。
【0150】
実施形態24
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.21+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、実施形態22又は実施形態23に記載のガラス組成物。
【0151】
実施形態25
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.23+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、実施形態24に記載のガラス組成物。
【0152】
実施形態26
上記SiOの含有量は約45.0モル%以上である、実施形態22~25のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0153】
実施形態27
上記SiOの含有量は約45.0モル%以上かつ約55.0モル%以下である、実施形態22~26のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0154】
実施形態28
上記ガラス組成物はPb及びBiを本質的に含まない、実施形態22~27のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0155】
実施形態29
約35.0モル%以上かつ約60.0モル%以下のSiOの含有量
を有する、ガラス組成物であって、
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.21+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、ガラス組成物。
【0156】
実施形態30
上記ガラス組成物は以下の条件:屈折率-2.23+0.0086×SiO(モル%)>0.00を満たす、実施形態29に記載のガラス組成物のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【0157】
実施形態31
上記SiOの含有量は約45.0モル%以上である、実施形態29又は実施形態30に記載のガラス組成物。
【0158】
実施形態32
上記SiOの含有量は約45.0モル%以上かつ約55.0モル%以下である、実施形態31に記載のガラス組成物。
【0159】
実施形態33
上記ガラス組成物はPb及びBiを本質的に含まない、実施形態29~32のいずれか1つに記載のガラス組成物。
図1A
図1B
図2A
図2B
【国際調査報告】