(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(54)【発明の名称】圧縮成形機械および圧縮成形方法
(51)【国際特許分類】
B29C 43/32 20060101AFI20230615BHJP
B29C 48/06 20190101ALI20230615BHJP
B29C 48/16 20190101ALI20230615BHJP
B29C 43/20 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
B29C43/32
B29C48/06
B29C48/16
B29C43/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571262
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 IB2021054362
(87)【国際公開番号】W WO2021234617
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】102020000011947
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】バルドゥッチ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】プッチ,ファブリッチオ
(72)【発明者】
【氏名】パリネッロ,フィオレンツォ
【テーマコード(参考)】
4F204
4F207
【Fターム(参考)】
4F204AP19
4F204AQ03
4F204FA01
4F204FB01
4F204FB22
4F204FN11
4F204FN30
4F204FQ40
4F207AG14
4F207AM23
4F207AP19
4F207AQ03
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK12
4F207KM06
(57)【要約】
圧縮成形機械は、ペースト状のポリマー材料のロッドを押し出すように構成された押出ユニットと、ロッドを個々の装填物に分割するように構成された切断要素と、複数の金型を含む回転カルーセルであって、各金型が装填物を受け取り装填物から対応する物体を形成するように構成された回転カルーセルと、供給位置で各装填物を対応する金型に搬送するように構成されたフィーダと、ロッドまたは装填物の組成を表す検査データを取得するように構成された検査装置(6)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮成形機械(1)であって、
ペースト状のポリマー材料のロッド(B)を押し出すように構成された押出ユニット(5)と、
前記ロッド(B)を個々の装填物(D)に分割するように構成された切断要素(4)と、
それぞれの装填物(D)を受け取り前記装填物から対応する物体を形成するように構成された少なくとも1つの金型(21)と、
供給位置(PA)で前記少なくとも1つの金型(21)に各装填物(D)を搬送するように構成されたフィーダ(3)と、を備え、
前記ロッド(B)または前記装填物(D)の1つまたは複数の化学的または物理的特性を表す検査データ(71)を取得するように構成された検査装置(6)を備える、圧縮成形機械(1)。
【請求項2】
前記押出ユニット(5)は、
第1のペースト状の材料(M1)を押し出すように構成された第1の押出機(51)と、
第2のペースト状の材料(M2)を押し出すように構成された第2の押出機(52)と、
前記第1の押出機(51)および前記第2の押出機(52)からそれぞれ前記第1の材料(M1)および前記第2の材料(M2)を受け取り、前記第1の材料(M1)および前記第2の材料(M2)を含む前記ロッド(B)を押し出すように構成された共押出機(53)と、を備え、
前記検査装置(6)は、前記ロッド(B)内の前記第2の材料(M2)の存在を検出するように構成されている、請求項1に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項3】
前記共押出機(53)は、押出方向(E)に沿って断続的に前記ロッド(B)内の前記第2の材料(M2)を押し出して、前記押出方向(E)に沿って離間された前記第2の材料(M2)の部分を画定するように構成されており、前記検査データ(71)は、前記ロッド(B)の特定の検査ポイント(61)での前記第2の材料(M2)の不在を表す、請求項2に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項4】
前記検査ポイント(61)は、前記押出方向に対して横方向(T)に沿って前記第2の材料(M2)の外側に位置する第1のポイント群(611)と、前記押出方向(E)に沿って前記第2の材料(M2)の2つの連続する部分の間に配置された第2のポイント群(612)と、を含む請求項3に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項5】
前記検査装置(6)から前記検査データ(71)を受信するように構成された制御ユニット(7)を備え、前記制御ユニット(7)は、前記検査データ(71)の関数として前記切断要素(4)を制御して、前記第2の材料(M2)のない部分で前記ロッド(B)を切断するように前記切断要素(4)に命令するように構成されている、請求項3または4に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項6】
前記検査装置(6)は、前記切断要素(4)の上流の位置で前記ロッド(B)を検査するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項7】
前記検査装置(6)は、前記ロッド(B)または前記装填物(D)による電磁波の放射または吸収を検出するように構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項8】
前記検査装置(6)は、前記ロッド(B)または前記装填物(D)に電磁波を向けて前記電磁波が前記ロッド(B)または前記装填物(D)によって吸収される程度を検出するように構成されている、請求項7に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項9】
前記検査装置(6)は、電磁波を放射するように構成されたエミッタ(62)と、電磁波を受信するように構成されたレシーバ(63)とを備え、前記検査装置(6)は、前記ロッド(B)がスライド可能であるスライドチャネル(641)と、前記スライドチャネル(641)に垂直で且つ放射方向に沿って前記エミッタ(62)および前記レシーバ(63)と位置合わせされた横断トラック(642)とを備える、請求項8に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項10】
前記電磁波は、10nmから1pmの間の波長を有するX線である、請求項8または9に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項11】
前記切断要素(4)は、前記フィーダ(3)に配置され且つ前記ロッド(B)を分割することによって得られた前記装填物(D)を保持するように構成された保持面(321)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項12】
前記検査装置(6)は、前記ロッド(B)の複数の検査ポイント(61)を検査して、前記複数の検査ポイント(61)の各々について対応する検査データ(71)を導出するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項13】
前記複数の検査ポイント(61)は、前記押出方向(E)に垂直な横方向(T)であって、前記ロッド(B)が前記押出ユニット(5)を出る横方向(T)に沿って互いに離間した第1のポイント群(611)を含む、請求項12に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項14】
前記複数の検査ポイント(61)は、前記ロッド(B)が前記押出ユニット(5)から出る押出方向(E)に沿って互いに離間した第2のポイント群(612)を含む、請求項12または13に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項15】
前記複数の検査ポイント(61)は、前記押出方向(E)に沿って途切れのない検査線(L1)を規定する、請求項12に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項16】
回転カルーセル(2)と、前記回転カルーセル(2)に取り付けられた複数の金型(21)を形成するための追加の金型とを備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項17】
前記ロッド(B)および/または前記装填物(D)は、第1の材料および第2の材料を含み、前記検査装置(6)は前記ロッド(B)および/または前記装填物(D)の前記第1および第2の材料の少なくとも一方の存在を検出するように構成されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の圧縮成形機械(1)。
【請求項18】
圧縮成形によってポリマー材料の物体を製造するための方法であって、
押出ユニット(5)によってペースト状のポリマー材料のロッド(B)を押し出すステップと、
前記ロッド(B)を個々の装填物(D)に切断するステップと、
供給位置(PA)で前記装填物(D)を少なくとも1つの金型(21)に供給するステップと、
前記少なくとも1つの金型(21)で前記個々の装填物(D)を成形することによって前記物体を形成するステップと、含み、
検査ステップであって、検査装置(6)が前記ロッド(B)または前記装填物(D)の組成を表す検査データ(71)を取得する検査ステップを含む、方法。
【請求項19】
前記押し出すステップにおいて、第1のペースト状の材料(M1)および第2のペースト状の材料(M2)を有する前記ロッド(B)が押出され、前記検査ステップにおいて、前記検査装置(6)は前記ロッド(B)内の前記第2の材料(M2)の存在を検出する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記押し出すステップにおいて、前記第2の材料(M2)は、押出方向(E)に沿って離間した前記第2の材料(M2)の部分を画定するために前記ロッド(B)が前記押出ユニット(5)を出る前記押出方向(E)に沿って断続的に前記ロッド(B)内に含まれており、前記検査ステップにおいて、前記検査装置(6)は、前記ロッド(B)の特定の検査ポイント(61)で前記第2の材料(M2)の不在を検出する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記検査ステップにおいて、前記検査装置(6)は電磁波を放射して前記電磁波が前記ロッド(B)または前記装填物(D)によって吸収される程度を検出する、請求項18、20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記検査ステップにおいて、電磁波であって、その波長が10nmから1pmの間の電磁波が放射される、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮成形機械および圧縮成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮成形機械は、物体、一般にプラスチック製の物体を、ペースト状の材料の対応する装填物(チャージ:charges)から形成するように構成された機械である。成形機械は1つまたは複数の金型を備えており、当該金型の形状は製造中の物体の最終的な形状を規定する。より具体的には、装填物は金型の第1の(雄)部分と金型の第2の(雌)部分との間に配置される。第1および第2の部分は、ペースト状の装填物が所定の形状をとるために膨張できる膨張チャンバを画定するために互いに向かって移動する。
【0003】
また、金型が互いに角度を隔てて回転カルーセルに配置された回転成形機械が知られている。これらの成形機械はフィーダを備え、フィーダの各々はカルーセル上の各金型に個々の装填物を搬送する。これらのフィーダは、押出機および分割要素の下流に配置される。押出機はペースト状の材料の連続ロッドを押し出し、分割要素はロッドを個々の装填物に切断する。
【0004】
最終的な成形品の品質は、金型に供給される装填物の物理的および化学的特性に大きく依存する。より具体的には、装填物の組成が最適でない場合(例えば、ペースト状の材料の稠度が不均一である場合)、装填物が正しく膨張しないので、プラスチック製の物体の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
ロッドが異なる機能および特性を有する2つ以上の材料で構成されている場合、問題はなおさら明白である。例えば、酸素を通さない内部空間を形成するためにバリア層を持つプラスチック製の物体では、基準に不適合の装填物はバリアの効果を損ない得る。
【0006】
さらに、場合によっては、食品と接触してはならない相溶化層がある。水に溶ける堆肥化可能な材料であって、したがって、水を通さない他の材料に組み込まれる必要がある堆肥化可能な材料が存在する場合に、問題はさらに強く感じられる可能性がある。
【0007】
このような状況では、ロッドが作られている材料間の相対的な位置が、最終製品の品質に大きく影響する可能性がある。
【0008】
従来技術において、品質検査ステーションを含むが金型カルーセルの下流にのみある成形機械が知られている。したがって、リスクは、措置を講じるのが手遅れになった時点で不適合に注意が向けられて、対象物を排斥することが唯一の解決策になることである。
【0009】
以下の文献、すなわち、同一出願人のWO2019207420、US2014010906A1およびEP3362243A1は、上述の欠点を有する成形機械および成形方法の例を開示している。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、上述の従来技術の欠点を克服するための成形機械および成形方法を提供することを目的としている。
【0011】
この目的は、添付の特許請求の範囲で特徴付けられる本開示の成形機械および成形方法によって完全に達成される。
【0012】
その一態様によれば、本開示は圧縮成形機械を提供する。
【0013】
機械は、押出ユニットを備える。押出ユニットは、ペースト状のポリマー材料のロッドを押し出すように構成されている。
【0014】
機械は、切断要素(または分割要素)を備える。切断要素は、ロッドを個々の装填物に分割するように構成されている。
【0015】
機械は、装填物を受け取ってその装填物からポリマー材料の対応する物体を形成するように構成された金型を備える。本開示で使用される「金型」という用語は、単一の装填物から単一の物体を成形する単一のユニットを意味することに留意されたい。
【0016】
一実施形態では、機械は回転カルーセルを備える。回転カルーセルは、複数の金型を形成するために追加の金型を含む。各金型は、それぞれの装填物を受け取るように構成されている。各金型は、装填物からポリマー材料の対応する物体を形成するように構成されている。
【0017】
機械はフィーダを備える。フィーダは、供給位置で各装填物をそれぞれの金型に運ぶように構成されている。
【0018】
機械は検査装置を備える。検査装置は、ロッドまたは装填物の1つまたは複数の化学的または物理的特性、例えば、必ずしもそうではないが、化学的/物理的組成、密度または厚さを表す検査データを取得するように構成されている。検査装置は、ロッドまたは装填物の(化学的または物理的)組成を表す検査データを取得するように構成されている。
【0019】
ロッドまたは装填物の組成を検出する検査装置の存在により、物体が実際に成形される前に装填物またはロッドの品質に関する情報を取得することが可能になり、したがって、装填物またはロッドが基準に合致していない場合に措置を講じることが可能になる。
【0020】
一実施形態では、検査装置は、供給位置と押出ユニットとの間の検査領域に配置される。
【0021】
一実施形態では、検査領域は、ロッドが切断される前に検査されるように、押出ユニットと切断要素との間に配置される。
【0022】
一実施形態では、検査領域は、供給位置と切断要素との間に配置され、検査装置は、装填物を検査するように構成されている。
【0023】
プラスチック材料のロッドは、第1の材料を含む。一例では、ロッドはさらに第2の材料を含む。この例では、装置は、ロッドを検査して、第1の材料または第2の材料の存在を検知(検出)するように構成されている。他の例では、装置は、第1の材料および第2の材料の存在を検査するように構成されている。
【0024】
一実施形態では、押出ユニットは、第1のペースト状の材料を押し出すように構成された第1の押出機を含む。
【0025】
一実施形態では、押出ユニットは、第2のペースト状の材料を押し出すように構成された第2の押出機を含む。
【0026】
一実施形態では、押出ユニットは共押出機を含む。共押出機は、第1および第2の押出機からそれぞれ第1の材料および第2の材料を受け取るように構成されている。共押出機は、第1および第2の材料を含むロッドを押し出すように構成されている。
【0027】
一実施形態では、検査装置は、ロッド内の第2の材料の存在を検出するように構成されている。
【0028】
したがって、検査装置のおかげで、第2の材料が実際に存在すること、および押出プロセスが問題なく実行されたことをチェックすることが可能である。
【0029】
一実施形態では、共押出機は、第1の材料から形成された第1の層を押し出すように構成されている。共押出機は、第2の材料から形成された第2の層を押し出すように構成されている。共押出機は、第1の材料から形成された第3の層を押し出すように構成されている。一実施形態では、第1の層、第2の層および第3の層は互いに重なり合ってロッドを形成する。
【0030】
したがって、一実施形態では、ロッドは層状の平面形状を有する。他の実施形態では、ロッドは円筒形(ひも状)の形状を有する。この実施形態では、ロッドの第1の層は、第1の材料から形成された中空円筒であり、第2の層は、第2の材料から形成され且つ第1の層のキャビティに挿入された中実円筒である。
【0031】
さらなる実施形態では、ロッドは円筒形の形状を有し、
第1の材料から形成されたロッドの第1の層を規定する第1の中空の外側円筒と、
第2の材料から形成されたロッドの第2の層を規定する第2の中空の外側円筒と、
第1の材料から形成されたロッドの第3の層を規定する中実の円筒と、を備える。
【0032】
一般的に言えば、ロッドは、円筒形の形状を有してもよく、各々がプラスチック材料の中空円筒またはプラスチック材料の中実円筒によって規定される複数の層を含んでもよい。
【0033】
さらに、別の実施形態では、ロッドは、第2の材料から作られた複数のビーズが埋め込まれた第1の材料から形成された円筒形の層を含む。複数のビーズは、押出方向に沿って間隔を置いて配置される。
【0034】
一実施形態では、共押出機は、押出方向に沿って間隔を置いて配置された第2の材料の部分を規定するように、押出方向に沿ってロッドにおける第2の材料を断続的に押し出すように構成されている。したがって、この実施形態では、ロッドは、ロッドの断面全体を通して第2の材料を含まない領域を含む。
【0035】
一実施形態では、共押出機は、第1の材料が第2の材料を完全に取り囲むように、すなわち、ロッドの外面が第1の材料のみによって規定されるように、第2の材料を断続的に押し出すように構成されている。
【0036】
断続的に押し出された第2の材料を有するロッドを製造するためのシステムは、本出願人の特許第102019000018530号に網羅的に記載されており、当該特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
一実施形態では、検査データは、ロッドの特定の検査ポイントにおいて第2の材料が存在しないことを表す。
【0038】
言い換えれば、検査装置は、第2の材料がロッド内に正しく分配されていることをチェックするために、第2の材料が存在しないはずの領域でロッドを検査するように構成されている。したがって、この特徴は、切断後に装填物が基準に適合していないことが判明することがないことを保証する。この利点の例は、ロッドが、最終製品の外面を規定するように構成された第1の材料と、最終製品(例えば、コーヒーカプセル)のための酸素バリアを規定する第2の材料とで構成されている場合に明らかである。第2の材料は、空気との接触に敏感であるので、常に第1の材料に囲まれている必要がある。したがって、検査装置は、第2の材料が第1の材料によって正しく取り囲まれ、したがって空気との接触によって損傷を受けないことを保証する。
【0039】
一実施形態では、検査ポイントは第1のポイント群を含む。第1のポイント群は、押出方向に沿って第2の材料の2つの連続する部分の間に挿入される。したがって、第1の検査ポイント群は、第2の材料が存在する2つの領域の間の第1の材料のみが存在する切断領域の存在をチェックするために使用される。一実施形態では、検査ポイント群は、押出方向を横切る方向に沿って第2の材料の外側に位置する第2のポイント群を含む。より具体的には、一実施形態では、第2のポイント群は、第1の材料のエッジと第2の材料のエッジとの間に挿入される。
【0040】
一実施形態では、第1の層が第2の層の側面を取り囲むことができるように、押出方向を横切る方向に沿った第1の層の広がりは、第2の層の横方向の広がりよりも大きい。
【0041】
機械は、制御ユニットを備える。
【0042】
一実施形態では、制御ユニットは、検査装置から検査データを受信するように構成されている。一実施形態では、制御ユニットは、検査データの関数として切断要素を制御するように構成されている。この特徴は、ロッド自体に関する情報の関数としてロッドの切断を制御することを可能にする。このようにして、制御ユニットは、第2の材料がない部分、すなわち上述の切断部分でロッドを切断するように切断要素に命令するように構成されている。
【0043】
機械は、装填物および/または最終物体を排斥するように構成された排斥装置を備える。
【0044】
一実施形態では、制御ユニットは排斥装置に接続されており、検査データの関数として特定の装填物および/または特定の物体を排斥するように排斥装置に指示する。
【0045】
一実施形態では、検査装置は、切断要素の上流の位置でロッドを検査するように構成されている。この特徴は、検査データの関数として切断要素を制御する可能性と組み合わされて、検査データの関数として装填物の切断を適合させることを可能にする。
【0046】
一例では、検査装置は、ロッド(および/または装填物)の第1の材料および/または第2の材料によってなされる電磁波の放射を感知するように構成されている。他の例では、検査装置は、ロッドおよび/または装填物によってなされる電磁波の吸収を感知するように構成されており、ロッドおよび/または装填物は、前記電磁波によって投じられ、(波長および周波数に関して)特定の特性を有する波の一部を吸収する。
【0047】
例えば、検査装置は、電磁波のビームをロッドおよび/または装填物に向けるように構成され得る。一実施形態では、検査装置は、電磁波のビームがロッドおよび/または装填物によって吸収される程度を検出するように構成されている。別の例では、システムは、ロッドまたは装填物によって放射される電磁波(例えば、ロッドまたは装填物の温度を考慮したIR放射)を検出するように構成されている。
【0048】
一実施形態では、検査装置はエミッタを備える。エミッタは、電磁波のビームを放射するように構成されている。エミッタは、押出方向に対してロッドの横方向に配置されている。一実施形態では、検査装置は、電磁波のビームを受信するように構成されたレシーバを備える。レシーバは、押出方向に対してロッドの横方向に配置されている。エミッタとレシーバは、(好ましくはロッドから間隔を空けて)ロッドの両側に配置されている。
【0049】
レシーバとエミッタは、放射方向に沿って位置合わせされている。
【0050】
検査装置は、ロッドがスライド可能なスライドチャネルを備える。スライドチャネルは、出口ノズルを介して外部に開かれている。スライドチャネルは、共押出機から突出していてもよいし、共押出機に組み込まれていてもよい。出口ノズルは、押出方向に対して横断する断面を有する。出口ノズルの横断面は、一例として、円形、長方形またはほぼ角柱であり得る規定の幾何学的形状を有する。
【0051】
出口ノズルの横断面は、ロッドの形状、したがって厚さを規定する。したがって、スライドチャネルは、ロッドを出口ノズルに向かって搬送して、ロッドを所定の寸法仕様に成形するように構成されている。したがって、この実施形態では、ロッドは、スライドチャネルの内壁と接触して(こすれて)スライドする。
【0052】
押出ユニットは検査開口部を備える。検査開口部は、好ましくは、放射方向に対して垂直である。検査装置は、検査トラック、好ましくは、横方向の検査トラックを備える。検査トラックは、好ましくは、供給チャネルに対して垂直である。検査トラックは、放射方向に沿ってエミッタおよびレシーバと位置合わせされている。
【0053】
一実施形態では、検査装置は、スライドチャネルの下流の位置で、すなわち、エミッタまたはレシーバとロッドとの間に介在する窓または壁がない位置で、ロッドを検査するように構成されていることに留意されたい。例えば、エミッタおよびレシーバは、ロッドが共押出機から出るやいなや分割される前にロッドを捉えるように、押出方向に沿って出口ノズルの下流に配置されてもよい。
【0054】
放射方向は、入射角で押出方向に対して傾斜している。一実施形態では、放射方向は押出方向に対して垂直であり、入射角は90°である。
【0055】
一実施形態では、入射角は5°から90°の間である。
【0056】
一実施形態では、検査装置は、入射角を変化させるためにロッドの特性(化学的/物理的組成、厚さおよび/または密度)の関数として放射方向を変化させるように構成されている。言い換えれば、入射角は、ロッドの特性(化学的/物理的組成、厚さおよび/または密度)の関数として可変である。
【0057】
一実施形態では、電磁波のビームはX線ビームである。電磁ビームの波長は10nmから1pmの間である。
【0058】
X線は、材料の存在をチェックするだけでなく、材料の組成を評価してその品質をチェックする、またはそれが基準組成と一致していることをチェックするためにも使用できる。
【0059】
さらに、X線の使用はまた、他のタイプの電磁波(例えば赤外線カメラ)では機能しない厚さを持つ装填物を検査することを可能にする。
【0060】
最後に、他のタイプの検査システムに対する別の利点は、評価は色とは無関係であるが、材料の物理的(または化学的/物理的)分析に基づくという事実にある。
【0061】
一実施形態では、切断要素はフィーダに配置される。一実施形態では、切断要素は保持面を含む。保持面は、ロッドを分割することによって得られた装填物を保持するように構成されている。
【0062】
一実施形態では、検査装置は、検査ポイントの各々について検査データを導出するように構成されている。
【0063】
一実施形態では、複数の検査ポイントは、押出方向に沿って途切れのない検査線を規定する。
【0064】
検査ポイントは、次の領域に配置され得る。すなわち、
第2の材料の外側を囲むフレーム領域であって、第2の材料がその領域に実質的に存在しないことをチェックするためのフレーム領域、
存在領域であって、第2の材料がその領域に実質的に存在することをチェックするための存在領域に配置され得る。
【0065】
この実施形態は、押出方向によって規定される座標に対してロッドの組成の連続関数を有することを可能にする。これは、切断区間の展開、つまり、第2の材料がない区間を決定することも可能にするので、非常に有利である。実際、単一の検査ポイントで実行された評価は、材料が存在しないことを示すが、押出方向に沿った切断区間の展開に関する情報を提供しないというエラーの対象となり得る。
【0066】
その一態様によれば、本開示は、圧縮成形によってポリマー材料の物体を製造するための方法を提供する。
【0067】
方法は、押出ユニットを通してペースト状のポリマー材料のロッドを押し出すステップを含む。方法は、ロッドを切断して個々の装填物を得るステップを含む。方法は、供給位置で金型に装填物を供給するステップを含む。
【0068】
方法は、個々の装填物をそれぞれの金型で成形することによって物体を形成するステップを含む。
【0069】
一実施形態では、この方法は、検査するステップを含む。検査するステップにおいて、検査装置は、ロッドまたは装填物の組成を表す検査データを取得する。
【0070】
一実施形態では、押し出すステップにおいて、第1のペースト状の材料および第2のペースト状の材料を有するロッドが押し出される。検査するステップにおいて、検査装置はロッド内の第2の材料の存在を検出する。
【0071】
方法の一実施形態では、押し出すステップにおいて、第2の材料は、押出方向に沿って間隔を空けて配置された第2の材料の部分を規定するために、ロッドが押出ユニットを出る押出方向に沿って断続的にロッド内に含まれている。好ましくは、押し出すステップにおいて、切断するステップの後に第2の材料のどの部分も空気に露出しないように、第2の材料は、第2の材料を完全に取り囲む第1の材料と共に押し出される。
【0072】
一実施形態では、検査するステップにおいて、検査装置は、ロッドの特定の検査ポイントで第2の材料が存在しないことを検出する。言い換えれば、検査するステップにおいて、検査装置は、第2の材料が理論上存在しない、押出方向に沿った切断区間において第2の材料が押し出されていないことをチェックする。
【0073】
検査するステップにおいて、検査装置(検査装置のエミッタ)は電磁波のビームを放射し、検査装置(検査装置のレシーバ)は、ロッドまたは装填物が電磁波のビームを吸収する程度を検出する。
【0074】
一実施形態では、検査するステップにおいて、放射されるビームの電磁波長は、10nmから1pmの間である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
これらおよび他の特徴は、添付の図面に非限定的な例として示されている好ましい実施形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【
図1】材料の対応する装填物から物体を製造するための圧縮成形機械を概略的に示す。
【
図2】
図1の成形機械の検査装置を示す詳細図である。
【
図3】
図1の成形機械の押出ユニットを示す詳細図である。
【
図4】
図1の成形機械のフィーダを示す詳細図である。
【
図5】
図1の成形機械によって処理されたロッドの実施形態を示す。
【
図6】
図1の成形機械によって処理されたロッドの実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図を参照すると、数字1は物体を製造するための成形機械を示す。
【0077】
機械1は、回転カルーセル2を備える。回転カルーセル2は、第1の回転軸A1周りに回転することによって成形動作を実行するように構成されている。一実施形態では、回転カルーセル2は、複数の金型21を備える。複数の金型21の各金型は、単一の装填物D、好ましくはポリマー材料の単一の装填物Dを受け取り、その単一の装填物Dから対応する物体を成形するように構成されている。複数の金型21は、互いに角度的に離間しており且つ第1の回転軸A1から等距離にある。
【0078】
複数の金型の各金型21は、第1の部分21A(一般に雄21Aと呼ばれる)および第2の部分21B(一般に雌21Bと呼ばれる)を備える。雄21Aと雌21Bは、成形を行うために互いに対して移動可能である。より具体的には、各金型21は、開位置と閉位置との間で移動可能である。開位置では、雄21Aと雌21Bは離れており、閉位置では、雄21Aと雌21Bは接触して膨張チャンバを規定し、当該膨張チャンバに成形対象の物体の形状をとるように単一の装填物Dが流れるように構成されている。
【0079】
回転カルーセル2は、互いに平行で且つ離間した第1のプレート22と第2のプレート23とを備える。各雌21Bは第1のプレート22に配置され、各雄21Aは第2のプレート23に配置される。
【0080】
一実施形態では、雄21Aは、回転カルーセル2に対して静止しており、雌21Bは、回転カルーセル2に対して、雄21Aに向かうおよび雄21Aから離れるように、移動可能である。雌21Bは、鉛直方向Vに沿って移動可能である。
【0081】
この実施形態では、雄21Aは、重力方向において雌21Bの下流に、重力方向に平行な鉛直方向Vに沿って配置される。さらに、単一の装填物Dは雄21Aの金型21内に放出される。
【0082】
一実施形態では、第2のプレート23は、重力方向の鉛直方向に沿って第1のプレート22の下流に配置される。一方、他の実施形態では、第1のプレート22は、重力方向の鉛直方向に沿って第2のプレート23の下流に配置される。
【0083】
この実施形態は、装填物が成形される前に、雄21A上に配置された単一の装填物Dを視覚的に、または適切な検査装置によって検査することを可能にする。
【0084】
本開示はまた、雌21Bが鉛直方向Vに沿って雄21Aの下に配置される実施形態を保護することを意図していることを理解されたい。
【0085】
回転カルーセル2は、それを回転させるように構成された専用のアクチュエータによって回転駆動される。回転カルーセル2が完全に一回転するごとに、各金型21が対応する物体を製造することに留意されたい。
【0086】
複数の金型の各金型21、好ましくは各雄21Aは、供給位置PAで単一の装填物Dを受け取るように構成されている。
【0087】
機械1は、フィーダ3を備える。フィーダ3は、ピックアップ位置PPから単一の装填物Dをピックアップするように構成されている。フィーダ3は、単一の装填物Dをピックアップ位置PPから供給位置PAまで搬送するように構成されている。
【0088】
一実施形態では、フィーダ3は、回転ディスク31(または回転スターホイール)を備える。回転ディスク31は、第1の回転軸A1に平行な第2の回転軸A2周りに回転する。
【0089】
フィーダ3は、複数のピックアップ装置32を備える。複数のピックアップ装置32は、回転ディスク31に接続されている。各ピックアップ装置32は、ピックアップ位置PPで単一の装填物Dをピックアップするように構成されている。各ピックアップ装置32は、ピックアップ位置PPから供給位置PAまでの経路に沿って単一の装填物Dを移動させ続けるように構成されている。
【0090】
本開示の一態様によれば、ピックアップ装置32は、吸引によって単一の装填物Dを保持するように構成されており、当該吸引は、ピックアップ位置PPから供給位置PAまでの経路に沿ってピックアップ装置32に対して当該装填物Dを保持するピックアップ力を当該装填物Dに加える。
【0091】
一実施形態では、ピックアップ装置32は、重力と同一方向に向けられた単一の装填物Dを保持するように構成されている。したがって、ピックアップ力は重力とは逆である。
【0092】
ピックアップ装置32に単一の装填物Dを配置することにより、単一の装填物Dを、対応する金型21の雄21A(または雌21B)上に適切に放出することが可能になる。
【0093】
機械1は、切断要素4を備える。切断要素4は、対応する個々の装填物Dを得るために、ペースト状の材料のロッドB、好ましくはペースト状のポリマーのロッドBを切断(または分割)するように構成されている。切断要素4は、(フィーダ3の)ピックアップ装置32またはピックアップ位置PPの下流に位置する。実際には、ピックアップ装置32の上流では、単一の装填物Dはまだ存在しておらず、成形対象の材料はまだロッドBの形態である。
【0094】
一実施形態では、切断要素4は、ロッドBを個々の装填物Dに分割するように構成された単一のブレードであり、個々の装填物Dの各々は、対応するピックアップ装置32によってピックアップされる。
【0095】
好ましい実施形態では、切断要素4はピックアップ装置32に組み込まれている。この実施形態では、機械3は、複数の切断要素4を形成するために、各ピックアップ装置32に対して切断要素4を備える。より具体的には、特に有利な実施形態では、ピックアップ装置32および切断要素4は、切断要素4およびピックアップ装置32の機能を実行するように、すなわち、ロッドBを分割し、取得したばかりの単一の装填物Dを保持するように構成された吸引ブレード32’に組み込まれている。したがって、この実施形態では、機械1は、複数の吸引ブレード32’を備える。
【0096】
この実施形態によれば、各吸引ブレード32’は、対応する支持ブロック32’’に蝶番で取り付けられており、当該支持ブロック32’’は回転ディスク31に接続されている。より具体的には、支持ブロック32’’は、第2の回転軸A2から等距離のそれぞれの位置で回転ディスク31に接続されている。
【0097】
各吸引ブレード32’は、実質的に平面形状を有する吸引面321を備える。吸引面321は、複数の孔321’を含み、複数の孔321’は、空気吸引が適用され且つ対応するそれぞれの装填物Dを保持することを可能にするように構成されている。
【0098】
各吸引ブレード32’は、切断エッジ322を備える。切断エッジ322は、吸着面のエッジである。切断エッジ322は、ロッドBを切断して、ロッドBから、単一の装填物Dを規定する対応する部分を得るように構成されている。
【0099】
各吸引ブレード32’は、吸引ブレード32’がロッドBから単一の装填物Dを切断するように構成された切断位置P1と、吸引ブレード32’がロッドBから切断したばかりの装填物Dを吸引によって保持するように構成された保持位置P2との間で、それぞれの切断軸A3周りに回転するように構成されている。
【0100】
切断位置P1では、各ブレード32’は、その吸引面321が第2の回転軸A2に対して垂直である(すなわち、重力方向に対して垂直である)水平面に対して垂直であるように、配置されている。このようにして、回転ディスクが回転するとき、ブレードがロッドに衝突して装填物を切断する。
【0101】
吸引位置P2では、吸引面321は、第2の回転軸A2(すなわち重力方向)に垂直な水平面に平行である。吸引ブレード32’の吸引位置P2では、機械1は、複数の孔321’を介した吸引によって装填物Dを保持することを可能にするコンプレッサを作動させるように構成されている。
【0102】
本開示の一態様によれば、機械1は押出ユニット5を備える。押出ユニット5は、ペースト状の材料、好ましくはポリマーのロッドBを押し出すように構成されている。
【0103】
一実施形態では、押出ユニット5は、単一の材料のロッドを押し出すように構成されている。他の実施形態では、押出ユニット5は、1つまたは複数の異なる材料から構成されたペースト状の材料を押し出すように構成されている。
【0104】
一実施形態では、押出ユニットは、第1の押出機51を備える。第1の押出機51は、第1のペースト状の材料M1を押し出すように構成されている。第1のペースト状の材料M1は、例えば、最終物体の外面および/または内面を構成することになる材料である。
【0105】
一実施形態では、押出ユニットは、第2の押出機52を備える。第2の押出機52は、第2のペースト状の材料M2を押し出すように構成されている。第2のペースト状の材料M2は、例えば、特別な特性を有する最終物体の内層(外側に開いていない)を構成することになる材料である。特別な特性は、例えば、最終物体の内部に含まれる製品の寿命を延ばすための酸素に対する不透過性である。
【0106】
一実施形態では、第2の材料は、酸素に対する不透過性の特性を有する材料、例えばEVOHである。
【0107】
一実施形態では、押出ユニットは第3の押出機を備える。第3の押出機は、第3のペースト状の材料(相溶化材料)を押し出すように構成されている。第3の材料は、例えば、第1の材料M1と第2の材料M2との間に挟まれ且つ第1の材料M1と第2の材料M2とを適合させるように構成された、中間位置に配置された材料である。
【0108】
一実施形態では、機械1は共押出機53を備える。共押出機53は、それぞれ第1の供給ポート511および第2の供給ポート521を通して、第1の押出機51および第2の押出機52から第1の材料M1および第2の材料M2を受け取るように構成されている。共押出機53は、第1の材料M1および第2の材料M2を含むロッドBを押し出すように構成されている。さらに、共押出機はまた、第3の相溶化材料を受け取って、それを第1の材料M1および第2の材料M2と共に押し出すように構成されている。
【0109】
共押出機の例は、文献IT2019000018530に記載されており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
一実施形態では、共押出機53は、共押出チャネル531を備える。共押出機53は、押出チャネル531と連通する1つまたは複数の注入チャネル532を備え、その中でそれぞれのペースト状の材料を搬送する。注入チャネル532は各々、ペースト状態のそれぞれの材料を押出チャネル531に注入するように構成されている。一実施形態では、複数の注入チャネル532は、押出チャネル531の両側に配置され且つ同一のペースト状の材料を注入するように構成されたチャネルの対を備える。したがって、ロッドBであって、その層が押出チャネル531に関して対称であるロッドBを生成することが可能である。
【0111】
一実施形態では、1つまたは複数の注入チャネル532は、第1の材料M1を押出チャネル531に注入するように構成された一対のチャネル532’を備える。一実施形態では、1つまたは複数の注入チャネル532は、第2の材料M2を注入するように構成された少なくとも1つの中央チャネル532’’を備える。中央チャネル532’’は、第2の材料がロッドの最大展開方向に沿って断続的であるロッドBを生成するように、第2の材料を断続的に注入するように構成されている。共押出機がどのように機能するかについてのより詳細な説明は、文献IT2019000018530に記載されており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
したがって、共押出機は、以下に説明するさまざまな方法で具体化され得るロッドを押し出すように構成されている。
【0113】
第1の実施形態では、ロッドBは平坦な多層タイプであり、第1の材料M1から作られた第1の層S1、第2の材料M2から作られた第2の層S2、および第1の材料から作られた第3の層S3を含む。多層ロッドBを有する実施形態の変形例は、さらに2つの相溶化層を含み、第1の相溶化層は第1の層と第2の層との間に位置し、第2の相溶化層は第2の層と第3の層との間に位置する。したがって、この実施形態では、ロッドBは、押出方向Eに垂直な平面に沿って(すなわち、ロッドBの最大展開方向に沿って)、実質的に長方形の断面を有する。
【0114】
第2の実施形態では、ロッドBは、円筒状の多層タイプであり、すなわち、押出方向Eに垂直な平面に沿って(すなわち、ロッドBの最大展開方向に沿って)実質的に円形または卵形または楕円形の断面を有する。この実施形態では、ロッドBは、第1の材料M1から作られた(中空の円筒形状を有する)外側層と、第2の材料M2から作られた円形の内側コアとを備える。
【0115】
ロッドBの2つの実施形態の各々は2つのタイプであり得る。すなわち、連続的に押し出された第2の材料M2を有するタイプ、または断続的に押し出された第2の材料M2を有するタイプであり得る。第2の材料M2の連続的な押出により、第2の層S2または内側コアは、押出方向Eに沿って連続的である。第2の材料M2の断続的な押出により、第2の層S2または内側コアは、押出方向Eに沿って断続的である。この場合、第2の層S2または内側コアは、第1の材料M1と第2の材料M2とを交互にすることによって形成される。
【0116】
機械1は、検査装置6を備える。検査装置6は、ロッドBまたは装填物Dの組成を表す検査データ71を導出する(取得する)ように構成されている。検査装置6は、ロッドBまたは装填物Dの経路に沿って機械1内の種々の位置に配置され得る。より具体的には、一実施形態では、検査装置6は、押出ユニット5と切断要素4(または吸引ブレード32’)との間に配置される。これにより、検査装置はロッドBの組成を検出することができる。一実施形態では、検査装置6は、切断要素4(または吸引ブレード32’)の下流且つ供給位置PAの上流に配置され、各単一の装填物Dの組成を、当該装填物Dが対応する金型に供給される前に、検出する。
【0117】
検査装置6は、ロッドBまたは装填物Dが作られている材料の組成を特定することを可能にし、押し出されたペースト状の材料が設計仕様を満たしていることをチェックすることを可能にする。
【0118】
一実施形態では、ロッドBまたは装填物Dに1つまたは複数の材料が存在する場合、検査データ7は、第1の材料M1または第2の材料M2の存在を表す。一実施形態では、検査データ7は、押出方向に沿って、および/または押出方向Eに垂直な横方向Tに沿って、第1の材料M1と第2の材料M2との間の相対位置を表す。
【0119】
一実施形態では、検査装置6は、複数の検査ポイント61でロッドBまたは装填物Dの組成を検出するように構成されている。したがって、検査装置6は、外側に開いているか内側にあるかにかかわらず、検査ポイント61に第2の材料M2が存在するかどうかを検出するように構成されている。
【0120】
一実施形態では、複数の検査ポイント61は、ロッドBまたは装填物Dに対してポイントごとの検査を実行することを可能にするように、互いに離間されている。
【0121】
この実施形態では、複数のポイント61は、横方向Tに沿って互いに離間された第1の複数のポイント群611に分割される。
【0122】
第1のポイント群611は、押出方向Eに平行なロッドBまたは装填物Dの側面において第2の材料M2の不在を判定することを可能にする。同時に、第1のポイント群611における検査は、ロッドBまたは装填物Dの内側の領域における第2の材料の存在を判定することを可能にする。
【0123】
複数のポイント61は、押出方向Eに沿って互いに離間された第2のポイント群612に分割される。
【0124】
第2の材料M2が連続的に押し出される場合、第2のポイント群612は、第2の材料M2がロッドBまたは装填物Dの押出方向Eに沿った全展開に沿って実質的に存在するかどうかを判定することを可能にする。
【0125】
第2の材料M2が断続的に押し出される場合、第2のポイント群612は、第2の材料M2が存在しないはずの切断領域ZTでの第2の材料M2の不在を判定することを可能にする。同時に、第2のポイント群612における検査は、フル領域、すなわち、第2の材料M2を含む領域における第2の材料の存在を判定することを可能にする。したがって、押出方向Eに沿った検査により、第2の材料M2を含まない領域が、第2の材料M2を含む領域と実質的に交互になっているかどうかをチェックすることが可能である。
【0126】
一実施形態では、複数の検査ポイント61は、離間されておらず且つ押出方向Eに実質的に平行な第1の検査線L1を規定するように整列されている。一実施形態では、複数の検査ポイント61は、離間されておらず且つ横方向Tに実質的に平行な第2の検査線L2を規定するように整列されている。
【0127】
最後に、さらに別の実施形態では、複数の検査ポイント61は近接して、検査装置に面するロッドBまたは装填物Dの表面全体を覆う検査面を規定する。
【0128】
一実施形態では、検査装置6は、電磁波、好ましくはX線を放射するように構成されたエミッタ62を備える。検査装置6は、ロッドBまたは装填物Dによる電磁波の吸収を示す(表す)吸収データを取得するように構成されたレシーバ63を備える。
【0129】
横方向Tに沿って離間した複数のポイントに沿って検査が行われる実施形態では、検査装置6は、2つの実施形態に従って形成され得ることを覚えておくべきである。第1の実施形態では、エミッタ62は横方向Tに沿って移動可能である。加えて、または代替的に、検査装置6は、横方向Tに沿って離間され且つ検査データを同時に取得するように構成された1つまたは複数のエミッタ62を備える。
【0130】
一実施形態では、検査装置6は、ガイドブロック64を備える。ガイドブロック64は、ロッドBが共押出機53から押出方向Eに沿ってスライドするスライドチャネル641を備える。ガイドブロック64は、押出ユニット5に、好ましくはロッドBが送り出される共押出機53の出口に接続されている。
【0131】
スライドチャネル641は、押出方向Eに沿って延在する。
【0132】
ガイドブロック64は、横断トラック642を備える。横断トラック642は、エミッタ62に面する第1の窓642Aと、レシーバ63に面する第2の窓642Bとの間でガイドブロック64をずっと横方向に走る。
【0133】
横断トラック642は、スライドチャネル641を横切る。
【0134】
一実施形態では、横断トラック642は、横方向Tおよび押出方向Eに平行なガイドブロック64の片側でも開いている。
【0135】
一実施形態では、ガイドブロック64は、第1の閉鎖ドア643Aおよび/または第2の閉鎖ドア643Bを備える。第1の閉鎖ドア643Aおよび/または第2の閉鎖ドア643Bは、X線が無条件で通過することを可能にする材料、例えば、透明な材料で作られる。
【0136】
一実施形態では、エミッタ62は、第1の窓642Aに実質的に垂直であり且つ好ましくは横方向Tに平行な検査方向にX線(または電磁波)を放射するように構成されている。X線は横断トラック642を通過し、スライドチャネル641に沿って移動しているロッドBと衝突する。
【0137】
X線は、第2の窓642Bを通過し、横方向Tに沿って第2の窓642Bと位置合わせされたレシーバによって捕捉される。
【0138】
一実施形態では、機械1は制御ユニット7を備える。検査装置6は、検査データ71を制御ユニット7に送信するように構成されている。
【0139】
制御ユニット7は、検査データ71を処理するように構成されている。制御ユニットは、対応するコマンド信号72を生成するように構成されている。制御ユニットは、コマンド信号72を切断要素4および/またはピックアップ装置32および/または回転ディスク31および/またはフィーダ3に送信するように構成されている。
【0140】
ロッドBが断続的に押し出される第2の材料M2を有するタイプである特に有利な実施形態では、検査データ71は、押出方向Eに沿った切断領域の位置を表す。
【0141】
したがって、制御ユニット7は、切断要素4が切断領域ZTで切断を行うようにコマンド信号72を生成するように構成されている。
【0142】
加えて、または代替的に、機械1は、回転カルーセル2の下流に配置された排斥ステーションを備える。この実施形態では、制御ユニット7は、コマンド信号72を排斥ステーションに送信して、検査データ71の関数として、欠陥があることが判明した任意の物体を排斥するように排斥ステーションに指示するように構成されている。
【0143】
本開示の一態様によれば、この特許は、圧縮成形によってポリマー材料の物体を製造するための方法を提供する。
【0144】
方法は、回転カルーセル2を回転させるステップを含み、当該ステップでは回転カルーセル2は、第1の回転軸A1周りに回転する。
【0145】
方法は、回転カルーセルに取り付けられた複数の金型21がポリマー材料から物体を成形するステップを含む。複数の金型21の各金型は、単一の装填物D、好ましくはポリマー材料の単一の装填物Dを受け取り、その単一の装填物Dから対応する物体を成形する。
【0146】
成形するステップでは、各金型の雄21Aと雌21Bが互いに対して移動する。より具体的には、成形するステップは、雄21Aと雌21Bとが離間している開位置と、雄21Aと雌21Bとが接触して、成形される物体の形状をとるように単一の装填物Dが流入する膨張チャンバを規定する閉位置との間で、各金型21を移動させるステップを含む。
【0147】
方法の一実施形態では、雄21Aは回転カルーセル2に対して固定されたままであり、雌21Bは雄21Aに近づいたり離れたりする。雌21Bは、鉛直方向Vに沿って移動する。
【0148】
方法は、単一の装填物Dが雄21Aの金型21内に放出される、装填物を放出するステップを含む。
【0149】
重力方向に沿って雌が雄の下に位置する方法の他の実施形態では、装填物は雌に放出される。
【0150】
方法は、専用のアクチュエータが回転カルーセル2を回転させる作動ステップを含む。
【0151】
回転カルーセル2の各完全な回転は、各金型21の成形の1ステップに対応することに留意されたい。したがって、回転カルーセルの各完全な回転で、製造される物体の数は、回転カルーセル2に取り付けられた金型21の数に等しい。
【0152】
装填物を放出するステップでは、複数の金型の各金型21、好ましくは各雄21Aは、供給位置PAで単一の装填物Dを受け取る。
【0153】
方法は、供給ステップを含む。供給ステップでは、フィーダ3がピックアップ位置PPから単一の装填物Dをピックアップする。フィーダ3は、単一の装填物Dをピックアップ位置PPから供給位置PAまで搬送する。
【0154】
供給ステップでは、フィーダ3の回転ディスク31(すなわち、回転スターホイール)は、第1の回転軸A1に平行な第2の回転軸A2周りに回転する。
【0155】
供給ステップは、ピックアップ(すなわち、保持)ステップを含む。ピックアップステップでは、回転ディスク31に接続された複数のピックアップ装置32の各ピックアップ装置が、ピックアップ位置PPで単一の装填物Dをピックアップする。各ピックアップ装置32は、ピックアップ位置PPから供給位置PAまでの経路に沿って単一の装填物Dを移動させ続ける。
【0156】
一実施形態では、ピックアップステップは、吸引を適用するステップを含む。吸引を適用するステップでは、ピックアップ装置32は、ピックアップ位置PPから供給位置PAまでの経路に沿ってピックアップ装置32に対して単一の装填物Dを保持するピックアップ力を単一の装填物Dに適用する吸引によって単一の装填物Dを保持する。
【0157】
一実施形態では、ピックアップ装置32は、重力と同一方向に向けられた単一の装填物Dを保持する。
【0158】
方法は、切断ステップを含む。切断ステップでは、切断要素4は、対応する個々の装填物Dを得るために、ペースト状の材料のロッドB、好ましくはポリマーのロッドBを切断する(すなわち、分割する)。一実施形態では、切断ステップは、(フィーダ3の)ピックアップ装置32またはピックアップ位置PPの下流の位置で、切断要素4によって実行される。
【0159】
一実施形態では、切断要素4は、ロッドBを個々の装填物Dに切断する単一のブレードであり、その後、個々の装填物Dの各々は、対応するピックアップ装置32によってピックアップされる。
【0160】
一実施形態では、切断ステップおよび保持ステップは、単一のユニット(要素、構成要素)、好ましくはロッドBを切断し、切断したばかりの単一の装填物Dを保持する吸引ブレード32’によって、次々に実行される。したがって、方法のこの実施形態では、切断ステップは、複数の吸引ブレード32’によって実行される。
【0161】
この実施形態では、各吸引ブレード32’は、対応するヒンジ周りに対応する支持ブロック32’’に対して回転する。各支持ブロック32’’は、他の支持ブロック32’’と第2の回転軸A2から同一距離の位置で回転ディスク31に接続される。
【0162】
各吸引ブレード32’は、複数の孔321’を介して吸引することによって装填物Dを保持する吸引面321を備える。
【0163】
各吸引ブレード32’は、ロッドBを切断してそこから単一の装填物Dを規定する対応する部分を得る切断エッジ322を備える。
【0164】
各吸引ブレード32’は、吸引ブレード32’がロッドBと衝突して単一の装填物Dを規定する部分を切断する切断位置P1と、吸引ブレード32’がロッドBから切断したばかりの装填物Dを吸引によって保持する保持位置P2との間で、それぞれの切断軸A3周りに回転する。
【0165】
吸引ブレード32’の吸引位置P2において、機械1は、複数の孔321’を介して吸引によって装填物Dを保持することを可能にするコンプレッサを作動させる。
【0166】
方法は、押出ユニット5がペースト状の材料、好ましくはポリマーのロッドBを押し出すステップを含む。
【0167】
一実施形態では、押出ユニット5は、単一の材料のロッドを押し出す。他の実施形態では、押出ユニット5は、1つまたは複数の異なる材料から構成されたペースト状の材料を押し出す。
【0168】
方法の一実施形態では、押し出すステップは、以下のステップのうちの1つまたは複数を含む。すなわち、
第1に、例えば最終物体の外面および/または内面を構成することになる第1のペースト状の材料M1を押し出すステップと、
第2に、例えば、特別な特性を有する最終物体の内層(外側に開いていない)を構成することになる第2のペースト状の材料M2、好ましくはEVOHを押し出すステップであって、特別な特性は、例えば、最終物体内に含まれる製品の寿命を延ばすための酸素に対する不透過性であるステップと、
第3に、第1の材料M1を第2の材料M2と適合させるために、例えば中間位置に位置し且つ第1の材料M1と第2の材料M2との間に挟まれた第3の材料を押し出すステップと、
第1の材料M1と第2の材料M2、および必要に応じて第3の材料を、共押出するステップと、のうちの1つまたは複数を含む。
【0169】
共押出するステップでは、共押出機53は、第1の押出機51および第2の押出機52からそれぞれ第1の材料M1および第2の材料M2を受け取る。共押出機53は、第1の材料M1および第2の材料M2を含むロッドBを押し出す。さらに、共押出機はまた、第3の相溶化材料を受け取り、それを第1の材料M1および第2の材料M2と共に押し出す。
【0170】
共押出ステップの例は、文献IT2019000018530に記載されており、当該文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0171】
共押出ステップでは、共押出機53の押出チャネル531と連通する共押出機53の1つまたは複数の注入チャネル532が、それぞれのペースト状の材料を押出チャネル531に搬送する。一実施形態では、共押出ステップでは、押出チャネル531の両側に配置された1つまたは複数の注入チャネル532のチャネルの対が、同一のペースト状の材料を注入する。したがって、ロッドBであって、その層が押出チャネル531に関して対称であるロッドBを生成することが可能である。
【0172】
押出ステップでは、1つまたは複数の注入チャネル532は、第1の材料M1を押出チャネル531に注入する一対のチャネル532’を含む。一実施形態では、1つまたは複数の注入チャネル532は、第2の材料M2を押出チャネル531に注入する少なくとも1つの中央チャネル532’’を含む。
【0173】
方法の一実施形態では、中央チャネル532’’は、第2の材料がロッドの最大展開方向に沿って断続的であるロッドBを生成するように、第2の材料M2を断続的に注入する。この動作のために、中央チャネル532’’の流れと相互作用して第2の材料M2の流入を一時的に遮断する妨害要素が存在する。共押出機がどのように機能するかについてのより詳細な説明は、文献IT2019000018530に記載されており、当該文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0174】
一実施形態では、方法は検査ステップを含む。検査ステップでは、検査装置6は、ロッドBまたは装填物Dの組成を表す検査データ71を取得(導出)する。検査ステップは、時系列に、ロッドBから物体を生成する製造プロセスのさまざまな位置で実行され得る。
【0175】
より具体的には、一実施形態では、検査ステップは、押出ステップの後、且つ切断ステップの前に実行される。このようにして、検査装置はロッドBの組成を検出する。
【0176】
一実施形態では、検査ステップは、切断ステップの後、且つ金型21での成形ステップの前に実行される。このようにして、検査装置6は、各々の個々の装填物Dの組成を、それが対応する金型21に供給される前に、検出する。
【0177】
一実施形態では、検査ステップにおいて、押し出された材料が設計仕様を満たしていることをチェックするために、検査データ71が基準データと比較される。
【0178】
一実施形態では、検査ステップにおいて、検査データ71は、押出方向E(ロッドBの主の展開方向)に沿ったロッドBの特定の位置に関連付けられた基準データと比較される。一実施形態では、検査ステップにおいて、検査データ71は、押出方向E(ロッドBの主の展開方向)に垂直な横方向Tに沿ったロッドBの特定の位置に関連付けられた基準データと比較される。
【0179】
これにより、第1の材料M1および/または第2の材料M2が、押出方向Eに沿ったおよび/または横方向Tに沿った特定の位置に存在するか、および/または存在しないかどうかをチェックすることが可能になる。
【0180】
一実施形態では、検査データは、押出方向に沿ったおよび/または押出方向Eに垂直な横方向Tに沿った、第1の材料M1と第2の材料M2との間の相対位置を表す。
【0181】
検査ステップでは、検査装置6は、複数の検査ポイント61でロッドBまたは装填物Dの組成を検出する。したがって、検査装置6は、第2の材料M2が検査ポイントに存在するかどうか、第2の材料M2が外側に開いている、またはロッドBの内側にあるかどうかに関する情報を導き出す。
【0182】
一実施形態では、複数の検査ポイント61は、ロッドの離間したポイントを規定する。
【0183】
一実施形態では、複数の検査ポイント61は、押出方向Eに実質的に平行な第1の検査線L1および/または横方向Tに実質的に平行な第2の検査線L2を規定する。
【0184】
一実施形態では、複数の検査ポイント61は、検査装置6に面するロッドBの表面に対応する検査表面を規定する。
【0185】
複数の検査ポイント61が離間している方法の実施形態では、検査装置6は、横方向Tに沿って離間している第1のポイント群611から、および/または、押出方向Eに沿って離間している第2のポイント群612から、検査データ61を取得する。
【0186】
第2の材料M2が断続的に押し出される場合、第2のポイント群612から取得された検査データは、第2の材料がないはずの切断領域ZTにおいて第2の材料M2が存在しないことを示す(第2の材料M2が存在しないことに関する情報を提供する、または表す)。同時に、第2のポイント群612から取得された検査データは、フル領域、すなわち、第2の材料M2を含む領域における第2の材料の存在を示す(第2の材料が存在する事に関する情報を提供する、または表す)。したがって、押出方向Eに沿った検査は、第2の材料M2を含まない領域が、第2の材料M2を含む領域と実質的に交互になっているかどうかをチェックすることを可能にする。
【0187】
検査ステップでは、検査装置6のエミッタ62が電磁波、好ましくはX線を放射する。検査装置6のレシーバ63は、ロッドBまたは装填物Dによる電磁波の吸収を示す(表す)吸収データ(屈折データ)を取得する。
【0188】
方法の一実施形態では、ロッドが押出方向Eに沿って移動する間、エミッタは、第1のポイント群611から検査データ71を取得するために横方向Tに沿って移動可能である。代替的に、方法は、複数の放射ステップであって、各々が専用のエミッタ62によって実行され、各々が第1のポイント群611のそれぞれの検査ポイントに関連付けられた複数の放射ステップを含む。
【0189】
検査ステップでは、ロッドは検査装置6のスライドチャネル641内を押出方向Eに沿ってスライドする。スライドチャネルは、エミッタ62およびレシーバ63に露出されている。
【0190】
エミッタ62は、スライドチャネル641と交差する横断トラック642へのアクセスを与える第1の窓642Aを通して検査方向にX線(または電磁波)を放射するように構成されている。X線は、横断トラック642に沿って移動してロッドBを通過し、ロッドBは、ロッドが作られている材料の組成に従って異なる条件でX線を調整する。
【0191】
X線は、レシーバ63に面する第2の窓642Bを通って横断トラック642を出る。次に、X線はレシーバ63によって捕捉される。一実施形態では、レシーバ63は、捕捉されたX線の関数として検査データ71を導き出す。
【0192】
一実施形態では、方法は、制御ステップであって、制御ユニット7が検査データの関数として機械1の部分を制御する制御ステップを含む。制御ステップにおいて、検査装置6は、検査データ71を制御ユニット7に送信する。制御ユニット7は、検査データ71を処理する。制御ユニットは、対応するコマンド信号72を生成する。制御ユニットは、コマンド信号72を切断要素4および/またはピックアップ装置32および/または回転ディスク31および/またはフィーダ3に送信する。
【0193】
ロッドBが断続的に押し出される第2の材料M2を有するタイプである特に有利な実施形態では、検査データ71は、押出方向Eに沿った切断領域の位置を表す。
【0194】
したがって、制御ユニット7は、切断要素4が切断領域ZTで切断を行うようにコマンド信号72を生成する。
【0195】
方法は、排斥ステップであって、回転カルーセル2の下流に位置する排斥ステーションが、品質基準に適合しない成形品を排斥する排斥ステップを含む。この実施形態では、制御ユニット7は、コマンド信号72を排斥ステーションに送信して、排斥ステーションに検査データ71に基づいて欠陥があると判明した物体を排斥するように指示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0196】
【特許文献1】WO2019207420
【特許文献2】US2014010906A1
【特許文献3】EP3362243A1
【特許文献4】IT2019000018530
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮成形機械であって、
ペースト状のポリマー材料のロッドを押し出すように構成された押出ユニットと、
前記ロッドを個々の装填物に分割するように構成された切断要素と、
それぞれの装填物を受け取り前記装填物から対応する物体を形成するように構成された少なくとも1つの金型と、
供給位置で前記少なくとも1つの金型に各装填物を搬送するように構成されたフィーダと、を備え、
前記ロッドまたは前記装填物の1つまたは複数の化学的または物理的特性を表す検査データを取得するように構成された検査装置を備える、圧縮成形機械。
【請求項2】
前記押出ユニットは、
第1のペースト状の材料を押し出すように構成された第1の押出機と、
第2のペースト状の材料を押し出すように構成された第2の押出機と、
前記第1の押出機および前記第2の押出機からそれぞれ前記第1の材料および前記第2の材料を受け取り、前記第1の材料および前記第2の材料を含む前記ロッドを押し出すように構成された共押出機と、を備え、
前記検査装置は、前記ロッド内の前記第2の材料の存在を検出するように構成されている、請求項1に記載の圧縮成形機械。
【請求項3】
前記共押出機は、押出方向に沿って断続的に前記ロッド内の前記第2の材料を押し出して、前記押出方向に沿って離間された前記第2の材料の部分を画定するように構成されており、前記検査データは、前記ロッドの特定の検査ポイントでの前記第2の材料の不在を表す、請求項2に記載の圧縮成形機械。
【請求項4】
前記検査ポイントは、前記押出方向に対して横方向に沿って前記第2の材料の外側に位置する第1のポイント群と、前記押出方向に沿って前記第2の材料の2つの連続する部分の間に配置された第2のポイント群と、を含む請求項3に記載の圧縮成形機械。
【請求項5】
前記検査装置から前記検査データを受信するように構成された制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記検査データの関数として前記切断要素を制御して、前記第2の材料のない部分で前記ロッドを切断するように前記切断要素に命令するように構成されている、請求項3または4に記載の圧縮成形機械。
【請求項6】
前記検査装置は、前記切断要素の上流の位置で前記ロッドを検査するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮成形機械。
【請求項7】
前記検査装置は、前記ロッドまたは前記装填物による電磁波の放射または吸収を検出するように構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の圧縮成形機械。
【請求項8】
前記検査装置は、前記ロッドまたは前記装填物に電磁波を向けて前記電磁波が前記ロッドまたは前記装填物によって吸収される程度を検出するように構成されている、請求項7に記載の圧縮成形機械。
【請求項9】
前記検査装置は、電磁波を放射するように構成されたエミッタと、電磁波を受信するように構成されたレシーバとを備え、前記検査装置は、前記ロッドがスライド可能であるスライドチャネルと、前記スライドチャネルに垂直で且つ放射方向に沿って前記エミッタおよび前記レシーバと位置合わせされた横断トラックとを備える、請求項8に記載の圧縮成形機械。
【請求項10】
前記電磁波は、10nmから1pmの間の波長を有するX線である、請求項8または9に記載の圧縮成形機械。
【請求項11】
前記切断要素は、前記フィーダに配置され且つ前記ロッドを分割することによって得られた前記装填物を保持するように構成された保持面を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の圧縮成形機械。
【請求項12】
前記検査装置は、前記ロッドの複数の検査ポイントを検査して、前記複数の検査ポイントの各々について対応する検査データを導出するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の圧縮成形機械。
【請求項13】
前記複数の検査ポイントは、前記押出方向に垂直な横方向であって、前記ロッドが前記押出ユニットを出る横方向に沿って互いに離間した第1のポイント群を含む、請求項12に記載の圧縮成形機械。
【請求項14】
前記複数の検査ポイントは、前記ロッドが前記押出ユニットから出る押出方向に沿って互いに離間した第2のポイント群を含む、請求項12または13に記載の圧縮成形機械。
【請求項15】
前記複数の検査ポイントは、前記押出方向に沿って途切れのない検査線を規定する、請求項12に記載の圧縮成形機械。
【請求項16】
回転カルーセルと、前記回転カルーセルに取り付けられた複数の金型を形成するための追加の金型とを備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の圧縮成形機械。
【請求項17】
前記ロッドおよび/または前記装填物は、第1の材料および第2の材料を含み、前記検査装置は前記ロッドおよび/または前記装填物の前記第1および第2の材料の少なくとも一方の存在を検出するように構成されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の圧縮成形機械。
【請求項18】
圧縮成形によってポリマー材料の物体を製造するための方法であって、
押出ユニットによってペースト状のポリマー材料のロッドを押し出すステップと、
前記ロッドを個々の装填物に切断するステップと、
供給位置で前記装填物を少なくとも1つの金型に供給するステップと、
前記少なくとも1つの金型で前記個々の装填物を成形することによって前記物体を形成するステップと、含み、
検査ステップであって、検査装置が前記ロッドまたは前記装填物の組成を表す検査データを取得する検査ステップを含む、方法。
【請求項19】
前記押し出すステップにおいて、第1のペースト状の材料および第2のペースト状の材料を有する前記ロッドが押出され、前記検査ステップにおいて、前記検査装置は前記ロッド内の前記第2の材料の存在を検出する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記押し出すステップにおいて、前記第2の材料は、押出方向に沿って離間した前記第2の材料の部分を画定するために前記ロッドが前記押出ユニットを出る前記押出方向に沿って断続的に前記ロッド内に含まれており、前記検査ステップにおいて、前記検査装置は、前記ロッドの特定の検査ポイントで前記第2の材料の不在を検出する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記検査ステップにおいて、前記検査装置は電磁波を放射して前記電磁波が前記ロッドまたは前記装填物によって吸収される程度を検出する、請求項18
から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記検査ステップにおいて、電磁波であって、その波長が10nmから1pmの間の電磁波が放射される、請求項21に記載の方法。
【国際調査報告】