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特表2023-526677キナーゼターゲットエンゲージメントの増強
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(54)【発明の名称】キナーゼターゲットエンゲージメントの増強
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/573 20060101AFI20230615BHJP
   G01N 33/536 20060101ALI20230615BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20230615BHJP
   C12Q 1/48 20060101ALI20230615BHJP
   C12Q 1/66 20060101ALI20230615BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230615BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20230615BHJP
【FI】
G01N33/573 A
G01N33/536 B
G01N33/536 D
G01N33/536 E
G01N33/543 595
C12Q1/48 Z ZNA
C12Q1/66
C12M1/00
C07K19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571786
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021033703
(87)【国際公開番号】W WO2021237118
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/028,729
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/109,103
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593089149
【氏名又は名称】プロメガ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Promega Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100136249
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 貴光
(72)【発明者】
【氏名】ヴァスタ ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ロバース マシュー
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4H045
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB16
4B029CC01
4B029FA13
4B063QA01
4B063QQ27
4B063QR41
4B063QR54
4B063QS28
4B063QS39
4B063QX02
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA89
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書では、キナーゼ結合剤によるタンパク質キナーゼの増強されたエンゲージメントのためのシステム及び方法を提供する。特に、機能的キナーゼ結合剤によるキナーゼのエンゲージメントは、キナーゼとKRASの活性バリアントとの共発現によって増強される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のキナーゼを検出または定量する方法であって、
(a)前記キナーゼ及び活性KRASバリアントを含む試料を提供することと、
(b)前記試料を、機能的要素を含むキナーゼ結合剤と接触させることと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記キナーゼ結合剤が、機能化されたキナーゼ結合剤であり、キナーゼ結合部分及び機能的要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(c)前記機能的要素を検出または定量することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記キナーゼ結合剤が、キナーゼ結合部分からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(a)が、前記キナーゼを含む試料を前記活性KRASバリアントに接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程(a)が、前記キナーゼ及び前記活性KRASバリアントを前記試料内に発現させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記活性KRASバリアントが、KRAS4Aの活性バリアントである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記KRAS4Aの活性バリアントが、KRAS4AG12Cである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記活性KRASバリアントが、KRAS4Bの活性バリアントである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記活性KRASバリアントが、12位に置換を含む活性バリアントである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記機能的要素が、検出可能な要素、親和性要素、捕捉要素、または固体支持体である、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記機能的要素が、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能な要素である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記検出可能な要素またはそれによって生成されたシグナルが、蛍光、質量分析、光学イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、またはエネルギー転移によって検出または定量される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記機能的要素が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子膜、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体支持体から選択される固体支持体である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記沈降粒子が、磁気粒子である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
機能的キナーゼ結合剤が、下式であり、
【化1】
検出可能な機能的要素に結合される、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記試料が、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、及び環境試料から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記キナーゼが、生物発光レポーターとの融合として発現される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
生物発光レポーターが、配列番号4と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記生物発光レポーターの発光スペクトル及び前記機能的要素の励起スペクトルが、重複している、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記試料を、前記生物発光レポーターに対する基質と接触させることを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記基質が、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、またはフリマジンである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
システムであって、
(a)標的キナーゼと、
(b)KRASの活性バリアントと、
(c)キナーゼ結合剤と、
を含む、前記システム。
【請求項24】
前記キナーゼ結合剤が、機能化されたキナーゼ結合剤であり、キナーゼ結合部分及び機能的要素を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記キナーゼ結合剤が、キナーゼ結合部分からなる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記システムが、細胞、細胞溶解物、組織、または無細胞系を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記キナーゼ及び活性KRASバリアントが、前記システム内で発現される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
活性KRASバリアントがKRAS4Aの活性バリアントである、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記KRAS4Aの活性バリアントが、KRAS4AG12Cである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
活性KRASバリアントが、KRAS4Bの活性バリアントである、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
活性KRASバリアントが、12位に置換を含む活性バリアントである、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記機能的要素が、検出可能な要素、親和性要素、捕捉要素、または固体支持体である、請求項24に記載のシステム。
【請求項33】
前記機能的要素が、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能な要素である、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記検出可能な要素またはそれによって生成されるシグナルは、蛍光、質量分析、光学イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、またはエネルギー転移によって検出可能または定量可能である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
機能的要素が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子膜、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体支持体から選択される、固体支持体である、請求項26に記載のシステム。
【請求項36】
前記沈降粒子が、磁気粒子である、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
広域キナーゼ結合剤が、下式であり、
【化2】
検出可能な機能的要素に結合される、請求項24に記載のシステム。
【請求項38】
前記システムが、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、及び環境試料から選択される試料を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項39】
前記キナーゼが、生物発光レポーターとの融合として存在する、請求項23に記載のシステム。
【請求項40】
前記生物発光レポーターが、配列番号4と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記生物発光レポーターの発光スペクトル及び機能的要素の励起スペクトルが、重複している、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
前記生物発光レポーターに対する基質を更に含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項43】
前記基質が、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、またはフリマジンである、請求項42に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月22日に出願された米国仮特許出願第63/028,729号及び2020年11月3日に出願された米国仮特許出願第63/109,103号の優先権を主張し、その両方が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
キナーゼ結合剤による、タンパク質キナーゼの増強されたエンゲージメントのためのシステム及び方法が本明細書で提供される。特に、機能的キナーゼ結合剤によるキナーゼのエンゲージメントは、KRASの活性バリアントによるキナーゼの共発現によって増強される。
【背景技術】
【0003】
ヒトゲノムは約560個のプロテインキナーゼを含み、それらはすべてのヒト遺伝子の約2%を構成している(Manning et al.(2002)Science 298(5600):1912-1934.、本明細書に参照によりその開示内容の全体を援用する)。すべてのヒトタンパク質の最大30%がキナーゼ活性によって改変される可能性があり、キナーゼは細胞経路の大部分、特にシグナル伝達に関与する経路を調節することが知られている。キナーゼの化学的活性には、ヌクレオシド三リン酸(通常はATP)からリン酸基を転移させ、これを遊離ヒドロキシル基を有する特定のアミノ酸に共有結合させることが含まれる。ほとんどのキナーゼはセリンとスレオニンの両方に作用し(セリン/スレオニンキナーゼ)、他のキナーゼはチロシンに作用し(チロシンキナーゼ)、いくつかは3つすべてに作用する(二重特異性キナーゼ)(Dhanasekaran & Premkumar(September 1998).Oncogene.17(11 Reviews):1447-55.、本明細書に参照によりその開示内容の全体を援用する)。異常なキナーゼシグナル伝達が多くの疾患や状態に関連している。
【0004】
広域の特異性を有する改良されたキナーゼリガンドであっても、一部のキナーゼは、ターゲット及びエンゲージメントが困難である。KRAS遺伝子はKRASタンパク質をコードし、これはRAS/MAPK経路の一部である。KRASは、細胞外から、細胞に成長、分裂、成熟、及び/または分化を指示する細胞核へのシグナルに依存する。KRASは、GTPアーゼであり、分子スイッチとして作用し、GTPをGDPに変換することによって、オンとオフを変化させる。KRAS遺伝子は、がん遺伝子であり、成熟した時、正常細胞ががん性になる可能性がある。KRAS活性化変異は、ヒトのがんにおいて最も頻度が高いがん遺伝子変化である。細胞において新生物変換を駆動する1つの一般的なKRAS活性化変異は、KRASG12Cである。KRASG12CなどのKRAS活性化変異は、GTP-GDPサイクリングプロセスを妨害することによって形成されたその活性化GTPに、KRASタンパク質を固定する。
【発明の概要】
【0005】
キナーゼ結合剤による、タンパク質キナーゼの増強されたエンゲージメントのためのシステム及び方法が本明細書で提供される。特に、機能的キナーゼ結合剤によるキナーゼのエンゲージメントは、KRASの活性バリアントによるキナーゼの共発現によって増強される。
【0006】
いくつかの実施形態では、試料においてキナーゼを検出または定量する方法が本明細書で提供され、(a)キナーゼ及び活性KRASバリアントを含む試料を提供することと、(b)試料を、キナーゼ結合部分を含むキナーゼ結合剤と接触させることと、を含む。いくつかの実施形態では、キナーゼ結合剤は、機能的キナーゼ結合剤であり、キナーゼ結合部分及び機能的要素を含む。いくつかの実施形態では、キナーゼ結合剤は、キナーゼ結合部分からなる。いくつかの実施形態では、方法は、(c)機能的部分を検出及び定量することを更に含む。いくつかの実施形態では、工程は(a)は、キナーゼを含む試料を、活性KRASバリアントと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、工程(a)は、試料内でキナーゼ及び活性KRASバリアントを発現させることを含む。いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRAS4Aアイソフォームの活性バリアントである(例えば、KRAS4AG12C、KRAS4AG12D、KRAS4AG12Vなど)。いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRAS4Bアイソフォームの活性バリアントである(例えば、KRAS4BG12C、KRAS4BG12D、KRAS4BG12Vなど)。いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRASG12Cバリアントである(例えば、KRAS4BG12C、KRAS4BG12Cなど)。いくつかの実施形態では、機能的要素は、検出可能な要素、親和性要素、捕捉要素、または固体支持体である。いくつかの実施形態では、機能的要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI接触剤、SPECT接触剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である。いくつかの実施形態では、検出可能な要素、またはシグナルは生成され、それによって、蛍光、質量分析、光学イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、またはエネルギー転移によって、検出または定量される。いくつかの実施形態では、機能的要素は、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子膜、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体支持体から選択される、固体支持体である。いくつかの実施形態では、沈降粒子は、磁気粒子である。いくつかの実施形態では、広域スペクトルキナーゼ結合剤は、下式であり、
【化1】
検出可能な機能的要素に結合される。いくつかの実施形態では、試料は、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、及び環境試料から選択される。いくつかの実施形態では、キナーゼは、生物蛍光レポーターとの融合として発現される。いくつかの実施形態では、生物蛍光レポーターは、配列番号4と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである。いくつかの実施形態では、生物蛍光レポーターの発光スペクトル及び機能的要素の励起スペクトルは、重複する。いくつかの実施形態では、方法は、試料を生物蛍光レポーターに対して基質と接触させることを更に含む。いくつかの実施形態では、基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、またはフリマジンである。
【0007】
いくつかの実施形態では、(a)標的キナーゼ(例えば複数の標的キナーゼ)と、(b)KRASの活性バリアントと、(c)キナーゼ結合部分を含むキナーゼ結合剤と、を含むシステムが本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、キナーゼ結合剤は、機能化されたキナーゼ結合剤であり、キナーゼ結合部分及び機能的要素を含む。いくつかの実施形態では、キナーゼ結合剤は、キナーゼ結合部分からなる。いくつかの実施形態では、システムは、細胞、細胞溶解物、組織、または無細胞システムを含む、いくつかの実施形態では、キナーゼ及び活性KRASバリアントは、システム内で発現される。いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRAS4Aアイソフォームの活性バリアントである(例えば、KRAS4AG12C、KRAS4AG12D、KRAS4AG12Vなど)。いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRAS4Bアイソフォームの活性バリアントである(例えば、KRAS4BG12C、KRAS4BG12D、KRAS4BG12Vなど)。いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRASG12Cバリアントである(例えば、KRAS4BG12C、KRAS4BG12Cなど)。いくつかの実施形態では、機能的要素は、検出可能な要素、親和性要素、捕捉要素、または固体支持体である。いくつかの実施形態では、機能的要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI接触剤、SPECT接触剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である。いくつかの実施形態では、検出可能な要素、またはシグナルは生成され、それによって、蛍光、質量分析、光学イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、またはエネルギー転移によって、検出または定量される。いくつかの実施形態では、機能的要素は、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子膜、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体支持体から選択される、固体支持体である。いくつかの実施形態では、沈降粒子は、磁気粒子である。いくつかの実施形態では、キナーゼ結合剤は、全般的キナーゼ阻害剤または特異的キナーゼ阻害剤である(例えば1つ以上のキナーゼに結合し、阻害する薬物分子)。いくつかの実施形態では、広域スペクトルキナーゼ結合剤は、下式であり、
【化2】
検出可能な機能的要素に結合される。いくつかの実施形態では、システムは、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、及び環境試料から選択される。いくつかの実施形態では、キナーゼは、生物蛍光レポーターとの融合として存在する。いくつかの実施形態では、生物蛍光レポーターは、配列番号4と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである。いくつかの実施形態では、生物蛍光レポーターの発光スペクトル及び機能的要素の励起スペクトルは、重複する。いくつかの実施形態では、システムは、生物蛍光レポーターに対する基質を更に含む。いくつかの実施形態では、基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、またはフリマジンである。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるシステム及び方法は、全体が参照により組み込まれる、米国特許公開第2020/000771号に記載されているように、キナーゼタンパク質に結合することができる第1の部分(例えば、キナーゼタンパク質の広域スペクトル)と、第2の機能的要素(例えば、検出可能な要素、捕捉要素、親和性要素、固体支持体など)と、を含む機能的キナーゼ結合剤を利用する。
【0009】
いくつかの実施形態では、下式の機能的キナーゼ結合剤が本明細書で提供され、
【化3】
上記キナーゼ結合部分は、機能的要素(例えば、検出可能要素、捕捉要素、親和性要素、固体表面など)に連結される。いくつかの実施形態では、検出可能要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI接触剤、SPECT接触剤、または質量タグを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、固体表面が、沈降粒子は、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子膜、表面プラズモン共鳴チップ、または電子伝導性表面を有する固体支持体から選択される、広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される。いくつかの実施形態では、沈降粒子は磁性粒子である。
【0011】
いくつかの実施形態では、広域スペクトルキナーゼ結合剤は、検出可能要素に直接結合される。いくつかの実施形態では、広域スペクトルキナーゼ結合剤は、リンカーを介して検出可能要素に結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは、-[(CH22O]n-を含み、式中、nは1~20(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはこれらの間の範囲である)である。いくつかの実施形態では、リンカーは、アミド結合によって、広域スペクトルキナーゼ結合剤、及び/または検出可能要素に結合される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する機能的キナーゼ結合剤が提供される:
【化4】
(式中、Xは機能的要素(例えば、検出可能要素、捕捉要素、親和性要素、固体表面など)である)。いくつかの実施形態では、Xはフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する機能的キナーゼ結合剤が提供される:
【化5】
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する機能的キナーゼ結合剤が提供される:
【化6】
(式中、Xは機能的要素(例えば、検出可能要素、捕捉要素、親和性要素、固体表面など)である)。いくつかの実施形態では、Xはフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する機能的キナーゼ結合剤が提供される:
【化7】
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する機能的キナーゼ結合剤が提供される:
【化8】
(式中、Xは機能的要素(例えば、検出可能要素、捕捉要素、親和性要素、固体表面など)である)。いくつかの実施形態では、Xはフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する機能的キナーゼ結合剤が提供される:
【化9】
【0015】
いくつかの実施形態では、機能的キナーゼ結合剤は、非天然存在比の1つ以上の安定な重同位体を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書において、試料中のキナーゼを検出または定量化する方法であって、試料を機能的キナーゼ結合剤と接触させ、検出可能要素またはそれによって生成されるシグナルを検出または定量化することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、検出可能要素またはそれによって生成されるシグナルは、蛍光、質量分析、光学イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、またはエネルギー転移(例えば、FRET、BRET、ALPHA)によって検出または定量化される。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書において、試料からキナーゼを単離する方法であって、試料を機能的キナーゼ結合剤と接触させることと、機能的要素(例えば、捕捉要素、親和性要素、固体表面など)の機能性に基づいて、機能的キナーゼ結合剤及び結合されたキナーゼを試料の非結合部分から分離することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載される方法により試料からキナーゼを単離することと、単離されたキナーゼを質量分析によって分析することと、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書において、キナーゼと非修飾生体分子との相互作用を監視する方法であって、試料を本明細書の機能的キナーゼ結合剤と接触させることを含む方法が提供される。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、細胞、細胞ライセート、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、及び環境試料から選択される試料を使用して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】KRAS4BG12Cのキナーゼエンゲージメントに対する影響の図である。pan-キナーゼ阻害剤CC1及び機能的キナーゼ結合剤K10の分子構造である。
図1B】KRAS4BG12Cのキナーゼエンゲージメントに対する影響の図である。K10対CC1標準のBRAFに対する結合である。
図1C】KRAS4BG12Cのキナーゼエンゲージメントに対する影響の図である。K10対CC1標準のJAK2に対する結合である。
図1D】KRAS4BG12Cのキナーゼエンゲージメントに対する影響の図である。K10トレーサー対CC1標準のMAPK1に対する結合である。
図1E】KRAS4BG12Cのキナーゼエンゲージメントに対する影響の図である。K10トレーサー対CC1標準のBTKに対する結合である。
図1F】KRAS4BG12Cのキナーゼエンゲージメントに対する影響の図である。K10トレーサー対CC1標準のMAPK3に対する結合である。
図2】KRAS4BG12C存在で、複数のキナーゼ結合部分との増強されたBRAFキナーゼエンゲージメントの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
本明細書に記載される方法及び材料と同様、または同等のいずれの方法及び材料も本発明の実施または試験にあたって使用することが可能であるが、いくつかの好ましい実施形態の組成物、方法、及び材料を本明細書で説明する。しかしながら、本明細書に記載される特定の分子、組成物、方法論またはプロトコールは、通常の実験手法及び最適化に従って異なり得るため、本発明はこれらに限定されない点を、本材料及び方法を説明するのに先立って理解されたい。また、本明細書において使用される用語は、あくまで本発明の特定の型または実施形態を説明するためのものであって、本明細書に記載される実施形態の範囲を限定することを目的としたものではない点を理解されたい。
【0022】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有するものとする。しかしながら、矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書が優先するものとする。したがって、本明細書に記載される実施形態との関連では以下の定義が適用される。
【0023】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するところの単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上特に示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば「(a peptide)ペプチド」と言った場合には複数のペプチド及び当業者には周知のそれらの均等物を指す、といった具合である。
【0024】
本明細書で使用するところの「及び/または」は、列挙される項目の任意の、すべての組み合わせを含み、列挙される個別の項目も含む。例えば、「A、B、及び/またはC」には、A、B、C、AB、AC、BC、及びABCが含まれ、それぞれが「A、B、及び/またはC」という記載によって個別に記述されているものと見なされる。
【0025】
本明細書で使用するところの「含む」なる用語及びその言語的変化形は、更なる特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などの存在を排除することなく、列挙された特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などの存在を示す。逆に、「からなる」なる用語及びそれらの言語的変化形は、列挙された特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などの存在を示し、通常に付随する混入物を除いて、記載されていない特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などを除外する。「~から本質的になる」なる句は、列挙された特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)など、及び組成、システム、または方法の基本的な性質に実質的に影響を与えない更なる特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などを意味する。本明細書の多くの実施形態は、オープンな「含む」言語を使用して記載されている。かかる実施形態は、かかる文言を用いて特許請求または記載される場合もある複数のクローズの「からなる」及び/または「本質的にからなる」の実施形態を包含する。
【0026】
本明細書で使用するところの「トレーサー」なる用語は、目的の分析物(例えば、目的のタンパク質(例えば、キナーゼ)など)に結合して、定量化可能または検出可能な(例えば、任意の適当な生化学的または生物物理学的方法(例えば、光学的、磁気的、電気的、共鳴イメージングにより、質量により、放射線により、など)により検出または定量化される)特性を有する部分を示す目的の化合物または薬剤を指す。トレーサーは、フルオロフォア、放射性核種、質量タグに、また、磁気共鳴イメージング(MRI)、平面シンチグラフィー(PS)、ポジトロン放出断層撮影(PET)、単一光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)、及びコンピューター断層撮影(CT)用の造影剤(例えば、金属イオン、同位体、または放射性核種が結合した金属イオンキレート剤)などに連結された(例えば、直接または適切なリンカーを介して)目的の分析物に結合する目的の化合物または薬剤を含み得る。
【0027】
本明細書で使用するところの「試料」なる用語は、その最も広い意味で使用される。1つの意味において、試料とは、任意の供給源から得られる検体または培養物、ならびに生物学的試料及び環境試料を含む意味を有する。生物学的試料は、動物(ヒトを含む)から取得し得、流体、固体、組織、及び気体を含むことができる。生物学的試料には、血漿、血清などの血液製剤が含まれる。試料は、細胞ライセートまたは精製された形態の酵素、ペプチド、及び/または本明細書に記載されるポリペプチドを指す場合もある。細胞ライセートは、溶解剤で溶解された細胞、またはウサギ網状赤血球もしくは小麦胚芽ライセートなどのライセートを含み得る。試料には、無細胞発現系も含まれ得る。環境試料としては、表面物質、土壌、水、結晶、及び工業用試料などの環境物質が挙げられる。しかしながら、これらの例は、本発明に適用可能な試料の種類を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0028】
本明細書で使用するところの「直鎖状に連結された原子」なる用語は、主鎖または骨格を形成しないペンダント、側鎖、またはH原子を除く、鎖またはポリマーの骨格原子を指す。
【0029】
本明細書で使用するところの「検出可能要素」なる用語は、本明細書に記載される化合物(これらの誘導体または類似体など)に(例えば、直接または適当なリンカーを介して)結合された、検出可能な、反応性、親和性、または他の形で生物活性の物質または部分を指す。本明細書に記載される実施形態において用途をみいだし得る他の更なる検出可能要素には、「局在化要素」、「検出要素」などが含まれる。
【0030】
本明細書で使用するところの「捕捉要素」なる用語は、対応する「捕捉剤」と共有相互作用を形成する分子実体を指す。
【0031】
本明細書で使用するところの「親和性要素」なる用語は、対応する「親和性剤」と安定した非共有相互作用を形成する分子実体を指す。
【0032】
本明細書で使用するところの「固体支持体」なる用語は、基質、変異タンパク質、薬物様分子、及び他の試験成分などの試薬が結合している、または結合させることができる任意の固体または固定材料に関連して使用される。固体支持体の例としては、顕微鏡スライド、マイクロタイタープレートのウェル、カバースリップ、ビーズ、粒子、樹脂、細胞培養フラスコ、及び他の多くの適当な品目が含まれる。ビーズ、粒子、または樹脂は、磁性または常磁性であってよい。
【0033】
本明細書で使用する場合、化学構造において、下記表示:
【化10】
は、1つの部分の別の部分との結合点を表す(例えば機能的要素へのキナーゼ結合剤)。
【0034】
本明細書で使用するところの「セレンテラジン」なる用語は、天然に存在する(「ネイティブ」)セレンテラジンを指す。本明細書で使用される場合、それらの「セレンテラジン類似体」または「セレンテラジン誘導体」なる用語は合成(例えば、誘導体またはバリアント)及び天然類似体を指し、例えば、フリマジン、セレンテラジン-n、セレンテラジン-f、セレンテラジン-h、セレンテラジン-hcp、セレンテラジン-cp、セレンテラジン-c、セレンテラジン-e、セレンテラジン-fcp、bis-デオキシセレンテラジン(「セレンテラジン-hh」)、セレンテラジン-i、セレンテラジン-icp、セレンテラジン-v、及び2-メチルセレンテラジン、加えて、WO2003/040100、米国特許出願第12/056,073号(段落[0086])、米国特許第8,669,103号、WO2012/061529、米国特許公開2017/0233789号、及び米国特許公開第2018/0030059号(それらの開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるものが含まれる。いくつかの実施形態では、セレンテラジン類似体は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第12/056,073号、米国特許公開第2012/0707849号、米国特許公開第2014/0099654号に記載されているものなどのプロ基質が含まれる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「ペプチド」及び「ポリペプチド」は、別途明記されないかふぃり、ペプチドアミド結合(--C(O)NH--)によって主鎖を通して結合した2つ以上のアミノ酸のポリマー化合物を指す。「ペプチド」なる用語は、典型的には、短いアミノ酸ポリマー(例えば、25アミノ酸未満の鎖)を指し、一方「ポリペプチド」なる用語は、典型的にはより長いアミノ酸ポリマー(例えば、25超アミノ酸を有する鎖)を指す。
【0036】
本明細書で使用するところの「バリアント」なる用語は、アミノ酸の挿入、欠失、または保存的置換によって、アミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持している、ペプチドまたはポリペプチドを説明する。SNPは、単一のヌクレオチド多型であるバリアントを指す。「生物学的活性」の代表的な例には、特定の抗体によって結合される能力、または免疫応答を促進する能力が含まれる。バリアントはまた、本明細書では、少なくとも1つの生物学的活性を保持しているアミノ酸配列を有する言及されたタンパク質と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を説明するために使用される。アミノ酸配列の保存的置換(例えば、アミノ酸を、同様の特徴、例えば親水性、荷電領域の程度及び分布で置き換えること)は、当技術分野では、小さな変化に関与すると認識される。これらの小さな変化は、部分的には、当技術分野で理解されるように、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することによって同定することができる。アミノ酸の疎水性親水性指標は、その疎水性及び電荷の考慮に基づく。当技術分野では、同様の疎水性親水性指数のアミノ酸は、置換され、依然としてタンパク質機能を保持することができる。一態様では、±2の疎水性親水性指数を有するアミノ酸は置換される。アミノ酸の親水性はまた、生物学的活性を保持しているタンパク質を生じるであろう置換を示すために使用され得る。ペプチドの文脈でアミノ酸の親水性について考慮することは、抗原性及び免疫原性とよく相関すると報告されている有用な尺度であるペプチドの最高の局所平均親水性の計算を可能にする。同様の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当技術分野で理解されているように、例えば免疫原性などの生物学的活性を保持しているペプチドが生じ得る。置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸によって行われ得る。アミノ酸の疎水性指数及び親水性値の両方は、アミノ酸の特定の側鎖によって影響される。観察で一貫しているように、疎水性、親水性、電荷、サイズ、及び他の特性によって示されるように、生物学的機能が匹敵しているアミノ酸置換は、アミノ酸の相対数類似性、及び特にこれらのアミノ酸の側鎖に依存している。
【0037】
本明細書で別途規定されない限り。本開示との関連で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解されている意味を有するものとする。例えば、本明細書に記載の細胞及び組織の培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学ならびにタンパク質及び核酸の化学及びハイブリダイゼーションと関連し、それらの技術で使用される命名法は、当技術分野で周知であり、一般的に使用されているものである。用語の意味及び範囲は、明確であるべきであるが、曖昧である可能性がある場合は、辞書または外部の定義よりも、本明細書で提供される定義を優先する。更に、文脈によって別途必要とされない限り、単数の用語は複数を含み、複数の用語は単数を含むものとする。
【0038】
詳細な説明
本明細書で提供されるのは、キナーゼ結合剤によって、タンパク質キナーゼの増強されたエンゲージメントのためのシステム及び方法である。特に、機能的キナーゼ結合剤によるキナーゼのエンゲージメントは、キナーゼとKRASの活性バリアントとの共発現によって増強される。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアント、KRASG12Cのバリアント、KRASG12Dのバリアント、KRASG12Vのバリアントなど)が、機能的キナーゼ結合剤と共に提供される、キナーゼのエンゲージメントのためのシステム及び方法である。活性KRASタンパク質の存在(例えば、構成的に活性)は、RAS/MAPK経路、及びそれと関連する他のキナーゼリッチ経路を活性化し、したがって、機能的キナーゼ結合剤による標的エンゲージメントを増強するが、本明細書の実施形態は、この作用機序に限定されず、本明細書のシステム及び方法の根底にある機序を理解することは、本明細書を実行することに必要とされない。KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアント、KRASG12Cのバリアント、KRASG12Dのバリアント、KRASG12Vのバリアントなど)の存在で起こる増強された標的エンゲージメントは、増キナーゼの増強された検出、定量、単離などを有するシステム及び方法をもたらす。
【0040】
本明細書の実施形態は、タンパク質キナーゼの検出/単離に適切であるとして記載されているが、例えば、これらのタンパク質の活性及び/または発現が、活性KRAS(例えば、KRAS4AG12C、KRAS4AG12D、KRASG12V、KRAS4BG12C、KRAS4BG12D、KRAS4BG12Vなど)の存在/共発現によって増強される場合、他のタンパク質の検出/単離で使用される任意の実施形態が本明細書で見出される。例えば、KRAS経路(例えば、キナーゼ、非キナーゼ)、またはそれらに関連する経路で活性化/発現されるタンパク質は、KRASの活性バリアントの存在でより容易に検出/単離される。
【0041】
I.活性KRASバリアント
いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRAS4Aアイソフォームの活性バリアント(例えば、KRAS4AG12C、KRAS4AG12D、KRAS4AG12Vなど)である。いくつかの実施形態では、活性KRASバリアントは、KRAS4Bアイソフォームの活性バリアント(例えば、KRAS4BG12C、KRAS4BG12D、KRAS4BG12Vなど)である。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4Aの活性バリアント(配列番号2)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4Aの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号2と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号2に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4Aバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4Aバリアントは、位置12において置換を含む。いくつかの実施形態では、KRAS4Aの活性バリアント(配列番号2)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4Aの活性バリアントをコードする核酸(例えば、配列番号1のバリアント)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4Aの活性バリアントをコードする配列が提供され、例えば、配列番号1と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)をコードする配列である。いくつかの実施形態では、配列番号1と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む配列が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号1に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有するKRAS4Aバリアントヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4Aバリアントは、配列番号1の位置34、35、または36の1以上において置換を含む。いくつかの実施形態では、KRAS4Aバリアントをコード及び活性化するKRAS4Aバリアントヌクレオチド配列(配列番号1のバリアント)を提供することを含む、増強された標的エンゲージメントの方法が本明細書で提供される。
【0044】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4AG12Cの活性バリアント(配列番号4)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Cの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号4と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号4に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4AG12Cバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4AG12Cバリアントは、位置12においてCを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Cの活性バリアント(配列番号4)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4AG12Cの活性バリアントをコードする核酸(例えば、配列番号3のバリアント)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Cの活性バリアントをコードする配列が提供され、例えば、KRAS4AG34T配列の配列番号3と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)をコードする配列である。いくつかの実施形態では、配列番号3と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む配列が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号3に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有するKRAS4AG34Tバリアントヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、KRAS4AG34Tバリアントは、配列番号3の位置34においてTを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Cバリアントをコード及び活性化するKRAS4AG34Tバリアントヌクレオチド配列(配列番号3のバリアント)を提供することを含む、増強された標的エンゲージメントの方法が本明細書で提供される。
【0046】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4AG12Dの活性バリアント(配列番号6)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Dの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号6と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号6に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4AG12Dバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4AG12Dバリアントは、位置12においてDを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Dの活性バリアント(配列番号6)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0047】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4AG12Dの活性バリアントをコードする核酸(例えば、配列番号5のバリアント)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Dの活性バリアントをコードする配列が提供され、例えば、KRAS4AG35A配列の配列番号5と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)をコードする配列である。いくつかの実施形態では、配列番号5と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む配列が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号5に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有するKRAS4AG35Aバリアントヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、KRAS4AG35Aバリアントは、配列番号5の位置35においてAを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Dバリアントをコード及び活性化するKRAS4AG35Aバリアントヌクレオチド配列(配列番号5のバリアント)を提供することを含む、増強された標的エンゲージメントの方法が本明細書で提供される。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4AG12Vの活性バリアント(配列番号8)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Vの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号8と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号8に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4AG12Vバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4AG12Vバリアントは、位置12においてVを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Vの活性バリアント(配列番号8)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0049】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4AG12Vの活性バリアントをコードする核酸(例えば、配列番号7のバリアント)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Vの活性バリアントをコードする配列が提供され、例えば、KRAS4AG35T配列の配列番号7と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)をコードする配列である。いくつかの実施形態では、配列番号7と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む配列が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号7に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有するKRAS4AG35Tバリアントヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、KRAS4AG35Tバリアントヌクレオチド配列は、配列番号7の位置35においてTを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4AG12Vバリアントをコード及び活性化するKRAS4AG35Tバリアントヌクレオチド配列(配列番号5のバリアント)を提供することを含む、増強された標的エンゲージメントの方法が本明細書で提供される。
【0050】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4Bの活性バリアント(配列番号10)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4Bの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号10と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号10に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4Bバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4Bバリアントは、位置12において置換を含む。いくつかの実施形態では、KRAS4Bの活性バリアント(配列番号10)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0051】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4Bの活性バリアントをコードする核酸(例えば、配列番号9のバリアント)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4Bの活性バリアントをコードする配列が提供され、例えば、KRAS4B配列の配列番号9と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)をコードする配列である。いくつかの実施形態では、配列番号9と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む配列が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号9に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有するKRAS4Bバリアントヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、KRAS4Bバリアントヌクレオチド配列は、配列番号9の位置34、35または36の1つ以上において置換を含む。いくつかの実施形態では、KRAS4Bバリアントをコード及び活性化するKRAS4Bバリアントヌクレオチド配列(配列番号1のバリアント)を提供することを含む、増強された標的エンゲージメントの方法が本明細書で提供される。
【0052】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4BG12Cの活性バリアント(配列番号12)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Cの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号12と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号12に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4BG12Cバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4BG12Cバリアントは、位置12においてCを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Cの活性バリアント(配列番号12)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4BG12Cの活性バリアントをコードする核酸(例えば、配列番号11のバリアント)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Cの活性バリアントをコードする配列が提供され、例えば、KRAS4BG34T配列の配列番号11と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)をコードする配列である。いくつかの実施形態では、配列番号11と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む配列が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号11に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有するKRAS4BG34Tバリアントヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、KRAS4BG34Tバリアントヌクレオチド配列は、配列番号11の位置34においてTを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Cバリアントをコード及び活性化するKRAS4BG34Tバリアントヌクレオチド配列(配列番号11のバリアント)を提供することを含む、増強された標的エンゲージメントの方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4BG12Dの活性バリアント(配列番号14)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Dの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号14と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号14に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4BG12Dバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4BG12Dバリアントは、位置12においてDを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Dの活性バリアント(配列番号14)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0054】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4BG12Dの活性バリアントをコードする核酸(例えば、配列番号13のバリアント)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Dの活性バリアントをコードする配列が提供され、例えば、KRAS4BG35A配列の配列番号13と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)をコードする配列である。いくつかの実施形態では、配列番号13と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む配列が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号13に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有するKRAS4BG35Aバリアントヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、KRAS4BG35Aバリアントヌクレオチド配列は、配列番号13の位置35においてAを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Dバリアントをコード及び活性化するKRAS4BG35Aバリアントヌクレオチド配列(配列番号13のバリアント)を提供することを含む、増強された標的エンゲージメントの方法が本明細書で提供される。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRAS4BG12Vの活性バリアント(配列番号16)を含む増強された標的エンゲージメントのためのシステムである。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Vの活性バリアントが提供され、例えば、配列番号16と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%。96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含む活性バリアント(例えば、構成的に活性である)である。いくつかの実施形態では、配列番号16に対して1以上の置換(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、またはそれらの間の範囲)を有する活性KRAS4BG12Vバリアントが提供される。いくつかの実施形態では、活性KRAS4BG12Vバリアントは、位置12においてVを含む。いくつかの実施形態では、KRAS4BG12Vの活性バリアント(配列番号16)が提供及び/または発現されることを含む、増強された標的エンゲージメントのための方法が本明細書で提供される。
【0056】
II.機能的キナーゼ結合剤
いくつかの実施形態では、キナーゼ結合剤は、一般的なキナーゼ阻害剤または特異的キナーゼ阻害剤である(例えば、1つ以上のキナーゼに結合し、阻害する分子)。本明細書の実施形態において、キナーゼ結合部分としての使用が見出されている例示的なキナーゼ阻害剤としては、アファチニブ。ニンテダニブ、クリゾチニブ、アレクチニブ、トラメチニブ、カボザンチニブ、ミドスタウリン、ダブラフェニブ、スニチニブ、ルキソリチニブ、ベムラフェニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、ブリガチニブ、アバプリチニブ、エルダフィチニブ、エンコラフェニブ、バンデタニブ、コビメチニブ、フェドラチニブ、セルメチニブ、ロルラチニブ、ビニメチニブ、エントレクチニブ、ペキシダルチニブ、ラロトレクチニブ、ギルテリチニブ、及びセリチニブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
いくつかの実施形態では、以下のものなどの、機能的親和性要素に結合するキナーゼ結合部分を含む機能的キナーゼ結合剤が提供される。
【化11】
【0058】
特定の実施形態では、機能的キナーゼ結合剤は、機能的要素につながれたキナーゼに(例えば、安定的に)結合することができる任意のリガンドを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、リンカーは、キナーゼ結合部分と機能的要素(例えば、検出可能な要素、捕捉要素、親和性要素、固体表面など)との間に充分な距離を与えることでそれぞれが他方との連結によって阻害されることなく(または最小限の阻害で)機能することができる。例えば、リンカーは、キナーゼ結合剤がキナーゼに結合して、検出可能な部分が検出可能となるような充分な距離を与える(例えば、両者の間の干渉がない、または最小限となる)。いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書中の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CC-CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)と検出可能な要素(検出可能な要素、固体表面など)とを5オングストローム~1000オングストローム(端点を含む)の長さで離間させる。適切なリンカーは、本明細書の化合物と検出可能な要素とを5オングストローム、10オングストローム、20オングストローム、50オングストローム、100オングストローム、150オングストローム、200オングストローム、300オングストローム、400オングストローム、500オングストローム、600オングストローム、700オングストローム、800オングストローム、900オングストローム、1000オングストローム、及びその中の任意の適当な範囲(例えば、5~100オングストローム、50~500オングストローム、150~700オングストロームなど)で離間させる。いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書の化合物と検出可能な要素とを原子1~200個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、またはその中の任意の適当な範囲(例えば、2~20、10~50など))で離間させる。
【0060】
いくつかの実施形態では、リンカーは、1つ以上(例えば、1~20個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれらの間の任意の範囲)の-(CH22O-(オキシエチレン)基(例えば、-(CH22O-(CH22O-(CH22O-(CH22O-、-(CH22O-(CH22O-(CH22O-(CH22O-CH22O-、-(CH22O-(CH22O-(CH22O-(CH22O-CH22O-(CH22O-など)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、-(CH22O-(CH22O-(CH22O-(CH22O-である。
【0061】
いくつかの実施形態では、リンカーは、ピペラジンの4位で、本明細書のキナーゼ結合部分に結合される。いくつかの実施形態では、キナーゼ結合部分のピペラジンの4位のNが、リンカーの末端とアミド結合を形成する。いくつかの実施形態では、リンカーは、1つ以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上またはそれらの間の範囲)のアミドを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、リンカーは、2つ以上の「リンカー部分」(L1、L2など)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、切断可能な(例えば、酵素的に切断可能、化学的に切断可能などの)部分(Y)と、0個、1個、2個、またはそれ以上の「リンカー部分」(L1、L2、など)とを含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、アルキル、アルケニル、またはアルキニル鎖、及び主鎖ヘテロ原子(例えば、O、S、N、Pなど)の任意の組み合わせを含む直鎖または分岐鎖である。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、-O-、-S-、-CH=CH-、=C=、炭素-炭素三重結合、C=O、NH、SH、OH、CNなどから選択される1つ以上の骨格基を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、任意の適切な有機官能基(例えば、OH、NH2、CN、=O、SH、ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、I)、COOH、CH3など)を含む1つ以上の置換基、ペンダント、側鎖などを含む。
【0063】
特定の実施形態では、リンカー部分は、アルキルカルバメート基(例えば、(CH2nOCONH、(CH2nNHCOOなど)を含む。いくつかの実施形態では、アルキルカルバメートは、COO末端がキナーゼ結合部分に向けられ、NH末端が機能的要素に向けられるような向きを有する。いくつかの実施形態では、アルキルカルバメートは、NH末端がキナーゼ結合部分に向けられ、COO末端が機能的要素に向けられるような向きを有する。いくつかの実施形態では、リンカーまたはリンカー部分は、単一のアルキルカルバメート基を含む。いくつかの実施形態では、リンカーまたはリンカー部分は、2個以上のアルキルカルバメート基(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個など)を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1つより多い直鎖状に連結されたC、S、N、及び/またはO原子を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1つ以上のアルキルカルバメート基を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1つ以上のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1~200個の直鎖状に連結された原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200個、またはその中の任意の適切な範囲(例えば、2~20個、10~50個、6~18個))を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1~200個の長さの直鎖状に連結された原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200個、またはその中の任意の適切な範囲(例えば、2~20個、10~50個、6~18個))である。
【0065】
いくつかの実施形態では、キナーゼ結合部分を含む機能的キナーゼ結合剤は、機能的要素(例えば、検出可能な要素、捕捉要素、固体表面など)に(例えば、直接またはリンカーを介して)結合される。
【0066】
いくつかの実施形態では、機能的キナーゼ結合剤は、生体適合性(例えば、細胞適合性)及び/または細胞透過性である。したがって、いくつかの実施形態では、適切な機能的要素(例えば、検出可能な要素、親和性要素、固体支持体、捕捉要素)は、そのような組成物との関連で細胞適合性及び/または細胞透過性であるものである。いくつかの実施形態では、添加要素を含む組成物は、細胞外に添加される場合、細胞膜を通過して細胞に入ることができる(例えば、拡散、エンドサイトーシス、能動輸送、受動輸送などにより)。いくつかの実施形態では、適切な機能的要素及びリンカーは、それらの特定の機能以外に、細胞適合性及び/または細胞透過性に基づいて選択される。
【0067】
ある特定の実施形態では、機能的要素は、機能的キナーゼ結合剤及び/またはそれに結合した分析物(例えば、キナーゼ)の検出を可能とする検出可能な特性を有する。検出可能な機能的要素としては、放射または吸収、磁気、電子スピン共鳴、静電容量、誘電定数、または導電性などの特徴的な電磁スペクトル特性を有するもの、ならびに強磁性、常磁性、反磁性、発光、電気化学発光、蛍光、リン光、有色、抗原性であるもの、または固有の質量を有するものが挙げられる。検出可能な要素としては、限定されるものではないが、核酸分子(例えば、DNAまたはRNA(例えば、オリゴヌクレオチドまたはヌクレオチド))、タンパク質(例えば、発光タンパク質、ペプチド)、造影剤(例えば、MRI造影剤)、放射性核種、親和性タグ(例えば、ビオチンまたはストレプトアビジン)、ハプテン、アミノ酸、脂質、脂質二重層、固体支持体、フルオロフォア、発色団、レポーター分子、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤(例えば、マンガン、ガドリニウム(III)、または酸化鉄粒子)、またはそれらの配位子などが挙げられる。特定の検出可能な要素を検出する方法、または特定の検出可能な要素とそれに結合したものを含む組成物を単離する方法が理解されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、官能要素は、固体支持体であるか、または固体支持体を含む。適切な固体支持体としては、磁性粒子、セファロース、またはセルロースビーズなどの沈降粒子;膜;ガラス、例えば、スライドグラス;セルロース、アルギン酸塩、プラスチック、または他の合成的により調製されたポリマー(例えば、エッペンドルフチューブまたはマルチウェルプレートのウェル);自己組織化単分子層;表面プラズモン共鳴チップ;または電子伝導面を備えた固体支持体などが挙げられる。
【0069】
例示的な機能的要素としては、ハプテン(例えば、キーホールリンペットヘモシアニンなどの免疫原性を増強するのに有用な分子)、切断可能な標識(例えば、光切断可能なビオチン)及び蛍光標識(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)修飾クマリン及びスクシンイミドまたはスルホノスクシンイミド修飾BODIPY(UV及び/または可視励起蛍光検出で検出可能)、ローダミン(R110、ロドール、CRG6、テキサスメチルレッド(TAMRA)、Rox5、FAM、またはフルオレセイン)、クマリン誘導体(例えば、7アミノクマリン、7-ヒドロキシクマリン、2-アミノ-4-メトキシナフタレン、1-ヒドロキシピレン、レゾルフィン、フェナレノンまたはベンズフェナレノン(米国特許第4,812,409号))、アクリジノン(米国特許第4,810,636号)、アントラセン、ならびにα及びβ-ナフトールの誘導体、フッ素化フルオレセイン及びロドールを含むフッ素化キサンテン誘導体(例えば、米国特許第6,162,931号)、及び生物発光分子(例えば、ルシフェラーゼ(例えば、オプロフォラス誘導体ルシフェラーゼ(例えば、米国特許出願第12/773,002号、米国特許出願第13/287,986号、本明細書に参照によりその全容を援用する)またはGFPもしくはGFP誘導体)が挙げられる。蛍光(または生物発光)検出可能な要素を使用することでリン酸化などの系の変化をリアルタイムで感知することができる。金属イオンの化学センサーなどの蛍光分子を用いて組成物と結合するタンパク質を標識することができる。BODIPY、ローダミングリーン、GFP、または赤外線色素などの生物発光または蛍光官能基は、検出可能な要素としての用途があり、例えば、(BRET、FRET、LRET、または電気泳動を用いた)相互作用研究に用いることができる。
【0070】
別の部類の検出可能な要素としては、電磁放射線を使用して検出可能な分子が含まれ、限定されるものではないが、キサンテンフルオロフォア、ダンシルフルオロフォア、クマリン及びクマリン誘導体、蛍光アクリジニウム部分、ベンゾピレン系フルオロフォア、ならびに7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール、及び3-N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)-2,3-ジアミノ-プロピオン酸が挙げられる。好ましくは、蛍光分子は、天然アミノ酸とは異なる波長で高い量子収率の蛍光を有し、より好ましくは、スペクトルの可視部分、またはUV及び可視部分の両方で励起され得る高い量子収率の蛍光を有する。事前に選択された波長で励起すると、分子は視覚的に、または従来の蛍光検出方法を使用して、低濃度で検出可能となる。ルテニウムキレート及びその誘導体、またはニトロキシドアミノ酸及びその誘導体などの電気化学発光分子は、フェムトモル範囲及びそれ以下で検出可能である。
【0071】
いくつかの実施形態では、検出可能な要素はフルオロフォアである。キナーゼ結合部分に連結するための(例えば、蛍光トレーサーを形成するための)適当なフルオロフォアとしては、限定されるものではないが、キサンテン誘導体(例えば、フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッドなど)、シアニン誘導体(例えば、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニンなど)、ナフタレン誘導体(例えば、ダンシル及びプロダン誘導体)、オキサジアゾール誘導体(例えば、ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾールなど)、ピレン誘導体(例えば、カスケードブルー)、オキサジン誘導体(例、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170など)、アクリジン誘導体(例えば、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエローなど)、アリールメチン誘導体(例えば、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン)など)、テトラピロール誘導体(例えば、ポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンなど)、CF色素(Biotium)、BODIPY(Invitrogen)、ALEXA FLuoR(Invitrogen)、DYLIGHT FLUOR(Thermo Scientific、Pierce)、ATTO及びTRACY(Sigma Aldrich)、FluoProbes(Interchim)、DY及びMEGASTOKES(Dyomics)、SULFO CY色素(CYANDYE、LLC)、SETAU AND SQUARE DYES(SETA BioMedicals)、QUASAR及びCAL FLUOR色素(Biosearch Technologies)、SURELIGHT DYES(APC、RPE、PerCP、Phycobilisomes)(Columbia Biosciences)、APC、APCXL、RPE、BPE(Phyco-Biotech)、自己蛍光タンパク質(例えば、YFP、RFP、mCherry、mKate)、量子ドットナノ結晶などが挙げられる。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、本明細書に参照によりその全容を援用する米国特許出願第13/682,589号に記載されるものなどのローダミン類似体(例えば、カルボキシローダミン類似体)である。
【0072】
蛍光分子以外に、電磁場及び放射線に対する分子の相互作用及び応答に基づく物理的特性を有する様々な分子が、本明細書に記載される組成物及び方法に用いられる。これらの特性には、電磁スペクトルのUV、可視、及び赤外領域での吸収、ラマン活性を有し、共鳴ラマン分光法、電子スピン共鳴活性、及び核磁気共鳴によって更に増強できる発色団の存在、ならびに例えば質量分析計による分子質量が挙げられる。
【0073】
いくつかの実施形態では、機能的要素は捕捉要素である。いくつかの実施形態では、捕捉要素はタンパク質(例えば、酵素)の基質であり、捕捉剤はそのタンパク質である。いくつかの実施形態では、捕捉要素は「共有結合性基質」、すなわち、捕捉要素が反応するタンパク質または酵素と共有結合を形成するものである。基質は、酵素と相互作用する際に酵素と共有結合を形成する反応性基(例えば、修飾基質)を含んでもよく、または酵素は、共有結合した中間体を基質と再結合させることができない変異体とすることができる。いくつかの実施形態では、基質は、基質と共有結合を形成する変異体タンパク質(例えば、変異体デハロゲナーゼ)によって認識される。かかる実施形態では、基質とタンパク質(例えば、デハロゲナーゼ)の野生型との相互作用によって生成物が生じ、野生型タンパク質が再生されるのに対して、基質(例えば、ハロアルカン)とタンパク質(例えば、デハロゲナーゼ)の変異体との相互作用によってタンパク質と基質との間に安定した結合が形成される(例えば、共有結合が形成される)。基質は、通常はそのタンパク質によって一時的にのみ結合されるその基質と超安定結合または共有結合を形成するように改変された任意の変異タンパク質に適した任意の基質とすることができる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、変異体加水分解酵素またはデハロゲナーゼである。いくつかの実施形態では、タンパク質は変異体デハロゲナーゼであり、基質はハロアルカンである。いくつかの実施形態では、ハロアルカンは、末端ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなど)でキャップされたアルカン(例えば、C2~C20)を含む。いくつかの実施形態では、ハロアルカンは、式A-Xのものであり、式中、Xは、ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなど)であり、Aは、2~20個の炭素を含むアルカンである。ある特定の実施形態において、Aは、2~12個の炭素からなる直鎖セグメントを含む。ある特定の実施形態では、Aは、2~12個の炭素からなる直鎖セグメントである。いくつかの実施形態では、ハロアルカンは、変異デハロゲナーゼとの相互作用を妨げない任意の更なるペンダントまたは置換を含むことができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、捕捉剤はSNAPタグであり、捕捉要素はベンジルグアニンである(例えば、本明細書に参照によりその全容を援用するCrivat G,Taraska JW(January 2012).Trends in Biotechnology 30(1):8-16.を参照)。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、CLIPタグであり、捕捉要素は、ベンジルシトシンである(例えば、本明細書に参照によりその全容を援用するGautier,et al.Chem Biol.2008 Feb;15(2):128-36.を参照)。
【0075】
基質(例えば、ハロアルカン基質)と共有結合する変異体タンパク質(例えば、変異体加水分解酵素(例えば、変異体デハロゲナーゼ)を含む系は、それぞれ本明細書に参照によってその全容を援用するところの、例えば、米国特許第7,238,842号、米国特許第7,425,436号、米国特許第7,429,472号、米国特許第7,867,726号に記載されている。
【0076】
いくつかの実施形態では、機能的キナーゼ結合剤の機能的要素は、親和性要素(例えば、親和性薬剤に結合するもの)である。そのようなペアの例としては、親和性剤としての抗体と親和性要素としての抗原、親和性要素としてのHisタグと親和性剤としてのニッケルカラム、親和性剤及び親和性要素としてそれぞれ高親和性を有するタンパク質と小分子(例えば、ストレプトアビジンとビオチン)などが挙げられる。親和性分子の例としては、免疫原性分子(例えば、タンパク質、ペプチド、炭水化物、または脂質のエピトープ(例えば、その分子に特異的な抗体を調製するのに有用な任意の分子));ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、及びそれらの誘導体;金属結合分子;ならびにこれらの分子の断片及び組み合わせなどの分子が挙げられる。例示的な親和性分子としては、5x His(HHHHH)(配列番号19)、6x His(HHHHHH)(配列番号20)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号21)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号22)、SteptTag(WSHPQFEK)(配列番号23)、HAタグ(YPYDVPDYA)(配列番号24)、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、カルモジュリン結合ペプチド、C末端RNAタグ、金属結合ドメイン、金属結合反応性基、アミノ酸反応性基、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、及びマルトース結合タンパク質が挙げられる。親和性分子の別の例は、ダンシルリシンである。ダンシル環と相互作用する抗体は市販されているか(Sigma Chemical、St.Louis,Mo.)、またはAntibodies:A Laboratory Manual(Harlow and Lane,1988)に記載されるような既知のプロトコールを用いて調製することができる。
【0077】
III.キナーゼ
本明細書の実施形態は、機能的キナーゼ結合剤を有する様々なキナーゼのエンゲージメントに用途を見出す。
【0078】
いくつかの実施形態では、キナーゼは、試料(細胞、細胞溶解物、無細胞系、組織、器官など)において内因的に発現される。いくつかの実施形態では、キナーゼは、適切な遺伝子及び/またはウイルスベクター(例えば、試料(例えば細胞)に導入されるベクター)から発現される。ウイルスベクターの例としては、限定されるものではないが、DNAまたはRNAウイルスに基づくベクター、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、レンチウイルス、ワクシニアウイルス、麻疹ウイルス、ヘルペスウイルス、バキュロウイルス、及びパピローマウイルスウイルスベクターが挙げられる。全体が参照により組み込まれる、ウイルス及び非ウイルスベクターのレビューに関する、Kay et al.,Proc. Natl.Acad. Sci.USA,94:12744-12746(1997)を参照されたい。 いくつかの実施形態では、キナーゼは、融合及び/または検出、同定などのためのタグを有するものとして発現及び/または提供される。いくつかの実施形態では、キナーゼは、蛍光レポーターとの融合として発現及び/または提供される。一実施形態では、キナーゼは、ルシフェラーゼとの融合として発現及び/または提供される。いくつかの実施形態では、キナーゼは、Oplophorusルシフェラーゼとのとの融合として発現及び/または提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキナーゼは、生物蛍光ポリペプチド及び/またはOplophorus gracilirostrisのルシフェラーゼ、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(Promega Corporation、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,557,970、米国特許第8,669,103号)、NanoBiT(全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,797,889号)、またはNanoTrip(その両方が、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/439,565号、及び米国特許出願第62/941,255号)に(例えば構造的に、機能的になど)基づいて生物発光複合体の化合物との融合として発現及び/または提供される。いくつかの実施形態では、本明細書の方法及びシステムは、市販のNanoLuc(登録商標)ベースの技術(例えば、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ、NanoBRET、NanoBiT、NanoTrip、NanoGloなど)を組み込むが、他の実施形態では、市販のNanoLuc(登録商標)ベースの技術からの様々な組み合わせ、変形、または誘導体が使用される。
【0079】
いくつかの実施形態では、NanoLuc(登録商標)及び/またはPCT出願PCT/US2010/033449号、米国特許第8,557,970号、PCT出願PCT/2011/059018号、及び米国特許第8,669,103号(それぞれが、その全体がすべての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に記載される生物発光ポリペプチドを含むがこれらに限定されない生物発光ポリペプチドとの融合として、発現/提供される。いくつかの実施形態では、そのような生物発光ポリペプチドは、本明細書に記載される方法及びシステムで使用するためのキナーゼに結合される(例えば、融合、化学的結合など)。
【0080】
いくつかの実施形態では、キナーゼは、NanoBiT(登録商標)、NanoTrip、ならびに/あるいは例えば、PCT出願PCT/US14/26354、米国特許第9,797,889号、米国特許出願第16/439,565号(PCT/US2019/036844)、及び米国仮特許出願第62/941,255(それぞれが、その全体がすべての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に記載の生物発光複合体のペプチド及びポリペプチドを含むがこれらに限定されない生物発光複合体の構成要素との融合として発現及び/または提供される。
【0081】
PCT出願PCT/US13/74765及び米国特許出願第15/263,416号(本明細書において、その全体がすべての目的のために参照により組み込まれる)に開示されるように、生物発光レポーター(例えば、ルシフェラーゼ、生物発光複合体の構成要素など)に結合される(融合される)タンパク質(例えば、キナーゼ)は、システムまたは方法に存在する生物発光レポーターとエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)との間の生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)によって検出され得、タンパク質(例えば、キナーゼ)と共局在化され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、生物発光レポーター(例えば、NanoLuc(登録商標)ベースのレポーター)に結合したキナーゼと、検出可能な要素としてエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)を含む機能的キナーゼ結合剤と、を含むシステムであり、生物発光レポーターの発光スペクトル及びフルオロフォアの励起スペクトルは、重複しており、したがって、機能的キナーゼ結合剤とキナーゼとのエンゲージメントは、生物発光レポーターとエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)との間のBRET(例えば、その存在の)増加によって検出され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、NanoLuc(登録商標)ベース、NanoBiTベース、及び/またはNanoTripベースのペプチド、ポリペプチド、複合体、融合物、及びコンジュゲートは、本明細書に記載されるシステム及び方法によるBRETベースの用途における使用で見出すことができる。例えば、特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、キナーゼ(複数可)がレポートされた生物発光(例えば、NanoLuc(登録商標)ベース、NanoBiTベース、及び/またはNanoTripベースのポリペプチド、ペプチド、または複合体)、及びエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア(例えば、蛍光タンパク質、小分子フルオロフォアなど))を含む機能的キナーゼ結合剤に融合しており、NanoLuc(登録商標)ベース、NanoBiTベース、及び/またはNanoTripベースのポリペプチド、ペプチド、または複合体は、エネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)の励起スペクトルに重複している。いくつかの実施形態では、キナーゼとの機能的キナーゼ結合剤のエンゲージメント後、生物発光レポーターに対する基質(例えば、セレンテラジン、フリマジンなど)の存在で、BRETが検出される。
【0084】
本明細書で使用される場合、用語「エネルギー受容体」は、エネルギー吸収(例えば、共鳴エネルギー転移)に応答して、容易に検出可能なシグナルを生成する、任意の小分子(例えば、発色団)、巨大分子(例えば、自己発光タンパク質、フィコビリタンパク質、ナノ粒子、表面など)、または分子複合体を指す。特定の実施形態では、エネルギー受容体は、フルオロフォアまたは他の検出可能な発色団である。適切なフルオロフォアには、キサンテン誘導体(例えば、フルオレセイン、ローダミン、オレンジグリリーン、エオシン、テキサスレッドなど)、シアニン誘導体(例えば、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニンなど)、ナフタレン誘導体(例えば、デンシル及びプロダン誘導体)、オキサジアゾール誘導体(例えば、ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾールなど)ピレン誘導体(例えば、カスケードブルー)、オキサジン誘導体(例えば、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170など)、アクリジン誘導体(例えば、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエローなど)、アリールメチン誘導体(例えば、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラチトグリーンなど)、テトラピロール誘導体(例えば、ポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンなど)、CF色素(Biotium)、BODIPY(Invitrogen)、ALEXA FLuoR(Invitrogen)、DYLIGHT FLUOR(Thermo Scientific,Pierce)、ATTO及びTRACY(Sigma Aldrich)、FluoProbes(Interchim)、DY及びMEGASTOKES(Dyomics)、SULFO CY 色素(CYANDYE,LLC)、SETAU AND SQUARE DYES(SETA BioMedicals)、QUASAR及びCAL FLUOR色素(Biosearch Technologies)、SURELIGHT DYES(APC,RPE,PerCP,Phycobilisomes)(Columbia Biosciences)、APC、APCXL、RPE、BPE(Phyco-Biotech)、自己蛍光タンパク質(例えば、YFP、RFP、mCherry、mKate)、量子ドットナノ結晶などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、ローダミン類似体(例えば、カルボキシローダミン類似体)、例えば全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/682,589号に記載されているものである。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書のシステム及び方法は、以下の一般的なファミリーまたはサブグループのものであるタンパク質キナーゼを含む、広範囲のキナーゼとの使用を見出す:AGC(例えば、PKA、PKG及びPKCサブファミリーを含む)、CAMK(例えば、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ)、CK1(例えば、カゼインキナーゼ1)、CMGC(例えば、CDK、MAPK、GSK3及びCLKサブファミリーを含む)、NEK、RGC(例えば、受容体グアニル酸シクラーゼ)、STE、TKL(例えば、チロシンプロテインキナーゼ様)、及びTyr(例、チロシンプロテインキナーゼ)。いくつかの実施形態では、本明細書の機能的キナーゼ結合剤は、ADCK、アルファ型、FAST、PDK/BCKDK、PI3/PI4キナーゼ、RIO型などの非典型キナーゼファミリーの1つ以上のキナーゼに結合する。いくつかの実施形態では、本明細書の機能的キナーゼ結合剤は、任意の適切な生物のキナーゼに結合する。いくつかの実施形態では、本明細書のシステム及び方法は、表1A~Oに記載されるものなどのヒト及び/またはマウスキナーゼ、及び/または他の生物からのホモログ及び類似体との使用を見出す。
【0086】
=================================
表1A AGC Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
AKT1 AKT1_HUMAN (P31749) AKT1_MOUSE (P31750)
AKT2 AKT2_HUMAN (P31751) AKT2_MOUSE (Q60823)
AKT3 AKT3_HUMAN (Q9Y243) AKT3_MOUSE (Q9WUA6)
CDC42BPA MRCKA_HUMAN(Q5VT25)MRCKA_MOUSE(Q3UU96)
CDC42BPB MRCKB_HUMAN(Q9Y5S2)MRCKB_MOUSE(Q7TT50)
CDC42BPG MRCKG_HUMAN(Q6DT37)MRCKG_MOUSE(Q80UW5)
CIT CTRO_HUMAN(O14578)CTRO_MOUSE(P49025)
DMPK DMPK_HUMAN(Q09013)DMPK_MOUSE(P54265)
GRK1 RK_HUMAN(Q15835)RK_MOUSE(Q9WVL4)
GRK2 ARBK1_HUMAN (P25098) ARBK1_MOUSE (Q99MK8)
GRK3 ARBK2_HUMAN (P35626) ARBK2_MOUSE (Q3UYH7)
GRK4 GRK4_HUMAN (P32298) GRK4_MOUSE (O70291)
GRK5 GRK5_HUMAN (P34947) GRK5_MOUSE (Q8VEB1)
GRK6 GRK6_HUMAN (P43250) GRK6_MOUSE (O70293)
GRK7 GRK7_HUMAN (Q8WTQ7)
LATS1 LATS1_HUMAN (O95835) LATS1_MOUSE (Q8BYR2)
LATS2 LATS2_HUMAN (Q9NRM7) LATS2_MOUSE (Q7TSJ6)
MAST1 MAST1_HUMAN (Q9Y2H9) MAST1_MOUSE (Q9R1L5)
MAST2 MAST2_HUMAN (Q6P0Q8) MAST2_MOUSE (Q60592)
MAST3 MAST3_HUMAN (O60307) MAST3_MOUSE (Q3U214)
MAST4 MAST4_HUMAN (O15021) MAST4_MOUSE (Q811L6)
MASTL GWL_HUMAN(Q96GX5)GWL_MOUSE(Q8C0P0)
PDPK1 PDPK1_HUMAN (O15530) PDPK1_MOUSE (Q9Z2A0)
PDPK2P PDPK2_HUMAN (Q6A1A2)
PKN1 PKN1_HUMAN (Q16512) PKN1_MOUSE (P70268)
PKN2 PKN2_HUMAN (Q16513) PKN2_MOUSE (Q8BWW9)
PKN3 PKN3_HUMAN (Q6P5Z2) PKN3_MOUSE (Q8K045)
PRKACA KAPCA_HUMAN(P17612)KAPCA_MOUSE(P05132)
PRKACB KAPCB_HUMAN(P22694)KAPCB_MOUSE(P68181)
PRKACG KAPCG_HUMAN(P22612)
PRKCA KPCA_HUMAN(P17252)KPCA_MOUSE(P20444)
PRKCB KPCB_HUMAN(P05771)KPCB_MOUSE(P68404)
PRKCD KPCD_HUMAN(Q05655)KPCD_MOUSE(P28867)
PRKCE KPCE_HUMAN(Q02156)KPCE_MOUSE(P16054)
PRKCG KPCG_HUMAN(P05129)KPCG_MOUSE(P63318)
PRKCH KPCL_HUMAN(P24723)KPCL_MOUSE(P23298)
PRKCI KPCI_HUMAN(P41743)KPCI_MOUSE(Q62074)
PRKCQ KPCT_HUMAN(Q04759)KPCT_MOUSE(Q02111)
PRKCZ KPCZ_HUMAN(Q05513)KPCZ_MOUSE(Q02956)
PRKG1 KGP1_HUMAN (Q13976) KGP1_MOUSE (P0C605)
PRKG2 KGP2_HUMAN (Q13237) KGP2_MOUSE (Q61410)
PRKX PRKX_HUMAN(P51817)PRKX_MOUSE(Q922R0)
PRKY PRKY_HUMAN(O43930)
ROCK1 ROCK1_HUMAN (Q13464) ROCK1_MOUSE (P70335)
ROCK2 ROCK2_HUMAN (O75116) ROCK2_MOUSE (P70336)
RPS6KA1 KS6A1_HUMAN (Q15418) KS6A1_MOUSE (P18653)
RPS6KA2 KS6A2_HUMAN (Q15349) KS6A2_MOUSE (Q9WUT3)
RPS6KA3 KS6A3_HUMAN (P51812) KS6A3_MOUSE (P18654)
RPS6KA4 KS6A4_HUMAN (O75676) KS6A4_MOUSE (Q9Z2B9)
RPS6KA5 KS6A5_HUMAN (O75582) KS6A5_MOUSE (Q8C050)
RPS6KA6 KS6A6_HUMAN (Q9UK32) KS6A6_MOUSE (Q7TPS0)
RPS6KB1 KS6B1_HUMAN (P23443) KS6B1_MOUSE (Q8BSK8)
RPS6KB2 KS6B2_HUMAN (Q9UBS0) KS6B2_MOUSE (Q9Z1M4)
SGK1 SGK1_HUMAN (O00141) SGK1_MOUSE (Q9WVC6)
SGK2 SGK2_HUMAN (Q9HBY8) SGK2_MOUSE (Q9QZS5)
SGK3 SGK3_HUMAN (Q96BR1) SGK3_MOUSE (Q9ERE3)
STK38 STK38_HUMAN (Q15208) STK38_MOUSE (Q91VJ4)
STK38L ST38L_HUMAN (Q9Y2H1) ST38L_MOUSE (Q7TSE6)
==================================
表1B CAMK Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
==================================
SMKX_MOUSE(Q8C0X8)
BRSK1 BRSK1_HUMAN (Q8TDC3) BRSK1_MOUSE (Q5RJI5)
BRSK2 BRSK2_HUMAN (Q8IWQ3) BRSK2_MOUSE (Q69Z98)
CAMK1 KCC1A_HUMAN (Q14012) KCC1A_MOUSE (Q91YS8)
CAMK1D KCC1D_HUMAN (Q8IU85) KCC1D_MOUSE (Q8BW96)
CAMK1G KCC1G_HUMAN (Q96NX5) KCC1G_MOUSE (Q91VB2)
CAMK2A KCC2A_HUMAN (Q9UQM7) KCC2A_MOUSE (P11798)
CAMK2B KCC2B_HUMAN (Q13554) KCC2B_MOUSE (P28652)
CAMK2D KCC2D_HUMAN (Q13557) KCC2D_MOUSE (Q6PHZ2)
CAMK2G KCC2G_HUMAN (Q13555) KCC2G_MOUSE (Q923T9)
CAMK4 KCC4_HUMAN (Q16566) KCC4_MOUSE (P08414)
CAMKV CAMKV_HUMAN(Q8NCB2)CAMKV_MOUSE(Q3UHL1)
CASK CSKP_HUMAN(O14936)CSKP_MOUSE(O70589)
CHEK1 CHK1_HUMAN (O14757) CHK1_MOUSE (O35280)
CHEK2 CHK2_HUMAN (O96017) CHK2_MOUSE (Q9Z265)
DAPK1 DAPK1_HUMAN (P53355) DAPK1_MOUSE (Q80YE7)
DAPK2 DAPK2_HUMAN (Q9UIK4) DAPK2_MOUSE (Q8VDF3)
DAPK3 DAPK3_HUMAN (O43293) DAPK3_MOUSE (O54784)
DCLK1 DCLK1_HUMAN (O15075) DCLK1_MOUSE (Q9JLM8)
DCLK2 DCLK2_HUMAN (Q8N568) DCLK2_MOUSE (Q6PGN3)
DCLK3 DCLK3_HUMAN (Q9C098) DCLK3_MOUSE (Q8BWQ5)
Gm4922 SMKZ_MOUSE(Q8C0N0)
Gm7168 SMKY_MOUSE(A0AUV4)
HUNK HUNK_HUMAN(P57058)HUNK_MOUSE(O88866)
KALRN KALRN_HUMAN(O60229)KALRN_MOUSE(A2CG49)
MAPKAPK2 MAPK2_HUMAN (P49137) MAPK2_MOUSE (P49138)
MAPKAPK3 MAPK3_HUMAN (Q16644) MAPK3_MOUSE (Q3UMW7)
MAPKAPK5 MAPK5_HUMAN (Q8IW41) MAPK5_MOUSE (O54992)
MARK1 MARK1_HUMAN (Q9P0L2) MARK1_MOUSE (Q8VHJ5)
MARK2 MARK2_HUMAN (Q7KZI7) MARK2_MOUSE (Q05512)
MARK3 MARK3_HUMAN (P27448) MARK3_MOUSE (Q03141)
MARK4 MARK4_HUMAN (Q96L34) MARK4_MOUSE (Q8CIP4)
MELK MELK_HUMAN(Q14680)MELK_MOUSE(Q61846)
MKNK1 MKNK1_HUMAN (Q9BUB5) MKNK1_MOUSE (O08605)
MKNK2 MKNK2_HUMAN (Q9HBH9) MKNK2_MOUSE (Q8CDB0)
MYLK MYLK_HUMAN(Q15746)MYLK_MOUSE(Q6PDN3)
MYLK2 MYLK2_HUMAN (Q9H1R3) MYLK2_MOUSE (Q8VCR8)
MYLK3 MYLK3_HUMAN (Q32MK0) MYLK3_MOUSE (Q3UIZ8)
MYLK4 MYLK4_HUMAN (Q86YV6) MYLK4_MOUSE (Q5SUV5)
NIM1K NIM1_HUMAN (Q8IY84) NIM1_MOUSE (Q8BHI9)
NUAK1 NUAK1_HUMAN (O60285) NUAK1_MOUSE (Q641K5)
NUAK2 NUAK2_HUMAN (Q9H093) NUAK2_MOUSE (Q8BZN4)
OBSCN OBSCN_HUMAN(Q5VST9)OBSCN_MOUSE(A2AAJ9)
PASK PASK_HUMAN(Q96RG2)PASK_MOUSE(Q8CEE6)
PHKG1 PHKG1_HUMAN (Q16816) PHKG1_MOUSE (P07934)
PHKG2 PHKG2_HUMAN (P15735) PHKG2_MOUSE (Q9DB30)
PIM1 PIM1_HUMAN (P11309) PIM1_MOUSE (P06803)
PIM2 PIM2_HUMAN (Q9P1W9) PIM2_MOUSE (Q62070)
PIM3 PIM3_HUMAN (Q86V86) PIM3_MOUSE (P58750)
PNCK KCC1B_HUMAN(Q6P2M8)KCC1B_MOUSE(Q9QYK9)
PRKAA1 AAPK1_HUMAN (Q13131) AAPK1_MOUSE (Q5EG47)
PRKAA2 AAPK2_HUMAN (P54646) AAPK2_MOUSE (Q8BRK8)
PRKD1 KPCD1_HUMAN (Q15139) KPCD1_MOUSE (Q62101)
PRKD2 KPCD2_HUMAN (Q9BZL6) KPCD2_MOUSE (Q8BZ03)
PRKD3 KPCD3_HUMAN (O94806) KPCD3_MOUSE (Q8K1Y2)
PSKH1 KPSH1_HUMAN (P11801) KPSH1_MOUSE (Q91YA2)
PSKH2 KPSH2_HUMAN (Q96QS6)
SIK1 SIK1_HUMAN (P57059) SIK1_MOUSE (Q60670)
SIK2 SIK2_HUMAN (Q9H0K1) SIK2_MOUSE (Q8CFH6)
SIK3 SIK3_HUMAN (Q9Y2K2) SIK3_MOUSE (Q6P4S6)
SNRK SNRK_HUMAN(Q9NRH2)SNRK_MOUSE(Q8VDU5)
SPEG SPEG_HUMAN(Q15772)SPEG_MOUSE(Q62407)
STK11 STK11_HUMAN (Q15831) STK11_MOUSE (Q9WTK7)
STK17A ST17A_HUMAN (Q9UEE5)
STK17B ST17B_HUMAN (O94768) ST17B_MOUSE (Q8BG48)
STK33 STK33_HUMAN (Q9BYT3) STK33_MOUSE (Q924X7)
STK40 STK40_HUMAN (Q8N2I9) STK40_MOUSE (Q7TNL3)
Smok2a SMK2A_MOUSE (Q9QYZ6)
Smok2b SMK2B_MOUSE (Q9QYZ3)
Smok3a SMK3A_MOUSE (C0HKC8)
Smok3b SMK3B_MOUSE (C0HKC9)
Stk-ps2 SMKW_MOUSE(Q8C0V7)
TRIB1 TRIB1_HUMAN (Q96RU8) TRIB1_MOUSE (Q8K4K4)
TRIB2 TRIB2_HUMAN (Q92519) TRIB2_MOUSE (Q8K4K3)
TRIB3 TRIB3_HUMAN (Q96RU7) TRIB3_MOUSE (Q8K4K2)
TRIO TRIO_HUMAN(O75962)TRIO_MOUSE(Q0KL02)
TSSK1B TSSK1_HUMAN (Q9BXA7) TSSK1_MOUSE (Q61241)
TSSK2 TSSK2_HUMAN (Q96PF2) TSSK2_MOUSE (O54863)
TSSK3 TSSK3_HUMAN (Q96PN8) TSSK3_MOUSE (Q9D2E1)
TSSK4 TSSK4_HUMAN (Q6SA08) TSSK4_MOUSE (Q9D411)
TSSK6 TSSK6_HUMAN (Q9BXA6) TSSK6_MOUSE (Q925K9)
TTN TITIN_HUMAN(Q8WZ42)TITIN_MOUSE(A2ASS6)
Tssk5 TSSK5_MOUSE (Q8C1R0)
=================================
表1C CK1 Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
CSNK1A1 KC1A_HUMAN (P48729) KC1A_MOUSE (Q8BK63)
CSNK1A1L KC1AL_HUMAN (Q8N752)
CSNK1D KC1D_HUMAN (P48730) KC1D_MOUSE (Q9DC28)
CSNK1E KC1E_HUMAN (P49674) KC1E_MOUSE (Q9JMK2)
CSNK1G1 KC1G1_HUMAN (Q9HCP0) KC1G1_MOUSE (Q8BTH8)
CSNK1G2 KC1G2_HUMAN (P78368) KC1G2_MOUSE (Q8BVP5)
CSNK1G3 KC1G3_HUMAN (Q9Y6M4) KC1G3_MOUSE (Q8C4X2)
TTBK1 TTBK1_HUMAN (Q5TCY1) TTBK1_MOUSE (Q6PCN3)
TTBK2 TTBK2_HUMAN (Q6IQ55) TTBK2_MOUSE (Q3UVR3)
VRK1 VRK1_HUMAN (Q99986) VRK1_MOUSE (Q80X41)
VRK2 VRK2_HUMAN (Q86Y07) VRK2_MOUSE (Q8BN21)
VRK3 VRK3_HUMAN (Q8IV63) VRK3_MOUSE (Q8K3G5)
==================================
表1D CMGC Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
==================================
CDK1 CDK1_HUMAN (P06493) CDK1_MOUSE (P11440)
CDK10 CDK10_HUMAN (Q15131) CDK10_MOUSE (Q3UMM4)
CDK11A CD11A_HUMAN (Q9UQ88)
CDK11B CD11B_HUMAN (P21127) CD11B_MOUSE (P24788)
CDK12 CDK12_HUMAN (Q9NYV4) CDK12_MOUSE (Q14AX6)
CDK13 CDK13_HUMAN (Q14004) CDK13_MOUSE (Q69ZA1)
CDK14 CDK14_HUMAN (O94921) CDK14_MOUSE (O35495)
CDK15 CDK15_HUMAN (Q96Q40) CDK15_MOUSE (Q3V3A1)
CDK16 CDK16_HUMAN (Q00536) CDK16_MOUSE (Q04735)
CDK17 CDK17_HUMAN (Q00537) CDK17_MOUSE (Q8K0D0)
CDK18 CDK18_HUMAN (Q07002) CDK18_MOUSE (Q04899)
CDK19 CDK19_HUMAN (Q9BWU1) CDK19_MOUSE (Q8BWD8)
CDK2 CDK2_HUMAN (P24941) CDK2_MOUSE (P97377)
CDK20 CDK20_HUMAN (Q8IZL9) CDK20_MOUSE (Q9JHU3)
CDK3 CDK3_HUMAN (Q00526) CDK3_MOUSE (Q80YP0)
CDK4 CDK4_HUMAN (P11802) CDK4_MOUSE (P30285)
CDK5 CDK5_HUMAN (Q00535) CDK5_MOUSE (P49615)
CDK6 CDK6_HUMAN (Q00534) CDK6_MOUSE (Q64261)
CDK7 CDK7_HUMAN (P50613) CDK7_MOUSE (Q03147)
CDK8 CDK8_HUMAN (P49336) CDK8_MOUSE (Q8R3L8)
CDK9 CDK9_HUMAN (P50750) CDK9_MOUSE (Q99J95)
CDKL1 CDKL1_HUMAN (Q00532) CDKL1_MOUSE (Q8CEQ0)
CDKL2 CDKL2_HUMAN (Q92772) CDKL2_MOUSE (Q9QUK0)
CDKL3 CDKL3_HUMAN (Q8IVW4) CDKL3_MOUSE (Q8BLF2)
CDKL4 CDKL4_HUMAN (Q5MAI5) CDKL4_MOUSE (Q3TZA2)
CDKL5 CDKL5_HUMAN (O76039) CDKL5_MOUSE (Q3UTQ8)
CLK1 CLK1_HUMAN (P49759) CLK1_MOUSE (P22518)
CLK2 CLK2_HUMAN (P49760) CLK2_MOUSE (O35491)
CLK3 CLK3_HUMAN (P49761) CLK3_MOUSE (O35492)
CLK4 CLK4_HUMAN (Q9HAZ1) CLK4_MOUSE (O35493)
DYRK1A DYR1A_HUMAN (Q13627) DYR1A_MOUSE (Q61214)
DYRK1B DYR1B_HUMAN (Q9Y463) DYR1B_MOUSE (Q9Z188)
DYRK2 DYRK2_HUMAN (Q92630) DYRK2_MOUSE (Q5U4C9)
DYRK3 DYRK3_HUMAN (O43781) DYRK3_MOUSE (Q922Y0)
DYRK4 DYRK4_HUMAN (Q9NR20) DYRK4_MOUSE (Q8BI55)
GSK3A GSK3A_HUMAN (P49840) GSK3A_MOUSE (Q2NL51)
GSK3B GSK3B_HUMAN (P49841) GSK3B_MOUSE (Q9WV60)
HIPK1 HIPK1_HUMAN (Q86Z02) HIPK1_MOUSE (O88904)
HIPK2 HIPK2_HUMAN (Q9H2X6) HIPK2_MOUSE (Q9QZR5)
HIPK3 HIPK3_HUMAN (Q9H422) HIPK3_MOUSE (Q9ERH7)
HIPK4 HIPK4_HUMAN (Q8NE63) HIPK4_MOUSE (Q3V016)
ICK ICK_HUMAN(Q9UPZ9)ICK_MOUSE(Q9JKV2)
MAK MAK_HUMAN(P20794)MAK_MOUSE(Q04859)
MAPK1 MK01_HUMAN (P28482) MK01_MOUSE (P63085)
MAPK10 MK10_HUMAN (P53779) MK10_MOUSE (Q61831)
MAPK11 MK11_HUMAN (Q15759) MK11_MOUSE (Q9WUI1)
MAPK12 MK12_HUMAN (P53778) MK12_MOUSE (O08911)
MAPK13 MK13_HUMAN (O15264) MK13_MOUSE (Q9Z1B7)
MAPK14 MK14_HUMAN (Q16539) MK14_MOUSE (P47811)
MAPK15 MK15_HUMAN (Q8TD08) MK15_MOUSE (Q80Y86)
MAPK3 MK03_HUMAN (P27361) MK03_MOUSE (Q63844)
MAPK4 MK04_HUMAN (P31152) MK04_MOUSE (Q6P5G0)
MAPK6 MK06_HUMAN (Q16659) MK06_MOUSE (Q61532)
MAPK7 MK07_HUMAN (Q13164) MK07_MOUSE (Q9WVS8)
MAPK8 MK08_HUMAN (P45983) MK08_MOUSE (Q91Y86)
MAPK9 MK09_HUMAN (P45984) MK09_MOUSE (Q9WTU6)
MOK MOK_HUMAN(Q9UQ07)MOK_MOUSE(Q9WVS4)
NLK NLK_HUMAN(Q9UBE8)NLK_MOUSE(O54949)
PRPF4B PRP4B_HUMAN (Q13523) PRP4B_MOUSE (Q61136)
SRPK1 SRPK1_HUMAN (Q96SB4) SRPK1_MOUSE (O70551)
SRPK2 SRPK2_HUMAN (P78362) SRPK2_MOUSE (O54781)
SRPK3 SRPK3_HUMAN (Q9UPE1) SRPK3_MOUSE (Q9Z0G2)
=================================
表1E NEK Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
NEK1 NEK1_HUMAN (Q96PY6) NEK1_MOUSE (P51954)
NEK10 NEK10_HUMAN (Q6ZWH5) NEK10_MOUSE (Q3UGM2)
NEK11 NEK11_HUMAN (Q8NG66) NEK11_MOUSE (Q8C0Q4)
NEK2 NEK2_HUMAN (P51955) NEK2_MOUSE (O35942)
NEK3 NEK3_HUMAN (P51956) NEK3_MOUSE (Q9R0A5)
NEK4 NEK4_HUMAN (P51957) NEK4_MOUSE (Q9Z1J2)
NEK5 NEK5_HUMAN (Q6P3R8) NEK5_MOUSE (Q7TSC3)
NEK6 NEK6_HUMAN (Q9HC98) NEK6_MOUSE (Q9ES70)
NEK7 NEK7_HUMAN (Q8TDX7) NEK7_MOUSE (Q9ES74)
NEK8 NEK8_HUMAN (Q86SG6) NEK8_MOUSE (Q91ZR4)
NEK9 NEK9_HUMAN (Q8TD19) NEK9_MOUSE (Q8K1R7)
=================================
表1F STE Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
MAP2K1 MP2K1_HUMAN (Q02750) MP2K1_MOUSE (P31938)
MAP2K2 MP2K2_HUMAN (P36507) MP2K2_MOUSE (Q63932)
MAP2K3 MP2K3_HUMAN (P46734) MP2K3_MOUSE (O09110)
MAP2K4 MP2K4_HUMAN (P45985) MP2K4_MOUSE (P47809)
MAP2K5 MP2K5_HUMAN (Q13163) MP2K5_MOUSE (Q9WVS7)
MAP2K6 MP2K6_HUMAN (P52564) MP2K6_MOUSE (P70236)
MAP2K7 MP2K7_HUMAN (O14733) MP2K7_MOUSE (Q8CE90)
MAP3K1 M3K1_HUMAN (Q13233) M3K1_MOUSE (P53349)
MAP3K10 M3K10_HUMAN (Q02779) M3K10_MOUSE (Q66L42)
MAP3K11 M3K11_HUMAN (Q16584) M3K11_MOUSE (Q80XI6)
MAP3K12 M3K12_HUMAN (Q12852) M3K12_MOUSE (Q60700)
MAP3K13 M3K13_HUMAN (O43283) M3K13_MOUSE (Q1HKZ5)
MAP3K14 M3K14_HUMAN (Q99558) M3K14_MOUSE (Q9WUL6)
MAP3K15 M3K15_HUMAN (Q6ZN16) M3K15_MOUSE (A2AQW0)
MAP3K19 M3K19_HUMAN (Q56UN5) M3K19_MOUSE (E9Q3S4)
MAP3K2 M3K2_HUMAN (Q9Y2U5) M3K2_MOUSE (Q61083)
MAP3K20 M3K20_HUMAN (Q9NYL2) M3K20_MOUSE (Q9ESL4)
MAP3K21 M3K21_HUMAN (Q5TCX8) M3K21_MOUSE (Q8VDG6)
MAP3K3 M3K3_HUMAN (Q99759) M3K3_MOUSE (Q61084)
MAP3K4 M3K4_HUMAN (Q9Y6R4) M3K4_MOUSE (O08648)
MAP3K5 M3K5_HUMAN (Q99683) M3K5_MOUSE (O35099)
MAP3K6 M3K6_HUMAN (O95382) M3K6_MOUSE (Q9WTR2)
MAP3K7 M3K7_HUMAN (O43318) M3K7_MOUSE (Q62073)
MAP3K8 M3K8_HUMAN (P41279) M3K8_MOUSE (Q07174)
MAP3K9 M3K9_HUMAN (P80192) M3K9_MOUSE (Q3U1V8)
MAP4K1 M4K1_HUMAN (Q92918) M4K1_MOUSE (P70218)
MAP4K2 M4K2_HUMAN (Q12851) M4K2_MOUSE (Q61161)
MAP4K3 M4K3_HUMAN (Q8IVH8) M4K3_MOUSE (Q99JP0)
MAP4K4 M4K4_HUMAN (O95819) M4K4_MOUSE (P97820)
MAP4K5 M4K5_HUMAN (Q9Y4K4) M4K5_MOUSE (Q8BPM2)
MINK1 MINK1_HUMAN (Q8N4C8) MINK1_MOUSE (Q9JM52)
MYO3A MYO3A_HUMAN (Q8NEV4) MYO3A_MOUSE (Q8K3H5)
MYO3B MYO3B_HUMAN (Q8WXR4) MYO3B_MOUSE (Q1EG27)
NRK NRK_HUMAN(Q7Z2Y5)NRK_MOUSE(Q9R0G8)
OXSR1 OXSR1_HUMAN (O95747) OXSR1_MOUSE (Q6P9R2)
PAK1 PAK1_HUMAN (Q13153) PAK1_MOUSE (O88643)
PAK2 PAK2_HUMAN (Q13177) PAK2_MOUSE (Q8CIN4)
PAK3 PAK3_HUMAN (O75914) PAK3_MOUSE (Q61036)
PAK4 PAK4_HUMAN (O96013) PAK4_MOUSE (Q8BTW9)
PAK5 PAK5_HUMAN (Q9P286) PAK5_MOUSE (Q8C015)
PAK6 PAK6_HUMAN (Q9NQU5) PAK6_MOUSE (Q3ULB5)
PBK TOPK_HUMAN(Q96KB5)TOPK_MOUSE(Q9JJ78)
SLK SLK_HUMAN(Q9H2G2)SLK_MOUSE(O54988)
STK10 STK10_HUMAN (O94804) STK10_MOUSE (O55098)
STK24 STK24_HUMAN (Q9Y6E0) STK24_MOUSE (Q99KH8)
STK25 STK25_HUMAN (O00506) STK25_MOUSE (Q9Z2W1)
STK26 STK26_HUMAN (Q9P289) STK26_MOUSE (Q99JT2)
STK3 STK3_HUMAN (Q13188) STK3_MOUSE (Q9JI10)
STK39 STK39_HUMAN (Q9UEW8) STK39_MOUSE (Q9Z1W9)
STK4 STK4_HUMAN (Q13043) STK4_MOUSE (Q9JI11)
STRADA STRAA_HUMAN(Q7RTN6)STRAA_MOUSE(Q3UUJ4)
STRADB STRAB_HUMAN(Q9C0K7)STRAB_MOUSE(Q8K4T3)
TAOK1 TAOK1_HUMAN (Q7L7X3) TAOK1_MOUSE (Q5F2E8)
TAOK2 TAOK2_HUMAN (Q9UL54) TAOK2_MOUSE (Q6ZQ29)
TAOK3 TAOK3_HUMAN (Q9H2K8) TAOK3_MOUSE (Q8BYC6)
TNIK TNIK_HUMAN(Q9UKE5)TNIK_MOUSE(P83510)
=================================
表1G TKL Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
ACVR1 ACVR1_HUMAN (Q04771) ACVR1_MOUSE (P37172)
ACVR1B ACV1B_HUMAN (P36896) ACV1B_MOUSE (Q61271)
ACVR1C ACV1C_HUMAN (Q8NER5) ACV1C_MOUSE (Q8K348)
ACVR2A AVR2A_HUMAN (P27037) AVR2A_MOUSE (P27038)
ACVR2B AVR2B_HUMAN (Q13705) AVR2B_MOUSE (P27040)
ACVRL1 ACVL1_HUMAN (P37023) ACVL1_MOUSE (Q61288)
AMHR2 AMHR2_HUMAN (Q16671) AMHR2_MOUSE (Q8K592)
ANKK1 ANKK1_HUMAN (Q8NFD2) ANKK1_MOUSE (Q8BZ25)
ARAF ARAF_HUMAN(P10398)ARAF_MOUSE(P04627)
BMPR1A BMR1A_HUMAN (P36894) BMR1A_MOUSE (P36895)
BMPR1B BMR1B_HUMAN (O00238) BMR1B_MOUSE (P36898)
BMPR2 BMPR2_HUMAN (Q13873) BMPR2_MOUSE (O35607)
BRAF BRAF_HUMAN(P15056)BRAF_MOUSE(P28028)
ILK ILK_HUMAN(Q13418)ILK_MOUSE(O55222)
IRAK1 IRAK1_HUMAN (P51617) IRAK1_MOUSE (Q62406)
IRAK2 IRAK2_HUMAN (O43187) IRAK2_MOUSE (Q8CFA1)
IRAK3 IRAK3_HUMAN (Q9Y616) IRAK3_MOUSE (Q8K4B2)
IRAK4 IRAK4_HUMAN (Q9NWZ3) IRAK4_MOUSE (Q8R4K2)
KSR1 KSR1_HUMAN (Q8IVT5) KSR1_MOUSE (Q61097)
KSR2 KSR2_HUMAN (Q6VAB6) KSR2_MOUSE (Q3UVC0)
LIMK1 LIMK1_HUMAN (P53667) LIMK1_MOUSE (P53668)
LIMK2 LIMK2_HUMAN (P53671) LIMK2_MOUSE (O54785)
LRRK1 LRRK1_HUMAN (Q38SD2) LRRK1_MOUSE (Q3UHC2)
LRRK2 LRRK2_HUMAN (Q5S007) LRRK2_MOUSE (Q5S006)
RAF1 RAF1_HUMAN (P04049) RAF1_MOUSE (Q99N57)
RIPK1 RIPK1_HUMAN (Q13546) RIPK1_MOUSE (Q60855)
RIPK2 RIPK2_HUMAN (O43353) RIPK2_MOUSE (P58801)
RIPK3 RIPK3_HUMAN (Q9Y572) RIPK3_MOUSE (Q9QZL0)
RIPK4 RIPK4_HUMAN (P57078) RIPK4_MOUSE (Q9ERK0)
TESK1 TESK1_HUMAN (Q15569) TESK1_MOUSE (O70146)
TESK2 TESK2_HUMAN (Q96S53) TESK2_MOUSE (Q8VCT9)
TGFBR1 TGFR1_HUMAN (P36897) TGFR1_MOUSE (Q64729)
TGFBR2 TGFR2_HUMAN (P37173) TGFR2_MOUSE (Q62312)
TNNI3K TNI3K_HUMAN (Q59H18) TNI3K_MOUSE (Q5GIG6)
=========================
表1H Tyrプロテインキナーゼファミリー
=========================
AATK LMTK1_HUMAN(Q6ZMQ8)LMTK1_MOUSE(Q80YE4)
ABL1 ABL1_HUMAN (P00519) ABL1_MOUSE (P00520)
ABL2 ABL2_HUMAN (P42684) ABL2_MOUSE (Q4JIM5)
ALK ALK_HUMAN(Q9UM73)ALK_MOUSE(P97793)
AXL UFO_HUMAN(P30530)UFO_MOUSE(Q00993)
BLK BLK_HUMAN(P51451)BLK_MOUSE(P16277)
BMX BMX_HUMAN(P51813)BMX_MOUSE(P97504)
BTK BTK_HUMAN(Q06187)BTK_MOUSE(P35991)
CSF1R CSF1R_HUMAN (P07333) CSF1R_MOUSE (P09581)
CSK CSK_HUMAN(P41240)CSK_MOUSE(P41241)
DDR1 DDR1_HUMAN (Q08345) DDR1_MOUSE (Q03146)
DDR2 DDR2_HUMAN (Q16832) DDR2_MOUSE (Q62371)
EGFR EGFR_HUMAN(P00533)EGFR_MOUSE(Q01279)
EPHA1 EPHA1_HUMAN (P21709) EPHA1_MOUSE (Q60750)
EPHA10 EPHAA_HUMAN(Q5JZY3)EPHAA_MOUSE(Q8BYG9)
EPHA2 EPHA2_HUMAN (P29317) EPHA2_MOUSE (Q03145)
EPHA3 EPHA3_HUMAN (P29320) EPHA3_MOUSE (P29319)
EPHA4 EPHA4_HUMAN (P54764) EPHA4_MOUSE (Q03137)
EPHA5 EPHA5_HUMAN (P54756) EPHA5_MOUSE (Q60629)
EPHA6 EPHA6_HUMAN (Q9UF33) EPHA6_MOUSE (Q62413)
EPHA7 EPHA7_HUMAN (Q15375) EPHA7_MOUSE (Q61772)
EPHA8 EPHA8_HUMAN (P29322) EPHA8_MOUSE (O09127)
EPHB1 EPHB1_HUMAN (P54762) EPHB1_MOUSE (Q8CBF3)
EPHB2 EPHB2_HUMAN (P29323) EPHB2_MOUSE (P54763)
EPHB3 EPHB3_HUMAN (P54753) EPHB3_MOUSE (P54754)
EPHB4 EPHB4_HUMAN (P54760) EPHB4_MOUSE (P54761)
EPHB6 EPHB6_HUMAN (O15197) EPHB6_MOUSE (O08644)
ERBB2 ERBB2_HUMAN (P04626) ERBB2_MOUSE (P70424)
ERBB3 ERBB3_HUMAN (P21860) ERBB3_MOUSE (Q61526)
ERBB4 ERBB4_HUMAN (Q15303) ERBB4_MOUSE (Q61527)
FER FER_HUMAN(P16591)FER_MOUSE(P70451)
FES FES_HUMAN(P07332)FES_MOUSE(P16879)
FGFR1 FGFR1_HUMAN (P11362) FGFR1_MOUSE (P16092)
FGFR2 FGFR2_HUMAN (P21802) FGFR2_MOUSE (P21803)
FGFR3 FGFR3_HUMAN (P22607) FGFR3_MOUSE (Q61851)
FGFR4 FGFR4_HUMAN (P22455) FGFR4_MOUSE (Q03142)
FGR FGR_HUMAN(P09769)FGR_MOUSE(P14234)
FLT1 VGFR1_HUMAN (P17948) VGFR1_MOUSE (P35969)
FLT3 FLT3_HUMAN (P36888) FLT3_MOUSE (Q00342)
FLT4 VGFR3_HUMAN (P35916) VGFR3_MOUSE (P35917)
FRK FRK_HUMAN(P42685)FRK_MOUSE(Q922K9)
FYN FYN_HUMAN(P06241)FYN_MOUSE(P39688)
HCK HCK_HUMAN(P08631)HCK_MOUSE(P08103)
IGF1R IGF1R_HUMAN (P08069) IGF1R_MOUSE (Q60751)
INSR INSR_HUMAN(P06213)INSR_MOUSE(P15208)
INSRR INSRR_HUMAN(P14616)INSRR_MOUSE(Q9WTL4)
ITK ITK_HUMAN(Q08881)ITK_MOUSE(Q03526)
JAK1 JAK1_HUMAN (P23458) JAK1_MOUSE (P52332)
JAK2 JAK2_HUMAN (O60674) JAK2_MOUSE (Q62120)
JAK3 JAK3_HUMAN (P52333) JAK3_MOUSE (Q62137)
KDR VGFR2_HUMAN(P35968)VGFR2_MOUSE(P35918)
KIT KIT_HUMAN(P10721)KIT_MOUSE(P05532)
LCK LCK_HUMAN(P06239)LCK_MOUSE(P06240)
LMTK2 LMTK2_HUMAN (Q8IWU2) LMTK2_MOUSE (Q3TYD6)
LMTK3 LMTK3_HUMAN (Q96Q04) LMTK3_MOUSE (Q5XJV6)
LTK LTK_HUMAN(P29376)LTK_MOUSE(P08923)
LYN LYN_HUMAN(P07948)LYN_MOUSE(P25911)
MATK MATK_HUMAN(P42679)MATK_MOUSE(P41242)
MERTK MERTK_HUMAN(Q12866)MERTK_MOUSE(Q60805)
MET MET_HUMAN(P08581)MET_MOUSE(P16056)
MST1R RON_HUMAN(Q04912)RON_MOUSE(Q62190)
MUSK MUSK_HUMAN(O15146)MUSK_MOUSE(Q61006)
NTRK1 NTRK1_HUMAN (P04629) NTRK1_MOUSE (Q3UFB7)
NTRK2 NTRK2_HUMAN (Q16620) NTRK2_MOUSE (P15209)
NTRK3 NTRK3_HUMAN (Q16288) NTRK3_MOUSE (Q6VNS1)
PDGFRA PGFRA_HUMAN(P16234)PGFRA_MOUSE(P26618)
PDGFRB PGFRB_HUMAN(P09619)PGFRB_MOUSE(P05622)
PTK2 FAK1_HUMAN (Q05397) FAK1_MOUSE (P34152)
PTK2B FAK2_HUMAN (Q14289) FAK2_MOUSE (Q9QVP9)
PTK6 PTK6_HUMAN (Q13882) PTK6_MOUSE (Q64434)
PTK7 PTK7_HUMAN (Q13308) PTK7_MOUSE (Q8BKG3)
RET RET_HUMAN(P07949)RET_MOUSE(P35546)
ROR1 ROR1_HUMAN (Q01973) ROR1_MOUSE (Q9Z139)
ROR2 ROR2_HUMAN (Q01974) ROR2_MOUSE (Q9Z138)
ROS1 ROS1_HUMAN (P08922) ROS1_MOUSE (Q78DX7)
RYK RYK_HUMAN(P34925)RYK_MOUSE(Q01887)
SRC SRC_HUMAN(P12931)SRC_MOUSE(P05480)
SRMS SRMS_HUMAN(Q9H3Y6)SRMS_MOUSE(Q62270)
STYK1 STYK1_HUMAN (Q6J9G0) STYK1_MOUSE (Q6J9G1)
SYK KSYK_HUMAN(P43405)KSYK_MOUSE(P48025)
Smok1 SMOK1_MOUSE (Q9QYZ4)
Smoktcr SMKTR_MOUSE(A2KF29)
TEC TEC_HUMAN(P42680)TEC_MOUSE(P24604)
TEK TIE2_HUMAN(Q02763)TIE2_MOUSE(Q02858)
TIE1 TIE1_HUMAN (P35590) TIE1_MOUSE (Q06806)
TNK1 TNK1_HUMAN (Q13470) TNK1_MOUSE (Q99ML2)
TNK2 ACK1_HUMAN (Q07912) ACK1_MOUSE (O54967)
TXK TXK_HUMAN(P42681)TXK_MOUSE(P42682)
TYK2 TYK2_HUMAN (P29597) TYK2_MOUSE (Q9R117)
TYRO3 TYRO3_HUMAN (Q06418) TYRO3_MOUSE (P55144)
YES1 YES_HUMAN(P07947)YES_MOUSE(Q04736)
ZAP70 ZAP70_HUMAN (P43403) ZAP70_MOUSE (P43404)
=====
表1I その他のキナーゼ
=====
AAK1 AAK1_HUMAN (Q2M2I8) AAK1_MOUSE (Q3UHJ0)
AURKA AURKA_HUMAN(O14965)AURKA_MOUSE(P97477)
AURKB AURKB_HUMAN(Q96GD4)AURKB_MOUSE(O70126)
AURKC AURKC_HUMAN(Q9UQB9)AURKC_MOUSE(O88445)
BMP2K BMP2K_HUMAN (Q9NSY1) BMP2K_MOUSE (Q91Z96)
BUB1 BUB1_HUMAN (O43683) BUB1_MOUSE (O08901)
BUB1B BUB1B_HUMAN (O60566) BUB1B_MOUSE (Q9Z1S0)
CAMKK1 KKCC1_HUMAN (Q8N5S9) KKCC1_MOUSE (Q8VBY2)
CAMKK2 KKCC2_HUMAN (Q96RR4) KKCC2_MOUSE (Q8C078)
CDC7 CDC7_HUMAN (O00311) CDC7_MOUSE (Q9Z0H0)
CHUK IKKA_HUMAN(O15111)IKKA_MOUSE(Q60680)
CSNK2A1 CSK21_HUMAN (P68400) CSK21_MOUSE (Q60737)
CSNK2A2 CSK22_HUMAN (P19784) CSK22_MOUSE (O54833)
CSNK2A3 CSK23_HUMAN (Q8NEV1)
DSTYK DUSTY_HUMAN(Q6XUX3)DUSTY_MOUSE(Q6XUX1)
EIF2AK1 E2AK1_HUMAN (Q9BQI3) E2AK1_MOUSE (Q9Z2R9)
EIF2AK2 E2AK2_HUMAN (P19525) E2AK2_MOUSE (Q03963)
EIF2AK3 E2AK3_HUMAN (Q9NZJ5) E2AK3_MOUSE (Q9Z2B5)
EIF2AK4 E2AK4_HUMAN (Q9P2K8) E2AK4_MOUSE (Q9QZ05)
ERN1 ERN1_HUMAN (O75460) ERN1_MOUSE (Q9EQY0)
ERN2 ERN2_HUMAN (Q76MJ5) ERN2_MOUSE (Q9Z2E3)
GAK GAK_HUMAN(O14976)GAK_MOUSE(Q99KY4)
HASPIN HASP_HUMAN(Q8TF76)HASP_MOUSE(Q9Z0R0)
IKBKB IKKB_HUMAN(O14920)IKKB_MOUSE(O88351)
IKBKE IKKE_HUMAN(Q14164)IKKE_MOUSE(Q9R0T8)
MLKL MLKL_HUMAN(Q8NB16)MLKL_MOUSE(Q9D2Y4)
MOS MOS_HUMAN(P00540)MOS_MOUSE(P00536)
NRBP1 NRBP_HUMAN(Q9UHY1)NRBP_MOUSE(Q99J45)
NRBP2 NRBP2_HUMAN (Q9NSY0) NRBP2_MOUSE (Q91V36)
PAN3 PAN3_HUMAN (Q58A45) PAN3_MOUSE (Q640Q5)
PDIK1L PDK1L_HUMAN (Q8N165) PDK1L_MOUSE (Q8QZR7)
PEAK1 PEAK1_HUMAN (Q9H792) PEAK1_MOUSE (Q69Z38)
PIK3R4 PI3R4_HUMAN (Q99570) PI3R4_MOUSE (Q8VD65)
PINK1 PINK1_HUMAN (Q9BXM7) PINK1_MOUSE (Q99MQ3)
PKDCC PKDCC_HUMAN(Q504Y2)PKDCC_MOUSE(Q5RJI4)
PKMYT1 PMYT1_HUMAN (Q99640) PMYT1_MOUSE (Q9ESG9)
PLK1 PLK1_HUMAN (P53350) PLK1_MOUSE (Q07832)
PLK2 PLK2_HUMAN (Q9NYY3) PLK2_MOUSE (P53351)
PLK3 PLK3_HUMAN (Q9H4B4) PLK3_MOUSE (Q60806)
PLK4 PLK4_HUMAN (O00444) PLK4_MOUSE (Q64702)
PLK5 PLK5_HUMAN (Q496M5) PLK5_MOUSE (Q4FZD7)
POMK SG196_HUMAN(Q9H5K3)SG196_MOUSE(Q3TUA9)
PRAG1 PRAG1_HUMAN (Q86YV5) PRAG1_MOUSE (Q571I4)
PXK PXK_HUMAN(Q7Z7A4)PXK_MOUSE(Q8BX57)
RNASEL RN5A_HUMAN(Q05823)RN5A_MOUSE(Q05921)
RPS6KC1 KS6C1_HUMAN (Q96S38) KS6C1_MOUSE (Q8BLK9)
RPS6KL1 RPKL1_HUMAN (Q9Y6S9) RPKL1_MOUSE (Q8R2S1)
SBK1 SBK1_HUMAN (Q52WX2) SBK1_MOUSE (Q8QZX0)
SBK2 SBK2_HUMAN (P0C263) SBK2_MOUSE (P0C5K1)
SBK3 SBK3_HUMAN (P0C264) SBK3_MOUSE (P0C5K0)
SCYL1 SCYL1_HUMAN (Q96KG9) SCYL1_MOUSE (Q9EQC5)
SCYL2 SCYL2_HUMAN (Q6P3W7) SCYL2_MOUSE (Q8CFE4)
SCYL3 PACE1_HUMAN (Q8IZE3) PACE1_MOUSE (Q9DBQ7)
SGK494 SG494_HUMAN (Q96LW2) SG494_MOUSE (Q5SYL1)
STK16 STK16_HUMAN (O75716) STK16_MOUSE (O88697)
STK31 STK31_HUMAN (Q9BXU1) STK31_MOUSE (Q99MW1)
STK32A ST32A_HUMAN (Q8WU08) ST32A_MOUSE (Q8BGW6)
STK32B ST32B_HUMAN (Q9NY57) ST32B_MOUSE (Q9JJX8)
STK32C ST32C_HUMAN (Q86UX6) ST32C_MOUSE (Q8QZV4)
STK35 STK35_HUMAN (Q8TDR2) STK35_MOUSE (Q80ZW0)
STK36 STK36_HUMAN (Q9NRP7) STK36_MOUSE (Q69ZM6)
STKLD1 STKL1_HUMAN (Q8NE28) STKL1_MOUSE (Q80YS9)
TBCK TBCK_HUMAN(Q8TEA7)TBCK_MOUSE(Q8BM85)
TBK1 TBK1_HUMAN (Q9UHD2) TBK1_MOUSE (Q9WUN2)
TEX14 TEX14_HUMAN (Q8IWB6) TEX14_MOUSE (Q7M6U3)
TLK1 TLK1_HUMAN (Q9UKI8) TLK1_MOUSE (Q8C0V0)
TLK2 TLK2_HUMAN (Q86UE8) TLK2_MOUSE (O55047)
TP53RK PRPK_HUMAN(Q96S44)PRPK_MOUSE(Q99PW4)
TTK TTK_HUMAN(P33981)TTK_MOUSE(P35761)
UHMK1 UHMK1_HUMAN (Q8TAS1) UHMK1_MOUSE (P97343)
ULK1 ULK1_HUMAN (O75385) ULK1_MOUSE (O70405)
ULK2 ULK2_HUMAN (Q8IYT8) ULK2_MOUSE (Q9QY01)
ULK3 ULK3_HUMAN (Q6PHR2) ULK3_MOUSE (Q3U3Q1)
ULK4 ULK4_HUMAN (Q96C45) ULK4_MOUSE (Q3V129)
WEE1 WEE1_HUMAN (P30291) WEE1_MOUSE (P47810)
WEE2 WEE2_HUMAN (P0C1S8) WEE2_MOUSE (Q66JT0)
WNK1 WNK1_HUMAN (Q9H4A3) WNK1_MOUSE (P83741)
WNK2 WNK2_HUMAN (Q9Y3S1) WNK2_MOUSE (Q3UH66)
WNK3 WNK3_HUMAN (Q9BYP7) WNK3_MOUSE (Q80XP9)
WNK4 WNK4_HUMAN (Q96J92) WNK4_MOUSE (Q80UE6)
====================================
表1J. ADCKプロテインキナーゼファミリー
====================================
ADCK1 ADCK1_HUMAN (Q86TW2) ADCK1_MOUSE (Q9D0L4)
ADCK2 ADCK2_HUMAN (Q7Z695) ADCK2_MOUSE (Q6NSR3)
ADCK5 ADCK5_HUMAN (Q3MIX3) ADCK5_MOUSE (Q80V03)
COQ8A COQ8A_HUMAN (Q8NI60) COQ8A_MOUSE (Q60936)
COQ8B COQ8B_HUMAN (Q96D53) COQ8B_MOUSE (Q566J8)
==========================================
表1K.アルファ型プロテインキナーゼファミリー
==========================================
ALPK1 ALPK1_HUMAN (Q96QP1) ALPK1_MOUSE (Q9CXB8)
ALPK2 ALPK2_HUMAN (Q86TB3) ALPK2_MOUSE (Q91ZB0)
ALPK3 ALPK3_HUMAN (Q96L96) ALPK3_MOUSE (Q924C5)
EEF2K EF2K_HUMAN (O00418) EF2K_MOUSE (O08796)
TRPM6 TRPM6_HUMAN (Q9BX84) TRPM6_MOUSE (Q8CIR4)
TRPM7 TRPM7_HUMAN (Q96QT4) TRPM7_MOUSE (Q923J1)
====================================
表1L.FASTプロテインキナーゼファミリー
====================================
FASTK FASTK_HUMAN(Q14296)FASTK_MOUSE(Q9JIX9)
=========================================
表1M.PDK / BCKDKプロテインキナーゼファミリー
=========================================
BCKDK BCKD_HUMAN(O14874)BCKD_MOUSE(O55028)
PDK1 PDK1_HUMAN (Q15118) PDK1_MOUSE (Q8BFP9)
PDK2 PDK2_HUMAN (Q15119) PDK2_MOUSE (Q9JK42)
PDK3 PDK3_HUMAN (Q15120) PDK3_MOUSE (Q922H2)
PDK4 PDK4_HUMAN (Q16654) PDK4_MOUSE (O70571)
===============================
表1N.PI3 / PI4-キナーゼファミリー
===============================
ATM ATM_HUMAN(Q13315)ATM_MOUSE(Q62388)
ATR ATR_HUMAN(Q13535)ATR_MOUSE(Q9JKK8)
MTOR MTOR_HUMAN(P42345)MTOR_MOUSE(Q9JLN9)
PIK3CA PK3CA_HUMAN (P42336) PK3CA_MOUSE (P42337)
PIK3CG PK3CG_HUMAN (P48736) PK3CG_MOUSE (Q9JHG7)
PRKDC PRKDC_HUMAN(P78527)PRKDC_MOUSE(P97313)
SMG1 SMG1_HUMAN (Q96Q15) SMG1_MOUSE (Q8BKX6)
========================================
表1O.RIO型Ser / Thrキナーゼファミリー
========================================
RIOK1 RIOK1_HUMAN (Q9BRS2) RIOK1_MOUSE (Q922Q2)
RIOK2 RIOK2_HUMAN (Q9BVS4) RIOK2_MOUSE (Q9CQS5)
RIOK3 RIOK3_HUMAN (O14730) RIOK3_MOUSE (Q9DBU3)
【実施例
【0087】
IV.システム及び方法
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアントなど)を使用して、機能的キナーゼ結合剤のキナーゼ結合部分とのキナーゼ標的のエンゲージメント(例えば、結合)を増強するためのシステム及び方法である。いくつかの実施形態では、機能的キナーゼ結合剤のキナーゼ結合部分によるキナーゼのエンゲージメントは、試料(例えば、細胞、細胞溶解物、試料、生化学的溶液または混合物、組織、器官など)内のキナーゼの検出、単離、分析、定量、特性決定などを可能にする。いくつかの実施形態では、KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアントなど)を試料またはシステムに添加する。いくつかの実施形態では、KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアントなど)は、試料またはシステム内で発現される。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、試料内の1以上のキナーゼを検出する方法であり、方法は、KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアントなど)の存在で、試料を、機能的キナーゼ結合剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、試料から1以上のキナーゼを単離する方法である。
【0089】
いくつかの実施形態では、方法は、試料を機能的キナーゼ結合剤と接触させることによって、KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアントなど)の存在で、試料中のキナーゼの存在、量、及び集団を分析することによって(例えば何のキナーゼが存在するか、及び/またはどの程度の量で存在するか)、試料を特性決定するために提供される。
【0090】
いくつかの実施形態では、機能的キナーゼ結合剤によって結合されたキナーゼは、電気泳動、ゲル濾過、高圧または高速液体クロマトグラフィー、質量分光法、親和性クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、化学抽出、磁気ビーズ分離、沈殿、疎水性相互作用クロマトグラフィー、(HIC)、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意に手段によって、機能的要素の特有の特性を利用して、検出、定量、及び/または単離される。単離されたキナーゼ(複数可)は、構造的及び機能的試験、診断的用途、生物学的または薬学的試薬の調製のため、薬物開発のツールとして、タンパク質相互作用の研究のため、タンパク質複合体の単離及び特性決定のためなどに利用される。
【0091】
いくつかの実施形態では、方法は、KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアントなど)を含む、試料内の結合した機能的キナーゼ結合剤及び/またはキナーゼもしくはタンパク質複合体(例えば、キナーゼを含む)を検出及び/または定量するために提供される。いくつかの実施形態では、機能的キナーゼ結合剤の検出可能な要素(例えば、フルオロフォア、ルシフェラーゼ、キレート化放射性核種、キレート化造影剤など)及び/または機能的キナーゼ結合剤への特定の修飾(例えば、質量タグ(例えば、重同位元素(例えば、13C、15N、2Hなど)))の検出に基づいて、それに結合した機能的キナーゼ結合剤及び/または分析物(例えば、キナーゼ結合剤及び/または)の検出及び/または定量のための技術である。例えば、本明細書の機能的キナーゼ結合剤がフルオロフォアまたは他の発光検出可能要素を含む場合、それに結合した化合物及び/または分析物(例えば、キナーゼ)は、発せられた光(例えば、蛍光)またはそれらの変化の量を検出、定量、または監視するために設けられた、システム、デバイス、及び/または装置を使用して、試料において検出/定量され得る。いくつかの実施形態では、検出、定量、及び/または監視は、1以上の分光計、蛍光計、光電子増倍管、フォトダイオード、ネフェロメーター、フォトンカウンター、電極、電流計、電圧計、容量センサー、フローサイトメーター、CCDなどを含むデバイス、システムまたは装置によって提供される。
【0092】
蛍光検出可能要素に加えて、機能的キナーゼ結合剤は、トレーサー及び/または結合キナーゼを検出するために使用され得る電磁場及び放射線に対する検出可能な要素の相互作用及び応答に基づく物理的特性を有する様々な検出可能な要素を含み得る。これらの特性には、UV、電磁スペクトルの可視、及び赤外線領域、発色団の存在における吸収が含まれ、これらは、ラマン活性であり、共鳴ラマン分光法、電子スピン共鳴活性及び核磁気共鳴及び分子質量(例えば質量分光法による)によって更に増強され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、(a)タンパク質キナーゼ(例えば、表1A~Oのもの、またはそれらのバリアント)及び生物発光タンパク質の融合物と、(b)KRASの活性バリアント(例えば、KRAS4Aバリアント、KRAS4Bバリアントなど)と、(c)キナーゼ結合部分及びエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)を含む機能的キナーゼ結合剤と、を含むシステムであって、生物発光タンパク質の発光スペクトルが、エネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)の励起スペクトルと重複して、キナーゼ結合部分がタンパク質キナーゼに結合した時に、BRETが、生物発光タンパク質とエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)との間で検出される。同様のBRETシステム(NANOLUC(登録商標)ルシフェラーゼ、を使用する)は、例えば国際特許出願PCT/US13/74765(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載され、その実施形態は、システム及び方法で見出される。
【0094】
実験
実施例1
KRAS4BG12Cの共発現による細胞内標的エンゲージメントの増強
実験は、本明細書の実施形態の開発中に実施して、KRAS4BG12Cの共発現による増強されたNanoBRET生細胞標的エンゲージメントを実証した。96ウェルプレートにおいて、ウェル当たり20,000HEK293細胞をpFN31K及びpFN32Kプラスミドから発現されたキナーゼ/NanoLuc(Nuc)融合物でトランスフェクトした。トランスフェクトを3:1のFuGENE HD:プラスミド非で行った。各キナーゼ/Nluc融合物を非タグKRAS4BG12Cまたはトランスフェクト担体DNA/pGEM(1部キナーゼ/Nluc:9部KRASG12CまたはトランスフェクトキャリアDNA/pGEM)をコードするpF5ベクターで共トランスフェクトした。トランスフェクトの24時間後、細胞を、Tracer K10及び様々な濃度の対照阻害剤CC1の存在で、2時間処置した(図1A)。インキュベーション後、NanoBRET-TE基質/阻害剤溶液(Promega Corporation)を最終濃度の1Xの添加し、Glomax(登録商標)DiscoverプレートリーダーでBRETを測定した(図1B~F)。KRASG12Cの共発現は、トレーサーによるNanoBRETシグナルを潜在化した。非修飾薬物の増強された標的エンゲージメントも観察された。KRAS4BG12C共発現は、この分析の標的のすべてに対する標的エンゲージメントを増強した。
【0095】
実施例2
がん細胞におけるキナーゼシグナル伝達経路を活性化することにおけるKRASの役割の理解
KRAS及び関連する細胞シグナル伝達経路は、中でも腫瘍学において最も重量な治療標的である。しかし、MAPK経路以外では、変異体KRAS活性によって調節される細胞シグナル伝達事象は、完全には解明されていない。したがって、細胞プロセス及びKRAS活性に影響を及ぼす新規の腫瘍学経路を決定する方法は、現在行われている薬物探索の試行にとって重要である。
【0096】
細胞において、活性KRASバリアントの発現は、シグナル変換経路または他の細胞プロセスの活性化を導き得る。シグナル変換経路の活性化は一般的に、キナーゼ翻訳後修飾事象(例えば、リン酸化)を増加させる。一般に、変化したキナーゼリン酸化は、増強された標的エンゲージメント効力と共に開始する。したがって、KRASシグナル伝達経路の活性化は、増強されたキナーゼ標的エンゲージメントと共に開始するキナーゼ翻訳後修飾における変化を引き起こし得る。キナーゼ標的エンゲージメントの増加は、したがって、新規のKRAS関連細胞プロセスを解明する検出可能なシグナルとして役立つ。そのようなシグナルの変化に依存する方法が、治療的介入及び薬物開発の新規標的を発見することができることが企図される。
【0097】
配列
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
【化12-4】
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
【配列表】
2023526677000001.app
【国際調査報告】