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特表2023-526711入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムおよび方法、ならびに関連するコンピュータプログラム製品
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  • 特表-入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムおよび方法、ならびに関連するコンピュータプログラム製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(54)【発明の名称】入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムおよび方法、ならびに関連するコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/195 20060101AFI20230616BHJP
   B29D 30/06 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
B65H23/195
B29D30/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541978
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 NL2022050145
(87)【国際公開番号】W WO2022211616
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】2027902
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ウィレム マリナス バン ビーク
(72)【発明者】
【氏名】ロビン ナッセルダー
【テーマコード(参考)】
3F105
4F215
【Fターム(参考)】
3F105AA12
3F105BA18
3F105CA15
3F105CB02
3F105CC01
3F105DA23
3F105DB02
3F105DC03
4F215AP04
4F215AR07
4F215AR12
4F215VA12
4F215VM06
4F215VP28
4F215VP36
4F215VQ07
4F215VR03
(57)【要約】
本発明は、ストリップの長さを緩衝するための緩衝システムに関し、緩衝システムは、緩衝部材、緩衝駆動装置、および制御ユニットを備え、制御ユニットは、入力側でのストリップの入力量を示す情報および出力側でのストリップの出力量を示す情報を有する制御データを受信し、前記制御データに基づいて、入力側と出力側との間の緩衝システム内のストリップの理論上の長さを示す計算値を生成するように構成され、制御ユニットは、計算値に基づいて緩衝位置に緩衝部材を配置するようにさらに構成される。本発明はさらに、方法およびコンピュータプログラム製品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムであって、前記緩衝システムが、前記緩衝システムの緩衝容量を変更するためにある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に移動可能な緩衝部材と、前記緩衝部材を前記緩衝方向に移動させるための緩衝駆動装置と、前記緩衝駆動装置に動作可能に接続された制御ユニットとを備え、前記制御ユニットが、前記入力側での前記ストリップの入力量を示す情報および前記出力側での前記ストリップの出力量を示す情報を有する制御データを受信し、前記制御データに基づいて、前記入力側と前記出力側との間の前記緩衝システム内の前記ストリップの理論上の長さを示す計算値を生成するように構成され、前記制御ユニットが、前記計算値に基づいて前記範囲の緩衝位置から1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するように前記緩衝駆動装置を制御するようにさらに構成されている、
緩衝システム。
【請求項2】
前記緩衝システムが、前記制御ユニットに動作可能に接続されたメモリユニットをさらに備え、前記メモリユニットが、前記緩衝システムの理論モデルを記憶し、前記理論モデルが、前記制御ユニットによって実行されると、前記制御データの関数として前記計算値を出力するように構成されている、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項3】
前記計算値が、前記ストリップの前記理論上の長さである、
請求項2に記載の緩衝システム。
【請求項4】
前記メモリユニットが、前記ストリップの前記理論上の長さについての基準値を記憶するように構成され、前記計算値が、前記基準値に対する前記制御データの効果である、
請求項2に記載の緩衝システム。
【請求項5】
前記制御ユニットが、周期的に前記理論モデルを実行するように配置され、前記基準値が、最初の周期の開始時に定義され、後続の周期中は同じままであり、前記計算値が、各周期後の前記基準値に対する前記制御データの累積効果である、
請求項4に記載の緩衝システム。
【請求項6】
前記制御ユニットが、周期的に前記理論モデルを実行するように配置され、前記基準値が、最初の周期の開始時に定義され、後続の周期ごとに、前記基準値が、前の周期の前記基準値と前記基準値に対する前記制御データの前記効果の和である、
請求項4に記載の緩衝システム。
【請求項7】
前記理論モデルが、前記制御ユニットによって実行されると、前記ストリップの前記理論上の長さと一致する前記緩衝容量を提供する前記範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置を示す位置値を出力するようにさらに構成され、前記制御ユニットが、前記位置値に対応する前記1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するように前記緩衝駆動装置を制御するように構成されている、
請求項2から6のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項8】
前記メモリユニットが、前記それぞれの緩衝位置における前記緩衝システムの前記緩衝容量を示す所定値のリストと相互参照される前記範囲の緩衝位置を示す位置値のリストを記憶し、前記制御ユニットが、前記ストリップの前記理論上の長さと最もよく一致する所定値の前記リストからの前記所定値に基づいて、位置値の前記リストから1つの位置値を選択するように構成され、前記制御ユニットが、前記1つの位置値に対応する前記1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するように前記緩衝駆動装置を制御するように構成されている、
請求項2から6のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項9】
前記1つの緩衝位置に対応する前記緩衝容量が、前記1つの緩衝位置が基づく前記計算値によって示された前記ストリップの前記理論上の長さよりも小さい、
請求項1から8のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項10】
前記入力量が、前記入力側における前記ストリップの前記移動距離であり、前記出力量が、前記出力側における前記ストリップの前記移動距離である、
請求項1から9のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項11】
前記緩衝システムが、前記入力量を示す前記情報および/または前記出力量を示す前記情報を前記制御ユニットに提供するために前記制御ユニットに動作可能に接続された1つまたは複数のセンサを備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項12】
前記1つまたは複数のセンサがエンコーダを備える、
請求項11に記載の緩衝システム。
【請求項13】
前記入力量を示す前記情報および/または前記出力量を示す前記情報が、前記緩衝システムの上流または下流の1つまたは複数のステーションに由来する1つまたは複数の制御パラメータを含む、
請求項1から12のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項14】
前記緩衝部材がダンサーローラである、
請求項1から13のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項15】
前記緩衝システムが、第1のグループのフェスツナーローラおよび第2のグループのフェスツナーローラを保持するための第1のホルダおよび第2のホルダを有するフェスツナーを備え、前記緩衝部材が、前記第1のホルダおよび前記第2のホルダのうちの1つである、
請求項1から13のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項16】
前記緩衝駆動装置がサーボモータを備える、
請求項1から15のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項17】
前記緩衝システムが、前記ストリップ内の張力を検知するための張力センサをさらに備える、
請求項1から16のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項18】
前記緩衝システムが、前記ストリップを前記緩衝部材に供給するための送り込みローラと、前記ストリップの自由ループを受け入れるための前記送り込みローラと前記緩衝部材との間の弛緩セクションとをさらに備える、
請求項1から17のいずれか一項に記載の緩衝システム。
【請求項19】
緩衝システムの入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための方法であって、前記緩衝システムが、前記緩衝システムの緩衝容量を変更するためにある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に移動可能な緩衝部材を備え、前記方法が、
-前記入力側での前記ストリップの入力量を示す情報および前記出力側での前記ストリップの出力量を示す情報を有する制御データを収集するステップと、
-前記制御データに基づいて、前記入力側と前記出力側との間の前記緩衝システム内の前記ストリップの理論上の長さを示す計算値を生成するステップと、
-前記計算値に基づいて前記範囲の緩衝位置から1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するステップとを含む、
方法。
【請求項20】
前記方法が、
-前記緩衝システムの理論モデルを提供するステップと、
-前記理論モデルを実行するステップとをさらに含み、
前記理論モデルが、前記制御データの関数として前記計算値を出力する、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記計算値が、前記ストリップの前記理論上の長さである、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、
-前記ストリップの前記理論上の長さについての基準値を記憶するステップ
をさらに含み、
前記計算値が前記基準値に対する前記制御データの前記効果である、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、
-周期的に前記理論モデルを実行するステップと、
-最初の周期の開始時に前記基準値を定義するステップとをさらに含み、
前記基準値が後続の周期中は同じままであり、前記計算値が、各周期後の前記基準値に対する前記制御データの累積効果である、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、
-周期的に前記理論モデルを実行するステップと
-最初の周期の開始時に前記基準値を定義するステップとをさらに含み、
後続の周期ごとに、前記基準値が、前の周期の前記基準値と前記基準値に対する前記制御データの前記効果の和である、
請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記理論モデルが、実行されると、前記ストリップの前記理論上の長さと一致する前記緩衝容量を提供する前記範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置を示す位置値を出力し、前記方法が、前記位置値に対応する前記1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するステップを含む、
請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、
-前記それぞれの緩衝位置における前記緩衝システムの前記緩衝容量を示す所定値のリストと相互参照される前記範囲の緩衝位置を示す位置値のリストを記憶するステップと、
-前記ストリップの前記理論上の長さと最もよく一致する所定値の前記リストからの前記所定値に基づいて、位置値の前記リストから1つの位置値を選択するステップとをさらに含み、
前記緩衝部材が、前記1つの位置値に対応する前記1つの緩衝位置に配置される、
請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記1つの緩衝位置に対応する前記緩衝容量が、前記1つの緩衝位置が基づく前記計算値によって示された前記ストリップの前記理論上の長さよりも小さい、
請求項19から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記入力量が、前記入力側における前記ストリップの前記移動距離であり、前記出力量が、前記出力側における前記ストリップの前記移動距離である、
請求項19から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記緩衝システムが、前記入力量を示す前記情報および/または前記出力量を示す情報を提供するための1つまたは複数のセンサを備える、
請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記入力量を示す前記情報および/または前記出力量を示す前記情報が、前記緩衝システムの上流または下流の1つまたは複数のステーションに由来する1つまたは複数の制御パラメータを含む、
請求項19から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記緩衝部材がダンサーローラである、
請求項19から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記緩衝システムが、第1のグループのフェスツナーローラおよび第2のグループのフェスツナーローラを保持するための第1のホルダおよび第2のホルダを有するフェスツナーを備え、前記緩衝部材が、前記第1のホルダおよび前記第2のホルダのうちの1つである、
請求項19から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が、
-前記ストリップ内の張力を検知するステップと、
-前記ストリップ内の前記張力に基づいて前記範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置に対する前記緩衝部材の前記位置を調整するステップと
をさらに含む、
請求項19から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記緩衝システムが、前記ストリップを前記緩衝部材に供給するための送り込みローラと、前記送り込みローラと前記緩衝部材との間の弛緩セクションとをさらに備え、前記方法が、前記弛緩セクション内の前記ストリップの自由ループを受け入れるステップをさらに含む、
請求項19から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
プロセッサによって実行されると、
請求項1から18のいずれか一項に記載のバッファシステムに、
請求項19から34のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムおよび方法に関する。本発明はさらに、実行されると緩衝システムに前述の方法を実行させるコンピュータプログラム製品に関する。
【0002】
タイヤ成形の技術分野では、可変長のストリップを緩衝するために、連続入力、すなわち押出機と、不連続出力、すなわち切断ステーションとの間に緩衝システムを設けることが知られている。既知の緩衝システムは、ダンサーローラおよび/またはフェスツナーを備える。両方とも、緩衝システムの緩衝容量を変更することが可能である。緩衝システムは、ストリップの張力の変化に受動的に応答することができる、すなわち、前述のダンサーローラまたはフェスツナーに釣り合い重りを設けることによって応答することができるか、または緩衝システムは、ストリップ張力などのストリップパラメータに基づいて能動的に制御されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
不連続出力でのサイクル時間を短縮することを求めて、ストリップは、ますます速く加速および減速される。既知の受動緩衝システムの欠点は、より高い加速および減速を伴う釣り合い重りの慣性を克服することが困難なことである。既知の能動的に制御される緩衝システムの欠点は、測定されたストリップ張力が、緩衝システム内で緩衝されるストリップの量を必ずしも示さないことである。詳細には、ストリップの材料は経時的に弛緩する傾向があり、したがってストリップ張力が低下する。その上、緩衝プロセス中、加速および減速は、張力の小さな変動を引き起こす可能性がある。既知の緩衝システムは、それに応じて応答し、緩衝容量を調整し、ストリップの不当な伸張または圧縮、その結果ストリップの断面形状の変動を引き起こす。
【0004】
本発明の目的は、入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムおよび方法、ならびに関連するコンピュータプログラム製品を提供することであり、ストリップの緩衝を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムを提供し、緩衝システムは、緩衝システムの緩衝容量を変更するためにある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に移動可能な緩衝部材と、緩衝部材を前記緩衝方向に移動させるための緩衝駆動装置と、緩衝駆動装置に動作可能に接続された制御ユニットとを備え、制御ユニットは、入力側でのストリップの入力量を示す情報および出力側でのストリップの出力量を示す情報を有する制御データを受信し、前記制御データに基づいて、入力側と出力側との間の緩衝システム内のストリップの理論上の長さを示す計算値を生成するように構成され、制御ユニットは、計算値に基づいてある範囲の緩衝位置から1つの緩衝位置に緩衝部材を配置するように緩衝駆動装置を制御するようにさらに構成される。
【0006】
したがって、本発明による緩衝システムは、緩衝システム内のストリップの量、すなわち入力側と出力側との間のストリップの長さに基づいて制御することができる。詳細には、入力量は、入力側での緩衝システムへのストリップの移動量として表されてもよく、出力量は、出力側での緩衝システムからのストリップの移動量として表されてもよい。あるいは、緩衝システム内のストリップの1つまたは複数のセクションの位置が追跡されてもよい。
【0007】
張力ベースの移動制御ではなく、移動ベースまたは位置ベースの移動制御を有することにより、緩衝システムは、ストリップの張力とは無関係に、かつ/または時間とは無関係に機能することができる。詳細には、緩衝システムが張力のみに基づいて緩衝容量を変更することを防止することができる。より詳細には、張力のいかなる変化にもかかわらず、緩衝内のストリップ材料の量が同じままである場合、実際には緩衝容量を調整する必要はない。したがって、ストリップ内の可変張力、すなわち経時的な弛緩の結果としての可変張力は、移動ベースの制御に影響を及ぼさない。結果として、ストリップが不必要に伸縮されず、ストリップの断面形状をより均一に保つことができる。有利なことに、システムは、ストリップ内で非常に低い張力で、または全く張力なしで、すなわち、ストリップが緩衝部材に沿って緩く延在する状態で動作することができる。
【0008】
好ましくは、入力側で緩衝システムに入るストリップのすべてのメートルは、最終的に、同じもしくは実質的に同じ長さおよび/または一定もしくは実質的に一定の断面形状を依然として有して、出力側で緩衝システムを出ることができる。あるいは、入力側で緩衝システムに入るストリップのすべてのメートルは、最終的に、入力側でのストリップの同じセクションの長さに対して一定の関係でわずかに伸ばされた長さを有して、出力側で緩衝システムを出ることができる。伸長は、緩衝システム内のストリップの緩みを防止することができる。
【0009】
好ましくは、緩衝システムは、制御ユニットに動作可能に接続された(非一時的)メモリユニットをさらに備え、メモリユニットは、緩衝システムの理論モデルを記憶し、理論モデルは、制御ユニットによって実行されると、制御データの関数として計算値を出力するように構成される。実行されると、緩衝システムの理論モデルを定義する命令をメモリユニットに提供することにより、緩衝システムは、理論上の長さを示す計算値を決定するために入力量および出力量のみを必要とするブラックボックスとして動作することができる。
【0010】
一実施形態では、計算値はストリップの理論上の長さである。したがって、緩衝位置は、理論上の長さの一次関数として制御することができる。
【0011】
あるいは、メモリユニットは、ストリップの理論上の長さについての基準値を記憶するように構成され、計算値は、基準値に対する制御データの効果である(を示す)。理論上の長さは、基準値と基準値に対する制御データの効果の和として決定することができる。例えば、基準値に対する制御データの効果がマイナス1メートルである場合、理論上の長さは、基準値から前記1メートルを引いたものになる。緩衝位置は、効果の関数として、または基準値に対する前記効果を考慮した後の理論上の長さの関数として制御することができる。
【0012】
その好ましい実施形態では、制御ユニットは、周期的に理論モデルを実行するように配置され、基準値は、最初の周期の開始時に定義され、後続の周期中は同じままであり、計算値は、各周期後の基準値に対する制御データの累積効果である。この場合、理論上の長さは、基準値と基準値に対する制御データの累積効果の和として決定することができる。あるいは、後続の周期ごとに、基準値は、前の周期の基準値と前記基準値に対する制御データの効果の和である。この場合、理論上の長さは、基準値と基準値に対する制御データの効果の和として決定することができる。
【0013】
さらなる実施形態では、理論モデルは、制御ユニットによって実行されると、ストリップの理論上の長さと一致する緩衝容量を提供するある範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置を示す位置値を出力するようにさらに構成され、制御ユニットは、前記位置値に対応する前記1つの緩衝位置に緩衝部材を配置するように緩衝駆動装置を制御するように構成される。テーブル内の位置値を参照する代わりに、位置値は、ストリップの任意の理論上の長さについて連続的にまたは特定の間隔で計算することができる。
【0014】
あるいは、メモリユニットは、それぞれの緩衝位置における緩衝システムの緩衝容量を示す所定値のリストと相互参照されるある範囲の緩衝位置を示す位置値のリストを記憶し、制御ユニットは、ストリップの理論上の長さと最もよく一致する所定値のリストからの所定値に基づいて、位置値のリストから1つの位置値を選択するように構成され、制御ユニットは、前記1つの位置値に対応する前記1つの緩衝位置に緩衝部材を配置するように緩衝駆動装置を制御するように構成される。所定値は、緩衝システムのセットアップ中に、実験的に決定または測定することができる。十分な数の所定値が提供される限り、移動制御は、前の実施形態に記載されたように連続移動制御に近づくことができる。
【0015】
別の実施形態では、1つの緩衝位置に対応する緩衝容量は、前記1つの緩衝位置が基づく計算値によって示されたストリップの理論上の長さよりも小さい。したがって、緩衝システム内のストリップの緩みを防止するために、ストリップをわずかに伸ばすことができる。好ましくは、伸長量は一定または実質的に一定に保たれる。
【0016】
別の実施形態では、入力量は、入力側におけるストリップの移動距離であり、出力量は、出力側におけるストリップの移動距離である。入力側および出力側における移動量は、例えば、緩衝システムに出入りするストリップの長さの単位で表され、入力と出力との間の正味の差を決定するために使用することができる。これは、緩衝位置を直接制御するために、かつ/または前記理論上の長さに基づいて緩衝位置のその後の制御のための理論上の長さを決定するために使用することができる。
【0017】
別の実施形態では、緩衝システムは、入力量を示す情報および/または出力量を示す情報を制御ユニットに提供するために制御ユニットに動作可能に接続された1つまたは複数のセンサを備える。1つまたは複数のセンサは、例えば、入力側および/または出力側における速度に直接関連する、または速度を示すパラメータを測定するためのエンコーダ、光学センサなどを備えてもよい。エンコーダは、ストリップの移動単位ごとに制御ユニットにパルスを正確に提供することができる。
【0018】
追加または代替として、入力量を示す情報および/または出力量を示す情報は、緩衝システムの上流または下流の1つまたは複数のステーションに由来する1つまたは複数の制御パラメータを含む。1つまたは複数の制御パラメータは、例えば、上流コンベヤまたは下流コンベヤの駆動パラメータ、下流フェスツナーの駆動パラメータ、上流押出機の押出機パラメータ、または下流切断ステーションの切断パラメータを含んでもよい。これらのパラメータは、入力側および/または出力側における速度に間接的に関連するか、または速度を示すことができる。
【0019】
さらなる実施形態では、緩衝部材はダンサーローラである。ダンサーローラは、例えば、フェスツナーにおける複数のループと比較して、単一のループ内で比較的短い長さのストリップを緩衝することができる。
【0020】
あるいは、緩衝システムは、第1のグループのフェスツナーローラおよび第2のグループのフェスツナーローラを保持するための第1のホルダおよび第2のホルダを有するフェスツナーを備え、緩衝部材は、第1のホルダおよび第2のホルダのうちの1つである。ダンサーローラの単一のループとは対照的に、フェスツナーは、第1のホルダにおけるフェスツナーローラと第2のホルダにおけるフェスツナーローラとの間に交互に延在する複数のループ内のかなりの長さのストリップを緩衝することができる。
【0021】
別の実施形態では、緩衝駆動装置はサーボモータを備える。サーボモータは、緩衝部材に直接作用して、ある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に前記緩衝部材を直線的に移動させることができる。
【0022】
別の実施形態では、緩衝システムは、ストリップ内の張力を検知するための張力センサをさらに備える。張力センサからの信号は、複数の緩衝位置のうちの前記1つの緩衝位置に対する緩衝部材の位置をさらに調整して、張力の望ましくない変動を相殺し、数回の供給周期にわたる張力の蓄積を防止し、または後続の切断動作の前または間にストリップの張力を低減するために使用することができる。
【0023】
別の実施形態では、緩衝システムは、ストリップを緩衝部材に供給するための送り込みローラと、ストリップの自由ループを受け入れるための送り込みローラと緩衝部材との間の弛緩セクションとをさらに備える。したがって、ストリップ内の任意の残りの張力は、弛緩セクション内のストリップの自由ループ内で少なくとも部分的に相殺または吸収することができる。
【0024】
第2の態様によれば、本発明は、緩衝システムの入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための方法を提供し、緩衝システムは、緩衝システムの緩衝容量を変更するためにある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に移動可能な緩衝部材を備え、方法は、
-入力側でのストリップの入力量を示す情報および出力側でのストリップの出力量を示す情報を有する制御データを収集するステップと、
-前記制御データに基づいて、入力側と出力側との間の緩衝システム内のストリップの理論上の長さを示す計算値を生成するステップと、
-計算値に基づいてある範囲の緩衝位置から1つの緩衝位置に緩衝部材を配置するステップと
を含む。
【0025】
本発明の第2の態様による方法は、本発明の第1の態様による緩衝システムに関して記載されたのと同じ動作原理に関し、したがって、以下で繰り返されない同じ技術的利点を有する。
【0026】
好ましくは、方法は、
-緩衝システムの理論モデルを提供するステップと、
-理論モデルを実行するステップと
をさらに含み、
理論モデルは制御データの関数として計算値を出力する。
【0027】
一実施形態では、計算値はストリップの理論上の長さである。
【0028】
あるいは、方法は、
-ストリップの理論上の長さについての基準値を記憶するステップ
をさらに含み、
計算値は基準値に対する制御データの効果である。
【0029】
その好ましい実施形態では、方法は、
-周期的に理論モデルを実行するステップと、
-最初の周期の開始時に基準値を定義するステップと
をさらに含み、
基準値は後続の周期中は同じままであり、計算値は、各周期後の基準値に対する制御データの累積効果である。あるいは、後続の周期ごとに、基準値は、前の周期の基準値と前記基準値に対する制御データの効果の和である。
【0030】
さらなる実施形態では、理論モデルは、実行されると、ストリップの理論上の長さと一致する緩衝容量を提供するある範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置を示す位置値を出力し、方法は、前記位置値に対応する前記1つの緩衝位置に緩衝部材を配置するステップを含む。
【0031】
あるいは、方法は、
-それぞれの緩衝位置における緩衝システムの緩衝容量を示す所定値のリストと相互参照されるある範囲の緩衝位置を示す位置値のリストを記憶するステップと、
-ストリップの理論上の長さと最もよく一致する所定値のリストからの所定値に基づいて、位置値のリストから1つの位置値を選択するステップと
をさらに含み、
緩衝部材は、前記1つの位置値に対応する前記1つの緩衝位置に配置される。
【0032】
別の実施形態では、1つの緩衝位置に対応する緩衝容量は、前記1つの緩衝位置が基づく計算値によって示されたストリップの理論上の長さよりも小さい。
【0033】
別の実施形態では、緩衝システムは、入力量を示す情報および/または出力量を示す情報を提供するための1つまたは複数のセンサを備える。
【0034】
別の実施形態では、入力量は、入力側におけるストリップの移動距離であり、出力量は、出力側におけるストリップの移動距離である。
【0035】
別の実施形態では、入力量を示す情報および/または出力量を示す情報は、緩衝システムの上流または下流の1つまたは複数のステーションに由来する1つまたは複数の制御パラメータを含む。
【0036】
さらなる実施形態では、緩衝部材はダンサーローラである。
【0037】
あるいは、緩衝システムは、第1のグループのフェスツナーローラおよび第2のグループのフェスツナーローラを保持するための第1のホルダおよび第2のホルダを有するフェスツナーを備え、緩衝部材は、第1のホルダおよび第2のホルダのうちの1つである。
【0038】
さらなる実施形態では、方法は、
-ストリップ内の張力を検知するステップと、
-ストリップ内の張力に基づいてある範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置に対する緩衝部材の位置を調整するステップと
をさらに含む。
【0039】
別の実施形態では、緩衝システムは、ストリップを緩衝部材に供給するための送り込みローラと、送り込みローラと緩衝部材との間の弛緩セクションとをさらに備え、方法は、前記弛緩セクション内のストリップの自由ループを受け入れるステップをさらに含む。
【0040】
第3の態様によれば、本発明は、プロセッサによって実行されると、本発明の第1の態様による緩衝システムに、本発明の第2の態様による方法のステップを実行させる命令を含む、コンピュータ実装発明、(非一時的)コンピュータ可読媒体、コンピュータ可読データキャリア、またはコンピュータプログラム製品を提供する。
【0041】
コンピュータプログラム製品は、緩衝システムとは別に、すなわち、制御ユニットに、または制御ユニットを介してインストールすることができるソフトウェアの形態で提供および/または販売されてもよい。
【0042】
第4の特許請求されていない態様によれば、本発明は、入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムを提供し、緩衝システムは、緩衝システムの緩衝容量を変更するためにある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に移動可能なダンサーローラと、前記緩衝方向に緩衝部材を移動させるためのサーボモータとを備える。サーボモータは、緩衝部材に直接作用して、ある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に前記緩衝部材を直線的に移動させることができる。その上、サーボモータは釣り合い重りを必要とせず、したがって、克服すべき慣性がかなり小さい。最後に、緩衝部材の重量によって生成された重力は、駆動力をさらに加えるために下方へのストロークに使用することができる。その結果、サーボ制御された緩衝部材は、従来の釣り合い重りで動作するダンサーローラよりもはるかに速く加速および減速することができる。
【0043】
本明細書に記載および図示された様々な態様および特徴は、可能な限り個別に適用することができる。これらの個別の態様、詳細には、添付の従属請求項に記載される態様および特徴は、分割特許出願の対象とすることができる。
【0044】
本発明は、添付の概略図に示された例示的な実施形態に基づいて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の第1の実施形態によるダンサーローラを備え、ダンサーローラが第1の緩衝位置にある緩衝システムの正面図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるダンサーローラを備え、ダンサーローラが第2の緩衝位置にある緩衝システムの正面図である。
図3】本発明の第2の実施形態によるフェスツナーを備え、フェスウツナーが第1の状態にある代替の緩衝システムの正面図である。
図4】本発明の第2の実施形態によるフェスツナーを備え、フェスウツナーが第2の状態にある代替の緩衝システムの正面図である。
図5図1および図2による緩衝システムを制御するための制御ユニットおよびメモリユニットの正面図である。
図6】本発明の第3の実施形態による、さらなる代替の緩衝システムの正面図の詳細である。
図7】本発明の第4の実施形態による、さらなる代替の緩衝システムの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1および図2は、緩衝システム1の入力側Aと出力側Bとの間のストリップSの長さを緩衝するための、本発明の第1の例示的な実施形態による前記緩衝システム1を示す。この具体例では、ストリップSは、アペックスストリップまたはアペックスフィラーストリップである。そのようなストリップSは、最終的にビードと組み合わされてビードアペックスアセンブリを形成し、タイヤ成形に使用される。ストリップSは、通常、緩衝システム1の上流の押出機によって押し出され、前記緩衝システム1の下流の切断ステーションである長さに切断される。押出機は、実質的に連続的な速度でストリップSを供給するように構成されるが、ストリップSは、正確な切断のために切断ステーションで繰り返し停止する。したがって、緩衝システム1の入力は実質的に連続および/または一定であり、出力は不連続および/または起動と停止の繰り返しである。緩衝システム1は、前記連続入力と不連続出力との間で可変長のストリップSを緩衝するように配置される。
【0047】
図1および図2に示されたように、緩衝システム1は、ある範囲の緩衝位置P1、P2、特に、図1に示された第1の緩衝位置P1、および図2に示された第2の緩衝位置P2に沿って緩衝方向Zに移動可能な緩衝部材2を備える。緩衝部材2は、好ましくは、図示されたように緩衝位置P1、P2の間の任意の緩衝位置に無段階に配置可能である。この例では、緩衝方向Zは垂直または実質的に垂直である。ある範囲の緩衝位置P1、P2からのすべての緩衝位置P1、P2において、緩衝部材2は、緩衝システム1の異なる緩衝容量を画定することが諒解されよう。
【0048】
この例示的な実施形態では、緩衝部材2はダンサーローラ2である。ダンサーローラ2は受動的に回転してもよく、またはその回転は、ダンサーローラ2におけるストリップSの速度と一致するように能動的に制御されてもよい。
【0049】
緩衝システム1は、緩衝方向Zに緩衝部材2を移動させるための緩衝駆動装置5をさらに備える。この例では、緩衝駆動装置5は、サーボモータ50であるか、またはサーボモータ50を備える。サーボモータ50は、緩衝方向Zへの緩衝部材2の移動を直線的に駆動するように配置される。詳細には、サーボモータ50は、緩衝部材2に直接係合する。
【0050】
緩衝システム1は、供給コンベヤ10と、例えば、入力側Aにおいて緩衝システム1内に移動するストリップSのメートル量で表される入力量V1で、入力側Aにおいて緩衝部材2に向かってストリップSを供給するための、前記供給コンベヤ10のすぐ下流の1つまたは複数の送り込みローラ11、12とをさらに備える。緩衝システム1は、例えば、出力側Bにおいて緩衝システム1から移動するストリップSのメートル量で同様に表される出力量V2で、出力側Bにおいてダンサーローラ2から離れるようにストリップSを供給するための1つまたは複数の送り出しローラ13、14をさらに備える。入力コンベヤ10、1つまたは複数の送り込みローラ11、12、および1つまたは複数の送り出しローラ13、14の位置は固定されている。
【0051】
ストリップSは、入力側Aと出力側Bとの間の緩衝システム1の構成要素の相対位置、入力側AでのストリップSの入力量V1、および出力側BでのストリップSの出力量V2によって画定される理論上の長さLを有する、入力側Aと出力側Bとの間の緩衝システム1を通る経路を移動する。すべては、入力側Aおよび出力側Bがどこに置かれるかに依存する。この例では、入力側Aは、1つまたは複数の入力ローラ11、12の上流の供給コンベヤ10の端部に位置し、出力側Bは、1つまたは複数の出力ローラ13、14の下流に位置する。あるいは、入力側Aおよび出力側Bは、さらに上流または下流に位置することができる。しかしながら、経路は、緩衝方向Zへの緩衝部材2の移動の結果として可変である理論上の長さLのセクションを少なくとも含むべきである。
【0052】
理論上の長さLは、理論的に、すなわち、図5に示されたように緩衝システム1の理論モデルMを用いて定義することができる。理論モデルは、緩衝システム1のグラフ表示、コンピュータシミュレーション、1つもしくは複数の式、またはそれらの組合せであってもよい。この場合、理論モデルは、以下、「入力長F1」と呼ばれる、1つまたは複数の送り込みローラ11、12に沿ってストリップSが移動した固定長、以下、「出力長F2」と呼ばれる、1つまたは複数の送り出しローラ13、14に沿ってストリップSが移動した固定長、および1つまたは複数の送り込みローラ11、12と1つまたは複数の送り出しローラ13、14との間で、すなわち、緩衝部材2に沿ってストリップSが移動した可変長L1、L2の合計として理論上の長さLを計算する式を含む。
【0053】
したがって、この特定の例では、ストリップSの理論上の長さLの式は次のようになる。
【数1】
【0054】
入力長F1および出力長F2は固定なので、それらは事前に決定することができる。
【0055】
可変長L1、L2は、いくつかのパラメータ、この場合、
-緩衝部材2のすぐ上流の入力ローラ12および緩衝部材2のすぐ下流の出力ローラ13に対する緩衝部材2の緩衝位置P1、P2の距離によって画定される第1の緩衝長セクションL1、および
-緩衝部材2に沿ってストリップSが移動する固定アーク長によって画定される第2の緩衝長セクションL2
を含んでもよい。
【0056】
この例では、アークは実質的に半円であるため、アーク長は固定である。したがって、第2の緩衝長セクションL2は、
【数2】
のように決定することができ、ここで、「radius」は緩衝部材2の半径である。
【0057】
第1の緩衝長セクションL1は、理論上の長さの唯一の可変部分であり、基準値R、例えば、緩衝の開始時のストリップSの理論上の長さLに対する、入力側AでのストリップSの入力量V1および出力側BでのストリップSの出力量V2の変化の累積効果ΣEに依存する。累積効果ΣEは、第1の緩衝長セクションL1の2つのインスタンスにわたって分割される。したがって、第1の緩衝長セクションL1は、
【数3】
のように決定することができ、ここで、Rは基準値であり、ΣEは、基準値Rに対する入力量V1および出力量V2の変化の累積効果である。
【0058】
あるいは、基準値Rは、直近に計算された理論上の長Lと一致するように周期ごとに更新することができ、その場合、式における基準値Rに対する入力側AでのストリップSの入力量V1および出力側BでのストリップSの出力量V2の変化の効果Eは、累積的である必要はない。
【0059】
緩衝システム1は、構成、相対的な配置、および構成要素の数において多くの変動を被る可能性があり、それらの各々は、前述された理論モデルMとは異なる理論モデルをもたらすことが当業者には諒解されよう。理論モデルMは、例示的な一実施形態の動作を説明するために含まれているにすぎず、決して本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
【0060】
図5に概略的に示されたように、緩衝システム1は、緩衝部材2の移動を制御するために緩衝駆動装置5に動作可能および/または電子的に接続された制御ユニット6、すなわちプロセッサを備える。緩衝システム1には、制御ユニット6に動作可能および/または電子的に接続されたメモリユニット7がさらに設けられる。メモリユニット7は、緩衝システム1の理論モデルMを、制御ユニット6によってロード、処理、および/または実行することができるように記憶することができる。
【0061】
図1および図2に示されたように、緩衝システム1には、制御ユニット6に動作可能および/または電子的に接続された1つまたは複数のセンサ81、82がさらに設けられる。この例では、1つまたは複数のセンサ81、82は、緩衝システム1の入力側Aまたはその近くに配置されて、前記入力側Aまたはその近くでストリップSの入力量V1を測定または検出する第1のセンサ81と、緩衝システム1の出力側Bまたはその近くに配置されて、前記出力側Bまたはその近くでストリップSの出力量V2を測定または検出する第2のセンサ82とを備える。第1のセンサ81は、例えば、供給コンベヤ10または1つもしくは複数の入力ローラ11、12のうちの1つに結合されたエンコーダであってもよい。第2のセンサ82は、例えば、1つまたは複数の出力ローラ13、14のうちの1つに結合されたエンコーダであってもよい。エンコーダは、緩衝システム1の内外へのストリップSの移動量、すなわち、移動単位ごとのパルスの形態の移動量を正確に検出することができる。
【0062】
あるいは、第1のセンサ81および/または第2のセンサ82は、入力量V1および/または出力量V2を示すパラメータ、すなわち、ストリップS上を転がる光センサまたはホイールを検出するのに適した任意の他のタイプのセンサであってもよい。さらなる代替の実施形態では、センサ81、82の一方または両方は、緩衝システム1の上流または下流の1つまたは複数のステーションからの入力量V1および出力量V2を示すそれらの情報、例えば、上流の押出機の押出機パラメータまたは下流の切断ステーションの切断パラメータを導出することができる。
【0063】
第1のセンサ81および第2のセンサ82は、入力量V1を示す情報および出力量V2を示す情報を、それぞれ、制御データDの形態で制御ユニット6に送信、伝送、または提供するように構成される。
【0064】
制御ユニット6は、制御データDを受信または収集し、前記制御データDに基づいて、任意の所与の時間に緩衝位置P1、P2を前記入力側Aと前記出力側Bとの間のストリップSの理論上の長さLと一致させながら、入力側Aと出力側Bとの間のストリップSの長さを緩衝するための方法を緩衝システム1に実行させるように構成される。方法は、より詳細に以下に記載される。
【0065】
制御ユニット6は、1つまたは複数のセンサ81、82から制御データDを受信するように事前構成、プログラム、配置、または構成される。制御ユニット6は、前記制御データDに基づいて、入力側Aと出力側Bとの間の緩衝システム1内のストリップSの理論上の長さLを示す計算値Nを計算または生成するようにさらに事前構成、プログラム、配置、または構成される。計算値Nは、例えば、以下のように表される理論上の長さL自体であってもよい。
【数4】
【0066】
あるいは、計算値Nは、理論上の長さLを決定するために直接的または間接的に使用することができるパラメータであってもよい。計算値Nはまた、例えば、理論上の長さLに対する入力量V1および/または出力量V2の変化の効果であってもよい。緩衝部材2の移動は、効果の一次関数として制御されてもよく、すなわち、入力量V1が出力量V2よりも高いとき、累積効果ΣEが第1の緩衝長セクションL1の2つのインスタンスにわたって分割されるので、緩衝部材2は、量V1、V2の間の差に対して所定の比率、例えば1:2の比率で移動する。
【0067】
詳細には、理論モデルMは、制御ユニット6によって実行されると、制御データDの関数として計算値Nを出力するように構成される。
【0068】
制御ユニット6は、計算値Nに基づいて、ある範囲の緩衝位置P1、P2から1つの緩衝位置P1、P2に緩衝部材2を配置するように緩衝駆動装置5を制御するようにさらに事前構成、プログラム、配置、または構成される。より詳細には、理論モデルMは、制御ユニット6によって実行されると、ストリップSの理論上の長さLと一致する緩衝容量を提供するある範囲の緩衝位置P1、P2から前記1つの緩衝位置P1、P2を示す位置値Pを出力するようにさらに構成される。位置値Pは、それに応じて緩衝部材2の緩衝位置P1、P2を制御するために、制御ユニット6によって緩衝駆動装置5に送信される。
【0069】
位置値Pは、第1の緩衝長セクションL1の値に基づくか、それから導出されるか、またはそれに等しくてもよい。位置値Pは、以下のように表すことができる。
【数5】
【0070】
あるいは、メモリユニット7は、図5に示されたようにテーブルTを記憶する。テーブルTは、それぞれの緩衝位置P1、P2における緩衝システム1の緩衝容量を示す所定値Xのリストと相互参照されるある範囲の緩衝位置P1、P2を示す位置値Pのリストを含んでもよい。制御ユニット6は、ストリップSの理論上の長さLと最もよく一致する所定値Xのリストからの所定値Xに基づいて、位置値Pのリストから1つの位置値Pを選択するように構成される。位置値Pは、それに応じて緩衝部材2の緩衝位置P1、P2を制御するために、制御ユニット6によって緩衝駆動装置5に送信される。
【0071】
制御ユニット6は、理論モデルMを周期的に実行するように配置される。好ましくは、周期は、結果として生じる緩衝部材2の移動制御がほぼ連続的または無段階として知覚され得るような頻度で繰り返される。
【0072】
特定の一実施形態では、1つの緩衝位置P1、P2に対応する緩衝容量は、前記1つの緩衝位置P1、P2が基づく計算値Nによって示されたストリップSの理論上の長さLよりも小さくなるように制御される。好ましくは、緩衝容量は、理論上の長さLの0~2パーセント、より好ましくは、0~1パーセントの範囲で理論上の長さLよりも小さくなるように制御される。このように、緩衝システム1内のストリップSの緩みを防止するために、ストリップSをわずかに伸ばすことができる。好ましくは、伸長量は一定または実質的に一定に保たれる。
【0073】
方法の前述のステップは、制御ユニット6によって実行されると緩衝システム1を前述のように動作させる命令を含む、ソフトウェア、コンピュータ実装発明、(非一時的)コンピュータ可読媒体、コンピュータ可読データキャリア、またはコンピュータプログラム製品に取り込むことができる。
【0074】
図3および図4は、本発明の第2の例示的な実施形態による代替の緩衝システム101を示し、それは、代替の緩衝システム101がダンサーローラの代わりにフェスツナーを備えるという点で前述の緩衝システム1とは異なる。フェスツナーには、第1のグループのフェスツナーローラ120および第2のグループのフェスツナーローラ130を保持するための第1のホルダ102および第2のホルダ103が設けられる。ホルダ102、103のうちの少なくとも一方は、緩衝方向Zにホルダ102、103のうちの他方に接近および離間して、代替の緩衝システム101の緩衝容量を変更することができる。この例では、両方のホルダ102、103は、互いに接近および離間する反対方向に移動可能である。ストリップSは、第1のグループのフェスツナーローラ120および第2のグループのフェスツナーローラ130に沿って交互に通って、フェスツナーを通る蛇行経路を辿るように構成される。
【0075】
前述の緩衝システム1と同様に、代替の緩衝システム101は、それぞれ、入力側Aおよび出力側Bでの固定入力長F1および固定出力長F2を画定する1つまたは複数の送り込みローラ111および1つまたは複数の送り出しローラ112を備える。1つまたは複数の送り込みローラ111と1つまたは複数の送り出しローラ112との間は、より興味深いものとなる。
【0076】
詳細には、ストリップSは、複数の、正確には6つの第1の緩衝長セクションL1、複数の、正確には7つの第2の緩衝長セクションL2、および2つの第3の緩衝長セクションL3を有する経路に沿って蛇行する。第1の緩衝長セクションL1の長さは、第1のホルダ102と第2のホルダ103との間の距離によって画定される。第2の緩衝長セクションL2の長さは、やはり半円アークに等しい。第3の緩衝長セクションL3の長さは、第1のホルダ102の位置と基準高さH、この例では、1つまたは複数の送り込みローラ111および1つまたは複数の送り出しローラ112の高さとの間の距離によって画定される。
【0077】
ストリップSの理論上の長さLの式はこのようになる。
【数6】
【0078】
累積効果ΣEは、第1の緩衝長セクションL1の6つのインスタンスにわたって分割される。したがって、第1の緩衝長セクションL1は、以下のように決定することができる。
【数7】
【0079】
ここでも、上記の式は、代替の緩衝システム101向けの理論モデルの可能な実装形態を示すために提供されているにすぎず、決して本発明の範囲を限定するものではない。
【0080】
決定された第1の緩衝長セクションL1は、ホルダ102、103の少なくとも一方または両方の位置を制御するために使用することができる。ホルダ102、103の一方、例えば、第1のホルダ102のみが移動する場合、位置値Pは第1の緩衝長セクションL1に直接基づいてもよい。両方のホルダ102、103が移動する場合、それに応じてホルダ102、103の緩衝位置P1、P2を制御するために、ホルダ102、103ごとに1つずつ、2つの位置値が計算されなければならない。
【0081】
図6は、本発明の第3の例示的な実施形態によるさらなる代替の緩衝システム201を示し、それは、さらなる代替の緩衝システム201内のストリップSの長さに沿ってストリップSの張力を測定するための張力センサ215をさらに備えるという点においてのみ、本発明の第1の例示的な実施形態による緩衝システム1とは異なる。この例では、張力センサ215は、ストリップSの張力に応じて可変の向きでストリップSの一部に当接する機械フィンガである。詳細には、フィンガまたはアームには、ストリップSの一部に接触し、かつ/または転がすための検知ローラが設けられている。この例では、フィンガは、ローラ12、13、14のうちの1つ、特に送り出しローラ13、14のうちの1つにヒンジ止めされている。2つの位置センサ221、222。2つの位置センサ221、222は、2つの位置センサ221、222のそれぞれの位置と交差する2つの位置または向きにおける機械フィンガの有無を示す信号を生成するように構成される。位置センサ221、222は、制御ユニット6に電子的、動作的、および/または機能的に接続される。あるいは、張力センサ215のヒンジ点にエンコーダが設けられてもよく、または張力センサ215自体は、ストリップSの張力を直接的または間接的に示す信号を生成するように構成されてもよい。
【0082】
この例示的な実施形態では、第1の位置センサ221は、ストリップSの張力増大を示す機械フィンガの動きまたは位置を検出することができ、第2の位置センサ222は、張力減少を示す機械フィンガの動きまたは位置を検出することができる。第2の位置センサ222はまた、ストリップSがもはや連続していないとき、またはさらなる代替の緩衝システム201から抜け出したときにのみトリガされるように配置されてもよい。
【0083】
ストリップSの理論的長さLを示す計算値Nに基づいて緩衝位置P1、P2のうちの1つに緩衝部材2を配置することにかかわらず、ストリップSの張力を示す信号は、理論上の長さLの計算値Nに基づいて緩衝部材2が移動する1つの緩衝位置に対する緩衝部材2の位置をさらに調整、補正、または微調整するために使用することができる。張力に基づく緩衝部材2の位置のさらなる調整は、例えば、張力の望ましくない変動を相殺し、数回の供給周期にわたる張力の蓄積を防止し、または後続の切断動作の前もしくは間にストリップSの張力を低減するために使用されてもよい。さらなる調整は、ストリップSの供給ストロークの開始時もしくは終了時に、すなわち、ストリップSが静止しているときに、またはさらなる代替の緩衝システム201を介したストリップSの供給中に1つもしくは複数の間隔で実行することができる。
【0084】
図7は、本発明の第4の例示的な実施形態によるさらなる代替の緩衝システム301を示し、それは、入力側Aおよび出力側Bがサイドを切り替えたという点で、第1の例示的な実施形態による緩衝システム1とは異なる。その結果、ストリップSは、さらなる代替の緩衝システム301を通って反対方向に供給される。したがって、以前に「送り込みローラ」と呼ばれたローラは今や送り出しローラ311、312であり、一方、以前に「送り出しローラ」と呼ばれたローラは送り込みローラ314である。したがって、第1のセンサ81は今や出力側Bまたはその近くに配置され、第2のセンサ82は今や入力側Aまたはその近くに配置される。ストリップSの理論上の長さLについての計算値Nに基づく緩衝部材2の制御は、依然として実質的に同じ方法で機能することができることは当業者には明らかであろう。
【0085】
この例では、さらなる代替の緩衝システム301は、緩衝部材2に隣接するローラのうちの1つ、この例では送り込みローラのうちの1つが存在しないという点で、図1の緩衝システム1とはさらに異なる。代わりに、さらなる代替の緩衝システム301は、緩衝部材2への入力側Aまたはその近くで送り込みローラ314からストリップSを受け取り、緩衝部材2への自由ループを介して前記ストリップSを供給するための弛緩セクション300を画定する。これは、ストリップ内の任意の残りの張力が、弛緩セクション300内のストリップSの自由ループ内で相殺または吸収することができるという技術的な利点を有する。さらなる代替の緩衝システム301の理論モデルMは、前記弛緩セクション300内のストリップSの送り込み長さF1を除外するように、または前記送り込み長さF1が固定値を有すると想定するように適合されてもよい。
【0086】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれ、本発明の範囲を限定することを意味しないことを理解されたい。上記の説明から、本発明の範囲によってさらに包含されるはずの多くの変形形態が当業者には明らかになる。
【符号の説明】
【0087】
1 緩衝システム
10 供給コンベヤ
11 送り込みローラ
12 送り込みローラ
13 送り出しローラ
14 送り出しローラ
2 緩衝部材/ダンサーローラ
4 ガイド
5 緩衝駆動装置
50 サーボモータ
6 制御ユニット
7 メモリユニット
81 第1のセンサ
82 第2のセンサ
101 代替の緩衝システム
111 送り込みローラ
112 送り出しローラ
102 第1のホルダ/緩衝部材
120 フェスツナーローラ
103 第2のホルダ
130 フェスツナーローラ
201 さらなる代替の緩衝システム
215 張力センサ
221 第1の位置センサ
222 第2の位置センサ
300 弛緩セクション
301 さらなる代替の緩衝システム
310 出力コンベヤ
311 送り出しローラ
312 送り出しローラ
314 送り込みローラ
A 入力側
B 出力側
D 制御データ
E(累積)効果
F1 入力長
F2 出力長
H 入力高さ/出力高さ
L 理論上の長さ
L1 第1の緩衝長セクション
L2 第2の緩衝長セクション
L3 第3の緩衝長セクション
M 理論モデル
N 計算値
P 位置値
P1 第1の緩衝位置
P2 第2の緩衝位置
P101 第1の緩衝位置
P102 第2の緩衝位置
R 基準値
S ストリップ
T テーブル
V1 入力量
V2 出力量
X 所定値
Z 緩衝方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための緩衝システムであって、
前記緩衝システムが、前記緩衝システムの緩衝容量を変更するためにある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に移動可能な緩衝部材と、前記緩衝部材を前記緩衝方向に移動させるための緩衝駆動装置と、前記緩衝駆動装置に動作可能に接続された制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットが、前記入力側での前記ストリップの入力量を示す情報および前記出力側での前記ストリップの出力量を示す情報を有する制御データを受信し、前記制御データに基づいて、前記入力側と前記出力側との間の前記緩衝システム内の前記ストリップの理論上の長さを示す計算値を生成するように構成され、
前記制御ユニットが、前記計算値に基づいて前記範囲の緩衝位置から1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するように前記緩衝駆動装置を制御するようにさらに構成されている、
緩衝システム。
【請求項2】
前記緩衝システムが、前記制御ユニットに動作可能に接続されたメモリユニットをさらに備え、前記メモリユニットが、前記緩衝システムの理論モデルを記憶し、前記理論モデルが、前記制御ユニットによって実行されると、前記制御データの関数として前記計算値を出力するように構成されている、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項3】
前記計算値が、前記ストリップの前記理論上の長さである、
請求項2に記載の緩衝システム。
【請求項4】
前記メモリユニットが、前記ストリップの前記理論上の長さについての基準値を記憶するように構成され、前記計算値が、前記基準値に対する前記制御データの効果である、
請求項2に記載の緩衝システム。
【請求項5】
前記制御ユニットが、周期的に前記理論モデルを実行するように配置され、前記基準値が、最初の周期の開始時に定義され、後続の周期中は同じままであり、前記計算値が、各周期後の前記基準値に対する前記制御データの累積効果である、
請求項4に記載の緩衝システム。
【請求項6】
前記制御ユニットが、周期的に前記理論モデルを実行するように配置され、前記基準値が、最初の周期の開始時に定義され、後続の周期ごとに、前記基準値が、前の周期の前記基準値と前記基準値に対する前記制御データの前記効果の和である、
請求項4に記載の緩衝システム。
【請求項7】
前記理論モデルが、前記制御ユニットによって実行されると、前記ストリップの前記理論上の長さと一致する前記緩衝容量を提供する前記範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置を示す位置値を出力するようにさらに構成され、前記制御ユニットが、前記位置値に対応する前記1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するように前記緩衝駆動装置を制御するように構成されている、
請求項2に記載の緩衝システム。
【請求項8】
前記メモリユニットが、前記それぞれの緩衝位置における前記緩衝システムの前記緩衝容量を示す所定値のリストと相互参照される前記範囲の緩衝位置を示す位置値のリストを記憶し、前記制御ユニットが、前記ストリップの前記理論上の長さと最もよく一致する所定値の前記リストからの前記所定値に基づいて、位置値の前記リストから1つの位置値を選択するように構成され、前記制御ユニットが、前記1つの位置値に対応する前記1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するように前記緩衝駆動装置を制御するように構成されている、
請求項2に記載の緩衝システム。
【請求項9】
前記1つの緩衝位置に対応する前記緩衝容量が、前記1つの緩衝位置が基づく前記計算値によって示された前記ストリップの前記理論上の長さよりも小さい、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項10】
前記入力量が、前記入力側における前記ストリップの前記移動距離であり、前記出力量が、前記出力側における前記ストリップの前記移動距離である、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項11】
前記緩衝システムが、前記入力量を示す前記情報または前記出力量を示す前記情報を前記制御ユニットに提供するために前記制御ユニットに動作可能に接続された1つまたは複数のセンサを備える、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項12】
前記1つまたは複数のセンサがエンコーダを備える、
請求項11に記載の緩衝システム。
【請求項13】
前記入力量を示す前記情報または前記出力量を示す前記情報が、前記緩衝システムの上流または下流の1つまたは複数のステーションに由来する1つまたは複数の制御パラメータを含む、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項14】
前記緩衝部材がダンサーローラである、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項15】
前記緩衝システムが、第1のグループのフェスツナーローラおよび第2のグループのフェスツナーローラを保持するための第1のホルダおよび第2のホルダを有するフェスツナーを備え、前記緩衝部材が、前記第1のホルダおよび前記第2のホルダのうちの1つである、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項16】
前記緩衝駆動装置がサーボモータを備える、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項17】
前記緩衝システムが、前記ストリップ内の張力を検知するための張力センサをさらに備える、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項18】
前記緩衝システムが、前記ストリップを前記緩衝部材に供給するための送り込みローラと、前記ストリップの自由ループを受け入れるための前記送り込みローラと前記緩衝部材との間の弛緩セクションとをさらに備える、
請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項19】
緩衝システムの入力側と出力側との間のストリップの長さを緩衝するための方法であって、前記緩衝システムが、前記緩衝システムの緩衝容量を変更するためにある範囲の緩衝位置に沿って緩衝方向に移動可能な緩衝部材を備え、前記方法が、
-前記入力側での前記ストリップの入力量を示す情報および前記出力側での前記ストリップの出力量を示す情報を有する制御データを収集するステップと、
-前記制御データに基づいて、前記入力側と前記出力側との間の前記緩衝システム内の前記ストリップの理論上の長さを示す計算値を生成するステップと、
-前記計算値に基づいて前記範囲の緩衝位置から1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するステップとを含む、
方法。
【請求項20】
前記方法が、
-前記緩衝システムの理論モデルを提供するステップと、
-前記理論モデルを実行するステップとをさらに含み、
前記理論モデルが、前記制御データの関数として前記計算値を出力する、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記計算値が、前記ストリップの前記理論上の長さである、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、
-前記ストリップの前記理論上の長さについての基準値を記憶するステップ
をさらに含み、
前記計算値が前記基準値に対する前記制御データの前記効果である、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、
-周期的に前記理論モデルを実行するステップと、
-最初の周期の開始時に前記基準値を定義するステップとをさらに含み、
前記基準値が後続の周期中は同じままであり、前記計算値が、各周期後の前記基準値に対する前記制御データの累積効果である、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、
-周期的に前記理論モデルを実行するステップと
-最初の周期の開始時に前記基準値を定義するステップとをさらに含み、
後続の周期ごとに、前記基準値が、前の周期の前記基準値と前記基準値に対する前記制御データの前記効果の和である、
請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記理論モデルが、実行されると、前記ストリップの前記理論上の長さと一致する前記緩衝容量を提供する前記範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置を示す位置値を出力し、前記方法が、前記位置値に対応する前記1つの緩衝位置に前記緩衝部材を配置するステップを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、
-前記それぞれの緩衝位置における前記緩衝システムの前記緩衝容量を示す所定値のリストと相互参照される前記範囲の緩衝位置を示す位置値のリストを記憶するステップと、
-前記ストリップの前記理論上の長さと最もよく一致する所定値の前記リストからの前記所定値に基づいて、位置値の前記リストから1つの位置値を選択するステップとをさらに含み、
前記緩衝部材が、前記1つの位置値に対応する前記1つの緩衝位置に配置される、
請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記1つの緩衝位置に対応する前記緩衝容量が、前記1つの緩衝位置が基づく前記計算値によって示された前記ストリップの前記理論上の長さよりも小さい、
請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記入力量が、前記入力側における前記ストリップの前記移動距離であり、前記出力量が、前記出力側における前記ストリップの前記移動距離である、
請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記緩衝システムが、前記入力量を示す前記情報または前記出力量を示す情報を提供するための1つまたは複数のセンサを備える、
請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記入力量を示す前記情報または前記出力量を示す前記情報が、前記緩衝システムの上流または下流の1つまたは複数のステーションに由来する1つまたは複数の制御パラメータを含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記緩衝部材がダンサーローラである、
請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記緩衝システムが、第1のグループのフェスツナーローラおよび第2のグループのフェスツナーローラを保持するための第1のホルダおよび第2のホルダを有するフェスツナーを備え、前記緩衝部材が、前記第1のホルダおよび前記第2のホルダのうちの1つである、
請求項19に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が、
-前記ストリップ内の張力を検知するステップと、
-前記ストリップ内の前記張力に基づいて前記範囲の緩衝位置から前記1つの緩衝位置に対する前記緩衝部材の前記位置を調整するステップと
をさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項34】
前記緩衝システムが、前記ストリップを前記緩衝部材に供給するための送り込みローラと、前記送り込みローラと前記緩衝部材との間の弛緩セクションとをさらに備え、前記方法が、前記弛緩セクション内の前記ストリップの自由ループを受け入れるステップをさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項35】
プロセッサによって実行されると、
請求項1に記載のバッファシステムに、
請求項19に記載の方法のステップを実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】