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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(54)【発明の名称】電荷の検出及び量子化
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/92 20060101AFI20230616BHJP
【FI】
G01N27/92 E
G01N27/92 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562925
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021025390
(87)【国際公開番号】W WO2021225727
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/020,609
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/199,870
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517318263
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤマモト、ユージーン トヨナリ
(72)【発明者】
【氏名】シャーマー、スコット アラン
(72)【発明者】
【氏名】ハッチンソン、アンドリュー ウォルター
【テーマコード(参考)】
2G041
【Fターム(参考)】
2G041NA08
2G041NA10
(57)【要約】

方法は、誘電体材料内に構成された導電性素子からの出力信号を受信することを含む。導電性素子は、導電性素子に印加された入力電圧を有し得、出力信号は、印加された入力電圧に応答して、導電性素子と誘電体材料との間のギャップを横切って放電される電荷を示す複数の信号振幅を含み得る。この方法はまた、電荷特徴付けデータを決定し、かつ導電性素子及び/又は誘電体材料の材料及び幾何形状を分類することを含み得る。分類は、導電性素子及び/又は誘電体材料の動作状態を含み得る。関連するシステム、装置、及び非一時的コンピュータ可読媒体も記載されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
誘電体材料内に構成された導電性素子からの出力信号であって、前記導電性素子が、前記導電性素子に印加された入力電圧を有し、前記出力信号が、前記印加された入力電圧に応答して、前記導電性素子と前記誘電体材料との間のギャップを横切って放電される電荷を示す複数の信号振幅を含む、出力信号を受信し、
前記複数の信号振幅に基づいて、前記導電性素子によって放出された前記電荷に対応する電荷特徴付けデータを決定し、かつ
前記電荷特徴付けデータに基づいて、前記導電性素子及び/又は前記誘電体材料の材料及び幾何形状を分類することを含み、前記分類することが、前記導電性素子及び/又は前記誘電体材料の動作状態を識別することを含む、方法。
【請求項2】
前記電荷特徴付けデータが、前記電荷の大きさ、及び所定の期間内に発生する前記電荷の分布のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電荷の前記大きさを決定することが、所定の範囲の間である、前記出力信号の信号振幅を識別することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電荷の前記分布を決定することが、
前記所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の数を決定し、かつ
前記電荷の前記決定された大きさに関して、所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数を提供することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電荷の前記分布を決定することが、
前記所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数の移動平均を決定し、かつ
前記電荷の前記決定された大きさに関して、前記所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数の前記移動平均を提供することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電荷の前記分布を決定することが、
前記電荷の前記決定された大きさに対応する複数の閾値を決定し、かつ
前記複数の閾値に関して、所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数を提供することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記導電性素子が、摂氏150度以上の高温環境内で構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記導電性素子に印加される前記入力電圧が、1600V以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記誘電体材料内に構成された前記導電性素子が、ガンマセンサに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記誘電体材料の前記幾何形状を分類することが、前記誘電体材料の形状及びサイズを分類することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記導電性素子及び/又は前記誘電体材料の前記材料及び前記幾何形状を分類することが、動作可能な導電性素子及び欠陥のある導電性素子のうちの1つとして前記導電性素子を分類することを含み、かつ/又は前記誘電体材料を分類することが、動作している誘電体材料及び欠陥のある誘電体材料のうちの1つとして前記誘電体材料を分類することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記電荷特徴付けデータが、前記印加された入力電圧に応答して前記導電性素子によって放出されたコロナ放電又はアーク放電を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
システムであって、
高電圧源と、
導体を含み、前記高電圧源に結合された導電性素子であって、前記導電性素子が誘電体材料内に構成されている、導電性素子と、
前記導電性素子に結合されたコンピューティングデバイスと、を備え、前記コンピューティングデバイスが、少なくとも1つのデータプロセッサと、命令を記憶するメモリと、を含み、前記命令が、前記少なくとも1つのデータプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのデータプロセッサに、
前記誘電体材料内に構成された前記導電性素子からの出力信号であって、前記導電性素子が、前記高電圧源から前記導電性素子に印加された入力電圧を有し、前記出力信号が、前記印加された入力電圧に応答して、前記導電性素子と前記誘電体材料との間のギャップを横切って放電される電荷を示す複数の信号振幅を含む、出力信号を受信し、
前記複数の信号振幅に基づいて、前記導電性素子によって放出された前記電荷に対応する電荷特徴付けデータを決定し、かつ
前記電荷特徴付けデータに基づいて、前記導電性素子及び/又は前記誘電体材料の材料及び幾何形状を分類することを含む動作を行わせる、システム。
【請求項14】
前記電荷特徴付けデータが、前記電荷の大きさ、及び所定の期間内に発生する前記電荷の分布のうちの1つを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記電荷の前記大きさを決定することが、所定の範囲の間である、前記出力信号の信号振幅を識別することを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記電荷の前記分布を決定することが、
所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の数を決定し、かつ
前記電荷の前記決定された大きさに関して、所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数を提供することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記電荷の前記分布を決定することが、
前記所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数の移動平均を決定し、かつ
前記電荷の前記決定された大きさに関して、前記所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数の前記移動平均を提供することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記電荷の前記分布を決定することが、
前記電荷の前記決定された大きさに対応する複数の閾値を決定し、かつ
前記複数の閾値に関して、所定の期間内に発生する前記識別された信号振幅の前記数を提供することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記導電性素子が、摂氏150度以上の高温環境内で構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
プログラム命令を包含する機械可読記憶媒体であって、前記命令が、実行されると、1つ以上のプロセッサに、
誘電体材料内に構成された導電性素子からの出力信号であって、前記導電性素子が、前記導電性素子に印加された入力電圧を有し、前記出力信号が、前記印加された入力電圧に応答して、前記導電性素子と前記誘電体材料との間のギャップを横切って放電される電荷を示す複数の信号振幅を含む、出力信号を受信し、
前記複数の信号振幅に基づいて、前記導電性素子によって放出された前記電荷に対応する電荷特徴付けデータを決定し、かつ
前記電荷特徴付けデータに基づいて、前記導電性素子及び/又は前記誘電体材料の材料及び幾何形状を分類する前記方法を行わせ、前記分類することが、前記導電性素子及び/又は前記誘電体材料の動作状態を識別することを含む、機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2020年5月6日に出願された米国特許仮出願第63/020,609号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
センサなどの電気部品は、絶縁性の誘電体材料内に構成された電気的導電性素子を含むことができる。電気部品は、製造時及び/又は動作使用中に起因する欠陥を含む場合がある。診断されていない欠陥は、電気部品が動作不能になることを引き起こし得、結果として、電気部品を包含する構成要素、機械、又はシステムが故障し、歩留まりの低下、コスト、及び品質の問題をもたらすことを引き起こし得る。電気部品の欠陥は、特に高温及び高電圧条件で構成されている構成要素、機械、又はシステム内にノイズを生成し得る。高温及び高電圧条件において電気部品から放出される電荷などの欠陥を診断することは、電気部品、及びそれらが構成されている構成要素、機械、及び/又はシステムが適切に機能することを確実にするための重要な安全性及び品質管理要件であり得る。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、方法は、誘電体材料内に構成された導電性素子からの出力信号を受信することを含む。導電性素子は、導電性素子に印加された入力電圧を有し得、出力信号は、印加された入力電圧に応答して導電性素子によって放出される電荷を示す複数の信号振幅を含み得る。この方法はまた、導電性素子と誘電体材料との間のギャップを横切って放電された電荷に対応する電荷特徴付けデータを決定することを含み得る。決定は、複数の信号振幅に基づくことができる。この方法は、電荷特徴付けデータに基づいて、導電性素子及び/又は誘電体材料の材料及び幾何形状を分類することを更に含み得る。分類は、導電性素子及び/又は誘電体材料の動作状態を識別することを含み得る。
【0004】
命令を記憶する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載されており、命令は、1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに、本明細書に記載の動作を行わせる。同様に、1つ以上のデータプロセッサ及び1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリを含み得るコンピュータシステムも記載されている。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を行わせる命令を一時的又は永続的に記憶し得る。加えて、方法は、1つ以上のデータプロセッサによって、単一のコンピューティングシステム内か、又は2つ以上のコンピューティングシステム間に分散されるか、のいずれかで実装され得る。このようなコンピューティングシステムは、接続され得、かつネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続を含む1つ以上の接続、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接接続などを経由して、データ及び/若しくはコマンド又は他の命令などを交換し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
図1】本発明の主題のいくつかの実装態様による、電気部品の導電性素子及び/又は誘電体材料を分類するための例示的なプロセスを示す。
図2】本発明の主題のいくつかの実装態様による、導電性素子及び誘電体材料を含む例示的な電気部品のブロック図を示す。
図3】本発明の主題のいくつかの実装態様による、例示的な電荷診断システムのブロック図を示す。
図4】本発明の主題のいくつかの実装態様による、図3の電荷診断システムに含まれる例示的な電荷感知前置増幅器の概略図を示す。
図5】本発明の主題のいくつかの実装態様による、電気部品の電荷の大きさ及び電荷分布のプロットを示す。
図6】本発明の主題のいくつかの実装態様による、複数の電気部品と関連付けられた複数の電荷分布に適用される複数の閾値のプロットを示す。
【0006】
図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
電荷の検出及び量子化は、電気部品及びそれらの絶縁体の品質を評価する際に重要な要件であり得る。電気部品内に構成された導電性素子によって放出される電荷は、パルスとして放出され得、導電性素子を介して伝達される電気信号にノイズを引き起こす可能性がある。導電性素子は、電気的に帯電した導電性素子を取り囲むことができる空気などの媒体のイオン化により、パルスとして電荷を放出し得る。電荷パルスは、絶縁された導体に高電圧が印加され、絶縁された導体のエアギャップ(又は他の気体に関連付けられたギャップ)に関連付けられた絶縁破壊領域を引き起こすのに十分な場強度を生み出すときに発生し得るコロナ放電により発生し得る。電荷パルスのサイズ及び周波数は、絶縁材料の絶縁破壊領域及びパフォーマンスを示すことができる。高電圧システムでは、導電性素子は、散発的及び頻繁な様態又は様々な大きさで電荷のパルスを放出し得る。電荷パルスは、導電性素子を取り囲む電場の強度が導電性領域を形成するのに十分高いが、近くの物体に電気的アークを引き起こすのに十分高くない場合に発生し得る。ノイズの種類、周波数、発生源、及び大きさを特徴付けることは、設計、製造、又は展開された使用中の電気部品の品質及び歩留まりを評価するときに重要である。高電圧、高温条件でノイズを特徴付けることは、従来のアプローチを使用して行うには困難である場合がある。
【0008】
不利なことに、いくつかの従前の電荷診断システムは、導電性素子によって放出される電荷パルスの時間平均をとることによって直流(direct current、DC)測定値を測定していた。しかしながら、ノイズパルスは、ピコクーロンのオーダーで非常に小さいため、結果として得られる時間ベースの平均は、ピコアンペア以下のオーダーである。高電圧条件において、DC測定では、存在する可能性がある数百ピコアンペアのオーダーのベースライン高電圧電流から導電性素子によって放出されるパルスを分解することができない場合がある。そのような条件では、1ナノアンペアのベースラインノイズが、ピコアンペアから数十ピコアンペアになる可能性があるノイズからの電流とともに存在する可能性がある。対照的に、本明細書に記載の電荷診断のためのアプローチのいくつかの実装態様は、個別のノイズイベントのイベントごとの特徴付けに基づいて、高電圧及び高温条件での導電性素子によって生成される個別のノイズイベント(例えば、電荷放電)の特性を決定するためのより高い分解能を提供することができる。
【0009】
導電性素子及び/又は誘電体材料を含む電気部品を分類するための例示的なアプローチが、本明細書に記載されている。また本明細書に記載されるアプローチは、電気部品、並びに電気部品に含まれる導電性素子及び/又は誘電体材料の品質及び動作の尺度を決定するための、改善された電荷診断システムを可能にすることができる。このアプローチを使用して、電荷診断システムは、高温及び高電圧条件で導電性素子によって放出される可能性のある電荷の電荷特徴付けデータを決定することができる。本明細書に記載の例示的なアプローチは、電荷の大きさ及び分布を監視し、かつ品質及び動作のレベルに関して、電気部品、導電性素子、及び/又は誘電体材料を分類することを含み得る。
【0010】
図1は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、電気部品の導電性素子及び/又は誘電体材料を分類するための例示的なプロセスを示す。プロセス100は、導電性素子に結合され得る電荷診断システムの1つ以上の構成要素によって行うことができる。プロセスは、導電性素子によって放出され、導電性素子と誘電体材料との間の気体充填ギャップを横切って放電される電荷に対応する電荷特徴付けデータを決定することができる。電荷特徴付けデータに基づいて、導電性素子及び/又は誘電体材料の材料及び幾何形状は、品質及び動作の尺度に関して分類することができる。いくつかの実施形態では、誘電体材料を分類することは、誘電体材料の形状及び/又はサイズを分類することを含み得る。例えば、電荷特徴付けデータを使用して、導電性素子を動作可能な又は欠陥のあるものとして分類することができる。導電性素子及び/又は誘電体材料を品質及び動作に関して分類することにより、本明細書に記載の電荷診断システムのいくつかの実装態様は、動作している展開構成要素の試験中、並びに展開前の電気部品の製造及び設計中に、高温及び高電圧条件で動作する電気部品のノイズ信号を診断することができる。本明細書に記載の電荷診断システム及びアプローチは、電気部品の設計者、製造業者、及びオペレータが、電気部品が意図されたように動作していることを確実にすることを可能にすることができる。
【0011】
110において、誘電体材料内に構成された導電性素子から出力信号を受信することができる。出力信号は、導電性素子によって放出される1つ以上の電荷を示すことができる複数の信号振幅を含むことができる。複数の信号振幅は、導電性素子から空気中に、及び/又は導電性素子を取り囲む誘電体材料に放電する電荷に関連付けられたノイズのパルスに対応し得る。導電性素子は、導電性素子に印加された入力電圧に応答して電荷を放出し得る。いくつかの実施形態では、入力電圧は、0~2000Vの範囲の高電圧入力であり得る。いくつかの実施形態では、導電性素子は、摂氏150度以上の高温環境内に構成され得る。
【0012】
120において、導電性素子によって放出される電荷に対応する電荷特徴付けデータは、受信された出力信号に含まれる複数の信号振幅に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、電荷特徴付けデータは、電荷の大きさ、又はノイズパルスを含むことができる。例えば、0.1ピコクーロン~200ピコクーロンの範囲の信号振幅を識別することができる。前述の信号振幅の範囲は、限定的ではない。識別される信号振幅の範囲は、本明細書に記載のアプローチの適用に基づいて調整することができる。いくつかの実施形態では、電荷特徴付けデータは、所定の期間内に発生する電荷の分布を含むことができる。例えば、電荷の分布は、所定の期間内に発生する信号振幅の数を少なくとも決定し、決定された電荷の大きさに関して信号振幅の数を提供することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、所定の期間内に発生する信号振幅は、0.1ピコクーロン~200ピコクーロンの範囲の信号振幅を含むことができる。
【0013】
電荷の分布を決定することはまた、所定の期間内に発生する信号振幅の数の移動平均を決定し、かつ電荷の決定された大きさに関して信号振幅の数の移動平均を提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、電荷の分布を決定することは、電荷の決定された大きさに対応する複数の閾値を決定し、かつ複数の閾値に関して信号振幅の数を提供することを更に含み得る。例えば、電荷の分布は、電荷の信号振幅の大きさに関連付けられた1つ以上の閾値に関連して、秒当たりの電荷の数が提供され得るように決定することができる。
【0014】
130において、導電性素子及び/又は誘電体材料は、電荷特徴付けデータに基づいて分類することができる。例えば、電荷特徴付けデータは、電荷が、機能的な又は不良の導電性素子、機能的な又は不良の誘電体材料、及び/又は導電性素子及び/又は誘電体材料を含み得る機能的な又は不良の電気部品を示すかどうかを示すことができる。いくつかの実施形態では、電荷特徴付けデータは、導電性素子によって放出されたコロナ放電を示すことができ、導電性素子及び/又は誘電体材料は、電荷をコロナ放電又はアーク放電に関連付けられるものとして識別することに基づいて分類することができる。
【0015】
図2は、センサアセンブリの構成要素であり得る例示的な電気部品200のブロック図を示す。電気部品200は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、導電性素子205及び誘電体材料210を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料210は、空気、ヘリウム、窒素、又は水などの気体又は液体を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘電体材料210は、セラミック、雲母、ガラス、プラスチック、及び金属酸化物などの材料を含むことができる。
【0016】
電気部品200は、それを通して電気部品が延在するように構成されている隔壁壁などの支持構造215内に構成することができる。いくつかの実施形態では、電気部品200は、支持構造215を含まない。いくつかの実施形態では、支持構造215は、追加の導電性素子205及び対応する誘電体材料210を含むことができる。例えば、支持構造215は、同軸導体を含むことができる。いくつかの実施形態では、電気部品200は、それらの間に誘電体材料210を有する2つのインライン導電性素子205のインライン配置を含むことができる。導電性素子205及び誘電体材料210の配置は、本明細書に記載の範囲から逸脱することなく、制限なく提供することができる。いくつかの実施形態では、電気部品200は、誘電体材料210の内面と導電性素子205の外面との間に位置するギャップ220を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘電体材料210の内面と導電性素子205の外面との間にギャップは存在しない。
【0017】
いくつかの実施形態では、電気部品200は、ガンマセンサなどのセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、電気部品200は、セラミックシールアセンブリ又は気密封止されたアセンブリを含むことができる。いくつかの実施形態では、誘電体材料210は、プレス加工誘電体材料又は押出誘電体材料を含むことができる。
【0018】
電気部品200は、機械又は機械の構成要素などの産業機器に含まれるか、又はそれに結合され得る。いくつかの実施形態では、産業機器は、バルブ、タービン、ローラ、及び/又はローラ機械の構成要素、圧縮機、及び/又は圧縮機の構成要素、石油及びガスの生産に使用される機器、飛行機の方向舵、空母及び船、及び/又は方向舵の構成要素、アーテラリ、及び/又はアーテラリの構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、産業機器は、発電生産環境又は石油及びガスの生産環境に関連付けられた物理システム又は物理システムの構成要素を含むことができる。例えば、物理システムは、蒸気タービン、バルブ、モータ、ポンプ、ドリル、又は発電生産環境の任意の同様の電気機械機器を含むことができる。
【0019】
図2に更に示されるように、導電性素子205は、導電性素子205と誘電体材料210との間のエアギャップ220を横切って1つ以上の電荷225を放電することができ、これは、導電性素子205から気体(例えば、ギャップ220内の空気)などの導電性構成要素を取り囲む媒体に放電され得る。いくつかの実施形態では、導電性素子205は、1つ以上の電荷225を誘電体材料210に放出することができる。いくつかの実施形態では、電荷は、コロナ放電又はアーク放電に関連付けることができる。電荷225は、導電性素子205から誘電体材料210に向かってエアギャップ220を横切って放電するものとして図2に示されているが、高電圧用途では、導電性素子205は正に帯電し、電子の流れを誘電体材料210から導電性素子205に移動させる。いくつかの実施形態では、電気部品200は、光電子増倍管であり得る。いくつかの実施形態では、電気部品200は、1つ以上のダイノード230を含むことができる。ダイノード230は、二次放出を介して電子増倍管として機能することができる。ダイノード230は、導電性素子205に直列に結合することができる。
【0020】
図3は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、例示的な電荷診断システム300のブロック図を示す。電荷診断システム300は、図1の方法100を行うように構成されたコンピューティングデバイス305を含む。コンピューティングデバイス305は、プロセッサ、メモリ、及び1つ以上の入力デバイスを含むことができる。コンピューティングデバイス305のプロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ可読命令を実行して、図1に関連して説明した方法100を行うように構成することができる。メモリはまた、電荷特徴付けデータを記憶することができる。電荷診断システム300はまた、高電圧源310を含むことができる。高電圧源310は、負荷抵抗器315Aによって示されるように、負荷抵抗器315を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、負荷抵抗器315は、高電圧源310に含まれなくてもよく、負荷抵抗器315Bの周りの破線を含む図3の構成に示すように、導電性素子205と直列に結合されてもよい。高電圧源310及び負荷抵抗器315(例えば、負荷抵抗器315A又は315B)は、導電性素子205に入力電圧を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、高電圧源310は、コンピューティングデバイス305に結合することができる。いくつかの実施形態では、高電圧源310は、コンピューティングデバイス305に結合されていないスタンドアロンの構成要素であることができる。入力電圧は、0~2000Vであることができる。いくつかの実施形態では、入力電圧は、1600V以上であることができる。いくつかの実施形態では、高電圧源310は、電気部品200の1つ以上のダイノード230に電力供給することができる。ダイノード230は、高電圧源から高電圧入力を受信することができ、破線を介して示されるように、電気部品200の目的の信号を生成することができる。目的の信号は、導電性素子205によって生成される出力信号に含まれ得、コンピューティングデバイス305によって受信されると更に評価され得る。
【0021】
図3に更に示されるように、出力信号は、電荷感知前置増幅器320によって導電性素子205から受信することができる。電荷感知前置増幅器320は、DC阻止コンデンサを含み、その後の処理のために出力信号を調整するように構成された回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、負荷抵抗器315は、電荷感知前置増幅器320内に構成することができる。いくつかの実施形態では、電荷感知前置増幅器320は、整形増幅器325によって受信される前に、0.5倍で出力信号を減衰させるように構成することができる。
【0022】
整形増幅器325は、0.1倍内部へのジャンパ及びおよそ1.0のゲインで構成することができる。整形増幅器325は、出力信号のインピーダンスを減衰させるために、20のコースゲイン及び0.5のファインゲインを適用するように更に構成することができる。整形増幅器はまた、受信された出力信号を、2μs又は約2μsの整形時間で処理するように構成することができる。このようにして、出力信号は、マルチチャネル分析器330によって必要とされる時間間隔(又は最小パルス幅)を満たすための一連の構造化パルスとして配列することができる。
【0023】
図3に示すように、整形増幅器325によって生成された出力信号は、マルチチャネル分析器330によって受信され得る。マルチチャネル分析器330は、出力信号に関連付けられたヒストグラムデータを生成するように構成することができる。ヒストグラムデータは、電荷特徴付けデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、マルチチャネル分析器330は、1024チャネルを含むことができる。いくつかの実施形態では、マルチチャネル分析器330は、より多くの又はより少ないチャネルを含むことができる。いくつかの実施形態では、マルチチャネル分析器330は、3の低レベル識別器設定で構成することができる。低レベル識別器設定は、整形増幅器325から記録される最低レベル信号に対応することができる。
【0024】
コンピューティングデバイス305はまた、ディスプレイ335を含むことができる。電荷特徴付けデータは、ディスプレイ335を介してユーザに提供することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ335は、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を含むことができる。GUIは、電荷特徴付けデータを表示することができる。いくつかの実施形態では、GUIは、電荷特徴付けデータに基づいて警報又は通知を表示するように構成することができる。警報又は通知は、電気部品、導電性素子、及び/又は誘電体材料を機能的な又は欠陥のあるものとして分類することに関連して、ユーザに提供することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、電荷診断システム300はまた、オシロスコープなどのスコープ340を含むことができる。スコープ340は、電荷感知前置増幅器320からの出力信号を視覚化するように構成することができる。
【0026】
図4は、図3の電荷診断システムに含まれる例示的な電荷感知前置増幅器320の概略図を示す。図4に示すように、電荷感知増幅器320は、導電性素子からの出力信号を受信し、出力信号を処理するように構成された回路405を含むことができる。図4に示す実施形態では、高電圧入力410は、円415内に示される110メガオーム抵抗器負荷を介して導体205に印加される。AC結合コンデンサ420は、導体205に印加された高電圧入力410を前置増幅器信号処理回路から分離する。ACパルスは、AC結合コンデンサ420を横切って電荷積分回路及び追加の信号調整回路の入力に伝送される。ゲイン425が、処理されたアナログ信号に適用され、同軸出力ポート430を介して利用可能にされる。
【0027】
図5は、図2に関連して説明した電気部品200などの、電気部品の電荷の大きさ及び電荷分布のプロット500を示す。図5に示すように、導電性素子205、例えば「ピン1」と関連付けられた複数の電荷がプロットされている。X軸は、電荷の大きさをピコクーロンで表す。Y軸は、5分間、例えば、300秒で導電性素子によって放出される電荷の数のカウントを表す。例えば、参照505は、2ピコクーロン未満の電荷大きさを有した5分間で発生した82個の電荷があったことを説明している。図5に更に示すように、プロット500は、10個の電荷ごとに累積的に計算された移動平均510を含む。
【0028】
図6は、本発明の主題のいくつかの実装態様による、複数の電気部品と関連付けられた複数の電荷分布に適用される複数の閾値のプロット600を示す。プロット600に示すように、4つの導電性素子(例えば、ピン1、ピン2、ピン3、及びピン4)についての秒当たりの累積カウント(counts per second、CPS)が、4つの導電性素子の各々から放出される電荷の大きさに対応する閾値の範囲に関してプロットされている。例えば、参照605によって示されるように、ピン3は、2ピコクーロン以上で秒当たり11カウントを放出し、一方、ピン1は、参照610によって示されるように2ピコクーロン以上で秒当たり6カウントを放出した。参照615及び620によって示されるように、ピン4及びピン2はそれぞれ、各々が2ピコクーロン以上でより少ない放出電荷を有した。したがって、参照620、例えばピン2、に関連付けられた導電性素子は、他の導電性素子のいずれか(例えば、ピン4に対応する参照615、ピン1に対応する参照610、ピン3に対応する参照605)よりも2ピコクーロンでより少ない電荷を放出すると解釈することができ、そのためピン2に対応する導電性素子は、機能的であり、欠陥がないものとして分類され得る。
【0029】
本明細書に記載の方法、システム、及びコンピュータ可読媒体の例示的な技術的効果は、非限定的な例として、導電性素子によって放出された電荷に対応する電荷特徴付けデータを決定し、かつ電荷特徴付けデータに基づいて導電性素子及び/又は誘電体材料を分類することを含む。導電性素子に関連する電荷特徴付けデータ及び分類データを提供することにより、高温、高電圧用途及び/又は環境内で動作可能な電気部品の欠陥検出及び欠陥分類を改善することができる。電荷診断システムは、本明細書に記載の方法を行うように構成することができ、導電性素子及び/又は電気部品によって放出される大きさ、種類、及び分布又は電荷に関連付けられたより堅牢な診断データを提供することができる。電荷診断に含まれるコンピューティングデバイスは、電荷特徴付けデータを提供するための改善されたグラフィカルユーザインターフェースを含む。
【0030】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して示される、又は説明する特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態内で各類似する名称の構成要素の各特徴は、必ずしも完全には詳述していない。
【0031】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含む、アナログ電子回路、デジタル電子回路、及び/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで、又はそれらの組み合わせで実装することができる。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は多数のコンピュータ)による実行のため又はその動作を制御するため、情報キャリアで(例えば、機械可読記憶デバイスで)明白に具現化されるか、又は伝播信号で具現化される、1つ以上のコンピュータプログラムなどの、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても既知である)は、コンパイル又は解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとしてなど、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラム専用の単一ファイルに、又は多数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの部分を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で若しくは1つのサイトの多数のコンピュータ上で実行されるように、又は多数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。
【0032】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を行うために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって行われ得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって行われてもよく、本明細書に記載される主題の装置は、かかる専用論理回路として実装され得る。
【0033】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。一般的に、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそこからデータを受信する、そこにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報キャリアとしては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)と、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)と、光磁気ディスクと、光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)と、を含む、不揮発性メモリの全ての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0034】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供するのに利用し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0035】
本明細書に記載される技術は、1つ以上のモジュールを使用して実装され得る。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されていないか、又は非一時的プロセッサの読み取り可能で記録可能な記憶媒体(すなわち、モジュールはソフトウェアそれ自体ではない)上に実装されていないソフトウェアとして解釈されるべきではない。実際に、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの少なくとも何らかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むものと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有し得る(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用し得る)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために組み合わせ、統合、分離、及び/又は複製が可能である。また、特定のモジュールで行われるものとして本明細書に記載される機能は、特定のモジュールで行われる機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は1つ以上の他のデバイスによって行われ得る。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの多数のデバイス及び/又は他の構成要素にまたがって実装され得る。加えて、モジュールを1つのデバイスから移動し、別のデバイスに追加することができ、かつ/又は両方のデバイスに組み込むこともできる。
【0036】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータであって、ユーザはそれらを通して、本明細書に記載される主題の実装態様と相互作用することができる)、又はかかるバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)及び広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)、例えば、インターネットが挙げられる。
【0037】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似言語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応することができる。本明細書において、並びに本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲の制限を組み合わせ、かつ/又は交換することができ、かかる範囲は、識別され、文脈又は言語が別段の指示をしていない限り、中に包含される全ての部分範囲を含む。
【0038】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び参考文献は、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】