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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(54)【発明の名称】容器ラベリングマシン
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20230616BHJP
   B65G 47/84 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
B65G43/08 E
B65G47/84 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564078
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2021063683
(87)【国際公開番号】W WO2021239626
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】102020000012679
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510147581
【氏名又は名称】ピ・エ・ラベレルス・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】P.E. LABELLERS S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】バルディーニ,リッカルド
【テーマコード(参考)】
3F027
3F072
【Fターム(参考)】
3F027CA01
3F027DA32
3F027EA09
3F072AA06
3F072GB10
3F072KC01
(57)【要約】
容器ラベリングマシンは、容器(4)を搬送する搬送手段(3)と、容器(4)の進行経路に沿って配置された少なくとも1つのラベリングステーション(5)とを備える。ラベリングステーション(5)は、スプールに巻回されているラベリングリボン(7)のための巻出装置(8)と、ラベリングリボン(7)をその外周面に付着させるようにして受け取り、ラベルを切断するために駆動手段により駆動され得る少なくとも1つの切断装置(10)を支持する切断ドラム(9)とを備える。切断ドラム(9)は、外周面に開放され、少なくとも1つのブレード(12)を収容する吸引チャンバ(11)をそれぞれ備える。吸引チャンバ(11)は、エア吸引手段(13)と接続され得る。切断装置(10)の正常運転を診断するための診断装置には、吸引チャンバ(11)内に存在する圧力に相関する少なくとも1つのパラメータを検出するための検出手段が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルが貼り付けられるべき容器(4)を進行経路に沿って搬送するための搬送手段(3)と、
前記容器(4)の前記進行経路に沿って配置された少なくとも1つのラベリングステーション(5)と、
を備え、
前記ラベリングステーション(5)が、スプールに巻回されているラベリングリボン(7)のための巻出装置(8)と、切断ドラム(9)とを備え、前記切断ドラム(9)は、前記ラベリングリボン(7)が前記切断ドラム(9)の外周面に付着するように、前記巻出装置(8)により供給される前記ラベリングリボン(7)を受け取るように構成され、且つ、前記容器(4)に移送されるべきラベル(6)を切断すべく、駆動手段により駆動され得る少なくとも1つの切断装置(10)を支持し、
前記少なくとも1つの切断装置(10)は、吸引チャンバ(11)をそれぞれ備え、前記吸引チャンバ(11)は、前記切断ドラム(9)の前記外周面に開放され、少なくとも1つのブレード(12)を収容し、
前記吸引チャンバ(11)は、前記ラベリングリボンに前記吸引チャンバ(11)の内部に向かう引込み動作を行わせ、前記ラベリングリボン(7)を前記ブレード(12)に対して押し込み、それにより前記ラベリングリボン(7)を切断すべく、エア吸引手段(13)と接続可能である、
容器ラベリングマシンであって、
当該マシンは、前記少なくとも1つの切断装置(10)の正常運転を診断する診断装置を備え、前記診断装置には、前記吸引チャンバ(11)内に存在する圧力と相関する少なくとも1つのパラメータを検出するための検出手段が設けられている、
ことを特徴とする、容器ラベリングマシン。
【請求項2】
前記診断装置が、前記検出手段に接続され、前記検出手段により検出された前記少なくとも1つのパラメータの値を、前記少なくとも1つのパラメータの予め設定された理想値と比較するように構成された電子制御ユニット(14)を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記電子制御ユニット(14)は、前記検出手段により検出される前記少なくとも1つのパラメータの前記値と、前記少なくとも1つのパラメータの前記予め設定された理想値との間に偏差が存在する状態において、予め設定可能な許容差は許容して、前記少なくとも1つのパラメータの検出値を前記予め設定された理想値へと戻すべく、前記エア吸引手段(13)を作動させるように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のマシン。
【請求項4】
前記検出手段は、少なくとも前記エア吸引手段(13)と接続されている状態にある前記吸引チャンバ(14)内の前記圧力を測定するように構成された圧力測定手段(15)を備え、
前記電子制御ユニット(14)は、
前記吸引チャンバ(11)内で前記圧力測定手段(15)によって検出された前記圧力の経時的推移を判定し、
当該判定された推移を、前記切断装置(10)が通常動作する状況下において前記吸引チャンバ(11)内の前記圧力の期待される理想的な経時的推移と比較し、
前記圧力測定手段(15)によって検出された前記圧力の前記経時的推移と、前記吸引チャンバ(11)内の前記圧力の前記期待される理想的な経時的推移との間の偏差の検出であって、前記電子制御ユニット(14)による当該検出を監視しながら、予め設定可能な許容差は許容して、前記エア吸引手段(13)により引き抜かれるエアの流量の変化量を指令するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項5】
前記切断ドラム(9)には、前記切断ドラム(9)の軸線周りに互いに角度的に離れて配置された少なくとも2つの切断装置(10)が設けられ、
前記電子制御ユニット(14)は、
前記切断装置(10)の各々に対し、前記圧力測定手段(15)によって検出された前記吸引チャンバ(11)それぞれの内部の前記圧力の前記経時的推移を判定し、
当該判定された推移を、前記期待される理想的な経時的推移と比較するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項6】
前記電子制御ユニット(14)は、前記少なくとも1つの切断装置(10)の各々に対し、対応する前記圧力測定手段(15)によって検出された対応する前記吸引チャンバ(11)内の前記圧力の前記経時的推移と、前記期待される理想的な経時的推移との間の偏差の検出であって、前記電子制御ユニット(14)による当該検出を監視しながら、前記許容差は許容して、警報信号を発信する信号発生手段(21)の作動を指令するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項7】
前記圧力測定手段(15)は、少なくとも1つの圧力センサ(15a)を備える、
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項8】
前記エア吸引手段(13)は、前記切断ドラム(9)が回転可能に装着されている、固定された真空分配ユニット(16)を備え、
少なくとも1つの真空チャンバ(17)が、前記固定された真空分配ユニット(16)内に形成され、真空ポンプ(18)に接続され、前記固定された真空分配ユニット(16)の表面のうち前記切断ドラム(9)に向けられた表面上に配置された連通開口(19)を有し、
前記吸引チャンバ(11)が、前記切断ドラム(9)の表面のうち前記固定された真空分配ユニット(16)に向けられた表面上に形成された接続開口(20)と接続され、
前記圧力センサ(15a)が、前記真空チャンバ(17)に配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項9】
前記検出手段は、前記吸引チャンバ(11)にて発せられる音を検出するように構成された少なくとも1つの音響センサ(26)を備える、
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項10】
前記切断ドラム(9)は、切断後に得られた前記ラベル(6)を、前記搬送手段(3)によって搬送されている個々の前記容器(4)上へと移送するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項11】
前記切断ドラム(9)は、切断後に得られた前記ラベル(6)を、移送ドラム(25)に引き渡し、前記移送ドラムは、前記切断ドラム(9)から受け取った前記ラベル(6)を、前記搬送手段(3)によって搬送されている前記容器(4)それぞれに接触させるように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器ラベリングマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のとおり、容器ラベリングマシンは、一般に、ラベルが貼り付けられるべき容器のためにコンベヤを有する。コンベヤは、典型的には、その周縁に複数の支持体を有する回転カルーセルによって構成される。各支持体は、入口カルーセルから容器を個別に受け取り、その軸線周りに当該容器を回転させるように構成されている。
【0003】
カルーセルの周囲には、少なくとも1つのラベリングステーションが存在する。ラベリングステーションは、カルーセルに合わせて回転する移送ドラムを有し、カルーセル上を通過している容器にそれぞれラベルを貼り付けることを可能にしている。ラベルは、連続的なラベリングリボンを切断することによって前もって得られる。ラベリングリボン上には、貼り付けられるべきラベルが連続的に印刷されており、ラベリングリボンは、巻出装置(unwinding assembly)を用いてスプールから取り出される。
【0004】
ラベリングリボンは、プリグルードタイプ(pre-glued type)であってもよい。すなわち、ラベリングリボンが依然スプールに巻回されているときにおいて、ラベリングリボンが、ラベルの側面のうち、容器と接触することを目的とする側面上に、予め付着された接着剤の層を有していてもよい。また、ラベリングリボンには、予め付着される接着剤がなくてもよい。その場合、ラベリングマシンには、ラベルが容器へと移送される前にラベルに接着体を付着させるための装置が設けられる。
【0005】
特に、ラベリングマシンとして、切断ドラムが巻出装置と移送ドラムとの間に介在しているものが公知である。このラベリングマシンにおいては、切断ドラムが、巻出装置によって取り出されたラベリングリボンをその周面上で受け取り、移送ドラムへ移送される個々のラベルを切断するように構成される。ラベルは、容器へと移送され得る。
【0006】
通常、移送ドラムは、複数の扇形あるいは分割体へと周方向に分割される。各分割体は、切断ドラムからラベルを個別に受け取るように構成されている。
【0007】
切断ドラムには、切断ドラムに固定された1以上のブレードが設けられ得る。ブレードは、マシンの支持構造と一体化されている固定ブレードと協働して、ある1つのラベルとその次のラベルとの間でラベリングリボンを切断できる。
【0008】
ラベリングマシンとして、切断ドラムが移送ドラムとして作動するものも公知である。
【0009】
この場合、ドラムは、切断移送ドラムと称される。当該ドラムは、その周面上の吸引ポートによりラベリングリボンがドラムに付着するようにしてラベリングリボンを受け取り、ドラムと関連付けられたブレードを用いてラベリングリボンを切断し、切断後に分離された個々のラベルをカルーセルにより搬送されている対応の容器へと移送する。
【0010】
本願と同一の出願人による欧州特許第2091822号は、複数のブレードが設けられた切断移送ドラムを開示している。ブレードは、ラベル間の分離領域においてラベリングリボンを切断すべく、ラベルの長さと略等しい周長を有する周方向部位に沿って互いに離隔され、駆動シリンダを介して個別に移動するように駆動され得る。
【0011】
これも本願と同一の出願人によるものであるが、イタリア特許第102016000128413号に開示されるように、巻出装置により供給されたラベリングリボンをその周面上で受け取るように構成された切断ドラムを備えたラベリングマシンも公知である。切断ドラムの周面の周りには、複数の切断装置が設けられている。各切断装置は、切断ドラムに一体的に固定され、対応する吸引チャンバに収容されたブレードを備える。吸引チャンバは、移送ドラムの周面上に開放されており、エア吸引手段に接続される。エア吸引手段は、ラベリングリボンがブレードに押し込まれて切断されるように、ラベリングリボンをチャンバ内へと引き込むことを可能にしている。
【0012】
ラベリングマシンの使用時に発見される問題の一つに、切断ドラムのブレードの摩耗の進行に起因して、経年的に、切断ドラムがラベリングリボンを正常に切断することが困難になっていく点を挙げられる。
【0013】
この理由から、切断ドラムの正常運転を検証するために定期点検が計画される。定期点検は、通常はマシンを起動する際に実行され、ブレードが定期的に交換される。
【0014】
従来のラベリングマシンにおいては、切断ドラムの正常運転の検証は、マシンの運転中にラベルが切断ドラムによって均一に切断されているのかを点検する作業員の監視に委ねられている。そうでなければ、どのような場合においても、マシン起動前のブレードの状態の目視検査に委ねられることになる。
【0015】
このようなやり方であると、マシンの運転中に、切断ドラムが正常に運転しない状況が生じたとしても、そのような状況を即座に特定できない。
【0016】
本発明の目的は、上述した1以上の公知の形態を改善できるラベリングマシンを提供することである。
【0017】
この目的の範囲内において、本発明は、切断ドラムを制御下におき、その正常運転を絶えず保ち続けることを可能にするラベリングマシンを提供することを課題とする。
【0018】
本発明は、切断ドラム上の各ブレードにより切断を実行しているときに、何らかの異常をリアルタイムで特定する可能性をもたらすラベリングマシンを提供することを別の課題とする。
【0019】
本発明は、マシンの運転における信頼性および安全性に関する幅広い保証をもたらすことができるラベリングマシンを提供することを別の課題とする。
【0020】
本発明は、あらゆる既存の解決策に代わる方法で、背景技術の欠点を解消することを更なる課題とする。
【0021】
本発明は、そのうえ純粋に経済的観点から優位性を保てるように、低コストで製造可能なラベリングマシンを比較的容易に提供することを別の課題とする。
【0022】
以降の説明においてより明らかとなるであろう上記目的および課題、並びに更なる課題は、請求項1に係る容器ラベリングマシン、あるいはその従属項に係る1以上の特徴を具備する容器ラベリングマシンによって達成される。
【0023】
本発明の更なる特徴および利点は、本発明に係る容器ラベリングマシンの実施形態の説明からより明らかになるであろう。実施形態は、好ましいものの排他的なものではなく、非限定的な例示を目的として以下の添付図面に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係るマシンの概略平面図。
図2】本発明に係るマシンの更なる実施形態の平面図。
図3】本発明に係るマシンの切断ドラムを直径面に沿って示す概略断面図。
図4】本発明に係るマシンの更なる実施形態における切断ドラムを直径面に沿って示す概略断面図。
図5】ラベリングリボンを切断する前の段階における、切断ドラムを回転軸直交面に沿って示す断面図。
図6】ラベリングリボンを切断した直後の段階における、切断ドラムの図5相当図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を参照して、本発明に係る容器ラベリングマシンは、通常は参照符号1で示されており、ラベルが貼り付けられるべき容器4を進行経路に沿って搬送するための搬送手段3と、少なくとも1つのラベリングステーション5を備える。ラベリングステーション5は、容器4の進行経路に沿って配置され、個々のラベル6を容器4上に貼り付けるように構成されている。ラベル6は、スプールに巻回されたラベリングリボン7を切断することにより得られる。ラベリングリボン7上には、複数のラベル6が連続して印刷されている。
【0026】
特に、搬送手段3は、好適には、自身の軸線周りに回転駆動されるカルーセル3aにより構成される。カルーセル3aの周縁には、複数の回転支持体3bが設けられている。各回転支持体3bに、容器4が個別に配置される。
【0027】
次に、ラベリングステーション5は、ラベリングリボン7の巻出装置8と、自身の軸線周りに回転可能であり、巻出装置8によって供給されるラベリングリボン7を受け取るように構成された切断ドラム9とを備える。ラベリングリボン7は、切断ドラム9の外周面上に形成された不図示のエア吸引ポートにより、当該外周面に付着する。
【0028】
特に、切断ドラム9は、少なくとも1つの切断装置10を支持している。切断装置10は、搬送手段3上を通過している容器4へと移送されるべきラベル6の切断を実行するように、駆動手段を用いて駆動され得る。
【0029】
随意で、切断ドラム9は、切断ドラム9の軸線周りに互いに角度的に離れるようにして配置された2以上の切断装置10を備えてもよい。
【0030】
周方向において2つの隣接する切断装置10の間における切断ドラム9の部位の周長は、少なくとも個々のラベル6の長さと等しくてもよい。
【0031】
より詳細には、各切断装置10は、切断ドラム9の外周面に開放された吸引チャンバ11をそれぞれ備える。各吸引チャンバ11は、その内部に、少なくとも1つのブレード12を収容している。
【0032】
吸引チャンバ11は、図4および図5に略示されるように、エア吸引手段13と接続可能であり、エア吸引手段13は、ラベリングリボン7をブレード12に対して押し込み切断すべく、ラベリングリボン7に吸引チャンバ11の内部への引込力を作用させることができる。
【0033】
本発明によれば、マシンが、切断ドラム9の切断装置10の正常運転を診断するための診断装置を備える。診断装置には、切断装置10の吸引チャンバ11に存在する圧力と相関する少なくとも1つのパラメータを検出するための検出手段が設けられている。好適には、診断装置は、電子制御ユニット14を備えており、電子制御ユニット14の入力は、上述した検出手段と接続される。電子制御ユニット14は、検出手段によって検出されたパラメータの値を、同一のパラメータの予め設定された理想値と比較するように構成されている。
【0034】
好適には、電子制御ユニット14は、検出手段によって検出されたパラメータの値と、当該パラメータの予め設定された理想値との間に偏差が存在する状況下において、予め設定可能な許容差は許容して(除いて)、当該パラメータの検出値を予め設定された理想値へと戻すべく、エア吸引手段13を作動させるように構成されている。
【0035】
より詳細には、前掲の検出手段は、圧力測定手段15を備えている。圧力測定手段15により、少なくとも吸引チャンバ11が吸引手段13に接続されているときに、当該吸引チャンバ11内に存在する圧力を測定することが可能になる。ここでの吸引チャンバ11とは、切断装置10が1つの場合には当該切断装置10の吸引チャンバ11であり、また、切断装置10が2以上の場合には各切断装置10と対応した吸引チャンバ11である。
【0036】
また、この場合において、電子制御ユニット14により、圧力測定手段15により検出される吸引チャンバ11内の圧力の経時的推移を判定することが可能になり、また、この判定された経時的推移を、切断装置10が通常運転している状況下で圧力チャンバ11内の圧力の期待される理想的な経時的推移と比較することが可能になる。
【0037】
また、この場合において、電子制御ユニット14は、更に、吸引手段13により引き抜かれるエアの流量の変化量を指令すべく、吸引手段13を作動させることができる。この電子制御ユニットにより、圧力測定手段15によって検出される圧力の経時的推移と、吸引チャンバ11内の圧力の期待される理想的な経時的との間の偏差の検出が行われ、電子制御ユニット14は、この電子制御ユニットによる検出を監視しながら、予め設定される許容差は許容して、吸引手段13を作動させることができる。
【0038】
なお、切断ドラム9に2以上の切断装置10が設けられている場合には、切断装置10の各々に対し、圧力測定手段15が個別に存在していてもよい。
【0039】
また、切断ドラム9に2以上の切断装置10が設けられている場合には、電子制御ユニット14は、切断装置10の各々に対し、これと対応する圧力測定手段15により検出される吸引チャンバ11それぞれの内部の圧力の経時的推移を判定してもよく、また、この検出された圧力の経時的推移を期待される理想的な経時的推移と比較してもよい。
【0040】
図面に示される実施形態を参照して、吸引手段13は、固定された(静置された)真空分配ユニット16を備える。真空分配ユニット16上に、切断ドラム9が回転可能に装着されている。真空分配ユニット16内には、少なくとも1つの真空チャンバ17が形成されており、真空チャンバは、真空ポンプ18に接続されている。
【0041】
真空チャンバ17は、固定された分配ユニット16の表面上に形成された連通開口19を有する。連通開口19が形成されている表面は、切断ドラム9に向けられている。
【0042】
次に、切断装置10の又は各切断装置10の吸引チャンバ11は、切断ドラム9の表面上に形成された接続開口20と接続されている。接続開口20が形成されている表面は、固定された分配ユニット16に向けられている。
【0043】
このように、切断ドラム9が固定された分配ユニット16に対して回転している間において、各切断装置10の接続開口20が、真空チャンバ17の連通開口19の前を通過するときに、これと対応する吸引チャンバ11は、真空ポンプ18と連通する状態となる。
【0044】
図面に示されるように、実施形態によれば、測定手段15は、少なくとも1つの圧力センサ15aによって構成され得る。圧力センサ15aは、固定された分配ユニット16の真空チャンバ17内に配置される。
【0045】
随意で、電子制御ユニット14は、また、信号発生手段21の作動を指令できる。信号発生手段21は、例えば、聴覚的方式および/または視覚的方式で、警報信号を発信できる。この電子制御ユニットにより、少なくとも1つの切断装置の各々に対し、これと対応する圧力測定手段によって検出された対応する吸引チャンバ11内の圧力の経時的推移と、期待される理想的な経時的推移との間の偏差の検出が行われ、電子制御ユニット14は、この電子制御ユニットによる検出を監視しながら、予め設定された許容差は許容して、信号発生手段21の作動を指令できる。
【0046】
網羅のため、切断ドラム9は、切断後に得られたラベル6を、搬送手段3により搬送されている容器4それぞれに直接的に移送するように構成されてもよい。その場合は現実には、図1に示されるように、切断ドラム9は、切断移送ドラムとして機能する。
【0047】
この場合に、各切断装置10は、スキッド22それぞれと関連付けられ得る。スキッド22は、切断ドラム9と一体化され、切断ドラム9の外周面の残余の部位から突出するように装着されている。このスキッド22により、これと対応する切断装置10によってラベリングリボン7が切断される前に、切断ドラム9に近接して配置されている接着体付着ローラ24によって、ラベリングリボン7上で連続する2つのラベル6の尾端および頭端に2片の接着体23a,23bをそれぞれ付着させることが可能になる。
【0048】
また、この場合に、切断装置10の各スキッド22は、これと対応する切断装置10の前に位置付けられる。また、ある1つのスキッド22上に載置されている2つの連続するラベル6上に2辺の接着体23a,23bを付着ローラ24によって付着させた後に切断ドラム9の周速に対してラベリングリボン7bの供給速度を低下させる指令を行い、それにより、2つの連続するラベル6が載置されていた当該スキッド22の後に配置されている切断装置10を、ラベリングリボン7の部位のうち2片の接着体23a,23bの間に介在する部位に位置付けるべく、巻出装置8を駆動するように構成されるマシンを制御するための手段が存在する。
【0049】
代替として、図2に代わりに示されるように、切断ドラム9は、切断後に得られたラベル6を移送ドラム25に移送してもよい。移送ドラム25は、切断ドラム9から受け取ったラベル6を、搬送手段3により搬送されている容器4それぞれに連続して接触させるように構成されている。
【0050】
この場合に、移送ドラム25は、本来公知のとおり、相互に分離された複数の扇形へと周方向に細分されている。細分された各部位は、ラベル6を個別に受け取るように構成されており、ラベルの長さと略等しい長さの周長を有する。
【0051】
移送ドラム25の各扇形は、その両端部に2つのスキッド22を有する。移送ドラム25に近接している接着体付着ローラ24がラベル6の端部に接着体を付着させることを可能にすべく、スキッドは、移送ドラム25の周面の残余の部位に対し、外側へ突出している。
【0052】
以下、本発明に係るマシンの動作について説明する。
【0053】
図1の実施形態を参照して、第1工程では、ラベリングリボン7が、巻出装置8により切断ドラム9に第1供給速度で供給される。第1供給速度は、切断ドラム9の周速と略等しい。ラベリングリボン7は、切断ドラム9の周面上に付着される状態を維持し、連続する2つのラベル6の頭端および尾端が、ある1つのスキッド22に載置されている状態となる。
【0054】
連続する2つのラベル6の頭端および尾端が載置されているスキッド22が、付着ローラ24の前を通過すると、付着ローラ24が、接着体23a,23bの片を2つのラベル6の頭端および尾端それぞれに接着させる。
【0055】
第2工程では、マシンの制御手段が、巻出装置8に、ラベリングリボン7を切断ドラム9に第2供給速度で供給するように指令する。第2供給速度は、第1供給速度よりも低速である。第1工程において付着ローラ24の前を通過したスキッドの後に配置されている切断装置10は、切断ドラム9のラベリングリボン7に対する滑りに追従し、ラベリングリボン7の部位のうち、付着ローラ24により付着された2辺の接着体23a,23bの間に介在する部位に位置付けられる。
【0056】
第3工程では、マシンの制御手段が、巻出装置8に、ラベリングリボン7を再び第1供給速度で供給するように指令する。切断装置10と、ラベリングリボン7の部位のうち、接着体23a,23bの片の間に介在する部位とが、互いに同期して移動する。
【0057】
第4工程では、ラベリングリボン7の部位のうち2辺の接着体23a,23bの間に介在する部位に配置された切断装置10が、これと対応する吸引チャンバ11の接続開口20が真空分配器16の真空チャンバ17の連通開口19と対向する角度位置に到達し、対応する吸引チャンバ11と吸引手段との接続が確立される。したがって、この角度位置においては、ラベリングリボン7の部位のうち2辺の接着体23a,23bの間に介在する部位が、吸引チャンバ11の内部に吸引され、ラベリングリボン7を切断するブレード12へと移動する。
【0058】
ラベリングリボン7はが切断された後には、マシンの制御手段は、切断されたラベル6をラベリングリボン7の残余から遠ざけるように移動させると同時に、次のスキッド22を次の2つの連続するラベル6の間に位置決めすべく、巻出装置8に、ラベリングリボン7を第2供給速度で切断ドラム9に供給するように指令する。
【0059】
次のスキッド22が、次の2つの連続するラベル6の間に位置付けられるとすぐに、制御手段は、ラベリングリボン7を第1供給速度で切断ドラム9に供給するように指令する。切断ドラム9は、自身の軸線周りの回転を継続して、切断されたラベル6を搬送装置3により搬送されている対応の容器4へと移送させる一方で、ラベリングリボン7の部位のうちスキッド22に載置されている部位は、付着ローラ24に到着し、マシンの運転サイクルが再び始まる。
【0060】
図2の実施形態を参照し、巻出装置8は、ラベリングリボン7を切断ドラム9に切断ドラムの周速と同期された速度で供給する。切断ドラム9は、ラベリングリボン7を受け取り、その周面上にラベリングリボンが付着される状態を維持し、ラベリングリボン7の部位のうち2つの連続するラベル6の間に介在する部位が切断ドラム9の切断装置に位置付けられた状態となる。
【0061】
このような切断装置10が、その吸引チャンバ11の接続開口20と真空分配器16の真空チャンバ17の連通開口19と他行する角度位置に到達するときに、当該切断装置10の吸引チャンバ11が、吸引手段13と接続される状態になる。ラベリングリボン7の部位のうち2つの連続するラベル6の間に介在する部位が、吸引チャンバ11内に引き込まれ、ラベリングリボンを切断するブレード12へと移動する。
【0062】
このようにしてラベリングリボン7により切断されたラベル6は、切断ドラム9から移送ドラム25へと移送される。移送ドラム25は、対応する扇形にてラベルを受け取り、当該ラベル6の頭端および尾端は、これと対応するスキッドに載置された状態となる。
【0063】
移送ドラムは、その回転を継続することで、ラベル6を付着ローラ24と対向させるよう移動させ、付着ローラ24により接着体の片をラベル6の頭端および尾端にそれぞれ付着させ、引き続きラベル6を搬送手段3へと移動させ、それにより、ラベル6がこれと対応する容器4に移送され得る。
【0064】
種々の異なる実施形態において、マシンの運転サイクルの実行中には、少なくとも、接続開口20が固定された分配ユニット16の連通開口19と対向するたびに、運転に関する何らかの異常を検出するために、診断装置が、各切断装置10の吸引チャンバ11の圧力推移を分析する。
【0065】
特に、各切断装置10の吸引チャンバ11の接続開口20が、真空チャンバ17の連通開口19と対向するたびに、圧力センサ15aは、その信号を電子制御ユニット14に送信する。電子制御ユニット14は、圧力センサ15aによって検出された圧力の経時的推移を算出し、算出された経時的推移を圧力の期待される理想的な推移と比較する。
【0066】
随意で、圧力センサ15aによって検出される圧力の検出や、電子制御ユニット14への検出値の送信は、各切断装置10の吸引チャンバ11の接続開口20が、真空チャンバ17の連通開口19と対向していないときにも実行される。
【0067】
電子制御ユニット14によって、圧力センサ15aにより検出される圧力の経時的推移と期待される理想的な推移とが比較されることで、診断装置は、マシンの運転における異常、例えば、固定された分配ユニット16と切断ドラム9との間の真空シールの欠陥や、切断装置10の部品間のシールの損耗や、切断実行前における切断装置10の吸引チャンバ11に対するラベリングリボン7の位置ずれのような異常の存在を特定できる。ラベリングリボン7と吸引チャンバ11との間の真空シールが失われると、ブレード12の切断効率が低下する。
【0068】
特に、電子制御ユニット14により、予め設定される許容差は許容するとして、圧力センサ15aにより検出される圧力の経時的推移と、吸引ンチャンバ11内の圧力の期待される理想的な推移との間に偏差が発見された場合には、電子制御ユニット14は、吸引手段13を作動させることができる。より詳細には、電子制御ユニット14は、このような偏差を相殺し、あるいは少なくとも低減するように真空ポンプ18を作動させ、それによりマシンの正常な運転状態を確保する。
【0069】
少なくとも1つの切断装置10に対し、圧力センサ15aにより検出される圧力の経時的推移と、吸引チャンバ11内の圧力の期待される理想的な推移との間の偏差の検出が電子制御ユニットにより行われ、予め設定される許容差は許容して、この電子制御ユニット14による検出を再び監視して、電子制御ユニット14は、信号発生手段21を作動させることができる。それにより、ユーザは、運転に関する異常を有する切断装置を即座に特定できるようになり、また、正常運転状態を回復するように即座に対処できるようになる。
【0070】
マシンを始動させるごとに自動診断工程が実行されるように、マシンの運転サイクル初期において診断装置が自動的に駆動されてもよい。
【0071】
実際、本発明は意図された目的を完全に達成できることがわかる。特に、本発明に係るマシンにおいては、その診断装置により、切断ドラムの切断装置間における運転中の何らかの相違を特定できる点、ブレードが摩耗している切断装置を容易に特定でき、その結果としてブレードの交換を迅速に準備できる点、あるいは切断装置の吸引チャンバ内の真空レベルを動的に補正でき、それにより真空の消費を最小限にして最大限の容量でマシンを作動させることができる点といった事実に注意が引かれていることがわかる。
【0072】
このように考案された本発明は、添付のクレームの範囲内において多くの修正あるいは変更が許容される。
【0073】
例えば、図4に示されるように、検出手段は、随意で、切断装置10又は各切断装置10の吸引チャンバ11にて発せられた音を検出するように構成された少なくとも1つの音響センサ26の形態であってもよい。この場合において、制御ユニット14は、切断装置10又は各切断装置10が通常に正常に運転する状況下で期待される音と比較するように構成されてもよい。
【0074】
検出手段は、ノックセンサや、デトネーションセンサによって構成されてもよい。より一般的にいえば、圧力波または圧力変動が存在する状況下で振動しやすい振動要素によって構成されてもよく、この振動要素に機能的に接続されて振動要素上で発生する振動に応じて信号を生成するように構成されたトランスデューサによって構成されてもよい。
【0075】
更に、詳細な説明の全てが、技術的に均等の他の要素に置換可能である。
【0076】
実際には、条件付きの形状および寸法と同様にして、使用されている材料も、技術の要求あるいは状態にしたがって任意である。
【0077】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願102020000012679号における開示は参照によりここに援用される。
【0078】
いずれかのクレームに記載される技術的特徴に参照符号が付されているところ、これら参照符号は、クレームの理解度の向上を目的としてクレームに含められており、かかる参照符号により例として特定された各要素の解釈を限定する効果を何ら有さない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】