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特表2023-526763低減した粉末滞留を有するHPMCカプセル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(54)【発明の名称】低減した粉末滞留を有するHPMCカプセル
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/48 20060101AFI20230616BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230616BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A61K9/48
A61K47/38
A61K47/02
A61K47/36
A61K47/42
A61K9/72
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022564159
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2021060220
(87)【国際公開番号】W WO2021214045
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】63/013,917
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20172719.5
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21155241.9
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21159324.9
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21159631.7
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512054458
【氏名又は名称】キャプシュゲル・ベルジウム・エヌ・ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】イヴァナ・スタカ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ケイプ
(72)【発明者】
【氏名】リージャナ・パランジェティック
(72)【発明者】
【氏名】ステファーン・ファンクイッケンボルネ
【テーマコード(参考)】
4C076
【Fターム(参考)】
4C076AA58
4C076AA93
4C076BB01
4C076DD23A
4C076EE30P
4C076EE32A
4C076EE42P
4C076FF01
(57)【要約】
本発明は、乾燥粉末吸入器(DPI)で使用した場合の低減した粉末滞留を示す、少量のCaClを含有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル、及びそれらを作製するための方法について開示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HPMC及びCaClを含むカプセルシェルCAPSSHELLであって、
CAPSSHELLに含まれるCaClの量が、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づいて、3’000~9’000ppmであり、
CAPSSHELLが、ゲル化剤を含有せず、
CAPSSHELLが、前記ゲル化剤とゲル化助剤との組み合わせを含有しない、カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項2】
前記HPMCが、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロポキシ基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、からなる群から選択される、請求項1~3のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項3】
前記HPMCが、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量を有する、請求項1に記載のCAPSSHELL。
【請求項4】
前記HPMCが、4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有する、請求項1又は2に記載のCAPSSHELL。
【請求項5】
前記HPMCが、HPMC2906、HPMC2910、又はそれらの混合物である、請求項1~4のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項6】
CAPSSHELLが、3’500~9’000ppmのCaClを含有し、前記ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく、請求項1~5のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項7】
CAPSSHELLが、4’000~9’000ppmのCaClを含有し、前記ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく、請求項1~6のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項8】
CAPSSHELLが、70重量%以上のHPMCを含有し、前記重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく、請求項1~7のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項9】
CAPSSHELLが、1つ以上の添加剤ADDを含み、ADDが、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、潤滑剤、着色剤、溶媒、溶媒助剤、界面活性剤、分散剤、可溶化剤、安定剤、補正剤、甘味剤、吸収剤、吸着剤、付着剤、抗酸化剤、消毒剤、防腐剤、乾燥剤、香味剤、香料、pH調整剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、放出制御剤、酸、塩、又は混合物であり得る、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項10】
乾燥CAPSSHELLが、HPMC及びCaClからなる、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項11】
乾燥CAPSSHELLが、99.4~99.35重量%のHPMC及び0.6~0.66重量%のCaClからなり、HPMC及びCaClの量が、合計100重量%になり、前記重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項12】
乾燥CAPSSHELLが、HPMC、CaCl。及び着色剤からなる、請求項1~9のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項13】
CAPSSHELLの調製のための方法であって、
CAPSSHELLが、混合物DIPMIXからカプセルシェルを形成するためのプロセスPROCFORMCAPSによって形成され、DIPMIXが、CaCl及びHPMCを含有する水であり、
CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりである、方法。
【請求項14】
PROCFORMCAPSが、押出成形、射出成形、キャスティング又はディップ成形である、請求項13に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項15】
PROCFORMCAPSが、ディップ成形である、請求項13又は14に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項16】
前記ディップ成形が、
(1)CAPSSHELLの第1の半分の成形ピンを、DIPMIXにディップするステップと、
(2)前記成形ピン上にフィルムを形成させながら、DIPMIXから前記成形ピンを引き抜くステップと、
(3)CPASSHELLの前記第1の半分を提供する前記成形ピン上の前記フィルムを乾燥させるステップと、
(4)CAPSSHELLの前記半分を前記成形ピンから取り外すステップと、を含み、
CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりであり、DIPMIXが、請求項13で定義されるとおりであり、
CAPSSHELLが、2つの部分で構成され、前記2つの部分が、CAPSSHELLのキャップ及び本体と呼ばれ、
ステップ(1)~(4)が、前記キャップを提供するように成形されているピン、及び前記本体を提供するように成形されているピンの両方で行われる、請求項15に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項17】
活性成分ACTINGRを含む配合物FILLFORMで充填されたCAPSSHELLであって、ACTINGRが、活性医薬成分、薬剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得、
CAPSSHELLが、請求項1~12のうちの一項以上で定義されるとおりである、CAPSSHELL。
【請求項18】
FILLFORMを充填するためのCAPSSHELLの使用であって、CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりであり、FILLFORMが、請求項17で定義されるとおりである、CAPSSHELLの使用。
【請求項19】
乾燥粉末吸入器におけるCAPSSHELLの使用であって、CAPSSHELLが、請求項1~12及び17のうちの一項以上で定義されるとおりである、CAPSSHELLの使用。
【請求項20】
CAPSSHELLが前記乾燥粉末吸入器に挿入されている乾燥粉末吸入器であって、CAPSSHELLが、請求項1~12及び17のうちの一項以上で定義されるとおりである、乾燥粉末吸入器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、乾燥粉末吸入器(DPI)で使用した場合の低減した粉末滞留を示す、少量のCaClを含有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル、及びそれらを作製するための方法を開示する。
【0002】
薬物の経口投与を可能にするか、又は吸入用粉末を投与するために、カプセルが製薬業界で使用されている。後者の場合、カプセルは、適切な吸入デバイスを使用して穴をあけられ、粉末が、口を介して、又は時折鼻を介して吸入される。
【0003】
US2015/0231344A1は、微粒子化された活性成分を含有する粉末製剤で充填されたHPMCカプセルを含む乾燥粉末吸入器システム、及び当該カプセルに特に適合された単回用量乾燥粉末吸入器デバイスを開示している。[0011]では、吸入後、いくらかの量の薬物がカプセル内に存在するであろうことが言及されている。
【0004】
US5,626,871は、これらのカプセルに含有される粉末の気管支内投与に使用するためのカプセルを開示している。カプセルは、実施例17に開示されるように、HPMC、ゲル化剤カラギーナン、及びKClとして添加されるゲル化助剤Kで構成されている。
【0005】
HPMCは、ゼラチンなどの従来のフィルム形成ポリマーと比較して、逆にゲル化するポリマーである。HPMCは、周囲様温度で完全に溶解し、高温でのみゲル化することができる一方で、ゼラチンゲルは、周囲様温度でゲル化し、高温で溶解する。周囲様温度で行われる従来のゲル化技法を使用して製造されるHPMCカプセルは、そのような周囲様温度でゲル化するためにゲル化剤を必要とする。
【0006】
典型的なゲル化剤は、当業者に既知であり、ゲランガム、カラギーナン、コンニャクガム、キサンタンガム、及びグアーガムなどであり得る。
【0007】
ゲル化剤は、多くの場合、通常はカリウム又はカルシウムなどのカチオンであるゲル化助剤と組み合わせて使用される。ゲル化助剤は、ゲル化剤のゲル化能力を向上する。
【0008】
CN189 846 851Aは、従来のゲル化技法を使用してゲル化剤の助けを借りて調製されるそのようなHPMCカプセルについて開示している。ゲル化剤は、実施例1、2、及び3ではゲランガムであり、実施例4、5、及び6ではコンニャクガムである。更なるゲル化剤は、[0012]での記載において言及されている。
【0009】
カリウム塩、具体的にはカルシウム塩などの、実施例に開示されるそれらの塩の形態のカチオンは、ゲル化助剤として機能する。
【0010】
CN106 166 143Bは、従来のゲル化技法を使用してゲル化剤の助けを借りて調製されるそのようなHPMCカプセルを開示している。実施例で言及されるゲル化剤は、ゲランガム、カラギーナン、及びペクチンである。
【0011】
カリウム塩、具体的にはカルシウム塩などの、実施例に開示されるそれらの塩の形態のカチオンは、ゲル化助剤としてである凝固剤として機能する。
【0012】
US5 626 871Aは、従来のゲル化技法を使用してゲル化剤の助けを借りて調製されたそのようなHPMCカプセルを、実施例17~21に開示している。言及されているゲル化剤は、カラギーナンである。
【0013】
実施例17~21に開示されているその塩の形態のカリウムである塩化カリウムは、ゲル化助剤として機能する。
【0014】
D1、D2、又はD3のいずれも、単独又は組み合わせにかかわらず、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルからゲル化剤を含まないHPMCカプセルにDPI用途を変更する動機を与えてはおらず、ましてや、ゲル化剤を含まないHPMCカプセルに少量のCaCl2を使用する動機を与えてはいない。
【0015】
ゲル化剤は、カプセルの性能に有害な影響を有し得、例えば、HPMCカプセル中のゲル化剤の存在は、イオン、具体的にはカチオンなどの溶解媒体中の構成成分を干渉し得るか、又はあるいは、変化した溶解プロファイル及び異なる溶解プロファイルをもたらし得る。これは、望ましくない。
【0016】
HPMCをゲル化する第2の方法が存在し、これは、熱ゲル化方法であり、HPMCが、HPMCのゲル化点を超える高温でゲル化される。熱ゲル化方法では、ゲル化剤は、必要とされない。
【0017】
純粋なHPMCカプセルは、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルと比較して、あまり好ましくない粉末滞留特性を示すことが見出された。
【0018】
任意のイオンの相互作用、あるいは溶解媒体のゲル化剤との相互作用によって引き起こされる溶解特性における差を排除するために、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルと比較して少なくとも同等の平均粉末滞留特性を示しながら、ゲル化剤を含有しないHPMCカプセルに対する必要性が存在した。更に、機械的特性は、カプセルの製造及びそれらの使用に対して許容可能である必要がある。
【0019】
また、カプセルの穿刺及び開放が必要性に従って機能する必要があるなどの、意図された使用でのカプセルの機能に重要であるパラメータ、すなわち、DPI装置内でのパラメータが満たされるべきである。したがって、例えば、穿刺力は、全く砕けないか又は少なくとも最小限に砕けるカプセルの効率的な開放を提供する必要がある。
【0020】
驚くべきことに、ゲル化剤の不在下で、ある特定の量のCaClをHPMCカプセルのシェル材料に添加することによって、問題は解決された。実施例4に示され、図3に示される平均粉末滞留特性は、純粋なHPMCカプセルのものよりも良好であり、それらは、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルと比較して、少なくとも同等であり、いくつかの状況下では更に良好である。実施例3に示される衝撃試験における機械的特性は、純粋なHPMCカプセルと等しい。実施例5に示される穿刺試験は、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルよりも更に良好な性能を示している。
【0021】
本明細書で使用される略語及び定義
API 活性医薬成分
cP センチポアズは、100分の1ポイズ、又はSI単位で1ミリパスカル-秒(mPa・s)である(1cP=10-3Pa・s=1mPa・s)
DPI 乾燥粉末吸入器
HPMC ヒプロメロース、セルロース、2-ヒドロキシプロピルメチルエーテル;セルロースヒドロキシプロピルメチルエーテル、[9004-65-3]とも呼ばれるヒドロキシプロピルメチルセルロース。
本発明で使用されるヒプロメロースの定義は、
US Pharmacopeia
Document Type:USP & NF
DocId:1_GUID-6A0B0F3C-FA70-433C-AD55-2020BBC64718_4_en-US
以下から印刷:https://online.uspnf.com/uspnf/document/1_GUID-6A0B0F3C-FA70-433C-AD55-2020BBC64718_4_en-US
c 2020 USPC
Page Information:
USP43-NF38-2279
USP42-NF37-2229
USP41-NF36-2105に見出すことができる。
RH 相対湿度:「相対湿度」という用語は、本明細書では、空気が同じ温度で水で飽和した場合に生じるであろう蒸気圧に対する、所与の温度での実際の水蒸気圧の比を意味するために使用される。当業者に既知の湿度測定機器のための多くの技術が存在し、これらの全ては実質的に同じRH値を与えるであろう。
重量% 重量パーセント(weight percent)又は重量パーセント(percent by weight)
【発明の概要】
【0022】
本発明の主題は、HPMC及びCaClを含むカプセルシェルCAPSSHELLであり、
CAPSSHELLに含まれるCaClの量は、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づいて、3’000~9’000ppmであり、
CAPSSHELLは、ゲル化剤を含有せず、
CAPSSHELLは、ゲル化剤とゲル化助剤との組み合わせを含有しない。
【0023】
本発明は、同封の図面を参照して再度説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後のカプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しているので、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していた。
図2】DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後のカプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しており、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していなかった。
図3】表3のデータからのLODに対するPR値のグラフ表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
CAPSSHELLは、活性医薬成分、薬剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む粉末を充填するためのカプセルシェルである。CAPSSHELLは、薬学的用途又はヘルスケア用途で使用されるタイプのカプセルである。
【0026】
HPMC及びCaClは、カプセルシェル自体、すなわち、実際にカプセルシェルを構築する壁に含有される。「構築する」の別の単語は、「構成する」又は「形成する」であり得る。HPMCは、実際に壁を構築する、すなわち、カプセルシェル自体を構築するフィルム形成物質であり、CaClは、HPMCに含有される、すなわち、CaClは、壁に含有される。
【0027】
本発明によって意味されるHPMC及びCaClは、カプセルシェルの含有量、すなわち、粉末形態の薬剤などのカプセルシェルに充填される粉末に含有されることを意味しない。
【0028】
好適なHPMCは、市販されている。
【0029】
HPMCは、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量を有し得る。
【0030】
HPMCは、4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有し得る。
【0031】
好ましくは、HPMCは、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量、及び4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有し得る。
【0032】
本発明において、HPMCメトキシ及びヒドロキシプロポキシ含有量は、米国薬局方に従って表され、米国薬局方の参照文献が本明細書で引用される。
【0033】
異なるタイプのHPMCが存在する。HPMCは、例えば、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロポキシ基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、からなる群から選択され得る。
【0034】
CAPSSHELL中のHPMCは、1つのタイプのHPMCであり得、また異なるタイプのHPMCの混合物であり得る。
【0035】
一実施形態では、HPMCは、HPMC2906、HPMC2910、又はそれらの混合物であり得る。
【0036】
CAPSSHELLは、3’500~9’000ppm、好ましくは4’000~9’000ppm、より好ましくは4’500~9’000ppm、更により好ましくは4’750~9’000ppm、具体的には5’000~9’000ppm、より具体的には6’000~9’000ppm、より具体的には6’000~8’000ppm、特に6’000~7’000ppm、より特に6’000~6’500ppmのCaClを含有し得、ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく。
【0037】
CAPSSHELLは、3’500~7’000ppm、好ましくは4’000~7’000ppm、より好ましくは4’500~7’000ppm、更により好ましくは4’750~7’000ppm、具体的には5’000~7’000ppm、より具体的には6’000~7’000ppm、更により具体的には6’000~6’500ppmのCaClを含有し得、ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく。
【0038】
別の実施形態では、CAPSSHELLは、3’500~6’500ppm、好ましくは4’000~6’500ppm、より好ましくは4’500~6’500ppm、更により好ましくは4’750~6’500ppm、具体的には5’000~6’500ppm、より具体的には6’000~6’500ppmのCaClを含有し得、ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく。
【0039】
CAPSSHELLは、70重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更により好ましくは95重量%以上、具体的には97.5重量%以上、より具体的には99重量%以上、更により具体的には99.3重量%以上、特に99.35重量%以上のHPMCを含有し得、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0040】
HPMCの上限は、99.65重量%であり、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0041】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、HPMC及びCaClからなる。
【0042】
一実施形態では、CAPSSHELLは、HPMC、CaCl、及び残留水からなり、CaClの可能な量が、好ましくは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に開示のCASPSHELLに含有されるHPMCの重量に基づく。
【0043】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、99.4~99.35重量%のHPMC及び0.6~0.66重量%のCaClからなり、HPMC及びCaClの量が、合計100重量%になり、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0044】
一実施形態では、CAPSSHELLは、硬質カプセルシェルである。
【0045】
CAPSSHELLの壁厚は、当業者には既知であり、典型的な値は、約100マイクロメートルであり得、典型的な範囲は、60~150マイクロメートルであり得る。
【0046】
CAPSSHELLの典型的なサイズは、当業者に既知であり、例えば、サイズ00、0、1、2、又は3で表され得る。
【0047】
CAPSSHELLは、残留水を含有する。残留水は、CAPSSHELLを調製するための水性混合物を使用している製造プロセスに由来し得るので、CAPSSHELL中の水は、典型的には、乾燥後にCAPSSHELL中に残留する残留水であり、また、CAPSSHELLを取り巻く大気、本質的には空気の湿度に由来し得る。CAPSSHELL中の残留水の典型的な含有量は、14重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは9重量%以下、更により好ましくは7重量%以下であり、重量%が、CAPSSHELLの重量に基づく。
【0048】
CAPSSHELL中の残留水含有量の典型的な範囲は、0~14重量%、好ましくは1~14重量%、更により好ましくは2~14重量%、具体的には2~10重量%、より具体的には2~9重量%、更により具体的には2~7重量%の水であり得、重量%が、CAPSSHELLの重量に基づく。
【0049】
一実施形態では、CAPSSHELLは、ゲル化剤GELAGE、又はゲル化剤GELAGEとゲル化助剤GELAIDとの組み合わせを含有しない。
【0050】
カプセルの製造に使用されるゲル化剤GELAGE、及びゲル化剤GELAGEとゲル化助剤GELAIDとの組み合わせは、当業者に既知である。
【0051】
寒天ガム、グアーガム、ローカストビーンガム(キャロブ)、カラギーナン、ペクチン、キサンタン、ゲランガム、コンニャクマンナン、又はゼラチンなどの典型的なゲル化剤GELAGEは、当業者に既知である。
【0052】
ゲル化剤GELAGEと組み合わせて使用され得る典型的なゲル化助剤GELAIDは、当業者に既知であり、K、Na、Li、NH 、Ca2+、又はMg2+などのカチオンであり得る。
【0053】
CAPSSHELLは、HPMC及びCaClに加えて、1つ以上の添加剤ADDを含み得、したがって、ADDは、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、潤滑剤、着色剤、溶媒、溶媒助剤、界面活性剤、分散剤、可溶化剤、安定剤、補正剤、甘味剤、吸収剤、吸着剤、付着剤、抗酸化剤、消毒剤、防腐剤、乾燥剤、香味剤、香料、pH調整剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、放出制御剤、酸、塩、又は混合物であり得る。
【0054】
したがって、典型的なADDは、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、着色剤、界面活性剤、分散剤、抗酸化剤、pH調整剤、保湿剤、酸、塩、又は混合物であり得る。
【0055】
したがって、好ましいADDは、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、着色剤、界面活性剤、分散剤、抗酸化剤、pH調整剤、保湿剤、塩、又は混合物であり得る。
【0056】
可塑剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はレシチンであり得る。過度の柔らかさを回避するために、可塑剤含有量は、最大2重量%、好ましくは最大1重量%など、高すぎるべきではなく、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0057】
着色剤は、TiOなどの顔料、又は染料であり得る。
【0058】
顔料又は色素の典型的な量は、0.01~10重量%、好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.01~2.5重量%、更により好ましくは0.01~1重量%であり得、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0059】
分散剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン、又はレシチンであり得る。
【0060】
抗酸化剤は、アスコルビン酸であり得る。
【0061】
酸は、酢酸であり得る。
【0062】
酸の典型的な量は、0.025~0.75重量%、好ましくは0.04~0.6重量%であり得、重量%が、HPMCの重量に基づく。
【0063】
CAPSSHELL中の任意のADDの可能な含有量は、0.025~29.65重量%、好ましくは0.04~22重量%であり得、重量%が、乾燥CAPSSHELLの総重量に基づく。
【0064】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、HPMC、CaCl。及び着色剤からなる。
【0065】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、HPMC、CaCl。及び顔料からなる。
【0066】
一実施形態では、CAPSSHELLは、HPMC、CaCl、残留水、及び任意選択的に顔料からなり、CaClの可能な量が、好ましくは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に開示のCASPSHELLに含有されるHPMCの重量に基づき、
顔料が、CAPSSHELLに含有される場合、HPMCの可能な量が、好ましくは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に開示のCAPSSHELLの重量に基づく。
【0067】
本発明の更なる主題は、CAPSSHELLの調製のための方法であり、
CAPSSHELLが、混合物DIPMIXからカプセルシェルを形成するためのプロセスPROCFORMCAPSによって形成され、DIPMIXが、CaCl及びHPMCを含有する水であり、
CAPSSHELLが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0068】
好ましくは、CaClは、DIPMIX中にその水溶液の形態で存在する。
【0069】
好ましくは、HPMCは、DIPMIX中にその水溶液の形態で存在する。
【0070】
DIPMIXはまた、当業者によって溶解物とも呼ばれる。
【0071】
PROCFORMCAPSは、押出成形、射出成形、キャスティング又はディップ成形、好ましくはディップ成形などの当業者に既知のカプセルシェルを形成するための任意の従来のプロセスであり得る。
【0072】
ディップ成形はまた、ディップコーティングとも呼ばれ得る。
【0073】
ディップ成形によって作製されたCAPSSHELLは、カプセルシェルの2つの部分で構成され、2つの部分は、キャップ及び本体と呼ばれる。これらの2つの部分は、多くの場合、半分が2つ(two halves)とも呼ばれるが、それらは必ずしも同じサイズを有する必要はなく、それらの各々が、必ずしもCAPSSHELLのサイズの正確な半分を有する必要はない。キャップ及び本体は、2つの別個の部分である。それらを一緒に接合すると、カプセル又はカプセルシェルを形成し、カプセル又はカプセルシェルは、空であっても充填されてもよい。「カプセル」及び「カプセルシェル」という単語は、通常、同義に使用される。シェルという用語は、通常、シェルの壁を再び形成するフィルムを形成するカプセル形状ポリマー、再びシェルを指し、したがって、カプセル形状ポリマーは、シェルとも呼ばれる。キャップは、キャップの所望の形状に相補的なそれぞれの幾何学的形状を有する成形ピンによってから得られ得る。本体は、本体の所望の形状に相補的なそれぞれの幾何学形状を有する成形ピンによって形成され得る。ディップ成形にそれぞれの成形ピンを使用することによって、キャップ又は本体のいずれかが得られる。
【0074】
したがって、CAPSSHELLは、キャップ及び本体の2つの部分で構成され得る。当該キャップ及び本体は、CAPSSHELLを提供するために伸縮自在に係合可能である。典型的には、キャップ及び本体は各々、それぞれキャップ又は本体の閉鎖端であるドーム形状領域、及びドーム形状領域から延在し、それぞれ、キャップ又は本体の開放端で終わる、本質的に円筒形状の領域、の2つの領域を有する。
【0075】
キャップの本質的に円筒形状の領域又はその少なくとも一部は、本体の本質的に円筒形状の領域又は少なくともその一部と伸縮自在に係合可能である。これは、本質的には、本体をキャップに挿入すること、又はその逆である。この挿入は、典型的には、本体を覆ってキャップをスライドさせること、又はその逆である。典型的には、キャップは、本体を覆ってスライドされる。それによって、本体の本質的に円筒形状の領域又は本体のこの領域の少なくとも一部は、キャップの本質的に円筒形状の領域の内側、又はキャップのこの領域の少なくとも一部の内側にある。したがって、キャップ及び本体の本質的に円筒状の領域は、場合によっては、他の領域を覆ってスライドされる。したがって、典型的には、本体はキャップに挿入される、すなわち、本体はキャップにスライドされる。伸縮自在な係合は、キャップ及び本体の長手方向軸に対して同軸で発生する。
【0076】
したがって、伸縮自在的に係合したキャップ及び本体が、カプセルである。
【0077】
ディップ成形のために、DPIMIXが提供される必要がある。
【0078】
ディップ成形は、
(1)CAPSSHELLの第1の半分の成形ピンを、DIPMIXにディップするステップと、
(2)成形ピン上にフィルムを形成させながら、DIPMIXから成形ピンを引き抜くステップと、
(3)CPASSHELLの第1の半分を提供する成形ピン上の当該フィルムを乾燥させるステップと、
(4)CAPSSHELLの半分を成形ピンから取り外すステップと、を含み、
CAPSSHELL及びDIPMIXが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0079】
CAPSSHELLは、2つの部分で構成され、2つの部分は、CAPSSHELLのキャップ及び本体と呼ばれる。
【0080】
ステップ(1)~(4)は、キャップを提供するように成形されているピン、及び本体を提供するように成形されているピンの両方で行われる。
【0081】
ステップ(1)~(4)は、提示された順序で実施される必要がある。
【0082】
CAPSSHELLの両方の部分を調製した後、両方の部分を互いに接合してカプセルを形成する。
【0083】
成形ピンから取り外されたカプセルシェルの半分は、カプセルシェルの所望の目的長さの半分よりも依然として長い長さを有し得、この場合、成形ピン上の及び成形ピンから取り外された後のカプセルシェルの半分は、一致しない部分に相当し、これらを所望のサイズに切断して、所望の長さのカプセルシェルの所望の半分を提供する。
【0084】
成形ピンは、ディップ成形のための高温PINTEMPを有し得る。一実施形態では、成形ピンは、DIPMIXにディップされ、ディップ後、フィルムが成形ピン上で乾燥されている間、高温を有する。
【0085】
PINTEMPは、DIPMIXのゲル化温度を1.0℃以上、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、上回り得る。PINTEMPの上限は、95℃であり得る。
【0086】
PINTEMPは、所望のカプセルサイズに従って選択され得る。
【0087】
PINTEMの典型的な範囲は、45~95℃、好ましくは45~80℃、より好ましくは45~70℃、更により好ましくは50~70℃、具体的には50~65℃であり得る。
【0088】
したがって、ステップ(1)の前に、成形ピンは、所望のPINTEMPまで予熱され得る。
【0089】
成形ピンのDIPMIXへのディップ中のDIPMIXの温度DIPMIXTEMPは、DIPMIXのゲル化温度を最大1.0℃、好ましくは10~1.0℃、より好ましくは6~1.0℃、更により好ましくは6~2℃下回り得る。
【0090】
HPMCグレード2906の例として、DIPMIXTEMPは、10~29℃、好ましくは15~29℃、より好ましくは20~29℃であり得る。
【0091】
成形ピン上のフィルムの乾燥は、空気乾燥によって行われ得る。乾燥は、温度がDIPMIXのゲル化温度を上回る高温で行われ得る。
【0092】
したがって、乾燥に使用される空気の温度は、DIPMIXのゲル化温度を上回り得る。
【0093】
成形ピン上でフィルムを乾燥させるための空気の温度は、45~90℃、好ましくは45~80℃であり得る。
【0094】
一般に、ステップ(3)の継続時間は、5~60分である。
【0095】
一般に、ステップ(3)は、20~90%、好ましくは20~70%、より好ましくは20~60%のRHで行われる。
【0096】
好ましい実施形態では、乾燥は、WO2008/050205A1に開示されるように実施される。
【0097】
DIPMIXは、本明細書で定義される乾燥CAPSSHELLの重量に基づくCAPSSHELL中のHPMC及びCaClの量と等しい、乾燥DIPMIXの重量に基づく量でHPMC及びCaClを含む。
【0098】
DIPMIXは、15~25重量%、好ましくは17~23重量%、より好ましくは17.5~22.5重量%のHPMCを含み得、重量%が、DIPMIXの重量に基づく。
【0099】
DIPMIX中のHPMCの濃度は、DIPMIXのゲル化温度を10~1.0℃下回る温度で測定して、1,000~3,000mPa*s、好ましくは1,200~2,500mPa*s、より好ましくは1,600~2,000mPa*sのDIPMIXの粘度を得るように選択され得る。
【0100】
DIPMIX中のHPMCの重量に基づくDIPMIX中のCaClの量は、乾燥CAPSSHELL中のCaClの含有量に対応する。
【0101】
DIPMIXは、混合物CCMIXを混合MIXすることによって調製され得、CCMIXが、CaClと水との混合物であり、混合物HPMCMIX、HPMCMIXが、水中のHMPCの混合物である。
【0102】
CCMIXは、15~25重量%、好ましくは17.5~22.5重量%のCaClを含み得、重量%が、CCMIXの重量に基づく。
【0103】
HPMCMIXは、15~25重量%、好ましくは17.5~22.5重量%のHPMCを含み得、重量%が、HPMCMIXの重量に基づく。
【0104】
HPMCMIX及びCCMIXの量、並びにそれらの濃度、並びにHPMC及びCaClの量は、CAPSSHELL中の所望の量のCaCl及びHPMCを提供するために、DIPMIX中の所望の量のCaCl及びHPMCを提供するような方式で計算及び選択される。
【0105】
乾燥DIPMIX中のCaCl及びHPMCの量は、乾燥CAPSSHELL中のそれぞれの量と等しい。
【0106】
CCMIXは、CaClと水とのMIXCCを混合することによって調製され得る。
【0107】
HPMCMIXは、HPMCと水とのMIXHPMCを混合することによって調製され得る。
【0108】
水は、室温を上回る温度、好ましくは60℃超、より好ましくは70℃超であり得る。最適温度は、当業者によって決定され得る。60℃超の温度でHPMCを水と混合することによって、HPMCの水中への分散が提供される。HPMCの溶解を達成するために、分散液は、10~20℃の温度まで冷却され得る。
【0109】
HPMCMIX又はDIPMIXなどの水中のHPMCの任意の溶液のゲル化温度は、溶液を徐々に加熱することによる粘度の測定によって決定され得る。粘度が急激に上昇し始める温度が、ゲル化温度とみなされる。例として、水中約19重量%の濃度では、HPMCタイプ2906のUSP定義を満たす本発明の任意のHPMCは、約30~40℃のゲル化温度を有する。追加の例として、水中15~25重量%の濃度では、約6%のヒドロキシプロポキシ含有量を有するHPMCのUSP定義を満たす本発明のHPMCは、約30~40℃のゲル化温度を有する。
【0110】
本発明の更なる主題は、活性成分ACTINGRを含む配合物FILLFORMで充填されたCAPSSHELLであり、ACTINGRが、活性医薬成分、薬剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得、
CAPSSHELLが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0111】
FILLFORMは、粉末形態を有し得る。
【0112】
本発明の更なる主題は、FILLFORMを充填するためのCAPSSHELLの使用であり、CAPSSHELL及びFILLFORMが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【0113】
FILLFORMは、0.05~100重量%、好ましくは0.5~90重量%、より好ましくは1~50重量%、更により好ましくは5~30重量%の量でACTINGRを含み得、重量%が、乾燥FILLFORMの重量に基づく。
【0114】
CASPSSHELLに充填されるACTINGRの候補である薬剤又はAPIの例は、典型的には、DPI用途で使用され、粘液溶解薬、気管支拡張薬、コルチコステロイド、キサンチン誘導体、ロイコトリエンアンタゴニスト、タンパク質又はペプチド、及びそれらの混合物の部類などからの当業者に既知のものである。
【0115】
本発明の更なる主題は、乾燥粉末吸入器におけるCAPSSHELLの使用であり、CAPSSHELLが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【0116】
乾燥粉末吸入器におけるCAPSSHELLのこの使用では、FILLFORMで充填されたカプセルの形態のCAPSSHELLは、乾燥粉末吸入器の作動中にFILLFORMを分配するために乾燥粉末吸入器で使用される。FILLFORMは、CAPSSHELLにおける乾燥粉末吸入器の作動によって、CAPSSHELLから放出される。FILLFORMの放出は、患者によるFILLFORMの吸入を提供する
【0117】
本発明の更なる主題は、CAPSSHELLが乾燥粉末吸入器に挿入された乾燥粉末吸入器であり、好ましくは、CAPSHELが、FILLFORMで充填され、CAPSSHELL及びFILLFORMが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【実施例
【0118】
本明細書で使用される材料、装置、方法、及び更なる略語
CC 塩化カルシウム二水和物としての塩化カルシウム、CaCl.2HO、CAS10035-04-8、製品22317.297、力価99.8%、VWR International bvba、3001 Leuven,Belgiumから
HPMC ヒプロメロースとも呼ばれるヒドロキシプロピルメチルセルロース、グレード2906、METHOCEU「FS Premium LV Hydroxypropyl Methylcellulose、’T’he Dow Chemical Company、SWITZERLAND、29.5%メトキシル、6.2%ヒドロキシプロポキシル
ラクトースブレンド DFE pharma、47568 Goch,GermanyからRespitose ML001として入手可能な品質の吸入用ラクトース、d10又は4マイクロメートル、49マイクロメートルのD50及び169マイクロメートルのd90、Murphy,Seamus.(2014).UNDERSTANDING THE AFFECT OF DPI DEVICE AND LACTOSE TYPE ON THE OUTPUT FROM A DEVICE.Journal of Aerosol Medicine and Pulmonary Drug Delivery.27.A16-A16。
LOD 乾燥時の損失
装置
・1つの電子天秤Mettler ToledoタイプAB204
・1つの乾燥オーブンタイプMemmert U40
・1つのアルミニウム容器
【0119】
手順
LODを測定するために、以下のように進める:
・あらかじめ秤量したアルミニウム容器内の重量1+/-0.001gのカプセル材料
・100~105℃に設定した乾燥オーブンに容器を入れ、容器を編目金網で覆う
・100~105℃で18時間の間、保管及び乾燥させる
・デシカント(dessiccant)を装備したデシケーター(dessiccantor)で冷却し、次いで最大30分後にカプセルを秤量する
・乾燥時の損失を元の重量のパーセンテージとして計算する
・必要に応じて3回再現し、LODの決定の精度を評価する。
PR 粉末残留
SD 標準偏差
SML ソルビタンモノラウレート、Glycomul L KFG(Non-GMO)/SCHL-470LB、酸価6、Color-Gardner1963は16である、ヒドロキシル価358、けん化価165、KF1.3、Lonza,3930 Visp,Switzerlandによる含水量
RF10 SOLEC(TM) RF-10標準的な菜種油レクチン流体、酸価28.60、アセトン不溶性62.80%、Solae Europe、S.A.,2,1218 Le Grand Saconnex,Switzerland
チューブ試験機 Capsugel、自社開発
方法:
カプセルの破壊及び弾性挙動は、チューブを用いる衝撃試験に対する耐性によって測定する。
【0120】
手順
1.カプセルを5日間保管し、その後乾燥機で試験する。
利用可能な保管条件は、10、23、33、45%のRHである
各条件について50個のカプセルを、開封した箱に保管する。その後、箱を閉じて、周囲雰囲気での水分交換を回避する。
2.カプセルを平らな面に水平に置く。
3.100gの重りをチューブに入れる。
4.チューブをカプセル上に置き、ラッチを押して重量を解放する。
5.50個のカプセルを試験する。
【0121】
選択したRHで平衡化した後に保管用の閉じた箱を使用し、50個のカプセルごとに同時に取り出さない(湿度の再吸収を回避するため)。
【0122】
本体、キャップ、又はカプセル(本体及びキャップ)が破損した数を記録する。
【0123】
チューブ試験機及び試験方法は、M.Sherry Ku et al.,「Performance qualification of a new hypromellose capsule:Part I.Comparative evaluation of physical,mechanical and processability quality attributes of Vcaps Plus登録商標,Quali-V登録商標 and gelatin capsules」,International Journal of Pharmaceutics,Volume 386,Issues 1-2,15 February 2010,Pages 30-41,chapter 2.5に開示されている。機械的強度評価
電子天秤 XPE205DR、Mettler-Toledo AG
脆さ試験機(Friabilator) ERWEKA GmbH、63225 Langen,GermanyのFriability/Abrasion Tester TAR
DUSA 投薬単位サンプリング装置、製品モデル名TPK2000として市販の臨界流制御器、HCP5真空ポンプ、フィルターPALLFLEX47mm、及びCopley Scientificによる乾燥粉末吸入器のDDU(送達用量均一性)のための装置とも呼ばれる、DFM2000流量計(Copley Scientific)を備えた吸入製品を試験するための機器
SEM 走査型電子顕微鏡FlexSEM1000
【0124】
実施例1:CC溶解物の調製
ステップ1:HPMC溶解物(HPMCMIX)の調製
HPMC溶解物を調製するための化合物のリスト:
HPMC:20.55重量%
水 79.45重量%
【0125】
HPMC溶解物の調製は、HPMCを充填し混合した80~85℃の水を容器に充填することによって行った。次いで、容器を10~20℃まで冷却し、HPMCを可溶化した。10~20℃で1時間後、HPMC溶解物を29℃まで加熱し、更なる使用のためにその温度で維持する。
【0126】
ステップ2:CaCl.2HO溶液(CCMIX)の調製
CaCl.2HOを、200rpmの撹拌下で80℃の水に添加した。
【0127】
ステップ3:CC溶解物(DIPMIX)の調製
CC溶解物は、ステップ1に従って調製したHPMC溶解物と、ステップ2に従って調製したCaCl.2HOの溶液との混合物である。
【0128】
CaCl.2HOの溶液をステップ1に従って調製したHPMC溶解物と混合し、それによってCC溶解物を提供した。
【0129】
この方式で3つのCC溶解物、CC-A*溶解物、CC-A**、及びCC-B溶解物を調製し、この様式で第4の溶解物、CC-A溶解物を調製し、これらのCC溶解物の量を表1に示す。
【表1】
CaClのMW=110.98g/mol
CaCl.2HOのMW=147.01g/mol
CaClの重量:
CC-A:503.41g*(110.98/147.01)=380.03g
CC-A*:503.41g*(110.98/147.01)=380.03g
CC-A**:497.05g*(110.98/147.01)=375.23g
CC-B:59.59g 20重量%=11.918g CaCl.2H
11.918g*(110.98/147.01)=9.0g
HPMC+CaClの重量に基づくCaClのppm:
CC-A:380.03g/(57’540g+380.03g)*1’000’000=6’561ppm
CC-A*:380.03g/(59’820g+380.03g)*1’000’000’=6’313ppm
CC-A**:375.23g/(49’530g+375.23g)*1’000’000’=7’519ppm
CC-B:4’500g 20.55重量%=924.75g HPMC
9.0g/(924.75g+9.0g)*1’000’000’=9’639ppm
HPMCの重量に基づくCaClのppm:
CC-A:380.03g/57’540g*1’000’000=6’605ppm
CC-A*:380.03g/59’820g*1’000’000=6’353ppm
CC-A**:375.23g/49’530g*1’000’000=7’576ppm
CC-B:9.0g/924.75g*1’000’000=9’732ppm
【0130】
実施例2:CCシェル及びCCカプセル、並びにHPMCシェル及びHPMCカプセルの調製
実施例1に従って調製したそれぞれのCC溶解物CC-A*及びCC-B、並びに実施例1のステップ1に従って調製したHPMC溶解物を使用して、55℃の温度のステンレス鋼成形ピンを、29℃の温度のそれぞれのCC溶解物又はそれぞれHPMC溶解物にディップすることによる従来の成形ディップを通じて、カプセルサイズ3及び標準目標重量(カプセル重量47+/-3mg)を有するカプセルの半分(本体及びキャップ)の形態のCCシェル及びHPMCシェルを製造した。成形ピン上にフィルムを形成した。50~60℃及び30~40%のRHで15~20分間の成形ピン上のフィルムの第1の乾燥、並びに50~60℃及び25~30%のRHで30分間の第2の乾燥後、それぞれCCカプセルの半分及びHPMCカプセルの半分を得た。
【0131】
カプセルは、常に1つのキャップを1つの本体と接合することによって組み立てた。
【0132】
実施例3:カプセルの試験-機械的性能
実施例2に従って調製したカプセルの破壊挙動を、チューブ試験機を用いた衝撃試験に対する耐性によって測定した。試験の準備では、乾燥機での4つの保管条件下:異なるLODを有するカプセルを得るために、10、23、33、及び45%のRHで5日間平衡化するためにカプセルを保管した。試験したカプセルの数は、各RH値当たり50個であり、破損した本体又は破損したキャップの数を記録した。破損したカプセルのパーセンテージを表2に提示する。
【表2】
【0133】
CaClの量が高すぎる場合、機械的性能が劣化する。
【0134】
実施例4:カプセルへの試験-カプセル内の粉末滞留PR
カプセル内の残留粉末を決定するために、Copley ScientificからのDUSA機器を使用した。23、33、45及び50%のRHで乾燥機内に保管することによって、カプセルを異なるLODに平衡化した。実施例2に従って調製した10個のカプセルを、25+/-1mgのラクトースブレンドで充填した。ラクトースブレンドで充填されたこれらの10個のカプセルを、蓋を有する25mlの容量のプラスチックボトルに入れ、脆さ試験機TARで100回タンブリングした。DUSAデバイスを使用して、カプセルを空にした。その設定は、USP Pharmacopeaガイドライン段落601見出し「Sampling the Delivered Dose from Dry Powered Inhalers」Apparatus Bに従って調整した:引用されたUSP Pharmacopeiaガイドライン段落601によって要求されるように、4Lの空気量と一致させるために、100L/分の流量パラメータ及び2.4秒の吸引時間で2つのポンプを使用して、吸入器から引き出した。この合計10個のカプセルの、粉末を充填する前(Wempty)及びDUSAデバイスによって空にした後(Wemptied)の重量を決定した。これらの10個のカプセルに充填した粉末の総量も記録した(Wpowder)。PRは、残留粉末のパーセンテージであり、等式EQ1から決定した:
EQ1: PR%=100*[(Wemptied-Wempty)/Wpowder]
【0135】
結果は、3つの試料の平均及び標準偏差SDを表し、合計10個のカプセルの各々を試験し、表3に示す。
【表3】
【0136】
図3は、表3のデータからのLODに対するPR値のグラフ表示を示す。個々の値を黒色で、平均値を灰色で示す。
▲ 三角形:CC-A*溶解物から作製したカプセルは、三角形によって表される。
● 黒丸:CC-A**溶解物から作製したカプセルは、黒丸によって表される。
■ 正方形:CC-B溶解物から作製したカプセルは、正方形によって表される。
◆ 菱形:US5,626,871の実施例17で使用されたカプセル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース[組成:93重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロース、Shinetsu Kagakuによって製造された「TC-5R」、1重量部のカラギーナン、1重量部の塩化カリウム、5重量部の水]で本質的に構成される医療用硬質カプセル)は、正方形によって表される。
○ 白丸:HPMCカプセルは、三角形によって表される。
【0137】
結果:
・HPMCカプセルは、CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルと比較して、最も高い平均PR値を示している。
・CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルは、US5,626,871の実施例17で使用されたゲル化剤を含むカプセルと比較して、同等又はより良好なPR値のいずれかを示している。
・CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルは、HPMC溶解物から作製したカプセルよりも一貫して低い平均PR値を示している。
【0138】
実施例5:カプセルへの試験-DUSA試験後のカプセル内面のSEM画像化
実施例2に従って調製し、実施例4に記載のように50%のRHで乾燥機内に保管した4.5~5.0のLODを有するCC-A*カプセル及びHPMCカプセルもまた、粉末で充填されたカプセルの形態で一般に入手可能な薬剤を薬局で購入し、この粉末を抽出しカプセルに充填することによって得た粉末を使用して試験した。次いで、実施例4に記載のように、DUSA機器の動作によってカプセルを空にし、残留粉末を目視検査によって決定した。目視検査は、CC-A*カプセルがHPMCカプセルと比較して有意に少ない粉末を含有していることを示した。
【0139】
PRは、HPMCカプセルでは0.6%、CC-A*カプセルでは0.11%であった。
【0140】
図1は、DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後の1つのそのようなCCA*カプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しているので、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していた。
【0141】
図2は、DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後のカプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しているので、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していなかった。
【0142】
明らかに、図1は、図2よりもはるかに少ない数の粉末粒子を示している。
【0143】
実施例6:カプセルの試験-穿刺試験
CC-A*溶解物から作製したカプセル及びUS5,626,871の実施例17で使用したカプセル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース[組成:93重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロース、Shinetsu Kagakuによって製造された「TC-5R」、1重量部のカラギーナン、1重量部の塩化カリウム、5重量部の水]で本質的に構成される医療用硬質カプセル)を用いて、穿刺試験を行った。
【0144】
穿刺試験のプロトコル:
・カプセル(N=15)を、5日間、23及び45%のRH保管条件の乾燥機内で平衡化した。
・穿刺試験では、PlastiapeのRS01乾燥粉末吸入器(Plastiape S.p.a. con socio unico、Osnago,Italy)を使用した。
・吸入器チャンバー内にカプセルを入れ、吸入器の2本の横方向の針に同時に押し付けることによって穿刺した。
穿刺されると、カプセルを1つずつ目視で確認し、蓋が貫通されていないか、又はカプセルの蓋若しくはその一部のいくらかが剥離されて、吸入によって患者に粉末と一緒にいくらかのカプセル粒子が堆積するリスクがあるカプセルである、不適格なカプセルを同定した。
選別されたカプセルを数え、分析されたカプセル総数のパーセンテージとして提示し、結果を表6に示す。
【表4】
【0145】
CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルは、US5,626,871の実施例17で使用されたゲル化剤を含むカプセルと比較して、穿刺試験において有意に良好な性能を示し、不適格なカプセルは観察されなかった。
【0146】
添加剤を含む比較例
添加溶解物及びそれらのカプセルの調製
CaCl.2HOの代わりに、2つの他の添加剤を試験した。
【0147】
添加剤は、以下であった:
・ソルビタンモノラウレートSML
・菜種レシチンRF10
それぞれの溶解物中の添加剤の含有量は、HPMCの重量に対して5000ppmであり、ステップ2が異なり、表4に示される量で、ステップ3でCaCl.2HOの代わりにそれぞれの添加剤の分散液を使用した。実施例1の手順に従って、それぞれの溶解物を調製した。
【0148】
ステップ2 添加剤の分散液の調製
添加剤を水に添加し、8000~9000rpmの速度で5分間、Ultra-Turrax、IKA T25によって均質化を施した。
【0149】
HPMC溶解物への添加前に泡が消失するまでSML分散液を静置し、RF10の分散液は、泡が形成されなかったので、静置する必要なく直接使用した。
【表5】
【0150】
添加溶解物の調製は、2つの溶解物:RF10溶解物及びSML溶解物を提供した。次いで、これらの2つの添加溶解物を用いて、実施例2に記載のディップ成形方法に従って、添加剤カプセルシェルを調製した。
【0151】
添加剤溶解物から調製した添加剤カプセルへの試験-カプセル内の粉末滞留PR
5.0~5.5のLOD(%)を有する添加剤カプセルによるPRを、実施例4に記載の方法に従って試験した。下記の備考(*)に記載されているように、5.0~5.5%のLODが得られた。表5は、PR値を示している。
【表6】
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、乾燥粉末吸入器(DPI)で使用した場合の低減した粉末滞留を示す、少量のCaClを含有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル、及びそれらを作製するための方法を開示する。
【0002】
薬物の経口投与を可能にするか、又は吸入用粉末を投与するために、カプセルが製薬業界で使用されている。後者の場合、カプセルは、適切な吸入デバイスを使用して穴をあけられ、粉末が、口を介して、又は時折鼻を介して吸入される。
【0003】
US2015/0231344A1は、微粒子化された活性成分を含有する粉末製剤で充填されたHPMCカプセルを含む乾燥粉末吸入器システム、及び当該カプセルに特に適合された単回用量乾燥粉末吸入器デバイスを開示している。[0011]では、吸入後、いくらかの量の薬物がカプセル内に存在するであろうことが言及されている。
【0004】
US5,626,871は、これらのカプセルに含有される粉末の気管支内投与に使用するためのカプセルを開示している。カプセルは、実施例17に開示されるように、HPMC、ゲル化剤カラギーナン、及びKClとして添加されるゲル化助剤Kで構成されている。
【0005】
HPMCは、ゼラチンなどの従来のフィルム形成ポリマーと比較して、逆にゲル化するポリマーである。HPMCは、周囲様温度で完全に溶解し、高温でのみゲル化することができる一方で、ゼラチンゲルは、周囲様温度でゲル化し、高温で溶解する。周囲様温度で行われる従来のゲル化技法を使用して製造されるHPMCカプセルは、そのような周囲様温度でゲル化するためにゲル化剤を必要とする。
【0006】
典型的なゲル化剤は、当業者に既知であり、ゲランガム、カラギーナン、コンニャクガム、キサンタンガム、及びグアーガムなどであり得る。
【0007】
ゲル化剤は、多くの場合、通常はカリウム又はカルシウムなどのカチオンであるゲル化助剤と組み合わせて使用される。ゲル化助剤は、ゲル化剤のゲル化能力を向上する。
【0008】
CN189 846 851Aは、従来のゲル化技法を使用してゲル化剤の助けを借りて調製されるそのようなHPMCカプセルについて開示している。ゲル化剤は、実施例1、2、及び3ではゲランガムであり、実施例4、5、及び6ではコンニャクガムである。更なるゲル化剤は、[0012]での記載において言及されている。
【0009】
カリウム塩、具体的にはカルシウム塩などの、実施例に開示されるそれらの塩の形態のカチオンは、ゲル化助剤として機能する。
【0010】
CN106 166 143Bは、従来のゲル化技法を使用してゲル化剤の助けを借りて調製されるそのようなHPMCカプセルを開示している。実施例で言及されるゲル化剤は、ゲランガム、カラギーナン、及びペクチンである。
【0011】
カリウム塩、具体的にはカルシウム塩などの、実施例に開示されるそれらの塩の形態のカチオンは、ゲル化助剤としてである凝固剤として機能する。
【0012】
US5 626 871Aは、従来のゲル化技法を使用してゲル化剤の助けを借りて調製されたそのようなHPMCカプセルを、実施例17~21に開示している。言及されているゲル化剤は、カラギーナンである。
【0013】
実施例17~21に開示されているその塩の形態のカリウムである塩化カリウムは、ゲル化助剤として機能する。
【0014】
US2019/0321301A1は、カプセルシェル内にペクチン及び塩化カルシウムなどの二価カチオンを含む耐酸カプセルを開示している。
【0015】
US2017/0087092A1は、塩化カルシウムではなくHPMC2906で調製された硬質カプセルシェルの高性能製造法を開示している。
【0016】
上記の文書のいずれも、単独又は組み合わせにかかわらず、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルからゲル化剤を含まないHPMCカプセルにDPI用途を変更する動機を与えてはおらず、ましてや、ゲル化剤を含まないHPMCカプセルに少量のCaCl2を使用する動機を与えてはいない。
【0017】
ゲル化剤は、カプセルの性能に有害な影響を有し得、例えば、HPMCカプセル中のゲル化剤の存在は、イオン、具体的にはカチオンなどの溶解媒体中の構成成分を干渉し得るか、又はあるいは、変化した溶解プロファイル及び異なる溶解プロファイルをもたらし得る。これは、望ましくない。
【0018】
HPMCをゲル化する第2の方法が存在し、これは、熱ゲル化方法であり、HPMCが、HPMCのゲル化点を超える高温でゲル化される。熱ゲル化方法では、ゲル化剤は、必要とされない。
【0019】
純粋なHPMCカプセルは、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルと比較して、あまり好ましくない粉末滞留特性を示すことが見出された。
【0020】
任意のイオンの相互作用、あるいは溶解媒体のゲル化剤との相互作用によって引き起こされる溶解特性における差を排除するために、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルと比較して少なくとも同等の平均粉末滞留特性を示しながら、ゲル化剤を含有しないHPMCカプセルに対する必要性が存在した。更に、機械的特性は、カプセルの製造及びそれらの使用に対して許容可能である必要がある。
【0021】
また、カプセルの穿刺及び開放が必要性に従って機能する必要があるなどの、意図された使用でのカプセルの機能に重要であるパラメータ、すなわち、DPI装置内でのパラメータが満たされるべきである。したがって、例えば、穿刺力は、全く砕けないか又は少なくとも最小限に砕けるカプセルの効率的な開放を提供する必要がある。
【0022】
驚くべきことに、ゲル化剤の不在下で、ある特定の量のCaClをHPMCカプセルのシェル材料に添加することによって、問題は解決された。実施例4に示され、図3に示される平均粉末滞留特性は、純粋なHPMCカプセルのものよりも良好であり、それらは、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルと比較して、少なくとも同等であり、いくつかの状況下では更に良好である。実施例3に示される衝撃試験における機械的特性は、純粋なHPMCカプセルと等しい。実施例5に示される穿刺試験は、ゲル化剤を含有するHPMCカプセルよりも更に良好な性能を示している。
【0023】
本明細書で使用される略語及び定義
API 活性医薬成分
cP センチポアズは、100分の1ポイズ、又はSI単位で1ミリパスカル-秒(mPa・s)である(1cP=10-3Pa・s=1mPa・s)
DPI 乾燥粉末吸入器
HPMC ヒプロメロース、セルロース、2-ヒドロキシプロピルメチルエーテル;セルロースヒドロキシプロピルメチルエーテル、[9004-65-3]とも呼ばれるヒドロキシプロピルメチルセルロース。
本発明で使用されるヒプロメロースの定義は、
US Pharmacopeia
Document Type:USP & NF
DocId:1_GUID-6A0B0F3C-FA70-433C-AD55-2020BBC64718_4_en-US
以下から印刷:https://online.uspnf.com/uspnf/document/1_GUID-6A0B0F3C-FA70-433C-AD55-2020BBC64718_4_en-US
c 2020 USPC
Page Information:
USP43-NF38-2279
USP42-NF37-2229
USP41-NF36-2105に見出すことができる。
RH 相対湿度:「相対湿度」という用語は、本明細書では、空気が同じ温度で水で飽和した場合に生じるであろう蒸気圧に対する、所与の温度での実際の水蒸気圧の比を意味するために使用される。当業者に既知の湿度測定機器のための多くの技術が存在し、これらの全ては実質的に同じRH値を与えるであろう。
重量% 重量パーセント(weight percent)又は重量パーセント(percent by weight)
【発明の概要】
【0024】
本発明の主題は、HPMC及びCaClを含むカプセルシェルCAPSSHELLであり、
CAPSSHELLに含まれるCaClの量は、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づいて、3’000~9’000ppmであり、
CAPSSHELLは、ゲル化剤を含有せず、
CAPSSHELLは、ゲル化剤とゲル化助剤との組み合わせを含有しない。
【0025】
本発明は、同封の図面を参照して再度説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後のカプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しているので、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していた。
図2】DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後のカプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しており、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していなかった。
図3】表3のデータからのLODに対するPR値のグラフ表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
CAPSSHELLは、活性医薬成分、薬剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む粉末を充填するためのカプセルシェルである。CAPSSHELLは、薬学的用途又はヘルスケア用途で使用されるタイプのカプセルである。
【0028】
HPMC及びCaClは、カプセルシェル自体、すなわち、実際にカプセルシェルを構築する壁に含有される。「構築する」の別の単語は、「構成する」又は「形成する」であり得る。HPMCは、実際に壁を構築する、すなわち、カプセルシェル自体を構築するフィルム形成物質であり、CaClは、HPMCに含有される、すなわち、CaClは、壁に含有される。
【0029】
本発明によって意味されるHPMC及びCaClは、カプセルシェルの含有量、すなわち、粉末形態の薬剤などのカプセルシェルに充填される粉末に含有されることを意味しない。
【0030】
好適なHPMCは、市販されている。
【0031】
HPMCは、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量を有し得る。
【0032】
HPMCは、4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有し得る。
【0033】
好ましくは、HPMCは、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量、及び4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有し得る。
【0034】
本発明において、HPMCメトキシ及びヒドロキシプロポキシ含有量は、米国薬局方に従って表され、米国薬局方の参照文献が本明細書で引用される。
【0035】
異なるタイプのHPMCが存在する。HPMCは、例えば、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロポキシ基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、からなる群から選択され得る。
【0036】
CAPSSHELL中のHPMCは、1つのタイプのHPMCであり得、また異なるタイプのHPMCの混合物であり得る。
【0037】
一実施形態では、HPMCは、HPMC2906、HPMC2910、又はそれらの混合物であり得る。
【0038】
CAPSSHELLは、3’500~9’000ppm、好ましくは4’000~9’000ppm、より好ましくは4’500~9’000ppm、更により好ましくは4’750~9’000ppm、具体的には5’000~9’000ppm、より具体的には6’000~9’000ppm、より具体的には6’000~8’000ppm、特に6’000~7’000ppm、より特に6’000~6’500ppmのCaClを含有し得、ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく。
【0039】
CAPSSHELLは、3’500~7’000ppm、好ましくは4’000~7’000ppm、より好ましくは4’500~7’000ppm、更により好ましくは4’750~7’000ppm、具体的には5’000~7’000ppm、より具体的には6’000~7’000ppm、更により具体的には6’000~6’500ppmのCaClを含有し得、ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく。
【0040】
別の実施形態では、CAPSSHELLは、3’500~6’500ppm、好ましくは4’000~6’500ppm、より好ましくは4’500~6’500ppm、更により好ましくは4’750~6’500ppm、具体的には5’000~6’500ppm、より具体的には6’000~6’500ppmのCaClを含有し得、ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく。
【0041】
CAPSSHELLは、70重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更により好ましくは95重量%以上、具体的には97.5重量%以上、より具体的には99重量%以上、更により具体的には99.3重量%以上、特に99.35重量%以上のHPMCを含有し得、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0042】
HPMCの上限は、99.65重量%であり、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0043】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、HPMC及びCaClからなる。
【0044】
一実施形態では、CAPSSHELLは、HPMC、CaCl、及び残留水からなり、CaClの可能な量が、好ましくは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に開示のCASPSHELLに含有されるHPMCの重量に基づく。
【0045】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、99.4~99.35重量%のHPMC及び0.6~0.66重量%のCaClからなり、HPMC及びCaClの量が、合計100重量%になり、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0046】
一実施形態では、CAPSSHELLは、硬質カプセルシェルである。
【0047】
CAPSSHELLの壁厚は、当業者には既知であり、典型的な値は、約100マイクロメートルであり得、典型的な範囲は、60~150マイクロメートルであり得る。
【0048】
CAPSSHELLの典型的なサイズは、当業者に既知であり、例えば、サイズ00、0、1、2、又は3で表され得る。
【0049】
CAPSSHELLは、残留水を含有する。残留水は、CAPSSHELLを調製するための水性混合物を使用している製造プロセスに由来し得るので、CAPSSHELL中の水は、典型的には、乾燥後にCAPSSHELL中に残留する残留水であり、また、CAPSSHELLを取り巻く大気、本質的には空気の湿度に由来し得る。CAPSSHELL中の残留水の典型的な含有量は、14重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは9重量%以下、更により好ましくは7重量%以下であり、重量%が、CAPSSHELLの重量に基づく。
【0050】
CAPSSHELL中の残留水含有量の典型的な範囲は、0~14重量%、好ましくは1~14重量%、更により好ましくは2~14重量%、具体的には2~10重量%、より具体的には2~9重量%、更により具体的には2~7重量%の水であり得、重量%が、CAPSSHELLの重量に基づく。
【0051】
一実施形態では、CAPSSHELLは、ゲル化剤GELAGE、又はゲル化剤GELAGEとゲル化助剤GELAIDとの組み合わせを含有しない。
【0052】
カプセルの製造に使用されるゲル化剤GELAGE、及びゲル化剤GELAGEとゲル化助剤GELAIDとの組み合わせは、当業者に既知である。
【0053】
寒天ガム、グアーガム、ローカストビーンガム(キャロブ)、カラギーナン、ペクチン、キサンタン、ゲランガム、コンニャクマンナン、又はゼラチンなどの典型的なゲル化剤GELAGEは、当業者に既知である。
【0054】
ゲル化剤GELAGEと組み合わせて使用され得る典型的なゲル化助剤GELAIDは、当業者に既知であり、K、Na、Li、NH 、Ca2+、又はMg2+などのカチオンであり得る。
【0055】
CAPSSHELLは、HPMC及びCaClに加えて、1つ以上の添加剤ADDを含み得、したがって、ADDは、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、潤滑剤、着色剤、溶媒、溶媒助剤、界面活性剤、分散剤、可溶化剤、安定剤、補正剤、甘味剤、吸収剤、吸着剤、付着剤、抗酸化剤、消毒剤、防腐剤、乾燥剤、香味剤、香料、pH調整剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、放出制御剤、酸、塩、又は混合物であり得る。
【0056】
したがって、典型的なADDは、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、着色剤、界面活性剤、分散剤、抗酸化剤、pH調整剤、保湿剤、酸、塩、又は混合物であり得る。
【0057】
したがって、好ましいADDは、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、着色剤、界面活性剤、分散剤、抗酸化剤、pH調整剤、保湿剤、塩、又は混合物であり得る。
【0058】
可塑剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はレシチンであり得る。過度の柔らかさを回避するために、可塑剤含有量は、最大2重量%、好ましくは最大1重量%など、高すぎるべきではなく、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0059】
着色剤は、TiOなどの顔料、又は染料であり得る。
【0060】
顔料又は色素の典型的な量は、0.01~10重量%、好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.01~2.5重量%、更により好ましくは0.01~1重量%であり得、重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく。
【0061】
分散剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン、又はレシチンであり得る。
【0062】
抗酸化剤は、アスコルビン酸であり得る。
【0063】
酸は、酢酸であり得る。
【0064】
酸の典型的な量は、0.025~0.75重量%、好ましくは0.04~0.6重量%であり得、重量%が、HPMCの重量に基づく。
【0065】
CAPSSHELL中の任意のADDの可能な含有量は、0.025~29.65重量%、好ましくは0.04~22重量%であり得、重量%が、乾燥CAPSSHELLの総重量に基づく。
【0066】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、HPMC、CaCl。及び着色剤からなる。
【0067】
一実施形態では、乾燥CAPSSHELLは、HPMC、CaCl。及び顔料からなる。
【0068】
一実施形態では、CAPSSHELLは、HPMC、CaCl、残留水、及び任意選択的に顔料からなり、CaClの可能な量が、好ましくは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に開示のCASPSHELLに含有されるHPMCの重量に基づき、
顔料が、CAPSSHELLに含有される場合、HPMCの可能な量が、好ましくは、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に開示のCAPSSHELLの重量に基づく。
【0069】
本発明の更なる主題は、CAPSSHELLの調製のための方法であり、
CAPSSHELLが、混合物DIPMIXからカプセルシェルを形成するためのプロセスPROCFORMCAPSによって形成され、DIPMIXが、CaCl及びHPMCを含有する水であり、
CAPSSHELLが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0070】
好ましくは、CaClは、DIPMIX中にその水溶液の形態で存在する。
【0071】
好ましくは、HPMCは、DIPMIX中にその水溶液の形態で存在する。
【0072】
DIPMIXはまた、当業者によって溶解物とも呼ばれる。
【0073】
PROCFORMCAPSは、押出成形、射出成形、キャスティング又はディップ成形、好ましくはディップ成形などの当業者に既知のカプセルシェルを形成するための任意の従来のプロセスであり得る。
【0074】
ディップ成形はまた、ディップコーティングとも呼ばれ得る。
【0075】
ディップ成形によって作製されたCAPSSHELLは、カプセルシェルの2つの部分で構成され、2つの部分は、キャップ及び本体と呼ばれる。これらの2つの部分は、多くの場合、半分が2つ(two halves)とも呼ばれるが、それらは必ずしも同じサイズを有する必要はなく、それらの各々が、必ずしもCAPSSHELLのサイズの正確な半分を有する必要はない。キャップ及び本体は、2つの別個の部分である。それらを一緒に接合すると、カプセル又はカプセルシェルを形成し、カプセル又はカプセルシェルは、空であっても充填されてもよい。「カプセル」及び「カプセルシェル」という単語は、通常、同義に使用される。シェルという用語は、通常、シェルの壁を再び形成するフィルムを形成するカプセル形状ポリマー、再びシェルを指し、したがって、カプセル形状ポリマーは、シェルとも呼ばれる。キャップは、キャップの所望の形状に相補的なそれぞれの幾何学的形状を有する成形ピンによってから得られ得る。本体は、本体の所望の形状に相補的なそれぞれの幾何学形状を有する成形ピンによって形成され得る。ディップ成形にそれぞれの成形ピンを使用することによって、キャップ又は本体のいずれかが得られる。
【0076】
したがって、CAPSSHELLは、キャップ及び本体の2つの部分で構成され得る。当該キャップ及び本体は、CAPSSHELLを提供するために伸縮自在に係合可能である。典型的には、キャップ及び本体は各々、それぞれキャップ又は本体の閉鎖端であるドーム形状領域、及びドーム形状領域から延在し、それぞれ、キャップ又は本体の開放端で終わる、本質的に円筒形状の領域、の2つの領域を有する。
【0077】
キャップの本質的に円筒形状の領域又はその少なくとも一部は、本体の本質的に円筒形状の領域又は少なくともその一部と伸縮自在に係合可能である。これは、本質的には、本体をキャップに挿入すること、又はその逆である。この挿入は、典型的には、本体を覆ってキャップをスライドさせること、又はその逆である。典型的には、キャップは、本体を覆ってスライドされる。それによって、本体の本質的に円筒形状の領域又は本体のこの領域の少なくとも一部は、キャップの本質的に円筒形状の領域の内側、又はキャップのこの領域の少なくとも一部の内側にある。したがって、キャップ及び本体の本質的に円筒状の領域は、場合によっては、他の領域を覆ってスライドされる。したがって、典型的には、本体はキャップに挿入される、すなわち、本体はキャップにスライドされる。伸縮自在な係合は、キャップ及び本体の長手方向軸に対して同軸で発生する。
【0078】
したがって、伸縮自在的に係合したキャップ及び本体が、カプセルである。
【0079】
ディップ成形のために、DPIMIXが提供される必要がある。
【0080】
ディップ成形は、
(1)CAPSSHELLの第1の半分の成形ピンを、DIPMIXにディップするステップと、
(2)成形ピン上にフィルムを形成させながら、DIPMIXから成形ピンを引き抜くステップと、
(3)CPASSHELLの第1の半分を提供する成形ピン上の当該フィルムを乾燥させるステップと、
(4)CAPSSHELLの半分を成形ピンから取り外すステップと、を含み、
CAPSSHELL及びDIPMIXが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0081】
CAPSSHELLは、2つの部分で構成され、2つの部分は、CAPSSHELLのキャップ及び本体と呼ばれる。
【0082】
ステップ(1)~(4)は、キャップを提供するように成形されているピン、及び本体を提供するように成形されているピンの両方で行われる。
【0083】
ステップ(1)~(4)は、提示された順序で実施される必要がある。
【0084】
CAPSSHELLの両方の部分を調製した後、両方の部分を互いに接合してカプセルを形成する。
【0085】
成形ピンから取り外されたカプセルシェルの半分は、カプセルシェルの所望の目的長さの半分よりも依然として長い長さを有し得、この場合、成形ピン上の及び成形ピンから取り外された後のカプセルシェルの半分は、一致しない部分に相当し、これらを所望のサイズに切断して、所望の長さのカプセルシェルの所望の半分を提供する。
【0086】
成形ピンは、ディップ成形のための高温PINTEMPを有し得る。一実施形態では、成形ピンは、DIPMIXにディップされ、ディップ後、フィルムが成形ピン上で乾燥されている間、高温を有する。
【0087】
PINTEMPは、DIPMIXのゲル化温度を1.0℃以上、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、上回り得る。PINTEMPの上限は、95℃であり得る。
【0088】
PINTEMPは、所望のカプセルサイズに従って選択され得る。
【0089】
PINTEMの典型的な範囲は、45~95℃、好ましくは45~80℃、より好ましくは45~70℃、更により好ましくは50~70℃、具体的には50~65℃であり得る。
【0090】
したがって、ステップ(1)の前に、成形ピンは、所望のPINTEMPまで予熱され得る。
【0091】
成形ピンのDIPMIXへのディップ中のDIPMIXの温度DIPMIXTEMPは、DIPMIXのゲル化温度を最大1.0℃、好ましくは10~1.0℃、より好ましくは6~1.0℃、更により好ましくは6~2℃下回り得る。
【0092】
HPMCグレード2906の例として、DIPMIXTEMPは、10~29℃、好ましくは15~29℃、より好ましくは20~29℃であり得る。
【0093】
成形ピン上のフィルムの乾燥は、空気乾燥によって行われ得る。乾燥は、温度がDIPMIXのゲル化温度を上回る高温で行われ得る。
【0094】
したがって、乾燥に使用される空気の温度は、DIPMIXのゲル化温度を上回り得る。
【0095】
成形ピン上でフィルムを乾燥させるための空気の温度は、45~90℃、好ましくは45~80℃であり得る。
【0096】
一般に、ステップ(3)の継続時間は、5~60分である。
【0097】
一般に、ステップ(3)は、20~90%、好ましくは20~70%、より好ましくは20~60%のRHで行われる。
【0098】
好ましい実施形態では、乾燥は、WO2008/050205A1に開示されるように実施される。
【0099】
DIPMIXは、本明細書で定義される乾燥CAPSSHELLの重量に基づくCAPSSHELL中のHPMC及びCaClの量と等しい、乾燥DIPMIXの重量に基づく量でHPMC及びCaClを含む。
【0100】
DIPMIXは、15~25重量%、好ましくは17~23重量%、より好ましくは17.5~22.5重量%のHPMCを含み得、重量%が、DIPMIXの重量に基づく。
【0101】
DIPMIX中のHPMCの濃度は、DIPMIXのゲル化温度を10~1.0℃下回る温度で測定して、1,000~3,000mPa*s、好ましくは1,200~2,500mPa*s、より好ましくは1,600~2,000mPa*sのDIPMIXの粘度を得るように選択され得る。
【0102】
DIPMIX中のHPMCの重量に基づくDIPMIX中のCaClの量は、乾燥CAPSSHELL中のCaClの含有量に対応する。
【0103】
DIPMIXは、混合物CCMIXを混合MIXすることによって調製され得、CCMIXが、CaClと水との混合物であり、混合物HPMCMIX、HPMCMIXが、水中のHMPCの混合物である。
【0104】
CCMIXは、15~25重量%、好ましくは17.5~22.5重量%のCaClを含み得、重量%が、CCMIXの重量に基づく。
【0105】
HPMCMIXは、15~25重量%、好ましくは17.5~22.5重量%のHPMCを含み得、重量%が、HPMCMIXの重量に基づく。
【0106】
HPMCMIX及びCCMIXの量、並びにそれらの濃度、並びにHPMC及びCaClの量は、CAPSSHELL中の所望の量のCaCl及びHPMCを提供するために、DIPMIX中の所望の量のCaCl及びHPMCを提供するような方式で計算及び選択される。
【0107】
乾燥DIPMIX中のCaCl及びHPMCの量は、乾燥CAPSSHELL中のそれぞれの量と等しい。
【0108】
CCMIXは、CaClと水とのMIXCCを混合することによって調製され得る。
【0109】
HPMCMIXは、HPMCと水とのMIXHPMCを混合することによって調製され得る。
【0110】
水は、室温を上回る温度、好ましくは60℃超、より好ましくは70℃超であり得る。最適温度は、当業者によって決定され得る。60℃超の温度でHPMCを水と混合することによって、HPMCの水中への分散が提供される。HPMCの溶解を達成するために、分散液は、10~20℃の温度まで冷却され得る。
【0111】
HPMCMIX又はDIPMIXなどの水中のHPMCの任意の溶液のゲル化温度は、溶液を徐々に加熱することによる粘度の測定によって決定され得る。粘度が急激に上昇し始める温度が、ゲル化温度とみなされる。例として、水中約19重量%の濃度では、HPMCタイプ2906のUSP定義を満たす本発明の任意のHPMCは、約30~40℃のゲル化温度を有する。追加の例として、水中15~25重量%の濃度では、約6%のヒドロキシプロポキシ含有量を有するHPMCのUSP定義を満たす本発明のHPMCは、約30~40℃のゲル化温度を有する。
【0112】
本発明の更なる主題は、活性成分ACTINGRを含む配合物FILLFORMで充填されたCAPSSHELLであり、ACTINGRが、活性医薬成分、薬剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得、
CAPSSHELLが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書に定義されるとおりである。
【0113】
FILLFORMは、粉末形態を有し得る。
【0114】
本発明の更なる主題は、FILLFORMを充填するためのCAPSSHELLの使用であり、CAPSSHELL及びFILLFORMが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【0115】
FILLFORMは、0.05~100重量%、好ましくは0.5~90重量%、より好ましくは1~50重量%、更により好ましくは5~30重量%の量でACTINGRを含み得、重量%が、乾燥FILLFORMの重量に基づく。
【0116】
CASPSSHELLに充填されるACTINGRの候補である薬剤又はAPIの例は、典型的には、DPI用途で使用され、粘液溶解薬、気管支拡張薬、コルチコステロイド、キサンチン誘導体、ロイコトリエンアンタゴニスト、タンパク質又はペプチド、及びそれらの混合物の部類などからの当業者に既知のものである。
【0117】
本発明の更なる主題は、乾燥粉末吸入器におけるCAPSSHELLの使用であり、CAPSSHELLが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【0118】
乾燥粉末吸入器におけるCAPSSHELLのこの使用では、FILLFORMで充填されたカプセルの形態のCAPSSHELLは、乾燥粉末吸入器の作動中にFILLFORMを分配するために乾燥粉末吸入器で使用される。FILLFORMは、CAPSSHELLにおける乾燥粉末吸入器の作動によって、CAPSSHELLから放出される。FILLFORMの放出は、患者によるFILLFORMの吸入を提供する
【0119】
本発明の更なる主題は、CAPSSHELLが乾燥粉末吸入器に挿入された乾燥粉末吸入器であり、好ましくは、CAPSHELが、FILLFORMで充填され、CAPSSHELL及びFILLFORMが、本明細書の全ての実施形態も含む本明細書で定義されるとおりである。
【実施例
【0120】
本明細書で使用される材料、装置、方法、及び更なる略語
CC 塩化カルシウム二水和物としての塩化カルシウム、CaCl.2HO、CAS10035-04-8、製品22317.297、力価99.8%、VWR International bvba、3001 Leuven,Belgiumから
HPMC ヒプロメロースとも呼ばれるヒドロキシプロピルメチルセルロース、グレード2906、METHOCEU「FS Premium LV Hydroxypropyl Methylcellulose、’T’he Dow Chemical Company、SWITZERLAND、29.5%メトキシル、6.2%ヒドロキシプロポキシル
ラクトースブレンド DFE pharma、47568 Goch,GermanyからRespitose ML001として入手可能な品質の吸入用ラクトース、d10又は4マイクロメートル、49マイクロメートルのD50及び169マイクロメートルのd90、Murphy,Seamus.(2014).UNDERSTANDING THE AFFECT OF DPI DEVICE AND LACTOSE TYPE ON THE OUTPUT FROM A DEVICE.Journal of Aerosol Medicine and Pulmonary Drug Delivery.27.A16-A16。
LOD 乾燥時の損失
装置
・1つの電子天秤Mettler ToledoタイプAB204
・1つの乾燥オーブンタイプMemmert U40
・1つのアルミニウム容器
【0121】
手順
LODを測定するために、以下のように進める:
・あらかじめ秤量したアルミニウム容器内の重量1+/-0.001gのカプセル材料
・100~105℃に設定した乾燥オーブンに容器を入れ、容器を編目金網で覆う
・100~105℃で18時間の間、保管及び乾燥させる
・デシカント(dessiccant)を装備したデシケーター(dessiccantor)で冷却し、次いで最大30分後にカプセルを秤量する
・乾燥時の損失を元の重量のパーセンテージとして計算する
・必要に応じて3回再現し、LODの決定の精度を評価する。
PR 粉末残留
SD 標準偏差
SML ソルビタンモノラウレート、Glycomul L KFG(Non-GMO)/SCHL-470LB、酸価6、Color-Gardner1963は16である、ヒドロキシル価358、けん化価165、KF1.3、Lonza,3930 Visp,Switzerlandによる含水量
RF10 SOLEC(TM) RF-10標準的な菜種油レクチン流体、酸価28.60、アセトン不溶性62.80%、Solae Europe、S.A.,2,1218 Le Grand Saconnex,Switzerland
チューブ試験機 Capsugel、自社開発
方法:
カプセルの破壊及び弾性挙動は、チューブを用いる衝撃試験に対する耐性によって測定する。
【0122】
手順
1.カプセルを5日間保管し、その後乾燥機で試験する。
利用可能な保管条件は、10、23、33、45%のRHである
各条件について50個のカプセルを、開封した箱に保管する。その後、箱を閉じて、周囲雰囲気での水分交換を回避する。
2.カプセルを平らな面に水平に置く。
3.100gの重りをチューブに入れる。
4.チューブをカプセル上に置き、ラッチを押して重量を解放する。
5.50個のカプセルを試験する。
【0123】
選択したRHで平衡化した後に保管用の閉じた箱を使用し、50個のカプセルごとに同時に取り出さない(湿度の再吸収を回避するため)。
【0124】
本体、キャップ、又はカプセル(本体及びキャップ)が破損した数を記録する。
【0125】
チューブ試験機及び試験方法は、M.Sherry Ku et al.,「Performance qualification of a new hypromellose capsule:Part I.Comparative evaluation of physical,mechanical and processability quality attributes of Vcaps Plus登録商標,Quali-V登録商標 and gelatin capsules」,International Journal of Pharmaceutics,Volume 386,Issues 1-2,15 February 2010,Pages 30-41,chapter 2.5に開示されている。機械的強度評価
電子天秤 XPE205DR、Mettler-Toledo AG
脆さ試験機(Friabilator) ERWEKA GmbH、63225 Langen,GermanyのFriability/Abrasion Tester TAR
DUSA 投薬単位サンプリング装置、製品モデル名TPK2000として市販の臨界流制御器、HCP5真空ポンプ、フィルターPALLFLEX47mm、及びCopley Scientificによる乾燥粉末吸入器のDDU(送達用量均一性)のための装置とも呼ばれる、DFM2000流量計(Copley Scientific)を備えた吸入製品を試験するための機器
SEM 走査型電子顕微鏡FlexSEM1000
【0126】
実施例1:CC溶解物の調製
ステップ1:HPMC溶解物(HPMCMIX)の調製
HPMC溶解物を調製するための化合物のリスト:
HPMC:20.55重量%
水 79.45重量%
【0127】
HPMC溶解物の調製は、HPMCを充填し混合した80~85℃の水を容器に充填することによって行った。次いで、容器を10~20℃まで冷却し、HPMCを可溶化した。10~20℃で1時間後、HPMC溶解物を29℃まで加熱し、更なる使用のためにその温度で維持する。
【0128】
ステップ2:CaCl.2HO溶液(CCMIX)の調製
CaCl.2HOを、200rpmの撹拌下で80℃の水に添加した。
【0129】
ステップ3:CC溶解物(DIPMIX)の調製
CC溶解物は、ステップ1に従って調製したHPMC溶解物と、ステップ2に従って調製したCaCl.2HOの溶液との混合物である。
【0130】
CaCl.2HOの溶液をステップ1に従って調製したHPMC溶解物と混合し、それによってCC溶解物を提供した。
【0131】
この方式で3つのCC溶解物、CC-A*溶解物、CC-A**、及びCC-B溶解物を調製し、この様式で第4の溶解物、CC-A溶解物を調製し、これらのCC溶解物の量を表1に示す。
【表1】
CaClのMW=110.98g/mol
CaCl.2HOのMW=147.01g/mol
CaClの重量:
CC-A:503.41g*(110.98/147.01)=380.03g
CC-A*:503.41g*(110.98/147.01)=380.03g
CC-A**:497.05g*(110.98/147.01)=375.23g
CC-B:59.59g 20重量%=11.918g CaCl.2H
11.918g*(110.98/147.01)=9.0g
HPMC+CaClの重量に基づくCaClのppm:
CC-A:380.03g/(57’540g+380.03g)*1’000’000=6’561ppm
CC-A*:380.03g/(59’820g+380.03g)*1’000’000’=6’313ppm
CC-A**:375.23g/(49’530g+375.23g)*1’000’000’=7’519ppm
CC-B:4’500g 20.55重量%=924.75g HPMC
9.0g/(924.75g+9.0g)*1’000’000’=9’639ppm
HPMCの重量に基づくCaClのppm:
CC-A:380.03g/57’540g*1’000’000=6’605ppm
CC-A*:380.03g/59’820g*1’000’000=6’353ppm
CC-A**:375.23g/49’530g*1’000’000=7’576ppm
CC-B:9.0g/924.75g*1’000’000=9’732ppm
【0132】
実施例2:CCシェル及びCCカプセル、並びにHPMCシェル及びHPMCカプセルの調製
実施例1に従って調製したそれぞれのCC溶解物CC-A*及びCC-B、並びに実施例1のステップ1に従って調製したHPMC溶解物を使用して、55℃の温度のステンレス鋼成形ピンを、29℃の温度のそれぞれのCC溶解物又はそれぞれHPMC溶解物にディップすることによる従来の成形ディップを通じて、カプセルサイズ3及び標準目標重量(カプセル重量47+/-3mg)を有するカプセルの半分(本体及びキャップ)の形態のCCシェル及びHPMCシェルを製造した。成形ピン上にフィルムを形成した。50~60℃及び30~40%のRHで15~20分間の成形ピン上のフィルムの第1の乾燥、並びに50~60℃及び25~30%のRHで30分間の第2の乾燥後、それぞれCCカプセルの半分及びHPMCカプセルの半分を得た。
【0133】
カプセルは、常に1つのキャップを1つの本体と接合することによって組み立てた。
【0134】
実施例3:カプセルの試験-機械的性能
実施例2に従って調製したカプセルの破壊挙動を、チューブ試験機を用いた衝撃試験に対する耐性によって測定した。試験の準備では、乾燥機での4つの保管条件下:異なるLODを有するカプセルを得るために、10、23、33、及び45%のRHで5日間平衡化するためにカプセルを保管した。試験したカプセルの数は、各RH値当たり50個であり、破損した本体又は破損したキャップの数を記録した。破損したカプセルのパーセンテージを表2に提示する。
【表2】
【0135】
CaClの量が高すぎる場合、機械的性能が劣化する。
【0136】
実施例4:カプセルへの試験-カプセル内の粉末滞留PR
カプセル内の残留粉末を決定するために、Copley ScientificからのDUSA機器を使用した。23、33、45及び50%のRHで乾燥機内に保管することによって、カプセルを異なるLODに平衡化した。実施例2に従って調製した10個のカプセルを、25+/-1mgのラクトースブレンドで充填した。ラクトースブレンドで充填されたこれらの10個のカプセルを、蓋を有する25mlの容量のプラスチックボトルに入れ、脆さ試験機TARで100回タンブリングした。DUSAデバイスを使用して、カプセルを空にした。その設定は、USP Pharmacopeaガイドライン段落601見出し「Sampling the Delivered Dose from Dry Powered Inhalers」Apparatus Bに従って調整した:引用されたUSP Pharmacopeiaガイドライン段落601によって要求されるように、4Lの空気量と一致させるために、100L/分の流量パラメータ及び2.4秒の吸引時間で2つのポンプを使用して、吸入器から引き出した。この合計10個のカプセルの、粉末を充填する前(Wempty)及びDUSAデバイスによって空にした後(Wemptied)の重量を決定した。これらの10個のカプセルに充填した粉末の総量も記録した(Wpowder)。PRは、残留粉末のパーセンテージであり、等式EQ1から決定した:
EQ1: PR%=100*[(Wemptied-Wempty)/Wpowder]
【0137】
結果は、3つの試料の平均及び標準偏差SDを表し、合計10個のカプセルの各々を試験し、表3に示す。
【表3】
【0138】
図3は、表3のデータからのLODに対するPR値のグラフ表示を示す。個々の値を黒色で、平均値を灰色で示す。
▲ 三角形:CC-A*溶解物から作製したカプセルは、三角形によって表される。
● 黒丸:CC-A**溶解物から作製したカプセルは、黒丸によって表される。
■ 正方形:CC-B溶解物から作製したカプセルは、正方形によって表される。
◆ 菱形:US5,626,871の実施例17で使用されたカプセル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース[組成:93重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロース、Shinetsu Kagakuによって製造された「TC-5R」、1重量部のカラギーナン、1重量部の塩化カリウム、5重量部の水]で本質的に構成される医療用硬質カプセル)は、正方形によって表される。
○ 白丸:HPMCカプセルは、三角形によって表される。
【0139】
結果:
・HPMCカプセルは、CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルと比較して、最も高い平均PR値を示している。
・CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルは、US5,626,871の実施例17で使用されたゲル化剤を含むカプセルと比較して、同等又はより良好なPR値のいずれかを示している。
・CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルは、HPMC溶解物から作製したカプセルよりも一貫して低い平均PR値を示している。
【0140】
実施例5:カプセルへの試験-DUSA試験後のカプセル内面のSEM画像化
実施例2に従って調製し、実施例4に記載のように50%のRHで乾燥機内に保管した4.5~5.0のLODを有するCC-A*カプセル及びHPMCカプセルもまた、粉末で充填されたカプセルの形態で一般に入手可能な薬剤を薬局で購入し、この粉末を抽出しカプセルに充填することによって得た粉末を使用して試験した。次いで、実施例4に記載のように、DUSA機器の動作によってカプセルを空にし、残留粉末を目視検査によって決定した。目視検査は、CC-A*カプセルがHPMCカプセルと比較して有意に少ない粉末を含有していることを示した。
【0141】
PRは、HPMCカプセルでは0.6%、CC-A*カプセルでは0.11%であった。
【0142】
図1は、DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後の1つのそのようなCCA*カプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しているので、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していた。
【0143】
図2は、DUSA機器の動作によってカプセルから粉末を空にした後のカプセル内面の残留粉末のSEM写真を示しているので、カプセルシェルのフィルム構築ポリマーは、HPMCであり、カプセルシェルは、CaClを含有していなかった。
【0144】
明らかに、図1は、図2よりもはるかに少ない数の粉末粒子を示している。
【0145】
実施例6:カプセルの試験-穿刺試験
CC-A*溶解物から作製したカプセル及びUS5,626,871の実施例17で使用したカプセル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース[組成:93重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロース、Shinetsu Kagakuによって製造された「TC-5R」、1重量部のカラギーナン、1重量部の塩化カリウム、5重量部の水]で本質的に構成される医療用硬質カプセル)を用いて、穿刺試験を行った。
【0146】
穿刺試験のプロトコル:
・カプセル(N=15)を、5日間、23及び45%のRH保管条件の乾燥機内で平衡化した。
・穿刺試験では、PlastiapeのRS01乾燥粉末吸入器(Plastiape S.p.a. con socio unico、Osnago,Italy)を使用した。
・吸入器チャンバー内にカプセルを入れ、吸入器の2本の横方向の針に同時に押し付けることによって穿刺した。
穿刺されると、カプセルを1つずつ目視で確認し、蓋が貫通されていないか、又はカプセルの蓋若しくはその一部のいくらかが剥離されて、吸入によって患者に粉末と一緒にいくらかのカプセル粒子が堆積するリスクがあるカプセルである、不適格なカプセルを同定した。
選別されたカプセルを数え、分析されたカプセル総数のパーセンテージとして提示し、結果を表6に示す。
【表4】
【0147】
CC-A*溶解物及びCC-A**溶解物から作製したカプセルは、US5,626,871の実施例17で使用されたゲル化剤を含むカプセルと比較して、穿刺試験において有意に良好な性能を示し、不適格なカプセルは観察されなかった。
【0148】
添加剤を含む比較例
添加溶解物及びそれらのカプセルの調製
CaCl.2HOの代わりに、2つの他の添加剤を試験した。
【0149】
添加剤は、以下であった:
・ソルビタンモノラウレートSML
・菜種レシチンRF10
それぞれの溶解物中の添加剤の含有量は、HPMCの重量に対して5000ppmであり、ステップ2が異なり、表4に示される量で、ステップ3でCaCl.2HOの代わりにそれぞれの添加剤の分散液を使用した。実施例1の手順に従って、それぞれの溶解物を調製した。
【0150】
ステップ2 添加剤の分散液の調製
添加剤を水に添加し、8000~9000rpmの速度で5分間、Ultra-Turrax、IKA T25によって均質化を施した。
【0151】
HPMC溶解物への添加前に泡が消失するまでSML分散液を静置し、RF10の分散液は、泡が形成されなかったので、静置する必要なく直接使用した。
【表5】
【0152】
添加溶解物の調製は、2つの溶解物:RF10溶解物及びSML溶解物を提供した。次いで、これらの2つの添加溶解物を用いて、実施例2に記載のディップ成形方法に従って、添加剤カプセルシェルを調製した。
【0153】
添加剤溶解物から調製した添加剤カプセルへの試験-カプセル内の粉末滞留PR
5.0~5.5のLOD(%)を有する添加剤カプセルによるPRを、実施例4に記載の方法に従って試験した。下記の備考(*)に記載されているように、5.0~5.5%のLODが得られた。表5は、PR値を示している。
【表6】
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HPMC及びCaCl2を含むカプセルシェルCAPSSHELLであって、
CAPSSHELLに含まれるCaCl2の量が、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づいて、3’000~9’000ppmであり、
CAPSSHELLが、ゲル化剤を含有しないか、又は
CAPSSHELLが、前記ゲル化剤とゲル化助剤との組み合わせを含有しない、カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項2】
前記HPMCが、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロポキシ基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、からなる群から選択される、請求項1に記載のCAPSSHELL。
【請求項3】
前記HPMCが、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量を有する、請求項1に記載のCAPSSHELL。
【請求項4】
前記HPMCが、4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有する、請求項1又は2に記載のCAPSSHELL。
【請求項5】
前記HPMCが、HPMC2906、HPMC2910、又はそれらの混合物である、請求項1~4のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項6】
CAPSSHELLが、3’500~9’000ppmのCaCl2を含有し、前記ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく、請求項1~5のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項7】
CAPSSHELLが、4’000~9’000ppmのCaCl2を含有し、前記ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく、請求項1~6のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項8】
CAPSSHELLが、70重量%以上のHPMCを含有し、前記重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく、請求項1~7のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項9】
CAPSSHELLが、1つ以上の添加剤ADDを含み、ADDが、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、潤滑剤、着色剤、溶媒、溶媒助剤、界面活性剤、分散剤、可溶化剤、安定剤、補正剤、甘味剤、吸収剤、吸着剤、付着剤、抗酸化剤、消毒剤、防腐剤、乾燥剤、香味剤、香料、pH調整剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、放出制御剤、酸、塩、又は混合物であり得る、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項10】
乾燥CAPSSHELLが、HPMC及びCaCl2からなる、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項11】
乾燥CAPSSHELLが、99.4~99.35重量%のHPMC及び0.6~0.66重量%のCaCl2からなり、HPMC及びCaCl2の量が、合計100重量%になり、前記重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項12】
乾燥CAPSSHELLが、HPMC、CaCl2。及び着色剤からなる、請求項1~9のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項13】
CAPSSHELLの調製のための方法であって、
CAPSSHELLが、混合物DIPMIXからカプセルシェルを形成するためのプロセスPROCFORMCAPSによって形成され、DIPMIXが、CaCl2及びHPMCを含有する水であり、
CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりである、方法。
【請求項14】
PROCFORMCAPSが、押出成形、射出成形、キャスティング又はディップ成形である、請求項13に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項15】
PROCFORMCAPSが、ディップ成形である、請求項13又は14に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項16】
前記ディップ成形が、
(1)CAPSSHELLの第1の半分の成形ピンを、DIPMIXにディップするステップと、
(2)前記成形ピン上にフィルムを形成させながら、DIPMIXから前記成形ピンを引き抜くステップと、
(3)CPASSHELLの前記第1の半分を提供する前記成形ピン上の前記フィルムを乾燥させるステップと、
(4)CAPSSHELLの半分を成形ピンから取り外すステップと、を含み、
CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりであり、DIPMIXが、請求項13で定義されるとおりであり、
CAPSSHELLが、2つの部分で構成され、前記2つの部分が、CAPSSHELLのキャップ及び本体と呼ばれ、
ステップ(1)~(4)が、前記キャップを提供するように成形されているピン、及び前記本体を提供するように成形されているピンの両方で行われる、請求項15に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項17】
活性成分ACTINGRを含む配合物FILLFORMで充填されたCAPSSHELLであって、ACTINGRが、活性医薬成分、薬剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得、
CAPSSHELLが、請求項1~12のうちの一項以上で定義されるとおりである、CAPSSHELL。
【請求項18】
FILLFORMを充填するためのCAPSSHELLの使用であって、CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりであり、FILLFORMが、請求項17で定義されるとおりである、CAPSSHELLの使用。
【請求項19】
乾燥粉末吸入器におけるCAPSSHELLの使用であって、CAPSSHELLが、請求項1~12及び17のうちの一項以上で定義されるとおりである、CAPSSHELLの使用。
【請求項20】
CAPSSHELLが前記乾燥粉末吸入器に挿入されている乾燥粉末吸入器であって、CAPSSHELLが、請求項1~12及び17のうちの一項以上で定義されるとおりである、乾燥粉末吸入器。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HPMC及びCaClを含むカプセルシェルCAPSSHELLであって、
CAPSSHELLに含まれるCaClの量が、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づいて、3’000~9’000ppmであり、
CAPSSHELLが、ゲル化剤を含有しないか、又は
CAPSSHELLが、前記ゲル化剤とゲル化助剤との組み合わせを含有せず、
前記ゲル化剤が、寒天ガム、グアーガム、ローカストビーンガム(キャロブ)、カラギーナン、ペクチン、キサンタン、ゲランガム、コンニャクマンナン、及びゼラチンからなる群から選択され、
前記ゲル化助剤が、K、Na、Li、NH 、Ca2+、及びMg2+などのカチオンからなる群から選択される、カプセルシェルCAPSSHELL。
【請求項2】
前記HPMCが、
約7.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約28.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2910、
約4.0~7.5%のヒドロキシプロポキシ基及び約27.0~30.0%のメトキシ基を含有するHPMC2906、
約4.0~12.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約19.0~24.0%のメトキシ基を含有するHPMC2208、
約23.0~32.0%のヒドロキシプロポキシ基及び約16.5~20.0%のメトキシ基を含有するHPMC1828、からなる群から選択される、請求項1に記載のCAPSSHELL。
【請求項3】
前記HPMCが、27.0~30.0%(w/w)のメトキシ含有量を有する、請求項1に記載のCAPSSHELL。
【請求項4】
前記HPMCが、4.0~12.0%(w/w)のヒドロキシプロポキシ含有量を有する、請求項1又は2に記載のCAPSSHELL。
【請求項5】
前記HPMCが、HPMC2906、HPMC2910、又はそれらの混合物である、請求項1~4のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項6】
CAPSSHELLが、3’500~9’000ppmのCaClを含有し、前記ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく、請求項1~5のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項7】
CAPSSHELLが、4’000~9’000ppmのCaClを含有し、前記ppmが、CAPSSHELLに含まれるHPMCの重量に基づく、請求項1~6のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項8】
CAPSSHELLが、70重量%以上のHPMCを含有し、前記重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく、請求項1~7のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項9】
CAPSSHELLが、1つ以上の添加剤ADDを含み、ADDが、粘度調整剤、消泡助剤、可塑剤、潤滑剤、着色剤、溶媒、溶媒助剤、界面活性剤、分散剤、可溶化剤、安定剤、補正剤、甘味剤、吸収剤、吸着剤、付着剤、抗酸化剤、消毒剤、防腐剤、乾燥剤、香味剤、香料、pH調整剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、放出制御剤、酸、塩、又は混合物であり得る、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項10】
乾燥CAPSSHELLが、HPMC及びCaClからなる、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項11】
乾燥CAPSSHELLが、99.4~99.35重量%のHPMC及び0.6~0.66重量%のCaClからなり、HPMC及びCaClの量が、合計100重量%になり、前記重量%が、乾燥CAPSSHELLの重量に基づく、請求項1~8のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項12】
乾燥CAPSSHELLが、HPMC、CaCl。及び着色剤からなる、請求項1~9のうちの一項以上に記載のCAPSSHELL。
【請求項13】
CAPSSHELLの調製のための方法であって、
CAPSSHELLが、混合物DIPMIXからカプセルシェルを形成するためのプロセスPROCFORMCAPSによって形成され、DIPMIXが、CaCl及びHPMCを含有する水であり、
CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりである、方法。
【請求項14】
PROCFORMCAPSが、押出成形、射出成形、キャスティング又はディップ成形である、請求項13に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項15】
PROCFORMCAPSが、ディップ成形である、請求項13又は14に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項16】
前記ディップ成形が、
(1)CAPSSHELLの第1の半分の成形ピンを、DIPMIXにディップするステップと、
(2)前記成形ピン上にフィルムを形成させながら、DIPMIXから前記成形ピンを引き抜くステップと、
(3)CPASSHELLの前記第1の半分を提供する前記成形ピン上の前記フィルムを乾燥させるステップと、
(4)CAPSSHELLの半分を成形ピンから取り外すステップと、を含み、
CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりであり、DIPMIXが、請求項13で定義されるとおりであり、
CAPSSHELLが、2つの部分で構成され、前記2つの部分が、CAPSSHELLのキャップ及び本体と呼ばれ、
ステップ(1)~(4)が、前記キャップを提供するように成形されているピン、及び前記本体を提供するように成形されているピンの両方で行われる、請求項15に記載のCAPSSHELLの調製のための方法。
【請求項17】
活性成分ACTINGRを含む配合物FILLFORMで充填されたCAPSSHELLであって、ACTINGRが、活性医薬成分、薬剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得、
CAPSSHELLが、請求項1~12のうちの一項以上で定義されるとおりである、CAPSSHELL。
【請求項18】
FILLFORMを充填するためのCAPSSHELLの使用であって、CAPSSHELLが、請求項1で定義されるとおりであり、FILLFORMが、請求項17で定義されるとおりである、CAPSSHELLの使用。
【請求項19】
乾燥粉末吸入器におけるCAPSSHELLの使用であって、CAPSSHELLが、請求項1~12及び17のうちの一項以上で定義されるとおりである、CAPSSHELLの使用。
【請求項20】
CAPSSHELLが前記乾燥粉末吸入器に挿入されている乾燥粉末吸入器であって、CAPSSHELLが、請求項1~12及び17のうちの一項以上で定義されるとおりである、乾燥粉末吸入器。
【国際調査報告】