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▶ アークティック・バイオマテリアルズ・オサケユフティオの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(54)【発明の名称】繊維強化インプラントの製造法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20230616BHJP
   B29C 43/18 20060101ALI20230616BHJP
   B29C 70/30 20060101ALI20230616BHJP
   B29C 70/16 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
B29C45/14
B29C43/18
B29C70/30
B29C70/16
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022564196
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2020061210
(87)【国際公開番号】W WO2021213648
(87)【国際公開日】2021-10-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520132403
【氏名又は名称】アークティック・バイオマテリアルズ・オサケユフティオ
【氏名又は名称原語表記】Arctic Biomaterials Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】フットゥネン,ミッコ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイノ,ハッリ
(72)【発明者】
【氏名】レフトラ,ミカ
(72)【発明者】
【氏名】エッラ,ヴィッレ
(72)【発明者】
【氏名】ラーッコネン,ミカ
【テーマコード(参考)】
4F204
4F205
4F206
【Fターム(参考)】
4F204AB11
4F204AB25
4F204AD15
4F204AD16
4F204AG03
4F204AG14
4F204FA01
4F204FB01
4F204FB12
4F204FF05
4F204FG09
4F204FN11
4F204FN15
4F205AD16
4F205AG14
4F205HA02
4F205HA37
4F205HB01
4F205HB12
4F205HL02
4F205HT22
4F206AB01
4F206AB11
4F206AB25
4F206AD05
4F206AD08
4F206AD15
4F206AD16
4F206AG03
4F206AG14
4F206JA03
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB15
4F206JB28
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
本発明は、繊維強化インプラント構造体の製造方法に関する。成形サイクルは、オーバーモールドによって行われる。インサートは金型キャビティに配置される。溶融形態の第2熱可塑性ポリマーが金型キャビティ内に射出成型または圧縮成形される。これにより、インサートは、第2熱可塑性ポリマーによって少なくとも部分的に覆われる。金型キャビティ内で射出形成されたまたは圧縮成形された第2熱可塑性ポリマーは冷却され、それにより、少なくとも部分的に覆われたインサートを含む成形された繊維強化インプラント構造体が得られる。インサートは、射出成形または圧縮成形の間、および冷却の間、金型キャビティ内の所定の位置にある。第1熱可塑性ポリマーと第2熱可塑性ポリマーは、同じまたは異なる。また、本発明は、インプラント構造体、および前記インプラント構造体を含むインプラントにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化インプラント構造体の製造方法であって、
少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを含浸させた連続繊維を含む繊維強化硬質インサートを提供し、
オーバーモールドにより成形サイクルを実行し、成形サイクルは、
繊維強化硬質インサートを金型キャビティに配置すること、
金型キャビティ内に配置された繊維強化硬質インサートが少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーにより少なくとも部分的に覆われるように、溶融形態の少なくとも1つ第2熱可塑性ポリマーを金型キャビティ内に射出成形または圧縮成形すること、および
金型キャビティ内に射出成形または圧縮成形された少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーを冷却し、それにより、少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーにより少なくとも部分的に覆われた繊維強化硬質インサートを含む成形された繊維強化インプラント構造体を得ること、
を含み、
前記繊維強化硬質インサートは、前記射出成形または圧縮成形中および前記冷却中に、金型キャビティ内の所定の位置にあり、
少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーと少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは同じかまたは異なる、
繊維強化インプラント構造体。
【請求項2】
前記射出成形または圧縮成形の前に、前記繊維強化硬質インサートが前記金型キャビティ内に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
繊維強化硬質インサートを金型キャビティ内に配置した後、金型キャビティを閉じ、少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーを充填する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記射出成形または圧縮成形の間、および前記冷却の間、前記金型キャビティが1バール~2500バールの圧力に暴露されている、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、プレーンな熱可塑性ポリマーまたはポリマーブレンドを含み、
前記少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、ホモポリマー、コポリマーおよび/またはターポリマーを含み、および/または
前記少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、添加剤をさらに含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記添加剤は、リン酸カルシウム、βリン酸三カルシウム(ベータ-TCP)、ガラス粒子、および細断ガラス繊維の少なくとも1つである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記繊維強化インサートは、前記少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーで含浸された、ポリマー繊維、ガラス繊維、炭素繊維、および/またはアラミド繊維を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
繊維強化インサートは、
前記少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを含浸させた繊維を含むプリフォームを所望の形状に加工すること、
前記少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを溶融または溶解すること、
により調製され、
ここに、前記少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマー材料の連続する層および/または隣接する構造部分が互いに結合し、それにより、繊維強化硬質インサートを提供する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維強化インサートは、フィラメントワインディング、自動テーププレイスメント、および/または自動繊維プレイスメントを使用することによって調製される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記繊維強化インサートは、ブレイディング、ウィービング、および/またはニッティングを使用し、次いで、熱および/または溶媒により処理し、それにより、前記繊維強化硬質インサートが提供されることにより調製される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維強化インサートは、連続繊維の3D印刷により、および/または連続繊維を含む予備含浸材料から硬質インサートを調製する他の方法により調製される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記繊維は、成形された繊維強化インプラント構造体の最短寸法、最も薄い壁の厚さ、または繊維強化インプラント構造体形状によって決定される他のいずれかの寸法と少なくとも同じ長さであり、好ましくは、前記繊維は、成形された繊維強化インプラント構造体の最長主寸法、直径、または他の寸法と少なくとも同じ長さである、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
成形繊維強化インプラント構造体であって、
繊維強化硬質インサートであって、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを含浸させた連続繊維を含む繊維強化硬質インサート、および
少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマー、ここに、前記繊維強化硬質インサートが、成形された繊維強化インプラント構造体において少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーによるオーバーモールドによって少なくとも部分的に覆われている、
ここで、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーと少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは同じかまたは異なる、
成形繊維強化インプラント構造体。
【請求項14】
プレート、ねじまたは釘の形状を有する、請求項13に記載のインプラント構造体。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、プレーンな熱可塑性ポリマーまたはポリマーブレンドを含み、
前記少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、ホモポリマー、コポリマーおよび/またはターポリマーを含み、および/または
前記少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、添加剤をさらに含有する。
請求項13または14に記載のインプラント構造体。
【請求項16】
前記添加物は、ベータ-リン酸三カルシウム(ベータ-TCP)などのリン酸カルシウム、ガラス粒子、細断ガラス繊維、細断炭素繊維、および鉱物添加剤の少なくとも1つである、請求項15に記載のインプラント構造体。
【請求項17】
ポリマー繊維、ガラス繊維、炭素繊維、および/またはアラミド繊維を含む、請求項13~16のいずれか1項に記載のインプラント構造体。
【請求項18】
前記インサートは、複数層の連続繊維を含み、各層は、前記インサート内で選択された繊維配向にある、請求項13~17のいずれか1項に記載のインプラント構造体。
【請求項19】
前記インサートは、複数層の連続繊維を含み、各層は、インサート内で選択された繊維配向にあり、3Dプリント構造は前記層状インサートの上に3Dプリントされる、請求項13~18のいずれか1項に記載のインプラント構造体。
【請求項20】
前記インサートは、複数層の連続繊維を含み、各層は、前記インサート内で選択された繊維配向であり、3Dプリント構造は層状のコア上に3Dプリントされる、請求項13~19のいずれか一項に記載のインプラント構造体。
【請求項21】
前記繊維は、成形された繊維強化インプラント構造体の最短寸法、最も薄い壁の厚さ、または繊維強化インプラント構造体の形状により決定される他のいずれかの寸法と少なくとも同じ長さであり、好ましくは、前記繊維は、成形された繊維強化インプラント構造体の最長主寸法、直径、または他の寸法と少なくとも同じ長さである。請求項13~20のいずれか1項に記載のインプラント構造体。
【請求項22】
前記インサートは、前記インプラント構造体のコア内、前記インプラント構造体の内、または前記インプラント構造体の表面上の一部に位置する、請求項13~21のいずれか1項に記載のインプラント構造体。
【請求項23】
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法により製造される、請求項13~22のいずれか1項に記載のインプラント構造体。
【請求項24】
請求項13~23のいずれか1項に記載のインプラント構造体を含むインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化インプラント構造体、および繊維強化インプラント構造体の製造方法に関する。本発明はさらに、繊維強化インプラント構造体を含むインプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化ポリマーは、繊維で強化されたポリマーマトリックスから作られた複合材料で、航空宇宙、自動車、海洋、建設業界で一般的に使用されている。医療用インプラントの作成における繊維複合技術の潜在的な使用は、腐食、イメージングの障害(磁気共鳴イメージング、MRIなど)、骨とインプラント材料間の機械的特性の不一致など、現在使用されている金属に関する特定の課題を解決し得る。ポリマーインプラントと比較して、繊維強化複合インプラントは、優れた機械的特性、改善された生体適合性などを示すことができる。インプラント技術における繊維強化複合材料の可能性は、これらの材料が、プレーンポリマーおよび/または粒子充填複合材の機械的特性を超える、優れた機械的特性を示すという事実に基づいている。典型的には、改善された機械的特定は、繊維強化複合材料を使用する最も重要な理由である。
【0003】
射出成形は、熱可塑性および/または熱硬化性ポリマーなどの溶融材料を金型に射出して部品を製造するプロセスである。原材料は加熱されたバレルに供給され、らせん状のスクリューを使用して混合され、射出によって金型キャビティに押し込まれる。その後、材料は冷却され、金型キャビティの形状に硬化する。金型への原材料の高圧射出により、ポリマーが所望の形状に成形される。プラスチック部品の射出成形中の一連のイベントは、射出成形サイクルと呼ばれ、金型が閉じたときに開始され、その後金型キャビティにポリマーが射出される。キャビティが充填されると、材料の収縮を防ぐために保圧が維持される。部品が所望の温度まで冷却されると、金型が開き、部品が取り出される。その後、次の部品を製造するための成形サイクルが始まり、必要な量の製品が製造されるまで、これらの成形サイクルが繰り返される。
【0004】
オーバーモールディングは、別のインサート部品が存在する射出成形キャビティに溶融マトリックス材料を射出する射出成形プロセスである。別個のインサートは、溶融マトリックス材料の射出前に金型キャビティ内に配置される。結果物は、インサートとマトリックス材料で形成されたオーバーモールド製品である。オーバーモールドは、他のタイプの成形プロセスと一緒に使用できる。オーバーモールディングは、例えば、圧縮成形サイクルの前に別個のインサート部品を金型キャビティに配置する圧縮成形においても使用することができる。射出成形と同様に、圧縮成形プロセスの結果物は、インサートとマトリックス材料で形成されたオーバーモールド製品である。
【0005】
インサートは、例えば、金属糸インサート、強化ファブリック、縫合糸などが含まれ得る。ファブリックおよび/または他の柔軟なインサートの課題は、溶融材料を成形キャビティに射出する間の金型内におけるポリマー溶融流動による、動きおよび/または制御されない形状変化である。これにより、インサートの望ましい機能が損なわれ得る。
【発明の概要】
【0006】
以下、本発明のいくつかの例示的な態様の基本的な理解を提供するために、本明細書に開示される特徴の簡単な概要を提供する。この要約は、本発明の広範な概要ではない。本発明の重要な/重要な要素を特定すること、または本発明の範囲を描写することを意図しない。唯一の目的は、より詳細な説明の前置きとして、本明細書で開示されるいくつかの概念を簡略化された形式で提供することである。
【0007】
一の態様によれば、独立請求項の主題が提供される。実施形態は、従属請求項で定義される。
【0008】
以下の説明では、1つまたは複数の実施の例をより詳細に説明する。他の特徴は、発明の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、本発明は、添付の図面を参照して好ましい実施形態によってより詳細に説明される。
図1aは、例示的な成形を示すである。
図1bは、金型キャビティのカーネルに配置された例示的な硬質インサートを示す図である。
図2aは、本発明により製造されたオーバーモールド製品の一例を示す。
図2bは、軟質/変形可能なインサートを使用して製造されたオーバーモールド製品を示す。
図3a、3b、4a、4b、5a、5b、6、7および8は、本発明による例示的なオーバーモールド製品/インプラントを示す。
図9と10は、測定されたテスト結果を示す。
図11aは、本発明による金型キャビティ内に配置された例示的な硬質インサートを示す。
図11bは、本発明によって製造された例示的なオーバーモールド製品を示す。
図12a~12eは、プレート形状のインプラント構造体の製造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施形態は例示である。本明細書は、いくつかの場所において、「1つ(an)」、「1つ(one)」、または「いくつか(some)」の実施形態に言及する場合があるが、これは必ずしも、そのような言及がそれぞれ同じ実施形態に言及していること、または特徴が単一の実施形態に適用されるだけであることを意味するものではない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて、他の実施形態を提供してもよい。さらに、用語「含む(comprising)」、「含む(containing)」、および「含む(including)」という用語は、記載された実施形態が、言及された特徴のみからなるように限定するものではなく、そのような実施形態は、具体的に言及されていない特徴/構造も含み得ると理解されるべきである。
【0011】
本発明は、繊維強化インプラント構造体、および繊維強化インプラント構造体を製造する方法を開示する。この方法では、成形された連続繊維強化インプラントまたはインプラント構造体は、オーバーモールドによって製造され、連続繊維含有インサートは、インプラントまたはインプラント構造体の補強材として使用される。連続繊維含有インサートは、熱可塑性マトリックスポリマーによって少なくとも部分的にオーバーモールドされる。インサートを含む連続繊維は硬質である。硬質繊維含有インサートは、射出成形機の金型キャビティに挿入され、その後、金型を閉じ、熱可塑性マトリックス材料が金型キャビティに射出され、オーバーモールドによる射出成形が行われる。可能な硬化(setting)および/または硬化(curing)の後、部品を所望の温度まで冷却し、次いで、金型が開放され、部品が取り出される。そのような部品は、医療用インプラントとして(または医療用インプラント内で)使用可能であり、工業プロセスによって製造することができる。別として、硬質繊維含有インサートを、圧縮成形機の金型キャビティに挿入し、その後、金型を閉じ、熱可塑性マトリックス材料を金型キャビティに押し込んで、オーバーモールドによる圧縮成形を行う。可能な硬化(setting)および/または硬化(curing)の後、金型を所望の温度まで冷却し、部品を金型から取り出すことができる。そのような部品は、医療用インプラントとして(または医療用インプラント内で)使用可能であり、工業プロセスによって製造することができる。
【0012】
繊維含有インサートは硬質である。繊維含有インサートの硬質形態により、射出(または圧縮)成形プロセス中、すなわち金型キャビティへの熱可塑性マトリックス材料の射出(または圧縮)中に、繊維補強材が所望の位置に留まることが可能になる。金型キャビティは、射出(または圧縮)および/または硬化(setting)/硬化(curing)中に数千バールの圧力にさらされ得る。可能性あるな硬化フェーズは、特定の特性を改変するために、成形された試験片を熱処理するために使用することができる。これらの特性は、限定するものではないが、特定の機械的特性を高め、熱安定性を改善することができる結晶化度の増加が含まれる。
【0013】
硬質インサートの代わりに、未処理のひねったインサートまたは未処理の編まれたインサートなどの軟質インサートを使用する場合、射出成形プロセス中にインサートを所定の位置に保持することが非常に困難になる。軟質/変形可能なインサートをインサートとして使用した場合、繊維を成形部品の望ましい場所/位置に配置することを確実にするのが非常に困難になる。図2bは、コア中に軟質/変形可能なインサートを含むオーバーモールドパーツを示す。
【0014】
一の実施形態において、硬質インサートは、成形プロセス中に自然に移動することができるが、硬質形態のインサートにより、成形プロセス後に繊維補強材の配置を調整することが可能になる。硬質インサートは、補強材の位置決めを調整するためにも使用でき、インサートは、例えば、成形に関連して、拡張、収縮、および/または移動して、適合する望ましい正確な場所または形状となる。例えば、熱可塑性ポリマー材料は、インプラント構造体の中心に注入してもよく、補強材が所望の位置(インプラントの表面上)まで広がる。
【0015】
一の実施形態において、硬質インサートは、熱可塑性ポリマーを使用することによって一緒に結合された連続繊維を含み、それによって硬質構造を形成する。ここで、連続繊維とは、インサート中の繊維の少なくとも一部が、製造される製品の最短寸法、最も薄い壁の厚さ、または最終製品の形状によって容易に決定される他の寸法と同じ長さであることを意味する。好ましくは、連続繊維は、製造される物品の最長主寸法、直径、または他の寸法と少なくとも同じ長さである。
【0016】
繊維長は、繊維の連続性を表す。繊維は、プロセス中で切断され得る。連続繊維は、インプラントの最小壁厚に等しいか、それよりも長い。インプラント中の繊維の少なくとも一部は、インプラントの形状から物理的に測定可能な最短寸法と少なくとも同じ長さである。インプラントが円筒形である場合、これは円筒の直径を意味する。チューブ状のインプラントである場合は、これはチューブの壁厚を意味する。したがって、繊維長は、インプラントの物理的寸法を通して連続的である。実際には、インプラントは、繊維を含み得、その少なくとも一部は、インプラントの最長主寸法よりも長いことが好ましい。円筒状のインプラントの場合、これは、繊維の少なくとも一部が円筒の直径よりも長いことを意味する。チューブ形状のインプラントの場合、これは、繊維の少なくとも一部がチューブの壁厚よりも長いことを意味する。以下の実施例において、スクリューの長さよりかなり長い繊維を含む「管状スクリュー」を使用した。したがって、繊維は、壁厚よりもかなり長い。前述のように、連続繊維とは、インプラント(または成形部品)の最短の壁厚または最短主要寸法に対応する繊維長を有する繊維を意味する。
【0017】
硬質連続繊維含有インサートは、含浸された、テープ、リボン、ワイヤなどの熱可塑性ポリマー含浸繊維プリプレグから製造することができる。繊維プリプレグは、ポリマー繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維補強材として使用可能な任意の繊維を含み得る。繊維補強材はまた、複数の異なる強化繊維を含むハイブリッド繊維補強材であってもよい。ハイブリッド繊維補強材はまた、強化繊維および結合熱可塑性ポリマー繊維を別個の繊維に含んでもよい。このようなハイブリッド繊維補強材を使用する場合、形成された構造体は、インサートとして使用する前に、熱可塑性ポリマー繊維を溶融して強化繊維を結合し、硬質構造を形成する成形によって処理される。
【0018】
オーバーモールドによる射出(または圧縮)成形に使用される熱可塑性マトリックス材料は、純粋な(プレーン)熱可塑性ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、ポリマーブレンド、またはポリマーと添加剤の混合物、例えばポリマーとリン酸カルシウムの混合物(例えば、ベータ-リン酸三カルシウム(ベータ-TCP))、ポリマーとガラス粒子の混合物、またはポリマーと細断ガラス繊維、炭素繊維および/または実行可能な鉱物添加剤の混合物などであってもよい。
【0019】
連続繊維補強材を含むインサートは、成形プロセスの前に別のプロセスによって調製される。連続繊維含有インサートを製造するプロセスは、一段階プロセスであってもよく、いくつかの中間工程を含んでいてもよい。連続繊維含有インサートの製造プロセスでは、繊維補強材と繊維を結合する熱可塑性ポリマー含浸材料を含むプリフォーム(プリプレグ)を、最終的なオーバーモールドにおけるインサートとして使用できる所望の形状にさらに加工される。連続繊維含有インサートの硬質形態は、繊維補強材を結合するポリマー含浸材料を溶融または溶解し、それによって、ポリマー含浸材料の異なる層または隣接する構造部分が互いに結合して、繊維インサートを硬化させることにより得られる。
【0020】
例えば、フィラメントワインディング技術または自動繊維/テーププレイスメント技術を、インサートを含む連続繊維の製造に用いてもよく、それによってインサートの所望の繊維配向を提供し、各層が正確に所望の配向を有する複数層の繊維構造を製造することができる。
【0021】
連続繊維含有インサートを製造するプロセスは、繊維産業で使用される任意の製造方法(ブレイディング、ニッティング、ウィービングなど)もまた含み得る。しかしながら、テキスタイル技術からの一般的な製造プロセスを使用する場合、得られる構造体は、一般に硬質ではないため、このようにして得られた繊維強化構造体は、さらなるプロセスステップで硬化する必要があり、それによってプリフォームは、例えば、インサートの硬質構造を達成するための、加熱および/または溶媒により、加工される。
【0022】
連続繊維含有インサートを製造するプロセスはまた、3D印刷を含んでもよい。ただし、その場合、インサートの構造全体が3Dプリントで製造さえるわけではない。
【0023】
硬質連続繊維含有インサートを製造するプロセスは、フィラメントワインディング、自動テーププレイスメント、3D印刷、溶剤キャスティング、真空バッグ、押出、射出成形、圧縮成形、繊維産業におけるプロセ(ブレイディング、ニッティング、ウィービングなど)など、上記のさまざまな製造方法の組み合わせであってもよい。
【0024】
成形品の形状は、オーバーモールドプロセスで得られる。オーバーモールディングプロセスでは、連続繊維強化インサートは、金型キャビティに配置され、その後金型を閉じ、金型キャビティに熱可塑性材料を充填して、最終的な繊維強化部品の形状が提供される。連続繊維含有インサートは、最終製品のコア(下記の実施例1のように)、最終製品の内部、または最終製品の表面(下記の実施例2のように)に配置することができる。繊維補強材は、最終製品の表面の1つまたは複数箇所に配置することができる。成形プロセスによって課せられるもの以外に、最終製品の形状に幾何学的な制約はない。したがって、部品の形状またはインプラントの形状は、例えばプレート、ねじ、釘など、可能な成形可能な形状であり得る。
【0025】
図2a、3a、3b、4a、4b、5a、5b、6、7および8は、本発明による例示的なオーバーモールド部品/インプラントを示す。図2a、3a、3b、4a、4b、5a、5b、6、7および8から明らかなように、最終製品の製品形態は、本発明を使用することによって得られる任意の形状であり得る。連続繊維強化インサートは、製品のコア、表面、内側、端または端部に配置され得、または連続繊維含有インサートの位置は、上記の位置の任意の組み合わせとしてもよい。
【0026】
本発明は、腐食、イメージング(MRIなど)における障害、および骨とインプラント材料との間の機械的特性の不一致などのある種の金属の課題を解決する医療用インプラントの調製を可能にする。ポリマーインプラントまたは他の複合材料と比較すると、繊維強化複合インプラントは、優れた機械的特性、改善された細胞毒性、改善された生体適合性などを示すことができる。インプラント技術における繊維強化複合材料の可能性は、これらの材料が、プレーンポリマーおよび粒子充填複合材料の機械的特性を超える優れた機械的特性を示すという事実に基づく。典型的には、複合材料を使用する最も重要な理由は、機械的特性の向上である。本発明は、繊維インサートが複数の製造プロセスを組み合わせた製造技術を使用して調製されてもよいので、繊維の配向についてのいかなる制限も設定しない。
【0027】
したがって、一の実施形態において、構造体および繊維強化インプラント構造体を製造するための方法を開示する。この方法において、繊維強化硬質インサートが提供される。インサートは、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを含浸させた連続繊維を含む。成形サイクルは、予め製造された繊維インサートを使用してオーバーモールディングすることによって行われる。成形サイクルは、繊維強化硬質インサートを金型キャビティに配置すること、金型キャビティ内に配置された繊維強化硬質インサートは、少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーによって少なくとも部分的に覆われるように、金型キャビティ内に溶融形態の少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーを射出成型または圧縮成形すること、、金型キャビティ内に射出成形または圧縮成形された少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーを硬化(setting)および/または硬化(curing)させること、それによって、少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーによって少なくとも部分的に覆われた繊維強化硬質インサートを含む成形された繊維強化インプラント構造体を得ることを含む。繊維強化硬質インサートは、射出成形/圧縮成形中、および硬化(setting)/硬化(curing)または冷却中、金型キャビティ内で保持される。少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーおよび少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、同じまたは異なる。
【0028】
一の実施形態において、繊維強化硬質インサートは、射出成形または圧縮成形の前に金型キャビティ内に配置される。
【0029】
一の実施形態において、繊維強化硬質インサートを金型キャビティ内に配置した後、金型キャビティを密閉し、少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーを充填する。
【0030】
一の実施形態において、金型キャビティは、射出成形または圧縮成形中に1バール~2500バールの圧力に曝される。
【0031】
一の実施形態において、金型キャビティは、背圧フェーズ中に、1バール~2500バールの圧力に曝される。
【0032】
一の実施形態において、金型キャビティは、硬化(setting)および/または硬化(curing)中に1バール~2500バールの圧力に曝される。
【0033】
一の実施形態において、少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、純粋な(プレーン)熱可塑性ポリマーまたはポリマーブレンドを含み、および/または少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは添加剤をさらに含む。
【0034】
一の実施形態において、少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、ホモポリマー、コポリマーおよび/またはターポリマーを含む。
【0035】
一の実施形態において、添加剤は、ベータリン酸三カルシウム(ベータ-TCP)などのリン酸カルシウム、ガラス粒子、細断繊維ガラス、細断炭素繊維、任意の実現可能な鉱物添加剤、可塑剤、および成核剤の少なくとも1つである。添加剤は、ポリマーの特性を改変するために使用可能な任意の添加剤であり得る。
【0036】
一の実施形態において、繊維強化インサートは、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを含浸させた、ポリマー繊維、ガラス繊維、炭素繊維、および/またはアラミド繊維を含む。
【0037】
一の実施形態において、繊維強化インサートは、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを含浸させた繊維を含むプリフォームを所望の形状に加工し、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーを溶融および/または溶解することによって調製され、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマー材料の連続する層および/または隣接する構造部分が互いに結合し、それにより、繊維強化硬質インサートが提供される。
【0038】
一の実施形態において、繊維強化インサートは、フィラメントワインディングおよび/または自動テープ/繊維プレイスメントを使用して調製される。
【0039】
一の実施形態において、繊維強化インサートは、ブレイディング、ウィービング、および/またはニッティングを使用し、次いで、熱および/または溶媒により処理により調製され、それにより、繊維強化硬質インサートが提供される。
【0040】
一の実施形態において、繊維強化インサートは、3D印刷を使用することによって部分的に調製される。
【0041】
一の実施形態において、繊維強化インサートは、組み合わせた製造方法により調製することができ、組み合わせた製造方法では、3D印刷により作成された自由な繊維配向デザインが、別の技術を使用して作成された繊維強化と組み合わされる。組み合わせた製造技術の非限定的な例として、硬質繊維インサートのコアは、重ねられたチューブ層の間で様々な繊維配向(例えば、-45°/45°/-45°/45°、またはフィラメントワインディングを使用して得られるその他の可能性ある繊維配向)を有するフィラメントワインディング連続繊維強化チューブ,および、フィラメントワインディングチューブの上部、コア、または中間/間で、所望の繊維経路で3Dプリントされた、3Dプリントされた連続フィラメントから成形され得る。得られるハイブリッドインサートは、コア(硬質フィラメントワインディングチューブ)およびコアの上部に3Dプリントされた構造の両方において硬質である。3Dファイバープリンティングは、フィラメントワインディングのような従来の製造方法に制限されることなく、繊維補強材を完全に自由に配置することを可能にする。
【0042】
一の実施形態において、繊維は、成形された繊維強化インプラントまたはインプラント構造体の最短寸法、最も薄い壁厚、または成形された繊維強化インプラントまたはインプラント構造体の形状によって決定される任意の他の寸法と少なくとも同じ長さであり、好ましくは、繊維は、成形された繊維強化インプラントまたはインプラント構造体の最長主寸法、直径、または他の寸法と少なくとも同じ長さである。
【0043】
別の実施形態は、繊維強化硬質インサートを含む成形繊維強化インプラントまたはインプラント構造体を開示する。繊維強化硬質インサートは、少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーおよび少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーを含浸させた連続繊維を含み、繊維強化硬質インサートは、成形された繊維強化インプラントまたはインプラント構造体において、少なくとも第2熱可塑性ポリマーにより部分的にオーバーモールドによって覆われる。少なくとも1つの第1熱可塑性ポリマーと少なくとも1つの第2熱可塑性ポリマーは、同じまたは異なる。
【0044】
一の実施形態において、インプラントまたはインプラント構造体は、プレート、ねじ、または釘の形状を有する。図12a~12eは、プレート形状のインプラント構造体の製造を示す。
【0045】
一の実施形態において、インプラントまたはインプラント構造体は、中空または中実であり得る。
【0046】
一の実施形態において、インプラントまたはインプラント構造体は穿孔され得る(図8を参照)。
【0047】
一の実施形態において、インサートは中空または中実であり得る。
【0048】
一の実施形態において、インサートは穿孔され得る(図8を参照)。
【0049】
一の実施形態において、インプラントまたはインプラント構造体は、ポリマー繊維、ガラス繊維、炭素繊維、および/またはアラミド繊維を含む。
【0050】
一の実施形態において、インサートは、複数層の連続繊維を含み、各層はインサート内で選択された繊維配向にある。
【0051】
一の実施形態において、インサートは、インプラントまたはインプラント構造体のコア中、インプラントまたはインプラント構造体の内部、またはインプラントまたはインプラント構造体の表面の少なくとも一部上に配置される。
【0052】
一の実施形態において、インプラントまたはインプラント構造体は、上記の方法によって製造される。
【0053】
一の実施形態において、上記のインプラント構造体を含む医療用インプラントが提供される。
【0054】
実施例1
硬質繊維強化インサートを、製造技術としてフィラメントワインディングを使用して製造した。具体的には、連続ガラス繊維および熱可塑性ポリマーマトリックスを含むプリフォームテープを、4層および6層の管状構造にさらに加工した。フィラメントワインディング中、プリフォームテープを、結合している熱可塑性ポリマーの融点よりも高い温度に加熱した。4層構造の各層の繊維配向は、45°/-45°/45°/-45°/・・・とした。次いで、プリフォーム硬質インサートを、コアの上部の金型キャビティに配置した(図1bを参照)。次に、熱可塑性マトリックス材料を金型キャビティ内の繊維強化インサート上に射出成形し、最終射出成形部品として、繊維強化インプラントを得た(図2aを参照)。実施例1では、繊維補強材は、インプラントのコアに配置した。製造された複合材料のねじり強度を、プレーンポリマーで構成された同一の製品と比較した。結果を図9に示す。
【0055】
実施例2
硬質繊維強化インサートを、製造技術としてフィラメントワインディングを使用して製造した。具体的には、連続ガラス繊維および熱可塑性ポリマーマトリックスを含むプリフォームテープを、4層の管状構造にさらに加工した。フィラメントワインディング中、プリフォームテープを、結合している熱可塑性ポリマーの融点より高い温度に加熱した。4層構造の層の繊維配向は、45°/-45°/45°/-45°であった。次いで、プリフォーム硬質インサートを、コアピンの上部の金型キャビティに配置した(図11aを参照)。インサートを、注入されたマトリックスポリマーが、インプラントのコアと硬質インサートのコアから金型を充填するように設計した。次に、熱可塑性マトリックス材料を、金型キャビティに射出成形し、最終射出成形部品として繊維強化インプラントを得た(図11bを参照)。硬質インサートは、射出された材料が、金型の中央、チューブの内側に流れ込み、チューブ状のインサートが金型の壁に向かってわずかに膨張するように設計した。使用した管状インサートが硬質であるという事実にもかかわらず、硬質インサートのガラス繊維層を結合する熱可塑性ポリマーが同時に溶融し、溶融したマトリックスポリマーが1500barの圧力で金型キャビティに射出されるため、制御された拡張が可能であった。かくして、硬質インサートは、成形中のインサートの制御された動きを可能にし、最終製品の強化繊維の位置決めの制御を可能にする。実施例2では、繊維補強材は、インプラントの表面に配置された。製造された複合材料のねじり強度を、プレーンポリマーで構成された同一の製品設計と比較した。結果を図10に示す。
【0056】
実施例3
図11a~11bは、補強材がコアに配置され、熱可塑性ポリマー材料が金型の中心に射出され、その後、補強材が制御された方法で表面に向かって膨張した例示を示す(符号114を参照)。硬質補強材によってのみ、このような制御された拡張が可能であった。非硬質インサートを使用した場合、成形後の状態は図2bに示すようになるであろう。図11bにおいて、符号114は、インプラント構造体内で調整された位置を有する成形後の硬質インサートを示す。図11bにおいて、符号113は、成形後の結果を示しており、硬質インサートを有する成形インプラントが、金型表面の外側に向かって拡張している。図11bにおいて、符号115は、成形コア、または金型に射出されたマトリックスを示す。図11aにおいて、符号112は、ポリマー溶融物が試験片の内側に流れることを可能にする空間を示し、溶融物の流れによって引き起こされる圧力が、最初に硬質インサートを金型の壁に向かって膨張させる。図11aにおいて、符号111は、コアの中心からのモールド充填を可能にする特別な形状のカーネルを示す。
【0057】
技術の進歩に従って、本発明の概念は様々な方法で実施できることは、当業者には明らかであろう。本発明およびその実施形態は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲内で変更することができる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図12c
図12d
図12e
【国際調査報告】