(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】円形波動ドライブ
(51)【国際特許分類】
F16H 1/32 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
F16H1/32 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558179
(86)(22)【出願日】2020-06-14
(85)【翻訳文提出日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 US2020037652
(87)【国際公開番号】W WO2021201898
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521539351
【氏名又は名称】サーキュラー ウェーブ ドライブ パートナーズ インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521539362
【氏名又は名称】グワン、シャン
(71)【出願人】
【識別番号】323006828
【氏名又は名称】ト、ルク
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グワン、シャン
(72)【発明者】
【氏名】ト、ルク
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027GC06
3J027GC22
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
3J027GE11
(57)【要約】
円形波動駆動システムが提供される。1つの態様では、ドライブは、柔軟な入力リングギヤであって、内部入力リングギヤ歯を含む、柔軟な入力リングギヤと、外側表面を有する入力サイクロイドディスクであって、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯を含み、また、外部ギヤ歯が内部ギヤ歯に係合する、入力サイクロイドディスクと、外側表面を有する柔軟な主駆動ギヤであって、外部主駆動ギヤ歯を含む、柔軟な主駆動ギヤと、偏心部分及び非偏心部分を含む偏心運動ジェネレータであって、偏心部分及び非偏心部分の中心線が互いにオフセットされており、また、中空の中央ボアを含む、偏心運動ジェネレータと、出力サイクロイドディスクであって、内部出力サイクロイドディスク歯を含み、内部出力サイクロイドディスク歯が外部主駆動ギヤ歯に係合する、出力サイクロイドディスクと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側表面を有する柔軟な入力リングギヤであって、前記内側表面上に配向された内部入力リングギヤ歯を含む入力リングギヤと、
外側表面を有する入力サイクロイドディスクであって、前記入力サイクロイドディスクは、前記外側表面上に配向された外部入力サイクロイドディスクギヤ歯を含み、前記外部入力サイクロイドディスクギヤ歯は少なくとも部分的に前記内部入力リングギヤ歯に係合する、入力サイクロイドディスクと、
外側表面を有する柔軟な主駆動ギヤであって、前記外側表面上に配向された外部主駆動ギヤ歯を含む主駆動ギヤと、
偏心運動ジェネレータであって、前記偏心運動ジェネレータは、偏心部分及び非偏心部分を含み、前記偏心部分及び前記非偏心部分の中心線が互いにオフセットされ、また前記偏心運動ジェネレータは中空の中央ボアを含む、偏心運動ジェネレータと、
内側表面を有する出力サイクロイドディスクであって、前記出力サイクロイドディスクは、前記内側表面上に配向された内部出力サイクロイドディスク歯を含み、前記内部出力サイクロイドディスク歯は少なくとも部分的に前記外部主駆動ギヤ歯に係合する、出力サイクロイドディスクと
を有する、円形波動ドライブ。
【請求項2】
前記主駆動ギヤに接続された出力駆動要素をさらに有する、請求項1に記載の円形波動ドライブ。
【請求項3】
前記入力サイクロイドディスクは、前記出力サイクロイドディスクに接続されている、請求項1に記載の円形波動ドライブ。
【請求項4】
前記偏心運動ジェネレータは、前記中空の中央ボアから延在するキー溝を含む、請求項1に記載の円形波動ドライブ。
【請求項5】
前記中空の中央ボア内へ延在する入力回転アクチュエータ・シャフトをさらに有する、請求項1に記載の円形波動ドライブ。
【請求項6】
前記偏心運動ジェネレータは、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受を介して、前記入力サイクロイドディスクに回転可能に接続されている、請求項1に記載の円形波動ドライブ。
【請求項7】
前記柔軟な入力リングギヤは、前記入力リングギヤ歯を含む非柔軟部分と、入力リングギヤ取付けフランジとを含み、前記非柔軟部分及び前記入力リングギヤ取付けフランジは柔軟壁によって接続されている、請求項1に記載の円形波動ドライブ。
【請求項8】
前記柔軟壁は、逃がし溝によって前記非柔軟部分から分離されている、請求項7に記載の円形波動ドライブ。
【請求項9】
前記主駆動ギヤは、ハブと、前記ハブから軸方向及び径方向外方に延在する柔軟壁とを含み、逃がし溝が、前記外部主駆動ギヤ歯を前記柔軟な径方向壁から分離している、請求項1に記載の円形波動ドライブ。
【請求項10】
前記主駆動ギヤは、外部スプラインを含むハブを含み、前記出力駆動要素は内部スプラインを含み、前記外部スプラインは、前記主駆動ギヤを前記出力駆動要素に接続するために前記内部スプラインと嵌合する、請求項2に記載の円形波動ドライブ。
【請求項11】
内側表面を有する柔軟な入力リングギヤであって、前記柔軟な入力リングギヤは、前記内側表面上に配向された内部入力リングギヤ歯を含み、また前記柔軟な入力リングギヤは、前記入力リングギヤ歯を包む非柔軟部分、及び入力リングギヤ取付けフランジを含み、前記非柔軟部分及び入力リングギヤ取付けフランジは柔軟壁によって接続されている、柔軟な入力リングギヤと、
外側表面を有する入力サイクロイドディスクであって、前記入力サイクロイドディスクは、前記外側表面上に配向された外部入力サイクロイドディスクギヤ歯を含み、前記外部入力サイクロイドディスクギヤ歯は、少なくとも部分的に前記内部入力リングギヤ歯に係合する、入力サイクロイドディスクと、
外側表面を有する柔軟な主駆動ギヤであって、前記主駆動ギヤは、前記外側表面上に配向された外部主駆動ギヤ歯を含み、また前記主駆動ギヤは、ハブ、前記ハブから軸方向及び径方向外方に延在する柔軟壁、及び逃がし溝を含み、前記逃がし溝は前記外部主駆動ギヤ歯を前記柔軟壁から分離している、主駆動ギヤと、
偏心運動ジェネレータであって、前記偏心運動ジェネレータは偏心部分及び非偏心部分を含み、前記偏心部分及び前記非偏心部分の中心線が互いにオフセットされ、また前記偏心運動ジェネレータは中空の中央ボアを含む、偏心運動ジェネレータと、
内側表面を有する出力サイクロイドディスクであって、前記出力サイクロイドディスクは、前記内側表面上に配向された内部出力サイクロイドディスク歯を含み、前記内部出力サイクロイドディスク歯は、少なくとも部分的に前記外部主駆動ギヤ歯に係合する、出力サイクロイドディスクと
を有する、円形波動ドライブ。
【請求項12】
前記主駆動ギヤに接続された出力駆動要素をさらに有する、請求項11に記載の円形波動ドライブ。
【請求項13】
前記入力サイクロイドディスクは、前記出力サイクロイドディスクに接続されている、請求項11に記載の円形波動ドライブ。
【請求項14】
前記偏心運動ジェネレータは、前記中空の中央ボアから延在するキー溝を含む、請求項11に記載の円形波動ドライブ。
【請求項15】
前記中空の中央ボア内へ延在する入力回転アクチュエータ・シャフトをさらに有する、請求項11に記載の円形波動ドライブ。
【請求項16】
前記偏心運動ジェネレータは、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受を介して、前記入力サイクロイドディスクに回転可能に接続されている、請求項11に記載の円形波動ドライブ。
【請求項17】
前記柔軟な入力リングギヤ柔軟壁は、逃がし溝によって前記非柔軟部分から分離されている、請求項11に記載の円形波動ドライブ。
【請求項18】
前記主駆動ギヤ・ハブは外部スプラインを含み、前記出力駆動要素は内部スプラインを含み、前記外部スプラインは、前記主駆動ギヤを前記出力駆動要素に接続するために前記内部スプラインと嵌合する、請求項12に記載の円形波動ドライブ。
【請求項19】
内側表面を有する入力リングギヤであって、前記内側表面上に配向された内部入力リングギヤ歯を含む入力リングギヤと、
モノリシックに組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスクであって、
少なくとも部分的に前記内部入力リングギヤ歯に係合する外部入力サイクロイドギヤ歯、
内部出力サイクロイドギヤ歯、
内側フランジを含む径方向内側表面によって画定された中空の中心部分、及び
前記径方向内側表面から径方向内方に延在する径方向内側壁
を有し、前記内側フランジが、前記内部出力サイクロイドギヤ歯の径方向内方にあり且つ前記内部出力サイクロイドギヤ歯と軸方向に重なり合っている、モノリシックに組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスクと、
外側表面を有する主駆動ギヤであって、前記主駆動ギヤは、前記外側表面上に配向され且つ少なくとも部分的に前記内部出力サイクロイドギヤ歯に係合する外部主駆動ギヤ歯を含む、主駆動ギヤと、
偏心運動ジェネレータであって、前記偏心運動ジェネレータは偏心部分及び非偏心部分を含み、前記偏心部分及び前記非偏心部分の中心線が互いにオフセットされている、偏心運動ジェネレータと
を有する、円形波動ドライブ。
【請求項20】
前記偏心運動ジェネレータは中空の中央ボアを含む、請求項19に記載の円形波動ドライブ。
【請求項21】
前記内側フランジは、その径方向内側表面上に溝を含み、前記溝は、保持デバイスに係合するように構成されている、請求項19に記載の円形波動ドライブ。
【請求項22】
前記組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスクは、前記外部入力サイクロイドディスクギヤ歯の径方向内方に隙間をさらに有する、請求項19に記載の円形波動ドライブ。
【請求項23】
前記隙間は、アール隅部を含む、請求項22に記載の円形波動ドライブ。
【請求項24】
前記組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスクが、前記内部出力サイクロイドギヤ歯の軸方向内方に隙間をさらに有する、請求項19に記載の円形波動ドライブ。
【請求項25】
前記隙間が、アール隅部を含む、請求項24に記載の円形波動ドライブ。
【請求項26】
前記主駆動ギヤに接続された出力駆動要素をさらに有する、請求項19に記載の円形波動ドライブ。
【請求項27】
前記偏心運動ジェネレータは、前記中空の中央ボアから延在するキー溝を含む、請求項20に記載の円形波動ドライブ。
【請求項28】
前記中空の中央ボア内へ延在する入力回転アクチュエータ・シャフトをさらに有する、請求項20に記載の円形波動ドライブ。
【請求項29】
前記偏心運動ジェネレータは、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受を介して、前記組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスクに回転可能に接続される、請求項19に記載の円形波動ドライブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書にそれぞれ組み込まれる、2020年3月31日付けで出願した米国仮特許出願第63/002,596号、及び2020年4月9日付けで出願した米国仮特許出願第63/007,556号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
動力を伝達し且つモータ出力速度を減少させるための多くのデバイスが、現在知られている。2つのそのようなデバイスは、ハーモニック・ドライブ及びサイクロイド・ドライブである。
【0003】
これらのデバイスのうちでよりよく知られているものは、1950年代に導入されたハーモニック・ドライブであり、現在では幅広く使用されている。しかし、ハーモニック・ドライブは、フレクスパイン(flexpine)の使用を必要とし、このフレクスパインは、ハーモニック・ドライブの動作中に繰り返し意図的に変形される。このフレクスパインの変形は、フレクスパインを構成する材料を疲労させ、その疲労により、ハーモニック・ドライブを用いて達成され得る減速及びトルク伝達が制限される。
【0004】
典型的なバージョンのサイクロイド・ドライブは、比較的複雑な構造及び動作のものである。サイクロイド・ドライブは、多くの可動部品を必要とし、そのそれぞれが、破損点になり得る。サイクロイドディスクの偏心回転もまた、望ましくない振動をもたらし、この振動は、補償されない場合、入力軸及び出力軸を通じて伝達され得る。最後に、出力ローラとサイクロイドディスク内の受入れ穴との間の接触もまた、両方の構成要素の摩耗につながり得る。
【0005】
さらに、所望の減速比を得るためにシステム内に歯車が利用される場合、ギヤ・バックラッシを適切に確立することが困難な場合がある。したがって、最適な機能のための必要なバックラッシを得るためにギヤ歯接触面が僅かに偏向することを可能にするために、柔軟な(即ち、弾性的に変形可能な)ギヤ部分を含む歯付き要素が含まれ得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
説明された既知のハーモニック・ドライブ及びサイクロイド・ドライブの欠点に悩まされることのない動力伝達/減速デバイスが必要とされている。そのようなデバイスはまた、長寿命だけでなく、より単純化した構造も提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、内側表面を有する柔軟な入力リングギヤであって、内側表面上に配向された内部入力リングギヤ歯を含む、入力リングギヤと、外側表面を有する入力サイクロイドディスクであって、外側表面上に配向された外部入力サイクロイドディスクギヤ歯を含み、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯が少なくとも部分的に内部入力リングギヤ歯に係合する、入力サイクロイドディスクと、外側表面を有する柔軟な主駆動ギヤであって、外側表面上に配向された外部主駆動ギヤ歯を含む、主駆動ギヤと、偏心運動ジェネレータであって、偏心部分及び非偏心部分を含み、偏心部分及び非偏心部分の中心線が互いにオフセットされており、また、中空の中央ボアを含む、偏心運動ジェネレータと、内側表面を有する出力サイクロイドディスクであって、内側表面上に配向された内部出力サイクロイドディスク歯を含み、また、内部出力サイクロイドディスク歯が少なくとも部分的に外部主駆動ギヤ歯に係合する、出力サイクロイドディスクと、を有する、円形波動ドライブ(駆動装置)が提供される。
【0009】
別の態様では、内側表面を有する柔軟な入力リングギヤであって、内側表面上に配向された内部入力リングギヤ歯を含み、且つ、入力リングギヤ歯を包含する非柔軟部分、及び入力リングギヤ取付けフランジを含み、非柔軟部分及び入力リングギヤ取付けフランジが柔軟壁によって接続される、入力リングギヤと、外側表面を有する入力サイクロイドディスクであって、外側表面上に配向された外部入力サイクロイドディスク歯を含み、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯が少なくとも部分的に内部入力リングギヤ歯に係合する、入力サイクロイドディスクと、外側表面を有する柔軟な主駆動ギヤであって、外側表面上に配向された外部主駆動ギヤ歯を含み、且つ、ハブ、ハブから軸方向及び径方向外方に延在する柔軟壁、及び逃がし溝を含み、逃がし溝が外部主駆動ギヤ歯を柔軟壁から分離する、主駆動ギヤと、偏心運動ジェネレータであって、偏心部分及び非偏心部分を含み、偏心部分及び非偏心部分の中心線が互いにオフセットされており、また、中空の中央ボアを含む、偏心運動ジェネレータと、内側表面を有する出力サイクロイドディスクであって、内側表面上に配向された内部出力サイクロイドディスク歯を含み、内部出力サイクロイドディスク歯が少なくとも部分的に外部主駆動ギヤ歯に係合する、出力サイクロイドディスクと、を有する、円形波動ドライブが提供される。
【0010】
1つの態様では、内側表面を有する入力リングギヤであって、内側表面上に配向された内部入力リングギヤ歯を含む、入力リングギヤと、モノリシックに(又は一体的に)組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスクであって、少なくとも部分的に内部入力リングギヤ歯に係合する外部入力サイクロイドギヤ歯、内部出力サイクロイドギヤ歯、内側フランジを含む径方向内側表面によって画定された中空の中心部分、及び径方向内側表面から径方向内方に延在する径方向内側壁を有し、内側フランジが、内部出力サイクロイドギヤ歯の径方向内方にあり且つ内部出力サイクロイドギヤ歯と軸方向に重なり合う、モノリシックに組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスクと、外側表面を有する主駆動ギヤであって、外側表面上に配向され且つ少なくとも部分的に内部出力サイクロイドギヤ歯に係合する外部主駆動ギヤ歯を含む、主駆動ギヤと、偏心運動ジェネレータであって、偏心部分及び非偏心部分を含み、偏心部分及び非偏心部分の中心線が互いにオフセットされている、偏心運動ジェネレータと、を有する、円形波動ドライブが提供される。
【0011】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図は、様々な例示的なシステム、装置、及び方法を示すものであり、且つ、単に様々な例示的な態様を示すために使用されるものである。図において、同様の要素は、同様の参照番号を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】円形波動ドライブ100の1つの例示的な態様の入力端部の斜視図である。
【
図2】円形波動ドライブ200の1つの例示的な態様の断面図である。
【
図3A】入力リングギヤ202の1つの例示的な態様の正面図である。
【
図3B】入力リングギヤ202の1つの例示的な態様の側面図である。
【
図3C】入力リングギヤ202の1つの例示的な態様の側面斜視図である。
【
図3D】入力リングギヤ202の1つの例示的な態様の側断面図である。
【
図4A】主駆動ギヤ220の1つの例示的な態様の第1の側面図である。
【
図4B】主駆動ギヤ220の1つの例示的な態様の第1の側面斜視図である。
【
図4C】主駆動ギヤ220の1つの例示的な態様の第2の側面斜視図である。
【
図4D】主駆動ギヤ220の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図5A】偏心運動ジェネレータ506の1つの例示的な態様の側断面図である。
【
図5B】偏心運動ジェネレータ506の1つの例示的な態様の前面図である。
【
図6】円形波動ドライブの減速比を決定するための例示的な方法を示す流れ図である。
【
図7A】入力サイクロイドディスク218の1つの例示的な態様の正面斜視図である。
【
図7B】入力サイクロイドディスク218の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図8A】出力サイクロイドディスク224の1つの例示的な態様の正面斜視図である。
【
図8B】出力サイクロイドディスク224の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図9A】出力駆動要素204の1つの例示的な態様の正面斜視図である。
【
図9B】出力駆動要素204の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図10A】角度リング285の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図10B】偏心運動ジェネレータ206及び偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226と組み立てられた角度リング285の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図11】シャフト・リップ・シール286の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図12A】偏心運動ジェネレータ206の1つの例示的な態様の正面斜視図である。
【
図12B】偏心運動ジェネレータ206の1つの例示的な態様の断面斜視図である。
【
図13A】入力サイクロイドディスク1318及び出力サイクロイドディスク1324の組立体1300の分解組立図である。
【
図13B】入力サイクロイドディスク1318及び出力サイクロイドディスク1324の組立体1300の断面斜視図である。
【
図13C】入力サイクロイドディスク1318及び出力サイクロイドディスク1324の組立体1300の部分断面斜視図である。
【
図14A】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400の側面図である。
【
図14B】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400の出力側立面図(output side elevation view)である。
【
図14C】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400の入力側立面図(input side elevation view)である。
【
図14D】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400の側面斜視図である。
【
図14E】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400の断面斜視図である。
【
図14F】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400の部分断面斜視図である。
【
図15】組立体1300及び組合わせ入出力サイクロイドディスク1400の側面図比較である。
【
図16】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400を含む円形波動ドライブ1600の部分断面図である。
【
図17】組合わせ入出力サイクロイドディスク1400を含む円形波動ドライブ1700の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において開示される例示的な円形波動ドライブの態様は、知られたハーモニック・ドライブ及びサイクロイド・ドライブよりも単純な構造のものであり得る。本明細書において開示される例示的な円形波動ドライブの態様はまた、サイズが小型であり、広範囲の減速比を提供し、逆転駆動可能ではなく、且つ、バックラッシが殆どなく動作し得る。本明細書において開示される例示的な円形波動ドライブには、サイクロイド・ドライブに一般に見られるローラがない。
【0014】
一般的に言えば、本明細書において開示される例示的な円形波動ドライブの態様は、円形チャンバを内部に有するハウジングを含み得る。ハウジングは、密閉された円形チャンバを形成するようにハウジング内に空洞を閉じ込めるカバーを含み得る。ハウジングは、互いに選択的に嵌合される2つ以上の要素で形成され得る。歯が、チャンバの内側円形壁に沿って配置され得る(入力リングギヤ)。リング形状のホイール(入力サイクロイドディスク)が、チャンバ内に存在する。リング形状のホイールは、ハウジングと一体であるか、又はハウジングに取外し可能に取り付けられ得る。ホイールは、ハウジングの円形内側壁に沿って配置された歯と噛合する外部歯を含み得る。ホイールの直径は、どの時点でもホイール歯の一部分のみが内部ハウジング歯と噛合されるように、チャンバの直径よりも小さくてよい。ホイールは、第2のホイール(主駆動ギヤ)に積層されてよく、この第2のホイールもまた、外部歯を含み得る。第2のホイールの外部歯は、出力ギヤ要素(出力サイクロイドディスク)の内側壁の一部分に沿って配置された内部歯と噛合し得る。
【0015】
本明細書において開示される例示的な円形波動ドライブの態様はまた、ウェーブ・ジェネレータ(偏心運動ジェネレータ)を含み得る。ウェーブ・ジェネレータは、偏心運動ジェネレータを含むことができ、偏心運動ジェネレータは、その回転中に1つ又は複数の要素(例えば、入力サイクロイドディスク及び主駆動ギヤ)の並進を生じさせるように構成された偏心部分を有する。偏心部分を含む偏心運動ジェネレータは、円形の断面を有し得る。偏心部分は、偏心運動ジェネレータが回転されるときに偏心運動ジェネレータと接触している要素に偏心運動を付与するように、偏心運動ジェネレータの残りの部分の中心軸からオフセットされ得る。ウェーブ・ジェネレータの非偏心部分は、ハウジング内の開口部を通って延在することができ、開口部は、ハウジングに取外し可能に又は一体に取り付けられる入力リングギヤを含み得る。
【0016】
例示的な円形波動ドライブの態様はまた、出力駆動要素を用い得る。出力駆動要素は、円形状のディスクを含み得る。出力駆動要素は、偏心運動ジェネレータと同軸であってよい。出力要素部分は、円形波動ドライブの偏心運動ジェネレータとは反対の側上に配向されてよく、或いは、出力要素部分は、円形波動ドライブの偏心運動ジェネレータと同じ側上に配向されてよい。偏心運動ジェネレータ及び出力駆動要素の出力要素部分は、どちらも軸受を通過し得る。
【0017】
動作時には、ウェーブ・ジェネレータの偏心運動ジェネレータは、電気駆動モータなどの回転付与アクチュエータに接続され得る。アクチュエータは、ウェーブ・ジェネレータに回転運動を付与することができ、ウェーブ・ジェネレータは、その偏心部分を入力サイクロイドディスク及び主駆動ギヤ内で回転させることができる。偏心部分の回転は、入力リングギヤの内側壁に沿った入力サイクロイドディスクの回転を生じさせ得る。偏心部分及び入力サイクロイドディスクの回転は、出力サイクロイドディスクの回転を生じさせることができ、出力サイクロイドディスクの回転は、主駆動ギヤの回転を生じさせることができ、主駆動ギヤの回転は、(減速比によって減少された)心運動ジェネレータの回転速度に対する減少した速度での出力駆動要素の回転を生じさせることができる。
【0018】
偏心運動ジェネレータの偏心部分の外部周囲表面及び入力サイクロイドディスクの内側壁の相手表面は軸受によって分離され得るので、偏心運動ジェネレータの偏心部分と入力サイクロイドディスクの内側壁の相手表面との間の摩擦係数は、極めて低いものであり得る。したがって、入力サイクロイドディスクは、偏心運動ジェネレータの偏心部分と一緒に回転し得ず、むしろ、偏心運動ジェネレータの偏心部分の周囲表面に沿って摺動し得る。それにより、偏心運動ジェネレータ及び関連するアクチュエータの回転速度未満の入力サイクロイドディスク回転速度がもたらされ得る。円形波動ドライブの入力側と出力側との間での全体的な速度減少は、ウェーブ・ジェネレータの直径、入力サイクロイドディスクのギヤ歯の数、入力リングギヤのギヤ歯の数、主駆動ギヤのギヤ歯の数、及び出力サイクロイドディスクのギヤ歯の数のうちの少なくとも1つに依存し得る。全体的な速度減少は、直前に言及された種々の要素の直径にさらに依存し得る。2つの表面が接触するときに、大直径が必ずしも小直径よりも多くの歯を有し得るとは限らない。直径と歯の数との様々な組合わせにより、速度減少の規模は、既存のデバイスの使用を通しては不可能であろう例えば8:1から10,000:1までの大範囲をカバーし得る。
【0019】
図1は、円形波動ドライブ100の1つの例示的な態様を示す。円形波動ドライブ100は、ハウジング101、及び出力駆動要素104を含み得る。円形波動ドライブ100は、偏心運動ジェネレータ106を含み得る。
【0020】
円形波動ドライブ100は、回転入力を受け取り、且つ、種々の要素間の相互作用を介して、本明細書においてさらに説明されるような減速比によって減少された回転出力を出力するように構成され得る。円形波動ドライブ100は、例えば鋼鉄若しくは合金などの金属、ポリマー、又は有機材料を含む、様々な材料のいずれかで作られ得る。円形波動ドライブ100は、意図された使用の所望の期間にわたって回転減少を行うのに十分な強度、硬度、又は耐久性を有する任意の材料で作られ得る。円形波動ドライブ100の種々の要素のいずれも、例えば機械加工、3D印刷/積層造形、又は鍛造を含む、様々な方法のいずれかを通じて形成され得る。
【0021】
ハウジング101及び出力駆動要素104は、一方が他方に対して回転し得るように、互いに回転可能に接続され得る。ハウジング101及び出力駆動要素104は、主駆動ギヤ/ハウジング軸受(
図2に要素268として示される)がそれらの間に配向された状態で、互いに回転可能に接続され得る。
【0022】
ハウジング101は、少なくとも1つのポート188を含み得る。ポート188は、栓によって選択的に封止されるハウジング101内の開口部であってよい。ポート188は、円形波動ドライブ100の少なくとも幾つかの可動構成要素を潤滑するためにハウジング101の内部に潤滑剤を加えるのに使用され得る。ポート188は、ハウジング101内からの圧力の解放を可能にする通気のために使用されてもよい。
【0023】
円形波動ドライブ100は、ハウジング101に接続された端板103を含み得る。端板103は、1つ又は複数の固定具110を介してハウジング101に接続され得る。円形波動ドライブ100は、偏心運動ジェネレータ106を包囲するフランジ板105を含み得る。フランジ板105は、1つ又は複数の固定具109を介して端板103に接続され得る。
【0024】
シャフト・リップ・シール186が、偏心運動ジェネレータ106を包囲してよく、且つ、偏心運動ジェネレータ106とフランジ板105との間で配向され得る。シャフト・リップ・シール186は、以下でさらに説明されるように、ハウジング101内の潤滑剤を保持するように働くことができる。
【0025】
偏心運動ジェネレータ106は、中空の中央ボア(以下でさらに説明される)を持つ実質的に環状の断面を有するシャフトであってよい。偏心運動ジェネレータ106は、以下でより詳細に説明される偏心部分(
図2に要素207Aとして示される)を含み得る。偏心運動ジェネレータ106は、例えば偏心運動ジェネレータ106に回転を付与するように構成された回転アクチュエータ・シャフト(以下でさらに説明される)を含む回転誘導要素に動作可能に接続され得る。
【0026】
偏心運動ジェネレータ106は、出力駆動要素104に直接接続されない。つまり、偏心運動ジェネレータ106及び出力駆動要素104は、中間のギヤ・トレーン要素を通じてのみ互いに接続される。偏心運動ジェネレータ106及び出力駆動要素104は、以下でさらに説明されるように、減速比に従って互いに対して回転する。このようにして、入力回転速度が、円形波動ドライブ100によって減少され、且つ、出力駆動要素104を通じて出力される。
【0027】
ハウジング101及び端板103のどちらかは、機械的構成要素の構造要素、地面、機械、などのような別の物体に対するハウジング101及び/若しくは端板103の取付け又は他の方法での拘束を可能にする様々な要素のいずれかを含み得る。ハウジング101は、円形波動ドライブ100の入力端部に近いフランジ上に配向された1つ又は複数の取付け開口190を含み得る。開口190は、ハウジング101及び円形波動ドライブ100を別の物体及び/又は動かない物体に固定するために使用され得る。開口190は、1つ又は複数の固定具を受け入れるように構成され得る。
【0028】
出力駆動要素104は、少なくとも1つの出力駆動要素取付け要素108を含み得る。出力駆動要素取付け要素108は、開口、貫通孔、ボス、ねじ付き止り穴、ねじ無し止り穴、タブ、などを含み得る。出力駆動要素取付け要素108は、機械的構成要素の構造要素、地面、機械、などのような別の物体に対する出力駆動要素104の取付け又は他の方法での拘束を可能にする様々な要素のいずれかを含み得る。出力駆動要素104は、1つ又は複数の取付け開口191を含み得る。開口191は、出力駆動要素104を別の物体及び/又は動かない物体に固定するために使用され得る。開口191は、1つ又は複数の固定具を受け入れるように構成され得る。
【0029】
図2は、円形波動ドライブ200の1つの例示的な態様を示す。円形波動ドライブ200は、ハウジング201と、偏心部分207A及び非偏心部分207Bを有する偏心運動ジェネレータ206と、入力サイクロイドディスク218と、控え板219と、主駆動ギヤ220と、出力サイクロイドディスク224と、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226と、偏心運動ジェネレータ/出力駆動要素軸受230と、を含み得る。円形波動ドライブ200は、入力リングギヤ202を含み得る。
【0030】
組み立てられた円形波動ドライブ200は、少なくとも1つの固定具209を介して端板203に接続されたフランジ板205をさらに含み得る。端板203は、少なくとも1つの固定具210を介してハウジング201に接続され得る。少なくとも1つの固定具210は、ねじ付き固定具であってよい。
【0031】
入力リングギヤ202は、ハウジング201に取り付けられ得る。端板203は、入力リングギヤ202を端板203とハウジング201との間に挟みながら、入力リングギヤ202に取り付けられ得る。
【0032】
円形波動ドライブ200は、少なくとも1つの固定具280を介して主駆動ギヤ220に直接接続される出力駆動要素204を含み得る。出力駆動要素204は、1つ又は複数の取付け開口291を含み得る。開口291は、出力駆動要素204を別の物体に固定するために使用され得る。開口291は、1つ又は複数の固定具を受け入れるように構成され得る。
【0033】
ハウジング201は、上述の要素の全てを受け入れるように構成された実質的に中空の内部を含み得る。偏心運動ジェネレータ206は、実質的にハウジング201を貫通し、且つ、上述の要素のそれぞれを貫通して延在し得る。
【0034】
ハウジング201は、円形波動ドライブ200の入力端部に近いフランジ上に配向された1つ又は複数の取付け開口290を含み得る。開口290は、ハウジング201及び円形波動ドライブ200を動かない物体に固定するために使用され得る。開口290は、1つ又は複数の固定具を受け入れるように構成され得る。
【0035】
ハウジング201は、少なくとも1つのポート288を含み得る。ポート288は、栓によって選択的に封止されるハウジング201内の開口部であってよい。ポート288は、円形波動ドライブ200の少なくとも幾つかの可動構成要素を潤滑するために、ハウジング201の内部に潤滑剤を加えるのに使用され得る。ポート288は、ハウジング201内からの圧力の解放を可能にする通気のために使用されてもよい。
【0036】
偏心運動ジェネレータ206は、偏心運動ジェネレータ206の残りの部分である非偏心部分207Bから径方向外方に延在する偏心部分207Aを含み得る。偏心部分207Aは、偏心運動ジェネレータ206の非偏心部分207Bの中心線からオフセットされている中心線を有し得る。つまり、偏心部分207Aの中心線は、偏心運動ジェネレータ206の非偏心部分207Bの中心線に平行であり、且つ、その中心線からオフセットされている。偏心運動ジェネレータ206の非偏心部分207Bの中心線は、偏心運動ジェネレータ206の回転軸と共線的である。
【0037】
偏心運動ジェネレータ206は、中空の中央ボア211を含み得る。中央ボア211は、偏心運動ジェネレータ206の長さの一部又は全部に延在する空洞であり得る。
【0038】
入力リングギヤ202は、入力リングギヤ歯232を含み得る。入力サイクロイドディスク218は、入力サイクロイドディスクギヤ歯234を含み得る。出力サイクロイドディスク224は、内部出力サイクロイドディスク歯238を含み得る。主駆動ギヤ220は、外部主駆動ギヤ歯236を含み得る。
【0039】
入力リングギヤ歯232、入力サイクロイドディスクギヤ歯234、外部主駆動ギヤ歯236、及び内部出力サイクロイドディスク歯238は、それぞれ、歯高さを有する。
【0040】
入力サイクロイドディスク218は、ディスク218が環の形状であるように、中空の中心部分を含み得る。入力サイクロイドディスク218は、その径方向外側縁部の周りに、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯234であってよい摩擦要素を含み得る。
【0041】
出力サイクロイドディスク224は、ギヤ224が環の形状であるように、中空の中心部分を含み得る。出力サイクロイドディスク224は、その径方向内側縁部の周りに、内部出力サイクロイドディスク歯238であってよい摩擦要素を含み得る。
【0042】
入力サイクロイドディスク218及び出力サイクロイドディスク224は、同心構成で互いに直接接続されてよく、したがって、1:1の比で一緒に回転することができる。入力サイクロイドディスク218及び出力サイクロイドディスク224は、同心構成で控え板219を介して互いに直接されてよく、したがって、1:1の比で一緒に回転することができる。スクリュ、ボルト、ピン、又はリベットなどの固定具282及び283は、入力サイクロイドディスク218を出力サイクロイドディスク224に直接に又は控え板219を通じて接続することができる。
【0043】
円形波動ドライブ200は、少なくとも1つの主駆動ギヤ/ハウジング軸受268を含み得る。円形波動ドライブ200は、複数の主駆動ギヤ/ハウジング軸受268を含むことができ、例えば2つの主駆動ギヤ/ハウジング軸受268を含む。主駆動ギヤ/ハウジング軸受268は、主駆動ギヤ220とハウジング201との間に配向され得る。偏心運動ジェネレータ軸受216、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226、偏心運動ジェネレータ/出力駆動要素軸受230、及び主駆動ギヤ/ハウジング軸受268のうちの1つ又は複数は、転動体軸受であってよい。偏心運動ジェネレータ軸受216の内側軌道輪は、偏心運動ジェネレータ206に直接接続し且つ偏心運動ジェネレータ206を包囲してよく、一方で、偏心運動ジェネレータ軸受216の外側軌道輪は、端板203に直接接続し且つ端板203によって包囲されてよい。偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226の内側軌道輪は、偏心運動ジェネレータ206の偏心部分207Aに直接接続し且つ偏心部分207Aを包囲してよく、一方で、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226の外側軌道輪は、入力サイクロイドディスク218に直接接続し且つ入力サイクロイドディスク218によって包囲されてよい。偏心運動ジェネレータ/出力駆動要素軸受230の内側軌道輪は、偏心運動ジェネレータ206に直接接続し且つ偏心運動ジェネレータ206を包囲してよく、一方で、偏心運動ジェネレータ/出力駆動要素軸受230の外側軌道輪は、主駆動ギヤ220に直接接続し且つ主駆動ギヤ220によって包囲されてよい。主駆動ギヤ/ハウジング軸受268の内側軌道輪は、主駆動ギヤ220に直接接続し且つ主駆動ギヤ220を包囲してよく、一方で、主駆動ギヤ/ハウジング軸受268の外側軌道輪は、ハウジング201に直接接続し且つハウジング201によって包囲されてよい。
【0044】
偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226は、角度リング285によって係合され得る。角度リング285は、最小限の軸方向割付及び最小限の摩擦で偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226の内側のローラを維持するために利用され得る。
【0045】
上述の軸受のそれぞれは、軸受の内側軌道輪に接続された要素と軸受の外側軌道輪に接続された要素との互いに対する回転を可能にすることが、理解される。
【0046】
主駆動ギヤ220は、主駆動ギヤ220が環の形状であるように、中空の中心部分を含み得る。主駆動ギヤ220は、その径方向外側縁部の周りに、外部主駆動ギヤ歯236であってよい摩擦要素を含み得る。主駆動ギヤ220は、出力駆動要素204の内部スプライン271と嵌合するように構成された外部スプライン269を含み得る。スプライン269及び271は、出力駆動要素204が主駆動ギヤ220に回転するのを防止するために、互いに係合し得る。別の言い方をすれば、出力駆動要素204は、出力駆動要素204及び主駆動ギヤ220が1:1の比で一緒に回転するように、主駆動ギヤ220に直接接続される。
【0047】
円形波動ドライブ200に組み立てられたときに、入力リングギヤ歯232は、入力サイクロイドディスクギヤ歯234に係合し、この歯の係合、及び入力サイクロイドディスク218の偏心運動(偏心部分207Aとの係合を介して付与される)を介して、入力リングギヤ202及び入力サイクロイドディスク218は、偏心運動ジェネレータ206の回転軸に平行な軸の周りで互いに対して回転する。
【0048】
円形波動ドライブ200に組み立てられたときに、外部主駆動ギヤ歯236は、内部出力サイクロイドディスク歯238に係合し、この歯の係合、及び出力サイクロイドディスク224の偏心運動(偏心部分207Aとの係合を介して付与される)を介して、出力サイクロイド・ドライブ220は、偏心運動ジェネレータ206の回転軸に平行な軸の周りで出力サイクロイドディスク224に対して回転する。
【0049】
上述の歯の係合を介して、偏心運動ジェネレータ206の回転が、偏心部分207Aの回転を生じさせ、その回転が、入力サイクロイドディスク218を回転させ、したがって出力サイクロイドディスク224(これらは互いに接続されている)を回転させる。出力サイクロイドディスク224の回転は、主駆動ギヤ220を回転させ、主駆動ギヤ220及び出力駆動要素204は少なくとも1つの固定具280を介して互いに直接接続されているので、この主駆動ギヤ220の回転は、出力駆動要素204を回転させる。
【0050】
別の言い方をすれば、実際には、回転力が偏心運動ジェネレータ206に入力されてよく、この回転力が、偏心運動ジェネレータ206及び偏心部分207Aの回転を生じさせ得る。偏心運動ジェネレータ206は、偏心運動ジェネレータ軸受216を介して端板203内で回転することを可能とされ得る。偏心運動ジェネレータ206の偏心部分207Aは、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226を介して入力サイクロイドディスク218に係合することができ、その偏心回転は、入力サイクロイドディスク218を入力リングギヤ歯232に係合させ且つ入力リングギヤ歯232に沿って回転させ得る。入力サイクロイドディスク218の回転は、出力サイクロイドディスク224の同様の偏心回転を生じさせ得る。出力サイクロイドディスク224の偏心回転は、主駆動ギヤ220を出力サイクロイドディスク224に係合させ且つ出力サイクロイドディスク224に沿って回転させ得る。主駆動ギヤ220の回転は、出力駆動要素204の回転を生じさせることができ、また、主駆動ギヤ220及び出力駆動要素204は、主駆動ギヤ/ハウジング軸受268を介してハウジング201に対して回転するように構成され得る。出力駆動要素204の回転速度は、減速比に従って偏心運動ジェネレータ206の回転速度に対して減少され得る。
【0051】
円形波動ドライブ200は、動作及び摩耗の減少を支援するためにオイルなどの潤滑剤が円形波動ドライブ200の内部内に収容されることを可能にするための種々のシールを含み得る。円形波動ドライブ200は、偏心運動ジェネレータ206の入力端部及び出力端部の一方又は両方にシャフト・リップ・シール286を含み得る。円形波動ドライブ200は、出力駆動要素/ハウジング・リップ・シール287を含み得る。シール286及び287は、シールの内側及び外側に接触している要素が互いに対して回転するのを可能にする一方で、円形波動ドライブ200内に潤滑剤を保持し且つ異物、塵、及びごみが円形波動ドライブ200に入らないようにするために、上述の要素間の密閉(sealing closure)を維持するように、構成される。
【0052】
偏心運動ジェネレータ206の非偏心部分207Bは、入力リングギヤ202、主駆動ギヤ220、及び出力駆動要素204と同心であってよい。偏心部分207Aは、入力サイクロイドディスク218、出力サイクロイドディスク224、及び控え板219と同心であってよい。
【0053】
円形波動ドライブ100及び200は、例えばロボット・アクチュエーション、機械的アクチュエーション、航空宇宙アクチュエーション、若しくは車両変速機を含む様々なアクチュエーション及び/又はギヤ減速用途のいずれかで使用され得ることが、意図されている。
【0054】
例えば円形波動ドライブ100及び200を含む、本明細書において説明される円形波動ドライブは、サイクロイドギヤの2つ以上の段を含み得る。1つの態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの2つの段を含み得る。別の態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの3つの段を含み得る。別の態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの3つ以上の段を含み得る。1つの態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの2つ以上の段を含む場合があり、ここで、サイクロイドギヤの2つ以上の段は、サブトラクティブである。円形波動ドライブは、サイクロイドギヤの2つの段を含む場合があり、2つの段は、サブトラクティブであり得る。1つの態様では、サイクロイドギヤの複数の段を含むことは、円形波動ドライブが高い減速比を有することを可能にし得る。1つの態様では、サイクロイドギヤの複数の段を含み、段がサブトラクティブであることは、円形波動ドライブが高い減速比を有することを可能にし得る。
【0055】
偏心運動ジェネレータ206回転速度の出力駆動要素204回転速度に対する減速比は、上記の式を通じて計算され得る。
【0056】
したがって、特定の減速比を所望する場合、入力リングギヤ202、入力サイクロイドディスク218、出力サイクロイドディスク224、及び主駆動ギヤ220のそれぞれのギヤ歯の数が所望の減速比をもたらすように、円形波動ドライブ200を設計することができる。
【0057】
上述の歯のいずれも、例えば正弦歯形(snusoidal tooth profile)を含む様々なギヤ歯形の任意のものを有し得る。
【0058】
1つの態様では、円形波動ドライブ200は、逆転駆動可能ではなく、したがって、1つの回転方向にのみ動作され得る。別の態様では、円形波動ドライブ200は、逆転駆動可能であり、したがって、2つ以上の回転方向に動作され得る。
【0059】
偏心運動ジェネレータ206及び出力駆動要素204は、円形波動ドライブ200の対向する側上に配向され得る。或いは、偏心運動ジェネレータ206及び出力駆動要素204は、円形波動ドライブ200の同じ側上に配向され得る。
【0060】
図3A~3Dは、入力リングギヤ202の1つの例示的な態様を示す。入力リングギヤが、非柔軟部分250上に含まれた入力リングギヤ歯232と、柔軟壁252と、少なくとも1つの取付け開口284を含む入力リングギヤ取付けフランジ254と、を含み得る。
【0061】
柔軟壁252は、非柔軟部分250と入力リングギヤ取付けフランジ254との間に延在し、且つ、それらを接続する。柔軟壁252と非柔軟部分250との間には、逃がし溝253が配向され得る。逃がし溝253は、柔軟壁252と非柔軟部分250との間での弾性体変形を可能にし得る。
【0062】
例えばリングギヤ202及び入力サイクロイドディスク218内を含め、本明細書において開示される円形波動ドライブの製作において必要な公差を得ること及びその公差を維持することの難しさにより、入力リングギヤ歯232と入力サイクロイドディスクギヤ歯234との間に適切なバックラッシを得ること及びそのバックラッシを維持することは、非常に困難であり得る。この難しさを緩和するために、入力リングギヤ202は、柔軟な要素として設計され得る。
【0063】
柔軟な要素(compliant element)は、本明細書においてその用語が使用されるときに、弾性体変形を通じて1つの位置における入力力及び変位を別の位置における出力力及び変位に伝達する可撓性機構を意味する。
【0064】
したがって、柔軟壁252及び逃がし溝253は、非柔軟部分250及び入力リングギヤ歯232がユニットとして変位され、且つ、入力サイクロイドディスクギヤ歯234に係合するときに所望のバックラッシを得ることを可能にするために、入力リングギヤ202の弾性変形を可能にする。1つの態様では、柔軟壁252は、入力リングギヤ歯232を入力サイクロイドディスクギヤ歯234との所望の相対的係合に付勢する。
【0065】
非柔軟部分250は、入力リングギヤ歯232を含み、且つ、入力リングギヤ歯232の構造的完全性を維持するのに必要な剛性を有する。つまり、非柔軟部分250及び入力リングギヤ歯232は、柔軟壁252が可撓性であり且つ弾性的に変形するように意図されているという意味では、可撓性であること又は弾性的に変形することを意図されていない。
【0066】
入力リングギヤ202のコンプライアンス、及び柔軟壁252の弾性体変形は、例えば様々な材料強度、幾何学的形状、厚さ、並びに逃がし溝253の配向及びサイズを含む、複数の方法において達成され得る。
【0067】
つまり、柔軟壁252は、非柔軟部分250又は取付けフランジ254の一方若しくは両方とは別の材料であってよく、この場合、柔軟壁252の材料は、非柔軟部分250又は取付けフランジ254の材料と比較したときに、増大した可撓性を有する。
【0068】
或いは、柔軟壁252は、所望の弾性変形を達成するために、特定の寸法を有して設計され得る。柔軟壁252及び逃がし溝253の寸法は、入力リングギヤ歯232の並進/偏向をもたらす、柔軟壁252における曲げモーメントを可能にし得る。
【0069】
これらの相対的な寸法は、様々な材料したがって様々な材料特性を有する入力リングギヤ202間で異なり得ることが、理解される。
【0070】
図4A~4Dは、主駆動ギヤ220の例示的な態様を示す。主駆動ギヤ220は、外部主駆動ギヤ歯236、柔軟壁260、逃がし溝261、少なくとも1つの取付け開口263、中央ボア264、及びハブ267を含み得る。ハブ267は、外部スプライン269を含み得る。
【0071】
図2の組み立てられた円形波動ドライブ200に示されるように、ハブ267は、主駆動ギヤ/ハウジング軸受268によって包囲され得る。ハブ267は、主駆動ギヤ220を出力駆動要素204に接続するために少なくとも1つの固定具280を受け入れるように構成された少なくとも1つの取付け開口263を含み得る。偏心運動ジェネレータ206は、組み立てられた円形波動ドライブ200において中央ボア264を通って延在し得る。外部スプライン269は、主駆動ギヤ220を出力駆動要素204にさらに接続するために、出力駆動要素204の内部スプライン271と嵌合し得る。
【0072】
柔軟壁260は、ハブ267から軸方向に且つ径方向外方に延在し得る。さらに、外部主駆動ギヤ歯236は、柔軟壁260に対して少なくともある程度片持ち梁風に突き出されて(つまり、軸方向にオフセットされて)よく、且つ、レリーブ溝261が片持ち梁風の配向を生じさせる状態で、柔軟壁260に接続され得る。
【0073】
例えば主駆動ギヤ220及び出力サイクロイドディスク224内を含め、本明細書において開示される円形波動ドライブの製作において必要な公差を得ること及びその公差を維持することの難しさにより、外部主駆動ギヤ歯236と内部出力サイクロイドディスク歯238との間に適切なバックラッシを得ること及びそのバックラッシを維持することは、非常に困難であり得る。この難しさを緩和するために、主駆動ギヤ220は、柔軟な要素として設計され得る。
【0074】
柔軟壁260は、柔軟壁260の材料特性、材料厚さ、及び幾何学的形状、並びに逃がし溝261のサイズ及び配向を介して、外部主駆動ギヤ歯236の弾性変形を可能にし得る。1つの態様において、柔軟壁260により、外部主駆動ギヤ歯236は、出力サイクロイドディスク歯238との所望の相対的係合に付勢される。
【0075】
柔軟壁260は、柔軟壁260における曲げモーメントを可能にするために、(軸方向における)減少した厚さを有してよく、これは、外部主駆動ギヤ歯236の並進/偏向を可能にする。
【0076】
上記の減少した材料厚さは、減少した厚さの領域内に減少した強度をもたらすことが、理解される。
【0077】
図5A及び5Bは、偏心運動ジェネレータ506の1つの例示的な態様を示す。偏心運動ジェネレータ506は、中空の中央ボア511を有し得る。偏心運動ジェネレータ506は、偏心部分507A及び非偏心部分507Bを含む。偏心部分507Aは、中心線CLAを有し、一方で、非偏心部分507Bは、中心線CLBを有する。中心線CLA及び中心線CLBは、互いに平行であり且つ互いにオフセットされ得る。
【0078】
1つの態様では、偏心運動ジェネレータ506は、非偏心部分507Bの中心線CLBの周りで回転することができるように拘束され得る。この態様では、偏心部分507Aは、非偏心部分507Bとともに回転するが、偏心部分507Aの回転は、偏心性である。このようにして、偏心運動ジェネレータ506は、回転入力を偏心運動に変換し得る。
【0079】
図6は、円形波動ドライブの減速比を決定するための例示的な方法600を示す流れ図でる。方法600は、円形波動ドライブのための望ましい減速比を選択すること(ステップ610)を含む。方法600は、内部ギヤ歯(a)を有する入力リングギヤと、外部ギヤ歯(b)を有する入力サイクロイドディスクであって、入力サイクロイドディスクギヤ歯が少なくとも部分的に入力リングギヤ歯に係合する、入力サイクロイドディスクと、外部ギヤ歯(d)を有する主駆動ギヤであって、入力サイクロイドディスクに固定される、主駆動ギヤと、内部ギヤ歯(c)を有する出力サイクロイドディスクであって、出力サイクロイドディスク歯が少なくとも部分的に主駆動ギヤ歯に係合する、出力サイクロイドディスクと、を含む円形波動ドライブを提供すること(ステップ620)をさらに含む。方法600は、等式を使用して減速比を計算すること(ステップ530)をさらに含み、減速比=
【数1】
であり、式中、
a=入力リングギヤ102;202のギヤ歯の数であり、
b=入力サイクロイドディスク118;218のギヤ歯の数であり、
c=出力サイクロイドディスク124;224のギヤ歯の数であり、
d=主駆動ギヤ120;220のギヤ歯の数である。
【0080】
図7A及び7Bは、入力サイクロイドディスク218の1つの例示的な態様を示す。入力サイクロイドディスク218は、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯234、及び、少なくとも1つの取付け開口292を含み得る。
【0081】
図8A及び8Bは、出力サイクロイドディスク224の1つの例示的な態様を示す。出力サイクロイドディスク224は、内部出力サイクロイドディスク歯238、及び、少なくとも1つの取付け開口293を含み得る。
【0082】
図9A及び9Bは、出力駆動要素204の1つの例示的な態様を示す。出力駆動要素204は、内部スプライン271、少なくとも1つの取付け開口291、及び、少なくとも1つの取付け開口294を含み得る。取付け開口294は、固定具280を受け入れるように構成されてよく、固定具280は、スプライン269及び271に加えて、出力駆動要素204を主駆動ギヤ220に接続する。
【0083】
図10A及び10Bは、角度リング285の1つの例示的な態様を示す。
図15Bに示されるように、角度リング285は、偏心運動ジェネレータ206の偏心部分207A上の所定の位置において偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受226に係合し得る。偏心運動ジェネレータ206は、非偏心部分207B、及び、中空の中央ボア211を含み得る。
【0084】
図11は、シャフト・リップ・シール286の1つの例示的な態様を示す。シール286は、シール286を強化し且つ補剛するように作用する内部フレーム部材296を含み得る。フレーム部材296は、例えばゴム材料を含むポリマー被覆297内にオーバ・モールドされてよい。
【0085】
シール286は、密閉リップ270の径方向外方に配向された付勢要素298を含み得る。付勢要素298は、密閉リップ270を径方向内方に付勢して偏心運動ジェネレータ206と接触させるように構成され得る。偏心運動ジェネレータ206の(例えば、非偏心部分207Bを含む)径方向外面との密閉リップ270の係合は、潤滑剤を封じ込め、且つ、円形波動ドライブ200の動作に有害であろうごみ又は異物の侵入を防ぐ(seal out)ように作用する。
【0086】
図12A及び12Bは、偏心運動ジェネレータ206の1つの例示的な態様を示す。偏心運動ジェネレータ206は、中空の中央ボア211、偏心部分207A、及び、非偏心部分207Bを含み得る。偏心運動ジェネレータ206は、(半月キーなどの)キー1295を受け入れ且つ係合するように構成された、中空の中央ボア211から延在するキー溝299を含み得る。
【0087】
入力回転アクチュエータ・シャフト1213が、中央ボア211内に嵌入するようなサイズ及び形状となされ得る。シャフト1213は、キー溝299内にキー1295を受け入れるためのスロット1215を含み得る。このようにして、シャフト1213は、シャフト1213の回転が偏心運動ジェネレータ206の回転を生じさせるように、偏心運動ジェネレータ206に接続され且つ嵌合され得る。
【0088】
図13A~13Cは、入力サイクロイドディスク1318及び出力サイクロイドディスク1324の組立体1300の1つの例示的な態様を示す。
【0089】
組立体1300は、入力サイクロイドディスク1318を含み得る。入力サイクロイドディスク1318は、その径方向外側縁部の周りに、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯1334であってよい摩擦要素を含み得る。入力サイクロイドディスク1318は、少なくとも1つの取付け開口1392を含み得る。入力サイクロイドディスク1318は、ディスク1318が環の形状であるように、中空の中心部分を含み得る。
【0090】
組立体1300は、出力サイクロイドディスク1324を含み得る。出力サイクロイドディスク1324は、その径方向内側縁部の周りに、内部出力サイクロイドディスク歯1338であってよい摩擦要素を含み得る。出力サイクロイドディスク1324は、少なくとも1つの取付け開口1393を含み得る。出力サイクロイドディスク1324は、ギヤ1324が環の形状であるように、中空の中心部分を含み得る。
【0091】
組立体1300は、控え板1319を含み得る。入力サイクロイドディスク1318及び出力サイクロイドディスク1324は、同心構成で控え板1319を介して互いに接続されてよく、したがって、1:1の比で一緒に回転することができる。控え板1319は、少なくとも1つの取付け開口1393内に延在して控え板1319を出力サイクロイドディスク1324に接続する固定具を受け入れるように構成された、少なくとも1つの固定具開口1383Aを含み得る。控え板1319は、少なくとも1つの取付け開口1392内に延在して控え板1319を入力サイクロイドディスク1318に接続する固定具を受け入れるように構成された、少なくとも1つの固定具開口1382Aを含み得る。固定具は、例えば、控え板1319を通って入力サイクロイドディスク1318を出力サイクロイドディスク1324に接続するように構成されたスクリュ、ボルト、ピン、又はリベットを含み得る。
【0092】
入力サイクロイドディスク1318の中空の中心部分、出力サイクロイドディスク1324、及び控え板1319は、中空の中央ボア1369を形成する。中央ボア1369は、円形波動ドライブの他の要素(図示せず)がそこを通過すること又はその中に配向されることを可能にし得る。例えば、中央ボア1369は、偏心運動ジェネレータ、及び/又は偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受を収容し得る。
【0093】
円形波動ドライブ(図示せず)に組み立てられたときに、入力リングギヤの歯が、入力サイクロイドディスクギヤ歯1334に係合し、この歯の係合、及び入力サイクロイドディスク1318の偏心運動(偏心運動ジェネレータとの係合を介して付与される)を介して、入力リングギヤ及び入力サイクロイドディスク1318が、偏心運動ジェネレータの回転軸に平行な軸の周りで互いに対して回転する。
【0094】
円形波動ドライブ(図示せず)に組み立てられたときに、主駆動ギヤ歯の外部主駆動ギヤ歯が、内部出力サイクロイドディスク歯1338に係合し、この歯の係合、及び出力サイクロイドディスク1324の偏心運動(偏心運動ジェネレータとの係合を介して付与される)を介して、出力サイクロイド・ドライブが、偏心運動ジェネレータの回転軸に平行な軸の周りで出力サイクロイドディスク1324に対して回転する。
【0095】
上述の歯の係合を介して、偏心運動ジェネレータの回転が、入力サイクロイドディスク1318を回転させ、したがって出力サイクロイドディスク1324(これらは互いに接続されている)を回転させる。出力サイクロイドディスク1324の回転は、主駆動ギヤを回転させ、主駆動ギヤ及び出力駆動要素は少なくとも1つの固定具を介して互いに直接接続されているので、この主駆動ギヤの回転は、出力駆動要素を回転させる。
【0096】
図14A~14Fは、組み合わせられた入力サイクロイドディスク及び出力サイクロイドディスク1400を示す。ディスク1400は、入力サイクロイドディスク1318と出力サイクロイドディスク1324の一体的な組合わせであり得る。つまり、控え板1319を介して接続された独立的な別々の入力サイクロイドディスク1318及び出力サイクロイドディスク1324の代わりに、ディスク1400は、単体の材料から形成された単一のモノリシックなユニットであり得る。ディスク1400は、例えば鋼鉄若しくは合金などの金属、ポリマー、又は有機材料を含む、様々な材料のいずれかで作られ得る。ディスク1400は、意図された使用の所望の期間にわたって回転減少を行うのに十分な強度、硬度、又は耐久性を有する任意の材料で作られ得る。ディスク1400の種々の要素のいずれも、例えば機械加工、3D印刷/積層造形、又は鍛造を含む、様々な方法のいずれかを通じて形成され得る。
【0097】
ディスク1400は、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯1434、及び、内部出力サイクロイドディスク歯1438を含み得る。入力サイクロイドディスクギヤ歯1434は、上記の入力サイクロイドディスクギヤ歯1334に実質的に類似し得る。出力サイクロイドディスク歯1438は、上記の出力サイクロイドディスク歯1338に実質的に類似し得る。
【0098】
ディスク1400は、ディスク1400が環の形状であるように、中空の中心部分1474を含み得る。ディスク1400は、外径OD1を形成する径方向外側表面1472、内径を形成する径方向内側壁1478、及び、内側フランジ1476を含み得る。
【0099】
フランジ1476は、出力サイクロイドディスク歯1438と軸方向に重なり合い得る。フランジ1476は、ディスク1400が円形波動ドライブ(図示せず)に組み立てられたときに中心部分1474内に配向された要素と係合するためのディスク1400のより大きな(例えば、軸方向長さにおいてより大きい)内部表面を提供し得る。例えば、偏心運動ジェネレータ、及び/又は偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受が、中心部分1474内に配向されてよく、ディスク1400の軸方向により長い内部表面は、ディスク1400と中心部分1474内の上述の要素間のより安定した、均衡のとれた、及び/又は圧力の減少した係合を可能にし得る。フランジ1476の径方向内側表面(内部表面)が、溝1482を含み得る。
【0100】
溝1482は、中心部分1474内に(偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受(図示せず)などの)要素を保持するための保持デバイスに係合するために使用され得る。例えば、溝1482は、保持リングを受け入れ且つ係合し得る。ディスク1400の内部表面は、そこから径方向内方に延在する径方向内側壁1478をさらに含み得る。径方向内側壁1478は、中心部分1474内に(偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受(図示せず)などの)要素を保持するために、同様に使用され得る。
【0101】
ディスク1400は、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯1434の軸方向内方に隙間1470を含み得る。隙間1470は、入力サイクロイドギヤ歯1434の径方向外方高さからディスク1400の径方向内方に延在してよく、且つ、入力サイクロイドギヤ歯1434の軸方向最内方部分から軸方向内方に延在してよい。隙間1470は、ディスク1400の機械加工中に入力サイクロイドギヤ歯1434の切削を可能にするために使用され得る。隙間1470は、隙間1470の領域における応力を減少させるために、アール隅部(radiused corner)を含み得る。
【0102】
ディスク1400は、出力サイクロイド歯1438の軸方向内方に隙間1480を含み得る。隙間1480は、出力サイクロイド歯1438の径方向内方高さからディスク1400内へ径方向外方に延在してよく、且つ、出力サイクロイド歯1438の軸方向最内方部分から軸方向内方に延在してよい。隙間1480は、ディスク1400の機械加工中に出力サイクロイド歯1438の切削を可能にするために使用され得る。隙間1480は、隙間1480の領域における応力を減少させるために、アール隅部を含み得る。
【0103】
円形波動ドライブ(図示せず)に組み立てられたときに、入力リングギヤの歯が、入力サイクロイドギヤ歯1434に係合し、この歯の係合、及びディスク1400の偏心運動(偏心運動ジェネレータとの係合を介して付与される)を介して、入力リングギヤ及びディスク1400が、偏心運動ジェネレータの回転軸に平行な軸の周りで互いに対して回転する。
【0104】
円形波動ドライブ(図示せず)に組み立てられたときに、主駆動ギヤの外部主駆動ギヤ歯が、内部出力サイクロイド歯1438に係合し、この歯の係合、及びディスク1400の偏心運動(偏心運動ジェネレータとの係合を介して付与される)を介して、主駆動ギヤが、偏心運動ジェネレータの回転軸に平行な軸の周りでディスク1400に対して回転する。
【0105】
上述の歯の係合を介して、偏心運動ジェネレータの回転が、ディスク1400を回転させる。ディスク1400の回転は、主駆動ギヤを回転させ、また、主駆動ギヤ及び出力駆動要素は少なくとも1つの固定具を介して直接接続されているので、この主駆動ギヤの回転は、出力駆動要素を回転させる。
【0106】
図15は、組立体1300と組合わせ入出力サイクロイドディスク1400との比較を示す。
【0107】
示されるように、ディスク1400は、外径OD1を含み、一方で、組立体1300は、外径OD2を含む。ディスク1400の1つの利点として、外径OD1は、外径OD2未満であり得る。開口1393はディスク1400に不必要であるので、このOD2と比較した外径OD1の減少は、ディスク1400からの取付け開口1393の排除の結果によるものであり得る。
【0108】
さらに、組立体1300に関して、控え板1319は、薄い隔壁であり得る。控え板1319は、重量を減少させ、トルクを不均衡にし、且つ、控え板1319入力サイクロイドディスク1318、及び出力サイクロイドディスク1324を接続する固定具を据え付けるための空間を作り出すために、薄く且つ(径方向に)幅広であり得る。
【0109】
しかし、控え板1319の(入力端部上の)入力サイクロイドディスク1318との表面摩擦及び(出力端部上の)出力サイクロイドディスク1324との表面摩擦は、高トルク荷重を伝達するのに十分に大きくない場合がある(高い割合の荷重が、小さな固定具によって伝達される)。この高トルク荷重は、少なくとも1つの固定具開口1382A及び少なくとも1つの固定具開口1383Aにおける局部応力の高度の集中のために、それらの固定具開口の変形をもたらし得る。
【0110】
さらに、円形波動ドライブ(図示せず)に組み立てられたときに、組立体1300は、偏心性の動き、繰り返し荷重、及び振動にさらされ、それらの全てが、控え板1319を入力サイクロイドディスク1318及び出力サイクロイドディスク1324に接続している固定具を緩めることにつながり得る。これらの固定具を緩めることは、入力サイクロイドディスク1318と出力サイクロイドディスク1324との間の相対運動、及び/又は、緩み若しくは全体的な移動により固定具がギヤの動作に干渉することに起因する、円形波動ドライブにおける運動の損失をもたらし得る。
【0111】
ディスク1400に関して、ディスク1400は、モノリシックであってよく、したがって、組立てを必要としない。固定具はディスク1400から排除され、したがって、固定具の緩みは、ディスク1400を使用する円形波動ドライブにおける運動の損失のリスクを生じさせない。
【0112】
控え板を排除することにより、ディスク1400は、組立体1300よりも頑強に作られ、結果としてディスク1400のより長い予想寿命をもたらし得る。
【0113】
ディスク1400の減少した外径OD1は、組立体1300と比較したときに、ディスク1400におけるより小さな慣性モーメントをもたらし得る。
【0114】
図16は、組合わせ入出力サイクロイドディスク1400を含む円形波動ドライブ1600を示す。円形波動ドライブ1600は、偏心運動ジェネレータ1406の中心軸CAにおいて終端する部分断面図で示されている。示されていない円形波動ドライブ1600の半分は、示されている円形波動ドライブ1600の半分に実質的に類似することが、理解される。円形波動ドライブ1600は、ハウジング1401、ハウジング1401に取り付けられた入力リングギヤ1402(入力リングギヤ1402は、その内部周辺部の周りに入力リングギヤ歯1432を含み得る)、偏心部分1407A及び非偏心部分1407Bを有する偏心運動ジェネレータ1406、組合わせ入出力サイクロイドディスク1400、主駆動ギヤ1420、偏心運動ジェネレータ軸受1416、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受1426、並びに偏心運動ジェネレータ/出力駆動要素軸受1430を含み得る。円形波動ドライブ1600は、端板1403、及び端板1403に接続されたフランジ板1405を含み得る。
【0115】
円形波動ドライブ1600は、主駆動ギヤ1420に直接接続された出力駆動要素1404を含み得る。主駆動ギヤ1420の回転は、出力駆動要素1404の回転を生じさせることができ、また、主駆動ギヤ1420及び出力駆動要素1404は、主駆動ギヤ/ハウジング軸受1468を介してハウジング1401に対して回転するように構成され得る。主駆動ギヤ1420は、その外部周辺部の周りに外部主駆動ギヤ歯1436を含み得る。
【0116】
組合わせ入出力サイクロイドディスク1400は、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯1434、及び内部出力サイクロイド歯1438を含み得る。ディスク1400は、ディスク1400が環の形状であるように、中空の中心部分1474を含み得る。偏心運動ジェネレータ1406は、中空の中心部分1474を通って延在し得る。
【0117】
円形波動ドライブ1600に組み立てられたときに、入力リングギヤ歯1432は、入力サイクロイドギヤ歯1434に係合し、この歯の係合、及びディスク1400の偏心運動(偏心運動ジェネレータ1406の偏心部分1407Aとの係合を介して付与される)を介して、入力リングギヤ1402及びディスク1400は、偏心運動ジェネレータ1406の回転軸(具体的には、非偏心部分1407Bの回転軸)に平行な軸の周りで互いに対して回転する。
【0118】
円形波動ドライブ1600に組み立てられたときに、主駆動ギヤ1420の外部主駆動ギヤ歯1436は、内部出力サイクロイド歯1438に係合し、この歯の係合、及びディスク1400の偏心運動(偏心運動ジェネレータ1406の偏心部分1407Aとの係合を介して付与される)を介して、主駆動ギヤ1420は、偏心運動ジェネレータ1406の回転軸(具体的には、非偏心部分1407Bの回転軸)に平行な軸の周りでディスク1400に対して回転する。
【0119】
上述の歯の係合を介して、偏心運動ジェネレータ1406の回転が、ディスク1400を回転させる。ディスク1400の回転は、主駆動ギヤ1420を回転させ、また、主駆動ギヤ1420及び出力駆動要素1404は少なくとも1つの固定具を介して互いに直接接続されているので、この主駆動ギヤ1420の回転は、出力駆動要素1404を回転させる。
【0120】
別の言い方をすれば、実際には、回転力が偏心運動ジェネレータ1406に入力されてよく、この回転力が、偏心運動ジェネレータ1406及び偏心部分1407Aの回転を生じさせ得る。偏心運動ジェネレータ1406は、偏心運動ジェネレータ軸受1416を介して端板1403内で回転することを可能とされ得る。偏心運動ジェネレータ1406の偏心部分1407Aは、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受1426を介してディスク1400に係合することができ、その偏心回転は、ディスク1400を入力リングギヤ歯1432に係合させ且つ入力リングギヤ歯1432に沿って回転させ得る。偏心回転ディスク1400は、主駆動ギヤ1420をディスク1400に係合させ且つディスク1400に沿って回転させ得る。主駆動ギヤ1420の回転は、出力駆動要素1404の回転を生じさせることができ、また、主駆動ギヤ1420及び出力駆動要素1404は、主駆動ギヤ/ハウジング軸受1468を介してハウジング1401に対して回転するように構成され得る。出力駆動要素1404の回転速度は、減速比に従って偏心運動ジェネレータ1406の回転速度に対して減少され得る。
【0121】
円形波動ドライブ1600は、動作及び摩耗の減少を支援するためにオイルなどの潤滑剤が円形波動ドライブ1600の内部内に収容されることを可能にするための種々のシールを含み得る。
【0122】
偏心運動ジェネレータ1406の非偏心部分1407Bは、入力リングギヤ1402、主駆動ギヤ1420、及び出力駆動要素1404と同心であってよい。偏心部分1407Aは、ディスク1400と同心であってよい。
【0123】
図17は、組合わせ入出力サイクロイドディスク1400を含む円形波動ドライブ1700を示す。円形波動ドライブ1700は、ハウジング1401、ハウジング1401に取り付けられた入力リングギヤ1402(入力リングギヤ1402は、その内部周辺部の周りに入力リングギヤ歯1432を含み得る)、偏心部分1407A及び非偏心部分1407Bを有する偏心運動ジェネレータ1406、組合わせ入出力サイクロイドディスク1400、主駆動ギヤ1420、偏心運動ジェネレータ軸受1416、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受1426、並びに偏心運動ジェネレータ/出力駆動要素軸受1430を含み得る。円形波動ドライブ1700は、端板1403、及び端板1403に接続されたフランジ板1405を含み得る。
【0124】
円形波動ドライブ1700は、主駆動ギヤ1420に直接接続された出力駆動要素1404を含み得る。主駆動ギヤ1420の回転は、出力駆動要素1404の回転を生じさせることができ、また、主駆動ギヤ1420及び出力駆動要素1404は、主駆動ギヤ/ハウジング軸受1468を介してハウジング1401に対して回転するように構成され得る。主駆動ギヤ1420は、その外部周辺部の周りに外部主駆動ギヤ歯1436を含み得る。
【0125】
組合わせ入出力サイクロイドディスク1400は、外部入力サイクロイドディスクギヤ歯1434、及び、内部出力サイクロイド歯1438を含み得る。ディスク1400は、ディスク1400が環の形状であるように、中空の中心部分を含み得る。偏心運動ジェネレータ1406は、中空の中心部分を通って延在し得る。
【0126】
円形波動ドライブ1700に組み立てられたときに、入力リングギヤ歯1432は、入力サイクロイドギヤ歯1434に係合し、この歯の係合、及びディスク1400の偏心運動(偏心運動ジェネレータ1406の偏心部分1407Aとの係合を介して付与される)を介して、入力リングギヤ1402及びディスク1400は、偏心運動ジェネレータ1406の回転軸(具体的には、非偏心部分1407Bの回転軸)に平行な軸の周りで互いに対して回転する。
【0127】
円形波動ドライブ1700に組み立てられたときに、主駆動ギヤ1420の外部主駆動ギヤ歯1436は、内部出力サイクロイド歯1438に係合し、この歯の係合、及びディスク1400の偏心運動(偏心運動ジェネレータ1406の偏心部分1407Aとの係合を介して付与される)を介して、主駆動ギヤ1420は、偏心運動ジェネレータ1406の回転軸(具体的には、非偏心部分1407Bの回転軸)に平行な軸の周りでディスク1400に対して回転する。
【0128】
上述の歯の係合を介して、偏心運動ジェネレータ1406の回転が、ディスク1400を回転させる。ディスク1400の回転は、主駆動ギヤ1420を回転させ、また、ディスク1400及び主駆動ギヤ1420は少なくとも1つの固定具を介して互いに直接接続されているので、この主駆動ギヤ1420の回転は、出力駆動要素1404を回転させる。
【0129】
別の言い方をすれば、実際には、回転力が偏心運動ジェネレータ1406に入力されてよく、この回転力が、偏心運動ジェネレータ1406及び偏心部分1407Aの回転を生じさせ得る。偏心運動ジェネレータ1406は、偏心運動ジェネレータ軸受1416を介して端板1403内で回転することを可能とされ得る。偏心運動ジェネレータ1406の偏心部分1407Aは、偏心運動ジェネレータ/入力サイクロイドディスク軸受1426を介してディスク1400に係合することができ、その偏心回転は、ディスク1400を入力リングギヤ歯1432に係合させ且つ入力リングギヤ歯1432に沿って回転させ得る。偏心回転ディスク1400は、主駆動ギヤ1420をディスク1400に係合させ且つディスク1400に沿って回転させ得る。主駆動ギヤ1420の回転は、出力駆動要素1404の回転を生じさせることができ、また、主駆動ギヤ1420及び出力駆動要素1404は、主駆動ギヤ/ハウジング軸受1468を介してハウジング1401に対して回転するように構成され得る。出力駆動要素1404の回転速度は、減速比に従って偏心運動ジェネレータ1406の回転速度に対して減少され得る。
【0130】
円形波動ドライブ1700は、動作及び摩耗の減少を支援するためにオイルなどの潤滑剤が円形波動ドライブ1700の内部内に収容されることを可能にするための種々のシールを含み得る。
【0131】
偏心運動ジェネレータ1406の非偏心部分1407Bは、入力リングギヤ1402、主駆動ギヤ1420、及び出力駆動要素1404と同心であってよい。偏心部分1407Aは、ディスク1400と同心であってよい。
【0132】
円形波動ドライブ1600及び1700は、例えばロボット・アクチュエーション、機械的アクチュエーション、航空宇宙アクチュエーション、若しくは車両変速機を含む様々なアクチュエーション及び/又はギヤ減速用途のいずれかで使用され得ることが、意図されている。
【0133】
例えば円形波動ドライブ1600及び1700を含む、本明細書において説明される円形波動ドライブは、サイクロイドギヤの2つ以上の段を含み得る。1つの態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの2つの段を含み得る。別の態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの3つの段を含み得る。別の態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの3つ以上の段を含み得る。1つの態様では、円形波動ドライブが、サイクロイドギヤの2つ以上の段を含む場合があり、ここで、サイクロイドギヤの2つ以上の段は、サブトラクティブである。円形波動ドライブは、サイクロイドギヤの2つの段を含む場合があり、2つの段は、サブトラクティブであり得る。1つの態様では、サイクロイドギヤの複数の段を含むことは、円形波動ドライブが高い減速比を有することを可能にし得る。1つの態様では、サイクロイドギヤの複数の段を含み、段がサブトラクティブであることは、円形波動ドライブが高い減速比を有することを可能にし得る。
【0134】
出力駆動要素1404回転速度に対する偏心運動ジェネレータ1406回転速度の減速比は、以下の式:
【数2】
を通じて計算されてよく、式中、
a=入力リングギヤ1402のギヤ歯1432の数であり、
b=ディスク1400のギヤ歯1434のギヤ歯の数であり、
c=ディスク1400のギヤ歯1438の数であり、
d=主駆動ギヤ1420のギヤ歯1436の数である。
【0135】
したがって、特定の減速比を所望する場合、入力リングギヤ1402、ディスク1400、及び主駆動ギヤ1420のそれぞれのギヤ歯の数が所望の減速比をもたらすように、円形波動ドライブ1600/1700を設計することができる。
【0136】
上述の歯のいずれも、例えば正弦波形を含む様々なギヤ歯形の任意のものを有し得る。
【0137】
1つの態様では、円形波動ドライブ1600及び1700は、逆転駆動可能ではなく、したがって、1つの回転方向にのみ動作され得る。別の態様では、円形波動ドライブ1600/1700は、逆転駆動可能であり、したがって、2つ以上の回転方向に動作され得る。
【0138】
本明細書又は特許請求の範囲内で用語「含む(includes)」又は「含んでいる(including)」が使用される限りにおいて、用語「有している(comprising)」が請求項において転換語として用いられるときに解釈されるのと同様の態様で、包括的であることが意図されている。さらに、用語「又は(or)」が用いられる(例えば、A又はB)限りにおいて、「A若しくはB又はその両方」を意味することが意図されている。本出願人が「A又はBのみであって両方ではない」ことを示すつもりである場合、用語「A又はBのみであって両方ではない」が用いられる。したがって、本明細書における用語「又は」の使用は、包括的なものであり、排他的使用ではない。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、本明細書又は特許請求の範囲内で用語「~内で(in)」又は「~内に(into)」が使用される限りにおいて、「~上で(on)」又は「~上に(onto)」をさらに意味することが意図されている。本明細書及び特許請求の範囲内で用語「実質的に(substantially)」が使用される限りにおいて、製造における有用な又は慎重な精度を考慮に入れることが意図されている。本明細書又は特許請求の範囲内で用語「選択的に(selectively)」が使用される限りにおいて、本装置の使用者が本装置の使用に必要な又は望ましい通りに構成要素の特徴又は機能を有効又は無効することができる構成要素の状態を意味することが意図されている。本明細書又は特許請求の範囲内で用語「動作可能に接続される(overatively connected)」が使用される限りにおいて、特定された諸構成要素が指定された機能を行うように接続されることを意味することが意図されている。本明細書及び特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形を含む。最後に、或る数に関連して用語「約(about)」が使用される場合、その数の±10%を含むことが意図されている。言い換えれば、「約10」は、9から11を意味し得る。
【0139】
上記のように、本出願はその態様に関する説明によって示されたが、また、態様はかなり詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲に記載の範囲をそのような詳細に制限すること又は多少なりとも限定することは、本出願人の意図することではない。さらなる利点及び修正が、本出願の便益を有する当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本出願は、そのより広範な態様において、特定の詳細、図示された説明に役立つ実例、又は言及されたいかなる装置にも限定されない。一般的発明概念の精神又は範囲から逸脱することなしに、そのような詳細、実例、及び装置からの逸脱がなされ得る。
【国際調査報告】