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特表2023-526946人体または人体の一部に医療・美容用放射線を施すための装置
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  • 特表-人体または人体の一部に医療・美容用放射線を施すための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】人体または人体の一部に医療・美容用放射線を施すための装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571107
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 IB2021054434
(87)【国際公開番号】W WO2021240326
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】00614/20
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512069599
【氏名又は名称】ジェイケイ-ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルステンマイヤー, ユルゲン
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PA03
4C082PC01
4C082PC10
4C082PJ04
4C082PJ05
4C082PJ24
(57)【要約】
本発明は、人体または人体の一部に医療・美容用放射線を施すための装置に関する。前記医療・美容用放射線は、特に好ましくは光放射である。本発明による装置(1)は、医療・美容用放射線を生成するための少なくとも1つの第1の発光体(2)を備える。本発明による装置はまた、発光体を冷却するための第1の空気流と、人体または人体の一部を冷却するための第2の空気流とを備える。本発明による装置は、第2の空気流に流体接続し、空気流の空調処理のために設計された、少なくとも1つの空調システムを備える。本発明による装置は、第2の空気流に流体接続し、第2の空気流を物理的に消毒するように設計された、少なくとも1つの消毒チャンバも有することを特徴とする。本発明はまた、そのような装置を動作させるための方法および対応する消毒チャンバに関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療・美容用放射線、特に光放射を用いて人体または人体の一部分に作用を及ぼすための装置(1)であって、
a.医療・美容用放射線、特に光放射を生成するための少なくとも1つの第1の発光体(2)と、
b.前記少なくとも1つの発光体を冷却するための第1の換気流と、
c.前記人体または前記人体の一部分を冷却するための第2の換気流と
を含む、装置において、
前記装置が、前記第2の換気流と流体接続し、前記第2の換気流の物理的消毒のために設計された、少なくとも1つの消毒チャンバをさらに含むことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の換気流内に第1の換気ストリームを生成するための少なくとも1つの第1のターボ機械、および/または前記第2の換気流内に第2の換気ストリームを生成するための少なくとも1つの第2のターボ機械を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記消毒チャンバが、消毒に適したUV放射線、特にUV-C放射線を発するように設計された第2の発光体を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記消毒チャンバが、消毒容積部を画定するように設計され、前記消毒容積部が、物理的消毒剤、特にUV-C放射線によって本質的に完全に作用を及ぼされ得る、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記消毒チャンバが、少なくとも1つの流体入口および少なくとも1つの流体出口を有する流体ガイドを含み、前記流体ガイドが、通して導かれる換気流の本質的に全体が物理的消毒剤の有効範囲に入るように、前記物理的消毒剤を通して前記換気流を導くように設計される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記消毒チャンバが、少なくとも1つの光トラップ、特に、前記消毒チャンバの流体入口にある少なくとも1つの第1の光トラップおよび/または前記消毒チャンバの流体出口にある少なくとも1つの第2の光トラップを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の換気流と流体接続し、前記換気流を雰囲気制御された方法で処理するように設計された、少なくとも1つの空調装置(6)をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の換気流と流体接続し、前記第2の換気ストリームに芳香剤を分配するように設計された、少なくとも1つの芳香剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記空調装置の前記消毒チャンバが、流れ方向において前記第2の換気ストリームの上流に位置する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記空調装置の前記消毒チャンバが、流れ方向において前記第2の換気ストリームの下流に位置する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記消毒チャンバが、前記第2の換気ストリームを可能な限り長く、曲がりくねり、分岐のない方法で前記消毒チャンバを通して導くように設計された流体ガイドを含み、前記流体ガイドが、UV-C放射線に対して本質的に透過性である、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記消毒チャンバが、光放射を反射するための少なくとも1つのリフレクタを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の換気流の前記換気ストリームを排出するための少なくとも1つの排気出口と、前記人体または前記人体の一部分を冷却するための少なくとも1つのベント出口とを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、医療・美容用放射線によって作用を及ぼされている間に前記人体または前記人体の一部分が位置する治療空間を画定し、換気ストリームを有する前記治療空間は、前記第2の換気流から生じない空気の進入に対して絶縁される、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
医療・美容用放射線によって作用を及ぼされている間に前記人体または前記人体の一部分が位置する治療空間に、207nm~222nmの間、特に222nmの波長範囲のUV放射線を使用して作用を及ぼすための少なくとも1つの第3の発光体をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記第2の換気流が、換気ストリームから粒子を濾過するための少なくとも1つのフィルタユニットを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置を動作させるための方法であって、
a.前記少なくとも1つの発光体を冷却するための第1の換気流を提供するステップと、
b.前記人体または前記人体の一部分を冷却するための第2の換気流を提供するステップと、
c.特に、前記換気流の雰囲気制御処理のために少なくとも1つの空調装置に前記第2の換気流を通すステップと、
d.前記第2の換気流の物理的消毒のための手段と共に少なくとも1つの消毒チャンバに前記第2の換気流を通すステップと
を含む、方法。
【請求項18】
e.前記消毒チャンバを通して導かれる換気ストリームがUV-C放射線の有効範囲に入るように、前記UV-C放射線によって前記消毒チャンバ内の消毒容積部に作用を及ぼすステップ
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
換気ストリームの前記雰囲気制御処理が冷却を含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
医療・美容用放射線、特に光放射を用いて人体またはその一部分に作用を及ぼすための装置をアップグレードするための消毒チャンバであって、前記消毒チャンバが、
a.消毒に適したUV放射線、特にUV-C放射線を発するように設計された第2の発光体を含み、
b.少なくとも1つの流体入口および少なくとも1つの流体出口を有する流体ガイドであって、通して導かれる換気流の本質的に全体が物理的消毒剤の有効範囲に入るように、前記物理的消毒剤を通して前記換気流を導くように設計される、流体ガイドを含み、
c.少なくとも1つの光トラップ、特に、前記消毒チャンバの流体入口にある少なくとも1つの第1の光トラップおよび/または前記消毒チャンバの流体出口にある少なくとも1つの第2の光トラップを含み、
d.前記消毒チャンバが、前記換気流によって導かれる換気ストリームが前記消毒チャンバを通して案内されるように、前記換気流内に配置可能である、
消毒チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療・美容用放射線を人体または人体の一部分に作用させるための装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、全て独立請求項の前文による、そのような装置を動作させるための方法、およびそのような装置をアップグレードするための消毒チャンバに関する。
【背景技術】
【0003】
人体または人体の一部分に医療・美容用放射線を作用させるための装置は、例えば、美容上の理由で皮膚の日焼けが達成される日焼けベッドを含む。さらに、そのような装置はまた、医療目的に使用される装置を含み、例えば皮膚疾患を治療するために、人体が医療・美容用放射線によって作用を及ぼされる。さらに、装置は、光を用いて人体または人体の一部分に作用を及ぼすことによって心身医学的効果を作りだす装置として理解され得る。
【0004】
これら全ての装置について、化粧および医療の両方の目的のために、完全に衛生的な環境がユーザによって期待される。したがって、日焼けベッドでは、表面のアクセス性および洗浄性などの洗浄態様も常に考慮される。使用中、人体または人体の一部分による排泄は、装置に有害な衛生上の影響をもたらす可能性がある。したがって、最初に述べたタイプの市販の装置は、洗浄が容易になるように設計されている。
【0005】
述べられた装置の多くでは、日焼け効果に加えて、かなりの発熱が時折生じる。これは、一方では使用される発光体の電気的動作モードに起因し、他方では当該の光放射による皮膚への作用に起因する。一定量の発熱が望ましい場合があるが、ほとんどの装置は、使用中にユーザを冷却する換気および/または冷却をさらに備える。この冷却に関連して、化粧品用の日焼け分野ならびに医学治療の適用分野について、起こり得る細菌量に関する衛生上の問題も生じる。
【0006】
美容および医療分野のユーザにとって、ユーザは完全に衛生的な環境および治療に頼ることができることが望ましい。したがって、最初に述べたタイプの装置であって、高い衛生上の要求を満たすことができる装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、既知の装置に関してより良好な衛生特性を有する、人体または人体の一部分に医療・美容用放射線を作用させるための装置を提供することである。特に、その目的は、そのような装置、ならびにそのような装置を動作させるための方法、および既存の装置をアップグレードするための手段を提供することであり、それは、使用が容易で安全であり、ユーザのさらなる労力なしに衛生面を改善する。
【0008】
述べられた目的は、独立請求項の特徴部分による医療・美容用放射線を用いて人体または人体の一部分に作用を及ぼすための装置を使用して達成される。
【0009】
本発明の1つの態様は、医療・美容用放射線を用いて人体または人体の一部分に作用を及ぼすための装置に関する。
【0010】
本発明の意味の範囲内で、光放射は、紫外線(UV)放射、可視(VIS)放射、および近赤外(nIR)放射のスペクトルを包含する。UV放射は、100nm~約380nmの間のスペクトルの波長を有し、VIS放射は、約380nm~約780nmの間のスペクトルの波長を有し、nIR放射は、約780nm~約1400nmの間のスペクトルの波長を有する。これら全てのスペクトルに遷移領域が存在する。
【0011】
本発明の意味の範囲内で、医療・美容用効果は、生理学的または主観的な感情的効果が生じたときに達成されると考えられ得る。これは、例えば、UV-Aおよび/またはUV-B放射線の場合のような皮膚の日焼け、または有益な加熱効果、または例えば近赤外範囲の照射で起こる皮膚のより良好な血液循環をもたらす血管拡張を含むことができる。医療・美容用放射線からのそのような効果は、特定の光スペクトルが感情状態に影響を及ぼし得る、心身医学的効果によっても同様に達成される。
【0012】
本発明による装置は、記載された医療化粧品、特に医療・美容用放射線を生成するための少なくとも1つの第1の発光体を含む。
【0013】
装置は、少なくとも1つの発光体を冷却するための少なくとも1つの第1の換気流をさらに含む。発光体に使用される技術に応じて、発光体の何らかの他の冷却が必要な場合がある。従来使用されている水銀蒸気ランプでは、例えばLED発光体と比較してはるかに多くの熱が発生する。したがって、少なくとも1つの発光体を冷却するための第1の換気流は、発光体の要件に適合され得る。この換気流は、特に好ましくは、本質的に発光体を通って流れるように設計される。
【0014】
1つの特定の実施形態では、第1の換気流内に突出し、第1の発光体からの熱放散を促進する熱交換器要素が、設けられる。そのような熱交換器は、基本的に当業者に知られており、第1の換気流がより良好に流れることができる表面拡大ラメラ構造または格子構造を有することができ、したがって、発光体からの熱の放散を容易にする。
【0015】
発光体は、特に好ましくは低圧チューブである。
【0016】
さらに、本発明による装置は、少なくとも1つの発光体を冷却するための第1の換気流を含む。
【0017】
本発明の意味の範囲内で、換気流(Lueftungsstrom)は、完全に流体接続されたラインの配置およびライン経路内に機能的に配置された要素を意味すると理解されてもよく、それを介して換気ストリームが案内され、影響され得る。換気流は、特に好ましくは、入口で比較的低温の空気を引き込み、出口で比較的加熱された空気を排出するように設計される。入口と出口との間で、この換気流は、冷却される要素、例えば発光体を通って導かれる。冷却されるべき要素によって生成された温かい空気は、換気流によって出口に導かれ、排出される。
【0018】
本発明の意味の範囲内で、換気流内の実際の流体の流れ、すなわち、一般に換気流によって動かされる空気は、換気ストリームとして理解され得る。
【0019】
本発明による装置は、人体または人体の一部分を冷却するための第2の換気流をさらに含む。この第2の換気流には、同様に、好ましくは、装置の加熱領域の外側の空気が供給されてもよい。この第2の換気流は、特に好ましくは、冷却される人体または人体の一部分に当該の換気ストリームを導くノズルも含む。
【0020】
1つの特定の実施形態では、第2の換気流は、第1の換気流から物理的に分離されている。これは、第2の換気流と第1の換気流との間に本質的に流体接続がないことを意味することができる。
【0021】
さらに、本発明による装置は、同様に第2の換気流と流体接続し、第2の換気流の物理的消毒のために設計された、少なくとも1つの消毒チャンバを含む。
【0022】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、第2の換気流と流体接続している少なくとも1つの空調装置を含む。空調装置は、換気流を雰囲気制御された方法で処理するように設計されている。
【0023】
本発明の意味の範囲内で、空調装置は、第2の換気流内で搬送される換気ストリームの1つまたは複数のパラメータを設定するように設計され得る。空調装置は、特に好ましくは、温度を設定するように設計される。したがって、1つの特に好ましい実施形態では、雰囲気制御処理は、温度を下げることを含む。
【0024】
さらなる特定の実施形態では、換気流の雰囲気制御処理は、加湿機能および/または加熱機能も含む。1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、複数の消毒チャンバを含む。消毒チャンバは、特に好ましくは、第2の換気流内の換気ストリームが複数の消毒チャンバを通って流れるように、第2の換気流内に直列に位置する。
【0025】
本発明の意味の範囲内で、消毒チャンバは、例えば、換気ストリーム、すなわち換気流を流れる空気が消毒チャンバを通過できるとき、換気流と流体接続している。
【0026】
消毒チャンバは、特に好ましくは、換気ストリームが第2の換気流を通る途中で消毒チャンバを通らなければならないように、第2の換気流と流体接続している。
【0027】
本発明の意味の範囲内で、換気ストリームは、1つまたは複数のターボ機械によって生成可能な空気流を意味すると理解され得る。ファンは、例えば、適切なターボ機械である。
【0028】
1つの特定の実施形態では、物理的消毒は、放射線、特に好ましくはUV放射線、特にUV-C放射線に基づく。
【0029】
1つの特定の実施形態では、消毒チャンバは、第2の発光体を含む。この発光体は、消毒に適したUV放射線を発するように設計されている。この第2の発光体は、特に好ましくは、UV-C放射線の範囲、特に200nm~300nmの間、より好ましくは220nm~260nmの間、特に254nm~255nmの間の波長範囲の放射を発するように設計される。
【0030】
1つの特定の実施形態では、消毒チャンバは、消毒容積部を画定するように設計される。消毒容積部は、物理的消毒剤によって本質的に完全に作用を及ぼされ得る、特にUV-C放射線によって作用を及ぼされ得る消毒チャンバの領域である。
【0031】
1つの単純な実施形態では、消毒チャンバは、中央に位置する第2の発光体、例えばUV-Cランプを含むことができる。この発光体の周りの空間全体は、UV-C放射線によって作用を及ぼされ得る。UV-C放射線は物理的消毒剤として作用し、可能性のある感染因子の数を減らすのに適している。UV-C放射線は、微生物内にDNAおよびRNAの損傷を引き起こし、したがって細菌、ウイルス、真菌、および他の可能性のある病原体からの感染の可能性を低減することによって、微生物を無害にするのに特に適している。
【0032】
1つの特に好ましい実施形態では、第2の発光体は、253.7nmのピークを有する波長を発するように設計された水銀蒸気ベースの発光体である。他の適切な発光体は、例えば、250nm~290nmの間のUV-C範囲で発するように設計されたUV-CLEDを含むことができる。そのような発光体は、記載された範囲内に明確なピークを有する狭いスペクトル全体を発するように設計され得る。
【0033】
1つの特定の実施形態では、本発明による消毒チャンバは、適切な物理的消毒を可能にするために、複数の発光体、例えば複数の上述の水銀蒸気ランプおよび/または複数の発光ダイオードアレイまたはこれら2つの組み合わせを含む。消毒チャンバは、特に好ましくは、消毒チャンバを通る換気ストリームがUV-C放射線に可能な限り長く曝されるように設計される。
【0034】
1つの特定の実施形態では、消毒チャンバは、少なくとも1つの流体入口および少なくとも1つの流体出口を有する流体ガイドを含む。流体ガイドは、通して導かれる換気流の本質的に全体が物理的消毒剤の有効範囲に入るように、上述の物理的消毒剤を通して換気流を導くように設計される。流体入口および/または流体出口は、UV-C放射線が消毒チャンバ内に可能な限り完全に保持されるようにさらに設計され得る。
【0035】
したがって、1つの特定の実施形態では、消毒チャンバは、少なくとも1つの光トラップを含む。特に、消毒チャンバは、消毒チャンバの流体入口にある少なくとも1つの第1の光トラップ、および/または消毒チャンバの流体出口にある少なくとも1つの第2の光トラップを含む。
【0036】
1つの特定の実施形態では、本発明の意味の範囲内の光トラップは、流体入口または流体出口にグリッド配置を含む。グリッド配置は、流れ方向においてそれぞれの場合に次の金属板によって覆われる金属板に交互に作られた複数の一連の凹部であってもよい。光トラップは、特に好ましくは、オフセット凹部を有する2つの金属プレートから形成される。流体の流れは、第1の金属プレートで減速され、第1の金属プレート内の対応する凹部に流入し、第2の金属プレートで再び金属プレートに衝突し、第2の凹部により金属プレートの周りを流れなければならない。これにはいくつかの利点がある。当該の光トラップでは、当該の空気量に対するUV-C放射線による衝突が最大化されるように、例えば流体入口において、および流体出口において換気ストリームを旋回させることができるだけでなく、装置内の敏感な構成要素をUV-C放射から保護することも可能である。
【0037】
グリッドの代替として、および/またはグリッドに加えて、金属板内にオフセット孔を有する対応する穿孔が、同じ効果を生みだすことができる。
【0038】
1つの特定の実施形態では、流体入口または流体出口は、複数のそのような金属プレート、すなわち3つ以上のそのような金属プレートを含む。
【0039】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、第1の換気流内に第1の換気ストリームを生成するための少なくとも1つの第1のターボ機械と、第2の換気流内に第2の換気ストリームを生成するための少なくとも1つの第2のターボ機械とを含む。適切なターボ機械は、例えば、ファンであってもよい。
【0040】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、少なくとも1つの芳香剤を含む。芳香剤は、好ましくは、第2の換気流と流体接続し、第2の換気ストリームに芳香剤を分配するように設計されている。
【0041】
1つの特定の実施形態では、芳香剤は、消毒チャンバの下流に位置する。芳香剤は、例えば、流れが通過できる領域を含むことができ、香り分子は、換気ストリームの助けを借りて対流によって受け取られ得る。例えば、揮発性有機化合物が、香り分子として適している。これらの香り分子は、例えば、換気ストリームを介して新鮮さに関連する香りをユーザに導くのに適し得る。芳香剤の分配は、同様に、望ましくない臭気または人体の臭気をマスキングするのに適し得る。芳香剤の分配が消毒チャンバの下流にある場合、消毒チャンバ内のUV-C放射線が芳香剤に悪影響を及ぼすリスクはない。とりわけ、オゾンが、空気がUV-C放射線によって作用を及ぼされるときに生成され得る。これにより、有機化合物が変化する可能性がある。
【0042】
対照的に、1つの代替実施形態では、芳香剤が消毒チャンバの上流で流体接続している場合、例えば、光化学的に安定であり、オゾンとの反応によって損なわれない芳香剤を選択することによって、芳香剤が芳香剤チャンバ内のUV-C放射線との衝突によって悪影響を受けないことが保証され得る。
【0043】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、芳香剤を収容するための供給容器を含む。芳香剤は、香り分子が昇華を介して換気ストリームに入る固体の形態で、または香り分子が対流を介して換気流から受け取られる液体の形態で存在することができる。選択された芳香剤に応じて、これを使用のために加熱することが適切であり得る。
【0044】
したがって、例えば、芳香剤を必要な動作温度にするための加熱手段が、設けられ得る。
【0045】
1つの特定の実施形態では、消毒チャンバは、第2の換気ストリームの流れ方向において空調装置の上流に位置する。したがって、空調装置内の活性病原体の数が低減することが保証され得る。これは、例えば、空調装置の耐用年数を延ばし、必要なメンテナンス間隔を短縮することができ、一般に、空調装置のより信頼性の高い動作をもたらすことができる。
【0046】
1つの代替的および/または補足的な実施形態では、消毒チャンバは、第2の換気ストリームの流れ方向において空調装置の下流に位置する。
【0047】
1つの特定の実施形態では、消毒チャンバは、流体ガイドを含む。流体ガイドは、第2の換気ストリームを可能な限り長く、曲がりくねり、分岐しない方法で消毒チャンバを通して導くように設計されている。この目的のために、流体ガイドは、UV-C放射線を本質的に透過しなければならない。UV-C放射線に対して透過性である適切なプレキシガラス材料が、当業者に公知である。1つの可能な配置は、例えば、中間点に向かって巻き付く螺旋コイルであってもよい。発光体は、例えば、この中間点に位置してもよい。第1の曲がりと平行に、第2の曲がりが、この中間点から流体出口へと外向きに曲がりくねる。したがって、流体、すなわち換気ストリームが、可能な限り長く消毒チャンバを通る最大経路を覆わなければならず、したがってより良好な消毒度が達成され得るようにUV-C放射線への曝露が最大化されることを保証することができる。
【0048】
1つの特定の実施形態では、消毒チャンバは、光放射を反射するための少なくとも1つの反射器を含む。消毒チャンバの少なくとも1つ、特に全体の内面、または発光体に面する全ての表面は、特に好ましくは反射設計を有する。したがって、発光体の効率が、向上する。
【0049】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、第1の換気流の換気ストリームを排出するための少なくとも1つの排気出口を含む。
【0050】
さらに、本発明による装置は、人体または人体の一部分を冷却するための少なくとも1つのベント出口を含む。少なくとも1つのベント出口は、当該の人体または人体の一部分に換気ストリームを案内するのに特に適している。
【0051】
さらなる特定の実施形態では、ベント出口は、所望の換気ストリームがユーザによって設定され得るように調整可能に位置する。複数のベント出口は、特に好ましくは、人体または人体の一部分の周りに位置する。これらのベント出口もまた制御可能な設計を有する場合、ユーザは、ベント出口を調整することによって自身にとって最適なベント作用を設定することができる。この目的のために、例えば、個々のベント出口の流量は、制御可能な設計を有することができる。全体として、この結果、複数のベント出口にわたって分配される換気ストリーム全体をもたらすことができる。個々のベント出口が閉鎖または下方制御される場合、他のベント出口の流量が増大され得る。同様に、ベント出口の向きは、これらのベント出口からの換気流が所望の場所に向けられ得るように調整可能であってもよい。
【0052】
1つの特定の実施形態では、装置は、医療・美容用放射線によって作用を及ぼされている間に人体または人体の一部分が位置する治療空間を画定する。例えば、日焼けベッドでは、治療空間は、関連するカバーを有する横たわり面、座面、および/または起立面によって形成され得る。開状態では、ヒンジを介して開閉可能なカバーは、開位置にある。ユーザが治療空間内に横たわるかまたは自分自身を位置付けてカバーを閉じると、指定された容積部にわたって画定された、画定された治療空間が、形成される。
【0053】
1つの特に好ましい実施形態では、換気ストリームを有する治療空間は、第2の換気流から生じない空気の進入に対して絶縁される。この目的のために、例えば、ベント出口を介して、換気ストリームから生じる空気のみが治療空間に再び入ることができるように治療空間を画定するエアシリンダまたはエアカーテンが、設けられ得る。したがって、例えば、治療空間の周りに周囲に配置され、その流れにより、外部からの流入空気に対する障壁を形成するベント出口が、設けられ得る。したがって、治療期間中、消毒された空気のみが治療空間に入ることが保証され得る。適切なエアカーテンまたはエアシリンダは、対応するラメラ配置の助けを借りて、ノズルを使用することによって容易にセットアップされ得る。したがって、例えば、外側ノズルプロファイルに中空空洞を有する空気出口ノズルは、当該の空気カーテンを形成し、治療空間を画定するのに適し得る。
【0054】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、医療・美容用放射線によって作用を及ぼされている間に人体または人体の一部分が位置する治療空間および/または治療空間の表面に、207nm~222nmの間、特に222nmの波長範囲のUV放射線を使用して作用を及ぼすための少なくとも1つの第3の発光体を含む。この波長範囲は、有害微生物を不活性化するのに適しており、ヒトの皮膚にとって本質的に安全である。この配置により、表面の消毒をさらに確実にすることが可能である。適切な第3の発光体の例は、フッ素化希ガスを電気的に励起して発光プラズマをもたらすエキシマ発光体が含まれる。
【0055】
1つの特定の実施形態では、治療空間は、人体または人体の一部を収容するのに適したカプセルによって画定される。カプセルは、特に上半身、特に好ましくは少なくとも頭部を収容するように設計され得る。1つの特定の実施形態では、カプセルは、周囲のノイズを減衰させるためのノイズ低減要素、および/またはスピーカを備える。
【0056】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、発光体と、緩和プログラムを実行するように設計された発光体制御部とを含むリラクゼーションカプセルである。この目的のために、発光体制御は、例えば、リラクゼーション誘発光プログラム、例えば、薄明効果を再生するように設計され得る。カプセルは、換気ストリームからの消毒された空気を使用して安全な周囲空気を生成するために使用され得る。上述のようなエアカーテンが、補助のためにカプセル縁部に設けられ得る。
【0057】
本発明による装置の1つの特定の実施形態では、第2の換気流は、換気ストリームから粒子を濾過するための少なくとも1つのフィルタユニットを含む。このフィルタユニットは、消毒チャンバの上流および/または消毒チャンバの下流に位置することができる。フィルタユニットは、特に好ましくは、浮遊粒子を空気から分離するための高効率フィルタである。粒子の数に加えて、そのようなフィルタはまた、とりわけ換気流中の微生物の数を低減させることもできる。特に好ましくは、1μm未満の粒子を分離するフィルタユニットが、設けられる。代替的または追加的に、フィルタユニットは、活性炭フィルタを含むことができる。したがって、例えば、揮発性有機化合物を結合することが可能であり、これはまた、デバイス内の臭気の発生にプラスの効果を与えることができる。
【0058】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、消毒チャンバと、消毒チャンバの上流に高効率フィルタ、例えばHEPA高効率フィルタを有するフィルタユニットと、消毒チャンバの下流に活性炭フィルタを有するフィルタユニットとを含む。活性炭フィルタを有するフィルタユニットに続いて、本発明による装置は、芳香剤をさらに提供することができる。このように設計された装置を使用することにより、完全に衛生的であり、それによって治療対象者によってそのように知覚される治療空間を設けることができ、その理由は、治療対象を冷却するための換気流中に不快な臭気も他の有機化合物もなく、また、病原体の減少および心地よい芳香剤がある[存在する]ためである。
【0059】
1つの特定の実施形態では、本発明による装置は、発光体および2つの換気流を収容する装置ハウジングを含む。消毒チャンバは、特に好ましくは、装置ハウジングの内部に取り付けられる。同様に、空調装置は、特に好ましくは、装置ハウジングの内部に取り付けられる。ハウジングは、特に、排気が第1の換気流によって導かれる外側ハウジング領域が画定されるように、設計され得る。1つの特定の実施形態では、装置ハウジングはまた、ハウジングシェルおよびハウジング治療面から形成され得る。ハウジング治療面は、例えば、横たわり面または透明な表面であってもよく、その背後には、医療・美容用放射線と衝突するための発光体が位置する。好ましくはベント出口が設けられており、これを介して第2の換気流が、治療空間内、すなわち治療対象および人体またはその一部分の有効範囲内に導かれ得る。
【0060】
例えば、装置内の幾何学的構成および配置に応じて、斜めファンまたはラジアルファンが、ターボ機械として設けられ得る。幾何学的構成および配置は、状況に応じて、装置の設計に基づいて、および装置の治療空間内の人体またはその一部の位置決めに基づいて、当業者によって決定され得る。
【0061】
本発明のさらなる態様は、記載される装置を動作させるための方法に関する。
【0062】
方法は、少なくとも1つの発光体を冷却するための第1の換気流を提供する最初のステップを含む。
【0063】
方法は、人体または人体の一部分を冷却するための第2の換気流を提供するステップをさらに含む。
【0064】
方法は、換気流の雰囲気制御処理のために、少なくとも1つの空調装置に第2の換気流を通すステップをさらに含む。この処理は、例えば、冷却を含むことができる。処理はまた、換気流の含水量の変化を含むことができる。
【0065】
本発明による方法は、第2の換気流の物理的消毒のための手段と共に少なくとも1つの消毒チャンバに第2の換気流を通すステップをさらに提供する。したがって、治療対象が常に完全に衛生的な空気によって作用を及ぼされることが保証され得る。冷却は快適であると知覚され、潜在的に有害な病原体および/または感染因子による汚染のリスクが、低減される。動作中、本発明による装置は、医学的治療目的、例えば免疫系が損なわれた患者に適しており、それと共に、例えば、高い頻度で一般的に使用される日焼け用ベッドでは、疾患を引き起こす薬剤による感染が可能な限り最大限排除されることが保証されるという点において、一般の人々に適している。したがって、全体として、完全に衛生的かつ安全な方法で動作可能な、ヒトまたはヒトの一部分に医療・美容用放射線を作用させるための装置が、提供され得る。
【0066】
消毒チャンバは、重要な換気流、すなわち外部から、すなわち装置の外部から治療空間、すなわち治療対象が収容される空間に入る換気流が消毒されるように位置する。消毒チャンバは、装置の内部構造を損なわないように位置する。
【0067】
本発明による方法の1つの特定の実施形態では、さらに、消毒チャンバ内の消毒容積部にUV-C放射線を衝突させるステップが提供される。衝突は、消毒チャンバを通して導かれる換気ストリームがUV-C放射線の有効範囲に入るように行われる。適切なプレートおよび適切な流体ガイドを使用することにより、例えば、換気流が確実に消毒剤を通して導かれることが保証され得る。
【0068】
1つの特定の実施形態では、消毒剤は、UV-C波帯で発するように設計された少なくとも1つの第2の発光体である。したがって、換気流がUV-C放射線の有効範囲内を完全に通して導かれるように、換気流がこの発光体を通して導かれることを確実にするプレートおよびガイドユニットが、設けられ得る。消毒チャンバ内での滞留時間を最大にするために、適切なプレートが、さらに設けられ得る。換気流を消毒チャンバを通るように導く適切な幾何学的構成は、存在する容積部に応じて、当業者によって適応的に設計され得る。
【0069】
本発明のさらなる態様は、医療・美容用放射線で人体または人体の一部分に作用を及ぼすための装置をアップグレードするための消毒チャンバを提供する。特に、消毒チャンバは、光放射で身体に作用を及ぼすための装置をアップグレードすることを含む。
【0070】
消毒チャンバは、装置の発光体に対して少なくとも1つの第2の発光体を含み、この第2の発光体は、消毒に適したUV放射線を発するように設計されている。発光体は、好ましくは、UV-C放射線を発するように設計される。消毒チャンバは、好ましくは、少なくとも1つの流体入口と少なくとも1つの流体出口とを有する流体ガイドを含む。流体ガイドは、通して導かれる換気流の本質的に全体が物理的消毒剤の有効範囲に入るように、物理的消毒剤を通して換気流を導くように設計される。発光体がUV-C放射線を発する1つの特有の例では、これは、例えば、消毒チャンバが、隣接するリフレクタが消毒チャンバに設けられている中央および全ての表面内に発光体を含むことで達成され得る。その結果、発光体によって発せられるUV-C放射線の有効範囲内に完全に落ち着く空間が、形成される。対応する流体入口が、ファンによって搬送される流体をこの消毒チャンバに吹き込むために使用される。そのような流体出口は、消毒チャンバからブローイン流体を排出するために使用される。本発明による消毒チャンバは、少なくとも1つの光トラップ、特に、消毒チャンバの流体入口にある少なくとも1つの第1の光トラップ、および/または消毒チャンバの流体出口にある少なくとも1つの第2の光トラップをさらに含む。この光トラップは、例えば、第1の金属プレートの換気スリット凹部が第2の金属板の換気スリット凹部によって覆われないように、換気スリットが設けられた金属ピレートをずらすことによって確実にされ得る。当該の消毒チャンバがリフレクタをさらに備える場合、この配置では、消毒チャンバを通して導かれる流体上の発光体の効率をさらに高めることができる。
【0071】
本発明による消毒チャンバは、換気流によって導かれる換気ストリームが消毒チャンバを通して案内されるように、換気流内に配置可能である。
【0072】
本発明による消毒チャンバは、例えば冒頭で述べたタイプの既存の装置に後付けするのに適しており、衛生特性を改善するのに適している。これは、装置の全体的な衛生に関してだけでなく、例えば空調装置の耐用年数に関してもいくつかのプラスの効果を有する。
【0073】
紫外線が消毒チャンバから出ない結果として、消毒チャンバは、換気流内の実質的に任意の場所に配置され得る。消毒チャンバは、特に好ましくは、空気が雰囲気制御された方法で処理される空調装置の領域内に配置される。
【0074】
当業者にとって、本発明による実施態様では、記載された全ての実施形態が、互いに相互に排除しない限り、互いに任意の組み合わせで生じ得ることは自明である。
【0075】
ここで、本発明は、特定の例示的な実施形態および図面に基づいてより詳細に説明されるが、これに限定されるものではない。当業者にとって、これらの特定の例示的な実施形態の研究はまた、本発明のさらなる有利な実施形態および構成を示すことができる。
【0076】
本発明の例示的な実施形態を以下の図を参照して説明する。簡略化のために、同一の部材には、図面において同じ参照番号が付されている。
【0077】
図は、以下を概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】本発明による装置を示す図である。
図2】本発明によるさらなる装置を示す図である。
図3】消毒チャンバの構成を示す図である。
図4図3からの消毒チャンバの上面図である。
図5】適切な発光体の構成を示す図である。
図6】消毒チャンバの代替の設計を示す図である。
図7】追加の表面消毒を有する本発明による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1は、本発明による装置1の一例を示す。この場合、本発明による装置1は、UV放射線で人間に作用を及ぼすのに適した日焼け用ベッドであり、それにより美容目的に望ましい日焼け効果が生じる。したがって、図示する装置1は、健康に無害な波長範囲のUV放射線、例えばUV-AおよびUV-B範囲の波長を有するUV光を発するのに適した2つの発光体2を含む。図示する装置では、対応する日焼け放射線を発するのに適した低圧ランプが、特に適切である。装置1は、2つのハウジング半体13、14に細分されてもよく、環境制御に関連する構成要素は、下側ハウジング半体14内に位置し、一方で上側ハウジング半体13は、発光体2と、[他方では]発光体および排気排出ユニット3を冷却するための適切な換気供給ラインとを含む。上側ハウジング半体13はまた、冷却空気を引き込み、これを排気3を介して排出する2つのベント入口20、21を含む。このようにして引き込まれた冷却空気は、発光体2を通して導かれ、発光体2を冷却するために使用される。また、上側ハウジング半体13には、治療空間(矢印で示す)内に開口し、冷却空気流によって当該の患者に作用を及ぼすことができる複数のノズルを含む第2の換気ストリームユニット18が設けられている。この第2の換気ストリーム18は、下側ハウジング半体14内の対応する空調によって供給される。この目的のために、第2の換気ストリームは、下側ハウジング半体14内の第1のファン8との流れ接続部12を有する。第2の流れ接続部11は、第2のファン9に接続され、頭部領域を別個に動作させるために使用される。これは、例えば、身体領域とは異なる顔領域において換気ストリームが望まれる場合に有利であり得る。さらに、身体領域よりも顔領域においてより冷たい冷却空気が望まれる場合がある。温度は、顔と身体とで異なって知覚される。また、下側ハウジング半体14内にはさらなる主要ファン5が設けられ、この主要ファンは、下側ハウジング半体内に引き込まれ、発光体2を通して導かれた空気を排出出口4を用いて導き、発光体冷却空間17内に排出する。
【0080】
下側ハウジング半体14はまた、空調装置6を含む。空調装置6の下流には、消毒チャンバ7、ならびに第1のファン10があり、この第1のファンは、第2の換気ストリームのために下側ハウジング半体の外側領域から新鮮な空気を吸い込む。空調装置および消毒チャンバ6、7からの浄化された空気は、ユーザに作用を及ぼすために、第1のファン8および第2のファン9によって使用される。本発明による装置1のベース領域には、さらなるファン15が位置し、このファンは、流体接続16を介して消毒チャンバ7に接続され、空調装置6に接続され、これも同様に、消毒された換気流19を患者に案内する。
【0081】
図1の実施形態とは対照的に、図2の装置は、第2の消毒チャンバ7を備える。装置は、第1のファン10に加えて、偏向バッフル24によって下側ハウジング半体内およびベース領域内に流体の流れを案内する第2のファン22を有する。この例では、装置はまた、第2の換気流とは別個の第3の換気流を含むことができる。この目的のために、さらなるファン22は、外部空間から空気を引き込むように設計され得る。この例では、この換気流に流体接続している空調装置は設けられていない。しかし、さらなるファンが外部空間から空気を引き込み、図1に示すような構成と流体接続することも可能である。図2のこの例では、これは、発光体2の上方に延びる、右から左を指す矢印によって示されている。これらの矢印は、図1について既に説明したように、雰囲気制御された方法で処理され消毒され、第1のファンによって第1の消毒チャンバおよび空調装置を横切って搬送される空気を表す。
【0082】
図2の装置は、2つの消毒チャンバを備える。当然ながら、例えば上側ハウジング半体にさらなる消毒チャンバが設けられてもよい。消毒チャンバは、同じ換気流、すなわちこの例では第2の換気流との流体接続を有することができ、またはそれら自体の換気流、すなわち第3、第4などの換気流が流体側に割り当てられてもよい。同様に、複数のターボ機械が、設けられ得る。
【0083】
図3は、そのような消毒チャンバが本発明による装置にどのように実装され得るかを示す。この例では、換気ストリームは概略的に、左から右に消毒チャンバを通過する。すなわち、空気は、ファン54を介した吸引取入れにより、換気ストリーム56によって多孔板55を介して消毒チャンバに入る。空気は、芳香剤容器57として設計された芳香剤57を通過し、対流を介して換気ストリーム56に対応する臭気物質を送出する。芳香剤容器57は、芳香剤容器配置50全体を支える保持プレート58上に位置する。軸流ファンとして設計され得るファン54を介して、換気流は、消毒チャンバの内部に入り、消毒チャンバの中心には、発光体52が設けられる。この例では、発光体52は、UV-Cランプ、例えば254nmにピークを有するUV-C[放射線]を発するのに適したUV-Cランプである。UV-Cランプ52は、E17ランプソケット51に挿入されている。動作中、UV-Cランプは、450UW/cmの消毒容積部53内に発する。その結果、消毒空間53内の空気は、消毒される。したがって、消毒された換気流60は、流体出口59を介して消毒チャンバを出る。この消毒チャンバは、適切にずらされた金属プレートを設けることによって、流体出口領域内の光トラップとして設計される。したがって、金属プレート構成要素58.1はそれぞれ凹部の反対側に位置し、第1の金属プレートの凹部59は、プレート壁58の反対側に位置する。
【0084】
動作原理を図4にさらに説明する。図4は、図3からの実施形態を上面図で示す。換気流56は、芳香剤57を通過し、ファン54を介して、消毒空間53内およびUV-Cランプ52の有効範囲内に引き込まれる。したがって、実質的に消毒された換気流60が、消毒チャンバを出る。領域62内には、光トラップ(上記の図3を参照)として設計された金属プレートの配置によってUV-C放射線から大部分が保護された高感度電子システム61が、位置している。
【0085】
適切な第2の発光体が図5に示される。10から11Vの動作電圧でE17スレッド51.1内の3Wの電力を有するUV-C電球52は、254nmのUV波長を発することができる。ソケットベース51.2は、消毒チャンバ内に任意に配置可能である。したがって、例えば、複数のそのような発光体が、消毒チャンバ内に配置されてもよい。
【0086】
本発明による消毒チャンバ7の代替設計が、図6に示される。消毒チャンバ7は、消毒容積部53をその内部に画定する消毒チャンバ-ハウジング76を有する。この目的のために、消毒チャンバハウジングは、2つの連続した平坦な金属プレート、および凹部が設けられ、好ましくは換気ストリームの流れ方向に流体接続することができる2つの金属プレートのもので[で構成されても]もよい。この図示する例では、凹部が設けられた金属プレートは、流入する換気流56および流出する消毒された換気流60によって示されている。これらの金属プレートにはまた、一方では換気流56、60を偏向させ、他方では光トラップとして使用される、すなわち、消毒チャンバの内部に発せられる光放射の漏れを本質的に妨げるか、または防止する偏向要素75が設けられる。
【0087】
光放射を出力するために、合計2つの発光体52が設けられ、それぞれがコンパクトソケット72内に収容されている。この例では、発光体52は、2つの小型ランプ52として設計されている。動作中、消毒されるべき空気は、入ってくる換気流56として消毒チャンバ7内に下向きに流れ、消毒容積部53内で、254nmの波長範囲のUV-C放射線によって作用を及ぼされる。消毒された換気流60とする空気は、チャンバから流出し、例えば、ユーザを冷却するために使用され得る。チャンバは、ランプソケットを収容装置の電子装置システムに接続するために、電気接点が観察者平面の上部または下部に設けられ得るように設計され得る。両方の発光体52は、コンパクトランプソケット72に挿入され、UV-C[放射線]による衝突を最大にするために、本質的にチャンバ高さ全体にわたって、すなわち観察者平面内の消毒チャンバの延長部にわたって延びることができる。
【0088】
図7は、医療・美容用放射線を用いて人体または人体の一部分に作用を及ぼすための本発明によるさらなる装置を概略的に示す。この場合、装置は、日焼けベッドとして設計され、したがって、身体の日焼けに適した低圧チューブを含む第1の発光体2と、顔の日焼けに適したUVLEDアレイを含むさらなる第1の発光体2’とを有する。さらに、本例では別個に示されていない赤外線ランプ、赤色ライトランプ、またはnIRランプが、設けられ得る。
【0089】
装置は、本質的に2つのハウジング半体13、14と、下側ハウジング半体14と、上側ハウジング半体13とを含む。完全な日焼けのために、発光体2、2’は、両方のハウジング半体13、14内に対応してある[位置する]。動作中、ユーザは横たわり面78上に横たわり、横たわり面は、透明な窓、すなわちUV放射線を透過し、好ましくはプレキシグラスで作られた窓として、発光体2、2’によって全ての側で日焼け放射によって作用を及ぼされる。組み合わせたUV-A/UV-B放射線源は、好ましくは、例えば280nm~400nmの間の波長範囲内の発光体として使用される。
【0090】
下側ハウジング半体14はまた、ユーザを冷却するための手段を含む。この例では、冷却空気を引き込む換気入口20と流体接続しているターボ機械として、第1のファン10が設けられている。同様に、流体接続部内には、吸引された冷却空気が、消毒された換気流19としてユーザに案内される前に流れ抜けなければならない消毒チャンバ7がある。
【0091】
この装置は、空気消毒に加えて表面消毒を含む。これに関して、ユーザと物理的に接触する表面が消毒可能であることが特に重要である。この目的のために、この装置は、207nmから222nmの間、特に222nmの波長範囲のUV放射線によって、治療空間に作用を及ぼすために使用される第3の発光体80を有し、この治療空間内には、医療・美容用放射線による衝突中、人体または人体の一部分が位置する。横たわり面78は、特に好ましくは、この第3の発光体80によって作用を及ぼされる。222nmの発光体の特定の利点の1つは、消毒効果、すなわち潜在的病原体の不活性化が依然として起こる一方で、この波長範囲のUV-C放射線が本質的にヒトに無害であることである。適切な第3の発光体80は、クリプトン塩化物エキシマランプを含む。望ましくない波長をほとんど除外するために、適切なバンドフィルタを使用することができる。したがって、第3の発光体80は、この発光体が発する放射線が、消毒チャンバを通る換気ストリームに加えて治療空間内の空気に対する病原体低減効果を与えるため、治療空間の消毒を支援する。
【0092】
本発明によるアプローチは、医療・美容用放射線を用いて人体またはその一部分に作用を及ぼすための装置の完全に衛生的な使用を提供する。このアプローチは、医療的使用と美容的使用の両方について治療対象の安全性を高める。本発明によるアプローチは、後付けオプションとして既存の施設にも設置可能である。
【0093】
さらなる利点は、特定の実施形態の研究によって当業者に明らかになるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】