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特表2023-526950配向された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層を作製するための磁気アセンブリ及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】配向された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層を作製するための磁気アセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/025 20190101AFI20230619BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20230619BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20230619BHJP
   B32B 7/03 20190101ALI20230619BHJP
   B32B 27/16 20060101ALI20230619BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20230619BHJP
   B05D 5/12 20060101ALI20230619BHJP
   B05D 3/06 20060101ALI20230619BHJP
   B41F 5/00 20060101ALI20230619BHJP
   B41F 9/00 20060101ALI20230619BHJP
   B41M 3/14 20060101ALI20230619BHJP
   B42D 25/40 20140101ALI20230619BHJP
【FI】
B32B7/025
B32B7/023
B05D7/24 301T
B05D7/24 303D
B05D7/24 303J
B32B7/03
B32B27/16 101
B32B27/18 H
B05D5/12 A
B05D3/06 Z
B41F5/00
B41F9/00
B41M3/14
B42D25/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571112
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2021063620
(87)【国際公開番号】W WO2021239607
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】20176506.2
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】311007051
【氏名又は名称】シクパ ホルディング ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】SICPA HOLDING SA
【住所又は居所原語表記】Avenue de Florissant 41,CH-1008 Prilly, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ロギノフ, エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】ボードラズ, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】デスプラント, クロード‐アラン
【テーマコード(参考)】
2C005
2C034
2H113
4D075
4F100
【Fターム(参考)】
2C005HA01
2C005HB01
2C005HB10
2C005LA20
2C005LB04
2C034AA01
2C034AA21
2H113AA04
2H113AA06
2H113BA01
2H113BA03
2H113BA09
2H113BB02
2H113BB07
2H113BB09
2H113BB10
2H113BB22
2H113BC11
2H113CA37
2H113CA39
2H113CA47
2H113DA04
2H113FA10
2H113FA42
2H113FA43
4D075BB42Z
4D075BB43Y
4D075BB43Z
4D075BB46Z
4D075BB99Y
4D075BB99Z
4D075DA04
4D075DB36
4D075DC38
4D075DC50
4D075EA21
4D075EA33
4D075EB22
4D075EB23
4D075EB24
4D075EB33
4D075EC03
4D075EC10
4D075EC23
4F100AK05A
4F100AK25B
4F100AK53B
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA07
4F100CA13B
4F100CC02B
4F100DE01B
4F100DE02B
4F100EH46B
4F100EJ08B
4F100EJ54B
4F100EJ61B
4F100GB31
4F100GB90
4F100HB31B
4F100JB14B
4F100JG06B
(57)【要約】
本発明は、たとえば紙幣及び身分証明書などのセキュリティ文書を偽造及び違法複製から保護する分野に関する。特に、本発明は、基板に光学効果層(OEL)を作製するための磁気アセンブリ及び方法を提供し、前記方法は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を2軸線方向に配向するように、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物を磁気アセンブリの磁場に晒すステップを含む。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(x20)に光学効果層(OEL)を作製するための磁気アセンブリ(x00)であって、前記磁気アセンブリ(x00)が、第1の面に実質的に平行な配向で前記第1の面の上に前記基板(x20)を受け取るように構成され、前記磁気アセンブリ(x00)が、
a)少なくとも第1の集合(S1)及び第2の集合(S2)をさらに備え、前記第1及び第2の集合(S1、S2)の各々が、
i.1つの第1の棒状双極子磁石(x31)であり、
第1の厚さ(L1)、第1の長さ(L4)、及び第1の幅(L5)を有し、
前記第1の面に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有する1つの第1の棒状双極子磁石(x31)と、
ii.2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)であり、前記2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)が、
第2の厚さ(L2)、第2の長さ(L6)、及び第2の幅(L7)を有し、
互いに同一面上に位置する最上面を有し、
前記第1の面に実質的に直交するように配向された磁軸線を有し、
前記第1の面が、前記2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の前記最上面の上に位置する、2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と、
を含み、
前記第1の集合(S1)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)が、前記第2の集合(S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)の磁気方向とは反対の磁気方向を有し、
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)が、第1の距離(d1)だけ隔置され、
前記第1の集合(S1)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)が、前記第2の集合(S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)と実質的に同じ第1の長さ(L4)及び第1の幅(L5)を有し、
前記第1の集合(S1)の前記2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)が、前記第2の集合(S2)の前記2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と実質的に同じ第2の長さ(L6)及び第2の幅(L7)を有し、
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の各々の前記第1の棒状双極子磁石(x31)及び前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)が列を形成するように位置合わせされ、前記列においては、前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)がそれぞれ、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第2の距離(d2)だけ隔置されており、
前記第1の幅(L5)及び前記第2の長さ(L6)が実質的に同じであり、
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の各々の一方の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のN極は、前記第1の棒状双極子磁石(x31)のN極が前記一方を指すときに前記第1の面を指し、前記第1及び第2の集合(S1、S2)の各々の他方の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のS極が前記第1の面を指し、前記第1の棒状双極子磁石(x31)のS極が前記他方を指し、
前記磁気アセンブリ(x00)が、
b)第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)をさらに備え、前記第3の棒状双極子磁石(x33a及びx33b)が、
第3の厚さ(L3)、第3の長さ(L8)、及び第3の幅(L9)を有し、
前記第1の面に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有し、
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の前記第2の幅(L7)が、前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の前記第3の幅(L9)と実質的に同じ値を有し、
前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の各々が、前記第1の集合(S1)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)及び前記第2の集合(S2)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と位置合わせされて2本の線を形成し、前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、前記それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、前記それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第3の距離(d3)だけ隔置され、
前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のN極がそれぞれ、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のN極が、前記第1の面を指し、又は前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のS極がそれぞれ、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のS極が、前記第1の面を指し、
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)、前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、並びに前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、非磁性支持マトリックスに少なくとも部分的に埋め込まれている、磁気アセンブリ(x00)。
【請求項2】
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)の前記第1の厚さ(L1)が、前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の前記第2の厚さ(L2)以下であることが好ましく、前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)の前記第1の厚さ(L1)に対する前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の前記第2の厚さ(L2)の比(L2/L1)が、3以下且つ1以上(すなわち、1≦L2/L1≦3)であることが好ましく、
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)の前記第1の厚さ(L1)が、前記第1の対(P1)の前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の前記第3の厚さ(L3)以下であることが好ましく、前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)の前記第1の厚さ(L1)に対する前記第1の対(P1)の前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の前記第3の厚さ(L3)の比(L3/L1)が、3以下且つ1以上(1≦L3/L1≦3)であることが好ましく、
前記第1の棒状双極子磁石(x31)と前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)との間の前記第2の距離(d2)が、0以上且つ前記第1の棒状双極子磁石(x31)の前記第1の厚さ(L1)の1/2以下(0≦d2≦(1/2)L1)であり、
前記第1の対(P1)の前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)と前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)との間の前記第3の距離(d3)が、0以上且つ前記第1の棒状双極子磁石(x31)の前記第1の厚さ(L1)の1/2以下(0≦d3≦(1/2)L1)である、
請求項1に記載の磁気アセンブリ(x00)。
【請求項3】
前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の前記最上面が、前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の最上面と同一面上に位置する、請求項1又は2に記載の磁気アセンブリ(x00)。
【請求項4】
前記第1及び第2の集合(S1、S2)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)間の前記第1の距離(d1)が、前記第1の長さ(L4)の15%以上且つ前記第1の長さ(L4)の150%以下(すなわち、0.15*L4≦d1≦1.5*L4)であり、好ましくは前記第1の長さ(L4)の25%以上且つ前記第1の長さ(L4)の120%以下(すなわち、0.25*L4≦d1≦1.2*L4)であり、さらにより好ましくは前記第1の長さ(L4)の25%以上且つ前記第1の長さ(L4)のの80%以下(すなわち、0.25*L4≦d1≦0.8*L4)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の磁気アセンブリ(x00)。
【請求項5】
1つ又は複数の組合せをさらに備え、前記1つ又は複数の組合せは、
i)第(2+i)の集合(S(2+i))(i=1、2など)であって、前記第(2+i)の集合(S(2+i))が、
前記第1の厚さ(L1)、前記第1の長さ(L4)、及び前記第1の幅(L5)を有し、前記第1の面に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有する1つのさらなる第1の棒状双極子磁石(x31)、並びに
前記第2の厚さ(L2)、前記第2の長さ(L6)、及び前記第2の幅(L7)を有し、互いに同一面上に位置する最上面を有し、前記第1の面に実質的に直交するように配向された磁軸線を有する2つのさらなる第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)を含み、
前記第(2+i)の集合(S2+i)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)が、第(2+i-1)の集合(S2+i-1)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)の前記磁気方向とは反対の磁気方向を有し、
前記第(2+i)及び第(2+i-1)の集合(S2+i、S2+i-1)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)が、前記第1の距離(d1)だけ隔置され、
前記第(2+i)の集合(S2+i)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)が、前記第(2+i-1)の集合(S2+i-1)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)と実質的に同じ長さ(L5)及び幅(L4)を有し、
前記第(2+i)の集合(S(2+i))の前記2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)が、前記第(2+i-1)の集合(S2+i-1)の前記2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)と実質的に同じ長さ(L6)及び幅(L7)を有し、
前記第1の棒状双極子磁石(x31)及び前記第2の棒状双極子磁石(x32、x32)が列を形成するように位置合わせされ、前記列においては、前記第(2+i)の集合(S2+i)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)が前記第2の棒状双極子磁石(x32、x32)間に配置され、前記第2の棒状双極子磁石(x32、x32)から前記第2の距離(d2)だけ隔置されており、
前記第1及び第2の長さ(L4及びL6)が実質的に同じであり、
前記第(2+i)の集合(S2+i)の前記第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの一方のN極が、前記第1の面を指し、前記第1の棒状双極子磁石(x31)のN極が、前記第2の棒状双極子磁石を指す、第(2+i)の集合(S(2+i))と、
ii)第(1+i)の対(Pi+1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)であって、前記第(1+i)の対(Pi+1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、前記第3の厚さ(L3)、前記第3の長さ(L9)、及び前記第3の幅(L8)を有し、第(1+i-1)の対(P1+i-1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の磁軸線に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有し、
前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の各々が、前記第(2+i)の集合(S2+i)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)及び前記第(2+i-1)の集合(S2+i-1)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と位置合わせされて2本の線を形成し、前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、前記それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、前記それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から前記第3の距離(d3)だけ隔置され、
前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のN極がそれぞれ、前記第(2+i)及び第(2+i-1)の集合(S2+i、S2+i-1)の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のN極が、前記第1の面を指し、又は前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のS極がそれぞれ、前記第(2+i)及び第(2+i-1)の集合(S2+i、S2+i-1)の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のS極が、前記第1の面を指す、第(1+i)の対(Pi+1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)と、
を含み、
前記第(2+i)の集合(S2+i)の前記第1の棒状双極子磁石(x31)、前記第(2+i)の集合(S(2+i))の前記第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、及び前記第(1+i)の対(P1+i)の前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、前記非磁性支持マトリックスに少なくとも部分的に埋め込まれている、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁気アセンブリ(x00)。
【請求項6】
チェーン、ベルト、シリンダ、及びこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい移送デバイスの近傍に取り付けられた請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気アセンブリ(x00)を備える、印刷装置。
【請求項7】
基板(x20)に光学効果層(OEL)を作製するための方法であって、
i)基板(x20)表面に、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を塗布するステップであり、X軸線及びY軸線が前記粒子の主延長面を画定し、前記放射線硬化性コーティング組成物が、コーティング層(x10)を形成するように第1の液体状態である、ステップと、
ii)前記小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を2軸線方向に配向するように、請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気アセンブリ(x00)の磁場に前記コーティング層(x10)を晒すステップと、
iii)前記小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の前記放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させて第2の固体状態にするステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を再配向するように磁場生成デバイスの磁場に前記コーティング層(x10)を晒すさらなるステップをさらに含み、前記さらなるステップがステップii)に続いて実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップii)の前記放射線硬化性コーティング組成物の前記コーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させるステップが、前記小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように実施され、その結果、前記コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されず、前記ステップが、前記磁場生成デバイスの前記磁場に前記コーティング層(x10)をさらに晒す請求項9に記載のステップの前に、部分的に同時に、又は後に実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コーティング層(x10)が、単一のステップで、請求項1~7のいずれか一項に記載の磁気アセンブリ(x00)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に晒され、前記磁場生成デバイスが、回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられているか、又は可動の磁場生成デバイスである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記コーティング層(x10)が、単一のステップで、請求項1~6のいずれか一項に記載の磁気アセンブリ(x00)の磁場と、空隙及び/又はくぼみ及び/又は突起の形態で1つ又は複数の印を保持する1つ又は複数の軟磁性板の磁場との相互作用に晒され、前記1つ又は複数の軟磁性板が、回転磁性シリンダ(x60)に配置されているか、又は前記基板(x20)の下の可動デバイスに配置されている、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の棒状双極子磁石(x31)の最上面と前記基板との間の距離(h)が、0より大きく且つ約20mm以下であり、好ましくは約10mm以下であり且つ約2mmより大きい、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップiii)が、UV-Vis光放射硬化によって実施される、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部が、小板状の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成され、前記小板状の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子が、磁性薄膜干渉顔料、磁性コレステリック液晶顔料、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい、請求項7~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[001]本発明は、磁気的に配向された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)を作製するための磁気アセンブリ及び方法の分野に関する。詳細には、本発明は、コーティング層内で小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を磁気的に配向してOELを作製するための磁気アセンブリ及び方法、並びにセキュリティ文書又はセキュリティ物品に対する偽造防止手段及び装飾目的としての前記OELの使用を提供する。
【発明の背景】
【0002】
[002]たとえばセキュリティ文書の分野において、セキュリティ要素を作製するために、配向された磁性又は磁化可能顔料粒子を含有し、特に光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子も含有するインク、組成物、コーティング、又は層を使用することが、当技術分野では知られている。配向された磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング又は層は、たとえば米国特許第2,570,856号、米国特許第3,676,273号、米国特許第3,791,864号、米国特許第5,630,877号、及び米国特許第5,364,689号に開示されている。セキュリティ文書の保護に有用な光学効果を特に訴求している配向された磁性の変色顔料粒子を含むコーティング又は層が、国際公開第2002/090002号及び国際公開第2005/002866号に開示されている。
【0003】
[003]概して、たとえばセキュリティ文書のためのセキュリティ特徴は、一方では「秘密」セキュリティ特徴に、他方では「公開」セキュリティ特徴に、分類することができる。秘密セキュリティ特徴によって提供される保護は、そのような特徴を検出することが困難であり、典型的には検出のための特殊な機器及び知識を必要とするという原理に依拠するのに対して、「公開」セキュリティ特徴は、援助なしの人間の感覚によって容易に検出可能であるという概念に依拠し、たとえばそのような特徴は、可視及び/又は触覚により検出可能でありうるが、作製及び/又は複製することは依然として困難である。しかし、公開セキュリティ特徴の有効性は、セキュリティ特徴として容易に認識できることに大いに依存する。
【0004】
[004]印刷インク又はコーティング中の磁性又は磁化可能顔料粒子は、対応する構造の磁場を印加して、まだ固められていない(すなわち、湿っている)コーティング内で磁性又は磁化可能顔料粒子の局所的な配向を誘起し、それに続いてコーティングを固めることによって、磁気的に誘起された画像、デザイン、及び/又はパターンの作製を可能にする。その結果、固定されて安定した磁気的に誘起された画像、デザイン、又はパターンが得られる。コーティング組成物における磁性又は磁化可能顔料粒子の配向のための材料及び技術は、たとえば米国特許第2,418,479号、米国特許第2,570,856号、米国特許第3,791,864号、独国特許出願公開第2006848号、米国特許第3,676,273号、米国特許第5,364,689号、米国特許第6,103,361号、欧州特許第0406667号、米国特許出願公開第2002/0160194号、米国特許出願公開第2004/0009308号、欧州特許第0710508号、国際公開第2002/09002号、国際公開第2003/000801号、国際公開第2005/002866号、国際公開第2006/061301号に開示されている。そのような方法では、高い耐偽造性を有する磁気的に誘起されるパターンを作製することができる。当該セキュリティ要素は、磁性若しくは磁化可能顔料粒子又は対応するインクと、前記インクを印刷して印刷されたインク内の前記顔料を配向するために用いられる特定の技術との両方へのアクセスを有することによってのみ作製することができる。
【0005】
[005]上述した方法及びデバイスは、磁気アセンブリを使用して、小板状の磁性顔料粒子を1軸線方向に配向する。磁性顔料粒子の1軸線方向の配向の結果、隣り合う粒子の長軸線は、互いに対して且つ磁場に対して平行になるが、顔料粒子の面内の短軸線は、互いに対しても磁場に対しても平行ではなく、又は印加磁場によってほとんど束縛されない。
【0006】
[006]2軸線方向に配向された磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング又は層を作製する目的で、時間依存性の方向可変磁場を生成する方法が開発され、したがって磁性又は磁化可能顔料粒子の2軸線方向の配向が可能になっている。
【0007】
[007]国際公開第2015/086257号は、基板に光学効果層(OEL)を作製する方法を開示しており、前記プロセスは、2つの磁性配向ステップを含み、前記ステップは、i)小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を2軸線方向に配向するように、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物を、第1の磁場生成デバイスの動磁場、すなわち方向を変化させる磁場に晒すステップと、ii)コーティング組成物を第2の磁場生成デバイスの静磁場に晒すステップであり、以て前記第2の磁場生成デバイスによって伝達される設計に従って、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を1軸線方向に再配向する、ステップとからなる。
【0008】
[008]欧州特許出願公開第2157141号は、互い違い又はジグザグに配置された少なくとも3つの磁石の線形の配置を備える磁場生成デバイスを開示しており、前記3つの磁石の各々の磁軸線は、基板表面に実質的に直交しており、前記少なくとも3つの磁石は、供給経路の同じ側に同じ極性を有し、この極性は、互い違いに供給経路の反対に位置する磁石(複数可)の極性とは反対である。少なくとも3つの磁石の配置は、コーティング組成物内の小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子が磁石を越えて動くにつれて(動きの方向が矢印として示されている)、磁場方向の予め定められた変化を提供する。しかし当業者には知られているように、磁場は磁石とサンプルとの間の距離とともに急速に減少し、したがって欧州特許出願公開第2157141号における磁場生成デバイスの供給経路は幅が制限され、したがって大きいサイズの光学効果層の作製が制限される。さらに、欧州特許出願公開第2157141号に記載されているプロセスは、長い供給経路を必要とするはずであり、その結果、多数の磁石が互い違いに配置され、前記長い供給経路は、産業用のプレス機における制限された利用可能な空間に適合していない。
【0009】
[009]国際公開第2015/086257号、国際公開第2018/019594号、及び欧州特許第3224055号は、磁気的に2軸線方向に配向された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)を作製するためのデバイス及びプロセスを開示している。このプロセスは、Halbachシリンダアセンブリを構成する磁気アセンブリの動磁場に顔料粒子を晒すステップを開示しており、前記Halbachアセンブリはそれぞれ、国際公開第2015/086257号及び国際公開第2018/019594号における配向可能な顔料粒子を保持する基板の一方の側に配置された線形のHalbachアレイ、並びに欧州特許第3224055号におけるHalbachシリンダアセンブリである。国際公開第2015/086257号及び国際公開第2018/019594号は、欧州特許出願公開第2157141号及び欧州特許第3224055号に関して記載されているものと同じ欠点を有する可能性があり、シリンダアセンブリ内で層の硬化を実施する必要があり、したがって磁性又は磁化可能顔料粒子の潜在的な再配向ステップが不可能になる。
【0010】
[010]米国特許出願公開第2007/0172261号は、径方向に対称の時間可変磁場を生成する回転磁石又は磁気アセンブリを開示しており、前記磁石又は磁気アセンブリは、外部モータに接続されたシャフト(又はスピンドル)によって駆動される。CN102529326Bは、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を2軸線方向に配向するのに好適となりうる回転磁石を備えるデバイスの例を開示している。国際公開第2015/082344号、国際公開第2016/026896号、及び国際公開第2018/141547号は、シャフトのない回転磁石又は磁気アセンブリを開示しており、この磁石又は磁気アセンブリは、非磁気体から作られたハウジング内に束縛されて、ハウジングに巻き付けられた1つ又は複数の磁石ワイアコイルによって駆動される。しかし、回転磁石又は磁気アセンブリは、たとえば欧州特許第1648702号又は欧州特許出願公開第1961559号に開示されているような産業用の印刷プレス機で使用困難又は使用不可能となる可能性がある。困難は、回転磁石のモータを実行するために電力及び制御信号を提供することを含めて、既存の産業印刷プレス機の重要な再設計の必要を含みうる。
【0011】
[011]したがって、コーティング層内に含まれる小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の均質の2軸線方向の磁性配向を生じさせて光学効果層(OEL)を形成するための改善された磁気アセンブリ及び方法が引き続き必要とされており、前記方法は、機械的に頑強であり、産業用の高速印刷機器、特に回転磁性シリンダに実装することが容易であり、前記機器の非常に厄介な退屈で高価な修正を用いない。特に、広い供給経路/使用可能な作業区域を有する小型の磁気アセンブリ、並びに広い印刷区域及び前記磁気アセンブリから最大20mmの距離をあけて配置された印刷区域にわたって磁性又は磁化可能顔料粒子を配向するのにも好適な方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
[012]したがって、本発明の目的は、従来技術の欠陥を克服することである。これは、
a]基板(x20)に光学効果層(OEL)を作製するための磁気アセンブリ(x00)の提供によって実現され、前記磁気アセンブリ(x00)は、第1の面に実質的に平行な配向で第1の面の上に基板(x20)を受け取るように構成され、前記第1の面が、2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の最上面の上に位置し、
a)少なくとも第1の集合(S1)及び第2の集合(S2)をさらに備え、第1及び第2の集合(S1、S2)の各々が、
i)1つの第1の棒状双極子磁石(x31)であり、
第1の厚さ(L1)、第1の長さ(L4)、及び第1の幅(L5)を有し、
第1の面に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有する1つの第1の棒状双極子磁石(x31)と、
ii)2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)であり、
第2の厚さ(L2)、第2の長さ(L6)、及び第2の幅(L7)を有し、
互いに同一面上に位置する最上面を有し、
第1の面に実質的に直交するように配向された磁軸線を有する2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)とを含み、
第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(x31)が、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の磁気方向とは反対の磁気方向を有し、
第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)が、第1の距離(d1)だけ隔置され、
第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(x31)が、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)と実質的に同じ第1の長さ(L4)及び第1の幅(L5)を有し、
第1の集合(S1)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)が、第2の集合(S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と実質的に同じ第2の長さ(L6)及び第2の幅(L7)を有し、
第1及び第2の集合(S1、S2)の各々の第1の棒状双極子磁石(x31)及び第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)が列を形成するように位置合わせされ、この列においては、第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)がそれぞれ第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第2の距離(d2)だけ隔置されており、
第1の幅(L5)及び第2の長さ(L6)が実質的に同じであり、
第1及び第2の集合(S1、S2)の各々の一方の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のN極は、第1の棒状双極子磁石(x31)のN極が前記一方を指すときに第1の面を指し、
第1及び第2の集合(S1、S2)の各々の他方の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のS極は第1の面を指し、第1の棒状双極子磁石(x31)のS極は前記他方を指し、磁気アセンブリ(x00)が
b)第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)をさらに備え、第3の棒状双極子磁石(x33a及びx33b)が、
第3の厚さ(L3)、第3の長さ(L8)、及び第3の幅(L9)を有し、
第1の面に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有し、
第1及び第2の集合(S1、S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の幅(L7)が、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の第3の幅(L9)と実質的に同じ値を有し、
第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の各々が、第1の集合(S1)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)及び第2の集合(S2)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と位置合わせされて2本の線を形成し、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第3の距離(d3)だけ隔置され、
第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のN極がそれぞれ、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のN極が、第1の面を指し、又は第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のS極がそれぞれ、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のS極が、第1の面を指し、
第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、並びに第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、非磁性支持マトリックスに少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0013】
[013]本明細書に記載する基板(x20)に光学効果層(OEL)を作製するための本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の使用もまた、本明細書に記載される。
【0014】
[014]チェーン、ベルト、シリンダ、及びこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい移送デバイスの近傍に取り付けられた本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)を備える印刷装置もまた、本明細書に記載される。
【0015】
[015]本明細書に記載する基板(x20)に本明細書に記載する光学効果層(OEL)を作製する方法、及びそこから得られる光学効果層(OEL)もまた、本明細書に記載され、前記方法は、
i)基板(x20)表面に放射線硬化性コーティング組成物を塗布するステップであり、
放射線硬化性コーティング組成物が小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含み、X軸線及びY軸線が、粒子の主延長面を画定し、前記放射線硬化性コーティング組成物が、コーティング層(x10)を形成するように第1の液体状態である、ステップと、
ii)小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を2軸線方向に配向するように、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、
iii)小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させて第2の固体状態にするステップとを含む。
【0016】
[016]本明細書に記載する方法によって得られる光学効果層(OEL)、及び/又は本明細書に記載する印刷装置を使用することによって得られる光学効果層(OEL)、並びに文書及び物品に対する偽造防止手段(言い換えれば、文書及び物品を保護及び認証するため)並びに装飾目的としての光学効果層(OEL)の使用もまた、本明細書に記載される。
【0017】
[017]本発明によって提供される磁気アセンブリ及び方法は、機械的に頑強であり、産業用の高速印刷機器に実装することが容易であり、前記機器の非常に厄介な退屈で高価な修正を用いない。さらに、本発明の磁気アセンブリ及び方法は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を均質に2軸線方向に配向することを可能にし、大きい印刷区域及び前記磁気アセンブリから最大20mmの距離をあけて配置された印刷区域にわたって光学効果層を作製するのにも好適である。
【0018】
[018]本明細書に記載する基板(x20)に光学効果層(OEL)を作製するための本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)及び方法について、次に図面及び特定の実施形態を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】小板状の顔料粒子を概略的に示す図である。
図2A】本発明による基板(220)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図であり、小板状の顔料粒子を含むコーティング層(図2Aには図示せず)が、磁気アセンブリ(200)の近傍及び頂部で動き(矢印参照)、前記磁気アセンブリ(200)の磁場に晒され、次いで硬化ユニット(250)によって少なくとも部分的に硬化される。磁気アセンブリ(200)は、第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む第1の集合(S1)と、第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む第2の集合(S2)と、第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(233及び233)とを備える。
図2B1】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にあり、図2B2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2B3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2B2】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にあり、図2B2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2B3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2B3】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にあり、図2B2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2B3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2C1】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にはなく、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面と2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面との間に第4の距離(d4)が存在する。図2C2及び図2D2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2C3及び図2D3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が磁気アセンブリの集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2C2】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にはなく、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面と2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面との間に第4の距離(d4)が存在する。図2C2及び図2D2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2C3及び図2D3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が磁気アセンブリの集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2C3】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にはなく、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面と2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面との間に第4の距離(d4)が存在する。図2C2及び図2D2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2C3及び図2D3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が磁気アセンブリの集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2D1】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にはなく、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面と2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面との間に第4の距離(d4)が存在する。図2C2及び図2D2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2C3及び図2D3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が磁気アセンブリの集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2D2】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にはなく、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面と2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面との間に第4の距離(d4)が存在する。図2C2及び図2D2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2C3及び図2D3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が磁気アセンブリの集合(Sx)に対向する方法を示す。
図2D3】第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む集合(Sx)の概略断面図であり、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面が、2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面と同一面上にはなく、第1の棒状双極子磁石(231)の最上面と2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面との間に第4の距離(d4)が存在する。図2C2及び図2D2は、基板(220)が集合(Sx)に対向する方法を示し、図2C3及び図2D3は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング層(210)が磁気アセンブリの集合(Sx)に対向する方法を示す。
図3A】第1の棒状双極子磁石(331)及び2つの第2の棒状双極子磁石(332及び332)を含む第1の集合(S1)と、第1の棒状双極子磁石(331)及び2つの第2の棒状双極子磁石(332及び332)を含む第2の集合(S2)と、第1の棒状双極子磁石(331)及び2つの第2の棒状双極子磁石(332及び332)を含む第3の集合(S3)と、第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(333及び333)と、第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(333及び333)とを備える磁気アセンブリ(300)の概略上面図である。
図3B】シリンダの近傍にある図3Aの磁気アセンブリ(300)の概略断面図であり、磁気アセンブリ(300)が、シリンダの湾曲に一致するように屈曲されている。
図3C】シリンダの近傍にある図3A図3Bの磁気アセンブリ(300)の概略図であり、磁気アセンブリ(300)が、シリンダの湾曲に一致するように屈曲されている。
図4】第1の棒状双極子磁石(431)及び2つの第2の棒状双極子磁石(432及び432)を含む第1の集合(S1)と、第1の棒状双極子磁石(431)及び2つの第2の棒状双極子磁石(432及び432)を含む第2の集合(S2)と、第1の棒状双極子磁石(431)及び2つの第2の棒状双極子磁石(432及び432)を含む第3の集合(S3)と、第1の棒状双極子磁石(431)及び2つの第2の棒状双極子磁石(432及び432)を含む第4の集合(S4)と、第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(433及び433)と、第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(433及び433)と、第3の対(P3)の第3の棒状双極子磁石(433及び433)とを備える磁気アセンブリ(400)の概略上面図である。
図5A】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、磁気アセンブリ(500)の磁場にコーティング層を晒すステップii)と、次に回転磁性シリンダ(560)に取り付けられた1つ又は複数の磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層を晒すさらなるステップと、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)とを含む。図5A図5Cに示すように、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)のコーティング層の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、任意選択的なステップ(選択的硬化ユニット(580)を括弧内に示す)が、1つ又は複数の第2の区域内で小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を再配向するように1つ又は複数の磁石(M1)の磁場にコーティング層を晒すステップの前に実施されてもよい。
図5B】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、磁気アセンブリ(500)の磁場にコーティング層を晒すステップii)と、次に回転磁性シリンダ(560)に取り付けられた1つ又は複数の磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層を晒すさらなるステップと、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)とを含む。図5A図5Cに示すように、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)のコーティング層の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、任意選択的なステップ(選択的硬化ユニット(580)を括弧内に示す)が、1つ又は複数の第2の区域内で小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を再配向するように1つ又は複数の磁石(M1)の磁場にコーティング層を晒すステップの前に実施されてもよい。
図5C】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、磁気アセンブリ(500)の磁場にコーティング層を晒すステップii)と、次に回転磁性シリンダ(560)に取り付けられた1つ又は複数の磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層を晒すさらなるステップと、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)とを含む。図5A図5Cに示すように、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)のコーティング層の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、任意選択的なステップ(選択的硬化ユニット(580)を括弧内に示す)が、1つ又は複数の第2の区域内で小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を再配向するように1つ又は複数の磁石(M1)の磁場にコーティング層を晒すステップの前に実施されてもよい。
図5D】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、単一のステップで、本明細書に記載する磁気アセンブリ(500)の磁場と、1つ若しくは複数の硬磁性磁石(M1)又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ若しくは複数の印を保持する1つ若しくは複数の軟磁性板(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップii)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石又は軟磁性板(M1)が回転磁性シリンダ(560)に取り付けられている、ステップii)と、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)とを含む。
図5E】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、a)本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(500a)の磁場に放射線硬化性コーティング組成物を晒し、次いでb)単一のステップで、本明細書に記載する磁気アセンブリ(500b)の磁場と、1つ若しくは複数の硬磁性磁石(M1)又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ若しくは複数の印を保持する1つ若しくは複数の軟磁性板(M1)を備える磁場生成デバイスとの磁場の相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップii)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石又は軟磁性板(M1)が回転磁性シリンダ(560)に取り付けられている、ステップii)と、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)とを含む。図5Eに示すように、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)のコーティング層の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、任意選択的なステップ(選択的硬化ユニット(580)を括弧内に示す)が、1つ又は複数の第2の区域内で小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を再配向するように、磁気アセンブリ(500b)の磁場と、磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒す単一のステップの前に実施されてもよい。
図5F】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、単一のステップで、本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(500a)の磁場と、1つ若しくは複数の硬磁性磁石(M1a)又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ若しくは複数の印を保持する1つ若しくは複数の軟磁性板(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップii)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石又は軟磁性板(M1a)が回転磁性シリンダ(560a)に取り付けられている、ステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)のコーティング層の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、ステップiii)(選択的硬化ユニット(580)で示す)と、本明細書に記載する第2の磁気アセンブリ(500b)の磁場にコーティング層を晒して、コーティング層の1つ又は複数の第2の(まだ硬化されていない)区域に含まれる非球形の磁性又は磁化可能粒子を2軸線方向に再配向するステップiv)と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップv)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)が回転磁性シリンダ(560b)に取り付けられている、ステップv)と、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップvi)とを含む。
図5G】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、単一のステップで、本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(500a)の磁場と、1つ若しくは複数の硬磁性磁石(M1a)又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ若しくは複数の印を保持する1つ若しくは複数の軟磁性板(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップii)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石又は軟磁性板(M1a)が回転磁性シリンダ(560a)に取り付けられている、ステップii)と、コーティング層の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されないように、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)のコーティング層の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させるステップiii)(選択的硬化ユニット(580)で示す)と、コーティング層の1つ又は複数の第2の(まだ硬化されていない)区域に含まれる非球形の磁性又は磁化可能粒子を2軸線方向に再配向するように、本明細書に記載する第2の磁気アセンブリ(500b)の磁場にコーティング層を晒すステップiv)と、単一のステップで、本明細書に記載する第3の磁気アセンブリ(500c)の磁場と、1つ若しくは複数の硬磁性磁石(M1b)又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ若しくは複数の印を保持する1つ若しくは複数の軟磁性板(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップv)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石又は軟磁性板(M1b)が回転磁性シリンダ(560)に取り付けられている、ステップv)と、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップvi)とを含む。
図5H】本発明による基板(520)に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に示す図である。この方法は、a)本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(500a)の磁場に放射線硬化性コーティング組成物を晒し、次いでb)単一のステップで、本明細書に記載する第2の磁気アセンブリ(500b)の磁場と、1つ若しくは複数の硬磁性磁石(M1a)又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ若しくは複数の印を保持する1つ若しくは複数の軟磁性板(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップii)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石又は軟磁性板(M1a)が回転磁性シリンダ(560a)に取り付けられている、ステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)のコーティング層の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、ステップiii)(選択的硬化ユニット(580)で示す)と、コーティング層の1つ又は複数の第2の(まだ硬化されていない)区域に含まれる非球形の磁性又は磁化可能粒子を2軸線方向に再配向するように、本明細書に記載する第3の磁気アセンブリ(500c)の磁場にコーティング層を晒すステップiv)と、単一のステップで、本明細書に記載する第4の磁気アセンブリ(500d)の磁場と、1つ若しくは複数の硬磁性磁石(M1b)又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ若しくは複数の印を保持する1つ若しくは複数の軟磁性板(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、放射線硬化性コーティング組成物を晒すステップv)であり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石又は軟磁性板(M1b)が回転磁性シリンダ(560)に取り付けられている、ステップv)と、硬化ユニット(550)によって放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップvi)とを含む。
図6A】基板(620)に光学効果層(OEL)を作製する比較方法を概略する的に示す図である。
図6B】基板(620)に光学効果層(OEL)を作製する比較方法を概略する的に示す図である。
図7A】本発明による方法(左のE1、E2、及びE3)及び比較方法(右のC1、C2、及びC3)によって準備されたOELの図である。
図7B】本発明による方法(左のE1、E2、及びE3)及び比較方法(右のC1、C2、及びC3)によって準備されたOELの図である。
図7C】本発明による方法(左のE1、E2、及びE3)及び比較方法(右のC1、C2、及びC3)によって準備されたOELの図である。
【詳細な説明】
【0020】
定義
[019]以下の定義は、説明で議論し且つ特許請求の範囲に記載する用語の意味を解釈するために使用されるものである。
【0021】
[020]本明細書では、「少なくとも」という用語は、1つ又は2つ以上、たとえば1つ又は2つ又は3つを定義することを意味する。
【0022】
[021]本明細書では、「約」及び「実質的」という用語は、当該の量又は値が、指定された特有の値又はその近傍の何らかの他の値となりうることを意味する。概して、特定の値を指す「約」及び「実質的」という用語は、値の±5%の範囲を指すことが意図される。一例として、「約100」という句は、100±5の範囲、すなわち95~105の範囲を指す。概して、「約」及び「実質的」という用語が使用されるとき、示されている値の±5%の範囲内で、本発明による類似の結果又は効果を得ることができることを予期することができる。
【0023】
[022]「実質的に平行」という用語は、平行の位置合わせから10°以下だけ逸脱することを指し、「実質的に直交」という用語は、直交の位置合わせから10°以下だけ逸脱することを指す。
【0024】
[023]本明細書では、「及び/又は」という用語は、記載されている群の要素のうちのすべて又は1つのみが存在しうることを意味する。たとえば、「A及び/又はB」は、「Aのみ、又はBのみ、又はA及びBの両方」を意味するものとする。「Aのみ」の場合、この用語はまた、Bが存在しない可能性、すなわち「BではなくAのみ」も包含する。
【0025】
[024]本明細書では、「含む、備える(comprising)」という用語は、非排他的であり且つオープンエンドであることが意図される。したがって、たとえば化合物Aを含むコーティング組成物は、A以外の他の化合物も含むことができる。しかし、「含む、備える(comprising)」という用語はまた、その特定の実施形態として、「本質的に~からなる」及び「~からなる」のより制限的な意味を包含し、したがってたとえば「A、B、及び任意選択でCを含む湿し水」はまた、(本質的に)A及びBからなることができ、又は(本質的に)A、B、及びCからなることができる。
【0026】
[025]本明細書では、「光学効果層(OEL)」という用語は、配向された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子及び接着剤を含むコーティング層を指し、前記小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は磁場によって配向され、配向された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子をその配向及び位置で固定/凍結して(すなわち、固めた後/硬化させた後)、磁気的に誘起された画像を形成する。
【0027】
[026]「コーティング組成物」という用語は、固体の基板に光学効果層(OEL)を形成することが可能であり、排他的ではないが印刷方法によって塗布することができることが好ましい任意の組成物を指す。コーティング組成物は、本明細書に記載する小板状の磁性若しくは磁化可能顔料粒子及び本明細書に記載する接着剤を含む。
【0028】
[027]本明細書では、「湿った」という用語は、まだ硬化されていないコーティング層、たとえば小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子が、それらの顔料粒子に作用する外力の影響を受けて、まだその位置及び配向を変化させることが可能であるコーティングを指す。
【0029】
[028]本明細書では、「印」という用語は、限定ではないが、記号、英数記号、モチーフ、文字、単語、数字、ロゴ、及び図面を含むパターンなどの不連続層を意味するものとする。
【0030】
[029]「固める」という用語は、まだ固められていない(すなわち、湿った)第1の物理的状態にあるコーティング組成物の粘性が増大されて、コーティング組成物を第2の物理的状態、すなわち固められた状態又は固体状態に変換し、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子がその現在の位置及び配向で固定/凍結され、動くことも回転することもできなくなるプロセスを指すために使用される。
【0031】
[030]「セキュリティ文書」という用語は、通常は少なくとも1つのセキュリティ特徴による偽造又は詐欺から保護された文書を指す。セキュリティ文書の例には、限定ではないが、有価文書及び有価商品が含まれる。
【0032】
[031]「セキュリティ特徴」という用語は、認証目的で使用することができる画像、パターン、又はグラフィック要素を指すために使用される。
【0033】
[032]本説明が「好ましい」実施形態/特徴を参照する場合、これらの「好ましい」実施形態/特徴の組合せに技術的な意味がある限り、「好ましい」実施形態/特徴のこの組合せも開示されていると考えられるものとする。
【0034】
[033]本明細書の文脈では、「面」という用語は、平坦な面のみを包含するのではなく、シリンダの円周面などの湾曲した面も包含する。この点において、湾曲した面に対して「平行」になるように配向された「面」もまた湾曲しており、したがって2つの面に対する局所的な接線が互いに平行になる。同様に、湾曲した面に直交するように配向された方向は、面に交差する点において、面に対する接線に直交する。
【0035】
[034]言い換えれば、基板が湾曲した第1の面に実質的に平行に配向され、且つ第1の面の上に位置する場合、その基板は、その第1の点における基板に対する局所的な接線が、その第2の点における湾曲した第1の面に対する局所的な接線に対して平行になるように形成され、第1及び第2の点は相対的に、第1及び第2の点で局所的な接線に直交する方向に沿って互いに対して配置される。
【0036】
[035]本発明は、基板(x20)に光学効果層(OEL)を作製するのに好適な磁気アセンブリ(x00)を提供し、前記OELは、磁気的に配向された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子に基づいている。1次元の粒子として考慮することができる針状の顔料粒子とは対照的に、小板状の顔料粒子は、粒子の主延長部の面を画定するX軸線及びY軸線を有する。言い換えれば、小板状の顔料粒子は、図1に見ることができるように、そのような顔料粒子の寸法の縦横比が大きいため、2次元の粒子であると考慮することができる。図1に示すように、小板状の顔料粒子は2次元構造であると考慮することができ、寸法X及びYは寸法Zより実質的に大きい。小板状の顔料粒子は、当技術分野で偏球粒子又は薄片とも呼ばれる。そのような顔料粒子は、最長寸法に対応する長軸線Xが顔料粒子に交差し、第2の軸線Yが同じく前記顔料粒子内に位置するXに直交するものとして説明することができる。
【0037】
[036]小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子が、長軸線のみが磁場によって束縛されるように配向される1軸線方向の配向とは対照的に、2軸線方向の配向を実施することは、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子が、2つの長軸線が束縛されるように配向するようになされることを意味する。すなわち、各々の小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、顔料粒子の面内の長軸線と、顔料粒子の面内の直交する短軸線とを有すると考慮することができる。小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の長軸線及び短軸線は各々、磁場に従って配向させられる。事実上、この結果、空間内で互いに近接している隣り合う小板状の磁性顔料粒子が、互いに本質的に平行になる。言い換えると、2軸線方向の配向により、顔料粒子の面が、隣り合う(すべての方向)小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の面に対して本質的に平行に配向されるように、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の面が位置合わせされる。本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を2軸線方向に配向することを可能にする。小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)のみに晒すことによって(すなわち、追加の磁場生成デバイスへの同時曝露及び/又は再配向ステップなし)、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、シート状の構造を形成し、X及びY軸線が基板(x20)表面に実質的に平行になり、前記2つの寸法において平坦化される。
【0038】
[037]本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する光学効果層(OEL)を作製する方法中に、本明細書に記載する基板(x20)を第1の面に実質的に平行且つ基板(x20)に実質的に平行な配向で受け取るように構成される。本明細書に記載する第1の面は、本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に平行であり、2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の最上面の上に位置する第1の面である(図に示す)。
【0039】
[038]本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、a)少なくとも第1の集合(S1)及び第2の集合(S2)を備え、各集合(S1、S2)が本明細書に記載する第1の棒状双極子磁石(x31)及び第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)を含み、b)本明細書に記載する第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)をさらに備え、第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、及び第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)が、本明細書に記載する非磁性支持マトリックスに少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0040】
[039]たとえば図2Aに示すように、第1及び第2の集合(S1、S2)の各々は、i)本明細書に記載する第1の棒状双極子磁石(x31)と、本明細書に記載する2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)とを備える。第1及び第2の集合(S1、S2)の棒状双極子磁石(x31)は、第1の厚さ(L1)、第1の長さ(L4)、及び第1の幅(L5)を有し、第1の面に実質的に平行になり、長さ(L4)に実質的に平行になる(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に平行になる)ように配向された磁軸線を有する。第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、実質的に同じ第1の長さ(L4)及び第1の幅(L5)を有する。第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)と実質的に同じ第1の厚さ(L1)を有するがこと好ましい。第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の距離(d1)だけ隔置される。第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)間の第1の距離(d1)は、好ましくは第1の長さ(L4)の15%以上且つ第1の長さ(L4)の150%以下(すなわち、0.15*L4≦d1≦1.5*L4)であり、より好ましくは第1の長さ(L4)の25%以上且つ第1の長さ(L4)の120%以下(すなわち、0.25*L4≦d1≦1.2*L4)であり、さらにより好ましくは第1の長さ(L4)の25%以上且つ第1の長さ(L4)の80%以下(すなわち、0.25*L4≦d1≦0.8*L4)である。
【0041】
[040]第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の磁気方向とは反対の磁気方向を有する。
【0042】
[041]第1の集合(S1)及び第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、単体であってもよく、又は第1の幅(L5)、第1の厚さ(L1)を有する2つ以上の隣り合う棒状双極子磁石(x31)によって形成されてもよく、本明細書に記載する第1の長さ(L4)は、前記2つ以上の隣り合う棒状双極子磁石(x31)のすべての和である。
【0043】
[042]第1及び第2の集合(S1、S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、第2の厚さ(L2)、第2の長さ(L6)、及び第2の幅(L7)を有し、互いに同一面上に位置する最上面を有する。第1及び第2の集合(S1、S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、第1の面に実質的に直交し、厚さ(L2)に実質的に平行になる(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に直交する)ように配向された磁軸線を有する。第1及び第2の集合(S1、S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、実質的に同じ第2の長さ(L6)及び実質的に同じ第2の幅(L7)を有する。第1の集合(S1)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、第2の集合(S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と実質的に同じ第2の厚さ(L2)を有することが好ましい。
【0044】
[043]第1及び第2の集合(S1、S2)の各集合に対して、第1の棒状双極子磁石(x31)及び第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は列を形成するように位置合わせされ、この列においては、第1及び第2の集合(S1、S2)の各々の第1の棒状双極子磁石(x31)がそれぞれ、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第2の距離(d2)だけ隔置されており、前記第2の距離(d2)が第1及び第2の集合(S1、S2)に対して実質的に同じである。
【0045】
[044]各集合(S1、S2)に対して、第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの一方のN極は、第1の棒状双極子磁石(x31)のN極がその第2の棒状双極子磁石(x32、x32)を指すときに第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの他方のS極は、第1の棒状双極子磁石(x31)のS極がその第2の棒状双極子磁石(x32、x32)を指すときに第1の面を指す(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)。
【0046】
[045]たとえば図2Aに示すように、本明細書に記載する第1の対(P1)は、本明細書に記載する第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)を含み、前記第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、第3の厚さ(L3)、第3の長さ(L8)、及び第3の幅(L9)を有し、第1の面に実質的に平行になる(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に平行になる)ように配向された磁軸線を有する。
【0047】
[046]第1及び第2の集合(S1、S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の幅(L7)は、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の第3の幅(L9)と実質的に同じ値を有する。
【0048】
[047]第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の各々は、第1の集合(S1)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)及び第2の集合(S2)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と位置合わせされて2本の線を形成し、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第3の距離(d3)だけ隔置され、前記第3の距離(d3)が2本の線に対して実質的に同じである。
【0049】
[048]第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のN極はそれぞれ、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のN極は、第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、又は第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のS極はそれぞれ、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のS極は、第1の面を指す(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)。
【0050】
[049]たとえば図2A図3、及び図4に示す好ましい実施形態によれば、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、上面から観察したとき、方形の形状、特に正方形の形状である。したがって、方形の形状、特に正方形の形状の磁気アセンブリ(x00)は、図2Aでは第1及び第2の集合(S1、S2)によって形成された2つの列と2本の線とによって区切られ、又は図3では第1及び第3の集合(S1、S3)の2つの列と2本の線とによって区切られ、又は図4では第1及び第4の集合(S1、S4)の2つの列と2本の線とによって区切られる。
【0051】
[050]第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の厚さ(L1)は、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の厚さ(L2)以下であることが好ましい。第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の厚さ(L1)に対する第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の厚さ(L2)の比(L2/L1)は、より好ましくは3以下且つ1以上(すなわち、1≦L2/L1≦3)であり、さらにより好ましくは2.5以下且つ1.5以上(すなわち、1.5≦L2/L1≦2.5)である。
【0052】
[051]第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の厚さ(L1)は、第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の第3の厚さ(L3)以下であることが好ましい。第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の厚さ(L1)に対する第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の第3の厚さ(L3)の比(L3/L1)は、より好ましくは3以下且つ1以上(すなわち、1≦L3/L1≦3)であり、さらにより好ましくは2.5以下且つ1.5以上(すなわち、1.5≦L3/L1≦2.5)である。
【0053】
[052]第1の棒状双極子磁石(x31)と第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)との間の第2の距離(d2)は、0以上且つ第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の厚さ(L1)の1/2以下(すなわち、0≦d2≦(1/2)L1)である。
【0054】
[053]第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)と第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)との間の第3の距離(d3)は、0以上且つ第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の厚さ(L1)の1/2以下(すなわち、0≦d3≦(1/2)L1)である。
【0055】
[054]図2Aに示すように、第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)間の第1の距離(d1)は、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のうちの1つの第3の長さ(L8)と、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)と第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)との間の2つの第3の距離(d3)との和からなる。
【0056】
[055]たとえば図2A及び図2B1図2B3に示す一実施形態によれば、第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の最上面は、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の最上面と同一面上に位置する。第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の最上面は、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の最上面と同一面上に位置することが好ましく、さらに第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の最上面とも同一面上に位置する。
【0057】
[056]たとえば図2C1図2D3に示す別の実施形態によれば、第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の最上面は、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の最上面と同一面上に位置せず、第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の最上面と、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)との間には、第4の距離(d4)が存在する。この実施形態によれば、第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の最上面と、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)との間の第4の距離(d4)の絶対値は、0より大きく、且つ第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の厚さ(L1)の2分の1以下(すなわち、0<|d4|≦(1/2)L1)である。
【0058】
[057]一実施形態によれば、磁気アセンブリ(x00)は、i)第1及び第2の集合(S1、S2)に関して説明したものなどの第(2+i)の集合(S(2+i))、並びに対応するii)追加の第(1+i)の対(P1+i)(本明細書に記載するものなど)を含む1つ又は複数の組合せをさらに備えてもよく、ここでi=1、2などである。
【0059】
[058]本明細書に記載する各々の組合せに対して、第(2+i)の集合(S(2+i))は、第1の厚さ(L1)、第1の長さ(L4)、及び第1の幅(L5)を有し、第1の面に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有する1つのさらなる第1の棒状双極子磁石(x31)と、第2の厚さ(L2)、第2の長さ(L6)、及び第2の幅(L7)を有し、互いに同一面上に位置する最上面を有し、第1の面に実質的に直交するように配向された磁軸線を有する2つのさらなる第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)とを含み、第(2+i)の集合(S2+i)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第(2+i-1)の集合(S2+i-1)の第1の棒状双極子磁石(x31)の磁気方向とは反対の磁気方向を有し、第(2+i)及び第(2+i-1)の集合(S2+i、S2+i-1)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の距離(d1)だけ隔置され、第(2+i)の集合(S2+i)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第(2+i-1)の集合(S2+i-1)の第1の棒状双極子磁石(x31)と実質的に同じ長さ(L5)及び幅(L4)を有し、第(2+i)の集合(S2+i)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)は、第(2+i-1)の集合(S2+i-1)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)と実質的に同じ長さ(L6)及び幅(L7)を有し、第1の棒状双極子磁石(x31)及び第2の棒状双極子磁石(x32、x32)は列を形成するように位置合わせされ、この列においては、第(2+i)の集合(S2+i)の第1の棒状双極子磁石(x31)が第2の棒状双極子磁石(x32、x32)間に配置され、第2の棒状双極子磁石(x32、x32)から第2の距離(d2)だけ隔置されており、第1及び第2の長さ(L4及びL6)は実質的に同じであり、第(2+i)の集合(S2+i)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの一方のN極は、第1の面を指し、第1の棒状双極子磁石(x31)のN極は、その第2の棒状双極子磁石を指し、第(2+i)の集合(S2+i)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの他方のS極は、第1の面を指し、第1の棒状双極子磁石(x31)のS極は、その第2の棒状双極子磁石を指す。
【0060】
[059]本明細書に記載する各々の組合せに対して、第(1+i)の対(P1+i)は、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)を含み、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、第3の厚さ(L3)、第3の長さ(L9)、及び第3の幅(L8)を有し、第(1+i-1)の対(P1+i-1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の磁軸線に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有する。
【0061】
[060]図3に示すように、磁気アセンブリ(x00)は、c)本明細書に記載するものなどの第3の集合(S3)(すなわち、第(2+i)の集合、i=1)、及びd)本明細書に記載するものなどの追加の第2の対(P2)(すなわち、第(1+i)の対、i=1)を含む1つ又は複数の組合せをさらに備えてもよい。たとえば図3に示すように、磁気アセンブリ(x00)は、c)i)さらなる第1の棒状双極子磁石(x31)及びii)2つのさらなる第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)を含む第3の集合(S3)、並びにd)2つのさらなる第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)を含む第2の対(P2)をさらに備えてもよく、第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)、第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、及び第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、本明細書に記載する非磁性支持マトリックス(図3には図示せず)に少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0062】
[061]第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の厚さ(L1)、第1の長さ(L4)、及び第1の幅(L5)を有する。第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、第2の厚さ(L2)、第2の長さ(L6)、及び第2の幅(L7)を有し、互いに同一面上に位置する最上面を有する。
【0063】
[062]第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の面に実質的に平行になる(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に平行になる)ように配向された磁軸線を有する。第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)の磁気方向とは反対の磁気方向を有する。第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、第1の面に直交する(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に直交する)ように配向された磁軸線を有する。
【0064】
[063]第3及び第2の集合(S3、S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の距離(d1)だけ隔置され、前記第1の距離(d1)は、第1及び第2の集合(S1、S2)に対する第1の距離(d1)と実質的に同じである。
【0065】
[064]第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)と実質的に同じ第1の長さ(L4)及び第1の幅(L5)を有し、第3の集合(S3)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)は、第2の集合(S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)と実質的に同じ第2の長さ(L6)及び第2の幅(L7)を有する。第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の幅(L5)及び第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の長さ(L6)は、実質的に同じである。
【0066】
[065]第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)及び第2の棒状双極子磁石(x32、x32)は列を形成するように位置合わせされ、この列においては、第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)が、第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)間に配置され、第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)から第2の距離(d2)だけ隔置されており、前記第2の距離(d2)は、第1及び第2の集合(S1、S2)に対する第2の距離(d2)と実質的に同じである。
【0067】
[066]第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの一方のN極は、第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、第1の棒状双極子磁石(x31)のN極は、その第2の棒状双極子磁石(x32、x32)を指す。第3の集合(S3)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの他方のS極は、第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、第1の棒状双極子磁石(x31)のS極は、その第2の棒状双極子磁石(x32、x32)を指す。
【0068】
[067]第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、第3の厚さ(L3)、第3の長さ(L8)、及び第3の幅(L9)を有し、第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の磁軸線に平行になる(且つ本明細書に記載する方法中に第1の面及び基板(x20)に実質的に平行になる)ように配向された磁軸線を有する。
【0069】
[068]第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の各々は、第3の集合(S3)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)及び第2の集合(S2)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と位置合わせされて2本の線を形成し、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第3の距離(d3)だけ隔置され、第3の距離(d3)は本明細書に記載する第3の距離(d3)と実質的に同じである。
【0070】
[069]第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のN極はそれぞれ、第3及び第2の集合(S3、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のN極は、第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、又は第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のS極はそれぞれ、第3及び第2の集合(S3、S2)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のS極は、第1の面を指す(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)。
【0071】
[070]図4に示すように、磁気アセンブリ(x00)は、i)本明細書に記載するものなどの第4の集合(S4)(すなわち、第(2+i)の集合、i=2)、及び本明細書に記載するものなどの追加の第3の対(P3)(すなわち、第(1+i)の対、i=2)を含む1つ又は複数の組合せをさらに備えてもよい。たとえば図4に示すように、磁気アセンブリ(x00)は、c)上述した第3の集合(S3)、並びにi)さらなる第1の棒状双極子磁石(x31)及びii)2つのさらなる第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)を含む第4の集合(S4)と、d)本明細書に記載する第2の対(P2)、並びに第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)を含む第3の対(P3)とをさらに備えてもよく、第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)、第4の集合(S4)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、及び第3の対(P3)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、本明細書に記載する非磁性支持マトリックス(図4には図示せず)に少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0072】
[071]第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の厚さ(L1)、第1の長さ(L4)、及び第1の幅(L5)を有する。第4の集合(S4)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、第2の厚さ(L2)、第2の長さ(L6)、及び第2の幅(L7)を有し、互いに同一面上に位置する最上面を有する。
【0073】
[072]第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の面に実質的に平行になる(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に平行になる)ように配向された磁軸線を有する。第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)の磁気方向とは反対の磁気方向を有する。第4の集合(S4)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)は、第1の面に直交する(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)に実質的に直交する)ように配向された磁軸線を有する。
【0074】
[073]第4及び第3の集合(S4、S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第1の距離(d1)だけ隔置され、前記第1の距離(d1)は、第1及び第2の集合(S1、S2)に対する第1の距離(d1)と実質的に同じであり、第2及び第3の集合(S2、S3)に対する第1の距離(d1)と実質的に同じである。
【0075】
[074]第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第4の集合(S4)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の長さ(L6)、並びに第3の集合(S3)、第2の集合(S2)、及び第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の長さ(L6)と実質的に同じ第1の長さ(L4)を有する。
【0076】
[075]第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)は、第3の集合(S3)の第1の棒状双極子磁石(x31)、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(x31)、及び第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(x31)と実質的に同じ第1の長さ(L4)及び第1の幅(L5)を有する。
【0077】
[076]第4の集合(S4)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)は、第3の集合(S3)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)、第2の集合(S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)、及び第1の集合(S1)の2つの第2の棒状双極子磁石(x32、x32)と実質的に同じ第2の長さ(L6)及び第2の幅(L7)を有する。
【0078】
[077]第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の幅(L5)及び第4の集合(S4)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の長さ(L6)は、実質的に同じである。
【0079】
[078]第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)及び第2の棒状双極子磁石(x32、x32)は列を形成するように位置合わせされ、この列においては、第4の集合(S4)の第1の棒状双極子磁石(x31)が、第2の棒状双極子磁石(x32、x32)間に配置され、第2の棒状双極子磁石(x32、x32)から第2の距離(d2)だけ隔置されており、前記第2の距離(d2)は、第1及び第2の集合(S1、S2)並びに第2及び第3の集合(S2、S3)に対する第2の距離(d2)と実質的に同じである。
【0080】
[079]第4の集合(S4)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの一方のN極は、第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、第1の棒状双極子磁石(x31)のN極は、その第2の棒状双極子磁石を指す。第4の集合(S4)の第2の棒状双極子磁石(x32、x32)のうちの他方のS極は、第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、第1の棒状双極子磁石(x31)のS極は、その第2の棒状双極子磁石(x32、x32)を指す。
【0081】
[080]第3の対(P3)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、第3の厚さ(L3)、第3の長さ(L8)、及び第3の幅(L9)を有し、第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の磁軸線に実質的に平行になり、且つ第2の対(P2)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の磁軸線に実質的に平行になる(且つ本明細書に記載する方法中に第1の面及び基板(x20)に実質的に平行になる)ように配向された磁軸線を有する。
【0082】
[081]第3の対(P3)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の各々は、第4の集合(S4)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)及び第3の集合(S3)の1つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)と位置合わせされて2本の線を形成し、第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)間に配置され、それぞれの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)から第3の距離(d3)だけ隔置され、第3の距離(d3)は本明細書に記載する第3の距離(d3)と実質的に同じである。
【0083】
[082]第3の対(P3)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のN極はそれぞれ、第4及び第3の集合(S4、S3)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第3の対(P3)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のN極は、第1の面を指し(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)、又は第3の対(P3)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)のS極はそれぞれ、第4及び第3の集合(S4、S3)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの一方を指し、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)のうちの前記一方のS極は、第1の面を指す(且つ本明細書に記載する方法中に基板(x20)を指す)。
【0084】
[083]本明細書に記載する第1の棒状双極子磁石(x31)、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、及び第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)を備える本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の頂面は、平坦であってもよく、湾曲してしてもよい。磁気アセンブリ(x00)がシリンダの近傍で使用される実施形態の場合(たとえば、図5B図5G参照)、前記アセンブリ(x00)の頂面は、シリンダの湾曲及びコーティング層(x10)を保持する基板(x20)の湾曲に整合するように湾曲しており(たとえば、図3B及び図3C参照)、磁気アセンブリ(x00)の湾曲は、前記アセンブリを屈曲させることによって得られる。アセンブリ(x00)の頂面が湾曲している実施形態の場合、本明細書に記載する第1の面及び本明細書に記載する磁軸線(第1の面に実質的に平行/直交)の配向を対象とする参照はすべて、平坦化された磁気アセンブリ(すなわち、その屈曲前の構成)に対応する。アセンブリ(x00)の頂面が湾曲している実施形態の場合、磁気アセンブリ(x00)は、棒状双極子磁石(x31)の第1の幅(L5)、2つの第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の第2の長さ(L6)、及び第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の第3の長さ(L8)がシリンダの回転軸線に本質的に直交し、(L5)、(L6)、及び(L8)の中心が円筒面に対して本質的に接線方向になるように、第1の円筒面の周りに配置される。これらの実施形態では、磁気アセンブリ(x00)は、湾曲した第1の面及びシリンダの周りに多面体面を形成する。これらの実施形態では、距離d3は、2つの第2の棒状双極子磁石(x32又はx32)及び第3の棒状双極子磁石(x33又はx33)のそれぞれの側同士の間の最小距離に対応する。
【0085】
[084]本明細書に記載する集合(S1、S2など)の第1の棒状双極子磁石(x31)の材料、本明細書に記載する集合(S1、S2など)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)の材料、本明細書に記載する対(複数可)(P1など)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)の材料、並びに第1の距離(d1)、第2の距離(d2)、第3の距離(d3)、第4の距離(d4)、及び距離(h)は、X軸線及びY軸線の両方を基板表面に対して実質的に平行にするために、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)によってもたらされる磁場に起因する磁場が、本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を2軸線方向に配向するのに好適となるように選択される。
【0086】
[085]本明細書に記載する集合(S1、S2など)の第1の棒状双極子磁石(x31)、本明細書に記載する集合(S1、S2など)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、本明細書に記載する対(複数可)(P1など)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、高保磁力材料(強磁性材料とも呼ばれる)から独立して作られることが好ましい。好適な高保磁力材料は、少なくとも20kJ/m、好ましくは少なくとも50kJ/m、より好ましくは少なくとも100kJ/m、さらにより好ましくは少なくとも200kJ/mのエネルギー積の最大値(BH)maxを有する材料である。これらの材料は、Alnico、たとえばAlnico 5(R1-1-1)、Alnico 5 DG(R1-1-2)、Alnico 5-7(R1-1-3)、Alnico 6(R1-1-4)、Alnico 8(R1-1-5)、Alnico 8 HC(R1-1-7)、及びAlnico 9(R1-1-6)、化学式MFe1219のヘキサフェライト(たとえば、ストロンチウムヘキサフェライト(SrO*6Fe)又はバリウムヘキサフェライト(BaO*6Fe))、化学式MFeのハードフェライト(たとえば、コバルトフェライト(CoFe)又は磁鉄鉱(Fe)(Mは二価金属イオン)、セラミック8(SI-1-5)、RECo(RE=Sm又はPr)、RETM17(RE=Sm、TM=Fe、Cu、Co、Zr、Hf)、RETM14B(RE=Nd、Pr、Dy、TM=Fe、Co)を含む群から選択された希土類磁性材料、Fe、Cr、Coの異方性合金、PtCo、MnAlC、REコバルト5/16、REコバルト14の群から選択された材料からなる群から選択される1つ又は複数の焼結又はポリマー結合磁性材料から作られることが好ましい。棒状双極子磁石の高保磁力材料は、好ましくは希土類磁性材料からなる群から、より好ましくはNdFe14B及びSmCoからなる群から選択される。プラスチック又はゴム状のマトリックス中のストロンチウムヘキサフェライト(SrFe1219)又はネオジム-鉄-ホウ素(NdFe14B)粉末など、永久磁性充填剤を含む容易に加工可能な永久磁性複合材料が特に好ましい。第1の棒状双極子磁石(x31)、第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、及び第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、1つ若しくは複数の異なる材料から作られてもよく、又は同じ材料から作られてもよい。
【0087】
[086]本明細書に記載する集合(S1、S2など)の第1の棒状双極子磁石(x31)、本明細書に記載する集合(S1、S2など)の第2の棒状双極子磁石(x32及びx32)、及び本明細書に記載する対(複数可)(P1など)の第3の棒状双極子磁石(x33及びx33)は、本明細書に記載する非磁性支持マトリックスに少なくとも部分的に埋め込まれており、前記支持マトリックスは、本明細書に記載する棒状双極子磁石(x31、x32、x32、x33、x33)をともに保持するために使用される。本明細書に記載する非磁性支持マトリックスは、1つ又は複数の非磁性材料から作られる。非磁性材料は、非磁性金属並びにエンジニアリングプラスチック及びポリマーからなる群から選択されることが好ましい。非磁性金属には、限定ではないが、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮(銅及び亜鉛の合金)、チタン、チタン合金、及びオーステナイト鋼(すなわち、非磁性鋼)が含まれる。エンジニアリングプラスチック及びポリマーには、限定ではないが、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)及びその誘導体、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、並びにポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、コポリエーテルエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)共重合体、フッ素化及びペルフルオロポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、並びに液晶ポリマーが含まれる。好ましい材料としては、アルミニウム合金、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、POM(ポリオキシメチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン(Nylon)(登録商標)(ポリアミド)、及びPPSが挙げられる。
【0088】
[087]本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)及び移送デバイス(x70)を備える印刷装置もまた、本明細書に記載され、前記移送デバイスは、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を2軸線方向に配向するために、本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を備えた基板(x20)を本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の近傍及び上へ伝達又は運搬することを可能にし、また基板(x20)と磁気アセンブリ(x00)との間に一定の距離を提供する。
【0089】
[088]本明細書に記載する移送デバイスは基板案内システムからなり、基板案内システムは、チェーン、ベルト、シリンダ、及びこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい。本明細書に記載するベルトは、ベルトに取り付けられた磁石を備えてもよい(当技術分野では、線形磁気移送デバイスと呼ばれる)。本明細書に記載するベルトは、把持部を備えることが好ましい。本明細書に記載するシリンダは回転シリンダ(x60、x70)であり、シリンダに取り付けられた硬磁性磁石(M1)(当技術分野では、回転磁性配向シリンダと呼ばれる)、又は空隙及び/若しくはくぼみ及び/若しくは突起の形態で1つ又は複数の印を保持する軟磁性板(M1)を備えてもよい。
【0090】
[089]たとえば図5A図5Dに示すように単一の磁気アセンブリ(x00)が使用される方法の実施形態の場合、本明細書の前記磁気アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられてもよく、前記移送デバイスは、把持部を備えるベルトであること(たとえば、図5A参照)、又は本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられることが好ましく、前記移送デバイスは、回転シリンダ(x60、x70、及びx70-b)であること(図5B図5D参照)が好ましい。
【0091】
[090]たとえば図5E図5Hに示すように、いくつかの磁気アセンブリ(x00a、x00bなど)、すなわち第1の磁気アセンブリ(x00a)、第2の磁気アセンブリ(x00b)などが独立して使用される方法の実施形態の場合、本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(x00a)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、把持部を備えるベルトであること(図5E及び図5H参照)、又は回転シリンダ(x60)の近傍に取り付けられること(図5F及び図5G参照)が好ましく、さらなる磁気アセンブリ(x00b、x00cなど)が、本明細書に記載するものなどの移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、回転シリンダ(x70)(図5F図5G、及び図5H参照)又は回転磁性シリンダ(x60)(図5E図5G、及び図5H参照)であることが好ましい。
【0092】
[091]磁気アセンブリ(x00)が回転シリンダの近傍で使用される実施形態の場合(たとえば、図5B図5H参照)、前記アセンブリ(x00)の頂面は、シリンダの湾曲(たとえば、図3B及び図3C参照)及びコーティング層(x10)を保持する基板(x20)の湾曲に整合するように湾曲していることが好ましく、シリンダの直径と第1の棒状双極子磁石(x31)の第1の幅(L4)との間の比は、約5以上であることが好ましい。
【0093】
[092]たとえば図2A及び図5A図5Hに示すように、本明細書に記載する印刷装置は、硬化ユニット(x50)をさらに備えてもよい。好適な硬化ユニットには、化学線源として高出力の発光ダイオード(LED)ランプ又はアーク放電ランプ、たとえば中圧水銀アーク(MPMA)又は金属蒸気アークランプを備えるUV可視硬化ユニットのための機器が含まれる。
【0094】
[093]たとえば図5A図5C及び図5E図5Hに示すように、本明細書に記載する印刷装置は、1つ又は複数の選択的硬化ユニット(x80)をさらに備えてもよい。選択的な硬化は、少なくとも2つの区域から作られるモチーフを呈する光学効果層(OEL)の作製を可能にし、前記2つの区域は、2つの異なる磁性配向パターンを有する。1つ又は複数の選択的硬化ユニット(x80)は、1つ又は複数の固定された又は取外し可能なフォトマスクを備えてもよく、そのようなフォトマスクは、コーティング層の一部として形成されるパターンに対応する1つ又は複数の空隙を含む。1つ又は複数の選択的硬化ユニット(x80)は、欧州特許出願公開第2468423号に開示されている走査レーザビーム、国際公開第2017/021504号に開示されている発光ダイオード(LED)のアレイ、又は同時係属の国際出願PCT/EP2019/087072に開示されている個々にアドレス可能な化学線エミッタのアレイを備える化学線LED源(x41)などのように、アドレス可能であってもよい。
【0095】
[094]本明細書に記載する印刷装置は、本明細書に記載する非球形の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を本明細書に記載する基板に塗布するためのコーティング又は印刷ユニットをさらに備えてもよい。印刷ユニットは、スクリーン印刷ユニット、輪転グラビア印刷ユニット、フレキソ印刷ユニット、インクジェット印刷ユニット、凹版印刷ユニット(当技術分野では、凹刻銅板印刷及び凹刻鋼製金型印刷とも呼ばれる)、又はこれらの組合せであってもよい。
【0096】
[095]本明細書に記載する印刷装置は、基板フィーダをさらに備えてもよく、したがって基板(x20)は、前記基板フィーダによってシート又はウエブの形状で供給される。
【0097】
[096]本発明は、基板に光学効果層(OEL)を作製する方法を提供する。本明細書に記載する方法は、本明細書に記載する基板(x20)表面に本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を塗布して、本明細書に記載するコーティング層(x10)を形成するステップi)を含み、前記組成物は、まだ硬化されていない(すなわち、湿った)状態の層として塗布することが可能な第1の液体状態であり、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、組成物内を移動及び回転することができる。本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は基板(x20)表面に提供されるため、放射線硬化性コーティング組成物は、少なくとも、本明細書に記載するものなどの接着材料と、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子とを含み、前記組成物は、所望の印刷又はコーティング機器で処理することが可能な形状である。前記ステップi)は、印刷プロセスによって実施されることが好ましく、印刷プロセスは、好ましくはスクリーン印刷、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、及び凹版印刷(当技術分野では、凹刻銅板印刷及び凹刻鋼製金型印刷とも呼ばれる)からなる群から選択され、より好ましくは凹版印刷、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、及びフレキソ印刷からなる群から選択され、さらにより好ましくはスクリーン印刷、輪転グラビア印刷、及びフレキソ印刷からなる群から選択される。
【0098】
[097]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物並びに本明細書に記載するコーティング層(x10)は、本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含み、そのような顔料粒子は、好ましくは約5重量%~約40重量%、より好ましくは約10重量%~約30重量%の量であり、重量パーセントは、放射線硬化性コーティング組成物又はコーティング組成物の総重量に基づいている。
【0099】
[098]本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、非球形の形状のため、固められた/硬化された接着材料が少なくとも部分的に透過性を有する入射電磁放射に対して非等方性反射率を有する。本明細書では、「非等方性反射率」という用語は、第1の角度からの入射放射のうち粒子によって特定の(視野)方向(第2の角度)へ反射される割合が粒子の配向の関数であること、すなわち第1の角度に対する粒子の配向の変化により視野方向に対する反射の大きさが異なりうることを指す。
【0100】
[099]本明細書に記載するOELは、形状のために非等方性反射率を有する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む。本明細書に記載するOELにおいて、本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、硬化された接着材料を含むコーティング組成物内に分散しており、そのような接着材料は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向を固定する。接着材料は、少なくとも硬化又は固体状態(本明細書では第2の状態とも呼ぶ)であり、200nm~2500nmに含まれる波長範囲、すなわち典型的に「光スペクトル」と呼ばれる電磁スペクトルの赤外、可視、及びUV部分を含む波長範囲内の電磁放射に対して少なくとも部分的に透過性を有する。したがって、この範囲内のいくつかの波長では、接着材料によって、硬化又は固体状態で接着材料に含まれる粒子及びその配向依存反射率を認識することができる。硬化された接着材料は、好ましくは200nm~800nm、より好ましくは400nm~700nmに含まれる波長範囲の電磁放射に対して少なくとも部分的に透過性を有する。本明細書では、「透過性」という用語は、OEL(小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は含まないが、存在する場合はOELの他の任意選択的な成分をすべて含む)に存在する固められた接着材料の20μmの層を通る電磁放射の透過が、該当する波長(複数可)において少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%であることを指す。これはたとえば、確立された試験方法、たとえばDIN5036-3(1979-11)に従って、固められた接着材料(小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含まない)の試験片の透過率を測定することによって判定することができる。OELが秘密セキュリティ特徴として働く場合、典型的には、選択された非可視波長を含むそれぞれの照明条件下でOELによって生成される(完全な)光学効果を検出するための技術的手段が必要になり、前記検出は、入射放射波長が可視範囲外、たとえば近UV範囲内で選択される必要がある。
【0101】
[0100]本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の好適な例には、限定ではないが、コバルト(Co)、鉄(Fe)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される磁性金属、鉄、マンガン、コバルト、ニッケルの磁性合金若しくはこれらの2つ以上の混合物、クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケルの磁性酸化物若しくはこれらの2つ以上の混合物、又はこれらの2つ以上の混合物を含む顔料粒子が含まれる。金属、合金、及び酸化物に関連する「磁性」という用語は、強磁性又はフェリ磁性の金属、合金、及び酸化物を対象とする。クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、又はこれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物は、純粋な酸化物であっても混合酸化物であってもよい。磁性酸化物の例には、限定ではないが、赤鉄鉱(Fe)、磁鉄鉱(Fe)、二酸化クロム(CrO)、磁性フェライト(MFe)、磁性スピネル(MR)、磁性ヘキサフェライト(MFe1219)、磁性オルソフェライト(RFeO)、磁性ガーネット(M(AO)などの酸化鉄が含まれ、ここでMは2価金属を表し、Rは3価金属を表し、Aは4価金属を表す。
【0102】
[0101]本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の例には、限定ではないが、コバルト(Co)、鉄(Fe)、又はニッケル(Ni)などの磁性金属、及び鉄、コバルト、又はニッケルの磁性合金のうちの1つ又は複数から作られた磁性層Mを含む顔料粒子が含まれ、前記磁性又は磁化可能顔料粒子は、1つ又は複数の追加の層を含む多層構造であってもよい。1つ又は複数の追加の層は、好ましくはフッ化マグネシウム(MgF)、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、及び酸化アルミニウム(Al)などの金属フッ化物からなる群から選択される1つ若しくは複数、より好ましくは二酸化ケイ素(SiO)から独立して作られる層A、又は好ましくは反射性金属及び反射性金属合金からなる群から選択され、より好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される金属及び金属合金からなる群から選択される1つ若しくは複数、さらにより好ましくはアルミニウム(Al)から独立して作られる層B、又は上述したものなどの1つ若しくは複数の層A及び上述したものなどの1つ若しくは複数の層Bの組合せである。上述した多層構造である小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の典型的な例には、限定ではないが、A/M多層構造、A/M/A多層構造、A/M/B多層構造、A/B/M/A多層構造、A/B/M/B多層構造、A/B/M/B/A/多層構造、B/M多層構造、B/M/B多層構造、B/A/M/A多層構造、B/A/M/B多層構造、B/A/M/B/A/多層構造が含まれ、層A、磁性層M、及び層Bは、上述したものから選択される。
【0103】
[0102]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、小板状の光学的に可変の磁性若しくは磁化可能顔料粒子、及び/又は光学的に可変の特性を有していない小板状の磁性若しくは磁化可能顔料粒子を含んでもよい。本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、小板状の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成されることが好ましい。援助なしの人間の感覚を使用して、本明細書に記載する光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むインク、コーティング組成物、又はコーティング層を保持する物品又はセキュリティ文書を考えられる偽造から容易に検出、認識、及び/又は区別することを可能にする光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子の変色特性によって提供される公開セキュリティに加えて、光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子の光学特性はまた、OELの認識のための機械可読ツールとして使用されてもよい。したがって、光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子の光学特性は、顔料粒子の光学(たとえば、スペクトル)特性が分析される認証プロセスにおいて、秘密又は準秘密セキュリティ特徴として同時に使用されてもよい。
【0104】
[0103]OELを作製するためのコーティング層における小板状の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子の使用は、そのような材料がセキュリティ文書印刷産業に留保され、一般に市販されないため、セキュリティ文書の応用例におけるセキュリティ特徴としてのOELの重要性を強化する。
【0105】
[0104]上述したように、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、小板状の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成されることが好ましい。これらは、磁性材料及びこれらの2つ以上の混合物を含む磁性薄膜干渉顔料粒子、磁性コレステリック液晶顔料粒子、干渉被覆顔料粒子からなる群から選択されることがより好ましい。
【0106】
[0105]磁性薄膜干渉顔料粒子は、当業者には知られており、たとえば米国特許第4,838,648号、国際公開第2002/073250号、欧州特許第0686675号、国際公開第2003/000801号、米国特許第6,838,166号、国際公開第2007/131833号、欧州特許第2402401号、国際公開第2019/103937号、国際公開第2020/006286号、及びこれらに引用される文書に開示されている。磁性薄膜干渉顔料粒子は、5層ファブリ・ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は6層ファブリ・ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は7層ファブリ・ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は1つ若しくは複数の多層ファブリ・ペロー構造を組み合わせた多層構造を有する顔料粒子を含むことが好ましい。
【0107】
[0106]好ましい5層ファブリ・ペロー多層構造は、吸収材/誘電体/反射材/誘電体/吸収材の多層構造からなり、反射材及び/又は吸収材は磁性層でもあり、反射材及び/又は吸収材は、ニッケル、鉄、及び/若しくはコバルト、並びに/又はニッケル、鉄、及び/若しくはコバルトを含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含む磁性層であることが好ましい。
【0108】
[0107]好ましい6層ファブリ・ペロー多層構造は、吸収材/誘電体/反射材/磁性体/誘電体/吸収材の多層構造からなる。
【0109】
[0108]好ましい7層ファブリ・ペロー多層構造は、米国特許第4,838,648号に開示されているものなどの吸収材/誘電体/反射材/磁性体/反射材/誘電体/吸収材の多層構造からなる。
【0110】
[0109]1つ又は複数のファブリ・ペロー構造を組み合わせた多層構造を有する好ましい顔料粒子は、国際公開第2019/103937号に記載されているものであり、少なくとも2つのファブリ・ペロー構造の組合せからなり、前記2つのファブリ・ペロー構造は、反射材層、誘電体層、及び吸収材層を独立して含み、反射材及び/若しくは吸収材層は各々1つ若しくは複数の磁性材料を独立して含むことができ、及び/又は磁性層は2つの構造間に挟まれる。国際公開第2020/006286号及び欧州特許出願公開第3587500号は、多層構造を有するさらに好ましい顔料粒子を開示している。
【0111】
[0110]本明細書に記載する反射材層は、金属及び金属合金からなる群から選択された1つ又は複数から独立して作られることが好ましく、そのような金属及び金属合金は、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金からなる群から選択され、より好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択され、さらにより好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択され、さらにより好ましくはアルミニウム(Al)である。誘電体層は、好ましくはフッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化セリウム(CeF)、フッ化ランタン(LaF)、フッ化アルミニウムナトリウム(たとえば、NaAlF)、フッ化ネオジム(NdF)、フッ化サマリウム(SmF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化リチウム(LiF)などの金属フッ化物、及び酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)などの金属酸化物からなる群から選択され、より好ましくはフッ化マグネシウム(MgF)及び二酸化ケイ素(SiO)からなる群から選択される1つ又は複数、さらにより好ましくはフッ化マグネシウム(MgF)から独立して作られる。吸収材層は、好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、これらの金属酸化物、これらの金属硫化物、これらの金属炭化物、及びこれらの金属合金からなる群から選択され、より好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、これらの金属酸化物、及びこられの金属合金からなる群から選択され、さらにより好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの金属合金からなる群から選択される1つ又は複数から独立して作られる。磁性層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含むことが好ましい。7層ファブリ・ペロー構造を含む磁性薄膜干渉顔料粒子が好ましいとき、磁性薄膜干渉顔料粒子は、Cr/MgF/Al/Ni/Al/MgF/Crの多層構造からなる7層ファブリ・ペロー吸収材/誘電体/反射材/磁気/反射材/誘電体/吸収材の多層構造を含むことが特に好ましい。
【0112】
[0111]本明細書に記載する磁性薄膜干渉顔料粒子は、人間の健康及び環境安全であると考えられる、たとえば5層ファブリ・ペロー多層構造、6層ファブリ・ペロー多層構造、及び7層ファブリ・ペロー多層構造に基づく多層顔料粒子であってもよく、前記顔料粒子は、約40重量%~約90重量%の鉄、約10重量%~約50重量%のクロム、及び約0重量%~約30重量%のアルミニウムを含む実質的にニッケルを含まない組成物を有する磁性合金を含む1つ又は複数の磁性層を含む。人間の健康及び環境にとって安全であると考えられる多層顔料粒子の典型的な例は、内容が全体として参照により本明細書に組み込まれている欧州特許第2402401号に見ることができる。
【0113】
[0112]本明細書に記載する磁性薄膜干渉顔料粒子は、典型的には、異なる必要な層のウエブへの従来の堆積技法によって製造される。たとえば物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、又は電解析出による所望の数の層の堆積後、好適な溶剤中に剥離層を溶解することによって、又はウエブから材料を剥がすことによって、層の積層体がウエブから除去される。次いで、そのようにして得られた材料は薄片に分解され、それらの薄片は、必要とされるサイズの顔料粒子を得るために、研削、ミリング(たとえば、ジェットミリングプロセスなど)、又は任意の好適な方法によってさらに処理されなければならない。その結果得られる生成物は、破損した縁部、不規則な形状、及び異なる縦横比を有する平坦な薄片からなる。好適な磁性薄膜干渉顔料粒子の準備に関するさらなる情報は、たとえば、内容が参照により本明細書に組み込まれている欧州特許出願公開第1710756号及び欧州特許出願公開第1666546号に見ることができる。
【0114】
[0113]光学的に可変の特性を呈する好適な磁性コレステリック液晶顔料粒子には、限定ではないが、磁性単分子層コレステリック液晶顔料粒子及び磁性多層コレステリック液晶顔料粒子が含まれる。そのような顔料粒子は、たとえば国際公開第2006/063926号、米国特許第6,582,781号、及び米国特許第6、531、221号に開示されている。国際公開第2006/063926号は、磁化可能性などの追加の特定の特性とともに高い輝度及び変色特性を有する単分子層及びそこから得られる顔料粒子を開示する。開示されている単分子層及び前記単分子層を粉砕することによってそこから得られる顔料粒子は、3次元に架橋されたコレステリック液晶混合物及び磁性ナノ粒子を含む。米国特許第6,582,781号及び米国特許第6,410,130号は、配列A/B/Aを含む小板状のコレステリック多層顔料粒子を開示しており、ここでA及びAは、同一であっても異なってもよく、各々少なくとも1つのコレステリック層を含み、Bは中間層であり、前記中間層に磁性を与える層A及びAによって透過される光のすべて又は一部を吸収する。米国特許第6、531、221号は、配列A/B及び任意選択でCを含む小板状のコレステリック多層顔料粒子を開示しており、ここでA及びCは磁性を与える顔料粒子を含む吸収層であり、Bはコレステリック層である。
【0115】
[0114]1つ又は複数の磁性材料を含む好適な干渉被覆顔料は、限定ではないが、1つ又は複数の層で被覆されたコアからなる群から選択される基板からなる構造を含み、コア又は1つ又は複数の層のうちの少なくとも1つが磁性を有する。たとえば、好適な干渉被覆顔料は、上述したものなどの磁性材料から作られたコアを含み、前記コアは1つ若しくは複数の金属酸化物から作られた1つ若しくは複数の層で被覆され、又は好適な干渉被覆顔料は、合成若しくは天然の雲母、層状ケイ酸塩(たとえば、タルク、カオリン、及び絹雲母)、ガラス(たとえば、ホウケイ酸ガラス)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、グラファイト、及びこれらの2つ以上の混合物から作られたコアからなる構造を有する。さらに、着色層などの1つ又は複数の追加の層が存在してもよい。
【0116】
[0115]本明細書に記載する磁性又は磁化可能顔料粒子は、コーティング組成物及びコーティング層内に生じうるあらゆる劣化からそれらの粒子を保護するために、並びに/又は前記コーティング組成物及びコーティング層内に組み込むことを容易にするために、表面処理されてもよく、典型的には、腐食防止材料及び/又は湿潤剤が使用されてもよい。
【0117】
[0116]本明細書に記載する方法は、X軸線及びY軸線の両方を基板(x20)表面に対して実質的に平行にするために、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を2軸線方向に配向するように、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させて第2の状態にするステップiii)とをさらに含む。本明細書では、「放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させる」とは、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子が採用された位置及び配向で固定/凍結され、どこへも移動及び回転することができないことを意味する(当技術分野では、粒子の「ピンニング」とも呼ばれる)。
【0118】
[0117]本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の集合(S1、S2、S3など)の棒状双極子磁石(x31)の最上面から前記磁気アセンブリの方を向いている基板(x20)の最下面までの距離(h)(たとえば、図2に示す)は、好ましくは約20mm未満且つ約2mm以上、より好ましくは約10mm以下且つ約4mm以上、さらにより好ましくは約7mm以下且つ約2mm以上である。
【0119】
[0118]一実施形態によれば、磁気アセンブリ(x00)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)を含む本明細書に記載する方法は、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)を使用する単一のステップからなる。本明細書に記載する方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させて、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定することを可能にするステップiii)を含み、少なくとも部分的に硬化させる前記ステップは、ステップii)と部分的に同時に実施されてもよく、又はステップii)に続いて実施されてもよい。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、静止デバイスであることが好ましい。本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、把持部を備えるベルト又は1つ若しくは複数の回転シリンダであることが好ましい。
【0120】
[0119]たとえば図5A図5Cに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、磁気アセンブリ(x00)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、次に小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を1軸線方向に再配向するように1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すさらなるステップとを含み、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましく、前記さらなるステップは、ステップii)に続いて実施される。本明細書に記載する方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)を含み、前記ステップは、小板状の磁性又は磁化可能粒子を1軸線方向に再配向するステップと部分的に同時に実施されてもよく、又は小板状の磁性又は磁化可能粒子を1軸線方向に再配向するステップに続いて実施されてもよいが、再配向する前記ステップと部分的に同時に実施されることが好ましい。国際公開第2015/086257号は、小板状の磁性又は磁化可能粒子を1軸線方向に再配向する次のステップも実施されるプロセスを開示している。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、静止デバイスであることが好ましい。図5A図5Cは前記方法を示し、磁場生成デバイスの1つ又は複数の磁石(M1)は、本明細書に記載する回転磁性シリンダ(560)に取り付けられており、コーティング層(510、図5Aには図示せず)を保持する基板(520)は、前記回転磁性シリンダ(560)に付随して動く。図5Aに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する磁気アセンブリ(500)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、把持部を備えるベルトであることが好ましい。図5B図5Cに示す別の実施形態によれば、本明細書に記載する磁気アセンブリ(500)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、1つ又は複数のシリンダ(570-a及び570-b)からなることが好ましい。
【0121】
[0120]図5Aに示す方法は、基板(520)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施することができるが、同じ方法が、コーティング層(510、図5Aには図示せず)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施されてもよい。
【0122】
[0121]たとえば図5Dに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)を含み、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい。本明細書に記載する方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)を含み、前記ステップは、ステップii)と部分的に同時に実施されてもよく、又はステップii)に続いて実施されてもよい。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は静止デバイスであることが好ましく、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、コーティング層(x10)を保持する基板(x20)に付随して動く。図5Dは前記方法を示し、磁場生成デバイスの磁石(M1)は、本明細書に記載する回転磁性シリンダ(560)に取り付けられており、コーティング層(510)を保持する基板(520)は、本明細書に記載する静止磁気アセンブリ(500)の近傍で前記回転磁性シリンダ(560)に付随して動く。前記実施形態によれば、本明細書に記載する磁気アセンブリ(500)は、本明細書に記載する回転磁性シリンダ(560)の近傍に取り付けられる。国際公開第2019/141452号及び国際公開第2019/141453号の図4は、硬磁性磁石(前記PCT出願のx30)が磁場生成デバイス(前記PCT出願のx40)と同時に使用されるプロセスを開示している。たとえば、図5Eに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、(選択的硬化ユニット(x80)で示す)任意選択的なさらなるステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載する第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含み、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい。本明細書に記載する方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)を含み、前記ステップは、ステップii)と部分的に同時に実施されてもよく、又はステップii)に続いて実施されてもよい。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00a及びx00b)は静止デバイスであることが好ましく、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、コーティング層(x10)を保持する基板(x20)に付随して動く。図5Eに示す方法は、基板(520)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施することができるが、同じ方法が、コーティング層(510、図5Eには図示せず)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施されてもよい。
【0123】
[0122]たとえば図5Dに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の磁場と、空隙及び/又はくぼみ及び/又は突起の形態で1つ又は複数の印を保持する1つ又は複数の軟磁性板(M1)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)を含み、前記軟磁性板は、回転磁性シリンダに取り付けられること、又は基板(x20)の下の可動デバイスに配置されることが好ましい。本明細書に記載する方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させて、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定することを可能にするステップiii)を含み、少なくとも部分的に硬化させる前記ステップは、ステップii)と部分的に同時に実施されてもよく、又はステップii)に続いて実施されてもよい。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は静止デバイスであることが好ましく、1つ又は複数の軟磁性板(M1)は、コーティング層(x10)を保持する基板(x20)に付随して動く。空隙及び/又はくぼみ及び/又は突起の形態で1つ又は複数の印を保持する好適な軟磁性板は、高い透磁率の1つ若しくは複数の金属、合金、若しくは化合物から作られ、又は非磁性材料中に分散した約25重量%~約95重量%の軟磁性粒子を含む複合物から作られ、重量パーセントは、軟磁性板の総重量に基づいており、国際公開第2018/033512号及び国際公開第2018/019594号に開示されている。国際公開第2018/033512号の図3は、磁場生成デバイス(前記PCT出願のx40)に加えて軟磁性板(前記PCT出願のx10)も使用されるプロセスを開示している。国際公開第2018/019594号の図4は、磁場生成デバイス(前記PCT出願のx60)に加えて軟磁性板(前記PCT出願のx50)も使用されるプロセスを開示している。前記実施形態によれば、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、1つ又は複数の回転シリンダであることが好ましい。たとえば図5Eに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、(選択的硬化ユニット(x80)で示す)任意選択的なさらなるステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載する第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、空隙及び/又はくぼみ及び/又は突起の形態で1つ又は複数の印を保持する1つ又は複数の軟磁性板(M1)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含み、前記軟磁性板は、回転磁性シリンダに取り付けられること、又は基板(x20)の下の可動デバイスに配置されることが好ましい。本明細書に記載する方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させて、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定することを可能にするステップiii)を含み、少なくとも部分的に硬化させる前記ステップは、ステップii)と部分的に同時に実施されてもよく、又はステップii)に続いて実施されてもよい。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00及びx00b)は静止デバイスであることが好ましく、1つ又は複数の硬軟磁性板(M1)は、コーティング層(x10)を保持する基板(x20)に付随して動く。図5Eに示す方法は、基板(520)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施することができるが、同じ方法が、コーティング層(510、図5Eには図示せず)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施されてもよい。
【0124】
[0123]たとえば図5A図5Cに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、磁気アセンブリ(x00)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、このステップii)に続いて、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、(選択的硬化ユニット(580)で示す)、さらなるステップと、さらに続いて、1つ又は複数の第2の区域内の小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を1軸線方向に再配向するように1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すステップとを含み、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい。本明細書に記載する方法は、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)を含み、前記ステップは、小板状の磁性又は磁化可能粒子を再配向するステップと部分的に同時に実施されてもよく、又は小板状の磁性又は磁化可能粒子を再配向するステップに続いて実施されてもよいが、再配向する前記ステップと部分的に同時に実施されることが好ましい。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は静止デバイスであることが好ましく、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、コーティング層(x10)を保持する基板(x20)に付随して動く。図5A図5Cは前記方法を示し、磁場生成デバイスの1つ又は複数の磁石(M1)は、本明細書に記載する回転磁性シリンダ(560)に取り付けられており、コーティング層(510、図5Aには図示せず)を保持する基板(520)は、本明細書に記載する静止磁気アセンブリ(500)の近傍で前記回転磁性シリンダ(560)に付随して動く。図5Aに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する磁気アセンブリ(500)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、把持部を備えるベルトであることが好ましい。図5B図5Cに示す別の実施形態によれば、本明細書に記載する磁気アセンブリ(500)は、本明細書に記載する移送デバイスの近傍に取り付けられており、前記移送デバイスは、1つ又は複数のシリンダ(570-a及び570-b)であることが好ましい。
【0125】
[0124]一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、磁気アセンブリ(x00)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、次に小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を1軸線方向に再配向するように1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すさらなるステップであり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60a)に取り付けられることが好ましく、前記さらなるステップがステップii)に続いて実施される、1軸線方向に再配向するさらなるステップと、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、(選択的硬化ユニット(x80)で示す)、さらなるステップと、さらに続いて、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すステップであり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60b)に取り付けられることが好ましい、ステップとを含む。1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0126】
[0125]一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、次に小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を1軸線方向に再配向するように1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すさらなるステップであり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60a)に取り付けられることが好ましく、前記さらなるステップがステップii)に続いて実施される、1軸線方向に再配向するさらなるステップと、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、(選択的硬化ユニット(x80)で示す)、さらなるステップと、さらに続いて、第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すステップであり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60b)に取り付けられることが好ましい、ステップとを含む。1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0127】
[0126]一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、このステップii)に続いて、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、本明細書に記載するものなどの第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒す単一のステップとを含み、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい。第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と磁場生成デバイスの磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。本明細書に記載する方法中、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)は静止デバイスであることが好ましく、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を含む磁場生成デバイスは、コーティング層(x10)を保持する基板(x20)に付随して動き、コーティング層(x10)を保持する基板(x20)は、本明細書に記載する静止磁気アセンブリ(x00)の近傍で前記回転磁性シリンダに付随して動く。
【0128】
[0127]一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップii)と、このステップii)に続いて、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、本明細書に記載するものなどの第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の軟磁性板の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒す単一のステップとを含む。磁気アセンブリ(x00b)の磁場と軟磁性板の磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0129】
[0128]たとえば図5Fに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)であり、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60a)に取り付けられることが好ましい、ステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すステップであり、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60b)に取り付けられることが好ましい、ステップとを含む。1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0130】
[0129]たとえば図5Fに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の軟磁性板(M1a)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒すステップとを含み、前記1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)は、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい。1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0131】
[0130]たとえば図5Gに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)であり、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60a)に取り付けられることが好ましい、ステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップであり、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60b)に取り付けられることが好ましい、ステップとを含む。第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0132】
[0131]たとえば図5Gに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)であり、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60a)に取り付けられることが好ましい、ステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の軟磁性板(M1b)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含む。第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と1つ又は複数の軟磁性板の磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0133】
[0132]たとえば図5Gに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の軟磁性板(M1a)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含み、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)は、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい。第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0134】
[0133]たとえば図5Gに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の第1の軟磁性板(M1a)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の第2の軟磁性板(M1b)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含む。第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と第2の軟磁性板の磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。
【0135】
[0134]たとえば図5Hに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、a)本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場の相互作用に放射線硬化性コーティング組成物を晒し、次いでb)単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)であり、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60a)に取り付けられることが好ましい、ステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第4の磁気アセンブリ(x00d)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)を備える第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップであり、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1b)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60b)に取り付けられることが好ましい、ステップとを含む。第4の磁気アセンブリ(x00c)の磁場と第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。図5Hに示す方法は、基板(520)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施することができるが、同じ方法が、コーティング層(510、図5Hには図示せず)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施されてもよい。
【0136】
[0135]たとえば図5Hに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、a)本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場の相互作用に放射線硬化性コーティング組成物を晒し、次いでb)単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)を備える第1の磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)であり、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1a)が、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい、ステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第4の磁気アセンブリ(x00d)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の軟磁性板(M1b)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含む。第4の磁気アセンブリ(x00d)の磁場と1つ又は複数の軟磁性板(M1b)の磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。この実施形態は図5Hに示されており、第2の磁場生成デバイスの磁石(M1b)が軟磁性板に置き換えられている。図5Hに示す方法は、基板(520)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施することができるが、同じ方法が、コーティング層(510、図5Hには図示せず)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施されてもよい。
【0137】
[0136]たとえば図5Hに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、a)本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場の相互作用に放射線硬化性コーティング組成物を晒し、次いでb)単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の軟磁性板(M1a)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第4の磁気アセンブリ(x00)の磁場と、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含み、1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、移送デバイスとしても作用する回転磁性シリンダ(x60)に取り付けられることが好ましい。第4の磁気アセンブリ(x00d)の磁場と第2の磁場生成デバイスの磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。図5Hに示す方法は、基板(520)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施することができるが、同じ方法が、コーティング層(510、図5Hには図示せず)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施されてもよい。
【0138】
[0137]たとえば図5Hに示す一実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、a)本明細書に記載する第1の磁気アセンブリ(x00a)の磁場の相互作用に放射線硬化性コーティング組成物を晒し、次いでb)単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第2の磁気アセンブリ(x00b)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の第1の軟磁性板(M1a)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップii)と、非球形の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部を採用された位置及び配向で固定するように、ステップii)の放射線硬化性コーティング組成物のコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させて、その結果、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されない、さらなるステップと、さらに続いて、第3の磁気アセンブリ(x00c)の磁場にコーティング層(x10)を晒すステップと、さらに続いて、単一のステップで、本明細書に記載するものなどの第4の磁気アセンブリ(x00d)の磁場と、本明細書に記載するものなどの1つ又は複数の第2の軟磁性板(M1b)の磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒すステップとを含む。第4の磁気アセンブリ(x00d)の磁場と1つ又は複数の第2の軟磁性板(M1b)の磁場との相互作用にコーティング層(x10)を配向するステップと部分的に同時に、又はこのステップに続いて、本明細書に記載する方法は、放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップを含む。この実施形態は図5Gに示されており、第1の磁場生成デバイスの磁石(M1a)及び第2の磁場生成デバイスの磁石(M1b)が軟磁性板に置き換えられている。図5Hに示す方法は、基板(520)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施することができるが、同じ方法が、コーティング層(510、図5Hには図示せず)が磁気アセンブリ(500)の方を向いた状態で実施されてもよい。
【0139】
[0138]本明細書に記載する1つ又は複数の硬磁性磁石(M1、M1a、M1b)は限定されるものではなく、たとえば双極子磁石、四重極磁石、及びこれらの組合せを含む。以下の硬磁性磁石は、例示として本明細書に提供される。
【0140】
[0139]フリップフロップ効果として知られている光学効果(当技術分野では、スイッチング効果とも呼ばれる)は、遷移部によって分離された第1の印刷部分及び第2の印刷部分を含み、顔料粒子は、第1の部分内で第1の面に平行に位置合わせされ、第2の部分内の顔料粒子は、第2の面に平行に位置合わせされる。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば米国特許出願公開第2005/0106367号及び欧州特許第1819525号に開示されている。
【0141】
[0140]米国特許出願公開第2005/0106367号に開示されているローリングバー効果として知られている光学効果がもたらされてもよい。「ローリングバー」効果は、コーティングにおいて湾曲面を模倣する顔料粒子の配向に基づいている。観察者は、画像が傾斜しているとき、観察者から離れる方又は観察者に向かう方へ動く鏡面反射区間を見る。顔料粒子は、湾曲して位置合わせされ、凸状の湾曲(当技術分野では、負の湾曲配向とも呼ばれる)又は凹状の湾曲(当技術分野では、正の湾曲配向とも呼ばれる)をたどる。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば欧州特許出願公開第2263806号、欧州特許第1674282号、欧州特許出願公開第2263807号、国際公開第2004/007095号、国際公開第2012/104098号、及び国際公開第2014/198905号に開示されている。
【0142】
[0141]ベネチアンブラインド効果として知られている光学効果がもたらされてもよい。ベネチアンブラインド効果は、特有の観察方向に沿って下にある基板表面に可視性を与え、別の観察方向に沿って可視性を妨害しながら、基板表面に存在する印又は他の特徴が観察者に明らかになるように、顔料粒子が配向されることを含む。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば米国特許第8,025,952号及び欧州特許第1819525号に開示されている。
【0143】
[0142]ムービングリング効果として知られている光学効果がもたらされてもよい。ムービングリング効果は、前記光学効果層の傾斜角に応じていずれかのxy方向に動くように見える漏斗、円錐、ボウル、円、長円、及び半球などの物体の光学的に錯覚の画像からなる。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば欧州特許出願公開第1710756号、米国特許第8,343,615号、欧州特許出願公開第2306222号、欧州特許出願公開第2325677号、国際公開第2011/092502号、米国特許出願公開第2013/084411号、国際公開第2014/108404号、及び国際公開第2014/108303号に開示されている。
【0144】
[0143]前記効果を傾斜させると明るい区域及び暗い区域のパターンが動く光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよい。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば国際公開第2013/167425号に開示されている。
【0145】
[0144]前記効果を傾斜させるとループ状体のサイズが変動する光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよい。これらの光学効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば国際公開第2017/064052号、国際公開第2017/080698号、及び国際公開第2017/148789号に開示されている。
【0146】
[0145]光学効果層を傾斜させると1つ又は複数のループ状体の形状が変動する光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよい。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば国際公開第2018/054819号に開示されている。
【0147】
[0146]傾斜させると三日月が移動及び回転する光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよい。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば国際公開第2019/215148号に開示されている。
【0148】
[0147]傾斜させるとループ状体のサイズ及び形状が変動する光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよい。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば同時係属の国際出願PCT2020/052862に開示されている。
【0149】
[0148]直交視差効果の光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよく、すなわちこの場合、基板が水平/緯度軸線の周りを傾斜しているときは、明るい反射性の縦棒が長手方向に動き、又は基板が長手方向軸線の周りを傾斜しているときは、水平/緯度方向に動く。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば同時係属の国際出願PCT/EP2020/052265に開示されている。
【0150】
[0149]1つのループ状体が1つ又は複数のループ状体によって取り囲まれる光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよく、傾斜させると前記1つ又は複数のループ状体の形状及び/又は明るさが変動する。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば同時係属の国際出願PCT/EP2020/054042に開示されている。
【0151】
[0150]基板が垂直/長手方向軸線の周りを傾斜しているときに、複数の暗いスポット及び複数の明るいスポットが斜め方向に移動及び/又は出現及び/又は消滅するだけでなく、基板が傾斜しているときにも、斜め方向に移動及び/又は出現及び/又は消滅する光学的印象を提供する光学効果がもたらされてもよい。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、たとえば同時係属の欧州特許第19205715.6号及び欧州特許第19205716.4号に開示されている。
【0152】
[0151]本明細書に記載する方法の実施形態の場合、本明細書に記載する磁気アセンブリ(x00)の磁場と、本明細書に記載する1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場との相互作用に、コーティング層(x10)を晒す単一のステップにおいて、非回転式磁場生成デバイスを使用することが好ましい。本明細書に記載する方法の実施形態の場合、本明細書に記載する1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)を備える磁場生成デバイスの磁場にコーティング層(x10)を晒す独立したステップにおいて、非回転式磁場生成デバイスが使用されても、回転式磁場生成デバイスが使用されてもよい。回転式磁場生成デバイスによって得られるムービングリング効果として知られている光学効果は、国際公開第2014/108404号及び国際公開第2014/108303号に開示されている。傾斜されると少なくとも1つの円形に動くスポット又は少なくとも1つの彗星状のスポットが前記回転中心の周りを回転する光学的印象を提供する、回転式磁場生成デバイスによって得られる光学効果は、たとえば国際公開第2019/038371号、国際公開第2019/063778号、及び国際公開第2019/038369号に開示されている。
【0153】
[0152]本明細書に記載する1つ又は複数の硬磁性磁石(M1)は、1つ又は複数の浮彫り、彫刻、又は切抜きを保持する磁性板を備えてもよい。国際公開第2005/002866号及び国際公開第2008/046702号は、そのような凹刻磁性板の例である。
【0154】
[0153]本明細書に記載する方法は、第1の液体状態にある放射線硬化性コーティング層(x10)を少なくとも部分的に硬化させて第2の状態にし、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定/凍結するステップiii)を含む。本明細書に記載する少なくとも部分的な硬化ステップiii)は、本明細書に記載する硬化ユニット(x50)を使用することによって実施される。本明細書に記載する実施形態の場合、コーティング層(x10)の1つ又は複数の第2の区域が照射に晒されないようにコーティング層(x10)の1つ又は複数の第1の区域を選択的に少なくとも部分的に硬化させるステップは、本明細書に記載する選択的硬化ユニット(x80)を使用することによって実施される。
【0155】
[0154]したがって、本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物が、コーティング組成物がまだ硬化しておらず湿っており、又は十分に柔らかく、したがって磁場に晒されると組成物及びコーティング層中に分散された小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子が自由に可動、回転可能、及び配向可能になる第1の状態、すなわち液体又はペースト状態と、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子がそれぞれの位置及び配向で固定又は凍結される第2の硬化(たとえば、固体又は固体状の)状態とを有していなければならないことは注目に値する。
【0156】
[0155]そのような第1及び第2の状態は、特定のタイプのコーティング組成物を使用することによって提供されることが好ましい。たとえば、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子以外の放射線硬化性コーティング組成物の構成要素は、セキュリティの用途で、たとえば紙幣の印刷に使用されるものなどのインク又はコーティング組成物の形態をとってもよい。上述した第1及び第2の状態は、たとえば電磁放射への曝露などの刺激に反応して粘性の増大を示す材料を使用することによって提供することができる。すなわち、流体接着材料が固められ又は固体化されるとき、前記接着材料は、第2の状態、すなわち固められた状態又は固体状態に変わり、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、現在の位置及び配向で固定され、接着材料内を移動又は回転することができなくなる。当業者には知られているように、基板などの表面に塗布されるインク又はコーティング組成物に含まれる成分及び前記インク又はコーティング組成物の物理特性は、インク又はコーティング組成物を基板表面へ転写するために使用されるプロセスの要件を満たさなければならない。その結果、本明細書に記載するコーティング組成物に含まれる接着材料は、典型的に、当技術分野で知られているものの中から選択され、インク又はコーティング組成物を塗布するために使用されるコーティング又は印刷プロセス及び選択された固めるプロセスに依存する。
【0157】
[0156]少なくとも部分的な硬化ステップiii)は、放射線硬化性コーティング組成物に含まれる接着剤並びに任意選択的な開始剤化合物及び/又は任意選択的な架橋化合物の化学反応を含む。そのような化学反応は、限定ではないが、紫外-可視光放射硬化(以下、UV-Vis硬化と呼ぶ)及び電子ビーム放射硬化(Eビーム硬化)を含む放射機構による化学反応の開始を含み、熱又はIR照射によって開始されてもよい。
【0158】
[0157]これらの技術は、非常に速い硬化プロセスをもたらすことが有利であり、したがって本明細書に記載するOELを含む物品の準備時間を劇的に減少させるため、放射硬化は本明細書に記載する方法中に実施され、UV-Vis光放射硬化がより好ましい。さらに、放射硬化には、硬化放射への曝露後にコーティング組成物の粘性のほぼ瞬時の増大をもたらし、したがって粒子のさらなる動きを最小にするという利点がある。その結果、磁性配向ステップ後の配向の損失を本質的に回避することができる。電磁スペクトルのUV又は青色部分の波長成分(典型的には、200nm~650nm、より好ましくは200nm~420nm)を有する化学線の影響下での光重合による放射硬化が特に好ましい。UV可視硬化のための機器は、化学線源として高出力発光ダイオード(LED)ランプ又はアーク放電ランプ、たとえば中圧水銀アーク(MPMA)又は金属蒸気アークランプを備えてもよい。
【0159】
[0158]したがって、本発明にとって好適な放射線硬化性コーティング組成物は、UV可視光放射によって硬化されうる放射線硬化性組成物(以下、UV-Vis硬化性と呼ぶ)又はEビーム放射によって硬化されうる放射線硬化性組成物(以下、EBと呼ぶ)を含む。本発明の1つの特に好ましい実施形態によれば、本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、UV-Vis硬化性のコーティング組成物である。
【0160】
[0159]本明細書に記載するUV-Vis硬化性コーティング組成物は、ラジカル硬化性化合物及びカチオン硬化性化合物からなる群から選択される1つ又は複数の化合物を含むことが好ましい。本明細書に記載するUV-Vis硬化性コーティング組成物は、複合システムであってもよく、1つ又は複数のカチオン硬化性化合物及び1つ又は複数のラジカル硬化性化合物の混合物を含んでもよい。カチオン硬化性化合物は、典型的には酸などのカチオン種を遊離させる1つ又は複数の光開始剤の放射による活性化を含むカチオン機構によって硬化され、それにより硬化を開始してモノマー及び/又はオリゴマーを反応及び/又は架橋させ、以てコーティング組成物を固める。ラジカル硬化性化合物は、典型的には1つ又は複数の光開始剤の放射による活性化を含むフリーラジカル機構によって硬化され、以てラジカルを生成し、それにより重合を開始してコーティング組成物を固める。本明細書に記載するUV-Vis硬化性コーティング組成物に含まれる接着剤を準備するために使用されるモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーに応じて、異なる光開始剤が使用されてもよい。フリーラジカル光開始剤の好適な例は、当業者には知られており、限定ではないが、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、α-アミノケトン、α-ヒドロキシケトン、ホスフィンオキシド、及びホスフィンオキシド誘導体、並びにこれらの2つ以上の混合物が含まれる。カチオン光開始剤の好適な例は、当業者には知られており、限定ではないが、オニウム塩、たとえば有機ヨードニウム塩(たとえば、ジアリールヨードニウム塩)、オキソニウム(たとえば、トリアリールオキソニウム塩)、及びスルホニウム塩(たとえば、トリアリールスルホニウム塩)、並びにこれらの2つ以上の混合物が含まれる。有用な光開始剤の他の例は、標準的な教本に見ることができる。効率的な硬化を実現するために、1つ又は複数の光開始剤とともに増感剤を含むことも有利となりうる。好適な光増感剤の典型的な例には、限定ではないが、イソプロピル-チオキサントン(ITX)、1-クロロ-2-プロポキシ-チオキサントン(CPTX)、2-クロロ-チオキサントン(CTX)、及び2,4-ジエチル-チオキサントン(DETX)、並びにこれらの2つ以上の混合物が含まれる。UV-Vis硬化性コーティング組成物に含まれる1つ又は複数の光開始剤は、好ましくは約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約1重量%~約15重量%の総量で存在し、重量パーセントは、UV-Vis硬化性コーティング組成物の総重量に基づいている。
【0161】
[0160]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、有機顔料粒子、無機顔料粒子、及び有機染料、及び/又は1つ若しくは複数の添加物からなる群から選択される1つ又は複数の着色成分をさらに含んでもよい。そのような添加物には、限定ではないが、粘性(たとえば、溶剤、増粘剤、及び界面活性剤)、粘稠性(たとえば、沈降防止剤、充填剤、及び可塑剤)、発泡特性(たとえば、消泡剤)、潤滑特性(ワックス、オイル)、UV安定性(光安定剤)、接着特性、帯電防止特性、貯蔵安定性(重合抑制剤)など、コーティング組成物の物理的、流動学的、及び化学的パラメータを調整するために使用される化合物及び材料が含まれる。本明細書に記載する添加物は、添加物の寸法のうちの少なくとも1つが1~1000nmの範囲内であるいわゆるナノ材料を含む、当技術分野で知られている量及び形状で、コーティング組成物に存在することができる。
【0162】
[0161]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、限定ではないが、粘性(たとえば、溶剤及び界面活性剤)、粘稠性(たとえば、沈降防止剤、充填剤、及び可塑剤)、発泡特性(たとえば、消泡剤)、潤滑特性(ワックス)、UV反応性及び安定性(光増感剤及び光安定剤)、及び接着特性など、組成物の物理的、流動学的、及び化学的パラメータを調整するために使用される化合物及び材料を含む、1つ又は複数の添加物をさらに含んでもよい。本明細書に記載する添加物は、粒子の寸法のうちの少なくとも1つが1~1000nmの範囲内であるいわゆるナノ材料の形状を含む、当技術分野で知られている量及び形状で、本明細書に記載するコーティング組成物に存在することができる。
【0163】
[0162]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、磁性材料(本明細書に記載する磁性又は磁化可能顔料粒子とは異なる)、発光性材料、導電性材料、及び赤外線吸収材料からなる群から選択される1つ若しくは複数のマーカ物質若しくはタガント及び/又は1つ若しくは複数の機械可読材料をさらに含んでもよい。本明細書では、「機械可読材料」という用語は、デバイス又は機械によって検出可能な少なくとも1つの特徴的な特性を呈する材料を指し、そのような材料は、その検出及び/又は認証のために特定の機器の使用によって前記コーティング又は前記コーティングを含む物品を認証するための方法を与えるように、コーティングに含むことができる。
【0164】
[0163]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、本明細書に記載する接着材料の存在下で存在するとき、本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子及び1つ又は複数の添加物を分散又は混合させ、したがって液体組成物を形成することによって準備されてもよい。存在するとき、1つ又は複数の光開始剤は、すべての他の成分の分散若しくは混合ステップ中に組成物に添加されてもよく、又は後の段階で、すなわち液体コーティング組成物の形成後に添加されてもよい。
【0165】
[0164]本発明は、本明細書に記載する基板(x20)に光学効果層(OEL)を作製するための本明細書に記載する方法及び本明細書に記載する印刷装置を提供する。
【0166】
[0165]本明細書に記載する光学効果層(OEL)のコーティング層(x10)の形状は、連続であっても不連続であってもよい。一実施形態によれば、コーティング層(x10)の形状は、1つ又は複数の印、ドット、及び/又は線を表す。コーティング層(x10)の形状は、空いた区域によって互いから隔置された線、ドット、及び/又は印からなってもよい。
【0167】
[0166]本明細書に記載する基板(x20)は、紙又は他の繊維性材料(織布及び不織布の繊維性材料を含む)、たとえばセルロース、紙含有材料、ガラス、金属、セラミック、プラスチック及びポリマー、金属化プラスチック又はポリマー、複合材料、並びにこれらの2つ以上の混合物又は組合せからなる群から選択されることが好ましい。典型的な紙、紙状、又は他の繊維性材料は、限定ではないがアバカ、綿、リネン、木材パルプ、及びこれらの混合物を含む様々な繊維から作られる。当業者にはよく知られているように、綿及び綿/リネン混合物は紙幣に好ましく、木材パルプは紙幣以外のセキュリティ文書で一般に使用される。プラスチック及びポリマーの典型的な例には、ポリオレフィン、たとえばポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)が含まれ、これには2軸線方向に配向されたポリプロピレン(BOPP)、ポリアミド、ポリエステル、たとえばポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6-ナフトエート)(PEN)、及びポリ塩化ビニル(PVC)が含まれる。タイベック(Tyvek)(登録商標)の商標で販売されているものなどのスパンボンドオレフィン繊維が、基板として使用されてもよい。金属化プラスチック又はポリマーの典型的な例には、表面上に金属が連続して又は不連続に配置されている上述したプラスチック又はポリマー材料が含まれる。金属の典型的な例には、限定ではないが、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、これらの合金、及び上述した金属の2つ以上の組合せが含まれる。上述したプラスチック又はポリマー材料の金属化は、電着プロセス、高真空コーティングプロセス、又はスパッタリングプロセスによって行われてもよい。複合材料の典型的な例には、限定ではないが、上述したものなどの紙及び少なくとも1つのプラスチック又はポリマー材料の多層構造又は積層体、並びに上述したものなどの紙状又は繊維性材料に組み込まれたプラスチック及び/又はポリマー繊維が含まれる。当然ながら、基板は、充填剤、のり剤、漂白剤、加工助剤、強化剤、又は湿潤補強剤など、当業者には知られているさらなる添加物を含むことができる。本発明によって作製されるOELが、たとえばフィンガーネイルラッカーを含む装飾又は美容の目的で使用されるとき、前記OELは、動物又は人間の爪、人工爪、又は他の部分を含む他のタイプの基板にもたらされてもよい。
【0168】
[0167]本発明によって作製されたOELがセキュリティ文書上に位置する場合、前記セキュリティ文書の偽造及び違法複製に対するセキュリティレベル及び抵抗をさらに増大させる目的で、基板は、印刷、コーティング、又はレーザマーク、又はレーザ穿孔された印、透かし、セキュリティスレッド、ファイバ、プランシェット、発光性化合物、窓、箔、デカール、及びこれらの2つ以上の組合せを備えてもよい。セキュリティ文書の偽造及び違法複製に対するセキュリティレベル及び抵抗をさらに増大させるという同じ目的で、基板は、1つ又は複数のマーカ物質若しくはタガント及び/又は機械可読物質(たとえば、発光性物質、UV/可視光/IR吸収物質、磁性物質、及びこれらの組合せ)を備えてもよい。
【0169】
[0168]所望される場合、ステップa)の前に基板にプライマー層を付加してもよい。これにより、本明細書に記載するOELの品質を強化し、又は接着性を高めることができる。そのようなプライマー層の例は、国際公開第2010/058026号に見ることができる。
【0170】
[0169]汚損に対する耐久性又は耐薬品性及び清浄性、したがって本明細書に記載する方法によって得られるOELを備える物品、セキュリティ文書、又は装飾用要素若しくは物品の循環寿命を増大させる目的で、或いは審美的な外観(たとえば、光沢)を修正する目的で、OELの上に1つ又は複数の保護層を付加してもよい。存在するとき、1つ又は複数の保護層は、典型的に、保護ワニスから作られる。保護ワニスは、放射線硬化性組成物、熱乾燥組成物、又はこれらの任意の組合せとしてもよい。1つ又は複数の保護層は、好ましくは放射線硬化性組成物、より好ましくはUV-Vis硬化性組成物である。保護層は、典型的に、OELの形成後に付加される。
【0171】
[0170]本明細書に記載する光学効果層(OEL)又は1つ若しくは複数の光学効果層(OEL)を備える基板(x20)は、たとえば圧力を加えることによってさらにエンボス加工されてもよい。
【0172】
[0171]本明細書に記載する光学効果層(OEL)は、本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップに続いて、1つ又は複数の印刷パターン又はセキュリティ特徴を形成するために、1つ又は複数のインク又はコーティング組成物によって少なくとも部分的にさらに重ね刷りされてもよい。
【0173】
[0172]本発明は、本明細書に記載する方法及び/又は本明細書に記載する印刷装置の使用によって作製される光学効果層(OEL)をさらに提供する。文書及び物品における偽造防止手段(言い換えれば、文書及び物品の保護及び認証)並びに装飾目的のための本明細書に記載するOELの使用もまた、本明細書に記載される。
【0174】
[0173]本明細書に記載するOELは、基板に直接設けられてもよく、基板上に恒久的に留まるものとする(紙幣用途など)。別法として、光学効果層は、作製目的で一時的な基板に設けられてもよく、後にOELは基板から除去される。たとえばこれにより、特に接着材料が依然として流体状態にある間でも、光学効果層(OEL)の作製を容易にすることができる。その後、OELの作製のためにコーティング組成物を固めた後、一時的な基板がOELから除去されてもよい。
【0175】
[0174]別法として、別の実施形態では、接着剤層がOELに存在してもよく、又はOELを含む基板に存在してもよく、前記接着剤層は、基板のうちOELが設けられている側とは反対側に位置しても、OELと同じ側でOELの上に位置してもよい。したがって、接着剤層は、OELに付加されても基板に付加されてもよく、前記接着剤層は、硬化ステップが完了した後に付加される。そのような物品は、機械及び非常に大きな労力を必要とする印刷又は他のプロセスなしに、あらゆる種類の文書又は他の物品又は品物に取り付けられてもよい。別法として、本明細書に記載するOELを含む本明細書に記載する基板は、別個の転写ステップで文書又は物品に付加することができる転写箔の形態であってもよい。この目的で、基板に剥離コーティングが提供され、その剥離コーティング上に、本明細書に記載するようにOELが作製される。そのように作製された光学効果層の上に1つ又は複数の接着剤層が付加されてもよい。
【0176】
[0175]本明細書に記載する方法によって得られる2つ以上、すなわち2つ、3つ、4つなどの光学効果層(OEL)を備える基板もまた、本明細書に記載される。
【0177】
[0176]本発明によって作製された光学効果層(OEL)を備える物品、特にセキュリティ文書、装飾用要素又は物体もまた、本明細書に記載される。物品、特にセキュリティ文書、装飾用要素又は物体は、本発明によって作製される2つ以上(たとえば、2つ、3つなど)のOELを備えてもよい。
【0178】
[0177]上述したように、本発明によって作製されるOELは、装飾目的並びにセキュリティ文書の保護及び認証のために使用されてもよい。
【0179】
[0178]装飾用要素又は物体の典型的な例には、限定ではないが贅沢品、化粧品の包装、自動車部品、電子/電気機器、家具、及びフィンガーネイル物品が含まれる。
【0180】
[0179]セキュリティ文書には、限定ではないが、有価文書及び有価商品が含まれる。有価文書の典型的な例には、限定ではないが、紙幣、証書、チケット、小切手、商品券、収入印紙及び税額ラベル、合意書など、身分証明書、たとえばパスポート、身分証明カード、ビザ、運転免許証、銀行カード、クレジットカード、トランザクションカード、アクセス文書又はカード、入場券、公共輸送機関の切符、大学卒業証書又は称号など、好ましくは紙幣、身分証明書、権利付与文書、運転免許証、及びクレジットカードが含まれる。「有価商品」という用語は、特に化粧品、機能性食品、医薬品、アルコール、タバコ物品、飲料又は食品、電気/電子物品、布、又は宝石類向けの包装材料、すなわちたとえば本物の薬物などの包装の内容を保証するために偽造及び/又は違法複製から保護する物品を指す。これらの包装材料の例には、限定ではないが、ラベル、たとえば認証ブランドラベル、改ざん保護ラベル及びシールが含まれる。開示する基板、有価文書、及び有価商品は、本発明の範囲を限定するものではなく、例示のみを目的として与えられることが指摘される。
【0181】
[0180]別法として、本明細書に記載する光学効果層(OEL)は、たとえばセキュリティスレッド、セキュリティストリップ、箔、デカール、窓、又はラベルなどの補助基板に作製されてもよく、その結果、別個のステップでセキュリティ文書に転写されてもよい。
【0182】
[0181]本発明の精神から逸脱することなく、上述した特有の実施形態に対するいくつかの修正が、当業者には想到されよう。そのような修正も本発明に包含される。
【0183】
[0182]さらに、本明細書全体にわたって参照したすべての文献は、本明細書に完全に記載された場合と同様に、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0184】
[0183]実施例及び比較例は、表1に示す化学式のUV-Vis硬化性スクリーン印刷インク並びに後述する第1及び第2の磁気アセンブリを使用することによって実施した。
【表1】

本発明による磁気アセンブリ(図2A
【0185】
[0184]第1の面に実質的に平行な配向で基板(220)を受け取るように構成された磁気アセンブリ(200)を使用して、本発明による顔料粒子を2軸線方向に配向した。磁気アセンブリ(200)は、a)第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む第1の集合(S1)、並びに第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)を含む第2の集合(S2)と、b)第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(233及び233)とを備えていた。
【0186】
[0185]第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(231)の最上面、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(232及び232)の最上面、並びに第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(233及び233)の最上面が、互いに同一面上に位置した。
【0187】
[0186]第3の棒状双極子磁石(233)は、1本の線を形成するように、第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232)及び第2の集合(S2)の第2の棒状双極子磁石(232)と位置合わせした。第3の棒状双極子磁石(233)は、1本の線を形成するように、第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232)及び第2の集合(S2)の第2の棒状双極子磁石(232)と位置合わせした。本明細書に記載する各線に対して、第3の棒状双極子磁石(233及び233)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232)は、2mmの第3の距離(d3)だけ隔置させた。
【0188】
[0187]第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(231)は、5mmの第1の厚さ(L1)、60mmの第1の長さ(L4)、及び40mmの第1の幅(L5)という寸法を有した。第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(232及び232)の各々は、10mmの第2の厚さ(L2)、40mmの第2の長さ(L6)、及び10mmの第2の幅(L7)という寸法を有した。第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(233及び233)の各々は、10mmの第3の厚さ(L3)、20mmの第3の長さ(L8)、及び10mmの第3の幅(L9)という寸法を有した。
【0189】
[0188]第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(231)及び第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232及び232)を、列を形成するように位置合わせし、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(231)及び第2の集合(S2)の第2の棒状双極子磁石(232及び232)を、列を形成するように位置合わせした。本明細書に記載する各集合(S1、S2)及び各列に対して、第1の棒状双極子磁石(231)及び2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)は、2mmの第2の距離(d2)だけ隔置させた。
【0190】
[0189]第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(231)は、第1の面及び基板(220)に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有し、第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(231)は、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(231)の磁気方向とは反対の磁気方向を有し、24mmの第1の距離(d1)(第3の長さ(L8)及び2つの第3の距離(d3)の和に対応する)だけ隔置させた。
【0191】
[0190]第1及び第2の集合(S1、S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(232及び232)は、第1の面及び基板(220)に実質的に直交するように配向された磁軸線を有した。第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232)のS極は、第1の面及び基板(220)を指し、第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232)のN極は、第1の面及び基板(220)を指し、第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(231)のN極は、第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232)を指した。第2の集合(S2)の第2の棒状双極子磁石(232)のN極は、第1の面及び基板(220)を指し、第2の集合(S2)の第2の棒状双極子磁石(232)のS極は、第1の面及び基板(220)を指し、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(231)のN極は、第2の集合(S2)の第2の棒状双極子磁石(232)を指した。
【0192】
[0191]第3の棒状双極子磁石(233)のS極は、第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232)を指し、前記第2の棒状双極子磁石(232)のS極は、基板(220)を指し、第3の棒状双極子磁石(233)のN極は、第1の集合(S1)の第2の棒状双極子磁石(232)を指し、前記第2の棒状双極子磁石(232)のN極は、基板(220)を指した。
【0193】
[0192]第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(231)、第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(232及び232)、及び第1の対(P1)の第3の棒状双極子磁石(233及び233)は、NdFeB N42から作られ、115mm×115mm×12mmという寸法を有するポリオキシメチレン(POM)から作られた非磁性支持マトリックス(図示せず)に埋め込まれた。
【0194】
[0193]第1及び第2の集合(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(231)は、第1の面及び基板(220)に実質的に平行になるように配向された磁軸線を有し、第1の集合(S1)の第1の棒状双極子磁石(231)は、第2の集合(S2)の第1の棒状双極子磁石(231)の磁気方向とは反対の磁気方向を有し、24mmの第1の距離(d1)だけ隔置させた。
従来技術による磁気アセンブリ(図6A図6B
【0195】
[0194]第1の面に実質的に平行な配向で基板(620)を受け取るように構成された比較磁気アセンブリ(600)を使用して、顔料粒子を2軸線方向に配向した。前記比較磁気アセンブリ(600)は、欧州特許出願公開第2157141号の図5による互い違いに配置された4つの棒状双極子磁石(632a~d)を備えていた。4つの棒状双極子磁石(632a~d)は、上述した第1及び第2の集合(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(232及び232)と同一であり、互い違いに配置され、距離(e1)は60mmであり、距離(e2)は約40mmであった。
サンプルE1及び比較サンプルC1(図7A
【0196】
[0195]各サンプルに対して、表1のUV-Vis硬化性スクリーン印刷インクを1枚の信用紙幣(LouisenthalからのBNP紙、100g/m、60mm×60mm)に塗布してコーティング層(40mm×40mm)を形成し、前記塗布ステップは、T90スクリーンを使用する実験用スクリーン印刷デバイスによって実施し、約20μmの厚さを有するコーティング層を形成した。
【0197】
[0196]コーティング層が依然として湿っておりまだ硬化していない状態にある間、高密度ポリエチレン(HDPE)から作られた支持板(100mm×100mm)の中心に基板(220、620)を配置した。基板(220、620)及びコーティング層を保持する支持板を、
i)サンプルE1に関して図2Aに示す磁気アセンブリ(200)、
ii)比較サンプルC1に関して図6Aに示す磁気アセンブリ(600)
の上において約50cm/秒の速度で独立して動かし、基板(220、620)は磁気アセンブリ(200、600)に面しており、磁気アセンブリ(200、600)の最上面と基板(220、620)との間の距離(h)は2mmであった。
【0198】
[0197]磁気アセンブリ(200、600)から約20cmの距離(d5)をあけて基板(220、620)及びコーティング層を保持する支持板を動かした後、PhoseonからのUV-LEDランプ(250、650)(Type FireFlex 50×75mm、395nm、8W/cm2)に約0.5秒間曝露させて、コーティング層を独立して硬化させた。
【0199】
[0198]本発明による磁気アセンブリ(200)によって得られたその結果の光学効果層を図7A(左)に示し、比較磁気アセンブリ(600)によって得られたその結果の光学効果層を図7A(右)に示す。図7Aに示すように、本発明のプロセスによって準備されたサンプルは均質な層から構成されたのに対して、比較サンプルには、基板(620)の運動に平行にサンプルの縁部に沿って、より明るい帯域及びより暗い帯域(破線の長方形内の区域)が存在した。
サンプルE2及び比較サンプルC2(図7B
【0200】
[0199]サンプルE2及び比較サンプルC2は、基板(220、620)及びコーティング層を保持する支持板を硬化ステップ前に磁気アセンブリ(200、600)の上で3回(前/後ろ/前)動かしたことを除いて、E1及びC1に関して上述した方法によって準備した。
【0201】
[0200]本発明による磁気アセンブリ(200)によって得られたその結果の光学効果層を図7B(左)に示し、比較磁気アセンブリ(600)によって得られたその結果の光学効果層を図7B(右)に示す。図7Bに示すように、本発明のプロセスによって準備されたサンプルは均質な層から構成されたのに対して、比較サンプルには、基板(620)の運動に平行にサンプルの縁部に沿って、より明るい帯域及びより暗い帯域(破線の長方形内の区域)が存在した。
サンプルE3及び比較サンプルC3(図7C
【0202】
[0201]サンプルE3及び比較サンプルC3は、磁気アセンブリ(200、600)の最上面と基板(220、620)との間の距離(h)が2mmではなく5mmであったことを除いて、E2及びC2に関して上述した方法によって準備した。距離(h)の増大を使用して産業プロセスを模倣しており、産業プロセスでは従来、前記産業プロセス中に基板のシート又はウエブを定位置で保持するために把持部が使用される。
【0203】
[0202]本発明による磁気アセンブリ(200)によって得られたその結果の光学効果層を図7C(左)に示し、比較磁気アセンブリ(600)によって得られるその結果の光学効果層を図7C(右)に示す。図7Cに示すように、本発明のプロセスによって準備されたサンプルは均質な層から構成されたのに対して、比較サンプルには、基板(620)の運動に平行にサンプルの縁部に沿って2つのより明るい帯域及び2つのより暗い帯域(破線の長方形内の区域)が存在した。
【0204】
[0203]図7A図7C(左)に示すように、本発明による磁気アセンブリ(200)を用いて本発明の方法によって準備された光学効果層(OEL)(E1~E3)は、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の最適の2軸線方向の配向のために、均質な態様を呈した。特に、X軸線及びY軸線の両方を基板表面に実質的に平行にするための小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の改善された2軸線方向の配向により、表面全体にわたってシート状の表面を呈する光学効果層を作製することが可能になった。図7A図7C(右)に示すように、比較磁気アセンブリ(600)を用いて従来技術の比較方法によって準備された光学効果層(C1~C3)は、均質でない態様を呈した。
【0205】
[0204]図7A(左)に示すように、本発明の磁気アセンブリ(200)上の単一の通過は、均質な光学効果層の準備を可能にした。図7B(左)に示すように、本発明の磁気アセンブリ(200)上の通過の増大もまた、均質な光学効果層の準備を可能にした。図7C(左)に示すように、磁気アセンブリ(200)と基板(220)との間の距離(h)の増大はそれでもなお、均質な光学効果層の準備を可能にしたが、同じ距離(h)の増大は、比較磁気アセンブリを使用する比較方法によって得られた光学効果層の光学的外観にさらなる負の影響を与えた。
図1
図2A
図2B1
図2B2
図2B3
図2C1
図2C2
図2C3
図2D1
図2D2
図2D3
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】