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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】リネンスプレッダ装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 67/04 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
D06F67/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571125
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2021061106
(87)【国際公開番号】W WO2021239368
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】PA202070333
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501430803
【氏名又は名称】イェンセン・デンマーク・アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルンディト,モルテン
(57)【要約】
本発明は、機械方向(MD)を決定するコンベヤ(30)と、前記機械方向(MD)に直交する方向に互いに接近するように移動可能、かつリネン片(L)を広げるために互いに離れるように移動可能な一対のスプレッダクランプ(20)と、リネン片(L)の先頭部分(L1)のそれぞれの角部(C)を前記スプレッダクランプ(12、12’)のそれぞれに送る少なくとも1つの充電ステーションと、広げられたリネン片(L)を当該少なくとも一対のスプレッダクランプ(20)から当該コンベヤ(30)に移送するための移送ビーム(70)であって、当該移送ビーム(70)は、先端部(72)及び後端部(74)を有し、前進位置と後退位置との間で当該機械方向(MD)に前後に移動するように配置され、当該移送ビーム(70)の当該先端部(72)は、当該前進位置において当該スプレッダクランプ(20)の下方の領域に配置され、当該移送ビーム(70)は、移送ビーム(70)が当該前進位置から当該後退位置に向かって移動するときに当該リネン片(L)の一部に一時的に保持されるように構成される、移送ビームと、当該移送ビーム(70)の当該先端部(72)と当接面(F)との間に当該リネン片(L)の一部を保持するための当該当接面(F)を有する細長い横当接構造体(50)と、当該リネン片(L)が当該スプレッダクランプ(22)から解放されるときに当該リネン片(L)の当該先頭部分(L1)を当該移送ビーム(70)上に導くための加圧空気出口(4)と、を含み、当該移送ビーム(70)は本体(76)を含み、当該先端部(72)は当該本体(76)との間で移動可能である、リネンスプレッダ装置に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械方向(MD)を決定するコンベヤ(30)と、
前記機械方向(MD)に対して横方向に互いに接近するように移動可能、かつリネン片(L)を広げるために互いに離れるように移動可能な一対のスプレッダクランプ(22)と、
少なくとも1つの充電ステーション(10)であって、各充電ステーション(10)は、リネン片(L)の先頭部分(L1)のそれぞれの角部(C)を前記スプレッダクランプ(22)のそれぞれに送る少なくとも1つの充電ステーションと、
前記機械方向(MD)に対して横方向に延在し、広げられたリネン片(L)を前記一対のスプレッダクランプ(22)から前記コンベヤ(30)に移送するための細長い移送ビーム(70)であって、前記移送ビーム(70)は、先端部(72)を有し、前進位置と後退位置との間で前記機械方向(MD)と平行に前後に移動するように配置され、前記移送ビーム(70)の前記先端部(72)は、前記前進位置において前記スプレッダクランプ(22)の下方の領域に配置され、前記移送ビーム(70)は、前記移送ビーム(70)が前記前進位置から前記後退位置に向かって移動するときに前記リネン片(L)の一部に一時的に保持されるように構成される細長い移送ビームと、
前記機械方向(MD)に対して横方向に延在し、前記移送ビーム(70)の前記先端部(72)と当接面(F)との間に前記リネン片(L)の一部を保持するための前記当接面(F)を有する当接構造体(50)と、
前記リネン片(L)が前記スプレッダクランプ(22)から解放されるときに前記リネン片(L)の前記先頭部分(L1)を前記移送ビーム(70)上に導くための加圧空気出口(4)と、を含み、
前記移送ビーム(70)は、本体(76)を有し、
前記先端部(72)は、前記本体(76)との間で移動可能であることを特徴とするリネンスプレッダ装置(1)。
【請求項2】
前記移送ビーム(70)は、前記先端部(72)を前記本体(76)との間で移動させるための1つ以上のアクチュエータを含む請求項1に記載のリネンスプレッダ装置(1)。
【請求項3】
第1の位置と第2の位置との間で移動可能な1つ以上のゲート(55、56)を有し、前記ゲート(55、56)は前記第1の位置における前記当接面(F)の一部を決定し、移動可能な前記ゲート(55、56)は、1つ以上の前記空気出口(4)を含む請求項1又は2に記載のリネンスプレッダ装置(1)。
【請求項4】
前記充電ステーションは一対のフィーダクランプ(12、12’)を含み、前記一対のフィーダクランプ(12、12’)は、前記リネン片(L)の先頭部分(L1)の角部(C)を前記スプレッダクランプ(22)に送り、前記第2の位置は、前記フィーダクランプ(12、12’)によって前記リネン片(L)が、経路(P)に沿って前記リネンスプレッダ装置(11)のハウジング(H)内へ移動するのを可能にし、前記第1の位置は、前記経路(P)を遮断する請求項3に記載のリネンスプレッダ装置(1)。
【請求項5】
前記移送ビーム(70)は、真空によって、又はクランプ構造体(80)、好ましくは前記移送ビーム(70)の後端部(74)に配置された細長いクランプ構造体(80)によって、一時的に保持されるように構成されている請求項1から4のいずれか一項に記載のリネンスプレッダ装置。
【請求項6】
前記先端部(72)は、前記本体(76)から離れた位置に向かって付勢され、前記機械方向(MD)とは反対の前記本体(76)の移動は、前記先端部(72)を前記付勢に抗して前記本体(76)に隣接する位置に移動させ、前記リネンスプレッダ装置(1)は、前記移送ビーム(70)が前記後退位置に向かって移動している間に、前記本体(76)に隣接する位置に前記先端部(72)を一時的にロックするためのロックを含む請求項1から5のいずれか一項に記載のリネンスプレッダ装置(1)。
【請求項7】
前記一対のスプレッダクランプ(22)を複数含む請求項1から6のいずれか一項に記載のリネンスプレッダ装置(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のリネンスプレッダ装置(1)を動作させる方法であって、
前記リネン片(L)の前記先頭部分(L1)の前記角部(C)を前記充電ステーション(10)の前記フィーダクランプ(12、12’)に位置決めするステップと、
前記角部(C)のそれぞれ1つを前記スプレッダクランプ(22)のそれぞれ1つに送るステップと、
前記先端部(72)を前記本体(76)との間で移動させるステップと、
前記先端部(72)と前記当接面(F)との間に前記リネン片(L)の一部を保持するために、前記先端部(72)の前進位置に前記移送ビーム(70)を移動させるステップと、
前記リネン片(L)を前記スプレッダクランプ(22)から解放するステップと、
前記ゲート(55、56)の前記空気出口(4)から任意選択的に空気を排出するステップと、
前記移送ビーム(70)を前記前進位置から前記後退位置に向かって移動させながら、前記リネン片(L)の一部を前記移送ビーム(70)の上面上に一時的に保持するステップと、
を含むリネンスプレッダ装置(1)を動作させる方法。
【請求項9】
前記移送ビーム(70)が前記後退位置に到達する前に、前記先端部(72)を前記本体(76)に隣接する位置に移動させるステップを含む請求項8に記載のリネンスプレッダ装置(1)を動作させる方法。
【請求項10】
請求項3に規定の装置に依存する場合、1つ以上の前記ゲート(55、56)が前記第2の位置にある状態で、前記フィーダクランプ(12、12’)によって前記リネン片(L)を経路(P)に沿って前記リネンスプレッダ装置(11)のハウジング(H)内に移動させ、次いで、1つ以上の前記ゲート(55、56)を前記第1の位置に移動させる初期ステップを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載のリネンスプレッダ装置(1)を動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リネンスプレッダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リネンスプレッダ装置では、2つのスプレッダクランプから吊り下げられ、広げられたリネン片をコンベヤの移動面へ移送することは、コンベヤ表面が移動する方向に対して横方向に延在し、移動する移送ビームを使用して行われることが多い。コンベヤ表面が移動する方向は、装置の機械方向と呼ぶことができる。
【0003】
移送ビームは、前進位置と完全後退位置との間で前述の機械方向に移動するように配置される。前進位置では、移送ビームの先端部は、2つのスプレッダクランプの下方の領域に位置する。移送ビームがこの位置にあるとき、スプレッダクランプは、吊り下げられたリネン片の角部の把持を解放するように制御され、それによって、リネン片の先頭部分は、横方向に向けられた空気の吹き出しを同時に加えることによって、移送ビームの上面上に平らに置かれるように落下する。
【0004】
移送ビームは、移送ビームが前進位置から、移送ビームの先端部が移動コンベヤ表面の上方にある完全後退位置まで機械方向に移動されるときに、リネン片の先頭部分を一時的に保持するように構成される。この移動により、リネン片の更なる部分がコンベヤの移動面と接触する。先頭部分の一時的な保持は、移送ビームがその完全後退位置に達する前に解放され、それによってリネン片の先頭部分が移送ビームから滑り落ち、移動するコンベヤ表面上に落下する。この摺動が起こるために、移送ビームは加速されるか、さもなければリネン片の先頭部分から離れるように移動される。次いで、リネン片の残りの部分は、移動するコンベヤ表面によってコンベヤ上に引き出される。
【0005】
次いで、リネン片は、更なる処理のためにコンベヤによって前方に移動され、コンベヤ表面上に広げられて平らに置かれ、移送ビームはその前進位置に向かって戻る。
【0006】
本発明は、リネン片が上述のコンベヤによってアイロンローラに供給される洗濯された洗濯物である産業用洗濯物の状況において特定の用途を見出すことができるが、本発明はまた、リネン片がリネン片を折り畳むためのフォルダに直接供給される場合などの他の用途も見出すことができる。本明細書で使用されるリネンという用語は、タオル、ベッドシート及び他の布地に適用されるが、これらに限定されない。
【0007】
上述のように動作する装置の例は、米国特許第4,299,521号、国際公開第2009/076,958号、特開平8-324858号、国際公開第2007/134,601号及び日本特許第4,358,820号に開示されており、これらの最後の2つは、各々が一対のフィーダクランプを含む充電ステーションの例も開示しており、各フィーダクランプは、リネン片の一方の角部を2つのスプレッダクランプのそれぞれに送達する。本発明は、国際公開第2005/049,911号又は国際公開第2016/162,334号に開示されているような、リネン片の2つの角部を2つのスプレッダクランプのそれぞれに送達するように構成された任意のタイプの充電ステーションと共に使用することができる。
【0008】
いくつかの既知の装置では、特開平8-324858号及び国際公開第2009/076,958号に開示されているように、移送ビームは、吸引によって洗濯物の先頭部分を一時的に保持する。あるいは、移送ビームは、この目的のために、日本特許第4,358,820号に示されているように、移送ビームの後端部の長さに沿って配置された一連のクランプ装置を含むことができる。
【0009】
日本特許第4,358,820号では、移送ビームは、その前進位置において、移送ビームの先端部と当接構造体によって画定された当接面との間にリネン片の一部が保持されるように配置されている。この時点で、スプレッダクランプはリネン片の角部の把持を解放し、加圧空気が加えられて、リネン片の解放された先頭部分を移送ビームの上面上に前方に導く。次いで、移送ビームのクランプ装置を作動させて、リネン片の先頭部分を一時的に保持し、移送ビームを当接面から機械方向に離し、クランプ装置が先頭部分を解放することにより、リネン片は最終的に完全に運ばれ、コンベヤによって前進する。
【0010】
理解され得るように、このリネン移送のために、一般に、リネン片がコンベヤ表面上に折り畳みなく平らに置かれることが必要とされる。しかしながら、時折、スプレッダクランプは、リネン片の角部でリネン布地の非常に大きな部分を受け入れて把持し、それにより、移送ビーム上に位置するようになるリネン片の先頭部分が折り目を付けて現れ得る。これらの折り目は、リネン片がコンベヤに移送され、次いでアイロン装置/折り畳み装置に移送されるときに残ることが多く、それにより、この特定のリネン製品は、再度装置に戻されなければならず、装置の全体的な効率を低下させる。
【0011】
本発明の目的は、とりわけ、リネン先頭部分の望ましくない折り目を回避することができる従来のタイプから改善された装置を提供することである。
【発明の概要】
【0012】
本発明の第1の態様は、本明細書に記載される本発明の第2の態様とは独立して、又はそれと共に使用を見出すことができる。本発明の第1の態様によれば、リネンスプレッダ装置は、スプレッダブームのための当接構造体の新規な構造を提供することによって改善され、リネン片を実質的に全幅に沿って均一な圧力で保持することを可能にする。
【0013】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様とは独立して、又は本発明の第1の態様と共に使用を見出すことができる。本発明の第2の態様によれば、リネンスプレッダ装置は、スプレッダブームの新規な構造を提供することによって改善され、それによって、機械方向に見たスプレッダブームの幅を調整することができる。
【0014】
請求項1による加圧空気出口を使用することは、任意選択であるとみなされ得る。
【0015】
好ましい実施形態は、従属請求項に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のリネンスプレッダ装置の上面図である。
図2a】リネン片が図1の装置の内部への経路に沿って前進しているリネンスプレッダ装置の充電ステーションの斜視正面図である。
図2b】リネン片が図1の装置の内部への経路に沿って前進しているリネンスプレッダ装置の充電ステーションの斜視正面図である。
図3図1のリネンスプレッダ装置の断面斜視図である。
図4】リネン経路に配置されたゲートを有するリネンスプレッダ装置を示す上面図であり、ゲートはそれぞれ閉位置及び開位置に示されている。
図5】リネン経路に配置されたゲートを有するリネンスプレッダ装置を示す上面図であり、ゲートはそれぞれ閉位置及び開位置に示されている。
図6図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の大部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図7図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の大部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図8図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の大部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図9図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の大部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図10図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の通常部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図11図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の通常部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図12図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の通常部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図13図3と同様の図であり、リネン片を移送ビームに移送するステップを示し、リネン布地の通常部分がスプレッダグリップによって保持されている。
図14図3と同様の図であり、移送ビームからコンベヤに図6図13のリネン片を移送するステップを示す。
図15図3と同様の図であり、移送ビームからコンベヤに図6図13のリネン片を移送するステップを示す。
図16図3と同様の図であり、移送ビームからコンベヤに図6図13のリネン片を移送するステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、本発明を、好ましい実施形態を参照して以下により詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明のリネンスプレッダ装置1の上面図であり、各々がそれぞれのリネン片を装置1のハウジングHの内側に運ぶための4つの充電ステーション10を含む。
【0019】
図2aは、図1の左側に示される充電ステーション10の斜視正面図を示す。そのような充電ステーション10は、一般に、各々が同じリネン片Lのそれぞれの角部Cを把持する一対のフィーダクランプ12、12’と、吊り下げられたリネン片Lを経路Pに沿って上にハウジングHの内側に移動させるために一対のフィーダクランプ12、12’を上昇させる昇降装置14とを備える。リネン片は、単なる例として、タオル又はベッドシートであってもよく、ハウジングHの2つの対向する側面2の間の装置1の長さは、装置1によって広げられ得るリネンの最大幅を画定する。
【0020】
図2bは、支持する細長いレールに沿って移動可能な一対のスプレッダクランプ(図示せず)が一対のフィーダクランプ12、12’からリネン片Lを引き継ぐそれらの上昇位置にあるフィーダクランプ12、12’を示し、各スプレッダクランプは、次に上述の角部Cのそれぞれの1つの部分S(図2aを参照されたい)を把持する。2対などの複数の対のスプレッダクランプを、例えば国際公開第2016/162,334号に示すように、支持レールに沿って移動するように取り付けて、本明細書に記載されているような方式で、装置内で一度に一枚ずつリネン片Lを各々引き継ぐとともに、リネン片Lをスプレッダブームに引き続き送達し得る。
【0021】
従来のように、一対のスプレッダクランプは、次に、一対のスプレッダクランプから受け取ったリネン片Lを広げるために互いに離れるように移動させられ、スプレッダクランプから吊り下げられた広げられたリネン片Lは、次に、図3に示す格納式の細長い移送ビーム70を使用して前方に移送される。移送ビーム70は、その上にリネンLの後方部分が平らになるように配置される上面を有し、移送ビーム70が図3の右にベルトコンベヤ30の上方の完全後退位置に向かって移動される間、そこで短時間保持される。ベルトコンベヤ30は、更なる処理のために、広げられたリネン片Lを機械方向MDに前進させるように配置され構成される。移送ビーム70及びスプレッダクランプ22用の支持する細長いレール20は両方とも、装置1の2つの対向する側面の間で機械方向MDに対して横方向に延在し、一方の側面は図3中に符号2で示されており、通常は装置1の全ての充電ステーション10のために機能すると理解される。多くの場合、コンベヤ30は、移動面を決定する平行なリボンループを備えるベルトコンベヤである。
【0022】
移送ビーム70は、前進位置と上述の完全後退位置との間で機械方向MDに前後に移動するように配置される。図3は、移送ビーム70がその前進位置に向かって左に移動するときの移送ビームの一実施形態、充電ステーション10に配置された2つのスプレッダクランプ22の一方を示し、他方のスプレッダクランプ(図示せず)はレール20に沿って充電ステーション10に向かって移動する。
【0023】
移送ビーム70の前進位置には、装置1の2つの対向する側面2の間に延在する細長い当接構造体50の当接面Fに対して配置された、2つのスプレッダクランプ22の下方の一般的な領域に配置された先端部72がある。
【0024】
移送ビーム70がこの完全前進位置にあるとき、2つのスプレッダクランプ22は、吊り下げられたリネン片Lに対するそれらの把持を解放するように制御可能であり、それによって、リネン片Lの先頭部分は、2つの対向する側面2の間に延びる管状構造体Tの空気ノズル4の列を出る高圧空気流の作用下で、移送ビーム70の本体76の上面上に平坦に落下し、一方、短い間にリネン片Lの後方部分は吊り下げられたままであり、以下で更に説明するように、移送ビーム70の先端部72と当接構造体50の当接面Fとの間に係合している。リネン片Lに対する摩擦保持を高めるために、当接面F及び先端部72の反対面には、ゴム材料などの適切な表面被覆が設けられてもよい。
【0025】
移送ビーム70は、移送ビーム70がその前進位置から図3の右側に、移送ビーム70の先端部72がコンベヤ30の前端31の右から最大距離離れた位置にある完全後退位置に向かって移動されるときに、開口部86の列を介して加えられる真空によって、及び/又は細長いクランプ構造体80の形態のクランプ装置によって(図示のように)、リネン片Lの先頭部分に一時的に保持されるように構成される。この移動により、リネン片Lの更なる部分がコンベヤ30の移動面上に引き出される。
【0026】
移送ビーム70によるリネン片Lの先頭部分の一時的な保持は、移送ビーム70がその完全な後退位置に達する前に、細長いクランプ構造体80に作用するアクチュエータによって、又は真空の解放などによって解放され、その時点で、移送ビーム70のその完全後退位置に向かう移動速度が移動コンベヤ30に対して増加し、それによってリネン片Lの先頭部分が移送ビーム70から滑り落ちてコンベヤ30の移動面上に落下する。次いで、リネン片Lの残りの部分は、移動するコンベヤ表面によってコンベヤ30上に引き上げられる。
【0027】
いくつかの特別な場合には、装置1に供給されるリネン片Lの幅は、コンベヤ30の長手方向中心線CLに関して対称的に(図1を参照されたい)、コンベヤ30上のリネン片Lの必要な最終位置決めのために、リネン片Lの外への広がりが、リネン片Lが広げられたときにスプレッダクランプ22が充電ステーション10の位置にあることを必要とするようなものであってもよい。本発明の一態様によれば、いくつか又は全ての充電ステーション10におけるフィーダクランプ12、12’によるリネンLの移動の経路P(図2aを参照されたい)は、リネン片Lの吊り下げがハウジングHの内側、スプレッダクランプ22、22’を支持するレール20の下に到達すると自動的に閉じることができる。これは、本発明の一態様によれば、充電ステーション10の一部又は全部に、好ましくは対で配置されたいくつかのゲートを当接構造体50に設けることによって達成される。図2aは、閉位置にあるゲート55、56の1つのそのような対を示し、図2bでは、ゲート55、56は各々、リネン片L吊り下げが装置1の内側領域に入ることを可能にする開放位置に回されている。リネン片Lが装置1の内部に入ると、ゲート55、56は再び閉じられ、それによってそれらは図3にも示される位置にある。これにより、ゲート55、56は、充電ステーション10の領域においても上述の当接面Fの一部を画定することができ、当接面Fに対して、リネン片Lの後方部分が、移送ビーム70の先端部72によって保持され得る。
【0028】
上述の特別な場合には、上述のようにゲート55、56を設けることにより、スプレッダクランプ22がリネン片Lを解放すると、その後方部分が移送ビーム70と当接面Fとの間のその全幅に沿って一時的に保持されることが保証される。換言すれば、リネン片Lの先頭部分の重力からの引っ張り力は、機械方向MDを横切るその全幅に沿って同じである。これにより、ノズル4を出る空気の吹き出しによってリネン片Lの先頭部分が続いて移送ビーム70の表面上に位置するときに、リネン片Lの先端部が直線に沿って位置することが保証される。
【0029】
2つのゲート55、56の閉(第1)位置及び開(第2)位置が図4及び図5にそれぞれ示されており、吊り下げられたリネンLの装置1の内部への経路Pも示している。ゲート55、56は各々、それぞれのアクチュエータ58によって軸57を中心にして回転されるが、他の構成も容易に考えられ得る。好ましくは、図3及び図5にのみ示されるように、ゲート55、56はまた、ゲート55、56の閉位置において空気を排出するためのノズル4を含む。このようにして、吊り下げられて広げられたリネン片Lの先頭部分は、機械方向MDを横切るその延伸全体に沿って前述の空気の吹き出しを受けることができる。このために、ゲート55、56は中空であり、ノズル4の列、又はゲート55、56の各々に形成された単一のノズル4を画定する細長いスリット(図示せず)を通って出る加圧空気が供給されてもよい。あるいは、そのような空気ノズル4を有する別個の管状構造体(図示せず)をゲート55、56に取り付けることができる。ゲート55、56のノズル4は、一実施形態(図示せず)では、当接構造体50の残りのノズル4の列と整列されてもよい。
【0030】
ここで、本発明の前述の第1の態様とは独立して使用を見出すことができる本発明の第2の態様に目を向け、ここで再び図3をまず参照すると、図3は、本発明の第2の態様による移送ビーム70が、その先端部72とその後端部74との間で測定される可変有効幅W(図1を参照されたい)、すなわち機械方向MDに平行な制御可能な幅Wを有するように構成され得る方法を示す。具体的には、移送ビーム70は、後端部74を有する本体76を有することができ、そこから先端部72は、本体76の内側に配置された任意の適切なアクチュエータ(図示せず)によって本体76の内外に移動するように構成されたコネクタバー73によって移動され得る。前述のコネクタバー73に接続された細長い一体構造である先端部72は、本体76に隣接する通常位置に向かって付勢されてもよく、それによって、移送ビーム70の適切なアクチュエータの作動は、図3に示すように、先端部72を機械方向MDと平行に、本体76からある程度離れた所望の位置に移動させ、これは、以下に説明し、排他的ではないが特に関連する理由のために、移送ビーム70が前進位置から完全後退位置に向かって移動するときに、移送ビーム70の後端部74に配置された細長いクランプ構造体80によって、移送ビーム70はリネン片Lの先頭部分を一時的に保持するように構成されるためである。
【0031】
通常、本体76は、その先端部72及び後端部74と共に、2つの対向する側面2の間で装置1の全幅に沿って延在する。図1において移送ビーム70は、先端部72が本体76に隣接して示されており、前述の有効幅Wはその最小値であり、例えば、図13も参照されたい。
【0032】
図6は、上述のようにスプレッダクランプ22のうちの1つによって受け入れられたリネン片Lの角部Cを示す。図6に概略的に示すように、スプレッダクランプ22は、この場合、リネン片Lの(折り目Sに沿った)実質的に後方に折り畳まれた部分を保持し、図2aに概略的に示すように、これはオペレータがフィーダクランプ12、12’に過剰な布地を導入した結果であり得る。そのような特別な場合、スプレッダクランプ22がリネン片Lを解放し、空気の吹き出しAによって駆動される比較的大きな先頭部分L1が移送ビーム70上に落下すると、移送ビームは、先頭部分L1の全範囲を収容しないことがある。これにより、リネン片Lの先端部L3がクランプ構造体80を保持するブラケット82に突き当たるときに折り目が形成され、折り目は通常、リネン片Lがコンベヤ30上に堆積された後にもそこに存在する。あるいは、その先端部L3を含む比較的大きな先頭部分L1の一部は、移送ビーム70の後端部74上に落下し、その後のコンベヤ30上へのリネン片Lの堆積を妨げることがある。これは、例として、移送ビーム70が、クランプ構造体80の代わりに、開口部86の列を介して適用される真空によって一時的に保持されるように構成される場合であってもよい。
【0033】
センサを組み込むことによって、スプレッダクランプ22によって保持された布地荷重の、検出が実行され、その後分析されてもよく、それによって上述の移送ビーム70のアクチュエータが図6に示すように作動されて、移送ビーム70がその後退位置から当接構造体50に向かって移動されるときに、移送ビーム70の先端部72を本体76から離れるように移動させてもよい。先端部72が当接面Fに到達すると、本体76が移動を停止するように移動が制御される。
【0034】
図7は、移送ビーム70の先端部72が、リネン片Lの後方部分L2の一部を当接構造体50に対して保持していることを示す。図8は、移送ビーム70の本体76に対して平坦に横たわる先頭部分L1を示し、スプレッダクランプ22から解放され、移送ビーム70の後端部72が依然として後方部分L2上を保持している間に、出口ノズル4を出る空気流によって位置付けられる。
【0035】
次に、図9に示すように、クランプ構造体80は、リネン片Lの先端部L3を本体76の上面に対して保持するように作動される。
【0036】
単なる例として、上述のセンサは、スプレッダクランプ22に含まれてもよく、各スプレッダクランプ22の2つの顎状部が一緒に移動する程度を検出してもよい。
【0037】
図10図13は通常の場合の装置1の動作を示し、スプレッダクランプ22によって保持された余剰布地は検出されず、すなわち、移送ビーム70の先端部72は本体76から延伸/移動されない。本体76に対する先端部72の移動はまた、ばねによって図3に示す伸長位置に向かって通常付勢されている先端部72に追従し、それにより、このような通常の場合の本体76は、当接面Fに向かって十分に前進され、先端部72が本体76に向かって完全に押圧され、好ましくは、リネン片Lがコンベヤ30上に堆積されるまで、移送ビーム70に含まれるロックによってその位置にロックされてもよいことに留意されたい。ロック機能は、先端部72を所望の位置に移動させるアクチュエータ(複数可)によって提供されてもよい。
【0038】
図14図16は、リネン片をコンベヤ30上に配置するために実行される以下のステップを示しており、移送ビーム70は、通常、当接面Fを離れた直後に本体76に隣接して配置された先端部72と共に、図16に示すその完全後退位置に向かって移動される。図14において、依然としてリネン片Lに保持されている移送ビーム70は、通常はコンベヤ30と本質的に同じ速度で右に移動し、十分な長さのリネン片Lがコンベヤ30上に引き上げられると、クランプ構造体80は、図15に示すように、リネン片Lの先頭部分L1を解放するように移動し、これに続いて、移送ビーム70の移動は、図16に示すように、リネン片Lの先頭部分L1が移送ビーム70から完全に外れてコンベヤ30上に摺動するように制御され、その後、移送ビーム70は、上記のセンサから受信した信号に応じて、図7又は図10に示すような構成を想定して前進位置に向かって後退する。
【0039】
図16に示す移送ビーム70の完全後退位置において、先端部72は、通常、最小移送ビーム70の幅Wに対応する本体76に隣接する位置に常に移動される。後端部74は、その位置において、通常、コンベヤ30の前端31から常に同じ距離にある。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】