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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】磁気抵抗弛張発振器磁力計
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/09 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
G01R33/09
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573188
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2021096227
(87)【国際公開番号】W WO2021239031
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202010478494.X
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building D & E, No.2 Guangdong Road,Zhangjiagang Free Trade Zone,Zhangjiagang,Jiangsu,215634 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディーク、ジェイムズ ゲーザ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、チーミン
【テーマコード(参考)】
2G017
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AD55
2G017BA05
(57)【要約】
磁気抵抗弛張発振器磁力計(1)は、コンデンサ(2)と、充電抵抗器(3)と、放電抵抗器(4)と、充放電スイッチ(5)と、高電圧源端子(6)と、接地端子(7)と、信号出力端子(Vout)とを備える。充電抵抗器(3)は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、放電抵抗器(4)は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる。コンデンサ(2)の第1の端部は、接地端子(7)に接続され、コンデンサ(2)の第2の端部は、充放電スイッチ(5)によって充電抵抗器(3)、放電抵抗器(4)、および信号出力端子(Vout)に接続され、充放電スイッチ(5)は、高電圧源端子(6)にさらに接続される。充電状態では、充放電スイッチ(5)は、高電圧源端子(6)に接続され、高電圧源端子(6)は、充電抵抗器(3)を介してコンデンサ(2)を充電し、一方、放電段階中、充放電スイッチ(5)は、接地端子(7)に接続され、その結果、コンデンサ(2)は、放電抵抗器(4)によって接地端子(7)を介して放電する。このデバイスは、外部磁場の大きさの迅速な測定を提供することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサと、充電抵抗器と、放電抵抗器と、充放電スイッチと、高電圧源端子と、接地端子と、信号出力端子とを備え、該充電抵抗器は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、該放電抵抗器は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる、磁気抵抗弛張発振器磁力計であって、
該コンデンサの第1の端部は、該接地端子に接続され、該コンデンサの第2の端部は、該充放電スイッチを介して該充電抵抗器、該放電抵抗器、および該信号出力端子にそれぞれ接続され、該充放電スイッチは、該高電圧源端子にさらに接続され、
充電段階中、該充放電スイッチは、該高電圧源端子に切り換えられ、該高電圧源端子は、該充電抵抗器を介して該コンデンサを充電し、一方、放電段階中、該充放電スイッチは、該接地端子に切り換えられ、その結果、該コンデンサは、該放電抵抗器を介して該接地端子へ放電し、
外部磁場により該充電抵抗器および該放電抵抗器における抵抗変化が引き起こされるとき、該コンデンサの充放電時間は変化し、該信号出力端子によって出力されるパルス信号は、該充電抵抗器または該放電抵抗器の1つまたは複数の高調波を含み、信号処理回路は、該外部磁場を測定するために該パルス信号を測定する、磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項2】
前記充電磁気抵抗ユニットおよび前記放電磁気抵抗ユニットは、異方向性磁気抵抗ユニット、巨大磁気抵抗ユニット、またはトンネル磁気抵抗ユニットである、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項3】
前記充放電スイッチは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタMOSFETであり、前記コンデンサの前記第2の端部および前記充電抵抗器の第2の端部は共に、該MOSFETのゲートに接続され、前記放電抵抗器は、該MOSFETのドレインと前記接地端子との間に位置し、前記高電圧源端子は、前記充電抵抗器の第1の端部および該MOSFETのソースにそれぞれ接続され、または
前記充放電スイッチは、三極管であり、前記コンデンサの前記第2の端部および前記充電抵抗器の該第2の端部は共に、該三極管のベースに接続され、前記放電抵抗器は、該三極管のエミッタと前記接地端子との間に位置し、前記高電圧源端子は、前記充電抵抗器の該第1の端部および該三極管のコレクタにそれぞれ接続される、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項4】
前記充放電スイッチは、オン端部と、オフ端部と、接続端部とを備える三極管双方向スイッチであり、高電圧源端部は、前記充電抵抗器を介して該オン端部と接続され、前記接地端子は、前記放電抵抗器を介して該オフ端部と接続され、前記コンデンサの前記第2の端部は、該接続端部と接続され、
充電段階中、該オン端部は、該接続端部に導通され、放電段階中、該オフ端部は、該接続端部に導通される、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項5】
前記充放電スイッチは、オン端部と、オフ端部と、接続端部とを備える三極管双方向スイッチであり、前記充電抵抗器および前記放電抵抗器は、同じ1つの共通抵抗器であり、前記コンデンサの前記第2の端部および該共通抵抗器は、RC系列を形成するように直列に接続され、該RC系列は、該接続端部と接続され、前記高電圧源端子は、該オン端部と接続され、該接地端子は、該オフ端部と接続され、
充電段階中、該オン端部は、該接続端部に導通され、放電段階中、該オフ端部は、該接続端部に導通される、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項6】
前記充放電スイッチは、オン端部と、オフ端部と、接続端部とを備える三極管双方向スイッチであり、前記充電抵抗器は、RD充電系列を形成するようにオンにされる充電方向を有するダイオードと直列に接続され、前記放電抵抗器は、RD放電系列を形成するようにオンにされる放電方向を有するダイオードと直列に接続され、該RD充電系列および該RD放電系列は、RD系列を形成するように並列に接続され、前記コンデンサの前記第2の端部および該RD系列は、RC系列を形成するように直列に接続され、該RC系列は、該接続端部と接続され、前記高電圧源端子は、該オン端部と接続され、前記接地端子は、該オフ端部と接続され、
充電段階中、該オン端部は、該接続端部に導通され、放電段階中、該オフ端部は、該接続端部に導通される、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項7】
低電圧源端子をさらに備え、
前記充放電スイッチは、トリガであり、該トリガの入力端子および出力端子は、それぞれ前記高電圧源端子または該低電圧源端子であり、前記充電抵抗器および前記放電抵抗器は、同じ1つの共通抵抗器であり、前記コンデンサの前記第2の端部は、該トリガの該入力端子に接続され、該共通抵抗器の2つの端部は、該トリガの該入力端子および該出力端子にそれぞれ接続され、前記信号出力端子は、該トリガの該出力端子または該入力端子に位置する、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項8】
低電圧源端子をさらに備え、
前記充放電スイッチは、トリガであり、該トリガの入力端子および出力端子は、それぞれ前記高電圧源端子または該低電圧源端子であり、前記充電抵抗器は、RD充電系列を形成するようにオンにされる充電方向を有するダイオードと直列に接続され、前記放電抵抗器は、RD放電系列を形成するようにオンにされる放電方向を有するダイオードと直列に接続され、前記コンデンサの前記第2の端部は、該トリガの該入力端子に接続され、該RD充電系列および該RD放電系列は、並列に接続され、並列接続された該RD充電系列および該RD放電系列の2つの端部は、該トリガの該入力端子および該出力端子にそれぞれ接続され、前記信号出力端子は、該トリガの該出力端子または該入力端子に位置する、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項9】
前記充電抵抗器および前記放電抵抗器は、磁場感知方向において反対であり、感度において同じであり、外部磁場が印加されていないときに抵抗において同じであり、プッシュ・プル型磁気抵抗器を形成する、請求項3、4、6または8に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項10】
前記充電抵抗器は、磁場感知磁気抵抗ユニットである、請求項3、4、6または8に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項11】
前記信号出力端子は、F-V変換器に接続され、該F-V変換器は、前記パルス信号を電圧信号に変換し、次いで、該電圧信号は、前記外部磁場に正比例する電圧信号にV-1/V変換器によって変換される、請求項5または7に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項12】
前記信号出力端子は、RCローパス・フィルタに接続され、該RCローパス・フィルタにおける第1のコンデンサの第1の端部は、前記接地端子に接続され、該RCローパス・フィルタにおける第1の抵抗器は、前記信号出力端子と該第1のコンデンサの第2の端部との間に位置し、該第1のコンデンサの2つの端部は、直流および第1の高調波を出力し、前記信号処理回路は、充電期間値および放電期間値を取得するために該第1のコンデンサにかかる信号を変換する、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【請求項13】
前記信号出力端子は、アナログ・デジタル変換器に接続され、前記パルス信号は、該アナログ・デジタル変換器によって変換され、次いで、変換された信号は、マイクロコントローラによって処理および出力され、前記信号処理回路は、充電期間および放電期間を取得するために該マイクロプロセッサによって出力される該信号を直接測定する、請求項1に記載の磁気抵抗弛張発振器磁力計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気センサの技術分野に関し、特に、磁気抵抗弛張発振器磁力計に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気抵抗センサは、通常使用されるときに1/f雑音を有し、磁気抵抗センサの雑音を下げ、低雑音磁気抵抗センサを開発することは、磁気信号の正確な測定を改善するために非常に重要である。
【0003】
一般に、磁気抵抗センサは、低周波で高い1/f雑音を有し、高周波で主に熱雑音を有し、その雑音エネルギー密度は、低周波における雑音エネルギー密度よりもかなり低い。したがって、現在、磁気信号を高周波磁場に変調し、次いで、磁気抵抗センサによって高周波磁場を測定して高周波電圧信号を出力し、次いで、復調を実行して、低周波ゾーンから高周波ゾーンへ磁気信号の測定を移動させ、1/f雑音エネルギー密度を下げる目的を実現することが最も一般的な選択である。
【0004】
しかしながら、既存の高周波磁気信号測定デバイスは、通常、複雑な構造および低い周波数応答を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、外部磁場の迅速な測定を実現するための磁気抵抗弛張発振器磁力計を提供する。
【0006】
本開示の一実施形態は、コンデンサと、充電抵抗器と、放電抵抗器と、充放電スイッチと、高電圧源端子と、接地端子と、信号出力端子とを含む磁気抵抗弛張発振器磁力計を提供する。充電抵抗器は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、放電抵抗器は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる。
【0007】
コンデンサの第1の端部は、接地端子に接続され、コンデンサの第2の端部は、充放電スイッチを介して充電抵抗器、放電抵抗器、および信号出力端子にそれぞれ接続され、充放電スイッチは、高電圧源端子にさらに接続される。
【0008】
充電段階中、充放電スイッチは、高電圧源端子に切り換えられ、高電圧源端子は、充電抵抗器を介してコンデンサを充電し、一方、放電段階中、充放電スイッチは、接地端子に切り換えられ、その結果、コンデンサは、放電抵抗器を介して接地端子へ放電する。
【0009】
外部磁場により充電抵抗器および放電抵抗器における抵抗変化が引き起こされるとき、コンデンサの充放電時間は変化し、信号出力端子によって出力されるパルス信号は、充電抵抗器または放電抵抗器の1つまたは複数の高調波を含み、信号処理回路は、外部磁場を測定するためにパルス信号を測定する。
【0010】
本開示の本実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計によれば、周期的な充放電は、コンデンサ、充電抵抗器、および放電抵抗器を採用することによって実行され、その充放電周期は、静電容量と充電・放電抵抗との積に正比例し、その結果、充電・放電抵抗は、充放電周期内の時間の関数として充電パルス電圧および放電パルス電圧に変換される。したがって、測定時間を短縮することができ、信号対雑音比は下がり、構造が簡単である。
【0011】
本開示の実施形態または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態または先行技術の説明に使用される添付図面が、以下に簡潔に導入され、以下の説明における添付図面は、本開示のいくつかの特定の実施形態であるが、本開示の様々な実施形態により開示および示唆されるデバイス構造、駆動方法、および製造方法の基本概念は、他の構造および図面に拡張および拡大することができることが当業者には明らかであり、それらは、本開示の特許請求の範囲内にあることに疑いの余地はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図2図1の充電の概略図である。
図3図1の放電の概略図である。
図4】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図5図1中のコンデンサにかかる電圧Vc(t)および放電抵抗器にかかる電圧VR2(t)の概略グラフである。
図6】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図7図6の充電の概略図である。
図8図6の放電の概略図である。
図9図6中のコンデンサにかかる電圧Vc(t)の概略グラフである。
図10】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図11図10の充電の概略図である。
図12図10の放電の概略図である。
図13図10の等価トリガの回路図である。
図14図10中のトリガの出力端子におけるコンデンサの電圧Vc(t)および電圧Vout(t)の概略グラフである。
図15】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図16図15の充電の概略図である。
図17図15の放電の概略図である。
図18図15の等価トリガの回路図である。
図19図15中のトリガの出力端子におけるコンデンサの電圧Vc(t)および電圧Vout(t)の概略グラフである。
図20】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図21】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図22】本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。
図23】弛張発振器磁力計の4つの典型的な信号出力のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本開示の技術的解決策は、以下、本開示の実施形態における添付図面を参照して、実施によって明確にかつ完全に説明され、説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部であって、全ての実施形態ではないことが明らかである。本開示における実施形態によって開示および示唆される基本概念に基づいて当業者が得る全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0014】
本開示の一実施形態は、コンデンサと、充電抵抗器と、放電抵抗器と、充放電スイッチと、高電圧源端子と、接地端子と、信号出力端子とを含む磁気抵抗弛張発振器磁力計を提供する。充電抵抗器は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、放電抵抗器は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる。コンデンサの第1の端部は、接地端子に接続され、コンデンサの第2の端部は、充放電スイッチを介して充電抵抗器、放電抵抗器、および信号出力端子にそれぞれ接続され、充放電スイッチは、高電圧源端子にさらに接続される。充電段階中、充放電スイッチは、高電圧源端子に切り換えられ、高電圧源端子は、充電抵抗器を介してコンデンサを充電し、一方、放電段階中、充放電スイッチは、接地端子に切り換えられ、その結果、コンデンサは、放電抵抗器を介して接地端子へ放電する。外部磁場により充電抵抗器および放電抵抗器における抵抗変化が引き起こされるとき、コンデンサの充放電時間は変化し、信号出力端子によって出力されるパルス信号は、充電抵抗器または放電抵抗器の1つまたは複数の高調波を含み、信号処理回路は、外部磁場を測定するためにパルス信号を測定する。
【0015】
適宜、充電磁気抵抗ユニットおよび放電磁気抵抗ユニットは、異方向性磁気抵抗ユニット、巨大磁気抵抗ユニット、またはトンネル磁気抵抗ユニットである。
【0016】
本開示の本実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計によれば、周期的な充放電は、コンデンサ、充電抵抗器、および放電抵抗器を採用することによって実行され、その充放電周期は、コンデンサの静電容量と充電・放電抵抗器の抵抗の積に正比例し、そのため、充電・放電抵抗値は、充放電周期内の時間の時間依存する充電パルス電圧および放電パルス電圧に変換される。したがって、測定時間を短縮することができ、信号対雑音比は下がり、構造が簡単である。
【0017】
上記のものは、本開示のコア概念であり、本開示の実施形態における技術的解決策は、以下、本開示の実施形態における添付図面との組合せで明確にかつ完全に説明される。創作的労力なしで本開示における実施形態に基づいて当業者が得る全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0018】
図1を参照すると、本開示の磁気抵抗弛張発振器磁力計の一実施形態の概略図が与えられる。磁気抵抗弛張発振器磁力計1は、コンデンサ2と、充電抵抗器3と、放電抵抗器4と、充放電スイッチ5と、高電圧源端子6と、接地端子7と、信号出力端子Voutとを含む。充電抵抗器3は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、放電抵抗器4は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる。コンデンサ2の第1の端部は、接地端子7に接続される。適宜、充放電スイッチ5は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタMOSFETであり、コンデンサ2の第2の端部および充電抵抗器3の第2の端部は共に、MOSFET5のゲートに接続され、放電抵抗器4は、MOSFET5のドレインと接地端子7との間に位置し、高電圧源端子6は、それぞれ充電抵抗器3の第1の端部およびMOSFET5のソースに接続される。コンデンサ2の2つの端部は、信号出力端子Voutである。
【0019】
本実施形態では、コンデンサ2は、MOSFET5のゲートと接地端子7との間に位置し、充電抵抗器3は、高電圧源端子6とMOSFET5のゲートとの間に位置する。図2に示されるように、充電段階中、充放電スイッチ5は高電圧源端子6に切り換えられ、すなわち、MOSFET5はオフにされ、充放電スイッチ5は高電圧源端子6からカットオフされ、高電圧源端子6は、矢印によって示されるような充電分岐の経路で充電抵抗器3を介してコンデンサ2を充電する。図3に示されるように、放電段階中、充放電スイッチ5は接地端子7に切り換えられ、すなわち、MOSFET5はオンにされ、充放電スイッチ5は接地端子7に導通され、コンデンサ2は、矢印によって示されるような放電分岐の経路で放電抵抗器4を介して接地端子7へ放電する。
【0020】
外部磁場が磁力計1に印加され、充電段階中、外部磁場により充電抵抗器3における抵抗変化が引き起こされ、放電段階中、外部磁場により放電抵抗器4における抵抗変化が引き起こされ、したがって、コンデンサの充放電時間が変化する。充電段階中、信号出力端子は、充電パルス電圧信号を出力し、充電パルス電圧信号は、充電抵抗器の1つまたは複数の高調波を含み、放電段階中、信号出力端子は、放電パルス電圧信号を出力し、放電パルス電圧信号は、放電抵抗器の1つまたは複数の高調波を含む。信号処理回路は、外部磁場の大きさを測定するために信号出力端子のパルス信号を測定する。
【0021】
他の実施形態では、図4に示されるような充放電スイッチ5は、三極管であり、コンデンサ2の第2の端部および充電抵抗器3の第2の端部は共に、三極管5のベースに接続され、放電抵抗器4は、三極管5のエミッタと接地端子7との間に位置し、高電圧源端子6は、それぞれ充電抵抗器3の第1の端部および三極管5のコレクタに接続される。
【0022】
適宜、充電抵抗器および放電抵抗器は、磁場感知方向において反対であり、感度において同じであり、外部磁場が印加されていないときに抵抗において同じであり、プッシュ・プル型磁気抵抗器を形成する。適宜、充電抵抗器は、磁場感知磁気抵抗ユニットである。
【0023】
図5は、磁力計1におけるコンデンサにかかる電圧Vc(t)および放電抵抗器にかかる電圧VR2(t)の概略グラフであり、コンデンサにかかる電圧信号Vc(t)は、信号出力端子によって出力されるパルス信号である。
【0024】
充電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる充電特性曲線11は、指数的増加関数であり、充電特性曲線11の数式は、式(1)であり、放電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる放電特性曲線12は、指数的減少関数であり、放電特性曲線12の数式は、式(2)であることが、図5から理解できる。
【数1】
【0025】
は、充電終期電圧または放電初期電圧であり、tは、充電時間であり、tは、放電時間であり、Rは、充電抵抗器の抵抗値であり、Rは、放電抵抗器の抵抗値であり、Cは、コンデンサの静電容量値である。
【0026】
したがって、充電段階中のコンデンサにかかる電圧Vc(t)の充電時間tは、R2*Cの時定数によって決定され、一方、放電段階中のコンデンサにかかる電圧Vc(t)の放電時間tは、R1*Cの時定数によって決定されることが理解できる。
【0027】
は充電および放電プロセス中のコンデンサのピーク電圧であり、Vは充電および放電プロセス中のコンデンサの谷電圧であり、充電段階中、放電抵抗器にかかる電圧VR2(t)の電流および電圧は共に0であり、放電抵抗器にかかる電圧VR2(t)は放電段階中に唯一存在することが、図5から理解できる。したがって、放電抵抗器にかかる電圧VR2(t)のパルス周期は、T=t+tである。
【0028】
図6を参照すると、図6は、本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。磁気抵抗弛張発振器磁力計1は、コンデンサ2と、充電抵抗器3と、放電抵抗器4と、充放電スイッチ5と、高電圧源端子6と、接地端子7と、信号出力端子Voutとを含む。充電抵抗器3は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、放電抵抗器4は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる。コンデンサ2の第1の端部は、接地端子7に接続される。適宜、充放電スイッチ5は、オン端部5aと、オフ端部5bと、接続端部5cとを含む三極管双方向スイッチであり、高電圧源端部6は、充電抵抗器3を介してオン端部5aと接続され、接地端子7は、放電抵抗器4を介してオフ端部5bと接続され、コンデンサ2の第2の端部は、接続端部5cと接続される。充電段階中、オン端部5aは、接続端部5cに導通され、放電段階中、オフ端部5bは、接続端部5cに導通される。
【0029】
適宜、充電抵抗器および放電抵抗器は、磁場感知方向において反対であり、感度において同じであり、外部磁場が印加されていないときに抵抗において同じであり、プッシュ・プル型磁気抵抗器を形成する。適宜、充電抵抗器は、磁場感知磁気抵抗ユニットである。
【0030】
本実施形態では、コンデンサ2は、充放電スイッチ5の接続端部5cと接地端子7との間に位置し、充電抵抗器3は、高電圧源端子6と充放電スイッチ5のオン端部5aとの間に位置し、放電抵抗器4は、接地端子7と充放電スイッチ5のオフ端部5bとの間に位置する。図7に示されるように、充電段階中、充放電スイッチ5は、高電圧源端子6に切り換えられ、すなわち、オン端部5aは、充放電スイッチ5の接続端部5cに導通され、高電圧源端子(+Vdd)6は、矢印によって示されるような充電分岐の経路で充電抵抗器3を介してコンデンサ2を充電する。図8に示されるように、放電段階中、充放電スイッチ5は、接地端子7に切り換えられ、すなわち、オフ端部5bは、充放電スイッチ5の接続端部5cに導通され、コンデンサ2は、矢印によって示されるような放電分岐の経路で放電抵抗器4を介して接地端子7へ放電する。
【0031】
外部磁場が、磁力計1に印加され、充電段階中、外部磁場により充電抵抗器3における抵抗変化が引き起こされ、放電段階中、外部磁場により放電抵抗器4における抵抗変化が引き起こされ、したがって、コンデンサの充放電時間が変化する。充電段階中、信号出力端子は、充電パルス電圧信号を出力し、充電パルス電圧信号は、充電抵抗器の1つまたは複数の高調波を含み、放電段階中、信号出力端子は、放電パルス電圧信号を出力し、放電パルス電圧信号は、放電抵抗器の1つまたは複数の高調波を含む。信号処理回路は、外部磁場の大きさを測定するために信号出力端子のパルス信号を測定する。
【0032】
図9は、磁力計1におけるコンデンサにかかる電圧Vc(t)の概略グラフであり、コンデンサにかかる電圧信号Vc(t)は、信号出力端子によって出力されるパルス信号である。
【0033】
充電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる充電特性曲線11は、指数的増加関数であり、放電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる充電特性曲線12は、指数的減少関数であることが、図9から理解できる。充電段階中のコンデンサにかかる電圧Vc(t)の充電時間t1は、R1*Cの時定数によって決定され、一方、放電段階中のコンデンサにかかる電圧Vc(t)の放電時間t2は、R2*Cの時定数によって決定される。
【0034】
図10を参照すると、図10は、本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。磁気抵抗弛張発振器磁力計1は、コンデンサ2と、充電抵抗器3と、放電抵抗器4と、充放電スイッチ5と、高電圧源端子6と、接地端子7と、信号出力端子Voutとを含む。充電抵抗器3は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、放電抵抗器4は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる。コンデンサ2の第1の端部は、接地端子7に接続される。適宜、充放電スイッチ5は、オン端部5aと、オフ端部5bと、接続端部5cとを含む三極管双方向スイッチであり、充電抵抗器および放電抵抗器は、同じ1つの共通抵抗器3&4であり、コンデンサ2の第2の端部および共通抵抗器3&4は、RC系列を形成するように直列に接続され、RC系列は、接続端部5cと接続され、高電圧源端子6は、オン端部5aと接続され、接地端子7は、オフ端部5bと接続される。充電段階中、オン端部5aは、接続端部5cに導通され、放電段階中、オフ端部5bは、接続端部5cに導通される。
【0035】
本実施形態では、共通抵抗器3&4が設けられ、共通抵抗器3&4は、充電抵抗器および放電抵抗器として多重化され、共通抵抗器3&4およびコンデンサ2の第2の端部は、RC系列を形成するように電気的に接続され、RC系列は、接地端子7と充放電スイッチ5の接続端部5cとの間に位置する。図11に示されるように、充電段階中、充放電スイッチ5は、高電圧源端子6に切り換えられ、すなわち、オン端部5aは、充放電スイッチ5の接続端部5cに導通され、高電圧源端子(+Vdd)6は、矢印によって示されるような充電分岐の経路で共通抵抗器3&4を介してコンデンサ2を充電する。図12に示されるように、放電段階中、充放電スイッチ5は、接地端子7に切り換えられ、すなわち、オフ端部5bは、充放電スイッチ5の接続端部5cに導通され、コンデンサ2は、矢印によって示されるような放電分岐の経路で共通抵抗器3&4を介して接地端子7へ放電する。
【0036】
外部磁場が、磁力計1に印加され、充電段階中、外部磁場により共通抵抗器3&4における抵抗変化が引き起こされ、放電段階中、外部磁場により共通抵抗器3&4における抵抗変化が引き起こされ、したがって、コンデンサの充放電時間が変化する。充電段階中、信号出力端子は、充電パルス電圧信号を出力し、充電パルス電圧信号は、共通抵抗器3&4の1つまたは複数の高調波を含み、放電段階中、信号出力端子は、放電パルス電圧信号を出力し、放電パルス電圧信号は、共通抵抗器3&4の1つまたは複数の高調波を含む。信号処理回路は、外部磁場の大きさを測定するために信号出力端子のパルス信号を測定する。抵抗器の個数は、本実施形態で減少する。
【0037】
図13は、図10の等価トリガの回路図である。磁力計1は、低電圧源端子をさらに含む。充放電スイッチは、トリガであり、トリガの入力端子および出力端子は、それぞれ高電圧源端子または低電圧源端子であり、充電抵抗器および放電抵抗器は、同じ1つの共通抵抗器であり、コンデンサの第2の端部は、トリガの入力端子に接続され、共通抵抗器の2つの端部は、トリガの入力端子および出力端子にそれぞれ接続され、信号出力端子は、トリガの出力端子または入力端子に位置する。充放電スイッチ5は、入力端子6(2)および出力端子8(2)をそれぞれ高電圧源端子および低電圧源端子として有するSchimitトリガ(シュミットトリガ)である。コンデンサ2は、接地端子7と入力端子6(2)との間に接続され、共通抵抗器3&4の2つの端部は、トリガ5の入力端子6(2)と出力端子8(2)との間にそれぞれ接続される。
【0038】
充電段階中、出力端子8(2)は、高電圧源端子であり、入力端子6(2)は、低電圧源端子であり、出力端子8(2)は、共通抵抗器3&4を介してコンデンサ2を充電し、コンデンサ2にかかる電圧は増加する。コンデンサ2にかかる電圧が閾値Vphよりも高い場合、トリガ5にかかる電圧切り換えが行われ、すなわち、入力端子6(2)は、高電圧源端子であり、出力端子8(2)は、低電圧源端子であり、次いで、それは、放電段階に入る。
【0039】
放電段階中、コンデンサ2は、放電を開始し、入力端子6(2)における電圧が減少し、コンデンサ2にかかる電圧が閾値Vp1よりも小さい場合、電圧反転が再び入力端子6(2)および出力端子8(2)で生じ、コンデンサ2は、充電プロセスに入る。したがって、充電分岐9(2)および放電分岐10(2)は、Schimitトリガ5、ならびにコンデンサ2の充電および放電によって実施される。
【0040】
図14は、図10中のトリガの出力端子におけるコンデンサの電圧Vc(t)および電圧Vout(t)の概略グラフである。Voffは、コンデンサの充電および放電プロセスにおけるピーク電圧であり、Vonは、コンデンサの充電および放電プロセスにおける谷電圧であり、充電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる充電特性曲線11(2)は、指数的増加関数であり、放電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる充電特性曲線12(2)は、指数的減少関数である。Vout(t)は高低レベル・パルス電圧であり、充電時間はt1であり、放電時間はt2であり、充電時間t1は放電時間t2に等しい。
【0041】
図15を参照すると、図15は、本開示の一実施形態により提供される磁気抵抗弛張発振器磁力計の概略図である。磁気抵抗弛張発振器磁力計1は、コンデンサ2と、充電抵抗器3と、放電抵抗器4と、充放電スイッチ5と、高電圧源端子6と、接地端子7と、信号出力端子Voutとを含む。充電抵抗器3は、少なくとも1つの充電磁気抵抗ユニットからなり、放電抵抗器4は、少なくとも1つの放電磁気抵抗ユニットからなる。コンデンサ2の第1の端部は、接地端子7に接続される。適宜、充放電スイッチ5は、オン端部5aと、オフ端部5bと、接続端部5cとを含む三極管双方向スイッチであり、充電抵抗器3aは、RD充電系列を形成するようにオンにされる充電方向でダイオード3bと直列に接続され、放電抵抗器4aは、RD放電系列を形成するようにオンにされる放電方向でダイオード4bと直列に接続され、RD充電系列およびRD放電系列は、RD系列を形成するように並列に接続され、コンデンサ2の第2の端部およびRD系列は、RC系列を形成するように直列に接続され、RC系列は、接続端部5cと接続され、高電圧源端子6は、オン端部5aと接続され、接地端子7はオフ端部5bと接続される。充電段階中、オン端部5aは、接続端部5cに導通され、放電段階中、オフ端部5bは、接続端部5cに導通される。
【0042】
適宜、充電抵抗器および放電抵抗器は、磁場感知方向において反対であり、感度において同じであり、外部磁場が印加されていないときに抵抗において同じであり、プッシュ・プル型磁気抵抗器を形成する。適宜、充電抵抗器は、磁場感知磁気抵抗ユニットである。
【0043】
本実施形態では、RC系列は、コンデンサ2およびRD系列を直列に接続することによって形成され、RD系列は、RD充電系列およびRD放電系列を並列に接続することによって形成され、RC系列は、接地端子7と充放電スイッチ5の接続端部5cとの間に位置する。図16に示されるように、充電段階中、充放電スイッチ5は、高電圧源端子6に切り換えられ、すなわち、オン端部5aは、充放電スイッチ5の接続端部5cに導通され、高電圧源端子(+Vdd)6は、矢印によって示されるような充電分岐の経路でRD系列を介してコンデンサ2を充電する。図17に示されるように、放電段階中、充放電スイッチ5は、接地端子7に切り換えられ、すなわち、オフ端部5bは、充放電スイッチ5の接続端部5cに導通され、コンデンサ2は、矢印によって示されるような放電分岐の経路でRD系列を介して接地端子7へ放電する。
【0044】
外部磁場が、磁力計1に印加され、充電段階中、外部磁場によりRD系列における抵抗変化が引き起こされ、放電段階中、外部磁場によりRD系列における抵抗変化が引き起こされ、したがって、コンデンサの充放電時間が変化する。充電段階中、信号出力端子は、充電パルス電圧信号を出力し、充電パルス電圧信号は、RD系列の1つまたは複数の高調波を含み、放電段階中、信号出力端子は、放電パルス電圧信号を出力し、放電パルス電圧信号は、RD系列の1つまたは複数の高調波を含む。信号処理回路は、外部磁場の大きさを測定するために信号出力端子のパルス信号を測定する。抵抗器の個数は、本実施形態で減少する。
【0045】
図18は、図15の等価トリガの回路図である。磁力計1は、低電圧源端子をさらに含む。充放電スイッチは、トリガであり、トリガの入力端子および出力端子は、それぞれ高電圧源端子または低電圧源端子であり、充電抵抗器は、RD充電系列を形成するようにオンにされる充電方向を有するダイオードと直列に接続され、放電抵抗器は、RD放電系列を形成するようにオンにされる放電方向を有するダイオードと直列に接続され、コンデンサの第2の端部は、トリガの入力端子に接続され、RD充電系列およびRD放電系列は、並列に接続され、並列接続されたRD充電系列およびRD放電系列の2つの端部は、トリガの入力端子および出力端子にそれぞれ接続され、信号出力端子は、トリガの出力端子または入力端子に位置する。
【0046】
充放電スイッチ5は、入力端子6(4)および出力端子8(4)をそれぞれ高電圧源端子および低電圧源端子として有するSchimitトリガである。コンデンサ2は、接地端子7と入力端子6(4)との間に接続され、RD系列の2つの端部は、トリガ5の入力端子6(4)と出力端子8(4)との間にそれぞれ接続される。充電分岐9(4)は、直列に接続された充電抵抗器3aおよび充電ダイオード3bを含み、放電分岐10(4)は、直列に接続された放電抵抗器4aおよび放電ダイオード4bを含み、充電分岐9(4)および放電分岐10(5)は、並列に接続される。
【0047】
充電段階中、出力端子8(4)は、高電圧源端子であり、入力端子6(4)は、低電圧源端子であり、出力端子8(4)は、充電抵抗器3aを介してコンデンサ2を充電し、コンデンサ2にかかる電圧は増加する。電圧が閾値Vphよりも高いとき、トリガにかかる電圧切り換えが行われ、すなわち、入力端子6(4)は、高電圧源端子であり、出力端子8(4)は、低電圧源端子であり、次いで、それは、放電段階に入る。
【0048】
放電段階中、コンデンサ2は、放電抵抗器4aを介して放電を開始し、入力端子6(4)における電圧が減少し、電圧が閾値Vp1よりも小さいとき、電圧反転が入力端子6(4)および出力端子8(4)で再び生じ、充電プロセスが開始する。したがって、充電分岐9(4)および放電分岐10(4)は、Schimitトリガ5、ならびにコンデンサ2の充電および放電によって実施される。
【0049】
図19は、図15中のトリガの出力端子におけるコンデンサの電圧Vc(t)および電圧Vout(t)の概略グラフである。充電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる充電特性曲線11(4)は、指数的増加関数であり、放電段階中、コンデンサにかかる電圧Vc(t)によってもたらされる充電特性曲線12(4)は、指数的減少関数である。Vout(t)は、高低レベル・パルス電圧であり、充電時間はt1であり、放電時間はt2である。
【0050】
RC系列の充放電関数について、その周波数fの数式、ならびに充電時間tおよび放電時間tは、以下の通り、
f=0.8/(RC)
∝R
∝R
である。
【0051】
充電時間tは、充電抵抗器Rに正比例し、放電時間tは、放電抵抗器Rに正比例することが理解できる。
【0052】
上記の解決策は、以下の3つの場合を含む。
【0053】
場合1、t=tであり、すなわち、RおよびCは、直列の組合せを形成し、次いで、充電および放電が実行され、充電抵抗Rおよび放電抵抗器Rは、同一または同じ1つの共通抵抗器である。
【0054】
場合2、tは変化し、tは一定であり、すなわち、放電抵抗器Rは、変わらないままであり、すなわち、磁気シールド磁気抵抗ユニットであり、充電抵抗器Rだけが外部磁場Hに関して変化し、すなわち、RおよびRは、感知基準磁気抵抗器ペアを構成する。
【0055】
場合3、t+t=一定であり、すなわち、充電分岐Rおよび放電分岐Rは、プッシュ・プル型磁気抵抗器ペアである。
【0056】
信号出力端子の出力パルス関数は、区分周期関数であり、周期T=t+t、その基本的な数式は、
【数2】
である。
その拡張フーリエ級数の形式は、
【数3】
である。
ただし、定数項は、
【数4】
である。
一次項は、
【数5】
である。
二次項は、
【数6】
である。
【0057】
単一の抵抗器Rを含む磁力計1については、t=t、t+t=T=2t、したがって、図20に示されるように、信号処理回路が採用されてもよい。弛張発振器1(2)のSchmitトリガの出力端子は、周波数f/電圧V変換器21に直接および外部で接続され、次いで、V-1/V変換器22に接続され、最終的に、出力電圧は、外部磁場Hに正比例する充放電時間周期Tにおける電圧である。適宜、信号出力端子Voutは、F-V変換器に接続され、F-V変換器は、パルス信号を電圧信号に変換し、次いで、電圧信号は、V-1/V変換器によって外部磁場に正比例する電圧信号に変換される。
【0058】
図21に示されるように、適宜、信号出力端子Voutは、RCローパス・フィルタ22に接続され、RCローパス・フィルタ25における第1のコンデンサ24の第1の端部は、接地端子に接続され、RCローパス・フィルタ25における第1の抵抗器23は、信号出力端子Voutと第1のコンデンサ24の第2の端部との間に位置し、第1のコンデンサ24の2つの端部は、直流および第1の高調波を出力し、信号処理回路は、充電期間および放電期間値を取得するために第1のコンデンサ24にかかる信号を変換する。
【0059】
上述したように、弛張発振器1(4)のSchimitトリガの出力端子は、1つのRlpf抵抗器23と接続され、1つのClpfコンデンサ24は、抵抗器23と接地との間に接続され、Rlpf抵抗器23およびClpf抵抗器24は、RCローパス・フィルタ25を形成し、次いでVoutへ信号を出力する。ローパス・フィルタ25によって周波数の一部を除去することによって、数式Vが直接取得され得ることが理解できる。プッシュ・プル結合式磁気抵抗器ペアの振動回路では、t+t=一定であり、tの増加はRに正比例し、tの減少はRに正比例し、したがって、Vは、外部磁場Hに正比例する。
【0060】
別のやり方は、2つ以上の高調波が、V+V1(t)を取得するためにローパス・フィルタ25によって除去され得ることである。したがって、t+tの値は、V1(t)の周波数fを利用することによって取得することができ、(t+t)*Vは、Hに正比例する。
【0061】
図22に示されるように、適宜、磁気抵抗弛張発振器磁力計の信号出力端子は、アナログ・デジタル変換器31に接続され、パルス信号は、アナログ・デジタル変換器31によって変換され、次いで、変換された信号は、マイクロコントローラ32によって処理および出力され、信号処理回路は、充電期間および放電期間を取得するためにマイクロプロセッサ32によって信号出力を直接測定する。適宜、アナログ・デジタル変換器31が、アナログ信号をデジタル信号に変換してもよく、マイクロプロセッサ32は、DSPまたはMCUであり、あるアルゴリズムによって外部磁場Hに関連したデジタル信号を直接出力する。弛張発振器1(2)のトリガの出力端子は、AD変換器31に接続され、アナログ信号をデジタル信号に変換し、次いで、デジタル信号をMCU/DSP32に入力し、立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジの時間が、直接カウントされ、tおよびtの値が出力され、これは、Hに正比例する。
【0062】
上記の任意の実施形態について、図23は、弛張発振器磁力計の4つの典型的な信号出力のグラフである。図(a)中の対応する充電抵抗器および放電抵抗器が共通抵抗器であるとき、充電時間tは、放電時間tに等しく、その時、Hの値は、同様に、時間tを測定することによって取得することができ、図(b)中の対応する充電抵抗器および放電抵抗器が共通抵抗器であるとき、周期T=t+tまたはパルス周波数fが直接測定され、1/fが計算され、次いで、Hの値が、測定され得、図(c)は、プッシュ・プル型磁気抵抗器ペアであり、t+t=一定であり、(t-t)/(t+t)は、外部磁場Hに正比例し、図(d)は、感知基準型磁気抵抗器ペアであり、t=一定であり、t/tは、外部磁場Hに正比例する。
【0063】
上記のものは、本開示の好ましい実施形態および応用された技術的原理にすぎないことに留意されたい。本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されず、本開示の保護範囲から逸脱することなく、様々な明らかな変更、再調整、相互組合せ、および置換が、当業者によってなされてもよいことを当業者は理解するであろう。したがって、本開示は、上記の実施形態によってより詳細に説明されてきたが、本開示は、上記の実施形態に限定されない。本開示の概念から逸脱することなく、より多くの均等な実施形態を含むこともでき、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
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【国際調査報告】