(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】無菌移送ゾーンを備える容器製造用設備
(51)【国際特許分類】
B29C 49/42 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
B29C49/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573246
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2021064327
(87)【国際公開番号】W WO2021239936
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルトゥリエ,サンディ
(72)【発明者】
【氏名】デマール,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】トルイエ,ミキャエル
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG07
4F208AH55
4F208LA02
4F208LA09
4F208LB01
4F208LG03
4F208LH01
4F208LH06
4F208LH21
4F208LJ15
4F208LJ22
4F208LW02
4F208LW50
(57)【要約】
本発明は、熱可塑性材料で作られたプリフォーム(12A)を成形することによる容器(12B)の大量製造のための設備(10)に関するものであって、
加熱ステーション(20)と、
成形ステーション(26)と、
充填ステーション(50)と、
2つのステーション間の移送経路に沿って中空体を移送するための少なくとも1つの移送装置(64)と、
を備え、
少なくとも1つの移送経路は、隔壁(87)によって成形ステーション(26)を含む成形ゾーン(86)から分離された移送ゾーン(83)に配置され、前記隔壁(87)は、中空体の通過のための少なくとも1つの開口部(88、93)を備えることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料で出来ているプリフォーム(12A)を成形することによる容器(12B)の大量生産のための設備(10)であって、プリフォーム(12A)および容器(12B)は、等しく「中空体」という用語で示され、製造設備(10)は、
プリフォーム(12A)を、その成形に十分な温度に加熱するための加熱ステーション(20)と、
各プリフォーム(12A)を、回転カルーセル(28)によって担持される金型(36)で延伸ブロー成形することによって容器(12B)を成形するための成形ステーション(26)と、
容器(12B)を充填するための充填ステーション(50)と、
プリフォーム(12A)を殺菌するための殺菌装置(102)であって、前記殺菌装置は、中空体の変位方向において成形ステーション(26)の上流に配置される殺菌装置(102)と、
加熱ステーション(20)の出口から成形ステーション(26)の載置点(32)までの第1の移送経路に沿って一列に加熱されたプリフォーム(12A)を移送するための移送装置(62)と、
成形ステーション(26)から充填ステーション(50)に向かって、容器(12B)の第2の移送経路に沿って一列に容器(12B)を移送するための移送装置(64)と、
中空体をそれらの移送経路に沿って浸漬する無菌ガスの流れ(G1、G2)の放出のための少なくとも1つの供給源(54、104)と、
を備え、
少なくとも1つの移送経路は、成形ステーション(26)を収容する成形ゾーン(86)から隔壁(87)によって分離された移送ゾーン(83)に配置され、前記隔壁(87)は、中空体の通過のための少なくとも1つの開口部(88、93)を備えることを特徴とする製造設備(10)。
【請求項2】
プリフォーム(12A)の第1の移送経路および容器(12B)の第2の移送経路は、前記隔壁(87)によって成形ゾーン(86)から分離された移送ゾーン(83)に配置され、前記隔壁(87)は、プリフォーム(12A)を通過させるための開口部(93)および容器(12B)を通過させるための開口部(88)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の製造設備(10)。
【請求項3】
充填ステーション(50)は、充填エンクロージャ(54)と称される、閉じた無菌エンクロージャに収容され、加熱ステーション(20)および成形ステーション(26)は、充填エンクロージャ(54)の外側に配置され、充填エンクロージャ(54)は、移送ゾーン(83)から直接来る容器(12B)のための入口開口部(58)と、充填エンクロージャ(54)と移送ゾーン(83)との間の圧力差の影響により、充填エンクロージャ(54)から入口開口部(58)を通って出る無菌ガスの第1の流れ(G1)と、容器(12B)を充填エンクロージャ(54)の入口開口部(58)に移送するための容器(12B)を移送するための移送装置(64)と、を備えることを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の設備(10)。
【請求項4】
移送エンクロージャ(84)と称される、第2の閉じた無菌エンクロージャを備え、その一方の区切り壁は前記隔壁(87)によって形成され、移送エンクロージャ(84)は移送ゾーン(83)を収容し、成形ステーション(26)は移送エンクロージャ(84)の内圧よりも低い圧力を有する成形ゾーン(86)の移送エンクロージャ(84)の外側に配置され、移送エンクロージャ(84)の内圧は充填エンクロージャ(54)の内圧よりも低く、充填エンクロージャ(54)の入口開口部(58)は移送エンクロージャ(84)内へ直接開口することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造設備(10)。
【請求項5】
容器(12B)の移送経路およびプリフォーム(12A)の移送経路は、一般に、充填エンクロージャ(54)から来る無菌ガスの第1の流れ(G1)と位置合わせして配置され、プリフォーム(12A)および容器(12B)は、無菌ガスの前記第1の流れ(G1)とは反対の方向に変位されることを特徴とする、請求項2と組み合わせた、請求項4に記載の製造設備(10)。
【請求項6】
容器を移送するための移送装置(64)は、容器(12B)を通過させるための開口部(88)を経て成形ゾーン(86)の内部から移送ゾーン(83)に容器を移送することを可能にする少なくとも1つの下流回転移送ホイール(72)を備え、下流移送ホイール(72)は、容器を個別に保持するための部材(74)をその周囲に備え、下流移送ホイール(72)の中央部は、保持部材(74)を通過させるための溝(92)を収容するケーシング(90)によって移送ゾーン(83)から分離されていることを特徴とする、請求項2と組み合わせた、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造設備(10)。
【請求項7】
下流移送ホイール(72)の保持部材(74)は、各容器(12B)を成形ステーション(26)の金型(36)で直接把持することを特徴とする、請求項6に記載の製造設備(10)。
【請求項8】
プリフォーム(12A)を移送するための移送装置(62)は、プリフォーム(12A)を通過させるための開口部(93)を通って移送ゾーン(83)の内部から成形ゾーン(86)の内部までプリフォーム(12A)を搬送することを可能にする少なくとも1つの上流回転移送ホイール(66)を備え、上流移送ホイール(66)は、プリフォームを個別に保持するための部材(68)をその周囲に備え、上流移送ホイール(66)の中央部は、保持部材(68)を通過させるための溝(96)を備えるケーシング(94)によって移送ゾーン(83)の内部から分離されていることを特徴とする、請求項2と組み合わせた、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造設備(10)。
【請求項9】
上流移送ホイール(66)の保持部材(68)は、各プリフォーム(12A)を成形ステーション(26)の金型(36)に直接配置させることを特徴とする、請求項8に記載の製造設備(10)。
【請求項10】
加熱ステーション(20)は、加熱エンクロージャ(98)と称される、第3のエンクロージャの内部に配置され、加熱エンクロージャ(98)の内圧は、移送エンクロージャ(84)の内圧よりも低く、加熱エンクロージャ(98)は、プリフォーム(100)のための通路を通して移送エンクロージャ(84)内へ直接開口し、プリフォーム(100)のための通路が、無菌ガスの第1の流れ(G1)の方向に従って容器(12B)のための入口開口部(58)の略反対側に配置されることを特徴とする、請求項4と組み合わせた請求項1~9のいずれか一項に記載の製造設備(10)。
【請求項11】
移送エンクロージャ(84)には、中空体のネック(16)に垂直に向けられた無菌ガスの第2の層流(G2)によって無菌ガスが直接供給されることを特徴とする、請求項4と組み合わせた、請求項1~10のいずれか一項に記載の製造設備(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性材料で出来ているプリフォームを成形することによる容器の大量生産のための設備に関し、プリフォームおよび容器は、等しく「中空体」という用語で示され、製造設備は、
プリフォームを、その成形に十分な温度に加熱するための加熱ステーションと、
各プリフォームを、回転カルーセルによって担持される金型で延伸ブロー成形することによって容器を成形するための成形ステーションと、
容器を充填するための充填ステーションと、
プリフォームを殺菌するための殺菌装置であって、前記殺菌装置は中空体の変位方向において成形ステーションの上流に配置される殺菌装置と、
加熱ステーションの出口から成形ステーションの載置点までの第1の移送経路に沿って一列に加熱されたプリフォームを移送するための移送装置と、
成形ステーションから充填ステーションに向かって、容器の第2の移送経路に沿って一列に容器を移送するための移送装置と、
中空体をそれらの移送経路に沿って浸漬する無菌ガスの流れの放出のための少なくとも1つの供給源と、
を備える。
【背景技術】
【0002】
本発明は、熱可塑性材料製、特にポリエチレンテレフタレート(PET)製の容器を、成形、特にブロー成形または延伸ブロー成形プリフォームによって製造するための設備で使用されるように設計されている。そのような設備は、非常に高い製造速度で非常に大規模に容器を製造することを可能にする。
【0003】
説明の残りの部分では、プリフォームまたはプリフォームから成形された容器は、「中空体」という用語によって等しく示される。
【0004】
プリフォームは、一般に、第1の位置で射出によって製造され、製造設備の第2の位置で容器の最終的な形状にブロー成形によって成形される。そのような技術は、充填位置に可能な限り近接したブロー成形によって成形作業を実行することを可能にし、射出作業は任意の位置で実行されることができる。より具体的には、小さいサイズのプリフォームを移送することは比較的簡単で安価であり、一方、ブロー成形後に容器を移送することは、それらの非常に大きな容積のために経済的に不利であるという欠点を提示する。
【0005】
その成形を可能にするために、プリフォームの本体は、ガラス転移温度を超えて加熱され、本体の弾性限界を実質的に低減しながら、本体の壁を可鍛性にすることを可能にする。逆に、ネックは、その変形を回避するためにガラス転移温度よりも低い温度に保持される。この目的のために、製造設備は、成形ステップを実行するためにプリフォームの本体を必要な温度に加熱することを可能にする、加熱ステーションを備える。
【0006】
こうして加熱されたプリフォームは、その後、製造設備の成形ステーションに搬送される。高温プリフォームは、グリッパなどの把持部材によって金型キャビティに自動的に配置される。次いで、加圧成形流体がプリフォームに注入され、プリフォームの壁をキャビティの壁に押し付けて、プリフォームを最終容器に形成する。この成形作業は、一般に、プリフォームの壁を軸線方向に延伸させるために、その本体を通してプリフォームに延伸ロッドを導入することからなる延伸作業が付随される。
【0007】
容器は、一般に、その成形直後に充填される。充填ステーションおよびブロー成形ステーションは、コンパクトであり、充填された容器が得られるまで、容器を製造する全プロセスを実行する製造設備を得るために並置される。
【0008】
そのような製造設備において、目的は、容器の汚染のリスクを任意の手段によって低減することであり、そのような容器は、そのようなリスクの影響を多かれ少なかれ受けやすい製品で充填されることも可能である。
【0009】
結果として、製造環境の微生物学的品質を監視し、制御すること、特に、容器に収容された製品に影響を及ぼしやすい病原菌、胞子、細菌、などの病原因子を、特に消費に適さないようにすることによって排除することのみを目的として、異なるアクションを使用することが知られている。
【0010】
これを達成するために、アクションは、容器の除染のみを目的とするのではなく、一般に設備自体の除染に加えて、容器が製造されるプリフォームの除染も目的とする。
【0011】
製造プロセスにおいて、容器を充填する作業は、通常、汚染のリスクに関して最も敏感であると認識される。したがって、容器が充填ステーションに移送される前に、容器は殺菌されなければならない。
【0012】
容器を殺菌するための様々な方法が、例えば、過酸化水素(H2O2)などの殺菌剤を充填ステーションに入る前に容器またはプリフォームに噴霧することによって知られている。
【0013】
したがって、成形ステーションの上流のプリフォームに、過酸化水素などの殺菌剤を噴霧することが知られている。過酸化水素などの殺菌剤は、加熱すると特に効果的である。この点に関して、このような殺菌剤を、プリフォームが加熱されるときに加熱ステーションの上流または加熱ステーションにおいてさえもプリフォームに噴霧することが既に提案されている。成形ステーションにおける容器の無菌を損なわないように、容器の成形は、空気などの無菌ガスを、プリフォームに吹き込むことによって行われる。しかしながら、充填ステーションに導入される容器は、汚染の主なベクトルの1つにすぎない。より具体的には、病原因子は、空気から設備の構成要素まで、容器の直近の環境に存在するとすぐに、特に容器の内部容積を汚染し得るものとなる。
【0014】
これは、容器および容器自体に導入されるように設計された製品に直接向けられた殺菌または殺菌処理とは別に、充填ステーションの除染が、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)または過酸化水素(H2O2)などの殺菌溶液を噴霧することによる化学的手段によっても行われる理由である。
【0015】
充填ステーションを無菌雰囲気に維持し、それが再び急速に汚染される状況を回避するために、充填ステーションを、無菌空気を注入することによって雰囲気が無菌に保たれる、充填エンクロージャと呼ばれる、壁によって閉じられた無菌エンクロージャ内に配置することが知られている。したがって、充填エンクロージャは、充填エンクロージャの直接外部雰囲気に対して過剰圧力の無菌雰囲気を含む。これにより、エンクロージャの隙間を通して、または容器の通過のための開口部を通しても、外部から汚染物質が吸引されないことが保証される。
【0016】
しかしながら、中空体が充填エンクロージャに入るまで無菌のままであることを保証できることが必要である。したがって、吹き込みエンクロージャと呼ばれる、壁によって閉じられ、除染され、無菌雰囲気を含む無菌エンクロージャに成形ステーションを配置することが知られている。したがって、吹き込みエンクロージャの内部には無菌空気が供給され、無菌雰囲気は、吹き込みエンクロージャの外部に対して過圧に維持される。吹き込みエンクロージャは、充填エンクロージャの内圧よりも低い内圧を有し、したがって、充填ステーションの無菌性が保証される。
【0017】
しかしながら、そのような容積の吹き込みエンクロージャ内の無菌雰囲気を維持することは、非常に費用がかかる。さらに、そのような大きな容積を有する吹き込みエンクロージャは、多数の潜在的な汚染源を含むため、数日あるいは数時間を超えて吹き込みエンクロージャの内部雰囲気の無菌性を保証することは非常に複雑である。
【0018】
この問題を改善するために、あるステーションから別のステーションへの中空体の移送中にのみ、汚染のいかなるリスクからも中空体の内部を保護することが既に提案されている。より具体的には、移送中、中空体のネックは開いており、その結果、中空体の内部は汚染の可能性のあるリスクにさらされる。逆に、中空体が成形ステーションに装填されると、それらのネックが無菌ガスを吹き付けるためのノズルによって密封された方法で覆われるので、それらは汚染のリスクにあまりさらされない。さらに、その容積が限られているため、加熱ステーション内の制御された無菌雰囲気を維持することは簡単である。
【0019】
中空体の移送中に中空体の内部を保護するために、ステーション間の中空体の経路に沿ってカーテンを形成する無菌ガスの層流を吹き付けることが知られている。したがって、成形ステーションの出口と充填ステーションの入口との間の容器の経路の上方に無菌ガスのジェットを放出するためのノズルの第2のランプに加えて、加熱ステーションの出口と成形ステーションの入口との間のプリフォームの経路の上方に無菌ガスのジェットを放出するためのノズルの第1のランプを配置することが提案されている。
【0020】
無菌ガスのジェットは、汚染された空気の侵入を防止し、その中の無菌雰囲気を維持するために、中空体のネックを通って、その内部に向けられる。
【0021】
そのような装置は、その変位中のネックおよび中空体の内部の汚染を回避することを可能にする。したがって、吹き込みエンクロージャで完全に無菌の雰囲気を維持する必要はもはやない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、そのような解決策は、汚染から中空体の本体の外部を効果的に保護しないという欠点を有する。より具体的には、充填エンクロージャ内の汚染物質の量は、経時的に充填ステーションの汚染源の発生をもたらす可能性がある。
【0023】
成形ステーションは、一般に、その周囲に成形位置を担持する回転カルーセルの形態である。カルーセルの非常に急速な回転は、高レベルの空気循環を引き起こす。
【0024】
無菌空気の層流ジェットは、この空気循環に曝露される。ジェットは、流れが中空体のネックまで層流のままであるように十分に強力でなければならない。したがって、無菌ガスのカーテンの製造は、大量のエネルギーを消費する高流量の加圧無菌ガスを必要とする。
【0025】
さらに、ノズルによって放出された空気のジェットの層流は、中空体のネックに沿ったそれらの通過後に非常に急速に乱流になる。無菌ガスの流れは分散され、周囲空気と混合される。その結果、容器の本体の外部は、汚染のリスクにさらに大きくさらされる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、熱可塑性材料で出来ているプリフォームを成形することによる容器の大量生産のための設備を提案し、プリフォームおよび容器は、等しく「中空体」という用語で示され、製造設備は、
プリフォームを、その成形に十分な温度に加熱するための加熱ステーションと、
各プリフォームを、回転カルーセルによって担持される金型で延伸ブロー成形することによって容器を成形するための成形ステーションと、
容器を充填するための充填ステーションと、
プリフォームを殺菌するための殺菌装置であって、前記殺菌装置は中空体の変位方向において成形ステーションの上流に配置される殺菌装置と、
加熱ステーションの出口から成形ステーションの載置点までの第1の移送経路に沿って一列に加熱されたプリフォームを移送するための移送装置と、
成形ステーションから充填ステーションに向かって容器の第2の移送経路に沿って一列に容器を移送するための移送装置と、
中空体をそれらの移送経路に沿って浸漬する無菌ガスの流れの放出のための少なくとも1つの供給源と、
を備え、
少なくとも1つの移送経路は、成形ステーションを収容する成形ゾーンから隔壁によって分離された移送ゾーンに配置され、前記隔壁は、中空体の通過のための少なくとも1つの開口部を備えることを特徴としている。
【0027】
本発明のさらなる特徴によれば、
プリフォームの第1の移送経路および容器の第2の移送経路は、前記隔壁によって成形ゾーンから分離された移送ゾーンに配置され、前記隔壁は、プリフォームを通過させるための開口部および容器を通過させるための開口部を備え、
充填ステーションは、充填エンクロージャと称される、閉じた無菌エンクロージャに収容され、加熱ステーションおよび成形ステーションは、充填エンクロージャの外側に配置され、充填エンクロージャは、移送ゾーンから直接来る容器のための入口開口部と、充填エンクロージャと移送ゾーンとの間の圧力差の影響により、入口開口部を通って充填エンクロージャから出る無菌ガスの第1の流れと、容器を充填エンクロージャの入口開口部に移送する容器を移送するための移送装置と、を備え、
製造設備は、移送エンクロージャと呼ばれる、第2の閉じた無菌エンクロージャを備え、その1つの区切り壁は、前記隔壁によって形成され、移送エンクロージャは移送ゾーンを収容し、成形ステーションは、移送エンクロージャの内圧よりも低い圧力を有する成形ゾーンの移送エンクロージャの外側に配置され、移送エンクロージャの内圧は充填エンクロージャの内圧よりも低く、充填エンクロージャの入口開口部は、移送エンクロージャ内へ直接開口し、
容器の移送経路およびプリフォームの移送経路は、一般に、充填エンクロージャから来る無菌ガスの第1の流れと位置合わせして配置され、プリフォームおよび容器は、無菌ガスの前記第1の流れとは反対方向に変位され、
容器を移送するための移送装置は、容器を成形ゾーンの内部から容器の通過のための開口部を経て移送ゾーンに移送することを可能にする少なくとも1つの下流回転移送ホイールを備え、下流移送ホイールは、容器を個別に保持するための部材をその周囲に備え、下流移送ホイールの中央部は、保持部材の通過のための溝を備えるケーシングによって移送ゾーンから分離され、
下流移送ホイールの保持部材は、各容器を成形ステーションの金型で直接把持し、
プリフォームを移送するための移送装置は、プリフォームの通過のための開口部を通って移送ゾーンの内部から成形ゾーンの内部にプリフォームを移送することを可能にする少なくとも1つの上流回転移送ホイールを備え、上流移送ホイールは、プリフォームを個別に保持するための部材をその周囲に備え、上流移送ホイールの中央部は、保持部材の通過のための溝を備えるケーシングによって移送ゾーンの内部から分離され、
上流移送ホイールの保持部材は、各プリフォームを成形ステーションの金型に直接配置させ、
加熱ステーションは、加熱エンクロージャと称される、第3のエンクロージャ内に配置され、第3のエンクロージャの内圧は、移送エンクロージャの内部圧力よりも低く、加熱エンクロージャは、プリフォームのための通路を通して移送エンクロージャ内へ直接開口し、プリフォームのための通路は、無菌ガスの第1の流れの方向により容器のための入口開口部の略反対側に配置され、
移送エンクロージャには、中空体のネックに垂直に向けられた無菌ガスの第2の層流によって無菌ガスを直接供給される。
【0028】
本発明のさらなる特徴および利点は、その理解のために添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の教示により製造された容器のための製造設備を概略的に示す平面図である。
【
図2】
図1の製造設備によって取り込まれることが可能なプリフォームを示す軸線方向断面図である。
【
図3】
図1の設備の成形ステーションでの成形によってプリフォームから取得された容器を示す軸線方向断面図である。
【
図4】成形ステーションのブロー成形位置で受けられたプリフォームを示す、
図1の切断面4-4に沿った軸線方向断面図である。
【
図5】プリフォームおよび容器の移送装置をより詳細に示す、
図1のより大規模な平面図である。
【
図6】
図1の設備の移送エンクロージャの内部から見た隔壁を示す斜視図である。
【
図7】移送エンクロージャで移送され、移送エンクロージャの天井から来る無菌ガスの層流に曝露された容器を示す、
図1の切断面7-7に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
説明の残りの部分では、同一の構造または同様の機能を有する要素には同じ参照符号が付されている。
【0031】
図の三面体「L、V、T」によって示される、後方から前方に向けられた長手方向の向き、底部から上部に向けられた垂直方向の向き、および左から右に向けられた横方向の向きは、非限定的な方法で説明の残りの部分で採用される。垂直方向に対して直角に延びる水平面も採用する。
【0032】
説明の残りの部分および特許請求の範囲において、「エンクロージャ」という用語は、壁によって物理的に閉じられた空間であると定義される。
【0033】
プリフォーム12Aから熱可塑性材料で作られた容器12Bを大量生産するための設備10が、
図1に概略的に示されている。説明の残りの部分では、「中空体」という用語は、プリフォーム12A、完成した容器12B、または成形中のプリフォームを等しく示すために使用される。非限定的な方法で、この場合、容器12Bはボトルである。熱可塑性材料は、この場合、その頭字語「PET」によって以下に示される、ポリエチレンテレフタレートから形成される。
【0034】
プリフォーム12Aの一例が
図2に示されており、前記プリフォーム12Aから取得された容器12Bの一例が
図3に示されている。そのような中空体は、熱可塑性材料、この場合はポリエチレンテレフタレート(PET)から製造される。中空体は、
図2および
図3に垂直に示す主軸線「Z1」を有する。中空体は、
図2および
図3の下部に示されている、閉じた軸線方向端部を有する本体14を備える。本体14は、
図2および
図3の上部に示されている、その反対側の端部を通して、開いたネック16内へ開いている。ネック16は、管状の形状を有し、その主軸線は、中空体の主軸線「Z1」を画定する。
【0035】
プリフォーム12Aから成形された容器12Bは、プリフォーム12Aのネックと同一であるネック16を備えるが、より大きな容積の本体14を備え、より大きな容積の本体14は、プリフォーム12Aの本体14の延伸ブロー成形、特に二軸延伸によって成形される。
【0036】
図2において、この場合のプリフォーム12Aの本体14は、ネック16と実質的に同じ直径を有する、主軸線に沿った細長いチューブの軸対称形状を有する。変形例として、本体14は、ネック16の直径よりも小さい直径を有する。
【0037】
図3では、容器12Bの本体14も軸対称形状を有する。しかしながら、この場合、本体14は、それが作られるプリフォーム12Aの本体14よりもはるかに大きい容積を有する。容器12Bの本体14は、特に、プリフォーム12Aの本体14の高さよりもはるかに高い高さを有する。容器12Bの本体14は、例えば、プリフォーム12Aの本体14の2倍~5倍の高さである。
【0038】
プリフォームのネック16はまた、半径方向に突出する環状フランジ18を備える。
【0039】
第1にプリフォーム12Aの形態であり、次いで容器12Bの形態である、中空体は、この場合、
図1に太い矢印線で示される製造経路「T」に沿って製造設備10を通り一列で連続的に変位される。各中空体は移送装置の個々の保持部材から後続の移送装置の個々の保持部材に伝達される、個々の保持部材によって、中空体は経路全体に沿って連続的に保持される。
【0040】
図1を参照すると、設備10は、プリフォーム12Aを加熱するための加熱ステーション20を備える。非限定的な例として、加熱ステーション20は、加熱手段22が配置されたトンネルによって形成され、前記加熱手段は、ハロゲンランプまたはレーザエミッタなどの加熱電磁放射線、例えば赤外線を放出する。
【0041】
プリフォーム12Aを搬送するための搬送手段24は、プリフォームをトンネルの入口から出口まで加熱手段を通過させるように配置される。過去に充填された中空体の方向は、
図1の矢印によって示されている。搬送手段24は、例えば、プリフォームを個々に保持するための部材を備える閉じたチェーンによって形成され、ここではプリフォーム12Aをそのネック16によって把持するためのマンドレルによって形成される。
【0042】
図示されていない変形例として、本発明は、レールに沿って変位される独立したシャトルを備える搬送手段にも適用されることができる。各シャトルは、例えばレールと共にリニア電気モータを形成する。各シャトルは、個々の保持部材を担持する。
【0043】
加熱ステーション20から出るとき、プリフォーム12Aの本体14は、その成形に十分なガラス転移温度を超えて加熱することによって可鍛性にされ、ネック16は、その元の形状を維持するために十分に低い温度に保持される。
【0044】
設備10はまた、このように加熱されたプリフォーム12Aから容器12Bを成形するための成形ステーション26を備える。成形ステーション26は、それらの製造経路「T」に沿った設備10の中空体の変位方向に関して加熱ステーション20の下流に配置されている。
【0045】
この場合の成形ステーション26は、複数の成形位置30を担持するカルーセル28を備える。カルーセル28は、
図1の矢印「F」によって示される方向に中心軸線「Z2」を中心として回転可能であるように取り付けられている。したがって、各成形位置30は、新しいサイクルを開始する前に、熱いプリフォーム12Aのための載置点32と、前記プリフォーム12Aから得られた容器12Bのための取出点34との間で、カルーセル28の軸線「Z2」の周りで変位されることが可能である。
【0046】
図4を参照すると、各成形位置30は、金型キャビティ38を画定する金型36を備える。金型36は、一般に、互いに対して移動可能な2つまたは3つの部分で製造され、金型キャビティ38内への高温プリフォーム12Aの導入を可能にし、かつ前記プリフォーム12Aが金型36内で成形された後に得られる容器12Bの金型36からの取外しを可能にする。
図4に示されるように、金型36が組み立てられると、金型36は、キャビティ38内へ開口する垂直配向の軸線「Z3」を有する貫通オリフィス42が横切るほぼ平坦な上面40を有する。プリフォーム12Aがキャビティ38に受け入れられると、そのネック16は、金型36の上面40を越えて突出し、フランジ18は、金型36の上面40に当接する。
【0047】
各成形位置30はまた、金型36に受け入れられた中空体12に加圧成形流体を注入するための装置44を備える。この場合、成形位置は延伸ブロー成形位置30である。これに関して、成形流体は、空気などの無菌ガスである。成形流体の圧力は、例えば40バール程度である。
【0048】
しかしながら、本発明は、加圧液体をプリフォームに注入することによって、さらなるタイプの成形位置、特に成形位置にも適用され得ることが理解されよう。注入装置44は、加圧成形流体を中空体12のネック16を通して注入することによって、プリフォーム12Aの本体14の可鍛性壁を金型キャビティ38の壁に押し付けることによって、中空体に容器12Bの最終的な形状を提供するように設計されている。この目的のために、注入装置44はまた、可動ノズル46を備える。可動ノズル46は、主軸線「Z3」を有する、成形流体を供給するための管状導管の形態である。ノズルの軸線「Z3」は、金型36に受け入れられたプリフォーム12Aの主軸線「Z1」と一致する。
【0049】
可動ノズル46は、金型36の上面40に密封式に当接することによって中空体のネック16を覆うベルの形態の下端を有する。この場合、密封は、ベルの下側末端によって当接された環状ガスケット48によって実施される。
【0050】
可動ノズル46は、作動位置と、非作動位置との間で摺動可能に制御され、作動位置では、
図4に実線で示されるように、中空体のネック16を密封式で覆い、非作動位置では、
図4に破線で示されるように、完成した容器12Bの取外しを可能にし、次いで新しい高温プリフォーム12Aの導入を可能にするために、ネック16の横方向の変位を可能にするように、金型36の上方に一定距離を置いて配置される。
【0051】
設備10はまた、成形ステーション26によってこのように形成された容器12Bのための充填ステーション50を備える。充填ステーション50は、垂直軸線「Z4」周りに回転可能であるように取り付けられた充填ホイール52を備える。充填ホイール52は、容器12Bを弓形の経路に沿って移送することを可能にし、それに沿って、以下では説明しない、弁などの充填手段によってその最終内容物が充填される。
【0052】
充填ステーション50は、充填エンクロージャ54と呼ばれる、第1のエンクロージャに収容されている。成形ステーション26および加熱ステーション20は、充填エンクロージャ54の外側に配置される。したがって、充填エンクロージャ54の容積は、その中の無菌雰囲気を維持し、汚染源を制限することができるように十分に小さい。充填エンクロージャ54はまた、容器をキャッピングするためのキャッピングステーション55を含むことができる。したがって、充填エンクロージャ54を出る容器12Bは、もはや無菌状態に維持される必要はない。
【0053】
充填エンクロージャ54は、すべての方向で壁によって区切られている。充填エンクロージャは、この場合、成形ステーション26から来る容器12Bのための入口開口部58を備える壁56によって後方へ長手方向に区切られている。この場合、充填エンクロージャ54は、反対側の壁に出口開口部60を有し、出口開口部60は、充填された、場合によってはキャップされた容器12Bのためのものである。
【0054】
充填エンクロージャ54は、すべての側面において充填エンクロージャ54を取り囲む雰囲気に対して過圧の無菌ガス雰囲気を含む。これにより、充填エンクロージャ54の壁に存在する隙間を通して、あるいは入口開口部58を通して、または出口開口部60を通っても、汚染物質が吸引され得ないことを保証することが可能になる。充填エンクロージャ54の圧力は、周知の図示しない手段によって制御された流量で無菌ガスを注入することによって調整される。この場合、無菌ガスは、異なる既知の手段によって、特に濾過によって、および/または化学除染剤への曝露によって、および/または電磁放射線への曝露によって殺菌された空気によって形成される。
【0055】
充填エンクロージャ54の内部と外部との間の圧力差により、
図1に矢印で示す無菌ガスの第1の流れ「G1」が、充填エンクロージャ54から入口開口部58を通って連続的に出る。
【0056】
製造設備10はまた、加熱ステーション20の出口から成形ステーション26の載置点32までの第1の移送経路に沿って高温のプリフォーム12Aを移送するために、プリフォーム12Aを移送するための移送装置62を備える。同様に、製造設備10は、成形ステーション26の取出点34から充填エンクロージャ54の入口開口部58まで第2の移送経路に沿って容器12Bを移送するために、容器12Bを移送するための移送装置64を備える。
【0057】
この場合、プリフォーム12Aを移送するための移送装置62は、垂直軸線「Z5」周りに回転する上流移送ホイール66を備える。上流移送ホイール66は、その周囲に、プリフォーム12Aを個別に保持するための部材68を備える。
図5により詳細に示されるように、この場合の保持部材68は、支持アーム70の端部に配置されたグリッパによって形成される。
【0058】
上流移送ホイール66は、保持部材68が各プリフォームを、成形ステーション26に関連付けられた金型36に直接配置させるように配置および設計される。この目的のために、保持部材68の軌道は、プリフォーム12Aの載置点32での金型36の円形軌道と接する。さらに、製造設備10の様々な回転要素は同期される。
【0059】
この場合、支持アーム70は、特に加熱ステーション20の2つの連続するマンドレル間のピッチが成形ステーション26の2つの連続する金型36間のピッチと異なるときに、2つのプリフォーム12A間のピッチを変更することができるように、上流ホイール66上の垂直軸線周りに枢動可能であるように取り付けられる。
【0060】
図1に示される実施形態では、プリフォームを移送するための移送装置62は、加熱ステーション20で高温プリフォーム12Aを直接把持する上流移送ホイール66のみを備える。
【0061】
図示されていない変形例として、プリフォーム12Aを移送するための移送装置62は、上流移送ホイール66とは別に、高温プリフォーム12Aが加熱ステーションから上流移送ホイール66に移送されることを可能にする、例えばノッチ付きホイールなどの、1つ以上のさらなる移送ホイールを備える。
【0062】
容器12Bを移送するための移送装置64は、この場合、垂直軸線「Z6」周りに回転する下流移送ホイール72を備える。下流移送ホイール72は、その周囲に、容器12Bを個別に保持するための部材74を備える。
図5により詳細に示されるように、保持部材74は、この場合、支持アーム76の端部に配置されるグリッパによって形成される。
【0063】
下流移送ホイール72は、その保持部材74が各容器12Bを成形ステーション26の関連する金型36で直接把持するように配置および設計される。この目的のために、保持部材74の軌道は、容器12Bの取出点34での金型36の円形軌道と接する。
【0064】
この場合、支持アーム76は、特に成形ステーション26の2つの連続する金型36間のピッチが充填ステーション50の連続する容器の2つの保持部材間のピッチと異なるときに、2つの容器12B間のピッチを変更することができるように、下流ホイール72上の垂直軸線周りに枢動可能であるように取り付けられる。
【0065】
図1および
図5に示される実施形態では、容器を移送するための移送装置64は、下流移送ホイール72とは別に、容器12Bを下流移送ホイール72から充填エンクロージャ54の内側に位置される移送ホイール80に移送することを可能にするさらなる移送ホイール78を備える。移送ホイール78は、その周囲に、容器12Bを個別に保持するための部材82を備え、部材82は、この場合、グリッパによって形成される。
【0066】
図6および
図7に示されるように、上流移送ホイール66の保持部材68を形成するグリッパは、この場合、プリフォーム12Aをフランジ18の上方でそれらのネック16によって把持して、金型が載置点32で閉じられたときに、金型36の上面40に当接してそれらのフランジ18によってプリフォーム12Aを直接配置させることができる。同様に、下流移送ホイール72の保持部材74を形成するグリッパは、この場合、載置点32で金型36を開く前に、容器12Bをそのネック16によって把持することができるように、フランジ18の上方で容器12Bをそのネック16によって把持する。
【0067】
製造設備10は、プリフォーム12Aの内部を殺菌するための殺菌装置102をさらに備え、この殺菌装置は、製造経路「T」に沿って、プリフォーム12Aの変位方向において成形ステーション26の上流に配置されている。
【0068】
この場合、例えば、それはプリフォーム12Aの内部に過酸化水素(H202)などの除染剤を噴霧して殺菌するための、殺菌装置102である。その際、プリフォーム12Aの外部も、除染剤に含浸された雰囲気に曝露される。既知の方法では、このような除染剤は、加熱されるとより効果的である。
【0069】
殺菌装置102は、この場合、加熱ステーション20の出口の上流に配置される。したがって、除染剤は、高度の有効性を達成することを可能にするために、加熱ステーションの加熱手段22によって加熱される。
【0070】
図1に示される実施形態では、殺菌装置102は、より具体的には加熱ステーション20の上流に配置されている。
【0071】
図示されていない本発明の変形例では、殺菌装置102は加熱ステーション20に配置される。図示されていない本発明のさらなる変形例によれば、殺菌装置102はオーブンの下流に配置される。次いで、除染剤は、プリフォーム12Aに貯蔵された熱によって直接加熱される。
【0072】
この殺菌装置102は、場合によっては、例えばプリフォームを紫外線に曝露することによって、さらなる除染装置(図示せず)によって補完されることができる。
【0073】
容器が充填されるまで無菌のままであるように、成形ステーション26からの出口から充填エンクロージャ54への入口までの経路上で容器を無菌ガスの流れにさらすことが知られている。
【0074】
したがって、設備は、移送経路を浸す無菌ガスの流れの放出源を備える。本発明の文脈内で、この場合、供給源は、以下によって形成される、すなわち、
充填エンクロージャ54によって、無菌ガスの流れは、無菌ガスの第1の流れ「G1」によって形成され、および/または
以下に説明するように、無菌ガスの第2の流れ「G2」を放出するために、移送経路に沿って配置されたノズルによってである。
【0075】
無菌ガスの第1の流れ「G1」は、予め殺菌された充填エンクロージャ54に導入される。無菌ガスの第1の流れ「G1」は、より具体的には、ミクロン程度の寸法を有する粒子を停止させることができる高効率エアフィルタ、例えば「ULPA」フィルタによる空気の濾過によって得られる。濾過後、空気は、無菌導管によって充填エンクロージャ54内へ導入される。したがって、充填エンクロージャ54の出口では、無菌ガスの第1の流れ「G1」は無菌のままである。無菌ガスの第2の流れ「G2」は、プリフォーム12Aの移送経路の方向に直接、すなわち、さらなるエンクロージャを通過することなく導入される。無菌ガスの第2の流れ「G2」は、より具体的には、ミクロン程度の寸法を有する粒子を停止させることができる高効率エアフィルタ、例えば「ULPA」フィルタを通り空気の濾過によって得られる。濾過後、空気は無菌導管によってプリフォームに向けられる。
【0076】
本発明の教示によれば、容器12Bの移送経路および/またはプリフォーム12Aの移送経路は、成形ステーション26を含む成形ゾーン86から隔壁87によって分離された移送ゾーン83に配置される。隔壁87は、垂直方向に延びる。隔壁は、容器12Bおよび/またはプリフォーム12Aにそれらの移送経路に沿って向けられる無菌ガスの流れが、成形ステーション26のカルーセル28の回転によって引き起こされる空気循環によって中断される状況を回避するのに十分な寸法を有する。
【0077】
図1に示される実施形態では、容器12Bの移送経路は、移送ゾーン83に配置される。
【0078】
図6に示されるように、隔壁87は、成形ゾーン86から移送ゾーン83への容器12Bの通過のための開口部88を備える。したがって、下流移送ホイール72は、容器12Bが成形ゾーン86から容器12Bの通過のための開口部88を通って移送ゾーン83の内部に搬送されることを可能にする。容器12Bの通過のための開口部88は、容器12Bに適した寸法、すなわち、製造設備10によって製造されることが可能な最大容積の容器12Bの通過に十分であるが、移送ゾーン83と成形ゾーン86との間の空気の通過を制限するのに十分に制限された寸法を有する。
【0079】
汚染源または汚染物質を形成することができる構成要素を移送ゾーン83から除外することが利点となる。下流移送ホイール72によって引き起こされる空気循環に起因する乱流の発生源を低減することも利点となる。
【0080】
この目的のために、下流移送ホイール72の中央部は、保持部材74の通過のための水平溝92を備えるケーシング90によって移送ゾーン83の内部から分離される。「中央部」という用語は、保持部材74の上方に位置される平面から保持部材74の下方に位置される平面まで延在する円筒形の空間を意味すると理解されるべきであり、特に、駆動シャフト、下流移送ホイール72を回転させて案内するための手段、および下流移送ホイール72の任意の他の構成要素を含む。保持部材74およびそれらの支持アーム76の一部のみが、移送ホイール78への容器12Bの移送軌道に対応するそれらの円形軌道の一部で溝92を通って移送ゾーン83の内部に突出する。保持部材74は、移送ゾーン83の外側でそれらの円形軌道の残りの部分を実行する。
【0081】
この場合、ケーシング90は、下流ホイール72の中央部分が成形ゾーン86の内側に配置されるように、隔壁87の一部である。
【0082】
この場合、移送ホイール78は、成形ゾーン86に向かう開口部の数を制限するために、移送ゾーン83の内側に完全に配置される。
【0083】
図に示される実施形態では、プリフォーム12Aの移送経路も移送ゾーン83の内側に配置されている。したがって、プリフォーム12Aをそれらの移送経路に沿って浸す無菌ガスの流れもまた、成形ステーション26によって引き起こされる空気循環から保護される。この目的のために、
図6に示されるように、隔壁87は、移送エンクロージャ84から成形ゾーン86に向かってプリフォーム12Aを通過させるための開口部93を備える。プリフォーム12Aを通過させるための開口部93は、プリフォーム12Bに適した寸法、すなわち、製造設備10によって取り込まれることが可能な最大容積のプリフォーム12Aの通過に十分であるが、移送ゾーン83と成形ゾーン86との間の空気の通過を制限するのに十分に制限された寸法を有する。
【0084】
この場合、容器12Bを通過させるための開口部88とプリフォーム12Aを通過させるための開口部93とは別個であり、成形ゾーン86に向かう開口部を制限するために隔壁87の一部によって分離される。
【0085】
上流移送ホイール66は、プリフォーム12Aが移送ゾーン83の内部からプリフォーム12Aを通過させるための開口部93を通って成形ゾーン86に搬送されることを可能にする。上記の理由により、下流移送ホイール72に対して、上流移送ホイール66の中央部は、保持部材68を通過させるための水平溝96を含むケーシング94によって移送ゾーン83の内部から分離されている。保持部材68およびその支持アーム70の一部のみが、プリフォーム12Aの移送経路に対応するそれらの円形軌道の一部で溝96を通って移送ゾーン83の内部に突出する。保持部材68は、移送ゾーン83の外側でそれらの円形軌道の残りの部分を実行する。
【0086】
この場合、ケーシング94は、隔壁87の一部であるため、上流ホイール66の中央部は成形ゾーン86の内側に配置される。
【0087】
容器12Bをそれらの移送経路に沿って効果的に保護するために、充填エンクロージャ54から来る無菌ガスの流れ「G1」を回収して使用することができるように、この場合の製造設備10は、移送ゾーン83を含む、移送エンクロージャ84と呼ばれる第2のエンクロージャを備える。移送エンクロージャ84は、無菌雰囲気を収容する。したがって、容器12Bは、移送エンクロージャ84の無菌雰囲気によってそれらの移送経路に沿っていかなる汚染からも保護される。
【0088】
移送ゾーン83は、この場合、移送エンクロージャ84を区切る壁を形成する前記隔壁87によって成形ゾーン86から分離される。したがって、成形ステーション26は、移送エンクロージャ84の外側に配置される。成形ゾーン86は、圧力が移送エンクロージャ84の内圧よりも低い雰囲気を有する。
【0089】
したがって、移送エンクロージャ84は、一般に、一方では隔壁87によって、他方では反対側の壁89によって横方向に区切られる。移送エンクロージャはまた、
図1に示されるように、この場合にはエンクロージャの壁56に隣接する端壁91と、この場合には加熱ステーション20に隣接する対向壁97とによって長手方向に区切られている。したがって、加熱ステーション20は、移送エンクロージャ84の外側にある。さらに、移送エンクロージャ84は、床95および天井101によって垂直に区切られている。
【0090】
充填エンクロージャ54の入口開口部58は、移送エンクロージャ84内へ直接開口する。したがって、容器12Bを移送するための移送装置64の移送ホイール78は、容器が入口開口部58に直接搬送されることを可能にする。
【0091】
移送エンクロージャ84の内圧は、充填エンクロージャ54の内圧よりも低い。これは、入口開口部58を通って出る無菌ガスの第1の流れ「G1」が、移送エンクロージャ84の内側に直接浸透するためである。したがって、移送エンクロージャ84には、充填エンクロージャ54を通って少なくとも部分的に無菌ガスが供給される。したがって、容器12Bは、それらの移送経路に沿って無菌ガスのこの第1の流れ「G1」に曝露される。
【0092】
移送エンクロージャ84の内圧は、成形ゾーン86の内圧よりも高く保たれる。結果として、無菌ガスの第1の流れ「G1」の少なくとも一部は、容器12Bの通過のための開口部88を経て、および溝92を経て、成形ゾーン86の方向に移送エンクロージャ84を出る。
【0093】
移送ゾーン83がプリフォーム12Aの移送経路も備えるとき、ここの場合のように、プリフォーム12Aはまた、それらの移送経路に沿って移送エンクロージャ84の内部に受け入れられる。
【0094】
容器12Bの移送経路およびプリフォーム12Aの移送経路は、充填エンクロージャ54から来る無菌ガスの第1の流れ「G1」とほぼ整列して配置され、プリフォーム12Aおよび容器12Bは、無菌ガスの前記第1の流れ「G1」とは反対の方向に変位される。このような構成は、一方では、製造設備10の設置面積を削減するという利点を有し、他方では、プリフォーム12Aを無菌ガスの前記第1の流れ「G1」に曝すことができるという利点を有する。
【0095】
さらに、加熱ステーション20は、加熱エンクロージャ98と呼ばれる第3のエンクロージャの内部に配置され、内部圧力は移送エンクロージャ84の内部圧力よりも低い。前記加熱エンクロージャ98は、より具体的には、プリフォーム12Aが循環するトンネルを区切る。加熱エンクロージャ98は、移送エンクロージャ84の壁に形成されたプリフォーム100のための通路を通して移送エンクロージャ84内へ直接開口する。プリフォーム100のための通路は、前記入口開口部58の領域の無菌ガスの第1の流れ「G1」の方向において容器の入口開口部58に実質的に対向して配置される。移送エンクロージャ84と加熱エンクロージャ98との間の圧力差により、無菌ガスの第1の流れ「G1」の一部は、プリフォーム100のための通路を経て移送エンクロージャ84から出る。
【0096】
充填エンクロージャ54から来る無菌ガスの第1の流れ「G1」の流量が、移送エンクロージャ84における必要な過圧を維持するのに不十分であるとき、充填エンクロージャ54から来る無菌ガスの第1の流れ「G1」を補完するために、少なくとも1つの第2の供給源を経て、移送エンクロージャ84に無菌ガスが直接供給されるようにする。
図7に示されるように、この場合、移送エンクロージャ84には、装置104によって放出された無菌ガスの第2の層流「G2」を経て無菌ガスが直接供給される。無菌ガスの第2の流れ「G2」は、移送エンクロージャ84の天井101に配置されたノズルから落下する。無菌ガスの第2の流れ「G2」は、プリフォーム12Aおよび容器12Bのネック16の方向において底部に向かって垂直に向けられる。したがって、無菌ガスは無菌空気によって形成される。
【0097】
第2の層流「G2」を成形ステーション26からの空気循環から保護する隔壁87の存在により、第2の層流「G2」の流量および出力は、ガスの様々な流れが空気循環を受ける従来技術の装置よりもあまり重要ではない。
【0098】
さらに、移送エンクロージャ84の存在は、充填エンクロージャ54から来る無菌ガスの第1の流れ「G1」を回収することを可能にする。これにより、容器12Bおよびプリフォーム12Aをそれらの移送経路上の無菌環境に維持するために必要な第2の層流「G2」の流量をさらに減少させることが可能になる。
【0099】
設備の運転中、プリフォーム12Aは、最初に、その本体がその成形に必要な温度まで加熱される加熱ステーション20に入る前に、殺菌装置102によって除染される。したがって、加熱ステーション20の出口では、このように加熱されたプリフォーム12Aは、第1の移送装置62の上流移送ホイール66によって直接取り込まれる。したがって、プリフォーム12Aは、移送エンクロージャ84内のそれらの移送経路に沿って移送される。プリフォームは、この移送エンクロージャを出て、出口開口部93を通過する。それらが成形ゾーン86に入ると、プリフォームは、プリフォームの周りを閉じる金型36に配置され、関連するノズル46は、作動位置に制御される。延伸ブロー成形によるそれらの成形作業中、最初にプリフォーム12Aの形態であり、次いで容器12Bの形態である中空体は、ノズル46のベルおよび金型36によって外部汚染物質から保護される。成形後、容器12Bは、下流移送ホイール72の保持部材74によって把持され、入口開口部88を通って移送エンクロージャ84の内側に迅速に移送される。容器は、それらの移送経路に沿って充填エンクロージャ54の入口開口部58に移送され、そこで容器は移送ホイール80によって取り込まれる。
【0100】
移送エンクロージャ84内のそれらの移送経路上で、プリフォーム12Aおよび容器12Bは、無菌ガスの第1の流れ「G1」に曝露され、必要に応じて、無菌ガスの第2の層流「G2」に曝露される。過剰圧力により、無菌ガスは、開口部88、93を通って、溝92、96を通って、プリフォーム100のための通路を通って、移送エンクロージャ84の外部に向かって自然に流れる。
【0101】
隔壁87の存在は、その発生源が何であれ、容器12Bおよび/またはプリフォーム12Aを曝露させる無菌ガスの流れを保護することを可能にする。隔壁87の存在は、有利には、移送経路が成形ゾーンに対して物理的に開いている従来技術の設備と同様の高い流量を維持する必要なしに、プリフォーム12Aおよび容器12Bが無菌ガスの流れに曝露されることを可能にする。
【0102】
本発明のさらなる態様によれば、充填エンクロージャ54を出る無菌ガスの第1の流れ「G1」は、容器12Bおよび/またはプリフォーム12Aを無菌雰囲気に維持するために使用される。これは、特に、成形ステーション26から分離することを可能にする移送エンクロージャ84の存在によって可能になる。
【国際調査報告】