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特表2023-527083アレナウイルスベクターを使用するがんの治療方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】アレナウイルスベクターを使用するがんの治療方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/76 20150101AFI20230619BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 15/37 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 15/40 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230619BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
A61K35/76
A61P35/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K39/395 T
A61K38/02
A61K48/00
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/37
C12N15/40
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N7/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573287
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2021062728
(87)【国際公開番号】W WO2021239471
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】63/032,362
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/173,155
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/175,842
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518408774
【氏名又は名称】ホオキパ バイオテック ジーエムビーエイチ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】イゴール マトゥシャンスキー
(72)【発明者】
【氏名】アンディー ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キアヌーシュ カッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ドナ エドワーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング ローターバッハ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シュウェンディンガー
(72)【発明者】
【氏名】クロース オルリンガー
(72)【発明者】
【氏名】サラ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ウルスラ ベルカ
(72)【発明者】
【氏名】コリーヌ イアコブッチ
(72)【発明者】
【氏名】カティア シュリエンガー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87X
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA13
4C084AA19
4C084BA44
4C084MA66
4C084MA70
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZC75
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG10
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087CA12
4C087MA66
4C087MA70
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZC75
(57)【要約】
本出願は概して、アレナウイルス粒子を使用するがん治療方法に関する。本明細書に記載する治療方法は、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原をコードする3セグメントアレナウイルス粒子を用いて、頭頸扁平上皮細胞癌を含むがんを治療するためのものである。本明細書に記載する治療方法は、免疫チェックポイント阻害剤を投与することを含むことができる。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記方法。
【請求項2】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記方法。
【請求項3】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記方法。
【請求項4】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記方法。
【請求項5】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、前記有効量が約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記方法。
【請求項6】
前記がんがHPV16である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記HPV16癌が頭頸扁平上皮細胞癌である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記HPV16癌が肛門癌、子宮頸癌、外陰、または膣癌である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記患者が、前記方法の前の少なくとも1つの標準的なケア治療法の際に、腫瘍の進行または再発を有している、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの標準的なケア治療法が、ペムブロリズマブ単剤療法を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記患者が、リンパ節内に標的病変を有するのみである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の前記投与が、静脈内注射を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記静脈内注射が、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎の頻度で投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記静脈内注射が現行のものであるか、限定されたサイクル数で投与される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記限定されたサイクル数が、2、3、4、5、または6回である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の前記有効量が、前記現行の静脈内注射で用いられる有効量よりも1logオーダー大きい、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず高頻度で、続いて低頻度で投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず3週間毎の頻度で、続いて6週間毎の頻度で投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、その後のサイクルは6週間毎の頻度で投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず4週間毎の頻度で、続いて8週間毎の頻度で投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず、4サイクルは4週間毎の頻度で、続いて、その後のサイクルは8週間毎の頻度で投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、静脈内注射の前に腫瘍内注射をさらに含む、請求項12~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の前記投与が、腫瘍内注射を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与することをさらに含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)チェックポイント阻害剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記抗PD-1チェックポイント阻害剤が抗体である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記抗体がニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、またはセミプリマブである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子が、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)に由来する、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記LCMVが、MP株;WE株;アームストロング株;アームストロングクローン13株;または、内因性LCMVクローン13糖タンパク質の代わりに、LCMV株WEの糖タンパク質を発現するLCMVクローン13株である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子がコンストラクト1を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
コンストラクト1の前記有効量が約5×10RCV FFUであり、コンストラクト1が、3週間毎の頻度で投与される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子が、ピチンデウイルス(PICV)に由来する、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記PICVが、株Munchique CoAn4763単離物P18、またはP2株である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子がコンストラクト2を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記方法が、前記患者の治療前レベルと比較して、前記患者の血清内での、サイトカインまたはケモカインのレベルの変化をもたらす、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記サイトカイン及びケモカインが、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、及びTNFαを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記方法が、前記患者の治療前のレベルと比較して、前記患者の血清内での、HPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記HPV16 E7/E6特異的T細胞が、CD8、IFN-γ、TNFα、及び/またはCD107aに対して陽性である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記T細胞が、予めインビトロ刺激及び/または増殖を行うことなく検出される、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
前記方法が、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、腫瘍組織内への、T細胞のより多くの浸潤をもたらす、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記方法が、前記プラセーボを受ける患者(複数可)の前記治療前レベルと比較して、充実性腫瘍における応答評価基準(RECIST)、及び/または、充実性腫瘍における免疫応答評価基準(iRECIST)を用いる、1つ以上の有効性エンドポイントの改善をもたらす、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記1つ以上の有効性エンドポイントの改善が、より高い割合の客観的な奏効率、より高い割合の疾患制御率、より高い割合の部分奏功、より長い無増悪生存期間、及び/または、より長い全体の生残を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
1つ以上のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、第1のアレナウイルス種に由来するヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、前記有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記患者に、前記セッションの約半分の時点で、第2のアレナウイルス種に由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、前記有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10RCV FFUである、前記投与することと、を含む、前記方法。
【請求項44】
(i)における前記第1のアレナウイルス種がリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)であり、(ii)における前記第2のアレナウイルス種がピチンデウイルス(PICV)である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
(i)における前記第1のアレナウイルス種がPICVであり、(ii)における前記第2のアレナウイルス種がLCMVである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記LCMVが、MP株;WE株;アームストロング株;アームストロングクローン13株;または、内因性LCMVクローン13糖タンパク質の代わりに、LCMV株WEの糖タンパク質を発現するLCMVクローン13株である、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子がコンストラクト1を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記PICVが、株Munchique CoAn4763単離物P18、またはP2株である、請求項44または45に記載の方法。
【請求項49】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子がコンストラクト2を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
(i)における前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子がコンストラクト2であり、(ii)における前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子がコンストラクト1である、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
1つ以上のセッションを含み、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、前記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、前記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
コンストラクト2の前記有効量が約1×10RCV FFUであり、コンストラクト1の前記有効量が約5×10RCV FFUであり、コンストラクト2及びコンストラクト1が静脈内投与され、各セッションが6週間続く、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記がんがHPV16である、請求項43~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記HPV16癌が頭頸扁平上皮細胞癌である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記HPV16癌が肛門癌、子宮頸癌、外陰、または膣癌である、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記患者が、前記方法の前の少なくとも1つの標準的なケア治療法の際に、腫瘍の進行または再発を有している、請求項43~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記少なくとも1つの標準的なケア治療法が、ペムブロリズマブ単剤療法を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記患者が、リンパ節内に標的病変を有するのみである、請求項43~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
(i)及び(ii)における前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を前記投与することが、静脈内注射を含む、請求項43~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
各セッションが、4週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間、または16週間続く、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記セッションが現行のものであるか、限定されたセッション数で繰り返される、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
前記限定されたセッション数が2、3、4、5、または6回である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の前記有効量が、前記現行のセッションで用いられる有効量よりも、1logオーダー大きい、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず短いセッションで、続いて長いセッションで投与される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず、それぞれが6週間続くセッションで、続いて、それぞれが12週間続くセッションで投与される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず、それぞれが6週間続く2セッションで、続いて、それぞれが12週間続くセッションで投与される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず、それぞれが8週間続くセッションで、続いて、それぞれが16週間続くセッションで投与される、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記静脈内注射が現行のものであり、まず、それぞれが8週間続く2セッションで、続いて、それぞれが16週間続くセッションで投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記方法が、前記静脈内注射の前に腫瘍内注射をさらに含む、請求項59~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記腫瘍内注射が、前記静脈内注射の3週間前に投与される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記腫瘍内注射がコンストラクト1と共に投与される、請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
前記組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の前記投与が、腫瘍内注射を含む、請求項43~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記方法が、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与することをさらに含む、請求項43~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)チェックポイント阻害剤を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記抗PD-1チェックポイント阻害剤が抗体である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記抗体がニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、またはセミプリマブである、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記方法が、前記患者の治療前レベルと比較して、前記患者の血清内での、サイトカインまたはケモカインのレベルの変化をもたらす、請求項43~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記サイトカイン及びケモカインが、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、及びTNFαを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記方法が、前記患者の治療前のレベルと比較して、前記患者の血清内での、HPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす、請求項43~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記HPV16 E7/E6特異的T細胞が、CD8、IFN-γ、TNFα、及び/またはCD107aに対して陽性である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記T細胞が、予めインビトロ刺激及び/または増殖を行うことなく検出される、請求項79または80に記載の方法。
【請求項82】
前記方法が、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、腫瘍組織内への、T細胞のより多くの浸潤をもたらす、請求項43~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記方法が、充実性腫瘍における応答評価基準(RECIST)、及び/または、充実性腫瘍における免疫応答評価基準(iRECIST)を用いる、1つ以上の有効性エンドポイントの改善をもたらす、請求項43~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記1つ以上の有効性エンドポイントの改善が、より高い割合の客観的な奏効率、より高い割合の疾患制御率、より高い割合の部分奏功、より長い無増悪生存期間、より長い全体の生残を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することを含み、前記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、コンストラクト1が、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、6週間毎の頻度の現行サイクルで静脈内投与される、前記方法。
【請求項86】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(i)前記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、前記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、前記コンストラクト1が、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、6週間毎の頻度の現行サイクルで静脈内投与される、前記投与することと、
(ii)前記患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、前記方法。
【請求項87】
複数のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項88】
複数のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項89】
複数のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項90】
複数のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項91】
複数のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項92】
複数のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項93】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記セッションと、
(2)前記患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、前記方法。
【請求項94】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記セッションと、
(2)前記患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、前記方法。
【請求項95】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記セッションと、
(2)前記患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、前記方法。
【請求項96】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記セッションと、
(2)前記患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、前記方法。
【請求項97】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記セッションと、
(2)前記患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、前記方法。
【請求項98】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記セッションと、
(2)前記患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、前記方法。
【請求項99】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)前記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
(2)3週間後に、前記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が約1×10RCV FFUである、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項100】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)前記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
(2)3週間後に、前記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が約1×10RCV FFUである、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項101】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)前記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
(2)3週間後に、前記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が約1×10RCV FFUである、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項102】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)前記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
(2)3週間後に、前記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が約1×10RCV FFUである、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項103】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)前記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の前記有効量が約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
(2)3週間後に、前記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が約1×10RCV FFUである、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項104】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記方法が、
(1)前記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の前記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
(2)3週間後に、前記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が約1×10RCV FFUである、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
前記最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、前記方法。
【請求項105】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、前記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、前記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、コンストラクト1が、3サイクルは3週間毎の頻度で静脈内投与され、前記方法が3サイクル後に終了する、前記投与することを含む、前記方法。
【請求項106】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
各セッションが6週間続き、前記方法が3セッション後に終了する、前記方法。
【請求項107】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
各セッションが6週間続き、前記方法が3セッション後に終了する、前記方法。
【請求項108】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
各セッションが6週間続き、前記方法が3セッション後に終了する、前記方法。
【請求項109】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
各セッションが6週間続き、前記方法が3セッション後に終了する、前記方法。
【請求項110】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
各セッションが6週間続き、前記方法が3セッション後に終了する、前記方法。
【請求項111】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、
i.前記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、前記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、前記投与することと、
ii.前記セッションの約半分の時点において、前記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、前記有効量が、約5×10RCV FFUである、前記投与することと、を含み、
各セッションが6週間続き、前記方法が3セッション後に終了する、前記方法。
【請求項112】
配列番号1または2のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列。
【請求項113】
配列番号3、4、5、6、7、または8のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列。
【請求項114】
前記ヌクレオチド配列がRNAである、請求項112または113に記載のヌクレオチド配列。
【請求項115】
請求項112~114のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列を含む宿主細胞。
【請求項116】
配列番号3、4、及び5のヌクレオチド配列を含む、3セグメントLCMV粒子。
【請求項117】
配列番号6、7、及び8のヌクレオチド配列を含む、3セグメントPICV粒子。
【請求項118】
請求項116または117に記載の3セグメントウイルス粒子と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物。
【請求項119】
前記ジヌクレオチド最適化HPV16 E7E6ヌクレオチド配列が、
i.少なくとも4、5、6、7、8,9、または10世代を継代した後、HPVの抗原の安定した発現を有することができ、
ii.前記コードされたHPV融合タンパク質を一貫して発現することができ、または
iii.前記コードされたHPV融合タンパク質に対して強力な免疫応答を誘発することができる、請求項116または117に記載の3セグメントアレナウイルス粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月29日に出願された米国シリアル番号第63/032,362号、2021年4月9日に出願された同第63/173,155号、及び、2021年4月16日に出願された同第63/175,842号に対する優先権を主張し、これらそれぞれの全体が、本明細書に参照により組み込まれている。
【0002】
本出願は概して、アレナウイルス粒子を使用するがんの治療方法に関し、より具体的には、HPV抗原をコードする、3セグメントアレナウイルス粒子、及び、いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤の投与を使用する、頭頸扁平上皮細胞癌を含むがんを治療するための、具体的な治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトパピローマウイルス16(HPV16)感染症は、子宮頸癌、頭頸癌、膣癌、及び肛門癌などの、世界的ながんの、実質的な割合、及び割合の増加と関連している(de Martel C, et al.Int J Cancer.2017;141:664-670を参照されたい)。HPV16再発または転移癌を有する患者に対しては、治療オプションが限られており、長期生存の可能性が低い。HPV16悪性状態の生成及び持続には、HPV16特異的E7及びE6がん遺伝子の安定した発現が必要であり、これは、細胞の、がん細胞への形質転換を駆動することが示されている(Schmidt S,et al.Oncoimmunology.2020;9(1):1809960;Dong Z,et al.Front Immunol.2021;11:586796を参照されたい)。したがって、HPV16特異的E7及びE6は、免疫原性の腫瘍関連抗原としての役割を果たす可能性がある。本明細書に記載の方法はHPV16感染症の治療のニーズを満たし、関連する利点をもたらす。
【発明の概要】
【0004】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法を本明細書で提供する。このような方法は、患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする、重複(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含む。アレナウイルス粒子の有効量は、約5×10、約5×10、約5×10、約1×10、または、約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、がんを治療するための、本明細書で提供する方法は、由来に関係なく、HPV16癌を治療することを含む。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、頭頸扁平上皮細胞癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、肛門癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、子宮頸癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、膣癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、外陰癌と診断されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、患者は、方法の前の少なくとも1つの標準的なケア治療法の際に、腫瘍の進行または再発を有した。いくつかの特定の実施形態では、少なくとも1つの標準的なケア治療法は、ペムブロリズマブ単剤療法を含む。他の実施形態では、患者は、リンパ節内に標的病変を有するのみである。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は静脈内注射、腫瘍内注射、またはこれらの組み合わせを使用する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与は、静脈内注射を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与は、腫瘍内注射を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与は、腫瘍内注射、続いて静脈内注射を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、静脈内注射は、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎の頻度で投与される。
【0009】
いくつかの実施形態では、静脈内注射は現行のものであるか、限定されたサイクル数で投与される。特定の実施形態では、限定されたサイクル数は、2、3、4、5、または6回である。他の特定の実施形態では、限定されたサイクル数で投与される、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の有効量は、現行の静脈内注射で用いられる有効量よりも、1logオーダー大きい。他の実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず高頻度で、続いて低頻度で投与される。特定の実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず3週間毎の頻度で、続いて6週間毎の頻度で投与される。一実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、その後のサイクルは6週間毎の頻度で投与される。他の特定の実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず4週間毎の頻度で、続いて8週間毎の頻度で投与される。一実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず、4サイクルは4週間毎の頻度で、続いて、その後のサイクルは8週間毎の頻度で投与される。さらなる実施形態では、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与は、腫瘍内注射を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与することもまた含むことができる。本明細書に記載の方法で使用するのに特に有用な、例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、抗PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)チェックポイント阻害剤が挙げられる。このような抗PD-1チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、またはセミプリマブなどの抗体であることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、本明細書に記載するコンストラクト1を含む、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を使用する。いくつかの実施形態では、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、MP株;WE株;アームストロング株;アームストロングクローン13株;または、内因性LCMVクローン13糖タンパク質の代わりに、LCMV株WEの糖タンパク質を発現するLCMVクローン13株を含むLCMVに由来する。一実施形態では、有効量のコンストラクト1は、約5×10RCV FFUであり、コンストラクト1は、3週間毎の頻度で投与される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、本明細書に記載するコンストラクト2を含む、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を使用する。いくつかの実施形態では、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、株Munchique CoAn4763単離物P18、P2株、または、Trapido及び同僚により説明されている(Trapido et al,1971,Am J Trop Med Hyg,20:631-641)いくつかの単離物のうちのいずれかを含む、ピチンデウイルス(PICV)に由来する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前レベルと比較して、患者の血清内での、サイトカインまたはケモカインレベルの変化をもたらす。いくつかの特定の実施形態ではサイトカイン及びケモカインは、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、及びTNFαを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、HPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす。いくつかの特定の実施形態ではHPV16 E7/E6特異的T細胞は、CD8、IFN-γ、TNFα、及び/またはCD107aに対して陽性である。他の実施形態では、上述したT細胞は、予めインビトロ刺激及び/または増殖を行うことなく、検出される。さらに他の実施形態では、方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、腫瘍組織内への、T細胞のより多くの浸潤をもたらす。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、充実性腫瘍における応答評価基準(RECIST)、及び/または、充実性腫瘍における免疫応答評価基準(iRECIST)を用いる、1つ以上の有効性エンドポイントの改善をもたらす。いくつかの特定の実施形態では、1つ以上の有効性エンドポイントの改善は、より高い割合の客観的な奏効率、より高い割合の疾患制御率、より高い割合の部分奏功、より長い無増悪生存期間、及び/または、より長い全体の生残を含む。
【0016】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)上記患者に、第1のアレナウイルス種に由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記患者に、第2のアレナウイルス種に由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記方法もまた、本明細書において提供する。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、(i)及び/または(ii)を反復することをさらに含む。いくつかの実施形態では、(i)におけるアレナウイルス種はLCMVであり、(ii)におけるアレナウイルス種はPICVである。他の実施形態では、(i)におけるアレナウイルス種はPICVであり、(ii)におけるアレナウイルス種はLCMVである。
【0018】
1つ以上のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、(i)上記患者に、第1のアレナウイルス種に由来するヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(ii)上記患者に、セッションの約半分の時点で、第2のアレナウイルス種に由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記方法を本明細書において提供する。いくつかの実施形態では、(i)における第1のアレナウイルス種はリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)であり、(ii)における第2のアレナウイルス種はピチンデウイルス(PICV)である。他の実施形態では、(i)における第1のアレナウイルス種はPICVであり、(ii)における第2のアレナウイルス種はLCMVである。
【0019】
いくつかの実施形態では、1回以上のセッションを含む方法であって、各セッションが、(i).患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii).上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記方法を本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、(i)及び(ii)における組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することは、静脈内注射を含む。いくつかの特定の実施形態では、各セッションは、4週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間、または16週間続く。
【0020】
いくつかの実施形態では、がんを治療するための、本明細書で提供する方法は、由来に関係なく、HPV16癌を治療することを含む。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、頭頸扁平上皮細胞癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、肛門癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、子宮頸癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、膣癌と診断されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、患者は、方法の前の少なくとも1つの標準的なケア治療法の際に、腫瘍の進行または再発を有した。いくつかの特定の実施形態では、少なくとも1つの標準的なケア治療法は、ペムブロリズマブ単剤療法を含む。他の実施形態では、患者は、リンパ節内に標的病変を有するのみである。
【0022】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は静脈内注射、腫瘍内注射、またはこれらの組み合わせを使用する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与は、静脈内注射を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与は、腫瘍内注射を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与は、腫瘍内注射、続いて静脈内注射を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、セッションは現行のものであるか、限定されたセッション数で繰り返される。いくつかの特定の実施形態では、限定されたセッション数は2、3、4、5、または6回である。いくつかの特定の実施形態では、限定されたセッション数で投与される、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の有効量は、現行のセッションで用いられる有効量よりも、1logオーダー大きい。いくつかの特定の実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず短いセッションで、続いて長いセッションで投与される。いくつかの特定の実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず、それぞれが6週間続くセッションで、続いて、それぞれが12週間続くセッションで投与される。一実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず、それぞれが6週間続く2セッションで、続いて、それぞれが12週間続くセッションで投与される。いくつかの特定の実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず、それぞれが8週間続くセッションで、続いて、それぞれが16週間続くセッションで投与される。一実施形態では、静脈内注射は現行のものであり、まず、それぞれが8週間続く2セッションで、続いて、それぞれが16週間続くセッションで投与される。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法は、静脈内注射の前に腫瘍内注射をさらに含む。特定の実施形態では、腫瘍内注射は、静脈内注射の3週間前に投与される。さらに特定の実施形態では、腫瘍内注射はコンストラクト1と共に投与される。
【0025】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与することもまた含むことができる。本明細書に記載の方法で使用するのに特に有用な、例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、抗PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)チェックポイント阻害剤が挙げられる。このような抗PD-1チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、またはセミプリマブなどの抗体であることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、本明細書に記載するコンストラクト1を含む、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を使用する。いくつかの実施形態では、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、MP株;WE株;アームストロング株;アームストロングクローン13株;または、内因性LCMVクローン13糖タンパク質の代わりに、LCMV株WEの糖タンパク質を発現するLCMVクローン13株を含むLCMVに由来する。
【0027】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、本明細書に記載するコンストラクト2を含む、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を使用する。いくつかの実施形態では、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、株Munchique CoAn4763単離物P18、P2株、または、Trapido及び同僚により説明されている(Trapido et al,1971,Am J Trop Med Hyg,20:631-641)いくつかの単離物のうちのいずれかを含むPICVに由来する。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前レベルと比較して、患者の血清内での、サイトカインのレベルまたはケモカインレベルの変化をもたらす。いくつかの特定の実施形態ではサイトカイン及びケモカインは、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、及びTNFαを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、HPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす。いくつかの特定の実施形態ではHPV16 E7/E6特異的T細胞は、CD8、IFN-γ、TNFα、及び/またはCD107aに対して陽性である。他の実施形態では、上述したT細胞は、予めインビトロ刺激及び/または増殖を行うことなく、検出される。さらに他の実施形態では、方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、腫瘍組織内への、T細胞のより多くの浸潤をもたらす。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、充実性腫瘍における応答評価基準(RECIST)、及び/または、充実性腫瘍における免疫応答評価基準(iRECIST)を用いる、1つ以上の有効性エンドポイントの改善をもたらす。いくつかの特定の実施形態では、1つ以上の有効性エンドポイントの改善は、より高い割合の客観的な奏効率、より高い割合の疾患制御率、より高い割合の部分奏功、より長い無増悪生存期間、及び/または、より長い全体の生残を含む。
【0031】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、上記コンストラクト1が、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、6週間毎の頻度の現行サイクルで静脈内投与される、上記投与することと、患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0032】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0033】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0034】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0035】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0036】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0037】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0038】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0039】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0040】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0041】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0042】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0043】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0044】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0045】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0046】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0047】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0048】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0049】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0050】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、コンストラクト1が、3サイクルは3週間毎の頻度で静脈内投与され、方法が3サイクル後に終了する、上記投与することを含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0051】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0052】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0053】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0054】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0055】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0056】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0057】
配列番号1または2のヌクレオチド配列を含む核酸を、本明細書において提供する。
【0058】
配列番号3、4、5、6、7、または8のヌクレオチド配列を含む核酸もまた、本明細書において提供する。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する核酸はRNAである。
【0060】
配列番号1、2、3、4、5、6、7、または8のヌクレオチド配列を含む宿主細胞を、本明細書において提供する。
【0061】
配列番号3、4、及び5のヌクレオチド配列を含む3セグメントLCMV粒子を、本明細書において提供する。
【0062】
配列番号6、7、及び8のヌクレオチド配列を含む3セグメントピチンデウイルス粒子もまた、本明細書において提供する。
【0063】
配列番号3、4、及び5のヌクレオチド配列を含む、3セグメントLCMV粒子、または、配列番号6、7、及び8のヌクレオチド配列を含む3セグメントピチンデウイルス粒子、ならびに、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を、本明細書において提供する。
【0064】
いくつかの実施形態では、ジヌクレオチド最適化HPV16 E7E6ヌクレオチド配列を含む3セグメントアレナウイルス粒子は、少なくとも4、5、6、7、8,9、または10世代を継代した後、HPV抗原の安定した発現を有することができ、コードされたHPV融合タンパク質の一貫した発現を有することができる、または、コードされたHPV融合タンパク質に対して強力な免疫応答を誘発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】HPV癌の負荷、及び、HPVと関連するがんを示す。
【0066】
図2A】野生型アレナウイルス(例えば、LCMVまたはPICV)、HPV16 E7/E6の非発がん性融合タンパク質をコードする、アレナウイルスLCMVまたはPICVに由来する、複製可能3セグメントアレナウイルス粒子、及び、3セグメントアレナウイルス粒子の複製減衰モードの概略図を示す。アレナウイルス(LCMV及びPICV)野生型粒子(左)、ならびにそのゲノム(右)を示す。アンチセンスRNAゲノムは4種類のウイルス性タンパク質:GP(糖タンパク質)、NP(核タンパク質)、L(RNA指向RNAポリメラーゼ)、及びZ(RINGフィンガータンパク質Z)をコードする。
図2B】野生型アレナウイルス(例えば、LCMVまたはPICV)、HPV16 E7/E6の非発がん性融合タンパク質をコードする、アレナウイルスLCMVまたはPICVに由来する、複製可能3セグメントアレナウイルス粒子、及び、3セグメントアレナウイルス粒子の複製減衰モードの概略図を示す。アスタリスク(*)、及びGPまたはNPのいずれか、加えて、Lセグメントにより示される、5つのアミノ酸変異を有するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードして、E7及びE6の発がん能を妨げる、人工的に複製されたSセグメントを含有する、組み換えられた3セグメントアレナウイルス粒子(コンストラクト1;LCMVベースベクター、コンストラクト2:PICVベースベクター)を示す。
図2C】野生型アレナウイルス(例えば、LCMVまたはPICV)、HPV16 E7/E6の非発がん性融合タンパク質をコードする、アレナウイルスLCMVまたはPICVに由来する、複製可能3セグメントアレナウイルス粒子、及び、3セグメントアレナウイルス粒子の複製減衰モードの概略図を示す。それぞれ、野生型LCMV及びPICVと比較して、3つのゲノムセグメントの不十分なパッケージングが、コンストラクト1及びコンストラクト2の減衰をもたらすことを示す。
【0067】
図3A】マウスにおける、図2Bの、組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子の、前臨床研究の結果を示す。このような粒子は、抗原特異的な様式で免疫系を刺激するために、樹状細胞、及び他の抗原提示細胞を標的化する。組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子は、HPV16腫瘍細胞に対して特異的に向けられた強力なT細胞応答を誘発する。静脈内(IV)投与により、粒子の用量を増加させて免疫化した、健常なマウスにおける血液HPV16 E7特異的CD8(CD8B220)T細胞の割合により図示される、組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子(コンストラクト1)の免疫原性を示す。
図3B】マウスにおける、図2Bの、組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子の、前臨床研究の結果を示す。このような粒子は、抗原特異的な様式で免疫系を刺激するために、樹状細胞、及び他の抗原提示細胞を標的化する。組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子は、HPV16腫瘍細胞に対して特異的に向けられた強力なT細胞応答を誘発する。IV投与の後、用量を増加させた、組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子で処理した、HPV16 TC腫瘍を有するマウスにおける、腫瘍増殖の動態を示す。
図3C】マウスにおける、図2Bの、組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子の、前臨床研究の結果を示す。このような粒子は、抗原特異的な様式で免疫系を刺激するために、樹状細胞、及び他の抗原提示細胞を標的化する。組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子は、HPV16腫瘍細胞に対して特異的に向けられた強力なT細胞応答を誘発する。腫瘍内(IT)またはIV投与後に、組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子(コンストラクト1)で処理した、HPV16 RC-1腫瘍を有するマウスの生残曲線を示す。
【0068】
図4】用量漸増と、用量拡大戦略の両方を含む、治療研究設計を示す。コンストラクト1=図2Bの、組み換えられたLCMVベースの3セグメントアレナウイルス粒子;RP2D=推奨される第II相用量;HNSCC=頭頸扁平上皮細胞癌;HPV16=ヒトパピローマウイルス16;IV=静脈内;IT=腫瘍内;RCV FFU=複製可能ウイルスフォーカス形成単位;抗PD-1=PD-1免疫チェックポイント阻害剤;
【0069】
図5】フェーズ1の用量漸増研究のための治療設計を示す。
【0070】
図6A】コンストラクト1での処理後の、異なる血清サイトカインまたはケモカインシグネチャーの結果を示す。8回の時点にわたる、12名の患者に対する30プレックスのサイトカイン及びケモカイン分析の結果を示す。4日目のデータは、12名のうち10名の患者から得られた。分析物(pg/mL)をzスコアに変換した。階層クラスター化は訪問日に、各分析物レベルで実施した。
図6B】コンストラクト1での処理後の、異なる血清サイトカインまたはケモカインシグネチャーの結果を示す。処理の4日後の、選択されたキーサイトカインの発現における、コンストラクト1での処理の効果を示す。12名のうち9名の患者が、ベースライン、及び4日目の試料の両方を有した。
【0071】
図7A】コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後の、循環HPV E6/E7特異的多機能性T細胞の結果を示す。単回IV用量のコンストラクト1またはコンストラクト2の投与後に、ベースラインから15日目までの、スポット形成単位の変化における、直接的なIFN-γ ELISpot分析を示す。
図7B】コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後の、循環HPV E6/E7特異的多機能性T細胞の結果を示す。単回IV用量のコンストラクト1またはコンストラクト2で処理した患者における、E6/E7特異的T細胞の増加を示す。
図7C】コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後の、循環HPV E6/E7特異的多機能性T細胞の結果を示す。単回用量のコンストラクト1を受けた1名の患者のCD8 T細胞上でゲーティングされた後の、全末梢T細胞集団間におけるCD4及びCD8の頻度、ならびに、IFN-γ、TNF-α、及びCD107aの頻度を示す。
図7D】コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後の、循環HPV E6/E7特異的多機能性T細胞の結果を示す。単回用量のコンストラクト1を受けた別の1名の患者のCD8 T細胞上でゲーティングされた後の、全末梢T細胞集団間におけるCD4及びCD8の頻度、ならびに、IFN-γ、TNF-α、及びCD107aの頻度を示す。
図7E】コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後の、循環HPV E6/E7特異的多機能性T細胞の結果を示す。単回用量のコンストラクト2を受けた1名の患者のCD8 T細胞上でゲーティングされた後の、全末梢T細胞集団間におけるCD4及びCD8の頻度、ならびに、IFN-γ、TNF-α、及びCD107aの頻度を示す。
図7F】コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後の、循環HPV E6/E7特異的多機能性T細胞の結果を示す。3名の患者それぞれの円グラフを示し、コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後の、3つの機能的応答マーカー(即ち、CD107a、IFN-γ、TNF-α)の組み合わせにおける、HPV16 E6/E7特異的CD8 T細胞の相対頻度を表す。
【0072】
図8図2Bに従った、コンストラクト1のE7E6-NP-Sセグメント1(2648bp)を示す。以下の要素は、開示された配列の5’から3’に向けて示されている。LCMV cl13 Sセグメントに基づく5’非翻訳領域(UTR)(1~78bp)はハイライトなしで示される;ヒトパピローマウイルス16型(HPV16)タンパク質E6及びE7で構成される合成融合タンパク質(79~846bp)は緑で示される;LCMV cl13 Sセグメントに基づく遺伝子間領域(IGR)(847~910bp)は青で示される;LCMV cl13に基づく核タンパク質(NP)(911~2587bp)は灰色で示される;LCMV cl13 Sセグメントに基づく3’非翻訳領域(UTR)(2588~2648bp)はハイライトなしで示される。
【0073】
図9図2Bに従った、コンストラクト1のE7E6-GP-Sセグメント2(2648bp)を示す。以下の要素は、開示された配列の5’から3’に向けて示されている。LCMV cl13 Sセグメントに基づく5’非翻訳領域(UTR)(1~78bp)はハイライトなしで示される;ヒトパピローマウイルス16型(HPV16)タンパク質E6及びE7で構成される合成融合タンパク質(79~846bp)は緑で示される;LCMV cl13 Sセグメントに基づく遺伝子間領域(IGR)(847~910bp)は青で示される;LCMV WEに基づく糖タンパク質(GP)(911~2407bp)は黄色で示される;LCMV cl13 Sセグメントに基づく3’非翻訳領域(UTR)(2408~2468bp)はハイライトなしで示される。
【0074】
図10図2Bに従った、コンストラクト1のLセグメント(7229bp)を示す。以下の要素は、開示された配列の5’から3’に向けて示されている。LCMV cl13 Lセグメントに基づく5’非翻訳領域(UTR)(1~89bp)はハイライトなしで示される;LCMV cl13に基づくマトリックスタンパク質(Z)(90~362bp)は緑で示される;LCMV cl13 Lセグメントに基づく遺伝子間領域(IGR)(363~564bp)は青で示される;LCMV cl13に基づくリボ核酸依存性リボ核酸ポリメラーゼタンパク質(L)(565~7197bp)は灰色で示される;LCMV cl13 Lセグメントに基づく3’非翻訳領域(UTR)(7198~7229bp)はハイライトなしで示される;
【0075】
図11図2Bに従った、コンストラクト2のE7E6-NP-Sセグメント1(2663bp)を示す。以下の要素は、開示された配列の5’から3’に向けて示されている。PICV p18 Sセグメントに基づく5’非翻訳領域(UTR)(1~52p)はハイライトなしで示される;ヒトパピローマウイルス16型(HPV16)タンパク質E6及びE7で構成される合成融合タンパク質(53~820bp)は緑で示される;PICV p18 Sセグメントに基づく遺伝子間領域(IGR)(821~894bp)は青で示される;PICV p18に基づく核タンパク質(NP)(895~2580bp)は灰色で示される;PICV p18 Sセグメントに基づく3’非翻訳領域(UTR)(2581~2663bp)はハイライトなしで示される。
【0076】
図12図2Bに従った、コンストラクト2のE7E6-GP-Sセグメント2(2504bp)を示す。以下の要素は、開示された配列の5’から3’に向けて示されている。PICV p18 Sセグメントに基づく5’非翻訳領域(UTR)(1~52p)はハイライトなしで示される;ヒトパピローマウイルス16型(HPV16)タンパク質E6及びE7で構成される合成融合タンパク質(53~820bp)は緑で示される;PICV p18 Sセグメントに基づく遺伝子間領域(IGR)(821~894bp)は青で示される;PICV p18に基づく糖タンパク質(GP)(895~2421bp)は黄色で示す;PICV p18 Sセグメントに基づく3’非翻訳領域(UTR)(2422~2504bp)はハイライトなしで示される。
【0077】
図13図2Bに従った、コンストラクト2のLセグメント(7058bp)を示す。以下の要素は、開示された配列の5’から3’に向けて示されている。PICV p18 Lセグメントに基づく5’非翻訳領域(UTR)(1~85bp)はハイライトなしで示す;PICV p18に基づくマトリックスタンパク質(Z)(86~373bp)は赤で示す;PICV p18 Lセグメントに基づく遺伝子間領域(IGR)(374~443bp)は青で示す;PICV p18に基づくリボ核酸依存性リボ核酸ポリメラーゼタンパク質(L)(444~7028bp)は灰色で示される;PICV p18 Lセグメントに基づく3’非翻訳領域(UTR)(7029~7058bp)はハイライトなしで示す。
【0078】
図14A】HPV16腫瘍を有するマウスモデルにおける、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2の有効性を示す。コンストラクト1の用量と、HPV16 E7特異的CD8B220T細胞の割合との相関を示す。CD8=分化8のクラスター、E7=ヒトパピローマウイルス16由来の抗原性E7融合タンパク質。
図14B】HPV16腫瘍を有するマウスモデルにおける、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2の有効性を示す。異なる用量のコンストラクト1による処理に対応する、経時的な腫瘍体積の変化を示す。FFU=フォーカス形成単位、HPV=ヒトパピローマウイルス、RCV=複製可能ウイルス。
図14C】HPV16腫瘍を有するマウスモデルにおける、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2の有効性を示す。緩衝液のみで処理した対照動物と比較しての、コンストラクト1による処理、または、異なる投与経路(i.v.=静脈内;i.t.腫瘍内)を経由する、無関係な対照抗原GFPを発現するアレナウイルスベクターによる処理に対応する、経時的な腫瘍体積の変化を示す。E7E6=ヒトパピローマウイルス16に由来する抗原性E7及びE6融合タンパク質、G=群、GFP=緑色蛍光タンパク質、i.t.(IT)=腫瘍内、i.v.(IV)=静脈内、n=各実験群におけるマウスの数。
図14D】HPV16腫瘍を有するマウスモデルにおける、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2の有効性を示す。21日間隔で、10RCV FFUの各ベクターをi.v.投与した後の、コンストラクト1及びコンストラクト2の示された投与レジメンに対応する、経時的な、マウスでのHPV16 E7特異的CD8B220T細胞の割合の変化を示す。CD=分化のクラスター、E7E6=ヒトパピローマウイルス16に由来する抗原性E7及びE6融合タンパク質、G=群、破線は、ベクター投与の配列を示す(プライム/1回目の用量、ブースト/2回目の用量)。
図14E】HPV16腫瘍を有するマウスモデルにおける、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2の有効性を示す。4、7、または10日間隔で、10RCV FFUの各ベクターをi.v.投与した後の、コンストラクト1及びコンストラクト2の示された投与レジメンに対応する、経時的な腫瘍体積の変化を示す。G=群、d=プライム投与とブースト投与の間の日数、破線は、ベクター投与の配列を示す(プライム/1回目の用量、ブースト/2回目の用量)。
【0079】
図15】第I相の用量漸増及び第II相の用量拡大を含む、実施例IIIの実験設計を示す。Alt.=交代、Approx=およそ、HNSCC=頭頸扁平上皮細胞癌、HPV=ヒトパピローマウイルス、IT=腫瘍内、IV=静脈内、n=患者の数、RP2D=推奨される第II相用量。
【0080】
図16】実施例IIIにおけるバックフィルコホート用の実験設計を示す。
【0081】
図17A】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。個別の患者における治療期間を示す。治療時間=最後の治療/死亡時-最初の投与日+1;研究員により、ペムブロリズマブを、3名の患者におけるアレナウイルスベクター治療法に加えた。データ移動日時点で、TLFへのデータ入力が行われていない/正しくないために、数名の患者に対してはEDCデータを使用した。DL、用量レベル;EDC、電子データキャプチャ;HNSCC、頭頸扁平上皮細胞癌;IT、腫瘍内;IV、静脈内;PR、部分奏功;Q2W、2週間毎;Q3W、3週間毎。
図17B】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。各個別の患者の、ベースラインからの、標的病変(TL)の直径合計(SOD)の変化を示す。縞状の領域は、ペムブロリズマブを治療法に加えた後、標的病変変化の減少を示す。評価不可能な走査による進行割合、人工的に2%が割り当てられる。非中咽頭患者:A、肛門;C、子宮頸;NP、鼻咽頭;V、膣。IT、腫瘍内、IV、静脈内;SOD、直径合計;TL、標的病変。Q2W=2週間毎;Q3W=3週間毎;DL=用量レベル。
図17C】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。投与スケジュール/経路による、ベースラインからの、最良の標的病変(TL)の直径合計(SOD)を示す。Q2W=2週間毎;Q3W=3週間毎;DL=用量レベル;IV=静脈内;IT=腫瘍内。
図17D】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。スパイダープロットにおける、各個別の患者の、ベースラインからの、標的病変(TL)の直径合計(SOD)の変化を示す。白色の正方形は、ペムブロリズマブを加えた後に行われる走査を表す。評価不可能な有効性走査を有する1名の患者は、スパイダープロットには示さない。60%の減少を有する標的病変は、<10mmを測定したリンパ節であり、それ故に、完全奏功は確認されなかった。データ移動日時点で、TLFへのデータ入力が行われていない/正しくないために、数名の患者に対してはEDCデータを使用した。EDC、電子データキャプチャ;HNSCC、頭頸扁平上皮細胞癌;SOD、直径合計;TL、標的病変、uCR、未確認の完全奏功。
図17E】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。治療した患者における無増悪生存期間(PFS)を示す。ペムブロリズマブを受けた患者に対しては、PFSは、RECIST進行前にペムブロリズマブが加えられた後の時間も含む。
図17F】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。標的病変は、リンパ節病変のみを有する患者、加えて、非リンパ節病変のみを有する、または、リンパ節病変と非リンパ節病変の両方を有する患者における、ベースラインからの変化を示す。
図17G】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。3週間毎にコンストラクト1用量レベル2のIV投与、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のIV投与を受ける患者における、RECISTが評価可能な病変に対する直径変化の合計を示す。
図17H】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。直径変化の最良の合計と、治療時間との相関を示す。
図17I】コンストラクト1の単剤療法と、コンストラクト2/コンストラクト1の交代2ベクター治療法の、有効性データを示す。治療中の、ベースライン、及び後の時点における有効性走査を示す。
【0082】
図18A】9回の時点にわたる、コンストラクト1での治療後の、30プレックスのサイトカイン及びケモカイン分析の結果を示す。4日目のデータは、12名のうち10名の患者から得られた。分析物(pg/mL)をzスコアに変換した。階層クラスター化は訪問日に、各分析物レベルで実施した。
図18B】治療の4日後での選択されたキーサイトカインの発現における、コンストラクト1の単剤療法(DL1(5×10RCV FFU)もしくはDL2(5×10RCV))、または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法(コンストラクト2:1×10RCV FFU、コンストラクト1:5×10RCV FFU)による治療の効果を示す。
【0083】
図19A】コンストラクト1の単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法により誘発される、強力な免疫原性を示す。3週間毎のDL2(5×10RCV FFU)における、コンストラクト1をIVで受けた6名の患者のELISpotの結果を示す。患者全員に由来する解凍した末梢血単核球細胞(PBMC)を、直接エキソビボIFN-γ ELISpot測定のために、重なり合うHPV16 E6/E7ペプチドで24時間(±2時間)で刺激した。スポット形成単位の数/1×10 PBMCを示す。
図19B】コンストラクト1の単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法により誘発される、強力な免疫原性を示す。3週間毎のDL2(5×10RCV FFU)における、コンストラクト1をIVで受けた6名の患者のICSの結果を示す。PBMCを、重なり合うHPV16 E6/E7ペプチドで6時間刺激し、IFN-γ、TNF-α、IL-2、及びCD107aに対するその後の免疫染色のために洗浄して、多染性フローサイトメトリーにより分析した。CD8 T細胞間でのIFN-γ細胞の割合を示す。
図19C】コンストラクト1の単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法により誘発される、強力な免疫原性を示す。3週間毎に、DL1(1×10RCV FFU)でコンストラクト2を、及び、DL2(5×10RCV FFU)でコンストラクト1をIVで受けた3名の患者の、ELISpot結果を示す。患者全員に由来する解凍した末梢血単核球細胞(PBMC)を、直接エキソビボIFN-γ ELISpot測定のために、重なり合うHPV16 E6/E7ペプチドで24時間(±2時間)で刺激した。スポット形成単位の数/1×10 PBMCを示す。定量上限(ULOQ)は、水平の点線で表される。
図19D】コンストラクト1の単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法により誘発される、強力な免疫原性を示す。3週間毎に、DL1(1×10RCV FFU)でコンストラクト2を、及び、DL2(5×10RCV FFU)でコンストラクト1をIVで受けた3名の患者の、ICS結果を示す。PBMCを、重なり合うHPV16 E6/E7ペプチドで6時間刺激し、IFN-γ、TNF-α、IL-2、及びCD107aに対するその後の免疫染色のために洗浄して、多染性フローサイトメトリーにより分析した。CD8 T細胞間でのIFN-γ細胞の割合を示す。
図19E】コンストラクト1の単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法により誘発される、強力な免疫原性を示す。コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を受ける1名の患者における、経時的なCD8及びCD4 T細胞のフローサイトメトリー結果を示す。PBMCを、E6/E7ペプチドで6時間刺激し、その後の免疫染色のために洗浄して、多染性フローサイトメトリーにより分析した。細胞をCD3+細胞上でゲーティングし、CD8ゲートを上回る数は、CD3+T細胞内でのCD8+細胞の割合を示す。
図19F】コンストラクト1の単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法により誘発される、強力な免疫原性を示す。コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を受ける1名の患者における、経時的な、IFN-γ、TNFα、またはCD107aを発現するT細胞のフローサイトメトリー結果を示す。PBMCを、重なり合うE6/E7ペプチドプールで6時間刺激し、IFN-γ、TNF-α、IL-2、及びCD107aに対するその後の免疫染色のために洗浄して、多染性フローサイトメトリーにより分析した。細胞をCD3+ CD8+ T細胞上でゲーティングした。
図19G】個別の患者に対する、ベースラインから最大奏功(Max)までの、PBMCの変化を示す。Maxとは、各個別の患者に対する、IFN-γ ELISpotにより測定された最大のE6/E7特異的T細胞応答を意味する。3回以上のアレナウイルスベクター投与後の、WBC 10/μL血液としての、ベースラインからMaxへの、白血球(WBC)数の変化を示す(左パネル)。右パネルは、血液試料の、CD19、NK1.1、CD3、CD8、及びCD4染色後での、フローサイトメトリー分析から計算した、ベースラインからMaxまでの、CD8/CD4比率の変化を示す。
図19H】個別の患者に対する、ベースラインから最大奏功(Max)までの、PBMCの変化を示す。Maxとは、各個別の患者に対する、IFN-γ ELISpotにより測定された最大のE6/E7特異的T細胞応答を意味する。スポット形成単位/10 PBMCとしての、ベースライン及びMaxに対するIFN-γ ELISpot結果を示す。
図19I】個別の患者に対する、ベースラインから最大奏功(Max)までの、PBMCの変化を示す。Maxとは、各個別の患者に対する、IFN-γ ELISpotにより測定された最大のE6/E7特異的T細胞応答を意味する。細胞内サイトカイン染色後のPBMC試料からの、例示的な疑似カラープロットである。左のプロットはベースラインのものであり、右のプロットはMaxのものである。上列は、コンストラクト1 DL2(5×10RCV FFU)IV-IVで治療した患者由来のものであり、下列は、コンストラクト2 DL1(1×10RCV FFU)及びコンストラクト1 DL2(5×10RCV FFU)交代2ベクター治療法で治療した患者由来のものである。
【発明を実施するための形態】
【0084】
本明細書で使用する場合、用語「サイクル」とは、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の1つの種でがんを治療する方法で使用する場合には、投与日、及び、次の投与の前の日を意味することが意図される。
【0085】
本明細書で使用する場合、用語「セッション」とは、交代2ベクター治療アプローチにおいて、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の2つの種でがんを治療する方法で使用する場合に、第1の種の投与日、第2の種の投与の前の日、第2の種の投与、及び、第1の種の別の投与の前の日を意味することが意図される。
【0086】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法を本明細書で提供する。このような方法は、患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含む。粒子の有効量は、約5×10、約5×10、約5×10RCV FFU、約1×10RCV FFU、または、約5×10RCV FFUであることができる。したがって、いくつかの実施形態では、がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、上記有効量は約5×10RCV FFUである、上記方法を本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、上記有効量は約5×10RCV FFUである、上記方法を本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、上記有効量は約5×10RCV FFUである、上記方法を本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、上記有効量は約5×10RCV FFUである、上記方法を本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、上記有効量は約1×10RCV FFUである、上記方法を本明細書で提供する。
【0087】
本明細書に記載の方法で使用するための組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の生成方法は、当該技術分野において周知である。例示的な方法は、2017年11月9日に公開された米国特許出願公報第US-2017-0319673-A1号、2019年5月9日に公開された同第US-2019-0135875-A1号、及び、2018年6月28日に公開された同第US-2018-0179257-A1号に見出すことができ、これらはそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれている。これらの公報の観点から、本明細書に記載する、複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、そのような組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、複製可能3セグメントアレナウイルス粒子であって、NPタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)が一方のSセグメントに存在し、GPタンパク質をコードするORFが他方のSセグメントに存在する、上記複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を含むことを、当業者は理解するであろう。これらの公報では、本明細書に記載の方法で使用可能な組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を有する医薬組成物の説明もまた提供される。
【0088】
いくつかの実施形態では、がんを治療するための、本明細書で提供する方法は、由来に関係なく、あらゆるHPV16癌を治療することを含む。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、頭頸扁平上皮細胞癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、肛門癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、子宮頸癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、膣癌と診断されている。いくつかの実施形態では、HPV16癌は、外陰癌と診断されている。したがって、いくつかの実施形態では、HPV16癌(例えば、頭頸扁平上皮細胞癌、子宮頸癌、肛門癌、外陰、または膣癌)の治療を必要とする患者において、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することによる、上記HPV16癌の治療方法であって、上記有効量が約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約1×10RCV FFU、または約5×10RCV FFUである、上記方法を、本明細書で提供する。
【0089】
HPV癌を有する患者は、2つ以上の全身治療法を受けた患者も含んで、通常、標準的なケア治療法における、腫瘍の進行または再発(例えば、放射線、白金ベースの治療法、及び/または、抗PD-1/抗PD-L1治療法の失敗)に直面する。一方で、患者の中には、標準的なケア治療法で禁忌を示す人もいる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、方法の前の少なくとも1つの標準的なケア治療法の際に、腫瘍の進行または再発を有する患者を治療することを含む。いくつかの特定の実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、放射線が失敗した患者を治療する。いくつかの特定の実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、白金ベース治療に失敗した患者を治療する。いくつかの特定の実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、抗PD-1治療法が失敗した患者を治療する。いくつかの特定の実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、抗PD-L1治療法が失敗した患者を治療する。特定の一実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、ペムブロリズマブ単剤療法に失敗した患者を治療する。特定の一実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、ニボルマブ単剤療法に失敗した患者を治療する。特定の一実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、ピディリズマブ単剤療法に失敗した患者を治療する。特定の一実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、セミプリマブ単剤療法に失敗した患者を治療する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法を使用して、上述した治療法の2つ以上の組み合わせに失敗した患者を治療する。
【0090】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、病変がリンパ節に関与する、またはしない患者を治療することを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、リンパ節内の標的病変のみを有する患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、非リンパ節内の標的病変のみを有する患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、リンパ節及び非リンパ節内の両方における標的病変を有する患者を治療することを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は静脈内注射、腫瘍内注射、またはこれらの組み合わせを使用する、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の投与を含む。したがって、いくつかの実施形態では、HPV16癌(例えば、頭頸扁平上皮細胞癌、子宮頸癌、肛門癌、外陰、または膣癌)の治療を必要とする患者において、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を静脈内注射することによる、上記HPV16癌の治療方法であって、上記有効量が約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約5×10、約1×10RCV FFU、または約5×10RCV FFUである、上記方法を、本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、HPV16癌(例えば、頭頸扁平上皮細胞癌、子宮頸癌、肛門癌、外陰、または膣癌)の治療を必要とする患者において、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を腫瘍内注射することによる、上記HPV16癌の治療方法であって、上記有効量が約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約5×10、約1×10RCV FFU、約5×10RCV FFUである、上記方法を、本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、HPV16癌(例えば、頭頸扁平上皮細胞癌、子宮頸癌、肛門癌、外陰、または膣癌)の治療を必要とする患者において、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を腫瘍内注射し、続いて、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を静脈内注射することによる、上記HPV16癌の治療方法であって、上記腫瘍内注射の有効量が約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約5×10、約1×10RCV FFU、または約5×10RCV FFUであり、上記静脈内注射の有効量が約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約5×10、約1×10RCV FFU、または約5×10RCV FFUである、上記方法を、本明細書で提供する。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、一定の頻度(例えば、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、または13週間毎、14週間毎など)で、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1)を静脈内注射で投与することを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を2週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を3週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を4週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を5週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を6週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を7週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を8週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を9週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を10週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を11週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を12週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、13週間毎、14週間毎、15週間毎、16週間毎、17週間毎、18週間毎、19週間毎、20週間毎、21週間毎、22週間毎、23週間毎、24週間毎、25週間毎、または26週間毎の頻度で、有効量のコンストラクト1を静脈内注射で投与することを含む。好ましい実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、5×10RCV FFUのコンストラクト1を3週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、一定の頻度(例えば、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、または13週間毎、14週間毎など)で、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト2)を静脈内注射で投与することを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を2週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を3週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を4週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を5週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を6週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を7週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を8週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を9週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を10週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を11週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を12週間毎の頻度で、静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、13週間毎、14週間毎、15週間毎、16週間毎、17週間毎、18週間毎、19週間毎、20週間毎、21週間毎、22週間毎、23週間毎、24週間毎、25週間毎、または26週間毎の頻度で、有効量のコンストラクト2を静脈内注射で投与することを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行の治療を含む。他の実施形態では、本明細書で提供する方法は、限られた回数投与される治療を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、一定の頻度で、かつ現行のものであり、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1またはコンストラクト2)を静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、限られた回数の間に一定の頻度で、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1またはコンストラクト2)を静脈内注射で投与することを含む。
【0095】
具体的には、限られたサイクル数投与されるのみの方法に対しては、適切なサイクル数、適切な用量、及び投与頻度などのいくつかの因子を最適化させて、現行のがんで投与される方法と同程度の治療効果を実現させる必要がある。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、2サイクルのみを2週間毎、2サイクルのみを3週間毎、2サイクルのみを4週間毎、2サイクルのみを5週間毎、2サイクルのみを6週間毎、2サイクルのみを7週間毎、2サイクルのみを8週間毎、2サイクルのみを9週間毎、2サイクルのみを10週間毎、2サイクルのみを11週間毎、2サイクルのみを12週間毎で、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1またはコンストラクト2)を静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、3サイクルのみを2週間毎、3サイクルのみを3週間毎、3サイクルのみを4週間毎、3サイクルのみを5週間毎、3サイクルのみを6週間毎、3サイクルのみを7週間毎、3サイクルのみを8週間毎、3サイクルのみを9週間毎、3サイクルのみを10週間毎、3サイクルのみを11週間毎、3サイクルのみを12週間毎で、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1またはコンストラクト2)を静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、4サイクルのみを2週間毎、4サイクルのみを3週間毎、4サイクルのみを4週間毎、4サイクルのみを5週間毎、4サイクルのみを6週間毎、4サイクルのみを7週間毎、4サイクルのみを8週間毎、4サイクルのみを9週間毎、4サイクルのみを10週間毎、4サイクルのみを11週間毎、4サイクルのみを12週間毎で、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1またはコンストラクト2)を静脈内注射で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、5サイクルのみを2週間毎、5サイクルのみを3週間毎、5サイクルのみを4週間毎、5サイクルのみを5週間毎、5サイクルのみを6週間毎、5サイクルのみを7週間毎、5サイクルのみを8週間毎、5サイクルのみを9週間毎、5サイクルのみを10週間毎、5サイクルのみを11週間毎、5サイクルのみを12週間毎で、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1またはコンストラクト2)を静脈内注射で投与することを含む。さらに、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内注射で限られたサイクル数投与することを含み、上記有効量は、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUであることができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、5×10RCV FFUのコンストラクト1を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、5×10RCV FFUのコンストラクト1を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、5×10RCV FFUのコンストラクト1を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、1×10RCV FFUのコンストラクト1を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、5×10RCV FFUのコンストラクト1を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。さらに、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内注射で限られたサイクル数投与することを含み、上記有効量は、1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUであることができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、1×10RCV FFUのコンストラクト2を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、1×10RCV FFUのコンストラクト2を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、1×10RCV FFUのコンストラクト2を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、1×1010RCV FFUのコンストラクト2を静脈内注射で、同じパラグラフで上述したように、限られたサイクル数投与することを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与することもまた含むことができる。本明細書に記載の方法で使用するのに特に有用な、例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、抗PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)チェックポイント阻害剤が挙げられる。このような抗PD-1チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、またはセミプリマブなどの抗体であることができる。したがって、いくつかの実施形態では、HPV16癌(例えば、頭頸扁平上皮細胞癌、子宮頸癌、肛門癌、外陰、または膣癌)の治療を必要とする患者において、上記患者に、有効量の免疫チェックポイント阻害剤、及び、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することによる、上記HPV16癌の治療方法であって、上記粒子の上記有効量が約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約1×10RCV FFU、または約5×10RCV FFUであり、上記免疫チェックポイント阻害剤が抗PD-1チェックポイント阻害剤(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、またはセミプリマブ)である、上記方法を、本明細書で提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1チェックポイント阻害剤はニボルマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1チェックポイント阻害剤はペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1チェックポイント阻害剤はピディリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1チェックポイント阻害剤はセミプリマブである。
【0097】
具体的には、現行のがんで投与される方法に関しては、高頻度で開始し、その後頻度が下がる、適切な投与頻度、及び、最初に頻度が高い、適切なサイクル数(各投与は「サイクル」と定義される)などのいくつかの因子が、最適化される必要がある。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを有する、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子(例えば、コンストラクト1またはコンストラクト2)を静脈内注射で、高頻度、その後低頻度で投与することを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1(例えば、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは2週間毎の頻度で、続いて、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、または12週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1(例えば、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、または13週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1(例えば、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは4週間毎の頻度で、続いて、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、13週間毎、または14週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1(例えば、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは5週間毎の頻度で、続いて、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、13週間毎、14週間毎、または15週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1(例えば、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは6週間毎の頻度で、続いて、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、13週間毎、14週間毎、15週間毎、または16週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの好ましい実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1(例えば、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFU)を静脈内注射で、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、6週間毎の頻度で投与することを含む。他の好ましい実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト1(例えば、5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFU)を静脈内注射で、4サイクルは4週間毎の頻度で、続いて、8週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2(例えば、1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは2週間毎の頻度で、続いて、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、または12週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2(例えば、1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、または13週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2(例えば、1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは4週間毎の頻度で、続いて、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、13週間毎、または14週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2(例えば、1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは5週間毎の頻度で、続いて、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、13週間毎、14週間毎、または15週間毎の頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者に、有効量のコンストラクト2(例えば、1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFU)を静脈内注射で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルは6週間毎の頻度で、続いて、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎、13週間毎、14週間毎、15週間毎、または16週間毎の頻度で投与することを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、本明細書(図2B、ならびに実施例I及びII)に記載するコンストラクト1(LCMVベース)のアレナウイルス粒子を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、LCMVに由来する。具体的なLCMVの株としては、MP株;WE株;アームストロング株;アームストロングクローン13株;または、内因性LCMVクローン13糖タンパク質の代わりに、LCMV株WEの糖タンパク質を発現するLCMVクローン13株が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、LCMV MP株に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、LCMV WE株に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、LCMVアームストロング株に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、LCMVアームストロングクローン13株に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、内因性LCMVクローン13糖タンパク質の代わりに、LCMV株WEの糖タンパク質を発現するLCMVクローン13株に由来する。
【0099】
他の実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、本明細書(図2B及び実施例II)に記載するコンストラクト2(PICVベース)に由来する。具体的なPICVの株としては、株Munchique CoAn4763単離物P18、P2株、または、Trapido及び同僚により説明されている(Trapido et al,1971,Am J Trop Med Hyg,20:631-641)いくつかの単離物のうちのいずれかが挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、株Munchique CoAn4763単離物P18に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、P2株に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子は、Trapido及び同僚により説明されている(Trapido et al,1971,Am J Trop Med Hyg,20:631-641)いくつかの単離物のうちのいずれかに由来する。
【0100】
特定のサイトカイン及びケモカインは、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与した後で測定される。測定可能なサイトカイン及びケモカインとしては、プロ炎症性及び抗炎症性サイトカイン及びケモカインが挙げられる。
【0101】
したがって、がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、上記有効量が約5×10、約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約1×10RCV FFU、または約5×10RCV FFUであり、上記有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することが、上記患者における治療前レベルと比較して、上記患者の血清中でのサイトカインまたはケモカインのレベルの変化(即ち、増加または減少)をもたらす、上記方法をさらに本明細書で提供する。
【0102】
いくつかの特定の実施形態では、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインの変化(即ち、サイトカイン及びケモカインの増加または減少)としては、GM-CSF、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-11、IL-12、IL-12p40、IL-15、IL-16、IL-17、IL-17A、IL-18、IL-22、IL-37、IL-38、TGF-β、IFN-α、INF-β、IFN-γ、TNF-α、TNF-β、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)-1α、MIP-1β、単球化学遊走因子タンパク質(MCP)-1、MCP-4、エオタキシン、エオタキシン-3、胸腺及び活性化制御ケモカイン(TARC)、マクロファージ由来のケモカイン(MDC)、及び、血管内皮増殖因子(VEGF)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインは、プロ炎症活性、及び/または抗炎症活性を有する。いくつかの実施形態では、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することは、患者の治療前レベルと比較して、患者の血清中での、サイトカインまたはケモカイン(例えば、プロ炎症活性、及び/または抗炎症活性を有する)のレベルの、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、25倍、26倍、27倍、28倍、29倍、または30倍の変化(例えば、増加または減少)をもたらす。他の実施形態では、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することは、患者の治療前レベルと比較して、患者の血清中での、サイトカインまたはケモカイン(例えば、プロ炎症活性、及び/または抗炎症活性を有する)のレベルの、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、140倍、150倍、160倍、170倍、180倍、190倍、200倍の変化(例えば、増加または減少)をもたらす。他の実施形態では、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することは、患者の治療前レベルと比較して、患者の血清中での、サイトカインまたはケモカイン(例えば、プロ炎症活性、及び/または抗炎症活性を有する)のレベルの、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍の変化(例えば、増加または減少)をもたらす。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインは、患者集団を選択するためのバイオマーカーとしての役割を果たす。したがって、いくつかの実施形態では、治療前に、患者にて一定の閾値を上回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、その患者が本明細書で提供する方法に対して好適であることを示す。いくつかの実施形態では、治療前に、患者にて一定の閾値を下回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、その患者が本明細書で提供する方法に対して好適であることを示す。特定の実施形態では、治療前に、患者にて一定の閾値を下回る、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、TNFα、またはこれらの組み合わせが測定されることは、その患者が本明細書で提供する方法に対して好適であることを示す。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインは、治療中に用量及び/またはレジメンを再調整するためのバイオマーカーとしての役割を果たす。したがって、いくつかの実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を上回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、用量及び/または投与頻度の増加を示す。いくつかの実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を上回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、同じ用量、及び/または投与頻度の維持を示す。いくつかの実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を上回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、用量及び/または投与頻度の低下を示す。いくつかの実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を下回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、用量及び/または投与頻度の増加を示す。いくつかの実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を下回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、同じ用量、及び/または投与頻度の維持を示す。いくつかの実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を下回る、本明細書に記載するサイトカイン及びケモカインのうちの1つ以上が測定されることは、用量及び/または投与頻度の低下を示す。いくつかの特定の実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を下回る、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、TNFα、またはこれらの組み合わせが測定されることは、用量及び/または投与頻度の増加を示す。いくつかの特定の実施形態では、一定期間患者を治療した後に、一定の閾値を上回る、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、TNFα、またはこれらの組み合わせが測定されることは、同じ用量及び/または投与頻度の維持を示す。
【0106】
サイトカイン及びケモカインのレベルは、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする、重複(即ち、2つの)Sセグメントを含む組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与する前、及び投与した後の異なる時点において測定することができる。いくつかの実施形態では、サイトカイン及びケモカインのレベルは、アレナウイルス粒子の投与前に測定される。いくつかの実施形態では、サイトカイン及びケモカインのレベルは、アレナウイルス粒子の投与から1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間後に測定される。いくつかの実施形態では、サイトカイン及びケモカインのレベルは、アレナウイルス粒子の投与から2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、30日、35日、40日、45日、50日、55日、60日、65日、70日、75日、80日、85日、90日、95日、100日、150日、300日、450日後に測定される。
【0107】
サイトカイン及びケモカインのレベルは、バイオアッセイ(例えば、走化性活性、増殖、または細胞毒性の試験)、免疫学的検定(例えば、ELISA及び特に、多重ELISA)、フローサイトメトリー、ならびに、アプタマーベースの検出法、ならびに、放射能標識サイトカイン及びケモカインによる分子イメージングなどの様々なアッセイにより測定することができる。したがって、いくつかの実施形態では、HPV16 E7/E6をコードするアレナウイルス粒子を投与した後で、バイオアッセイ(例えば、走化性活性、増殖、または細胞毒性の試験)により、サイトカイン及びケモカインを測定する。いくつかの実施形態では、HPV16 E7/E6をコードするアレナウイルス粒子を投与した後で、免疫学的検定によりサイトカイン及びケモカインを測定する。特定の実施形態では、HPV16 E7/E6をコードするアレナウイルス粒子を投与した後で、ELISAによりサイトカイン及びケモカインを測定する。いくつかの好ましい実施形態では、HPV16 E7/E6をコードするアレナウイルス粒子を投与した後で、多重ELISAによりサイトカイン及びケモカインを測定する。いくつかの実施形態では、HPV16 E7/E6をコードするアレナウイルス粒子を投与した後で、フローサイトメトリーによりサイトカイン及びケモカインを測定する。いくつかの実施形態では、HPV16 E7/E6をコードするアレナウイルス粒子を投与した後で、アプタマーベースの検出法によりサイトカイン及びケモカインを測定する。いくつかの実施形態では、HPV16 E7/E6をコードするアレナウイルス粒子を投与した後で、放射能標識サイトカイン及びケモカインを用いる分子イメージングにより、サイトカイン及びケモカインを測定する。
【0108】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することを含み、上記有効量が約5×10、約5×10RCV FFU、約5×10RCV FFU、約1×10RCV FFU、または約5×10RCV FFUであり、上記有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することが、上記患者の治療前レベルと比較して、上記患者の血清内での、サイトカインまたはケモカインレベルの変化をもたらし、上記有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することが、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、HPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす、上記方法をさらに、本明細書で提供する。
【0109】
増加した、本明細書に記載するHPV16 E7/E6特異的T細胞は、単独での、または組み合わせでの、異なる細胞マーカー(例えば、CD4、CD8、IFN-γ、TNFα、CD107a)に対して陽性であることができ、T細胞の異なる機能性を示す。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、CD4に対して陽性であるHPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、CD8に対して陽性であるHPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、IFN-γに対して陽性であるHPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、TNFαに対して陽性であるHPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、患者の治療前のレベルと比較して、患者の血清内での、CD107aに対して陽性であるHPV16 E7/E6特異的T細胞の増加をもたらす。
【0110】
HPV16 E7/E6特異的T細胞は、ELISpot及び細胞内サイトカイン染色(ICS)、続いてフローサイトメトリーなどの、様々なアッセイにより検出して定量することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、ELISpotにより、HPV16 E7/E6特異的T細胞を検出して定量することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、ICS、続いてフローサイトメトリーにより、HPV16 E7/E6特異的T細胞を検出して定量することをさらに含む。
【0111】
具体的には、当該技術分野において周知の任意のアッセイを使用して、HPV16 E7/E6特異的T細胞の応答を試験することができる。例えば、ELISPOTアッセイを使用することができる(例えば、Czerkinsky C.C.et al.,J Immunol Methods.1983;65:109-121;及びHutchings P.R.et al.,J Immunol Methods.1989;120:1-8を参照されたい)。限定されるものではないが、IFN-γなどのサイトカインは、ELISPOTアッセイにより測定することができる。簡潔に述べるとアッセイは以下のステップを含む:immunospotプレートを抗サイトカイン抗体でコーティングする。細胞を、HPV E7/E6に由来するペプチドにより、immunospotプレート内でインキュベートする。HPV16 E7/E6特異的細胞はサイトカインを分泌し、これはコーティングされた抗体に結合する。次に、細胞を洗い流し、第2のビオチン化抗サイトカイン抗体をプレートに添加し、アビジン-HRP系、または他の適切な方法で可視化する。
【0112】
同様に、当該技術分野において周知の任意のアッセイを使用して、HPV16 E7/E6に対して特異的なCD8及びCD4 T細胞の機能性を試験することができる。例えば、フローサイトメトリーと組み合わせたICSを使用することができる(例えば、Suni M.A. et al.,J Immunol Methods. 1998;212:89-98;Nomura L.E. et al.,Cytometry. 2000;40:60-68;及びGhanekar S.A. et al.,Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology.2001;8:628-63を参照されたい)。簡潔に述べると、アッセイは、以下のステップを含む:HPV16 E7/E6による細胞の活性化の際に、タンパク質輸送の阻害(例えば、ブレフェルジンA)を添加し、細胞内でサイトカインを保持する。規定のインキュベーション期間、通常は5時間後、洗浄工程が続き、他の細胞マーカーに対する抗体を細胞に添加することができる。次に、細胞を固定して易透化した。蛍光色素コンジュゲート化抗サイトカイン抗体を添加し、細胞をフローサイトメトリーにより分析することができる。
【0113】
がん免疫治療法により患者で誘発される標的特異的T細胞の頻度は通常、あまりに低く、その前のインビトロ増殖なしでこれらの応答を直接測定することはできないことが、当該技術分野において周知である。したがって、検出前に、インビトロT細胞刺激及び/または増殖を行うことは、当該技術分野において一般的に行われていることである(例えば、Trickett et al.,J Immunol Methods.2003 Apr 1;275(1-2):251-5.を参照されたい)。直接的な対比において、前述の段落で記載したT細胞の検出に関しては、本明細書に記載するT細胞頻度の増加は、予めインビトロ刺激及び/または増殖を行うことなく検出される。具体的には、治療された患者からの、新しい、または冷凍保存されていたが解凍された末梢血単核球細胞(PBMC)を、先にインビトロ増殖行うことなく、検出のために直接使用した(例えば、実施例II及び実施例Vを参照されたい)。
【0114】
前述の段落で記載した、誘発されたT細胞の数及び機能性の検出とは別に、T細胞が移動して、腫瘍組織に浸潤することも、本明細書で提供する方法の有効性を読み取るのに重要なことである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、腫瘍組織に浸潤した、より多くのT細胞をもたらす。いくつかの特定の実施形態では、本明細書で提供する方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の、治療前レベルと比較して、HPV16腫瘍組織に浸潤した、より多くのCD8 T細胞をもたらす(実施例IIIのセクション11を参照されたい)。
【0115】
さらに、ワクチン接種の際の体液性免疫応答を測定するための他のアッセイは、抗原特異的血清ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)により行うことができる。簡潔に述べると、プレートを抗原(例えば、組み換えタンパク質)でコーティングし、ブロックして抗体の非特異的結合を避け、血清の連続希釈によりインキュベートする。インキュベーション後、例えば、酵素結合抗種(例えば、マウス、モルモット)特異的抗体(全てのIgGまたはIgGサブクラスを検出する)、及び、その後の呈色反応を使用して、結合した血清抗体を検出することができる。抗体力価を、例えば、終点幾何平均力価として測定することができる。
【0116】
さらに、血清中で中和抗体を測定するといった、他のアッセイを、GFPタグウイルス、または、HPV E7/E6を発現する細胞株を用いる、以下の細胞アッセイにより行うことができる。加えて、外因性補体の源として、追加のモルモット血清を使用する。中和のために用いる1または2日前に、384ウェルプレートに6.5×10細胞/ウェル(50μL/ウェル)で播種することで、アッセイを開始する。1時間、37℃で、細胞を用いることなく、96ウェル滅菌組織培養皿にて中和を行う。中和インキュベーションステップの後、混合物を細胞に添加し、プレートリーダーによるGFP検出のために、さらに4日間インキュベートする。陽性の中和ヒト血清をアッセイの陽性対照として、各プレートで使用し、全結果の信頼性を確認する。力価(EC50)を、4パラメーターロジスティック曲線適合を用いて測定する。追加の試験として、蛍光顕微鏡でウェルを確認する。同様に、誘発された抗体の中和活性を、臨床設定において測定することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、充実性腫瘍における応答評価基準(RECIST)、及び/または、充実性腫瘍における免疫応答評価基準(iRECIST)を用いる、1つ以上の有効性エンドポイント(例えば、客観的な奏効率の割合、疾患制御率の割合、部分奏功の割合、無増悪生存期間、及び/または、全体的な生残)の改善をもたらす。したがって、いくつかの特定の実施形態では、本明細書で提供する方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、より高い割合の客観的な奏効率をもたらす。いくつかの特定の実施形態では本明細書で提供する方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、より高い割合の疾患制御率をもたらす。いくつかの特定の実施形態では本明細書で提供する方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、より高い割合の部分奏功をもたらす。いくつかの特定の実施形態では本明細書で提供する方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、より長い無増悪生存期間をもたらす。いくつかの特定の実施形態では本明細書で提供する方法は、プラセーボを受ける患者(複数可)の治療前レベルと比較して、より長い全体的な生残をもたらす。
【0118】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、LCMVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)患者に、PICVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記方法をさらに、本明細書で提供する。がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、PICVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)患者に、LCMVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記方法もまた、本明細書で提供する。
【0119】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、LCMVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)患者に、PICVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(i)と(ii)を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回繰り返すことと、を含む、上記方法をさらに、本明細書で提供する。がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、PICVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)患者に、LCMVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(i)と(ii)を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回繰り返すことと、を含む、上記方法もまた、本明細書で提供する。
【0120】
いくつかの実施形態では、前述の段落での、(i)と(ii)の間隔は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、または12週間である。他の実施形態では、前述の段落での、(i)と(ii)の間隔は、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、22週間、23週間、または24週間である。他の実施形態では、前述の段落での、(i)と(ii)の間隔は、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、または36週間である。さらに、(i)と(ii)の繰り返しの間に、間隔は、(i)と(ii)の元のサイクルと同じであることができ、または、(i)と(ii)の元のサイクルと異なっていることができる。したがって、繰り返しにおける(i)と(ii)の間隔は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間であることができる。
【0121】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、LCMVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記アレナウイルス粒子の上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)患者に、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、PICVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、(i)と(ii)は繰り返されることがないか、または、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、もしくは10回繰り返される、上記方法を、さらに本明細書で提供する。がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、PICVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)患者に、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、LCMVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする複製(即ち、2つの)Sセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、(i)と(ii)は繰り返されることがないか、または、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、もしくは10回繰り返される、上記方法もまた、本明細書で提供する。
【0122】
1つ以上のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、(i)上記患者に、LCMVに由来するヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(ii)上記患者に、セッションの約半分の時点で、PICVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記方法をさらに、本明細書において提供する。1つ以上のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、(i)上記患者に、PICVに由来するヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(ii)上記患者に、セッションの約半分の時点で、LCMVに由来するHPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする2つのSセグメントを含む、有効量の組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与することであって、その有効量が約5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記方法もまた、本明細書において提供する。
【0123】
いくつかの特定の実施形態では、本明細書で提供する方法は、1つ以上のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。特定の一実施形態では、本明細書で提供する方法は、1つ以上のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、1×10RCV FFUのコンストラクト2を静脈内投与することと、(ii)患者に、5×10RCV FFUのコンストラクト1を静脈内投与することと、を含み、各セッションが6週間続く、上記セッションを含む。他の特定の実施形態では、本明細書で提供する方法は、1つ以上のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。
【0124】
セッションの期間は、前述の段落での、(i)の2連続した用量の投与の間隔を決める。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは4週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは6週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは8週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは10週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは12週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは14週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは16週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは18週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは20週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは22週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは24週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは26週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは28週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは30週間続く。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する各セッションは、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、または52週間続く。
【0125】
いくつかの実施形態では、前述の段落での、(i)及び(ii)の投与は、静脈内注射、腫瘍内注射、または、静脈内注射と腫瘍内注射の組み合わせを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、1つ以上のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内、腫瘍内、または、静脈内注射と腫瘍内注射の組み合わせで投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内、腫瘍内、または、静脈内注射と腫瘍内注射の組み合わせで投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、1つ以上のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内、腫瘍内、または、静脈内注射と腫瘍内注射の組み合わせで投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内、腫瘍内、または、静脈内注射と腫瘍内注射の組み合わせで投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行の治療を含む。他の実施形態では、本明細書で提供する方法は、限られた回数投与される治療を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッション、または、限られた回数のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッション、または、限られた回数のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。
【0127】
具体的には、限られた回数投与されるのみの方法に対しては、適切なセッション数(例えば、2、3、4、または5セッション)、適切な用量、及び、適切なセッション期間などの、いくつかの因子を最適化させて、現行のがんで投与される方法と同程度の治療効果を実現させる必要がある。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、2回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、3回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、4回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、5回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。他の実施形態では、本明細書で提供する方法は、2回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。他の実施形態では、本明細書で提供する方法は、3回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。他の実施形態では、本明細書で提供する方法は、4回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。他の実施形態では、本明細書で提供する方法は、5回のみのセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×1010RCV FFUである、上記投与することと、を含み、各セッションが、4、6、8、10、または12週間続く、上記セッションを含む。
【0128】
具体的には、現行のがんで投与される方法に関しては、適切な、相対的に短いセッションで開始し、適切な、相対的に長いセッション、及び、適切な量の、相対的に短いセッションが続くレジメンなどのいくつかの因子が、最適化される必要がある。
【0129】
したがって、適切な、相対的に短いセッションで開始し、適切な、相対的に長いセッションが続くレジメンを最適化した後に、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の2セッションはそれぞれ4週間続き、第3のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、6、8、10、12、14、16週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の2セッションはそれぞれ6週間続き、第3のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、8、10、12、14、16、18、20、または24週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の2セッションはそれぞれ8週間続き、第3のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、10、12、14、16、18、20、22、24,26、28、30、または32週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の2セッションはそれぞれ10週間続き、第3のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、12、14、16、18、20、22、24,26、28、30、32、34、36、38、または40週間続く、上記セッションを含む。同様に、同じことが、(i)でコンストラクト1を投与し、(ii)でコンストラクト2を投与することを含む方法にも適用される。
【0130】
回数が変更された、相対的に短いセッションを含む方法をさらに、本明細書で提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の3セッションはそれぞれ4週間続き、第4のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、6、8、10、12、14、16週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の3セッションはそれぞれ6週間続き、第4のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、8、10、12、14、16、18、20、または24週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の3セッションはそれぞれ8週間続き、第4のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、10、12、14、16、18、20、22、24,26、28、30、または32週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の3セッションはそれぞれ10週間続き、第4のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、または40週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の4セッションはそれぞれ4週間続き、第5のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、6、8、10、12、14、16週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の4セッションはそれぞれ6週間続き、第5のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、8、10、12、14、16、18、20、または24週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の4セッションはそれぞれ8週間続き、第5のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、10、12、14、16、18、20、22、24,26、28、30、または32週間続く、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含み、最初の4セッションはそれぞれ10週間続き、第5のセッション、及びその後のセッションはそれぞれ、12、14、16、18、20、22、24,26、28、30、32、34、36、38、または40週間続く、上記セッションを含む。同様に、同じことが、(i)でコンストラクト1を投与し、(ii)でコンストラクト2を投与することを含む方法にも適用される。
【0131】
静脈内注射前に腫瘍内注射を行うことが、特別な効能をもたらし得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、コンストラクト1の腫瘍内注射に続く、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、コンストラクト2の腫瘍内注射に続く、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、コンストラクト1の腫瘍内注射に続く、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する方法は、コンストラクト2の腫瘍内注射に続く、現行のセッションであって、各セッションが、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10RCV FFUである、上記投与することと、(ii)上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10、1×10、1×10、または1×10RCV FFUである、上記投与することと、を含む、上記セッションを含む。
【0132】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、上記コンストラクト1が、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、6週間毎の頻度の現行サイクルで静脈内投与される、上記投与することを含む、上記方法をさらに、本明細書において提供する。
【0133】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(i)患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、上記コンストラクト1が、4サイクルは3週間毎の頻度で、続いて、6週間毎の頻度の現行サイクルで静脈内投与される、上記投与することと、患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0134】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0135】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0136】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0137】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0138】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0139】
複数回のセッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0140】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0141】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0142】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0143】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0144】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0145】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)コンストラクト2及びコンストラクト1を投与する複数回のセッションであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記セッションと、(2)患者に、200mgのペムブロリズマブを、3週間毎の頻度で静脈内投与する、または、400mgのペムブロリズマブを、6週間毎の頻度で静脈内投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0146】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0147】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0148】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0149】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書において提供する。
【0150】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0151】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、(1)上記患者に、有効量のコンストラクト1を腫瘍内投与することであって、コンストラクト1の上記有効量が約5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、(2)3週間後に、上記患者に複数回のセッションを投与することであって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUである、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、最初の2セッションがそれぞれ6週間続き、以降の現行のセッションがそれぞれ12週間続く、上記投与することと、を含む、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0152】
がんの治療を必要とする患者における、がんの治療方法であって、上記患者に、有効量のコンストラクト1を投与することであって、上記有効量が、約5×10、5×10、5×10、1×10、または5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)であり、コンストラクト1が、3サイクルは3週間毎の頻度で静脈内投与され、方法が3サイクル後に終了する、上記投与することを含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0153】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0154】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0155】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0156】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0157】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約1×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0158】
3セッションを含む、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、各セッションが、i.上記患者に、有効量のコンストラクト2を静脈内投与することであって、上記有効量が、約1×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU)である、上記投与することと、ii.上記セッションの約半分の時点において、上記患者に、有効量のコンストラクト1を静脈内投与することであって、上記有効量が約5×10RCV FFUであり、各セッションが6週間続き、方法が3セッション後に終了する、上記投与することと、を含む、上記方法を、本明細書においてさらに提供する。
【0159】
単一のアレナウイルス種に由来する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を投与するための、本明細書に記載する実施形態は、異なるアレナウイルス種に由来する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子の反復投与に適用可能であると理解されている。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物を本明細書で提供する。
【0161】
がんの治療方法で使用するための、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)E7/E6のジヌクレオチド最適化融合タンパク質をコードする核酸
ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)のE7/E6融合タンパク質をコードする最適化ヌクレオチド配列を、本明細書で提供する。これらの最適化オープンリーディングフレームは、配列番号1及び2として提供される。配列は、以下の「配列表」に示す。
【0162】
特定の実施形態では、これらの最適化オープンリーディングフレームは、アレナウイルスゲノムセグメントに含まれる。配列番号3は、LCMVに由来する第1のSセグメントを説明し、E7/E6融合タンパク質用の最適化オープンリーディングフレームは、5’UTRの制御下にあり、NPタンパク質用のオープンリーディングフレームは、3’UTRの制御下にある。配列番号4は、LCMVに由来する第2のSセグメントを説明し、E7/E6融合タンパク質用の最適化オープンリーディングフレームは、5’UTRの制御下にあり、GPタンパク質用のオープンリーディングフレームは、3’UTRの制御下にある。配列番号6は、PICVに由来する第1のSセグメントを説明し、E7/E6融合タンパク質用の最適化オープンリーディングフレームは、5’UTRの制御下にあり、NPタンパク質用のオープンリーディングフレームは、3’UTRの制御下にある。配列番号7は、PICVに由来する第2のSセグメントを説明し、E7/E6融合タンパク質用の最適化オープンリーディングフレームは、5’UTRの制御下にあり、GPタンパク質用のオープンリーディングフレームは、3’UTRの制御下にある。これらのゲノムセグメント(例えば、配列番号3、4、及び5;または、配列番号6、7、及び8)を、Lセグメント(それぞれ、配列番号5及び8)と共に、Sセグメント1及び2(それぞれ、配列番号3、4、6、7)などのウイルス粒子に組み込むことで、E7/E6融合タンパク質をコードする複製3セグメントウイルス粒子を作製することができる。
【0163】
配列番号1~8として示したヌクレオチド配列は、RNAまたはDNA配列であることができる。ウイルス粒子中に存在するようになると、これらのヌクレオチド配列は、RNAとして存在することができる。配列番号1~8として示されるDNA配列は、「T」(チミジン)を「U」(ウリジン)で置き換えることにより、RNA配列に変換することができる。
【0164】
配列番号1~8として提供されるヌクレオチド配列は、本明細書で開示する治療方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、配列番号3~5を使用して、3セグメント複製可能ウイルス粒子をコンストラクト1として生成することができる。いくつかの実施形態では、配列番号6~8を使用して、3セグメント複製可能ウイルス粒子をコンストラクト2として生成することができる。
【0165】
それぞれ、配列番号3~5、及び配列番号6~8を含む、組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子を含む医薬組成物を、本明細書で提供する。これらの医薬組成物は、本明細書で開示する任意の方法で使用することができる。
【0166】
配列番号1、2、3、4、5、6、7、または8のヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、本明細書で提供する。そのような発現ベクターを含む宿主細胞もまた、本明細書で提供する。当業者に既知の任意の方法を使用して、配列番号3~5のゲノムセグメントを含む、複製可能な3セグメントウイルス粒子を生成することができる。当業者に既知の任意の方法を使用して、配列番号6~8のゲノムセグメントを含む、複製可能な3セグメントウイルス粒子を生成することができる。配列番号3~8のゲノムセグメントのいずれか1つから転写可能な発現ベクターもまた、本明細書で提供する。
配列表
【表1】
【0167】
配列番号1及び2のヌクレオチド配列は、HPV16 E7E6融合タンパク質をコードする。配列番号1及び2のHPV16 E7E6融合タンパク質のヌクレオチド配列を修飾して、CpGジヌクレオチドモチーフを減少させる(ジヌクレオチド最適化させる)。配列番号1または2を含むアレナウイルス粒子は、本明細書で提供する方法において、改善された遺伝安定性、改善された発現、及び、改善された免疫原性を示すことができる。これらの性質を実証するためのアッセイを以下に記載する。弱毒化した、複製可能なウイルスベクターを、ジヌクレオチド最適化E7E6ヌクレオチド配列、加えて、それぞれ、アレナウイルス核タンパク質(NP)またはアレナウイルス糖タンパク質(GP)に対する遺伝子を含む、2つの短い(S)ゲノムセグメント、ならびに、RINGフィンガータンパク質Z、及びRNA指向RNAポリメラーゼLに対する遺伝子を含む、長い(L)ゲノムセグメントをコードするプラスミドを含む、cDNAレスキュー系を使用して新しく生成することができる。
【0168】
ジヌクレオチド最適化配列の臨床効果を実証するためのアッセイ
以下のアッセイを使用して、配列番号1または2のジヌクレオチド最適化配列の改善を実証することができる。
【0169】
遺伝的安定性
ジヌクレオチド最適化HPV16 E7E6ヌクレオチド配列をコードする3セグメントアレナウイルス粒子は、複数の世代を継代した後に、コードされたHPV抗原を安定して発現することができ、これは、より大規模なスケールでの商業生産に必要である。いくつかの実施形態では、3セグメントアレナウイルス粒子は、少なくとも4、5、6、7、8、9、または10世代を継代した後に、HPV抗原を安定して発現することができる。
【0170】
伝播細胞株における、ベクター候補の連続継代。小規模のHEK293細胞培養液に、MOI 0.001(RCV FFU/mL力価)にて、複製可能なベクターを感染させることができる。感染の4日後に、遠心分離により、上清を細胞及びデブリから取り除いてよい。そのようにして測定したRCV FFU力価を使用して、上述のとおりの新しい細胞を感染させることにより、次の継代を生成することができる。ベクター原液材料は、9つの連続継代(最大、継代p10)にわたり継代させることができる。
【0171】
継代したベクター材料の分析。新しく生成した(P1)、加えて、その連続継代に由来するベクター材料の感染力をその後、FFU及びRCV FFUアッセイにより分析することができる。異なる継代レベルの上清を含有するウイルスに由来するゲノムvRNAを単離し、転写させてcDNAにし、その後、対応する導入遺伝子及びSセグメントに対して特異的な導入遺伝子フランキングプライマーを用いるPCRによる増幅により、ベクターの導入遺伝子安定性を分析することができる。ベクター原液の導入遺伝子発現は、導入遺伝子特異的抗体を用いる、異なる継代レベルでの細胞溶解物のウエスタンブロット分析により確認することができる。
【0172】
抗原の発現
ジヌクレオチド最適化HPV16 E7E6ヌクレオチド配列をコードする3セグメントアレナウイルス粒子は、コードされたHPV融合タンパク質を一貫して発現することができる。
【0173】
コードされたE7E6抗原の発現レベルの分析。ウエスタンブロット、ELISA、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降、免疫細胞化学、または、FACSと組み合わせた免疫細胞化学を使用して、アレナウイルスのSセグメント、または、3セグメントアレナウイルス粒子の遺伝子産物を定量化することができる。
【0174】
ウェスタンブロット。組織培養フラスコ、または懸濁液で増殖した、感染細胞を、RIPA緩衝液(Thermo Scientific)を使用して、感染後の所定の時点に溶解することができる、または、細胞溶解を行わずに直接用いることができる。試料は、還元剤、及び、NuPAGE LDS試料緩衝液(NOVEX)を用いて、99℃まで10分間加熱して、室温まで冷却することができ、その後、電気泳動のために、NuPAGE 4~12% Bis-Tris SDSゲルにロードすることができる。タンパク質を、Invitrogen iBlot Gel移動デバイスを使用して、膜上にブロットすることができる。最後に、膜を、対象となるタンパク質に対して向けられる一次抗体、及び、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート化二次抗体でプローブし、続いて、Immobilon Western化学発光HRP基質(Merck/Millipore)で染色することができる。
【0175】
ジヌクレオチド最適化HPV16 E7E6ヌクレオチド配列をコードする3セグメントアレナウイルス粒子は、コードされたHPV融合タンパク質に対して強力な免疫応答を誘発することができる。
【0176】
抗原特異的CD8 T細胞を検出するための、MHCペプチド多量体染色アッセイ。当該技術分野において周知の任意のアッセイを使用して、抗原特異的CD8 T細胞応答を測定することができる。例えば、MHCペプチド四量体染色アッセイを使用することができる(例えば、Altman J.D.et al.,Science.1996;274:94-96;及びMurali-Krishna K.et al.,Immunity.1998;8:177-187)。簡潔に述べると、アッセイは、抗原特異的T細胞の存在を検出するために使用する四量体アッセイを含むことができる。抗原特異的T細胞を検出するためには、定義された抗原特異性、及び、T細胞のMHCハプロタイプ(通常は蛍光標識されている)に対してオーダーメイドされた、MHC分子のペプチド及び四量体の両方に結合しなければならない。四量体を認識し、故に、抗原に対して特異的であるT細胞は次に、蛍光標識により、フローサイトメトリーを用いて検出することができる。
【0177】
抗原特異的T細胞を検出するためのELISPOTアッセイ。当該技術分野において周知の任意のアッセイを使用して、抗原特異的T細胞応答を試験することができる。例えば、表1「中央実験分析に対する試料収集の要約」に例示されている、ELISPOTアッセイを使用することができ(例えば、Czerkinsky C.C.et al.,J Immunol Methods.1983;65:109-121;及びHutchings P.R.et al.,J Immunol Methods.1989;120:1-8を参照されたい)、限定されるものではないが、IFN-γなどのサイトカインは、ELISPOTアッセイにより測定することができる。簡潔に述べるとアッセイは以下のステップを含む:immunospotプレートを抗サイトカイン抗体でコーティングする。次に、細胞を、対象となる抗原に由来するペプチドにより、immunospotプレート内でインキュベートする。抗原特異的細胞はサイトカインを分泌し、これは、コーティングされた抗体に結合する。次に、細胞を洗い流し、第2のビオチン化抗サイトカイン抗体をプレートに添加し、アビジン-HRP系、または他の適切な方法で可視化する。
【0178】
【表2】
【0179】
CD8及びCD4 T細胞の機能性を検出するための細胞内サイトカインアッセイ。当該技術分野において周知の任意のアッセイを使用して、CD8及びCD4 T細胞応答の機能性を試験することができる。例えば、フローサイトメトリーと組み合わせた細胞内サイトカインアッセイを、限定されるものではないが、表1「中央実験分析に対する試料収集」に例示されているものとして使用することができる(例えば、Suni M.A. et al.,J Immunol Methods. 1998;212:89-98;Nomura L.E. et al.,Cytometry. 2000;40:60-68;及びGhanekar S.A. et al.,Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology.2001;8:628-63を参照されたい)。簡潔に述べると、アッセイは、以下のステップを含む:特異的ペプチドまたはタンパク質による細胞の活性化の際に、タンパク質輸送の阻害(例えば、ブレフェルジンA)を添加し、細胞内でサイトカインを保持する。規定のインキュベーション期間、通常は5時間後、洗浄工程が続き、他の細胞マーカーに対する抗体を細胞に添加することができる。次に、細胞を固定して易透化した。蛍光色素コンジュゲート化抗サイトカイン抗体を添加し、細胞をフローサイトメトリーにより分析することができる。
【0180】
血清ELISA。動物(例えば、マウス、モルモット)のワクチン接種の際の、体液性免疫応答の測定は、抗原特異的血清ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)により行うことができる。簡潔に述べると、プレートを抗原(例えば、組み換えタンパク質)でコーティングし、ブロックして抗体の非特異的結合を避け、血清の連続希釈によりインキュベートすることができる。インキュベーション後、例えば、酵素結合抗種(例えば、マウス、モルモット)特異的抗体(全てのIgGまたはIgGサブクラスを検出する)、及び、その後の呈色反応を使用して、結合した血清抗体を検出することができる。抗体力価を、例えば、終点幾何平均力価として測定することができる。
【0181】
本開示の様々な実施形態の活性に実質的に影響を及ぼさない変更もまた、本明細書で提供する本開示の定義の中に含まれると理解されている。したがって、以下の実施例は、例示目的のためのものであり、本開示を限定するものではない。
【0182】
実施例I
HPV16癌を有する患者における、単独での、または、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせた、アレナウイルスベースのがん免疫療法
本実施例は、単独での、または、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせた、アレナウイルスベース粒子を用いる免疫療法治療方法について記載する。
【0183】
本治療方法で使用可能なアレナウイルス粒子は、図2Bに記載されているHPV抗原コンストラクトである、コンストラクト1及びコンストラクト2を含む。さらに、本明細書に記載する治療方法で使用可能なHPV16 E7/E6抗原用の抗原コンストラクトは、参照により本明細書に組み込まれている、2018年6月28日に公開された米国特許出願公報第US-2018-0179257-A1号に記載されている抗原を含む。具体的には、特定の実施形態では、記載される治療方法で使用されるアレナウイルス粒子によりコードされるHPV16 E7/E6抗原は、米国特許出願公報第US-2018-0179257-A1号の、配列番号10のアミノ酸配列(コンストラクト1及びコンストラクト2)を含む。
【0184】
本治療方法で使用される免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1免疫チェックポイント阻害剤を含む。抗PD-1免疫チェックポイント阻害剤を含む、本明細書に記載する治療方法で使用可能な免疫チェックポイント阻害剤としては、参照により本明細書に組み込まれている、2018年12月6日に公開された、米国特許出願公開第US-2018-0344830-A1号に記載されているものが挙げられる。
【0185】
本治療方法で使用されるアレナウイルス粒子の腫瘍内投与としては、参照により本明細書に組み込まれている、2020年4月16日に公開された、米国特許出願公報US-2020-0113995-A1号に記載されている方法が挙げられる。
【0186】
コンストラクト1は、非発がん性E7及びE6融合タンパク質をコードするアレナウイルスLCMVに基づく、複製可能な、生弱毒化ベクターである。前臨床モデルにおいて、静脈内(IV)投与された、及び腫瘍内(IT)投与されたコンストラクト1は共に、HPV16特異的細胞傷害性T細胞及び関連する効能の誘発による、強力な免疫原性を示す(図3A~3C)。
【0187】
HPV16癌を有する患者における、単独での、または、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせた、アレナウイルスベースのがん免疫療法を使用するための治療方法を、図4に記載する。本治療方法は、まずは、HPV16と確認された再発/転移性がんにおける、コンストラクト1単剤療法、または、PD-1免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1)と組み合わせた、ヒトにおける第I/II相研究である。第I相試験は、2つの治療群で構成され、それぞれ、33の用量漸増設計で実施される。群1には、コンストラクト1をIVのみで受ける、HPV16頭頸扁平上皮細胞癌を有する患者が含まれる。群2には、最初の投与ではコンストラクト1をITで、続いて、その後の投与でコンストラクト1をIVで受ける(IT-IV)、安全に接近できる腫瘍部位を有するHPV16癌患者が含まれる。コンストラクト1は、21日毎に投与されることができる。第II相試験の構成要素は、第I相で画定された、推奨される第II相試験用量(RP2D)を用いて実施することができ、3つの群:群A(コンストラクト1 IVのみ)、群B(コンストラクト1 IV+抗PD-1)、及び群C(コンストラクト1 IT-IV)で構成されることができる。
【0188】
治療方法に関する、鍵となる包含及び除外基準としては、以下が挙げられる:
-全ての患者-
-年齢≧18歳
-0~1のECOG性能ステータス
-腫瘍応答に対して評価される、RECIST1.1基準に従った、少なくとも1つの測定可能な病変
-標準的なケア治療法(少なくとも1つの全身治療法を含む)、または、標準的なケアの禁忌の基準における、腫瘍進行または再発
-治療し、少なくとも4週間安定しない限り、未治療の、及び/または、症候性の転移性中枢神経系疾患は存在しない
【0189】
IV投与による、アレナウイルスベースの粒子のみ-
-組織学的に確認されたHPV16(遺伝子型)頭頸扁平上皮細胞癌
-別の方法で同意されない限り、最後の治療の進行後に収集された腫瘍組織
【0190】
ITまたはIV投与による、アレナウイルスベースの粒子-
-組織学的に確認された、任意の由来のHPV16(遺伝子型)癌
-別の方法で同意されない限り、生検及びIT投与に受け入れられる、安全かつ接近可能な腫瘍部位
-生検及びIT投与に受けいれられる腫瘍部位とは別に、RECIST1.1基準に従った、少なくとも1つのさらなる、測定可能な病変
【0191】
上述した治療方法を用いることで、以下の研究目的及びエンドポイントを評価することができる:
-一次
-第I相試験のみ:各群の、推奨される第II相試験の用量
-第II相のみ:全ての群の、予備的な抗腫瘍活性(ORR)
-二次
-全ての群の安全性及び忍容性
-全ての群の、予備的な抗腫瘍活性(PFS、OS、奏効期間、疾患制御率)
-探索
-予備的な免疫原性(E7及びE6抗原特異的アッセイ、CD4及びCD8 T細胞測定)
-血液、組織、血清、及び血漿での、免疫及び/または抗腫瘍応答と相関するバイオマーカー
【0192】
実施可能な統計分析は、用量レベル当たり、少なくとも3名の、DLT評価可能な患者を含む、従来の33設計に続く、第I相試験用量漸増部の各群を含む。このウイルスベースの治療法に関して、最大用量は必ずしも、最も有効なものでなくてよい。それ故、コホートのバックフィルを使用して、複数の用量にまたがる、安全性及び潜在的な効能を、よりよく評価することができる。
【0193】
安全性分析に関しては、治療応急有害事象(TEAE)の数、及び発生率は、CTCAEグレードにより表にすることができる。処置応急異常実験室、生命徴候、及びECG値の発生もまた、記述統計を用いてまとめることができる。
【0194】
効能分析に関しては、全ての有効性エンドポイントを、RECIST v1.1及びiRECISTに従って測定することができる。第I相試験に関しては、有効性エンドポイントを提示することができ、形式的な統計試験は実施する必要がない。第II相試験に関しては、ORR及び疾患制御率を、Clopper-Pearson法に従い、正確な両側95%CIを使用してまとめることができる。奏効期間、PFS、及びOSは、カプランマイヤー曲線を使用して実施することができる。
【0195】
実施例II
進行性HPV16癌を有する患者における、アレナウイルスベースのがん免疫療法の免疫原性
本実施例は、進行性HPV16+癌を有する患者における、サイトカイン及びケモカインの変化、ならびに、腫瘍抗原特異的T細胞の誘発をもたらす、アレナウイルスベースの粒子を用いる免疫療法の免疫原性について記載する。
【0196】
非発がん性HPV16特異的E7及びE6融合タンパク質を有する、弱毒化した複製アレナウイルスベクターは、LCMVまたはPICV(即ち、それぞれ、コンストラクト1及びコンストラクト2;図2Bを参照されたい)のゲノムバックグラウンドで発現した。
【0197】
以前の前臨床研究において、LCMVベースのアレナウイルスのみの両方の投与、及び、PICVベースのアレナウイルス、続いて、LCMVベースのアレナウイルスの連続投与(即ち、交代2ベクター療法)は、安全であり有効であることが示された。交代2ベクター療法は、E7及びE6特異的CD8 T細胞応答を誘発し、これは、循環T細胞の最大50%を占めた(Schmidt S,et al.Oncoimmunology.2020;9(1):1809960;Bonilla W,et al.Cell Rep Med.2021;2(3):1-17を参照されたい)。
【0198】
現在の実施例では、HPV16癌に対して、抗PD-1/PD-L1、及び/または、白金ベースの化学療法が以前に失敗した、以前に激しく治療した患者における、オープンラベルのfirst-in-human第1/2相臨床治験の、第1相部分から、免疫原性結果を入手した。コンストラクト1は、LCMV株WE由来のウイルス表面糖タンパク質を有する、LCMV株クローン13に基づく、それぞれ、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする、2つのSセグメントを含む、遺伝子組み換え複製可能3セグメントアレナウイルス粒子である。コンストラクト2は、PICVの毒性株継代18に基づく、それぞれ、HPV16 E7/E6の融合タンパク質をコードする、2つのSセグメントを含む、遺伝子組み換え複製可能3セグメントPICV粒子である。コンストラクト1のみ、または、コンストラクト1の代わりにコンストラクト2を単剤療法注射する、異なる用量レベル及びスケジュールを分析した(図5、Bonilla W,et al. Cell Rep Med.2021;2(3):1-17を参照されたい)。
【0199】
患者は、第1/2相研究に登録された。登録されたコホート用量、及び患者の数は、以下のとおりである。コンストラクト1単剤療法のコホート1に関しては、用量は5×10複製可能ウイルスフォーカス形成単位(RCV FFU;n=13)であった;コンストラクト1単剤療法のコホート2に関しては、用量は5×10RCV FFUであった(n=13)。コンストラクト1とコンストラクト2の交代単剤療法のコホート1に関しては、コンストラクト1の用量は5×10RCV FFUであり、コンストラクト2の用量は1×10RCV FFUであった(n=5);コンストラクト1とコンストラクト2の交代単剤療法のコホート2に関しては、コンストラクト1の用量は5×10RCV FFUであり、コンストラクト2の用量は1×10RCV FFUであった(n=1)。登録された患者の78.2%は頭頸扁平上皮細胞癌を有し、75%は男性であった。年齢の中央痴は62歳であった(年齢の範囲は、30~86歳であった)。登録された患者の59.4%は、米国東海岸癌臨床試験群(ECOG)の性能ステータスが1であり、一連の治療法の前の中央痴は3であった(範囲は、1~8であった)。最初のラウンドの治療後の、免疫原性の測定及び分析を、以下に示す(即ち、実施例II)。具体的には、コンストラクト1単剤療法で治療した患者は、5×10RCV FFUのコンストラクト1を受けた。コンストラクト2単剤療法で治療されたが、データ収集の時間までにはコンストラクト1で治療されなかった患者は、1×10RCV FFUのコンストラクト2を受けた。
【0200】
66個の試料(最大13回の時点での、12名の患者)からの、血清サイトカイン及びケモカインパターンを、30プレックスメソスケールディスカバリー(MSD)パネルにより評価した。治療後の、血清中のIFN-γシグネチャーは、免疫活性化の初期の兆候である。コンストラクト1の単回投与後に、患者の90%においてIFN-γレベルが増加したことを、血清の30プレックス分析の階層クラスター化は示した(図6Aを参照されたい)。コンストラクト1の単回投与による治療の4日後に、本分析の9名の患者ほぼ全員において、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、及びTNFαのレベルが増加した(図6B)。
【0201】
免疫刺激性サイトカイン及びケモカインレベルの、上記変化は、ナチュラルキラー(NK)及びT細胞の活性化の初期の兆候である。さらに、全身でのサイトカインレベルの、バランスが取られた生理学的増加もまた、ウイルス誘発性の免疫活性化を示す。同時に、サイトカインレベルの変化は一般に、有害事象と関連していなかった。
【0202】
ベースライン、及び、それぞれ、コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与の15日後の試料を用いて、5名の患者において、直接IFN-γ ELISpot分析を実施した。具体的には、7名の患者からの、凍結保存して解凍した末梢血単核球細胞(PBMC)を、直接エキソビボIFN-γ ELISpot測定のために、重なり合うHPV16 E6/E7ペプチドで24時間(±2時間)刺激した。7名のうち5名の患者から、データカットオフの時点で、ELISpotにより評価することができる十分な細胞が得られた。コンストラクト1及びコンストラクト2で処理した患者における、循環機能的E6/E7特異的T細胞の数は、エキソビボ直接ELISpotにおいて、検出を可能にするレベルに(即ち、T細胞のインビトロ増殖を伴わずに)達した。
【0203】
図7Aに示すように、患者は全員(n=5)、ベースラインから15日目まで、HPV16 E6/E7重複ペプチドに対する、抗原特異的T細胞応答の強力な誘発を有した。図7Bに示すように、コンストラクト1単剤療法の単回投与を全身(IV)で受けた4名の患者において、ベースラインから15日目までに、最大250倍の、抗原特異的IFN-γ分泌T細胞の増加が観察された。加えて、コンストラクト2の単剤療法を単回投与(IV)した後、1名の患者で150倍の増加が観察された。
【0204】
細胞内サイトカイン染色(ICS)を3名の患者で実施した。具体的には、ICSにより、3名の患者からの試料を、ベースライン及び15日目において評価した。3名の患者(2名の患者はコンストラクト1で治療し、1名の患者はコンストラクト2で治療した)に由来する、凍結保存したPBMCを、HPV16 E6/E7重複ペプチドで6時間刺激し、その後の免疫染色のために洗浄した。IFN-γ、TNF-α、IL-2、CD107a、CD4、及びCD8 T細胞の頻度を、ICSで測定し、その後、多色フローサイトメトリーで分析した。ICSにより評価した3名の患者は、細胞をELISpotで試験した7名の患者に含まれた。
【0205】
図7C~7Eは、3名の患者の、ベースライン、及び15日目における、CD4及びCD8 T細胞の頻度、ならびに、CD8 T細胞にてゲーティングされたIFN-γ、TNF-α、及びCD107a細胞の頻度の、例示的な疑似カラープロットを示す。2名の患者は、それぞれ、ベースラインと15日目において、コンストラクト1(8.3%と32.9%;図7Cを参照されたい)、及び、コンストラクト2(48.2%と69.3%;図7Eを参照されたい)の単回投与後の、全末梢T細胞集団内で、T細胞、主にCD8 T細胞において、増加を有した。CD8 T細胞の中でも、E6/E7特異的IFN-γ CD8 T細胞は、コンストラクト1またはコンストラクト2の単回投与後に、実質的に増加した。例えば、抗原特異的IFN-γ CD8 T細胞は、コンストラクト1の単回投与後、ベースラインの0%から、15日目に2.8%に増加した(図7Cを参照されたい)。コンストラクト2の単回投与後に、抗原特異的IFN-γ CD8 T細胞は、ベースラインの0%から、15日目に8.1%に増加した(図7Eを参照されたい)。同様に、E6/E7特異的CD8 T細胞は、15日目において、相対的に高いCD107aの発現を有した。他方、コンストラクト1で治療した1名の患者は、TNF-α及びCD107aのわずかな増加を有したが、IFN-γまたはCD8 T細胞の増加は有しなかった(図7Dを参照されたい)。
【0206】
さらに、循環HPV16 E6/E7特異的CD8 T細胞の多機能性を調査するために、3名の患者において、脱顆粒マーカーCD107a、及び/または、サイトカインIFN-γ及びTNF-αの同時染色を実施し、相対的頻度を図7Fに示した。
【0207】
上で図示したとおり、アレナウイルスベクターによる、first-in-human治験からのデータは最初、単剤療法として、E7/E6を発現するコンストラクト1またはコンストラクト2を全身注射した、HPV16癌を有する患者は、鍵となる全身サイトカイン及びケモカインレベルが増加したことを示し、このことは、ウイルス誘発性の免疫活性化を示している。さらに、患者は、最初の投与後に、最大8%の、循環HPV16 E6/E7特異的多機能性CD8 T細胞の、強力な誘発を示した。
【0208】
まとめると、本実施例は、E7/E6を発現するアレナウイルスベクターは、免疫療法、及び/または、化学療法不応性HPV16癌を有する患者に対する、新規の潜在的な治療法を構成することを示す。
【0209】
実施例III
HPV16癌を有する患者における、アレナウイルスベースのがん免疫療法の用量漸増、及び用量拡大
本実施例は、HPV16が確認される癌を有する患者における、コンストラクト1単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の、first-in-human第I/II相多国籍マルチセンターオープンラベル研究について記載する。実施例は、2つのパート:第I相用量漸増、及び、第II相用量拡大を含む。HPV16頭頸扁平上皮細胞癌(HNSCC)、及び、他の、HPV16が確認された癌を有する患者における、ペムブロリズマブを用いる、または用いない、コンストラクト1単剤療法、及び/または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を、用量拡大中に探索した。
【0210】
1.使用した試薬、及び、以前のインビボ実験
コンストラクト1は、LCMV株WEに由来する、ウイルス表面糖タンパク質を有するLCMV株クローン13に基づく、遺伝子組み換えされたTheraT(登録商標)ベクターである(Kallert et al,2017,Nat Commun.2017;8:15327)。コンストラクト1ベクターは、3セグメント複製可能弱毒化アレナウイルスベクター内の、HPV16 E7及びE6タンパク質(即ち、E7E6融合タンパク質)に基づき、非発がん性合成融合タンパク質を送達する。この合成E7E6融合タンパク質は、5つのピボット位置において、特に変異して(Cassetti et al,2004,Vaccine.2004;22(3-4):520-27)、その網膜芽細胞腫タンパク質、及び、腫瘍タンパク質p53結合能がなくなっており、これによって、完全な抗原性を依然として維持しながら、親のE7及びE6タンパク質の発がん性がなくなっている。
【0211】
コンストラクト1は、免疫応答に寄与するベクター粒子のいくつかの画分を含有する。コンストラクト1を設計するために、1つの小セグメント(Sセグメント)が、LCMV株WE由来のLCMVウイルス表面糖タンパク質、加えて、変異E7E6融合タンパク質を有し、第2のSセグメントが、LCMVウイルス表面核タンパク質、加えて、第2の、変異E7E6融合タンパク質の同一のコピーを有するように、TheraT(登録商標)ベクターを設計して、E7E6の変異版をコードした。加えて、コンストラクト1は、LCMVクローン13の大セグメント(Lセグメント)を含有する。したがって、コンストラクト1は、3つのゲノムセグメント(即ち、r3LCMV)、2つのSセグメント、及び1つのLセグメントを含有する。3つのゲノムセグメントの非効率なパッケージングには、野生型LCMVと比較してのコンストラクト1の弱毒化が根底にある。
【0212】
非臨床的研究は、マウスTC-1モデルにおける、触知可能なHPV16腫瘍の腫瘍制御での、コンストラクト1の有効性を示した。図14Aに示すように、コンストラクト1の用量は、免疫原性と強力に相関し、図14Bに示すように、多量のコンストラクト1もまた、マウスTC-1腫瘍モデルにおける腫瘍増殖制御の改善をもたらした。具体的には、わずか100RCV FFUを含有するコンストラクト1の用量は、腫瘍増殖を有意に抑制した。用量当たり10,000~1,000,000RCV FFUの範囲の、コンストラクト1の最大の3つの用量を用いる投与は、ほぼ完全な腫瘍増殖の抑制、ならびに、生残時間及び全体生残(OS)に関して著しい効果をもたらした。最大の有効用量は、これら3つのうち最低用量(10,000RCV FFU)において到達したことを、これらのデータは示唆する。全てのコンストラクト1の用量は、本モデルにおいて十分認容された。さらなる非臨床研究においては、腫瘍がおよそ100mmとなったときに、コンストラクト1を、IVまたはITのいずれかで動物に投与した。両方の場合において、図14Cに示すように、単回用量のコンストラクト1は、治療したマウス全てにおいて、腫瘍増殖の有意な抑制をもたらし、IT投与は、およそ40%の長期生残をもたらした。この非臨床データは、コンストラクト1は、HPV16腫瘍の局所治療として投与(TC-1腫瘍のIT投与)されたときに非常に効果的であり、このことは、全体の臨床開発プログラムの一部としての直接IT投与により、コンストラクト1の投与を支持することを示す。さらに、6ヶ月後に、これらの長期生残動物に同じ腫瘍を再投与したときには、新しい腫瘍増殖は検出されなかった。この保護は、コンストラクト1を単回投与のみで受けて、原発性腫瘍を治療したマウスにおいて明らかであった。これらの結果は、原発性腫瘍、転移性腫瘍、及び再発性腫瘍を治療するための、ヒトにおけるコンストラクト1のさらなる調査の可能性を示唆する。
【0213】
コンストラクト2は、PICVのP18バリアントに基づく、遺伝子組み換えされた、弱毒化複製可能3セグメントPICVベクターである。コンストラクト2はコンストラクト1におけるものと同じ、非発がん性HPV16 E7E6抗原を送達する。
【0214】
コンストラクト2は、不可欠なPICVウイルス表面糖タンパク質及び核タンパク質を、1つのゲノムセグメントから2つの人工的に複製したゲノムSセグメントに分離することにより、コンストラクト1ベクターにおけるものと同じ3セグメント原理を用いて設計された。結果的に、コンストラクト2ベクターは、PICVウイルス表面糖タンパク質、加えて、変異E7E6融合タンパク質を有する1つのSセグメント;PICVウイルス表面核タンパク質、加えて、第2の、変異E7E6融合タンパク質の同一のコピーを有する、第2のSセグメント;及び、PICVのP18バリアントのLセグメントを含む、3つのゲノムセグメント(即ち、r3PICV)を含有する。コンストラクト1と同様に、コンストラクト2におけるこれらのSセグメントの遺伝子設計は、セグメント間での組み換え、及び、PICV糖タンパク質と核タンパク質の両方をコードする、機能的野生型様単一Sセグメントへの復帰突然変異を絶対的に防止する。
【0215】
現在の実施例では、コンストラクト2は、連続交代IV投与方法に従い、コンストラクト1とともに投与され、ここでは、コンストラクト2は初回用量としてIV投与され、次の用量はコンストラクト1のIV投与されブースター用量であり、その後の投与は、コンストラクト2とコンストラクト1を継続して交代させる。本治療計画は、「コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法」として示される。コンストラクト2/コンストラクト1の交代治療レジメンは、腫瘍増殖の抑制をもたらし、全体の生残(OS)を延ばしたことを、TC1モデルにおける、触知可能なHPV16腫瘍を用いる非臨床研究は示しており、これは、ベクターのみ(相同のコンストラクト1&コンストラクト1及びコンストラクト2&コンストラクト2)、または、コンストラクト1で開始し、次いでコンストラクト2投与をブーストするいずれかに対して優れている。加えて、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法は、試験したありとあらゆる組み合わせレジメンにおいて、最も強力なHPV16 E7特異的CD8 T細胞応答(免疫原性)を誘発した。図14Dに示すように、コンストラクト1及びコンストラクト2の、合理的に設計した全ての投与レジメンの中で、コンストラクト2、続いてコンストラクト1の、連続IV投与(10RCV FFUのコンストラクト2で開始し、10RCV FFUのコンストラクト1でブーストする、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター投与と呼ばれるレジメン)が、最も免疫原性のレジメンであることが証明され、これは、他の組み合わせ配列、または単一ベクターレジメンにより誘発されたものより実質的に高い、HPV16、E7特異的CD8 T細胞応答を引き起こした。具体的には、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクターレジメン(G4)を受ける群において、コンストラクト1をブースト投与した5日後に、HPV E7特異的細胞の頻度は、全CD8 T細胞の約43%に達した。さらに、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の優れた免疫学的効果は、観察期間にわたり維持された(図14Dを参照されたい)。図14Eに示すように、HPV16 TC1腫瘍モデルを用いるさらなる効能研究において、10RCV FFU(G4)の用量において、各ベクターを共にIV投与する、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法もまた、コンストラクト1またはコンストラクト2のみ(G1及びG2)のいずれかを用いる相同プライムブーストレジメンと比較して、優れた腫瘍抑制能力を付与した。これらを合わせると、これらの知見は、HPV16癌患者における、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のさらなる臨床試験を是認する。
【0216】
加えて、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))を、本実施例で使用する。ペムブロリズマブは、単剤療法(腫瘍PD-L1が陽性[CPS≧1]の患者に対する)、または、化学療法との組み合わせにおける、転移性もしくは切除不能な再発性HNSCCを有する患者の、第一線の治療に対して、FDA及び欧州委員会により、最近認可された。
【0217】
2.実験設計
HPV16HNSCCの患者は、IV治療群に登録する。HPV16HNSCC、及び、他のHPV16が確認された癌を有する患者は、IT IV治療群に含める。研究設計の概略は、図15を参照されたい。
【0218】
第I相の用量漸増は、2つの治療レジメン:コンストラクト1単剤療法及びコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を有する。コンストラクト1単剤療法は、3つの異なる群(1、2、及び5、下表2を参照されたい)に与える。群1、2、及び5を研究し、静脈内(IV)及び腫瘍内(IT)治療のための、コンストラクト1の、安全な推奨される第II相用量(RP2D)を決定した。群5は、3回用量で与えられるIV投与として、コンストラクト1を調査する。コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法は、3つの異なる群(3、4、及び6)に与えられる。群3、4、及び6を研究史、IV投与のための、コンストラクト2の安全なRP2Dを決定した。群6では、患者がまず、投与されるコンストラクト2を、続いてコンストラクト1を、各患者が、3用量のコンストラクト2、及びコンストラクト1をそれぞれ受ける(合計で6用量)まで交互に受けるとなるように、3用量のコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の投与を調査する。
【0219】
第II相用量拡大は、下表2に示すように、最大で6つの治療群を有する。用量漸増結果からの、安全性、有効性、及び/またはバイオマーカーデータに基づき、特定の用量拡大治療群を適宜開放した。第II相用量拡大群A及びBは、第I相用量漸増群1の完了時に開始する。第II相用量拡大群D及びEは、第I相用量漸増群3の完了時に開始する。第II相用量拡大群Cは、第I相用量漸増群2の完了時に開始する。第II相用量拡大群Fは、第I相用量漸増群4の完了時に開始する。
【0220】
第I相用量漸増に関して、群1、2、3、及び4の、およそ20名の患者を各群に登録する;群5及び6は、それぞれおよそ3~6名の患者を登録する。各群に登録された患者の実際の数は、RP2Dが到達したときに応じて変化する。用量レベルが安全であることが測定された後に、各群にさらに患者を加えて、十分なバイオマーカーデータが確実に得られるようにしてよい。第II相用量拡大に関して、群A、B、C、D、E、及びFでは、およそ20名の患者が各群に登録された。全体で、およそ200名の患者が本研究で登録され、そのうち、およそ100名が第I相で、およそ60~100名が第II相であった。
【表3】
【0221】
群2、4、C、及びFに関して、最初の用量が、コンストラクト1のIT投与である場合、IT投与を行ってはならないのであれば、最初の用量は、所与の用量レベルでIVとして与えられなければならない。この場合、所与の用量レベルに対するこの群は、HPV16 非HNSCC癌に限られる。
【0222】
2.1 第I相用量漸増
第I相用量漸増は、安全性及び忍容性段階であり、主要な有効性エンドポイントは存在しない。用量限定毒性(DLT)観察期間の間に投与された最初の研究薬剤からのDLTの発生を監視する。安全性パラメーター(例えば、AE及びSAEの種類、頻度、及び重症度)を記録する。忍容性パラメーター(例えば、用量の中断、減少及び用量強度、ならびに、実験室での値の評価)もまた、記録する。第I相における、二次有効性エンドポイントは、客観的な奏効率(ORR)及び疾患制御率(DCR)、充実性腫瘍における応答評価基準(RECIST)、及び、充実性腫瘍における免疫応答評価基準(iRECIST)である。ORR及びDCRを示す。事象である有効性エンドポイントまでの時間(奏効期間、無進行生存[PFS]、及び、全体の生残[OS])を列挙する。調査の読み取りとして、E7及びE6抗原特異的T細胞応答、CD4及びCD8 T細胞測定値、ベースライン及び治療後におけるCD8トレーサーPET走査での、SUVベースの定量的測定値の変化、ならびに、腫瘍被検査物、血液、及び血清/血漿内のバイオマーカーを試験する。6つの群の患者を割り当て、以下のとおりに治療する。
【0223】
群1(コンストラクト1 IVのみ):HPV16 HNSCCを有する患者における、現行のIV投与としてのコンストラクト1。
【0224】
群2(コンストラクト1 IT-IV):IT投与の影響を受けやすい、安全で接近可能な腫瘍部位を有するHPV16癌の患者における、最初の用量はIT投与としてのコンストラクト1、続いて、その後の用量はIV投与としての、現行のコンストラクト1。
【0225】
群3(コンストラクト2 IV、及びコンストラクト1 IV):HPV16 HNSCCを有する患者における、IV投与(最初)としてのコンストラクト2、続いて、現行ベースでの、コンストラクト1 IVの交代治療。
【0226】
群4(コンストラクト1 IT、続いて、コンストラクト2 IV及びコンストラクト1 IV):最初の用量はIT投与としてのコンストラクト1。治療は、コンストラクト2 IVが続き、その後、IT投与の影響を受けやすい、安全で接近可能な腫瘍部位を有するHPV16癌の患者における、現行ベースでの、コンストラクト1 IVの交代治療が続く。IT投与には、1つの腫瘍部位のみが必要である。
【0227】
群5(3用量のコンストラクト1 IV):評価した最大用量での3回の投与が、連続投与よりも、E7/E6に対する同様の免疫原性を誘発するか否かを評価する。患者は、放射線治療を進めた場合に、別の3回用量のコンストラクト1 IVを受ける選択肢を有する。
【0228】
群6(それぞれ、3回用量のコンストラクト2 IV、及びコンストラクト1 IV):コンストラクト1及び2の治療用ワクチンの投与回数が限定されると、疾患の制御と適合性がある、一定レベルの循環T細胞に到達し、最後の注射の後に持続させることが可能か否かを試験するために、合計で6回の投与に対して、それぞれコンストラクト1及びコンストラクト2の3回投与を評価する。
【0229】
群1、3、5、及び6の患者は、1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法において、腫瘍の進行または再発を伴う、HPV16 HNSCCを有する患者である。群2及び4の患者は、IT投与の影響を受けやすい、安全で接近可能な腫瘍部位を有する、HPV16癌を有する患者であり、この人達は、1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法において、腫瘍の進行または再発を有した。
【0230】
第I相用量漸増の間に、バックフィルコホートを調査し、安全性及び潜在的な効能をよりよく評価するのが安全であると宣言されている、コンストラクト1単剤療法及び/またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の用量レベル(複数可)で評価される、さらなる患者を登録する。
【0231】
選択されたバックフィルコホートは、分子シグナル伝達及び腫瘍細胞応答における、コンストラクト1及び/または2の治療の効果を調査するための、「新しい一対の生検」を必要とし、効能及び応答を予測可能なバイオマーカーを識別する。さらに、腫瘍材料使用して、免疫組織化学染色により、腫瘍浸潤リンパ球のレベルを定量化する。分析により、腫瘍内の免疫細胞、及び特に、CD8 T細胞の腫瘍浸潤の評価がもたらされる。
【0232】
バックフィルコホートの概略図を図16に示す。バックフィルコホートは、コンストラクト1単剤療法用量コホート数と同じ数をキープし、各バックフィルコホートに小文字の文字を加えることで、さらに識別する。一例として、用量レベル1でコンストラクト1を調査する、コンストラクト1単剤療法用量コホート1が安全であると宣言された後、バックフィルコホートを、コホート1a、1b、1c、1d、及び1eと名付けた。
バックフィルコホートはコンストラクト1及び/またはコンストラクト2治療を調査することができる:
・異なる投与スケジュールにおいて、
・ペムブロリズマブの、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2治療の組み合わせを調査し、
・HPV16+肛門癌患者を登録し、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2をIVのみとして投与する、及び/または
ウイルスの排出、リンパ球サブセット(TruCount)、血清バイオマーカー、及び免疫原性の中枢分析のために、さらなる時点において生体試料を収集する。
【0233】
2.1.1 さらなるバイオマーカー分析
バックフィルコホート-kに関して、ウイルス排出、リンパ球サブセット(TruCount)、血清バイオマーカー、及び免疫原性を収集するさらなる時点を加えて、q3w、q6w用量スケジュールにおける、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法に対する、さらなる翻訳及びバイオマーカーデータを提供する。
【0234】
2.1.2 コンストラクト1及び/または2の研究治療に対する、交代投与スケジュールの調査
以前に推奨された安全な用量を用いる投与頻度は増加する。例えば、バックフィルコホート-b及び-dは、2週間毎の用量(q2w)の投与スケジュールにおいて、コンストラクト1単剤療法を調査する。バックフィルコホート-c及び-eは、サイクル1~4の4週間毎、及び、サイクル5から開始する8週間毎の投与スケジュールにおいて、コンストラクト1単剤療法及び/またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を調査する。このスケジュールは「q4w、q8w」として知られている。バックフィルコホートにおける「q2w」または「q4w、q8w」投与スケジュールがオープンになると、DLTは、用量漸増コホートと同じプロセスを用いて評価される。コンストラクト1及び/または2の研究治療における、安全性、忍容性、抗腫瘍活性、及び免疫原性の特性決定を、調査した交代投与スケジュールにおいて評価する。
【0235】
2.1.3 コンストラクト1及び/または2の研究治療が進行の際に加えられた、ペムブロリズマブによる治療を受ける患者
研究の第I相部分において、選択されたバックフィルコホートは、疾患が進行しており、ペムブロリズマブ治療が継続し、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のいずれかを加えた、ペムブロリズマブ単剤療法による治療を受ける患者を登録する。疾患が進行し、コンストラクト1及び/または2治療を加えた後で、患者にペムブロリズマブ単剤療法を続けさせる理論的根拠は、患者がペムブロリズマブで進行するようになると、耐性を有する、または不応性の患者は、ペムブロリズマブが別の治療と組み合わされて投与される場合に、再び応答を始め得るという仮説を調査するためである。
【0236】
バックフィルコホート-f及び-hは、疾患が進行しているペムブロリズマブ治療患者に、そのペムブロリズマブを継続させ、かつ「q3w、q6w」スケジュールに従い、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を加えさせる。同様に、バックフィルコホート-g及び-iは、疾患が進行しているペムブロリズマブ治療患者に、そのペムブロリズマブを継続させ、かつ「q4w、q8w」に従い、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を加えさせる。
【0237】
ペムブロリズマブ単剤療法中の、患者の疾患の進行は適宜、不応性疾患を有するものとして、または、ペムブロリズマブへの耐性として特徴付けられなければならない。不応性及び耐性疾患の定義とは、以下のとおりである:不応性疾患(一次耐性)を有する患者は、充実性腫瘍における応答評価基準(RECIST)バージョン1.1(v1.1)により、ペムブロリズマブ単剤療法の最初の投与から6ヶ月以内に進行を有するものとして定義される。安定した疾患(SD)を有し、その後、ペムブロリズマブの最初の投与から6ヶ月以内に疾患進行の基準を満たす患者は、不応性疾患を有するものとみなされなければならない。ペムブロリズマブへの耐性(二次耐性)を有する患者は、ペムブロリズマブ単剤療法の最初の投与後、6ヶ月以降に、進行しているものと定義される。例外:AEが原因の中止後にも疾患進行を有し、少なくとも6ヶ月ペムブロリズマブを受けず、初期臨床効果の証拠を有しない患者は、一次耐性を有するものとして最も良く分類される。
【0238】
2.1.4 IV投与のみを受けるHPV16肛門癌患者
バックフィルコホート-jは、IV投与を受ける5名のHPV16肛門癌患者を登録し、q3w、q6w投与スケジュールにおける、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のいずれかの効能のみを評価する。このバックフィルコホート(複数可)に関与する資格を有するためには、患者は、必要とされる対象基準及び除外基準を満たさなければならない。
【0239】
2.2 第II相用量拡大
第II相用量拡大は、第I相用量漸増で定義されている、RP2Dにおけるコンストラクト1単剤療法、及び/またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を評価する。
【0240】
群A、B、D、及びEに登録されている患者は、1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法において、腫瘍の進行または再発を伴う、HPV16 HNSCCを有する患者である。群C及びFに登録されている患者は、IT投与の影響を受けやすい、安全で接近可能な腫瘍部位を有する、HPV16癌を有する患者であり、この人達は、1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法において、腫瘍の進行または再発を有した。
【0241】
第II相用量拡大群における、一次有効性エンドポイントは、RECIST及びiRECISTに基づく、ORR及び疾患制御率である。RECISTによるORRは、Clopper-Pearson法に従い、正確な両側95%CIを組み合わせたポイント推定を用いてまとめられる。第II相試験に対する二次有効性エンドポイントは、奏効期間、PFS、及びOSである。安全性パラメーター(例えば、AE及びSAEの種類、頻度、及び重症度)を記録する。忍容性パラメーター(例えば、用量の中断、減少及び用量強度、ならびに、実験室での値の評価)もまた、記録する。ベースラインからの、標的病変腫瘍サイズの変化割合は、記述統計を用いてまとめられ、各時点で提示される。腫瘍サイズの最も高い変化割合もまた、まとめられている。腫瘍サイズもまた、ウォーターフォールプロットを用いてグラフにて示される。客観的な応答を有する治療群内の2名の患者を、さらなる開発の支えとして観察する。調査の読み出しとして、E7及びE6抗原特異的T細胞応答、CD4及びCD8 T細胞測定値、ならびに、腫瘍被検査物、血液、及び血清/血漿内のバイオマーカーを試験する。
【0242】
3.患者集団
本実施例は、あらゆる起源の、HPV16+ HNSCC及びHPV16+癌(例えば、頸、肛門、膣、外陰、または陰茎癌)を有する成人患者で実施される。対象基準を全て満たし、除外基準をいずれも満たさない患者のみが、本研究に登録することができる。以下の基準を、第I相用量漸増、及び第II相用量拡大の両方に適用する。
【0243】
3.1 対象基準
以下の基準を全て満たす場合にのみ、患者は本研究に含まれる資格がある:
1.インフォームドコンセントの同意書(ICF)への署名時に18歳以上である、男性または女性の患者。
2.患者は、コンピュータトモグラフィー(CT)、及び/または、磁気共鳴映像法(MRI)により測定可能な、1個以上の病変を有しなければならず、これは、研究の実施中に、RECIST及びiRECISTに従い、腫瘍応答に関して評価される。
3.0~1の、米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)性能ステータス。
4.以前の治癒放射線療法が、研究治療投与の4週間以上前に完了していなければならない。以前の焦点姑息放射線療法が、研究治療投与の2週間以上前に完了していなければならない。
5.スクリーニング実験室値が以下の基準を満たさなければならず、研究治療投与前の28日以内に入手されなければならない:
・絶対好中球数≧1,500/mm(1.5×10L)
・血小板≧100×10/mm(100×10/L)。
・ヘモグロビン≧9g/dL。
・血清クレアチニン≦2.0×通常の上限値(ULN)またはクレアチニンクリアランス>30mL/分(Cockcroft-Gault式を用いる)。
・アスパルテートアミノトランスフェラーゼ及びアラニンアミノトランスフェラーゼ≦2.5×ULN、または、肝臓転移を有する対象に対しては、≦5×ULN。
・全ビリルビン≦1.5×ULN。直接ビリルビン≦ULN、全ビリルビンレベルを有する対象に対しては、>1.5×ULN。
・国際標準比率(INR)またはプロトロンビン時間(PT)≦1.5×ULN、ただし、PTまたは部分的トロンボプラスチン時間(PTT)が、抗凝血物質の使用目的の治療範囲内にある限りにおいて、対象が抗凝血物質治療法を受けない限り。
・活性化部分的トロンボプラスチン時間(aPTT)、または、部分的トロンボプラスチン時間(PTT)≦1.5×ULN、ただし、PTまたはPTTが、抗凝血物質の使用目的の治療範囲内にある限りにおいて、対象が抗凝血物質治療法を受けない限り。
6.研究員の考えにおいて、研究手順、制限、及び必要条件を理解することができ、遵守する意思がある。
7.研究において、参加の意思があり、参加のためのインフォームドコンセントを自発的に提供することができる。
【0244】
治療群1、群3、群5、群6、群A、または群Dに登録された患者に関して
8.患者は、遺伝子型試験により、確認されたHPV16 HNSCCの文書を提出しなければならない。
9.患者は、1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法において、腫瘍進行または再発(例えば、白金ベース療法、及び/または、抗PD-1/抗PD-L1療法の失敗)を有しなければならないか、または、標準的な治療法に禁忌を示す患者でなければならない。
10.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、腫瘍組織(アーカイブ[2年以内]、または、スクリーニング中に新しい生検材料を提供することができる)が、最後の治療以降の患者の進行に従って収集される。
【0245】
第I相治療群1、2、3、または4において、現行のペムブロリズマブ療法(バックフィルコホート-f、-g、-h、及び-iに適用可能である)に、コンストラクト1及び/または2治療を加えたバックフィルコホートに登録された患者に関して
11.患者は、遺伝子型試験により、確認されたHPV16 HNSCCの文書を提出しなければならない。
12.患者は、1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法において、腫瘍進行または再発(例えば、白金ベース療法、及び/または、抗PD-1/抗PD-L1療法の失敗)を有しなければならないか、または、標準的な治療法に禁忌を示す患者でなければならない。
13.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、腫瘍組織(アーカイブ[2年以内]、または、スクリーニング中に新しい生検材料を提供することができる)が、最後の治療以降の患者の進行に従って収集される。
14.患者は、登録前にペムブロリズマブ単剤療法で現行の治療を受け、初期応答後に進行の証拠を示さなければならない。
以下の基準が全て満たされなければならない。
患者は、以下でなければならない:
・q3wスケジュールで、少なくとも2サイクルのペムブロリズマブ単剤療法、または、より長いスケジュールで等価なもの(例えば、q6wスケジュールの場合1サイクル)を受けている
・腫瘍応答(完全奏功[CR]もしくは部分奏功(PR])、または、ペムブロリズマブ単剤療法の間に、RECISTv1.1により、6ヶ月間以上続く延長SDのいずれかの、最良の応答を示す
・その後、iRECISTにより、ペムブロリズマブ単剤療法において進行する(進行は、臨床的に許容されるのであれば、最初のRECISTv1.1進行の少なくとも4週間後に、第2の走査により確認される)。
注:患者は、本研究の開始前に、ペムブロリズマブ単剤療法を中断してはならない。
【0246】
第I相バックフィルコホート-jに登録された患者(HPV16肛門癌)に関して
患者は、以下を有しなければならない:
15.組織学的、または細胞学的に確認された、肛門管の局所進行した、または転移性の扁平上皮細胞癌。
注:後天性免疫不全症候群(AIDS)基準を満たさない、HIV陽性患者は資格がある。注:登録の90日より前にHPV予防ワクチンを受けている可能性がある患者は資格がある。
16.免疫組織化学により文書化された、HPV16腫瘍。HPV16試験用試料は、遺伝子型試験のための、登録前に提出されなければならない。
17.白金ベースの化学療法などの、1回以上の全身治療法を含む、標準的なケア治療での、腫瘍進行もしくは再発、または、標準的なケア治療法の資格がない。
18.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、生検に受け入れられる、安全かつ接近可能な腫瘍部位:
注:腫瘍組織は、機関そのもののガイドライン、及び、そのような手順の必要条件に従い、介入放射線医学などの、画像ガイド生検により入手することができる。
19.生検に受け入れられる腫瘍部位(複数可)とは関係なく、研究の実施中に、RECIST及びiRECISTに従い、腫瘍応答に関して評価される、1個以上の測定可能な病変。
【0247】
治療群2、群4、群C、または群Fに登録される患者に関して(最初の投与は、腫瘍内投与として与えられるコンストラクト1である)
20.遺伝子型試験による、確認された(任意の由来の)HPV16癌の文書化。
21.1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法における、腫瘍進行または再発を有する患者、または、標準的なケア治療法に禁忌を示す患者に関して。
22.患者は、スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、生検及びIT投与に受け入れられる、安全かつ接近可能な腫瘍部位を有しなければならない:
・腫瘍組織は、機関そのもののガイドライン、及び、そのような手順の必要条件に従い、介入放射線医学などの、画像ガイド生検により入手することができる。
・次に、ITコンストラクト1を腫瘍部位に投与する。
23.生検及びIT投与に受け入れられる腫瘍部位(複数可)とは関係なく、患者は、研究実施の間に、RECIST及びiRECISTに従い、腫瘍応答に関して評価される、1個以上の測定可能な病変を有しなければならない。
【0248】
治療群2、群4、群C、または群Fに登録される患者に関して(腫瘍内投与が、代わりにIV投与として与えられる場合)
24.遺伝子型試験による、確認されたHPV16非HNSCC癌の文書化。
25.1回以上の全身治療を含む、標準的なケア治療法における、腫瘍進行または再発を有する患者、または、標準的なケア治療法に禁忌を示す患者に関して。
26.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、腫瘍組織(アーカイブ[2年以内]、または、スクリーニング中に新しい生検材料を提供することができる)が、最後の治療以降の患者の進行に従って収集される。
【0249】
第II相治療群B、または群Eに登録される患者に関して
27.遺伝子型試験による、確認されたHPV16HNSCCの文書化。
28.患者は、添付文書、または生成物特性の一覧(SmPC)に従って、ペムブロリズマブを受ける資格がなければならない(即ち、抗PD-1/抗PD-L1治療法にナイーブであり、白金ベースの治療法が進行している)。
29.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、腫瘍組織(アーカイブ[2年以内]、または、スクリーニング中に新しい生検材料を提供することができる)が、最後の治療以降の患者の進行に従って収集される。
【0250】
3.2 除外基準
患者が、以下の基準のいずれかを満たす、または有する場合には、患者は研究から除外される:
【0251】
全ての患者
1.未治療の、及び/または、症候性の転移性中枢神経系(CNS)疾患、及び/または、がん種性髄膜炎を有する患者。
例外:以下の場合、脳/CNS転移を有する患者は資格を有する:
・彼らは、手術または放射線療法を受けており、疾患は安定しており(各評価に関して、MRIまたはCTスキャンのいずれかの、同一の撮像手法を用いるイメージングによる進行の証拠はない)、あらゆる神経系症状がベースラインに戻っており、及び
・新しい、または、拡大する脳腫瘍の証拠はなく、及び
・研究治療の最初の投与の資格を有する4週間以上前から、安定した用量のコルチコステロイド(≦10mgのプレドニゾンまたは等価物)を受けている。
注:この例外には、臨床安定性に関係なく除外された、がん腫性髄膜炎は含まれない。
2.研究参加、または研究治療投与と関連するリスクを増加させ得、患者が研究治療を受ける能力を損なわせ得、または、研究結果の解釈と干渉し得る、任意の深刻な、または制御されていない医学的疾患。これには、登録前の6ヶ月未満の、大脳血管の偶発症状/脳卒中、及び心筋梗塞を含む、臨床的に有意な(即ち、活性な)心臓血管疾患、不安定狭心症、うっ血性心不全(ニューヨーク心臓協会分類クラスII)、または、深刻な未制御心不整脈が含まれる。
3.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、臨床的に有意な、または、スクリーニング時に活性な介在を必要とする、同時発生の悪性新生物(十分に治療された、基底または扁平上皮細胞癌、非黒色腫皮膚癌を覗く)。
4.免疫抑制療法を必要とする、活性の、既知の、または疑いのある、自己免疫または炎症性疾患(低用量プレドニゾン(≦10mgまたは等価物)を除く)。以下は、本基準の例外である:
・白斑または脱毛症を有する患者。
・ホルモン交換時に安定した甲状腺機能低下症(例えば、橋本症候群後の)を有する患者。
・全身治療を必要としない、任意の慢性皮膚状態。
5.研究治療の最初の投与前に、グレード1またはベースラインまで回復していない脱毛症及び疲労以外の、放射線及び手術を含む、抗がん治療法前に全身に帰する毒性。回復が予想されず、白金ベースの治療法後に、ニューロパシーまたは中毒性難聴などの長期的な続発症をもたらす、抗癌治療法の前に全身に帰する毒性を有する患者は、登録が可能である。
6.別の方法において、抗がん治療法の半減期に基づく、症例毎において、スポンサーと研究員との同意がない限り、研究治療の最初の投与から28日以内に、がんに対する任意の化学療法、生物学的、または治験中の治療法による治療。
例外:対象が、ペムブロリズマブを継続するバックフィルコホートに登録され、コンストラクト1単剤療法、または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のいずれかを加える場合、ペムブロリズマブによる現行の治療が許可される。
7.免疫抑制または交換投薬による治療:
・研究治療の最初の投与の14日以内に、ステロイド、または吸収された局所ステロイド(用量は、>10mg/日のプレドニゾンまたは等価物)などの、免疫抑制レベルの全身投薬。
注:>10mg/日のプレドニゾンと等しい用量での、吸引、局所ステロイド及び副腎交換は、活性自己免疫疾患の不存在下で許容される。
・研究治療の最初の投与前から6ヶ月以内の、任意の慢性免疫抑制投薬(別の方法において、症例毎にスポンサーと研究員との同意がない限り)。
・過去2年以内に全身治療を必要とした(即ち、疾患改変剤、コルチコステロイド、または免疫抑制剤を使用する)活性自己免疫疾患。代償補充療法(例えば、副腎または下垂体不全に対する、チロキシン、インスリン、または、生理的コルチコステロイド代償補充療法など)は、全身治療の形態とはみなされない。
8.ヒト免疫グロブリンまたは抗体製剤投与に対する、以前のアナフィラキシーまたは他の深刻な反応。
9.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、研究治療の最初の投与前28日以内に受けた生ワクチン。
10.スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、研究治療の最初の投与前28日以内に免疫刺激性を有するか、または、主要な器官の機能に潜在的に干渉することが知られている、ハーブ療法。
11.妊娠している、母乳栄養を行っている、または、研究中に妊娠予定の女性患者。
12.別の方法において、症例毎にスポンサーと研究員との同意がない限り、全身療法を必要とする活性な感染症。
13.活性または慢性の感染症を示す、B型肝炎表面抗原(HBsAg)またはC型肝炎ウイルス(HCV)抗体に対する陽性試験。HCV抗体には陽性であるが、HCVリボ核酸(RNA)には陰性であると試験される患者は、登録が可能である。
14.AIDSの既知の病歴。HIVの試験は必須ではない。
注:AIDSを有しない、CD4 T細胞が>200/mmの、患者HIV陽性患者は資格がある。
15.本研究において、研究員の判断で、参加が禁忌である、他の同時発生の深刻な、及び/または、制御されていない医学的状態(例えば、膵炎;活性肝炎;安静時呼吸困難または間質性肺疾患を含む、慢性の閉塞性または拘束性肺疾患;副腎不全 副腎機能障害;制御されていない高血圧)。
16.研究プロトコルに関する医学的フォローアップ及び準拠を認めない心理学的、家族性、社会学的、または地理的条件。
【0252】
研究でペムブロリズマブを受ける患者(群1、群2、群3、または群4における、第I相バックフィルコホート-f、-g、-h、及び-i;第II相群Bまたは群Eにおける全ての患者)
17.ペムブロリズマブに対する深刻な過敏性反応の病歴。
18.添付文書またはSmPCに従いペムブロリズマブを受けることに対する、任意の禁忌
19.同種異系組織/固形臓器移植
20.ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎、または現行の肺炎の病歴。
【0253】
4.治療レジメン
4.1 第I相レジメン
群1(コンストラクト1の静脈内投与):サイクル1~4に対しては、コンストラクト1を3週間毎に投与する。サイクル5で開始し、それ以降には、コンストラクト1を6週間毎に投与する。このスケジュールは「q3w、q6w」と呼ばれる。サイクル1~4に対しては、治療サイクルは21日の期間と定義される。コンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±3日)にIV投与される。サイクル5及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。コンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±7日)にIV投与される。
【0254】
群2(コンストラクト1の単回腫瘍内投与、続いて、コンストラクト1の静脈内投与):サイクル1~4に対しては、コンストラクト1を3週間毎に投与する。サイクル5で開始し、それ以降には、コンストラクト1を6週間毎に投与する。このスケジュールは「q3w、q6w」と呼ばれる。サイクル1~4に対しては、治療サイクルは21日の期間と定義される。治療は、サイクル1の1日目に、コンストラクト1を単回でIT投与することで始まる。その後のコンストラクト1の用量は、サイクル2の1日目(±3日)、及びそこから後に、IV投与される。サイクル5及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。コンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±7日)にIV投与される。
【0255】
IT投与は、介入放射線医学などの画像ガイド手順により実施することができる。IT投与の方法論は、機関の規格に従う。直接IT投与による全体積の送達が技術的に実現可能でない場合、残りのコンストラクト1の体積は、腫瘍周辺に、及び/または、局所投与で送達されなければならない(セクション5)。
【0256】
患者は、生検、及びコンストラクト1のIT投与のために選択される、1つの病変を有する。選択された病変は、RECIST及びiRECISTに従い、腫瘍応答の評価はされない(例えば、病変は、直径の変化に個別に従う可能性があるが、RECIST評価のために、直径の全体の合計には含めてはならない)。
【0257】
群3(コンストラクト1及びコンストラクト2の静脈内投与): サイクル1及び2に対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。患者には、3週間(21日)毎に、まずコンストラクト2、続いてコンストラクト1、交代治療が投与され、以下のとおり、±3日のウィンドウを有する: コンストラクト2は、サイクル1及び2の1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル1及び2の22日目にIV投与される。サイクル3及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは84日の期間と定義される。サイクル3の1日目は、サイクル2の42日目の完了後に開始する。コンストラクト2及びコンストラクト1の用量は、以下のとおり、±7日のウィンドウで、連続して6週間(42日)毎に交代で投与される:コンストラクト2は、サイクル3、及びその後のサイクルの1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル3、及びその後のサイクルの43日目にIV投与される。このスケジュールは「q3w、q6w」と呼ばれる。
【0258】
群4(コンストラクト1の単回IT投与、続いて、コンストラクト2とコンストラクト1の交代静脈内投与):治療は、サイクル0の1日目に、コンストラクト1の最初にIT投与することで始まる。21日(3週間)後に、治療は、サイクル1の1日目にコンストラクト2をIV投与し、22日目にコンストラクト1をIV投与することで継続する。サイクル1及び2に対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。コンストラクト2及びコンストラクト1の用量は、以下のとおり、±3日のウィンドウで、連続して3週間(21日)毎に交代で投与される: コンストラクト2は、サイクル1及び2の1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル1及び2の22日目にIV投与される。サイクル3及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは84日の期間と定義される。サイクル3の1日目は、サイクル2の42日目の完了後に開始する。コンストラクト2及びコンストラクト1の用量は、以下のとおり、±7日のウィンドウで、連続して6週間(42日)毎に交代で投与される:コンストラクト2は、サイクル3、及びその後のサイクルの1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル3、及びその後のサイクルの43日目にIV投与される。このスケジュールは「q3w、q6w」と呼ばれる。IT投与は、上記群2に記載するものと同様である。
【0259】
群5(3回用量の、コンストラクト1の静脈内投与):治療群5は、3回用量のコンストラクト1単剤療法の投与について調査する。患者は、3週間毎にコンストラクト1のIV投与を受け、3回目の投与を受けた後に停止する。この治療計画は、「3用量コンストラクト1」と呼ばれる。治療サイクルは、21日(3週間)の期間として定義される。3回用量のコンストラクト1は、サイクル1、2、及び3の1日目(±3日)から3週間空けて与えられる。効能評価のための腫瘍走査は、投与されたコンストラクト1の最初の投与から始まり、42日(6週間)毎に実施される。腫瘍応答は、疾患が進行するまで、RECISTを用いて測定する。RECISTに従った疾患進行の際には、iRECISTを使用して腫瘍応答を評価する。
【0260】
RECISTまたはiRECISTにより定義される放射線進行の際、及び、患者が完全な3用量レジメンを受けた後、患者は、3週間空けて投与される、さらに3用量のコンストラクト1を受けることができる。3回レジメンの間に疾患が進行する患者は、さらに3回の投与を受ける資格がない。効能評価は、RECISTに対して再度ベースライン化される。腫瘍走査(複数可)は、42日(6週間)毎に継続する。RECISTに従った疾患進行の際には、iRECISTを使用して腫瘍応答を評価する。iRECISTに従った疾患進行の後、患者は、EOT訪問の研究に進み、必要とされる評価を完了する。
【0261】
群6(3回用量の、コンストラクト2及びコンストラクト1の静脈内投与):治療群6では、3回用量のコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の投与を調査する。患者はそれぞれ、3回用量のコンストラクト2及びコンストラクト1を受け、合計で6回の投与を受ける。治療サイクルは、42日間の期間として定義される。各サイクルにおいて、コンストラクト2がまず、続いてコンストラクト1が、交互に投与される。各投与は3週間空けて、以下のとおり、±3日のウィンドウで与えられる: コンストラクト2は、サイクル1、2、及び3の1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル1、2、及び3の22日目にIV投与される。この治療計画は、「3用量コンストラクト1及びコンストラクト2」と呼ばれる。
【0262】
効能評価のための腫瘍走査は、最初の用量のコンストラクト2が投与されてから開始し、42日毎に行われる。腫瘍応答は、疾患が進行するまで、RECISTを用いて測定する。RECISTまたはiRECISTにより定義される放射線進行の際、及び、患者が完全な3用量レジメンを受けた後、さらなる「3用量コンストラクト2及びコンストラクト1」治療を与えることができる。「3用量コンストラクト2及びコンストラクト1」レジメンの間に疾患が進行する患者は、さらなる3用量を受ける資格がない。効能評価は、RECISTに対して再度ベースライン化される。腫瘍走査(複数可)は、42日(6週間)毎に継続する。RECISTに従った疾患進行の際には、iRECISTを使用して腫瘍応答を評価する。iRECISTに従った疾患進行の後、患者は、EOT訪問の研究に進み、必要とされる評価を完了する。
【0263】
4.2 第II相用量拡大研究治療スケジュール
第II相用量拡大の投与スケジュールは、用量漸増治療群の安全性、有効性、及び/またはバイオマーカー結果から入手可能なデータの確認に基づき同様に選択される。用量拡大のための研究治療投与スケジュールは、以下のうちの1つであることができる:
・「q3w、q6w」スケジュールに従い投与される、コンストラクト1及び/または2の研究治療。
・2週間毎に投与される、コンストラクト1及び/または2の研究治療。このスケジュールは「q2w」と呼ばれる。
・サイクル1~4では4週間毎に、及び、サイクル5から開始するその後は8週間毎に投与される、コンストラクト1及び/または2の研究治療。このスケジュールは「q4w、q8w」と呼ばれる。
・各投与が3週間空けて与えられる、コンストラクト1及び/または2治療の、3用量レジメン。この治療計画は、「3用量コンストラクト1及び/または2治療」と呼ばれる。
【0264】
群A(コンストラクト1の静脈内投与):コンストラクト1単剤療法の第II相用量拡大群Aは、第I相用量漸増群1の完了の際に(IV投与された際の、コンストラクト1のRP2Dの測定と共に)始まることができる。サイクル1~4に対しては、治療サイクルは21日の期間と定義される:コンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±3日)に投与される。サイクル5及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される:コンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±7日)に投与される。
【0265】
群B(コンストラクト1及びペムブロリズマブの静脈内投与):コンストラクト1単剤療法及びペムブロリズマブの第II相用量拡大群Bは、第I相用量漸増群1の完了の際に(IV投与された際の、コンストラクト1のRP2Dの測定と共に)始まることができる。患者は、コンストラクト1単剤療法及びペムブロリズマブを受けている。サイクル1~4に対しては、治療サイクルは21日の期間と定義される。コンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±3日)のみに投与される。サイクル5及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。コンストラクト1は、各サイクルの1日目(±7日)に投与される。ペムブロリズマブは、q3wまたはq6wスケジュールで投与され、本研究訪問と重なり合う。
【0266】
群C(コンストラクト1の単回IT投与、続いて、コンストラクト1の静脈内投与):コンストラクト1単剤療法の第II相用量拡大群Cは、第I相用量漸増群2の完了の際に(コンストラクト1 IV及びITのRP2Dの測定と共に)始まることができる。サイクル1~4に対しては、治療サイクルは21日の期間と定義される。治療は、サイクル1の1日目に、コンストラクト1を単回でIT投与することで始まる。その後のコンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±3日)に投与される。サイクル5及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。コンストラクト1の用量は、各サイクルの1日目(±7日)に投与される。
【0267】
IT投与は、介入放射線医学などの画像ガイド手順により実施することができる。IT投与の方法論は、機関の規格に従う。理想的には、体積は全て、直接IT投与により送達されるべきである。直接IT投与による全体積の送達が技術的に実現可能でない場合、残りのコンストラクト1の体積は、腫瘍周辺に、及び/または、局所投与で送達されなければならない(セクション5を参照されたい)。
【0268】
患者は、生検、及びコンストラクト1のIT投与のために選択される、1つの病変を有する。選択された病変は、RECIST及びiRECISTに従い、腫瘍応答の評価はされない(例えば、病変は、直径の変化に個別に従う可能性があるが、RECIST評価のために、直径の全体の合計には含めてはならない)。他の病変は全て、コンストラクト1を受けないか、または生検されない。
【0269】
群D(コンストラクト2及びコンストラクト1の、連続交代静脈内投与):コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の第II用量拡大群Dは、第I相用量漸増群3の完了の際に(連続交代スケジュールで、コンストラクト1がIV投与された際に、コンストラクト2のRP2Dの測定と共に)始まることができる。サイクル1及び2に対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。治療は、サイクル1の1日目にコンストラクト2をIV投与することで開始し、以下に明記するように、3週間(21日)毎に交代で、コンストラクト1が続く。コンストラクト2及びコンストラクト1の用量投与は、±3日のウィンドウを有する。コンストラクト2は、サイクル1及び2の1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル1及び2の22日目にIV投与される。サイクル3及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは84日の期間と定義される。サイクル3の1日目は、サイクル2の42日目の完了後に開始する。サイクル3及びその後のサイクルにおける、コンストラクト2及びコンストラクト1の用量投与は、±7日のウィンドウを有する。コンストラクト2及びコンストラクト1の用量は、以下のとおりに、6週間(42日)毎に交代する。コンストラクト2は、サイクル3、及びその後のサイクルの1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル3、及びその後のサイクルの43日目にIV投与される。
【0270】
群E(コンストラクト2及びコンストラクト1の連続交代静脈内投与、ならびにペムブロリズマブ):コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法、及びペムブロリズマブの第II用量拡大群Eは、第I相用量漸増群3の完了の際に(連続交代スケジュールで、コンストラクト1がIV投与された際に、コンストラクト2のRP2Dの測定と共に)始まることができる。サイクル1~2に対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。治療は、サイクル1の1日目に、コンストラクト2をIV投与することで始まる。サイクル1及び2における、コンストラクト2及びコンストラクト1の用量投与は、±3日のウィンドウを有する。患者には、最初の2用量のコンストラクト2及びコンストラクト1交代が、以下のとおり3週間(21日)毎に投与される: コンストラクト2は、サイクル1及び2の1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル1及び2の22日目にIV投与される。サイクル3及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは84日の期間と定義される。サイクル3の1日目は、サイクル2の42日目の完了後に開始する。サイクル3及びその後のサイクルにおける、コンストラクト2及びコンストラクト1の用量投与は、±7日のウィンドウを有する。コンストラクト2及びコンストラクト1の用量は、以下のとおりに、6週間(42日)毎に交代する。コンストラクト2は、サイクル3、及びその後のサイクルの1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル3、及びその後のサイクルの43日目にIV投与される。ペムブロリズマブは、q3wまたはq6wスケジュールで投与され、本研究訪問と重なり合う。
【0271】
群F(コンストラクト1の腫瘍内投与、続いて、コンストラクト2とコンストラクト1の連続交代静脈内投与):
【0272】
第II相用量拡大群Fは、第I相用量漸増群4の完了時に(IT投与された際のコンストラクト1のRP2Dの測定と共に、及び続いて、IV投与された際のコンストラクト2及びコンストラクト1のRP2Dの連続交代スケジュールにより)始まることができる。
【0273】
治療は、サイクル0の1日目に、コンストラクト1の最初にIT投与することで始まる。IT投与は、介入放射線医学など画像ガイド手順によりガイドされることができる。21日後、治療は、サイクル1の1日目にコンストラクト2をIV投与し、22日目にコンストラクト1をIV投与することで継続する。理想的には、体積は全て、直接IT投与により送達されるべきである。直接IT投与による全体積の送達が技術的に実現可能でない場合、残りのコンストラクト1の体積は、腫瘍周辺に、及び/または、局所投与で送達されなければならない(セクション5を参照されたい)。
【0274】
サイクル1及び2に対しては、治療サイクルは42日の期間と定義される。サイクル2における、コンストラクト2及びコンストラクト1の用量投与は、±3日のウィンドウを有する。患者には、コンストラクト2及びコンストラクト1交代が、以下のとおり3週間(21日)毎に投与される: コンストラクト2は、サイクル1及び2の1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル1及び2の22日目にIV投与される。サイクル3及びその後のサイクルに対しては、治療サイクルは84日の期間と定義される。サイクル3の1日目は、サイクル2の42日目の完了後に開始する。サイクル3及びその後のサイクルにおける、コンストラクト2及びコンストラクト1の用量投与は、±7日のウィンドウを有する。コンストラクト2及びコンストラクト1の用量は、以下のとおりに、6週間(42日)毎に交代する。コンストラクト2は、サイクル3、及びその後のサイクルの1日目にIV投与される。コンストラクト1は、サイクル3、及びその後のサイクルの43日目にIV投与される。IT投与は、上記群Cにおけるものと同様である。
【0275】
4.3 疾患進行の際のペムブロリズマブの追加
治療群1、2、3、または4のみに登録され、iRECISTにより定義されるように、その後放射線医学が進行した患者に対しては、ペムブロリズマブをコンストラクト1及び/または2治療に追加することができる。ペムブロリズマブを受ける資格があるかどうかは、ペムブロリズマブコホートに関係する対象及び除外基準を使用して評価しなければならない(セクション3を参照されたい)。ペムブロリズマブの投与は、研究と重ならなければならず、コンストラクト1単剤療法、または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法が割り当てられた治療スケジュールに応じて、q3wまたはq6wスケジュールに従わなければならない。
【0276】
ペムブロリズマブがコンストラクト1単剤療法、または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法に加えられる場合、RECISTv1.1を使用して、効能評価を再度ベースライン化される。RECISTに従った疾患進行の際には、iRECISTを使用して腫瘍応答を評価する。
【0277】
5.治療投与
IT投与のためのコンストラクト1の全体積は、処方される条件付きコンストラクト1によって変化する(表3を参照されたい)。疾患の一病変及び/または部位を、コンストラクト1のIT投与のために選択する。これは、生検のコンストラクト1 IT投与の前及び後で選択されたものと同じ、疾患の病変/部位でなければならない。理想的には、体積は全て、直接IT投与により送達されるべきである。直接IT投与による全体積の送達が技術的に実現可能でない場合、残りのコンストラクト1の体積は、主に、疾患の一特異的な病変または部位を治療するために、腫瘍周辺に、及び/または、局所投与で送達されなければならない。処方されるコンストラクト1の用量の全体積が確実に投与されるようにするため、以下の投与の種類を許可する:
・直接IT投与(腫瘍の漏出が起きた場合、これは許容される);
・腫瘍周囲投与(直接IT注射が技術的に難しい場合)。
・腫瘍付近での局所投与(IT及び腫瘍周囲注射が技術的に難しい場合)。
【0278】
全IT体積の送達は、1回の注射、もしくは2回以上の注射により、または、1回の注射で、針を引き抜くこと無く複数回、再び位置決めをすることにより、あるいは、これらの組み合わせにより、生じることができる。
【0279】
ペムブロリズマブは、適切なKEYTRUDA(登録商標)SmPCまたは添付文書などの、機関のガイドライン、または標準的なケアに従って投与されなければならない。
【0280】
6.投薬
6.1 コンストラクト1に対して調査される用量レベル
下表3は、コンストラクト1の開始用量、及び、第I相用量漸増中に評価可能な用量レベルについて記載する(群1及び2)。第I相用量漸増群1(コンストラクト1 IVのみ)に関しては、コンストラクト1の開始用量は、5×10RCV FFUで開始する。コンストラクト1のその後の用量は、表3に記載するように、次の連続用量レベルまで増加する。第I相用量漸増群2(コンストラクト1 IT-IV)に関しては、IT投与のためのコンストラクト1の開始用量は、5×10RCV FFUで開始する。IT投与のための開始用量もまた、5×10RCV FFUで開始する。IT及びIV投与のための、コンストラクト1のその後の用量は同じであり、表3に列挙するように、次の連続用量まで共に増加する。
【0281】
第I相用量漸増群5(3用量コンストラクト1レジメン)に関しては、用量は、群1で安全と宣言された最大用量レベルから、1logオーダー大きく開始することができる。一例として、群5が患者を登録し、群1において安全と宣言された最大のコンストラクト1の用量が5×10RCV FFUであるとき、調査可能なコンストラクト1の用量レベル群5は5×10RCV FFUである。コンストラクト1のその後の用量レベルは、表3に記載するように、次の連続用量レベルまで増加する。
【表4】
【0282】
6.2 コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法に対して調査される、条件付き用量レベル
提案された、コンストラクト2のヒト開始用量は、1×10RCV FFU。提案された、コンストラクト1のヒト開始用量は、群1または群2で安全と宣言された、最大の用量レベルである。RP2Dが、単剤療法のコンストラクト1に対して宣言される場合、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法におけるコンストラクト1の用量レベルはRP2Dにて維持される一方で、コンストラクト2の条件付きレベルが調査される。表4は、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の開始用量、及び、第I相用量漸増(群3及び4)中に評価可能な用量レベルについて記載する。
【0283】
第I相用量漸増群6(3用量コンストラクト2及びコンストラクト1 IV)に関して、コンストラクト2及びコンストラクト1の用量は、群3で安全と宣言された最大用量レベルから、1logオーダー大きく開始することができる。一例として、群6が6名の患者を登録し、群3で安全と宣言された最大のコンストラクト2及びコンストラクト1の交代2ベクター治療用量が、コンストラクト1に対しては5×10RCV FFU、及び、コンストラクト2に対しては1×10RCV FFUであるとき、群6への用量は、コンストラクト1に対しては5×10RCV FFU、及び、コンストラクト2に対しては1×10RCV FFUであることができる。コンストラクト2及びコンストラクト1の、その後の用量レベルは、表4に列挙する次の連続用量レベルまで増加する。
【表5】
6.3 ペムブロリズマブの投与
ペムブロリズマブは、第II相の群B及びEに対して、3週間毎に200mg、または、6週間毎に400mgのスケジュールで投与される。
【0284】
7.効能評価
効能は、胸/腹/骨盤のCTまたはMRIスキャン、及び、疾患が関連することが疑われる解剖学領域を全て利用して評価し、これを実施して、腫瘍応答を評価する。胸部スキャンに関して、CTモダリティは必須である。超音波を使用して疾患部位を測定してはならない。CT/MRIスキャンが、研究治療投与と同じ日に予定されている場合、CT/MRIは、投与前に行わなければならない。
【0285】
その後、iRECISTにより定義されるように、放射線医学を進めた患者、及び、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を続けながらペムブロリズマブが導入された患者(セクション5.3.5)に対しては、効能評価をRECISTに対して再度ベースライン化する。RECISTに従った疾患進行の際には、iRECISTを使用して腫瘍応答を評価する。
【0286】
任意の完全奏功(CR)または部分奏功(PR)は、好ましくは予定される間隔で、しかし、CRまたはPRの初期文書化後、早くても4週間で確認されなければならない。CRまたはPRの確認は、CRまたはPRの初期の文章か後、次の評価可能な腫瘍評価にて確認することができる。
【表6】
【0287】
8.安全性評価
身体検査、生命徴候、身長、体重、心電図、及び、臨床実験室パラメーターなどの、当該技術分野において周知の特定の安全性測定を実施する。
【0288】
加えて、唾液、排泄物(例えば、糞便スワブ)、血液、及び尿由来の試料を、ウイルス排出分析のために収集する。ウイルスの排出は、定量的逆転写PCRにより、核タンパク質RNAのコピーを定量化することで分析され、感染力アッセイとつなぎ合わせて、排出材料を特性決定し、感染性ウイルスが存在しないことを確認することができる。ウイルス遮蔽収集に関して、収集した試料は、生存しているがん細胞を含有する可能性がある領域からのものであってはならない。
【0289】
9.バイオマーカー
9.1.血液でのバイオマーカー評価
可能性のあるコンストラクト1、コンストラクト2、及びペムブロリズマブPDマーカーを識別する調査目的に取り組むために、いくつかの調査候補バイオマーカーを評価する(表6を参照されたい)。
【0290】
研究中、血液試料(血清及び血漿を含む)を、フェノタイプ、ゲノム、プロテオーム、及び転写分析のために収集する。リンパ球サブセットのフェノタイプ特性決定のために、血液試料を収集する。血液中でメッセンジャーRNA発現プロファイリングを行い、臨床応答及び/または耐性と関連する遺伝子シグネチャーを評価する。環状腫瘍DNA評価のために血漿を収集する。研究治療に対する中和及び結合抗体(特に、E7E6融合タンパク質)、ならびに、IL1、IL12、及びIL-18、TNF、及びIFN-γなどの、プロ炎症性Th1/Th2サイトカインを、血清中で評価する。
【表7】
【0291】
9.2 腫瘍組織でのバイオマーカー評価
腫瘍組織試料を、分子シグナル伝達及び腫瘍細胞応答での、コンストラクト1単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の効果を調査するために収集し、効能及び応答を予測し得るバイオマーカーを同定する。
【0292】
腫瘍組織は、介入放射線医学などの、画像ガイド生検により入手する。患者は全員、核または切除生検のいずれか(微細針の吸引物は認められない)から組織を、バイオマーカー評価のために中央実験室に提出する。
【0293】
次世代配列決定などの新しい技術の適用により、腫瘍内で、遺伝レベルでの評価を行う機会を提供する。RNA配列決定による遺伝子発現プロファイル、マイクロサテライトの不安定性、腫瘍変異負荷、及び、ヘテロ接合性のヒト白血球抗原の喪失などの、次世代バイオマーカーを、患者から入手した腫瘍組織で調査し、臨床応答及び/または耐性の潜在的なバイオマーカーを理解する。
【0294】
さらに、腫瘍材料使用して、免疫組織化学染色により、腫瘍浸潤リンパ球のレベルを定量化する。分析により、腫瘍内の免疫細胞、及び特に、CD8 T細胞の腫瘍浸潤の評価がもたらされる。
【0295】
9.2.1 腫瘍組織試料収集
腫瘍試料を、スクリーニング時、または、最初の研究薬物投与日及び投与後に収集する。接近可能であれば、新しい腫瘍生検を提供しなければならない。腫瘍生検及びCT/MRIスキャンを同じ訪問時に実施するのであれば、CT/MRIスキャンを最初に行い、続いて腫瘍生検を行わなければならない。
【0296】
最初の投与としてコンストラクト1 ITを受ける患者に対して(サイクル1の1日目、コンストラクト1単剤療法の投与前、または、サイクル0の1日目、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の投与前):
・コンストラクト1 IT投与の前に、1つの病変を生検のために選択する。
・スポンサーと研究員との別段の同意がない限り、同じ病変にもまた、コンストラクト1をIT投与する。
【0297】
図16に明記するように、動員されてバックフィルコホートに登録される患者に対しては、最初の研究薬物投与の前、及び、バックフィルコホートでの参加のための、最初の効能評価CT/MRIスキャンの前の投与後に、対形成した、新しい腫瘍生検が必要である。
【0298】
組織試料は、バイオマーカー評価のために、コアまたは切除生検のいずれか(微細針の吸引物は認められない)から新しく入手されなければならない。最大の腫瘍病巣(最低でも2つのコア)、または最大の細胞充実性を有する腫瘍ブロックの提出が必要である。切除/除去被検査物の腫瘍ブロックが、スライドよりも好ましい。
【0299】
9.3 他の調査バイオマーカー評価
セクション9.1及び9.2で明記したバイオマーカーに加えて、調査バイオマーカー研究は、実施例の間に収集した、任意の腫瘍組織、血清/血漿、及び末梢性単核球(PBMC)試料で実施してよい。これらのさらなる調査は、調査を、コンストラクト1及び/またはコンストラクト2の効果、及び/または安全性に対する、他の潜在的な関連のあるバイオマーカーまで拡大することができる。さらなる調査バイオマーカーとしては、四量体によりソートされた抗原特異的T細胞のプロファイリング、T細胞受容体配列決定、及び、抗原特異的T細胞上でのクロマチン変化が挙げられる。
【0300】
10.免疫原性
免疫原性試験を全患者で行い、細胞内染色によりIFN-γ、TNF-α、IL-2、CD107aを測定することにより、患者のCD8 T細胞機能性及び抗原認識を、ならびに、ペムブロリズマブと共に、及びこれなしで、コンストラクト1、及び/またはコンストラクト2に対する抗原特異的免疫応答として、末梢血単核球細胞中での分泌IFN-γ特異的細胞監視する(表7を参照されたい)。
【表8】
【0301】
11.調査イメージングサブ研究
この調査免疫イメージング目的の目的は、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法による治療の際の、CD8+細胞の、腫瘍組織への分布及び流入を捕捉することである。具体的には、CD8 PET Tracerを用いる全体PET/CT画像を評価することにより、CD8+細胞の分布を測定しコンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法での治療の前及び後での変化を評価する。臨床的アウトカムは、CD8 PET Tracerシグナルを定量化することで相関される。さらに、治療の前及び後での、CD8 PET Tracerシグナルの変化の評価を使用して治療の有効性を予測し、コンストラクト1単剤療法、及び、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の初期段階の間での、真の放射線医学進行、及び擬似進行もまた区別する。
【0302】
実施例の第I相用量漸増部分の間に、サブ研究を実施して、ポジトロン放出型断層撮影法(PET)/CTスキャンによる調査免疫イメージングを含めて、コンストラクト1単剤療法、またはコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を受ける、HNSCCを有する患者における、89Zr-Df-IAB22M2C(デフェロキサミン(Df)とコンジュゲート化し、ジルコニウム-89で放射線標識された、CD8 PET Tracer、抗CD8ミニボディ(IAB22M2C)(89Zr-Df-IAB22M2C))を評価する。1.0(±20%)mCiの用量のCD8 PET Tracer(1.5mg)のAPIを、5~10分にわたりIV投与する。腫瘍内でのCD8 PET Tracerの取り込みを、標準化取り込み値(SUV)ベースの定量的測定(SUVmax、SUVpeak、SUVmean、CD8腫瘍体積)により測定する。SUV>20% SUVmaxでCD8の取り込みが増加した腫瘍組織の体積を定量化する。
【0303】
それぞれ、第I相用量漸増治療群1及び群3(実施例IIIのセクション2.1を参照されたい)に対する、HPV16が確認されたがん患者の2つのバックフィルコホートを、CD8 PET Tracerイメージング研究に登録する。群1の患者は、コンストラクト1 IV投与を最初に投与する前の2週間(14日)以内(ベースラインイメージング)、及び、コンストラクト1投与を2回目に投与した8~12日後(治療後イメージング)に、IV注入としてのCD8 PET Tracerを受ける。PET/CTスキャン(PETベースライン及びPET治療後)は、CD8 PET Tracerをそれぞれ注入してから24±3時間後に入手される。群2の患者は、コンストラクト2 IV投与を最初に投与する前の2週間(14日)以内(ベースラインイメージング)、及び、コンストラクト1投与を最初に投与した8~12日後(治療後イメージング)に、IV注入としてのCD8 PET Tracerを受ける。PET/CTスキャン(PETベースライン及びPET治療後)は、CD8 PET Tracerをそれぞれ注入してから24±3時間後に入手される。
【0304】
実施例IV
HPV16癌を有する患者における、効果的なアレナウイルスベースのがん免疫療法
本実施例は、実施例IIIの用量漸増部分に関する予備データについて示す。
【0305】
合計で38名の患者が登録され、そのうち32名の患者はHNSCCと診断され、6名の患者は、非HNSCC HPV16癌と診断された(表8を参照されたい)。
【表9】
【0306】
あらゆるコホートで、用量限定毒性は評価されず、用量レベル及びレジメンにまたがって、有意な変化は見られなかった。関連する深刻な、または関連するグレード≧3の事象は報告されず、用量減少、投与中断、中止、または死亡は発生しなかった。
【0307】
治療された患者の間で、疾患制御及び生残の延長が観察された。図17に示すように、かなりの部分の患者が、安定した疾患または腫瘍縮小を経験した。図17Aにおけるスイマープロットは、個別の患者におけるアレナウイルスベクター治療法に対する治療期間及び応答を示し、治療時間は、最後の治療、または、[死亡-最初の投与日+1]として計算される。図17Bのウォーターフォールプロットは、アレナウイルスベクター治療法を受ける患者における、ベースラインからの標的病変変化を示す。大部分の患者は、安定した疾患を経験した。アレナウイルスベクター治療法の抗腫瘍活性は、部分奏功及び腫瘍減少を有する数名の患者で観察された。疾患制御率は、全体で62%であった。患者の約34%が、腫瘍退縮を経験した。異なる投与方法の差を評価するために、スケジュール及び用量レベル、ベースラインからの平均の最大標的病変変化(SOD)を、2名以上の患者のコホートで分析した。図17Cのそれぞれの結果は、腫瘍内(IT)投与に対する、静脈内(IV)の優秀性を示している。さらに、ベクター投与の間隔を3週間とすることが、2週間毎に投与されるベクターよりも優れているようであった。データは、同じ用量で、コンストラクト1の単回ベクター治療を受ける患者と比較して、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法で処理した患者における、優れた抗腫瘍効果をさらに示唆する。図17D及び表9に示すように、患者のかなりのサブセットが、アレナウイルスベクター治療法後に安定した疾患を示した。アレナウイルスベクター治療法を受ける患者の、奏効率、疾患制御率、及び無増悪生存期間といった、いくつかのエンドポイントを、下表9にまとめる。概して、客観的な奏効率は6.9%であり、2名の患者が部分奏功を達成し、16名の患者が安定した疾患を経験した。安定した疾患を有する患者の中で、4名は、少なくとも16週間にわたり、この奏功を維持した。11名の患者は進行性の疾患を有し、疾患制御は18名の患者で見られた。患者全員に対する、無増悪生存期間の中央値は、2.27ヶ月であった。しかし、コンストラクト1で治療され、用量レベル1または2で、3週間毎に静脈内投与される、頭頸扁平上皮細胞癌患者は、18.2%の客観的な奏効率を有し、2名の患者が部分奏功を達成し、6名の患者(54.5%)が安定した疾患を経験した。PFSの中央値は3.45ヶ月であった。DL1はコンストラクト2を、DL2はコンストラクト1を3週間毎にIV投与されて、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法を受ける患者では、4名の患者のうち4名が安定した疾患を経験し、無増悪生存期間の中央値は3.58ヶ月であった。図17Eは、全HNSCC患者に対する無増悪生存期間を示す。
【表10】
【0308】
興味深いことに、リンパ節病変を、唯一の標的病変として有する患者は、標的病変として非リンパ節器官を有する患者よりも、アレナウイルスベクター治療法に対して良好に応答した(図17Fを参照されたい)。同様に興味深いことに、コンストラクト1 DL2のIV投与を3週間毎に受け(G1DL2Q3W)、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のIV投与を3週間毎に受け(G3 DL1及びDL2 Q3W)る患者は、標的病変にて最良の応答を示した(図17Gを参照されたい)。標的病変直径の変化の最良の合計と治療時間とを比較する際、治療期間が長い患者の大部分は、安定した疾患または腫瘍減少を経験した。直径変化の最良の合計と治療時間との相関を、図17Hに示す。ケーススタディーとして、転移性頭頸扁平上皮細胞癌(HNSCC)、及び中咽頭の原発性損傷部位を有する、1名の特定の患者において、3週間毎の、コンストラクト1 DL2単剤療法による静脈内治療の後に、急速な疾患の安定化、続いて部分奏功が観察された。それぞれの患者は、コンストラクト1で治療される前に、以下の事前治療を受けた:(1)シスプラチン+肛門癌XRT;(2)カルボプラチン/パクリタキセル/セツキシマブ;及び(3)ペムブロリズマブ。図17Gに示すCTスキャンは、39及び80日目に腫瘍減少を示す(図17Fを参照されたい)。患者は、疾患進行が確認されてから127日間、コンストラクト1のアレナウイルスベクター治療法を受け続けた。
【0309】
まとめると、アレナウイルスベースの治療用ワクチンの安全性プロファイルが、特に許容された。コンストラクト1単剤療法、及びコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の両方は概して、HPV16腫瘍を有する進行患者において、十分に認容された。あらゆる組み合わせを用いない単剤として、治療法は、HPV16+ HNSCCを有する、著しく事前に治療を受けた患者における、予備的な抗腫瘍活性を示した(下表10を参照されたい)。
【表11】
【0310】
実施例V
HPV16癌を有する患者における、アレナウイルスベースのがん免疫療法により誘発された免疫原性
本実施例は、コンストラクト1のみ、加えて、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法により誘発される、強力な免疫原性について示す。
【0311】
図6Aがアップデートされた図18Aは、コンストラクト1を投与した後の、固有の血清サイトカインまたはケモカインシグネチャーを示す。IFN-γレベルの増加は、分析した患者の90%において、最初の治療の4日後に既に観察されている。IFN-γの他に、他の免疫刺激性サイトカイン及びケモカインもまた、治療された患者では上方制御され、このことは、NK及びT細胞の活性化の初期の兆候を示す。例えば、コンストラクト1を単回投与することで、治療の4日後において、患者では、IFN-γ、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、インターロイキン(IL)-12p40、IL-15、及び腫瘍壊死因子腫瘍壊死因子のレベルが増加した。図6Bがアップデートされた図18Bは、コンストラクト1単剤療法によりDL1(5×10RCV FFU)もしくはDL2(5×10RCV)で、または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法(コンストラクト2:1×10RCV FFU、コンストラクト1:5×10RCV FFU)で治療した4日後における、患者での、IFN-γ、IL-12p40、IL-15、IFN誘発性タンパク質(IP)-10、及びTNFαのレベルの増加を示す。
【0312】
【0313】
加えて、抗原特異的T細胞応答の誘発を、ELISpot及び細胞内サイトカイン染色で測定した。当分野では、4~14日のインビトロ刺激(IVS)後にのみ、IFN-γ ELISpotによりがん治療薬が、T細胞を増殖させて、抗原特異的T細胞の検出可能性を高める免疫原性を測定することが一般的であるものの、アレナウイルスベクター治療法の後の、抗原特異的T細胞応答の誘発は、事前のインビトロ増殖なしに直接測定した。具体的には、入手可能な試料を有する患者由来のPBMCを、IFN-γ ELISpot及び細胞内サイトカイン染色(ICS)によるT細胞分析のために選択した。
【0314】
図19A及び図19Bに示すように、最大、3.5%のIFN-γ E6/E7特異的CD8 T細胞を、用量レベル2(即ち、5×10RCV FFU)のコンストラクト1の最初の投与後に検出した。
【0315】
驚くべきことに、静脈内コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の後に、1名の患者(患者106-0005)において、前例のないE6/E7特異的CD8 T細胞レベルが観察された。図19C及び図19Dに示すように、コンストラクト2の単回投与後に、約10%の抗原特異的CD8+ T細胞が観察され、2サイクルのコンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法の後に、最大約40%の、IFN-γ+E6/E7特異的CD8 T細胞を検出することができる。選択された患者(患者106-0005)に対して、複数サイクルの、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法による治療の異なる時点において、多色フローサイトメトリーを実施した。図19Eは、循環全CD8 T細胞の増加を示す。図19Fは、同じ患者でIFN-γ、TNFα、またはCD107aを発現した、機能的及び細胞毒性E6/E7特異的CD8 T細胞の増加を示す。誘発されたE6/E7特異的CD8 T細胞が多機能であり、枯渇していないことは、IFN-γ、TNFα、またはCD107aの産生を示す。
【0316】
コンストラクト1のみ、または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のいずれかでの治療により、患者において実質的な抗原特異的T細胞応答が誘発され、循環CD8+ T細胞の最大40%がE6/E7特異的であることを、図19G図19Iはさらに示す。IFN-γ及びTNF-αの産生は、対応するT細胞が枯渇していないことを示す。さらに、患者におけるE6/E7特異的CD8+ T細胞の増殖は、マウスモデルで観察された結果を反映している。
【0317】
まとめると、コンストラクト1及びコンストラクト2は、血清中で、1型サイトカインの分泌を誘発した。事前のインビトロ増殖なしに実施した直接IFN-γ ELISpot及びICSは、大規模なT細胞応答を捕捉した。コンストラクト1及びコンストラクト2を単回投与することで、それぞれ、強力なE6/E7特異的CD8 T細胞の駆動が可能となり、最大9.9%がIFN-γ CD8 T細胞であった。例えば、コンストラクト1の単回投与後に、3名の患者が、3%を超える抗原特異的CD8 T細胞を産生した。コンストラクト2の単回投与後に、1名の患者は、約10%の抗原特異的CD8 T細胞に応答した。コンストラクト1のみ、または、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法のいずれかを受ける、IV投与された患者の83%が、ELISpot及び/またはICSにより測定される、HPV16 E7/E6に対する腫瘍抗原特異的T細胞応答の誘発、加えて、IFN-γシグネチャーへのシフトを示した。HPV16 HNSCC患者に対して観察される、予備的な効能測定の観点から、3週間毎に投与されるコンストラクト1の単一ベクターは、18%の全体の奏効率(ORR)(1件は部分奏功(PR)、1件は未確認の完全奏功(uCR))、及び、73%の疾患制御率(DCR)をもたらし、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法は、100%のDCRをもたらした。
【0318】
重要なことに、コンストラクト2/コンストラクト1交代2ベクター治療法は、前例のない、40%の、E6/E7特異的IFN-γ+CD8 T細胞を実現し、これは、広範なマージンによるがんワクチンなどの、インビボ治療法に対してこれまで報告されている中で、最も高い応答である。
【0319】
本願を通じて、様々な刊行物が参照されている。本開示が関連する分野の現状をさらに充分に説明する目的で、これらの刊行物の開示内容は、本願での参照により、その全体が、本明細書に援用される。上に示した実施例を参照して、本開示について説明してきたが、本開示の趣旨から逸脱しなければ、様々な修正を行えることを理解されたい。
【0320】
本明細書は、ASCIIテキストフォーマットで、コンピューターで読み取り可能な形態(CRF)の、配列表の写しと共に出願されている。2021年5月4日に作成され、35,725バイトのサイズの、13194-071-228_Sequence_Listing_ST25.txtという名称の配列表のCRFの写しは、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C-1】
図7C-2】
図7D-1】
図7D-2】
図7E-1】
図7E-2】
図7F
図8
図9
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図11
図12
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15-1】
図15-2】
図16-1】
図16-2】
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図17I
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F-1】
図19F-2】
図19G
図19H
図19I
【手続補正書】
【提出日】2023-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2023527083000001.app
【国際調査報告】