(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】衛生器具のための取付け要素、取付け要素を備えた衛生器具および支持体に衛生器具を取り付けるための方法
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20230619BHJP
F16L 37/38 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
E03C1/042 E
F16L37/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573296
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 EP2021061832
(87)【国際公開番号】W WO2021239417
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】102020114523.3
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】パウル リューベザーメン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク ベゲロウ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴェーヌス
(72)【発明者】
【氏名】フランツィスカ カルカ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク ハイトカンプ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン チャナ チィヌー
(72)【発明者】
【氏名】ペイ グオ
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト バッハマン
【テーマコード(参考)】
2D060
3J106
【Fターム(参考)】
2D060BF03
2D060BF09
3J106GA01
3J106GA23
(57)【要約】
衛生器具(2)のための取付け要素(1)であって、-支持体(5)の開口(4)内に少なくとも部分的に取付け可能である連結体(3)であって、衛生器具(2)が連結体(3)に着脱可能に取付け可能である、連結体(3)と、-衛生器具(2)に液体を供給することができる少なくとも1つの供給通路(6,7)と、-衛生器具(2)が連結体(3)に取り付けられている場合に少なくとも1つの供給通路(6,7)を開放し、かつ衛生器具(2)が連結体(3)に取り付けられていない場合に少なくとも1つの供給通路(6,7)を閉鎖する少なくとも1つの弁(8,9)と、を有している、取付け要素(1)。さらに、このような取付け要素(1)を備えた衛生器具(2)と、支持体(5)に衛生器具(2)を取り付けるための方法が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生器具(2)のための取付け要素(1)であって、
支持体(5)の開口(4)内に少なくとも部分的に取付け可能である連結体(3)であって、前記衛生器具(2)が前記連結体(3)に着脱可能に取付け可能である、連結体(3)と、
前記衛生器具(2)に液体を供給することができる少なくとも1つの供給通路(6,7)と、
前記衛生器具(2)が前記連結体(3)に取り付けられている場合に前記少なくとも1つの供給通路(6,7)を開放し、かつ前記衛生器具(2)が前記連結体(3)に取り付けられていない場合に前記少なくとも1つの供給通路(6,7)を閉鎖する少なくとも1つの弁(8,9)と、
を有している、取付け要素(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弁(8,9)が、ばね(11)によって弁座(12)の方向に押圧される弁体(10)を有している、請求項1記載の取付け要素(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの弁(8,9)の弁体(10)は、前記衛生器具(2)が前記連結体(3)に取り付けられている場合、前記衛生器具(2)によって調節可能である、請求項1または2記載の取付け要素(1)。
【請求項4】
前記連結体(3)が、前記衛生器具(2)のための収容部(13)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の取付け要素(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの供給通路(6,7)が、前記収容部(13)内に開口している、請求項4記載の取付け要素(1)。
【請求項6】
前記支持体(5)の前記開口(4)内に前記連結体(3)を取り付けるための少なくとも1つのロック要素(14)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の取付け要素。
【請求項7】
衛生器具(1)であって、少なくとも、
流出部(16)を備えた器具ケーシング(15)と、
請求項1から6までのいずれか1項記載の取付け要素(1)と、
を有していることを特徴とする、衛生器具(1)。
【請求項8】
前記取付け要素(1)に前記器具ケーシング(15)を結合するためのアダプタ(17)を有している、請求項7記載の衛生器具(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの逆流防止装置(18)を有しており、該逆流防止装置(18)を用いて、前記取付け要素(1)の少なくとも1つの供給通路(6,7)内への液体の逆流が少なくとも部分的に阻止可能である、請求項7または8記載の衛生器具(1)。
【請求項10】
支持体(5)に衛生器具(2)を取り付けるための方法であって、少なくとも以下のステップ、すなわち、
a)前記支持体(5)に、請求項1から6までのいずれか1項記載の取付け要素(1)を取り付けるステップと、
b)前記取付け要素(1)に前記衛生器具(2)を取り付けるステップであって、これにより前記取付け要素(1)の少なくとも1つの弁(8,9)が、前記取付け要素(1)の少なくとも1つの供給通路(6,7)を開放するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生器具(Sanitaerarmatur、サニタリフィッティング)のための取付け要素、このような取付け要素を備えた衛生器具、および支持体に衛生器具を取り付けるための方法に関する。このような衛生器具は、特に洗面台、流し台、シャワーおよび/または浴槽において液体を必要に応じて提供する働きをする。
【背景技術】
【0002】
衛生器具は通常、例えば壁、作業面、洗面台、流し台、シャワーまたは浴槽のような支持体に取り付けられる器具ケーシングを有している。衛生器具の使用時に、時間が経過するにつれて衛生器具の領域において支持体に、例えば除去することが困難であるカルキまたはその他の不純物が堆積してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、先行技術に関連して説明した問題を少なくとも部分的に解決し、特に、支持体のクリーニングを容易にする、衛生器具のための取付け要素を提供することである。さらに、取付け要素が支持体のクリーニングを容易にする、衛生器具を示すことが望ましい。さらに、衛生器具の支持体がより容易にクリーニング可能であるようにする、衛生器具を取り付けるための方法が示される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの課題は、独立請求項に記載の特徴を備えた取付け要素、衛生器具および方法によって解決される。本発明の別の有利な構成は、従属請求項に示されている。従属請求項において個別に挙げられた特徴は、技術的に有意な任意の形式で互いに組み合わせることができ、本発明の別の構成を定義することに留意されたい。さらに、請求項に示された特徴は、明細書においてより詳細に特定され説明され、本発明の別の好適な構成を成す。
【0005】
このために、衛生器具のための取付け要素であって、少なくとも、
-支持体の開口内に少なくとも部分的に取付け可能である連結体であって、衛生器具が連結体に着脱可能に取付け可能である、連結体と、
-衛生器具に液体を供給することができる少なくとも1つの供給通路と、
-衛生器具が連結体に取り付けられている場合に少なくとも1つの供給通路を開放し、衛生器具が連結体に取り付けられていない場合に少なくとも1つの供給通路を閉鎖する少なくとも1つの弁と、
を有している、取付け要素が寄与する。
【0006】
衛生器具は、例えば、流し台、洗面台、シャワーまたは浴槽において液体、特に水を提供する働きをする。衛生器具は、好適には少なくとも部分的に、例えば真鍮のような(鋳造)金属および/またはプラスチックから成っている器具ケーシングを有していてよい。器具ケーシングは、流出部を有しており、この流出部が、固定的または可動に、特に旋回可能に、かつ/または少なくとも部分的に引出し可能に器具ケーシングに取り付けられている。
【0007】
衛生器具は、少なくとも1種の液体を衛生器具の少なくとも1つの流出開口に案内可能である少なくとも1つの液体通路を有していてよい。少なくとも1つの流出開口は、器具ケーシングまたは器具ケーシングの流出部において形成されていてよい。流出開口を介して、液体は、例えば器具ケーシングから流出することができる。このために、液体のための少なくとも1つの液体通路が器具ケーシング内に形成されていてよい。さらに、衛生器具が、冷水温度を有する冷水と温水温度を有する温水とが混合可能であり、これにより所望の混合水温度を有する混合水を形成することができる、混合弁を有していてよい。冷水温度は、特に最大25℃(摂氏)、好適には1℃~25℃、特に好適には5℃~20℃であり、かつ/または温水温度は、特に最大105℃、好適には25℃~105℃、特に好適には55℃~105℃である。混合弁は、例えば、混合カートリッジやサーモスタットカートリッジであってよい。冷水と温水とは、衛生器具のそれぞれ1つの液体通路を介して混合弁に供給可能であってよい。衛生器具の操作のためには、衛生器具は、少なくとも1つの作動要素を有していてよい。少なくとも1つの作動要素は、例えば、操作ハンドル、操作ボタンおよび/または操作レバーであってよい。少なくとも1つの作動要素を介して、特に液体の取出しまたは液体の特性が制御可能である。特に、少なくとも1つの作動要素を介して、混合水温度、液体の取出し量、および/または液体の種類(例えば、所望の嗜好を備える)が調節可能であってよい。さらに、少なくとも1つの作動要素を介して、混合弁または遮断弁が操作可能であることも規定されていてよい。
【0008】
取付け要素は、例えば壁、作業面、流し台、洗面台、シャワーまたは浴槽のような支持体に衛生器具を取り付ける働きをする。このために、取付け要素は、連結体を有している。連結体は、一種のケーシングとして形成されていてよく、かつ/または少なくとも部分的に、例えば真鍮のような金属またはプラスチックから成っていてよい。さらに、連結体は、プラスチック射出成形部材であってよい。さらに連結体は、少なくとも部分的に円筒形および/または管状に形成されていてよい。さらに、連結体は、複数の部分から形成されていてよく、例えば複数の連結体部分を含んでいてよい。連結体は、少なくとも部分的に支持体の開口内に取付け可能である。開口は、例えば、一種の水道穴または孔として形成されていてよい。さらに、衛生器具は、連結体に着脱可能に取付け可能である。このために、衛生器具は特に少なくとも部分的に連結体に挿入可能であり、かつ/または連結体にねじ締結可能であってよい。衛生器具は特に、連結体を損傷することなしに、連結体から再び取外し可能である。
【0009】
取付け要素は、衛生器具に液体を供給することができる少なくとも1つの供給通路を有している。このために、取付け要素は、例えば一種のホースまたは管である液体の供給管路に接続可能であってよい。少なくとも1つの供給通路は、特に連結体内に形成されている。取付け要素は、特に、冷水のための第1の供給通路と、温水のための第2の供給通路とを有していてよい。したがって、取付け要素は、冷水供給管路と温水供給管路とに接続可能であってよい。
【0010】
さらに、取付け要素は、衛生器具が連結体に取り付けられている場合に少なくとも1つの供給通路を開放し、衛生器具が連結体に取り付けられていない場合に少なくとも1つの供給通路を閉鎖する、少なくとも1つの弁を有している。少なくとも1つの弁は、特に常時閉鎖式であってよい。これは特に、少なくとも1つの弁が、操作されない場合に閉位置に位置しており、これによって少なくとも1つの供給通路を通って液体が流れることができないことを意味してよい。少なくとも1つの弁は、連結体における衛生器具の取付けによって、液体が少なくとも1つの供給通路を通って衛生器具に流れることができる開位置に少なくとも1つの弁が調節可能であるように、衛生器具によって操作可能である。少なくとも1つの弁の操作は、例えば、機構を介して機械的に、かつ/または例えば(電気的な)スイッチを介して電気的に行うことができる。
【0011】
衛生器具は、取付け要素によって容易に支持体に組付け可能、かつ取外し可能であり、取付け要素からの衛生器具の取外しは、少なくとも1つの弁または液体のための少なくとも1つの供給通路の閉鎖に自動的につながる。これにより、衛生器具への液体供給を、例えばコーナ弁を用いて手動で遮断する必要がない。したがって、衛生器具を小さな手間で支持体から取外し可能であり、これにより支持体のクリーニングが容易になる。
【0012】
少なくとも1つの弁は、ばねによって弁座の方向に押圧される弁体を有していてよい。弁座は、特に、連結体により形成されていてよい。弁体が弁座上に位置している場合、少なくとも1つの弁または少なくとも1つの供給通路は閉鎖されている。ばねは特にコイルばねであってよく、このコイルばねは、例えば少なくとも部分的に弁体の周囲に延びていてよい。さらに、ばねは特に、長手方向の第1の端部で連結体に支持されていてよく、かつ/または長手方向の第2の端部で弁体において支持されていてよい。
【0013】
少なくとも1つの弁の弁体は、衛生器具が連結体に取り付けられている場合に、衛生器具によって調節可能であってもよい。これは特に、衛生器具が連結体に取り付けられている場合に、衛生器具が弁体をばねのばね力に抗して弁座から持ち上げ、これにより少なくとも1つの弁または少なくとも1つの供給通路が少なくとも部分的に開放することを意味していてよい。衛生器具が連結体に取り付けられていないか、または完全に取り付けられていない場合、弁体はばねによって再び弁座に向かって押圧されるので、これにより、少なくとも1つの弁または少なくとも1つの供給通路が再び閉鎖される。
【0014】
連結体は、衛生器具のための収容部を有していてよい。収容部は、特に連結体の長手方向の端部に形成されていてよい。衛生器具は特に少なくとも部分的に収容部内に配置可能であるか、または収容部内に挿入可能である。このために、収容部は、特に、衛生器具が収容部内に配置可能または取付け可能である衛生器具の領域の外径に(実質的に)一致する内径を有していてよい。衛生器具は、特に(実質的に)遊びなしに収容部内に配置可能または取付け可能である。さらに、衛生器具は、特に収容部内に回転可能に取付け可能であってよい。
【0015】
少なくとも1つの供給通路は、収容部内に開口していてよい。特に、少なくとも1つの供給通路は、収容部の底部において終わっていてよい。
【0016】
取付け要素は、支持体の開口内に連結体を取り付けるための少なくとも1つのロック要素を有していてよい。少なくとも1つのロック要素は、例えば、環状に形成されていてよく、かつ/または連結体の外面に配置されていてよい。さらに、少なくとも1つのロック要素は、例えば支持体の下面に対して調節可能であってよく、これにより取付け要素は例えば支持体に挟込み可能である。
【0017】
別の1つの態様によれば、衛生器具であって、少なくとも
-流出部を備えた器具ケーシングと、
-本発明に係る取付け要素と、
を有している衛生器具も提案される。
【0018】
衛生器具は、器具ケーシングを取付け要素に結合するためのアダプタを有していてよい。アダプタは、特に器具ケーシングに取り付けられている。衛生器具は、特に、アダプタで、取付け要素の連結体の収容部内に挿入可能である。アダプタの外形は、特に収容部の内側形状に適合されている。例えば、アダプタの外径は収容部の内径に(実質的に)一致していてよい。
【0019】
衛生器具は、少なくとも1つの逆流防止装置を有していてよく、逆流防止装置を用いて、取付け要素の少なくとも1つの供給通路内への液体の逆流が少なくとも部分的に阻止可能である。
【0020】
衛生器具のさらなる詳細のために、取付け要素の説明が十分に参照される。
【0021】
本発明のさらに別の1つの態様によれば、支持体に衛生器具を取り付けるための方法も提案され、方法は、少なくとも以下のステップ、すなわち、
a)支持体に本発明に係る取付け要素を取り付けるステップと、
b)取付け要素に衛生器具を取り付けるステップであって、これにより取付け要素の少なくとも1つの弁が、取付け要素の少なくとも1つの供給通路を開放するステップと、
を有している。
【0022】
方法の別の詳細のためには、取付け要素および衛生器具の説明が十分に参照される。
【0023】
本発明ならびに技術的な環境を、以下に図面に基づき詳細に説明する。なお、図面には本発明の特に好適な実施バリエーションが示されているが、この実施バリエーションに限定されるものではないことに留意されたい。図中、同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】衛生器具を例示的かつ概略的に示す側面図である。
【
図2】支持体における取付け前の衛生器具を例示的かつ概略的に示す縦断面図である。
【
図3】支持体への取付け中の衛生器具を例示的かつ概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、衛生器具2を側面図で示している。衛生器具2は器具ケーシング15を有しており、器具ケーシング15の流出部16には流出開口19が形成されている。さらに、衛生器具2は調節要素20を有しており、この調節要素20により、流出開口19を介した液体の放出が制御可能である。衛生器具2は、
図2および
図3に示した取付け要素1によって支持体5に着脱可能に取り付けられている。
【0026】
図2は、
図1に示した領域21における縦断面で、支持体5に取り付けられる前の衛生器具2を示している。支持体5は開口4を有しており、この開口4内に取付け要素1が取り付けられている。このために、取付け要素1が、連結体3の外面22に係止フック23を備えた環状のロック要素14を有している。ロック要素14は、連結体3の外面22に沿って、支持体5の下面24に対して調節可能であり、これにより連結体3は固定的に開口4内に取付け可能である。連結体3内には、第1の供給通路6と第2の供給通路7とが形成されている。これらの供給通路6,7は、衛生器具2のための連結体3の収容部13内に開口している。衛生器具2には、第1の供給通路6を介して冷水が供給可能であり、第2の供給通路7を介して温水が供給可能である。このために、取付け要素1は、冷水および温水のための、
図2には示さない供給管路に接続可能である。第1の供給通路6内には第1の弁8が配置されており、この第1の弁8は、衛生器具2が連結体3に取り付けられていない場合に第1の供給通路6を閉鎖する。このために、第1の弁8が弁体10を有しており、弁体10は、ばね11によって、連結体3に形成された弁座12に向かって押圧されている。第2の供給通路7内には、第1の弁8と同一である第2の弁9が配置されている。衛生器具2が連結体ケーシング3の収容部13内に挿入されると、弁8,9の弁体10が、衛生器具2のアダプタ17の結合突起25によって弁座12から離れるように押圧され、これにより、弁8,9の弁体10が開位置に移動する。この開位置を明確にするために、第2の弁9は、弁座12から弁体10が持ち上げられた状態で示されている。
【0027】
図3は、
図2に示した縦断面と同じ縦断面で支持体5における取付け時の衛生器具2を示している。
図3では、アダプタ17の結合突起25が弁体10の端面26に到達するまで、衛生器具2のアダプタ17が連結体ケーシング3の収容部13に挿入されている。アダプタ17が収容部13の底部27に載着するまで、衛生器具2がさらに取付け要素1内に挿入されると、第1の弁座8および第2の弁座9の弁体10が弁座12から開位置へと移動させられる。この開位置は、第2の弁9に示されている。開位置では、衛生器具2に第1の供給通路6を介して冷水が供給可能であり、第2の供給通路7を介して温水が供給可能である。衛生器具2の器具ケーシング15は、次いで、取付け要素1にねじ締結可能であり、これにより衛生器具2が支持体5に取り付けられている。衛生器具2が再び取付け要素1から取り外され、アダプタ17が収容部13から引き出されると、弁体10はばね11によって自動的に再び弁座12に対して押圧されるので、第1の供給通路6および第2の供給通路7は閉鎖される。アダプタ10内には、冷水のための第1の液体通路28内と、温水のための第2の液体通路29内とに、それぞれ1つの逆流防止装置18が配置されており、この逆流防止装置18は、衛生器具2の取外し時に結合突起25を介して冷水および温水が流出することを阻止している。
【0028】
取付け要素1により、衛生器具2を僅かな手間で支持体から取り外すことができるので、支持体はより容易にクリーニング可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 取付け要素
2 衛生器具
3 連結体
4 開口
5 支持体
6 第1の供給通路
7 第2の供給通路
8 第1の弁
9 第2の弁
10 弁体
11 ばね
12 弁座
13 収容部
14 ロック要素
15 器具ケーシング
16 流出部
17 アダプタ
18 逆流防止装置
19 流出開口
20 調節要素
21 領域
22 外面
23 係止フック
24 下面
25 結合突起
26 端面
27 底部
28 第1の液体通路
29 第2の液体通路
【国際調査報告】