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特表2023-527090DICOMDIRファイル作成方法及びDICOMDIRファイル作成システム
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  • 特表-DICOMDIRファイル作成方法及びDICOMDIRファイル作成システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(54)【発明の名称】DICOMDIRファイル作成方法及びDICOMDIRファイル作成システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/40 20180101AFI20230619BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230619BHJP
   G06T 7/40 20170101ALI20230619BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230619BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
G16H30/40
G06T7/00 612
G06T7/40
G06T1/00 290A
G06T1/00 290D
G06T3/00 775
A61B5/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573315
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2021093861
(87)【国際公開番号】W WO2021238680
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202010460454.2
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522462410
【氏名又は名称】周 興祥
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】周 興祥
(72)【発明者】
【氏名】于 全文
【テーマコード(参考)】
4C117
5B057
5L096
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB06
4C117XJ01
4C117XJ13
4C117XK02
4C117XK04
4C117XK34
5B057AA07
5B057AA08
5B057BA03
5B057BA05
5B057BA29
5B057CA01
5B057CA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB02
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC03
5B057CE08
5B057CE09
5B057CE12
5B057DA08
5B057DB02
5B057DB05
5B057DB08
5B057DC19
5B057DC23
5L096AA02
5L096AA03
5L096AA06
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA04
5L096DA01
5L096DA02
5L096EA35
5L096EA37
5L096EA43
5L096FA14
5L096FA19
5L096FA36
5L096FA44
5L096FA52
5L096FA69
5L096GA51
5L099AA26
(57)【要約】
DICOMDIRファイル作成方法及びシステムとして、先ずDICOM画像から文字検索領域を確定し、水平投影及び垂直投影方法を用いてDICOM画像上の各文字を探し、画像取りミンギ範囲の座標を確定する。後DICOM画像に対してトリミングを行い、トリミングした画像によりDICOMDIRファイルを作成する。作成されたDICOMDIRファイルには、DICOM画像に既存している文字の削除ができ、患者の画像情報及び検査情報の匿名化を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DICOMDIRファイル作成方法であって、
DICOMDIRファイル作成用のDICOM画像が指定されたフォルダに置かれ、前記フォルダに存在しているDICOM画像の第1フレーム画像を取得する処理;
前記第1フレーム画像に対して2値化処理を行い、2値画像を得る処理;
前記2値画像の左上、右上、左下、および右下にそれぞれの文字検出エリアを設定する処理;
各文字検出アリアの水平方向での投影により前記各文字検出アリアにある文字行の上及び下の位置座標を決める処理;
各文字検出アリアの垂直方向での投影により前記各文字検出アリアにある各文字の左及び右の位置座標と文字数とを決める処理;
検出された文字数により4つの文字検出エリアの実際の座標範囲を確定する処理;
前記4つの文字検出エリアの前記座標範囲により前記DICOM画像のトリミング範囲を確定して、前記DICOM画像の各フレームをトリミングして、トリミングされたDICOM画像とする処理;及び
前記フォルダにある全部の前記DICOM画像からトリミングされたDICOM画像を得て、全部の前記トリミングされたDICOM画像ファイルを用いてDICOMDIRファイルを作成する処理、
を備えるDICOMDIRファイル作成方法。
【請求項2】
前記指定されたフォルダにある全ての前記DICOM画像のTag情報を取得する処理;
設定ファイルに基づいて匿名化Tagを決め、前記DICOM画像のTag情報を修正して前記DICOM画像に書き込み、DICOM Tag修正したDICOM画像を作成する処理、を備える、請求項1に記載のDICOMDIRファイル作成方法。
【請求項3】
前記文字検出エリアに対して水平方向での投影をして前記文字検出エリアのある文字行の上及び下の位置座標を求める際に、
前記2値画像の文字検出エリアの水平方向に投影し投影データを得て、前記投影データの中で、文字の領域の平均輝度が画像の背景平均輝度より高い特性により文字行の上及び下の位置座標を求める、請求項1に記載のDICOMDIRファイル作成方法。
【請求項4】
前記文字検出エリアに対して垂直方向での投影をして前記文字検出エリアのある各文字の左及び右の位置座標と文字数を求める際に、
前記2値画像の文字検出エリアの垂直方向に投影し投影データを得て、前記投影データの中で、文字の領域の平均輝度が画像の背景平均輝度より高い特性、平均輝度の閾値、一つ文字の幅、高さ及び間隔の閾値を決め、前記文字検出エリアにある各文字の左及び右の位置座標と総文字数とを求める、請求項1に記載のファイル作成方法。
【請求項5】
前記フォルダにある全てのDICOM画像ファイルに対して、トリミングされたDICOM画像を作成してから前記DICOMDIRを作成する際に、
前記フォルダにある全部のトリミングしたDICOM画像の総バイト数を求める処理;
前記DICOM画像の総バイト数により作成させる前記DICOMDIRのファイル数を求める処理、を備える、請求項1に記載のDICOMDIRファイル作成方法。
【請求項6】
指定されたフォルダにある全てのDICOM画像を取得するDICOM画像取得モジュール;
前記DICOM画像から第1フレーム画像を取得するDICOM画像の第1フレーム取得モジュール;
前記第1フレーム画像に対して2値化処理を行い、2値化画像を得る2値化モジュール;
前記2値化画像に左上、右上、左下、および右下の4つの文字検出エリアを予め設定する文字検出エリア設定モジュール;
文字検出エリアの水平投影により文字行の上及び下の位置座標を確定する文字の上及び下位置座標確定モジュール;
前記文字検出エリアの垂直投影により各文字の左及び右の位置座標と文字数とを確定する文字の左及び右位置座標確定モジュールと;
前記各文字エリアにおいて検出された文字の位置座標により実際の文字範囲を確定する実際の文字範囲確定モジュール;
前記実際の文字範囲により画像のトリミング範囲を確定するトリミング範囲を確定するモジュール;
前記確定した画像のトリミング範囲により前記DICOM画像の第1フレームをトリミングして、トリミングされたフレームをDICOM画像として書き込むトリミングモジュール;
DICOM画像の第1フレーム取得モジュールに戻して、前記フォルダにある全DICOM画像のトリミング処理を終わらせるReturn処理モジュール;
前記フォルダにある全部トリミングしたDICOM画像ファイルを用いて、DICOMDIRファイルを作成するDICOMDIRファイル作成モジュール、
を備えるDICOMDIRファイル作成システム。
【請求項7】
前記フォルダにある全てのDICOM画像ファイルからDICOM Tag情報を取得するDICOM Tag情報取得モジュール;
設定により匿名化Tagを修正するDICOM Tag情報修正モジュール;
修正したDICOM Tag情報を保存するDICOM Tag情報保存モジュール、を備える請求項6に記載のDICOMDIRファイル作成システム。
【請求項8】
文字の上及び下位置座標確定モジュールでは、前記2値画像の文字検出エリアの水平方向に投影し投影データを得て、投影データの中で、文字の領域の平均輝度が画像の背景平均輝度より高い特性により文字行の上及び下の位置座標を求める、請求項6に記載のDICOMDIRファイル作成システム。
【請求項9】
前記文字の左及び右位置座標確定モジュールでは、前記の2値画像の文字検出アリアは垂直方向での投影により文字検出アリアにある各文字の左及び右の位置座標と総文字数とを決める請求項6に記載のDICOMDIRファイル作成システム。
【請求項10】
DICOMDIRファイル作成モジュールは、子モジュールとして、 前記の指定されたフォルダにある全部のDICOM画像ファイルのバイト数を加算して総バイト数を求めるDICOM画像の総バイト数計算子モジュール;
設定された一つDICOMDIRファイルのサイズ(バイト数)により作成できるDICOMDIRファイル数を求めるDICOMDIRファイル数計算子モジュール;
前記フォルダにあるトリミングしたDICOM画像ファイルからDICOMDIRファイルを作成するDICOMDIRファイル作成子モジュール、を備える請求項6に記載のDICOMDIRファイル作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも画像データを含む医用DICOM画像を取り扱う分野に関にするものであり、特にDICOM規格によるDICOMDIRファイル作成方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、病院では、CT、MRI、血管造影診断装置、超音波診断装置等で生成された医用DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)画像がCDやDVDなどの媒体で保存可能であり、患者個人や病院でこの保存媒体を保管することができ、病院ではフィルムレスが可能である。
【0003】
CDやDVDに保存されたDICOM画像はDICOMDIRファイルとして管理され、CDやDVDに入っているDICOM画像ビューワでDICOM画像の閲覧ができる。
【0004】
中国特許公開第CN1567338A号は、DICOM画像をCDやDVDに焼きつける方法及びシステムを開示しているが、DICOMDIRファイルの作成方法につては言及してない。国際公開WO2015/008650A1号は、DICOMDIRファイル作成及び圧縮保存方法を開示している。
【0005】
医師は、学会発表や特定研究の場合、患者の個人情報を保護するため、CDやDVDに保存しているDICOMDIRファイル及びDICOM画像フィルの患者情報や検査情報を匿名化する必要がある。ところが、DICOMのSC画像や超音波画像の場合、患者情報や検査情報はDICOM Tagの中に存在する以外に、DIOOM画像上にも焼きつけられているケースもある。その際、DICOMDIRファイル及びDICOM画像フィルにある患者情報や検査情報だけの匿名化が不十分である。
【0006】
そして、DICOM画像データに焼きつけられている患者情報や検査情報の匿名化することが解決するべき問題である。
【発明の概要】
【0007】
本発明はDICOM画像データに焼きつけられている患者情報や検査情報を匿名化するため、DICOMDIRファイルの作成方法及びシステムを提供すると目的とする。
【0008】
DICOMDIRファイルの作成方法は、以下の処理を含んでいる。
指定されたフォルダにおいて、DICOMDIRファイル作成用の全てのDICOM画像を取得する。
DICOM画像ファイルから第1フレーム画像データを取得する。
前記の第1フレームの画像データを2値化して、2値画像を取得する。
前記の2値画像には左上、右上、左下、および右下の4つの文字検出エリアを予め設定する。
前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、水平方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している文字行の上及び下位置座標を求める。
前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している各文字の左及び右位置座標と文字数とを求める。
前記の文字検出エリアに存在している文字数及び文字の位置座標により文字検出エリア実際の座標範囲を求める。
前記の文字検出エリア実際の座標範囲により前記のDICOM画像ファイルの第1フレーム画像データのトリミング範囲を求める。
前記のトリミング範囲によりDICOM画像ファイルの各フレーム画像をトリミングして前記のDICOM画像ファイルに上書きする。
「DICOM画像ファイルから第1フレーム画像データを取得する」処理に戻して、全てのDICOM画像ファイルのトリミング処理を行う。
前記の指定されたフォルダに全てのトリミングしたDICOM画像を用いて、DICOMDIRファイルを作成する。
【0009】
前記の指定されたフォルダに存在しているDICOM画像を取得する時、各DICOM画像のTag情報の取得及び修正を行う。具体的には、以下の処理である。
前記の指定されたフォルダに全てのDICOM画像ファイルからDICOM Tag情報を取得する。
設定により匿名化が必要なDICOM Tagを修正する。
前記の修正したDICOM Tag情報をDICOM画像ファイルに上書きする。
【0010】
前記の文字検出エリア2値画像に対して、水平方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している文字行の上及び下位置座標を求める。具体的には、以下の処理である。
前記の2値画像の文字検出エリアの水平方向に投影し投影データを得て、投影データの中、文字の領域の平均輝度は画像の背景平均輝度より高い特性により文字行の上及び下の位置座標を求める。
【0011】
前記の文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している各文字の左及び右位置座標と文字数を求める。具体的には、以下の処理である。
前記の2値画像の文字検出エリアの垂直方向に投影し投影データを得て、投影データの中、文字の領域の平均輝度が画像の背景平均輝度より高い特性により、平均輝度の閾値、一つ文字の幅、高さ及び間隔の閾値を決め、前記の文字検出エリアにある各文字の左及び右位置座標と総文字数とを求める。
【0012】
前記の指定されたフォルダに全てのトリミングしたDICOM画像を用いて、DICOMDIRファイルを作成する、具体的には、以下の処理である。
前記の指定されたフォルダにある全部のトリミングしたDICOM画像ファイルのバイト数を加算して、DICOM画像の総バイト数を求める。
前記のDICOM画像の総バイト数を用いて、設定された一つDICOMDIRファイルのサイズ(バイト数)により作成ができるDICOMDIRファイル数を求める。
前記のトリミングしたDICOM画像ファイルを用いて前記の求めたDICOMDIRファイル数のDICOMDIRファイルを作成する。
【0013】
DICOMDIRファイルの作成システムは、以下のモジュールを含んでいる。
DICOM画像取得モジュール;指定されたフォルダには存在しているICOMDIRファイル作成用の全てのDICOM画像ファイルを取得する。
DICOM画像の第1フレーム取得モジュール;DICOM画像ファイルから第1フレームの画像データを取得する。
2値化処理モジュール;前記の第1フレームの画像データを2値化して、2値画像を取得する。
文字検出エリア設定モジュール;前記の第1フレームの2値画像には左上、右上、左下、および右下の4つの文字検出エリアを予め設定する。
文字行の上及び下の位置座標確定モジュール;前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、水平方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している文字行の上及び下位置座標を求める。
各文字の左及び右の座標確定モジュール;前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している各文字の左及び右位置座標と文字数を求める。
実際の文字検出エリア座標範囲確定モジュール;前記の文字検出エリアに存在している文字数及び文字の位置座標により実際の文字検出エリア座標範囲を求める。
トリミング範囲確定モジュール,前記の実際文字検出エリアの座標範囲により前記のDICOM画像ファイルの第1フレーム画像データのトリミング範囲を求める。
トリミングモジュール,前記のトリミング範囲によりDICOM画像ファイルの各フレーム画像をトリミングして前記のDICOM画像ファイルに上書きする。
Return処理モジュール;「DICOM画像ファイルから第1フレーム画像データを取得する」に戻して、全てのDICOM画像ファイルのトリミング処理を行う。
DICOMDIRファイル作成モジュール;前記の指定されたフォルダに全てのトリミングしたDICOM画像を用いて、DICOMDIRファイルを作成する。
【0014】
前記の指定されたフォルダに存在しているDICOM画像を取得するとき、各DICOM画像のTag情報の取得及び修正を行う。具体的には、以下の処理モジュールである。
DICOM Tag取得モジュール;前記の指定されたフォルダに全てのDICOM画像ファイルからDICOM Tag情報を取得する。
DICOM Tag修正モジュール;設定により匿名化が必要なDICOM Tagを修正する。
DICOM Tag上書きモジュール;前記の修正したDICOM Tag情報をDICOM画像ファイルに上書きする。
【0015】
文字行の上及び下の位置座標確定モジュールにおいて、具体的には前記の2値画像の文字検出エリアの水平方向に投影し投影データを得て、投影データの中、文字の領域の平均輝度は画像の背景平均輝度より高い特性により文字行の上及び下の位置座標を求める。
【0016】
各文字の左及び右の座標確定モジュールにおいて、具体的には前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している各文字の左及び右位置座標と文字数を求める。
【0017】
前記のDICOMDIRファイル作成モジュールは、具体的には、以下の子モジュールを含む。
全部のDICOM画像ファイル総バイト数確定子モジュール;前記の指定されたフォルダにある全部のトリミングしたDICOM画像ファイルのバイト数を加算して、DICOM画像の総バイト数を求める。
作成できるDICOMDIRファイル数確定子モジュール;前記のDICOM画像の総バイト数を用いて、設定された一つDICOMDIRファイルのサイズ(バイト数)により作成ができるDICOMDIRファイル数を求める。
DICOMDIRファイル作成子モジュール、前記のトリミングしたDICOM画像ファイルを用いて前記の求めたDICOMDIRファイル数のDICOMDIRファイルを作成する。
【0018】
従来の技術と比べ、本発明の有益効果は以下である。
【0019】
従来の技術比べ、本発明はDICOMDIRファイル作成方法及びシステムを提供することとして、DICOMDIRファイルを作成する時に、匿名化必要なDICOM Tagの修正の他に、DICOM画像上に焼きつけられている患者情報などと文字も同時に匿名化を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】DICOMDIRファイル作成方法のフローチャートである。
図2】DICOMDIRファイル作成方法の原理図である。
図3】画像トリミング四角範囲の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、DICOM画像の患者情報や検査情報の匿名化ができるDICOMDIRファイルの作成が目的とする。
【0022】
図1図2に示すように、本発明はDICOMDIRファイル作成方法を提供するものであり、DICOMDIRファイル作成方法には、以下の処理ステップ101~110が含まれている。DICOMDIRファイルを作成する際、患者氏名や患者IDや診断医などのDICOM Tag情報を匿名化する場合がある、その際、匿名化するDICOM Tag情報を予め設定ファイルに設定して保存する。
・ステップ101:指定されたフォルダにDICOMDIR作成用の全部DICOM画像を取得する。
・ステップ102:DICOM画像ファイルの第1フレーム画像データを取得する。
・ステップ103:前記の第1フレームの画像データを2値化して、2値画像を取得する。具体的には、医用画像における輝度の均一性がないと考慮して、Niblackローカル2値化のアルゴリズムを用いて前記の第1フレームの画像データを2値化する。
・ステップ104:前記の2値画像には左上、右上、左下、および右下の4つの文字検出エリアを予め設定する。具体的には、DICOM画像に焼きつけられている患者情報や検査情報が画像の左上、右上、左下、右下に存在するため、画像の四隅ROI区域は文字検出エリアとして設定する。
・ステップ105:前記の文字検出エリア2値画像に対して、水平方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している文字行の上及び下の位置座標を求める。具体的には、前記の2値画像の文字検出エリアの水平方向に投影し投影データを得る、投影データの中、文字の領域の平均輝度は画像の背景平均輝度より高い特性により文字行の上及び下の位置座標を求める。
・ステップ106:前記の文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している各文字の左及び右位置座標と文字数を求める。具体的には、前記の2値画像の文字検出エリアの垂直方向に投影し投影データを得る、投影データの中、文字の領域の平均輝度は画像の背景平均輝度により、平均輝度の閾値、一つ文字の幅、高さ及び間隔の閾値を決め、前記の文字検出エリアにある各文字の左及び右位置座標と文字数を求める。
ステップ105とステップ106では以下の処理も含まれている。
画像に存在している文字の面積サイズは一定の範囲であるため、文字検出エリアの2値画像から文字面積範囲以外の区域を削除した後、先ず前記の文字検出エリアの2値画像に対して水平方向に投影して文字行の上及び下の位置座標を求める処理;
その後、前記の文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向に投影して各可能な文字区域の左及び右の位置座標を求める処理。
・ステップ107:前記の文字検出エリアに存在している文字数及び文字の位置座標により文字の実際エリアの座標範囲を求める。
・ステップ108:各文字エリアから検出された文字位置座標により前期第1フレーム画像のトリミング範囲を求める。具体的にはステップ106、ステップ106、ステップ107で得た結果により各文字エリアの最大X及びY座標、最小及びY座標を求めて、前記の第1フレーム画像の四角座標から文字領域を抜いて残っている四角区域はトリミング範囲とする、画像のトリミング四角範囲は図3に示している。もしくは各文字エリアには全て文字が存在していない場合、画像のトリミング範囲は存在してないとする。
・ステップ109:前記のトリミング四角範囲によりDICOM画像の各フレームをトリミングしてから上書き保存する;ステップ102に戻して繰り返して指定されたフォルダに全部のDICOM画像のトリミングは終わらせる。具体的には、前記のDICOM画像上に焼きつけられている文字が存在していない場合、患者ID(0010,0020)、患者氏名(0010,0010)及び設定された他のTag(xxxx,xxxx)を修正してDICOM画像ファイルに上書きする。DICOM画像上に焼きつけられている文字が存在している場合、患者ID、患者氏名及び設定された他のTag(xxxx,xxxx)の修正のほかに、トリミング四角範囲の幅及び高さはDICOM画像の幅及び高さとして、DICOM画像の幅(0010,0020)と画像の高さも修正してDICOM画像ファイルに上書きする。
・ステップ110:前記の指定されたフォルダにある全部のトリミングしたDICOM画像を用いて、DICOMDIRファイルを作成する。ステップ110では、以下の処理を行う。まず前記の指定されたフォルダに全部のDICOM画像ファイルのバイト数を加算して総バイト数を求める;また設定された一つDICOMDIRのサイズ(バイト数)により前記のDICOM画像ファイルの総バイト数を用いて作成するDICOMDIRファイル数を求める;更にDICOMDIRファイル作成関数を用いて前記の求めたDICOMDIRファイル数のDICOMDIRファイルを作成する。
具体的には、設定ファイル中にCD用DICOMDIRファイルかDVD用のDICOMDIRFIRかの設定により前記のDICOM画像ファイル総バイト数を用いて、作成できるDICOMDIR ファイルの数(CDあるいはDVDの枚数)を求めて、DICOMDIRファイル作成関数によりDICOMDIRファイルの作成ができる。
設定ファイルには作成したDICOMDIR管理するDICOM画像ファイルの保存サブフォルダが存在しない場合、DIDOOMDIRファイルと同じフォルダにDICOMDIRに属しているDICOM画像ファイルが作成される;
設定ファイルには作成したDICOMDIR管理するDICOM画像ファイルの保存サブフォルダが存在する場合、DICOMDIRに属しているDICOM画像ファイルが前記の設定されたサブフォルダに作成される。
【0023】
本発明はDICOMDIRファイル作成システムを提供するものであり、DICOMDIRファイル作成システムには、具体的には以下のモジュールが含まれている。
・DICOM画像取得モジュール;指定されたフォルダに存在しているICOMDIRファイル作成用の全てのDICOM画像ファイルを取得する。
・DICOM画像の第1フレーム取得モジュール;DICOM画像ファイルから第1フレームの画像データを取得する。
・2値化処理モジュール;前記の第1フレームの画像データを2値化して、2値画像を取得する。
文字検出エリア設定モジュール;前記の第1フレームの2値画像には左上、右上、左下、および右下の4つの文字検出エリアを予め設定する。
・文字行の上及び下の位置座標確定モジュール;前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、水平方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している文字行の上及び下位置座標を求める。
・各文字の左及び右の座標確定モジュール;前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している各文字の左及び右位置座標と文字数を求める。
・文字実際の検出エリア座標範囲確定モジュール;前記の文字検出エリアに存在している文字数及び文字の位置座標により文字実際の検出エリア座標範囲を求める。
・トリミング範囲確定モジュール;前記の実際文字検出エリアの座標範囲により前記のDICOM画像ファイルの第1フレーム画像データのトリミング範囲を求める。
・トリミングモジュール;前記のトリミング範囲によりDICOM画像ファイルの各フレーム画像をトリミングして前記のDICOM画像ファイルに上書きする。
・Return処理モジュール;「DICOM画像ファイルから第1フレーム画像データを取得する」に戻して、全てのDICOM画像ファイルのトリミング処理を行う。
・DICOMDIRファイル作成モジュール;前記の指定されたフォルダに全てのトリミングしたDICOM画像を用いて、DICOMDIRファイルを作成する。具体的には、以下の子モジュールは含まれている。
・前記の指定されたフォルダに全部のDICOM画像ファイルのバイト数を加算して総バイト数を求める;また設定された一つDICOMDIRのサイズ(バイト数)により前記のDICOM画像ファイルの総バイト数を用いて作成するDICOMDIRファイル数を求める;更にDICOMDIRファイル作成関数を用いて前記の求めたDICOMDIRファイル数のDICOMDIRファイルを作成する。
【0024】
DICOMDIRファイル作成システムは、前記の指定されたフォルダに存在しているDICOM画像を取得するとき、各DICOM画像のTag情報の取得及び修正を行う処理モジュール、具体的には、以下の処理モジュールを備える。
DICOM Tag取得モジュール;前記の指定されたフォルダに全てのDICOM画像ファイルからDICOM Tag情報を取得する。
DICOM Tag修正モジュール;設定により匿名化が必要なDICOM Tagを修正する。
DICOM Tag上書きモジュール;前記の修正したDICOM Tag情報をDICOM画像ファイルに上書きする。
【0025】
文字行の上及び下の位置座標確定モジュールは、具体的には前記の2値画像の文字検出エリアの水平方向に投影し投影データを得て、投影データの中で、文字の領域の平均輝度が画像の背景平均輝度より高い特性により文字行の上及び下の位置座標を求める。
【0026】
各文字の左及び右の座標確定モジュールは、具体的には前記の各文字検出エリアの2値画像に対して、垂直方向での投影により前記の文字検出エリアに存在している各文字の左及び右位置座標と文字数とを求める。
【0027】
DICOMDIRファイル作成モジュールは、具体的には、以下の子モジュールを含む。
・全部のDICOM画像ファイル総バイト数確定子モジュール;前記の指定されたフォルダにある全部のトリミングしたDICOM画像ファイルのバイト数を加算して、DICOM画像の総バイト数を求める。
・作成できるDICOMDIRファイル数確定子モジュール;前記のDICOM画像の総バイト数を用いて、設定された一つDICOMDIRファイルのサイズ(バイト数)により作成ができるDICOMDIRファイル数を求める。
・DICOMDIRファイル作成子モジュール;前記のトリミングしたDICOM画像ファイルを用いて前記の求めたDICOMDIRファイル数のDICOMDIRファイルを作成する。
【0028】
本発明の技術を説明するために、本発明一つの具体な実施方式を提示する。
DICOMDIRファイルは、長さ可変な小さいdatabaseファイルである。主にgroup(0002 ,xxxx)とgroup(0004,xxxx)とから作成された4層のツリー構造になって、Patient、Study、Series及びImageから構成されている。DICOM CDやDICOM DVDに保存されているDICOM画像ファイルは、DICOMDIRファイルにより管理されて、DICOM CDやDICOM DVDに付いているDICOMVIEWERでDICOM画像を表示する。
【0029】
(1) 匿名化する必要がある患者情報や検査情報やDICOM画像保存フォルダや保存媒体などの情報を一つのCSV(Comma-Separated Values)ファイルに設定して、DICOMDIRファイル作成する際、このCSVファイルから設定内容を読み込んでDICOMDIRファイルの作成を行う。
この実施例では、前記CSVに対して患者氏名及び患者IDの匿名化を設定する。この中では患者氏名がTEST1、患者IDが00000000、DICOMDIRファイルの保存媒体がCD、DICOMファイル保存サブフォルダがDCMになっている。
【0030】
(2) あるDICOM画像ファイルのフォルダを指定して、このフォルダにはDSAのDICOM動画ファイルが8個、超音波DICOM動画ファイルが10個ある。DSA画像は16ビットのモノクロ画像で解像度が1024×768になり、超音波画像は24ビットのカラー画像で解像度が640×480になっている。このフォルダにあるDICOM画像は全て同じ患者のDICOM画像で、患者氏名はAnonymous、検査日は2012.11.07になっている。DSA画像上に焼きつけられている文字は存在しない、超音波画像上には焼きつけられている文字は存在していて、画像の右上角には患者氏名と性別が存在し、左上角には検査日と検査時間が存在している。
その後、前記のフォルダにあるDICOM画像を読み込んで、第1フレーム画像データを取得する。DSAの画像は16ビットのモノクロ画像で8ビットのモノクロ画像データに変更し、超音波画像は24ビットのカラー画像で8ビットのモノクロ画像データに変更する。また、DICOM画像ファイルから患者氏名などの全てのDICOM Tag情報も取得する。
【0031】
(3) 医療画像の曖昧さと輝度分布均一性が良くないことを考慮し、Niblackローカル2値化アルゴリズムを選択して、画像を2値化する。Niblackローカル2値化アルゴリズムは画像のピクセルが中心として、区域の平均輝度値及び偏差により2値化の閾値を決める。ピクセル(i,j)は中心とするk×kの窓エリアを設定するものであり、このうち、kは窓の幅である。前記の窓エリアの平均輝度m及び偏差sを求めて、2値化の閾値tは式t=m+c*sにより決める。この実例の画像で、kは5、cは-0.2とする。前記の2値化アルゴリズムにより前記の第1フレーム画像の2値画像を得る。
【0032】
(4) 前記の2値画像から文字の面積サイズ閾値により小さい物を削除して、文字らしいものが残っている2値画像を得る。画像の4隅の文字検出アリアは同じ四角形でサイズは128×160ピクセルである。各文字検出エリアの2値画像の水平方向で投影し投影データを求める。文字の水平方向投影値は背景より大きいとの特徴により文字行の上と下の位置座標を求められる。その後、各文字検出エリアの2値画像の垂直方向で投影し投影データを求める。文字の垂直方向投影値は背景より大きく、また文字の幅及び高さ、文字間の間隔により各文字の左及び右の座標位置を求められる。この画像では文字の幅及び高さは20x12ピクセル、文字間の間隔は5ピクセルである。
各文字検出アリアの文字数及び文字位置座標により超音波画像の右上角及び左上角には文字が存在している、DSA画像上には文字が存在していないことの判定ができる。
【0033】
(5) 上記(4)での検出結果により、DSA画像には文字が存在していない。また、超音波画像には右上角に患者氏名が存在し、左上角に検査日が存在し、右下角と左下角には文字が存在していない。右上角に実際の文字エリアの最大X座標が460で最大Y座標48であり、左上角に実際の文字エリアの最大X座標は170で最大Y座標は48である。画像のサイズは640×480であり、トリミング範囲の座標は左上角X座標が170、左上角Y座標が64、右上角X座標が460、左下角X座標が170、左下角Y座標が480、右下角X座標が460、右下角Y座標が480であり、トリミング範囲は290×416ピクセルになる。
【0034】
(6) 上記(5)での検出結果により、DSA画像上に文字が存在してないため、(2)で取得したDSA画像のDICOM Tag情報の患者氏名(0010,0010)は、TEST1に変更し、患者ID(0010,0020)は(0010,0020)に変更してからDICOM画像ファイルに保存する。超音波画像には文字が存在しているため、(2)で取得した超音波画像のDICOM Tag情報の患者氏名(0010,0010)は、TEST1に変更し、患者ID(0010,0020)は(0010,0020)に変更することのほかに、DICOM Tag情報の画像幅(0028,0011)はトリミング範囲の幅に変更し、画像幅(0028,0010)はトリミング範囲の高さに変更してからDICOM画像ファイルに保存する。
【0035】
(7) 前記の指定されたフォルダに全部のDICOM画像ファイルのバイト数の総和を計算して、18個のDICOM動画ファイルの総バイト数は976メガバイトである。設定ファイルで保存される媒体はCDなので、一枚CDのバイト数は640メガであるため、二つのDICOMDIRファイル(CD 2枚)の作成が必要である。また、設定ファイルではDICOMDIRファイル管理するDICOM画像ファイルの保存サブフォルダはDCMであるため、DICOMDIRファイルを作成する際、DICOM画像ファイルの保存サブフォルダはDCMにして作成する。
【0036】
従来の技術と比べて、本発明の有益な効果は以下である。すなわち、従来の技術比べ、本発明はDICOMDIRファイル作成方法及びシステムを提供することとして、DICOMDIRファイルを作成する時に、匿名化必要なDICOM Tagの修正の他に、DICOM画像上に焼きつけられている患者情報などと文字も同時に匿名化を実現する。
図1
図2
図3
【国際調査報告】