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特表2023-527097液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム及びフォークリフト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-27
(54)【発明の名称】液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム及びフォークリフト
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/06 20060101AFI20230620BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20230620BHJP
   F16H 57/04 20100101ALI20230620BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20230620BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20230620BHJP
【FI】
F16H1/06
B60L9/18 J
F16H57/04 G
B60K11/04 A
B60K1/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505218
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 CN2021087658
(87)【国際公開番号】W WO2022041784
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】202010879071.9
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522031814
【氏名又は名称】アンホイ ウェイダ パワー サプライ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANHUI WEIDE POWER SUPPLY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】A3-316, Phase I, Innovation Industrial Park No.800, West Wangjiang Road, Hi-tech Zone Hefei, Anhui 230088 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100120019
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 敏安
(72)【発明者】
【氏名】シァン ショウナン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジェン
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
3J009
3J063
5H125
【Fターム(参考)】
3D038AB10
3D038AC23
3D235AA18
3D235BB45
3D235CC12
3D235DD13
3D235GB02
3D235HH02
3J009DA15
3J009DA17
3J009EA04
3J009EA05
3J009EA11
3J009EA43
3J009FA06
3J063AA17
3J063AB02
3J063AC01
3J063BA15
3J063BB41
3J063CA01
3J063CB01
3J063CD41
3J063XH02
3J063XH13
3J063XH23
5H125AA13
5H125FF22
(57)【要約】
本発明は、液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム及びフォークリフトを開示し、一体型伝動ギアボックスと、一体型モータコントローラと、駆動モータと、オイルポンプモータと、オイルポンプと、車両全体コントローラとを含む。一体型伝動ギアボックスは、駆動モータ伝動機構とオイルポンプモータ伝動機構とを含む。一体型モータコントローラは、駆動モータ制御ユニットとオイルポンプモータ制御ユニットとを含む。前記一体型伝動ギアボックス、一体型モータコントローラ、駆動モータ、オイルポンプモータ、オイルポンプ及び車両全体コントローラが完全に一体化して組み付けられて、前記液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムが形成されている。本発明の液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムは一体化度が高く、外被サイズがコンパクトで、モータとモータコントローラとの間の外部三相動力ワイヤーハーネス及び低圧サンプリング制御ワイヤーハーネスの接続をなくし、電気システムの安全性を大幅に向上させ、電気エネルギーの伝達消耗及び生産コストを削減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムであって、一体型伝動ギアボックス(1)と、駆動モータ(9)と、オイルポンプモータ(6)と、一体型モータコントローラ(13)と、オイルポンプ(11)と、車両全体コントローラ(2)とを含んでおり、
前記一体型伝動ギアボックス(1)は、駆動モータ伝動機構(1000)とオイルポンプモータ伝動機構(1100)とを含んでおり、前記一体型伝動ギアボックス(1)の内部に配置された前記駆動モータ伝動機構(1000)は、複数組の平行に配置された歯車軸を含んでおり、各組の歯車軸における、対となる歯車が互いに噛合しており、第1の入力歯車軸(1003)に第1のスプライン(1001)が設けられており、出力歯車軸(1009)に差動装置(1008)が配置されており、前記駆動モータ伝動機構(1000)の各歯車軸はいずれも軸受を介して前記一体型伝動ギアボックス(1)の筐体(1110)に配置されており、前記一体型伝動ギアボックス(1)の内部に配置された前記オイルポンプモータ伝動機構(1100)は、複数組の平行に配置された歯車軸を含んでおり、各組の歯車軸における、対となる歯車が互いに噛合しており、第2の入力歯車軸(1103)と第2の出力歯車軸(1104)に第2のスプライン(1101)と第3のスプライン(1105)がそれぞれ設けられており、前記オイルポンプモータ伝動機構(1100)の各歯車軸はいずれも軸受を介して前記一体型伝動ギアボックス(1)の筐体(1110)に配置されており、
前記駆動モータ(9)は前記駆動モータの後部カバーにある取付ボルトを介して前記一体型伝動ギアボックス(1)の側面に固定されており、前記駆動モータ(9)の出力軸がスプラインを介して前記駆動モータ伝動機構(1000)における前記第1の入力歯車軸(1003)の前記第1のスプライン(1001)に連結されており、
前記オイルポンプモータ(6)は前記オイルポンプモータの後部カバーにある取付ボルトを介して前記一体型伝動ギアボックス(1)の側面に固定されており、前記オイルポンプモータ(6)の出力軸がスプラインを介して前記オイルポンプモータ伝動機構(1100)における第2の入力歯車軸(1103)の前記第2のスプライン(1101)に連結されており、
前記一体型モータコントローラ(13)は、前記駆動モータ(9)、前記オイルポンプモータ(6)及び前記一体型伝動ギアボックス(1)の上部に固定して取り付けられており、
前記オイルポンプ(11)は前記一体型伝動ギアボックス(1)の側面に固定して取り付けられており、前記オイルポンプ(11)の入力軸は、スプラインを介して前記オイルポンプモータ伝動機構(1100)における前記第2の出力歯車軸(1104)の前記第3のスプライン(1105)に連結されており、
前記一体型モータコントローラ(13)の上部カバーに固定して取り付けられている前記車両全体コントローラ(2)は、ワイヤーハーネスによって前記一体型モータコントローラ(13)に電気的に接続されており、
前記一体型伝動ギアボックス(1)には、取付フランジ(101)、第1のボルト孔(102)及び第2のボルト孔(103)が設けられていることを特徴とする液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム。
【請求項2】
一体型モータコントローラ(13)は、駆動モータコントローラとオイルポンプモータコントローラとを含んでおり、前記駆動モータコントローラの三相結線部と前記駆動モータ(9)の後部カバーにある三相結線部とが、一体型モータコントローラ(13)の筐体の内部において銅ブスバーによって直接接続されており、前記駆動モータコントローラの低圧信号結線部と前記駆動モータ(9)の後部カバーにある低圧信号結線部とが、一体型モータコントローラ(13)の筐体の内部においてプラグインコネクタによって直接接続されており、前記オイルポンプモータコントローラの三相結線部と前記オイルポンプモータ(6)の後部カバーにある三相結線部とが、一体型モータコントローラ(13)の筐体
の内部において銅ブスバーによって直接接続されており、前記オイルポンプモータコントローラの低圧信号結線部と前記オイルポンプモータ(6)の後部カバーにある低圧信号結線部とが、一体型モータコントローラ(13)の筐体の内部においてプラグインコネクタによって直接接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム。
【請求項3】
前記取付フランジ(101)とフォークリフト駆動アクスルハウジング(110)にある駆動車軸(111)及び取付面(112)とが、固定して連結されており、前記第1のボルト孔(102)及び第2のボルト孔(103)がフォークリフトの車体(113)にある支持部材に固定して連結されていることを特徴とする請求項1に記載の液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム。
【請求項4】
前記駆動モータ(9)の筐体の内部に第1の放熱水路が設けられており、駆動モータ(9)の後部カバーに第1の放熱水路の第1の入水口(80)及び第1の出水口(8)が設けられており、前記オイルポンプモータ(6)の筐体の内部に第2の放熱水路が設けられており、オイルポンプモータ(6)の後部カバーに第2の放熱水路の第2の出水口(60)が設けられており、オイルポンプモータ(6)の前部カバーに第2の放熱水路の第2の入水口(61)が設けられており、前記一体型モータコントローラ(13)の底部に第3の放熱水路が設けられており、一体型モータコントローラ(13)の一側に第3の放熱水路の第3の入水口(12)及び第3の出水口(120)が設けられており、前記一体型モータコントローラ(13)の一側の第3の出水口(120)と前記オイルポンプモータ(6)の前部カバーにある第2の入水口(61)とが第1の放熱管路(5)によって接続されており、前記オイルポンプモータ(6)の後部カバーにある第2の出水口(60)と前記駆動モータ(9)の後部カバーにある第1の入水口(80)とが第2の放熱管路(7)によって接続されており、前記一体型モータコントローラ(13)の一側の第3の入水口(12)と外部冷却システムの出水口とが第3の放熱管路によって接続されており、前記駆動モータ(9)の後部カバーにある第1の出水口(8)と外部冷却システムの入水口とが第4の放熱管路によって接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム。
【請求項5】
前記駆動モータ伝動機構(1000)は、平行に配置された、第1の入力歯車軸(1003)と第2の軸(1005)と第3の軸(1006)と第1の出力軸とを含んでおり、前記第1の入力歯車軸(1003)、第2の軸(1005)、第3の軸(1006)及び第1の出力軸はいずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックス(1)の筐体(1110)に固定して取り付けられており、第1の入力歯車軸(1003)に入力軸歯車(1002)が固定して連結されており、第2の軸(1005)に1段減速被動歯車(1004)及び2段減速主動歯車(1011)が固定して連結されており、第3の軸(1006)に2段減速被動歯車(1007)及び3段減速主動歯車(1010)が固定して連結されており、第1の出力軸に3段減速被動歯車が固定して連結されており、前記入力軸歯車(1002)と1段減速被動歯車(1004)とは動力が伝わるように噛合しており、2段減速主動歯車(1011)と2段減速被動歯車(1007)とは動力が伝わるように噛合しており、3段減速主動歯車(1010)と3段減速被動歯車とは動力が伝わるように噛合しており、前記第1の入力歯車軸(1003)に第1のスプライン(1001)が設けられており、第1の出力軸に差動装置(1008)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム。
【請求項6】
前記オイルポンプモータ伝動機構(1100)は、平行に配置された、第2の入力歯車軸(1103)と第2の出力歯車軸(1104)とを含んでおり、前記第2の入力歯車軸(1103)及び第2の出力歯車軸(1104)は、いずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックス(1)の筐体(1110)に固定して取り付けられており、前記第2の入力歯
車軸(1103)に入力軸歯車(1102)が固定して連結されており、第2の出力歯車軸(1104)に出力軸歯車(1106)が固定して連結されており、前記入力軸歯車(1102)と前記出力軸歯車(1106)とは動力が伝わるように噛合しており、前記第2の入力歯車軸(1103)と第2の出力歯車軸(1104)に第2のスプライン(1101)と第3のスプライン(1105)がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム。
【請求項7】
液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムのフォークリフトであって、請求項1-6のいずれか1項に記載の液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムを含んでいることを特徴とするフォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工業車両技術分野に関し、具体的には液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム及びフォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
中国の工業車両市場の成長する余地は大きく、特に電動フォークリフト市場は巨大なポテンシャルを持っている。経済の持続的発展に伴い、電動フォークリフトの駆動及び液圧動力システムに対する要求がさらに高くなっている。
【0003】
従来の電動フォークリフト駆動及び液圧動力システムの技術手段は単一で、駆動モータと前車軸減速機とを用いて走行動力ユニットをなし、オイルポンプモータとオイルポンプとを用いて液圧動力ユニットをなし、駆動モータコントローラ及びオイルポンプモータコントローラが分けて配置されたようなモータコントローラユニットをなすことがほとんどである。その動力システム全体は、広範囲に分散して配置する方法を採用し、走行動力ユニットが車体の前車軸に配置され、液圧動力ユニットが車体の中部又は後部に配置され、モータコントローラユニットが車体の中部又は後部に配置される。当該システムの走行動力ユニット及び液圧動力ユニットは、いずれもモータコントローラユニットとの距離が遠く、接続ケーブルが長く、車両全体の組み立てに不利である。長いケーブルにより、コストが増加し、電気エネルギーの使用効率に影響を及ぼし、最終的に、車両全体のエネルギー消費が大幅に増加することになる。駆動及び液圧動力システムが広範囲に分散して配置される状態では、その放熱方法も比較的複雑で効率が低い。ユニットごとに、単独に冷却又は放熱を行う必要がある。しかも、その多くは自然熱伝導放熱又は強制空冷放熱であるため、構造が複雑で、放熱効果が薄く、コストが大幅に増加する。
【0004】
以上から、システムのコストを下げ、システムの効率を向上させるように、電動フォークリフトの駆動及び液圧動力システムは、構造が高度に一体化され、集中的な配置及び効果的な放熱を実現できる一体化動力システムが求められていることが明らかである。
【発明の概要】
【0005】
上記の技術的問題を克服するために、本発明は液冷式電動フォークリフトの一体化動力システム及びフォークリフトを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の目的は、以下の技術的解決手段によって実現される。
【0007】
液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムは、一体型伝動ギアボックスと、駆動モータと、オイルポンプモータと、一体型モータコントローラと、オイルポンプと、車両全体コントローラとを含む。
【0008】
前記一体型伝動ギアボックスは、駆動モータ伝動機構とオイルポンプモータ伝動機構とを含む。一体型伝動ギアボックスの内部に配置された前記駆動モータ伝動機構は、複数組の平行に配置された歯車軸系を含む。各組の歯車軸系における、対となる歯車が互いに噛合し、第1の第一段入力歯車軸に第1のスプラインが設けられており、第1の最終段出力歯車軸に差動装置が配置されている。前記駆動モータ伝動機構の各歯車軸系はいずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックスの筐体に配置されている。一体型伝動ギアボックスの内部に配置された前記オイルポンプモータ伝動機構は、複数組の平行に配置されている歯車軸系を含み、各組の歯車軸系における、対となる歯車が互いに噛合し、第2の第一段入力歯車軸と第2の最終段出力歯車軸に第2のスプラインと第3のスプラインがそれぞれ設
けられている。前記オイルポンプモータ伝動機構の各歯車軸系はいずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックスの筐体に配置されている。
【0009】
前記駆動モータは駆動モータの後部カバーにある取付ボルトを介して一体型伝動ギアボックスの側面に固定され、前記駆動モータの出力軸がスプラインを介して前記駆動モータ伝動機構における第一段入力歯車軸の第1のスプラインに連結されている。
【0010】
前記オイルポンプモータはオイルポンプモータの後部カバーにある取付ボルトを介して一体型伝動ギアボックスの側面に固定され、前記オイルポンプモータの出力軸がスプラインを介して前記オイルポンプモータ伝動機構における第一段入力歯車軸の第2のスプラインに連結されている。
【0011】
前記一体型モータコントローラは駆動モータ、オイルポンプモータ及び一体型伝動ギアボックスの上部に固定して取り付けられている。
【0012】
前記オイルポンプは一体型伝動ギアボックスの側面に固定して取り付けられ、前記オイルポンプの入力軸は、スプラインを介して前記オイルポンプモータ伝動機構における最終段出力歯車軸の第3のスプラインに連結されている。
【0013】
一体型モータコントローラの上部カバーに固定して取り付けられる前記車両全体コントローラは、ワイヤーハーネスによって一体型モータコントローラに電気的に接続されている。
【0014】
前記一体型伝動ギアボックスに、取付フランジ、第1のボルト孔及び第2のボルト孔が設けられている。
【0015】
さらに、本発明の技術的解決手段として、一体型モータコントローラは、駆動モータコントローラとオイルポンプモータコントローラとを含む。前記駆動モータコントローラの三相結線部と前記駆動モータの後部カバーにある三相結線部とが、一体型モータコントローラの筐体の内部において銅ブスバーによって直接接続されている。前記駆動モータコントローラの低圧信号結線部と前記駆動モータの後部カバーにある低圧信号結線部とが、一体型モータコントローラの筐体の内部においてプラグインコネクタによって直接接続されている。前記オイルポンプモータコントローラの三相結線部と前記オイルポンプモータの後部カバーにある三相結線部とが、一体型モータコントローラの筐体の内部において銅ブスバーによって直接接続されている。前記オイルポンプモータコントローラの低圧信号結線部と前記オイルポンプモータの後部カバーにある低圧信号結線部とが、一体型モータコントローラの筐体の内部においてプラグインコネクタによって直接接続されている。
【0016】
さらに、本発明の技術的解決手段として、前記取付フランジとフォークリフト駆動アクスルハウジングにある駆動車軸及び取付面とが、固定して連結されている。前記第1のボルト孔及び第2のボルト孔はフォークリフトの車体にある支持部材に固定して連結されている。
【0017】
さらに、本発明の技術的解決手段として、前記駆動モータの筐体の内部に第1の放熱水路が設けられ、駆動モータの後部カバーに第1の放熱水路の第1の入水口及び第1の出水口が設けられている。前記オイルポンプモータの筐体の内部に第2の放熱水路が設けられ、モータの後部カバーに第2の放熱水路の第2の出水口が設けられ、モータの前部カバーに第2の放熱水路の第2の入水口が設けられている。前記一体型モータコントローラの底部に第3の放熱水路が設けられ、一体型モータコントローラの一側に第3の放熱水路の第3の入水口及び第3の出水口が設けられている。前記一体型モータコントローラの一側の
第3の出水口と前記オイルポンプモータの前部カバーにある第2の入水口とが第1の放熱管路によって接続され、前記オイルポンプモータの後部カバーにある第2の出水口と前記駆動モータの後部カバーにある第1の入水口とが第2の放熱管路によって接続されている。前記一体型モータコントローラの一側の第3の入水口と外部冷却システムの出水口とが第3の放熱管路によって接続されている。前記駆動モータの後部カバーにある第1の出水口と外部冷却システムの入水口とが第4の放熱管路によって接続されている。
【0018】
さらに、本発明の技術的解決手段として、前記駆動モータ伝動機構は、平行に配置された、第1の入力歯車軸と第2の軸と第3の軸と第1の出力軸とを含む。前記第1の入力歯車軸、第2の軸、第3の軸及び第1の出力軸は、いずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックスの筐体に固定して取り付けられている。前記第1の入力歯車軸に入力軸歯車が固定して連結され、第2の軸に1段減速被動歯車及び2段減速主動歯車が固定して連結され、第3の軸に2段減速被動歯車及び3段減速主動歯車が固定して連結され、第1の出力軸に3段減速被動歯車が固定して連結される。前記入力軸歯車と1段減速被動歯車とは動力が伝わるように噛合し、2段減速主動歯車と2段減速被動歯車とは動力が伝わるように噛合し、3段減速主動歯車と3段減速被動歯車とは動力が伝わるように噛合している。前記第1の入力歯車軸に第1のスプラインが設けられており、第1の出力軸に差動装置が配置されている。
【0019】
さらに、本発明の技術的解決手段として、前記オイルポンプモータ伝動機構は、平行に配置された、第2の入力歯車軸と第2の出力歯車軸とを含む。前記第2の入力歯車軸及び第2の出力歯車軸は、いずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックスの筐体に固定して取り付けられている。前記第2の入力歯車軸に入力軸歯車が固定して連結され、第2の出力歯車軸に出力軸歯車が固定して連結される。前記入力軸歯車と出力軸歯車とは動力が伝わるように噛合する。前記入力歯車軸と第2の出力歯車軸に第2のスプラインと第3のスプラインがそれぞれ設けられている。
【0020】
さらに、本発明の技術的解決手段として、前記一体型モータコントローラに直流高圧正負極コネクタと低圧制御信号の信号コネクタとが配置されている。前記一体型モータコントローラの上部カバーに検査修理取り外し蓋板が配置され、検査修理取り外し蓋板の下に蓋開けスイッチが配置されている。
【0021】
本発明の有益な効果
(1)本発明は、電動フォークリフトの動力システムを高度に一体化し、配置をコンパクトにし、構造上において全体を1つのまとまったものとして完全に一体化する。分散して配置する必要がなくなり、構造が簡単で、車両全体の組み立てが便利になり、動力システムの一体化度及び信頼性を大幅に向上させる。
(2)本発明によって、電動フォークリフトの駆動及び液圧一体化動力システムからモータとモータコントローラとの間の外部接続ケーブルが完全に省かれる。ケーブルの長さを大幅に短くしたことにより、組立て及び取付けの工程が少なくなると同時に、長過ぎるケーブルによって発生する抵抗を減らし、動力システムの運行効率が向上する。これと同時に、外部接続ケーブルを省くことによって、車両全体の絶縁安全及び電気安全の性能を上げ、電動フォークリフトの安全に作業できる時間を延長できる。
(3)本発明は、一体型直列接続水路が設けられた液冷放熱形式を採用し、モータ及びモータコントローラを強制的に液冷放熱させ、電動フォークリフトの駆動及び液圧一体動力システムの温度上昇を大幅に低下させた。これにより、一体化動力システムの信頼性を向上させ、使用寿命を延長し、さらに厳しい電動フォークリフトの使用要求を満たせる。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、従来のフォークリフトの動力システムの配置空間と放熱効果を最適化できる電動フォークリフトを開示することである。上記の目的を実現するため
に、本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。前記電動フォークリフトは、以上で説明された液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムを含む。
【0023】
従来の技術と比べた、前記電動フォークリフトのメリットは上記の電動フォークリフトの一体化動力システムと同じであるため、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、図面と併せて本発明についてさらに説明する。
図1図1は本発明における液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムの取り付けとフォークリフトのシャシーの取り付けの構造概略図である。
図2図2は本発明における液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムの全体概略図である。
図3図3は本発明における液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムの全体概略図である。
図4図4は本発明における液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムの全体底面図である。
図5図5は本発明における液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムの全体側面図である。
図6図6は本発明における一体型伝動ギアボックスの構造概略図である。
図7図7は本発明における駆動モータ伝動機構の構造概略図である。
図8図8は本発明におけるオイルポンプモータ伝動機構の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の図面と併せて、本発明の実施形態における技術的解決手段について、明確且つ全面的に説明する。記載される実施形態が本発明の実施形態の一部にすぎず、すべての実施形態ではないことは明らかである。 本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をしていない前提で得た他の実施形態はすべて本発明の保護範囲に属する。
【0026】
図1-8に示すように、液冷式電動フォークリフトの一体化動力システムは、一体型伝動ギアボックス1と、駆動モータ9と、オイルポンプモータ6と、一体型モータコントローラ13と、オイルポンプ11と、車両全体コントローラ2とを含んでいる。
【0027】
一体型伝動ギアボックス1は、駆動モータ伝動機構1000とオイルポンプモータ伝動機構1100とを含んでいる。一体型伝動ギアボックス1の内部に配置されている駆動モータ伝動機構1000は、平行軸式減速機構造であり、複数組の平行に配置されている歯車軸系を含んでいる。各組の歯車軸系における対となる歯車が互いに噛合しており、第1の第一段入力歯車軸1003に第1のスプライン1001が設けられており、第1の最終段出力歯車軸1009に差動装置1008が配置されている。駆動モータ伝動機構1000の各歯車軸系はいずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックス1の筐体1110に配置されている。一体型伝動ギアボックス1の内部に配置されているオイルポンプモータ伝動機構1100は平行軸式減速機構造であり、複数組の平行に配置されている歯車軸系を含み、各組の歯車軸系における対となる歯車が互いに噛合しており、第2の第一段入力歯車軸1103と第2の最終段出力歯車軸1104に第2のスプライン1101と第3のスプライン1105がそれぞれ設けられている。オイルポンプモータ伝動機構1100の各歯車軸系は、いずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックス1の筐体1110に配置されている。
【0028】
駆動モータ9は駆動モータの後部カバーにある取付ボルトを介して一体型伝動ギアボックス1の側面に固定されており、駆動モータ9の出力軸がスプラインを介し駆動モータ伝
動機構1000における第1の第一段入力歯車軸1003の第1のスプライン1001に連結されている。
【0029】
オイルポンプモータ6は、オイルポンプモータの後部カバーにある取付ボルトを介して一体型伝動ギアボックス1の側面に固定されている。また、オイルポンプモータ6は、駆動モータの側面に配置されている。オイルポンプモータ6の出力軸がスプラインを介してオイルポンプモータ伝動機構1100における第2の第一段入力歯車軸1103の第2のスプライン1101に連結されている。
【0030】
一体型モータコントローラ13は、駆動モータ9、オイルポンプモータ6及び一体型伝動ギアボックス1の上部に固定して取り付けられている。
【0031】
オイルポンプ11は、一体型伝動ギアボックス1の側面に固定して取り付けられており、オイルポンプ11の入力軸は、スプラインを介してオイルポンプモータ伝動機構1100における最終段出力歯車軸1104の第3のスプライン1105に連結されている。
【0032】
一体型モータコントローラ13の上部カバーに固定して取り付けられている車両全体コントローラ2は、ワイヤーハーネスによって一体型モータコントローラ13に電気的に接続されている。
【0033】
一体型伝動ギアボックス1に取付フランジ101、第1のボルト孔102及び第2のボルト孔103が設けられている。
【0034】
一体型モータコントローラ13は、駆動モータコントローラとオイルポンプモータコントローラとを含んでいる。駆動モータコントローラの三相結線部と駆動モータ9の後部カバーにある三相結線部とが、一体型モータコントローラ13の筐体の内部において銅ブスバーによって直接接続されている。駆動モータコントローラの低圧信号結線部と駆動モータ9の後部カバーにある低圧信号結線部とが、一体型モータコントローラ13の筐体の内部においてプラグインコネクタによって直接接続されている。オイルポンプモータコントローラの三相結線部とオイルポンプモータ6の後部カバーにある三相結線部とが、一体型モータコントローラ13の筐体の内部において銅ブスバーによって直接接続されている。オイルポンプモータコントローラの低圧信号結線部とオイルポンプモータ6の後部カバーにある低圧信号結線部とが、一体型モータコントローラ13の筐体の内部においてプラグインコネクタによって直接接続されている。
【0035】
取付フランジ101とフォークリフト駆動アクスルハウジング110にある駆動車軸111及び取付面112とが、固定して連結されており、さらに、第1のボルト孔102及び第2のボルト孔103はフォークリフトの車体113にある支持部材に固定して連結されている。或いは、フォークリフトの実際の取付け状態によって上記2つのうちのいずれかを選んでもよい。これにより、前記一体型動力システムの取付けの適応性が向上する。
【0036】
上記の各部品に対し全体の構造設計を行い、一体化して組み付けて、外被サイズがコンパクトな一体化動力システムが最終的に形成され、上記の組み付け方法によってフォークリフトに配置されている。
【0037】
駆動モータ9の筐体の内部に第1の放熱水路が設けられており、駆動モータ9の後部カバーに第1の放熱水路の第1の入水口80及び第1の出水口8が設けられている。オイルポンプモータ6の筐体の内部に第2の放熱水路が設けられており、モータ6の後部カバーに第2の放熱水路の第2の出水口60が設けられており、モータ6の前部カバーに第2の放熱水路の第2の入水口61が設けられている。一体型モータコントローラ13の底部に
第3の放熱水路が設けられており、一体型モータコントローラ13の一側に第3の放熱水路の第3の入水口12及び第3の出水口120が設けられている。一体型モータコントローラ13の一側の第3の出水口120とオイルポンプモータ6の前部カバーにある第2の入水口61とが第1の放熱管路5によって接続され、オイルポンプモータ6の後部カバーにある第2の出水口60と駆動モータ9の後部カバーにある第1の入水口80とが第2の放熱管路7によって接続されている。一体型モータコントローラ13の一側の第3の入水口12と外部冷却システムの出水口とが第3の放熱管路によって接続されている。駆動モータ9の後部カバーにある第1の出水口8と外部冷却システムの入水口とが第4の放熱管路によって接続されている。これにより、モータ及びモータコントローラが放熱水路に直列接続されたサイクルが形成されている。
【0038】
駆動モータ伝動機構1000は、平行に配置された、第1の入力歯車軸1003と第2の軸1005と第3の軸1006と第1の出力軸とを含んでいる。第1の入力歯車軸1003、第2の軸1005、第3の軸1006及び第1の出力軸はいずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックス1の筐体1110に固定して取り付けられている。第1の入力歯車軸1003に入力軸歯車1002が固定して連結されており、第2の軸1005に1段減速被動歯車1004及び2段減速主動歯車1011が固定して連結されており、第3の軸1006に2段減速被動歯車1007及び3段減速主動歯車1010が固定して連結されており、第1の出力軸に3段減速被動歯車が固定して連結されている。入力軸歯車1002と1段減速被動歯車1004とは動力が伝わるように噛合しており、2段減速主動歯車1011と2段減速被動歯車1007とは動力が伝わるように噛合しており、3段減速主動歯車1010と3段減速被動歯車とは動力が伝わるように噛合している。第1の入力歯車軸1003に第1のスプライン1001が設けられており、第1の出力軸に差動装置1008が配置されている。
【0039】
オイルポンプモータ伝動機構1100は、平行に配置された、第2の入力歯車軸1103と第2の出力歯車軸1104とを含んでいる。第2の入力歯車軸1103及び第2の出力歯車軸1104は、いずれも軸受を介して一体型伝動ギアボックス1の筐体1110に固定して取り付けられている。第2の入力歯車軸1103に入力軸歯車1102が固定して連結されており、第2の出力歯車軸1104に出力軸歯車1106が固定して連結されている。入力軸歯車1102と出力軸歯車1106とは動力が伝わるように噛合している。第2の入力歯車軸1103と第2の出力歯車軸1104に第2のスプライン1101と第3のスプライン1105がそれぞれ設けられている。駆動モータ伝動機構1000の入力軸の第1のスプライン1001とオイルポンプモータ伝動機構1100の入力軸の第2のスプライン1101は、一体型伝動ギアボックス1の動力入力接続口とされている。駆動モータ伝動機構1000の出力軸にある差動装置1008は一体型伝動ギアボックス1の駆動動力出力接続口とされている。オイルポンプモータ伝動機構1100の出力軸の第3のスプライン1105は一体型伝動ギアボックス1の液圧動力出力接続口とされている。
【0040】
一体型モータコントローラ13には、独立した外部接続用の直流高圧に接続する正負極コネクタ3と独立した外部接続用の低圧制御信号に接続する信号コネクタ4とが配置されている。一体型モータコントローラ13の上部カバーに検査修理取り外し蓋板10が配置されており、検査修理取り外し蓋板10の下に蓋開けスイッチが配置されている。検査修理取り外し蓋板10を開けると、三相ワイヤーハーネス接続ボルトと低圧制御ワイヤーハーネスコネクタを簡単に取り外すだけで、一体型モータコントローラ13を駆動モータ9及びオイルポンプモータ6と分離することができるので、取り外ししやすい。それと同時に、検査修理取り外し蓋板10の下に配置されている蓋開けスイッチは、帯電操作時にシステム高圧を遮断でき、操作時の電気的安全を保証する。
【0041】
本発明の作動原理本発明は、電動フォークリフトの動力システムを高度に一体化し、配置をコンパクトにし、構造上から全体を1つのまとまったものとして完全に一体化する。分散して配置する必要がなくなり、構造が簡単で、車両全体の組み立てが便利になり、動力システムの一体化度及び信頼性を大幅に向上させる。それと同時に、本発明では、電動フォークリフトの駆動及び液圧一体化動力システムからモータとモータコントローラとの間の外部接続ケーブルが完全に省かれる。ケーブルの長さを大幅に短くしたことにより、組立て及び取付けの工程が少なくなると同時に、長過ぎるケーブルによって発生する抵抗を減らし、動力システムの運行効率が向上する。これと同時に、外部接続ケーブルを省くことによって、車両全体の絶縁安全及び電気安全の性能を上げ、電動フォークリフトの安全に作業できる時間を延長できる。また、本発明は、一体型直列接続水路が設けられた液冷放熱形式を採用し、モータ及びモータコントローラを強制的に液冷放熱させ、電動フォークリフトの駆動及び液圧一体化動力システムの温度上昇を大幅に低下させる。これにより、一体化動力システムの信頼性を向上させ、使用寿命を延長し、さらに厳しい電動フォークリフトの使用要求を満たせる。
【0042】
本明細書の記載において、「1つの実施例」、「例」及び「具体的な例」など、参考のため記載された用語は、当該実施例又は例と併せて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特色が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれていることを意味する。本明細書において、上記用語による概略的な記載は同じ実施例又は例を指しているとは限らない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特色が1つ又は複数の実施例若しくは例において、適切は方法によって組み合わせて良い。
【0043】
以上の内容は、本発明について例を挙げ、説明するためのものである。記載された具体的な実施例を当業者が様々な変更又は補充技術又は類似する方法で代替しても、発明から逸脱しない、又は本特許請求の範囲を超えないものは、すべて本発明の保護範囲に属するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】