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特表2023-527179軸力センサアセンブリ、ロボットグリッパー及びロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-27
(54)【発明の名称】軸力センサアセンブリ、ロボットグリッパー及びロボット
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/00 20060101AFI20230620BHJP
   G01L 1/22 20060101ALN20230620BHJP
【FI】
G01L1/00 F
G01L1/22 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571244
(86)(22)【出願日】2020-06-28
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2020098467
(87)【国際公開番号】W WO2022000117
(87)【国際公開日】2022-01-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522453131
【氏名又は名称】シャンハイ・フレクシブ・ロボティクス・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522453142
【氏名又は名称】フレクシブ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ハオ・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジンジャオ・チャン
(72)【発明者】
【氏名】シクアン・ワン
【テーマコード(参考)】
2F049
【Fターム(参考)】
2F049BA13
(57)【要約】
本発明は、軸力を検出するための軸力センサアセンブリ(10)を提供する。前記軸力センサアセンブリ(10)は、取り付けブラケット(20)と前記取り付けブラケット(20)に組み立てられた第1のセンサ(30)とを含む。前記取り付けブラケット(20)は、内側取り付け部(22)と、外側取り付け部(21)と、前記内側取り付け部(22)と前記外側取り付け部(21)との間に接続された多層接続部材(23)と、を含む。前記多層接続構造(23)は、検出される軸力方向において他の荷重方向よりも柔順である。前記第1のセンサ(30)は、前記検出される軸力方向における前記内側取り付け部(22)と前記外側取り付け部(21)との間の相対変位を検出するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸力を検出するための軸力センサアセンブリであって、
内側取り付け部、外側取り付け部、および前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間に接続された多層接続部材を含む取り付けブラケットであって、前記多層接続構造は、検出される軸力方向において他の荷重方向よりも柔順であるものと、
前記取り付けブラケット上に組み立てられ、前記検出される軸力方向における前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間の相対変位を検出するように構成される第1のセンサと、を含む
ことを特徴とする軸力センサアセンブリ。
【請求項2】
前記多層接続部材は、前記検出される軸力方向において異なる位置に配置された第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項3】
前記検出される軸力方向において前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとの間の距離は、前記内側取り付け部の直径の6倍以上である
ことを特徴とする請求項2に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとは同一であり、互いに平行である
ことを特徴とする請求項2に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のダイヤフラムは、前記内側取り付け部の周りに円周方向に配置された複数の第1の接続部材を含み、
前記第2のダイヤフラムは、前記内側取り付け部の周りに円周方向に配置された複数の第2の接続部材を含み、
前記第1の接続部材および前記第2の接続部材はそれぞれ、前記内側取り付け部および前記外側取り付け部を接続する
ことを特徴とする請求項2に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の接続部材の少なくとも一部は、前記検出される軸力方向において前記第2の接続部材の少なくとも一部と整列される
ことを特徴とする請求項5に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の接続部材および前記第2の接続部材のそれぞれの長さは、前記第1の接続部材および前記第2の接続部材のそれぞれの厚さよりかなり大きい
ことを特徴とする請求項5に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の接続部材および前記第2の接続部材のそれぞれは、軸力センサの径方向に延びる実質的に直線状のビーム構造を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項9】
第2のセンサをさらに含み、前記第1のセンサと前記第2のセンサとは、前記軸力センサアセンブリが軸力を受けるときに信号変化の反対の傾向を有するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項10】
前記第1のセンサは、前記外側取り付け部よりも前記内側取り付け部の中心の近くに配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の軸力センサアセンブリ。
【請求項11】
ロボットグリッパーであって、
グリップ装置と、
前記グリップ装置がそれに加える軸力を検出するように構成される軸力センサアセンブリと、を含み、
前記軸力センサアセンブリは、
内側取り付け部、外側取り付け部、および前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間に接続された多層接続部材を含む取り付けブラケットであって、前記多層接続構造は、検出される軸力方向において他の荷重方向よりも柔順であるものと、
前記取り付けブラケット上に組み立てられ、前記検出される軸力方向における前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間の相対変位を検出するように構成される第1のセンサと、を含む
ことを特徴とするロボットグリッパー。
【請求項12】
前記多層接続部材は、前記検出される軸力方向において異なる位置に配置された第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムを含む
ことを特徴とする請求項11に記載のロボットグリッパー。
【請求項13】
前記検出される軸力方向において前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとの間の距離は、前記内側取り付け部の直径の6倍以上である
ことを特徴とする請求項12に記載のロボットグリッパー。
【請求項14】
前記第1のダイヤフラムは、前記内側取り付け部の周りに円周方向に配置された複数の第1の接続部材を含み、
前記第2のダイヤフラムは、前記内側取り付け部の周りに円周方向に配置された複数の第2の接続部材を含み、
前記第1の接続部材および前記第2の接続部材はそれぞれ、前記内側取り付け部および前記外側取り付け部を接続する
ことを特徴とする請求項12に記載のロボットグリッパー。
【請求項15】
前記第1の接続部材および前記第2の接続部材のそれぞれの長さは、前記第1の接続部材および前記第2の接続部材のそれぞれの厚さよりかなり大きい
ことを特徴とする請求項14に記載のロボットグリッパー。
【請求項16】
ロボットグリッパーを含むロボットであって、前記ロボットグリッパーは、グリップ装置と、グリップ装置がそれに加える軸力を検出するように構成される軸力センサアセンブリと、を含み、
前記軸力センサアセンブリは、
内側取り付け部、外側取り付け部、および前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間に接続された多層接続部材を含む取り付けブラケットであって、前記多層接続構造は、検出される軸力方向において他の荷重方向よりも柔順であるものと、
前記取り付けブラケット上に組み立てられ、前記検出される軸力方向における前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間の相対変位を検出するように構成される第1のセンサと、を含む
ことを特徴とするロボット。
【請求項17】
前記多層接続部材は、前記検出される軸力方向において異なる位置に配置された第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムを含む
ことを特徴とする請求項16に記載のロボット。
【請求項18】
前記検出される軸力方向において前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとの間の距離は、前記内側取り付け部の直径の6倍以上である
ことを特徴とする請求項17に記載のロボット。
【請求項19】
前記第1のダイヤフラムは、前記内側取り付け部の周りに円周方向に配置された複数の第1の接続部材を含み、
前記第2のダイヤフラムは、前記内側取り付け部の周りに円周方向に配置された複数の第2の接続部材を含み、
前記第1の接続部材および前記第2の接続部材はそれぞれ、前記内側取り付け部および前記外側取り付け部を接続する
ことを特徴とする請求項17に記載のロボット。
【請求項20】
前記第1の接続部材および前記第2の接続部材のそれぞれの長さは、前記第1の接続部材および前記第2の接続部材のそれぞれの厚さよりかなり大きい
ことを特徴とする請求項19に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感知構造に関し、より具体的には、軸力センサアセンブリ、該軸力センサアセンブリを備えるロボットグリッパー、及び該ロボットグリッパーを備えるロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の力センサは、主にひずみゲージを使用して、荷重下で変形した構造の局所的なひずみを検出する。これらのセンサは、抵抗器の抵抗変化に基づいて構造の変形を検出するために、変形可能な構造に取り付けられた接触型抵抗ひずみトランスデューサーを使用する。ただし、変形可能な構造は、本質的に温度変化、接着材料、全方向の複雑な歪み、応力集中、衝撃荷重などに敏感である。非接触型の力センサは、容量性、誘導性、または光学トランスデューサーを使用して、荷重下での構造変形による全体的な変位を検出し、したがって、抵抗感知、局所応力、接着の問題に関連するひずみゲージセンサのいくつかの欠点を排除する。ただし、ほとんどの非接触型の力センサは、軸外荷重によって引き起こされる検出ノイズの影響を受けやすい可能性があり、これは、特定の荷重(例えば、軸力)でのみ変形する一方で、他の荷重(例えば、曲げモーメント)に対しては非常に耐性のある構造を作成するのは難しいためである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様によれば、軸力を検出するための軸力センサアセンブリを提供する。前記軸力センサアセンブリは、取り付けブラケットと第1のセンサとを含む。前記取り付けブラケットは、内側取り付け部と、外側取り付け部と、前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間に接続された多層接続部材と、を含む。前記多層接続構造は、検出される軸力方向において他の荷重方向よりも柔順である。前記第1のセンサは、前記取り付けブラケット上に組み立てられ、前記検出される軸力方向における前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間の相対変位を検出するように構成される。
【0004】
本発明の別の態様によれば、グリップ装置と、グリップ装置がそれに加える軸力を検出するように構成される軸力センサアセンブリと、を含むロボットグリッパーを提供する。前記軸力センサアセンブリは、取り付けブラケットと第1のセンサとを含む。前記取り付けブラケットは、内側取り付け部と、外側取り付け部と、前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間に接続された多層接続部材と、を含む。前記多層接続構造は、検出される軸力方向において他の荷重方向よりも柔順である。前記第1のセンサは、前記取り付けブラケット上に組み立てられ、前記検出される軸力方向における前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間の相対変位を検出するように構成される。
【0005】
本発明のさらに別の態様によれば、ロボットグリッパーを有するロボットを提供する。前記ロボットグリッパーは、グリップ装置と、グリップ装置がそれに加える軸力を検出するように構成された軸力センサアセンブリと、を含む。前記軸力センサアセンブリは、取り付けブラケットと第1のセンサとを含む。前記取り付けブラケットは、内側取り付け部と、外側取り付け部と、前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間に接続された多層接続部材と、を含む。前記多層接続構造は、検出される軸力方向において他の荷重方向よりも柔順である。前記第1のセンサは、前記取り付けブラケット上に組み立てられ、前記検出される軸力方向における前記内側取り付け部と前記外側取り付け部との間の相対変位を検出するように構成される。
【0006】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになる。
【0007】
本発明のこれらおよび他の特徴は、本発明のさまざまな実施形態を示す添付の図面を参照しながら解釈される本発明のさまざまな態様の以下の詳細な説明からより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態にかかる軸力センサアセンブリの斜視図である。
図2図2は、図1の軸力センサアセンブリの分解図である。
図3図3は、本発明の一実施形態にかかる取り付けブラケットの斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態にかかる取り付けブラケットの側面図である。
図5図5は、図3の線A-Aに沿った取り付けブラケットの断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態にかかる軸力を受ける軸力センサアセンブリの概略図である。
図7図7は、本発明の一実施形態にかかる曲げモーメントを受ける軸力センサアセンブリの概略図である。
図8図8は、本発明の別の実施形態にかかる曲げモーメントを受ける軸力センサアセンブリの概略図である。
図9図9は、本発明の一実施形態にかかるせん断力を受ける軸力センサアセンブリの概略図である。
図10図10は、本発明の一実施形態にかかるねじりモーメントを受ける軸力センサアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の図面は一定の縮尺ではないことに留意されたい。前記図面は、本発明の典型的な態様のみを示すことを意図しており、したがって、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0010】
本発明の態様および利点は、以下の説明で部分的に説明されるか、または説明から明らかであるか、または本発明の実施から学習することができる。
【0011】
図1から図5を参照すると、本発明の一態様は、取り付けブラケット20と、取り付けブラケット20上に組み立てられた第1のセンサ30と、を含む軸力センサアセンブリ10を提供する。取り付けブラケット20は、主に、金属、プラスチック、またはゴムなどの1つまたは複数の線形材料で構成されており、外側取り付け部21、内側取り付け部22、および内側取り付け部22と外側取り付け部21との間に接続された多層接続部材23を含む。第1のセンサ30は、検出される軸力方向である軸力センサアセンブリ10の軸方向における内側取り付け部22と外側取り付け部21との間の相対変位を検出するように構成される。多層接続部材23は、軸力方向において他の荷重方向よりも柔順である。具体的には、多層接続部材23は、軸力に敏感であるため、軸力センサアセンブリ10が他の方向の力またはモーメントより軸力を受けるときに、内側取り付け部22と外側取り付け部21との間の相対変位を生じやすくする。
【0012】
本発明の軸力センサアセンブリ10の実施形態によれば、多層接続部材23が使用され、内側取り付け部22と外側取り付け部21との間を接続するように配置されることで、軸力センサアセンブリ10が軸力を受けると、内側取り付け部22と外側取り付け部21との間に相対変位が生じ、相対変位が第1のセンサ30によって効果的に検出することができ、軸力の検出を実現することができる。さらに、多層接続部材23は、軸外力またはモーメントなどの非軸力による内側取り付け部22と外側取り付け部21との間の相対変位を少なくともある程度まで抑制することができる。
【0013】
特に図3を参照すると、物体の構造をより明確に説明するために、軸力センサアセンブリ10には3次元座標系が定義される。これは、軸力方向、すなわちZ方向、および2つの半径方向、すなわちX方向およびY方向を含む。3つの方向は互いに垂直である。
【0014】
一実施形態において、多層接続部材23は、例えば、第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25とを含む2層構造であってもよい。第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25とは、検出される軸力方向である図3に示す軸力センサアセンブリ10のZ方向において異なる位置に配置される。多層接続部材23は、内側取り付け部22と外側取り付け部21との一体構造であってもよいし、内側取り付け部22および外側取り付け部21に組み立てられる個別の要素であってもよい。他の実施形態において、多層接続部材23は、より多くの層を有してもよく、例えば、3層または4層構造を有してもよいことを理解されたい。
【0015】
第1のダイヤフラム24は、複数の第1の接続部材240をさらに含むことができ、第2のダイヤフラム25は、複数の第2の接続部材250をさらに含むことができる。第1の接続部材240および第2の接続部材250は、それぞれが内側取り付け部22の周りに円周方向に配置され、第1の接続部材240および第2の接続部材250のそれぞれは、内側取り付け部22と外側取り付け部21とを接続するように構成される。図3に示す実施形態では、第1のダイヤフラム24および第2のダイヤフラム25はそれぞれ、径方向に延びる4つの接続部材を含む。
【0016】
一実施形態では、第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25とは同一であり、互いに平行である。第1の接続部材240の少なくとも一部と第2の接続部材250の少なくとも一部とは、対応して軸力方向に整列される。いくつかの実施形態では、図3に示されるように、すべての第1の接続部材240と第2の接続部材250とは、対応して軸力方向に整列される。
【0017】
一実施形態では、第1の接続部材240および第2の接続部材250はそれぞれ、平坦な構造を有する。各第1の接続部材240および各第2の接続部材250の長さは、それらの厚さよりはるかに大きい。長さは径方向に沿っており、厚さは軸力方向に沿っている。第1の接続部材240および第2の接続部材250はそれぞれ、径方向に延びる実質的に直線状のビーム構造を有する。この実施形態では、第1の接続部材240および第2の接続部材250は、軸力に敏感で、径方向力に対する耐性があるように設計されている。
【0018】
図6は、本発明の一実施形態にかかる軸力を受けるときの軸力センサアセンブリの概略図である。2層構造は、内側取り付け部22が軸力Fzを受ける時、曲げ効果の容易さにより低い剛性を達成するため、第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25とが変形し、内側取り付け部22と外側取り付け部21との間に相対変位が生じる。この相対変位は、第1のセンサ30によって検出することができる。具体的には、第1のダイヤフラム24の第1の接続部材240および第2のダイヤフラム25の第2の接続部材250はそれぞれ、軸力方向に変形しやすい薄くて細長い構造を有する。軸力センサアセンブリ10が軸力を受けると、第1の接続部材240および第2の接続部材250は同じ変形を受け、内側取り付け部22は外側取り付け部21に対して軸力方向に沿って移動する。
【0019】
図7および図8は、Y方向の周りの曲げモーメントMを受けるときに、第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25との間に異なる距離H1、H2を有する軸力センサアセンブリの概略図である。図から分かるように、軸力センサアセンブリ10が曲げモーメントMを受けると、張力および圧縮が第1のダイヤフラム24および第2のダイヤフラム25で生じるので、第1のダイヤフラム24および第2のダイヤフラム25は、形状および長さが非常にわずかに変化する。図7および図8に示すように、内側取り付け部22の左側の第1の接続部材240および内側取り付け部22の右側の第2の接続部材250が圧縮変形し、一方、内側取り付け部22の右側の第1の接続部材240および内側取り付け部22の左側の第2の接続部材250は引張変形を受ける。しかしながら、第1のダイヤフラム24および第2のダイヤフラム25の構造は、張力および圧縮下で剛性があるため、径方向にはかなり変形しにくいか、または変形量が比較的小さい。したがって、内側取り付け部22と外側取り付け部21との全体的な相対変位は小さく、本発明の多層接続部材23は、径方向の曲げモーメントMによる外乱を効果的に抑制できることを示している。一方、単層構造のダイヤフラムにこのような曲げモーメントがかかると、ダイヤフラムが曲げ腕として作用し、曲げ変形が発生するため、曲げモーメントによる外乱を効果的に抑制することができない。
【0020】
いくつかの実施形態では、軸力方向において第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25との間の距離は、内側取り付け部22の直径Dより大きく、例えば、内側取り付け部22の直径Dの6倍以上であってもよい。当業者は、軸力方向において第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25との間の距離が、内側取り付け部22の直径Dより大きい他の倍数であってもよいことを理解することができる。図7および図8に示すように、軸力方向において第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25との間の距離が大きいほど、モーメント荷重により耐えることができる。第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25との間の距離が大きいほど、内側取り付け部22の軸力方向の変位は小さくなる。すなわち、多層接続部材23は、モーメントを曲げ動作ではなく、第1のダイヤフラム24および第2のダイヤフラム25の張力および圧縮動作に変換する。軸力方向において第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25との間の距離が内側取り付け部22の直径Dの10倍である極端な例では、外部曲げモーメントは、ほぼ完全に、第1のダイヤフラム24と第2のダイヤフラム25との張力および圧縮に変換される。したがって、軸力センサアセンブリ10は、この場合の曲げモーメントの外乱を徹底的に抑制することができる。
【0021】
さらに、第1のダイヤフラム24および第2のダイヤフラム25は、径方向に延びる構造により、張力および圧縮下で剛性がある。図9に示すように、軸力センサアセンブリ10が径方向のせん断力Fxを受けるとき、多層接続部材23の構造はせん断力の影響をほとんど受けず、軸力センサアセンブリ10は径方向のせん断力の抑制に非常に効果的である。図3に示される実施形態では、第1のダイヤフラム24および第2のダイヤフラム25はそれぞれ、4つの接続部材を有する。他の実施形態では、接続部材の数量は異なっていてもよく、例えば、より多くの接続部材を有する実施は、径方向のせん断力を抑制するより良い能力を有する。
【0022】
図10は、軸力方向であるZ方向の周りのねじりモーメントMzを受けるときに、上または下の角度から見た本発明の一実施形態にかかる軸力センサアセンブリの概略図である。多層接続部材23は、径方向に沿って、すなわちX-Y平面内で剛性があるため、ねじりモーメントMzを抑制することができる。第1の接続部材240および第2の接続部材250の長さに対する幅の比率を大きくすることにより、ねじりモーメントMzの抑制をさらに大きくすることができる。また、第1の接続部材240及び第2の接続部材250の厚さ、長さ、及び幅を調節することにより、軸力及び曲げモーメントの動作に影響を与えることなく、ねじりモーメントMzに対する耐性を向上させることができる。
【0023】
第1のセンサ30は、多層接続部材23の内側取り付け部22と外側取り付け部21との軸力方向の相対変位を検出する。図2および図4に示される実施形態では、第1のセンサ30は、信号送信機300および信号受信機301を含む。信号送信機300及び/又は信号受信機301は、例えば、誘導性、容量性、抵抗性、光学的であってもよく、または他の信号方式を使用してもよい。一実施形態では、信号送信機300は磁石であってよく、信号受信機301は対応してホール効果センサであってもよい。多層接続部材23の内側取り付け部22と外側取り付け部21とが軸力方向に相対変位すると、第1のセンサ30が磁界強度の変化を感知し、それに応じて相対変位を算出することができる。一実施形態では、第2のセンサ31が設けられている。第2のセンサ31は、第1のセンサ30と同じ形態であってもよいが、相対変位が発生する場合、第1のセンサ30に対して反対の傾向の信号変化を有するように構成されている。信号変化の反対の傾向を有する2つのセンサの構成に基づいて、軸力センサアセンブリ10にかかる軸力は、差分法によって第1のセンサおよび第2のセンサの信号からより正確に計算することができる。差分法は、他の軸外荷重や温度の影響を抑制するのにさらに役立つ。差分法の詳細については、本出願人の先の特許出願(米国特許出願公開第2020/0001472A号)を参照することができる。該米国特許出願は、その開示内容が援引により本願に取り込まれている。
【0024】
一実施形態では、信号送信機300および信号受信機301は、それぞれが内側取り付け部22および外側取り付け部21に対して相対的に静止している。具体的には、信号送信機300および信号受信機301は、それぞれが内側取り付け部22および外側取り付け部21と一緒に移動して、内側取り付け部22と外側取り付け部21との間の相対変位の検出を実現することができる。例えば、図4に示すように、信号送信機300は、内側取り付け部22と相対的に静止した状態を維持するように、内側取り付け部22の底部に挿入されたプラグ26に取り付けられる。信号受信機301は、同様の目的を達成するために、外側取り付け部21に固定されたプレート27に取り付けられる。他の実施形態では、信号送信機300および信号受信機301は、内側取り付け部22および外側取り付け部21にそれぞれ直接取り付けられてもよい。他の実施形態では、信号送信機300は外側取り付け部21に固定して接続されてもよく、信号受信機301は内側取り付け部22に固定的に接続されてもよいことを理解されたい。
【0025】
一実施形態では、信号送信機300および信号受信機301は、それぞれ内側取り付け部22および外側取り付け部21に対して相対的に静止している。具体的には、信号送信機300および信号受信機301は、それぞれ、内側取り付け部22および外側取り付け部21と一緒に移動して、内側取り付け部22と外側取り付け部21との間の相対変位の検出を実現することができる。例えば、図4に示すように、信号送信機300は、内側取り付け部22と相対的静止した状態を維持するように、内側取り付け部22の底部に挿入されたプラグ26に取り付けられ、信号受信機301は、同様の目的を達成するために、外側取り付け部21に固定されたプレート27に取り付けられる。他の実施形態では、信号送信機300および信号受信機301は、内側取り付け部22および外側取り付け部21にそれぞれ直接取り付けられてもよい。他の実施形態では、信号送信機300は外側取り付け部21に固定して接続され、信号受信機301は内側取り付け部22に固定して接続することができることを理解されたい。
【0026】
一実施形態では、図4に示すように、第1のセンサ30は、外側取り付け部21よりも内側取り付け部22に近い位置に配置されている。例えば、第1のセンサ30は、内側取り付け部22の境界を越えずに、内側取り付け部22の下に配置される。第1のセンサ30が軸力センサアセンブリ10の中心に近いほど、軸外荷重を抑制する効果が高くなる。
【0027】
図1図2を参照すると、一実施形態では、軸力センサアセンブリ10は、上部カバー40および下部カバー50をさらに含む。上部カバーは、取り付けブラケットを収容するための空間を含み、かつ例えば、ねじ接続、溶接、または他の方法によって、内側取り付け部22に固定的に接続される。下部カバー50は、例えば、ねじ接続、溶接、または他の方法によって外側取り付け部21に固定的に接続される。内側取り付け部22および外側取り付け部21にそれぞれ固定された上部カバー40および下部カバー50が設けられていることにより、内側取り付け部22または外側取り付け部21以外の上部カバー40または下部カバー50にかかる軸力を検出することができる。
【0028】
以上の実施形態の説明によれば、本発明は、軸力によって生じる相対変位を効果的に検出し、同時にせん断力、曲げモーメント、ねじりモーメントなどの非軸荷重を抑制することができる検出構造として多層接続部材23を使用することが理解できる。同時に、多層接続部材23の構造およびメカニズムの説明によれば、当業者は、上記の実施形態における多層接続部材23の2層構造に加えて、より多くの層のダイヤフラム、例えば、3層または4層構造を使用できることを理解することができる。これは、非軸荷重を抑制する同様の効果またはそれ以上の効果も達成できる。
【0029】
本発明の別の態様は、上記の実施形態のいずれかで説明したように、グリップ装置および軸力センサアセンブリを含むロボットグリッパーを提供する。軸力センサアセンブリは、グリップ装置がそれに加える軸力を検出するように構成される。
【0030】
本発明のさらに別の態様は、上記ロボットグリッパーを含むロボットを提供する。
【0031】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「1」、「一」、および「1つ」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「含み」及び/又は「含む」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。「任意選択」または「選択可能」は、その後に記述されたイベントまたは状況が発生する場合と発生しない場合があり、その説明にはイベントが発生する場合と発生しない場合が含まれることを意味する。
【0032】
本明細書および特許請求の範囲全体で使用される近似用語は、関連する基本特徴に変化をもたらすことなく許容範囲内で変化し得る任意の量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」、「およそ」および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの例では、近似用語は、値を測定するための機器の精度に対応する場合がある。本明細書および特許請求の範囲全体を通して、範囲の制限は組み合わせ及び/又は交換することができ、そのような範囲は識別され、文脈または文言が別段の指示をしない限り、そこに含まれるすべての下位範囲を含む。
【0033】
以下の特許請求の範囲の対応する構造、材料、行為、およびすべての手段またはステップおよび機能要素の等価物は、具体的に請求されているように、他の請求された要素と組み合わせて機能を実行するための構造、材料、または行為を含むことを意図している。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されたが、網羅的であること、または開示された形態の発明に限定されることを意図していない。当業者には、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変形が明らかである。前記実施形態は、本発明の原理および実際の使用を最もよく説明し、当業者が、意図される特定の用途に適した様々な変更を伴う様々な実施形態の発明を理解できるようにするために選択され、説明される。
図1
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図10
【国際調査報告】