(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-27
(54)【発明の名称】パルス波LIDAR用のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/486 20200101AFI20230620BHJP
G01S 17/10 20200101ALI20230620BHJP
G01S 17/08 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
G01S7/486
G01S17/10
G01S17/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573254
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 US2021034285
(87)【国際公開番号】W WO2022005651
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520390450
【氏名又は名称】オーロラ・オペレイションズ・インコーポレイティッド
【氏名又は名称原語表記】AURORA OPERATIONS, INC.
【住所又は居所原語表記】280 North Bernardo Avenue,Mountain View, CA 94043, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】バーバー・ゼブ
(72)【発明者】
【氏名】レイベル・ランディー
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー・デブリン
(72)【発明者】
【氏名】カドレック・エミル
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA05
5J084AC02
5J084AD02
5J084BA03
5J084BA12
5J084BA20
5J084BA51
5J084CA03
5J084CA08
5J084CA09
5J084CA11
5J084CA42
(57)【要約】
一部の実施形態において、光検出および距離測定(LIDAR)システムは、第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、複数の利得レベルを有する増幅器と、1つ以上のプロセッサと、を含む。増幅器は、光信号を受信し、複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて光信号を増幅するように構成される。1つ以上のプロセッサは、増幅器が第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するように、複数の利得構成のうち、2つ以上の利得構成にわたって増幅器の利得構成を調整するように構成される。第2信号電力は、少なくとも光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ第1信号電力よりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、
複数の利得構成を有する増幅器-前記増幅器は、前記光信号を受信し、前記複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて前記光信号を増幅するように構成される-と、
前記増幅器が第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するように、前記複数の利得構成のうち、2つ以上の利得構成にわたって前記増幅器の前記利得構成を調整するように構成される1つ以上のプロセッサ-前記第2信号電力は、少なくとも前記光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ前記第1信号電力よりも大きい-と、を含む、LIDARシステム。
【請求項2】
前記増幅器は、1つ以上の光学要素を介して前記パルスエンベロープ信号を送信する請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記増幅器が前記パルスエンベロープ信号を送信することに応答して反射される信号を受信するように構成される受信機をさらに含み、
前記1つ以上のプロセッサは、前記反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するようにさらに構成される請求項2に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記パルスエンベロープ信号は、1マイクロ秒以上1ミリ秒以下のパルス繰り返し周期を有する請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
電気-光学変調器をさらに含み、
前記電気-光学変調器は、
前記レーザーソースから前記光信号を受信し、
前記増幅器が前記光信号を受信する前に前記光信号を変調するように構成される請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記変調器は、電気-光学変調器、電気-吸収(Electro-Absorption)変調器、またはマッハツェンダ(Mach-Zehnder)変調器である請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記レーザーソースは、前記増幅器が前記光信号を受信する前に前記光信号を変調する請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記増幅器は、前記SOAを含み、前記SOAは、インデックス変調(Index Modulation)を用いて前記光信号を変調する請求項8に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
前記光信号に関連する第1光信号と前記光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定してパルスエンベロープ信号を生成するように構成されるパルスエンベロープ発生器をさらに含む請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項11】
前記パルスエンベロープ発生器は、前記光信号の振幅を変調する請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項12】
前記パルスエンベロープ発生器は、電気-吸収変調器(EAM)である請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項13】
前記パルスエンベロープ発生器は、前記光信号を前記第1光信号と前記第2光信号に分割するように構成される請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項14】
ステアリングシステムまたはブレーキングシステムのうち、少なくとも1つと、
1つ以上のプロセッサを含む車両コントローラと、を含み、前記1つ以上のプロセッサは、
レーザーソースから第1信号電力の光信号を提供し、
増幅器をして当該増幅器の複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて前記光信号を増幅するようにし、
第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するように、前記複数の利得構成のうち、2つ以上の利得構成にわたって前記利得構成を調整し-前記第2信号電力は、少なくとも前記光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ前記第1信号電力よりも大きい-、
1つ以上の光学要素を介してパルスエンベロープ信号を送信し、
前記パルスエンベロープ信号の送信に応答して反射される信号を受信し、
前記反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定し、
前記オブジェクトまでの距離を用いて前記ステアリングシステムまたは前記ブレーキングシステムのうち、少なくとも1つを制御するように構成される自律走行車両。
【請求項15】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のLIDARシステムを含む自律走行車両制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、全体の開示内容が本明細書に参照として含まれる2020年6月30日付に出願された米国特許出願番号第16/917、279号についての優先権およびその利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
光学検出および距離測定のためのニーモニック(Mnemonic)であるLIDAR(ライダー)として呼ばれ、時には、レーザーRADAR(Radio-wave Detection and Ranging)とも呼ばれるレーザーを用いる光学距離検出は、高度測定からイメージング、衝突回避に至るまで様々なアプリケーションのために使用される。LIDARは、RADARのような従来のマイクロ波距離測定システム(Microwave Ranging System)よりも小さいビームの大きさでより微細なスケール範囲(Scale Range)の解像度を提供する。距離の光学検出は、オブジェクトについての光パルスの往復移動時間(Round Trip Travel Time)に基づく直接距離測定と送信されたチャープ(Chirped)光信号と、オブジェクトから散乱してリターンされた信号との間の周波数差に基づいているチャープ検出と、自然信号から区別可能な一連の単一周波数位相変化のシーケンスに基づく位相エンコードされた検出(Phase-Encoded Detection)を含む様々な他の技術を用いて行われ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示内容の様々な態様は、概略的に光学分野における光検出および距離測定(LIDAR)に関するものであって、より具体的には、パルス波LIDARが車両の動作を支援するためのシステムおよび方法に関する。
【0004】
本明細書に開示される一実施形態は、LIDARシステムに関する。LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースを含む。一部の実施形態において、LIDARシステムは、複数の利得構成を有する増幅器(例えば、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA))を含み、ここで増幅器は、光信号を受信し、複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて光信号を増幅するように構成される。一部の実施形態において、LIDARシステムは、増幅器がパルスエンベロープ信号に対応する増幅された信号を生成するために複数の利得構成のうち、2つ以上の利得構成にわたって増幅器の利得構成を調整するように構成される1つ以上のプロセッサを含む。
【0005】
他の態様において、本開示内容は、LIDARシステムに関する。LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースを含む。一部の実施形態において、LIDARシステムは、第1端子、第2端子、およびスイッチモードを有する光スイッチを含む。一部の実施形態において、光スイッチは、第1端子で光信号を受信し、光スイッチが第1モードで構成されることに応答して第1端子から第2端子への光信号の送信を許可し、光スイッチが第2モードで構成されることに応答して第2端子への光信号の送信を遮断するように構成される。一部の実施形態において、LIDARシステムは、光スイッチがパルスエンベロープ信号を生成するように、光スイッチモードを第1モードと第2モードとの間で変更するように構成される1つ以上のプロセッサを含む。
【0006】
他の態様において、本開示内容は、LIDARシステムに関する。LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースを含む。一部の実施形態において、LIDARシステムは、光信号に関連する第1光信号と光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定するか、または電場を用いて光信号を変調することによって、パルスエンベロープ信号を生成するように構成されるパルスエンベロープ発生器を含む。一部の実施形態において、LIDARシステムは、パルスエンベロープ信号を増幅し、増幅されたパルスエンベロープ信号を1つ以上の光学要素を介して送信するように構成される増幅器を含む。
【0007】
他の態様において、本開示内容は、車両の運転を支援するためのパルス波LIDARのための方法に関する。一部の実施形態において、方法は、変調された光信号を生成するように光信号を変調するステップを含む。一部の実施形態において、方法は、パルス化されたエンベロープ信号を生成するために変調された光信号から複数のパルスを選択するステップを含む。一部の実施形態において、方法は、1つ以上の光学要素を介してパルス化されたエンベロープ信号を送信するステップを含む。一部の実施形態において、方法は、パルス化されたエンベロープ信号を送信することに応答して反射された信号を受信するステップを含む。一部の実施形態において、方法は、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するステップを含む。
【0008】
他の態様において、本開示内容は、光検出および距離測定(LIDAR)システムに関する。LIDARシステムは、第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソース、増幅器、および1つ以上のプロセッサを含む。増幅器は、複数の利得構成を有する。増幅器は、光信号を受信し、複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて光信号を増幅するように構成される。1つ以上のプロセッサは、増幅器が第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するために、複数の利得構成のうち、2つ以上の利得構成にわたって増幅器の利得構成を調整するように構成される。第2信号電力は、少なくとも光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ第1信号電力よりも大きい。
【0009】
一部の実施形態において、増幅器は、1つ以上の光学要素を介してパルスエンベロープ信号を送信する。システムは、増幅器がパルスエンベロープ信号を送信することに応答して反射された信号を受信するように構成される受信機を含む。1つ以上のプロセッサは、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するようにさらに構成される。
【0010】
一部の実施形態において、パルスエンベロープ信号は、1マイクロ秒以上1ミリ秒以下のパルス繰り返し周期を有する。一部の実施形態において、レーザーソースは、増幅器が光信号を受信する前に光信号を変調する。
【0011】
一部の実施形態において、システムは、レーザーソースから光信号を受信し、増幅器が光信号を受信する前に光信号を変調するように構成される電気-光学変調器をさらに含む。変調器は、電気-光学変調器、電気-吸収変調器、またはマッハツェンダ変調器である。
【0012】
一部の実施形態において、増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む。増幅器は、SOAを含み、SOAは、インデックス変調(Index Modulation)を用いて光信号を変調する。
【0013】
他の態様において、本開示内容は、光検出および距離測定(LIDAR)システムに関する。LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソース、第1端子、第2端子、およびスイッチモードを有する光スイッチ、および1つ以上のプロセッサを含む。光スイッチは、第1端子で光信号を受信し、光スイッチが第1モードで構成されることに応答して第1端子から第2端子への光信号の送信を許可し、光スイッチが第2モードで構成されることに応答して第2端子への光信号の送信を遮断するように構成される。1つ以上のプロセッサは、光スイッチがパルスエンベロープ信号を生成するように、光スイッチモードを第1モードと第2モードとの間で変更するように構成される。一部の実施形態において、レーザーソースは、光スイッチが第1端子で光信号を受信する前に光信号を変調する。
【0014】
一部の実施形態において、LIDARシステムは、複数の利得構成を有するエルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)をさらに含む。EDFAは、光スイッチから光信号を受信し、複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて光信号を増幅し、1つ以上の光学要素を介してパルスエンベロープ信号を送信するように構成される。LIDARシステムは、EDFAがパルスエンベロープ信号を送信することに応答して反射される信号を受信するように構成される受信機をさらに含む。1つ以上のプロセッサは、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するようにさらに構成される。
【0015】
他の態様において、本開示内容は、光検出および距離測定(LIDAR)システムに関する。LIDARシステムは、レーザーソース、パルスエンベロープ発生器および増幅器を含む。レーザーソースは、第1信号電力の光信号を提供するように構成される。パルスエンベロープ発生器は、光信号に関連する第1光信号と光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定することによって、第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するように構成される。第2信号電力は、少なくとも光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ第1信号電力よりも大きい。増幅器は、パルスエンベロープ信号を増幅し、増幅されたパルスエンベロープ信号を1つ以上の光学要素を介して送信するように構成される。
【0016】
一部の実施形態において、パルスエンベロープ発生器は、光信号の振幅を変調する。一部の実施形態において、パルスエンベロープ発生器は、電気-吸収変調器(EAM)である。一部の実施形態において、パルスエンベロープ発生器は、光信号を第1光信号および第2光信号に分割するように構成される。一部の実施形態において、パルスエンベロープ発生器は、マッハツェンダ変調器である。一部の実施形態において、増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む。
【0017】
他の態様において、本開示内容は、変調された光信号を生成するように第1信号電力の光信号を変調するステップを含む方法に関する。方法は、第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するように変調された光信号から複数のパルスを選択するステップを含む。第2信号電力は、少なくとも光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ第1信号電力よりも大きい。方法は、1つ以上の光学要素を介してパルスエンベロープ信号を送信するステップを含む。方法は、パルスエンベロープ信号の送信に応答して反射される信号を受信するステップを含む。方法は、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するステップを含む。
【0018】
他の態様において、本開示内容は、光検出および距離測定(LIDAR)システムに関する。LIDARシステムは、第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、増幅器-前記増幅器は、当該増幅器が光信号を増幅するように構成される複数の利得レベルを有する-と、1つ以上のプロセッサと、を含む。1つ以上のプロセッサは、パルス信号を生成するように第1信号電力および光信号のデューティサイクルに基づいて複数の利得レベルから増幅器の利得レベルを変化させるように構成される。1つ以上のプロセッサは、増幅器から環境にパルス信号を送信し、パルス信号の送信に応答して反射される信号を受信し、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するように構成される。
【0019】
一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、第1信号電力および光信号のデューティサイクルに基づいて第2信号電力を決定するように構成され、増幅器は、第2信号電力のパルス信号を生成するように構成される。第2信号電力は、第1信号電力とは異なる。一部の実施形態において、増幅器は、1つ以上の光学要素を介してパルス信号を送信する。
【0020】
一部の実施形態において、LIDARシステムは、レーザーソースから光信号を受信し、増幅器が光信号を受信する前に光信号を変調するように構成される電気-光学変調器を含む。電気-光学変調器は、光信号に関連する第1光信号と光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定するように構成される。電気-光学変調器は、光信号を第1光信号および第2光信号に分割するように構成される。電気-光学変調器は、電気-光学変調器、電気-吸収変調器またはマッハツェンダ変調器である。
【0021】
一部の実施形態において、増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む。増幅器は、SOAを含み、SOAは、インデックス変調を用いて光信号を変調する。
【0022】
他の態様において、本開示内容は、1つ以上のプロセッサを含む自律走行車両制御システムに関する。1つ以上のプロセッサは、レーザーソースが第1信号電力の光信号を提供するようにし、増幅器が複数の利得レベルで光信号を増幅させるように構成される。1つ以上のプロセッサは、パルス信号を生成するように第1信号電力および光信号のデューティサイクルに基づいて複数の利得レベルから増幅器の利得レベルを変化させるように構成される。1つ以上のプロセッサは、増幅器から環境にパルス信号を送信し、パルス信号の送信に応答して反射される信号を受信し、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するように構成される。
【0023】
一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、第1信号電力および光信号のデューティサイクルに基づいて第2信号電力を決定し、増幅器が第2信号電力のパルス信号を生成するように構成される。第2信号電力は、第1信号電力とは異なる。
【0024】
一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、電気-光学変調器がレーザーソースから光信号を受信し、増幅器が光信号を受信する前に光信号を変調させるように構成される。1つ以上のプロセッサは、電気-光学変調器が光信号に関連する第1光信号と光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定するように構成される。1つ以上のプロセッサは、電気-光学変調器が光信号を第1光信号および第2光信号に分割されるように構成される。電気-光学変調器は、電気-光学変調器、電気-吸収変調器またはマッハツェンダ変調器である。
【0025】
一部の実施形態において、増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む。増幅器は、SOAを含み、SOAは、インデックス変調を用いて光信号を変調する。
【0026】
他の態様において、本開示内容は、自律走行車両に関する。自律走行車両は、光検出および距離測定(LIDAR)システム、ステアリングシステムまたはブレーキングシステムのうち、少なくとも1つのシステム、および車両コントローラを含む。LIDARシステムは、第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、増幅器-前記増幅器は、当該増幅器が光信号を増幅するように構成される複数の利得レベルを有する-と、1つ以上のプロセッサを含む。1つ以上のプロセッサは、パルス信号を生成するように第1信号電力および光信号のデューティサイクルに基づいて複数の利得レベルから増幅器の利得レベルを変化させるように構成される。1つ以上のプロセッサは、増幅器から環境にパルス信号を送信し、パルス信号の送信に応答して反射される信号を受信し、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するように構成される。車両コントローラは、オブジェクトまでの距離に基づいてステアリングシステムまたはブレーキングシステムのうち、少なくとも1つの動作を制御するように構成される1つ以上のプロセッサを含む。
【0027】
また他の様態、特徴および長所は、本開示内容を行うために考慮される最上のモードを含む多数の特定の実施形態を単純に例示することによって、以下の詳細な説明から容易に理解できる。他の実施形態は、また他のおよび異なる特徴および長所を有し得、これらの多くの具体的内容は、本開示内容の思想および範囲を逸脱することなく、様々な明白な側面で修正できる。したがって、図面および説明は、制限的であるものではなく、本質的に例示的であるものとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
添付の図面において、実施形態は、限定的なものではなく例示的な方法で示されており、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0029】
【
図1a】一部の実施形態による自律走行車両のためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0030】
【
図1b】一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0031】
【
図1c】一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0032】
【
図1d】一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0033】
【
図2】CW動作、準CW動作および/またはパルス波動作を使用する1つ以上のLIDARシステムによって形成される波形間の差(例えば、振幅、周期、平均電力、デューティサイクルなどの差)を示す時間ベースのグラフであり、
【0034】
【
図3a】一部の実施形態による自律走行車両を動作させるためにEDFAを使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図であり、
【0035】
【
図3b】一部の実施形態によるEDFAを使用して自律走行車両を動作させるためにレーザーソースを直接変調するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図であり、
【0036】
【
図3c】一部の実施形態によるEDFAが一定の利得ポンピング速度を有するEDFA前の光強度の例示的な波形を示し、
【0037】
【
図3d】一部の実施形態によるEDFAが一定の利得ポンピング速度を有するEDFA後の光強度の例示的な波形を示し、
【0038】
【
図4a】一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために光スイッチを使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図であり、
【0039】
【
図4b】一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために光スイッチを使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図であり、
【0040】
【
図4c】一実施形態によるパルス波LIDARが車両の動作を支援するための例示的な方法を示すフローチャートであり、
【0041】
【
図5】一部の実施形態による自律走行車両を動作させるためにマッハツェンダ変調器を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図であり、
【0042】
【
図6】一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために電気-吸収変調器(Electro-Absorption Modulator:EAM)を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図であり、
【0043】
【
図7】一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために半導体光増幅器(SOA)を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図であり、
【0044】
【
図8】一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために半導体光増幅器(SOA)およびインデックス変調を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
LIDARシステムは、送信Tx経路および受信Rx経路を含み得る。送信Tx経路は、局部発振器(LO)信号から誘導される(またはこれに関連する)光信号(時には「ビーム」と呼ばれる)を提供するためのレーザーソース、連続波(CW)変調または準CW変調を用いて光信号の位相および/または周波数を変調するための1つ以上の変調器、および変調された信号を光学装置(例えば、振動スキャナ、単方向スキャナ、リズレープリズム、サーキュレータ光学装置および/またはビームコリメータなど)に送信する前に変調された信号を増幅するための増幅器を含み得る。
【0046】
光学装置は、Tx経路から受信された増幅された信号をオブジェクト側の与えられた視野内の環境内に操向し、オブジェクトから再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号を受信Rx経路に提供するように構成される。
【0047】
Rx経路は、下向き変換された信号を生成するようにLO信号をリターンされた信号とミックスするためのミキサー(例えば、50/50)と、下向き変換された信号を増幅するためのトランスインピーダンス(TIA)増幅器と、を含み得る。Rx経路は、オブジェクトまでの距離を決定し、および/またはオブジェクトの速度を測定するために下向き変換された信号(現在増幅されている)を1つ以上のプロセッサに提供する。
【0048】
自律走行車両を動作させることは、従来のLIDARシステムの場合、相当な問題を提起する。第一、LIDARシステムは、短距離(例えば、150m未満)および長距離(例えば、300m以上)でオブジェクト(例えば、距離標識、人、乗用車、トラックなど)を検出できなければならない。しかし、長距離でオブジェクトを検出することは、従来のLIDARシステムでは容易ではない。すなわち、従来のLIDARシステムの増幅器は、送信された光信号を長距離オブジェクトに到達するほど十分に増幅するには出力が十分ではない。第二、従来のLIDARシステムで使用されるビームスキャニング技術は、多くの場合、長い測定時間を形成するため、LIDARシステムは、より厳しく困難なスペックル処理要件を満たす必要がある。
【0049】
したがって、本開示内容は、パルス波LIDARが車両の動作を支援するためのシステムおよび方法に関する。
【0050】
一般的に、以下に説明するように、パルス波LIDARシステムの実施形態は、EDFAの複数の利得構成にわたってEDFAの利得構成を変更することによって達成できる。例えば、LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、複数の利得構成を有するエルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)-EDFAは、光信号を受信し、複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて光信号を増幅するように構成される-と、EDFAがパルスエンベロープ信号に対応する増幅信号を生成するように、複数の利得構成の少なくとも1つのサブセットにわたってEDFAの利得構成を調整するように構成される1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)と、を含み得る。
【0051】
パルス波LIDARシステムの他の実施形態は、光スイッチをトグル(Toggle)することによって達成できる。例えば、パルス波LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、第1端子、第2端子、およびスイッチモードを有する光スイッチ-前記光スイッチは、第1端子で光信号を受信し、スイッチモードが第1モードで構成される場合、第1端子から第2端子への光信号の送信を許可するか、またはスイッチモードが第2モードで構成される場合、第2端子への光信号の送信を遮断するように構成される-と、光スイッチがパルスエンベロープ信号を生成するように、光スイッチモードを第1モードと第2モードとの間でトグルするように構成される1つ以上のプロセッサと、を含み得る。
【0052】
パルス波LIDARシステムの他の実施形態は、2つの光信号間の相対位相差を検出することによって達成できる。例えば、パルス波LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、光信号に関連する第1光信号と光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差に基づいてパルスエンベロープ信号を生成するように構成されるパルスエンベロープ発生器(例えば、マッハツェンダ変調器)と、パルスエンベロープ信号を増幅し、パルスエンベロープ信号を1つ以上の光学要素を介して自由空間に送るように構成されるEDFAと、を含み得る。
【0053】
パルス波LIDARシステムの他の実施形態は、電場を用いて光信号を変調することによって達成できる。例えば、パルス波LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、電場を用いて光信号を変調することによりパルスエンベロープ信号を生成するように構成されるパルスエンベロープ発生器(例えば、電気-吸収変調器(EAM))と、パルスエンベロープ信号を増幅し、増幅されたパルスエンベロープ信号を1つ以上の光学要素を介して自由空間に送るように構成されるEDFAと、を含み得る。
【0054】
パルス波LIDARシステムの他の実施形態は、半導体光増幅器(SOA)の複数の利得構成にわたってSOAの利得構成を変更することによって達成できる。例えば、パルス波LIDARシステムは、光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、複数の利得構成を有するSOA-前記SOAは、光信号を受信し、前記複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて光信号を増幅するように構成される-と、SOAがパルスエンベロープ信号に対応する増幅された信号を生成するように、少なくとも複数の利得構成のサブセットにわたってSOAの利得構成を調整するように構成される1つ以上のプロセッサと、を含み得る。
【0055】
前述の実施形態のパルス波LIDARシステムは、自律走行車両の応用に必要であり、従来のLIDARシステムの増幅器によって可能なものよりも多くの増幅器電力を形成する必要がない広範囲な距離(例えば、短距離および長距離)におけるオブジェクト認識を達成できる。また、パルス波LIDARシステムは、スペックル処理要件を緩和させる。
【0056】
以下の説明においては、説明の目的として、本開示内容の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が提示される。しかし、本開示内容は、これらの特定の詳細なしに実施できることは、当業者には明らかであろう。他の場合に、本開示内容を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の構造および装置がブロック図の形で例示される。
【0057】
1.自律走行車両のためのシステム環境
図1aは、一部の実施形態による自律走行車両のためのシステム環境の一例を示すブロック図である。
【0058】
図1aを参照すると、本明細書に開示された様々な技術が具現できる例示的な自律走行車両100が示されている。例えば、車両100は、エネルギー供給源106から動力の供給を受け、ドライブトレイン108に動力を供給することができる原動機104を含むパワートレイン102と、方向制御装置112、パワートレイン制御装置114、およびブレーキ制御装置116を含む制御システム110と、を含み得る。車両100は、人および/または貨物を輸送することができ、様々な環境で移動できる車両を含む任意の数の異なるタイプの車両として具現でき、前述の構成要素102~116は、これらの構成要素が使用される車両のタイプによって大きく異なり得ることを理解するであろう。
【0059】
簡単にするために、以下で議論される実施形態は、乗用車、バン、トラック、バスなどの車輪型陸上車両に焦点を当てるであろう。これらの実施形態において、原動機104は、(何よりも)1つ以上の電気モーターおよび/または内燃機関を含み得る。エネルギー供給源は、例えば、(例えば、ガソリン、ディーゼル、水素などを提供する)燃料システム、電池システム、太陽電池パネルまたは他の再生可能エネルギー供給源、および/または燃料電池システムを含み得る。ドライブトレイン108は、原動機104の出力を車両動作に変換するための変速機および/または任意の他の機械的駆動構成要素とともにホイールおよび/またはタイヤだけでなく、車両を制御可能に停止または減速するように構成される1つ以上のブレーキおよび車両100の軌跡を制御するのに適した方向またはステアリング構成要素(例えば、車両100の1つ以上のホイールが概略的に垂直軸を中心に旋回することによって車両の縦軸に対するホイールの回転面の角度を変更させるラックおよびピニオンステアリング接続装置)を含み得る。一部の実施形態において、(例えば、電気/ガスハイブリッド車両の場合)パワートレインとエネルギー供給源の組み合わせを使用でき、場合によっては、(例えば、個々のホイールまたは車軸に専用の)多重電気モーターを原動機として使用できる。
【0060】
方向制御装置112は、車両100が所望の軌跡に従うことを可能にするために、方向またはステアリング構成要素からのフィードバックを制御して受信するための1つ以上のアクチュエータおよび/またはセンサを含み得る。パワートレイン制御装置114は、パワートレイン102の出力を制御し、例えば、原動機104の出力を制御してドライブトレイン108内の変速機のギアを制御することによって、車両100の速度および/または方向を制御するように構成され得る。ブレーキ制御装置116は、車両100を減速または停止させる1つ以上のブレーキ、例えば、車両のホイールに結合されたディスクまたはドラムブレーキを制御するように構成され得る。
【0061】
オフロード車両、全地形(all-terrain)車両または軌道車両、建設装備などを含むが、これらに限定されない他の車両タイプは、必須に異なるパワートレイン、ドライブトレイン、エネルギー供給源、方向制御装置、パワートレイン制御装置およびブレーキ制御装置を使用できる。さらに、一部の実施形態において、構成要素のうちの一部は、例えば、車両の方向制御装置が1つ以上の原動機の出力を変更することによって主に処理される場合に結合できる。したがって、本明細書に開示された実施形態は、自律走行車輪型陸上車両における本明細書に説明された技術の特定の応用に限定されない。
【0062】
車両100についての様々なレベルの自律走行制御は、1つ以上のプロセッサ122および1つ以上のメモリ124を含み得、それぞれのプロセッサ122は、メモリ124に格納されたプログラムコード命令語126を行うように構成された車両制御システム120で具現できる。プロセッサは、例えば、グラフィックス処理装置(GPU(s))および/または中央処理装置(CPU(s))を含み得る。
【0063】
センサ130は、車両の周辺環境から車両の動作を制御するための情報を収集するのに適切な様々なセンサを含み得る。例えば、センサ130は、レーダーセンサ134、LIDARセンサ136、3Dポジショニングセンサ138-例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、またはGPS(地球位置システム)、GLONASS(Globalnaya Navigazionnaya Sputnikovaya Sistema、またはGlobal Navigation Satellite System)、BeiDou Navigation Satellite System(BDS)、Galileo、Compassなどの任意のもの-を含み得る。3Dポジショニングセンサ138は、衛星信号を用いて地球上の車両位置を決定するために使用できる。センサ130は、カメラ140および/または慣性計測装置(IMU)142を含み得る。カメラ140は、モノグラフィックまたはステレオグラフィックカメラであり得、静止画および/または動画を記録することができる。IMU142は、3つの方向で車両の線形および回転運動を検出できる多重ジャイロスコープおよび加速度計を含み得る。ホイールエンコーダのような1つ以上のエンコーダ(図示せず)が車両100の1つ以上のホイールの回転をモニタリングするために使用できる。それぞれのセンサ130は、センサデータを他のセンサ130のデータ速度とは異なるデータ速度で出力できる。
【0064】
センサ130の出力は、位置推定(Localization)サブシステム152、計画サブシステム156、知覚(Perception)サブシステム154、および制御サブシステム158を含む制御サブシステム150のセットに提供され得る。位置推定サブシステム152は、車両100の周辺環境内で、そして一般的に一部基準フレーム内で車両100の位置および指向(「ポーズ」とも呼ばれる)を精密に決定するなどの機能を行い得る。自律走行車両の位置は、ラベルが指定された自律走行車両データを生成する機能の一部として同じ環境内の追加車両の位置と比較できる。知覚サブシステム154は、車両100を取り囲む環境内のオブジェクトを検出、追跡、決定および/または識別するなどの機能を行い得る。一部の実施形態による機械学習モデルがオブジェクトの追跡に活用できる。計画サブシステム156は、環境内の静止および移動オブジェクトだけでなく、希望する目的地が与えられた状態で一部の時間フレームにわたって車両100についての軌跡を計画するなどの機能を行い得る。一部の実施形態による機械学習モデルが車両軌跡の計画に活用できる。制御サブシステム158は、車両100の計画された軌跡を具現するために車両制御システム120の様々な制御装置を制御するのに適切な制御信号を生成するなどの機能を行い得る。計画された軌跡を具現するように自律走行車両を制御する1つ以上の信号が機械学習モデルを活用して生成し得る
【0065】
車両制御システム120についての
図1aに示される構成要素の集合は、本質的に単なる例示に過ぎないことを理解するであろう。一部の実施形態において、個々のセンサは、省略され得る。追加的または代替的に、一部の実施形態において、
図1aに示されるタイプの多重センサは、冗長性のためにおよび/または車両周囲の異なる領域をカバーするために使用されてもよく、他のタイプのセンサが使用されてもよい。同様に、異なるタイプおよび/または様々な組み合わせの制御サブシステムを他の実施形態で使用できる。また、サブシステム152~158は、プロセッサ122およびメモリ124とは別のものとして示されているが、一部の実施形態において、サブシステム152~158の機能のうちの一部または全部は、1つ以上のメモリ124に常駐し、1つ以上のプロセッサ122によって行われるプログラムコード命令語126で具現でき、これらのサブシステム152~158は、場合によっては、同じプロセッサおよび/またはメモリを使用して具現できることを理解するであろう。サブシステムは、様々な専用回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、様々な特定用途向け集積回路(ASIC)、様々なリアルタイムコントローラなどを使用して少なくとも部分的に具現でき、前述したように、多重サブシステムは、回路、プロセッサ、センサ、および/または他の構成要素を活用できる。また、車両制御システム120の様々な構成要素は、様々な方式でネットワーク化できる。
【0066】
一部の実施形態において、車両100は、車両100用の冗長またはバックアップ制御システムとして使用できる2次車両制御システム(図示せず)をさらに含み得る。一部の実施形態において、2次車両制御システムは、車両制御システム120で不利なイベントが発生した場合に自律走行車両100を完全に動作させることができるが、他の実施形態において、2次車両制御システムは、制限された機能、例えば、1次車両制御システム120で検出された不利なイベントに応答して車両100を制御停止させるなどの制限された機能のみを有し得る。また他の実施形態において、2次車両制御システムは省略され得る。
【0067】
一般的に、ソフトウェア、ハードウェア、回路ロジック、センサ、およびネットワークなどの様々な組み合わせを含む多数の異なるアーキテクチャーを使用して
図1に示されている様々な構成要素を具現できる。それぞれのプロセッサは、例えば、マイクロプロセッサとして具現でき、それぞれのメモリは、主記憶装置および任意の補助レベルのメモリ-例えば、キャッシュメモリ、不揮発性またはバックアップメモリ(例えば、プログラマブルまたはフラッシュメモリ)、リードオンリーメモリなど-を含むランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスを表すことができる。また、それぞれのメモリは、物理的に車両100の他の場所に位置する、例えば、プロセッサ内のキャッシュメモリであるメモリ記憶装置および(例えば、大容量記憶装置または他のコンピュータコントローラに格納されて)仮想メモリとして使用される任意の格納容量を含むものと見なすことができる。
図1aに示される1つ以上のプロセッサまたは完全に別のプロセッサを使用して自律走行制御の目的以外の車両100の追加機能、例えば、エンターテインメントシステムを制御し、ドア、照明、便宜機能などを動作させる追加機能を具現できる。
【0068】
また、追加の記憶装置のために、車両100は、1つ以上の大容量記憶装置、例えば、リムーバブルディスクドライブ、ハードディスクドライブ、直接アクセス記憶装置(DASD)、光学ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブなど)、ソリッドステートストレージドライブ(SSD)、ネットワーク接続された記憶装置、ストレージエリアネットワークおよび/またはテープドライブなどを含み得る。
【0069】
また、車両100は、車両100がユーザーまたはオペレータから多数の入力を受信し、ユーザーまたはオペレータについての出力を生成するようにする、例えば、1つ以上のディスプレイ、タッチスクリーン、音声および/またはジェスチャインターフェース、ボタンおよび他の触覚制御装置などのユーザーインターフェース164を含み得る。そうでなければ、ユーザー入力は、他のコンピュータまたは電子装置、例えば、モバイル装置のアプリまたはウェブインターフェースを介して受信され得る。
【0070】
さらに、車両100は、1つ以上のネットワーク170(例えば、近距離通信網(LAN)、広域通信網(WAN)、無線ネットワーク、および/またはインターネット)との通信に適切なネットワークインターフェース162などの1つ以上のネットワークインターフェースを含み、他のコンピュータおよび電子装置との情報の通信を許容することができる。前記情報の通信は、例えば、クラウドサービスなどの中央サービスを含み、車両100は、前記サービスから車両の自律走行制御に使用される環境および他のデータを受信する。1つ以上のセンサ130によって収集されたデータは、ネットワーク170を介してコンピューティングシステム172にアップロードされて追加処理できる。一部の実施形態において、タイムスタンプがアップロード前に車両データの各インスタンス(Instance)に追加され得る。
【0071】
図1aに示されるそれぞれのプロセッサおよび本明細書に開示されている様々な追加のコントローラとサブシステムは、以下に詳細に説明されるように、一般的にオペレーティングシステムの制御下で動作し、様々なコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、データ構造などを行うか、またはこれらに依存する。さらに、様々なアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュールなどは、ネットワーク170を介して車両100に結合された他のコンピュータの1つ以上のプロセッサで、例えば、分散コンピューティング環境、クラウドベースのコンピューティング環境、またはクライアントサーバコンピューティング環境で行われるため、コンピュータプログラムの機能を具現するのに必要な処理がネットワークを介して多数のコンピュータおよび/またはサービスに割り当てられる。
【0072】
一般的に、オペレーティングシステムの一部として具現されたり、特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または命令語のシーケンス、またはこれらのサブセットとして具現されたりしても、本明細書に記載の様々な実施形態を具現するために実行されるルーチンは、ここで「プログラムコード」と呼ばれる。プログラムコードは、様々なメモリおよび記憶装置内に様々な時間に常駐し、1つ以上のプロセッサによって読み取りおよび実行されるとき、本開示内容の様々な態様を具現するステップまたは要素を実行するために必要なステップを行う1つ以上の命令語を含み得る。さらに、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびシステムを含み、以下その文脈で説明されるが、本明細書に記載されている様々な実施形態は、様々な形態のプログラム製品として配布することが可能であり、実施形態は、このような配布を実際に行うのに使用される特定のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体とは無関係に具現できることを理解するであろう。
【0073】
コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、特に、揮発性および不揮発性メモリ装置、フロッピーおよびその他のリムーバブルディスク、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気テープおよび光ディスク(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような有形の非一時的な媒体が含まれる。
【0074】
また、以下で説明される様々なプログラムコードは、これが特定の実施形態で具現されるアプリケーションに基づいて識別できる。しかし、以下の任意の特定のプログラム命名法は、単に便宜のために使用されたものであり、したがって、本開示内容は、このような命名法によって識別および/または暗示された任意の特定アプリケーションでのみ使用するように制限されてはならないことを理解するべきである。さらに、コンピュータプログラムがルーチン、手順、方法、モジュール、オブジェクトなどに体系化できる典型的に無限の数の方式とプログラム機能が典型的なコンピュータ内に常駐する様々なソフトウェア層(例えば、オペレーティングシステム、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレットなど)中に割り当てられる様々な方式を考慮するとき、本開示内容は、本明細書に記載のプログラム機能の特定の体系化および割り当てに限定されないことを理解するべきである。
【0075】
図1aに示される環境は、本明細書に開示された実施形態を制限するように意図されたものではない。実際に、他の代替ハードウェアおよび/またはソフトウェア環境は、本明細書に開示された実施形態の範囲から逸脱することなく使用できる。
【0076】
2.自動車アプリケーション用FM LIDAR
トラックは、LIDARシステム(例えば、
図1aの車両制御システム120、
図3aのLIDARシステム301A、
図3bのLIDARシステム301B、
図4aのLIDARシステム401A、
図4bのLIDARシステム401B、
図5のLIDARシステム501、
図6のLIDARシステム601、
図7のLIDARシステム701、
図8のLIDARシステム801などを含み得る。一部の実施形態において、LIDARシステムは、光学信号をエンコードするために周波数変調を使用し、エンコードされた光学信号を光学装置を使用して自由空間に散乱させることができる。FM(Frequency Modulated)LIDARシステムは、エンコードされた光学信号とオブジェクトから再び反射されたリターン信号との間の周波数差を検出することによってオブジェクトの位置を決定し、および/またはドップラー効果を用いてオブジェクトの速度を正確に測定できる。一部の実施形態において、FM LIDARシステムは、連続波(「FMCW LIDAR」と呼ばれる)または準連続波(「FMQW LIDAR」と呼ばれる)を使用できる。一部の実施形態において、LIDARシステムは、位相変調(PM)を使用して光学信号をエンコードし、エンコードされた光学信号を自由空間に散乱させることができる。
【0077】
FMまたは位相変調(PM)LIDARシステムは、自動車および/または商用トラック応用に関連して従来のLIDARシステムに比べて相当な利点を提供し得る。まず、場合によっては、オブジェクト(例えば、暗い服を着た歩行者)は、低い反射率を有するため、オブジェクトにぶつかる少量の光(例えば10%以下)のみをFMまたはPM LIDARシステムのセンサ(例えば、
図1aのセンサ130)に再び反射することができる。その他の場合、オブジェクト(例えば、光沢のある道路標識)は、高い反射率(例えば、10%以上)を有するため、オブジェクトにぶつかる大量の光をFM LIDARシステムのセンサに再び反射することができる。
【0078】
オブジェクトの反射率にかかわらず、FM LIDARシステムは、従来のLIDARシステムよりも遠い距離(例えば、2倍)でオブジェクトを検出(例えば、分類、認識、発見など)できる。例えば、FM LIDARシステムは、300メートル以上の低反射オブジェクトと400メートル以上の高反射オブジェクトを検出できる。
【0079】
検出能力のこのような改善を達成するために、FM LIDARシステムは、センサ(例えば、
図1aのセンサ130)を使用できる。一部の実施形態において、これらのセンサは、単一の光子感知性を有し得る。すなわち、できるだけ最小量の光を検出できる。FM LIDARシステムは、一部の応用例において、赤外線波長(例えば、950nm、1、550nmなど)を使用できるが、赤外線波長の範囲(例えば、近赤外線:800nm~1、500nm、中赤外線:1、500nm~5、600nm、および遠赤外線5、600nm~1、000、000nm)に限定されない。赤外線波長でFMまたはPM LIDARシステムを動作させることにより、FMまたはPM LIDARシステムは、目の安全基準を満たしながら、より強い光パルスまたは光ビームをブロードキャストすることができる。従来のLIDARシステムは、多くの場合単一の光子感知性がなく、および/または近赤外線波長でのみ動作するため、目の安全のためにシステムの光出力(および距離検出能力)を制限する必要がある。
【0080】
したがって、FM LIDARシステムは、より遠い距離でオブジェクトを検出することによって、予想できなかった障害物に反応する時間をより多く有し得る。実際に、数ミリ秒の追加時間だけでも、特に高速道路の速度で運転している大型車両(例えば、商用トラック車両)において安全と快適さを向上させ得る。
【0081】
FM LIDARシステムの他の利点は、それぞれのデータポイントについての正確な速度を即座に提供することである。一部の実施形態において、速度測定は、レーザー信号の半径方向の速度(例えば、検出されたオブジェクトとセンサとの間の方向ベクトル)またはレーザー信号の周波数のうち、少なくとも1つに基づいてオブジェクトから受信された光の周波数をシフトさせるドップラー効果を用いて達成される。例えば、速度が100m/s未満の道路状況で発生する速度の場合、1、550nm(ナノメートル)の波長でのこのシフトは、130MHz未満の周波数シフトに該当する。この周波数シフトは小さいため、光学ドメインで直接検出することは困難である。しかし、FMCW、PMCW、またはFMQW LIDARシステムにおけるコヒーレント検出を用いることによって、様々な信号処理技術を用いて周波数シフトを計算できるように信号をRFドメインに変換することができる。これにより、自律走行車両制御システムは、受信データをより迅速に処理できる。
【0082】
また、瞬間速度計算により、FM LIDARシステムが離れていたり、まばらなデータポイントをオブジェクトとして決定し、および/またはこれらのオブジェクトが時間の経過とともにどのように移動しているかを追跡することがより容易になる。例えば、FM LIDARセンサ(例えば、
図1aのセンサ130)は、300m離れているオブジェクトについての少数のリターン(例えば、衝突)のみを受信することができるが、これらのリターンが関心速度値を提供する場合(例えば、70mphを超える速度で車両に向かう場合)、FM LIDARシステムおよび/または自律走行車両制御システムは、オブジェクトに関連する確率についての個々の重みを決定できる。
【0083】
FM LIDARシステムのより迅速な識別および/または追跡は、自律走行車両制御システムに車両を操縦するためのより多くの時間を提供する。オブジェクトがどれだけ速く動いているかをよりよく理解すると、自律走行車両制御システムは、より優れた反応を計画することができる。
【0084】
FM LIDARシステムの他の利点は、従来のLIDARシステムと比較してより少ない雑音(Static)を有することである。すなわち、より多くの光感知性を有するように設計された従来のLIDARシステムは、一般的に明るい日光では正しく動作しない。このようなシステムは、漏話(Crosstalk、例えば、センサが互いの光パルスまたは光ビームによって混線する場合)と磁気干渉(例えば、センサが自体の以前の光パルスまたは光ビームによって混線する場合)を受ける傾向もある。この欠点を克服するために、従来のLIDARシステムを使用する車両は、このような「雑音(Noise)」を管理するために多くの場合、追加のハードウェア、複雑なソフトウェア、および/またはより多くの計算能力を必要とする。
【0085】
これについて、FM LIDARシステムは、それぞれのセンサが固有の光特性(例えば、光ビーム、光波、光パルス)にのみ反応するように特別に設計されるため、この種の問題を経験しない。リターン光が最初に送信されたタイミング、周波数、および/または波長と一致しない場合、FMセンサは、当該データポイントをフィルタリング(例えば、除去、無視など)することができる。これにより、FM LIDARシステムは、より少ないハードウェアまたはソフトウェア要件でより正確なデータを形成(例えば、生成、誘導など)し、より安全かつスムーズな運転を可能にする。
【0086】
最後に、FM LIDARシステムは、従来のLIDARシステムよりもスケーリングが容易である。より多くの自律走行車両(例えば、自動車、商用トラックなど)が道路に登場するが、FM LIDARシステムで駆動される車両は、センサ漏話による干渉問題に直面する必要がないであろう。また、FM LIDARシステムは、従来のLIDARセンサよりも少ない光学ピークパワーを使用する。これにより、FM LIDAR用の光学構成要素の一部または全部は、単一チップ上で製造することができ、これは本明細書で論じるように、固有の利点を提供する。
【0087】
2.1商用トラック
図1bは、一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例を示すブロック図である。環境100Bは、貨物106Bを運ぶための商用トラック102Bを含む。一部の実施形態において、商用トラック102Bは、長距離貨物輸送、地域貨物輸送、インターモーダル貨物輸送(すなわち、道路基盤の車両が貨物を輸送するためのいくつかの輸送モードのうちの1つとして使用される)および/または任意の他の道路基盤の貨物輸送の応用のために構成された車両を含む。一部の実施形態において、商用トラック102Bは、平台型トラック、冷蔵トラック(例えば、リーファー(Reefer)トラック)、ベントバン(Vented Van、例えば、ドライバン)、移動トラックなどであり得る。一部の実施形態において、貨物106Bは、商品および/または農産物であり得る。一部の実施形態において、商用トラック102Bは、平台型トレーラー、ローボーイ(Lowboy)トレーラー、ステップデッキ(Step Deck)トレーラー、拡張可能な平台型トレーラー、サイドキット(Sidekit)トレーラーなどの貨物106Bを運ぶためのトレーラーを含み得る。
【0088】
環境100Bは、トラックから30メートル以下の距離範囲内にある(
図1bに他の車両として示されている)オブジェクト110Bを含む。
【0089】
商用トラック102Bは、オブジェクト110Bまでの距離を決定し、および/またはオブジェクト110Bの速度を測定するためのLIDARシステム104B(例えば、FM LIDARシステム、
図1aの車両制御システム120、
図2のLIDARシステム201)を含み得る。
図1bは、1つのLIDARシステム104Bが商用トラック102Bの前面に取り付けられているように示されているが、LIDARシステムの数および商用トラックについてのLIARシステムの取り付け領域は、特定の数および特定の領域に限定されない。商用トラック102Bは、商用トラック102Bについての任意の自由空間内のオブジェクトの検出を容易にするために、商用トラック102Bの任意の領域(例えば、前面、背面、側面、上側、下側、下部、および/または底部)に取り付けられる任意の数のLIDARシステム104B(またはセンサ、変調器、コヒーレント信号発生器などのその構成要素)を含み得る。
【0090】
図示のように、環境100B内のLIDARシステム104Bは、商用トラック102Bから短い距離(例えば、30メートル以下)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、道路標識、ポットホールなど)を検出するように構成され得る。
【0091】
図1cは、一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例を示すブロック図である。環境100Cは、環境100Bに含まれた同じ構成要素(例えば、商用トラック102B、貨物106B、LIDARシステム104Bなど)を含む。
【0092】
環境100Cは、商用トラック102Bから(i)30メートル以上(ii)150メートル以下の距離範囲内にある(
図1cに他の車両として示されている)オブジェクト110Cを含む。図示のように、環境100C内のLIDARシステム104Bは、商用トラック102Bから所定の距離(例えば、100メートル)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、道路標識、ポットホールなど)を検出するように構成され得る。
【0093】
図1dは、一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例を示すブロック図である。環境100Dは、環境100Bに含まれた同じ構成要素(例えば、商用トラック102B、貨物106B、LIDARシステム104Bなど)を含む。
【0094】
環境100Dは、商用トラック102Bから150メートルを超える距離範囲内にある(
図1dに他の車両として示されている)オブジェクト110Dを含む。図示のように、環境100D内のLIDARシステム104Bは、商用トラック102Bから所定の距離(例えば、300メートル)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、道路標識、ポットホールなど)を検出するように構成され得る。
【0095】
商用トラック輸送応用において、増加した重量およびそれに応じて、このような車両に要求されるより長い停止距離により、すべての距離にあるオブジェクトを効果的に検出することが重要である。FM LIDARシステム(例えば、FMCWおよび/またはFMQWシステム)またはPM LIDARシステムは、前述した利点により、商用トラック応用に最適である。結局、このようなシステムを備えた商用トラックは、短距離または長距離にわたって人と物品の両方を安全に移動させる能力が向上し、商用トラックだけでなく周辺車両の安全性も向上し得る。様々な実施形態において、これらのFMまたはPM LIDARシステムは、商用トラックに運転者が搭乗しており、商用トラックの一部の機能がFMまたはPM LIDARシステムを使用して自律的に動作する半自律応用または商用トラックが単独または他の車両システムとともにFMまたはLIDARシステムによって全く動作する完全自律応用に使用できる。
【0096】
3.CW動作、準CW動作、パルス波動作
CW変調(「CW動作」とも呼ばれる)を用いるLIDARシステムにおいて、変調器は、レーザー光を連続的に変調する。例えば、変調周期が10マイクロ秒である場合、入力信号は、10マイクロ秒全体にわたって変調される。
【0097】
準CW変調(「準CW動作」とも呼ばれる)を用いるLIDARシステムにおいて、変調器は、活性部分と不活性部分の両方を有するようにレーザー光を変調する。例えば、10マイクロ秒周期の場合、変調器は、2マイクロ秒(「活性部分」とも呼ばれる)の間だけレーザー光を変調するが、8マイクロ秒(「不活性部分」とも呼ばれる)の間は、レーザー光を変調しない。光信号は、常にオン状態(例えば、活性化状態、電源供給状態、送信状態など)である必要はないため、LIDARシステムは、変調器が連続信号を提供する必要がない時間部分(例えば、8マイクロ秒)の間の消費電力を減少させることができる。また、オフ状態(例えば、不活性化状態、電源オフ状態など)のエネルギーが実際の測定時間中に消費され得る場合、信号対雑音比(SNR)のブーストおよび/または信号処理要件の減少が行われ、より長い時間スケールですべてのエネルギーを一貫して統合することができる。
【0098】
パルス波変調(「パルス波動作」とも呼ばれる)を用いるLIDARシステムにおいて、変調器は、活性部分と不活性部分の両方を有するようにレーザー光を変調する。次に、1つ以上のゲートが光スイッチを介して光増幅器にレーザー入力をシード(Seed)してすべて一定の信号電力を維持する一方、(例えば、デューティサイクルによって)1/(光デューティサイクル)の瞬時出力電力増加および処理要件の減少をもたらす光利得増加を用いる。
【0099】
図2は、CW動作、準CW動作および/またはパルス波動作を使用する1つ以上のLIDARシステムによって形成された波形間の差(例えば、振幅、周期、平均電力、デューティサイクルなどの差)を示す時間ベースのグラフである。時間ベースのグラフ200は、波形202a、波形202b、および波形202cを含む。CW動作を使用するLIDARシステム(例えば、
図1aのLIDAR136)は、複数のコード(例えば、コード1、コード2、コード3およびコード4)に基づく「h」の振幅を有する波形202a(例えば、連続波)を構成し得る。準CW動作を使用するLIDARシステム(例えば、
図1aのLIDAR136)は、50%と同じ(または実質的に同じ)デューティサイクルおよび複数のコード(例えば、コード1およびコード2)に基づく波形202aの振幅の2倍(例えば、2h)と同じ(または実質的に同じ)振幅を有する波形202b(例えば、準CW)を構成し得る。パルス波動作を使用するLIDARシステム(例えば、
図1aのLIDAR136)は、波形202aのデューティサイクルの1/12と同じ(または実質的に同じ)デューティサイクルおよび複数のコード(例えば、コード1およびコード2)に基づく波形202aの振幅の12倍(例えば、12h)と同じ(または実質的に同じ)振幅を有する波形202c(例えば、パルス波)を構成し得る。
【0100】
4.EDFAを用いたパルス波動作
図3aは、一部の実施形態による自律走行車両を動作させるためにEDFAを使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。環境300Aは、送信Tx経路および受信Rx経路を含むLIDARシステム301Aを含む。Tx経路は、1つ以上のTx入力/出力ポート(
図3aには、図示せず)を含み得、Rx経路は、1つ以上のRx入力/出力ポート(
図3aには、図示せず)を含み得る。
【0101】
環境300Aは、LIDARシステム301Aに結合された1つ以上の光学装置310(例えば、振動スキャナ、単方向スキャナ、リズレープリズム、サーキュレータ光学装置および/またはビームコリメータなど)を含む。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置210は、1つ以上のTx入力/出力ポートを介してTx経路に結合され得る。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0102】
環境300Aは、LIDARシステム301に結合される車両制御システム120(例えば、
図1の車両制御システム120)を含む。一部の実施形態において、車両制御システム120は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0103】
Tx経路は、レーザーソース302、電気-光学変調器(EOM)304A、およびエルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)306を含む。Rx経路は、ミキサー308、検出器312、およびトランスインピーダンス(TIA)212を含む。
図3aは、選択された数の構成要素と1つの入力/出力チャネルのみを示すが、環境300Aは、車両の動作を支援するためのLIDARシステムの様々な機能の結合が容易になるように任意の配列で相互接続されている任意の数の構成要素および/または入力/出力チャネル(の任意の組み合わせ)を含み得る。
【0104】
レーザーソース302は、局部発振器(LO)信号から誘導される(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。一部の実施形態において、光信号は、1、550ナノメートルと同じであるか、またはこれと実質的に同じ動作波長を有し得る。一部の実施形態において、光信号は、1、400ナノメートル~1、600ナノメートルの動作波長を有し得る。
【0105】
レーザーソース302は、EOM304Aに光信号を提供するように構成され、EOM304Aは、変調された光信号を生成するようにコード信号(例えば、「00011010」)に基づいて光信号の位相および /または周波数を変調するように構成される。EOM304Aは、変調された光信号をEDFA306に送信するように構成される。EDFA306は、複数の利得構成に関連し、それぞれの利得構成は、EDFA306が入力信号を増幅(例えば、ブースト)しなければならないレベルを決定する。一部の実施形態において、EDFA306は、定電流モードで構成され得る。
【0106】
1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)は、EDFA306が変調された光信号を増幅してパルスエンベロープ信号を生成するようにEDFA306の利得構成を変更(例えば、変更、調整、修正など)するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、ランダム方式、周期的方式(例えば、0.1ミリ秒から5ミリ秒の間などの任意の時点)、または連続方式で複数の利得構成のうち、1つ以上の利得構成(例えば、複数の利得構成のサブセットまたは全部)にわたってEDFA306の利得構成を変更することができる。EDFA306は、パルスエンベロープ信号を光学装置310に送信するように構成される。
【0107】
光学装置310は、Tx経路から受信した増幅された光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機(
図3aには、図示せず)を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路のミキサー308に提供するように構成される。
【0108】
一部の実施形態において、レーザーソース302は、変調されないLO信号(
図3aには、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。一部の実施形態において、EOM304は、変調されたLO信号(
図3aには、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0109】
ミキサー308は、(変調または非変調)LO信号をリターンされた信号とミックス(例えば、結合、積など)して下向き変換された信号を生成し、下向き変換された信号を検出器312に送信するように構成される。一部の配列において、ミキサー308は、LO信号(変調または非変調信号)を検出器312に送信するように構成される。
【0110】
検出器312は、下向き変換された信号に基づいて電気信号を生成し、電気信号をTIA314に送信するように構成される。一部の配列において、検出器312は、下向き変換された信号および変調された光信号に基づいて電気信号を生成するように構成される。
【0111】
TIA314は、電気信号を増幅し、増幅された電気信号を車両制御システム120に送信するように構成される。
【0112】
車両制御システム120は、オブジェクト318までの距離を決定し、および/またはオブジェクトがTIAから受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0113】
図3bは、一部の実施形態によるEDFAを使用して自律走行車両を動作させるためにレーザーソースを直接変調するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。電気-光学変調器(EOM)304Aが除去されたことを除けば、
図3bの環境300Bは、
図3aの環境300Aと同じ構成要素(およびこれらの構成要素の少なくとも同じ機能)を含む。
【0114】
レーザーソース302は、LO信号から誘導される(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。レーザーソース302は、変調された光信号を生成するようにコード信号(例えば、「00011010」)に基づいて光信号の位相および/または周波数を変調するように構成され得る。レーザーソース302は、変調された光信号をEDFA306に送信するように構成される。レーザーソース302は、一部の実施形態において、変調されていないか、または変調されたLO信号(
図3bには、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0115】
1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)は、EDFA306が変調された光信号を増幅してパルスエンベロープ信号を生成するようにEDFA306の利得構成を変更(例えば、変更、調整、修正など)するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、ランダム方式、周期的方式(例えば、0.1ミリ秒から5ミリ秒の間などの任意の時点)、または連続方式で複数の利得構成のうち、1つ以上の利得構成(例えば、複数の利得構成のサブセットまたは全部)にわたってEDFA306の利得構成を変更することができる。EDFA306は、パルスエンベロープ信号を光学装置310に送信するように構成される。
【0116】
図3aに関連して本明細書で論じるように、光学装置310は、Tx経路から受信した光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路に提供するように構成される。
Rx経路は、リターンされた信号から1つ以上の電気信号を生成し、1つ以上の電気信号を車両制御システム120に伝達し、車両制御システムは、Rx経路から受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318までの距離を決定し、および/またはオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0117】
EDFA(例えば、
図3aおよび/または
図3bのEDFA306)は、一部の実施形態において一定の利得ポンピング速度を有し得、これは入力光がないときに利得が時間の経過とともに増加するようにして光パルスがEDFAに入力されるときに、光エネルギー放出のための位置エネルギーが蓄積されることができる。EDFAのこのようなエネルギー貯蔵メカニズムは、出力光学エネルギーをパルスに集中させ、EDFAの入出力が連続的または準連続的な場合と比較的類似する平均電力(例えば、多くのパルス周期にわたる平均)を達成することが単純化する。
【0118】
図3cは、一部の実施形態によるEDFAが一定の利得ポンピング速度を有するEDFA前の光強度の例示的な波形を示す。
図3dは、一部の実施形態によってEDFAが一定の利得ポンピング速度を有するEDFA後の光強度の例示的な波形を示す。しかし、一部の実施形態において、両方の場合(例えば、前後)でパルスの電力は、デューティサイクルの逆数だけ増加するであろう。
【0119】
5.光スイッチを用いたパルス波動作
図4aは、一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために光スイッチを使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。環境400Aは、送信Tx経路および受信Rx経路を含むLIDARシステム401Aを含む。Tx経路は、1つ以上のTx入力/出力ポート(
図4aには、図示せず)を含み得、Rx経路は、1つ以上のRx入力/出力ポート(
図4aには、図示せず)を含み得る。
【0120】
環境400Aは、LIDARシステム401Aに結合された1つ以上の光学装置310を含む。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のTx入力/出力ポートを介してTx経路に結合され得る。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0121】
環境400Aは、LIDARシステム401に結合される車両制御システム120(例えば、
図1の車両制御システム120)を含む。一部の実施形態において、車両制御システム120は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0122】
Tx経路は、レーザーソース402、電気-光学変調器(EOM)404A、光スイッチ405、およびエルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)406を含む。Rx経路は、ミキサー308、検出器312、およびトランスインピーダンス(TIA)312を含む。
図4aは、選択された数の構成要素と1つの入力/出力チャネルのみを示すが、環境400Aは、車両の動作を支援するためのLIDARシステムの様々な機能の結合が容易になるように任意の配列で相互接続されている任意の数の構成要素および/または入力/出力チャネル(の任意の組み合わせ)を含み得る。
【0123】
レーザーソース402は、LO信号から誘導された(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。レーザーソース402は、EOM404Aに光信号を提供するように構成される。一部の実施形態において、レーザーソース402は、変調されないLO信号(
図3aには、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0124】
EOM404Aは、変調された光信号を生成するようにコード信号(例えば、「00011010」)に基づいて光信号の位相および/または周波数を変調するように構成される。EOM404Aは、変調された光信号を光スイッチ405に送信するように構成される。EOM404Aは、一部の実施形態において、LO信号(
図4aには、図示せず)を変調し、変調されたLO信号をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0125】
1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)は、光スイッチ405が変調された光信号に基づいてパルスエンベロープ信号を生成するように光スイッチ405を活性化状態(例えば、光信号がスイッチの入力と出力との間を通過することを可能にする状態)と不活性化状態(例えば、光信号がスイッチの入力と出力との間を通過することを防止する状態)の間でトグル(例えば、活性化、不活性化、イネーブル、ディセーブル、移動、フリップ、調整、構成など)するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、ランダム方式、周期的方式(例えば、0.1マイクロ秒から10マイクロ秒の間などの任意の時点)、または連続方式で光スイッチ405をトグルできる。光スイッチ405は、パルスエンベロープ信号をEDFA406に送信するように構成される。
【0126】
EDFA406は、パルスエンベロープ信号を増幅することにより、増幅されたパルスエンベロープ信号を生成し、増幅されたパルスエンベロープ信号を光学装置310に送信するように構成される。
【0127】
図3aに関連して本明細書で論じるように、光学装置310は、Tx経路から受信する光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路に提供するように構成される。Rx経路は、リターンされた信号から1つ以上の電気信号を生成し、1つ以上の電気信号を車両制御システム120に伝達し、当該車両制御システムは、オブジェクト318までの距離を決定し、および/またはRx経路から受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0128】
光信号に対応するノード411(すなわち、レーザー402の出力)における波形は、次の数1で表すことができる。
【数1】
【0129】
変調された光信号に対応するノード413(すなわち、EOM404の出力)における波形は、次の数2で表すことができる。
【数2】
ここでは、
。
【0130】
パルスエンベロープ信号に対応するノード415(すなわち、スイッチ405の出力)における波形は、次の数3で表すことができる。
【数3】
ここでは、
。
【0131】
図4bは、一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために光スイッチを使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。電気-光学変調器(EOM)404Aが除去されたことを除いて、
図4bの環境400Bは、
図4aの環境400Aと同じ構成要素(および少なくとも同じ機能)を含む。
【0132】
レーザーソース402は、LO信号から誘導された(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。レーザーソース402は、また、変調された光信号を生成するようにコード信号(例えば、「00011010」)に基づいて光信号の位相および/または周波数を変調するように構成される。レーザーソース402は、変調された光信号を光スイッチ405に送信するように構成される。レーザーソース402は、一部の実施形態において、非変調または変調されたLO信号(
図4bには、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0133】
1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)は、光スイッチ405が変調された光信号に基づいてパルスエンベロープ信号を生成するように光スイッチ405を活性化状態(例えば、光信号がスイッチの入力と出力との間を通過することを可能にする状態)と不活性化状態(例えば、光信号がスイッチの入力と出力との間を通過することを防止する状態)の間でトグル(例えば、活性化、不活性化、イネーブル、ディセーブル、移動、フリップ、調整、構成など)するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、ランダム方式、周期的方式(例えば、0.1マイクロ秒から10マイクロ秒の間などの任意の時点)、または連続方式で光スイッチ405をトグルできる。光スイッチ405は、パルスエンベロープ信号をEDFA406に送信するように構成される。
【0134】
EDFA406は、パルスエンベロープ信号を増幅することにより、増幅されたパルスエンベロープ信号を生成し、増幅されたパルスエンベロープ信号を光学装置310に送信するように構成される。
【0135】
図3aに関連して本明細書で論じるように、光学装置310は、Tx経路から受信する光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路に提供するように構成される。Rx経路は、リターンされた信号から1つ以上の電気信号を生成し、1つ以上の電気信号を車両制御システム120に伝達し、当該車両制御システムは、オブジェクト318までの距離を決定し、および/またはRx経路から受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0136】
図4cは、一実施形態によるパルス波LIDARが車両の動作を支援するための例示的な方法を示すフローチャートである。複数のステップが例示のための特定の順序の統合ステップとして
図4cに示されているが、他の実施形態において、1つ以上のステップまたはその一部が異なる順序でまたは直列または並列に時間的に重畳して行われたり、省略されたり、または1つ以上の追加のステップが追加されたり、方法が一部の方式の組み合わせに変更される。一部の実施形態において、方法400Cの一部または全部の動作は、
図4aの環境400Aに示される1つ以上の構成要素(例えば、LIDARシステム401、光学装置310、自律走行車両制御システム120)のうち、1つ以上によって行われ得る。一部の実施形態において、方法400Cの一部またはすべての動作は、
図4bの環境400Bに示される1つ以上の構成要素(例えば、LIDARシステム401、光学装置310、自律走行車両制御システム120)のうち、1つ以上によって行われ得る。
【0137】
方法400Cは、変調された光信号を生成するように光信号を変調する動作402Cを含む。一部の実施形態において、方法400Cは、パルスエンベロープ信号を生成するように変調された光信号から複数のパルスを選択する動作404Cを含む。一部の実施形態において、方法400Cは、1つ以上の光学要素を介してパルスエンベロープ信号を送信する動作406Cを含む。一部の実施形態において、方法400Cは、パルスエンベロープ信号の送信に応答して反射される信号を受信する動作408Cを含む。一部の実施形態において、方法400Cは、反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定する動作410Cを含む。
【0138】
6.マッハツェンダ変調器を使用するパルス波動作
図5は、一部の実施形態による自律走行車両を動作させるためにマッハツェンダ(Mach-Zehnder)変調器を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。環境500Aは、送信Tx経路および受信Rx経路を含むLIDARシステム501を含む。Tx経路は、1つ以上のTx入力/出力ポート(
図5には、図示せず)を含み得、Rx経路は、1つ以上のRx入力/出力ポート(
図5には、図示せず)を含み得る。
【0139】
環境500Aは、LIDARシステム501に結合される1つ以上の光学装置310を含む。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のTx入力/出力ポートを介してTx経路に結合され得る。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0140】
環境500Aは、LIDARシステム501に結合される車両制御システム120(例えば、
図1の車両制御システム120)を含む。一部の実施形態において、車両制御システム120は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0141】
Tx経路は、レーザーソース502、マッハツェンダ変調器505、およびエルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)506を含む。Rx経路は、ミキサー308、検出器312、およびトランスインピーダンス(TIA)312を含む。
図5は、選択された数の構成要素と1つの入力/出力チャネルのみを示すが、環境500Aは、車両の動作を支援するためのLIDARシステムの様々な機能の結合を容易にするために任意の配列で相互接続されている任意の数の構成要素および/または入力/出力チャネル(の任意の組み合わせ)を含み得る。
【0142】
レーザーソース502は、LO信号から誘導される(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。レーザーソース502は、光信号をマッハツェンダ変調器505に提供するように構成される。一部の実施形態において、レーザーソース502は、LO信号(
図5には、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0143】
マッハツェンダ変調器505は、レーザーソース502からの光信号を分割し、電気-光学変調で2つの経路を変調することによって導出された2つの経路間の相対的な位相シフト変化を変換するように構成される。マッハツェンダ変調器505は、相対的な位相変化に基づいてパルスエンベロープ信号を生成するように構成される。一部の実施形態において、マッハツェンダ変調器505は、変調されたパルスエンベロープ信号を生成するようにコード信号(例えば、「00011010」)に基づいてパルスエンベロープ信号の位相および/または周波数を変調する。マッハツェンダ変調器505は、(非変調または変調された)パルスエンベロープ信号をEDFA506に送信するように構成される。マッハツェンダ変調器505は、一部の実施形態において、LO信号を変調し、変調されたLO信号をRx経路のミキサー308に提供し得る。マッハツェンダ変調器505は、一部の実施形態において、信号の出力振幅減衰を補正するためにパルス整形(Pulse Shaping)に使用できる。
【0144】
EDFA506は、パルスエンベロープ信号を増幅することによって、増幅されたパルスエンベロープ信号を生成し、増幅されたパルスエンベロープ信号を光学装置310に送信するように構成される。
【0145】
図3aに関連して本明細書で論じるように、光学装置310は、Tx経路から受信する光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路に提供するように構成される。
Rx経路は、リターンされた信号から1つ以上の電気信号を生成し、1つ以上の電気信号を車両制御システム120に伝達し、当該車両制御システムは、オブジェクト318までの距離を決定し、および/またはRx経路から受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0146】
再び
図5を参照すると、1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)は、MZ変調器505が変調された光信号に加えてパルスエンベロープ信号を生成できるように、MZ変調器505の出力を活性化状態(例えば、光信号が入力と出力との間を通過することを可能にする状態)と不活性化状態(例えば、光信号が入力と出力との間を通過することを防止する状態)の間でトグル(例えば、活性化、不活性化、イネーブル、ディセーブル、移動、フリップ、調整、構成など)するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、ランダム方式、周期的方式(例えば、0.1マイクロ秒から10マイクロ秒の間などの任意の時点)、または連続方式でMZ変調器505の出力をトグルできる。MZ変調器505は、パルスエンベロープ信号をEDFA506に送信するように構成される。
【0147】
一部の実施形態において、光信号に対応するノード511(すなわち、レーザー502の出力)における波形は、次の数4で表すことができる。
【数4】
【0148】
一部の実施形態において、変調およびパルス化された光信号に対応するノード515(すなわち、MZ変調器505の出力)における波形は、次の数5で表すことができる。
【数5】
ここでは、
。
【0149】
7.EAMを用いるパルス波動作
一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために電気-吸収変調器(EAM、Electro-Absorption Modulator)を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。環境600は、送信Tx経路および受信Rx経路を含むLIDARシステム601を含む。Tx経路は、1つ以上のTx入力/出力ポート(
図6には、図示せず)を含み得、Rx経路は、1つ以上のRx入力/出力ポート(
図6には、図示せず)を含み得る。
【0150】
環境600は、LIDARシステム601に結合される1つ以上の光学装置310を含む。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のTx入力/出力ポートを介してTx経路に結合され得る。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0151】
環境600は、LIDARシステム601に結合される車両制御システム120(例えば、
図1の車両制御システム120)を含む。一部の実施形態において、車両制御システム120は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0152】
Tx経路は、レーザーソース602、EAM605、およびエルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)606を含む。Rx経路は、ミキサー308、検出器312、およびトランスインピーダンス(TIA)312を含む。
図6は、選択された数の構成要素と1つの入力/出力チャネルのみを示しているが、環境600は、車両の動作を支援するためのLIDARシステムの様々な機能の結合を容易にするために任意の配列で相互接続されている任意の数の構成要素および/または入力/出力チャネル(の任意の組み合わせ)を含み得る。
【0153】
レーザーソース602は、LO信号から誘導される(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。レーザーソース602は、EAM605に光信号を提供するように構成される。一部の実施形態において、レーザーソース602は、Rx経路のミキサー308にLO信号(
図6には、図示せず)を提供するように構成され得る。
【0154】
EAM605は、コード信号(例えば、「00011010」)に応じて電気電圧を通じて光信号の振幅(例えば、強度)を変調するように構成される。すなわち、EAM605は、吸収係数(Absorption Coefficient)を有する半導体材料で構成される。1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)がEAM605に外部電場を印加すると、吸収係数が変化してバンドギャップエネルギーが変化し、これは結局、EAM605をして入射する光信号の振幅を変調させる。光信号の振幅を変調することによって、EAM605は、パルスエンベロープ信号を生成し得る。EAM605は、パルスエンベロープ信号をEDFA606に送信するように構成される。EAM605は、一部の実施形態において、LO信号を変調し、変調されたLO信号をRx経路のミキサー308に提供し得る。
【0155】
DFA606は、パルスエンベロープ信号を増幅して増幅されたパルスエンベロープ信号を生成し、増幅されたパルスエンベロープ信号を光学装置310に送信する。
【0156】
図3aに関連して本明細書で論じるように、光学装置310は、Tx経路から受信する光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路に提供するように構成される。Rx経路は、リターンされた信号から1つ以上の電気信号を生成し、1つ以上の電気信号を車両制御システム120に伝達し、当該車両制御システムは、オブジェクト318までの距離を決定し、および/またはRx経路から受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0157】
8.SOAを用いるパルス波動作
図7は、一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために半導体光増幅器(SOA)を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。環境700は、送信Tx経路および受信Rx経路を含むLIDARシステム701を含む。Tx経路は、1つ以上のTx入力/出力ポート(
図7には、図示せず)を含み得、Rx経路は、1つ以上のRx入力/出力ポート(
図7には、図示せず)を含み得る。
【0158】
環境700は、LIDARシステム701に結合される1つ以上の光学装置310を含む。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のTx入力/出力ポートを介してTx経路に結合され得る。一部の実施形態において、1つ以上の光学装置310は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0159】
環境700は、LIDARシステム701に結合される車両制御システム120(例えば、
図1の車両制御システム120)を含む。一部の実施形態において、車両制御システム120は、1つ以上のRx入力/出力ポートを介してRx経路に結合され得る。
【0160】
Tx経路は、レーザーソース702、変調器705、半導体光増幅器(SOA)706を含む。Rx経路は、ミキサー308、検出器312、およびトランスインピーダンス(TIA)312を含む。
図7は、選択された数の構成要素と1つの入力/出力チャネルのみを示しているが、環境700は、車両の動作を支援するためのLIDARシステムの様々な機能の結合を容易にするために任意の配列で相互接続されている任意の数の構成要素および/または入力/出力チャネル(の任意の組み合わせ)を含み得る。
【0161】
レーザーソース702は、LO信号から誘導される(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。レーザーソース702は、光信号を変調器705に提供するように構成される。レーザーソース702は、一部の実施形態において、LO信号(
図7には、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0162】
変調器は、変調された光信号を生成するようにコード信号(例えば、「00011010」)に基づいて光信号の位相および/または周波数および/または強度を変調するように構成される。変調器705は、一部の実施形態において、EOM(例えば、
図4aのEOM404)、EAM(例えば、
図6のEAM605)、または、マッハツェンダ変調器(例えば、
図5のマッハツェンダ変調器505)であり得る。変調器705は、変調された光信号をSOA706に送信するように構成される。変調器705は、一部の実施形態において、LO信号を変調し、変調されたLO信号をRx経路のミキサー308に提供し得る。
【0163】
SOA706は、複数の利得構成に関連付けられ、利得構成のそれぞれは、SOA706が入力信号を増幅(例えば、ブースト)しなければならないレベルを決定する。
【0164】
1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)は、SOA706が変調された光信号を増幅することにより、パルスエンベロープ信号を生成するようにSOA706の利得構成を変更(例えば、変更、調整、修正など)するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、ランダム方式、周期的方式(例えば、0.1マイクロ秒から10マイクロ秒の間などの任意の時点)、または連続方式で複数の利得構成のうち、1つ以上の利得構成(例えば、複数の利得構成のサブセットまたは全部)にわたってSOA706の利得構成を変更することができる。SOA706は、パルスエンベロープ信号を光学装置310に送信するように構成される。
【0165】
図3aに関連して本明細書で論じるように、光学装置310は、Tx経路から受信する光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路に提供するように構成される。Rx経路は、リターンされた信号から1つ以上の電気信号を生成し、1つ以上の電気信号を車両制御システム120に伝達し、当該車両制御システムは、オブジェクト318までの距離を決定し、および/またはRx経路から受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0166】
図8は、一部の実施形態による自律走行車両を動作させるために半導体光増幅器(SOA)およびインデックス変調を使用するパルス波動作におけるLIDARシステムの例示的な環境を示すブロック図である。変調器705の除去を除いて、
図8の環境800Bは、
図7の環境700と同じ構成要素(および少なくとも同じ機能)を含む。
【0167】
レーザーソース802は、LO信号から誘導された(またはこれに関連する)光信号を生成するように構成される。レーザーソース802は、変調された光信号をSOA806に送信するように構成される。レーザーソース802は、一部の実施形態において、LO信号(
図8には、図示せず)をRx経路のミキサー308に提供するように構成され得る。
【0168】
SOA806は、複数の利得構成に関連付けられ、利得構成のそれぞれは、SOA806が入力信号を増幅(例えば、ブースト)しなければならないレベルを決定する。
【0169】
1つ以上のプロセッサ(例えば、自律走行車両制御システム120、コンピューティングシステム172など)は、SOA806が変調された光信号を増幅することにより、パルスエンベロープ信号を生成するようにSOA806の利得構成を変更(例えば、変更、調整、修正など)するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、ランダム方式、周期的方式(例えば、0.1マイクロ秒から10マイクロ秒の間などの任意の時点)、または連続方式で複数の利得構成のうち、1つ以上の利得構成(例えば、複数の利得構成のサブセットまたは全部)にわたってSOA806の利得構成を変更することができる。
【0170】
SOA806は、インデックス変調を用い、コード信号(例えば、「00011010」)に基づいて光信号および/またはパルスエンベロープ信号を変調するように構成される。SOA806は、パルスエンベロープ信号を光学装置310に送信するように構成される。SOA806は、一部の実施形態において、LO信号を変調し、変調されたLO信号をRx経路のミキサー308に提供し得る。
【0171】
図3aに関連して本明細書で論じるように、光学装置310は、Tx経路から受信する光信号をオブジェクト318側の与えられた視野内の自由空間内に操向し、受信機を介してオブジェクト318から再び反射されたリターン信号を受信し、リターンされた信号をRx経路に提供するように構成される。Rx経路は、リターンされた信号から1つ以上の電気信号を生成し、1つ以上の電気信号を車両制御システム120に伝達し、当該車両制御システムは、オブジェクト318までの距離を決定し、および/またはRx経路から受信する1つ以上の電気信号に基づいてオブジェクト318の速度を測定するように構成される。
【0172】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実行できるように提供されたものである。これらの態様についての様々な変形は、当業者には明確であり、本明細書に定義されている一般的な原理は、他の態様に適用できる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に例示されている態様に限定されないが、特許請求の範囲の表現と一致する全体の範囲に従うように意図され、ここで、単数の要素についての言及は、具体的に明示されない限り、「ただ1つ」を意味するものと意図せず、むしろ「1つ以上」を意味する。他に明示されない限り、「一部」という用語は、1つ以上を指す。当業者に周知または後に周知される以前の説明全般に説明される様々な態様の要素についてのすべての構造的および機能的均等物は、参照として本明細書に明示的に含まれ、特許請求の範囲によって包含されるように意図される。さらに、本明細書に開示されるいかなるものも、このような開示内容が特許請求の範囲に明示的に引用されるかどうかにかかわらず、一般に提供されるように意図されていない。要素が「~のための手段」という言句を使用して明示的に言及されていない限り、どんな特許請求の範囲の要素も機能式表現(Means Plus Function)として解釈されるべきではない。
【0173】
開示されたプロセスにおけるブロックの特定の順序または階層構造は、例示的なアプローチの例であるものと理解される。設計の好みに応じて、プロセスにおけるブロックの特定の順序または階層構造は、以前の説明の範囲内にとどまりながら再配列できるものと理解される。添付の方法特許請求の範囲は、様々なブロックの要素をサンプル順序で提示し、提示された特定の順序または階層構造に限定されることを意味しない。
【0174】
開示された実施形態の前述の説明は、当業者が開示された主題を構成または使用できるように提供される。これらの実施形態についての様々な変形は、当業者には明確であり、本明細書で定義された一般的な原理は、前述の説明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用できる。したがって、前述の説明は、本明細書に例示された実施形態に限定されるように意図されず、本明細書に開示された原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲に与えられるべきである。
【0175】
図示および説明された様々な例は、特許請求の範囲の様々な特徴を説明するための多数の例としてのみ提供される。しかし、任意の与えられた例に関連して図示および説明された特徴は、必ずしも関連する例に限定されず、図示および説明された他の例に使用されるか、またはこれらの例とともに組み合わせられる。また、特許請求の範囲は、いずれかの例によって制限されるものと意図されない。
【0176】
前述した方法の説明およびプロセスの流れ図は、単に例示的な例として提供されており、様々な例のブロックが提示された順序で行われるべきであることを要求または暗示しようとするものではない。当業者によって理解されるように、前述の例において、ブロックの順序は、任意の順序で行われ得る。「以後」、「その後」、「次」などの単語は、ブロックの順序を制限するように意図されず、これらの単語は、単に方法についての説明を通して読者を案内するために使用される。また、例えば、単数形の物品を使用する単数の請求範囲の要素についてのいかなる言及も、当該要素を単数に制限するものと解釈されるべきではない。
【0177】
本明細書に開示された例に関連して説明された様々な例示的なロジックブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムブロックは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれらの組み合わせとして具現できる。ハードウェアとソフトウェアのこのような互換性を明確に説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびブロックは、一般的にその機能の観点で前述された。これらの機能がハードウェアとして具現されるか、またはソフトウェアとして具現されるかは、システム全体に課される特定のアプリケーションおよび設計制約条件によって異なる。熟練した技術者は、説明された機能をそれぞれの特定アプリケーションについて様々な方式で具現できるが、このような具現の決定は、本開示内容の範囲から逸脱する原因と解釈されるべきではない。
【0178】
本明細書に開示された例に関連して説明された様々な例示的なロジック、ロジックブロック、モジュール、および回路を具現するために使用されるハードウェアは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、またはその他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート、またはトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、または本明細書に説明されている機能を行うように設計されたこれらの任意の組み合わせで具現または行われ得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代わりに、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械(State Machine)であり得る。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアとともに1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のこのような構成として具現できる。あるいは、一部のブロックまたは方法は、与えられた機能に特定の回路によって行われ得る。
【0179】
一部の例示的な例において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで具現できる。ソフトウェアで具現される場合、前記機能は、非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体または非一時的プロセッサ読み取り可能な格納媒体に1つ以上の命令語またはコードとして格納できる。本明細書に開示される方法またはアルゴリズムのブロックは、非一時的コンピュータ読み取り可能またはプロセッサ読み取り可能な格納媒体に常駐できるプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールとして具現できる。非一時的コンピュータ読み取り可能またはプロセッサ読み取り可能な格納媒体は、コンピュータまたはプロセッサによってアクセスできる任意の格納媒体であり得る。非限定的な例として、このような非一時的なコンピュータ読み取り可能またはプロセッサ読み取り可能な格納媒体は、RAM、ROM、EEPROM、FLASHメモリ、CD-ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置、または命令語またはデータ構造の形で望むプログラムコードを格納するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を含み得る。ここで使用されるディスク(Disk)とディスク(Disc)は、コンパクトディスク(Compact Disc、DC)、レーザーディスク(Disc)、光ディスク(Disc)、デジタル多目的ディスク(Digital Versatile Disc、DVD)、フロッピーディスク(Disk)およびブルーレイディスク(Disc)を含み、ここで、ディスク(Disk)は、一般的にデータを磁気的に再生し、ディスク(Disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。前記の組み合わせも、非一時的なコンピュータ読み取り可能およびプロセッサ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれる。また、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に統合できる非一時的プロセッサ読み取り可能な格納媒体および/またはコンピュータ読み取り可能な格納媒体にコードおよび/または命令語の1つまたは任意の組み合わせまたは集合として常駐できる。
【0180】
開示された例についての前述の説明は、当業者が本開示内容を構成または使用できるように提供される。これらの例についての様々な変形は、当業者には確実に明確であり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示内容の思想または範囲から逸脱することなく、一部の例に適用できる。したがって、本開示内容は、本明細書に提示された例に限定されるように意図されず、次の特許請求の範囲および本明細書に開示された原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲に付与されるべきである。
【0181】
広い範囲を説明する数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の非限定的な例に記載された数値は、可能な限り正確に記録される。しかし、任意の数値は、本質的に本文書の作成時点でそれぞれのテスト測定値から得られる標準偏差によって必然的に発生する特定のエラーを含む。さらに、文脈上別に明示しない限り、本明細書に提示される数値は、最下位の数字によって与えられる暗黙の精度を有する。したがって、1.1の値は、1.05から1.15までを意味する。「約」という用語は、与えられた値を中心により広い範囲を表すために使用され、文脈上別に明示しない限り、最下位の数字周辺のより広い範囲を意味するが、例えば、「約1.1」は、1.0から1.2までの範囲を意味する。最下位の数字が不明確である場合、「約」という用語は、2倍数を意味する。例えば、「約X」は、0.5Xから2Xまでの範囲の値を意味する。例えば、約100は、50から200までの範囲の値を意味する。また、本明細書に開示されているすべての範囲は、その中に含まれる任意のおよびすべての下位範囲を含むものと理解されるべきである。例えば、正の値パラメータについての「10未満」の範囲は、(当該値を含む)0の最小値と10の最大値との間の任意の範囲およびすべての下位範囲、すなわち、0以上の最小値と10以下の最大値を有する任意の範囲およびすべての下位範囲(例えば、1~4の範囲)である。
【0182】
本開示内容の一部の実施形態は、自家用自動車の領域(例えば、前面、背面、側面、上部および/または下部)に取り付けられる1つ以上の高解像度ドップラーLIDARシステムに関連して以下で説明されるが、実施形態は、これに限定されない。他の実施形態において、ドップラーコンポーネントが存在するかまたは存在せず、視野が重なったり重なったりしない同じタイプまたは他の高解像度LIDARの1つまたは多重のシステム、または操縦されたり自律走行される小型または大型の陸上、海上または航空車両に取り付けられる1つ以上のこのようなシステムが採用される。他の実施形態において、スキャニング高解像度LIDARは、陸上または海上で一時的または恒久的な固定位置に取り付けられる。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、
複数の利得構成を有する増幅器-前記増幅器は、前記光信号を受信し、前記複数の利得構成のうちの利得構成に基づいて前記光信号を増幅するように構成される-と、
前記増幅器が第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するように、前記複数の利得構成のうち、2つ以上の利得構成にわたって前記増幅器の前記利得構成を調整するように構成される1つ以上のプロセッサ-前記第2信号電力は、少なくとも前記光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ前記第1信号電力よりも大きい-と、を含む、
LIDARシステム。
【請求項2】
前記増幅器は、1つ以上の光学要素を介して前記パルスエンベロープ信号を送信する
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記増幅器が前記パルスエンベロープ信号を送信することに応答して反射される信号を受信するように構成される受信機をさらに含み、
前記1つ以上のプロセッサは、前記反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するようにさらに構成される
請求項2に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記パルスエンベロープ信号は、1マイクロ秒以上1ミリ秒以下のパルス繰り返し周期を有する
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
電気-光学変調器をさらに含み、
前記電気-光学変調器は、
前記レーザーソースから前記光信号を受信し、
前記増幅器が前記光信号を受信する前に前記光信号を変調するように構成される
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記変調器は、電気-光学変調器、電気-吸収(Electro-Absorption)変調器、またはマッハツェンダ(Mach-Zehnder)変調器である
請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記レーザーソースは、前記増幅器が前記光信号を受信する前に前記光信号を変調する
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記増幅器は、前記SOAを含み、
前記SOAは、インデックス変調(Index Modulation)を用いて前記光信号を変調する
請求項8に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、
前記光信号に関連する第1光信号と前記光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定
することにより、第2信号電力のパルスエンベロープ信号を生成するように構成されるパルスエンベロープ発生器
-前記第2信号電力は、少なくとも前記光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ前記第1信号電力よりも大きい-と、
前記パルスエンベロープ信号を増幅し、前記増幅されたパルスエンベロープ信号を1つ以上の光学要素を介して送信するように構成される増幅器と、を含む
LIDARシステム。
【請求項11】
前記パルスエンベロープ発生器は、前記光信号の振幅を変調する
請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項12】
前記パルスエンベロープ発生器は、電気-吸収変調器(EAM)である
請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項13】
前記パルスエンベロープ発生器は、前記光信号を前記第1光信号と前記第2光信号に分割するように構成される
請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項14】
前記パルスエンベロープ発生器(Pulse Envelope Generator)は、マッハツェンダ(Mach-Zehnder)変調器である
請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項15】
前記増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む
請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項16】
変調された光信号を生成するように第1信号電力の光信号を変調するステップと、
第2信号電力のパルス化されたエンベロープ(Envelope)信号を生成するように、前記変調された光信号から複数のパルスを選択するステップ-前記第2信号電力は、少なくとも前記光信号のデューティサイクルの逆数に対応する量だけ前記第1信号電力よりも大きい-と、
前記パルスエンベロープ信号を1つ以上の光学要素を介して送信するステップと、
前記パルスエンベロープ信号の送信に応答して反射される信号を受信するステップと、
前記反射された信号に関連する電気信号に基づいてオブジェクトまでの距離を決定するステップと、を含む方法。
【請求項17】
第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、
複数の利得レベルを有し、前記光信号を前記複数の利得レベルに増幅するように構成される増幅器と、
1つ以上のプロセッサと、を含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記光信号の前記第1信号電力およびデューティサイクルに基づいて、パルス信号を生成するように前記複数の利得レベルから前記増幅器の利得レベルを変化させ、
前記増幅器から環境に前記パルス信号を送信し、
前記パルス信号の送信に応答してオブジェクトから反射される反射信号を受信し、
前記反射された信号に関連する電気信号に基づいて前記オブジェクトまでの距離を決定するように構成される
LIDARシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、前記光信号の前記第1信号電力およびデューティサイクルに基づいて第2信号電力を決定するように構成され、
前記増幅器は、前記第2信号電力の前記パルス信号を生成するように構成される
請求項17に記載のLIDARシステム。
【請求項19】
前記第2信号電力は、前記第1信号電力とは異なる
請求項18に記載のLIDARシステム。
【請求項20】
前記増幅器は、1つ以上の光学要素を介して前記パルス信号を送信する
請求項17に記載のLIDARシステム。
【請求項21】
電気-光学変調器をさらに含み、
前記電気-光学変調器は、
前記レーザーソースから前記光信号を受信し、
前記増幅器が前記光信号を受信する前に前記光信号を変調するように構成される
請求項17に記載のLIDARシステム。
【請求項22】
前記電気-光学変調器は、前記光信号に関連する第1光信号と前記光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定するように構成される
請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項23】
前記電気-光学変調器は、前記光信号を第1光信号および第2光信号に分割するように構成される
請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項24】
前記電気-光学変調器は、電気-光学変調器、電気-吸収(Electro-Absorption)変調器、またはマッハツェンダ(Mach-Zehnder)変調器である
請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項25】
前記増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む
請求項17に記載のLIDARシステム。
【請求項26】
前記増幅器は、前記SOAを含み、
前記SOAは、インデックス変調(Index Modulation)を用いて前記光信号を変調する
請求項25に記載のLIDARシステム。
【請求項27】
1つ以上のプロセッサを含む自律走行車両制御システムであって、
前記1つ以上のプロセッサは、
レーザーソースをして第1信号電力の光信号を提供するようにし、
増幅器をして前記光信号を複数の利得レベルに増幅させ、
前記光信号の前記第1信号電力およびデューティサイクルに基づいて、パルス信号を生成するように前記複数の利得レベルから前記増幅器の利得レベルを変化させ、
前記パルス信号を前記増幅器から環境に送信し、
前記パルス信号の送信に応答してオブジェクトから反射される反射信号を受信し、
前記反射された信号に関連する電気信号に基づいて前記オブジェクトまでの距離を決定するように構成される
自律走行車両制御システム。
【請求項28】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記光信号の前記第1信号電力および前記デューティサイクルに基づいて第2信号電力を決定し、
前記増幅器をして前記第2信号電力の前記パルス信号を生成するように構成される
請求項27に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項29】
前記第2信号電力は、前記第1信号電力とは異なる
請求項28に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項30】
前記1つ以上のプロセッサは、
電気-光学変調器をして前記レーザーソースから前記光信号を受信し、
前記増幅器が前記光信号を受信する前に前記光信号を変調させるように構成される
請求項27に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項31】
前記1つ以上のプロセッサは、前記電気-光学変調器をして前記光信号に関連する第1光信号と前記光信号に関連する第2光信号との間の相対位相差を決定させるように構成される
請求項30に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項32】
前記1つ以上のプロセッサは、前記電気-光学変調器をして前記光信号を第1光信号と第2光信号に分割させるように構成される
請求項30に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項33】
前記電気-光学変調器は、電気-光学変調器、電気-吸収(Electro-Absorption)変調器またはマッハツェンダ(Mach-Zehnder)変調器である
請求項30に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項34】
前記増幅器は、エルビウムドープされた光ファイバ増幅器(EDFA)または半導体光増幅器(SOA)を含む
請求項27に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項35】
前記増幅器は、前記SOAを含み、
前記SOAは、インデックス変調(Index Modulation)を用いて前記光信号を変調する
請求項34に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項36】
光検出および距離測定(LIDAR)システムと、
ステアリングシステムまたはブレーキングシステムのうち、少なくとも1つと、
車両コントローラと、を含み、
前記LIDARシステムは、
第1信号電力の光信号を提供するように構成されるレーザーソースと、
複数の利得レベルを有し、前記光信号を前記複数の利得レベルに増幅するように構成される増幅器と、
1つ以上のプロセッサと、を含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記光信号の前記第1信号電力およびデューティサイクルに基づいて、パルス信号を生成するように前記複数の利得レベルから前記増幅器の利得レベルを変化させ、
前記増幅器から環境に前記パルス信号を送信し、
前記パルス信号の送信に応答してオブジェクトから反射される反射信号を受信し、
前記反射された信号に関連する電気信号に基づいて前記オブジェクトまでの距離を決定するように構成され、
前記車両コントローラは、前記オブジェクトまでの距離に基づいて前記ステアリングシステムまたは前記ブレーキングシステムのうち、少なくとも1つの動作を制御するように構成される1つ以上のプロセッサを含む
自律走行車両。
【国際調査報告】