(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-27
(54)【発明の名称】不妊症の処置における使用のためのHP-HMGを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 38/22 20060101AFI20230620BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230620BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
A61K38/22
A61P15/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573348
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2021064376
(87)【国際公開番号】W WO2021239961
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517191312
【氏名又は名称】フェリング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ハイザー
(72)【発明者】
【氏名】エリック・フォスター
【テーマコード(参考)】
4C084
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA22
4C084DB09
4C084DB10
4C084DB26
4C084DB71
4C084MA02
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4C084NA05
4C084NA06
4C084ZC031
4C084ZC032
4C084ZC111
4C084ZC112
4C084ZC751
4C084ZC752
(57)【要約】
本発明は、刺激の最終日までに閾値血清hCGレベルを標的とすることを含む、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される女性のための改善された生殖補助技術に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
75~450IUのHP-hMGの1日用量を前記選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと;
調節卵巣刺激の、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において、前記患者のhCGの血清レベルが≧1.5mIU/mLの標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかを決定することと;
任意選択で、前記患者のhCGの血清レベルが前記標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることと
を含む、組成物。
【請求項2】
前記処置が、前記患者の血清中のhCGのレベルが、1.5~2.0mIU/mL、好ましくは、1.8mIU/mLの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含む、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;
任意選択で、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることと
を含む、組成物。
【請求項4】
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;
前記患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することと
を含む、組成物。
【請求項5】
生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの前記特定の閾値レベルが、1.5~2.0mIU/mL、より好ましくは、1.8mIU/mLから選択される、請求項4に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記患者が、処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有する、請求項1~5のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項7】
前記処置が、刺激の前に、前記患者が血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有するとして同定することをさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項8】
前記患者が、無排卵でなく、且つ/又は前記患者が、21~35歳であり、処置の開始において18~30kg/m
2のBMIを有する、請求項1~7のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記調節卵巣刺激が、1日当たり75~225IUのhMGの開始用量、好ましくは、150IU/日でHP-hMGを、例えば、刺激の1日目から少なくとも5日目まで投与することを含む、請求項1~8のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項10】
不妊症の前記処置が、CHO細胞に由来する組換えFSHによる処置と比較して生児出生の可能性を増加させる、請求項1~9のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項11】
前記処置が、hCG、又は任意選択で、hCGを補充したGnRHアゴニストを投与することによって、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項12】
前記処置が、刺激の6日目に開始してGnRHアンタゴニストを投与することをさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項13】
新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるための、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;
前記患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することと
を含む、組成物。
【請求項14】
新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるための、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;
任意選択で、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることと
を含む、組成物。
【請求項15】
前記処置が、
卵母細胞を回収することと、前記卵母細胞を受精させることと、前記受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)新鮮な胚盤胞を着床させることと;或いは
卵母細胞を回収することと、前記卵母細胞を受精させることと、前記受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることと;或いは
卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させることと;或いは
卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることと
をさらに含む、請求項1~14のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項16】
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有する患者における不妊症の処置における使用のための、HP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有すると同定される患者を選択することと;
75~450IUのHP-hMGの1日用量を前記選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと;
調節卵巣刺激の、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において、前記患者のhCGの血清レベルが≧1.5mIU/mLの標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかを決定することと;
任意選択で、前記患者のhCGの血清レベルが前記標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることと
を含む、組成物。
【請求項17】
前記処置が、前記患者の血清中のhCGのレベルが、1.5~2.0mIU/mL、好ましくは、1.8mIU/mLの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含む、請求項16に記載の使用のための組成物。
【請求項18】
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有する患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有すると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;
任意選択で、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることと
を含む、組成物。
【請求項19】
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有する患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有すると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;
前記患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することと
を含む、組成物。
【請求項20】
生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの前記特定の閾値レベルが、1.5~2.0mIU/mL、より好ましくは、1.8mIU/mLから選択される、請求項19に記載の使用のための組成物。
【請求項21】
前記処置が、刺激の前に、前記患者が血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有すると同定することをさらに含む、請求項16~20のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項22】
前記患者が、無排卵ではなく、且つ/又は前記患者が、21~35歳であり、処置の開始において18~30kg/m
2のBMIを有する、請求項16~21のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項23】
前記調節卵巣刺激が、HP-hMGを1日当たり75~225IUのhMGの開始用量、好ましくは、150IU/日で、例えば、刺激の1日目から少なくとも5日目まで投与することを含む、請求項16~22のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項24】
不妊症の前記処置が、CHO細胞に由来する組換えFSHによる処置と比較して、生児出生の可能性を増加させる、請求項16~23のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項25】
前記処置が、hCG、又は任意選択で、hCGを補充したGnRHアゴニストを投与することによって、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含む、請求項16~24のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項26】
前記処置が、刺激の6日目に開始してGnRHアンタゴニストを投与することをさらに含む、請求項16~25のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項27】
新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるために、処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有する患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有すると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;
前記患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することと
を含む、組成物。
【請求項28】
新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるために、処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有する患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、前記処置は、
処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有すると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を前記選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;
任意選択で、前記患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることと
を含む、組成物。
【請求項29】
前記処置が、
卵母細胞を回収することと、前記卵母細胞を受精させることと、前記受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)新鮮な胚盤胞を着床させることと;或いは
卵母細胞を回収することと、前記卵母細胞を受精させることと、前記受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることと;或いは
卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させることと;或いは
卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、前記胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることと
をさらに含む、請求項16~28のいずれかに記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載されている本発明は、生殖補助技術に関する。特に、本明細書に記載されているのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される女性のために特に有用であり得る、調節卵巣刺激方法を含めた不妊症を処置するための組成物及び方法である。
【背景技術】
【0002】
生殖補助技術(ART)手順は一般に、卵の発生及び成熟を刺激すること、女性の卵巣からの卵子を収集すること、これらをin vitroで精子と合わせること、これらを女性の子宮(ドナー又は別の女性)へと移植することが関与する。ARTの成功は、卵の発生及び成熟の刺激と関連する母体の危険及び周産期の危険、例えば、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)及び異所性妊娠によって妨げられる。ARTにおいて生じる他の懸念は、継続妊娠率及び生児出生率を支持する良質な胚及び正倍数性胚盤胞の産生である。
【0003】
ゴナドトロピン、例えば、メノトロピン(例えば、ヒト閉経期ゴナドトロピン、又はhMG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)及び黄体形成ホルモン(LH)は、調節卵巣刺激(COS)のために使用されてきており、高度に精製されたメノトロピン(HP-hMG)及び組換えヒトFSH(rFSH)がより最近使用されてきた。HP-hMGは、主にヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の形態でのFSH活性及び外因性LH活性を提供する。卵巣刺激プロトコルの有効性は、サイクルコントロールのためにロングゴナドトロピンホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト又はGnRHアンタゴニストを使用して増進し得る。例えば、rFSHに対してHP-hMGの使用が、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)に由来するrFSH(GONAL-F)と比較して、HP-hMGによる刺激から生じる最高の質の胚(視覚的アセスメントに基づいた)の中での胚の形態、並びに観察される改善された着床、継続妊娠及び生児出生率に影響を与えることができたことを報告した、Devroey et al.,Fertility and Sterility 97:561-71(2012)、Ziebe et al.,Human Reproduction 22(9)2404-13(2007)を参照されたい。
【0004】
卵巣刺激に対する患者の反応は広範に変動するため、処置は個別化されることが多い。例えば、個別化は、不良反応、通常反応又は高反応を予測する、ゴナドトロピン刺激に対する予想される卵巣反応に基づき得る。高卵巣反応者は通常、調節卵巣刺激(COS)の標準的なプロトコルに続いて多数の発達している卵胞を生成する女性であると定義される。これらの患者は一般にARTのための良好な候補者であると考えられるが、高い卵巣反応は、より低い着床率及びより高い流産率、並びにしたがって、通常の卵巣反応と比較すると功を奏する成果の可能性の低下と関連し得る。これらの高反応者はまた、OHSS及びそれと関連する合併症のより大きな危険性がある。
【0005】
予想される高反応者のために改善されたART方法を開発する試みは、より穏やかな刺激プロトコルを探究することが関与してきた。例えば、Rubio et al.,Human Reproduction 25(9):2290-97(2010)は、高反応者に投与されるゴナドトロピンの用量を減少させることによって受精率及び胚の質を改善させることができたが、より低い用量はより少ない卵母細胞をもたらしたと報告した。他の試みは、使用する特定のゴナドトロピンが結果に影響を与えるかどうかを考慮してきた。例えば、La Marca et al.,Fertility and Sterility O-169(2012)は、予想される高反応者(AMH≧5.2ng/mlを有する対象)の中で、CHO細胞に由来するrFSH(GONAL-F)で刺激された群が、有意により多くの卵母細胞を回収されたが、HP-hMGで刺激された群と比較してサイクル毎に有意により低い生児出生率であった(MERIT「ロングアゴニスト」臨床治験において33%に対して20%;MEGASET「アンタゴニスト」治験において34%に対して23%)ことを報告した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、調節卵巣刺激に対して高反応を有すると予想される女性のための、改善された生殖補助技術方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載されている組成物及び方法は、高反応者であると予想されるHP-hMG処置された対象において、刺激の最終日における血清hCGが、生児出生の可能性の重要な予測の判断材料であり、より高い血清hCGは、生児出生のより高い確率と相関するという驚くべき予想外の発見から生じる。言い換えると、本明細書に記載されている組成物及び方法は、刺激の卵胞中期段階における血清hCGを決定し、刺激の最終日における標的血清hCGを達成するためにHP-hMG投薬を調整することが、生児出生のより高い可能性と関連するという驚くべき予想外の発見から生じる。
【0008】
本明細書において提供するのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;選択された患者に75IU~225IUの開始1日用量でHP-hMGを投与することによって調節卵巣刺激を行うことと;調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることを含む、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激によって不妊症を処置する方法である。典型的には、患者は、無排卵患者ではない。患者は、21~35歳であり得、処置の開始において18~30kg/m2のBMIを有し得る。方法は、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル未満であるとき、HP-hMGの1日用量を増加させることを含み得る。方法は、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル未満であるとき、HP-hMGの1日用量を75IU/日だけ増加させることを含み得る。方法は、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるとき、HP-hMGの1日用量を維持することを含み得る。血清hCGの標的卵胞中期閾値レベルは、≧1.5mIU/mLであり得る。調節卵巣刺激の卵胞中期段階は、刺激の5日目、刺激の6日目、及び刺激の7日目から選択し得る。HP-hMGの開始1日用量は、150IU/日であり得る。方法は、刺激の6日目に開始する、ゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニスト(GnRHアンタゴニスト)を投与することをさらに含み得る。方法は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、又は任意選択で、hCGを補充したゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRHアゴニスト)を投与することによって、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含み得る。方法は、(a)卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)新鮮な胚盤胞を着床させること;(b)卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させること;(c)卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させること;或いは(d)卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることをさらに含み得る。
【0009】
また本明細書において提供するのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;選択された患者に75IU~225IUの開始1日用量でHP-hMGを投与することによって調節卵巣刺激を行うことと;調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかを決定することと;患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、任意選択で、hCGを患者に投与することとを含む、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激によって不妊症を処置する方法である。方法は、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル未満であるとき、hCGを5~60IU/日の1日用量で、又は5~60IU/日と等しく投与することを含み得る。
【0010】
また本明細書において提供するのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;選択された患者にrFSHを調節卵巣刺激にとって有効である1日用量で投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと;調節卵巣刺激の卵胞中期段階で開始して、hCGを5~60IU/日の1日用量で、又は5~60IU/日と等しく患者に投与することとを含む、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激によって不妊症を処置する方法である。
【0011】
また本明細書において提供するのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であり、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することとを含む。生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルは、1.5~2.0mIU/mL、より好ましくは、1.8mIU/mLから選択し得る。
【0012】
また本明細書において提供するのは、新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるための、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であり、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することとを含む。生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルは、1.5~2.0mIU/mL、より好ましくは、1.8mIU/mLから選択し得る。
【0013】
また本明細書において提供するのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であり、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることとを含む。
【0014】
また本明細書において提供するのは、新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるための、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であり、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることとを含む。
【0015】
本明細書において記載する使用のための組成物のいずれかにおいて、患者は、処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有し得る;処置は、刺激の前に、患者を血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有するとして同定することをさらに含み得る;患者は、無排卵患者ではない;患者は、21~35歳であり、且つ/又は患者は、処置の開始において18~30kg/m2のBMIを有する。
【0016】
本明細書において記載する使用のためのHP-hMG組成物のいずれかにおいて、組成物は、75~450IUのHP-hMGを含み得、調節卵巣刺激は、HP-hMGを1日当たり75~225IUのhMGの開始用量、好ましくは、150IU/日で、例えば、刺激の1日目から少なくとも5日目まで投与することを含み得る。
【0017】
本明細書において記載する使用のためのHP-hMG組成物のいずれかにおいて、不妊症の処置は、CHO細胞に由来する組換えFSHによる処置と比較して生児出生の可能性を増加し得る。
【0018】
本明細書において記載する使用のための組成物のいずれかにおいて、処置は、hCG、又は任意選択で、hCGを補充したGnRHアゴニストを投与し、且つ/又は刺激の6日目に開始してGnRHアンタゴニストを投与することによって、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含み得る。
【0019】
本明細書において記載する使用のための組成物のいずれかにおいて、処置は、(a)卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)新鮮な胚盤胞を着床させること;或いは(b)卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させること;或いは(c)卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させること;或いは(d)卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることをさらに含み得る。
【0020】
また提供するのは、本明細書に記載のような不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物である。また提供するのは、本明細書に記載のような不妊症の処置における使用のためのhCGを含む組成物である。また提供するのは、本明細書に記載のような不妊症の処置における使用のためのrFSHを含む組成物である。
【0021】
また提供するのは、本明細書に記載のような不妊症を処置するための医薬の調製において使用するためのHP-hMGである。また提供するのは、本明細書に記載のような不妊症を処置するための医薬の調製において使用するためのhCGである。また提供するのは、本明細書に記載のような不妊症を処置するための医薬の調製において使用するためのrFSHである。
【0022】
上記の概要は、例示的及び説明的であり、本発明のさらなる説明を提供することを意図する。本発明の詳細に亘る理解のために、下記の詳細な説明を記載する。他の目的、利点及び新規の特色は、下記の詳細な説明から当業者には容易に明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書に記載されているのは、生殖補助技術方法、例えば、不妊症を処置するための方法である。特に、本明細書に記載されているのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される女性のために特に有用であり得る調節卵巣刺激(COS)方法である。実施例1において示すように、方法は、生児出生の可能性を増加させるために、例えば、生児出生率を増加させるために有用であり得る。
【0024】
本発明は、高反応者であると予想される対象において、調節卵巣刺激の最終日における血清hCGは生児出生の可能性の重要な予測の判断材料であり、より高い血清hCGは生児出生のより高い確率と相関するという本発明者らによる予想外の知見に基づく。下記の実施例1において報告するように、hCGが1mIU/mL増加する毎に、HP-hMG処置された対象における生児出生の見込みは38%増加した。これは、予想される高反応者におけるこのような効果の最初の報告である。Arce and Smitz,Human Fertility,14(3):192-99(2011)は、低用量漸増プロトコルにおいてHP-hMG又はrFSH(GONAL-F)で処置された正常ゴナドトロピンの無排卵不妊症患者のレトロスペクティブ分析を報告するが、ここでは、刺激の終わりにおける血清hCGが正常ゴナドトロピンの無排卵患者における処置成果とプラスに関連していることが見出された。Arce and Smitz,Gynecol.Endocrinol.29(1):46-50(2013)は、21~35日の規則的な月経周期及び卵管因子又は原因不明の不妊症を有する女性、又は軽度の精液異常を有するパートナーにおけるロングGnRHアゴニストプロトコルのHP-hMGアームのレトロスペクティブ分析を報告するが、ここでは、刺激の6日目における血清hCGがその患者部分群における処置成果とプラスに関連していることが見出された。しかし、本発明の前に、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される排卵している女性について、処置成果に対する血清hCGの影響は予想又は報告されてこなかった。
【0025】
このように、いくつかの態様によると、本明細書に記載されているのは、HP-hMG投薬によって刺激の最終日における閾値血清hCGレベルを標的とすることによって、例えば、HP-hMGによる刺激の卵胞中期段階における血清hCGを決定し、HP-hMG投薬を調整して刺激の最終日における標的血清hCGレベルを達成することによって、生児出生の可能性を増加させるための組成物及び方法である。理論に束縛されるものではないが、本明細書において考察されている結果は、HP-hMGに由来する(例えば、HP-hMGによって提供される)hCGが、特に、ゴナドトロピンとしてCHO細胞に由来するrFSHで処置された患者と比較して、予想される高反応者の調節卵巣刺激において使用されるとき、生児出生の可能性にプラスに寄与することを示唆する。
【0026】
また本明細書に記載されているのは、hCG投薬による刺激の最終日における閾値血清hCGレベルを標的とすることによって、例えば、HP-hMG又はrFSHによる調節卵巣刺激の卵胞中期段階において開始するhCGを投与することによって、生児出生の可能性を増加させ、刺激の最終日における標的血清hCGレベルを達成するための組成物及び方法である。
【0027】
定義
本明細書において使用する技術用語及び科学用語は、別段の定義がない限り、本発明が関連する生殖補助技術の当業者が一般に理解する意味を有する。本明細書において、当業者には公知の様々な方法論について参照する。他に特定しない限り、当業者には公知の任意の適切な材料及び/又は方法を、本発明を実行することにおいて利用することができる。しかし、特定の材料及び方法を記載する。以下の説明及び実施例において言及する材料、試薬などは、他に断りのない限り、商業的源から得ることができる。
【0028】
本明細書において使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、単数のみを示すと明確に記述しない限り、単数及び複数の両方を示す。
【0029】
本明細書において使用する場合、用語「約」は、数又は範囲が記載した正確な数又は範囲に限定されないが、数又は範囲が使用される文脈によって当業者が理解するように列挙した数又は範囲の周りの範囲を包含することを意味する。当技術分野における文脈又は慣例から他に明らかでない限り、「約」は、特定の用語のプラス又はマイナス10%までを意味する。
【0030】
本明細書において使用する場合、用語「無排卵」又は「無排卵症」は、月経周期の間にその卵巣が卵母細胞を放出しない患者を指す。したがって、排卵は起こらない。慢性無排卵症は、不妊症の一般的原因である。一般に、本明細書に記載されている組成物及び方法のための患者は、無排卵患者ではない。
【0031】
本明細書において使用するように、「継続妊娠」は、10~11週間の懐胎期間、例えば、胚盤胞/胚移植の8~9週間後における生存胎児及び検出可能な胎児の心拍動を伴う妊娠を指す。
【0032】
本明細書において使用するように、「臨床的妊娠」は、懐胎、及び5~6週間の懐胎期間における、例えば、胚盤胞/胚移植の3~4週間後における検出可能な胎児の心拍動を指す。
【0033】
本明細書において使用する場合、「女性」は、成人の女性のヒトを指す。典型的には、本明細書に記載されている組成物及び方法によって処置される女性は、35歳若しくはそれ未満であり、Arce et al.,Fertility and Sterility 99:1644-53(2013)において記載されているように、Beckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定するとき、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の血清レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、又は異なる方法によってアセスメントした同等のAMHレベル、及び30kg/m2若しくはそれ未満のBMIを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物及び方法によって処置される女性は、処置の前に、21~35歳であると同定される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物及び方法によって処置される女性は、処置の前に、35歳若しくはそれ未満、又は34歳若しくはそれ未満であると同定される。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法によって処置される女性は、処置の前に、21~34歳、又は21~33歳、又は21~32歳、又は21~31歳であると同定される。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法によって処置される女性は、処置の前に、18~30kg/m2のBMIを有すると同定される。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法によって処置される女性は、処置の前に、38kg/m2若しくはそれ未満、36kg/m2若しくはそれ未満、34kg/m2若しくはそれ未満、32kg/m2若しくはそれ未満、30kg/m2若しくはそれ未満、又は28kg/m2若しくはそれ未満のBMI、例えば、18~38、18~36、18~34、18~32、18~30、又は18~28kg/m2のBMIを有するとして同定される。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法によって処置される女性は、18~25kg/m2、18~26kg/m2、18~27kg/m2、18~28kg/m2、18~29kg/m2、又は18~30kg/m2のBMIを有すると同定される。
【0034】
本明細書において使用する場合、「調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される」又は「予想される高反応者」として分類される対象は、調節卵巣刺激(COS)の標準的なプロトコルに続いて多数の卵胞又は卵母細胞を発達させる可能性が高い女性、例えば、15個若しくはそれ超の卵母細胞を産生する平均超の可能性を有する女性を指す。女性は、従前のARTサイクル、例えば、従前のCOS処置において15個若しくはそれ超の卵母細胞を生じた場合、予想される高反応者であると同定し得る。さらに又は代わりに、女性は、OHSSを発生する危険性があると考えられる場合、予想される高反応者であると同定し得る。さらに又は代わりに、女性は、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の血清レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、例えば、Arce et al.,Fertility and Sterility 99:1644-53(2013)において記載されているように、Beckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定したとき、血清AMHレベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、又は異なる方法によってアセスメントされる同等のAMHレベルを有する場合、予想される高反応者であると同定し得る。
【0035】
用語「メノトロピン」は、本明細書において使用するように、「高度に精製されたメノトロピン」又は「HP-hMG」を含めたヒト閉経期ゴナドトロピン又は「hMG」を含む。本明細書において使用する場合、用語「高度に精製されたメノトロピン」及び「HP-hMG」は、LH活性の≧90%、又は≧95%がhCGによって提供される製品を含めた、LH活性の大部分がhCGによって提供されるhMG製品を含めた、卵胞刺激ホルモン(FSH)活性及びヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)によって促進される黄体形成ホルモン(LH)活性の両方を含む高度に精製されたhMG製品を指す。例えば、Foutouh et al.,Reproductive BioMed.Online,14(2):145-47(2007);Wolfenson et al.,Reprod.BioMed.Online,10(4):442-54(2005)を参照されたい。一部の実施形態では、HP-hMGは、FSH及びhCGによって促進されるLH活性を含有する、Ferring Pharmaceuticals,Inc.からの商標MENOPUR(登録商標)で入手可能なHP-hMG製品であり、ここで、LH活性の≧95%は、免疫反応性によってアセスメントされるようにhCG(下垂体hCG)によって提供される。例えば、Arce and Smitz,Human Fertility,14(3):192-99(2011)を参照されたい。使用のために再構成されるように、MENOPUR(登録商標)(75IUのHP-hMG)の1つのバイアルは、75IUのFSH活性及び75IUのLH活性を含有し、ここで、hCGは、約70IUのLH活性を与える。
【0036】
用語「GnRHアゴニスト」は、本明細書において使用するように、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト、例えば、ブセレリン(例えば、SUPRECUR(登録商標))、リュープロレリン(例えば、酢酸ロイプロリド、例えば、LUPRON(登録商標))、ナファレリン(例えば、SYNAREL(登録商標))、及びトリプトレリン(例えば、TRELSTAR(登録商標))を含む。
【0037】
用語「GnRHアンタゴニスト」は、本明細書において使用するように、下垂体ゴナドトロピン産生細胞上のGnRH受容体の競合的遮断によってGnRHの作用を遮断し、このように、ゴナドトロピン産生/放出及び未熟排卵(卵子の放出)を防止する、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニスト、例えば、ガニレリクス酢酸塩(例えば、ORGALUTRAN(登録商標))及び酢酸セトロレリクス(例えば、CETROTIDE(登録商標))を含む。
【0038】
本明細書において使用する場合、語句「有効量」は、薬物がこのような処置を必要としている対象において投与されるための特定の薬理学的効果を提供するように決定された投与量を指す。治療的有効量は、このような投与量がたとえ当業者によって治療的有効量であると見なされても、所与の患者における本明細書に記載されている状態の処置において必ずしも有効とは限らないことが強調される。便宜上、例示的な投与量及び治療的有効量を、成人女性のヒト対象に関して下記で提供する。当業者は、特定の対象及び/又は状態/疾患を処置するために、このような量を標準的な実践に従って必要に応じて調整することができる。
【0039】
生殖補助技術方法
本明細書に記載されている処置方法は、例えば、卵細胞質内精子注入(ICSI)によるin vitroでの受精を含めた、in vitroでの受精のための調節卵巣刺激(COS)が関与する任意の生殖技術方法、受精卵(例えば、胚盤胞/胚)の新鮮移植が関与する方法、その後の着床のために受精卵を凍結することが関与する方法、及びその後の受精のために未受精卵母細胞を凍結することが関与する方法において有用である。
【0040】
上で述べたように、いくつかの態様によると、本発明は、COSに対して高い卵巣反応を有すると予想され、COSを受けている女性においてCOSのためのゴナドトロピンとしてFSH及びhCGの両方によって促進されるLH活性を含む、高度に精製されたメノトロピン(HP-hMG)製品を使用することが関与する生殖技術方法を提供する。上記でまた留意したように、本明細書において開示する組成物及び方法の目的のために、女性は、従前のARTサイクル、例えば、従前のCOS処置において高い卵巣反応を有することに基づいて、或いは抗ミュラー管ホルモン(AMH)の血清レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、例えば、Arce et al.,Fertility and Sterility 99:1644-53(2013)において記載されているように、Beckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定したとき、血清AMHレベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、又は異なる方法によってアセスメントした同等のAMHレベルを有する場合、COSに対して高い卵巣反応を有することが予想されると同定し得る。AMHの血清レベルは、機能的卵巣卵胞の確保のための代替マーカーであり、AMHの血清レベル及び卵巣反応(例えば、卵母細胞の収率)の間の正相関が報告されてきた(同文献)。本明細書に記載されている組成物及び方法によると、女性は典型的には、血清AMHレベルに基づいて、予想される高反応者であると同定される。
【0041】
このように、いくつかの態様によると、本明細書に記載のような生殖補助技術処置方法は、卵胞発達を刺激するためのHP-hMGを使用して、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される女性において調節卵巣刺激を行うことと、刺激の間に血清hCGを決定することと、HP-hMG投薬を調整して、刺激の最終日における標的血清hCGを達成することとを含む。さらに具体的には、本明細書に記載されている組成物及び方法は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;選択された患者にHP-hMGを、例えば、75IU~225IUの開始1日用量で投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと;調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることを含む、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激による不妊症の処置に関する。本明細書に記載されている任意の実施形態では、HP-hMGは、MENOPUR(登録商標)であり得る。
【0042】
処置方法は、調節卵巣刺激を行う前に、例えば、Beckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定したとき、35.7±0.5pmol/Lと等しいか若しくはそれより多い(≧5.0±0.2ng/ml)血清AMHレベル、又は異なる方法によって測定した匹敵するAMHレベルを有することによって、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されるような患者(例えば、女性)を同定することを含み得る。このように、本明細書に記載のような生殖補助技術処置方法は、上記で要約し、下記でより詳細に記載するように、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される女性を選択することと、調節卵巣刺激を行うこととを含み得る。方法は、調節卵巣刺激を行う前に、例えば、女性がBeckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定したとき、35.7±0.5pmol/Lと等しいか若しくはそれより多い(≧5.0±0.2ng/ml)血清AMHレベル、又は異なる方法によって測定した匹敵するAMHレベルを有することを決定することによって、女性が調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると決定することをさらに含み得る。任意の実施形態では、女性は、Beckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定したとき、35.7±0.5pmol/Lと等しいか若しくはそれより多い(≧5.0±0.2ng/ml)血清AMHレベル、又は異なる方法によって測定した匹敵するAMHレベルを有し得るか、又は有すると同定し得る。任意の実施形態では、患者(例えば、女性)は、無排卵女性ではない。
【0043】
いくつかの態様によると、方法は、HP-hMGを対象に卵胞発達を刺激するのに有効な量、例えば、150IU/日又は225IU/日を含めた約75IU/日~約450IU/日で投与することを含む。HP-hMG投与は典型的には、患者の月経周期の2日目若しくは3日目において開始し、処置の1日目(本明細書において刺激の1日目としてまた言及される)は、患者の月経周期の2日目若しくは3日目において行う。HP-hMGの投与は、約1~約20日の総刺激期間、典型的には、8~12日の総刺激期間、さらに具体的には、典型的には、約10日間を含めた約9~11日間、卵胞生成の望ましいレベルに達するまで毎日継続する。
【0044】
HP-hMGは、75IU/日、150IU/日、225IU/日、300IU/日、375IU/日又は450IU/日を含めて約75IU/日~約450IU/日の用量で投与し得るが、これは刺激期間の間に調整し得る。典型的には、HP-hMGの開始用量は150IU/日であるが、75IU/日から225IU/日の範囲であり得る。HP-hMGを含む医薬組成物、例えば、皮下注射のために製剤化されているFerring Pharmaceuticals,Inc.によって販売されているMENOPUR(登録商標)製品は、商業的に入手可能である。
【0045】
例えば、経膣超音波(TVUS)、及び血清エストラジオールレベルによってアセスメントし得る対象の卵巣(卵胞)反応に基づいて、刺激期間の間にゴナドトロピン投薬を調整する(例えば、HP-hMG又はrFSH投薬を増加又は減少させる)ことは当技術分野において公知である。患者の血清エストラジオールレベル及び卵胞>12mmの数の1つ又は両方が低すぎる又は高すぎるとき、例えば、刺激期間の間にゴナドトロピン投薬を調整することは公知である。このようなアセスメント及び調整は、刺激期間の間に、典型的には、刺激の卵胞中期段階の間に、典型的には、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目にいつでも行い得る。
【0046】
本明細書において開示されている組成物及び方法のいくつかの態様によると、HP-hMG投薬は、患者の血清hCGレベルに基づいて、刺激期間の間に(例えば、刺激の卵胞中期段階において)(さらに又は代わりに)調整される。このように、患者の血清hCGレベルは、刺激期間の間に(例えば、刺激の卵胞中期段階において)決定され、血清hCGが標的レベル未満(例えば、標的卵胞中期レベル未満)である場合、HP-hMGの用量を増加させる(例えば、増加させた用量が他の安全性要因、例えば、高い卵巣反応によって禁忌とならない限り)。このようなアセスメント及び調整は、刺激の最終日における血清hCGに影響を与える刺激期間の間のいつでも、例えば、刺激の卵胞中期段階において、典型的には、刺激の4~6日後に、例えば、刺激の6日目を含めた、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目に行い得る。
【0047】
血清hCGは、当技術分野において公知のような酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)又は電気化学発光免疫アッセイによるものを含めて当技術分野において公知の任意の手段によって決定し得る。一部の実施形態では、血清hCGは、hCGについての0.5mIU/mLのより低い検出限界を伴って、ELISAによって測定される。一部の実施形態では、血清hCGは、hCGについての0.1mIU/mLのより低い検出限界を伴って、電気化学発光免疫アッセイによって測定される。血清hCGは典型的には、HP-hMGの一番最近の用量が投与された少なくとも8時間後に患者から採取した血液試料を使用して測定される。
【0048】
本明細書に記載されている組成物及び方法によると、刺激の最終日における標的閾値血清hCGは、1.5~2.0mIU/mLであり得る。標的卵胞中期血清hCG閾値レベルは、刺激の最終日における標的最終日血清hCG閾値レベルを達成するために選択される。一部の実施形態では、刺激の最終日における標的閾値血清hCGは、≧1.8mIU/mL(1.8IU/L)である。このような実施形態と一致して、(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目の)標的卵胞中期血清hCGは、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGを達成するように選択され、このように、例えば、≧1.4mIU/mL、≧1.5mIU/mL、≧1.6mIU/mL、又は≧1.7mIU/mL、例えば、≧1.5mIU/mLであり得る。一部の実施形態では、刺激の最終日における標的閾値血清hCGは、≧2.0mIU/mL(2.0IU/L)である。このような実施形態と一致して、(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目の)標的卵胞中期血清hCGは、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGを達成するように選択され、例えば、≧1.6mIU/mL、≧1.7mIU/mL、≧1.8mIU/mL、又は≧1.9mIU/mLであり得る。一部の実施形態では、刺激の最終日における標的閾値血清hCGは、≧1.5mIU/mL(1.5IU/L)である。このような実施形態と一致して、(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目の)標的卵胞中期血清hCGは、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGを達成するように選択され、例えば、≧1.2mIU/mL、≧1.3mIU/mL、又は≧1.4mIU/mLであり得る。特定の実施形態では、刺激の最終日における標的閾値血清hCGは、≧1.8mIU/mL(1.8IU/L)であり、(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目の)標的卵胞中期血清hCGは、≧1.5mIU/mLである。
【0049】
このように、いくつかの態様によると、本明細書に記載のような生殖補助技術処置方法は、卵胞発達を刺激するのに有効なHP-hMGの1日用量を投与することによって、同定される予想される高反応者において調節卵巣刺激を行うことと、刺激期間の卵胞中期段階において(例えば、刺激の6日目に)、患者の血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと、任意選択で、患者の血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることと(例えば、患者の血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベル未満である場合、HP-hMGの1日用量を増加させることと)を含む。HP-hMGの1日用量は、例えば、37.5IU/日又は75IU/日刻みで、典型的には、75IU/日刻みで増加し得る。増加した1日用量は、刺激期間の残りを通して継続し得る(例えば、増加した用量を継続することが他の安全性要因、例えば、高い卵巣反応によって禁忌とならない限り)。
【0050】
一部の実施形態では、患者の血清hCGレベルは、再び(例えば、最初の決定の1~3日後に)決定し得、方法は、任意選択で、患者の血清hCGレベルが標的レベルであるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることをさらに含み得、ここで、それに続く決定のための標的レベルは、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGを達成するように選択される(例えば、1.8mIU/mLの標的最終日閾値のために≧1.5、又は≧1.6、又は≧1.7mIU/mL)。HP-hMGの1日用量は、例えば、37.5IU/日又は75IU/日刻みで、典型的には、75IU/日刻みで増加し得る。増加した1日用量は、刺激期間の残りを通して継続し得る(例えば、増加した用量を継続させることが、他の安全性要因、例えば、高い卵巣反応によって禁忌とならない限り)。
【0051】
任意選択で、処置方法は、刺激の前及び/又は刺激の最終日を含めた刺激期間の他の段階における血清hCGレベルを決定することを含み得る。
【0052】
刺激期間の卵胞中期段階において血清hCGレベルを決定し、血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベル未満である場合、HP-hMGの1日用量を増加させることによって、本明細書に記載されている処置方法は、刺激の最終日における標的閾値血清hCGレベル(これは生児出生をかなり予測するものであることを本発明者らは決定した)を達成するように設計される。実際、実施例1において報告した結果に基づいて、刺激の最終日において血清hCG≧1.8mIU/mLを有する予想される高反応者患者は、生児出生の85%超の可能性を有した一方で、刺激の最終日において血清hCG<1.8mIU/mLを有する患者は、生児出生の25%未満の可能性を有したことが驚いたことに及び予想外に決定された。さらに、下記の実施例1において報告するように、刺激の最終日における血清hCGにおける1mIU/mL毎の増加は、生児出生の確率を38%だけ増加させたことが驚いたことに及び予想外に見出された。
【0053】
公知のプロトコルによると、ゴナドトロピン(例えば、HP-hMG)は、卵胞生成の望ましいレベルに達するまで毎日投与される。例えば、ゴナドトロピン(例えば、HP-hMG)は、TVUSによって決定し得るように、≧17mmの直径を有する3個の卵胞が発達するまで投与し得る。典型的には、最大のゴナドトロピン投薬期間(刺激期間)は20日であり、典型的な投薬期間は8~12日であり、さらに具体的には、典型的には、約10日を含めた約9~11日である。
【0054】
一部の実施形態では、処置方法は、ゴナドトロピン(例えば、HP-hMG)投与の期間の一部の間のGnRHアンタゴニストの投与を含む。例えば、GnRHアンタゴニストは、一番大きい卵胞が直径14mmに達すると投与し得、ゴナドトロピン(例えば、HP-hMG)投与の期間の残りを通して継続し得る。例えば、GnRHアンタゴニストは、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目(例えば、刺激の6日目)に開始して投与し得、ゴナドトロピン(例えば、HP-hMG)投与の期間の残りを通して継続し得る。GnRHアンタゴニストがガニレリクス酢酸塩(例えば、ORGALUTRAN(登録商標))であるとき、典型的な用量は、皮下に投与される0.25mg/日である。
【0055】
他の実施形態では、処置方法は、調節卵巣刺激を行う前のGnRHアゴニストの投与、例えば、調節卵巣刺激を行う前のトリプトレリン(典型的には、皮下に0.1mg/日で)又はリュープロレリン(例えば、酢酸ロイプロリド、例えば、LUPRON(登録商標))の投与を含む。
【0056】
一部の実施形態では、処置方法は、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含む。例えば、卵胞生成の望ましいレベルに達すると、最終的な卵胞の成熟の誘発は、当技術分野において公知の方法によって、例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)のボーラス注射によって刺激することができる。例えば、最終的な卵胞の成熟の誘発は、それぞれの直径が≧17mmである≧3個の卵胞、及び典型的には、エストラジオール(E2)レベル<10,000pmol/mLを有する患者において刺激し得る。このように、一部の実施形態では、処置方法は、hCGを投与して、最終的な卵胞の成熟を誘発することを含み得る。hCGの用量は、5,000IU~10,000IUであり得る。組換えhCG(例えば、OVITRELLE(登録商標)、Merck)の典型的な用量は、通常、単一の皮下注射によって投与される250μgである(6,500IUのhCG活性)。
【0057】
GnRHアゴニストは、最終的な卵胞の成熟を誘発するhCGの使用に代わるものとして使用し得る。このように、一部の実施形態では、処置方法は、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRHアゴニスト)を投与して、最終的な卵胞の成熟を誘発することを含み得る。GnRHアゴニストは、例えば、COS処置の後、直径が≧12mmの>25個の卵胞若しくは血清エストラジオール(E2)レベル≧5,000pmol/Lを有するか、又は直径が≧12mmの>30個の卵胞若しくは血清エストラジオール(E2)レベル≧5,000pmol/L、若しくはエストラジオール(E2)レベル≧10,000pmol/L、又は直径が≧12mmの≧20個の卵胞若しくはエストラジオール(E2)レベル≧15,000pmol/Lを有する患者において、例えば、過剰な反応の場合、最終的な卵胞の成熟を誘発するために使用し得る。GnRHアゴニストは、典型的には、例えば、1~4mgの用量で使用される、酢酸ロイプロリド、例えば、LUPRON(登録商標)であり得る。GnRHアゴニストは、典型的には、例えば、0.2mgの用量で使用される、酢酸トリプトレリン、例えば、DECAPEPTYL(登録商標)であり得る。GnRHアゴニストを使用して最終的な卵胞の成熟を誘発するとき、少量のhCG、例えば、500~3000IUのhCGをまた使用し得る。GnRHアゴニストが使用されて、最終的な卵胞の成熟を誘発するとき、例えば、安全性の理由のために、(下記で考察する)「全凍結」プロトコルに典型的には従う。
【0058】
一部の実施形態では、処置方法はさらに、卵母細胞を回収することと、当技術分野において公知の方法、例えば、ICSIによって卵母細胞を受精させることとを含む。
【0059】
一部の実施形態では、処置方法は、新鮮移植方法である。新鮮移植方法のために、1つ若しくは複数の胚盤胞を移植のために選択する。残りの胚盤胞は、将来の移植のために当技術分野において公知の方法によって凍結することができる(ガラス化を含めた)。このように、新鮮移植の実施形態において、方法は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞を回収することと、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を任意選択で選択することと、子宮において新鮮な胚盤胞(任意選択で、例えば、質/形態のアセスメントに基づいて選択された)を着床させることとを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載されている組成物及び方法は、単一の胚盤胞移植プロトコルにおいて使用され、ここで、単一の胚盤胞が新鮮移植のために使用される。それらの実施形態によると、残りの胚盤胞は、将来の移植のために当技術分野において公知の方法によって凍結することができる。
【0060】
一部の実施形態では、方法は、凍結移植方法である。凍結移植の実施形態において、方法は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることとを含む。凍結及び「全凍結」方法のために、選択した胚盤胞は、将来の着床/移植のために当技術分野において公知の方法によって凍結する。
【0061】
一部の実施形態では、未受精卵母細胞は凍結されている。そのような実施形態では、方法は、卵母細胞を回収することと、当技術分野において公知の方法によって将来の受精のために1個若しくは複数又は全ての回収された卵母細胞を凍結することとを含む。そのような実施形態では、方法は、それに続いて、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞を融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を任意選択で選択することと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させることとを含み得る。代わりに、方法は、卵母細胞を回収することと、将来の受精のために1個若しくは複数又は全ての回収された卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体のアセスメントを行うことと、胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることとを含み得る。
【0062】
上で述べたように、一部の実施形態では、方法は、胚盤胞の染色体の質をアセスメントすること、又は染色体のアセスメントに基づいて胚盤胞を選択することを含む。これは、当技術分野において公知の方法、例えば、遺伝子及び染色体情報のための胚盤胞(胚)を検査するために使用される、異数性についての着床前遺伝子検査(PGSとしてまた公知のPGT-A)又は着床前遺伝子診断(PGD)によって行い得る。PGS又はPGDが使用されるとき、全ての染色体をアセスメントすることができ、染色体異常である危険性が低いと同定される胚盤胞のみを胚移植(子宮における着床)のために選択する。これは、胚がインキュベーター中での発達の3日若しくは5日後に顕微鏡下でのそれらの外観によって選択される伝統的な方法に代わるものである。
【0063】
上に記載のように、本明細書に記載されている組成物及び方法は、特に、CHO細胞に由来する組換え卵胞刺激ホルモン(rFSH)(例えば、GONAL-F、EMD Serono)をゴナドトロピンとして使用する匹敵する方法と比較して、例えば、in vitroでの受精及び新鮮若しくは凍結移植の後で、生児出生の可能性を増加させるために有用である。
【0064】
このように、一部の実施形態によれば、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;選択された患者にHP-hMGを、例えば、75IU~225IU、例えば、150IU/日の開始1日用量で投与することによって調節卵巣刺激を行うことと;調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目から選択される)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることを含む、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激によって不妊症を処置する方法を提供する。また提供するのは、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;選択された患者にHP-hMGを、例えば、75IU~225IU、例えば、150IU/日の開始1日用量で投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと;調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目から選択される)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることを含む、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者において、in vitroでの受精及び新鮮若しくは凍結移植の後で、生児出生の可能性を増加させるための方法である。上記で考察するように、患者は、35.7±0.5pmol/Lと等しいか若しくはそれより多い(≧5.0±0.2ng/ml)血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベルを有し得る;任意選択で、方法は、患者が35.7±0.5pmol/Lと等しいか若しくはそれより多い(≧5.0±0.2ng/ml)血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベルを有することを決定することをさらに含み得る。上記で考察するように、方法は、例えば、刺激の6日目に開始して、ゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニスト(GnRHアンタゴニスト)を投与することをさらに含み得る。上記で考察するように、方法は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)又はゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRHアゴニスト)(任意選択で、hCGを補充した)を投与することによって、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含み得る。上記で考察するように、方法は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞を回収することと、任意選択で、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を選択することと、子宮に新鮮な胚盤胞を着床させることとをさらに含む、新鮮移植方法であり得る。代わりに、方法は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、任意選択で、胚盤胞の染色体の質をアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を子宮に着床させることとをさらに含む、凍結移植方法であり得る。代わりに、方法は、卵母細胞を回収することと、1個若しくは複数又は全ての未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を任意選択で選択することと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させることとを含み得る。代わりに、方法は、卵母細胞を回収することと、1個若しくは複数又は全ての未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体のアセスメントを行うことと、胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることとを含み得る。
【0065】
本発明によると、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者(例えば、女性)における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物(例えば、医薬組成物)をまた提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、患者の月経周期の2日目若しくは3日目から);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することとを含む。生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルは、1.5~2mIU/mL、より好ましくは、1.8mIU/mLであり得る。
【0066】
本発明によると、新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させる、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者(例えば、女性)における不妊症の処置における使用のためのHP=hMGを含む組成物(例えば、医薬組成物)をまた提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を患者に処置の1日目から(例えば、患者の月経周期の2日目若しくは3日目から)投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと;調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することとを含む。最終的な卵胞の成熟の誘発の日における生児出生の可能性の増加をもたらす血清hCGの特定の閾値レベルは、1.5~2mIU/mL、より好ましくは、1.8mIU/mLであり得る。
【0067】
本発明によると、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者(例えば、女性)における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物(例えば、医薬組成物)をまた提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、患者の月経周期の2日目若しくは3日目から);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加(例えば、75IU/日刻みで)させることとを含む。血清hCGの標的卵胞中期レベルは、1.3~1.7mIU/mLであり得、より好ましくは、1.5mIU/mLである。
【0068】
患者は、処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有し得る。処置は、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、例えば、Arce et al.,Fertility and Sterility 99:1644-53(2013)において記載されているように、Beckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定するとき、AMHレベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、又は処置/刺激の前に異なる方法によってアセスメントした同等のAMHレベルを有する患者を同定するさらなるステップを含み得る。
【0069】
本発明の実施例において、患者は、無排卵患者ではない。
【0070】
組成物は、75~450IUのHP-hMG、例えば、MENOPUR(登録商標)を含み得る。不妊症の処置は、(患者に)75IU/日、150IU/日、225IU/日、300IU/日、375IU/日又は450IU/日(刺激期間の間に調整し得る)を含めて、1日当たり75~450IUのHP-hMGの用量を、卵胞生成の望ましいレベルに達するまで、約1~約20日の総刺激期間(処置期間)、典型的には、8~12日、さらに具体的には、典型的には、約10日を含めた約9~11日の総刺激期間、投与することを含み得る。
【0071】
処置は、一番大きい卵胞が直径14mmに達すると開始して、及び/又は刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目(例えば、刺激の6日目)にGnRHアンタゴニストを投与するさらなるステップを含み得、HP-hMG投与の期間の残りを通して継続する。
【0072】
本明細書に記載のような不妊症の処置は、特に、ゴナドトロピンとしてCHO細胞に由来する組換え卵胞刺激ホルモン(rFSH)(例えば、GONAL-F、EMD Serono)を使用した処置の匹敵する方法と比較して、生児出生のより高い可能性と関連する。
【0073】
処置は、上記のように最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含み得る。このように、処置は、hCG(例えば、組換えhCG)又はGnRHアゴニストを投与して、最終的な卵胞の成熟を誘発することを含み得る。上記で考察するように、GnRHアゴニストを使用して最終的な卵胞の成熟を誘発するとき、少量のhCGをまた使用し得る。
【0074】
処置は、卵母細胞を回収(例えば、収集)することと;卵母細胞を受精させる(例えば、精液を注入する)ことと;受精卵母細胞を胚盤胞段階へと発達させることとをさらに含み得る。受精(例えば、精液を注入すること)は、in vitroでの受精、任意選択で、卵細胞質内精子注入(ICSI)であり得る。
【0075】
処置は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞を回収することと、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を任意選択で選択することと、子宮において新鮮な胚盤胞(任意選択で、例えば、質/形態のアセスメントに基づいて選択された)を着床させることとを含む、新鮮移植方法であり得る。処置は、単一の胚盤胞移植プロトコルであり得、ここで、単一の胚盤胞が新鮮移植のために選択される。任意選択で、残りの胚盤胞は、将来の移植のために当技術分野において公知の方法によって凍結することができる。
【0076】
方法は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることとを含む、凍結移植方法であり得る。凍結及び「全凍結」方法のために、選択された胚盤胞は、将来の着床/移植のために当技術分野において公知の方法によって凍結される。
【0077】
方法は、未受精卵母細胞を凍結することが関与し得る。このように、方法は、卵母細胞を回収することと、1個若しくは複数又は全ての回収された卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を任意選択で選択することと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させることとを含み得る。代わりに、方法は、卵母細胞を回収することと、1個若しくは複数又は全ての回収された卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体のアセスメントを行うことと、胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることとを含み得る。
【0078】
一例において、処置は、(患者に)1日当たり150IUのHP-hMGの用量を処置の1日目から投与することと、処置の6日目において、患者のhCGの血清レベルが≧1.5mIU/mLであるかどうかを決定することと、任意選択で、患者のhCGの血清レベルが≧1.5mIU/mLであるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加(例えば、75IU/日刻みで)させること、例えば、患者のhCGの血清レベルが<1.5mIU/mLである場合、HP-hMGの1日用量を75IU/日だけ増加させることとを含む。
【0079】
本発明によると、新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるための、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者(例えば、女性)において不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物(例えば、医薬組成物)をまた提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、患者の月経周期の2日目若しくは3日目から);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかを決定することと;任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加(例えば、75IU/日刻みで)させることとを含む。血清hCGの標的卵胞中期閾値レベルは、1.3~1.7mIU/mLであり得、より好ましくは、1.5mIU/mLである。
【0080】
患者は、処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有し得る。処置は、例えば、Arce et al.,Fertility and Sterility 99:1644-53(2013)において記載されているように、Beckmann-Coulter第2世代アッセイを使用して測定したとき、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)、又は処置/刺激の前に異なる方法によってアセスメントした同等のAMHレベルを有する患者を同定するさらなるステップを含み得る。
【0081】
本発明の実施例において、患者は、無排卵患者ではない。
【0082】
組成物は、75~450IUのHP-hMG、例えば、MENOPUR(登録商標)を含み得る。不妊症の処置は、(患者に)75IU/日、150IU/日、225IU/日、300IU/日、375IU/日又は450IU/日(これは刺激期間の間に調整し得る)を含めた、1日当たり75~450IUのHP-hMGの用量を、卵胞生成の望ましいレベルに達するまで、約1~約20日の総刺激期間(処置期間)、典型的には、8~12日間、さらに具体的には、典型的には、約10日を含めた約9~11日の総刺激期間、投与することを含み得る。
【0083】
処置は、一番大きい卵胞が直径14mmに達すると開始して、及び/又は刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目(例えば、刺激の6日目)にGnRHアンタゴニストを投与するさらなるステップを含み得、HP-hMG投与の期間の残りを通して継続する。
【0084】
本明細書に記載のような不妊症の処置は、特に、ゴナドトロピンとしてCHO細胞に由来する組換え卵胞刺激ホルモン(rFSH)(例えば、GONAL-F、EMD Serono)を使用した処置の匹敵する方法と比較して、生児出生のより高い可能性と関連する。
【0085】
処置は、上記のように最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含み得る。このように、処置は、hCG(例えば、組換えhCG)又はGnRHアゴニストを投与して、最終的な卵胞の成熟を誘発することを含み得る。上記で考察するように、GnRHアゴニストを使用して最終的な卵胞の成熟を誘発するとき、少量のhCGをまた使用し得る。
【0086】
処置は、卵母細胞を回収(例えば、収集)することと;卵母細胞を受精させる(例えば、精液を注入する)ことと;受精卵母細胞を胚盤胞段階へと発達させることとをさらに含み得る。受精(例えば、精液を注入すること)は、in vitroでの受精、任意選択で、卵細胞質内精子注入(ICSI)であり得る。
【0087】
処置は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞を回収することと、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を任意選択で選択することと、子宮において新鮮な胚盤胞(任意選択で、例えば、質/形態のアセスメントに基づいて選択された)を着床させることとを含む、新鮮移植方法であり得る。処置は、単一の胚盤胞移植プロトコルであり得、ここで、単一の胚盤胞を新鮮移植のために選択する。任意選択で、残りの胚盤胞は、将来の移植のために当技術分野において公知の方法によって凍結することができる。
【0088】
方法は、卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることとを含む、凍結移植方法であり得る。凍結及び「全凍結」方法のために、選択した胚盤胞は、将来の着床/移植のために当技術分野において公知の方法によって凍結される。
【0089】
方法は、未受精卵母細胞を凍結することが関与し得る。このように、方法は、卵母細胞を回収することと、1個若しくは複数又は全ての回収された卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、質/形態のアセスメントに基づいて胚盤胞を任意選択で選択することと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させることとを含み得る。代わりに、方法は、卵母細胞を回収することと、1個若しくは複数又は全ての回収された卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体のアセスメントを行うことと、胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させることとを含み得る。
【0090】
一例において、処置は、(患者に)1日当たり150IUのHP-hMGの用量を処置の1日目から投与することと、処置の6日目において、患者のhCGの血清レベルが≧1.5mIU/mLであるかどうかを決定することと、任意選択で、患者のhCGの血清レベルが≧1.5mIU/mLであるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加(例えば、75IU/日刻みで)させること、例えば、患者のhCGの血清レベルが<1.5mIU/mLである場合、HP-hMGの1日用量を75IU/日だけ増加させることとを含む。
【0091】
代わりの実施形態では、本明細書に記載されている処置方法は、患者の血清hCGレベルが標的レベル未満であるとき、hCGを投与すること、例えば、HP-hMGをhCGで補充することを含む。NOVAREL(登録商標)(Ferring Pharmaceuticals,Inc.)、PREGNYL(登録商標)(Merck)、及びOVIDREL(登録商標)(EMD Serono)を含めた適切なhCG製品は、市販である。この目的のために使用されるとき、hCGは、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGレベルを達成するように選択される用量で、例えば、5~60IU/日の用量で投与される(又はマイクログラム、例えば、0.20~2.3μg/日で投薬される、同等の量のOVIDREL(登録商標))。
【0092】
このような実施形態によると、本明細書に記載のような生殖補助技術処置方法は、卵胞発達を刺激するのに有効なHP-hMGの1日用量を投与することによって、同定された予想される高反応者において調節卵巣刺激を行うことと、刺激期間の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目に)、患者の血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと、任意選択で、患者の血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかどうかに基づいて、hCGを(例えば、5~60IU/日の用量で)投与することを含み得る。hCG補充は、刺激期間の残りを通して継続し得る。
【0093】
これらの実施形態によると、hCG補充は、HP-hMGの1日用量を増加させることに加えて、又はそれに代わるものとして行い得る。このように、例えば、患者の血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベルでない場合、hCGを投与し得、任意選択で、HP-hMGの1日用量は増加し得る。
【0094】
一部の実施形態では、患者の血清hCGレベルは、再び(例えば、最初の決定の1~3日後に)決定し得、方法は、任意選択で、(i)HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることと、及び/又は(ii)患者の血清hCGレベルが標的レベルであるかどうかに基づいて、hCGの1日用量を維持若しくは増加させることとをさらに含み得、ここで、それに続く決定のための標的レベルは、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGを達成するように選択される(例えば、1.8mIU/mLの標的最終日閾値のために≧1.5、又は≧1.6、又は≧1.7mIU/mL)。
【0095】
上記で考察したHP-hMGの実施形態のバリエーションにおいて、HP-hMGの1日用量は、患者の血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベルではない(例えば、≧1.5mIU/mL)という最初の決定の後で増加し得、hCG補充は、患者の血清hCGレベルが標的閾値レベルではないというそれに続く決定の後で開始し得、又は逆もまた同じである。
【0096】
このように、本発明によると、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物を提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、任意選択で、hCGを患者に投与することとを含む。方法は、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル未満であるとき、hCGを5~60IU/日の1日用量で投与することを含み得る。
【0097】
さらなる代わりの実施形態では、本明細書に記載されている処置方法は、例えば、当技術分野において公知のプロトコルに従って、調節卵巣刺激のためのゴナドトロピンとしてFSH(例えば、rFSH)を使用することを含む。本明細書において使用するように、「rFSH」は、調節卵巣刺激のための使用のために承認された組換えヒトFSH製品、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系において発現しているホリトロピンアルファ(GONAL-F、Merck Serono/EMD Serono)及びフォリトロピンベータ(PUREGON(登録商標)及びFOLLISTIM(登録商標)、MSD/Schering-Plough)、並びにヒト細胞系において発現しているフォリトロピンデルタ(REKOVELLE(登録商標)、Ferring)を含む。例えば、CHO細胞に由来するrFSH製品は、75~450IU/日の用量で投与し得、典型的な開始用量は、75~225IU/日、例えば、150IU/日又は225IU/日、典型的には、150IU/日である。ヒト細胞に由来するrFSH製品、例えば、REKOVELLE(登録商標)は、6~24μgの1日用量でマイクログラムベースで投薬し得、典型的な開始用量は12~15μg/日である。
【0098】
このような実施形態によると、hCG補充は、調節卵巣刺激の最終日までに標的最終日血清hCGレベル(例えば、≧1.8mIU/mL)を達成するために卵胞中期段階において開始する。この目的のために使用されるとき、hCG(例えば、NOVAREL(登録商標)、Ferring Pharmaceuticals,Inc.;PREGNYL(登録商標)、Merck;又はOVIDREL(登録商標)、EMD Serono)は、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGレベルを達成するように選択される用量で、例えば、5~60IU/日の用量で投与される(又は、マイクログラム、例えば、0.20~2.3μg/日で投薬される同等の量のOVIDREL(登録商標))。
【0099】
このような実施形態によると、本明細書に記載のような生殖補助技術処置方法は、卵胞発達を刺激するのに有効な1日用量のrFSHを、刺激期間の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目に)投与し、hCGを(例えば、5~60IU/日の用量で)投与することによって、同定された予想される高反応者において調節卵巣刺激を行うことを含み得る。hCG補充は、刺激期間の残りを通して継続し得る。一部の実施形態では、患者の血清hCGレベルは、hCG補充の開始の1~3日後に決定し得、方法は、任意選択で、患者の血清hCGレベルが標的レベルであるかどうかに基づいて、hCGの1日用量を維持若しくは増加させることをさらに含み得、ここで、それに続く決定のための標的レベルは、刺激の最終日までに標的最終日閾値血清hCGを達成するように選択される(例えば、≧1.8mIU/mLの標的最終日閾値のために≧1.5、又は≧1.6、又は≧1.7mIU/mL)。
【0100】
このように、本発明によると、さらなる態様において、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのrFSHを含む組成物を提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;卵胞発達を刺激するのに有効な1日用量のrFSHを選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、CHO細胞に由来するrFSH製品について75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日、又はヒト細胞系に由来するrFSH製品について6~24μg/日、好ましくは、12~15μg/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階から開始して(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目に開始して)、hCGを患者に5~60IU/日の1日用量で投与することを含む。
【0101】
関連する態様において、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのhCGを含む組成物を提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;卵胞発達を刺激するのに有効な1日用量のrFSHを選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、CHO細胞に由来するrFSH製品について75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日、又はヒト細胞系に由来するrFSH製品について6~24μg/日、好ましくは、12~15μg/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階から開始して(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目に開始して)、hCGを患者に5~60IU/日の1日用量で投与することを含む。
【0102】
関連する態様では、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのrFSH及びhCG(例えば、別々の容器中)を含む製品を提供し、ここで、処置は、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;卵胞発達を刺激するのに有効な1日用量のrFSHを選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、CHO細胞に由来するrFSH製品について75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日、又はヒト細胞系に由来するrFSH製品について6~24μg/日、好ましくは、12~15μg/日);調節卵巣刺激の卵胞中期段階から開始して(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目に開始して)、hCGを患者に5~60IU/日の1日用量で投与することを含む。
【0103】
本明細書に記載の方法のさらなる態様を、いかなる点においても限定的ではない下記の実施例において例示する。
【実施例】
【0104】
実施例1-MEGASET HR臨床治験及びレトロスペクティブ分析
下記は、多施設無作為化評価者盲検比較対照非劣性治験において捕集した卵細胞質内精子注入及び単一の胚盤胞移植(新鮮移植)を受けている18~30kg/m2のBMI及び血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)≧35.7pmol/Lを有する21~35歳の620人の女性におけるデータのレトロスペクティブ分析について記載する。治験は、「MENOPUR(登録商標)in a Gonadotropin-Releasing Hormone(GnRH)Antagonist Cycle With Single-Blastocyst Transfer in a High Responder Subject Population(MEGASET HR)」と命名された(ClinicalTrials.gov識別子NCT02554279)。さらなる詳細は、clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT02554279及びWitz et al.,Fertility and Sterility、近刊(2020年3月29日にオンラインで発表)において見出すことができる。
【0105】
1.研究集団
主要な対象患者基準は、妊娠を望む21~45日の規則的な排卵月経周期及び18~30kg/m2の肥満度指数(BMI)を有する21~35歳の女性であった。患者/対象は、スクリーニングにおいて血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)≧5ng/mL(35.71pmol/L)を有する対象として定義された予想される高反応者であった。対象は、不妊症の文書化された履歴(例えば、ドナー精子を受けていても、少なくとも12カ月間又は少なくとも6カ月間妊娠することができない)、及び月経周期の2日目若しくは3日目に1~12IU/L(両端を含む)の血清FSHレベルを有した。
【0106】
除外基準は、判明しているIII~IV期の子宮内膜症;その後に生児出生とならない反復性流産の履歴(反復性とは2回若しくはそれより多い連続した流産と定義される);及びゴナドトロピンに対する不良な反応による従前のin vitroでの受精(IVF)又は生殖補助技術(ART)の不成功であった(不良な反応とは、不良な反応による卵母細胞回収の前の、≦2個の成熟した卵胞の発達又は2回の従前の失敗したサイクルキャンセルの履歴と定義される)。無排卵女性をまた除外した。
【0107】
2.研究プロトコル
これは、米国の高反応者対象集団における強制的単一胚盤胞移植(新鮮移植)でのGnRHアンタゴニストサイクルにおけるHP-hMG及びrFSHを比較する、多施設無作為化評価者盲検第IV相臨床治験であった。この研究の目的は、IVF/ICSI処置を受けている潜在的な高反応者における継続妊娠率(OPR)に関して、HP-hMGがrFSHより少なくとも非劣性であることを示すことであった。
【0108】
対象は、Beckman Coulter-DSL assay(Chaska、MN)からの材料及び試薬を利用した個別参照実験室(ReproSource,Inc.、Woburn、MA)を使用して、Arce et al.,Fertility and Sterility 99:1644-53(2013)において記載されているように、Beckmann-Coulter第2世代アッセイによるAMHの血清レベル≧5.0ng/ml(例えば、≧35.7pmol/L)に基づいて潜在的な高卵巣反応者として分類された。
【0109】
GnRHアンタゴニストサイクルにおけるゴナドトロピンとして、150IU用量のHP-hMG(N=311;MENOPUR(登録商標)、Ferring Pharmaceuticals,Inc.)又はrFSH(N=309;GONAL-F、EMD Serono)によるCOSを受けるために対象を1:1に無作為化した。処置は、最初の5日間、150IUのHP-hMG又はrFSHの用量で月経周期の2日目若しくは3日目に開始した。刺激の6日目以降、投薬は、TVUSによってアセスメントした卵胞反応に基づいて、調整毎に75IUだけ必要に応じて毎日調整することができた。しかし、最大ゴナドトロピン用量は、300IU/日であった。ゴナドトロピン投薬は最大で20日間継続することができ、コースティングは禁止された。
【0110】
一番大きい卵胞の直径が>14mmであるとき、GnRHアンタゴニスト(ガニレリクス酢酸塩)を0.25mgの1日用量で開始し、ゴナドトロピン処置期間を通して継続した。
【0111】
≧17mm直径の3個の卵胞がTVUS上で観察されるとすぐに、250μgのhCG(絨毛性ゴナドトロピンアルファ)の単一の注射を投与して、最終的な卵胞の成熟を誘導した。しかし、対象が過剰な卵巣反応(それぞれ≧12mmの>30個の卵胞及び/又はエストラジオール(E2)レベル≧5,000pg/mL)を有した場合、GnRHアゴニスト(4mgの酢酸ロイプロリド)を最後のGnRHアンタゴニスト用量の≧12時間後に投与し、新鮮移植をキャンセルし、全ての胚盤胞の生検を行った;OHSSの危険性を減少させるために、生存胚盤胞はそれに続く移植サイクルにおける使用のために凍結した。
【0112】
卵母細胞回収は、hCG又はGnRHアゴニスト投与の概ね36時間後に行った。卵母細胞は、回収の4±1時間後にICSIによってパートナーの精子を使用して精液を注入した。卵母細胞、胚及び胚盤胞の質をアセスメントした。ICSIに続いて5日目に、形態(Gardner及びSchoolcraftスケール)による最良の質の単一の胚盤胞を移植した(新鮮移植);全ての残りの胚盤胞は、ガラス化法を使用して凍結した。
【0113】
卵母細胞回収の翌日、黄体期賦活のためにプロゲステロン膣剤(100mg、1日2回-ENDOMETRIN(登録商標);Ferring)を開始したが、これはβ-hCG検査の日(胚盤胞/胚移植の10~15日後)まで継続した。黄体賦活は継続妊娠が確認されるまで継続することができた。
【0114】
生化学的妊娠は、胚盤胞移植の概ね2週間後に陽性のβ-hCG検査によって確認した。臨床的妊娠は、5~6週間の懐胎期間において胎児の心拍動を伴う少なくとも1つの子宮内胎嚢を示すTVUSによって確認した。継続妊娠は、10~11週間の懐胎期間における少なくとも1つの子宮内生存胎児によって確認した。
【0115】
新鮮サイクルにおける継続妊娠を有さない対象について、単一の凍結胚盤胞移植は治験における対象の無作為化の6カ月以内に開始することができた。PGS結果を使用して、凍結移植のための正倍数性胚盤胞を選択することができた。胚盤胞移植情報、β-hCG検査、臨床的妊娠、継続妊娠、妊娠喪失率及び生児出生を含めた凍結融解胚移植サイクルデータを捕集した。
【0116】
治験後の経過観察は、新鮮サイクル又は無作為化1年後凍結融解胚置換サイクルにおける継続妊娠を伴う全ての対象について集めた分娩情報(生児出生及び新生児の健康)の捕集を含んだ。新鮮サイクルの後の生児出生率、並びに新鮮及び無作為化6カ月後凍結融解胚置換サイクルの後の累積的生児出生率を、治験後の経過観察の一部として評価した。
【0117】
使用したHP-hMGは、乾燥HP-hMG(75IUのFSH活性、及びhCGによって提供されるLH活性を含めた75IUのLH活性を提供する75IUのHP-hMG)を含有するバイアル、並びに再構成のための溶媒を含有するバイアルとして提供されるMENOPUR(登録商標)(Ferring Pharmaceuticals,Inc.によって提供)であった。再構成の後、各バイアルは、75IUのFSH活性、及びhCGによって提供されるLH活性を含めた75IUのLH活性を含有する。
【0118】
使用したFSHは、注射のための溶液として提供される組換えFSH(GONAL-F、EMD Serono)であった。
【0119】
使用した他の薬物:
・Merckによって製造され、0.25mgのガニレリクスを送達する事前充填したシリンジ(0.5mL)として提供されるガニレリクス酢酸塩の注射。一番大きい卵胞が≧14mmという測定値であり、且つ/又は血清E2レベルが≧300pg/mLとなったら、ガニレリクス酢酸塩を0.25mgの1日用量で開始し、ゴナドトロピン処置期間を通して続けた。
・EMD Seronoによって製造され、250μgの絨毛性ゴナドトロピンアルファを送達する事前充填したシリンジ(0.5mL)として提供され、≧17mm直径の3個の卵胞がTVUS上で観察されるとすぐに単一の注射として投与される、OVIDREL(登録商標)(絨毛性ゴナドトロピンアルファ)。
・Ferringによって製造され、1日2回経膣的に投与される膣剤として提供され、それぞれが100mg(200mg/日)を送達する、ENDOMETRIN(登録商標)(プロゲステロン)。
【0120】
主要エンドポイントは継続妊娠率であったが、継続妊娠は、10~11週間の懐胎期間における検出可能な胎児の心拍動を伴う生存胎児による少なくとも1つの子宮内妊娠の存在として定義される。二次的エンドポイントは、
・生化学的妊娠率(陽性のβ-hCG検査)
・臨床的妊娠率(5~6週間の懐胎期間における胎児の心拍動を伴う少なくとも1つの子宮内胎嚢を示す経膣超音波検査)
・早期の流産(2回の陽性のβ-hCG検査ではあるが、新鮮サイクルにおける10~11週間の懐胎期間において継続妊娠を伴わないと定義される)
・生児出生率
・TVUS、卵胞レベル(卵胞の総数、卵胞≦9mm、10~11mm、12~14mm、15~16mm、及び≧17mmの数)並びに対象レベル(最も大きな卵胞サイズ、平均卵胞サイズ、3個の最も大きな卵胞の平均サイズ、並びに卵胞≧17mm、≧15mm、及び≧12mmの平均数)によってアセスメントするような卵胞発達
・内分泌プロファイル(血清エストラジオール[E2]、プロゲステロン[P4]、hCG、LH)
・回収された卵母細胞、受精率、及び胚の質
を含んだ。
【0121】
3.血清アッセイ
血液試料は、刺激の開始の前、刺激の6日目、及び刺激の最終日を含めた、刺激期間の前及び刺激期間を通して採取した。血清は、AMH(Beckman Coulter第2世代)、FSH、LH、及びhCGについてELISAを使用して、エストラジオールについて二次元高速液体クロマトグラフィー及びタンデム質量分析法を使用して、並びにプロゲステロン及びテストステロンについて液体クロマトグラフィー及びタンデム質量分析法を使用して分析した。検出下限は下記の通りであった:FSH、0.017mIU/mL;LH、0.005mIU/mL;βhCG、0.5mIU/mL;エストラジオール、1.0pgl/mL、プロゲステロン、10ng/dL、及びテストステロン、2.5ng/dL。
【0122】
4.結果及びレトロスペクティブ分析
継続妊娠の一次的エンドポイントについての非劣性目的を満たした。HP-hMGは、rFSHに対して数値的により高い継続妊娠率と関連した(30.7%に対して35.5%、P>0.05)。rFSHアームにおける患者毎の卵母細胞の平均数(±SD)(22.2±11.54)は、hMGアーム(15.1±10.12)におけるより高かったが、卵巣反応における差異はOHSSの率における統計的に有意な増加(9.7%に対して21.4%;p<0.05)が伴った。
【0123】
本レトロスペクティブ分析のために、無作為化の6カ月以内に起こった全ての新鮮移植及び任意の凍結移植に起因する生児出生の成果を集めた。ロジスティック回帰を行って、各因子(必要に応じて来院毎)及び生児出生率の間の関係を別々に同定した。処置群(HP-hMG、rFSH)による因子の相互作用効果を調査した。結果は、オッズ比(OR)及び対応するp値を伴う95%信頼区間(CI)として報告した。
【0124】
レトロスペクティブ分析は、HP-hMG処置された対象における刺激の最終日における血清hCGが、1.38のオッズ比を伴って生児出生の可能性に対して有意な効果を有したことを示した(CI:1.00、1.89)(p値:0.048)。hCGにおける1mIU/mLの増加毎に、生児出生の見込みは38%増加した。刺激の6日目における血清hCGは、HP-hMG群において統計的に有意な予測の判断材料ではなかった(p=0.73)。hCGは、rFSH処置された対象の血清において検出することができなかった。
【0125】
レトロスペクティブ分析はまた、6日目に処置群毎に有意な血清FSH相互作用を示した。血清FSHにおける1IU/mLの増加毎に、生児出生のオッズ比は、HP-hMG処置された対象と比較してrFSH処置された対象において13%だけ低減したが、0.87のオッズ比(CI:0.77、0.98)(p値:0.020)を伴なった。HP-hMGがFSH活性を含むにも関わらず処置群の間のこの差異が見られ、これは、rFSH処置された対象において見られる効果がhCGによって相殺されないFSHによるものであり得ることを示す。
【0126】
評価した時点/パラメーターにおいて、生児出生との他の有意な関係は見出されなかった。
【0127】
理論に束縛されるものではないが、本分析は、HP-hMGに由来する(例えば、HP-hMGによって提供される)hCGが、予想される高反応者の調節卵巣刺激において使用されるとき、生児出生の可能性にプラスに寄与することを示唆する。この関係の原因は明らかではない。しかし、rFSH処置された群と比較して、HP-hMG処置された群における同様の累積的な生児出生の成果に達するのにより少ない新鮮及び凍結移植が必要とされた。
【0128】
実施例2
予想される高反応者のための例示的な不妊症処置方法を下記で概要を述べる。HP-hMG投薬によるCOSの最終日における血清hCG閾値レベルを標的とした不妊症処置は、生児出生のより高い可能性と関連する。
【0129】
典型的には、医学の実務者(例えば、医師)が不妊症の処置を監督する。患者は、例えば、血清AMH検査によって、例えば、Arce et al.,Fertility and Sterility 99:1644-53(2013)において記載されているように、Beckmann-Coulter第2世代アッセイによって、AMH≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)の血清レベル、又は異なる方法によって決定された等しい血清AMHレベルを有することに基づいて、予想される高反応者であると診断されるか、又は診断されてきている。
【0130】
高反応者であると予想される患者(例えば、処置の前に、AMH≧35.7±0.5pmol/L又は≧5.0±0.2ng/mlの血清レベルを有する)が選択され、HP-hMG(例えば、MENOPUR(登録商標)、Ferring Pharmaceuticals,Inc.から入手可能)を投与される。上記で考察するように、MENOPUR(登録商標)は、hCGによって促進されるLH活性を含むため、本出願において特に有利であると考えられる。
【0131】
患者の月経周期の2日目若しくは3日目において、調節卵巣刺激を開始する(「刺激の1日目」)。処置は、処置の1日目(刺激の1日目)から少なくとも5日目(刺激の5日目)までの注射によって、1日用量のMENOPUR(登録商標)、例えば、150IU/日を投与することを含む。下記で考察するように、用量は、(例えば、患者の卵巣反応及び/又は血清hCGによって)450IUのhMGの最大1日用量又は75IUのhMGの最小1日用量まで(例えば、75IUのhMG刻みで)上方又は下方に調整し得る。処置は、20日間まで(20日目を含めて刺激の20日目まで)継続し得るが、典型的には、約10日を含めて8~12日間である。
【0132】
一番大きい卵胞の直径が、TVUSによってアセスメントして>14mmであるとき、GnRHアンタゴニスト(ガニレリクス酢酸塩)を0.25mgの1日用量で開始し、ゴナドトロピン刺激処置期間を通して継続し得る。
【0133】
刺激期間の間に、卵胞中期段階において(例えば、刺激の6日目において)、患者の血清hCGレベルを決定し(例えば、少なくとも0.5mIU/mLの検出限界を伴うELISAによって)、患者の血清hCGレベルが卵胞中期標的レベルであるかどうかを決定する。この決定のために、血液は典型的には、従前のゴナドトロピン投薬の少なくとも8時間後に捕集する。血清hCGレベルが標的卵胞中期閾値レベル未満(例えば、1.5mIU/mL未満)である場合、HP-hMGの1日用量を(例えば、75IU/日だけ)増加させる。増加した1日用量は、刺激の終わりにhCGの標的閾値レベルを達成する目的で、(例えば、増加した用量を継続させることが他の安全性要因、例えば、高い卵巣反応によって禁忌とならない限り)刺激期間の残りを通して継続させる(例えば、≧17mm直径の3個の卵胞がTVUS上で観察されるときまでに、≧1.8mIU/mL)。方法は、任意選択で、刺激の最終日における血清hCGを決定することを含み得るが、その時までには、レベルが望ましい標的閾値レベル未満である場合、介入するには遅すぎる。
【0134】
最終的な卵胞の成熟は、hCG又はGnRHアゴニストで誘発される。≧17mm直径の3個の卵胞がTVUS上で観察されるとすぐに、250μgのhCG(絨毛性ゴナドトロピンアルファ)の単一の注射を投与して、最終的な卵胞の成熟を誘導し得る。代わりに、GnRHアゴニストを使用して、≧12mm直径の>30個の卵胞又は血清エストラジオール(E2)レベル≧5,000pg/mlを有する患者において、例えば、COS処置に続いて、例えば、COSに対する過剰な反応の場合、最終的な卵胞の成熟を誘発し得る。GnRHアゴニストが使用されるとき、それは、例えば、酢酸ロイプロリド、例えば、例えば、1~4mgの用量でのLUPRON(登録商標)であり得る。
【0135】
方法は、上記のプロトコル及び当技術分野において公知のそのバリエーションによると、卵母細胞回収(一般に、最終的な卵胞の成熟を誘発した概ね36時間後)、受精、並びに胚盤胞を回収すること、及び子宮において新鮮な胚盤胞を着床させることを含めたそれに続く手順をさらに含む。
【0136】
上記で、下記の番号付けされたパラグラフによって定義される組成物、使用のための組成物、使用及び方法を開示してきた。
1.調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;
患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することと
を含む、組成物。
【0137】
2.新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるための、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかを決定することと;
患者の血清中のhCGのレベルが、生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルであるか、又はそれ超であるとき、最終的な卵胞の成熟を誘発することと
を含む、組成物。
【0138】
3.生児出生の可能性の増加をもたらす最終的な卵胞の成熟における血清hCGの特定の閾値レベルが、1.5~2.0mIU/mL、より好ましくは、1.8mIU/mLから選択される、パラグラフ1~2のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
【0139】
4.調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;
任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることと
を含む、組成物。
【0140】
5.新鮮胚若しくは凍結胚移植に続いて生児出生の可能性を増加させるための、調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における不妊症の処置における使用のためのHP-hMGを含む組成物であって、処置は、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
HP-hMGの1日用量を選択された患者に処置の1日目から投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと(例えば、75~450IU/日、好ましくは、75~225IU/日、より好ましくは、150又は225IU/日、最も好ましくは、150IU/日);
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において(例えば、刺激の5日目若しくは6日目若しくは7日目において)、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル(例えば、≧1.5mIU/mL)であるかどうかを決定することと;
任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは(例えば、75IU/日だけ)増加させることと
を含む、組成物。
【0141】
6.患者が、処置/刺激の前に、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有する、パラグラフ1~5のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0142】
7.処置が、刺激の前に、患者を血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベル≧35.7±0.5pmol/L(≧5.0±0.2ng/ml)を有するとして同定することをさらに含む、パラグラフ1~6のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0143】
8.患者が、無排卵ではない、パラグラフ1~7のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0144】
9.患者が、21~35歳であり、処置の開始において18~30kg/m2のBMIを有する、パラグラフ1~8のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0145】
10.75~450IUのHP-hMGを含む、パラグラフ1~9のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0146】
11.調節卵巣刺激が、HP-hMGを1日当たり75~225IUのhMGの開始用量、好ましくは、150IU/日で、例えば、刺激の1日目から少なくとも5日目まで投与することを含む、パラグラフ1~10のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0147】
12.不妊症の処置が、CHO細胞に由来する組換えFSHによる処置と比較して、生児出生の可能性を増加させる、パラグラフ1~11のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0148】
13.処置が、hCG、又は任意選択で、hCGを補充したGnRHアゴニストを投与することによって、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含む、パラグラフ1~12のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0149】
14.処置が、刺激の6日目に開始してGnRHアンタゴニストを投与することをさらに含む、パラグラフ1~13のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0150】
15.処置が、
卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)新鮮な胚盤胞を着床させること;或いは
卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させること;或いは
卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させること;或いは
卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させること
をさらに含む、パラグラフ1~14のいずれかに記載の使用のための組成物。
【0151】
16.調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激によって不妊症を処置する方法であって、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
選択された患者に75IU~225IUの開始1日用量でHP-hMGを投与することによって調節卵巣刺激を行うことと;
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかを決定することと;
任意選択で、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、HP-hMGの1日用量を維持若しくは増加させることと
を含む、方法。
【0152】
17.患者が、無排卵ではない、パラグラフ16に記載の方法。
【0153】
18.患者が、21~35歳であり、処置の開始において18~30kg/m2のBMIを有する、パラグラフ16に記載の方法。
【0154】
19.患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル未満であるとき、HP-hMGの1日用量を増加させることを含む、パラグラフ16に記載の方法。
【0155】
20.患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル未満であるとき、HP-hMGの1日用量を75IU/日だけ増加させることを含む、パラグラフ16に記載の方法。
【0156】
21.患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるとき、HP-hMGの1日用量を維持することを含む、パラグラフ16に記載の方法。
【0157】
22.血清hCGの標的卵胞中期閾値レベルが、≧1.5mIU/mLである、パラグラフ16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
23.調節卵巣刺激の卵胞中期段階が、刺激の5日目、刺激の6日目、及び刺激の7日目から選択される、パラグラフ16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
24.HP-hMGの開始1日用量が、150IU/日である、パラグラフ16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
25.刺激の6日目に開始してゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニスト(GnRHアンタゴニスト)を投与することをさらに含む、パラグラフ16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
26.ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、又は任意選択で、hCGを補充したゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRHアゴニスト)を投与することによって、最終的な卵胞の成熟を誘発することをさらに含む、パラグラフ16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
27.
(a)卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)新鮮な胚盤胞を着床させること;或いは
(b)卵母細胞を回収することと、卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させること;或いは
(c)卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の質/形態を任意選択でアセスメントすることと、子宮において(例えば、質/形態の視覚的アセスメントに基づいて任意選択で選択された)胚盤胞を着床させること;或いは
(d)卵母細胞を回収することと、未受精卵母細胞を凍結することと、1個若しくは複数の凍結した卵母細胞をそれに続いて融解することと、1個若しくは複数又は全ての融解した卵母細胞を受精させることと、受精卵母細胞を胚盤胞段階に発達させることと、胚盤胞の染色体の質を任意選択でアセスメントすることと、1個若しくは複数又は全ての胚盤胞を凍結することと、子宮において融解凍結胚盤胞(例えば、染色体のアセスメントに基づいて選択された正倍数性胚盤胞)を着床させること
をさらに含む、パラグラフ16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
28.調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激によって不妊症を処置する方法であって、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
選択された患者に75IU~225IUの開始1日用量でHP-hMGを投与することによって調節卵巣刺激を行うことと;
調節卵巣刺激の卵胞中期段階において、患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるかを決定することと;
患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベルであるか、若しくはそれ未満であるかどうかに基づいて、任意選択で、hCGを患者に投与することと
を含む、方法。
【0164】
29.患者のhCGの血清レベルが標的卵胞中期閾値レベル未満であるとき、hCGを5~60IU/日の1日用量で、又は5~60IU/日と等しく投与することを含む、パラグラフ28に記載の方法。
【0165】
30.調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想される患者における調節卵巣刺激によって不妊症を処置する方法であって、
調節卵巣刺激に対する高い卵巣反応を有すると予想されると同定される患者を選択することと;
選択された患者にrFSHを調節卵巣刺激にとって有効である1日用量で投与することによって、調節卵巣刺激を行うことと;
調節卵巣刺激の卵胞中期段階で開始して、hCGを5~60IU/日の1日用量で、又は5~60IU/日と等しく患者に投与することと
を含む、方法。
【国際調査報告】