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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】抗c-Met抗体薬物複合体
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/68 20170101AFI20230621BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230621BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20230621BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230621BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
A61K47/68
A61K39/395 N
A61K31/4745
A61P35/00
C07K16/28 ZNA
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530214
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 US2022072008
(87)【国際公開番号】W WO2022232834
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/181,963
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス,アンドリュー・シー
(72)【発明者】
【氏名】ライリー,レジーナ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ドハーティ,ジョージ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ジー,チェン
(72)【発明者】
【氏名】ブランコ,ミラン
(72)【発明者】
【氏名】ボガート,アーウィン・アール
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,マーク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076EE41
4C076EE59
4C085AA14
4C085AA23
4C085AA26
4C085BB01
4C085CC23
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZB26
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本開示は、組成物を含む、c-Met抗体薬物複合体(ADC)、及びそのようなADCを使用する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化1】
(式中、
nは1~10の整数であり、
Abは、
配列番号3として示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメイン、配列番号2として示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2ドメイン、及び配列番号1として示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1ドメインを含む重鎖可変領域、並びに
配列番号6として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメイン、配列番号5として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2ドメイン、及び配列番号4として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1ドメインを含む軽鎖可変領域
を含むIgG抗c-Met抗体である)
を含む抗c-Met抗体薬物複合体。
【請求項2】
前記抗体Abが、配列番号7として示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗c-Met抗体薬物複合体。
【請求項3】
前記抗体Abが、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の抗c-Met抗体薬物複合体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の抗c-Met抗体薬物複合体を含む医薬組成物。
【請求項5】
非小細胞肺がんを処置する方法であって、請求項1~3のいずれかに記載の抗体薬物複合体を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【請求項6】
構造:
【化2】
で表される化合物。
【請求項7】
構造:
【化3】
で表される化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2021年4月29日に出願した米国特許仮出願第63/181,963号の利益を主張する。
【0002】
2.配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子提出されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている配列表を含有する。前記ASCIIコピーは、2022年4月28日に作成され、632WO_SL_ST25.txtと名付けられ、22,918バイトのサイズである。
【0003】
3.技術分野
本出願は、とりわけ新規トポイソメラーゼ阻害薬、薬物リンカー、抗c-Met抗体薬物複合体(ADC)及びそれらを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
4.背景
c-Metは、上皮細胞及び内皮細胞の表面上に発現されるシグナル伝達チロシンキナーゼ受容体である。その唯一の公知のリガンドである肝細胞増殖因子(HGF)によるc-Metの活性化は、細胞増殖、血管新生、生存、及び細胞運動性を制御することが示されている。
【0005】
非小細胞肺がん(NSCLC)は、全ての肺がんの85%を表し、世界全体でがん関連死の原因の第一位である。異常なc-Metシグナル伝達は、NSCLCにおいて一般的であり、複数の機序を介して起こると考えられている。脱制御されたc-Metシグナル伝達は、不良な予後、腫瘍形成、化学療法/放射線療法に対する抵抗性、及び上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に対する獲得耐性に関連している。
【0006】
抗体薬物複合体(ADC)は、化学リンカーを介して細胞傷害薬に複合体された抗体を含む比較的新規クラスの治療剤を表す。ADCの治療の考え方は、抗体の結合能を薬物と組み合わせることであり、ここで抗体は、腫瘍細胞において過剰発現又は増幅された標的表面抗原を含む標的表面抗原に結合することによって薬物を腫瘍細胞に送達するために使用される。
【0007】
しかし、いかなる抗体薬物複合体も、非小細胞肺がんの処置に関して承認されていない。非小細胞肺がんの処置などの治療目的のために使用されることができる抗体薬物複合体が、当技術分野においてなおも必要である。
【発明の概要】
【0008】
5.概要
本開示は、ヒトc-Metに特異的に結合する抗体薬物複合体を提供する。例示的なCDRのアミノ酸配列、並びに例示的な抗c-Met ADCの抗体の重鎖及び軽鎖のV及びV領域のアミノ酸配列は、以下の詳細な説明に提供される。
【0009】
別の態様において、本開示は、本明細書に記載された抗c-Met ADCを含む組成物を提供する。組成物は一般的に、本明細書に記載された1つ以上の抗c-Met ADC、及び1つ以上の賦形剤、担体、又は希釈剤を含む。
【0010】
本開示は、NSCLCを有するヒト対象などの対象を処置する方法であって、本明細書に開示される抗c-Met ADCの有効量を投与することを含む、方法を提供する。抗c-Met ADCは、典型的に静脈内注入及び/又は静脈内注射として投与される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
6.図面の簡単な説明
図1】式IのトポイソメラーゼI(TOP1)阻害剤の合成経路を示す図である。
図2A】Calu-6(肺腺癌)に関する、TOP1阻害剤化合物の投与後の細胞増殖を示すグラフである。
図2B】A375(悪性黒色腫)に関する、TOP1阻害剤化合物の投与後の細胞増殖を示すグラフである。
図3A】SNU-5(ヒト胃癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3B】Hs 746T(胃腺癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3C】EBC1(ヒト肺扁平上皮癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3D】NCI-H441(ヒト肺腺癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3E】NCI-H1573(肺腺癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3F】HCC827(肺腺癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3G】NCI-H820(肺乳頭腺癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3H】Calu-3(肺腺癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3I】MIA PaCa-2(膵管腺癌)を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図3J】HEK-293を含む細胞株に及ぼす本開示のADC(ADC-1)のインビトロ活性を示すグラフである。
図4A】NCI-H441(ヒト腺癌)異種移植片腫瘍モデルにおけるADC-1のインビボ活性を示すグラフである。
図4B】Hs 746T(胃腺癌)異種移植片腫瘍モデルにおけるADC-1のインビボ活性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
7.詳細な説明
本発明の様々な態様は、トポイソメラーゼI(TOP1)阻害剤、及びそのようなTOP1阻害剤を含む抗c-Met抗体薬物複合体に関する。ある特定の実施形態において、本発明は、TOP1阻害剤を含む抗c-Met ADCを含む抗c-Met ADC、ADCを合成するために有用な合成等価体、ADCを作製する方法及びADCを使用する様々な方法を提供する。
【0013】
7.1.トポイソメラーゼ1阻害剤(TOP1i)
トポイソメラーゼ1(TOP1)は、DNA複製の際に形成されたスーパーコイルを除去する。TOP1阻害剤(TOP1i)は、TOP1-DNA複合体に結合して安定化し、DNA鎖切断及びアポトーシスを誘導することができる。本明細書において、抗体とのコンジュゲーションによる細胞への標的化送達が目的とされ得る、構造式(I)で表されるトポイソメラーゼI阻害薬(「TOP1i薬」)が提示される。
【0014】
【化1】
【0015】
複数の実施形態において、TOP1i薬は、式(I)で表される化合物である。複数の実施形態において、TOP1i薬は、(7S)-14-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-7-エチル-7-ヒドロキシ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-8,11(7H,13H)-ジオン又はその構造上の等価物型である。
【0016】
本明細書において企図されるTOP1i薬は、構造式(II):
【0017】
【化2】
(式中、
【0018】
【化3】
は、リンカーのTOP1i薬との結合点を表す。)
に示されるようにADCにおいて抗体にコンジュゲートされ得る。
【0019】
7.2.抗c-Met ADC
本明細書に記載されたトポイソメラーゼ阻害剤は、抗c-Met抗体にコンジュゲートされて、抗c-Met TOP1i抗体薬物複合体(ADC)を形成し得る。抗体薬物複合体は、ADCが、1つ以上の薬物部分(複数可)を標的組織、例えば腫瘍関連抗原、例えばc-Met発現腫瘍に選択的に送達する能力のために、疾患の処置における抗体の治療有効性を増加させ得る。このように、複数の実施形態において、本開示は、例えば非小細胞肺がんの処置における治療的使用のための抗c-Met TOP1i ADCを提供する。
【0020】
ある特定の実施形態において、TOP1i薬は、構造式(III):
【0021】
【化4】
(式中、Xは、ブロモ又はN-結合マレイミドを表す。)
に従ってリンカーによって抗体にコンジュゲートされる。
【0022】
本明細書に記載された抗c-Met ADCにおいて、TOP1i薬は、リンカー部分によって抗c-Met抗体にコンジュゲートされている。当業者によって認識されるように、リンカーは、1つの位置でTOP1i薬と共有結合による連結を形成し、別の位置で抗体と共有結合による連結を形成することによって、TOP1i薬を抗c-Met抗体と接続する。共有結合による連結は、リンカー上の官能基とTOP1i薬及び抗c-Met抗体上の官能基との間の反応によって形成されている。
【0023】
ADCを形成するために使用され得る合成中間化合物としては以下のものを挙げることができる:
7.2.1.リンカー薬物LD1(構造式(V))
【0024】
【化5】
(2S)-2-(2-ブロモアセトアミド)-N-[(2S)-1-({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]-3-メチルブタンアミド
【0025】
7.2.2.リンカー薬物LD2(構造式(VI))
【0026】
【化6】
(2S)-2-[2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセトアミド]-N-[(2S)-1-({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]-3-メチルブタンアミド
【0027】
7.2.3.リンカー薬物LD3(構造式(VII))
【0028】
【化7】
(2S,3S,4R,5R,6S)-6-[2-(5-{[(2S)-2-({(2S)-2-[2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセトアミド]-3-メチルブタノイル}アミノ)プロパノイル]アミノ}-2-{[({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}カルバモイル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸
【0029】
7.2.4.連結された薬物の数
本明細書に開示されるADCは、抗体の立体配置、及び少なくとも部分的に、コンジュゲーションを行うために使用された方法に応じて、様々な化学量論的モル比で抗体部分に連結された薬物分子を含む。
【0030】
用語「薬物ロード」又は「薬物ローディング」は、個々のADC分子における抗体あたりの薬物分子の数を指す。抗c-Met ADCに連結されたTOP1i薬の数は、変化し得て、抗c-Met抗体上の利用可能な結合部位の数によって制限されている。本発明の抗c-Met ADCに関して企図されるように、リンカーは、単一のTOP1i薬を抗体抗c-Met ADCに連結させる。抗c-Met ADCが、使用及び/又は保存の条件下で許容されない凝集レベルを示さない限り、最大10のnを有する抗c-Met ADC(すなわち、構造式(III))が企図される。一部の実施形態において、抗c-Met ADCは、1~10の範囲のnを有する。一部の実施形態において、抗c-Met ADCは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択されるnを有する。複数の実施形態において、nは、2、4、6、8、又は10である。複数の実施形態において、nは6である。複数の実施形態において、薬物ローディングは、1つの薬物分子、2つの薬物分子、3つの薬物分子、4つの薬物分子、5つの薬物分子、6つの薬物分子、7つの薬物分子、8つの薬物分子、9つの薬物分子、又は10個の薬物分子を含み得る。
【0031】
7.2.5.抗体AbA
AbAは、マウスモノクローナル抗体224G11のヒト化型であり、これは米国特許第8,329,173号明細書において初めて開示され、具現化された。マウス抗体m224G11は、配列番号13として示される可変重ドメイン(variable heavy domain)及び配列番号14として示される可変軽ドメイン(variable light domain)を有する:
m224G11重鎖可変ドメイン(CDRを下線で示し、配列番号15、16、及び17として示されている)
【0032】
【化8】
m224G11軽鎖可変ドメイン(CDRを下線で示し、配列番号18、19、及び20として示されている):
【0033】
【化9】
【0034】
AbAは、免疫グロブリン-プレキシン-転写因子相同性(IPT)ドメイン1内に位置するc-Metのユニークエピトープを標的とするヒト化組み換えIgG1κ(米国特許第8,741,290号明細書において224G11[TH7 Hz3]として開示された)であり、HGF依存的c-Metシグナル伝達及びHGF非依存的c-Metシグナル伝達の両方の遮断をもたらす。
【0035】
IMGT命名法において定義されるように、AbAのCDR配列は以下の配列を含む:
【0036】
【化10】
【0037】
一部の実施形態において、本開示のADCを構成する抗c-Met抗体は、配列番号1として示されるアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号2として示されるアミノ酸配列を有するCDR-H2、配列番号3として示されるアミノ酸配列を有するCDR-H3、配列番号4として示されるアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号5として示されるアミノ酸配列を有するCDR-L2;及び配列番号6として示されるアミノ酸配列を有するCDR-L3を含む。
【0038】
一部の実施形態において、本開示のADCを構成する抗c-Met抗体は、配列番号7として示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域:
【0039】
【化11】
及び配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域:
【0040】
【化12】
を含む。
【0041】
一部の実施形態において、本開示のADCを構成する抗c-Met抗体は、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖(定常領域を太字で示し;CDRを下線で示す(出現順に配列番号1~3としてそれぞれ、開示されている)):
【0042】
【化13】
及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖(CDR配列は、出現順に配列番号4~6としてそれぞれ、開示されている):
【0043】
【化14】
を含む。
【0044】
複数の実施形態において、本開示の抗体は、配列番号9の重鎖及び配列番号10の軽鎖を含む。
【0045】
一実施形態において、本開示のADCを構成する抗c-Met抗体の重鎖は、以下のヌクレオチド配列(配列番号21として開示される全長の配列)によってコードされている:
【0046】
【化15】
太字大文字の分泌シグナルペプチドは、最後の終止コドン(TGA)を含み;定常領域は太字で示され;CDRは下線で示されている(CDR配列は、出現順に配列番号22~24としてそれぞれ、開示されている)。
【0047】
一実施形態において、本開示のADCを構成する抗c-Met抗体の軽鎖は、以下のヌクレオチド配列(配列番号25として開示される全長の配列)によってコードされている:
【0048】
【化16】
太字大文字の分泌シグナルペプチドは、最後の終止コドン(TGA)を含み;定常領域は太字で示され;CDRは下線で示されている(CDR配列は、出現順に配列番号26~28としてそれぞれ、開示されている)。
【0049】
7.2.6.例示的な抗c-Met ADC
特定の実施形態において、本発明の抗c-Met ADCは、切断可能なバリンアラニン(va)リンカーを通してTOP1i薬にコンジュゲートされている抗体AbAのCDRに対応する6つの相補性決定領域(CDR)を含む抗c-Met抗体を含む。ある特定の実施形態において、リンカーは、ADCの抗c-Met抗体からの還元されたシステインのスルフヒドリルとのコンジュゲーションのためにブロモアセトアミド官能基を含む。他の実施形態において、リンカーは、ADCの抗c-Met抗体からの還元されたシステインのスルフヒドリルとのコンジュゲーションのためにマレイミド官能基を含む。一部の実施形態において、リンカーは、自己犠牲的なスペーサー、好ましくはp-アミノベンジルカルボニル(PABC)又はそのアナログをさらに含む。
【0050】
複数の実施形態において、抗c-Met ADCは、抗c-Met抗体のシステイン残基のスルフヒドリル基によって形成された連結を介してリンカー薬物LD1(構造式(V))にコンジュゲートされている抗体AbAのCDRに対応する6つの相補性決定領域(CDR)を含む抗c-Met抗体を含む。一部の実施形態において、抗c-Met抗体は、抗体AbAの可変重(VH)鎖領域配列及び可変軽(VL)鎖領域配列を含む。一部の実施形態において、抗c-Met抗体は、抗体AbAの重鎖(HC)配列及び軽鎖(LC)配列を含む。
【0051】
複数の実施形態において、抗c-Met ADCは、以下の構造式(VIII):
【0052】
【化17】
(式中、nは、1~10の整数であり、Abは、配列番号1として示される重鎖CDR1、配列番号2として示される重鎖CDR2、配列番号3として示される重鎖CDR3、配列番号4として示される軽鎖CDR1、配列番号5として示される軽鎖CDR2、及び配列番号6として示される軽鎖CDR3を含むIgG抗c-Met抗体である。)
を有する。複数の実施形態において、抗体Abは、配列番号7として示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含むIgG抗c-Met抗体である。複数の実施形態において、抗体Abは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗c-Met抗体である。複数の実施形態において、リンカー-薬物の抗体とのコンジュゲーションは、抗体のシステイン残基のスルフヒドリル基によって形成された連結を介している。複数の実施形態において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の値を有する。複数の実施形態において、nは、2、4、6、8、又は10の値を有する。複数の実施形態において、nは6である。一実施形態において、構造式(VIII)の抗c-Met ADCは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を有する抗体Abを含み、nは、2、4、6、8、又は10の値を有する。一実施形態において、構造式(VIII)の抗c-Met ADCは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を有する抗体Abを含み、nは6の値を有する。
【0053】
ある特定の実施形態において、抗c-Met ADCは、抗c-Met抗体のシステイン残基のスルフヒドリル基によって形成された連結を介してリンカー薬物LD2(構造式(VI))にコンジュゲートされている抗体AbAのCDRに対応する6つの相補性決定領域(CDR)を含む抗c-Met抗体を含む。一部の実施形態において、抗c-Met抗体は、抗体AbAの可変重(VH)鎖領域配列及び可変軽(VL)鎖領域配列を含む。一部の実施形態において、抗c-Met抗体は、抗体AbAの重鎖(HC)配列及び軽鎖(LC)配列を含む。
【0054】
一部の実施形態において、抗c-Met ADCは、以下の構造式(IX):
【0055】
【化18】
(式中、nは、1~10の整数であり、Abは、配列番号1として示される重鎖CDR1、配列番号2として示される重鎖CDR2、配列番号3として示される重鎖CDR3、配列番号4として示される軽鎖CDR1、配列番号5として示される軽鎖CDR2、及び配列番号6として示される軽鎖CDR3を含むIgG抗c-Met抗体である。)
を有する。複数の実施形態において、抗体Abは、配列番号7として示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含むIgG抗c-Met抗体である。複数の実施形態において、抗体Abは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗c-Met抗体である。複数の実施形態において、リンカー-薬物の抗体とのコンジュゲーションは、抗体のシステイン残基のスルフヒドリル基によって形成された連結を介している。複数の実施形態において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の値を有する。複数の実施形態において、nは、2、4、6、8、又は10の値を有する。複数の実施形態において、nは6である。一実施形態において、構造式(IX)の抗c-Met ADCは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を有する抗体Abを含み、nは、2、4、6、8、又は10の値を有する。一実施形態において、構造式(IX)の抗c-Met ADCは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を有する抗体Abを含み、nは6の値を有する。
【0056】
ある特定の実施形態において、抗c-Met ADCは、抗c-Met抗体のシステイン残基のスルフヒドリル基によって形成された連結を介してリンカー薬物LD3(構造式(VII))にコンジュゲートされている抗体AbAのCDRに対応する6つの相補性決定領域(CDR)を含む抗c-Met抗体を含む。一部の実施形態において、抗c-Met抗体は、抗体AbAの可変重(VH)鎖領域配列及び可変軽(VL)鎖領域配列を含む。一部の実施形態において、抗c-Met抗体は、抗体AbAの重鎖(HC)配列及び軽鎖(LC)配列を含む。
【0057】
一部の実施形態において、抗c-Met ADCは、以下の構造式(X):
【0058】
【化19】
(式中、nは1~10の整数であり、Abは、配列番号1として示される重鎖CDR1、配列番号2として示される重鎖CDR2、配列番号3として示される重鎖CDR3、配列番号4として示される軽鎖CDR1、配列番号5として示される軽鎖CDR2、及び配列番号6として示される軽鎖CDR3を含むIgG抗c-Met抗体である。)
を有する。複数の実施形態において、抗体Abは、配列番号7として示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含むIgG抗c-Met抗体である。複数の実施形態において、抗体Abは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗c-Met抗体である。複数の実施形態において、リンカー-薬物の抗体とのコンジュゲーションは、抗体のシステイン残基のスルフヒドリル基によって形成された連結を介している。複数の実施形態において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の値を有する。複数の実施形態において、nは、2、4、6、8、又は10の値を有する。複数の実施形態において、nは6である。一実施形態において、構造式(X)の抗c-Met ADCは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を有する抗体Abを含み、nは、2、4、6、8、又は10の値を有する。一実施形態において、構造式(X)の抗c-Met ADCは、配列番号9として示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を有する抗体Abを含み、nは6の値を有する。
【0059】
本開示のADCは、対象に投与するために適した組成物として提供され得る。一部の実施形態において、ADC組成物は、本開示のADC及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。本明細書に開示されるADCの所定の式は、異なる薬物ローディング、すなわち異なるnの値を有する抗体の分布を含み得る。
【0060】
7.3.使用方法
複数の実施形態において、本明細書に開示される方法は、非扁平上皮NSCLCを有する患者を本発明の抗c-Met ADCによって処置することを伴う。
【実施例
【0061】
8.実施例
以下の実施例は、本明細書に記載された抗体及び結合断片の例示的な実施形態のある特定の特色及び特性を強調するものであり、例示目的のために提供されている。
【0062】
【化20】
【0063】
[実施例1]
(2S)-2-(2-ブロモアセトアミド)-N-[(2S)-1-({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]-3-メチルブタンアミド
【0064】
【化21】
【0065】
[実施例1A]
tert-ブチル(3-(メトキシ(メチル)カルバモイル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート
3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(4.9g)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.2g)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(11.30mL)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(8.61g)を10℃で少しずつ加えた。反応混合物を20℃で12時間攪拌した。追加の2つの反応物を設定し、記載されたように20℃で12時間攪拌した。3つ全ての反応物を組み合わせた。反応物を、ジクロロメタン(200mL)によって希釈し、1N HCl水溶液(50mL)に加えた。形成された沈殿物をろ過し、ろ液を分離させた。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)及び塩水(50mL)によって洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、1~50%酢酸エチルの石油エーテル中溶液によって溶出させ、表題の化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 4.97 (br s, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.18 (s, 3H), 2.34 (s, 6H), 1.45 (s, 9H).MS(ESI+) m/z 271.2(M+H)
【0066】
【化22】
【0067】
[実施例1B]
tert-ブチル(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバメート
5-ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソール(8.83g)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に、n-ブチルリチウム(17.57mL、ヘキサン中で2.5M)を窒素ガス下の-65℃でゆっくりと加えた。混合物を-65℃で30分間攪拌した。実施例1A(4.75g)のテトラヒドロフラン(40mL)中溶液を、ゆっくりと加えた。混合物を-65℃で3時間攪拌した。追加の3つの反応物を設定し、-65℃で3時間攪拌した。4つ全ての反応物を組み合わせた。混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(500mL)によってクエンチし、酢酸エチル(3×500mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を塩水(500mL)によって洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、1~50%酢酸エチルの石油エーテル中溶液によって溶出させ、表題の化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 7.63 (dd, 1H), 7.45 (d, 1H), 6.82 (d, 1H), 6.03 (s, 2H), 5.04 (br s, 1H), 2.50 (s, 6H), 1.46 (s, 9H).MS(ESI+) m/z 354.2(M+Na)
【0068】
【化23】
【0069】
[実施例1C]
N-(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド
ステップ1:実施例1B(6.2g)のジクロロメタン(62mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(62mL)を0℃でゆっくりと加えた。反応物を25℃で4時間攪拌した。追加の2つの反応物を設定し、25℃で4時間攪拌した。各混合物を減圧下で濃縮した。各残渣をさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0070】
ステップ2:上記の粗生成物のジクロロメタン(62mL)中溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(16.34mL)及び無水トリフルオロ酢酸(3.96mL)を0℃で滴下して加えた。混合物を25℃で2時間攪拌した。追加の2つの反応を記載されたように設定し、25℃で2時間攪拌した。3つ全ての反応物を組み合わせて、水(200mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×200mL)によって抽出した。有機層を塩水(200mL)によって洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、25%酢酸エチルの石油エーテル中溶液によって溶出させ、表題の化合物を得た。H NMR (501 MHz, CDCl) δ ppm 7.61 (dd, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.85 (d, 1H), 6.05 (s, 2H), 2.62 (s, 6H).MS(ESI+) m/z 328.2(M+H)
【0071】
【化24】
【0072】
[実施例1D]
2,2,2-トリフルオロ-N-(3-(6-ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アセトアミド
実施例1C(4.3g)の無水酢酸(25mL)中溶液に、硝酸銅(II)三水和物(4.76g)を0℃で少しずつ加えた。混合物を0℃で3時間攪拌した。追加の3つの反応物を設定し、記載されたように0℃で3時間攪拌した。4つ全ての反応物を組み合わせた。混合物を水(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(5×100mL)によって抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、75%酢酸エチルの石油エーテル中溶液によって溶出させ、表題の化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 7.61 (s, 1H), 6.77 (br s, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.21 (s, 2 H), 2.43 (s, 6 H).MS(APCI+) m/z 373.1(M+H)
【0073】
【化25】
【0074】
[実施例1E]
N-(3-(6-アミノベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド
実施例1D(4g)のエタノール(40mL)及び水(8mL)中溶液に、塩化鉄(5.4g)及び塩化アンモニウム(5.17g)を窒素下で加えた。混合物を100℃で3時間攪拌した。追加の3つの反応物を設定し、記載されたように100℃で3時間攪拌した。周囲温度に冷却後、4つ全ての反応物を組み合わせた。混合物を水(1L)中に注ぎ、酢酸エチル(5×500mL)によって抽出した。組み合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、10~75%酢酸エチルの石油エーテル中溶液によって溶出させ、表題の化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.22 (s, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.50 (s, 2H), 6.14 (s, 1H), 5.92 (s, 2H), 2.63 (s, 6H).MS(ESI+) m/z 343.2(M+H)
【0075】
【化26】
【0076】
[実施例1F]
(S)-N-(3-(7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-8,10,11,13-テトラヒドロ-7H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド
実施例1E(3.5g)及び(S)-4-エチル-4-ヒドロキシ-7,8-ジヒドロ-1H-ピラノ[3,4-f]インドリジン-3,6,10(4H)-トリオン(2.69g)のトルエン(140mL)中懸濁液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(1.945g)を加えた。混合物を115℃で12時間攪拌した。追加の3つの反応物を設定し、記載されたように115℃で12時間攪拌した。周囲温度に冷却後、4つ全ての反応物を組み合わせた。混合物をろ過し、収集した固体をアセトニトリル(200mL)によって研和し、表題の化合物を得た。H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 10.28 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 6.30 (dd, 2H), 5.42 (s, 2H), 5.36 (s, 2H), 2.87 (s, 6H), 1.94 - 1.77 (m, 2H), 0.88 (t, 3H).MS(ESI+) m/z 570.3(M+H)
【0077】
【化27】
【0078】
[実施例1G]
(7S)-14-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-7-エチル-7-ヒドロキシ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-8,11(7H,13H)-ジオン
実施例1F(3g)のメタノール(30mL)中溶液に、HCl(60mL、メタノール中で4M)を加えた。混合物を65℃で4時間攪拌した。追加の4つの反応物を設定し、上記のように65℃で4時間攪拌した。周囲温度まで冷却後、5つ全ての反応物を組み合わせた。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をメタノール(200mL)によって研和し、表題の化合物を得た。H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 9.23 (s, 3H), 7.54 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 6.30 (d, 2H), 5.41 (s, 2H), 5.39 - 5.26 (m, 2H), 2.79 (s, 6H), 1.87 (七重線, 2H), 0.88 (t, 3H).MS(ESI+) m/z 474.3(M+H)
【0079】
【化28】
【0080】
[実施例1H]
tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-((3-((S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-8,10,11,13-テトラヒドロ-7H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート
(S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(2.49g)、2-ヒドロキシピリジン1-オキシド(1.31g)、及びN-((エチルイミノ)メチレン)-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン塩酸塩(2.26g)のアセトニトリル(40mL)中懸濁液に、2,6-ルチジン(2.74mL)を加えた。混合物を周囲温度で30分間攪拌した。別のフラスコに、実施例1G(4g)及び2,6-ルチジン(2.74mL)を、N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中で組み合わせ、上記の溶液を加えた。混合物を周囲温度で一晩攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(300mL)に溶解し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)、塩水(100mL)によって洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、0~10%メタノールのジクロロメタン中溶液によって溶出させ、表題の化合物を得た。H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 8.65 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.77 (d, 1H), 6.46 (s, 1H), 6.29 (d, 2H), 5.41 (s, 2H), 5.32 (s, 2H), 4.29 (q, 1H), 3.87 - 3.77 (m, 1H), 2.76 (s, 6H), 1.99 (q, 1H), 1.92 - 1.81 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.25 (d, 3H), 0.92 - 0.80 (m, 9H).MS(ESI+) m/z 744.4(M+H)
【0081】
【化29】
【0082】
[実施例1I]
(S)-2-アミノ-N-((S)-1-((3-((S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-8,10,11,13-テトラヒドロ-7H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-3-メチルブタンアミド
実施例1H(5.5g)をトリフルオロ酢酸(30mL)によって周囲温度で30分間処置した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を50%アセトニトリル水溶液(200mL)に溶解した。溶液を凍結乾燥し、表題の化合物を得た。H NMR (600 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 8.80 (s, 1H), 8.59 (d, 1H), 8.10 (d, 3H), 7.60 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 6.33 - 6.26 (m, 2H), 5.41 (d, 2H), 5.35 - 5.23 (m, 2H), 4.35 (p, 1H), 3.66 - 3.63 (m, 1H), 2.77 (s, 6H), 2.17 - 2.06 (m, 1H), 1.91 - 1.83 (m, 2H), 1.31 (d, 3H), 1.01 - 0.96 (dd, 6H), 0.89 (t, 3H).MS(ESI+) m/z 644.4(M+H)
【0083】
【化30】
【0084】
[実施例1J]
(2S)-2-(2-ブロモアセトアミド)-N-[(2S)-1-({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]-3-メチルブタンアミド
2-ブロモ酢酸(1.435g)のN,N-ジメチルホルムアミド(26mL)中溶液に、エチル2-エトキシキノリン-1(2H)-カルボキシレート(2.55g)を加えた。混合物を周囲温度で10分間攪拌した。別のフラスコにおいて、実施例1I(4.5g)及び2,6-ルチジン(3.61mL)をN,N-ジメチルホルムアミド(26mL)中で組み合わせ、上記の溶液を加えた。混合物を周囲温度で30分間攪拌した。混合物をトリフルオロ酢酸(4mL)によって酸性にし、Lunaカラム(250×50mm、10mm)を使用するCombiFlash(登録商標)Teledyne Iscoシステムでの逆相HPLCによって、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する5~75%アセトニトリル水溶液によって30分間かけて溶出させることによって精製し、凍結乾燥後に表題の化合物を得た。H NMR (600 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 8.57 (s, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.16 (d, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 6.30 (dd, 2H), 5.42 (s, 2H), 5.38 (d, 2H), 4.28 - 4.19 (m, 2H), 4.03 - 3.91 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.02 (h, 1H), 1.86 (ddp, 2H), 1.25 (d, 3H), 0.93 - 0.84 (m, 9H).MS(ESI+) m/z 764.46(M+H)
【0085】
【化31】
【0086】
[実施例2]
(2S)-2-[2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセトアミド]-N-[(2S)-1-({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]-3-メチルブタンアミド
実施例1I(2g)のN,N-ジメチルホルムアミド(54mL)中溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル 2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセテート(0.7g)を加え、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.3mL)を加えた。混合物を周囲温度で30分間攪拌した。反応をトリフルオロ酢酸(2mL)によってクエンチし、Lunaカラム(250×50mm、10mm)を使用するGilson PLC 2020システムでの逆相HPLCによって、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する5~75%アセトニトリル水溶液によって30分間かけて溶出することによって精製し、凍結乾燥後に表題の化合物を提供した。H NMR (500 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 8.50 (s, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.13 (d, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.12 (s, 2H), 6.30 (d, 2H), 5.42 (s, 2H), 5.36 (d, 2H), 4.24 (p, 1H), 4.20 - 4.14 (m, 3H), 2.75 (s, 6H), 2.01 (h, 1H), 1.86 (dp, 2H), 1.26 (d, 3H), 0.93 - 0.83 (m, 9H).MS(ESI+) m/z 781.14(M+H)
【0087】
【化32】
【0088】
[実施例3]
(2S,3S,4R,5R,6S)-6-[2-(5-{[(2S)-2-({(2S)-2-[2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセトアミド]-3-メチルブタノイル}アミノ)プロパノイル]アミノ}-2-{[({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}カルバモイル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸
【0089】
【化33】
【0090】
[実施例3A]
(2S,3S,4R,5S,6S)-2-(5-((S)-2-((S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)プロパンアミド)-2-((((3-((S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-8,10,11,13-テトラヒドロ-7H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェネチル)-6-(メトキシカルボニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート
(2S,3S,4R,5S,6S)-2-(5-((S)-2-((S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)プロパンアミド)-2-((((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)メチル)フェネチル)-6-(メトキシカルボニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(国際公開第2016094509号に記載されたように調製、2.99g)、実施例1G(1.35g)及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(0.361g)のN,N-ジメチルホルムアミド(26.5mL)中混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.39mL)を加えた。混合物を周囲温度で4時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、0~8%メタノールのジクロロメタン中溶液によって溶出させ、表題の化合物を得た。H NMR (501 MHz, CDCl) δ ppm 8.43 (br s, 1H), 7.74 (d, 2H), 7.61 (br s, 1H), 7.57 - 7.46 (d, 4H), 7.43 (s, 1H), 7.38 (t, 3H), 7.33 - 7.27 (m, 3H), 6.43 (br s, 1H), 6.17 (s, 2H), 5.89 (br s, 1H), 5.72 (d, 1H), 5.37 - 5.02 (m, 8H), 4.94 (t, 1H), 4.67 - 4.56 (m, 1H), 4.53 - 4.44 (t, 2H), 4.19 (br s, 1H), 4.00 (d, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.48 (dt, 1H), 2.94 (d, 1H), 2.88 - 2.66 (m, 6H), 2.16 (br s, 1H), 2.08 - 1.97 (m, 9H), 1.94 - 1.80 (ddt, 4H), 1.45 (d, 3H), 1.02 (t, 3H), 0.98 - 0.90 (m, 6H).MS(ESI+) m/z 1359.5(M+H)
【0091】
【化34】
【0092】
[実施例3B]
(2S,3S,4R,5R,6S)-6-(5-((S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)プロパンアミド)-2-((((3-((S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-8,10,11,13-テトラヒドロ-7H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェネチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸
実施例3A(3.2g)のメタノール(24mL)及びテトラヒドロフラン(24mL)中溶液に、水酸化リチウム一水和物(846mg)水溶液(24mL)を加えた。混合物を周囲温度で30分間攪拌した。反応をトリフルオロ酢酸(3mL)によってクエンチし、ヘプタン(5×30mL)によって抽出した。水層を、Lunaカラム(250×50mm、10mm)を使用するCombiFlash(登録商標)Teledyne Iscoシステムでの逆相HPLCによって、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する5~75%アセトニトリル水溶液によって30分間かけて溶出することによって精製し、凍結乾燥後に表題の化合物を提供した。H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 10.03 (s, 1H), 8.62 (d, 1H), 8.02 (br s, 4H), 7.55 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.41 (d, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.40 (br s, 1H), 6.23 (s, 2H), 5.35 (s, 2H), 5.27 (s, 2H), 4.97 (s, 2H), 4.43 (p, 1H), 3.60 - 3.47 (m, 3H), 3.15 - 3.01 (m, 3H), 2.90 (t, 1H), 2.64 (s, 6H), 2.00 (tq, 2H), 1.79 (七重線, 2H), 1.60 - 1.46 (m, 1H), 1.29 (d, 3H), 0.89 (dd, 6H), 0.80 (t, 3H).MS(ESI+) m/z 997.3(M+H)
【0093】
【化35】
【0094】
[実施例3C]
(2S,3S,4R,5R,6S)-6-[2-(5-{[(2S)-2-({(2S)-2-[2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセトアミド]-3-メチルブタノイル}アミノ)プロパノイル]アミノ}-2-{[({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}カルバモイル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸
実施例3B(1.02g)のN,N-ジメチルホルムアミド(16mL)中溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル 2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセテート(0.28g)を加え、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.8mL)を加えた。混合物を周囲温度で30分間攪拌した。反応を酢酸(0.8mL)によってクエンチし、Lunaカラム(250×50mm、10mm)を使用するGilson PLC 2020システムでの逆相HPLCによって、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する5~75%アセトニトリル水溶液によって30分間かけて溶出することによって精製し、凍結乾燥後に表題の化合物を提供した。H NMR (501 MHz, ジメチルスルホキシド -d) δ ppm 9.90 (s, 1H), 8.29 - 8.25 (m, 2H), 8.11 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.08 (s, 2H), 6.30 (s, 2H), 5.42 (s, 2H), 5.36 (s, 2H), 5.03 (s, 2H), 4.38 (p, 1H), 4.22 (dd, 1H), 4.13 (s, 2H), 3.58 (d, 2H), 3.15 (d, 4H), 2.97 (t, 1H), 2.71 (s, 6H), 2.10 - 1.93 (m, 2H), 1.86 (dp, 2H), 1.64 - 1.52 (m, 1H), 1.31 (d, 3H), 0.91 - 0.79 (m, 9H).MS(ESI+) m/z 1134.3(M+H)
【0095】
[実施例4]
細胞増殖
TOP1i薬が細胞生存率に及ぼす効果は、代謝的に活性な細胞に関するATPの存在のモニタリングによって評価された。Calu-6細胞(肺腺癌)及びA375細胞(悪性黒色腫)の増殖は、CellTiter-Glo(登録商標)発光を使用して定量された。図2A及び表1に示されるように、式I(実施例1G)の化合物は、増殖中のCalu-6細胞(0.57nM、図2A)及びA375(0.50nM、図2B)の生存率の低減に関してナノモル以下の効力を示した。このナノモル以下の効力は、同じアッセイにおいて6.58nM(Calu-6)及び2.30nM(A375)のEC50を実証したTOP1i薬SN-38の成績と比較して改善した。
【0096】
【表1】
【0097】
【化36】
【0098】
[実施例5]
AbAの調製及び精製
配列番号9及び配列番号10の重鎖及び軽鎖配列をそれぞれ有するAbAを、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において発現させた。AbAは、コンジュゲーションの前に単離及び精製された。
【0099】
[実施例6]
コンジュゲーションのための手順(ADC-1)
【0100】
コンジュゲーションステップ1
還元の前に、抗c-Met抗体AbAの溶液を、4℃で少なくとも12時間インキュベートした。次に、0.5Mエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩溶液(EDTA、Sigma Aldrich)を、最終濃度5mMで加えた。トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、100mM、2.67モル当量、Bond Breaker(商標)、Thermo Scientific(商標))を、溶液(1×DPBS(ダルベッコリン酸緩衝食塩水)中でおよそ10mg/mL)に加え、プレートを5分間軽く攪拌して(225rpm)混合した。4℃の冷蔵庫において17時間インキュベートした後、プレートを225rpmで攪拌して混合し、溶液を22℃にした。次に、10容量/容量%のN,N-ジメチルアセトアミド(DMA、Sigma Aldrich)共溶媒を加え、続いて20容量/容量%の調製された1Mホウ酸、pH8.0(Sigma Aldrich)を加え、次に6モル当量の50mMリンカー薬物LD1(構造式V、実施例1J)のN,N-ジメチルアセトアミド中溶液を滴下して加えた。混合を20分後に中止し、溶液を22℃で3.3時間インキュベートした。インキュベーション後、1×DPBS中で調製された2モル当量の50mM N-アセチル-L-システイン(NAC、Sigma Aldrich)を溶液に加え、容器を手で攪拌することにより軽く混合した。22℃で1時間インキュベーション後、溶液を、691mL G25 Fine Desalting(Cytiva(商標))カラムを使用して、1×DPBS中で脱塩した。
【0101】
コンジュゲーションステップ2
還元前、抗c-Met抗体AbAの溶液を、4℃で少なくとも12時間インキュベートした。次に、0.5Mエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩溶液(EDTA、Sigma Aldrich)を、最終濃度5mMで加えた。トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、100mM、1.00モル当量、Bond Breaker(商標)、Thermo Scientific(商標))を、抗体溶液(1×DPBS中でおよそ4mg/mL)に加え、プレートを軽く攪拌しながら(225rpm)5分間混合した。4℃の冷蔵庫で17時間インキュベートした後、プレートを225rpmで攪拌して混合し、溶液を22℃にした。次に、10容量/容量%のN,N-ジメチルアセトアミド(DMA、Sigma Aldrich)共溶媒を加え、続いて20容量/容量%の1Mホウ酸、pH8.0(Sigma Aldrich)を加え、次にN,N-ジメチルアセトアミド中の4モル当量の50mMリンカー薬物LD1(構造式V、実施例1J)を滴下して加えた。混合を20分後に中止し、溶液を22℃で2.1時間インキュベートした。インキュベーション後、1×DPBS中で調製された2モル当量の10mM N-アセチル-L-システイン(NAC、Sigma Aldrich)を溶液に加え、容器を手で攪拌しながら軽く混合した。22℃で5時間インキュベーション後、溶液を濃縮し、緩衝液を、限外ろ過ダイアフィルトレーション(UF/DF)を介して交換した。
【0102】
UF/DFステップ
Pellicon(登録商標)3 0.22mカセット(Millipore)に、滅菌水2Lを一度に流した後、製剤緩衝液0.5Lを流した。限外ろ過(UF)は、250mL/分の流速で実施され、膜間差圧(TMP)は12~13psiであり、開始容量は、1.3Lであった。最終的な透過容量は1.1Lであった。ダイアフィルトレーション(DF)は、最終製剤緩衝液の25ダイア容量(diavolume)(DV)で、UFステップと同じ流速及びTMPで実施された。DF後、第2のUFステップを実施して、ADC溶液の容量を100mLへとさらに低減させた。ADC溶液を除去し、カセットを、製剤緩衝液125mLによって2回すすぎ、次に各20mLへと限外ろ過した。次に、これらのすすぎ液をバルクADC溶液に加えた。最終的な溶液を、特性評価の前に0.22μmフィルターによってろ過滅菌した。
【0103】
[実施例7]
コンジュゲーションのための手順(ADC-2)
還元の前に、抗c-Met抗体AbAの溶液を氷中で35分間インキュベートした。次に、0.5Mエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩溶液(EDTA、Sigma Aldrich)を、最終濃度5mMで加えた。トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、25mM、3.50モル当量、Bond Breaker(商標)、Thermo Scientific(商標))を溶液に加え(1×DPBS中でおよそ10mg/mL)、チューブを数回ゆっくり上下させて軽く混合した。次に、溶液を氷中に入れ、4℃の冷蔵庫に24時間入れた。インキュベーション後、10容量/容量%のN,N-ジメチルアセトアミド共溶媒を加え、続いて10モル当量の10mMリンカー薬物LD2(構造式VI、実施例2)のN,N-ジメチルアセトアミド(DMA、Sigma Aldrich)中溶液を加え、チューブを数回ゆっくり上下させて軽く混合した。次に、溶液を氷中に30分間入れ、22℃で90分間インキュベートした。インキュベーション後、PBS中で調製した8モル当量の10mM N-アセチル-L-システイン(NAC、Sigma Aldrich)を溶液に加え、チューブを数回ゆっくり上下させて軽く混合した。22℃で60分間インキュベーション後、溶液を、HiPrep(商標)26/10脱塩カラムによって1×DPBS(Cytiva(商標))中で脱塩した。次に、脱塩されたADCを、10容量/容量%の1Mホウ酸、pH8.0(Sigma Aldrich)の調製された溶液を加えて22℃で96時間インキュベートすることによって加水分解した。加水分解されたADCを、アフィニティクロマトグラフィーと1×DPBSの最終製剤中での脱塩クロマトグラフィーとのカップリング(2×1mL HiTrap MabSelect SuRe、HiPrep(商標)26/10脱塩、Cytiva(商標))を通して精製した。収集した分画をプールし、特性評価の前に0.22μmフィルターを通してろ過滅菌した。
【0104】
[実施例8]
コンジュゲーションのための手順(ADC-3)
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩水溶液(EDTA、0.5M、21.3μL、Sigma Aldrich)を、抗c-Met抗体(AbA、1×DPBS、pH7.4中で13.34mg/mL)溶液5.337mLに加えた。トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、10mM、3.0モル当量、142.4μL、Bond Breaker(商標)、Thermo Scientific(商標))を溶液に加え、軽く攪拌し、37℃で75分間維持した。溶液を周囲温度に冷却し、リンカー-薬物LD3(構造式VII、実施例3C)(10当量、LD3(構造式VII、N,N-ジメチルアセトアミド中の実施例3C、90%純度))の10mM溶液527μL)を加えた。コンジュゲーション物を軽く攪拌し、周囲温度で1.2時間放置した。ADC溶液を脱塩によって精製した。脱塩後、ADC溶液を、0.22μmフィルターを通してろ過し、得られた試料を4℃で保存した。得られたADCを、10容量/容量%の1.0Mホウ酸緩衝液、pH8.0を加え、周囲温度の暗所で72時間インキュベートすることによって加水分解した。加水分解後、得られたADC溶液を、プロテインA樹脂カラム(MabSelect(商標)SuRe(商標)LX、GE Healthcare)に吸着させること;1×DPBS、pH7.4の4カラム容量によって洗浄すること;IgG溶出緩衝液(Thermo Scientific(商標))の5カラム容積によって樹脂から溶出させること;及び1×DPBS、pH7.4中で脱塩することによって精製した。脱塩後、ADC溶液を、0.22μmフィルターを通してろ過し、得られた試料を4℃で保存した。
【0105】
[実施例9]
コンジュゲーションのための手順(ADC-4)
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩水溶液(EDTA、0.5M、974μL、Sigma Aldrich)を、MSL109-C6v1抗体の精製溶液(20mMトリス緩衝液、pH7.4中で12.3mg/mL)243.3mLに加えた。MSL109-C6v1は、CMV糖タンパク質Hに結合するモノクローナル抗体である。MSL109-C6v1は、配列番号11として示される重鎖及び配列番号12として示される軽鎖を含み、非標的化対照抗体として使用されている。トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、500mM、6.0モル当量、242.4μL、Bond Breaker(商標)、Thermo Scientific(商標))を、2mM EDTAを含むMSL109-C6v1の溶液に加え、軽く攪拌し、4℃で20時間維持した。4℃のトリス緩衝液(1.0M、pH8.0)を溶液(24.5mL、10容量/容量%)に加えた。リンカー-薬物LD1(実施例1J、(2S)-2-(2-ブロモアセトアミド)-N-[(2S)-1-({3-[(7S)-7-エチル-7-ヒドロキシ-8,11-ジオキソ-7,8,11,13-テトラヒドロ-2H,10H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-14-イル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]-3-メチルブタンアミド)を、還元された抗体(10当量、10mM LD1、構造式V、実施例1JのN,N-ジメチルアセトアミド中溶液22.5mL、90%純度)にpH8.0で加えた。コンジュゲーション物を軽く攪拌し、周囲温度の水浴中で1.5時間放置した。コンジュゲーション物を、4当量のN-アセチル-L-システイン水溶液(NAC、Sigma Aldrich、1×DPBS中の100mM溶液、0.8mL)を加えることによってクエンチした。混合物を軽く攪拌し、周囲温度で1時間放置した。トリス緩衝液(15%、Sigma、1.0M、pH7.4、44mL)を加えて、ADC溶液をpH7.5に調整した。ADC溶液を4℃で一晩保存した。ADC溶液を濃縮し、緩衝液を、限外ろ過ダイアフィルトレーション(Pellicon(登録商標)3 0.22mカセット(Millipore))を介して交換した。最終的なADC溶液を、0.22μmフィルターを通してろ過し、得られたADC試料を4℃で保存した。ADCの最終容量は138mLであった。
【0106】
[実施例10]
DAR(薬物抗体比)の決定
DARは、LC-MSによって決定された。LC-MS解析は、Agilent LC/MSD TOF 6220 ESI質量分析計にインターフェースで接続されたAgilent 1100 HPLCシステムを使用して実施された。ADCは、5mM(最終濃度) Bond-Breaker(商標)TCEP溶液(Thermo Scientific(商標)、Rockford、IL)によって還元され、Protein Microtrap(Michrom Bioresources、Auburn、CA)脱塩カートリッジにロードされ、10%B~75%Bの0.2分間の勾配によって周囲温度で溶出した。移動相Aは、0.1%ギ酸(FA)を含むHOであり、移動相Bは、0.1%FAを含むアセトニトリルであり、流速は0.2mL/分であった。同時に溶出する軽鎖及び重鎖のエレクトロスプレーイオン化飛行時間型マススペクトルを、Agilent MassHunter(商標)獲得ソフトウェアを使用して獲得した。抽出された強度をm/zスペクトルに対して、MassHunter(商標)ソフトウェアの最大エントロピー特色を使用してデコンボリューションし、各還元された抗体断片の質量を決定した。DARは、軽鎖及び重鎖に関する裸のピーク及び改変されたピークの強度を合計することによってデコンボリューションされたスペクトルから計算され、結合した薬物の数を強度に乗算することによって正規化された。合計した正規化された強度を、強度の合計で除算し、2つの軽鎖及び2つの重鎖の合計した結果は、完全なADCに関する最終の平均DAR値を生じた。バイオコンジュゲートのチオスクシンイミド加水分解は、水をコンジュゲートに加えると、コンジュゲートの観察可能な分子量に対し18ダルトンの増加をもたらすことから、エレクトロスプレー質量分析によってモニターされ得る。
【0107】
[実施例11]
インビトロでの細胞傷害アッセイ
腫瘍細胞を、96ウェルプレートにおいて、10%FBS(仔ウシ胎児血清)を含有する増殖培地180μl中、2000~5000個/ウェルで播種し、5%COの湿潤インキュベーターにおいて37℃で培養した。18~24時間後、20μL中の抗体又はADCの滴定量を加え、細胞を、HCC827、NCI-H820、及びHEK-293(5日間)及びMIA PaCa2(4日間)を除き、6日間インキュベートした。細胞生存率は、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ(Promega)を使用して、製造元の使用説明書に従って決定された。非結合の無関係な陰性対照ADC(ADC-4、構造式VIII、AbはMSL109-C6v1である)もまた、細胞の殺滅が抗原依存的であることを確認するために全てのアッセイに含めた。ADCは全て、およそ等価な平均DARを有した。
【0108】
【表2】
【0109】
[実施例12]
受容体密度の決定
c-Met細胞表面密度(細胞あたりの抗原結合能)は、QIFIKIT(登録商標)(Dako/Agilent)を使用して培養細胞上の細胞表面抗原の間接的免疫蛍光染色によって決定された。簡単に説明すると、細胞を、FACS(蛍光活性化細胞選別)解析のために、上記のように培養フラスコから採取し、96ウェル丸底プレートに100μL/ウェルで加え、3μg/mL c-Met抗体m224G11と共に4℃でインキュベートした。同じアイソタイプ(mIgG1)の無関係なマウスモノクローナル抗体3μg/mLによって処置したウェルを対照として含めた。一次抗体と共に1時間インキュベーション後、細胞を、300×gで3分間遠心分離し、FACS緩衝液によって2回洗浄した。QIFIKIT(登録商標)ビーズの間接的免疫蛍光染色のために、バイアル1(セットアップビーズ)及びバイアル2(較正ビーズ)からの再懸濁したビーズ100μLを、個別のウェルに加え、300×gで3分間遠心分離し、FACS緩衝液によって1回洗浄した。全てのウェルを、FACS緩衝液中で1:250に希釈した抗マウスAlexa Fluor(登録商標)488コンジュゲート抗体(Invitrogen、カタログ#A-11029)100μLと共に4℃で1時間インキュベートした。細胞を、300×gで3分間遠心分離し、FACS緩衝液によって2回洗浄し、100μL/ウェルの1%ホルムアルデヒドのPBS(リン酸緩衝食塩水)中溶液によって固定した。データは、BD(商標)LSRIIフローサイトメーター上で獲得し、5つのビーズ集団に関して幾何平均値を記録し、これを使用してビーズあたりのロット特異的抗体分子に基づいて標準曲線を作成した。標準曲線を使用して、ABC(抗体結合能又は受容体の数)を、染色された細胞試料に割付した。
【0110】
結果
c-Met発現レベルとADC-1に対する感受性との可能性がある相関を決定するために、9個の細胞株のパネルを、インビトロでの増殖アッセイにおいて試験した。FACS解析は、これらの細胞株が、細胞表面のc-Met分子数を表すc-Met抗体結合能を介して定量された場合に、一定範囲のc-Met発現レベルを保有することを実証した(表3)。細胞増殖アッセイにおけるADC-1に対する感受性は、最大殺滅及びIC50として定量された(表3)。ADC-1は、MET増幅細胞株を含む、c-Metを過剰発現するがん細胞の増殖を阻害した(表3)。比較として、非コンジュゲートAbAは、MET増幅を有する細胞、すなわちHs 746T、SNU-5、及びEBC-1(図3A~C)の増殖を阻害したが、MET増幅を有しない細胞株、すなわちNCI-H441、NCI-H1573、HCC827、NCI-H820、及びCalu-3の増殖は阻害せず、ADC-1は同様に活性であった(図3D~H)。非コンジュゲートAbAもADC-1も、低c-Met発現細胞であるHEK-293及びMIA PaCa2において活性ではなく(表3、図3I及び図3J)、ADC-1による有意な殺滅のために、c-Met発現レベルの閾値が存在することを示唆した。
【0111】
【表3】
【0112】
[実施例13]
c-Met標的化TOP1i ADCは、インビボでがん異種移植片の成長を阻害する
細胞株、Hs 746T及びNCI-H441は、ATCC(American Type Culture Collection)から得られた。細胞は、供給元の推奨に従って3回以下の継代で単層培養として維持された。Matrigel(登録商標)と混合した培養培地(1:1、容量:容量)中の細胞2×10個の懸濁液を、雌性C.B-17 SCIDマウスの右脇腹に皮下注射し、胃癌細胞株Hs 746Tからの異種移植片を生成した。NSCLC細胞株であるNCI-H441からの異種移植片を生成するために、Matrigelと混合した培養培地(1:1、容量:容量)中の細胞5×10個の懸濁液を、雌性SCID/bgマウスに皮下注射した。脇腹の腫瘍のサイズがおよそ200mmに達すると処置を開始した。
【0113】
ビヒクル(0mg/kg)及び4つの用量レベル(最も低い用量から最も高い用量まで、用量A~D)が投与された。各動物は、1回用量を投与された。
【0114】
図4A及び4Bは、ADC-1が、免疫不全マウスにおける異種移植片として成長したヒトNSCLCの成長を阻害したことを示している。強固な成長阻害が、ADC-1の用量C及び用量Dの1回用量の投与後に示され、用量Bの投与後ではHs 746T及びNCI-H441異種移植片の両方において中等度の腫瘍成長遅延が示されている。
【0115】
[実施例14]
c-MET処置TOP1i ADCは、インビボで患者由来がん細胞の成長を阻害する
NSCLC患者由来異種移植片(PDX)モデル、LU450、LU120、LU572、LU123、及びLU413は、雌性免疫欠損NOD/SCIDマウス(Charles River Laboratories)に患者の生検組織断片を皮下に植え込むことによって内部で確立された。腫瘍が確立された後、PDX腫瘍細胞を、腫瘍を細胞懸濁液へと解離することによって増大させ、培養培地中の細胞5×10個を、Matrigel(登録商標)と混合し(1:1、容量:容量)、雌性NOD/SCIDマウスの乳腺脂肪体領域に皮下注射した。有効性試験に関して、腫瘍を有するマウスを処置群に無作為化し、各群は、等しい平均腫瘍体積(130~200mm)を有した。c-Met-ADCは、6つの用量レベル(最も低い用量から最も高い用量まで、用量A~F)で単一用量として腹腔内注射によって投与された。c-Met標的化有効性を、ビヒクルの類似の投与と比較した。腫瘍体積を週に1~2回測定し、有効性は、腫瘍体積(mm)を時間に対してプロットし、腫瘍進行までの時間(TTP)を計算することによって評価された。日数で表記されるTTPは、腫瘍が再成長して処置前(無作為化時)のサイズを倍加させるまでの1回用量処置後の時間である。持続性の応答(治癒)に関するTTPは、数の前に「>」の印を有する試験期間として示される。
【0116】
【表4】
【0117】
構造式(VIII)で表される構造を有するADCは、改善されたインビボ毒性を実証した。
【0118】
【表5】
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B
【配列表】
2023527257000001.app
【国際調査報告】