(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】化粧品容器及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A45D 40/06 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
A45D40/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564296
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2021088259
(87)【国際公開番号】W WO2021213350
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202010316636.2
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522411843
【氏名又は名称】張大朋
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】張大朋
(57)【要約】
本発明は、化粧品包装の分野に関し、化粧品容器及びその使用方法を提供する。化粧品容器は、ネジ付きスリーブと、回転部品と、材料カップと、プッシュカップとを備え、前記ネジ付きスリーブの内壁に平行な螺旋線を形成する第1のガイドスロットと第2のガイドスロットが設けられ、回転部品がネジ付きスリーブに回転可能に内嵌され、回転部品の側壁に透かし彫りのシュートパターンが設けられ、シュートパターンは、軸方向に延在され互いに連通する第1のシュートと第2のシュートとを含み、材料カップが回転部品に回転可能に内嵌され、材料カップの側壁から少なくとも第1のラグが外部に突出し、第1のラグがシュートパターンを通過し第1のガイドスロットに位置限定され、材料カップの側壁に軸方向に延在される第3のシュートが設けられ、プッシュカップが材料カップに回転可能に内嵌され、プッシュカップの側壁から少なくとも第2のラグが外部に突出し、第2のラグが第3のシュート及びシュートパターンを順次に通過し第2のガイドスロットに位置限定される。本発明は、回転可能な材料カップ及びプッシュカップを利用して、化粧品容器における材料体を使い切ることができ、シンプルな構造で操作しやすい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ付きスリーブと、回転部品と、材料カップと、プッシュカップとを備える化粧品容器であって、
前記ネジ付きスリーブの内壁に平行な螺旋線を形成する第1のガイドスロットと第2のガイドスロットが設けられ、
前記回転部品が前記ネジ付きスリーブに回転可能に内嵌され、前記回転部品の側壁に透かし彫りのシュートパターンが設けられ、前記シュートパターンが軸方向に延在され互いに連通する第1のシュート及び第2のシュートを少なくとも含み、
前記材料カップが前記回転部品に回転可能に内嵌され、前記材料カップの側壁から少なくとも第1のラグが外部に突出し、前記第1のラグが前記シュートパターンを通過し前記第1のガイドスロットに位置限定され、前記材料カップの側壁に軸方向に延在された第3のシュートが設けられ、
前記プッシュカップが前記材料カップに回転可能に内嵌され、前記プッシュカップの側壁から少なくとも第2のラグが外部に突出し、前記第2のラグが前記第3のシュート及び前記シュートパターンを順次に通過し前記第2のガイドスロットに位置限定される
ことを特徴とする化粧品容器。
【請求項2】
前記回転部品が前記ネジ付きスリーブに対して回転すると、前記第3のシュートが前記第1のシュートと前記第2のシュートと順次に重なり、前記プッシュカップと前記材料カップとが同期して昇降するための第1の結合シュートと、前記プッシュカップのみが昇降するための第2の結合シュートとを形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項3】
前記第1のラグと前記第3のシュートが同一の軸線に沿って設けられ、前記第1の結合シュートは、重なる、前記プッシュカップが昇降するための第3のシュート及び一部の第1のシュートと、前記材料カップが昇降する一部の第1のシュートとを含み、前記第2の結合シュートは、重なる第3のシュートと第2のシュートとを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の化粧品容器。
【請求項4】
前記第1のシュートに前記材料カップの上昇をロックするための材料カップ上部ロック位置が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の化粧品容器。
【請求項5】
前記第1のシュートに前記材料カップの降下をロックするための材料カップ下部ロック位置と前記プッシュカップの降下をロックするためのプッシュカップ下部ロック位置が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の化粧品容器。
【請求項6】
前記回転部品が前記ネジ付きスリーブに内嵌される筒体部と前記ネジ付きスリーブから延び出す動作部を含み、前記シュートパターンが前記筒体部の側壁に設けられ、
前記筒体部が前記動作部に接続された端面には、前記材料カップの降下の位置を限定する第1の凸状骨が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項7】
前記材料カップの下端面に前記プッシュカップの降下の位置を限定する第2の凸状骨が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項8】
前記材料カップの内壁に軸方向に延在されるリブが設けられ、前記プッシュカップの外壁に軸方向に延在される溝が設けられ、前記リブが軸方向にスライド可能に前記溝に位置限定される
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか1項に記載の化粧品容器の使用方法であって、
前記材料カップと前記プッシュカップと同期して昇降するように駆動する第1のプロセスと前記プッシュカップのみが昇降するように駆動する第2のプロセスとを含み、
前記第1のプロセスは、第1の上昇プロセスと第1の降下プロセスを含み、
前記第2のプロセスは、第2の上昇プロセスと第2の降下プロセスを含み、
前記第1の上昇プロセスと前記第2の上昇プロセスを順次に行い、前記第2の降下プロセスと前記第1の降下プロセスを順次に行う
ことを特徴とする化粧品容器の使用方法。
【請求項10】
前記第1の上昇プロセスは、前記回転部品を正回転し、前記材料カップと前記プッシュカップとが前記第1の結合シュートに沿って同期して上昇するように駆動することを含み、
前記第2の上昇プロセスは、前記回転部品を正回転し、前記プッシュカップが前記第2の結合シュートに沿って上昇するように駆動することを含み、
前記第2の降下プロセスは、前記回転部品を逆回転し、前記プッシュカップが前記第2の結合シュートに沿って降下するように駆動することを含み、
前記第1の降下プロセスは、前記回転部品を逆回転し、前記材料カップと前記プッシュカップとが前記第1の結合シュートに沿って同期して降下するように駆動することを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の化粧品容器の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品包装の分野に関し、具体的に、化粧品容器及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
口紅チューブ、リップクリームケースなどの従来の化粧品容器は、材料体をカップ体に収容し、カップ体の上昇、下降によって材料体を伸縮させる。
【0003】
材料体がカップ体に収容されているため、カップ体が一番上端に上昇しても、カップ体に収容されている一部の材料体を使い切ることができず、無駄が発生する。統計により、従来の化粧品容器は、通常、カップ体内に約35%の材料体が収容されているため、材料体の使用率を増やすことができない。
【0004】
材料体の大部分がカップ体から延び出し、一部がカップ体に収容されている場合、より硬い素材を材料体に使用する必要があり、結果として使用が低下する。 また、材料体の大部分が材料カップから延び出す場合、材料体が破壊され、使用に影響を与える可能性がある。
【0005】
そのため、材料体の使用率、使用感、寿命を同時に保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これに対し、化粧品容器内の材料体の使用率を向上させるとともに、使用感、寿命を向上させることができる化粧品容器及びその使用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ネジ付きスリーブと、回転部品と、材料カップと、プッシュカップとを備える化粧品容器を提供し、前記化粧品容器は、前記ネジ付きスリーブの内壁に平行な螺旋線を形成する第1のガイドスロットと第2のガイドスロットが設けられ、前記回転部品が前記ネジ付きスリーブに回転可能に内嵌され、前記回転部品の側壁に透かし彫りのシュートパターンが設けられ、前記シュートパターンが軸方向に延在され互いに連通する第1のシュート及び第2のシュートを少なくとも含み、前記材料カップが前記回転部品に回転可能に内嵌され、前記材料カップの側壁から少なくとも第1のラグが外部に突出し、前記第1のラグが前記シュートパターンを通過し前記第1のガイドスロットに位置限定され、前記材料カップの側壁に軸方向に延在された第3のシュートが設けられ、前記プッシュカップが前記材料カップに回転可能に内嵌され、前記プッシュカップの側壁から少なくとも第2のラグが外部に突出し、前記第2のラグが前記第3のシュート及び前記シュートパターンを順次に通過し前記第2のガイドスロットに位置限定される。
【0008】
いくつかの実施例では、上記の化粧品容器において、前記回転部品が前記ネジ付きスリーブに対して回転すると、前記第3のシュートが前記第1のシュートと前記第2のシュートと順次に重なり、前記プッシュカップと前記材料カップとが同期して昇降するための第1の結合シュートと、前記プッシュカップのみが昇降するための第2の結合シュートとを形成する。
【0009】
いくつかの実施例では、上記の化粧品容器において、前記第1のラグと前記第3のシュートが同一の軸線に沿って設けられ、前記第1の結合シュートは、重なる、前記プッシュカップが昇降するための第3のシュート及び一部の第1のシュートと、前記材料カップが昇降する一部の第1のシュートとを含み、前記第2の結合シュートは、重なる第3のシュートと第2のシュートとを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、上記の化粧品容器において、前記第1のシュートに前記材料カップの上昇をロックするための材料カップ上部ロック位置が設けられている。
【0011】
いくつかの実施例では、上記の化粧品容器において、前記第1のシュートに前記材料カップの降下をロックするための材料カップ下部ロック位置と前記プッシュカップの降下をロックするためのプッシュカップ下部ロック位置が設けられている。
【0012】
いくつかの実施例では、上記の化粧品容器において、前記回転部品が前記ネジ付きスリーブに内嵌される筒体部と前記ネジ付きスリーブから延び出す動作部を含み、前記シュートパターンが前記筒体部の側壁に設けられ、前記筒体部が前記動作部に接続された端面には、前記材料カップの降下の位置を限定する第1の凸状骨が設けられている。
【0013】
いくつかの実施例では、上記の化粧品容器において、前記材料カップの下端面に前記プッシュカップの降下の位置を限定する第2の凸状骨が設けられている。
【0014】
いくつかの実施例では、上記の化粧品容器において、前記材料カップの内壁に軸方向に延在されるリブが設けられ、前記プッシュカップの外壁に軸方向に延在される溝が設けられ、前記リブが軸方向にスライド可能に前記溝に位置限定される。
【0015】
本発明の他の態様は、上記の化粧品容器に基づく化粧品容器の使用方法を提供し、前記使用方法は、前記材料カップと前記プッシュカップと同期して昇降するように駆動する第1のプロセスと前記プッシュカップのみが昇降するように駆動する第2のプロセスとを含み、前記第1のプロセスは、第1の上昇プロセスと第1の降下プロセスを含み、前記第2のプロセスは、第2の上昇プロセスと第2の降下プロセスを含み、前記第1の上昇プロセスと前記第2の上昇プロセスを順次に行い、前記第2の降下プロセスと前記第1の降下プロセスを順次に行う。
【0016】
いくつかの実施例では、上記の使用方法において、前記第1の上昇プロセスは、前記回転部品を正回転し、前記材料カップと前記プッシュカップとが前記第1の結合シュートに沿って同期して上昇するように駆動することを含み、前記第2の上昇プロセスは、前記回転部品を正回転し、前記プッシュカップが前記第2の結合シュートに沿って上昇するように駆動することを含み、前記第2の降下プロセスは、前記回転部品を逆回転し、前記プッシュカップが前記第2の結合シュートに沿って降下するように駆動することを含み、前記第1の降下プロセスは、前記回転部品を逆回転し、前記材料カップと前記プッシュカップとが前記第1の結合シュートに沿って同期して降下するように駆動することを含む。
【0017】
本発明は、従来技術と比較して、少なくとも以下の有益な効果を奏する。
【0018】
回転可能な材料カップとプッシュカップによって、化粧品容器は少なくとも2つのプロセスを備え、第1のプロセスでは、材料カップとプッシュカップは同期して昇降でき、第2のプロセスでは、プッシュカップは材料カップに対して昇降でき、材料カップに収容された材料体を使い切ることができ、材料体の使用率を向上させ、材料体は大部分が材料体材料カップに収容されているため、材料体の折れを避け、柔軟な材料体を柔軟に選択して使用感を向上できる。
【0019】
材料カップとプッシュカップがシュートパターンを共用することで、回転部品は材料カップとプッシュカップにスライドスペースを提供するとともに、シュートパターンの面積を減少させて回転部品の堅実性を保証する。また、軸方向に伸びる第3のシュートとの組み合わせにより、材料カップとプッシュカップの同じ方向の動きを確保するとともに、第3のシュートがシュートパターンの第1のシュートと第2のシュートにそれぞれ重なり、材料カップとプッシュカップが同期して昇降するための第1の結合シュートとプッシュカップのみが昇降するための第2の結合シュートを形成し、操作が便利になる。
【0020】
なお、上記の一般的な説明およびそれに続く詳細な説明は、例示的および説明的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0021】
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の添付図面を参照しながら非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例における化粧品容器の構成の模式図である。
【
図2】本発明の実施例におけるネジ付きスリーブの構成の模式図である。
【
図3】本発明の実施例における回転部品の構成の模式図である。
【
図4】本発明の実施例における回転部品の構成の模式図である。
【
図5】本発明の実施例における回転部品の構成の模式図である。
【
図6】本発明の実施例における回転部品の構成の模式図である。
【
図7】本発明の実施例における材料カップの構成の模式図である。
【
図8】本発明の実施例におけるプッシュカップの構成の模式図である。
【
図9】本発明の実施例における材料カップ、プッシュカップ及び材料体の組み立ての模式図である。
【
図10】本発明の実施例における化粧品容器の正回転の過程の模式図である。
【
図11】本発明の実施例における化粧品容器の逆回転の過程の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、例示した実施形態について、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。しかしながら、例示した実施形態は、様々な形態で実施可能であり、本明細書に記載された実施形態に限定して解釈されるべきではない。むしろ、本発明が包括的かつ完全なものとなり、例示された実施形態のアイデアが当業者に十分に伝わるように、実施形態が提供されているのである。図面中の同一の付記は、同一または類似の構造を示すので、重複する説明を省略する。
【0024】
本発明の化粧品容器は、口紅、リップクリームなどのクリーム状の材料体を収納するために使用されるが、固形のり、塗料等を収納する用途にも適用できる。
【0025】
図1は実施例における化粧品容器を示し、
図2はネジ付きスリーブの構成を示し、
図3は回転部品の構成を示し、
図7は材料カップの構成を示し、
図8はプッシュカップの構成を示し、
図9は材料カップ、プッシュカップ及び材料体の組み立ての構成を示す。
図1、
図2、
図3、
図7~
図9に示すように、この実施例における化粧品容器は、ネジ付きスリーブ1と、回転部品2と、材料カップ3と、プッシュカップ4とを備える。
【0026】
ネジ付きスリーブ1は、その内壁に平行な螺旋線を形成する第1のガイドスロット11及び第2のガイドスロット12が設けられている。
図2は第1のガイドスロット11及び第2のガイドスロット12を示し、実際に、第1のガイドスロット11と第2のガイドスロット12とは、平行な螺旋線を形成する限り、交換してもよい。
【0027】
回転部品2は、ネジ付きスリーブ1に回転可能に内嵌され、回転部品2の側壁に透かし彫りのシュートパターン20が設けられ、前記シュートパターン20は、軸方向に延在され互いに連通する第1のシュート21及び第2のシュート22を少なくとも含む。
図3では、2つの斜線の影で軸方向に延在される第1のシュート21及び第2のシュート22を示す。
【0028】
材料カップ3は、回転部品2に回転可能に内嵌され、材料カップ3の側壁から少なくとも第1のラグ31が外部に突出し、第1のラグ31がシュートパターン20を通過し、第1のガイドスロット11に位置限定され、材料カップ3の側壁に軸方向に延在される第3のシュート32が設けられている。材料カップ3の側壁には、一対の第1のラグ31及び一対の第3のシュート32が対称的に設けられてもよい。
【0029】
プッシュカップ4は、材料カップ3に回転可能に内嵌され、プッシュカップ4の側壁から少なくとも第2のラグ41が外部に突出し、第2のラグ41が第3のシュート32及びシュートパターン20を順次に通過し、第2のガイドスロット12に位置限定される。
図8では、プッシュカップ4の側壁には、2つの第2のラグ41が対称的に設けられ、各第2のラグ41が1つの第3のシュート32を通過する。
【0030】
材料体5は、材料カップ3に収容され、プッシュカップ4により支持され、材料体5は、材料カップ3に位置する第1の部分51と、材料カップ3から延び出す第2の部分52とを有する。
【0031】
この実施例では、化粧品容器は、材料カップ3とプッシュカップ4が同期して昇降する第1のプロセスと、プッシュカップ4のみが昇降する第2のプロセスとの少なくとも2つのプロセスを有する。第1のプロセスでは、回転部品2がネジ付きスリーブ1に対して回転すると、第1のガイドスロット11により、材料カップ3の第1のラグ31がシュートパターン20に沿って上昇及び降下するようにガイドし、第2のガイドスロット12により、プッシュカップ4の第2のラグ32がシュートパターン20に沿って上昇及び降下するようにガイドする。この時、材料体5が材料カップ3及びプッシュカップ4とともに上昇/降下し、材料体5の第2の部分52は、使用ために回転部品2から突出し、又は、収容のために回転部品2に引き込める。材料カップ3がある程度まで(例えば、材料カップ3の上部の端面が回転部品2の上部の端面に面一され又は回転部品2の上部の端面よりも少し高い)上昇する場合、第1のプロセスを完了し、第2のプロセスに遷移する。この時、プッシュカップ4が材料カップ3に対して上昇又は降下し、材料カップ3に収容される材料体5の第1の部分51が材料カップ3から延び出し、又は、材料カップ3に引き込める。軸方向に延在される第3のシュート32は、第1のプロセスにおいて材料カップ3とプッシュカップ4を同一の方向に運動させるように保持し、第2のプロセスにおいてプッシュカップ4を材料カップ3対して軸方向に運動させる。
【0032】
材料カップ3とプッシュカップ4との連動により、第1の方面として、材料体5が材料カップ3から完全に延び出し、材料体を使い切ることができ、使用率を向上させる。第2の方面として、材料体5の大部分が材料カップ3に収容され、例えば、第1の部分51が材料体5の全長の約70%を占め、折れることを回避し、材料体5の寿命を向上させる。第3の方面として、材料体5の大部分が材料カップ3に収容されるため、より柔らかい材料体5を使用でき、使用感を向上させる。また、材料カップ3の高さも高くすることができる。従来の材料カップの高さは、チューブ本体の全高の約30%を占め、材料カップで材料が多く過ぎて使用できなくなることを回避する。 本発明の化粧品容器を使用した後、材料体5を完全に延び出すことができるので、材料カップ3の高さを大幅に増加させることができ、回転部品2の高さの50%~90%を占める。このように、材料体5の50%~90%が材料カップ3に収容される。もちろん、実際の生産では、材料カップ3の特定の高さは、必要に応じて柔軟に決定することができる。
【0033】
具体的な実施例では、
図3に示す回転部品及び
図7示す材料カップを参照し、回転部品2がネジ付きスリーブ1に対して回転すると、第3のシュート32が第1のシュート21及び第2のシュート22と順次に重なり、プッシュカップ4と材料カップ3とが同期して昇降するための第1の結合シュートと、プッシュカップ4のみが昇降するための第2の結合シュートとを形成する。
【0034】
他の実施例では、第1のラグ31と第3のシュート32とが同一の軸線に沿って設けられる。本発明では、回転部品2に回転可能な材料カップ3とプッシュカップ4が順次に内嵌されるため、回転部品2に設けられたシュートパターン20も増加される。この実施例では、第1のラグ31と第3のシュート32を同一の軸線に沿って設けることで(例えば、第1のラグ31が第3のシュート32の上に設けられる)、金型鋳造時の位置合わせが容易であり、精度を向上させ、また、第1のラグ31と第2のラグ41とがシュートパターン20における一部のシュートを重複に使用することで、回転部品2に設けられたシュートパターン20の面接を減少させ、回転部品2の堅作性を向上させる。例えば、第1のラグ31と第2のラグ41がシュートパターン20における第1のシュート21を重複に使用し、
図4に示すように、破線枠C1で第1の結合シュートを示し、破線枠C2で第2の結合シュートを示し、点状の影で第3のシュートを示す。第1の結合シュートC1は、重なる、プッシュカップ4が昇降するための第3のシュートと部分第1のシュート21a(即ち、破線枠C1における点状の影部分)と、材料カップ3が昇降するための一部の第1のシュート21b(即ち、破線枠C1における空白の部分)を含み、第2の結合シュートC2は、重なる、プッシュカップ4が昇降するための第3のシュートと、第2のシュート22とを含む。材料カップ3の昇降の過程では、第3のシュートと第1のシュートと重なる部分は、それに従って変化する。
【0035】
さらに、第1のシュート21に材料カップ上部ロック位置が設けられ、材料カップ3がある程度まで上昇する時に材料カップ3をロックし、プッシュカップ4を材料カップ3に対して昇降させる。上記の前記第1のラグ31が第3のシュート32の上に同軸に設けられた実施例では、
図5に示す回転部品を参照すると、第1のシュート21の上端には、材料カップ3の上昇をロックする材料カップ上部ロック位置302が設けられる。材料カップ上部ロック位置302の作用により、材料カップ3とプッシュカップ4とが同期して上昇し材料カップ3の第1のラグ31が材料カップ上部ロック位置302に到着する時に、材料カップ3がロックされ、継続して上昇しない。この時、プッシュカップ4が材料カップ3とともに第1のシュート21と第2のシュート22との連通箇所4012に到着する。次に、材料カップ3が材料カップ上部ロック位置302にロックされ、プッシュカップ4が第2のシュート22に沿って材料カップ3に対して昇降する。
【0036】
さらに、第1のシュート21には、材料カップ3の降下をロックするための材料カップ下部ロック位置301と、プッシュカップ4の降下をロックするためのプッシュカップ下部ロック位置401とがそれぞれ設けられている。材料カップ下部ロック位置301の作用により、材料カップ3が降下してその第1のラグ31が材料カップ下部ロック位置301に到着する時に、材料カップ3がロックされ、継続して降下しない。同様、プッシュカップ下部ロック位置401の作用により、プッシュカップ4が降下してその第2のラグ41がプッシュカップ下部ロック位置401に到着する時に、プッシュカップ4がロックされ、継続して降下しない。材料カップ下部ロック位置301と、材料カップ上部ロック位置302と、プッシュカップ下部ロック位置401とのいずれも、
図5のように、周方向に延在されてもよい。材料カップ下部ロック位置301とプッシュカップ下部ロック位置401によるロックにより、化粧品容器が使用されない時に(例えば、アイドル状態又は運送状態にある)、材料カップ下部ロック位置301とプッシュカップ下部ロック位置401で材料カップ3とプッシュカップ4をそれぞれロックし、緩みを防止する。使用される場合、回転部品2に動作し、材料カップ下部ロック位置301とプッシュカップ下部ロック位置401とでロックを解除し、材料カップ3の第1のラグ31とプッシュカップ4の第2のラグ41が第1のガイドスロット11と第2のガイドスロット12により第1のシュート21にプッシュされ、使用状態に遷移する。使用では、軸方向に延在される第3のシュート32は、プッシュカップ4と材料カップ3との同一方向の運動を保持し、降下する時にプッシュカップ4が材料カップ下部ロック位置301まで滑り落ちることがない。
【0037】
具体的に、
図7、
図8及び
図5に示すように、材料カップ3とプッシュカップ4とが同期して昇降する第1のプロセスでは、材料カップ3の第1のラグ31のスライディング軌跡を二重点線矢印310で示し、第1のラグ31が材料カップ下部ロック位置301と材料カップ上部ロック位置302との間で第1のシュート21に沿ってスライドする。第1のラグ31が材料カップ下部ロック位置301にロックされるまで材料カップ3が降下し、第1のラグ31が材料カップ上部ロック位置302にロックされるまで上昇する。同様、第1のプロセスでは、プッシュカップ4の第2のラグ41のスライディング軌跡を二重点線矢印410aで示し、第2のラグ41がプッシュカップ下部ロック位置401と連通箇所4012との間で第1のシュート21に沿ってスライドする。材料カップ3降下して第1のラグ31が材料カップ下部ロック位置301にロックされる時、プッシュカップ4の第2のラグ41がプッシュカップ下部ロック位置401にロックされ、材料カップ4が上昇して第1のラグ31が材料カップ上部ロック位置302にロックされる時に、プッシュカップ4の第2のラグ41が連通箇所4012に到着する。プッシュカップ4のみが昇降する第2のプロセスでは、材料カップ3の第1のラグ31が材料カップ上部ロック位置302にロックされ、材料カップ3が移動しなく、プッシュカップ4の第2のラグ41のスライディング軌跡を二重点線矢印401bで示し、第2のラグ41が第2のシュート22の下端(即ち連通箇所4012)と第2のシュート22との上端の間で第2のシュート22に沿ってスライドする。
【0038】
本発明の化粧品容器では、
図6に示す回転部品及び
図1を参照すると、回転部品2は、ネジ付きスリーブ1に内嵌される筒体部2aと、ネジ付きスリーブ1から延び出す動作部2bとを含み、シュートパターン20が筒体部2aの側壁に設けられ、化粧品容器が使用される時に、動作部2bを回転することで、回転部品2をネジ付きスリーブ1内で回転させ、さらに、材料カップ3及び/又はプッシュカップ4を昇降させる。筒体部2aが動作部2bに接続された端面に材料カップ3の降下の位置を限定するための第1の凸状骨23が設けられ、材料カップ3が降下してその端面が第1の凸状骨23に当接し、降下が停止し、材料カップ3の無制限の降下により化粧品容器が破壊されることを防止する。
【0039】
さらに、材料カップ3の下端面にプッシュカップ4の降下の位置を限定するための第2の凸状骨(図示せず)が設けられている。プッシュカップ4が降下してその端面が第2の凸状骨に当接し、降下が停止し、プッシュカップ4の無制限の降下により化粧品容器が破壊されることを防止する。
【0040】
好ましい実施例では、
図7に示す材料カップと
図8に示すプッシュカップを参照し、材料カップ3の内壁に軸方向に延在されるリブ33が設けられ、プッシュカップ4の外壁に軸方向に延在される溝42が設けられ、リブ33が溝42に軸方向にスライド可能に位置限定される。嵌合されるリブ33と溝42は、材料カップ3とプッシュカップ4との同一方向の運動を保証するとともに、プッシュカップ4の位置を限定し、プッシュカップ4が外れることを防止する。
【0041】
本発明の実施例は、また、上記の化粧品容器の使用方法を提供し、材料カップ3とプッシュカップ4が同期して昇降するように駆動する第1のプロセスと、プッシュカップ4のみが昇降するように駆動する第2のプロセスとを含む。ここで、第1のプロセスは、第1の上昇プロセスと第1の降下プロセスを含み、第2のプロセスは、第2の上昇プロセスと第2の降下プロセスを含み、第1の上昇プロセスと第2の上昇プロセスを順次に行い、第2の降下プロセスと第1の降下プロセスを順次に行う。第1の上昇プロセスは、回転部品を正回転し、プッシュカップと材料カップとが第1の結合シュートに沿って同期して上昇するように駆動することを含み、第2の上昇プロセスは、回転部品を正回転し、プッシュカップが第2の結合シュートに沿って上昇するように駆動することを含む。第2の降下プロセスは、回転部品を逆回転し、プッシュカップが第2の結合シュートに沿って降下するように駆動することを含み、第1の降下プロセスは、回転部品を逆回転し、材料カップとプッシュカップとが第1の結合シュートに沿って同期して降下するように駆動することを含む。
【0042】
図10に示す化粧品容器の正回転の模式図を参照し、
図10a~
図10dは、材料カップ3及びプッシュカップ4が第1の結合シュートに沿って同期して上昇する第1の上昇プロセスを示し、
図10d~
図10eは、プッシュカップ4が第2の結合シュートに沿って上昇する第2の上昇プロセスを示す。上記の実施例における化粧品容器及びその部品の図面及び
図10を参照し、
図10aの状態では、材料カップ3の第1のラグ31(
図10aの視角に第1のラグが遮蔽される)が材料カップ下部ロック位置301にロックされ、材料カップ3が移動しなく、プッシュカップ4の第2のラグ41(
図10aの視角に第2のラグが遮蔽される)がプッシュカップ下部ロック位置401中にロックされ、プッシュカップ4が移動しなく、材料体5が回転部品2に隠す(
図10に回転部品2外のネジ付きスリーブを図示せず)、化粧品容器が使用しないアイドル状態にある。この時、回転部品2を正回転し、例えば、回転部品2を時計方向に回転し、第1のガイドスロット11及び第2のガイドスロット12を介して、材料カップ3の第1のラグ31とプッシュカップ4の第2のラグ41が第1のシュート21にそれぞれプッシュされ、
図10bに示す状態になる。回転部品2を継続して正回転すると、材料カップ3の第1のラグ31とプッシュカップ4の第2のラグ41が第1のガイドスロット11と第2のガイドスロット12のガイドにより、第1のシュート21に沿って同期して上昇し、
図10cに示す状態になるまで利用するために材料体5の第2の部分52を突出する。
図10cでは、材料カップ3の第1のラグ31が第1のシュート21の上部まで上昇し、回転部品2を継続して正回転すると、第1のラグ31が第1のガイドスロット11により材料カップ上部ロック位置302にプッシュされ、第1のラグ31が第1のガイドスロット11により材料カップ上部ロック位置302にプッシュされる過程では、第3のシュートによりプッシュカップ4と材料カップ3との同一方向の回転を保持するため(嵌合されるリブ33と溝42とも作用する)、プッシュカップ4の第2のラグ41が第2のガイドスロット12により第2のシュート22と第1のシュート21との接続箇所4012にプッシュされ、
図10dに示す状態になる。回転部品2を継続して正回転すると、第1のラグ31が材料カップ上部ロック位置302にロックされるため、材料カップ3が移動しなく、プッシュカップ4が第2のラグ41の第2のガイドスロット12へのガイド作用により、第2のシュート22に沿って継続して上昇し、使用するために材料カップ3に収納される材料体5の第1の部分51を突出し、
図10eに示す第2のラグ41が第2のシュート22の上部に上昇すると、材料体5の第1の部分51が完全に突出する状態になる。この場合、材料体5を使い切ることができる。
【0043】
図11に示す化粧品容器の逆回転の過程の模式図を参照し、
図11a~
図11bはプッシュカップが第2の結合シュートに沿って降下する第2の降下プロセスを示し、
図11b~
図11eは材料カップとプッシュカップとが第1の結合シュートに沿って同期して降下する第1の降下プロセスを示す。上記の実施例における化粧品容器及びその部品の図面及び
図11を参照し、
図11aでは、材料体5の第1の部分51の最後の部分を使用する時、プッシュカップ4の第2のラグ41が第2のシュート22の上端に上昇し、材料カップ3の第1のラグ31が材料カップ上部ロック位置302にロックされる。この時、回転部品2を逆回転し、例えば、回転部品2を反時計方向に回転し、第2のガイドスロット12のガイドにより、プッシュカップ4の第2のラグ41が第2のシュート22に沿って下にスライドし、プッシュカップ4が降下し、
図11bに示す状態になる。回転部品2を継続して逆回転し、第1のガイドスロット11及び第2のガイドスロット12のガイドにより、材料カップ3の第1のラグ31とプッシュカップ4の第2のラグ41が第1のシュート21にそれぞれプッシュされ、
図11cに示す状態になる。回転部品2を継続して逆回転し、材料カップ3の第1のラグ31とプッシュカップ4の第2のラグ41が第1のガイドスロット11及び第2のガイドスロット12のガイドにより、第1のシュート21に沿って同期して降下し、
図11dに示す状態になる。次に、回転部品2を逆回転すると、第1のラグ31と第2のラグ41とが材料カップロック位置301及びプッシュカップ下部ロック位置401にそれぞれプッシュされ、材料カップ3とプッシュカップ4とがロック状態にそれぞれなり、
図11eに示す状態になる。材料カップ3とプッシュカップ4とのロック過程では、回転部品2の第1の凸状骨23と材料カップ3の第2の凸状骨は、材料カップ3及びプッシュカップ4の位置をそれぞれ限定する。
【0044】
化粧品容器の実際の使用では、通常、まず、材料体5の材料カップ3から露出した第2の部分52を使用し、第2の部分52を使い切れた場合、次に、材料体5の材料カップ3に収容された第1の部分51を使用する。材料体5の第2の部分52の使用過程では、
図10a~
図10dに示す第1の上昇プロセスと
図11a~
図11bに示す第1の降下プロセスを交互に行い、材料体5の第1の部分51の使用過程では、
図10に示す上昇プロセスと
図11に示す降下プロセスを交互に行う。
【0045】
また、化粧品容器の作成では、ネジ付きスリーブ1、回転部品2、材料カップ3、プッシュカップ4等の部品を組み立ててから、回転部品2を回転し、材料カップ3とプッシュカップ4とが
図10d/
図11bに示す状態になり、次に、材料カップ3に材料体5を挿入してプッシュカップ4が材料体5を支持する。材料体5の挿入過程では、ネジ付きスリーブ12を持って第1のラグ31及び第2のラグ41を締め付けることで、挿入時の材料カップ3とプッシュカップ4とが力による緩みを防止することができます。
【0046】
以上のように、本発明は、回転可能な材料カップ3及びプッシュカップ4を介して、化粧品容器が少なくとも2つのプロセスを有し、第1のプロセスでは、材料カップ3とプッシュカップ4とが同期して昇降し、第2のプロセスでは、プッシュカップ4が材料カップ3に対して昇降することで、材料カップ3に収容される材料体5を完全に使い切ることができ、材料体5の使用率を向上させ、さらに、材料体5は、柔らかさや柔軟性を柔軟に選択でき、使用感を高めることができ、材料カップ3とプッシュカップ4とがシュートパターン20を共用することで、回転部品2が材料カップ3とプッシュカップ4のスライドスペースを提供するとともに、シュートパターン20の面積を低減させ、回転部品2の堅作性を保証し、また、軸方向に延在される第3のシュート32と連動し、材料カップ3とプッシュカップ4との同一方向の運動を保証するとともに、第3のシュート32がシュートパターン20の第1のシュート21と第2のシュート22とそれぞれ重なり、材料カップ3及びプッシュカップ4が同期して昇降するための第1の結合シュート及びプッシュカップ4のみが昇降するための第2の結合シュートを形成し、材料カップ3とプッシュカップ4との回転の柔軟性を向上させる。
【0047】
以上は、特定の好ましい実施形態に関連して本発明をさらに詳細に説明したものであり、本発明の具体的な実施形態がこれらの記載に限定されると考えることはできない。本発明が属する技術分野の通常の技術者にとって、本発明の概念から逸脱することなく、多くの簡単な派生物または置換物を作成することができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属すると考えるべきである。
【国際調査報告】