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特表2023-527304心臓弁輪に打ち込まれるアンカそれぞれを独立的に制御することによる心臓弁輪の直径の減少
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】心臓弁輪に打ち込まれるアンカそれぞれを独立的に制御することによる心臓弁輪の直径の減少
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570700
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 US2021032954
(87)【国際公開番号】W WO2021236634
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/027,640
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518416975
【氏名又は名称】カーディアック・インプランツ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・アロン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC05
4C097MM10
4C097SB10
(57)【要約】
N個のアンカを含むデバイス(例えば、弁輪絞扼デバイス)は、以下のように、心臓弁輪に固定され得る。まず、デバイスは、カテーテルを通して弁輪近くに送達される。次いで、デバイスの位置及びレイアウトがカテーテルを通して調整される。次いで、適切に位置決めされたアンカだけが、弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれる。残りのアンカは、この時点では打ち込まれないままになる。続いて、未打込みアンカが、操作ツールかカテーテル操縦技術のどちらかを用いて良好な位置へと動かされてから、弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを心臓弁輪に固定する方法であって、
可撓性コード、N個のアンカ及びN個のアンカ打込機をカテーテルを通して前記弁輪近くに送達する送達ステップであって、Nが4を超える整数であり、N個の前記アンカが、前記可撓性コードの周りに分配され、N個の前記アンカそれぞれが、前記可撓性コードに対して固定され、N個の前記アンカ打込機それぞれが、作動されると、N個の前記アンカの各別の前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込むように構成される、送達ステップと、
前記送達ステップに続いて、前記可撓性コードの位置及びレイアウトが前記弁輪に対応するまで、前記可撓性コードの位置及びレイアウトを前記カテーテルを通して調整する調整ステップと、
前記調整ステップに続いて、各別の前記アンカ打込機が各別の前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるように位置決めされたN個の前記アンカのうちの第1のサブセットを識別する識別ステップであって、前記第1のサブセットが、N個よりも少ない前記アンカを含む、識別ステップと、
前記識別ステップに続いて、N個の前記アンカのうちの前記第1のサブセットに対応するN個の前記アンカ打込機のうちの第1のサブセットを作動させ、それにより、N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセットがN個の前記アンカのうちの前記第1のサブセットを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込む、作動ステップと、
操作ツールを前記カテーテルを通して前記弁輪近くに導入するステップと、
N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセットを作動させる前記作動ステップに続いて、N個の前記アンカのうち前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に依然として打ち込まれていない前記アンカそれぞれについて、(a)前記操作ツールを用いて、各別の前記アンカ打込機が前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置へ前記アンカを動かすステップ、及び(b)各別の前記アンカ打込機を作動させ、それにより、各別の前記アンカ打込機が前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内へと打ち込むステップ、と
を含む、方法。
【請求項2】
N個の前記アンカそれぞれが、前記可撓性コードに対して摺動可能に固定され、各別の前記アンカが各別の前記アンカ打込機によって前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるとき、各別の前記アンカが、初期位置から、各別の前記アンカが前記可撓性コードの各別の部分を前記弁輪または前記弁輪に隣接する前記組織に締結する最終位置へと摺動するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別ステップが、エコー撮像するステップ及び蛍光透視撮像するステップのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記識別ステップが、前記アンカ打込機それぞれに固定されたコンタクトプローブが組織と接触しているかどうかを決定する決定ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセットを作動させる前記作動ステップが、N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセット全部を実質的に同時に作動させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記可撓性コードの位置及びレイアウトを調整する前記調整ステップが、バルーンを膨張させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のサブセットが、少なくとも2つの前記アンカを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
デバイスを心臓弁輪に固定する方法であって、
可撓性コード、N個のアンカ及びN個のアンカ打込機をカテーテルを通して前記弁輪近くに送達する送達ステップであって、Nが4を超える整数であり、N個の前記アンカが、前記可撓性コードの周りに分配され、N個の前記アンカそれぞれが、前記可撓性コードに対して固定され、N個の前記アンカ打込機それぞれが、作動されると、N個の前記アンカの各別の前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込むように構成される、送達ステップと、
前記送達ステップに続いて、前記可撓性コードの位置及びレイアウトが前記弁輪に対応するまで、前記可撓性コードの位置及びレイアウトを前記カテーテルを通して調整する調整ステップと、
前記調整ステップに続いて、各別の前記アンカ打込機が各別の前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるように位置決めされたN個の前記アンカのうちの第1のサブセットを識別する識別ステップであって、前記第1のサブセットが、N個よりも少ない前記アンカを含む、識別ステップと、
前記識別ステップに続いて、N個の前記アンカのうちの前記第1のサブセットに対応するN個の前記アンカ打込機のうちの第1のサブセットを作動させ、それにより、N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセットがN個の前記アンカのうちの前記第1のサブセットを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込む、作動ステップと、
N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセットを作動させる前記作動ステップに続いて、N個の前記アンカのうち前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に依然として打ち込まれていない前記アンカそれぞれについて、(a)カテーテル操縦技術を用いて、各別の対応する前記アンカ打込機の位置を、各別の対応する前記アンカ打込機が前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置へと調節するステップ、及び(b)各別の対応する前記アンカ打込機を作動させ、それにより、各別の対応する前記アンカ打込機が前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内へと打ち込むステップ、と
を含む、方法。
【請求項9】
前記ステップ(a)及び前記ステップ(b)が、少なくとも2回実施され、前記ステップ(a)及び前記ステップ(b)が、すべての前記アンカが前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるまで繰り返される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
N個の前記アンカそれぞれが、前記可撓性コードに対して摺動可能に固定され、前記アンカそれぞれが各別の前記アンカ打込機によって前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるとき、各別の前記アンカが、初期位置から、各別の前記アンカが前記可撓性コードの各別の部分を前記弁輪または前記弁輪に隣接する前記組織に締結する最終位置へと摺動するように構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記識別ステップが、エコー撮像するステップ及び蛍光透視撮像するステップのうちの少なくとも一方を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記識別ステップが、前記アンカ打込機それぞれに固定されたコンタクトプローブが組織と接触しているかどうかを決定するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセットを作動させる前記作動ステップが、N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセット全部を実質的に同時に作動させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のサブセットが、少なくとも2つの前記アンカを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
デバイスを心臓弁輪に固定する方法であって、
可撓性コード、N個のアンカ及びN個のアンカ打込機をカテーテルを通して前記弁輪近くに送達する送達ステップであって、Nが4を超える整数であり、N個の前記アンカが、前記可撓性コードの周りに分配され、N個の前記アンカそれぞれが、前記可撓性コードに対して固定され、N個の前記アンカ打込機それぞれが、作動されると、N個の前記アンカの各別の前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込むように構成される、作動ステップと、
操作ツールを前記カテーテルを通して前記弁輪近くに導入する導入ステップと、
N個の前記アンカそれぞれについて、(a)前記操作ツールを用いて、各別の前記アンカ打込機が前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置へ前記アンカを動かすステップ、及び(b)各別の前記アンカ打込機を作動させ、それにより、各別の前記アンカ打込機が前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内へと打ち込むステップ、と
を含む、方法。
【請求項16】
N個の前記アンカそれぞれが、前記可撓性コードに対して摺動可能に固定され、各別の前記アンカが各別の前記アンカ打込機によって前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるとき、各別の前記アンカが、初期位置から、各別の前記アンカが前記可撓性コードの各別の部分を前記弁輪または前記弁輪に隣接する前記組織に締結する最終位置へと摺動するように構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記操作ツールを前記アンカを動かすことに使用している間、前記アンカの位置を決定することにエコー撮像するステップ及び蛍光透視撮像するステップのうちの少なくとも一方を使用するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記アンカ打込機それぞれに固定されたコンタクトプローブが組織と接触しているかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記送達ステップに続いて、前記可撓性コードの位置及びレイアウトが前記弁輪に対応するまで、前記可撓性コードの位置及びレイアウトを前記カテーテルを通して調整するステップ
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記可撓性コードの位置及びレイアウトを調整する前記調整ステップが、バルーンを膨張させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月20日に出願された米国仮出願第63/027,640号の優先権を主張するものである。この仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
参照によりそれぞれ組み込まれる特許文献1から特許文献4には、(a)コードを複数のアンカを用いて心臓弁輪または隣接組織(例えば、弁尖)に固定するため、及び、(b)アンカが組織内に打ち込まれる前にコードを所定位置につかせるための様々なアプローチが記載されている。コードの固定後、組織治癒により、弁輪とアンカとの間の結合が時間とともに(例えば4週間~8週間)強固になる。場合によっては、組織治癒によってさらに、弁輪とスリーブとの間の結合が強固になり、それによってコードを囲繞する組織の内部成長が促進される。結合が強固になった後、コードは、弁輪のサイズを減少させるのに使用することができる。
【0003】
特許文献3に最も良く記載されるように、組織内へと打ち込まれるアンカそれぞれは、対応するアンカ打込機を有し、アンカ打込機それぞれは、それ自体の個別のアクチュエータ(例えば、プルワイヤ)を有する。特許文献3にはさらに、アンカ打込機のためのアクチュエータとして機能する一組のプルワイヤを引くことによってすべてのアンカ打込機をトリガするための機構が記載されている。これは、順次的(すなわち、迅速に連続して一度に1つのアンカ打込機をトリガすることによって)か、同時に(すなわち、すべてのアンカ打込機を同時にトリガすることによって)かのどちらかによって行われ得る。しかし、どちらの場合においても、アンカ打込機をトリガするための機構は常に、アンカ打込機を一つずつトリガしていた。
【0004】
この配置を考慮して、特許文献3にあるコード、アンカ及びアンカ打込機は、アンカの打込み前に非常に正確に位置決めされなければならなかった。1以上のアンカが、各別のアンカ打込機から打ち込まれた瞬間に、それらのアンカが標的組織に十分に近づいて位置決めされなかった場合、それらのアンカは、弁輪または隣接組織に適切に埋め込まれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9,517,130号明細書
【特許文献2】米国特許第10,143,553号明細書
【特許文献3】米国特許第10,206,776号明細書
【特許文献4】米国特許第10,575,952号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、デバイスを心臓弁輪に固定する第1の方法を対象とする。第1の方法は、可撓性コード、N個のアンカ及びN個のアンカ打込機をカテーテルを通して弁輪近くに送達するステップを含み、Nが4を超える整数であり、N個のアンカが、可撓性コードの周りに分配され、N個のアンカそれぞれが、可撓性コードに対して固定され、N個のアンカ打込機それぞれが、作動されると、N個のアンカの各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込むように構成される。送達するステップに続いて、可撓性コードの位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、可撓性コードの位置及びレイアウトがカテーテルを通して調整される。調整するステップに続いて、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるように位置決めされたN個のアンカのうちの第1のサブセットが識別され、第1のサブセットが、N個よりも少ないアンカを含む。識別するステップに続いて、N個のアンカのうちの第1のサブセットに対応するN個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットが、N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットがN個のアンカのうちの第1のサブセットを弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込むように、作動される。第1の方法は、操作ツールをカテーテルを通して弁輪近くに導入するステップをさらに含む。N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットを作動させるステップに続いて、N個のアンカのうち弁輪または弁輪に隣接する組織内に依然として打ち込まれていないアンカそれぞれについて、(a)操作ツールを用いて、各別のアンカ打込機がそのアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置へアンカを動かし、(b)各別のアンカ打込機を作動させて、それにより、各別のアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込む。
【0007】
第1の方法のいくつかの例では、N個のアンカそれぞれが、可撓性コードに対して摺動可能に固定され、各別のアンカが各別のアンカ打込機によって弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるとき、各別のアンカが、初期位置から、各別のアンカが可撓性コードの各別の部分を弁輪または弁輪に隣接する組織に締結する最終位置へと摺動するように構成される。
【0008】
第1の方法のいくつかの例では、識別するステップが、エコー撮像するステップ及び蛍光透視撮像(fluoro imaging)するステップのうちの少なくとも一方を含む。第1の方法のいくつかの例では、識別するステップが、アンカ打込機それぞれに固定されたコンタクトプローブが組織と接触しているかどうかを決定するステップを含む。第1の方法のいくつかの例では、N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットを作動させるステップが、N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセット全部を実質的に同時に作動させるステップを含む。第1の方法のいくつかの例では、可撓性コードの位置及びレイアウトを調整するステップが、バルーンを膨張させるステップを含む。第1の方法のいくつかの例では、第1のサブセットが、少なくとも2つのアンカを含む。
【0009】
本発明の他の態様は、デバイスを心臓弁輪に固定する第2の方法を対象とする。第2の方法は、可撓性コード、N個のアンカ及びN個のアンカ打込機をカテーテルを通して弁輪近くに送達するステップを含み、Nが4を超える整数であり、N個のアンカが、可撓性コードの周りに分配され、N個のアンカそれぞれが、可撓性コードに対して固定され、N個のアンカ打込機それぞれが、作動されると、N個のアンカの各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込むように構成される。送達するステップに続いて、可撓性コードの位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、可撓性コードの位置及びレイアウトがカテーテルを通して調整される。調整するステップに続いて、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるように位置決めされたN個のアンカのうちの第1のサブセットが識別され、第1のサブセットが、N個よりも少ないアンカを含む。識別するステップに続いて、N個のアンカのうちの第1のサブセットに対応するN個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットを作動させ、それにより、N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットがN個のアンカのうちの第1のサブセットを弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込む。N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットを作動させるステップに続いて、N個のアンカのうち弁輪または弁輪に隣接する組織内に依然として打ち込まれていないアンカそれぞれについて、(a)カテーテル操縦(steering)技術を用いて、各別の対応するアンカ打込機の位置を、各別の対応するアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置へと調節し、(b)各別の対応するアンカ打込機を作動させ、各別の対応するアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込む。
【0010】
第2の方法のいくつかの例では、ステップ(a)及びステップ(b)が、少なくとも2回実施され、ステップ(a)及びステップ(b)が、すべてのアンカが弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるまで繰り返される。
【0011】
第2の方法のいくつかの例では、N個のアンカそれぞれが、可撓性コードに対して摺動可能に固定され、各別のアンカが各別のアンカ打込機によって弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるとき、各別のアンカが、初期位置から、各別のアンカが可撓性コードの各別の部分を弁輪または弁輪に隣接する組織に締結する最終位置へと摺動するように構成される。
【0012】
第2の方法のいくつかの例では、識別するステップが、エコー撮像及び蛍光透視撮像のうちの少なくとも一方を含む。第2の方法のいくつかの例では、識別するステップが、アンカ打込機それぞれに固定されたコンタクトプローブが組織と接触しているかどうかを決定することを含む。第2の方法のいくつかの例では、N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットを作動させるステップが、N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセット全部を実質的に同時に作動させることを含む。第2の方法のいくつかの例では、第1のサブセットが、少なくとも2つのアンカを含む。
【0013】
本発明の他の態様は、デバイスを心臓弁輪に固定する第3の方法を対象とする。第3の方法は、可撓性コード、N個のアンカ及びN個のアンカ打込機をカテーテルを通して弁輪近くに送達するステップを含み、Nが4を超える整数であり、N個のアンカが、可撓性コードの周りに分配され、N個のアンカそれぞれが、可撓性コードに対して固定され、N個のアンカ打込機それぞれが、作動されると、N個のアンカの各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込むように構成される。第3の方法は、操作ツールをカテーテルを通して弁輪近くに導入するステップをさらに含む。N個のアンカそれぞれについて、(a)操作ツールを用いて、各別のアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置へアンカを動かし、(b)各別のアンカ打込機を作動させて、それにより、各別のアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込む。
【0014】
第3の方法のいくつかの例では、N個のアンカそれぞれが、可撓性コードに対して摺動可能に固定され、各別のアンカが各別のアンカ打込機によって弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるとき、各別のアンカが、初期位置から、各別のアンカが可撓性コードの各別の部分を弁輪または弁輪に隣接する組織に締結する最終位置へと摺動するように構成される。
【0015】
第3の方法のいくつかの例は、アンカを動かすことに操作ツールを使用している間、アンカの位置を決定することにエコー撮像するステップ及び蛍光透視撮像するステップのうちの少なくとも一方を使用するステップをさらに含む。第3の方法のいくつかの例は、アンカ打込機それぞれに固定されたコンタクトプローブが組織と接触しているかどうかを決定するステップをさらに含む。第3の方法のいくつかの例は、送達するステップに続いて、可撓性コードの位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、可撓性コードの位置及びレイアウトをカテーテルを通して調整するステップをさらに含む。
【0016】
第3の方法のいくつかの例において、可撓性コードの位置及びレイアウトを調整するステップは、バルーンを膨張させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】個別に制御可能なアクチュエータを実施するためのアプローチの1つの例の図である。
図2A図1に示されるアクチュエータの任意の所与のものを実施するための機構の1つの例の図である。
図2B図1に示されるアクチュエータの任意の所与のものを実施するための機構の1つの例の図である。
図3】10個のアンカ打込機のうちの8個だけがそれらの各別のアンカを打ち込むために位置決めされている、アンカの打込み前に心臓弁輪の隣に位置決めされている弁輪絞扼デバイスの一例の図である。
図4A】8個のアンカが打ち込まれ2個のアンカが打ち込まれなかった後の図3の実施形態の詳細図である。
図4B】8個のアンカが打ち込まれ2個のアンカが打ち込まれなかった後の図3の実施形態の詳細図である。
図5】8個のアンカが打ち込まれ2個のアンカが打ち込まれなかった後の図3の実施形態の全体図である。
図6】9番目のアンカを再位置決めすることに使用されている操作ツールの図である。
図7】10番目のアンカを再位置決めすることに使用されている操作ツールの図である。
図8】操作ツールが引っ込められた後の図3の実施形態の図である。
図9】アンカ打込機が引っ込められ後の図3の実施形態の図である。
図10図6及び図7に示される操作ツールの詳細図である。
図11A図10に示されるツールに替えて使用できる代替操作ツールの図である。
図11B図10に示されるツールに替えて使用できる代替操作ツールの図である。
図12A図10に示されるツールに替えて使用することができる別の代替操作ツールの図である。
図12B図10に示されるツールに替えて使用することができる別の代替操作ツールの図である。
図13図10に示されるツールに替えて使用することができる別の代替操作ツールの図である。
図14】個別に制御可能なアクチュエータを実施するためのアプローチの他の例の図である。
図15】アンカ打込機のうちの7個だけがそれらの各別のアンカを打ち込むために位置決めされている、アンカの打込み前に心臓弁輪の隣に位置決めされている他の弁輪絞扼デバイスの一例の図である。
図16】7個のアンカが打ち込まれ3つのアンカが打ち込まれなかった後の図15の実施形態の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照して以下において様々な実施形態について詳細に述べる。図面において、同じ参照数字は同じ要素を示す。
【0019】
本明細書に記載の実施形態は、アンカの打込み前にコード、アンカ及びアンカ打込機を正確に配置する必要性を大幅に緩和する。これは、アンカの打込み準備が整ったらコードを弁輪と当接するように位置決めし、次いで、どのアンカが弁輪または隣接組織内へと成功裏に打ち込まれ得るように適切に位置決めされているかを識別することによって達成される。この識別は、例えば、エコー撮像、蛍光透視撮像、またはアンカ打込機それぞれに取り付けられたコンタクトプローブを用いて実施することができる。
【0020】
次に、対応するアンカを弁輪または隣接組織内へ成功裏に打ち込むことができる位置にあるアンカ打込機だけが作動される。これによって、大半(majority)のアンカが弁輪または隣接組織内へと打ち込まれることになる。しかし、少数のアンカは、打ち込まれず、それらの各別のアンカ打込機内に留まることになる。いくつかの実施形態では、次いで、マニピュレータツール(manipulator tool)が導入され、未打込みアンカそれぞれを、弁輪内へと成功裏に打ち込まれ得る位置へと動かすことに使用される。他の実施形態では、未打込みアンカそれぞれは、カテーテル操縦技術を用いて、弁輪内へと成功裏に打ち込まれ得る位置まで動かされる。
【0021】
単一ユーザ操作制御装置がすべてのアクチュエータをトリガする特許文献3に記載の従来のアプローチとは違い、本明細書に記載の実施形態におけるアクチュエータは、個別に制御され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる特許文献3の図54A及び図54Bに関連して記載されるアンカ打込機を使用すると仮定する。これらのアンカ打込機は、作動ワイヤを引っ張ることによってトリガされ、個々の作動ワイヤは、アンカ打込機それぞれに設けられる。
【0022】
図1は、個別制御可能アクチュエータを実施するためのアプローチの1つの例を示す。このアプローチでは、個別制御可能アクチュエータ15は、アンカ打込機それぞれに設けられ、それらの個別制御可能アクチュエータ15それぞれは、作動ワイヤ18の各別のワイヤを引く。アクチュエータ15の数は、コードを心臓弁輪または隣接組織に固定することに使用されるアンカの数に対応することになる。例えば、N個のアンカ(ここで、Nは整数)がコードを固定することに使用される実施形態では、対応する数(N)のアンカ打込機があり、これらのN個のアンカ打込機それぞれがそれ自体の個別の作動ワイヤ18を有することになる。
【0023】
アクチュエータ15は個別に制御可能であるから、ここでは、残りのアンカ打込機を作動させることなく、N個のアンカ打込機のうちの任意の所望のサブセットを作動させることが可能になる。例えば、N=8であり、オペレータがアンカ#1、#2、#3、#5、#6及び#8を打ち込み、アンカ#4及び#7を打ち込まないと決定したと仮定する。この決定は、例えば、エコー撮像、蛍光透視撮像または他の撮像方式に基づいて決めることができる。ユーザは、ユーザインタフェース12を介してどのアンカを打ち込むべきかをシステムに通知し、ユーザインタフェース12は、打ち込まれるべきアンカのリストをコントローラ10に伝達する。あるいは、どの打込機で打ち込まれるべきかの決定は、各別のアンカ打込機の遠位端が組織と接触した時を検出するようにそれぞれ構成された一組のN個の接触センサ(図示せず)から受け取る情報に基づいてもよい。接触センサが設けられる場合、接触センサが打ち込まれるべきアンカのリストをコントローラ10に伝達する。
【0024】
ユーザインタフェース12は、「打込み」ボタン(または他のユーザ制御装置)を有する。ユーザが「打込み」ボタンを押すと、ユーザインタフェース12が信号をコントローラ10に送信し、予め識別されたサブセットのアンカの打込みを要求する(本例では、これはアンカ#1、#2、#3、#5、#6及び#8である)。コントローラ10は、アクチュエータ(15)#1、#2、#3、#5、#6及び#8に適切なコマンドを送ることによって識別されたサブセットのアンカの打込みを達成するが、そのコマンドはアクチュエータ(15)#4及び#7には送られない。コマンドを受けると、アクチュエータ(15)#1、#2、#3、#5、#6及び#8だけが、それらの各別の作動ワイヤ18を引く。これらの作動ワイヤ18は、アンカ打込機#1、#2、#3、#5、#6及び#8だけを作動させ、これらのアンカ打込機は、それらの各別のアンカを心臓弁輪または隣接組織内へと打ち込む。その一方で、アンカ打込機#4及び#7は作動されないので、アンカ#4及び#7は(当面の間)打ち込まれないままになる。
【0025】
その後の時点で、未打込みアンカが、各別のアンカ打込機の個別の作動によって、心臓弁輪または隣接組織内へと打ち込まれ得る。コントローラ10は、例えば、これを以下の通り行うことができる。まず、コントローラ10は、適切なコマンドをアクチュエータ(15)#4だけに送る。コマンドを受信すると、アクチュエータ#4だけがその各別の作動ワイヤ18を引く。作動ワイヤは、アンカ打込機#4だけを作動させ、それによってアンカ#4が心臓弁輪または隣接組織内へと打ち込まれる。続いて、コントローラ10は、適切なコマンドをアクチュエータ#7だけに送る。コマンドを受信すると、アクチュエータ(15)#7だけがその各別の作動ワイヤ18を引く。作動ワイヤは、アンカ打込機#7だけを作動させ、それによってアンカ#7が心臓弁輪または隣接組織内へと打ち込まれる。
【0026】
図2A及び図2Bは、図1に示されるアクチュエータ15のうちの任意の所与の1つを実施するための機構の1つの例を示す。この例では、アクチュエータ15は、バネ25に依存して作動ワイヤ18を引く。最初は、図2Aに見られるように、バネ25は、ベース26とキャップ28との間に圧縮状態で保持されている。ベース26は、トラック22に恒久的に固定されており、キャップ28は、トラック22に摺動可能に連結されている。ソレノイド20は、伸長位置においてキャップ28が動かないようにするプランジャを有する。作動ワイヤ18は、キャップ28の左への動きが作動ワイヤ18を左に引くことになるように、キャップ28に固定される。キャップ28が図2Aに示される位置に留まる限り、作動ワイヤ18は引かれず、アンカ打込機は作動されず、アンカは、それらの各別のアンカ打込機内の所定位置に留まる。
【0027】
次に、図2Bに移ると、コントローラ10(図1に示される)が適切な信号をソレノイド20に送ると、ソレノイドのプランジャが後退する。プランジャが後退すると、トラック22に対してキャップ28の移動を阻止するものは残っておらず、よって、バネ25がその弛緩状態へと自由に拡張する。バネ25がキャップ28を左に押すと、作動ワイヤ18はキャップ28と連結しているので、キャップ28によって作動ワイヤ18が左に引かれる。これによって、対応するアンカ打込機が作動され、それによって、その対応するアンカ打込機が対応するアンカを放出して組織内へと打ち込む。
【0028】
当然のことながら、図2A及び図2Bに示されるソレノイドをベースとした実施形態は、図1に示されるアクチュエータ15を実施するための好適な機構の一例に過ぎず、当業者には、アンカ打込機40それぞれを個別に作動させるための多種多様な代替アプローチが明らかであろう。
【0029】
図3図9は、弁輪絞扼デバイスを心臓弁輪に固定する一例を示す。この例では、N=10であり、したがって、可撓性コード30の周りに分配されたアンカ50は10個であり、これらの10個のアンカ50それぞれが可撓性コード30に対して摺動可能に固定される。図3図9に示される実施形態では、組織の内部成長を受け入れる材料から作られた任意選択のスリーブ35が、可撓性コード30を囲繞する。
【0030】
例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献1及び特許文献3では、アンカ50の構築方法、及び可撓性コード30へのアンカ50の摺動可能な固定方法の例を知ることができる。コードへのアンカの摺動可能な固定は、直接的(例えば、コードがアンカそれぞれ内のスロットに直接的に通されている場合)、または、間接的(例えば、コードがアイレットに通され、アンカそれぞれ内のスロットがそのアイレットに対して摺動する場合)であってよい。アンカ打込機40も10個であり、これら10個のアンカ打込機40それぞれが、作動されると、10個のアンカ50のうちの各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込むように構成される。好適なアンカ打込機40の例は、例えば特許文献3において知ることできる。
【0031】
可撓性コード30、アンカ50及びアンカ打込機40は、(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献4に記載されるような)カテーテルを介して弁輪近くに送達される。送達に続いて、可撓性コード30の位置及びレイアウトが、図3に示されるように、可撓性コード30の位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、カテーテルを通して調整される。任意選択で、アンカ打込機40を支持するアーム同士の間に位置決めされる膨張可能バルーン(図示せず)が、可撓性コード30を弁輪の形状を模倣する形状にさせる助けとなるように使用されてもよい。可撓性コード30の位置の調整は、オペレータによって(例えば、従来のカテーテル操縦技術を用いて)、例えばエコー撮像または蛍光透視撮像を用いて取得される視覚フィードバックに基づいて実施され得る。別法として、またはそれに加えて、可撓性コード30の位置の調整は、アンカ打込機40それぞれ上に配置され組織との接触のリアルタイム指標を提供する一組のコンタクトプローブ(図示せず)から受信される信号に基づいて(例えば、図1に示されるコントローラ10へ電気信号が送信されることによって)、オペレータによって実施される場合もある。
【0032】
図3に示される例では、2個のアンカ打込機40だけが、これらの2個のアンカ打込機40が対応する組織と接触していないので、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができるようには位置決めされていない。これは、例えば、(S4のラベルが付いたアンカ打込機40について)中隔域内の小着地域(small landing zone)のような表面変化により、または、(L1のラベルが付いたアンカ打込機40について)後方域におけるペースメーカリード線により起こり得る。残りの8個のアンカ打込機40は、これらの8個のアンカ打込機40が対応する組織と接触している(または少なくとも十分近くにある)ので、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができるように位置決めされている。
【0033】
位置の調整に続いて、10個のアンカ50のうちの第1のサブセット(すなわち、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができるように位置決めされたアンカ)が識別される。第1のサブセットは、10個未満のアンカ50(すなわち、例示の実施形態では8個のアンカ50)を含む。識別は、例えば、エコー撮像もしくは蛍光透視撮像を用いて、またはコンタクトプローブ(図示せず)から受信する信号に基づいて実施され得る。(第1のサブセットが8個のアンカを含むこの例を含む)いくつかの好ましい実施形態では、第1のサブセットは、少なくとも2個のアンカを含む。しかし、他の実施形態では、第1のサブセットは、単一のアンカだけを含む場合もある。
【0034】
識別に続いて、第1のサブセットのアンカ50に対応する第1のサブセットのアンカ打込機(すなわち、例示の実施形態では、8個のアンカ打込機40)が作動される。これによって、第1のサブセットのアンカ打込機40が第1のサブセットのアンカ50を弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込む。例示の実施形態では、アンカ打込機40の総数は10個であり、第1のサブセットは、8個のアンカ50を含む。これは、手順のこの時点では2つのアンカ50だけが打ち込まれていないことを意味する。
【0035】
次に例示の実施形態の図4A図4B及び図5に移ると、手順のこの時点で2つの未打込みアンカ50は、L1及びS4のラベルが付いたアンカ打込機40に対応する。残りの8個のアンカ50は、対応するアンカ打込機40によって弁輪または隣接組織内へと打ち込まれている。可撓性コード30を所定位置に至らせる助けとなるようにバルーン(図示せず)が使用されたこれらの実施形態では、バルーンは、手順のこの時点で収縮され引き抜かれなければならない。
【0036】
手順のこの時点で、アンカ打込機を支持するアームの足場(scaffold)は、可撓性コード30に取り付けられたアンカ50の大部分がそれらの各別のアンカ打込機40によって所定位置にそれ以上保持されなくなるので、(全体的または部分的に)潰れる場合がある。あるいは、いくつかの実施形態では、アームの足場は、バルーンが除去されアンカ50の大半が打ち込まれた後もその形状を保つ軟金属から作られてもよい。
【0037】
次に図6を参照すると、操作ツール60は、カテーテルを通して弁輪近くに導入される。操作ツール60の遠位端は、医療従事者によって開閉され得る顎部が付いた掴持具(grabber)65を有する。(本明細書で使用されるような「遠位」は、装置を操作する医療従事者からより遠く、「近位」は、医療従事者により近い。)掴持具65は、任意のアンカ打込機40を掴み、続いてそのアンカ打込機40を所望の位置(すなわち、対応するアンカ50が弁輪または隣接組織内へと打ち込まれ得る位置)へ操作するような形状及び寸法にされる。掴持具65の位置の操作及び掴持具65の顎部の開閉は、一組の近位制御装置(図示せず)を用いて医療従事者によって制御される。
【0038】
例示の実施形態において8個のアンカ打込機40の作動に続いて、10個のアンカ50のうち弁輪または弁輪に隣接する組織内へと依然として打ち込まれていないアンカそれぞれについて(すなわち、例示の実施形態では2つの未打込みアンカ50について)、(a)操作ツール60が、各別のアンカ打込機40がアンカ50を弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置までアンカを動かすことに使用され、及び、(b)各別のアンカ打込機40が、各別のアンカ打込機40がアンカ50を弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込むように、作動される。例えば、L1及びS4のラベルが付いたアンカ打込機40に対応するアンカ50だけが打ち込まれていない場合である。この段落におけるステップ(a)及びステップ(b)は、図6に見られるように、まず、L1アンカについて実行される。次いで、ステップ(a)及びステップ(b)は、図7に見られるように、S4アンカについて実行される。
【0039】
ステップ(a)におけるアンカそれぞれの動きは、例えばエコー撮像または蛍光透視撮像を用いて取得された視覚フィードバックに基づいて、操作ツール60を用いてオペレータによって実施され得る。別法として、またはそれに加えて、オペレータは、どのアンカ打込機40が任意の所与の瞬間に動かされていても位置決めされるコンタクトプローブ(図示せず)から受信する信号に基づいたフィードバックに依存してもよい。コンタクトプローブは、(例えば、図1に示されるコントローラ10に電気信号を送信することによって)組織との接触のリアルタイム指標を提供する。
【0040】
初期バッチで打ち込まれなかったアンカのすべて(すなわち、L1及びS4)についてステップ(a)及びステップ(b)が実施された後、操作ツール60は、図8に見られるように引っ込められる。最後に、アンカ打込機40が引っ込められ、それによって、図9に見られるように、患者の体内に残る可撓性コード30、可撓性ループを囲繞する任意選択のスリーブ35、及び(弁輪または隣接組織内へと打ち込まれた)アンカ50だけが残る。
【0041】
これらに限定されないが、図10(プライヤに似た顎部を有する)、図11A及び図11B(ハエトリグサ(Venus fly trap)に似た顎部を有する)、図12A及び図12B(トングに似た顎部を有する)、ならびに図13(ペーパークリップに似たアンカ打込機ホルダを有する)に示される構造を含む、掴持ツール65を実施するための多種多様な代替物が容易に考えられる。
【0042】
図14は、アンカ打込機40それぞれを個別に作動させるための他のアプローチの一例である。図1及び図2の実施形態のように、個別制御可能アクチュエータ15がアンカ打込機それぞれに設けられ、これらの個別制御可能アクチュエータ15のそれぞれが、作動ワイヤ18の各別のワイヤを引く。図1及び図2の実施形態におけるように、アクチュエータ15の数は、コードを心臓弁輪または隣接組織に固定することに使用されるアンカの数に対応する。
【0043】
この図14の実施形態では、アクチュエータ15それぞれは、それ自体の個別の「打込み」ボタン90(または他のユーザ制御装置)を有する。これらの打込ボタン90それぞれは、例えば好適な機械的リンク機構を介して、ユーザが任意の所与の打込ボタン90を押すと、対応するアクチュエータ15がその各別の作動ワイヤ18を引くように構成される。アクチュエータ15を実施するための1つの好適なアプローチは、図2A及び図2Bに関連して上で示したアプローチと類似している。しかし、その伸長状態でキャップ28をトラック22上の所定位置に保持するプランジャ付きのソレノイドを使用する代わりに、この図14の実施形態は、その初期伸長状態でキャップをトラック上の所定位置に保持するピン(図示せず)を使用する。ボタン90それぞれを押すことによって(機械的リンク機構の動作によって)、対応するピンが後退し、それが図2A及び図2Bの実施形態におけるプランジャの後退と同じ効果を有する。
【0044】
この実施形態では、対応する打込ボタン90を押すことによって、任意の所与の時点でN個のアンカ打込機のうちの任意の所望のサブセットを作動させることができる。例えば、8個のアンカがあり、ユーザが番号1~6のアンカの打込みを望むが、番号7及び番号8のアンカの打込みを望まないと仮定する。この場合、ユーザは、番号1~6のボタン90だけを押し、それによって番号1~6の対応するアクチュエータ15がそれらの各別の作動ワイヤを引く。これらの作動ワイヤ18は、番号1~6のアンカ打込機だけを作動させ、番号7及び番号8のアンカ打込機は作動させない。その後のある時点において、未打込みアンカが、残りのアンカ打込機それぞれを個別に作動させるように対応するボタン90を押すことによって心臓弁輪または隣接組織内に打ち込まれ得る。これは、(打込みの独立した制御がアンカそれぞれについてもたらされる)図1及び図2の実施形態に関連して上述した状態と類似するので、図3図13に関連して上述した例は、この図14の実施形態に同じく有効である。
【0045】
留意すべきは、図1図14に関連して上述した実施形態において、(i)可撓性コードの位置及びレイアウトは、可撓性コードの位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、カテーテルを通して調整されること、ならびに、(ii)N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットは、操作ツールがカテーテル近くに導入される前に作動されることである。したがって、アンカのうちの少なくとも1つは、操作ツールに依存することなく打ち込まれることになる。
【0046】
代替実施形態では、操作ツールに依存してすべてのアンカが打ち込まれる。これらの実施形態では、上述の実施形態において操作ツールの導入前に行われる識別ステップと作動ステップを省略する。任意選択で、可撓性コードの位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、可撓性コードの位置及びレイアウトをカテーテルを通して調整するステップを省略してもよい。
【0047】
これらの実施形態では、可撓性コード、N個のアンカ、及びN個のアンカ打込機は、上述の実施形態のようにカテーテルを通して弁輪近くに送達される。操作ツールは、カテーテルを通して弁輪近くに導入される。それに続いて、N個のアンカそれぞれについて、(a)操作ツールが、アンカを、各別のアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置まで動かすことに使用され、及び、(b)各別のアンカ打込機が、各別のアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込むように、作動される。N個のアンカそれぞれについてステップ(a)及びステップ(b)を実施した結果、N個すべてのアンカが弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込まれ、それによって可撓性コードが弁輪に固定される。
【0048】
任意選択で、操作ツールがアンカを動かすことに使用されている間にエコー撮像または蛍光透視撮像をアンカの位置の決定に使用してもよい。任意選択で、各別のアンカ打込機にそれぞれ固定された一組のN個のコンタクトプローブが、各別のアンカ打込機それぞれがそのアンカ打込機の作動前に組織と接触しているかどうかを決定することに使用されてもよい。
【0049】
任意選択で、可撓性コード、N個のアンカ及びN個のアンカ打込機の送達に続いて、可撓性コードの位置及びレイアウトが、可撓性コードの位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、カテーテルを通して調整されてもよい。このステップは、任意選択で、バルーンの膨張によって実施されてもよい。
【0050】
上述の実施形態では、操作ツールは、アンカ打込機の少なくともいくつかを、それらがアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に成功裏に送達することができる位置まで動かすことに使用される。対照的に、図15及び図16に関連して以下に述べる実施形態は、カテーテル操縦技術だけを用いてアンカ打込機をそれらの所望位置へと動かす。
【0051】
図15及び図16は、弁輪絞扼デバイスを心臓弁輪に固定する一例を示す。この例では、N=10であり、したがって、可撓性コード30の周りに分配されたアンカ50は10個であり、これらの10個のアンカ50それぞれは、可撓性コード30に対して摺動可能に固定される。図15及び図16に示される実施形態では、組織内部成長を受け入れる材料から作られた任意選択のスリーブ35'が、可撓性コード30を囲繞する。これらの実施形態における可撓性コード30、任意選択のスリーブ35、任意選択のバルーン(図示せず)、アンカ打込機40及びアンカ50は、任意の2つの所与のアンカ50同士の間のコード30とスリーブ35'のセグメントが追加の緩みを有することを除いて、上述の図3図5の実施形態において対応する構成要素と同じである。
【0052】
これらの構成要素30、35'、40、50すべてが、図3図5に関連して上述したようにカテーテルを通して弁輪近くに送達される。送達に続いて、可撓性コード30の位置及びレイアウトが、図3図5に関連して上述し図15に示されるように、可撓性コード30の位置及びレイアウトが弁輪に対応するまで、(例えば、カテーテル操縦技術を用いて)カテーテルを通して調整される。
【0053】
図15に示される例では、3個のアンカ打込機40だけは、これらの3個のアンカ打込機40が対応する組織と接触していないので、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるようには位置決めされていないと仮定する。残りの7個のアンカ打込機40は、これらの7個のアンカ打込機40が対応する組織と接触している(または少なくとも十分近くにある)ので、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるように位置決めされている。
【0054】
位置の調整に続いて、アンカ50(すなわち、各別のアンカ打込機が各別のアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるように位置決めされているアンカ)の第1のサブセットが(例えば、図3図5に関連して上述したように)識別される。
【0055】
識別に続いて、第1のサブセットのアンカ50に対応する第1のサブセットのアンカ打込機(すなわち、本例では、7個のアンカ打込機40)が作動される。これによって、第1のサブセットのアンカ打込機40が第1のサブセットのアンカ50を弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込み、その結果、図16に示される状態になる。本例では、アンカ打込機40の総数は10個であり、第1のサブセットは、7個のアンカ50を含む。これは、手順のこの時点では3つのアンカ50だけが打ち込まれていないことを意味する。
【0056】
N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットの作動に続いて、N個のアンカのうち弁輪または弁輪に隣接する組織内へと依然として打ち込まれていないアンカそれぞれについて、カテーテル操縦技術が、各別の対応するアンカ打込機の位置を、各別の対応するアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置へと調整することに使用され、各別の対応するアンカ打込機は、各別の対応するアンカ打込機がアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込むように、作動される。以下の段落に記載されるステップは、このアプローチの一例である。
【0057】
N個のアンカ打込機のうちの第1のサブセットの作動に続いて、アンカ打込機を支持するアームの足場は、可撓性コード30に取り付けられたアンカ50の大部分がそれらの各別のアンカ打込機40によって所定位置にそれ以上保持されなくなるので、(全体的または部分的に)潰れる場合がある。あるいは、いくつかの実施形態では、アームの足場は、アンカ50の大半が打ち込まれた後もその形状を保つ軟金属から作られてもよい。しかし、アンカ打込機40及びアンカ打込機を支持するアームの足場の位置は、従来のカテーテル操縦技術を用いて依然として調整することができる。これらの従来のカテーテル操縦技術は、医療従事者によって、残りのアンカ打込機40を、対応する所望の位置(すなわち対応するアンカ50が弁輪または隣接組織内へと打ち込まれ得る位置)へと操作することに使用される。
【0058】
より具体的には、第1のサブセットのアンカ打込機の作動に続いて、(a)カテーテル操縦技術が、組立体全体を、未打込みアンカのうちの1以上が、各別のアンカ打込機40が未打込みアンカ50を弁輪または弁輪に隣接する組織内へと成功裏に打ち込むことができる位置になる、新しい位置まで動かすことに使用され、及び、(b)各別の対応するアンカ打込機40が、各別の対応するアンカ打込機40が未打込みアンカ50のうちの1以上を弁輪または弁輪に隣接する組織内へと打ち込むように、作動される。例えば、事前に打ち込まれていないアンカ50が3つの場合、この段落におけるステップ(a)及びステップ(b)は、(i)これら3つのアンカのうちの2つだけを好適な位置に至らせ、(ii)これら2つのアンカを弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込むことができる。この状態で、ステップ(a)及びステップ(b)は、追加の1回、繰り返され、それによって、最後のアンカが好適な位置に至り、この最後のアンカが弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれる。その一方で、この段落におけるステップ(a)及びステップ(b)の最初の実施によって、成功裏に3個の未打込みアンカすべてが好適な位置につき、これら3個すべてのアンカが弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれた場合、ステップ(a)及びステップ(b)を繰り返す必要はない。あるいは、この段落におけるステップ(a)及びステップ(b)の最初の実施によって、成功裏に未打込みアンカの1つだけが好適な位置につき、この1つのアンカが弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれた場合、ステップ(a)及びステップ(b)を2回追加で繰り返す必要があり得る。
【0059】
ステップ(a)における任意の所与のアンカの位置のオペレータの制御は、例えばエコー撮像または蛍光透視撮像を用いて取得された視覚フィードバックに依存し得る。別法として、またはそれに加えて、オペレータは、図3図5の実施形態に関連して上述したように、コンタクトプローブから受信する信号に基づいたフィードバックに依存してもよい。
【0060】
ステップ(a)及びステップ(b)は、すべてのアンカが好適な位置につき弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるまで、必要な回数だけ実施される。最後に、アンカ打込機40が引っ込められ、それによって、図9に関連して上述した状況と同様に、患者の体内に残る可撓性コード30、可撓性ループを囲繞する任意選択のスリーブ35、及び(弁輪または隣接組織内へと打ち込まれた)アンカ50だけが残る。
【0061】
特に、図15及び図16に示される可撓性コード30及び任意選択のスリーブ35における余分な緩みは、カテーテル操縦技術を使用して、未打込みアンカを依然として収容している任意のアンカ打込機の位置を調整する際にすでに弁輪または弁輪に隣接する組織内に打ち込まれている任意のアンカの抜脱を防止することに役立つ。任意選択で、同様の緩みが、上述の図3図5の実施形態に加えられてもよい。
【0062】
本発明がいくつかの実施形態を参照して開示されたが、添付の特許請求の範囲内に定義されるような本発明の領域及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する多数の修正、代替、及び変更が可能である。したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の文言及びその均等物により定義される全範囲を含むように意図される。
【符号の説明】
【0063】
10 コントローラ、12 ユーザインタフェース、15 アクチュエータ、18 作動ワイヤ、20 ソレノイド、22 トラック、25 バネ、26 ベース、28 キャップ、30 可撓性コード,構成要素、35 スリーブ、35' スリーブ,構成要素、40 アンカ打込機,構成要素、50 アンカ,構成要素、60 操作ツール、65 掴持具,掴持ツール、90 打込ボタン、L1 アンカ打込機、S4 アンカ打込機
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを心臓弁輪に固定するシステムであって、
可撓性コード、N個のアンカであってNが4を超える整数であるアンカ及びN個のアンカ打込機であって、各別の前記アンカ打込機が前記アンカを前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込む、アンカ打込機と、

前記可撓性コード、N個の前記アンカ及びN個の前記アンカ打込機を前記弁輪に隣接して送達するためのカテーテルと、
前記可撓性コードの位置及びレイアウトを調整するための調整手段と、
N個の前記アンカ打込機の作動を制御するためのコントローラと、
前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができるように位置決めされたN個の前記アンカのうちの第1のサブセットをユーザに通知するためのユーザインタフェースであって、前記第1のサブセットが、Nより少ない前記アンカを含む、ユーザインタフェースと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に成功裏に打ち込むことができる位置へ前記アンカを前記カテーテルを通して導入しかつ移動させるための操作ツールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
N個の前記アンカそれぞれが、前記可撓性コードに対して摺動可能に固定され、各別の前記アンカが各別の前記アンカ打込機によって前記弁輪または前記弁輪に隣接する組織内に打ち込まれるとき、各別の前記アンカが、初期位置から、各別の前記アンカが前記可撓性コードの各別の部分を前記弁輪または前記弁輪に隣接する前記組織に締結する最終位置へと摺動するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンカ打込機それぞれに固定されかつ前記組織と接触できるコンタクトプローブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
N個の前記アンカ打込機のうちの前記第1のサブセット全部が、実質的に同時に作動されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記可撓性コードの位置及びレイアウトを調整するための前記調整手段が、膨張されるバルーンを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のサブセットが、少なくとも2つの前記アンカを含む請求項1に記載のシステム。