(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】小型近接合焦イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H01J 40/16 20060101AFI20230621BHJP
H01L 27/148 20060101ALI20230621BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20230621BHJP
H01J 40/12 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
H01J40/16
H01L27/148 B
H01L27/146 A
H01J40/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571269
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021033948
(87)【国際公開番号】W WO2021237226
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522195921
【氏名又は名称】イオテック,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】EOTECH,LLC
【住所又は居所原語表記】46900 Port Street, Plymouth, Michigan 48170, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】コステッロ、ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ロデリック、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】アービ、ヴェルレ
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA08
4M118BA14
(57)【要約】
イメージセンサは、フォトカソード窓組立体、アノード組立体、及び展性金属シールを有する。フォトカソード窓組立体はフォトカソード層を有する。アノード組立体は、電子感応面を有するシリコン基板を含む。展性金属シールは、フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合する。真空ギャップがフォトカソード層を電子感応面から隔てる。第1の電気接続及び第2の電気接続は、電子感応面に対してフォトカソード層を電圧バイアスするためのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空近接合焦イメージセンサであって、
1つ又は複数の隆起特徴を有する面及びフォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
前記フォトカソード窓組立体及び前記シリコン基板を互いに接合して、前記フォトカソード窓組立体の前記面の前記1つ又は複数の隆起特徴によって画定されるギャップ高さにより、前記フォトカソード窓組立体の前記フォトカソード層と前記アノード組立体の前記シリコン基板の前記電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
電圧バイアス用の前記フォトカソード層への第1の電気接続と、
前記電圧バイアス用の前記電子感応面への第2の電気接続と、
を備えた真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項2】
前記1つ又は複数の隆起特徴は、前記フォトカソード窓組立体の前記面と一体化され、前記面の1つ又は複数の材料で形成される、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項3】
前記展性金属シールは、前記第1の電気接続の第1の端部が前記フォトカソード層にあり、前記第1の電気接続の第2の端部が前記真空ギャップ外にあり、前記第2の電気接続の第1の端部が前記電子感応面にあり、前記第2の電気接続の第2の端部が前記真空ギャップ外にあるように形成される、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項4】
前記フォトカソード層への前記第1の電気接続は、前記フォトカソード窓組立体を通って前記フォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項5】
前記第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項6】
前記展性金属シールはインジウムを含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項7】
前記電子感応面を有する前記シリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサを含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項8】
前記電子感応面を有する前記シリコン基板は、裏面薄化CCDイメージセンサを含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項9】
前記電子感応面を有する前記シリコン基板は、光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項10】
前記フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソードを含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項11】
前記フォトカソード層はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、請求項1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項12】
真空近接合焦イメージセンサであって、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
前記フォトカソード窓組立体及び前記シリコン基板を互いに接合して、前記フォトカソード窓組立体の前記フォトカソード層と前記アノード組立体の前記シリコン基板の前記電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールであって、前記真空ギャップは前記展性金属シールの厚さによって画定されるギャップ高さを有する、展性金属シールと、
電圧バイアス用の前記フォトカソード層への第1の電気接続と、
前記電圧バイアス用の前記電子感応面への第2の電気接続と、
を備えた真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項13】
前記フォトカソード層を有する前記フォトカソード窓組立体は、前記フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、前記展性金属シールの厚さは、精密公差内で前記真空ギャップを規定する、請求項12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項14】
前記展性金属シールは、前記第1の電気接続の第1の端部が前記フォトカソード層にあり、前記第1の電気接続の第2の端部が前記真空ギャップ外にあり、前記第2の電気接続の第1の端部が前記電子感応面にあり、前記第2の電気接続の第2の端部が前記真空ギャップ外にあるように形成される、請求項12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項15】
前記フォトカソード層への前記第1の電気接続は、前記フォトカソード窓組立体を通って前記フォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、請求項12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項16】
前記第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、請求項12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項17】
前記展性金属シールはインジウムを含む、請求項12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項18】
前記電子感応面を有する前記シリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、請求項12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項19】
前記フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、請求項12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【請求項20】
イメージセンサであって、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
前記フォトカソード窓組立体及び前記シリコン基板を互いに接合して、前記フォトカソード窓組立体の前記フォトカソード層と前記アノード組立体の前記シリコン基板の前記電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
前記フォトカソード層への第1の電気接続と、
前記電子感応面への第2の電気接続であって、前記第1の電気接続及び前記第2の電気接続は、前記フォトカソード層及び前記電子感応面の電圧バイアス用である、第2の電気接続と、
を備えたイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2020年5月22日付けで出願された米国非仮特許出願第16/881,946号からの優先権利益を主張するものであり、この開示全体は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示の技術分野はイメージセンサに関し、より具体的にはフォトカソードベースの近接合焦イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
イメージセンサ及びイメージセンサのフォトカソードには多種多様なタイプ及び下位分類がある。(非特許文献1)に記載されているように、初期の夜間画像増強装置の多くは、マルチアルカリアンチモン化物フォトカソードを採用していた。これらのフォトカソードの近代版は、今日販売され使用されている画像増強装置のかなりの部分を占めている。1950年代にWilliam E.Spicerが(非特許文献2)において詳細なフォトカソードモデルを報告して、フォトカソードデバイスの物理的性質の理解を与え、特定の性能特性に向けたフォトカソードの設計を可能にしたとき、新しい種類のフォトカソードの研究が定着し、加速した。本開示は多種多様なフォトカソードと併用することができる。しかしながら、本開示は特にガラス接合され、エピタキシャル成長した単結晶III-V族半導体フォトカソードに適用可能である。GaAs、GaAsP、InP/InGaAsP、及びInP/InGaAs系フォトカソードは全て、イメージセンサ真空エンクロージャの一部を形成するガラス接合窓を使用して示されてきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Sommer in Photoemissive Materials,A.H.Sommer,Robert E.Krieger Publishing Company,Huntington,New York,1980
【非特許文献2】Phys.Rev.112,114(1958)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先に引用したガラス接合III-V属半導体フォトカソードに関連する一制約は、ガラス接合窓の熱膨張率(TCE)がフォトカソード構造で使用される半導体の熱膨張率と密に一致しなければならないことである。熱膨張率が大きく違うと、結果として、製造プロセスと関連するサーマルバジェットに対するフォトカソード性能が低下する。Antypasらは、米国特許第3,769,536号明細書において、ガラス接合III-V族半導体フォトカソードの要件を挙げている。Antypasは、米国特許第3,959,045号明細書において、フォトカソード及び窓組立体作製プロセスを発展させ、更に詳述している。引用されたAntypasの両特許は、参照を介して本特許の背景に組み込まれる。コーニングコード7056ガラスは、GaAs/AlGaAs、InP/InGaAs、及びInP/InGaAsP系フォトカソードのガラス接合に適した窓材料であることが示されてきている。フォトカソード材料、ガラス窓、及び窓内又は窓上に形成される任意の導電路の組合せは、フォトカソード窓組立体と呼ぶことができる。これら及び更なるフォトカソードの状況及び環境において、既知のフォトカソード及びイメージセンサ技術を改良し、欠点に対処するために、本実施形態が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つ又は複数の態様の基本的理解を提供するために、以下、そのような態様の簡易化された概要を提示する。この概要は企図される全ての態様の広範な概説ではなく、全ての態様の主要又は重要な要素の識別を意図するものではなく、また任意又は全ての態様の範囲の線引きを意図するものでもない。この概要の唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明への前置きとして、1つ又は複数の態様の幾つかの概念を簡易化された形で提示することである。
【0007】
真空近接合焦イメージセンサの一実施形態は、フォトカソード窓組立体、アノード組立体、展性金属シール、第1の電気接続、及び第2の電気接続を含む。フォトカソード窓組立体は、1つ又は複数の隆起特徴を有する面と、フォトカソード層とを有する。アノード組立体は、電子感応面を有するシリコン基板を含む。展性金属シールは、フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合する。この接合は、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する。真空ギャップは、フォトカソード窓組立体の面の1つ又は複数の隆起特徴によって画定されるギャップ高さにより、フォトカソード層と電子感応面とを隔てる。第1の電気接続は、フォトカソード層へのものであり、電圧バイアス用である。第2の電気接続は、電子感応面へのものであり、電圧バイアス用である。
【0008】
真空近接合焦イメージセンサの一実施形態は、フォトカソード窓組立体、アノード組立体、展性金属シール、第1の電気接続、及び第2の電気接続を含む。フォトカソード窓組立体はフォトカソード層を有する。アノード組立体は、電子感応面を有するシリコン基板を含む。展性金属シールは、フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合する。この接合は、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する。真空ギャップは、展性金属シールの厚さによって画定されるギャップ高さを有する。第1の電気接続は、フォトカソード層へのものであり、電圧バイアス用である。第2の電気接続は、電子感応面へのものであり、電圧バイアス用である。
【0009】
イメージセンサの一実施形態は、フォトカソード窓組立体、アノード組立体、展性金属シール、第1の電気接続、及び第2の電気接続を含む。フォトカソード窓組立体はフォトカソード層を有する。アノード組立体は、電子感応面を有するシリコン基板を含む。展性金属シールは、フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合し、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する。第1の電気接続は、フォトカソード層へのものである。第2の電気接続は、電子感応面へのものである。第1の電気接続及び第2の電気接続は、電子感応面に対するフォトカソード層の電圧バイアスのためのものである。
【0010】
実施形態の他の態様及び利点は、記載される実施形態の原理を例として示す添付図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0011】
記載される実施形態及びその利点は、添付図面と併せて解釈される以下の説明を参照することによって最良に理解し得る。これらの図面は決して、記載される実施形態の趣旨及び範囲から逸脱せずに、記載される実施形態に対して当業者によって行われ得る形態及び細部へのいかなる変更も制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本開示の一実施形態による小型近接合焦真空イメージセンサを示す。
【
図1B】
図1Aと比較し対比するために、既知の近接合焦真空イメージセンサを示す。
【
図2】
図1Aの小型近接合焦イメージセンサの一実施形態での使用に適したフォトカソード組立体の細部を示す。
【
図3】
図1Aの小型近接合焦イメージセンサの一実施形態での使用に適した、アノード組立体の電子感応、シリコン、イメージセンサ組立体細部の細部を示す。
【
図4】夜間視システムにおけるセンサの動作方法で典型的な高電圧電源(HVPS)によってバイアスされた、照明された小型近接合焦真空イメージセンサを示す。
【
図5】小型近接合焦真空イメージセンサの更なる実施形態を示す。
【
図6】
図1Aの小型近接合焦真空イメージセンサの一実施形態を有する夜間視デバイスを示す。
【
図7】
図1Aの小型近接合焦真空イメージセンサの一実施形態を有する低光カメラを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の近接合焦イメージセンサの実施形態について、図面を参照してこれより説明する。異なる実施形態又はそれらの組合せを異なる用途に又は異なる利点を達成するために使用し得る。達成しようとする結果に応じて、本明細書で開示された異なる特徴は、部分的に又は最大限に、単独で又は他の特徴と組み合わせて利用して、利点と要件及び制約とのバランスを取り得る。したがって、特定の利点は異なる実施形態を参照して強調されるが、開示された実施形態に限定されない。すなわち、本明細書で開示された特徴は、それらが説明される実施形態に限定されず、他の特徴と「組み合わせられ」てもよく、他の実施形態に組み込まれてもよい。
【0014】
フォトカソード系近接合焦真空イメージセンサ形状(geometry)が、最小限の真空パッケージングアーキテクチャを有する種々の実施形態において本明細書に記載される。この手法は、センサのコスト、サイズ、及び重量:ヘッドマウントシステム及び小さな無人地上・空中システムを含む用途で重要なパラメータを低減する。
【0015】
イメージセンサ真空エンベロープは、フォトカソード窓組立体と展性金属シールを介して直接接合されるシリコン系電子感応イメージセンサとの間に形成され、それにより、真空エンベロープを形成する。展性金属シールは、フォトカソード窓組立体とシリコン系イメージセンサとの熱膨張率の大きな不一致に確実に対応することが示されている。真空シールは、シリコン系イメージセンサの電気接続に真空エンベロープ外部でアクセスできるようにするよう配置される。この手法は、別個の真空体構成要素の必要性をなくし、それにより、イメージセンサ部品の数、サイズ、重量、及びコストを最小化する。
【0016】
図1Aは、本開示の一実施形態による小型近接合焦真空イメージセンサを示す。イメージセンサは、シリコンイメージセンサ、シリコン系イメージセンサ、イメージャ、イメージングセンサ、又はイメージングデバイスとも呼ばれ、フォトカソード窓組立体11及びアノード組立体60を含み、これらの2つの構成要素は一緒に組み立てられて、真空ギャップ70を画定する。種々の状況において、イメージセンサという用語は、アノード組立体60のみ又はアノード組立体60における半導体デバイスのみに適用することもできる。種々の実施形態において、フォトカソード窓組立体11はフォトカソード層20を有しアノード組立体60は、電子感応面80を有するシリコン基板である(又は少なくとも、電子感応面80を有するシリコン基板を含む)。種々の実施形態において、フォトカソード窓組立体11のフォトカソード層20の実施形態で使用される等のIII-V属半導体フォトカソードの熱係数は、アノード組立体60で使用される等のシリコンの熱膨張率を大きく超える。したがって、
図1Aに示されるイメージセンサ実施形態で、相当な熱膨張率の不一致が、III-V族ガラス接合フォトカソード窓組立体11とアノード組立体60との間に存在する。シリコンイメージセンサアノード組立体60とIII-V族フォトカソード窓組立体11との間等のTCE不一致に確実に対応することは、他の既知の近接合焦イメージセンサで明確に確立された問題である。
【0017】
図1Bは、
図1Aと比較し対比するために、既知の近接合焦真空イメージセンサを示す。例えば米国特許第7,012,328 B2号明細書の開示に基づく、
図1Bに示されるような既知のイメージセンサは典型的には、III-V族半導体接合フォトカソード窓のTCEに近づくために、酸化アルミニウムで主に構成されたセラミック体を採用する。米国特許第7,012,328 B2号明細書は参照により本明細書に援用される。この設計選択は、窓とセラミック体との間で真空シールにわたり熱的に誘導される歪みを最小化するが、それにも関わらず、セラミック体とシリコン系イメージセンサとの間にTCE不一致を残す。William L.Robbinsによる米国特許第6,281,572 B1号明細書には、電子衝撃電荷結合素子(EBCCD)イメージセンサのシリコンとアルミナヘッダ(センサ真空エンベロープを形成するセラミック体の一部)との間の熱膨張差に対応する一手法が記載されている。代替的には、米国特許第7,012,328 B2号明細書の
図3では(ここでは
図1Bのコピー)、TCE不一致は、シリコン系イメージセンサ、半導体デバイス10を、インジウム層45が適切なロウ付け材料として更に識別されるパッケージ17のセラミック体に取り付けるのに使用される展性ロウ付け材料29を介して対応される。フォトカソード41は、パッケージ17の別の部分にシールするインジウム層45に押し付けられる。
【0018】
熱融解サイクルを介して形成される、米国特許第7,012,328 B2号明細書で詳述されるセラミック体へのシリコにメージセンサのロウ付けと異なり、本発明で示される展性金属シールは冷間圧縮接合(cold compression bond)を介して達成される。さらに、米国特許第7,012,328 B2号明細書における接合は導電性を維持するだけでよいが、本発明のセンサ形状では、GaAsフォトカソード系イメージセンサを含め、典型的なフォトカソードに存在する超高真空環境を維持するために、接合が超高真空シールを形成することも必要とされることに留意されたい。漏出防止真空シールは、クラックがないこと及び真空シールを橋渡しする、接続された空隙をいずれも形成しない表面界面の両方を必要とする。歴史的に、特にガラスのような硬質表面と展性金属との間の冷間圧縮シールは、連結すべき2つの表面が溶融金属によって濡れるロウ付けよりも低い接合強度を示す。III-V族カソードは典型的には、CsO等の反応性材料の薄層を介して活性化されることに留意されたい。これらの層は熱の影響を受けやすく、したがって、活性化層が生成された後、真空シール溶融サイクルが生じる必要がある製造プロセスには不適合である。したがって、先に引用した従来技術の真空センサ設計例に示されるように、圧縮形成された真空シールにわたるTCE誘導の剪断応力を最小化するように注意が払われた。Intevacでの最近の内部テストにより、適切な表面準備を用いた場合、イメージセンサ製造プロセス中及び計画された有用寿命全体を通して近接合焦イメージセンサが受ける計画された熱循環を通して接合部に生じるTCE誘導応力に耐えるのに十分な接合強度をガラス-インジウム圧縮接合において達成することができることが実証された。
【0019】
現在開示されている実施形態と既知の近接合焦イメージセンサとの間の追加の違いは、既知のイメージセンサが電気接点層、典型的にはアクティブフォトカソードエリアを環状真空シールに橋渡しし電気的に接続するメタライゼーション(metallization)層を組み込むことである。開示されるセンサ形状では、真空シールは、
図1Aに示される真空フォトダイオードのアノードを構成するシリコンイメージセンサに重なる。フォトカソードとイメージセンサにおける次の近接合焦要素との間に印加される電圧は典型的には、200V~2000Vの範囲に入る。フォトカソード電圧をスタンドオフ可能なシリコンイメージセンサの表面に誘電体を堆積させることは、低コスト製造可能性及び高電圧スタンドオフ信頼性の両方に関して技術的問題を呈する。したがって、新たに開示されるセンサ形状は、フォトカソード窓を通して形成される1つ又は複数の導電路を利用する。フォトカソードバイアス電圧のこの代替のルーティングにより、真空シールはイメージセンサアノード面の電位に留まることができる。フォトカソード-シリコンセンサ面電圧降下は、真空シールをフォトカソードのアクティブエリアから隔てる環帯にわたるフォトカソード窓の真空内面において回避される。このエリアは裸ガラスであってもよく、又は高抵抗被覆で被覆されてもよい。米国特許第4,604,545号明細書には、高電圧スタンドオフに適した正方形範囲につき10
12オーム~10
15オームの酸化クロム層が記載されている。米国特許第3,729,575号明細書には、交互混合酸化物被覆が詳述されている。超高真空センサ要件に適合する任意の高抵抗被覆をこのエリア上に使用し得る。窓を通る導電路は、フォトカソード又は導電皮膜いずれかに直接接してよく、典型的には、堆積した金属層を使用して、導電路をフォトカソード材料に接続し得る。
【0020】
裏面照明シリコンイメージセンサで電子感応を達成する方法は、当業者に周知である。Sextonらは、米国特許出願公開第5,688,715A号明細書において、シリコンイメージャの裏面を不動態化する古い方法の1つを詳述している。ウェーハレベルの効率的なシリコンウェーハ裏面処理手法を記載したより近年の特許は、Hoenkらにより米国特許第828,852 B2号明細書に詳述されている。更に別の手法は、Benzらにより米国特許第7,015,452 B2号明細書に記載されているように、シリコン系イメージセンサに配置された金属パッドに入射する電子を直接検出することである。本開示は、電子感応シリコン系イメージセンサを生成する任意の適切な方法又は手法を利用し得る。
【0021】
近接合焦センサは、フォトカソードとイメージ出力手段との間で高解像度イメージ転送を達成するために、小さな均一のフォトカソード-イメージセンサアノード間隔又はギャップに頼る。イメージ出力手段は、多種多様な潜在的イメージセンサを構成することができる。リストは、限定ではなく、
電子感応CCD(全ての種類のセンサに適用される、蛍光体被覆感光デバイスを含む)、
電子感応CMOSイメージャ、
電子感応抵抗位置検知イメージャ、
電子感応読み出し集積回路(ROIC)、
タイムスタンプ付き電子感応イメージャ
を含む。
【0022】
従来技術による近接合焦イメージセンサからセラミック体をなくすことは、特定の公差利点を呈する。フォトカソードをシリコンイメージセンサに直接インデックス送りすることで、セラミック体を使用してシリコンイメージャ及びフォトカソードの両方を支持することと関連する公差スタックアップがなくなる。開示される設計は
図1Aに示されており、スペーサは隆起特徴90としてフォトカソード窓組立体11に成形されて、電子感応シリコンイメージャのフォトカソード窓組立体11とアノード組立体60との間の直接インデックス送りが可能になる。この隆起特徴90により、正確なフォトカソード-シリコンイメージャ真空キャップ制御が可能になる。
【0023】
図1Aを引き続き参照すると、近接合焦イメージャ形状又はイメージセンサが開示され、本開示の第1の態様によれば、フォトカソード窓組立体11は展性真空シール40を介してアノード組立体60に直接接合される。本発明の第2の態様によれば、フォトカソード窓組立体11は、フォトカソード層20をバイアスする手段、この実施形態ではフォトカソード窓組立体11を通る導電路30を組み込み、展性真空シール40の材料が、イメージセンサのアノード組立体60の真空面又は電子感応面80のバイアス電位又はその近傍に留まれるようにする。
【0024】
フォトカソード窓組立体11とアノード組立体60との間の熱膨張率(TCE)不一致は、展性真空シール40への応力を生じさせる。初期のプロトタイプは、コーニングコード7056ガラス窓と、725μm厚の裏面照明CMOSシリコンイメージャとを使用して生成された。インジウムシールは19mm水平スパンに広がる。真空シールは、インジウムビードを初期高さ約20ミルから最終厚約3.5ミルに圧縮する室温圧縮シールを介して生成された。初期サンプルは、-54℃から+71℃への熱循環を介して応力がかかるとき、真空漏出を示したが、改良されたガラス面準備技法は、測定できる真空漏出なしで>1000の熱サイクルに耐えたサンプルをもたらした。最初に、TCE誘導応力に対処するのに十分に増加した接合強度をもたらした表面準備ステップは、比較的強い酸素プラズマを、インジウムビードに押し付けられたその表面にわたり7056ガラス窓に印加することであった。接触又はプラズマ処理後の長時間の大気露出を介してガラス面を再汚染しないように注意を払わなければならない。ガラスのプラズマ処理は、開示される形状を実現可能且つ高信頼性にするのに十分な接合強度を有するインジウム-ガラス圧縮接合の生成をサポートすることが示されたが、十分な接合強度を有するシールを生成することができる多様な方法がある。本開示は、製造方法ではなくセンサの形状に焦点を合わせる。形状は、少なくとも19mm正方形寸法及び約27mm対角寸法までのフォトカソード窓組立体で実現可能であることが示されてきた。このサイズのイメージ増強装置は、商業的に重要な要件を満たしている。このイメージ増強装置の上限は確立されていないが、18mmアクティブエリアをサポートする標準イメージ増強装置フォーマットが達成可能であるはずであるように見える。
【0025】
イメージセンサの開示される形状と他の既知のイメージセンサの形状との間の違いの1つは、シリコンイメージセンサが真空エンベロープの一部になることである。漏出防止要件に加えて、シリコンは、大気圧によって加えられる物理的な力にも耐えなければならない。現在の費用効率的なイメージセンサは典型的には、200mm又は300mm直径シリコンウェーハのいずれかで鋳造所で生産される。200及び300mmシリコンウェーハのSEMI規格シリコン厚はそれぞれ約725μm及び約775μmである。有限要素解析が実行されて、より薄い規格のウェーハ厚725μmでの開示される形状センサに存在する物理的偏向及びピーク歪みを調べた。モデリングにより、シリコンのピーク中心偏向が、モデリングされた形状で5μm未満であり、ピーク歪みがシリコンの降伏強度の10%未満であることが実証された。特に、真空シールの生成後、長時間の熱的逸脱(thermal excursion)に曝されるセンサの場合、相当な安全マージンを設計に組み込むべきである。モデリング結果に基づいて、費用効率的で規格厚のシリコンウェーハの使用は、開示される形状のセンサに適することが示される。大気誘導シリコン基板故障又は熱誘導シリコン基板故障と関連する歩留まり損失は、新規の開示される形状を利用する初期プロトタイプセンサでは観測されなかった。
【0026】
図1Aは、フォトカソード窓組立体11を通り、フォトカソード層20に接続する導電路30の使用を示す。従来技術による近接合焦イメージセンサは有利なことに、フォトカソードアクティブエリア、即ちフォトカソード層20を真空エンベロープ外部のアクセス可能なポイントに接続するために、表面メタライゼーションの低コスト手法を使用する。表面メタライゼーションの使用は、絶縁体又は高抵抗体を使用した近接合焦イメージセンサで許容可能であるが、現在開示されている形状では、非常に大きな問題を呈する。アノード組立体60の表面上に誘電層を構築することは可能であるが、経験により、イメージ増強装置が必要とする高電圧バイアスを高信頼的にスタンドオフ可能な大面積層を生成するのは困難なことが分かっている。したがって、フォトカソード窓組立体11を通してフォトカソード層20に接続する導電路30が好ましい。この導電路30の要件は、イメージセンサの意図される使用によって設定される。「ゲーテッド(gated)」イメージングシナリオで典型的な高速高電圧スイッチングが求められる場合、低インピーダンス導電路が求められる。当業者は、限定ではなく、キャパシタンス、形状、高電圧スルー時間、総電圧変化、照明レベル、及び高電圧スイッチングの繰り返し率を含む多様なパラメータに基づいて、必要とされるインピーダンスを特定することができる。先に記した計算に基づいて、要件は多数桁、変わり得る。単一の導電路30が示されているが、複数の導電路が求められ得る。複数の導電路の使用は、米国特許第5,047,821号明細書に記載される等の複数端子フォトカソード構造の使用のような選択肢も促進する。同様に、複数の導電路は、セグメント化されたフォトカソードの部分を選択的にバイアスするのに使用することができる。
図1Aに示される一実施形態には、単一の導電路30が示されている。絶縁フォトカソード窓組立体11を通して導電路30を生成するのに、複数の手法を使用し得る。コーニングコード7056ガラスは、ガラス接合GaAsフォトカソードの製造での使用に適した窓材料であることが分かっている。導電路を生成するために、導電性酸化物の使用、窓をレーザで穴あけし、金属層で埋め戻す等の多くの方法が使用可能であるが、GaAsと同様の熱膨張率を有する窓ガラスを利用する場合、より費用効率的な選択肢が存在する。米国特許第2,177,360号明細書に示されるように、近接合焦イメージ増強装置は、透明(ガラス)真空容器を通して直接供給される電気ワイヤを介してバイアスし得る。近代の近接合焦イメージセンサ製造業者はこの技術を実施しないが、ガラス面を通した真空気密ワイヤフィードスルーは依然として費用効率的な選択肢である。Kovar(商標)ワイヤとコーニングコード7056ガラスとの間に高信頼性真空シールを達成する製造方法は確立されており、当業者に既知である。KOVARは、Carpenter Technology Corporationに割り当てられた商標である。Kovarは重量で、約29%Ni、17%Co、0.01%未満のC、0.2%Si、0.3%Mn、及び残部Feで構成される。同様の組成のFe-Ni-Co合金は、Kovar(商標)ワイヤへの許容可能な代替である。
図1Aに示される一実施形態は、単一のKovar(商標)ワイヤから形成される導電路30を示す。
【0027】
代替的には、Invar(商標)等のシリコンの熱膨張率に近い、より低い熱膨張率を有する材料は、シリコンに首尾良くはんだ付けされ、極端な熱サイクルに耐えた:J.Synchrotron Rad.(2019年).26,1565-1571。本開示に記載されるカソード組立体及びアノード組立体の熱膨張率範囲にわたる、広範囲の金属合金が市販されている。これらの合金の幾つかの説明は、Carpenterウェブサイトcarpentertechnology.com/en/alloy-techzone/technical-information/alloy-selection/selecting-controlled-expansion-alloysにおいて見られ得る。
【0028】
以下詳述する小型形状メージセンサの実施形態は、本発明の範囲の限定ではなく、本発明の説明を助けるために、実施例として提示される。当業者は、本開示の要素及び技法を使用して、同等の小型センサを作製することが予期される。特定の考えられる変形は、特定のフォーマット要件を満たすためのセンサ像平面幅及び高さの変更並びに電子入力の逆側にシリコン電気接点を配置するための貫通シリコンビア(through silicon vias)の使用を含み、これらの変形は本開示の範囲内に留まる。
【0029】
説明を続けると、
図1Aは、小型近接合焦真空イメージセンサの一実施形態を示す。フォトカソード窓組立体11は、展性真空シール40によってシリコン系イメージセンサのアノード組立体60に直接連結され、それにより、真空ギャップ70を囲む又は閉鎖するイメージセンサ真空エンベロープを形成する。フォトカソード層20及び電子感応面80は、真空ギャップ70にわたって互いに対向する、真空エンベロープの両面を形成する。ワイヤ接合パッド50の形態のイメージセンサ電気接続は、イメージセンサの給電、制御、モニタリング、及びイメージセンサからのデータの読み出しに必要なイメージセンサ電気機能の全てにアクセスする。イメージセンサワイヤ接合パッド50の場所は、フォトカソード窓組立体11、アノード組立体60、及び展性真空シール40によって形成された真空エンベロープ外部にある。真空エンベロープ外部の場所へのイメージセンサ電気接続の配線、アノード組立体60の電子感応面80への一接続、及びフォトカソード窓組立体11のフォトカソード層20への一接続は、複数の真空電気フィードスルー要素を含むセンサ構成要素を作成する必要性をなくし、それによりそのコストをなくすという点で、既知のセンサよりも優れたこのセンサの主要な利点である。
【0030】
フォトカソード窓組立体11は、対照波長の光を透過する材料から形成される。窓材料に典型的な選択には、限定ではなく、ガラス、石英、サファイア、及び特定の透明の主にイオン性の塩類がある。一実施形態において、フォトカソード窓組立体11は主にコーニングコード7056ガラスで構成される。動作に当たり、光が典型的には
図1Aの上部からフォトカソード窓組立体11を通して、対物レンズ(図示せず)を介してフォトカソード層20上に合焦される。フォトカソード層20は、限定ではなく、マルチアルカリアンチモン化物系フォトカソード、III-V族半導体系フォトカソード、IV族フォトカソード、又はペロブスカイトフォトカソードを含み得る。一実施形態において、フォトカソード層20は、米国特許出願公開第2019/0080875 A1号明細書に記載されているガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)で構成される。米国特許出願公開第2019/0080875 A1号明細書の全公開は参照により本明細書に援用される。GaAs光吸収層と併用されるTANEAフォトカソードは、デジタル夜間視像を必要とする用途で、開示される小型センサ形状での使用に適する。選択された波長の入力光はフォトカソード層20に吸収されて、イメージセンサにおいてフォトカソード層20をシリコン系アノード組立体60の電子感応面80から隔てる真空ギャップ70中に放出される有限確率を有するエネルギー電子が生じる。
【0031】
フォトカソード電子放出及び真空ギャップ70にわたる光電子の輸送をサポートするために、高バイアス電圧がフォトカソード層20とアノード組立体60の電子感応面80との間に印加され、カソードはアノードに対して負にバイアスされ、又は同等に、アノードはカソードに対して正にバイアスされる。高電圧バイアスは、メタライゼーション層145及び導電路30(
図2参照)を介してフォトカソード層20に達する。層145は
図1Aに存在すると理解されるが、図面のスケールでは解像されない。メタライゼーション層145は、導電路30とフォトカソード層20との間に電気接続を橋渡しする。したがって、導電路30に印加されるバイアス電圧は、フォトカソード層20の電位を規定する。
【0032】
上述したように、導電路30は、フォトカソード窓組立体11のフォトカソード層20の真空面をフォトカソード窓組立体11の外面に橋渡しする漏出防止性導電路である。この実施形態ではメタライゼーション層145によって形成される、フォトカソード層20への電気接続の一端部は、真空ギャップ70内にあり、この実施形態では導電路30によって形成される、フォトカソード層20への電気接続の他端部は、外部接続のために真空ギャップ70及び真空エンベロープの外部にある。一実施形態において、導電路30は、コーニングコード7056ガラス窓組立体に封止されたKovar(商標)ワイヤを用いて実施される。ワイヤ、即ち導電路30は窓組立体の真空面と同一平面で終端して、センサ動作中、ワイヤからの電界放出の可能性を最小に抑える。同様に、導電路30がフォトカソード窓組立体11から出るポイントも組立体表面と同一平面で終端して、センサの小型パッケージングを促進する。導電路30が出るフォトカソード窓組立体11の外面において、メタライゼーションパッド155(
図2)が適用されて、外部高電圧電源リードへの確実な接続を容易にし得る。ここでも、メタライゼーションパッド155は
図1Aに存在すると理解されるが、図面のスケールに起因して解像されない。
【0033】
図1Aに見られる追加の特徴には、アノード組立体60の電子感応面80がある。この電子感応面80は、フォトカソード層20から真空ギャップ70をわたってすぐのところにある。シリコン系イメージセンサのフォトカソード層20と電子感応面80との重複エリアの共通部分(平面図における)は、開示される小型近接合焦イメージセンサの有効アクティブエリアを特定する。
【0034】
シリコン系イメージセンサのアノード組立体60の電子感応面80は、真空ギャップ70をわたって光電子を引きつけるために、フォトカソード層20のバイアス電圧よりも上のバイアス電圧に規定される。典型的な真空ギャップは0.0015インチ~0.020インチの範囲であり、一実施形態では、0.004インチ以上0.007インチ以下の範囲のギャップを目標とする。電子感応面80は典型的には0V近くの電圧に規定され、一方、フォトカソード層20は典型的には、動作中、-200V~-2000Vの電圧に規定される。この取り決めは、高電圧でのイメージセンサ電子回路の絶縁及び浮遊から生じるシステムレベル複雑性を最小に抑える。電子感応面80上の0Vに近いバイアス電圧は、シリコン系イメージセンサ接合パッド50を通して又は外部低インピーダンス電気パッド203(
図3参照)を介して供給され、外部低インピーダンス電気パッドは、パッド203と電子感応面80との間を橋渡しするメタライゼーション層213(
図3参照)に接続される。ここでも、電気パッド203及びメタライゼーション層213のメタライゼーションは
図1Aの断面に存在すると理解されるが、断面の位置に起因して存在しないか、又は図面のスケールに起因して解像されない。この実施形態ではメタライゼーション層213によって形成される、電子感応面80への電気接続の一端部は、真空ギャップ70内にあり、種々の実施形態においてパッド50又はパッド203によって形成される、電子感応面80への電気接続の他端部は、外部接続のために、真空ギャップ80及び真空エンベロープの外部にある。
【0035】
幾つかのイメージングシリコン系イメージセンサは、低インピーダンス接触手法、特に入力電子の位置を検知するために金属パッドを電気的に絶縁する必要がある金属パッド読み出し集積回路に不適合である。しかしながら、高濃度ドープ導電層によって真空面において終端する光電子衝突到達時刻を記録するように設計された、裏面照明電子衝撃能動ピクセルセンサ(EBAPS(登録商標))、CCD及びCMOSイメージャ等の他のシリコン系イメージセンサは、低インピーダンス接点路の存在から恩恵を受け得る。開示されるセンサの一実施形態は、その電子感応領域、例えば電子感応面80にわたって高濃度ドープ真空面終端を更に組み込んだCMOS裏面薄化電子衝撃能動ピクセルセンサである(又は少なくとも含む)シリコン系イメージセンサアノード組立体60を利用する。低インピーダンス経路は、短期間高電圧スイッチング又はゲーティングを必要とするセンサにとって特に重要である。高速高電圧バイアススイング中、相当な電流が、高電圧が存在するフォトカソード層20及びアノード組立体60の電子感応面80(フォトカソード窓組立体11のフォトカソード層20の表面に対向する)の両方の表面に流れる。これらの電流サージをイメージセンサ接合パッド50に強いると、敏感なイメージセンサ動作に潜在的に干渉し得る。
【0036】
隆起特徴90は、フォトカソード窓組立体11の表面に面する真空の隆起部である。隆起部は、窓材料が軟化点近くまで加熱されたとき、成形プロセスを経由して作製し得る。一実施形態の場合、隆起部90は、フォトカソード-ガラス接合ステップ時、成形し得る。グラファイト金型を使用して7056ガラス窓を形作り得る。隆起特徴90の目的は、シリコン系イメージセンサにおけるフォトカソード層20とアノード組立体60の電子感応面80との間の真空ギャップ70の高さを制御することである。種々の実施形態において、隆起特徴90は、例えば隆起境界、一連の隆起部、二面、四面、若しくはフォトカソード窓組立体11の真空に面する表面の隅における対向する隆起部、又はそれらの組合せとして実施することができる。隆起特徴90は、フォトカソード層20を有する、フォトカソード窓組立体11の面の1つにある。一実施形態において、隆起特徴90は、フォトカソード窓組立体11のその面と一体化され、その面と同じ材料の1つ又は複数を用いて形成される。隆起特徴90により、組み立てられたイメージセンサの真空ギャップ70が確立されるような隆起特徴90の更なる配置及び実施態様が容易に考案される。
【0037】
作製中、フォトカソード窓組立体11及びアノード組立体60は典型的には個々に処理される。センサ構成要素は、フォトカソード窓組立体11の処理及びアノード組立体60の処理ステップが完了した後、超高真空条件下で連結される。連結プロセスは典型的には室温又は室温に近い温度で行われる。フォトカソード窓組立体11及びアノード組立体60は、互いに対して精密に位置調節されて圧縮され、展性真空シール40を介して真空気密圧縮シールを形成する。シール材料が圧縮されるにつれて、フォトカソード窓組立体11の隆起特徴90及びシリコン系イメージセンサにおけるアノード組立体60の表面は互いに近づく。隆起特徴90がシリコン面に接触すると、展性真空シール40の圧縮は停止し、均一な厚さの真空ギャップ70が達成される。フォトカソード層20と電子感応面80とを隔てる真空ギャップ70のギャップ高さは、隆起特徴90によって確立され、したがって隆起特徴90によって画定される。展性真空シール40は、限定ではなく、インジウム、鉛、スズ、金、銅、アルミニウム、又は先に列記した材料の合金からなり得る。一実施形態において、展性真空シール40は主にインジウムである。
【0038】
図2は、
図1Aの小型近接合焦イメージセンサの一実施形態での使用に適したフォトカソード窓組立体11の細部を示す。左端の図は「内部」展開図であり、右端の図は「外部」又は外側展開図であり、中央の図は右端の図の線A-Aに沿った断面である。
図2の左端のセクションで強調されるのは、フォトカソード窓組立体11の真空露出面に含まれる種々の特徴の相対場所である。
図2に示される一実施形態において、フォトカソード層20は、シリコンアノード組立体60の電子感応面80のアクティブエリアよりもわずかに大きい矩形エリアを覆う。アクティブフォトカソードのより大きな寸法は、小型センサの真空封止プロセス中に生じ得るいかなる位置調節ずれ誤差に対応する。この配置は、完成したセンサにおける全範囲のアドレス可能ピクセルが光感受性を達成することを保証する。
【0039】
層145は薄いメタライゼーション層である。層145は、フォトカソード層20と、フォトカソード窓組立体11をわたる真空気密導電路30との間に高信頼性の電気接続を提供する。この層145は典型的には、真空スパッタ物理蒸着プロセス(PVD)を介して堆積して、導電路30の縁部又はフォトカソード層20の縁部で生じ得る任意の段差をコンフォーマルに被覆する。層145は、限定ではなく、クロム、アルミニウム、銀、ニッケル、チタン、タンタル、ルテニウム、モリブデン、ハフニウム、バナジウム、マンガン、コバルト、鉄、ジルコニウム、ニオブ、及び銅を含め、広範の金属のものであり得る。複数の目的を達成するために、金属層は合金化又は積層し得る。二次目的として、層145は薄膜ゲッターとして使用し得る。真空デバイスのゲッターとしての使用に適した金属及び合金は、米国特許第6,100,627号明細書に論考されている。しかしながら、薄膜ゲッターの有効性及び活性化特性は、特定のツールセット及び皮膜の堆積に使用される条件に大きく依存し、したがって、メタライゼーション層145のこの態様は、堆積条件、金属層組成、及び/又は複数の金属層スタックの組成及び厚さの個々の最適化を必要とする傾向が高い。メタライゼーション層145の典型的な厚さは200nm~500nmである。
【0040】
145の周囲メタライゼーションは、電圧降下領域165と記されるフォトカソード組立体のエリア、特に表面の部分である。組み立てられた完成したセンサになると、電圧降下領域165はシリコンアノード組立体60から真空ギャップ70によって物理的に分離される。電圧降下領域165は、フォトカソード出に電圧に規定されるメタライゼーション層145から、隆起特徴90がアノード組立体60に接触し、それにより、接点をアノード組立体電圧電位であるように規定するポイントまで延び、又は隆起特徴90が省かれる場合(
図5参照)、電圧降下領域165は、ここでもアノード組立体60の規定された電圧である展性真空シール40の縁部まで延びる。電圧降下領域165のこの画定の結果として、このエリアは、規定されたフォトカソード電位と規定されたアノード電位とを橋渡しする。したがって、電圧降下は電圧降下領域165にわたって生じる。電圧降下領域165は、汚染されていないガラスとして維持し得る。コーニングコード7056ガラスは、フォトカソード電位からアノード電位への電圧降下を最小表面漏洩で確立し得る適した絶縁体であると実証されている。代替的には、電圧降下領域165は、酸化クロム等の高抵抗被覆又は高抵抗混合金属酸化物被覆で被覆し得る。正方形につき10
12オーム~10
15オームのオーダの抵抗を有する被覆が好ましいが、高電圧漏洩が増大することを代償として、抵抗のより低い被覆を使用してもよい。このタイプの被覆は、真空管製造分野の当業者には既知であり、電圧降下領域165にわたる全てのポイントでの予測可能な電圧電位を規定することによって利点を提供し得る。電圧降下領域165にわたる高抵抗被覆の存在は、フォトカソード電位とアノード電位との間を流れる漏洩電流を導入することになる。被覆の存在は、電圧降下領域165にわたるアーク発生確率を低減し得る。
【0041】
フォトカソード窓組立体11の外面上のメタライゼーションパッド155は、導電路30と高電圧電源(HVPS)のような外部システムへの電気接続との間に高信頼性接続を提供する。典型的なメタライゼーション層は、限定ではなく、約25nm厚のクロム又はチタン接着層、約100nmの白金の拡散バリア、それに続く約50nmの金の表面層からなり得る。インジウムスズ共晶等の低温はんだを使用して、電気リードをパッド155に取り付けることができる。
【0042】
図2の左端の図面には、表面135も示されている。表面135は、この「平面」図において、表面突起特徴90と窓組立体の縁部との間に入る裸の窓表面として示されている。一実施形態において、これは裸のコーニングコード7056ガラス面である。この表面の清浄さは、センサの確実な真空封止の達成にとって極めて重要である。内部テストにより、この表面が酸素プラズマクリーニングプロセスを受け、汚染されていない高純度インジウムに圧縮封止される場合、十分な品質且つ強度の接合が達成されることが示されている。実現可能性はこの手順を使用して実証されたが、開示される形状はこの特定のプロセス及びインターフェースに限定されない。実際に、この表面を酸素プラズマに露出する際、注意を払わなければならない。GaAsフォトカソードは、そのようなプラズマによって損傷し得、したがって、プラズマへの露出から遮蔽されなければならない。高真空シール接合強度を達成する代替の手法も、本開示の教示に違反せずに開発し得る。代替の手法は、限定ではなく、約25nm厚のクロム又はチタン接着層、約100nmの白金の拡散バリア、それに続く約50nmの金の表面層からなるメタライゼーション層を用いた表面135のメタライゼーションを含む。
【0043】
展性インジウム層への圧縮封止後、透明窓材料を通してレーザアニールを適用して、インジウム層及び金表面層の相互拡散を生成し得る。高強度表面接合を生成する分野の当業者は、広範な選択肢が利用可能である。展性真空シール40(
図1)との十分な接合強度に繋がる任意の接合手法が許容可能であり、したがって、本開示によって包含される。フォトカソード窓組立体11は、約0.5mm~5mm越の範囲の全厚を有し得る。図示の実施形態において、フォトカソード窓組立体は約2mm厚であり、コーニングコード7056ガラスで構成される。
【0044】
一実施形態において、導電路30は、7056ガラス窓材料に半球封止された、典型的には直径0.010インチ~0.020インチのKovar(商標)ワイヤからなる。ワイヤの場所及びワイヤがフォトカソード組立体をわたる角度は、便宜のため及びシステムレベルのベイリンググレア性能へのワイヤの影響を最小化するために選ばれる。典型的な夜間視システムは、低F値を有するレンズを利用する。導電路30のこの実施態様のワイヤは、入力光がワイヤを照明する可能性を最小化するために、フォトカソード層20のアクティブエリアから離れて傾斜する。同様に、ワイヤはフォトカソード層20の隅の近くに配置される。大半のレンズ系は相対照明において半径方向対称ロールオフを示すため、導電路30の隅位置は、導電路30が照明され、したがって、システムレベル画像アーチファクトの一因となる可能性を最小化する。
【0045】
図3は、
図1Aの小型近接合焦イメージセンサの一実施形態での使用に適した、アノード組立体60の電子感応、シリコン、イメージセンサ組立体の細部を示す。左図は内部展開図を示し、右図は側面図である。アノード組立体60の電子感応面80は典型的には、フォトカソード層20のエリアよりもわずかに小さなサイズである。真空圧縮シールが形成される前、フォトカソード窓組立体11及びアノード組立体60は、平面図において、電子感応面80がフォトカソード層20のアクティブエリアによって完全に覆われるように位置調節する。アノード組立体60の電子感応面80は、メタライゼーション層213によって囲まれ、電気的に接触する。メタライゼーション層213は、低インピーダンス電気接点をアノード組立体60の電子感応アクティブエリア及び接点パッドメタライゼーション203の両方に提供するように機能する。限定ではなく、約25nm厚のクロム又はチタン接着層、約100nmの白金の拡散バリア、それに続く約50nmの金の表面層からなるパッドメタライゼーション層は、電気パッド203の湿潤層として適する。メタライゼーション層213はシール層240の下に延びて、電子感応面80を橋渡し、電気パッド203のパッドメタライゼーションに接触する。シール層240は展性金属接合材料から形成される。一実施形態において、シール層240はインジウムによって形成される。インジウムは、メタライゼーションパッドをメタライゼーション層213の表面上に予め堆積させることにより、アノード組立体60にプリウェットし得る。限定ではなく、約25nm厚のクロム又はチタン接着層、約100nmの白金の拡散バリア、それに続く約50nmの金の表面層からなるパッドメタライゼーション層は、シール層240の湿潤層として適する。メタライゼーション層213は、クロム等の、溶融インジウムで容易には湿潤しない層で終端すべきである。低温展性封止材料がシール層240の形成に使用される場合、その材料は、低温真空熱サイクルを介して表面に湿潤し得る。典型的なCOMS系シリコンイメージングアノード組立体は、400℃~500℃の最大熱的制限を有する。インジウム以外の展性金属シール層240又は鉛-スズはんだ等の他の低融解点合金を使用する場合、めっきを含む直接金属堆積技法を使用して、シール層240を形成し得る。特にめっきの場合、金属層を十分に脱気するために、長時間の真空ベークが必要とされ得る。
【0046】
パッド50は、シリコン系イメージャが給電される接合パッド、シリコン系イメージャが送信される信号を制御する接合パッド、及び全ての像情報が外部カメラ電子回路又は他のデータ記録若しくは表示システムに伝送される接合パッドの1つの場所を示す。一実施形態において、約140個の接合パッドが存在する。ワイヤ接合を接合パッドに対して作製することができる容易さを上げるために、アノード組立体60が真空封止される前、金ボールを用いてパッドに予めバンプ形成し得る。真空封止後、処理されたフォトカソード組立体のサーマルバジェットは、ワイヤ接合を実行することができる温度を制限し得、それにより、ワイヤ接合の信頼性に影響し得る。パッド50上に金バンプが存在することにより、高信頼性ワイヤ接合を形成することができる温度は、標準のバンプなしのアルミニウムワイヤ接合パッドと比較して低下する。識別情報223は、小型近接合焦イメージセンサにプリントされる識別番号(又は他の識別子)である。必須ではないが、この特徴の存在はセンサ追跡を助ける。
【0047】
図4は、夜間視システムにおけるセンサの動作方法で典型的な高電圧電源301によってバイアスされた、照明された新規の形状の小型近接合焦真空イメージセンサを示す。高電圧電源301は、電子感応面80(
図1A参照)に対するフォトカソード層20の電圧バイアスを提供する。典型的には対物レンズ(図示せず)を介して供給された光学像は、フォトカソード窓組立体11を通してフォトカソード焦点面上に合焦される。フォトカソードは、光学像をフォトカソードの真空面において空間的且つ時間的に相関付けられた自由光電子ストリームに変換する。高電圧バイアスは、フォトカソードの光電子出力の元の空間的及び時間的相関に関して高レベルの忠実性を保ちながら、高電圧電源301によって印加されるように、光電子を加速させて真空ギャップにわたってアノード組立体60の電子感応エリアに到達させる。EBAPSセンサ及びEBCCDセンサの場合、シリコン系イメージセンサに入った光電子は、衝撃イオン化利得を生成し、それにより、電子感応イメージセンサのシリコン内に電子-正孔対クラウドを作成する。これらの電子-正孔対クラウドと関連する電荷は、光電子の到達と関連する位置及びタイミング情報を検知し、ワイヤ接合パッド50を介して受信側電子回路に送信し得るように、センサ内の設計によって分離される。適宜設計されたシステムにおいて、電子衝撃利得は電子感応シリコン系イメージセンサの一時的ノイズフロアを越え、それにより、単一の光電子の確実な検出を可能にする。示される構成は、裏面薄化能動ピクセルセンサ及び裏面薄化CCDイメージセンサに存在し得るように、連続導電電子感応アクティブエリアを利用するシリコン系電子感応イメージセンサアノード組立体60との併用に適する。
【0048】
絶縁された導電パッドが入力光電子の存在を検知する電子感応読み出し集積回路(ROIC)の場合、高電圧電源301からの正接点リード321は、パッド203から適切なワイヤ接合パッド50に向けて再方向付けされるべきである。しかしながら、
図4に示される実施形態では、高電圧電源301の負リード311はパッド155に接続され、一方、高電圧電源301の正リード321はパッド203に接続される。パッド接続は、インジウム/スズ共晶等の低融解点はんだ合金を使用して作成し得る。これらの接続を作成する際、展性真空シール40を過熱しないように注意を払わなければならない。インジウムが展性金属シール材料として使用される場合、その156℃融解点は、シール故障が急速に生じる温度を決める。図示されていないが、リード311及び321は基本的に、高電圧定格同軸遮蔽ケーブルを介して収集し得る。遮蔽同軸の使用は、特にスイッチング又はゲーテッド高電圧電源を使用する場合、放射放出を最小化するために特に有用である。高電圧電源からの放射放出の最小化は、電源切り替えが、電子感応シリコン系イメージセンサ、より具体的にはアノード組立体60によって生成されるデータストリームに画像アーチファクトを導入する可能性を最小化する。
【0049】
図5は、小型近接合焦真空イメージセンサの更なる一実施形態を示す。2つの追加の層がシールスタックに導入され、これらはフォトカソード窓組立体410をアノード組立体460に連結する。フォトカソード窓組立体410は、(種々の実施形態において)層440、即ち展性金属層と、層443、即ち典型的には、フォトカソード窓組立体410とアノード組立体460との間に含まれる熱膨張率を有するように選ばれた材料の構造層と、層446、即ちロウ付け又ははんだ材料とからなる又は含むシール層のスタックによってシリコン系イメージセンサアノード組立体460に直接連結される。それにより、結合されたフォトカソード窓組立体410、シールスタック、層440、443、446、及びアノード組立体460は、真空ギャップ470を囲むイメージセンサ真空エンベロープを形成する。電子感応シリコン系イメージセンサのフォトカソード層420及び電子感応面480は、真空エンベロープ内に含まれる。ワイヤ接合パッド450の形態のイメージセンサ電気接続は、イメージセンサの給電、制御、モニタリング、及びイメージセンサからのデータの読み出しに必要なイメージセンサ電気機能の全てにアクセスする。イメージセンサワイヤ接合パッド450の場所は、フォトカソード窓組立体410、シリコン系電子感応イメージセンサアノード組立体460、及び層440、443、446で構成されるシールスタック間に形成されるか、又はそれらによって形成される真空エンベロープ外部にある。電子感応シリコン系イメージセンサ内から真空エンベロープ外部の場所へのイメージセンサ電気接続の配線は、複数の真空電気フィードスルー要素を含むセンサ構成要素を作成する必要性をなくし、それによりそのコストをなくすという点で、従来技術によるセンサよりも優れたこのセンサの主要な利点である。
【0050】
フォトカソード窓組立体410は、対照波長の光を透過する材料から形成される。窓材料に典型的な選択には、限定ではなく、ガラス、石英、サファイア、及び特定の透明の主にイオン性の塩類がある。一実施形態において、フォトカソード窓組立体410は主にコーニングコード7056ガラスで構成される。動作に当たり、光が典型的には
図5の上部からフォトカソード窓組立体410を通して、対物レンズ(図示せず)を介してフォトカソード層420上に合焦される。フォトカソード層420は、限定ではなく、マルチアルカリアンチモン化物系フォトカソード、III-V族半導体系フォトカソード、IV族フォトカソード、又はペロブスカイトフォトカソードを含み得る。一実施形態において、フォトカソード層420は、米国特許出願公開第2019/0080875号明細書に記載されているガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)で構成される。米国特許出願公開第2019/0080875号明細書の全公開は参照により本明細書に援用される。GaAs光吸収層と併用されるTANEAフォトカソードは、デジタル夜間視像を必要とする用途で、開示される小型センサ形状での使用に適する。選択された波長の入力光はフォトカソード層420に吸収されて、フォトカソード層420をシリコン系アノード組立体460から隔てる真空ギャップ470中に放出される有限確率を有するエネルギー電子が生じる。フォトカソード電子放出及び真空ギャップ470にわたる光電子の輸送をサポートするために、高バイアス電圧がフォトカソード層420とアノード組立体460との間に印加される。高電圧バイアスは、導電路430及び145(
図2)に示されるものと同様のメタライゼーション層を介してフォトカソード層420に達し、
図5のフォトカソード組立体における顕著な違いは、示される隆起特徴90がなくなっており、フォトカソード窓組立体410の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を残すことである。隆起特徴90をなくすことは、
図1Aにおける実施形態のフォトカソード窓組立体11と比較して、
図5における実施形態のフォトカソード窓組立体410の製造を大きく簡易化する。真空ギャップ70(
図1A)、ここでは真空ギャップ470(
図5)を正確に規定する隆起特徴90の機能は、結合層440、443、446のシールスタック厚で置換される。即ち、
図5に示されるイメージセンサの実施形態では、シールスタック厚、例えば展性金属シールの厚さは、フォトカソード層420と電子感応面480を隔てる真空ギャップ470のギャップ高さを確立し画定する。
【0051】
構造層443がInvar等のシリコン系アノード組立体460の熱膨張率に近づく場合、Au-Sn共晶等のステップロウ付け材料を使用して、層443をアノード組立体460に連結し得る。説明した材料選択により、真空処理前、精密公差内で層443及び446をアノード組立体460に予め組み付けることができる。溶融点約280℃のAu-Sn共晶は多くの場合、はんだ材料として見なされるが、層440としてインジウム(溶融点約156℃)が選ばれる場合、層443、446の正確に設定されたスタック高さが続く再溶融によって低下しないことを保証するように処理温度を選ぶことができるという点で、ステップロウ付けと同様に機能する。
【0052】
層145(
図2参照)と類似するメタライゼーションが
図5に存在すると理解されるが、図面のスケールでは解像されない。層145と類似する、解像されないメタライゼーション層は、導電路430とフォトカソード層420との間に電気接続を橋渡しする。したがって、導電路430に印加されたバイアス電圧は、フォトカソード層420の電位を規定する。導電路430は、フォトカソード窓組立体410のフォトカソード層420の真空面をフォトカソード窓組立体410の外面に橋渡しする真空漏洩防止導電路である。一実施形態において、導電路430は、コーニングコード7056ガラス窓組立体に封止されたKovar(商標)ワイヤを用いて実施される。導電路430を実施するワイヤは、フォトカソード窓組立体410の真空面と同一平面で終端して、センサ動作中、ワイヤからの電界放出の可能性を最小に抑える。同様に、導電路430がフォトカソード窓組立体410から出るポイントも組立体表面と同一平面で終端して、センサの小型パッケージングを促進する。導電路430が出るフォトカソード窓組立体410の外面において、155(
図2参照)と類似したメタライゼーションパッドが適用されて、外部高電圧電源リードへの確実な接続を容易にし得る。ここでも、メタライゼーションパッド155は
図5に存在すると理解されるが、図面のスケールに起因して解像されない。
【0053】
図5に見られる追加の特徴には、シリコン系イメージセンサの電子感応面480がある。この電子感応面480は、フォトカソード層420から真空ギャップ470をわたってすぐのところにある。シリコン系イメージセンサのフォトカソード層420と電子感応面480との重複エリアの共通部分(平面図における)は、小型近接合焦イメージセンサの一実施形態の有効アクティブエリアを規定する。
【0054】
シリコン系イメージセンサの電子感応面480は、真空ギャップ470をわたって光電子を引きつけるために、フォトカソード層420のバイアス電圧よりも上のバイアス電圧に規定される。典型的な真空ギャップは0.0015インチ~0.020インチの範囲であり、一実施形態では、0.004インチ以上0.007インチ以下の範囲のギャップを目標とする。電子感応面480は典型的には0V近くの電圧に規定され、一方、フォトカソード層420は典型的には、動作中、-200V~-2000Vの電圧に規定される。この取り決めは、高電圧でのイメージセンサ電子回路の絶縁及び浮遊から生じるシステムレベル複雑性を最小に抑える。電子感応面480上の0Vに近いバイアス電圧は、シリコン系イメージセンサ接合パッド450を通して又は外部低インピーダンス電気パッド203(
図3参照)を介して供給され、外部低インピーダンス電気パッドは、パッド203と電子感応面80との間を橋渡しするメタライゼーション層213(
図3参照)に接続される。ここでも、電気パッド203及びメタライゼーション層213のメタライゼーションは
図5の断面に存在すると理解されるが、断面の位置に起因して存在しないか、又は図面のスケールに起因して解像されない。
【0055】
幾つかのイメージングシリコン系イメージセンサは、低インピーダンス接触手法、特に入力電子の位置を検知するために金属パッドを電気的に絶縁する必要がある金属パッド読み出し集積回路に不適合である。しかしながら、高濃度ドープ導電層によって真空面において終端する光電子衝突到達時刻を記録するように設計された裏面照明電子衝撃能動ピクセルセンサ(EBAPS)、CCD、及びCMOSイメージャ等の他のシリコン系イメージセンサは、低インピーダンス接点路の存在から恩恵を受け得る。センサの一実施形態は、その電子感応領域にわたって高濃度ドープ真空面終端を更に組み込んだCMOS裏面薄化電子衝撃能動ピクセルセンサを有するシリコン系イメージセンサアノード組立体460を利用する。低インピーダンス経路は、短期間高電圧スイッチング又はゲーティングを必要とするセンサにとって特に重要である。高速高電圧バイアススイング中、相当な電流が、高電圧が存在するフォトカソード及びフォトカソード組立体の表面に対向するアノード組立体の表面の両方の表面に流れる。イメージセンサ接合パッド450を通してこれらの電流サージを強いると、敏感なイメージセンサ動作に潜在的に干渉し得る。
【0056】
作製中、フォトカソード窓組立体410及びアノード組立体460は典型的には個々に処理される。センサ構成要素は、フォトカソード窓組立体410の処理及びアノード組立体460の処理ステップが完了した後、超高真空条件下で連結される。連結プロセスは典型的には室温又は室温に近い温度で行われる。フォトカソード窓組立体410及びアノード組立体460は、互いに対して精密に位置調節されて圧縮され、展性シール440を介して真空気密圧縮シールを形成する。シール材料が圧縮されるにつれて、シリコン系イメージセンサ構成要素の表面は互いに近づく。シール力(seal force)及び時間の制御により、展性シール440の圧縮誘導フローの程度が決まる。均一な厚さの真空ギャップ470が達成されると、シール力は停止する。展性シール440は、限定ではなく、インジウム、鉛、スズ、金、銅、アルミニウム、又は先に列記した材料の合金からなることができ、又はそれで構成し得る。一実施形態において、展性シール440は主にインジウムである。
【0057】
図5の上記詳細な説明では、層443及び446はInvar及びAu-Sn共晶として説明されたが、他の材料選択が有利なことがある。層446の代替の選択肢には、限定ではなく、鉛-スズ系はんだ及びインジウムがある。層443の代替の選択肢には、Kovar、中間膨張率のCo-Ni-Cr-Fe合金、又はKyocera A440アルミナ等のテープキャストセラミック層がある。展性連結層446の使用と併せられた中間膨張率(CTE)(中間という用語は、層443のCTEがフォトカソード窓組立体410のCTEとアノード組立体460のCTEとの間に入ることを意味するものと理解されたい)の使用により、フォトカソード窓組立体410とアノード組立体460とのCTE不一致を層440、443、446で構成されるシールスタックにわたってステップごとに対応することができる。層443として絶縁層を使用することにより、フォトカソード層420とシリコン系イメージアレイアノード組立体460との間の電圧降下は、展性シール層440に印加される電圧電位の仕様を介してより大きな制御度で操作することができる。
【0058】
本発明について好ましい実施形態を反映した特定の例に関連して説明した。例は限定ではなく例示を意図する。近接合焦イメージセンサ製造分野の当業者ならば、本発明の実施への包含に適した多くの異なる組合せを理解できるであろう。
【0059】
記載された発明の特定の変形は、限定ではなく、以下を含む予期がされる。
シリコン系センサ電気接続を、電子感応面とは逆のセンサ610の表面に配線すること。これは、シリコンビアを通しての導入又はセンサの両側にわたる電気接続のラッピングによって達成し得る。
【0060】
誘電層をシリコン系電子感応イメージセンサ組立体の表面、例えばアノード組立体の表面に追加すること。
【0061】
フォトカソード窓組立体を通して複数の導電トレースを使用すること。
【0062】
米国特許第8,698,925号明細書に記載のように、電子コリメータを導入して、電子後方散乱画像アーチファクトを制御すること。
【0063】
図6は、
図1Aの小型近接合焦真空イメージセンサの一実施形態を有する夜間視デバイス602を示す。電源608は、電池を含むことができ、電力を種々の構成要素に提供する。夜間視デバイス602の外部のシーンからの光(光子)は、光学系組立体612によってイメージセンサ610上に合焦する。光学系組立体612は、ミラー、レンズ、又はデバイス要件を満たすように容易に考案される組合せを含むことができる。1つ又は複数のプロセッサ606は、入力画像データをイメージセンサ610から読み出し、データを処理し、ユーザによる閲覧のために出力画像データをビュースクリーンとも呼ばれるディスプレイ604に送信する。
【0064】
図7は、
図1Aの小型近接合焦真空イメージセンサの一実施形態を有する低光カメラ702を示す。低光カメラが夜間視デバイス602と共有する幾つかの類似点がある。電源608は、電池を含むことができ、電力を種々の構成要素に提供する。低光カメラ702の外部のシーンからの光(光子)は、光学系組立体612によってイメージセンサ610上に合焦する。光学系組立体612は、ミラー、レンズ、又はデバイス要件を満たすように容易に考案される組合せを含むことができる。1つ又は複数のプロセッサ606は、入力画像データをイメージセンサ610から読み出してデータを処理し、デジタル画像又はデジタル写真として記録するために出力画像データをメモリ606(例えばストレージメモリ、リムーバブル媒体であり得る)に送信するとともに、ユーザによる閲覧のためにディスプレイ604に送信する。一変形において、ディスプレイ604は省かれ、代わりに低光カメラは、シーンとの視覚的位置調節のために、ケース外側に取り付けられた一対の矩形輪郭フレーム等の照準デバイスを備える。更なる変形において、光学系組立体612は省かれ、デバイスは、光学系組立体612に取り付けるために、カメラ本体として実施され、光学系組立体612は置換可能であり得、例えばカメラ機器の交換可能レンズであり得る。更なる変形において、光学系組立体612及びディスプレイ604は省かれ、デバイスは、天体望遠鏡光学系に取り付けられるためにイメージング組立体として実施され、外部ディスプレイ又はより高度な画像処理のためにコンピュータへの接続を有する。
【0065】
以下の提示(statement)は種々の実施形態の提示であり、装置又はデバイス及び装置又はデバイスを作製する方法を含む。
【0066】
提示1.真空近接合焦イメージセンサであって、
1つ又は複数の隆起特徴を有する面及びフォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合して、フォトカソード窓組立体の面の1つ又は複数の隆起特徴によって画定されるギャップ高さにより、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
電圧バイアス用のフォトカソード層への第1の電気接続と、
電圧バイアス用の電子感応面への第2の電気接続と、
を備えた真空近接合焦イメージセンサ。
【0067】
提示2.1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0068】
提示3.展性金属シールは、第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように形成される、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0069】
提示4.フォトカソード層への第1の電気接続は、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0070】
提示5.第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0071】
提示6.展性金属シールはインジウムを含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0072】
提示7.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサを含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0073】
提示8.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CCDイメージセンサを含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0074】
提示9.電子感応面を有するシリコン基板は、光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0075】
提示10.フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソードを含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0076】
提示11.フォトカソード層はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、提示1に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0077】
提示12.真空近接合焦イメージセンサであって、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合して、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールであって、真空ギャップは展性金属シールの厚さによって画定されるギャップ高さを有する、展性金属シールと、
電圧バイアス用のフォトカソード層への第1の電気接続と、
電圧バイアス用の電子感応面への第2の電気接続と、
を備えた真空近接合焦イメージセンサ。
【0078】
提示13.フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、提示12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0079】
提示14.展性金属シールは、第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように形成される、提示12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0080】
提示15.フォトカソード層への第1の電気接続は、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、提示12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0081】
提示16.第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、提示12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0082】
提示17.展性金属シールはインジウムを含む、提示12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0083】
提示18.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、提示12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0084】
提示19.フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、提示12に記載の真空近接合焦イメージセンサ。
【0085】
提示20.イメージセンサであって、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合して、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
フォトカソード層への第1の電気接続と、
電子感応面への第2の電気接続であって、第1の電気接続及び第2の電気接続は、フォトカソード層及び電子感応面の電圧バイアス用である、第2の電気接続と、
を備えたイメージセンサ。
【0086】
提示21.フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、提示20に記載のイメージセンサ。
【0087】
提示22.真空ギャップのギャップ高さを画定する1つ又は複数の隆起特徴を有するフォトカソード窓組立体の面を更に備える提示20に記載のイメージセンサ。
【0088】
提示23.真空ギャップのギャップ高さを画定する、フォトカソード窓組立体の面上の1つ又は複数の隆起特徴を更に備え、1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示20に記載のイメージセンサ。
【0089】
提示24.展性金属シールは、第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように形成される、提示20に記載のイメージセンサ。
【0090】
提示25.フォトカソード層への第1の電気接続は、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、提示20に記載のイメージセンサ。
【0091】
提示26.第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、提示20に記載のイメージセンサ。
【0092】
提示27.展性金属シールはインジウムを含む、提示20に記載のイメージセンサ。
【0093】
提示28.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、提示20に記載のイメージセンサ。
【0094】
提示29.フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、提示20に記載のイメージセンサ。
【0095】
提示30.夜間視デバイスであって、
ビュースクリーンと、
1つ又は複数のプロセッサと、
イメージセンサと、
を備え、イメージセンサは、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合して、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
フォトカソード層への第1の電気接続と、
電子感応面への第2の電気接続であって、第1の電気接続及び第2の電気接続は、フォトカソード層及び電子感応面の電圧バイアス用である、第2の電気接続と、
を有する、夜間視デバイス。
【0096】
提示31.フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0097】
提示32.真空ギャップのギャップ高さを画定する1つ又は複数の隆起特徴を有するフォトカソード窓組立体の面を更に備える提示30に記載の夜間視デバイス。
【0098】
提示33.真空ギャップのギャップ高さを画定する、フォトカソード窓組立体の面上の1つ又は複数の隆起特徴を更に備え、1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0099】
提示34.展性金属シールは、第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように形成される、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0100】
提示35.フォトカソード層への第1の電気接続は、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0101】
提示36.第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0102】
提示37.展性金属シールはインジウムを含む、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0103】
提示38.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0104】
提示39.フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、提示30に記載の夜間視デバイス。
【0105】
提示40.真空近接合焦イメージセンサを作製する方法であって、
1つ又は複数の隆起特徴を有する面及びフォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体を形成することと、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体を形成することと、
展性金属シールを用いてフォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合することと、
フォトカソード窓組立体の面の1つ又は複数の隆起特徴によって画定されるギャップ高さにより、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成することと、
電圧バイアス用のフォトカソード層への第1の電気接続を形成することと、
電圧バイアス用の電子感応面への第2の電気接続を形成することと、
を含む方法。
【0106】
提示41.フォトカソード窓組立体を形成することは、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される1つ又は複数の隆起特徴を形成することを含む、提示40に記載の方法。
【0107】
提示42.第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように、展性金属シールを形成することを更に含む提示40に記載の方法。
【0108】
提示43.フォトカソード層への第1の電気接続を形成することは、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を形成することを含む、提示40に記載の方法。
【0109】
提示45.第1の電気接続を形成することは、Kovar(商標)ワイヤを使用して第1の電気接続を形成することを含む、提示40に記載の方法。
【0110】
提示46.インジウムを含む展性金属シールを形成することを更に含む提示40に記載の方法。
【0111】
提示47.裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサとして、電子感応面を有するシリコン基板を形成することを更に含む提示40に記載の方法。
【0112】
提示48.裏面薄化CCDイメージセンサとして、電子感応面を有するシリコン基板を形成することを更に含む提示40に記載の方法。
【0113】
提示49.光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャとして、電子感応面を有するシリコン基板を形成することを更に含む提示40に記載の方法。
【0114】
提示50.ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソードとしてフォトカソード層を形成することを更に含む提示40に記載の方法。
【0115】
提示51.ガリウムヒ素(GaAs)吸収層としてフォトカソード層を形成することを更に含む提示40に記載の方法。
【0116】
提示52.真空近接合焦イメージセンサを作製する方法であって、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体を形成することと、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体を形成することと、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合する展性金属シールを形成することと、
フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成することであって、真空ギャップは展性金属シールの厚さによって画定されるギャップ高さを有する、形成することと、
電圧バイアス用のフォトカソード層への第1の電気接続を形成することと、
電圧バイアス用の電子感応面への第2の電気接続を形成することと、
を含む方法。
【0117】
提示53.真空ギャップを生成することのために精密公差を使用することを更に含み、フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、を更に含む提示52に記載の方法。
【0118】
提示54.展性金属シールを形成することは、
第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように展性金属シールを形成することを含む、提示52に記載の方法。
【0119】
提示55.第1の電気接続を形成することは、
フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を形成することを含む、提示52に記載の方法。
【0120】
提示56.第1の電気接続を形成することは、
Kovar(商標)ワイヤを使用して第1の電気接続を形成することを含む、提示52に記載の方法。
【0121】
提示57.展性金属シールを形成することは、
インジウムを含む展性金属シールを形成することを含む、提示52に記載の方法。
【0122】
提示58.裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャとして電子感応面を有するシリコン基板を形成することを更に含む提示52に記載の方法。
【0123】
提示59.ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層としてフォトカソード層を形成することを更に含む提示52に記載の方法。
【0124】
提示60.イメージセンサを作製する方法であって、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体を形成することと、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体を形成することと、
展性金属シールを用いてフォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合することと、
フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成することと、
フォトカソード層への第1の電気接続を形成することと、
電子感応面への第2の電気接続を形成することであって、第1の電気接続及び第2の電気接続は、フォトカソード層及び電子感応面の電圧バイアス用である、形成することと、
を含む方法。
【0125】
提示61.真空ギャップを形成することは精密公差を使用し、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0126】
提示62.真空ギャップを形成することは、真空ギャップのギャップ高さを画定する1つ又は複数の隆起特徴を有するフォトカソード窓組立体の面に依存する(relies)、提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0127】
提示63.真空ギャップを形成することは、フォトカソード窓組立体の面上の1つ又は複数の隆起特徴に依存して真空ギャップのギャップ高さを画定し、1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0128】
提示64.フォトカソード窓組立体の面上に1つ又は複数の隆起特徴を形成して、真空ギャップのギャップ高さを画定することを更に含み、1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0129】
提示65.展性金属シールを形成することは、
第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように展性金属シールを形成することを含む、提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0130】
提示66.第1の電気接続を形成することは、
フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を形成することを含む、提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0131】
提示67.第1の電気接続を形成することは、
Kovar(商標)ワイヤを使用して第1の電気接続を形成することを含む、提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0132】
提示68.インジウムを含む展性金属シールを形成することを更に含む提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0133】
提示69.裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャとして電子感応面を有するシリコン基板を形成することを更に含む提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0134】
提示70.ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層としてフォトカソード層を形成することを更に含む提示60に記載のイメージセンサを作製する方法。
【0135】
提示71.夜間視デバイスを作製する方法であって、
イメージセンサを提供することと、
ビュースクリーン、1つ又は複数のプロセッサ、及びイメージセンサを組み立てて、夜間視デバイスを形成することと、
を含み、イメージセンサは、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合して、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
フォトカソード層への第1の電気接続と、
電子感応面への第2の電気接続であって、第1の電気接続及び第2の電気接続は、フォトカソード層及び電子感応面の電圧バイアス用である、第2の電気接続と、
を含む、方法。
【0136】
提示72.フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0137】
提示73.フォトカソード窓組立体の面の1つ又は複数の隆起特徴によって真空ギャップのギャップ高さを画定することを更に含む提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0138】
提示74.フォトカソード窓組立体の面の1つ又は複数の隆起特徴によって真空ギャップのギャップ高さを画定することを更に含み、1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0139】
提示75.展性金属シールは、第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるようものである、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0140】
提示76.フォトカソード層への第1の電気接続は、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0141】
提示77.第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0142】
提示78.展性金属シールはインジウムを含む、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0143】
提示79.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0144】
提示80.フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、提示71に記載の夜間視デバイスを作製する方法。
【0145】
提示81.低光レベルカメラであって、
光学系組立体と、
1つ又は複数のプロセッサと、
イメージセンサと、
を備え、イメージセンサは、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合して、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
フォトカソード層への第1の電気接続と、
電子感応面への第2の電気接続であって、第1の電気接続及び第2の電気接続は、フォトカソード層及び電子感応面の電圧バイアス用である、第2の電気接続と、
を含む、低光レベルカメラ。
【0146】
提示82.フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0147】
提示83.真空ギャップのギャップ高さを画定する1つ又は複数の隆起特徴を有するフォトカソード窓組立体の面を更に備える提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0148】
提示84.真空ギャップのギャップ高さを画定する、フォトカソード窓組立体の面上の1つ又は複数の隆起特徴を更に備え、1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0149】
提示85.展性金属シールは、第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるように形成される、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0150】
提示86.フォトカソード層への第1の電気接続は、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0151】
提示87.第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0152】
提示88.展性金属シールはインジウムを含む、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0153】
提示89.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0154】
提示90.フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、提示81に記載の低光レベルカメラ。
【0155】
提示91.低光レベルカメラを作製する方法であって、
イメージセンサを提供することと、
光学系組立体、1つ又は複数のプロセッサ、及びイメージセンサを組み立てて低光レベルカメラを形成することと、
を含み、イメージセンサは、
フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体と、
電子感応面を有するシリコン基板を含むアノード組立体と、
フォトカソード窓組立体及びシリコン基板を互いに接合して、フォトカソード窓組立体のフォトカソード層とアノード組立体のシリコン基板の電子感応面とを隔てる真空ギャップを形成する展性金属シールと、
フォトカソード層への第1の電気接続と、
電子感応面への第2の電気接続であって、第1の電気接続及び第2の電気接続は、フォトカソード層及び電子感応面の電圧バイアス用である、第2の電気接続と、
を含む、方法。
【0156】
提示92.フォトカソード層を有するフォトカソード窓組立体は、フォトカソード窓組立体の縁部に延びる平坦なフォトカソード面を含み、展性金属シールの厚さは、精密公差内で真空ギャップを規定する、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0157】
提示93.フォトカソード窓組立体の面の1つ又は複数の隆起特徴によって真空ギャップのギャップ高さを画定することを更に含む提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0158】
提示94.フォトカソード窓組立体の面の1つ又は複数の隆起特徴によって真空ギャップのギャップ高さを画定することを更に含み、1つ又は複数の隆起特徴は、フォトカソード窓組立体の面と一体化され、面の1つ又は複数の材料で形成される、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0159】
提示95.展性金属シールは、第1の電気接続の第1の端部がフォトカソード層にあり、第1の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあり、第2の電気接続の第1の端部が電子感応面にあり、第2の電気接続の第2の端部が真空ギャップ外にあるようものである、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0160】
提示96.フォトカソード層への第1の電気接続は、フォトカソード窓組立体を通ってフォトカソード層の電位を規定する導電路を含む、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0161】
提示97.第1の電気接続はKovar(商標)ワイヤを含む、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0162】
提示98.展性金属シールはインジウムを含む、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0163】
提示99.電子感応面を有するシリコン基板は、裏面薄化CMOS能動ピクセルセンサ、裏面薄化CCDイメージセンサ、又は光電子衝突の到達時間を記録するように構成されたCMOSイメージャを含む、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0164】
提示100.フォトカソード層は、ガラス接合された熱アシスト負電子親和性フォトカソード(TANEA)透過モードフォトカソード又はガリウムヒ素(GaAs)吸収層を含む、提示91に記載の低光カメラを作製する方法。
【0165】
説明を目的とした上記説明は特定の実施形態を参照して説明された。しかしながら、上記の説明のための論考は網羅的、即ち開示された厳密な形態に本発明を限定する意図はない。上記教示に鑑みて多くの変更及び変形が可能である。実施形態は、実施形態の原理及び実際の適用を最良に説明し、それにより、企図される特定の用途に適し得るように実施形態及び種々の変更を当業者が最良に利用できるようにするために選ばれ記載されている。したがって、本実施形態は限定ではなく例示として見なされるべきであり、本発明は本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物内で変更可能である。
【国際調査報告】