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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】衝撃インジケータ
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/00 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
G01P15/00 E
G01P15/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571287
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 US2021033750
(87)【国際公開番号】W WO2021237150
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/028,243
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】513227572
【氏名又は名称】ショックウォッチ インク
【氏名又は名称原語表記】ShockWatch,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】フォンク,アンソニー,エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ニーキルク,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】フィッツジェラルド,アリサ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】バース,フィリップ,ダブリュー.
(57)【要約】
【解決手段】衝撃インジケータは、衝撃イベントを受けると第1の位置から第2の位置に移動するように構成されている質量要素を有するマイクロセンサを備えている。マイクロセンサは、質量要素が第1の位置から第2の位置に移動すると、第1の状態から第2の状態に変化するように構成されている検出回路を有している。検出回路は、第2の状態に変化すると、第1の状態に戻ることが防止されている。無線周波数識別(RFID)モジュールが検出回路に連結されており、質量要素が第2の位置にあることを示す値を出力するように構成されている。起動要素は、マイクロセンサから外されるまで質量要素を第1の位置に維持するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃イベントを受けると、第1の位置から第2の位置に移動するように構成されている質量要素、及び
前記質量要素の前記第1の位置から前記第2の位置への移動に応じて第1の状態から第2の状態に変化するように構成されている検出回路であって、前記第2の状態への変化に応じて前記第1の状態に戻ることを防止されている前記検出回路
を有しているマイクロセンサと、
前記検出回路に連結されており、前記質量要素が前記第2の位置にあることを示す値を出力するように構成されている無線周波数識別(RFID)モジュールと、
前記マイクロセンサから外されるまで前記質量要素を前記第1の位置に維持するように構成されている起動要素と
を備えている、衝撃インジケータ。
【請求項2】
前記マイクロセンサは、前記質量要素が移動可能に連結されている基板を有しており、前記起動要素は前記基板と取り外し可能に連結されている、請求項1に記載の衝撃インジケータ。
【請求項3】
前記起動要素は、前記質量要素に形成されている開口部を通って延びている、請求項2に記載の衝撃インジケータ。
【請求項4】
前記マイクロセンサはウエハ基板上に形成されている、請求項1に記載の衝撃インジケータ。
【請求項5】
前記マイクロセンサは、液晶表示(LCD) パネル基板上に形成されている、請求項1に記載の衝撃インジケータ。
【請求項6】
前記マイクロセンサはロールツーロール(R2R) 基板上に形成されている、請求項1に記載の衝撃インジケータ。
【請求項7】
前記起動要素は、
前記質量要素の直近に配置されている第1の部分、及び
加えられる力を受けて、前記第1の部分を前記質量要素の直近から変位させるように構成されている第2の部分
を有している、請求項1に記載の衝撃インジケータ。
【請求項8】
衝撃インジケータであって、
前記衝撃インジケータの作動状態を通信するように構成されている通信モジュールインレイを有する基板と、
衝突イベントを検出するために前記通信モジュールインレイと通信可能に連結されており、前記作動状態を検出するように構成されている不可逆的な検出回路を有しているマイクロセンサと、
前記マイクロセンサから外されるまで前記マイクロセンサを非反応状態に維持するように構成されている起動要素と
を備えている、衝撃インジケータ。
【請求項9】
前記起動要素は、阻止体に連結されている保持要素を有しており、前記保持要素が前記衝撃インジケータから外されると、前記阻止体を前記マイクロセンサから外す、請求項8に記載の衝撃インジケータ。
【請求項10】
前記阻止体は前記保持要素に接着連結されている、請求項9に記載の衝撃インジケータ。
【請求項11】
前記起動要素は、前記マイクロセンサの可動要素の動きを制限するように構成されている阻止体を有している、請求項8に記載の衝撃インジケータ。
【請求項12】
前記マイクロセンサはウエハ基板上に形成されている、請求項8に記載の衝撃インジケータ。
【請求項13】
衝撃イベントを受けると起動するように構成されているマイクロセンサであって、前記マイクロセンサの起動に応じて第1の状態から第2の状態に変化するように構成されて前記起動に応じて前記第1の状態に戻ることが防止されている検出回路を有している前記マイクロセンサと、
前記検出回路に連結されており、前記マイクロセンサが起動したことを示す値を出力するように構成されている無線周波数識別(RFID)モジュールと、
前記マイクロセンサから外されるまで前記マイクロセンサを非反応状態に維持するように構成されている起動要素と
を備えている、衝撃インジケータ。
【請求項14】
前記マイクロセンサはウエハ基板上に形成されている、請求項13に記載の衝撃インジケータ。
【請求項15】
前記マイクロセンサは、液晶表示(LCD) パネル基板上に形成されている、請求項13に記載の衝撃インジケータ。
【請求項16】
前記起動要素は、前記マイクロセンサの可動要素の動きを制限するように構成されている阻止体を有している、請求項13に記載の衝撃インジケータ。
【請求項17】
前記起動要素は、阻止体に連結されている保持要素を有しており、前記保持要素が前記衝撃インジケータから外されると、前記阻止体を前記マイクロセンサから外す、請求項13に記載の衝撃インジケータ。
【請求項18】
前記起動要素は、前記マイクロセンサの可動要素を通って延びている阻止体を有している、請求項13に記載の衝撃インジケータ。
【請求項19】
前記マイクロセンサは、少なくとも1つの梁要素に連結されている質量要素を有しており、前記梁要素は、前記マイクロセンサが衝撃イベントを受けると破壊するように構成されている、請求項13に記載の衝撃インジケータ。
【請求項20】
前記検出回路は前記梁要素上に形成されている、請求項13に記載の衝撃インジケータ。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
多くのタイプの対象物は、製造、保管又は輸送中、対象物の感応性又は壊れやすさにより監視される必要がある。例えば、あるタイプの対象物は、落下した場合、又は大きな衝撃を受けた場合に損傷する場合がある。従って、品質管理及び/又は輸送状況の一般的な監視のために、対象物がさらされた環境条件を決定及び/又は検証することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示の一態様によれば、衝撃検出のためのデバイス及び技術が開示されている。衝撃インジケータは、衝撃イベントを受けると第1の位置から第2の位置に移動するように構成されている質量要素を有するマイクロセンサを備えている。マイクロセンサは、質量要素の第1の位置から第2の位置への移動に応じて第1の状態から第2の状態に変化するように構成されている検出回路を有している。検出回路は、第2の状態への変化に応じて第1の状態に戻ることが防止されている。無線周波数識別(RFID)モジュールが検出回路に連結されており、質量要素が第2の位置にあることを示す値を出力するように構成されている。起動要素は、マイクロセンサから外されるまで質量要素を第1の位置に維持するように構成されている。
【0003】
本開示の別の実施形態によれば、衝撃インジケータは、衝撃インジケータの作動状態を通信するように構成されている通信モジュールインレイを有する基板を備えている。マイクロセンサが、衝突イベントを検出するために通信モジュールインレイに通信可能に連結されている。マイクロセンサは、作動状態を検出するように構成されている不可逆的な検出回路を有している。起動要素は、マイクロセンサから外されるまでマイクロセンサを非反応状態に維持するように構成されている。
【0004】
本開示の更に別の実施形態によれば、衝撃インジケータは、衝撃イベントを受けると起動するように構成されているマイクロセンサを備えており、マイクロセンサは、マイクロセンサの起動に応じて第1の状態から第2の状態に変化するように構成されている検出回路を有している。検出回路は、起動に応じて第1の状態に戻ることを防止するように構成されている。無線周波数識別(RFID)モジュールが、検出回路に連結されており、マイクロセンサが起動したことを示す値を出力するように構成されている。起動要素は、マイクロセンサから外されるまでマイクロセンサを非反応状態に維持するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本願、本願の目的及び利点をより完全に理解するために、添付図面に関連した以下の記載に言及する。
【0006】
図1】本開示に係る衝撃インジケータの実施形態の適用を示す図である。
図2】本開示に係る衝撃インジケータの実施形態を示すブロック図である。
図3】本開示に係る衝撃インジケータの実施形態を示す分解図である。
図4】本開示に係る図3に示されている衝撃インジケータの一部を示す拡大図である。
図5】本開示に係る図3及び図4の衝撃インジケータのマイクロセンサの実施形態を示す図である。
図6】本開示に係る図5の線6-6に沿った図5の衝撃インジケータの一部を示す断面図である。
図7】本開示に係る衝撃インジケータの別の実施形態を示す分解図である。
図8】本開示に係る図7に示されている衝撃インジケータの一部を示す拡大図である。
図9A】本開示に係る起動前状態の衝撃インジケータの別の実施形態を示す図である。
図9B】本開示に係る起動状態の衝撃インジケータの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実施形態は、衝撃の検出及び表示のためのデバイス及び技術を提供する。一実施形態によれば、衝撃インジケータは、質量要素を有するマイクロセンサを備えており、質量要素は、衝撃イベントを受けると第1の位置から第2の位置に移動するように構成されている。マイクロセンサは、質量要素が第1の位置から第2の位置に移動すると、第1の状態から第2の状態に変化するように構成されている検出回路を有している。検出回路は、第2の状態に変化すると、第1の状態に戻ることが防止されている。無線周波数識別(RFID)モジュールが検出回路に連結されており、質量要素が第2の位置にあることを示す値を出力するように構成されている。起動要素は、マイクロセンサから外されるまで質量要素を第1の位置に維持するように構成されている。本開示の実施形態により、内部電源を使用せずに衝撃及び/又は加速のイベント検出が可能になる。RFIDモジュールは、スイッチ回路の状態を検出して、衝撃インジケータの作動状態を示す値を発する又は出力することができる。例えば、ある実施形態では、RFIDモジュールを起動させて衝撃インジケータデバイスの作動状態を決定するためにRFIDリーダが使用され得る。更に、本発明の実施形態では、マイクロセンサ(例えばマイクロメカニカル部品及び/又はマイクロ電子部品)を使用して衝撃イベント又は加速イベントを検出し、マイクロセンサは、衝撃イベントを検出した後にインジケータの作動状態の不可逆性をもたらす回路を有している。更に、本発明の実施形態では、インジケータの意図された適用前に検出された衝撃イベントがインジケータを意図せずに作動させないように、インジケータのその場での起動(すなわち、インジケータを非反応状態に維持すること)を可能にする。
【0008】
図面、特に図1を参照すると、本開示の図示されている実施形態が実施されてもよい衝撃インジケータ10の例示的な図が示されている。図1では、衝撃インジケータ10は、関連する衝撃及び/又は加速のイベントが監視される対象物を含む輸送用容器14に固定されるか又は輸送用容器14内に配置されるように構成されている携帯用デバイスである。衝撃インジケータ10の実施形態では、対象物の製造、保管、使用及び/又は輸送中に対象物が衝撃又はあるレベルの加速イベントにさらされたか否かを監視する。ある実施形態では、衝撃インジケータ10は、例えば接着剤、永久的若しくは一時的な留め具、又は様々な異なるタイプの取付デバイスを使用して輸送用容器14に固定されてもよい。輸送用容器14は、監視対象物が緩く配置される容器を含んでもよく、又は、監視対象物自体の容器/表面を含んでもよい。図1は単なる例示であり、様々な実施形態が実施されてもよい環境に関して、いかなる制限も主張又は暗示することを意図していないことを認識すべきである。
【0009】
図2は、本開示の実施形態に従ってインジケータ10の実施形態を表して図示するブロック図である。図2では、インジケータ10は、マイクロセンサ20及び無線通信モジュール22を備えている。マイクロセンサ20は、衝撃/加速イベントを検出するためのマイクロメカニカルデバイス及び/又はマイクロ電子デバイス((例えば全体のサイズが一般に平方ミリメートルで測定されるマイクロメートルサイズの部品を一般的に有する)微細なデバイス又はシステム)である。マイクロセンサ20は、(例えば、材料層を堆積させてフォトリソグラフィによってパターニングし、エッチングして必要な形状/部品を製造する処理又は技術でシリコン又は他の材料を使用する)微小電気機械システム(MEMS)デバイスとして構成されてもよく、液晶表示(LCD) パネルで製造されたデバイス(例えば、LCD 製造処理、例えばパターニング、積層、マスキング、切断、及び薄膜トランジスタ(TFT) 堆積技術により、液晶を含んでも含まなくてもよいガラス部品及び/又はガラス基板を使用して製造されたデバイス)として構成されてもよく、並びに/又は、ロールツーロール(R2R) 加工技術を使用して(例えば軟質プラスチック、金属箔若しくはフレキシブルガラスのロール上にデバイスを作製して)形成されてもよい。
【0010】
ある実施形態では、マイクロセンサ20は検出回路24を有している。検出回路24は、センサ20の作動状態の変化の検出に反応する一又は複数のスイッチ素子、トレース、接点及び/又は回路を含んでもよい。例えば、ある実施形態では、センサ20は、衝撃イベントを受けると移動するか又は変位する可動要素又は可動部材を有してもよい。可動要素の変位によって、検出回路24の状態を変化させてもよい(例えば、インピーダンスを変化させる、開回路状態から閉回路状態に又はその逆に変化させるなど)。無線通信モジュール22は、(例えば検出回路24の開回路状態又は閉回路状態に基づき)インジケータ10の作動状態を示す、検出回路24の状態に関連する情報を無線で通信するように構成されている。例えば、一実施形態では、無線通信モジュール22はRFIDモジュール30を有している。ある実施形態では、RFIDモジュール30は、(例えばプリント回路基板上に又はプリント回路基板の一部として配置されている)RFID集積回路又はRFID回路32とメモリ34とをアンテナ36と共に有する受動型RFIDモジュール30(例えば受動型RFIDタグ)を有している。受動型RFIDモジュール30として、インジケータ10はバッテリを含まない(例えば、RFIDリーダ40によって電力が供給される)ことにより、バッテリ無しの衝撃インジケータ10を形成する。例えば、RFIDリーダ40からの電波をRFIDモジュール30が受けると、アンテナ36は磁場を形成することにより、電力をRFIDモジュール30に供給してRFID回路32に通電する。通電する/起動すると、RFIDモジュール30はメモリ34内の符号化された情報を出力/送信してもよい。しかしながら、ある実施形態では、RFIDモジュール30は、ある情報を連続的に、間欠的に、及び/又は、プログラムトリガ若しくはイベントトリガに応じて伝送又は送信するように構成されてもよい、電源(例えばバッテリ)を含む能動型RFIDモジュール30を有してもよいと理解すべきである。受動型RFIDタグの一実施形態は、ロール形態のフレックス回路RFIDである。フレックス回路RFIDでは、チップ及びアンテナは、銅エッチング又はホットスタンピングにより、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フェノール類、ポリエステル、スチレン又は紙を使用した100 ~200 nmの薄い基板に埋め込まれている。RFID製造の一処理が、銅、ニッケル又は炭素を含む導電性インクを使用したスクリーン印刷である。1ロールで数百又は数千個になり得る市販のフレックス回路受動型RFIDタグ製品の一例が、Avery Dennison CorporationのSmartrac(商標)製品である。
【0011】
無線通信モジュール22は、他のタイプの無線通信タイプ、モード、プロトコル及び/又は形式(例えば、ショートメッセージサービス(SMS) 、汎用パケット無線サービス(GPRS)/3G/4Gを用いた無線データ、Wi-Fi 経由の公衆インターネットを介した無線データ、又はWi-Fi 、Z-Wave、ZigBee、Bluetooth (登録商標)、Bluetooth Low Energy (BLE)、LoRA、NB-IoT、SigFox、Digital Enhanced Cordless Telecommunications(DECT)などの他の無線通信プロトコル規格若しくは他の一般的な技術を局所的に用いた無線データ)のために構成されてもよいことを更に理解すべきである。以下に更に述べるように、衝撃インジケータ10は、特定のレベル及び/又は大きさの衝突/加速イベントを受けると、電子信号又は回路の一部として使用され得る受動型衝撃センサ/インジケータとして機能する。ある実施形態では、本開示の衝撃インジケータ10の衝撃検知性能/機能は、監視状態の間は電力を必要としない。
【0012】
図示されている実施形態では、メモリ34は、少なくとも2つの異なる記憶及び/又は符号化されている値42及び値44を含んでいる。例えば、値42は、検出回路24が開回路の状況又は状態であるときにRFIDモジュール30によって出力/送信される値に相当してもよく、値44は、検出回路24が閉回路の状況又は状態であるときにRFIDモジュール30によって出力/送信される値に相当してもよい。例として、値44は、衝撃検出回路24が起動していないRFIDタグ識別(ID)番号を表してもよく、RFIDタグのID番号は末尾に追加の文字(例えば「0」)を有してもよい。値42は、衝撃検出回路24が起動しているRFID識別(ID)番号を表してもよく、RFIDタグのID番号は、値44の追加の文字とは異なる追加の文字(例えば「1」)を末尾に有してもよい。図示されている実施形態では、RFIDモジュール30(例えばRFID回路32)は検出回路24に連結されており、検出回路24が開回路又は閉回路の状況又は状態にあるか否かを検出することが可能である。従って、例えば、検出回路24は最初に閉回路の状況又は状態であってもよい。従って、RFIDモジュール30は、通電される/起動すると値44をリーダ40に送信する。インジケータが衝撃イベントにさらされると、センサ20は、検出回路24の変化を生じさせることにより、検出回路24は開回路の状況又は状態になる。従って、(例えば衝撃イベント後に)通電される/起動すると、RFIDモジュール30は代わりに値42をリーダ40に送信する。従って、本発明の実施形態により、インジケータ10がいかなる内部電源(例えばバッテリ)を含まない又は必要としないけれども、インジケータ10は、電子インジケータ(例えばRFIDリーダ)を使用して、衝突によって引き起こされる可能性がある損傷のために、インジケータが取り付けられている精密な製品/対象物を監視することが可能になる。ある実施形態では、検出回路24は、検出回路24の状態が変化すると、検出回路24が以前の状態に戻ることが防止されるように不可逆的に構成されている。例えば、検出回路24がセンサ20の作動前に閉回路の状態又は状況にあり、衝撃イベントによってセンサ20が作動し、更に検出回路24を開回路の状態又は状況に移行させる場合、検出回路24は、開回路状態に維持されるように構成されているため、閉回路状態に戻ることはできない。従って、本発明の実施形態は、衝撃インジケータ10のあらゆる許可されていないリセットを防止する。
【0013】
本発明は、プロセッサに本発明の態様を行わせるために(例えば(一又は複数の)コンピュータ可読記憶媒体(例えばメモリ34)に記載されている)あらゆる技術的に可能な詳細な統合レベルにコンピュータプログラム命令を含んでもよい。本明細書に記載されているコンピュータ可読プログラム命令は、夫々の計算/処理デバイス(例えば無線通信モジュール22及び/又はRFIDモジュール30)にダウンロードされ得る。本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA) 命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は、一若しくは複数のプログラミング言語のあらゆる組み合わせで記述されているソースコード若しくはオブジェクトコードであってもよい。ある実施形態では、例えばプログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はプログラマブルロジックアレイ(PLA) を含む電子回路(例えば回路32)は、本発明の態様を実施するために、電子回路をカスタマイズすべくコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用してコンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法及び/又は装置の説明図及び/又はブロック図を参照して本明細書に記載されている。説明図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、説明図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせが、コンピュータ可読プログラム命令によって実行され得るモジュール、セグメント又はコードの一部を表してもよいことが理解される。プロセッサを介して実行されるコンピュータ可読プログラム命令が説明図及び/又はブロック図の一又は複数のブロックに指定された機能/動作を実行する手段をもたらすように、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、マシンを製造すべくプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置に与えられてもよい。命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体が説明図及び/又はブロック図の一又は複数のブロックに指定された機能/動作の態様を実行する命令を含む製品を有するように、計算デバイス、プログラマブルデータ処理装置及び/又は他のデバイスに特定の方法で機能するように指示し得るこれらのコンピュータ可読プログラム命令はコンピュータ可読記憶媒体に更に記憶されてもよい。検出回路24、無線通信モジュール22、及び/又はRFIDモジュール30は、ハードウェアベース、ソフトウェアベース又はこれら両方のある組み合わせであってもよい既知の技術を使用して、あらゆる適切な方法で実施されてもよい。例えば、検出回路24、無線通信モジュール22及び/又はRFIDモジュール30は、(例えばプロセッサユニットで実行するソフトウェア及び/又はアルゴリズムとして、プロセッサ又は他のタイプのロジックチップに存在するか又は1つの集積回路に集められているか又はデータ処理システムの異なるチップに分散しているハードウェアロジックとして存在する)上述したような様々な機能を行うためのソフトウェア、ロジック及び/又は実行可能なコードを有してもよい。当業者によって認識されるように、本開示の態様は、システム、方法又はコンピュータプログラム製品として具体化されてもよい。従って、本開示の態様は、ハードウェア実施形態、(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)ソフトウェア実施形態、又は本明細書では概して全て「回路」、「モジュール」又は「システム」と称されてもよいソフトウェア態様及びハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態を取ってもよい。
【0014】
図3は、本開示に係る衝撃インジケータ10の様々な実施形態を示す分解図であり、図4は、本開示に係る図3に示されている衝撃インジケータ10の実施形態の一部を示す拡大図である。図3を参照すると、衝撃インジケータ10は、底部、つまり下壁52及び最上部、つまり上壁54を有する筐体又はハウジング50を備えている。上壁54と下壁52との間にRFIDモジュール30が配置されている。図4は、RFIDモジュール30の拡大図である。図3及び図4では、RFIDモジュール30は、アンテナ36を形成するRFIDインレイ62を、RFIDインレイに連結されているRFIDチップ又はRFID回路32と共に有する基板60を有している。図示されている実施形態では、マイクロセンサ20はRFIDモジュール30に接着及び/又は連結されている。例えば、図示されている実施形態では、センサ20は、MEMSセンサ201又はLCD パネルで製造されたセンサ202 を含んでもよい。図4を参照すると、RFIDモジュール30は、マイクロセンサ20を受けるための取付領域66を有しており、RFIDモジュール30は、センサ20をRFID回路32に通信可能に及び/又は電気的に連結するためのトレース又はリード線68を更に有している。
【0015】
図3を参照すると、図示されている実施形態では、インジケータ10は起動要素70を備えている。起動要素70は、起動要素70がインジケータ10から外されるまでセンサ20を非反応状態で維持するように構成されている(つまり、非作動状態から作動状態に移行することができない。ここで、非作動状態とは、特定の閾値を超える衝撃イベントをセンサ20が受ける前のセンサ20の状態を指し、作動状態とは、前記閾値で又は前記閾値を超えてセンサが衝撃イベントを受けた後のセンサ20の状態を指す)。例えば、インジケータ10をエンドユーザ(又はその他)に輸送している間、インジケータ10は、センサ20によって検出されてセンサ20を作動状態にさせる衝撃イベントを受けてもよい(つまり、衝撃イベントを受けたことを示してもよい)。起動要素70は、センサ20が衝撃イベントを受ける場合でも、センサ20が非作動状態から作動状態に移行するのを防止する。起動要素70がインジケータ10から外されると、センサ20はアクティブモード又は検知モードになる(つまり、衝撃イベントを検出して作動状態に移行し、衝撃イベントを受けたことを示すことができる)。
【0016】
例えば、以下により詳細に記載されるように、一実施形態では、起動要素70は、上壁54に接着接合されている及び/又は他の方法で連結されている保持要素72を有しており、上壁54は、上壁54に形成されている開口部80を通って下方に延びている阻止体74を含んでいる。阻止体74は、下方に延びて、センサ20の作動を防止するためにセンサ20の少なくとも一部と係合するピン又は他の構造部材の形態であってもよい。動作中、保持要素72をインジケータ10から外す(例えば、保持要素72を上壁54から剥がす)と、更に阻止体74がインジケータ10から外側に引っ張られることにより、センサ20から離脱し、センサ20が衝撃イベントの検出に応じて作動することを可能にする。
【0017】
図5は、本開示に係るMEMS型マイクロセンサ20を組み込んだ衝撃インジケータ10の実施形態を示す図であり、図6は、図5の線6-6に沿って図5の衝撃インジケータ10を示す断面図である。本開示に係るインジケータ10のこの実施形態の動作上の特徴の様々な態様が、本明細書に参照によって全体が組み込まれる米国特許第7266988 号明細書に見い出されてもよい。図5及び図6では、試験質量屈曲部104 を通って固定具102 を介して基板(不図示)に取り付けられている微細加工の試験質量要素100 がインジケータ10に使用されている。試験質量要素100 は、接触領域106 及びラッチ108 を有している。衝撃イベント又は衝突荷重を受けると、試験質量要素100 の慣性は、図5に参照符号FGで示されている力を生じさせ、この力は、質量要素100 を十分に変位させて、爪屈曲部112 を通って固定具102 を介して基板に取り付けられている薄い爪体110 上の同様のラッチとラッチ108 を強制的に係合させる。力FGが所望の閾値を満たす場合、ラッチ108 が移動して爪体110 と接し、図5の参照符号FAで示されている力を生じさせ、この力は、ラッチ108 及び爪体110 が共に係止し得るように爪体110 を試験質量要素100 の動きに対して略垂直に移動させる。力FGにより更に、接触屈曲部116 を通って固定具102 を介して基板に取り付けられている接点114 と試験質量接触領域106 を接続させる。係止後、接触領域106 は接点114 と接触したままになる。
【0018】
図示されている実施形態では、衝撃インジケータ10は、衝撃インジケータ10の製造、保管及び/又は輸送中(例えば、インジケータ10が衝撃監視対象の商品に配置される前)、試験質量要素100 が爪体110 に向かって十分な距離を移動しないように起動要素70を備えているため、センサ20が衝突の閾値にさらされても、ラッチ108 で係止が生じない。図5及び図6に示されているように、開口部120 を内部に有する試験質量要素100 は、開口部120 内に質量要素100 の直近で阻止体74が少なくとも部分的に延びている状態で形成されているため、センサ20が衝撃又は衝突のイベントを受けた場合に質量要素100 の動きを制限する。センサ20が作動位置又は作動状態になるポイントに試験質量要素100 が移動することを制限及び/又は防止するために、阻止体74が試験質量要素100 の直近に他の態様で配置されてもよい及び/又は位置付けられてもよい(例えばラッチ108 の近くで試験質量要素100 の側面に沿って配置されてもよい)ことを理解すべきである。
【0019】
図6を参照すると、図示されている実施形態では、阻止体74はセンサ20の基板122 に固定及び/又は連結されている。例えば、ある実施形態では、阻止体74は、試験質量要素100 の開口部120 にMEMS製造技術を使用して形成されている。少なくとも一方向では、阻止体74は、開口部120 の縁部又は表面126 から図6の参照番号124 で特定される距離を置いて形成されている。試験質量要素100 とは異なり、阻止体74は、基板122 に対して阻止体の近位端部130 で基板122 から外されるように構成されている。例えば、試験質量要素100 が屈曲部104 を使用して基板122 に取り付けられており、試験質量要素100 は衝突イベント中に移動するので、試験質量要素100 は阻止体74に対して移動し得る。衝突イベントによって、試験質量要素100 が(例えばラッチ108 から爪体110 までの)係止距離より大きく移動する場合、試験質量要素100 が最初に阻止体74と接することにより、試験質量要素100 の移動量を制限し、ラッチ108 を爪体110 と係合させることになる試験質量要素100 の移動量を防止する。従って、阻止体74は、衝撃イベントを受けるため、試験質量要素100 が移動することによる試験質量要素100 の運動量に耐えるのに十分な強度で近位端部130 で基板122 に取り付けられている。前述したように、距離124 は、ラッチ108 及び爪体110 間の係止距離より小さい。
【0020】
図6に示されている実施形態では、阻止体74は、接着層134 を使用して保持要素72に取り付けられている(近位端部130 に対して遠位の)拡大遠位端部132 と、近位端部130 及び拡大遠位端部132 間に延びて開口部120 を通って延びている中間部分136 とを有している。マイクロセンサ20がマイクロスケールであるため、保持要素72がセンサ20から外されるか又は引き離されると、保持要素72が拡大遠位端部132 を引っ張り、その結果、基板122 から離れる方向に阻止体74の近位端部130 に加えられる力が生じて、阻止体74を基板122 から離脱させるように、拡大遠位端部132 は、接着層134 が拡大遠位端部132 に取り付けられたままになる十分な表面積を有して構成されている。図示されている実施形態では、近位端部130 は、拡大遠位端部132 より小さい断面積を有して構成されているため、基板122 に取り付けられている近位端部130 の表面積が減少し、インジケータ10から保持要素72を外す際に阻止体74が基板122 から離脱することが可能になる。ある実施形態では、近位端部130 は、保持要素72が外される際の基板からの近位端部130 の分離を容易にすべく、阻止体74の他の部分の材料より脆い材料で形成されてもよい。一実施形態では、阻止体74は、近位端部130 で基板122 への阻止体74の取付を弱めるために近位端部130 でアンダーカットされてもよい。ある実施形態では、開口部120 は円形の開口部として形成されているが、開口部120 は他の形状及び/又は形態(例えばトレンチ又は櫛形)で形成されてもよいことを理解すべきである。
【0021】
ある実施形態では、インジケータ10は、ラッチ108 及び爪体110 間の距離を調節及び/若しくは変更することにより、又は試験質量要素100 の重量を変更することにより、又は試験質量屈曲部104 の付勢力を変更することにより、又はこれら全ての変数のある組み合わせにより、衝撃イベントの特定の閾値に対応するように構成されてもよい。図5は、1つの方向(例えば、力FGの方向)の衝撃イベントを検出するためのインジケータ10を示している。しかしながら、衝撃インジケータ10は、1つの試験質量要素100 に更なるラッチ、爪体及び接触領域を追加するか、又は異なる力方向構成の複数の試験質量要素100 を有することにより、多軸衝撃イベント監視用に構成されてもよい。
【0022】
図7は、本開示に係る衝撃インジケータ10の別の実施形態を示す分解図であり、図8は、本開示に係る図7に示されている衝撃インジケータ10の実施形態の一部を示す拡大図である。図7を参照すると、衝撃インジケータ10は、底部、つまり下壁52及び最上部、つまり上壁54を有する筐体又はハウジング50を備えている。上壁54と下壁52との間にRFIDモジュール30が配置されている。図8は、RFIDモジュール30の拡大図である。図7及び図8では、RFIDモジュール30は、アンテナ36を形成するRFIDインレイ62を、RFIDインレイに連結されているRFIDチップ又はRFID回路32と共に有する基板60を有している。図示されている実施形態では、マイクロセンサ20はRFIDモジュール30に接着及び/又は連結されている。例えば、図示されている実施形態では、マイクロセンサ20は、R2R マイクロセンサ203 を含んでもよい。図8を参照すると、RFIDモジュール30は、マイクロセンサ20を受けるための取付領域66を有しており、RFIDモジュール30は、マイクロセンサ20をRFID回路32に通信可能に及び/又は電気的に連結するためのトレース又はリード線68を更に有している。
【0023】
図7を参照すると、図示されている実施形態では、インジケータ10は、インジケータ10から起動要素70を外すまでセンサ20を非反応状態で維持する(つまり、非作動状態から作動状態に移行することができない)ための起動要素70を備えている。例えば、インジケータ10をエンドユーザ(又はその他)に輸送している間、インジケータ10は、センサ20によって検出されてセンサ20を作動状態にさせる衝撃イベントを受けてもよい(つまり、衝撃イベントを受けたことを示してもよい)。起動要素70は、センサ20が衝撃イベントを受ける場合でも、センサ20が非作動状態から作動状態に移行するのを防止する。起動要素70がインジケータ10から外されると、センサ20はアクティブモード又は検知モードになる(つまり、衝撃イベントを検出して作動状態に移行し、衝撃イベントを受けたことを示すことができる)。
【0024】
図示されている実施形態では、起動要素70は、上壁54に接着接合されている保持要素72を有しており、上壁54は、上壁54に形成されている開口部80を通って下方に延びている阻止体74を含んでいる。阻止体74は、下方に延びて、センサ20の作動を防止するためにセンサ20の少なくとも一部と係合するピン又は他の構造部材の形態であってもよい。動作中、保持要素72をインジケータ10から外す(例えば、保持要素72を上壁54から剥がす)と、更に阻止体74がインジケータ10から外側に引っ張られることにより、センサ20から離脱し、センサ20が衝撃イベントの検出に応じて作動することを可能にする。
【0025】
図9A及び図9Bは、本開示に係る衝撃インジケータ10の別の実施形態を示す図である。図9Aは、LCD パネルで製造されたマイクロセンサ202 の実施形態を非作動状態で示し、図9Bは、LCD マイクロセンサ202 の実施形態を作動状態で示す。図9A及び図9BはLCD パネルで製造されたマイクロセンサ202 を示すが、MEMSベース又はR2R 製造のマイクロセンサ20が同様に構成されてもよいことを理解すべきである。図示されている実施形態では、マイクロセンサ202 は、梁142 及び梁144 によって支持されている試験質量要素140 を有している。図示されている実施形態では、2つの梁142, 144が示されているが、使用する梁の数がより少なくても、より多くてもよいことを理解すべきである。ある実施形態では、試験質量要素140 、梁142 及び梁144 は、LCD 製造技術によってガラス基板材料で形成されている。更に、梁142 及び梁144 は、あるレベルの衝撃力で破損又は破壊するように、サイズが設定されている及び/又は他の態様で構成されている。例えば、ある実施形態では、梁142 及び梁144 は、図9Aに参照番号150 で示されている長さ、及び図9Aに参照番号152 で示されている幅より大きい所望の倍率のサイズを有して構成されてもよい。図示されている実施形態では、梁142 及び梁144 は、夫々の支持要素154 及び支持要素156 から外側に延びることにより、質量要素140 を下にある基板の上側に懸架する。衝撃イベントを受けると、このような基板に対する質量要素140 の移動を可能にすべく摩擦レベルが最小であれば、質量要素140 は、下にある基板上にあるように更に構成されてもよいことを理解すべきである。ある実施形態では、長さ150 は、衝撃イベントに対応する力の特定のレベル又は閾値(例えば25g )での梁142 及び梁144 の破壊に対応すべく、幅152 の値の5~10の倍率のサイズを有してもよい。質量要素140 のサイズは更に、特定の衝撃レベルでのマイクロセンサ202の望ましい作動に対応するように変更されてもよい。
【0026】
動作中、質量要素140 は、参照番号160 で示されている方向への衝撃イベントを受けると、方向160 に強制的に移動させられるため、梁142, 144は破壊する。従って、衝突イベントに応じて、質量要素140 は、インジケータ10の非作動状態に関連する第1の位置(図9A)から、インジケータ10の作動状態に関連する第2の位置(図9B)に移動する。
【0027】
図9A及び図9Bは、センサ202の夫々の非作動状態及び作動状態に関連する検出回路24の例示的な状態を更に示している。例えば、ある実施形態では、検出回路24は、梁142, 144及び質量要素140 を越えて延びている導電性トレース162 を有して、RFID回路32に連結されてもよい。検出回路24が他の態様(例えば梁142, 144及び質量要素140 に適用される導電性被覆体)で形成されてもよいことを理解すべきである。図9Aに示されているように、検出回路24は、非作動状態(図9A)でセンサ202 に関連する抵抗を有することにより、検出回路24のための特定のRC値を有する。しかしながら、センサ202の作動状態では、センサ202に関連する抵抗がないため、検出回路24のRC値が変わる。検出回路24に連結されているRFID回路32は、様々なRC値を検出して、問い合わせられるとRFIDモジュール30によって特定の値(例えば、非作動状態の値44及び作動状態の値42)を出力させるように構成されている。更に、図示されている実施形態では、検出回路24は、センサ202 の作動後、検出回路24が以前の非作動状態に戻ることを防止されるように不可逆的に構成されている(例えば、梁142 及び梁144 の破壊により、トレース162 の導通が不可逆的に損なわれる)。
【0028】
従って、本開示の実施形態は、衝撃スイッチ回路の状態に応じて異なる読み取り値を与える受動型RFIDタグを有するメカニカル衝突監視デバイスを用いた、設置面積が小さい衝撃インジケータを使用して衝撃及び/又は加速のイベント検出を可能にする。RFIDタグは受動型であるため、衝撃インジケータはバッテリ又は他の外部電源を必要としない。更に、衝撃インジケータの構成により、衝撃インジケータは、起動すると(又は衝撃イベントの十分な規模にさらされると)不可逆的になることが可能である。更に、本開示の衝撃インジケータは、一又は複数の表示メカニズムで構成されてもよい(例えば、LCD パネルで製造されたセンサ20は、作動の際にインジケータ10のある領域内に見え得る液体を含んでもよい)。更に、様々な製造処理がインジケータ10に使用されてもよい(例えば、1)電気的に接触することが可能な導電性側壁、及び2)所望の衝突検出閾値に応じたサイズ又は構成を有する懸架された慣性質量体を有する1つの厚いマイクロメカニカル構造層を実現するあらゆる製造処理が使用されてもよい)。例として、シリコン、二酸化ケイ素、セラミック、ニッケル、チタン及び他の導体でのバルク微細加工及びウエハ接合の製造手法、電気めっき金属を用いたLIGAタイプの製造処理(つまり、リソグラフィ、電気めっき及び成形)、インクジェットディスペンス、ペーストスクリーニングなどの積層製造方法、及び、その後に固化される液体を使用した他の堆積方法がある。
【0029】
本明細書に使用されている用語は、特定の実施形態を記載するためだけのものであり、本開示を制限することを意図していない。本明細書で使用されているように、単数形「a」、「an」及び「the 」は、文脈上明らかに別段の規定がない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。「備える"comprises"」及び/又は「備えている"comprising"」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、工程、動作、要素及び/又は部品の存在を指定するが、一又は複数の他の特徴、整数、工程、動作、要素、部品及び/又はそのグループの存在又は追加を除外しないことが更に理解される。
【0030】
以下の特許請求の範囲における対応する構造、材料、動作及び全ての手段又は工程の均等物、並びに機能要素は、具体的に請求されているような他の請求された要素と組み合わせて機能を行うためのあらゆる構造、材料又は動作を含むように意図されている。本開示の記載は、図示及び記載のために示されているが、開示された形態の本開示に網羅的であるか又は限定的であることが意図されていない。多くの調整及び変更が、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者に明らかである。本実施形態は、本開示の原理及び実用性を最適に説明するために、且つ、当業者が、検討された特定の用途に適した様々な調整を伴う様々な実施形態の開示を理解し得るために選択されて記載されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
【国際調査報告】