(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】膣挿入デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 6/08 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
A61F6/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571302
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 US2021033732
(87)【国際公開番号】W WO2021237133
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520359516
【氏名又は名称】ワトキンズ-コンティ プロダクツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】コンティ アリソン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA05
4C098EE05
(57)【要約】
【課題】本発明は、骨盤臓器脱、尿失禁及び/又は便失禁に関連する症状を改善及び予防するため、医薬品又は局所トリートメントを投与するため、及び/又は挿入時に検体を採取するため、又はそれらの組み合わせのための膣挿入デバイス及び使用方法を提供する。
【解決手段】本発明の膣挿入デバイスは、円錐形状とすることができ、取り外し部を有することができ、外側隆起部を有することができ、内部リブを有することができ、開いた又は閉じた頂部を有ことができ、或いはそれらの組合せとすることができる。本デバイスは、空洞、診断デバイス、及び/又はマイクロチップを含むことができる。
【選択図】
図16A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するための膣挿入デバイスであって、
円錐形状本体、リム、及び上端を有する上部と、
前記上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、
前記円錐形状本体が閉鎖されるように前記上端を横切って延びる表面と、
を備え、
前記リムは、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成されている、膣挿入デバイス。
【請求項2】
前記リムは、前記上部の前記上端で前記円錐形状本体から突出する、請求項1に記載の膣挿入デバイス。
【請求項3】
前記表面に開口部をさらに備え、前記開口部は、前記表面の中央に位置し、前記下部と軸方向に整列している、請求項1に記載の膣挿入デバイス。
【請求項4】
前記開口部は、膣内の圧力の均等化を可能にする、請求項3に記載の膣挿入デバイス。
【請求項5】
前記上部、前記下部、又は前記上部と前記下部の両方から外方に突出する1又は2以上の隆起部をさらに備える、請求項1に記載の膣挿入デバイス。
【請求項6】
前記円錐形状本体は、前記上端の第1直径から、前記上部と前記下部の接合部の第2直径まで直径を減少させる、請求項1に記載の膣挿入デバイス。
【請求項7】
前記下部は、前記第2直径から前記下端の第3直径まで直径を増加させる、請求項6に記載の膣挿入デバイス。
【請求項8】
前記臓器壁は、尿道括約筋、膀胱頸部、直腸壁、子宮壁、又はそれらの組み合わせのうちの1つである、請求項1に記載の膣挿入デバイス。
【請求項9】
前記上部、前記下部、及び前記表面は、同じ材料で一体的に形成される、請求項1に記載の膣挿入デバイス。
【請求項10】
骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するための膣挿入デバイスであって、
円錐形状本体、リム、及び上端を有する上部と、
前記上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、
を備え、
前記円錐形状本体は、前記上端の第1直径から、前記上部と前記下部との間の接合部の第2直径まで直径を減少させるリブで形成され、
前記リム及び前記リブは、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成されている、膣挿入デバイス。
【請求項11】
前記下部は、円柱状であり、前記下部の外面から外方に突出する1又は2以上の隆起部を有する、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項12】
前記リブは、前記リブの前記臓器壁との位置合わせに基づいて、前記臓器壁に選択的に又は調整可能に圧力を加えるように構成されている、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項13】
前記リブは、前記リムの近くで前記上部の内壁の周囲に等距離に離間した2又は3以上のリブを含み、前記2又は3以上のリブは、前記上部の中心点で合流する、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項14】
前記リブは、前記円錐形状本体を形成する、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項15】
前記リブは、前記上部の内壁上にある直径方向に対向する点の間を延び、前記リブは、前記直径方向に対向する点で前記内壁に結合される、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項16】
前記リブは、平面視で十字形、「T」形、「X」形、「Y」形、「K」形、「V」形、星形、三角形、又は五角形である、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項17】
前記リブは、第1位置で前記臓器壁と整列し、第1圧力が前記臓器壁に加えられ、前記リブは、第2位置で前記臓器壁と整列せず、第2圧力が前記臓器壁に加えられ、前記第1圧力は前記第2圧力より大きい、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項18】
前記リブは、前記上部の前記円錐形状本体を形成する、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項19】
前記リブは、平面視で4つの端部を有する十字形リブであり、前記4つの端部の各々は、前記上部の内壁に合流する、請求項10に記載の膣挿入デバイス。
【請求項20】
円錐形状本体と上端とを有する上部と、
前記上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、
を備える膣挿入デバイスであって、
前記円錐形状本体は、前記上端の第1直径から前記下部の第2直径まで直径を減少させる、膣挿入デバイス。
【請求項21】
膣組織に面する外面と、前記外面と反対側の内面とをさらに備える、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項22】
空洞が前記外面と前記内面との間に配置されている、請求項21に記載の膣挿入デバイス。
【請求項23】
前記外面は、穿孔されている、請求項22に記載の膣挿入デバイス。
【請求項24】
前記内面は、穿孔されていない、請求項22に記載の膣挿入デバイス。
【請求項25】
前記空洞の前記外面は、前記空洞の前記内面よりも透過性が高い、請求項22に記載の膣挿入デバイス。
【請求項26】
前記空洞は、物質を収容するように構成されている、請求項22に記載の膣挿入デバイス。
【請求項27】
前記物質は、局所トリートメント又は医薬品のうちの1又は2以上を含む、請求項26に記載の膣挿入デバイス。
【請求項28】
前記物質は、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、請求項26に記載の膣挿入デバイス。
【請求項29】
前記物質は、後産医薬品を含む、請求項26に記載の膣挿入デバイス。
【請求項30】
前記物質は、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、請求項26に記載の膣挿入デバイス。
【請求項31】
前記上部は、リムをさらに備え、前記円錐形状本体は、前記上端の第1直径から、前記上部と前記下部との間の接合部の第2直径まで直径を減少させるリブで形成され、前記リム及び前記リブは、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成されている、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項32】
前記リム及び前記リブは、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成される、請求項31に記載の膣挿入デバイス。
【請求項33】
前記上部は、物質中に浸漬される、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項34】
前記物質は、カンジダ症を治療する特性を有する、請求項33に記載の膣挿入デバイス。
【請求項35】
前記物質は、12時間以内にカンジダ症を治療する、請求項33に記載の膣挿入デバイス。
【請求項36】
膣に入れるように構成された本体を有する膣挿入体であって、前記本体の少なくとも一部に配置された被覆を備え、前記被覆は、医薬品を含む膣挿入体。
【請求項37】
前記医薬品は、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、請求項36に記載の膣挿入体。
【請求項38】
前記医薬品は、後産医薬品を含む、請求項36に記載の膣挿入体。
【請求項39】
前記医薬品は、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、請求項36に記載の膣挿入体。
【請求項40】
前記医薬品は、固体、液体、粉末、又はゲルの形態で前記本体に付着可能である、請求項36に記載の膣挿入デバイス。
【請求項41】
前記医薬品は、前記膣内を通して吸収可能である、請求項36に記載の膣挿入体。
【請求項42】
前記本体の外側に隆起部をさらに備える、請求項36に記載の膣挿入体。
【請求項43】
前記本体は、引き出し力が加えられるまで膣内に留まるようにさらに構成されている、請求項36に記載の膣挿入体。
【請求項44】
前記上部のリブは、直径37.75mmと38.25mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項45】
前記下部は、隆起部を含む、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項46】
前記膣挿入デバイスは、長さが57.15mmと57.65mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項47】
前記下部は、長さが10.75mmと11.25mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項48】
前記下部は、幅が6.75mmと7.25mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項49】
前記下部は、厚さが4.25mmと4.75mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項50】
前記隆起部は、2.25mmと2.75mmとの間の間隔で配置される、請求項45に記載の膣挿入デバイス。
【請求項51】
前記上部のリブは、直径が43.75mmと44.25mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項52】
前記膣挿入デバイスは、長さが58.52mmと59.02mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項53】
前記下部は、長さが12.40mmと12.90mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項54】
前記下部は、幅が6.40mmと6.80mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項55】
前記下部は、厚さが4.93mmと5.43mmとの間である、請求項20に記載の膣挿入デバイス。
【請求項56】
前記隆起部は、2.63mmと3.13mmとの間の間隔で配置される、請求項45に記載の膣挿入デバイス。
【請求項57】
膣挿入デバイスの使用方法であって、
前記膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、
前記膣挿入デバイスから前記膣内の組織に医薬品を送達するステップと、
を含む方法。
【請求項58】
膣組織に医薬品又は局所トリートメントを投与するための膣挿入器具であって、
円錐形状本体、リム、及び上端を有する上部と、
前記上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、
を備え、
前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つは、前記膣組織のための前記医薬品及び前記局所トリートメントのうちの少なくとも1つを含むように構成されている、膣挿入デバイス。
【請求項59】
前記上部は、前記医薬品及び前記局所トリートメントのうちの少なくとも1つを収容する空洞を含む、請求項58に記載の膣挿入デバイス。
【請求項60】
前記上部は、前記医薬品又は前記局所トリートメントを投与するように構成された孔を含む、請求項58に記載の膣挿入デバイス。
【請求項61】
前記孔は、前記医薬品又は前記局所トリートメントを収容するように構成されている、請求項60に記載の膣挿入デバイス。
【請求項62】
前記孔は、周方向に複数の孔列で前記上部の周りに配置されている、請求項60に記載の膣挿入デバイス。
【請求項63】
前記上部の上に複数の隆起部をさらに備え、前記複数の孔列の前記孔列の各々は、前記複数の隆起部の隣接する隆起部の間に位置する、請求項62に記載の膣挿入デバイス。
【請求項64】
前記デバイスは、前記医薬品又は前記局所トリートメントを含有するように構成された被覆を含む、請求項58に記載の膣挿入デバイス。
【請求項65】
前記デバイスは、冷熱治療及び温熱治療のうちの少なくとも1つのために構成されている、請求項58に記載の膣挿入デバイス。
【請求項66】
検体を採取するための膣挿入デバイスであって、
円錐形状本体、リム、及び開放された上端を有する上部と、
前記上部から軸方向に延びて閉鎖された下端を有する下部と、
中空内部と、
を備え、
前記中空内部は、膣から前記検体を採取するように構成されている、膣挿入デバイス。
【請求項67】
前記検体は、膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つである、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項68】
前記上部、前記下部、又は前記上部と前記下部の両方から外方に突出する1又は2以上の隆起部をさらに備える、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項69】
前記円錐形状本体は、前記上端の第1直径から、前記上部と前記下部の接合部の第2直径まで直径を減少させる、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項70】
前記下部は、前記第2直径から前記下端の第3直径まで直径を増加させる、請求項69に記載の膣挿入デバイス。
【請求項71】
感染症及び/又は医学的状態を診断及び/又は検出するためのインジケータストリップをさらに備える、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項72】
感染症及び/又は医学的状態を診断及び/又は検出するためのマイクロチップをさらに備える、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項73】
前記上部、前記下部、又は前記上部と前記下部の両方の外側に沿って設けられたテクスチャをさらに備える、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項74】
前記円錐形状本体の少なくとも一部に配置された被覆をさらに備え、前記被覆は医薬品を含む、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項75】
前記医薬品は、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、請求項74に記載の膣挿入デバイス。
【請求項76】
前記医薬品は、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、請求項74に記載の膣挿入デバイス。
【請求項77】
前記医薬品は、膣内を通して吸収可能である、請求項74に記載の膣挿入デバイス。
【請求項78】
前記上部及び前記下部は、同じ材料で一体的に形成される、請求項66に記載の膣挿入デバイス。
【請求項79】
検体を採取するための膣挿入デバイスであって、
円錐形状本体と上端とを有する上部と、
前記上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、
を備え、
前記円錐形本体は、前記円錐形状本体の外側に少なくとも1つのテクスチャを含み、前記テクスチャは、膣から組織検体を採取するように構成されている、膣挿入デバイス。
【請求項80】
前記下部は、前記下部の外面から外方に突出する1又は2以上の隆起部を含む、請求項79に記載の膣挿入デバイス。
【請求項81】
膣組織に面する外面と、前記外面の反対側の内面とをさらに備える、請求項79に記載の膣挿入デバイス。
【請求項82】
前記外面は、穿孔されている、請求項81に記載の膣挿入デバイス。
【請求項83】
前記内面は、穿孔されていない、請求項81に記載の膣挿入デバイス。
【請求項84】
前記外面は、物質を含む、請求項81に記載の膣挿入デバイス。
【請求項85】
前記物質は、局所トリートメント又は医薬品のうちの1又は2以上を含む、請求項84に記載の膣挿入デバイス。
【請求項86】
前記物質は、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、請求項84に記載の膣挿入デバイス。
【請求項87】
前記物質は、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、請求項84に記載の膣挿入デバイス。
【請求項88】
前記上部は、物質中に浸漬される、請求項79に記載の膣挿入デバイス。
【請求項89】
前記物質は、カンジダ症を治療する特性を有する、請求項88に記載の膣挿入デバイス。
【請求項90】
膣に入れるように構成された本体を有する膣挿入デバイスであって、前記本体の少なくとも一部に配置された被覆を備え、前記被覆は、医薬品を含む、膣挿入デバイス。
【請求項91】
前記医薬品は、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、請求項90に記載の膣挿入デバイス。
【請求項92】
前記医薬品は、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、請求項90に記載の膣挿入デバイス。
【請求項93】
前記医薬品は、固体、液体、粉末、又はゲルの形態で前記本体に付着可能である、請求項90に記載の膣挿入デバイス。
【請求項94】
前記医薬品が膣内を通して吸収可能である、請求項90に記載の膣挿入デバイス。
【請求項95】
前記本体の外側に隆起部をさらに備える、請求項90に記載の膣挿入デバイス。
【請求項96】
前記本体は、引き出し力が加えられるまで膣内に留まるようにさらに構成されている、請求項90に記載の膣挿入デバイス。
【請求項97】
膣挿入デバイスの使用方法であって、
前記膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、
前記膣から膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを採取するステップと、
を含む方法。
【請求項98】
前記膣挿入デバイスは、前記膣壁と液密性シールを形成しない、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
膣挿入デバイスの使用方法であって、
前記膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、
前記膣から膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを採取するステップと、
前記採取された検体を用いて感染症及び/又は医学的状態を検出するステップと、
を含む方法。
【請求項100】
前記膣挿入デバイスは、前記膣壁と液密性シールを形成しない、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
膣挿入デバイスの使用方法であって、
前記膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、
前記膣挿入デバイスから前記膣内の組織に医薬品を送達するステップと、
を含む方法。
【請求項102】
キットであって、
請求項66に記載の膣挿入デバイスであって、前記膣から膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを採取するように構成されている膣挿入デバイスと、
採取後に膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを中に放出することのできる容器と、
を備えるキット。
【請求項103】
感染症及び/又は医学的状態を診断及び/又は検出するためのインジケータストリップをさらに備える、請求項102に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年5月21日に出願された米国特許仮出願第63/028316号及び2020年9月1日に出願された米国特許仮出願第63/072997号に対する優先権を主張するものであり、その開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2015年8月20日に出願された米国特許仮出願第62/283092号、2018年3月16日に出願された米国特許仮出願第62/644340号、2018年6月19日に出願された米国特許仮出願第62/687119号、及び2018年9月24日に出願された米国特許仮出願第62/735605号に関連するものであり、その開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、2016年8月19日に出願された米国特許出願第15/242105号(現米国特許第10188545号)、2018年12月18日に出願された米国特許出願第16/224566号、2019年3月15日に出願された米国特許出願第16/355638号、2016年8月19日に出願された国際出願PCT/US2016/047859号、及び2019年3月15日に出願された国際出願PCT/US2019/022624号に関連するものであり、その開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
(技術分野)
本開示は、膣挿入デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0005】
ストレス性尿失禁(SUI)及び骨盤臓器脱(POP)は、医療制度に多大な費用を掛けさせるだけでなく、米国だけでも数千万人の女性の生活の質を著しく低下させる、世界的に増大している問題である。女性のSUIは、骨盤支持系の弱化及び/又は膀胱への圧力による不随意の尿漏れである。これは、加齢、遺伝、及び/又は出産に起因する可能性がある。泌尿器科ケア財団(The Urology Care Foundation)は、女性の3人に1人が生涯のいずれかの時点でSUIを経験すると推定している。尿失禁には、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合型尿失禁を含めて、いくつかの種類がある。全ては、主として膣又は支持靭帯における結合組織の弛緩又は損傷に起因する。
【0006】
さらに、感染症、疾病の治療、又は不快感の緩和のために、医薬品、軟膏又は局所用物質を内部膣組織に適用することが必要となる場合がある。しかしながら、それらの物質は、再度適用しなければならない場合があり、膣組織に直接適用するとすぐに消散してしまう場合がある。また、膣内の必要な領域に物質を適用することが困難な場合がある。医薬品はまた、一日中膣道から漏れて、使用者に不快感、濡れ、及び不便を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
外科的解決法によってSUI及びPOPと関係する症状が首尾よく改善される可能性はあるが、手術にはリスク及び合併症がないわけではなく、利用者を治療前よりも悪い状態に置く場合さえある。このような手術法には経膣メッシュが含まれ、これは、膣を貫くメッシュ侵食、痛み、感染症、出血、性交中の不快感、臓器穿孔、排尿障害、再発性脱出症、神経・筋障害、膣の瘢痕/収縮及び情緒障害をもたらす可能性がある。ほとんどの手術合併症は、内科的治療、付加的な外科的治療及び入院を含めた治療介入を必要とする。ペッサリもまた、女性のPOP及びSUIの管理用に認定されている。ペッサリには、合併症及び副作用が少ない。しかしながら、これらのデバイスは従来から膣内に長期間留置され、不快感及び/又は場合により感染症をもたらす可能性がある。さらに、ペッサリは使用者が挿入し取り外すのが難しく、何年も定期通院を必要とする場合がある。ペッサリを自分で取り外し挿入することに対する困難性、排便時のペッサリ脱落、並びに快適性と利便性の欠如は、これらのデバイスの普及を制限している可能性がある。市販の治療選択肢は使い勝手が良くない。必要とされているのは、これらの問題に対する使用者重視の解決策である。
【0008】
さらに、例えば性感染症(STD)、感染症、異常細胞、体温などを含めた、生殖器系に関連する様々な医学的状態の検査は、一般に、医療従事者が患者から、例えば血液、尿、組織、又は排出物検体などの検査検体を採取することを伴う。この採取された検体はその後、外部の試験所で検査され、その結果が患者に提供される。
【0009】
一部の種類のSTD及び/又は感染症を検出するために、少数の市販検査キットを利用できるが、これらの市販の検査選択肢は、一般に使い勝手が良くない。必要とされているのは、使用者から検査検体(例えば、膣液、分泌物及び/又は組織検体)を採取し、一方で、医者に行ったり検体を試験所に提出したりすることなく、この検体から様々な疾患及び/又は医学的状態を家庭で検出及び/又は診断できるようにする、使用者重視の解決策である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の付加的な特徴及び利点を以下の説明で述べるが、その一部は説明から明らかとなる、又は本明細書に開示する原理の実践によって知ることができる。本開示の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘する器具及び組み合わせで実現することができる。本開示に関するこれら及び他の特徴は、以下の説明及び添付の請求項からより完全に明らかとなる、又は本明細書に記載する原理の実践によって知ることができる。
【0011】
本開示の一態様では、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するための膣挿入デバイスが提供され、この膣挿入デバイスは、円錐形状本体、リム、及び上端を有する上部と、上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、円錐形状本体が閉鎖されるように上端を横切って延びる表面と、を備え、リムは、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成されている。
【0012】
さらに本明細書に記載されるのは、リムが上部の上端で円錐形状本体から突出する膣挿入デバイスである。
【0013】
さらに本明細書に記載されるのは、表面に開口部を備える膣挿入デバイスであって、その開口部は表面の中央に位置し、下部と軸方向に整列している。
【0014】
さらに本明細書に記載されるのは、開口部が膣内の圧力の均等化を可能にする膣挿入デバイスである。
【0015】
さらに本明細書に記載されるのは、上部、下部、又は上部と下部の両方から外方に突出する1又は2以上の隆起部を備える膣挿入デバイスである。
【0016】
さらに本明細書に記載されるのは、円錐形状本体が上端の第1直径から、上部と下部の接合部の第2直径まで直径を減少させる、膣挿入デバイスである。
【0017】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が第2直径から下端の第3直径まで直径を増加させる、膣挿入デバイスである。
【0018】
さらに本明細書に記載されるのは、臓器壁が尿道括約筋、膀胱頸部、直腸壁、子宮壁、又はそれらの組み合わせのうちの1つである、膣挿入デバイスである。
【0019】
さらに本明細書に記載されるのは、上部、下部、及び表面が同じ材料で一体的に形成される、膣挿入デバイスである。
【0020】
本開示の別の態様では、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するための膣挿入デバイスが提供され、この膣挿入デバイスは、円錐形状本体、リム、及び上端を有する上部と、上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、を備え、円錐形状本体は、上端の第1直径から、上部と下部の間にある接合部の第2直径まで直径を減少させるリブで形成され、リム及びリブは、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成されている。
【0021】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が円柱状であり、下部の外面から外方に突出する1又は2以上の隆起部を有する、膣挿入デバイスである。
【0022】
さらに本明細書に記載されるのは、リブの臓器壁との位置合わせに基づいて、リブが臓器壁に選択的に又は調整可能に圧力を加えるように構成されている、膣挿入デバイスである。
【0023】
さらに本明細書に記載されるのは、リブがリムの近くで上部の内壁の周囲に等距離に離間した2又は3以上のリブを含み、その2又は3以上のリブが上部の中心点で合流する、膣挿入デバイスである。
【0024】
さらに本明細書に記載されるのは、リブが円錐形状本体を形成する、膣挿入デバイスである。
【0025】
さらに本明細書に記載されるのは、リブが上部の内壁上にある直径方向に対向する点の間を延び、リブが直径方向に対向する点で内壁に結合される、膣挿入デバイスである。
【0026】
さらに本明細書に記載されるのは、でリブが平面視十字形、「T」形、「X」形、「Y」形、「K」形、「V」形、星形、三角形、又は五角形である、膣挿入デバイスである。
【0027】
さらに本明細書に記載されるのは、リブが第1位置で臓器壁と整列し、第1圧力が臓器壁に加えられ、リブが第2位置で臓器壁と整列せず、第2圧力が臓器壁に加えられ、第1圧力が第2圧力より大きい、膣挿入デバイスである。
【0028】
さらに本明細書に記載されるのは、リブが上部の円錐形状本体を形成する、膣挿入デバイスである。
【0029】
さらに本明細書に記載されるのは、リブが平面視で4つの端部を有する十字形リブであり、4つの端部の各々が上部の内壁に合流する、膣挿入デバイスである。
【0030】
さらに本明細書に記載されるのは、円錐形状本体と上端とを有する上部と、上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、を備え、円錐形状本体が上端の第1直径から下部の第2直径まで直径を減少させる、膣挿入デバイスである。
【0031】
さらに本明細書に記載されるのは、膣組織に面する外面と、外面と反対側の内面とをさらに備える膣挿入デバイスである。
【0032】
さらに本明細書に記載されるのは、外面と内面との間に空洞が配置されている、膣挿入デバイスである。
【0033】
さらに本明細書に記載されるのは、外面が穿孔されている膣挿入デバイスである。孔は、本明細書でより詳細に説明するように、医薬品などの物質を収容することができる。本明細書で説明するように、医薬品には、性感染症又はその症状を含めて、様々な病気及び/又はその症状のトリートメントを含めることができる。
【0034】
さらに本明細書に記載されるのは、内面が穿孔されていない膣挿入デバイスである。
【0035】
さらに本明細書に記載されるのは、空洞の外面が空洞の内面よりも透過性が高い、膣挿入デバイスである。
【0036】
さらに本明細書に記載されるのは、空洞が物質を収容するように構成されている、膣挿入デバイスである。
【0037】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が局所トリートメント又は医薬品のうちの1又は2以上を含む、膣挿入デバイスである。
【0038】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、膣挿入デバイスである。
【0039】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が後産医薬品を含む、膣挿入デバイスである。
【0040】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、膣挿入デバイスである。
【0041】
さらに本明細書に記載されるのは、円錐形状本体が、上端の第1直径から上部と下部の接合部の第2直径まで直径を減少させるリブで形成され、リム及びリブが、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成されている、膣挿入デバイスである。
【0042】
さらに本明細書に記載されるのは、リム及びリブが、骨盤臓器脱、尿失禁、便失禁、又はそれらの組み合わせに関連する症状を改善、管理、治療、予防、及び/又は解消するために臓器壁に圧力を加えるように構成されている、膣挿入デバイスである。
【0043】
さらに本明細書に記載されるのは、上部が物質中に浸漬される及び/又は物質で噴霧される、膣挿入デバイスである。
【0044】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が、カンジダ症を治療する特性を有する、膣挿入デバイスである。
【0045】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が、12時間以内にカンジダ症を治療する特性を有する、膣挿入デバイスである。
【0046】
さらに本明細書に記載されるのは、膣に入れるように構成された本体を有する膣挿入デバイスであって、本体の少なくとも一部に配置された被覆を備え、被覆が医薬品を含む、膣挿入デバイスである。
【0047】
さらに本明細書に記載されるのは、医薬品が、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、膣挿入デバイスである。
【0048】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が後産医薬品を含む、膣挿入デバイスである。このデバイスは、医薬品の有無に関わらず、疼痛緩和のために使用することができる。例えば、デバイスを冷却又は冷凍することができる。デバイスは、例えば温度制御を助けるために、液体又はゲルを含むことができる。
【0049】
さらに本明細書に記載されるのは、医薬品が、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、膣挿入デバイスである。
【0050】
さらに本明細書に記載されるのは、医薬品が、固体、液体、粉末、又はゲルの形態で本体に付着可能である、膣挿入デバイスである。
【0051】
さらに本明細書に記載されるのは、医薬品が膣内を通して吸収可能である、膣挿入デバイスである。
【0052】
さらに本明細書に記載されるのは、本体の外側に隆起部をさらに備える膣挿入デバイスである。隆起部は、様々な問題を処置するための医薬品を収容してもしなくてもよいと共に、疼痛緩和用のゲル、液体及び/又は粉末を含んでも含まなくてもよい。出産による膣の傷跡又は裂傷を緩和するために、デバイスを加熱又は冷却することができる。この温度特性、例えば、単独で又は様々なトリートメント及び/又はステロイドと組み合わせて使用することができる。
【0053】
さらに、本デバイスは、筋肉運動を助ける尿道括約筋注射と共に使用することができる。
【0054】
さらに本明細書に記載されるのは、本体が、引き出し力が加えられるまで膣内に留まるようにさらに構成されている、膣挿入デバイスである。
【0055】
さらに本明細書に記載されるのは、最上部のリブが直径37.75mmと38.25mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0056】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が隆起部を含む、膣挿入デバイスである。
【0057】
さらに本明細書に記載されるのは、長さが57.15mmと57.65mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0058】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が長さ10.75mmと11.25mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0059】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が幅6.75mmと7.25mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0060】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が厚さ4.25mmと4.75mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0061】
さらに本明細書に記載されるのは、隆起部が2.25mmと2.75mmとの間の間隔で配置される、膣挿入デバイスである。
【0062】
さらに本明細書に記載されるのは、最上部のリブが直径43.75mmと44.25mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0063】
さらに本明細書に記載されるのは、長さが58.52mmと59.02mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0064】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が長さ12.40mmと12.90mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0065】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が幅6.40mmと6.80mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0066】
さらに本明細書に記載されるのは、下部が厚さ4.93mmと5.43mmとの間である、膣挿入デバイスである。
【0067】
さらに本明細書に記載されるのは、隆起部が2.63mmと3.13mmとの間の間隔で配置される、膣挿入デバイスである。
【0068】
さらに本明細書に記載されるのは、膣挿入デバイスの使用方法であって、膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、膣挿入デバイスから膣内の組織に医薬品を送達するステップとを含む方法である。
【0069】
さらに本明細書に記載されるのは、膣組織に医薬品又は局所トリートメントを投与するための膣挿入器具である。膣挿入器具は、円錐形状本体、リム、及び上端を有する上部と、上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、を含むことができ、上部及び下部の少なくとも1つが、膣組織用の医薬品及び局所トリートメントの少なくとも1つを含むように構成されている。膣挿入デバイス上部は、医薬品及び局所トリートメントの少なくとも1つを収容する空洞を含むことができる。膣挿入デバイス上部は、医薬品又は局所トリートメントを投与するように構成された孔を含むことができる。膣挿入デバイスの孔は、医薬品又は局所トリートメントを収容するように構成することができる。膣挿入デバイスは、医薬品又は局所トリートメントを含有するように構成された被覆を含むことができる。
【0070】
本開示の一態様では、検体を採取するための膣挿入デバイスが提供される。膣挿入デバイスは、円錐形状本体、リム、及び開放された上端を有する上部と、上部から軸方向に延びて閉鎖された下端を有する下部と、中空内部であって、膣から検体を採取するように構成された中空内部と、を備える。
【0071】
一態様によれば、検体は、膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つである。
【0072】
さらに本明細書に記載されるのは、上部、下部、又は上部と下部の両方から外方に突出する1又は2以上の隆起部をさらに備える膣挿入デバイスである。
【0073】
さらに本明細書に記載されるのは、円錐形状本体が上端の第1直径から、上部と下部の接合部の第2直径まで直径を減少させる、膣挿入デバイスである。
【0074】
さらに、本明細書に記載されるのは、下部が第2直径から下端の第3直径まで直径を増加させる、膣挿入デバイスである。
【0075】
さらに本明細書に記載されるのは、感染症及び/又は医学的状態を診断及び/又は検出するためのインジケータストリップを備える膣挿入デバイスである。
【0076】
さらに本明細書に記載されるのは、感染症及び/又は医学的状態を診断及び/又は検出するためのマイクロチップを備える膣挿入デバイスである。
【0077】
さらに本明細書に記載されるのは、上部、下部、又は上部と下部の両方の外側に沿って設けられたテクスチャを備える膣挿入デバイスである。
【0078】
さらに本明細書に記載されるのは、上部、下部、及び表面が同じ材料で一体的に形成される、膣挿入デバイスである。
【0079】
さらに本明細書に記載されるのは、上部がその外面から外方に突出する1又は2以上の隆起部を有する、膣挿入デバイスである。
【0080】
さらに本明細書に記載されるのは、下部がその外面から外方に突出する1又は2以上の隆起部を有する、膣挿入デバイスである。
【0081】
さらに本明細書に記載されるのは、検体を採取するための膣挿入デバイスであって、円錐形状本体及び上端を有する上部と、上部から軸方向に延びて下端を有する下部と、を備え、円錐形本体が、本体の外側に少なくとも1つのテクスチャを含み、テクスチャが膣から組織検体を採取するように構成されている膣挿入デバイスである。
【0082】
本明細書にさらに記載されるのは、膣組織に面する外面と、外面と反対側の内面とをさらに備える膣挿入デバイスである。
【0083】
さらに本明細書に記載されるのは、外面が穿孔されている膣挿入デバイスである。孔は、本明細書でより詳細に説明するように、医薬品などの物質を収容することができる。本明細書で説明するように、医薬品には、性感染症又はその症状を含めて、様々な病気及び/又はその症状のトリートメントを含めることができる。
【0084】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が局所トリートメント又は医薬品のうちの1又は2以上を含む、膣挿入デバイスである。
【0085】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、膣挿入デバイスである。
【0086】
さらに本明細書に記載されるのは、物質が、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療のうちの1又は2以上を提供する薬剤を含む、膣挿入デバイスである。
【0087】
さらに本明細書に記載されるのは、上部が物質中に浸漬される及び/又は物質で噴霧される、膣挿入デバイスである。
【0088】
さらに本明細書に記載されるのは、物質がカンジダ症を治療する特性を有する、膣挿入デバイスである。
【0089】
さらに本明細書に記載されるのは、膣に入れるように構成された本体を有する膣挿入デバイスであって、本体の少なくとも一部に配置された被覆を備え、被覆が医薬品を含む、膣挿入デバイスである。
【0090】
さらに本明細書に記載されるのは、医薬品が、性感染症、カンジダ症、及びウイルス又は細菌感染症のうちの1又は2以上を治療又は軽減する、膣挿入デバイスである。
【0091】
さらに本明細書に記載されるのは、医薬品が膣内を通して吸収可能である、膣挿入デバイスである。
【0092】
さらに本明細書に記載されるのは、本体が、引き出し力が加えられるまで膣内に留まるようにさらに構成されている、膣挿入デバイスである。
【0093】
さらに本明細書に記載されるのは、膣挿入デバイスの使用方法であって、膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、膣から膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを採取するステップと、を含む方法である。
【0094】
さらに本明細書に記載されるのは、膣挿入デバイスの使用方法であって、膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、膣から膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを含む検体を採取するステップと、採取された検体を用いて感染症及び/又は医学的状態を検出するステップと、を含む方法である。
【0095】
さらに本明細書に記載されるのは、膣挿入デバイスの使用方法であって、膣挿入デバイスを膣に挿入するステップと、膣挿入デバイスから膣内の組織に医薬品を送達するステップとを含む方法である。
【0096】
本開示の別の態様では、キットが提供される。キットは、膣から膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを採取するように構成された膣挿入デバイスと、採取後に膣液、分泌物、及び組織検体のうちの少なくとも1つを中に放出することのできる容器と、を備える。
【0097】
さらに本明細書に記載されるのは、感染症及び/又は医学的状態を診断及び/又は検出するためのインジケータストリップをさらに備えるキットである。
【0098】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、実施例であって解説的なものであり、本開示で説明する特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0099】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、実施例であって解説的なものであり、本開示で説明する特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0100】
前述の並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示すような様々な例示的な実施形態に関する、以下のより特定の説明から明らかになる。図面において、同様の参照番号は、一般に、同一、機能的に類似、及び/又は構造的に同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【
図1】本開示の一実施形態による女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による失禁を経験している女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態による膀胱脱及び/又は膀胱瘤を経験している女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態による直腸脱及び/又は直腸瘤を経験している女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態による子宮(womb)脱及び/又は子宮(uterine)脱を経験している女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態に従って、そこに膣挿入デバイスを設けた女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態に従って、そこに膣挿入デバイスを設けた女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態に従って、そこに膣挿入デバイスを設けた女性の骨盤部の断面を示す図である。
【
図9】本開示の一実施形態に従って、コンパクトな状態にある膣挿入デバイスを示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態に従って、膣挿入デバイスを挿入する方法を示す図である。
【
図11A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図11B】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図11C】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図12A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図12B】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図12C】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図13A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図13B】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図13C】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図14A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図14B】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図14C】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図15A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図15B】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図15C】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図16A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図16B】本開示の実施形態による
図16Aの膣挿入デバイスの中心線に沿った断面図である。
【
図17】本開示の実施形態による膣挿入デバイスの中心線に沿った断面図である。
【
図18】本開示の実施形態による膣挿入デバイスの断面図である。
【
図19A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図19B】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図19C】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図19D】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図19E】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図19F】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図20A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図20B】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図20C】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図20D】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図20E】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図20F】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの図である。
【
図21A】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図21B】本開示の実施形態による
図21Aの膣挿入デバイスの中心線に沿った断面図である。
【
図22】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスの斜視図である。
【
図23】本開示の一実施形態による膣挿入デバイスを有するキットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0102】
以下、様々な実施形態について詳細に論じる。特定の実施形態を論じるが、これは説明だけを目的に行われる。当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成要素及び構成が使用可能であることを認識することができる。
【0103】
本開示は、膣挿入デバイスの様々な実施形態及び膣挿入デバイスの使用方法について説明する。本開示の膣挿入デバイスは、女性の失禁、骨盤臓器脱(POP)、又は失禁とPOPの両方を管理、改善、治療、予防、及び/又は解消することができる。本開示の膣挿入デバイスは、処方箋を必要とせず、非吸収性で、店頭で買え、便利で、快適で、及び/又は使用者が挿入し取り外すのが容易で、医師の介入が全くないか又は最小限であるとすることができる。このような膣挿入デバイスは、再使用可能でもよいし、使い捨てでもよい。様々な使用者が想定され、使用者には、患者、需要者などを含めることができる。
【0104】
本開示は一般に、膣挿入デバイス及び方法に関する。一態様は、挿入した場合に骨盤臓器脱と尿失禁及び/又は便失禁と関係する症状を改善及び予防する、膣挿入体及び方法に関する。別の態様は、以下でより詳細に説明するように、医薬品と共に使用する膣挿入体及び方法に関する。本明細書に記載するような医薬品と関係するこれらのデバイス及び方法は、単独で、及び/又は、上述した症状の改善及び予防に関して記載するデバイス及び方法と組み合わせて使用することができる。
【0105】
本開示は一般に、膣挿入デバイス及び方法に関する。一態様は、膣液、分泌物及び/又は組織検体を採取するための膣挿入体及び方法に関する。別の態様は、様々な疾患及び/又は医学的状態を検出及び/又は診断するための膣挿入体及び方法に関する。本明細書に記載するような膣液、分泌物及び/又は組織検体の採取に関連するこれらのデバイス及び方法は、単独で、及び/又は、上述した様々な疾患及び/又は医学的状態の検出及び/又は診断に関して記載するデバイス及び方法と組み合わせて使用することができる。
【0106】
図1及び2はそれぞれ、子宮10、子宮頸部12、膀胱14、膀胱頸部15、尿道/尿道括約筋16、膣18、及び直腸20を説明する、女性の解剖学的構造の骨盤部の断面を示している。
図1では、女性の解剖学的構造は正常な状態(例えば、失禁及び/又は脱出を経験していない状態)である。
図2は、膀胱14又は腸(例えば、直腸20)に対する圧迫又は圧力24によって生じる失禁22(例えば、尿又は排泄物の漏出)を示している。尿又は排泄物の不随意の漏出は、咳、笑い、くしゃみ、持ち上げ又は運動などの活動中に発生することがある。膀胱、膣、及び肛門直腸を含む3つの骨盤臓器の全て包含する統合系の3つのゾーンに対する結合組織の損傷は、骨盤臓器脱(POP)及びこれら臓器の機能障害に関する根本原因である。
図3は、脱出膀胱26を伴う女性の骨盤部の断面である。
図4は、脱出直腸又は直腸瘤28を伴う女性の骨盤部の断面である。
図5は、脱出子宮30を伴う女性の骨盤部の断面図である。POPは、一般に出産が原因であるが、単に遺伝及び加齢過程に起因する場合もある。本開示の膣挿入デバイスは、膣に挿入して、これらの状態を管理、改善、治療、予防、及び/又は解消することができる。
【0107】
図6は、女性の尿失禁を管理、改善、予防、治療、及び/又は解消するために、膣18に挿入されて尿道括約筋16及び/又は膀胱頸部15に圧力を加える、本開示による膣挿入デバイス40を示す女性の骨盤部の断面である。使用者は、
図9及び10に従ってデバイス40を挿入することができる。デバイス40は、上部42、下部44、及び上端54を含むことができる。ひとたび挿入されると、上部42のリム(例えば、
図11のリム146)は、尿道括約筋16及び/又は膀胱頸部15などの膣内壁と整列して、そこに圧力を加えることができる。隆起部(例えば、
図11の148)もまた、膣内壁に圧力を加えることができる。尿道括約筋16及び/又は膀胱頸部15に加えられる圧力は、尿漏れを低減する及び/又は解消することができる。尿漏れに関して説明したが、膣内挿入デバイス40は、直腸壁に圧力を掛けて、排泄物の漏れを低減する及び/又は解消することができる。
【0108】
図7及び8はそれぞれ、尿道括約筋16及び/又は膀胱頸部15に圧力を加えて女性の尿失禁を管理、改善、予防、治療、及び/又は解消することに加えて、POPを管理、改善、予防、治療、及び/又は解消するために膣18に挿入された膣挿入デバイス40の一実施形態を説明する、女性の骨盤部の断面である。特に、
図7では、膣挿入デバイス40が膣18に挿入されて、脱出膀胱26を管理、改善、予防、治療、及び/又は解消する。
図7において、上端54は脱出膀胱26を支持することができる。また、リム及び隆起部(本明細書に記載するような)は、尿道括約筋16及び/又は膀胱頸部15などの膣内壁に圧力を加えることができる。尿道括約筋16及び/又は膀胱頸部15に加えられる圧力は、尿漏れを低減又は解消すること及び/又は膀胱26を支持することができる。
図8では、膣挿入デバイス40が膣18に挿入されて、脱出子宮30を管理、改善、予防、治療、及び/又は解消する。
図8において、上端54は脱出子宮30を支持することができる。別々に説明したが、デバイス40は、膣内壁に圧力を加えること(例えば、
図6及び7)、膀胱を支持すること(
図7)、子宮を支持すること(
図8)、直腸壁を支持すること及び/又は圧力を加えること、及び/又はそれらのいずれかの組み合わせを同時に又は身体の経時変化に従って(例えば、膀胱がいっぱいになる際に)行うことができる。
【0109】
図6から8に示すように、上部42の上端54は、膣に挿入された場合に膣挿入デバイス40の最も内側の部分である。
図6から8にさらに示すように、膣挿入デバイス40が挿入された場合、膣挿入デバイスの下部44には膣18の外側からアクセスすることができる。下部44は、膣挿入デバイス40の挿入、取り外し、及び/又は位置決めを助けることができる。下部44の隆起部は、使用者がデバイス40を取り外すためのより良い握りを提供することができる。また、下部44を用いて、治療作用、臓器支持及び快適性のためにこのデバイスを位置決めすることができる。上部42のリム及び/又は隆起部は、
図6から8に示す臓器壁に圧力を加え、尿失禁及び便失禁、POP、又はPOP及び尿失禁及び/又は便失禁、並びにそれらの組み合わせを含めて、女性の失禁を管理、改善、予防、治療、及び/又は解消することができる。
【0110】
図9及び10は、膣挿入デバイス40を膣18に挿入するための方法を示す。
図9に示すように、使用者は、上部42の壁49を押し潰して、上部をよりコンパクトにすることができる。よりコンパクトな形状により、膣挿入デバイス40の膣18内へのより容易な挿入が可能となる。使用者は、2又は3本以上の指の間で、さもなければ手の中で、上部42を手作業で押し潰すことができる。代わりに、使用者は、アプリケータなどの道具を用いて、挿入のためにデバイス40の押潰しを助けることができる。
図10に示すように、使用者は次に、よりコンパクトな形状のデバイス40(
図9に示すような)を膣18に挿入することができる。使用者は、手作業で(例えば、片手又は両手で)、或いは道具(例えば、アプリケータ)を用いて、デバイス40を挿入することができる。ひとたび膣挿入デバイス40が膣18に挿入されると、上部42の壁49は広がって元の形状又はほぼ元の形状に戻ることができ、これにより、膣挿入デバイス40は、膣の内壁及び内臓器官に圧力を加えることができる。この挿入方法は一例であるが、より高いデュロメータ硬さのシリコーン又は他の材料では、本デバイスは必ずしも挿入のために圧潰する必要はない。
【0111】
本開示の膣挿入デバイスは、挿入時に膣内の所定の位置にしっかりと保持されるように形づくられると共に、治療作用のために膣内壁に圧力を掛ける、及び/又は骨盤臓器を支持する、及び/又はさらなる骨盤臓器の変位を予防するように形づくられるとすることができる。一例では、本開示の膣挿入デバイスは、18歳を越える使用者の咳、笑い、くしゃみ、持ち上げ及び運動などの活動中におけるストレス性尿失禁(例えば、不随意の尿漏れ)を管理するためのものである。本デバイスは、成人女性が一度に最大で約8時間から12時間挿入した後で、その快適さのレベルに応じて、取り外し、再挿入することができる。本デバイスは、より長い期間、体内にあって留まることができる。
【0112】
図11Aから11Cを参照すると、例示的な膣挿入デバイス100が示されている。膣挿入デバイス100は、膣挿入デバイス40及び
図6から10に関して説明したのと同じ又は類似の方法で使用することができる。膣挿入デバイス100は、本体102を含むことができる。本体102は、上部142及び下部144を含むことができる。上部142は、円錐形状及び/又はカップ形状とすることができる。上部142は、
図11Aに示すような鐘形状でもよい。例えば、上部142は、同心円状に狭くなる頂部と、比較的均一な円形断面を有する中間部と、同心円状に裾広がりの下部とを備えた軸方向に延びる部分を含むことができる。上部142は、その壁の中が中空とすることができる。上部142は、第1直径D
1を有することができ、これは第2直径D
2まで減少する。直径の減少は、緩やかとすることができる。上部142は、変化する直径を含むことができる。本明細書では円錐形状として説明するが、上部42の他の形状も想定される。そのような他の形状には、第1直径が膣内壁又は臓器壁に圧力を加えるように構成され、第2直径が第1直径よりも小さくて、膣内壁と相互作用しないように構成されるような、変化する直径を含めることができる。そのような形状には、台形、球形、円柱、立方体、ピラミッド形、六角柱などを含めることができる。
【0113】
上部142は、リム146を含むことができる。リム146は、上部142から突出することができる。リム146は、円形とすることができ、本体102の外側を取り囲み、そこから突出することができる。リム146は、上端105に隣接することができる。リム146は、上部142と共に、鐘形状の本体102を形成することができる。リム146は、高さ、位置、及び/又は幅が調整可能とすることができる。リム146は、治療作用及び/又は保管のために伸縮することができる。リム146は、1つの部品から、或いは2つ以上の部品から作製することができる。リム146は、1つの材料から、2つ以上の材料から、又は材料の組み合わせから作製することができる。リム146は、その1つの領域で、別の領域よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。例えば、一部分(例えば、本デバイスの断面の半分)における密度、厚さ、材料、付属物、突出部などのいずれかによって、リム146に重みを付けることができる。この部分は、リム146の残部よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。リム146の残部は、デバイス100の残部と同様に(例えば、同じ材料、密度、厚さなどで)構成することができる。解剖学的構造、失禁の種類、及び/又は脱出に基づいて、膣道内の異なる位置に圧力を掛けるために、リム146を傾斜させる、不均等にする、又は角度付けすることができる。
【0114】
上部142は、1又は2以上の隆起部148を含むことができる。1又は2以上の隆起部148は、上部142の外面に沿って間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部148は、上部142と下部144の接合部103からリム146まで間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部148は、上部142の外面に沿って均等に及び/又はランダムに間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部148は、液体、気体、潤滑剤、及び/又は医薬品が通り抜けできるように半透過性とすることができる。隆起部148は、本体102の外側を取り囲む円形リングとすることができる。代わりに、隆起部148は、スタッド、ノブ、ボタン、単語、数字、記号、ロゴ、多角形、三角形、分離したスタッド、ランダムに分離したスタッド、均一に離間したスタッド、又は正方形、或いはそれらの組み合わせを含めた他の形状などの、本体102の外側から延びるいずれかの突出部を含むことができる。隆起部148は、デバイス100(上部142及び/又は下部144のいずれか)の上に螺旋状に、斜めに、長手方向に、又は放射状に配置することができる。隆起部148は、上部142及び下部144上で同じとすること又は異なることができる。
【0115】
上部142は、接合部103から上端105まで延びることができる。上端105は、閉じることができる。上端105は、表面107を含むことができる。表面107は、開口部109を含むことができる。しかしながら、開口部109は随意的とすることができる。開口部109は、上部142の内部に及ぶことができる。上端105は、中実とすることができる。開口部109は、膣に挿入する際にデバイスを通る圧力の均等化を可能にする通気口とすることができる。開口部109は、本デバイスを挿入する際に吸引又は密閉が生じるのを防ぐことができる。上端105は、本体102と同じ又は類似の材料で形成することができる。
【0116】
上部142は、その長さ全体に亘って円形の横断面を有することができる。円形の横断面は、上端105(D1)から接合部103(D2)まで直径を減少させることができる。直径の減少は、上部142の内径の減少、上部142の外径の減少、又はそれらの組み合わせとすることができる。上部142の周囲長は、上端105から接合部103まで減少することができる。
【0117】
下部144は、ステム、取り外し部、及び/又は挿入部とすることができる。下部144は、膣挿入デバイス100の挿入、取り外し、及び/又は位置決めを助けることができる。下部144は、円錐形状又はカップ形状とすることができる。下部144は、D2から第2直径D3まで直径を増加させることができる。下部144は、下端104を含むことができる。下端104は、開放型とすることができる。すなわち、端部104を閉じる表面が存在しないものとすることができる。下部144は、その壁の中が中空とすることができる。一部の例では、接合部103は開放型とすることができるので、開口部109から、上部142を通り、接合部103を介して、下端104を通る通路が形成される。
【0118】
下部144は、1又は2以上の隆起部148を含むことができる。1又は2以上の隆起部148は、下部144の外面に沿って間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部148は、上部142と下部144の接合部103から下部144の下端104まで間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部148は、下部142の外面に沿って均等に及び/又はランダムに間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部148は、液体、気体、潤滑剤、及び/又は医薬品が通り抜けできるように半透過性とすることができる。1又は2以上の隆起部148は、上部142の1又は2以上の隆起部148と同じとすること又は類似することができる。
【0119】
上部142と下部144は、単一の材料で形成された一体型の一体部品デバイスとして製作することができる。上端105は、上部142及び下部144と一体とすることができる。例えば、上部142、下部144、及び/又は上端105は、医療グレードのシリコーンで形成することができる。上部142、下部144、及び/又は上端105は、医療グレードシリコーンの単一の一体型デバイスとして射出成形することができる。代わりに、上部142、下部144、及び/又は上端105は、治療、処置、又は殺菌を目的に、取り付け及び/又は取り外し、或いは伸縮が可能な2以上の部品及び/又は2以上の材料から作製することができる。上部142と下部144は、恒久的に又は取り外し可能に連結させることができる。
【0120】
膣挿入デバイス100は、解剖学的構造が異なる女性、解剖学的構造が変化又は変動する女性に適応するために、本デバイスの異なる使用及び/又は本デバイスを使用しながら行う異なる活動に適応するために、異なるサイズ、密度、形状、耐久性及び/又は異なるデュロメータ硬さで提供することができる。さらに、デバイス100の様々な区画及び部分の寸法は、本明細書に図示し開示した複数の実施形態から変更することができる。例えば、デバイス100の全高、上部142の上端における直径、デバイス100の上部142の壁の厚さ、下端104の直径、及び/又は下部144の高さは、変更することができる。寸法に加えられた変更は、それでもなお、本デバイスの意図する有用性、有効性、及び他の利益を保持することができ、又はそれらを向上させることができる。寸法は、いずれかの組み合わせで又は個別的に変更することができる。
【0121】
ここで
図12Aから12Cを参照すると、例示的な膣挿入デバイス200が示されている。膣挿入デバイス200は、デバイス100と類似することができる。膣挿入デバイス200は、膣挿入デバイス100について説明したような変更点、形状、サイズ、材料、寸法、用途のいずれか、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。先に説明したリム、ステム、上部の形状などの変更形態又は代替形態のいずれかを、膣挿入デバイス200に対して個々に又は組み合わせて適用することができる。
図6から10で説明した挿入及び使用方法を膣挿入デバイス200に適用することができる。
【0122】
膣挿入デバイス200は、本体202を含むことができる。本体202は、上部242及び下部244を含むことができる。上部242は、円錐形状及び/又はカップ形状とすることができる。上部242は、その壁の中が中空とすることができる。上部242は、第1直径D1を有することができ、これは第2直径D2まで減少する。直径の減少は、緩やかとすることができる。上部242は、変化する直径を含むことができる。本明細書では円錐形状として説明するが、上部242の他の形状も想定される。そのような他の形状には、第1直径が膣内壁又は臓器壁に圧力を加えるように構成され、第2直径が第1直径よりも小さくて、膣内壁と相互作用しないように構成されるような、変化する直径を含めることができる。そのような形状には、台形、球形、円柱、立方体、ピラミッド形、六角柱などを含めることができる。
【0123】
上部242は、リム246を含むことができる。リム246は、上部242から突出することができる。リム246は、円形とすることができ、本体202の外側を取り囲み、そこから突出することができる。リム246は、上端205に隣接することができる。リム246は、高さ、位置、及び/又は幅が調整可能とすることができる。リム246は、治療作用及び/又は保管のために伸縮することができる。リム246は、1つの部品から、或いは2以上の部品から作製することができる。リム246は、1つの材料から、2以上の材料から、又は材料の組み合わせから作製することができる。リム246は、その1つの領域で、別の領域よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。例えば、一部分(例えば、本デバイスの断面の半分)における密度、厚さ、材料、付属物、突出部などのいずれかによって、リム246に重みを付けることができる。この部分は、リム246の残部よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。リム246の残部は、デバイス200の残部と同様に(例えば、同じ材料、密度、厚さなどで)構成することができる。解剖学的構造、失禁の種類、及び/又は脱出に基づいて、膣道内の異なる位置に圧力を掛けるために、リム246を傾斜させる、不均等にする、又は角度付けすることができる。
【0124】
上部242は、1又は2以上の隆起部248を含むことができる。1又は2以上の隆起部248は、上部242の外面に沿って間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部248は、上部242と下部244の接合部203からリム246まで間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部248は、上部242の外面に沿って均等に及び/又はランダムに間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部248は、液体、気体、潤滑剤、及び/又は医薬品が通り抜けできるように半透過性とすることができる。隆起部248は、本体202の外側を取り囲む円形リングとすることができる。代わりに、隆起部248は、スタッド、ノブ、ボタン、単語、数字、記号、ロゴ、多角形、三角形、分離したスタッド、ランダムに分離したスタッド、均一に離間したスタッド、又は正方形、或いはそれらの組み合わせを含めた他の形状などの、本体202のから延びるいずれかの突出部を含むことができる。隆起部248は、デバイス200(上部242及び/又は下部244のいずれか)の上に螺旋状に、斜めに、長手方向に、又は放射状に配置することができる。隆起部248は、上部242及び下部244上で同じとすること又は異なることができる。
【0125】
上部242は、接合部203から上端205まで延びることができる。上端205は、閉鎖型とすることができる。上端205は、表面207を含むことができる。表面207は、開口部209を含むことができる。しかしながら、開口部209は随意的とすることができる。開口部209は、膣に挿入する際にデバイスを通る圧力の均等化を可能にする通気口とすることができる。開口部209は、本デバイスを挿入する際に吸引又は密閉が生じるのを防ぐことができる。開口部209は、上部242の内部に延びることができる。上端205は、中実とすることができる。上端205は、本体202と同じ又は類似の材料で形成することができる。
【0126】
上部242は、その長さ全体に亘って円形の横断面を有することができる。円形の横断面は、上端205(D1)から接合部203(D2)まで直径を減少させることができる。直径の減少は、上部242の内径の減少、上部242の外径の減少、又はそれらの組み合わせとすることができる。上部242の周囲長は、上端205から接合部203まで減少することができる。
【0127】
下部244は、ステム、取り外し部、及び/又は挿入部とすることができる。下部244は、膣挿入デバイス200の挿入、取り外し、及び/又は位置決めを助けることができる。下部244は、円錐形状又はカップ形状とすることができる。下部244は、D2から第2直径D3まで直径を増加させることができる。下部244は、下端204を含むことができる。下端204は、開放型とすることができる。すなわち、端部204を閉じる表面が存在しない。下部244は、その壁の中が中空とすることができる。
【0128】
下部244は、1又は2以上の隆起部248を含むことができる。1又は2以上の隆起部248は、下部244の外面に沿って間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部248は、上部242と下部244の接合部203から下部244の下端204まで間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部248は、下部244の外面に沿って均等に及び/又はランダムに間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部248は、液体、気体、潤滑剤、及び/又は医薬品が通り抜けできるように半透過性とすることができる。1又は2以上の隆起部248は、上部242の1又は2以上の隆起部248と同じとすること又は類似することができる。
【0129】
上部242と下部244は、単一の材料で形成された一体型の一体部品デバイスとして製作することができる。上端205は、上部242及び下部244と一体とすることができる。例えば、上部242、下部244、及び/又は上端205は、医療グレードのシリコーンで形成することができる。上部242、下部244、及び/又は上端205は、医療グレードのシリコーンの単一の一体型デバイスとして射出成形することができる。代わりに、上部242、下部244、及び/又は上端205は、治療、処置、又は殺菌を目的に、取り付け及び/又は取り外し、或いは伸縮が可能な2以上の部品及び/又は2以上の材料から作製することができる。上部242と下部244は、恒久的に又は取り外し可能に連結させることができる。
【0130】
膣挿入デバイス200は、解剖学的構造が異なる女性、解剖学的構造が変化又は変動する女性に適応するために、本デバイスの異なる使用及び/又は本デバイスを使用しながら行う異なる活動に適応するために、異なるサイズ、密度、形状、耐久性及び/又は異なるデュロメータ硬さで提供することができる。さらに、デバイス200の様々な区画及び部分の寸法は、本明細書に図示し開示した複数の実施形態から変更することができる。例えば、デバイス200の全高、上部242の上端における直径、デバイス200の上部242の壁の厚さ、下端204の直径、及び/又は下部244の高さは、変更することができる。寸法に加えられた変更は、それでもなお、本デバイスの意図する有用性、有効性、及び他の利益を保持することができ、又はそれらを向上させることができる。寸法は、いずれかの組み合わせで又は個別的に変更することができる。
【0131】
ここで
図13Aから13Cを参照すると、例示的な膣挿入デバイス300が示されている。膣挿入デバイス300は、デバイス100及び/又はデバイス200と類似することができる。膣挿入デバイス300は、膣挿入デバイス100及び/又はデバイス200について説明したような変更点、形状、サイズ、材料、寸法、用途のいずれか、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。先に説明したリム、ステム、上部の形状などの変更形態又は代替形態のいずれかを、膣挿入デバイス300に対して個々に又は組み合わせて適用することができる。
図6から10で説明した挿入及び使用方法を膣挿入デバイス300に適用することができる。
【0132】
膣挿入デバイス300は、本体302を含むことができる。本体302は、上部342及び下部344を含むことができる。上部342は、壁349と、リム346と、リブ380とすることができる部材又はリブ380とを含むことができる。上部342は、円錐形状及び/又はカップ形状とすることができる。上部342は、その壁349の内側が中空とすることができる。上部342は、第1直径D1を有することができ、これは第2直径D2まで減少する。直径の減少は、緩やかとすることができる。上部342は、変化する直径を含むことができる。本明細書では円錐形状として説明するが、上部342の他の形状も想定される。そのような他の形状には、第1直径が膣内壁又は臓器壁に圧力を加えるように構成され、第2直径が第1直径よりも小さくて、膣内壁と相互作用しないように構成されるような、変化する直径を含めることができる。そのような形状には、台形、球形、円柱、立方体、ピラミッド形、六角柱などを含めることができる。
【0133】
上部342は、リム346を含むことができる。リム346は、上部342の壁349から突出することができる。リム346は、円形とすることができ、壁349を取り囲み、そこから突出することができる。リム346は、上端305に隣接することができる。リム346は、高さ、位置、及び/又は幅が調整可能することができる。リム346は、治療作用及び/又は保管のために伸縮することができる。リム346は、1つの部品から、或いは2以上の部品から作製することができる。リム346は、1つの材料から、2以上の材料から、又は材料の組み合わせから作製することができる。リム346は、その1つの領域で、別の領域よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。例えば、一部分(例えば、本デバイスの断面の半分)における密度、厚さ、材料、付属物、突出部などのいずれかによって、リム346に重みを付けることができる。この部分は、リム346の残部よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。リム346の残部は、デバイス300の残部と同様に(例えば、同じ材料、密度、厚さなどで)構成することができる。解剖学的構造、失禁の種類、及び/又は脱出に基づいて、膣道内の異なる位置に圧力を掛けるために、リム346を傾斜させる、不均等にする、又は角度付けすることができる。上端305は、開放型とすることができる。
【0134】
上部342は、リブ380を含むことができる。上部342及び/又はリブ380は、その長さ全体に亘って円形の横断面である周囲を有することができる。円形の横断面は、上端305(D1)から接合部303(D2)まで直径を減少させることができる。直径の減少は、上部342の内径の減少、上部342の外径の減少、又はそれらの組み合わせとすることができる。上部342の周囲長は、上端305から接合部303まで減少することができる。上部342は、接合部303から上端305まで延びることができる。
【0135】
リブ380は、膣内挿入デバイス300の壁349を介して膣内壁又は臓器壁に圧力を加えるように構成することができる。リブ380は、膣内壁及び/又は支持臓器に圧力を加えるように構成されたいずれかの形状をとることができる。一実施形態では、リブ380は、デバイス300の上端305に隣接する部分から接合部303まで延びる。一実施形態では、リブ380は、リム346に隣接することができる。一実施形態では、部材又はリブ380は、壁349の内側面350にある2又は3以上の点間を延びることができる。一実施形態では、リブ380は、壁349の内側面350上の1点だけから延びる。本開示の原理に従って膣内壁及び/又は支持臓器に圧力を加えるために、リブ380に対する先の説明又はこれからの説明、修正、及び/又は変更のいずれかを、単独で又は組み合わせて、デバイス300に提供することができる。リブ380は、テーパー付けすること又は本体102及び/又は本体202と同様に直径を減少させることができる。リブ380は、壁349と接合部303との間で露出させることができ、デバイス300のこの部分ではリブ380を取り囲む外壁がないようにすることができる。
【0136】
本明細書では、開示を簡単にするため、部材又はリブ380をリブ380と呼ぶ。しかしながら、リブ380として圧力の適用を達成するために、他の構造又は構成が想定される。リブ380は、4つのリブ区画又は部材380a、380b、380c、380dを有することができる。より多くの又はより少ないリブ区画又は部材が想定される。リブ380は、様々な形状をとることができ、いくつかの例示的な形状及びリブ380の配置を本明細書に記載する。例示的な形状のあらゆる組み合わせが想定される。
【0137】
リブ380は、十字形、「T」形、又は「X」形とすることができるが、他の形状及び配置が想定される(例えば、三角形、五角形、「Y」、「K」、「V」形など)。また、リブ380は星形とすることができ、中央の1箇所で合流する、複数箇所で合流する、又は全く合流しない。リブ380は、中心軸からずれた1又は2以上の平行なリブ又は部材、中心軸を横切る単一のリブ又は部材、中心軸からずれた1又は2以上の平行なリブ又は部材と中心軸を横切る単一のリブ又は部材との両方、及び/又は交差せずに1つの内面から別の内面へ延びるコード等、或いはそれらのいずれかの組み合わせとすることができる。リブ380は、スポーク又は部材とすることができ、これは、スポークの中心で又はスポークの中心からオフセットして交差又は合流する。スポーク又は部材は、膣挿入デバイスの内壁に合流することができる又は合流しない場合もある。リブ380は、上部342の内壁上にある直径方向に対向する点の間を延びることのできる部材とすることができる。部材は、直径方向に対向する点で内壁に結合することができる。リブ380は、円錐形状本体の内壁の周囲に等距離に離間した2又は3以上の部材を含むことができる。2又は3以上の部材は、円錐形状本体の中心点で合流することができる。部材は、4つの端部を有する十字形リブとすることができる。4つの端部の各々は、円錐形状本体の内壁に合流することができる。より大きなサイズのデバイス300は、より小さなサイズのデバイス300よりも多くの部材又はリブを有することができる。
【0138】
膣挿入デバイスは、膣分泌物を集めることができる。本デバイスは、診断のために膣液を区分けする目的を果たすことのできる内部リブ状特徴部を含むことができる。例えば、不正出血が生じている場合、この膣挿入体は、血液又は体液がどの空洞又は区画に集められるかに基づいて、使用者が目に見えない発生源を決定するのを助けることができる。診断又は治療を目的に、インジケータストリップ又はナノテクノロジを並行して使用することができる。医薬品は、1つの又は全ての区画で使用することができる。
【0139】
リブ380は、リム346に隣接して位置することができる。リブ380は、リム346と水平方向に整列することができ、リム346で圧力が加わる(例えば、リム346と隣接リブ380の両方で加えられる)ように、リム346と同じ高さにすることができる。リブ380は、膣挿入デバイス300を支持し、臓器壁に力及び/又は圧力を加え、及び/又は臓器の脱出を予防又は抑制するいずれかの形状又は形態をとることができる。リブ380は、いずれかの長さ、厚さ、及び/又は幅とすることができる。リブ380は、デバイス300の中心軸からオフセットすることができる。リブ380は、デバイス300の周囲で調整可能な又は選択的な圧力を可能にすることができる。例えば、リブ380が上部342に近づく又は合流する位置は、リブ380から離間した位置よりも大きな力を臓器壁に加えることができる。本デバイスを回転させて、膣壁及び/又は臓器壁への圧力を調整することができる。本デバイスは、それが加える圧力、ひいては提供する支持の調整を可能にする。
【0140】
単一のリブ380として説明したが、リブ380は、中間で交差する2つのリブ部又は部材(例えば、区画380a、380cの第1リブ部又は部材が区画380b、380dの第2リブ部又は部材と交差する)、或いは中間で合流する4つのリブ部又は部材(例えば、リブ区画380a、380b、380c、380dが中間で合流する)で構成することができる。2以上のリブ部材を設ける場合、リブ部材は、互いに等距離に離間することができる。あるいは、リブ部材は、互いに対してランダムに設置すること及び/又はオフセットすることができるので、デバイス300の一部分が他方よりも大きな圧力及び/又は大きな支持を付与するように構成される。すなわち、リブ部材の多い側が、リブ部材の少ない側よりも大きな圧力又は支持を付与することができる。リブ380は、一体型ユニットとして、又は互いに連結された別個の部品として形成することができる。リブ380は、1つの材料から、2又は3以上の材料から、或いは材料及び/又は部品の組み合わせから作製することができる。リブ380は、半透過性とすることができる。リブ380は、上部342と一体的に形成すること、又は、別の方法で上部342内に固定された別個の構成部品として形成することができる。リブ380は、上部342から取り外し可能とすることができる。リブ380を含むデバイス300の全体は、単一材料で形成された単一の単体構造の一体型デバイスとして形成することができる。
【0141】
リブ380は、4つの部材又はリブ区画380a、380b、380c、380dで示してあるが、より多い又は少ないリブ区画を設けることができ、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上のリブ区画が想定される。子宮壁又は腸壁などの臓器壁に加えられる圧力の量を調整するために、リブ区画又は部材の数を選択し、失禁を低減、管理、改善、予防、又は解消することができる。リブ区画又は部材(例えば、380a、380b、380c、及び380d)は、1又は2以上の中空部又は開放部358を画定することができる。デバイス300は、4つの開放部358を含む。
【0142】
リブ380は、骨盤臓器脱が生じた場合に或いは臓器の変位を予防するために、臓器に支持を付加することができる。リブ380は、膣壁、尿道括約筋、及び/又は膀胱頸部に付加的な圧力を提供し、失禁の低減、管理、改善、予防、治療、及び/又は解消を助けることができる。リブ380はまた、組織が本デバイスの開放部358内へ降下しないように予防するのを助けることができる。経時的に、組織及び/又は臓器は、デバイス300の中に降下する可能性がある。リブ380を内包することで、デバイス300内への組織の進入を阻止することにより、これを防ぐことができる。リブ380は、膀胱、子宮頸部、又は直腸の沈み込みを予防することができる。リブ380は、膣内道を介して膀胱頸部又は尿道括約筋で膣壁に十分な圧力を掛け、漏れを効果的に低減することができる。リム346とリブ380は、一緒になって、臓器及び/又は膣内の臓器壁に、圧力及び/又は支持を付与することができる。
【0143】
リブ380は、リム346の隣接部又は真下から接合部303まで延びることができる。このようにして、リブ380は、リム346及び上部342に圧力及び支持を付与し、従って子宮壁及び/又は直腸壁に圧力及び支持を付与することができる。リブ380は、上部342の上端で壁349によって取り囲むことができる。
【0144】
リブ380を設ける場合、より柔らかい又はより硬い材料を使用することができる。より柔らかい又はより硬い材料(例えば、シリコーン)により、より快適な装着が可能となるが、一方でリブ380は付加的な圧力を提供する。すなわち、リブ380は、より柔らかい又はより硬い材料で加えられる圧力に適応することができ、これにより、より快適で効果的なデバイスが可能となる。
【0145】
下部344は、ステム、取り外し部、及び/又は挿入部とすることができる。下部344は、膣挿入デバイス300の挿入、取り外し、及び/又は位置決めを助けることができる。下部344は、棒状又は円柱状とすることができる。下部344は、中空とすること又は中実とすることができる。下部344は、接合部303から下端304まで一定の直径を有することができる。
【0146】
下部344は、1又は2以上の隆起部348を含むことができる。1又は2以上の隆起部348は、下部344の外面に沿って間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部348は、上部342と下部344の接合部203から下部344の下端304まで間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部348は、下部344の外面に沿って均等に及び/又はランダムに間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部348は、液体、気体、潤滑剤、及び/又は医薬品が通り抜けできるように半透過性とすることができる。隆起部348は、下部344の外側を取り囲む円形リングとすることができる。代わりに、隆起部348は、スタッド、ノブ、ボタン、単語、数字、記号、ロゴ、多角形、三角形、分離したスタッド、ランダムに分離したスタッド、均一に離間したスタッド、又は正方形、或いはそれらの組み合わせを含めた他の形状などの、下部344から延びるいずれかの突出部を含むことができる。隆起部348は、デバイス300の上に螺旋状に、斜めに、長手方向に、又は放射状に配置することができる。隆起部348は、下部344から同じ又は異なる半径方向距離で突出することができる。
【0147】
上部342と下部344は、単一の材料で形成された一体型の一体部品デバイスとして製作することができる。上端305は、上部342及び下部344と一体とすることができる。例えば、上部342及び/又は下部344は、医療グレードのシリコーンで形成することができる。上部342及び/又は下部344は、医療グレードのシリコーンの単一の一体型デバイスとして射出成形することができる。代わりに、上部342及び/又は下部244は、治療、処置、又は殺菌を目的に、取り付け及び/又は取り外し、或いは伸縮が可能な2以上の部品及び/又は2以上の材料から作製することができる。上部342と下部344は、恒久的に又は取り外し可能に連結させることができる。
【0148】
膣挿入デバイス300は、解剖学的構造が異なる女性、解剖学的構造が変化又は変動する女性に適応するために、本デバイスの異なる使用及び/又は本デバイスを使用しながら行う異なる活動に適応するために、異なるサイズ、密度、形状、耐久性及び/又は異なるデュロメータ硬さで提供することができる。さらに、デバイス300の様々な区画及び部分の寸法は、本明細書に図示し開示した複数の実施形態から変更することができる。例えば、デバイス300の全高、上部342の上端における直径、デバイス300の上部342の壁の厚さ、下端304の直径、及び/又は下部344の高さは、変更することができる。寸法に加えられた変更は、それでもなお、本デバイスの意図する有用性、有効性、及び他の利益を保持することができ、又はそれらを向上させることができる。寸法は、いずれかの組み合わせで又は個別的に変更することができる。
【0149】
ここで
図14Aから14Cを参照すると、例示的な膣挿入デバイス400が示されている。膣挿入デバイス400は、デバイス200と類似することができる。膣挿入デバイス400は、膣挿入デバイス100及び/又はデバイス200について説明したような変更点、形状、サイズ、材料、寸法、用途のいずれか、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。先に説明したリム、ステム、上部の形状などの変更形態又は代替形態のいずれかを、膣挿入デバイス400に対して個々に又は組み合わせて適用することができる。
図6から10で説明した挿入及び使用方法を膣挿入デバイス400に適用することができる。膣挿入デバイス400は、膣挿入デバイス200と全く同じ構成要素及び特徴を有することができる。膣挿入デバイス400では、表面407は中実で開口部がないので、上端405は完全に閉じており、どんな体液、組織、空気流、或いは他の材料又は流体も上端405に進入することが許されない。
【0150】
ここで
図15Aから15Cを参照すると、例示的な膣挿入デバイス500が示されている。膣挿入デバイス500は、デバイス300と類似することができる。膣挿入デバイス500は、膣挿入デバイス100、200、300、及び/又は400について説明したような変更点、形状、サイズ、材料、寸法、用途のいずれか、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。先に説明したリム、ステム、上部の形状などの変更形態又は代替形態のいずれかを、膣挿入デバイス500に対して個々に又は組み合わせて適用することができる。
図6から10で説明した挿入及び使用方法を膣挿入デバイス500に適用することができる。膣挿入デバイス500は、膣挿入デバイス300と全く同じ構成要素及び特徴を有することができる。膣挿入デバイス500では、下部(例えば、
図13Aの344)を省くことができる。膣挿入デバイス500は、互いに連結された2つの構成要素(例えば、壁549及びリブ580)として示してあるが、単一の一体型構成要素として形成することができる。先に説明したリブ380の変形形態は、リブ580に提供することができる。
【0151】
本開示の膣挿入デバイスは、圧力の適用及び/又は臓器支持に対する付加的な又は代替的な機能を提供することができる。例えば、本開示の膣挿入デバイスを用いて、膣組織に医薬品又は局所トリートメントを投与することができる。本明細書では、様々な構成を想定している。医薬品を投与するための医療デバイスは、単独で、或いは尿失禁、POP、又はその両方に対処する特徴部と組み合わせて使用することができる。以下でより詳細に説明する様々な医薬品及び局所トリートメントを膣挿入デバイスと共に用いることができる。医薬品を投与するための医療デバイスは、単独で、或いは膣液、分泌物及び/又は組織検体を集める特徴部、並びに様々な疾患及び/又は医学的状態の検出及び/又は診断に対する特徴部と組み合わせて使用することができる。以下でより詳細に説明する様々な医薬品及び局所トリートメントは、膣挿入デバイスと共に使用することができる。
【0152】
医薬品と共に使用する例示的な膣挿入デバイス640が、
図16A及び16B並びに
図17に示されている。
図16A及び16Bに示すように、膣挿入デバイス640は、内面600及び外面602を備えた壁649を有することができる。壁649は、中空又は半中空とすることができる。一部の例では、壁649の上部642の頂部、上部642の中間部、及び/又は上部642の底部は、空洞(例えば、上部の空洞603、中間部の空洞605、及び/又は底部の空洞607)を含むことができる。一部の例では、空洞609が壁649全体に広がることができる。
図16Bは異なる側に異なる空洞を示しているが、同じ空洞が壁649の全体に亘って存在できると理解することができる。空洞は、デバイス640の周囲の全部又は一部で、壁649の中を周方向に及び/又は環状に延びることができる。壁649の全部に又は一部の周方向部分に、空洞のあらゆる組み合わせが存在することができる。空洞を含む壁649の部分(複数可)は、孔の開いた外面602を有することができる。外面602は、デバイス640を挿入した場合に膣組織に面する壁649の表面とすることができる。
【0153】
内面600は、外面602とは異なる透過性を有することができる。すなわち、内面600は、外面602よりも透過性が高くても低くてもよい。内面600の一部又は全部は、外面602の一部又は全部と異なる透過性を有することができる。例えば、内面600の全部、又は一部(例えば、空洞部分又は空洞でない部分)は、外面602の全部、又は一部よりも低い透過性とすることができる。例えば、空洞(例えば、頂部の空洞603、中間部の空洞605、及び/又は下部の空洞607)を含む壁649の部分は、非透過性又は低い透過性の内面600を有することができる。例えば、空洞を含む壁649の部分の内面600は、孔無しとすることができる。空洞を含む壁649の部分の外面602は、孔を有することができる。一部の例では、壁649の外面602は、内面600よりも透過性の高い材料で構成することができる。これにより、物質は内面600よりも外面602を容易に透過することができる。
【0154】
一部の例では、内面600の全部又は一部は、外面602の全部又は一部よりも高い透過性とすることができる。例えば、内面は、孔を有すること、外面602よりも透過性の高い材料で形成されることなど、又はそれらの組み合わせによって、より透過性にすることができる。内面600が外面602よりも透過性が高い例では、膣挿入デバイス640は、膣挿入デバイス640の内部に検体(例えば、膣液及び/又は組織)を集めることができる。検体は、本開示に従って分析、試験、又は診断することができる。空洞の位置でより透過性の高い内面600を有する例では、空洞内に検体を集めることができる。
【0155】
このように、空洞は、医薬又はトリートメント用の、及び/又は、膣液及び/又は組織の採取用のリザーバとして機能することができる。膣挿入デバイス640は、各空洞の壁が異なる透過性を有する複数の空洞を含むことができるので、1又は2以上の空洞が医薬又はトリートメントを送達するように機能し(例えば、空洞では外面602が内面600よりも透過性が高い)、1又は2以上の空洞が膣液及び/又は組織を集めるように機能する(例えば、空洞では内面600が外面602よりも透過性が高い)。このようにして、膣挿入デバイス640は、送達と採取両方のデバイスとして動作することができる。
【0156】
一部の例では、空洞は、膣液及び/又は組織が内面600を通して吸収された(又は、例えば孔を通って流れることが許容された)時に反応する試薬を収容することができる。試薬は、膣液及び/又は組織と反応することができる。この反応は、医学的状態及び/又は健康状態(例えば、細菌感染、排卵、性感染症、使用者のビタミンレベル、ビタミン欠乏、本明細書に記載する他の状態など)の指標を与えることができる。指標は、視覚表示とすることができる。一部の例では、内面600が色を変化させて指標を与える(例えば、診断検査の結果を反映する)ことができる。一部の例では、膣挿入デバイス640は、健康転帰を使用者に電子的に送信するために、マイクロチップ、Bluetooth、無線送信デバイス、或いは他の通信又は送信デバイスを含むことができる。
【0157】
一部の実施形態では、内面600は、外面602から取り外し可能とすることができる。別の実施形態では、外面602の一部だけが内面600から取り外し可能とすることができる。いずれの実施形態でも、空洞は、本明細書でさらに説明する物質で充填することができる。物質は、内面600又は外面602を通して空洞内に注入される又は透過することができる。物質は、液体、固体、粉末、ゲル、又はそれらの何らかの組み合わせとすることができる。
【0158】
この物質は、挿入時に空洞から外面602を通って膣組織内に吸収又は放出されることができる。物質は、膣挿入デバイス640の存在に起因する不快感を最小限に抑えるための局所的なもの、又は別の状態を治療することを意図したものとすることができる。一部の実施形態では、物質は、それが膣組織を通して吸収された場合に又は膣組織に施された場合に実現される薬効特性を有することができる。実施形態では、物質は、抗菌特性、抗微生物特性、又は抗炎症特性を含むことができる。物質にはさらに、本明細書に記載する多数の物質の組み合わせを含めることができる。
【0159】
空洞は、例えば空洞609のように、壁649の全体に広がることができる。空洞が壁649の全体に広がる実施形態では、本デバイスの円錐形状により、一箇所だけでなく、膣道の全長に亘って医薬品を放出することができる。
図17に示すような別の実施形態では、部分空洞604は、
図16Bの右側の空洞603、空洞605、空洞607に関して説明した部分など、壁649の一部に限定することができる。部分空洞604は、壁649の長手方向のいずれかの部分に沿って延びることができる。例えば、
図17では、部分空洞604は挿入体の中間部分にある。別の実施形態では、物質は、膣挿入デバイス640の上部642、下部644にある、リム646、隆起部648の中の空洞内に存在することができる。他の実施形態では、物質は、膣挿入デバイス640の長さに沿って広がる1又は2以上の空洞内と存在することができる。空洞が壁649の全体に広がる場合、内面600及び外面602は、壁649の一部又は全部に沿って孔が開いている又は透過性があるとすることができる。空洞が部分空洞604のように壁649の一部だけに広がる場合、その内面600は、空洞を含まない壁649の部分よりも低い透過性とすることができる。さらに、その外面602は、空洞を含まない壁649の部分よりも高い透過性とすることができる。このようにして、壁649の空洞を含まない部分は、内面600及び外面602を介した通気を可能にすることができる。さらに、空洞を含む壁649の部分は、外面602を介した空洞内物質の放出を可能にし、内面600を介した膣挿入デバイス640内部への物質の放出を制限することができる。
【0160】
空洞は、壁649の中でいずれかの形状又はサイズとすることができる。例えば、空洞は、壁649の周囲に沿って延びなくてもよい。別の実施形態では、壁内の空洞は、デバイスの周りに360度延びることができる。さらに、壁649の中に複数の空洞が存在することができる。空洞は、空洞を含まない壁649の部分を介した通気を可能にしつつ、物質の吸収を最適化するように配置することができる。孔、透過性材料、サイズ、形状、又は配置は、意図する用途に応じて様々とするとすることができる。例えば、透過性材料、孔サイズ、又は空洞形状は、物質の推奨投与量又は化学特性に依存する可能性がある。一部の実施形態では、透過膜を有するリングは、壁649に挿入すること又は膣挿入デバイス640の外周に配置することができる。通気口668は、含まれる場合又は含まれない場合がある。膣挿入デバイス640は、本明細書に記載する膣挿入デバイスのいずれかの構造又は特徴のいずれか又は全てを有することができる。
【0161】
本開示の別の態様では、膣挿入デバイス840は、
図18に示すように、デバイスの表面に医薬品(複数可)、組成物(複数可)、試薬(複数可)、製剤(複数可)、及び/又は物質(複数可)を含むことができる。例えば、デバイスを物質800に浸漬すること及び/又は物質800で被覆することができる。物質800は、医薬品、試薬、トリートメント、ビタミン、特性を有する他種類の組成物、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。物質800は、使用者の症状、健康、及び/又は医学的状態を改善、対処、治療、監視、分析、又はその組み合わせを行うために含めることができる。例えば、膣挿入デバイス840は、使用者に送達されるトリートメント又はビタミンを含むことができる。一部の例では、膣挿入デバイス840は、膣液及び/又は膣組織と反応する試薬を含むことができ、その試薬は、膣挿入デバイスに吸収される、膣挿入デバイスを通過することが許容される、又は膣挿入デバイスと接触する。これにより、健康転帰、健康状態、医学的状態、デバイスの状態(例えば、デバイスを取り外す必要性、デバイスを新品のデバイスに変更する必要性など)などの視覚的指標を作り出することができる。一部の例では、デバイスは、中空とすること又は空洞を含むこと、又はそうでない場合もある。さらに、これらの実施形態では、デバイスの壁は、透過性とすること又は非透過性とすることができる。本デバイスは、滑らかな内面801を備えた壁849を有すること、及び/又は、滑らかな又はリブ付きの外面802を有することができる。滑らかな表面は、表面特徴部を持たない表面とすることができる。膣挿入デバイス840は、本明細書に記載する膣挿入デバイスのいずれかの構造を有することができる。
【0162】
図19Aから19F及び
図20Aから20Fは、本開示の原理による膣挿入デバイスを示す。本開示の一態様では、これらのデバイスは、本明細書に記載するように、膣組織に医薬品及び/又は局所トリートメントを投与するために使用できることが好ましい。この機能は、単独で、及び/又は本開示に記載する他の機能と組み合わせて提供することができる。様々な寸法を本明細書及び図に示し説明するが、限定することを意図していない。様々な寸法は、本デバイスで使用することが想定されている。
【0163】
図19Aから19Fは、本明細書に記載するように、医薬品(複数可)、組成物(複数可)、試薬(複数可)、製剤(複数可)、及び/又は物質(複数可)を収容するように構成することができる膣挿入デバイス1940を示す。例えば、膣挿入デバイス1940は、薬用物質又は軟膏、局所用又は薬用物質を収容することができ、或いは薬用軟膏又は物質で充填されるように構成することができる。
図19Aから19Fに示されるように、膣挿入デバイス1940は、その壁1949に、開口部1904とも呼ばれる孔1904を含むことができる。医薬品、組成物、試薬、製剤、物質、薬用物質又は軟膏、局所用又は薬用物質などは、一部又は全部が、孔1904の1又は2以上の中に堆積及び/又は収容することができる。このようにして、孔1904の中に配置された物質は、膣挿入デバイス1940の内部及び/又は膣挿入デバイス1940の外部(例えば、膣の内部)のいずれかに曝すことができる。これにより、物質の送達、物質の採取、及び/又は物質による診断(例えば、使用者に状態の診断及び/又は指標を提供するための、試薬による体液/組織の反応)が可能となる。膣挿入デバイス1940は、孔1904の付加と共に、本明細書に記載する膣挿入デバイスのいずれかの特徴のいずれか又は全てを有することができる。
【0164】
膣挿入デバイス1940は、本明細書で説明されているように、円錐形状本体1902を含むことができる。下部1944は、本体1902の下端に結合することができる。膣内挿入デバイス1940の上部1942は、開放型の上端1954を有することができる。代わりに、上端は閉鎖型とすることができる。上部1942及び/又は下部1944は、複数の隆起部1948を含むことができる。複数の隆起部1948は、何列にも配置することができる。孔1904は、上部1942の周りで周方向に何列にも配置することができる。例えば、
図19Bには列1904a及び1904bが示されている。孔1904の列は、2つの隣接する隆起部1948の間に位置することができる。例えば、孔1904の列1904bは、隆起部1948aと隆起部1948bの間に位置することができる。下部1944は、平坦体とすることができる。下部1944は、上部1942の下面から下方に延びることができる。下部1944及びその上の隆起部1948は、膣挿入デバイス1940の挿入及び取り外しを容易にすることができる。
【0165】
図19Fを参照すると、膣挿入デバイス1940の穿孔された実施形態の斜視図が示されている。
図19Aは、膣内挿入デバイス1940の上面図である。上部1942の頂部の外径は、37.75mmと38.25mmとの間とすることができる。膣挿入デバイス1940の高さ1903は、57.15mmと57.65mmとの間とすることができる。孔1904は、膣挿入デバイス1940の壁1949を貫通して(例えば、外面から内面を通って)延びることができる。一部の例では、孔1904は、膣挿入デバイス1940の壁1949を部分的にのみ貫通して(例えば、外面を貫通して、内面を貫通して、又はそれらの組み合わせで)延びることができる。例えば、外面は内面よりも孔が多い場合があり、又はその逆の場合もある。
図19Cは、
図19Aの線A-Aに沿う膣内挿入デバイス1940の断面である。
図19Cに示されるように、孔1904は、膣挿入デバイス1940の壁を貫通しているので、膣挿入デバイス1940の内部及び外部に開放される。別の実施形態では、孔1904は、内部で密封することができ、外部だけが開放される。このようにして、あらゆる医薬品は、デバイスの内部に漏れることが抑制され、デバイスの外面を通って膣内組織に出て行くことだけが可能である。さらに別の実施形態では、デバイスの内面及び外面にシールを設けることができ、デバイスの外面上のシールは、本明細書に開示する、さもなければ本技術分野で知られるシールのいずれかを使用して、溶解性とすることができる。孔1904の配置、数量、及び/又はサイズは、図示のものと異なる場合がある。医薬品及び/又は医薬品を送達する標的領域に応じて、孔の配置、数量及び/又はサイズは、例えば、組織の特定領域を標的とするように構成及び/又は配置することができる。
【0166】
図19B及び19Eは、それぞれ、膣挿入デバイスの正面図と側面図である。下部1944は、それに下向きの圧力を加えると、膣挿入デバイスの取り外しを容易にすることができる。下部1944は、本明細書に記載するように、リブ付きである、つまり取り外しのために膣挿入デバイスを掴みやすくする隆起部を有することができる。隆起部は、2.25mmと2.75mmとの間の間隔で配置することができる。
図19Dは、
図19Bの線19D-19Dに沿う下部1944の断面図である。下部1944は、長さが10.75mmと11.25mmとの間、幅が6.75mmと7.25mmとの間、厚さが4.25mmと4.75mmとの間とすることができる。上記は例示的な寸法であるが、本明細書に記載し図示する他の様々な構成で説明し示すように、本明細書では他の寸法も想定されている。
【0167】
図20Aから20Fは、孔のない膣挿入デバイス2040の別の実施形態を示す。膣挿入デバイス2040は、孔1904(
図19A)を含まない以外は膣挿入デバイス1940と同じとすることができる。膣挿入デバイス2040を用いて、膣組織に医薬品及び/又は局所トリートメントを投与することができる。この機能は、単独で、及び/又は本開示に記載する他の機能と組み合わせて提供することができる。医薬品は、デバイスの材料自体に包含する及び/又は混合すること、医薬品による被覆又は浸漬などによってデバイスの表面に付与すること、デバイスの壁、リム又は先端など、デバイス内の空洞又はポケットに配置すること、及び/又は医薬が空洞からデバイス壁の孔を通って組織と接触することのできるデバイス内の空洞又はポケットに配置することができる。
【0168】
膣挿入デバイス2040は、本明細書で説明されているように、円錐形状本体2002を含むことができる。下部2044は、本体2002の下端に結合することができる。膣内挿入デバイス2040の上部2042は、開放型の上端2054を有することができる。代わりに、上端は閉鎖型とすることができる。上部2042及び/又は下部2044は、複数の隆起部2048を含むことができる。複数の隆起部2048は、何列にも配置することができる。下部2044は、平坦体とすることができる。下部2044は、上部2042の下面から下方に延びることができる。下部2044及びその上の隆起部2048は、膣挿入デバイス2040の挿入及び取り外しを容易にすることができる。
【0169】
本体2002、下部2044、上部2042、隆起部2048のいずれか、又はそれらのいずれかの組み合わせは、本明細書に記載するような医薬品又は物質を含浸する、塗布する、被覆する、又は別の方法で供給することができる。
【0170】
図20Aから20Fに示す構成では、上部のリムは、直径が43.75mmと44.25mmとの間とすることができる。膣挿入デバイス2040は、長さが58.52mmと59.02mmとの間とすることができる。下部は、長さが12.40mmと12.90mmとの間、幅が6.40mmと6.80mmとの間、厚さが4.93mmと5.43mmとの間とすることができる。また、下部は、2.63mmと3.13mmとの間の間隔で配置された隆起部を含むことができる。
【0171】
図19Aから19F及び
図20Aから20Fには示されないが、
図16A、16B及び17に関して説明したような空間又は空洞が、内面と外面の間に存在することができる。空間又は空洞のサイズ、長さ及び/又は幅は、様々とすることができる。その空間は、薬用物質又は軟膏、局所用又は薬用物質を含むこと、或いは薬用軟膏又は物質で充填されるように構成することができる。薬用軟膏又は物質は、例えば、壁の孔を通ることも含めて、デバイスの壁を通って膣内壁に吸収される又は浸透することができる。別の実施形態では、膣挿入デバイスに対する膣内壁からの圧力は、物質が経時的に排出されるようにすることができる。
【0172】
図19Aから19F及び
図20Aから20Fに示す寸法は、単なる例示目的である。他の寸法が想定され、これらの寸法は本出願の範囲を限定しない。
【0173】
図19Aから19F及び
図20Aから20Fに示し説明するデバイス並びに本明細書に記載する他のデバイスは、浸漬又は噴霧によって医薬品で被覆することができる。本デバイスは、例えば、疼痛緩和のために高温になる又は低温になるように構成及び/又は製造することができる。デバイスは、内部中空部に医薬品を含むことができる。医薬品は、液体射出成形プロセス中に付与されるシリコーン中の持続放出型の医薬品を含むことができる。デバイスは、1又は2以上の種類の医薬品を含むことができる。1又は2以上の医薬品は、デバイスの孔、表面、空洞、円錐体内部、及び/又はそれらの位置の組み合わせに配置された医薬品を含むことができる。
【0174】
図21A及び21Bを参照すると、例示的な膣挿入デバイス2140のさらなる詳細が示されている。膣挿入デバイス2140は、本体2100を含むことができる。本体2100は、上部2142及び下部2144を含む。上部2142は、円錐形状及び/又はカップ形状とすることができる。上部2142は、膣液及び/又は分泌物の検体を集めるために、上部2142の壁の中が概ね中空である(例えば、上部2142の内面600が中空内部2152を提供する
図21Bを参照されたい)。上部2142は、第1直径D
1を有することができ、これは第2直径D
2まで減少する。直径の減少は、緩やかとすることができる。上部2142は、変化する直径を含むことができる。本明細書では円錐形状として説明するが、上部2142の他の形状も想定される。そのような他の形状には、第1直径が膣内壁又は臓器壁に圧力を加えるように構成され、第2直径が第1直径よりも小さくて、膣内壁と相互作用しないように構成されるような、変化する直径を含めることができる。そのような形状には、台形、球形、円柱、立方体、ピラミッド形、六角柱などを含めることができる。
【0175】
上部2142は、リム2146を含むことができる。リム2146は、上部2142から突出することができる。リム2146は、円形とすることができ、本体2100の外側を取り囲み、そこから突出することができる。リム2146は、開放された上端2154に隣接することができる。リム2146は、高さ、位置、及び/又は幅が調整可能とすることができる。リム2146は、治療作用及び/又は保管のために伸縮することができる。リム2146は、1つの部品から、或いは2以上の部品から作製することができる。リム2146は、1つの材料から、2以上の材料から、又は材料の組み合わせから作製することができる。リム2146は、その1つの領域で、別の領域よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。例えば、一部分(例えば、本デバイスの断面の半分)における密度、厚さ、材料、付属物、突出部などのいずれかによって、リム2146に重みを付けることができる。この部分(例えば、
図21Bの部分2170を参照)は、リム2146の残部(例えば、
図21Bの残部2172を参照)よりも大きな圧力を加えるように構成することができる。リム2146の残部は、デバイス2140の残部と同様に(例えば、同じ材料、密度、厚さなどで)構成することができる。解剖学的構造、失禁の種類、及び/又は脱出に基づいて、膣道内の異なる位置に圧力を掛けるために、リム2146を傾斜させる、不均等にする、又は角度付けすることができる。
【0176】
上部2142は、1又は2以上の隆起部2148を含むことができる。1又は2以上の隆起部2148は、上部2142の外面に沿って間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部2148は、上部2142と下部2144の接合部2162からリム2146まで間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部2148は、上部2142の外面に沿って均等に及び/又はランダムに間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部2148は、液体、気体、潤滑剤、及び/又は医薬品が通り抜けできるように半透過性とすることができる。隆起部2148は、本体2100の外側を取り囲む円形リングとすることができる。代わりに、隆起部2148は、スタッド、ノブ、ボタン、単語、数字、記号、ロゴ、多角形、三角形、分離したスタッド、ランダムに分離したスタッド、均一に離間したスタッド、又は正方形、或いはそれらの組み合わせを含めた他の形状などの、本体2100から延びるいずれかの突出部を含むことができる。隆起部2148は、デバイス2140(上部2142及び/又は下部2144のいずれか)の上に螺旋状に、斜めに、長手方向に、又は放射状に配置することができる。隆起部2148は、上部2142及び下部2144上で同じとすること又は異なることができる。
【0177】
上部2142は、接合部2162から上端2154まで延びることができる。一実施形態によれば、上端2154は、膣液及び/又は分泌物の検体を集めるために開放されている。上端2154は、本体2100と同じ又は類似の材料で形成することができる。別の実施形態によれば、デバイス2140の本体2100の外側に沿って分泌物又は組織の検体を集めるために、上端2154は閉鎖されることができる(図示せず)。
【0178】
上部2142は、その長さ全体に亘って円形の横断面を有することができる。円形の横断面は、上端2105(D1)から接合部2162(D2)まで直径を減少させることができる。直径の減少は、上部2142の内径の減少、上部2142の外径の減少、又はそれらの組み合わせとすることができる。上部2142の周囲長は、上端2154から接合部2162まで減少することができる。
【0179】
下部2144は、ステム、取り外し部、及び/又は挿入部とすることができる。下部2144は、膣挿入デバイス2140の挿入、取り外し、及び/又は位置決めを助けることができる。下部2144は、円錐形状又はカップ形状とすることができる。下部2144は、D2から第2直径D3まで直径を増加させることができる。下部2144は、下端2164を含むことができる。下端2164は、デバイス2140内に膣液及び/又は分泌物の検体を集めるために閉鎖されることができる。すなわち、端部2164を閉鎖する表面及び/又は壁が存在する。下部2144は、その壁の中が中空又は中実とすることができる。
【0180】
下部2144は、1又は2以上の隆起部2148を含むことができる。1又は2以上の隆起部2148は、下部2144の外面に沿って間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部2148は、上部2142と下部2144の接合部2162から下部2144の下端2164まで間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部2148は、下部2144の外面に沿って均等に及び/又はランダムに間隔を空けて配置することができる。1又は2以上の隆起部2148は、液体、気体、潤滑剤、及び/又は医薬品が通り抜けできるように半透過性とすることができる。1又は2以上の隆起部2148は、上部2142の1又は2以上の隆起部2148と同じとすること又は類似することができる。
【0181】
上部2142と下部2144は、単一の材料で形成された一体型の一体部品デバイスとして製作することができる。下端2164は、上部2142及び下部2144と一体であるとすることができる。例えば、上部2142、下部2144、及び/又は下端2164は、医療グレードのシリコーンで形成することができる。上部2142、下部2144、及び/又は下端2164は、医療グレードのシリコーンの単一の一体型デバイスとして射出成形することができる。代わりに、上部2142、下部2144、及び/又は下端2164は、治療、処置、又は殺菌を目的に、取り付け及び/又は取り外し、或いは伸縮が可能な2以上の部品及び/又は2以上の材料から作製することができる。上部2142と下部2144は、恒久的に又は取り外し可能に連結させることができる。
【0182】
膣挿入デバイス2140は、解剖学的構造が異なる女性、解剖学的構造が変化又は変動する女性に適応するため、本デバイスの異なる使用及び/又は本デバイスを使用しながら行う異なる活動に適応するために、異なるサイズ、密度、形状、耐久性及び/又は異なるデュロメータ硬さで提供することができる。さらに、デバイス2140の様々な区画及び部分の寸法は、本明細書に図示し開示した複数の実施形態から変更することができる。例えば、デバイス2140の全高(例えば、
図21Bの高さ2174)、上部2142の上端2154における直径(例えば、
図21Bの直径D
1)、上部2142と下部2144との間の接合部2162における直径(例えば、
図21Bの直径D
2)、デバイス2140の上部2142の壁2149の厚さ(例えば、壁2149の外面602と内面600との間の厚さ)、デバイス2140の下部44の壁2160の厚さ、下端2164の直径(例えば、
図21Bの直径D
3)、及び/又は下部2144の高さ(例えば、
図21Bの高さ2180)は、変更することができる。寸法に加えられた変更は、それでもなお、本デバイスの意図する有用性、有効性、及び他の利益を保持することができ、又はそれらを向上させることができる。寸法は、いずれかの組み合わせで又は個別的に変更することができる。
【0183】
一実施形態によれば、膣挿入デバイス2140は、上部2142の中空内部2152の中に膣液、分泌物、血液などを集めることができる。また、膣挿入デバイスは、下部2144の中空内部2166の中に膣液、分泌物、血液などを集めることができる。デバイス2140は、診断のために膣液を区分けする目的を果たすことのできる内部リブ状特徴部を含むことができる。例えば、不正出血が生じている場合、この膣挿入体は、血液又は体液がどの空洞又は区画に集められるかに基づいて、使用者が目に見えない発生源を決定するのを助けることができる。
【0184】
さらに別の実施形態では、膣挿入デバイス2140を用いて、膣液、血液、分泌物などを集めることができ、その後、集められた体液を検出及び/又は診断のために使用することができる。膣挿入デバイス2140はさらに、膣液及び/又は組織の特性、状態、つまり健康状態を検出できるセンサを備えることができる。センサは、試薬、インジケータストリップ、電気式センサ、受容体などとすることができる。例えば、センサは、pH値、細菌又は微生物の存在、ビタミンレベル、排卵などの特性を検出することができる。この特性は、使用者に伝達することができる。一部の例では、特性及び/又は診断は、例えば、アプリケーション又は医療提供者システムなどの外部監視デバイスに提供される。一部の例では、デバイス2140は、特性の視覚表示(例えば、色の変化など)を提供する。センサは、(i)デバイス2140内に位置すること、及び/又は(ii)デバイス2140が集めた液体及び/又は分泌物を中に放出することのできる別のデバイス又は容器を備えることができる。代替的に又は追加的に、デバイス2140が集めた液体及び/又は分泌物は、保存して医療提供者に提供すること又は使用者が検査することができる。外部ハードウェアは、膣液及び/又は分泌物を検査するために使用することができる。例えば、インジケータストリップ(複数可)及び/又はナノテクノロジは、例えば感染症及び/又は平衡異常の可能性を示すことによって、診断及び/又は治療の目的で使用することができる。
【0185】
例えば、
図21Bの実施形態に示されるように、デバイス2140は、上部2142の中空内部2152の中にインジケータストリップ150を含む。このインジケータストリップ150は、特定の検出された疾患状態及び/又は医学的状態に関する視覚指標を提供する、いずれかの形態の検出及び/又は診断ストリップとすることができる。例えば、膣のpH値が標準から外れている場合、インジケータストリップ150の一部にカラーインジケータが現われる場合がある。或いは、細菌が膣内に存在する場合、インジケータストリップ150は細菌に反応して、細菌が存在するという視覚指標を提供することができる。一実施形態によれば、使用者は、デバイス40を膣から取り外すことによって、インジケータストリップ150の結果を見ることができる。インジケータストリップ150は、センサ又は他の診断デバイスとすることができる。代わりに、インジケータストリップ150(又は別のタイプの診断デバイス)は、別個のデバイス及び/又は容器(例えば、
図23の容器2300を参照)を備えることができ、その中にデバイス2140が集めた液体及び/又は分泌物を放出して、このような液体及び/又は分泌物を検査することができる。例えば、
図23に示すように、膣挿入デバイス2140、別個のデバイス及び/又は容器2300、及びインジケータストリップ150をキット2400として一緒に提供することができる。インジケータストリップ150は、膣挿入デバイス2140の内部空間内に位置する別個のデバイスとして示してあるが、他の形態をとることができる。例えば、インジケータストリップ150は、膣挿入デバイス2140の壁の中に、1又は2以上の孔の中に、1又は2以上の隆起部の中に埋め込むことができ、さらにインジケータストリップ150は、材料自体で形成することなどとすること、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0186】
さらに別の実施形態では、膣挿入デバイス2140は、挿入された場合に膣のpH値又は細菌の存在に応答することのできるマイクロチップ2163(
図21B)を含む(又は代替的に含む)こともできる。一部の実施形態では、マイクロチップ2163は、マイクロチップ2163からの出力を評価することのできるコンピュータプログラム又はアプリケーションと通信することができる。例えば、膣のpH値又は細菌の存在をプログラム又はアプリケーションに送信することができる。プログラム又はアプリケーションは、マイクロチップ2163からの出力を評価し、その情報をコンピュータ、携帯電話又はタブレット、アプリケーション、又は他のプログラムに提供することができ、それらは、その情報を使用者又は医療提供者と共有すること、又はその情報を評価して症状を緩和する又は状態を治療するために取られる潜在的な診断又は治療手段を決定することができる。代わりに、マイクロチップ2163(又は別のタイプの感知デバイス)は、別個のデバイス及び/又は容器(例えば、
図23の容器2300を参照)を備えることができ、その中にデバイス2140が集めた液体及び/又は分泌物を放出して、このような液体及び/又は分泌物を検査することができる。例えば、
図23に示すように、膣挿入デバイス2140、別個のデバイス及び/又は容器2300、及びマイクロチップ(図示せず)をキット2400として一緒に提供することができる。
【0187】
一実施形態によれば、インジケータストリップ150及び/又はマイクロチップ2163は、例えば、ホルモンレベル(妊娠に関するものを含む)、排卵レベル、pHレベル、体温、骨盤底又は筋肉の強度、及び/又は健康上の利益に関する早期検出要素を判定することなど、さらなる診断能力を提供することができる。また、インジケータストリップ150及び/又はマイクロチップ2163は、例えば、クラミジア、淋病、HIV、梅毒、肝炎、ヒトパピローマウイルス(HPV)、性器ヘルペス、トリコモナス症、ガードネレラ、マイコプラズマ、及び/又はウレアプラズマなど、様々なSTDの検出に関する検出及び/又は診断能力を提供することができる。また、インジケータストリップ150及び/又はマイクロチップ2163は、例えば、カンジダ症又は性的に感染しない他の感染症、異常細胞、間質性膀胱炎、間質性膀胱炎の管理支援、及び/又は膣液、分泌物及び/又は組織検体(例えば、子宮頚部組織)によって示される可能性のある何らかの他の異常を含む、他の様々な疾患及び/又は医学的状態の検出に関する、検出及び/又は診断能力を提供することができる。
【0188】
一実施形態では、インジケータストリップ150及び/又はマイクロチップ2163は、デバイス2140の内部に着脱自在とすること又は固定することができる。
図21Bの実施形態に示されるように、インジケータストリップ150は、何らかの集められた体液及び/又は分泌物と接触するように、デバイス2140の上部2142の底部付近に設けられる。膣挿入デバイス2140の底部内部付近に示されているが、インジケータストリップ150は、デバイス2140の内面600の一部又は全部に沿って、外面602の一部又は全部に沿って、上部付近に、リム付近に、1又は2以上の隆起部の中に、リブ(例えば
図13Aのリブ380)の中に、膣壁と接触するデバイスの一部に、又はそれらのいずれかの組み合わせで位置決めすることができる。インジケータストリップ150は、膣組織、膣液、集められた検体(例えば、集められれた体液又は組織)及び/又は分泌物と接触することになる場所であればどこにでも配置することができる。
図21Bの実施形態に示されるように、マイクロチップ2163は、デバイス2140の内面600の1つに沿って設けられる。しかしながら、インジケータストリップ150と同様に、マイクロチップ2163は代替的に、上部2142の底部に、又はマイクロチップ2163が集められた体液及び/又は分泌物と接触することになる場所であればどこにでも設けることができる。代わりに、上述のように、インジケータストリップ150及び/又はマイクロチップ2163(又は別のタイプの診断及び/又は感知デバイス)は、別個のデバイス及び/又は容器(例えば、
図23の容器2300を参照)を備えることができ、その中にデバイス2140が集めた液体及び/又は分泌物を放出して、このような液体及び/又は分泌物を検査することができる。例えば、
図23に示されるように、膣挿入デバイス2140、別個のデバイス及び/又は容器2300、及びインジケータストリップ150及び/又はマイクロチップ2163(図示せず)をキット2400として一緒に使用者へ提供することができる。
【0189】
本開示の別の態様では、膣挿入デバイスは、
図22に示されるように、デバイス2240の少なくとも1つの表面上に沿ってテクスチャ2200を含むことができる。テクスチャ2200は、デバイス2240を挿入する及び/又は取り外す時に、膣壁からの組織及び/又は体液検体(例えば、子宮頸部組織)の採取を可能にすることができる。例えば、デバイス2240は、テクスチャ付き表面を含むことができる、及び/又は、デバイス2240は、テクスチャ2200をデバイス2240の外面に提供するために物質の中に浸漬する及び/又はそれによって被覆することができる。テクスチャ2200は、本明細書に記載するように、医薬品(複数可)、組成物(複数可)、試薬(複数可)、製剤(複数可)、及び/又は物質(複数可)とすることができる。例えば、テクスチャ2200は、医薬品を放出する及び/又は膣分泌物を吸収することができる。一部の例では、テクスチャ2200は、本明細書に記載するように、反応する、診断する、及び/又は指標を提供する試薬を含むことができる。テクスチャ2200は、1又は2以上の異なる種類のテクスチャを備えることができる。一実施形態では、テクスチャ2200は、デバイス2240の上部2242にのみ設けられる。別の実施形態では、テクスチャ2200は、デバイス2240の上部2242と下部2244の両方に設けられる。これらの実施形態では、デバイスは中空であるか又は中空ではない場合がある。デバイス2240は、デバイス2140と同じ方法で内部体液を採取することができる。一部の例では、デバイス2240は、
図22の実施形態のように、中実(すなわち、中空ではない)とすることができ、テクスチャ2200は、デバイス2240の上面2202に沿って設けることもできる。さらに、これらの実施形態では、デバイスの壁は、透過性とすること又は非透過性とすることができる。本デバイスは、本明細書に記載するような、滑らかな内面及び/又はリブ付き又はテクスチャ付きの外面を有することができる。一実施形態によれば、テクスチャ2200は、デバイス本体2240の外側の少なくとも一部に沿って隆起部2248と組み合わせて設けられる。代わりに、テクスチャ2200は、隆起部2248を含むことなく、デバイス2240の本体外側の少なくとも一部に沿って設けることができる、又はその逆も可能である。例えば、
図22の実施形態に示すように、隆起部2248及びテクスチャ2200の両方がデバイス2240の上部2242に沿って設けられるが、隆起部2248のみがデバイス2240の下部2244に沿って設けられる。
【0190】
図21A、21B、及び22の膣挿入デバイスは、
図16A、16B及び17に関して説明したような1又は2以上の空洞を含むことができる。
図21A、21B及び22に示し説明するデバイス並びに本明細書に記載する他のデバイスは、浸漬又は噴霧によって医薬品で被覆することができる。本デバイスは、例えば、疼痛緩和のために高温になる又は低温になるように構成及び/又は製造することができる。デバイスは、内部中空部に医薬品を含むことができる。医薬品は、液体射出成形プロセス中に付与されるシリコーン中の持続放出型の医薬品を含めることができる。デバイスは、1又は2以上の種類の医薬品を含むことができる。1又は2以上の医薬品は、デバイスの孔、表面、空洞、円錐体内部、及び/又はそれらの位置の組み合わせに配置された医薬品を含むことができる。
【0191】
本開示の膣挿入デバイスは、膣分泌物の採取を可能にすることができる。例えば、インジケータストリップ(例えば、150)を膣挿入デバイスの内部及び/又は膣挿入デバイスの外面上及び/又は別個の基部上に設置することができる。別個の基部上に設置する場合には、膣挿入デバイスをひっくり返してその別個の基部上に上下逆さまに(例えば、開放された上端が別個の基部上のインジケータストリップに接触する状態で)配置することができる。採取された検体/分泌物は、別個の基部に移される、及び/又はインジケータストリップで検出することができる。次に、このインジケータストリップ及び/又は別個の基部は、異常、性感染症、細菌性膣炎、カンジダ症、尿路感染症など、又はそれらのいずれかの組み合わせを検出又は指摘することができる。
【0192】
本開示の膣挿入デバイスは、例えば、デバイス上又はデバイス内及び/又は別個の基部上のインジケータストリップを用いて、月経周期に由来する血液を採取し、それに対する診断を行うことができる。月経液を含めて組織及び/又は体液検体を採取する場合、膣挿入デバイスは、膣内壁とのシールを形成することなく、検体を採取することができる。この場合、月経液が膣挿入デバイスの側面を通り過ぎて漏れる可能性があるので、使用者は、例えばライナなどの付加的な月経収集体を着用することができる。
【0193】
本開示の膣挿入デバイスは、使用者に疼痛管理(例えば、産後、月経前又は月経中、又は他の膣の痛み)を提供することができる。例えば、膣挿入デバイスは、内部に(例えば、本明細書に記載するような空洞内に)ゲルを有する中空デバイスとすることができる。その場合、膣挿入デバイスを挿入前に冷却又は冷凍することができる(例えば、冷凍庫又は冷蔵庫に入れることによって)。冷却又は冷凍されたゲルは、挿入する際に使用者に疼痛緩和をもたらすことができる。追加的に又は代替的に、痛み止めの被覆を膣挿入デバイス上に設けること、及び/又は、本開示による放出に対する鎮痛剤を提供することができる。
【0194】
本開示の膣挿入デバイスは、使用者体内の臓器を移動させることができる。一部の例では、膣挿入デバイスを挿入し、その際に陰核刺激が加わる場合、膣挿入デバイスは、陰核刺激と協働して、骨盤底筋を強化する、組織の弛緩、皮膚の弛緩を改善する、膣の健康状態を若返らせる、乾燥状態を改善する、性機能を改善する、自然潤滑を高めることなどを行うことができる。
【0195】
本開示の膣挿入デバイスは、尿道に対する膨張性薬剤及び/又は筋移植を受けた患者のための治療選択肢として提供することができる。
【0196】
本開示の膣挿入デバイスは、使用者に挿入された時に組織の変化を感知又は検出できる光源を含むことができる。本開示の膣挿入デバイスは、本明細書に記載する診断システムを採用して、月経周期の現在の進行過程(例えば、月経期、卵胞期、排卵期、及び/又は黄体期)を判定し、それを使用者に助言すること、及び/又は排卵を指摘すること、及び/又は妊娠を指摘すること、及び/又は受胎能を判定することができる。
【0197】
本開示の膣挿入デバイスは、本明細書に記載するように、ナノテクノロジ、センサ、温度センサ、診断機会を含むことができ、それらは、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、及び/又はコンピュータなど)と通信する又は通信可能とすることができる。
【0198】
本開示の一態様では、膣挿入デバイスは、カンジダ症薬と共に使用することができる。例えば、一実施形態では、膣挿入デバイスをカンジダ症薬に浸漬する、又は膣挿入デバイスにカンジダ症薬を噴霧することができる。好ましくは、カンジダ症薬は、組織と接触するデバイスの少なくとも外面を覆うことになる。別の実施形態では、カンジダ症薬を膣挿入デバイスに注入することができる。カンジダ症薬に浸漬されたデバイスは、12時間でカンジダ症を解消する特性を有することができる。別の実施形態では、カンジダ症薬は、より長い又はより短い時間でカンジダ症又はその症状を治療する又は解消することができる。本デバイスは、液体、粉末、又はゲルの形態であるカンジダ症薬に浸漬することができる。好ましい実施形態では、カンジダ症薬などの軟膏又は医薬品は、デバイス上に噴霧すること又はデバイス内に注入すること、或いは膣挿入デバイスをその中に浸漬することができるクリームとすることができる。
【0199】
一部の実施形態では、膣挿入デバイスの頂部は、シールすることができる。これらの実施形態では、デバイスを膣に挿入した時に、シールは溶解することができる。孔を有する実施形態では、付加的に又は代替的に、デバイスを膣に挿入した時に溶解するシールを孔の周りに有することができる。シールは、液体、熱、及び/又は膣内で自然に生じ得る他の物質に反応して溶解することができる。シールは、挿入中にカンジダ症薬がデバイスから漏れるのを抑制することができる。カンジダ症薬は、デバイス上で乾燥又は凝固することができる、或いはデバイスを浸漬した後も、液体、粉末、又はゲルの形態に留まることができる。一部の実施形態では、デバイスは複数の物質に浸漬することができ、物質は異なる局所特性又は薬効特性を有することができ、或いは、1つの物質は局所用物質又は薬用物質の乾燥、凝固、又は維持を助けるために用いることができる。
【0200】
本明細書に記載される膣挿入デバイスは、挿入のために圧潰可能であり、所定の位置に位置決めされると展開可能である。膣挿入デバイスは、使用時に臓器又は脱出部を支持するように構成されるか又はそのように構成されない場合もある。例えば、膣挿入デバイスは、尿失禁と関係する症状を改善するために圧力を掛けることができるが、別の実施形態では、単に薬用物質を投与するためのデバイスとすることができる。
【0201】
上述のように、物質は局所的に有利な特性を有すること、又は膣組織に適用又は吸収された場合に薬効的に有利な特性を提供することができる。例えば、物質は、性感染症、カンジダ症、及び/又はウイルス又は細菌感染症の症状を治療又は軽減するように意図された医薬品を含むことができる。また、物質は、疼痛に対する局所麻酔などの後産医薬品を含むことができる。一部の実施形態では、物質は、受胎調節、ホルモン補充療法、及び/又は癌薬物治療を提供することができる。物質は、処方された治療薬又は市販の治療薬とすること、或いは精油又は生薬を含むことができる。また、物質は、不快感を和らげるために、或いは物質中の他の薬効因子の吸収又は有効性を促進するために、加熱剤又は冷却剤を含むことができる。本デバイスと共に使用される物質は、本明細書に開示される物質、或いは他の公知の薬用又は局所用物質のいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0202】
膣挿入デバイスを用いて、膣液、血液、分泌物などを採取することができる。採取された体液は、検出又は診断のために使用することができる。膣挿入デバイスはさらに、pH値或いは細菌又は微生物の存在など、膣液の特性を検出できるセンサを備えることができ、これらの特性は外部監視デバイスに伝達することができる。例えば、アプリケーション又は医療提供者システムである。これは、デバイス内に設置された受容体で行うことができ、或いは、デバイスが採取した液体又は分泌物は、保存して医療提供者に提供すること又は使用者が検査することができる。外部ハードウェアを用いて、膣液を検査することができる。例えば、インジケータストリップは、感染症又は平衡異常の可能性を指摘することができる。例えば、膣のpH値が標準から外れている場合、デバイスのストリップ上にカラーインジケータが現われる場合がある。或いは、細菌が膣内に存在する場合、インジケータストリップは細菌に反応して、細菌が存在するという視覚指標を提供することができる。さらに別の実施形態では、膣挿入デバイスは、挿入された場合に膣のpH値又は細菌の存在に応答することのできるマイクロチップ(
図21B)を含むことができる。一部の実施形態では、マイクロチップは、マイクロチップからの出力を評価することのできるコンピュータプログラム又はアプリケーションと通信することができる。例えば、膣のpH値又は細菌の存在をプログラム又はアプリケーションに送信することができる。プログラム又はアプリケーションは、マイクロチップからの出力を評価し、その情報をコンピュータ又はプログラムに提供することができ、それらは、その情報を使用者又は医療提供者と共有すること、又はその情報を評価して症状を緩和する又は状態を治療するために取られる潜在的な診断又は治療手段を決定することができる。
【0203】
本開示の膣挿入デバイスは、尿失禁、便失禁、POP、又はPOPと尿失禁及び/又は便失禁、並びにそれらの組み合わせを含む、女性の失禁を管理、改善、予防、治療、及び/又は解消することができる。膣挿入デバイスは、処方箋を必要としない場合がある(但し、薬剤又はホルモン送達のために又は診断補助の指標としては必要とする)。膣挿入デバイスは、非埋込式で(但し、埋込式の場合もある)、非吸収性で、店頭で買え、便利で、柔軟で、快適で、並びに使用者による挿入及び取り外しが容易で、医師の介入が全くないか又は最小限であるとすることができる。一部の実施態様では、このような膣挿入デバイスは再使用可能とすることができる。代替的に又は追加的に、膣挿入デバイスは、使い捨てとすることができる。膣挿入デバイスは、細菌を繁殖させ、感染症を引き起こし、及び/又は臭気を生み出す可能性のある吸収性要素から構成されないことにより、毒素性ショック症候群(TSS)の懸念を解消することができる。
【0204】
本開示の膣挿入デバイスは、臓器の移動又はさらなる移動を予防し、臓器を所定の位置に保持することができる。リム、本体(例えば、円錐形状)、隆起部、及び/又はリブ、又はそれらの組み合わせが協働して、尿道括約筋、膀胱頸部、又は腸に圧力を掛け、臓器の変位を防ぐことができる。本明細書に記載される膣挿入デバイスは、尿道括約筋、膀胱頸部、又は腸に圧力を掛けることができる。本デバイスは、使用者が快適に装着できるように、調整可能とすることができる。本デバイスは、ステムの移動で調整することができる。経時的に、本デバイスが所定位置にあることで、例えば、ランニング、ウォーキング、ジャンピングジャックなどの間に、使用者が活動している時に、さらなる脱出の確率を低減することができる。
【0205】
一実施形態によれば、本開示は、使用者の膣壁の所定位置に圧力又は力を加える方法を提供し、この方法は、使用者の膣に膣挿入デバイスを挿入するステップと、膣挿入デバイスの力又は圧力付与部を配向して、力又は圧力付与部を使用者の膣壁の所定位置と位置合わせする又は隣接するようにするステップと、を含む。特定の実施形態では、膣壁の所定位置は、尿道括約筋、膀胱頸部、又は腸の近位にある。一部の実施形態では、膣壁の所定位置に圧力又は力を加えることで、使用者に骨盤臓器の支持を提供する。特定の実施形態では、膣挿入デバイスは、本明細書に記載するような1つのリブ、或いは1又は2以上のリブ区画又は部材を含み、膣挿入デバイスの力又は圧力付与部は、リブ或いは1又は2以上のリブ区画又は部材がデバイスの内壁に接合する位置(複数可)に対応する。一部の実施形態では、膣挿入デバイスは、リム(例えば、本明細書に記載するように、平面視で円形のリム)を含み、膣挿入デバイスの力又は圧力付与部は、リムの他の部分よりも大きな圧力又は力を付与するリムの1又は2以上の部分に対応する。一実施形態では、膣挿入デバイスは、本明細書に記載するように、膣挿入デバイスの力又は圧力付与部と整列するステムを含む。特定の実施態様では、本デバイスの力又は圧力付与部を配向するステップは、例えばステムを回転させるなどの、デバイスを回転させるステップを含む。一実施形態では、本開示の膣挿入デバイスは、デバイスを骨盤底と整列させる構成要素又は特徴部を含むことができる、又はデバイス自体が骨盤底を整列させることができる。
【0206】
本開示のデバイスは、例えば尿失禁を軽減又は解消するために膣に挿入されるものとして説明及び図示されるが、便失禁及び/又は排泄物の不随意な漏れを治療するために使用することもできる。本開示の膣挿入デバイスは、膣内に入れて、デバイスが腸壁又は結腸壁に圧力を掛けるようにすることができる。本デバイスは、回転させて、先に説明したように腸壁又は結腸壁への圧力を調整することができる。膣挿入デバイスにリブが含まれる場合、このリブは、直腸壁及び/又は腸壁又は結腸壁に圧力を与えて、便失禁を効果的に管理、治療、予防及び/又は解消することができる。従って、膣挿入デバイスは、膣内に入れて直腸に圧力を掛け、便失禁又は直腸脱を予防する又は直腸のさらなる変位を予防することができる。また、本挿入体は、肛門に入れて、便失禁を予防、管理、軽減、治療及び/又は解消することができる。例えば、月経用途、膣液又は分泌物の採取、診断、筋肉の運動又は強化、医薬又はホルモンの送出、膣又は他の臓器又は身体部位の監視など、又はそれらの組み合わせなどの付加的な用途も想定される。
【0207】
本開示の膣挿入デバイスは、複数の機能を有することができる。先に説明したように、本デバイスの主な機能は、(i)尿道括約筋、膀胱頸部、又は腸を支持して失禁を軽減、予防、治療及び/又は解消する、或いは臓器脱を予防する又は脱出した臓器を支持すること、(ii)医薬品又はトリートメントを送出すること、(iii)膣液、分泌物及び/又は組織検体を採取すること、及び/又は(iv)様々な疾患及び/又は医学的状態を検出及び/又は診断すること、とすることができる。さらに、本デバイスは市販のデバイスとすることができるが、本デバイスには、処方又は非処方のホメオパシ治療薬などの医薬品、或いはホルモンレベル、性感染症、カンジダ症、受胎調節、殺精子に関する状態に対処するための物質、並びに細菌、菌の増殖又は疾患の進行を遅らせる抗真菌又は抗感染物質などの利点を備えた他の物質を含浸させることができる。本デバイスは、物質又は医薬品を送り出すことができる。本デバイスは、ホルモン補充療法に提供することができる。そのため、本デバイスは、膣腔への薬物送達、例えば制御された、長期の、又は持続性の放出プロファイルを伴う薬物送達を可能とすることができる。薬物送達は、取り外し可能又は取り付け可能な1又は2以上の材料又は構成要素で作製できる本デバイスの外面又は内面から薬物を放出することで達成することができる。また、本デバイスは、ホルモンレベル、排卵レベル、pHレベル、骨盤底又は筋肉の強度を判定できる、或いは健康上の利益に対する早期検出要素としての着脱可能な又は固定されたインジケータストリップを含むことなどにより、診断能力を含むことができる。本デバイスは、月経周期中又は性行為の後又は前に使用する取り外し可能な構成要素を有することができる。
【0208】
本開示のデバイスは、重り、ペレット、ステンレス鋼ペレット、インジケータストリップ(複数可)、圧力センサ、ナノテクノロジ、又は本明細書に記載する他の付加物など、骨盤底の運動に使用される取り外し可能な構成要素を有することもできる。重りは、追加すること又は取り外すことができ、或いは重み付き材料で作製することができる。例えば、重りは、運動又はケーゲル体操の間に骨盤底筋を運動させること、又は単に一般使用者が一日を過ごす間に、重りが骨盤底筋に対してデバイスを所定の位置に保持するように強制し、これによって筋肉を運動させることができる。付加的な特徴部又は構成要素を本開示の膣挿入デバイスに包含させる場合、それらは、デバイスと一体となるように射出成形(又は他の製造加工)に先立って金型内に配置すること、及び/又はデバイスと一体となるように射出成形(又は他の製造加工)中に材料と一緒に挿入することができる。代わりに、付加的な特徴部又は構成要素は、デバイス、デバイスの壁、構成要素のために特別にデバイス内に形成された窪み又は凹部などへの締結、接着、粘着、接合など、後処理によってデバイスに固定することができる。実施形態は非処方とすることができるが、デバイスの部品又はデバイスの実施形態は、薬物送達用とすること、又は疾患及び状態の診断用の指標手段として使用することができる。
【0209】
本開示の膣挿入デバイスは、診断の視覚指標を提供する材料で形成することができる。例えば、材料は、医学的状態、ビタミンレベル、デバイスの使用回数(例えば、デバイスの寿命を示すため、及び/又はデバイスを変更又は交換する必要性を示すため)に基づいて、及び/又は膣内環境の状態(例えば、pHレベル)又はデバイス自体の状態に基づいて色を変えることができる。一部の例では、デバイスは材料で形成される、材料で被覆される、材料と共に埋め込まれる、などである。材料は、検体と反応して視覚指標を提供する試薬とすることができる。すなわち、使用者はデバイスを取り外し、その色に基づいて、デバイスを洗浄、再充填、交換、及び/又は廃棄する時期であると理解することができる。また、使用者はデバイスを取り外すことができ、デバイスは、使用者が排卵していること、カンジダ症、性感染症、特定のホルモンレベル(例えば、不健康なホルモンレベル)及び/又は感染症など有することを示す診断機能を含むことができる。
【0210】
本開示の膣挿入デバイスには、Bluetooth、Wi-Fi機能、電波、マイクロ波、又は他の技術で通信するチップを埋め込むことができる。従って、使用者は、電話又はタブレットなどのモバイルデバイスで通信することができる。例えば、デバイスは、pHレベル、又はデバイスを洗浄、再充填、交換、及び/又は廃棄する時期であることを使用者が知るための他の使用指標を伝達することができる。デバイスは、行われた骨盤底運動の回数を伝達し、骨盤底の強度を追跡するために使用することができる。デバイスは、膣内環境を伝達し、疾患を診断するために使用することができる。デバイスは、排卵又は尿道括約筋の強度又は骨盤底の強度を監視するために、デバイスモバイル又は他の技術のためのアプリを搭載することができる。デバイスは、Wi-Fiで使用することができる。さらに、運動中にデバイスを装着すれば、デバイスは臓器を所定位置に保持し、ランニングなどの長く激しい持続的な運動によるさらなる脱出を予防することができる。
【0211】
本開示の膣挿入デバイスは、材料を用いて、成形プロセス(例えば、液体射出成形)などによって製作することができる。材料は、弾性がある非吸収性の材料、例えば、医療グレードのシリコーンなどの生体適合性エラストマとすることができる。材料は、例えば医療グレードのシリコーンなど、医療グレードの材料とすることができる。材料は、100%医療グレードのシリコーンとすることができる。本デバイスで使用するのに適したシリコーン材料の例は、液体シリコーンゴムとして特徴付けられるNuSil Technology製MED-4950製品、Momentive製LIM 6030、又はMomentive製LIM 6040とすることができる。別の材料及び形成方法が想定される。例えば、膣挿入デバイスは、100%綿などの綿で形成することができ、何らかのプラスチック、熱可塑プラスチック、ポリマ、エラストマとすることができる。材料は、膣壁に圧力を加えるのに十分な構造を有することができるが、挿入及び取り外し中に折り畳み又は圧縮が可能となるほどに柔軟性を有することができる。膣挿入デバイスは、圧縮成形、押出成形、3D印刷、回転成形、機械加工、鋳造などで製造することができる。デバイスは、1つの材料で作製することができる。しかしながら、一部の実施形態は、複数の部品で、及び/又は、1つの異なる材料から、又は異なる材料の組み合わせから作製することができ、取り外し可能又は取り付け可能になることができる。デバイスは、洗浄、殺菌、薬物の含浸、重り又は指示ストリップ、或いはBluetoothチップ、電波、マイクロ波、又はWi-Fi接続機能などの様々な技術のために、分解して再組立することができる。
【0212】
例示的な実施形態では、本開示の膣挿入デバイスを運動又は他の活動中に使用することができる。例えば、膣挿入デバイスは、ウォーキング、ランニング、筋力トレーニング、循環器系活動、キックボクシング、又は他の高強度活動などに先立って(例えば、5~60分前に)、上述の方法で体内に挿入することができる。膣挿入デバイスは、活動中に骨盤臓器、膀胱、及び/又は直腸を保持又は支持することができる。膣挿入デバイスは、活動中の臓器の脱出又は変位を予防、解消、又は抑制することができる。使用者は、活動を行う前に膣挿入デバイスを体内に挿入することができる。活動は、骨盤臓器、膀胱、及び/又は直腸に応力をもたらすか又は圧力を掛けることができる。本デバイスがない場合、活動と関係する応力又は圧力は、骨盤臓器、膀胱、及び/又は直腸を変位及び/又は脱出させる場合があり、活動中に使用者に不快感をもたらす可能性がある。膣挿入デバイスは、骨盤臓器、膀胱、及び/又は直腸を支持して、活動によって臓器に生じる不快感、応力、又は圧力を打ち消す、支える、抑制する、又は解消することができる。使用者は、活動時のみ、又は座位時(例えば、睡眠、休息、着座など)と活動時の両方で膣挿入デバイスを使用することができる。一実施形態では、使用者は、活動時に1つのサイズのデバイスを使用することができ、その後、活動が鈍い又は座位の時には別サイズのデバイスを使用することができる。例えば、使用者は、活動時により大きなサイズのデバイスを使用することができ、活動が鈍い又は座位の時により小さなサイズのデバイスを使用することができる。
【0213】
本開示の膣挿入デバイスは、膣液、分泌物及び/又は組織検体(例えば、子宮頸部組織)を捕捉又は採取することができる。膣液及び/又は分泌物は、本デバイスによって、採取した検体を別のデバイス(例えば、容器、インジケータストリップなど)の上に放出することによって及び/又は臨床医による除去の後で、評価することができる。膣液及び/又は分泌物を用いて、例えば、性感染症、女性が妊娠又は排卵しているか否か、ホルモンレベル、体温、カンジダ症又は性感染症ではない他の感染症、異常細胞、間質性膀胱炎、間質性膀胱炎の管理支援、及び/又は膣液、分泌物及び/又は組織検体(例えば、子宮頸管組織)で示すことができる何らかの他の異常を含む、様々な疾患及び/又は医学的状態を診断することができる。全ての月経液を集めるように意図された月経カップとは逆に、本デバイスは、診断及び評価のために分泌物の検体を採取することができる。
【0214】
本開示の取り出し部は、取り外し可能、取り付け可能、引っ込み可能、及び伸張可能になりことができる複数の部品、及び1つの材料、2つの材料、又は材料の混合物で作製することができる。ステムは、本デバイスの張力又はサイズを調整するために、回転する及び/又はぴったり収まることができる。ステムを用いて、デバイスの向きを変えることができる。ステム上には、矢印又は付番方式など、デバイスの配置又はデバイスの強度と相互に関連するステムから突出したマーキングが存在する場合がある。インジケータとして、又は乾燥棚と並べて使用するために、ステムには孔が開いている場合がある。膣挿入デバイスは、ステムの回転に伴って圧力を増加又は減少させることができる。膣挿入デバイスは、取り付け可能な及び/又は交換可能な重しを含むことができる。膣挿入体は、排卵、pHレベルなどを判定できるストリップ又は他の付属品を含むことができる。
【0215】
一実施形態では、リムは、他の部分よりも大きな圧力又は力を付与する1又は2以上の部分を含むことができる。より大きな圧力又は力を付与する1又は2以上の部分は、リムの他の部分よりも厚く、より強化され、又は高硬度の材料(例えば、より硬いシリコーン)で構成することができる。より大きな圧力又は力を付与するリムの1又は2以上の部分は、ステムと整列させることができる(本明細書に記載するように、リブ又はリブ区画又は部材をステムと整列させることができるのと全く同様に)ので、使用者は、より大きな圧力又は力を付与するリムの1又は2以上の部分を、尿道括約筋、膀胱頸部、又は腸に近接した位置などの、骨盤臓器支持を提供する膣壁に隣接した位置に配向することができる。
【0216】
本開示の膣挿入デバイスは、その内部に(例えば、リブ区画間又は部材間に)1又は2以上の中空部を含むように本明細書に示してあるが、別の実施形態では、本開示の膣挿入デバイスはそのような中空部を含まないが、例えば、膣挿入デバイスと同じ材料(複数可)(例えば、同じ又は異なる硬度のシリコーン)によって又は1又は2以上の異なる材料(例えば、発泡体又はゲル)によって充填されることにより、中実又は半中実である。中実又は半中実の膣挿入デバイスは、その挿入を容易にするため、本明細書に記載するように、依然として押し潰すこと又は変形させることができ、その場合、挿入後に元の形状を回復することができる。一実施形態では、膣挿入デバイスは、本明細書に記載するような支持を提供するためにリブ区画又は部材に分割することができるリブと、リブ区画の間又は部材の間の中空部内の充填材とを含む。代替実施形態では、膣挿入デバイスはリブを含まず、中空部に充填材を含む。そのような代替実施形態の一部の例では、デバイスは、本明細書に記載するように、他の部分よりも大きな圧力又は力を付与する1又は2以上の部分を有するリムを含む。一実施形態では、上部は、閉じる、覆う、又は他の方法で塞ぐことができるので、デバイスの内部(中空部、中実部、及び/又は半中実部のいずれか)は、挿入時に大気及び/又は膣内部に曝されない。
【0217】
本開示の教示によれば、公知のペッサリに関連する不都合及び問題を実質的に低減又は解消することができる。本発明の原理に従って、利用しやすい解決策が提供される。
【0218】
本開示の教示によれば、公知の検体採取及び/又は疾患検査に関連する不都合及び問題を、実質的に低減又は解消することができる。本発明の原理に従って、利用しやすい解決策が提供される。
【0219】
本明細書に記載する様々なデバイスは、筋肉運動を助ける尿道括約筋注射と共に使用することができる。
【0220】
本開示のこれら及び他の実施形態に従って、膣挿入デバイスは、1又は2以上の通気口(例えば、穴、スリット、隙間、又は開口)を含むことができる。通気口は、上部の下端とステムとが交差する箇所に設置することができる。1又は2以上の通気口は、上部の壁又はリムに設置することができる。通気口は、位置指標として、通気のために、又は位置指標と通気の両方のために使用することができる。
【0221】
本開示に従って、本デバイスは、医薬品の有無を問わず、疼痛緩和に使用するように構成することができる。例えば、デバイスは、種々の温度を有するように構成することができる。高温及び/又は低温は、対処する適応症に応じて考慮される。温度は、使用目的に応じて様々とすることができる。例えば、医薬品の有無に関係なく疼痛緩和に使用する場合、一例としてデバイスを冷却及び/又は冷凍することが考えられる。使用中のデバイスの低温、冷温、又は冷凍温度は、問題及び/又は問題の症状を処置するのに役立つことができる。デバイスは、種々の温度に適応するように構成又は構築することができ、例えば、液体、ゲル、及び/又は、使用中デバイスを凍結させておく及び/又は保冷することを可能にする特徴を含むことができる。或いは、デバイスを作製する材料は、温度制御のための特性を有することができる。様々なデバイスは隆起部を含むことができ、隆起部は、様々な問題を処置するための医薬品を収容する場合又は収容しない場合があり、並びに、隆起部は、疼痛緩和用のゲル、液体及び/又は粉末を含む場合又は含まない場合がある。デバイスは、出産による膣の傷跡又は裂傷を緩和するために加熱又は冷却することができる。この温度特性は、例えば、単独で又は様々なトリートメント及び/又はステロイドと組み合わせて使用することができる。
【0222】
本開示のこれら及び他の実施形態に従って、膣挿入デバイスは、その挿入及び/又は取り外し時に使用されるアプリケータを含むことができる。一部の実施形態では、アプリケータは、それがよりコンパクトな形状である場合に、少なくとも上部を収容する。アプリケータは、デバイスに取り付けること又はそこから取り外すことができる。アプリケータは、デバイスを位置決めする、膨張させる、及び/又は後退させるためのインジケータとして機能することができる。アプリケータは、隆起、矢印、バンプ、突起、文字、又は付番方式など、位置決め用の指標を有することができる。アプリケータは、位置を示すための窪み又は穴を有することができる。アプリケータとデバイスは、ぴったり収まること又は別の方法で締結することができる。
【0223】
本開示は、膣挿入デバイスの様々な実施形態及び膣挿入デバイスの使用方法について説明する。本開示の膣挿入デバイスは、検体を採取する一方で、様々な疾患及び/又は医学的状態を検出及び/又は診断することも可能にする。本開示の膣挿入デバイスは、処方箋を必要とせず、非吸収性で、店頭で買え、便利で、快適で、及び/又は使用者が挿入し取り外すのが容易で、医師の介入が全くないか又は最小限とすることができる。このような膣挿入デバイスは、再使用可能とすること又は使い捨てとすることができる。様々な使用者が想定され、使用者には患者、需要者などを含めることができる。
【0224】
本開示の医療上及び他の利点は、当業者には本明細書に含まれる図面、説明及び請求項から明らかであろう。実施形態の目的及び利点は、少なくとも、特許請求の範囲において特に指摘される要素、特徴、及び組み合わせによって実現及び達成されよう。
【0225】
本明細書に列挙した全ての例及び条件付き用語は、本技術を促進するために本発明者が提供する本開示及びその概念を読者が理解する手助けとなるように、教育目的を意図したものであり、具体的に列挙したこのような例及び条件に限定されないものとして解釈される。本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、これに対して様々な変更、置換、及び改変が可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0226】
602 外面
640 膣挿入デバイス
642 上部
644 下部
646 リム
649 壁
668 通気口
【国際調査報告】