(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】モジュール式静脈アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20230621BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20230621BHJP
A61M 5/38 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
A61M5/14 500
A61M5/168 502
A61M5/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571759
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 US2021034343
(87)【国際公開番号】W WO2021242921
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイン、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF01
4C066HH07
4C066JJ05
4C066JJ10
4C066LL09
4C066QQ02
4C066QQ14
4C066QQ15
4C066QQ94
(57)【要約】
モジュール式静脈(IV)アセンブリが提供される。モジュール式IVアセンブリは、本体及び入口コネクタを有するドリップ・チャンバと、ドリップ・チャンバのベース部分に直接連結されるベース・ハウジングであって、ドリップ・チャンバと流体接続する入口ポート、及び入口ポートと流体接続する流路キャビティ、を有するベース・ハウジングと、ベース・ハウジングの第1の部分に直接連結される流量制御組立体と、を含む。フィルタ組立体、ラン・ドライ防止部材、逆止弁及びエア・ベント組立体のいずれも、モジュール式IVアセンブリに含まれ得る。IVセット及び使用方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体及び入口コネクタを有するドリップ・チャンバと、
前記ドリップ・チャンバのベース部分に直接連結されるベース・ハウジングであって、前記ドリップ・チャンバと流体接続する入口ポート、及び前記入口ポートと流体接続する流路キャビティ、を有するベース・ハウジングと、
前記ベース・ハウジングの第1の部分に直接連結される流量制御組立体であって、
ローラ・ハウジング、
ローラ、及び
前記ローラと前記ベース・ハウジングにおける前記流路キャビティとの間に配置される流量制御膜、を含む流量制御組立体と、
を含む、モジュール式静脈(IV)アセンブリ。
【請求項2】
前記流路キャビティは、一定の幅及び変化する深さを有する第1の流れ面積と、変化する幅及び一定の深さを有する第2の流れ面積と、を含む、請求項1に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項3】
前記流量制御組立体は、前記ローラが、前記第1の流れ面積の開始位置に隣接して前記流量制御膜と係合状態にある場合、前記ベース・ハウジングを通る流体流を防止するように構成される、請求項2に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項4】
前記流量制御組立体は、前記ローラが、前記第2の流れ面積の端部分に隣接して前記流量制御膜と係合状態にある場合、前記ベース・ハウジングを通る十分な流体流を供給するように構成される、請求項2に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項5】
前記流量制御組立体は、前記流量制御膜と係合した前記ローラが前記第2の流れ面積の端部分から移動するにつれ、前記ベース・ハウジングを通る増加する流体流を供給するように構成される、請求項2に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項6】
前記ベース・ハウジングの第2の部分に直接連結されるフィルタ組立体をさらに含む、請求項1に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記ベース・ハウジングの対向する面にある、請求項6に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項8】
前記フィルタ組立体は、
前記ベース・ハウジングの前記第2の部分に直接連結されるフィルタ・ハウジングと、
前記フィルタ・ハウジングと前記ベース・ハウジングの前記第2の部分との間に配置されるフィルタ膜と、を含む、請求項6に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項9】
前記フィルタ膜は、前記フィルタ膜が湿潤されるとガスが前記フィルタ膜を通ることを防止する親水性材料を含む、請求項8に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項10】
前記フィルタ膜の第1の面は、前記ベース・ハウジングの前記第2の部分の内面からある距離を置いて隣接して配置され、前記第2の部分の前記内面と前記フィルタ膜の前記第1の面との間のスペースは、前記流量制御組立体から前記ベース・ハウジングの前記第2の部分に入る流体のための流路を提供するように構成される、請求項8に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項11】
前記フィルタ膜の第2の面は、前記フィルタ・ハウジングの内面からある距離を置いて隣接して配置され、前記フィルタ・ハウジングの前記内面と前記フィルタ膜の前記第2の面との間のスペースは、前記フィルタ膜を通る流体のための流路を提供するように構成される、請求項10に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項12】
前記フィルタ膜に配置された個別の層及び前記フィルタ膜を含む一体形成された材料のうちの一方を含むラン・ドライ防止部材をさらに含む、請求項8に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項13】
前記ベース・ハウジングの第2の部分に直接連結されるフィルタ・ハウジングと、
前記フィルタ・ハウジングに直接連結される流体出口ハウジングと、
前記フィルタ・ハウジングの外面における出口キャビティと前記流体出口ハウジングとの間に配置される一方向逆止弁であって、流体が反対方向に流れて前記出口キャビティに入り込むことを防止しつつ、流体が前記流体出口ハウジングにおける退出ポートを通って前記出口キャビティから流れ出ることを可能にするように構成される、一方向逆止弁と、
をさらに含む、請求項1に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項14】
前記流体出口ハウジング、前記逆止弁及び前記出口キャビティは、前記ドリップ・チャンバに隣接して前記ベース・ハウジングの上部分に配置される、請求項13に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項15】
前記流体出口ハウジング、前記逆止弁及び前記出口キャビティは、前記ベース・ハウジングの下部分に配置される、請求項13に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項16】
前記ベース・ハウジングの第2の部分に直接連結されるエア・ベント組立体をさらに含み、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記ベース・ハウジングの対向する面にあり、前記エア・ベント組立体は、
前記ベース・ハウジングの前記第2の部分に配置されるベント・キャビティと、
前記ベント・キャビティに配置されるベント・ポートであって、前記ベース・ハウジングにおける空気流路に連結される、ベント・ポートと、
前記ベント・キャビティに配置されるエア・ベント膜と、を含む、請求項1に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項17】
前記エア・ベント膜は、ガスが前記エア・ベント膜を通るとともに前記ベント・ポートを介して出ることを可能にしつつ、液体が前記エア・ベント膜を通って前記ベント・ポートに入り込むことを防止する小孔疎水性材料を含む、請求項16に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項18】
前記ドリップ・チャンバは、自己レベリング組立体をさらに含み、前記自己レベリング組立体は、
前記ドリップ・チャンバの前記ベース部分において前記ベース・ハウジングに隣接して配置された下部ハウジング部分と、
前記ベース・ハウジングにおける前記入口ポートと位置合わせされるレベリング出口ポートと、
前記レベリング出口ポートの対向する側に隣接して配置される、第1のレベリング入口ポート及び第2のレベリング入口ポートと、
前記第1のレベリング入口ポート内に配置される障壁と、を含む、請求項1に記載のモジュール式IVアセンブリ。
【請求項19】
本体及び入口コネクタを有するドリップ・チャンバと、
前記ドリップ・チャンバのベース部分に直接連結されるベース・ハウジングであって、前記ドリップ・チャンバと流体接続する入口ポート、及び前記入口ポートと流体接続する流路キャビティ、を有するベース・ハウジングと、
前記ベース・ハウジングの第1の部分に直接連結される流量制御組立体と、を含む、
モジュール式IVアセンブリを含む、静脈(IV)セットであって、
前記流量制御組立体は、
ローラ・ハウジング、
ローラ、及び
前記ローラと前記ベース・ハウジングにおける前記流路キャビティとの間に配置される流量制御膜、を含み、
静脈(IV)セットがさらに、
第1のIVチューブによって前記ドリップ・チャンバの前記入口コネクタに連結される流体容器と、
第2のIVチューブによって前記モジュール式IVアセンブリに連結される流体送達部材と、
を含む、静脈(IV)セット。
【請求項20】
医療用流体を送達する方法であって、
第1のIVチューブにより流体容器をモジュール式静脈(IV)アセンブリに連結することであって、前記モジュール式IVアセンブリが、本体及び入口コネクタを有するドリップ・チャンバと、前記ドリップ・チャンバのベース部分に直接連結されるベース・ハウジングであって、前記ドリップ・チャンバと流体接続する入口ポート、及び前記入口ポートと流体接続する流路キャビティ、を有するベース・ハウジングと、前記ベース・ハウジングの第1の部分に直接連結される流量制御組立体であって、ローラ・ハウジング、ローラ、及び前記ローラと前記ベース・ハウジングにおける前記流路キャビティとの間に配置される流量制御膜、を含む流量制御組立体と、を含む、連結することと、
第2のIVチューブにより流体送達部材を前記モジュール式IVアセンブリに連結することと、
前記流量制御組立体における前記ローラを移動させることによって、前記モジュール式IVアセンブリから前記流体送達部材への流体流量を調整することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
該当なし
【背景技術】
【0002】
静脈(IV)輸液セットは典型的に、ドリップ・チャンバ、ローラ・クランプ、ピンチ・クランプ、フィルタ及び逆止弁等、それぞれがコア機能を有するいくつかの構成要素を含む。これら構成要素は典型的に、IVチュービングの長さによって互いに連結されて、使い捨てIVセットの使用準備が整ったものとしてパッケージングされる完備したIV輸液セットを提供する。かかるIV輸液セットは、かなりの数のIVチュービング接続部を有し、これにより、IVチュービング接続部の数がより多くなるにつれ、それに応じて接続部の漏れのリスクが増すことになる。各別個の構成要素もまた、ユーザに別の相互接続点をもたらす。これらの要因により、製造の複雑さ及びコストがより高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くのIV構成要素コア機能を1つの装置に組み込み、したがって、製造の複雑さ及びコストを低減するとともにユーザによるユーザビリティを向上させる、モジュール式IVアセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、いくつかのIV輸液セット構成要素のコア機能を組み合わせるモジュール式IVアセンブリを提供する。
【0005】
1つ又は複数の実施例では、モジュール式静脈(IV)アセンブリが提供される。モジュール式IVアセンブリは、本体及び入口コネクタを有するドリップ・チャンバを含む。モジュール式IVアセンブリはまた、ドリップ・チャンバのベース部分に直接連結されるベース・ハウジングであって、ドリップ・チャンバと流体接続する入口ポートと、入口ポートと流体接続する流路キャビティと、を有するベース・ハウジングを含む。モジュール式IVアセンブリは、ベース・ハウジングの第1の部分に直接連結される流量制御組立体をさらに含む。流量制御組立体は、ローラ・ハウジングと、ローラと、ローラとベース・ハウジングにおける流路キャビティとの間に配置される流量制御膜と、を含む。
【0006】
1つ又は複数の態様では、流路キャビティは、一定の幅及び変化する深さを有する第1の流れ面積と、変化する幅及び一定の深さを有する第2の流れ面積と、を含む。1つ又は複数の態様では、流量制御組立体は、ローラが、第1の流れ面積の開始位置に隣接して流量制御膜と係合状態にある場合、ベース・ハウジングを通る流体流を防止するように構成される。1つ又は複数の態様では、流量制御組立体は、ローラが、第2の流れ面積の端部分に隣接して流量制御膜と係合状態にある場合、ベース・ハウジングを通る十分な流体流を供給するように構成される。1つ又は複数の態様では、流量制御組立体は、流量制御膜と係合したローラが第2の流れ面積の端部分から移動するにつれ、ベース・ハウジングを通る増加する流体流を供給するように構成される。
【0007】
1つ又は複数の態様では、フィルタ組立体がベース・ハウジングの第2の部分に直接連結される。1つ又は複数の態様では、第1の部分及び第2の部分は、ベース・ハウジングの対向する面にある。1つ又は複数の態様では、フィルタ組立体は、ベース・ハウジングの第2の部分に直接連結されるフィルタ・ハウジングと、フィルタ・ハウジングとベース・ハウジングの第2の部分との間に配置されるフィルタ膜と、を含む。1つ又は複数の態様では、フィルタ膜は、フィルタ膜が湿潤されるとガスがフィルタ膜を通ることを防止する親水性材料を含む。1つ又は複数の態様では、フィルタ膜の第1の面は、ベース・ハウジングの第2の部分の内面からある距離を置いて隣接して配置され、第2の部分の内面とフィルタ膜の第1の面との間のスペースは、流量制御組立体からベース・ハウジングの第2の部分に入る流体のための流路を提供するように構成される。1つ又は複数の態様では、フィルタ膜の第2の面は、フィルタ・ハウジングの内面からある距離を置いて隣接して配置され、フィルタ・ハウジングの内面とフィルタ膜の第2の面との間のスペースは、フィルタ膜を通る流体のための流路を提供するように構成される。
【0008】
1つ又は複数の態様では、フィルタ膜に配置された個別の層及びフィルタ膜を含む一体形成された材料のうちの一方を含むラン・ドライ防止部材が含まれる。1つ又は複数の態様では、ベース・ハウジングの第2の部分に直接連結されるフィルタ・ハウジングと、フィルタ・ハウジングに直接連結される流体出口ハウジングと、フィルタ・ハウジングの外面における出口キャビティと流体出口ハウジングとの間に配置される一方向逆止弁であって、流体が反対方向に流れて出口キャビティに入り込むことを防止しつつ、流体が流体出口ハウジングにおける退出ポートを通って出口キャビティから流れ出ることを可能にするように構成される、一方向逆止弁と、が含まれる。1つ又は複数の態様では、流体出口ハウジング、逆止弁及び出口キャビティは、ドリップ・チャンバに隣接してベース・ハウジングの上部分に配置される。1つ又は複数の態様では、流体出口ハウジング、逆止弁及び出口キャビティは、ベース・ハウジングの下部分に配置される。
【0009】
1つ又は複数の態様では、エア・ベント組立体がベース・ハウジングの第2の部分に直接連結され、第1の部分及び第2の部分は、ベース・ハウジングの対向する面にあり、エア・ベント組立体は、ベース・ハウジングの第2の部分に配置されるベント・キャビティと、ベント・キャビティに配置されるベント・ポートであって、ベース・ハウジングにおける空気流路に連結される、ベント・ポートと、ベント・キャビティに配置されるエア・ベント膜と、を含む。1つ又は複数の態様では、エア・ベント膜は、ガスがエア・ベント膜を通るとともにベント・ポートを介して出ることを可能にしつつ、液体がエア・ベント膜を通ってベント・ポートに入り込むことを防止する小孔疎水性材料を含む。1つ又は複数の態様では、ドリップ・チャンバは、ドリップ・チャンバのベース部分においてベース・ハウジングに隣接して配置された下部ハウジング部分と、ベース・ハウジングにおける入口ポートと位置合わせされるレベリング出口ポートと、レベリング出口ポートの対向する側に隣接して配置される、第1のレベリング入口ポート及び第2のレベリング入口ポートと、第1のレベリング入口ポート内に配置される障壁と、を有する自己レベリング組立体を含む。
【0010】
1つ又は複数の実施例では、静脈(IV)セットが提供される。IVセットは、本体及び入口コネクタを有するドリップ・チャンバと、ドリップ・チャンバのベース部分に直接連結されるベース・ハウジングであって、ドリップ・チャンバと流体接続する入口ポート、及び入口ポートと流体接続する流路キャビティ、を有するベース・ハウジングと、ベース・ハウジングの第1の部分に直接連結される流量制御組立体であって、ローラ・ハウジング、ローラ、及びローラとベース・ハウジングにおける流路キャビティとの間に配置される流量制御膜、を含む流量制御組立体と、を有するモジュール式IVアセンブリを含む。IVセットはまた、第1のIVチューブによってドリップ・チャンバの入口コネクタに連結される流体容器を含む。IVセットは、第2のIVチューブによってモジュール式IVアセンブリに連結される流体送達部材をさらに含む。
【0011】
1つ又は複数の実施例では、医療用流体を送達する方法が提供される。方法は、第1のIVチューブにより流体容器をモジュール式静脈(IV)アセンブリに連結することであって、モジュール式IVアセンブリが、本体及び入口コネクタを有するドリップ・チャンバと、ドリップ・チャンバのベース部分に直接連結されるベース・ハウジングであって、ドリップ・チャンバと流体接続する入口ポート、及び入口ポートと流体接続する流路キャビティ、を有するベース・ハウジングと、ベース・ハウジングの第1の部分に直接連結される流量制御組立体であって、ローラ・ハウジング、ローラ、及びローラとベース・ハウジングにおける流路キャビティとの間に配置される流量制御膜、を含む流量制御組立体と、を含む、連結することを含む。方法はまた、第2のIVチューブにより流体送達部材をモジュール式IVアセンブリに連結することを含む。方法は、流量制御組立体におけるローラを移動させることによって、モジュール式IVアセンブリから流体送達部材への流体流量を調整することをさらに含む。
【0012】
本開示の追加の特徴及び利点が以下の説明に明記され、一部が説明から明らかとなるか、又は本開示の実施によって教示され得る。本開示の目的及び他の利点は、本明細書に記載の説明及び請求項、並びに添付の図面に具体的に挙げられる構造によって実現及び達成される。
【0013】
上述の概要及び後述の詳細な説明は共に、例示的且つ説明的なものであり、特許請求の範囲に記載の本開示のさらなる説明を提供することが意図されていることを理解されたい。
【0014】
本開示のさらなる理解を提供するように含まれ、本明細書に組み込まれるとともにその一部を構成する添付の図面は、本開示の実施例を示し、本明細書とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】典型的な組み立てられた輸液セットの概略図を示す。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリの斜視図である。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、
図2のモジュール式IVアセンブリの別の斜視図である。
【
図4】本開示のいくつかの態様による、
図2のモジュール式IVアセンブリの正面図である。
【
図5】本開示のいくつかの態様による、
図2のモジュール式IVアセンブリの分解斜視図である。
【
図6】本開示のいくつかの態様による、
図2のモジュール式IVアセンブリの側面断面図である。
【
図7】本開示のいくつかの態様による、
図6のモジュール式IVアセンブリの部分拡大図である。
【
図8】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリの側面断面図である。
【
図9】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリの側面断面図である。
【
図10】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリの側面断面図である。
【
図11】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリのベース・ハウジングの正面図である。
【
図12】本開示のいくつかの態様による、
図11のベース・ハウジングの部分斜視図である。
【
図13】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリの流量制御組立体の部分斜視図である。
【
図14】
図13の流量制御組立体に基づいた流れ面積の変化を示すグラフである。
【
図15】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリの部分斜視図である。
【
図16】本開示のいくつかの態様による、
図15のモジュール式IVアセンブリの分解斜視図である。
【
図17】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリのエア・ベント組立体の一部の正面図である。
【
図18】本開示のいくつかの態様による、モジュール式IVアセンブリのドリップ・チャンバの正面図である。
【
図19】本開示のいくつかの態様による、
図18のドリップ・チャンバの自己レベリング組立体の正面図である。
【
図20】
図19の自己レベリング組立体の動作を示す概略図である。
【
図21】
図19の自己レベリング組立体の動作を示す概略図である。
【
図22】
図19の自己レベリング組立体の動作を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記に記載されている詳細な説明は、主題の技術の様々な構成を記載しており、主題の技術が実践され得る唯一の構成を表すことは意図されていない。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供するための特定の詳細を含む。したがって、寸法は、非限定的な実例として特定の態様に関して提供される。しかしながら、主題の技術はこれらの特定の詳細なしに実践され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの場合において、よく知られている構造体及び構成要素は、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック図の形態で示されている。
【0017】
本開示は、主題の技術の実例を含み、添付の特許請求の範囲を限定しないことを理解されたい。ここで、主題の技術の様々な態様が、特定の、ただし非限定的な実例に従って開示される。本開示に記載される様々な実施例は、異なる方式及び変形例において、所望の用途又は実施に従って実施され得る。
【0018】
IV輸液セットは、輸液構成要素とチュービングとの任意の組み合わせから形成され得る。典型的に、輸液構成要素及びチュービングは、一回使用された後で廃棄される使い捨て製品である。輸液構成要素及びチュービングは、任意の適した材料(例えば、プラスチック、シリコーン、ゴム)から形成され得る。IV輸液セットを製造する上での問題点は、所望の流体流との漏れのない確実な連結部を得るために、複合チュービングと輸液構成要素とを連結することである。IV輸液セットを使用する上での問題点は、多くの別個の構成要素を有していることによりユーザに多くの相互接続点をもたらすことである。
【0019】
図1に示すように、典型的な輸液セット30が、ドリップ・チャンバ40と、逆止弁50と、ローラ・クランプ60と、Y字連結部70とを含み得、これらすべてがともにチュービング20によって接続されている。典型的な輸液セット30は、さらなる輸液構成要素(例えば、ピンチ・クランプ、フィルタ)を含むことができ、構成要素とチュービング20との任意の組み合わせから形成されることができる。
【0020】
本開示のいくつかの態様によれば、モジュール式IVアセンブリは、IV構成要素のコア機能を1つの装置に組み込み、したがって、IV輸液セットに必要とされるチュービング接続の数を減らす。本開示のいくつかの態様によれば、モジュール式IVアセンブリは、従来のIV輸液セットよりも容易に自動化することができる設計構成を提供する。
【0021】
本開示のいくつかの態様によれば、モジュール式IVアセンブリは、製造プロセス時にコア機能要素の置き換え及び交換を容易にもたらす設計構成を提供する。本開示のいくつかの態様によれば、モジュール式IVアセンブリは、ユーザに相互接続点を1つだけもたらす。
【0022】
モジュール式IVアセンブリ100が、本開示のいくつかの態様に従って、
図2~
図10に示されている。モジュール式IVアセンブリ100は、ドリップ・チャンバ110と、流量制御組立体120と、フィルタ組立体130と、エア・ベント組立体140(例えば、流路用)と、ラン・ドライ防止(ARD:anti-run dry)部材150と、逆止弁160と、を含む。したがって、モジュール式IVアセンブリは、ラン・ドライ防止流体流、液滴可視、流量制御、流体濾過、空気抜き(例えば、ライン脱泡)、及び逆止弁からの流れ方向制御等の多くの異なる特性を含む1つの装置を提供する。モジュール式IVアセンブリ100は、ドリップ・チャンバ110の下に大きな領域を有し得、したがって、ユーザが容易に把持する領域を提供する。
【0023】
ドリップ・チャンバ110は、輸液手技における使用に適した材料から形成された本体112を有する。例えば、本体112は、圧搾可能ではない硬質プラスチックから形成され得、したがって、自動プライミング機能も有する。別の実例として、本体112は、圧搾可能である可撓性プラスチックから形成され得、したがって、自動プライミング機能を必要としない。本体112は、ドリップ・チャンバ110に入る流体から液滴可視をもたらすように透明であり得る。ドリップ・チャンバ110は、ベース・ハウジング170に連結される。例えば、本体112は、ベース・ハウジング170のドリップ・チャンバ連結部分172に連結されるベース部分113を有する細長いシリンダであり得る。ドリップ・チャンバ連結部分172は、ドリップ・チャンバ110からベース・ハウジング170への流体経路を提供する入口ポート173を含む(
図6及び
図7を参照)。ドリップ・チャンバ110及びこれに応じてドリップ・チャンバ連結部分172について任意のサイズ及び形状が考えられる。入口コネクタ114が本体112に連結される。入口コネクタ114は、例えば流体源(例えば、IVバッグ)から、IVチューブを受け入れるように構成され得る。別の実例として、入口コネクタ114は、スパイク接続を介してIV流体容器(例えば、バッグ、ボトル)に直接接続するように構成され得る。
【0024】
流量制御組立体120がベース・ハウジング170に連結される。流量制御組立体120は、ローラ・ハウジング122と、ローラ124と、流量制御膜126と、を含む。ローラ・ハウジング122は、ベース・ハウジング170と連結するようにサイズ決め及び形状決めされる。ローラ124は、ローラ・ハウジング122に可動に連結される。例えば、ローラ124の軸125が、ローラ・ハウジング122の対向壁に配置されたチャネル123内に受け入れられ得、軸125は、ローラ124を移動させるとチャネル123に沿って軸方向に移動する。流量制御膜126は、ベース・ハウジング170内に受け入れられるようにサイズ決め及び形状決めされる。流量制御膜126は、可撓性材料(例えば、エラストマー)から形成され得、そのため、流量制御膜126は、ローラ124が流量制御膜126に係合すると撓んで流体流路174に入り得る。本開示のいくつかの態様では、流量制御組立体は、例えばレバー、スライダ又はノブ等の、ローラ124以外の異なる制御部材を含み得る。
【0025】
図11~
図13に示すように、ベース・ハウジング170は、硬質プラスチックから形成され得、流体流路174は、ベース・ハウジング170の表面内に設けられたキャビティ176によって形成される。キャビティ176は、ローラ124の位置に基づいて種々の流体流量をもたらすように幅及び深さが双方とも変わり得る。例えば、
図12に示すキャビティ176は、15mmの長さL1及び0.75mmの幅Aを有する第1の断面174aと、15mmの長さL2及び2.5mmの幅Cを有する第2の断面174bとを有する。第1の断面174aの深さは、一端におけるゼロから他端における0.5mmの深さBへ増加している。第2の断面174bの深さは、0.5mmの一定の深さBである。幅A及びC、深さB並びに長さL1及びL2のいずれも、特定の流れプロファイルについて、キャビティ176、したがって流体流路174を調整するように個別に変えられ得る。
【0026】
図13に示すように、ローラ124のうち流量制御膜126に係合する部分により、流量制御膜126が撓んでキャビティ176に入り、これにより、キャビティ176に対するローラ124の係合部分の位置に基づいて様々な程度に流体流路174を遮断する。
図14は、A、B、C、L1及びL2について上述した値に基づくローラ124の移動長さに対する流れ面積の変化を示すグラフ1400を示す。ローラ124のうち流量制御膜126に係合する部分より下の流れ面積は、結果として生じる、キャビティ176を通る流体流量に対応し、最も大きい流れ面積がより高い流体流量をもたらし、最も小さい流れ面積がより低い流体流量をもたらす。
【0027】
例えば、ローラ124が、L1の、深さがゼロの端に位置付けられている場合、流れ面積はゼロであり、流体流路174は完全に塞がれている(例えば、流体流路174を流体流が通らない)。ローラ124がL1の第2の端とL2の第1の端との連結部に位置付けられている場合、流体流面積は0.375mm
2であり、流体流路174は部分的に塞がれ、したがって、30%の流体流量をもたらす。ローラ124がL2の第2の端に位置付けられている場合、流体流面積は1.25mm
2であり、流体流路174は塞がれず、したがって、100%の流体流量(例えば、全開)をもたらす。
図14に示すように、グラフのうち、長さL1に沿ったローラ124の係合に対応する第1の部分は、流量制御組立体120の微調整部分を示し、その一方、グラフのうち、長さL2に沿ったローラ124の係合に対応する部分は、流量制御組立体120の粗調整部分を示す。本開示のいくつかの態様によれば、例えば3つ以上のような、任意の数の流れ変化面積がもたらされ得る。したがって、これに応じて、例えば3つ以上のキャビティ断面のような、第1の断面174a及び第2の断面174bよりも多くのキャビティ断面があり得る。
【0028】
ドリップ・チャンバ40及びローラ・クランプ60が輸液セット30においてそれぞれチュービング20を介して連結される、
図1に示す輸液セット30とは対照的に、ドリップ・チャンバ110はベース・ハウジング170に直接連結されるため、ドリップ・チャンバを流量制御組立体120に連結するためにIVチュービングは必要ない。さらに、流量制御組立体120が可撓性IVチュービングを含まないか又は可撓性IVチュービングと係合しないため、流体流量を、モジュール式IVアセンブリ100の寿命全体を通じて一貫して供給及び維持することができる。例えば、ベース・ハウジング170の硬質プラスチックは経時的に変形(例えば、ドリフト)しない。対照的に、典型的なローラ・クランプ60は、軟質の可撓性チュービング20内における流体流を、チュービング20を変形させることによって制限することを伴い、チュービング20が経時的に弛緩する(例えば、その弾力性を失う)傾向があり、これにより、流体流量を経時的に正確に制御することがますます困難となる。したがって、流量制御組立体120は、モジュール式IVアセンブリ100を通る流体流量の一貫した正確な制御を提供するように構成される。
【0029】
図15~
図17に示すように、ベース・ハウジング170はまた、ベース・ハウジング170の、流量制御組立体120とは反対側で、フィルタ組立体130と連結するように構成される。フィルタ組立体130は、フィルタ膜134に係合するとともにフィルタ膜134をベース・ハウジング170に挟み付けるフィルタ・ハウジング132を含む。フィルタ膜134は、フィルタ膜134が湿潤されると空気がフィルタ膜134を通ることを防止する親水性材料から形成される。したがって、液体のみがベース・ハウジング170からフィルタ膜134を通過し得る。フィルタ膜134の材料は、フィルタ組立体130を通る流体から特定成分を濾過除去するために、特定の濾過特性に対して設計又は選択され得る。例えば、フィルタ膜134は、特定のサイズ(例えば、15um、5um、1.2um、0.2um)よりも大きい粒子を濾過除去するように形成され得る。
【0030】
ベース・ハウジング170はまた、フィルタ組立体130と同じ側に、エア・ベント組立体140が配置される部分を含む。エア・ベント組立体140は、ベース・ハウジング170におけるベント・キャビティ146内にベント・ポート142と、ベント・キャビティ146内にベント・ポート142にわたって配置されたエア・ベント膜144とを含む。エア・ベント膜144は、ガス(例えば、空気)がベント・ポート142を介して流体流路174から出る(例えば、ドリップ・チャンバ110へ戻る)ことを可能にしつつ、液体がエア・ベント膜144を通ることを防止する小孔疎水性材料から形成される。
【0031】
ARD部材150が、フィルタ膜134と一体となっているものとして
図5に示されている。例えば、フィルタ膜134の材料は、ARD特徴及び濾過特徴を呈するように設計又は選択され得る。本開示のいくつかの態様では、ARD部材150は、ARD材料であり得、フィルタ膜134は、濾過特性及びARD特性を双方とも有する1つの膜に一緒に組み込まれる異なる濾過材料(例えば、一体形成される別個の層)であり得る。
【0032】
図5に示すように、逆止弁160が、フィルタ・ハウジング132の外面における出口キャビティ162と、流体出口ハウジング180との間に配置される。逆止弁160は、可撓性材料から形成され得、流体が流体出口ハウジング180における退出ポート182を通って出口キャビティ162における流体ポート164から流れ出ることを可能にすると同時に退出ポート182から流体ポート164へ逆方向への流体流を防止する一方向弁として作用する。流体出口ハウジング180はまた、例えば輸液ポンプ又はカテーテルに接続されるIVチュービング等のIVチュービングに連結されるように構成された出口ポート184を含む。逆止弁160及び流体出口ハウジング180は、
図5に示すようにベース・ハウジング170の上端に配置され得るか、又は、
図8及び
図9に示すようにベース・ハウジング170の下部又はベース部分に配置され得る。
【0033】
動作時、
図7に示すように、モジュール式IVアセンブリ100は、ドリップ・チャンバ110から流体が入ると開始するとともに退出ポート182から流体が出ると終了する流体流路174を提供する。流体流路174は、キャビティ176に対するローラ124の位置によって設定される流量で流量制御組立体120を通る流体流を含む。流体は、キャビティ176を出て、フィルタ膜134及びARD膜150に流れ込んで接触する。流体は、フィルタ膜134を介して濾過され、フィルタ・ハウジング132へ出て、流体ポート164を通って出る。流体は次いで、逆止弁160を越えて及び/又は通って流れ、退出ポート182を通って出口ポート184に出る。流体中に捕捉された空気はフィルタ膜134を通ることができないため、空気は代わりにエア・ベント膜144を通ってベント・ポート142に入り、モジュール式IVアセンブリ100のベース・ハウジング170部分から出る。
【0034】
図8~
図10に示すように、モジュール式IVアセンブリ100は、同じ又は同様の外側パッケージ及び外観を維持しつつ、上述した構成要素のいずれか又はすべてを含むように構成され得る。例えば、
図8は、ドリップ・チャンバ110及び流量制御組立体120のみを含み、フィルタ組立体130、エア・ベント組立体140、ARD部材150又は逆止弁160を有していない、基本的なモジュール式IVアセンブリ100を示す。ここでは、流体は、流量制御組立体120によって設定された流量で、ドリップ・チャンバ110からベース・ハウジング170に流れ込むとともに出口ポート184を流れ出る。
図9は、
図8に示す基本的なモジュール式IVアセンブリ100に逆止弁160を加えることによってより統合されたモジュール式IVアセンブリ100を示す。同様に、
図10は、
図9に示すモジュール式IVアセンブリ100にフィルタ膜134及びARD部材150を加えることによってさらにより統合されたモジュール式IVアセンブリ100を示す。上述したモジュール式IVアセンブリ100のいずれかにエア・ベント膜144をさらに加えてもよい。したがって、いずれものモジュール式IVアセンブリ100の外側は、ドリップ・チャンバ110と、ローラ・ハウジング122と、ベース・ハウジング170と、フィルタ・ハウジング132と、流体出口ハウジング180とによって定められ得る。ここでは、モジュール式IVアセンブリ100のパッケージの外形は、内部構成要素(例えば、フィルタ組立体130、エア・ベント組立体140、ARD部材150、逆止弁160)の有無にかかわらず一貫したままであり得る。
【0035】
図18~
図22に示すように、ドリップ・チャンバ110は、本開示の態様に従って、自己レベリング組立体190を含み得る。ドリップ・チャンバ110の本体112は、エア・トラップ及び液滴可視チャンバの双方として作用し得る。自己レベリング組立体190は、上部ハウジング部分191及び下部ハウジング部分193を有し、下部ハウジング部分193は、本体112のベース部分113に配置され得る。自己レベリング組立体190は、ベース・ハウジング170のドリップ・チャンバ連結部分172における入口ポート173と位置合わせされるレベリング出口ポート192を含む。自己レベリング組立体190はまた、レベリング出口ポート192に隣接して配置されたレベリング流体入口194、196を含む。ここでは、レベリング流体入口194は、短縮された流路を有し、上部ハウジング部分191の近くに(例えば、ベース部分113から離して)配置され、その一方、レベリング流体入口196は、延長された流路を有し、下部ハウジング部分193の近くに(例えば、ベース部分113の近くに)配置される。レベリング流体入口194内に障壁198(例えば、親水性膜、空気逆止弁)が配置される。
【0036】
図20に示すように、ドリップ・チャンバ110における液位がレベリング流体入口196を覆い隠すとともにレベリング流体入口194を覆い隠さない場合、本体112において捕捉された空気は、レベリング出口ポート192を通って出される。
図21に示すように、ドリップ・チャンバ110における液位が上昇してレベリング流体入口196及びレベリング流体入口194を双方とも覆い隠す場合、障壁198は、空気が通るのを防止し、その後、液体(例えば、生理食塩水)のみが、レベリング出口ポート192を通って出る。ここでは、液体は、自由にレベリング流体入口196に入る/レベリング流体入口196を通ることができ、また、障壁198に起因してより遅いペースでレベリング流体入口194に入る/レベリング流体入口194を通り得る。
図22に示すように、レベリング流体入口194が再び本体112内で空気に晒される十分な液体がレベリング出口ポート192を通って吸い上がると、空気が障壁198を通ることを阻止されつつ、液体はレベリング流体入口196のみに入り続ける/レベリング流体入口196のみを通り続ける。
【0037】
例えば、障壁198は、障壁198が湿潤されると空気が障壁198を通ることを防止する親水性材料から形成された膜であり得る。したがって、
図20において障壁198はまだ湿潤されておらず、そのため、空気が通ってレベリング出口ポート192を出得る。
図21において障壁198が湿潤されると、障壁198は空気が通ることを防止する。
図22において液体が障壁198から後退する場合、障壁198は依然として湿潤しており、したがって、障壁が完全に乾くまで空気が通ることを防止し続ける。
【0038】
別の実例として、障壁198は、液体が障壁198を通ることを防止しつつ、空気が障壁198を通ることを可能にする空気逆止弁であり得る。したがって、
図20では、障壁198は、本体112において空気に対して開いており、そのため、空気が通ってレベリング出口ポート192を出得る。
図21において障壁198が液位よりも下に浸漬されると、障壁198は、液体がレベリング流体入口194を通ることを防止し、したがって、液体はもっぱら、レベリング流体入口196に入り/レベリング流体入口196を通り、レベリング流体出口192を出る。
図22において液体が障壁198から後退する場合、自己レベリング組立体190内における障壁198よりも上で捕捉された液体がかける圧力は、空気が障壁198を通ることを防止し得、その一方、液体は、レベリング流体入口196に入り続け/レベリング流体入口196を通り続け、レベリング出口ポート192を出る。
【0039】
自己レベリング組立体190は、可撓性本体112を圧搾して空気を押し出すとともに流体が入口コネクタ114を通って入ることを可能にすることによって、ドリップ・チャンバ110をプライミングする必要性を排除する。したがって、自己レベリング組立体190は、本体112が可撓性(例えば、可撓性プラスチック)であるか又は剛性(例えば、硬質プラスチック)であるかにかかわらず、空気をドリップ・チャンバ110から出すことに備える。さらに、自己レベリング組立体190は、微小気泡が流体に入ることを防止し得る。
【0040】
開示されているプロセスの方法におけるブロックのいかなる特定の順序又は階層も、例示的なアプローチの例示であることが理解される。設計又は実施の優先度に基づいて、プロセスにおけるブロックの特定の順序又は階層は、配置換えされてもよいこと、又は、示されたブロックがすべて行われてもよいことが理解される。いくつかの実施態様では、ブロックのうちのいずれも同時に実施されてもよい。
【0041】
本開示は、当業者がいずれも本明細書に記載された様々な態様を実践することを可能にするために提供される。本開示は、主題の技術の様々な実例を提供しており、主題の技術は、これらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書において定義される包括的な原理は他の態様に適用され得る。
【0042】
単数形の要素への言及は、具体的にそのように述べられていない限り、「1つ及びただ1つ」を意味するのではなく、「1つ又は複数」を意味することが意図されている。具体的にそうでないことが述べられていない限り、「いくつか」という用語は、1つ又は複数を指す。男性形の代名詞(例えば、彼の)は、女性及び中性(例えば、彼女の及びその)を含み、その逆もまた同様である。見出し及び小見出しがある場合、それらは単に便宜上使用されているにすぎず、本発明を限定しない。
【0043】
「例示的な」という語は、本明細書において「実例又は例示として役立つ」ことを意味するのに用いられる。本明細書において「例示的な」として記載される態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されない。一態様では、本明細書に記載された様々な代替の構成及び動作は、少なくとも等価であるとみなされてもよい。
【0044】
本明細書において使用されているように、一連の事項に続く「~の少なくとも1つ」という語句は、それら事項の任意のものを分離するための用語「又は」を伴う場合、列挙されたものの各事項ではなく、全体として列挙されたものを修飾する。「~の少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの事項を選択する必要はなく、むしろ、この語句は、事項の任意の1つの少なくとも1つ、及び/又は事項の任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又は事項のそれぞれの少なくとも1つを含む意味を許容する。実例として、「A、B、又はCの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、或いは、A、B、及びCの任意の組み合わせを指し得る。
【0045】
「態様」等の語句は、そのような態様が主題の技術に不可欠であることも、そのような態様が主題の技術のすべての構成に当てはまることも示唆しない。態様に関する開示は、すべての構成或いは1つ又は複数の構成に当てはまり得る。態様は、1つ又は複数の実例を提供し得る。態様等の語句は、1つ又は複数の態様を指すことがあり、その逆もまた同様である。「実施例」等の語句は、そのような実施例が主題の技術に不可欠であることも、そのような実施例が主題の技術のすべての構成に当てはまることも示唆しない。実施例に関する開示は、すべての実施例或いは1つ又は複数の実施例に当てはまり得る。実施例は、1つ又は複数の実例を提供し得る。実施例等の語句は、1つ又は複数の実施例を指すことがあり、その逆もまた同様である。「構成」等の語句は、そのような構成が主題の技術に不可欠であることも、そのような構成が主題の技術のすべての構成に当てはまることも示唆しない。構成に関する開示は、すべての構成、或いは1つ又は複数の構成に当てはまり得る。構成は、1つ又は複数の実例を提供し得る。構成等の語句は、1つ又は複数の構成を指すことがあり、その逆もまた同様である。
【0046】
一態様では、別段の記載がない限り、本明細書に記載されるすべての測定値、値、評点、位置、大きさ、寸法、及び他の仕様は、以下に続く特許請求の範囲におけるものを含め、概略的なものであり、正確ではない。一態様では、それらは、それらが関連する機能及びそれらが属する技術分野の慣例に矛盾しない、合理的な範囲を有することを意図される。
【0047】
開示されているステップ、動作又はプロセスの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例示であることが理解される。設計の優先度に基づいて、ステップ、動作又はプロセスの特定の順序又は階層は、配置換えされてもよいことが理解される。ステップ、動作又はプロセスのうちのいくつかは、同時に実施されてもよい。ステップ、動作、又はプロセスのうちのいくつか又はすべては、ユーザの介入なく、自動的に実施され得る。添付の方法の請求項がある場合、様々なステップ、動作、又はプロセスの要素をサンプル順序で提示しており、提示されている特定の順序又は階層に限定されることを意味していない。
【0048】
当業者に知られているか又は後で知られることになる、本開示の全体を通して記載される様々な態様の要素に対するすべての構造的及び機能的な均等物は、明確に参照により本明細書に援用され、特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。さらに、本明細書に開示されているいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に供されることは意図されていない。請求項のいかなる要素も、その要素が、「~ための手段(means for)」という語句を使用して明示的に記載されていない限り、又は、方法の請求項の場合において、その要素が、「~ためのステップ(step for)」という語句を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。そのうえ、「含む(include)」、「有する(have)」等の用語が使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprise)」が請求項の中の移行句として用いられる場合に解釈されるように、「含む(comprise)」という用語と同様にして包括的なものであることが意図されている。
【0049】
本開示の発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明及び要約書は、これによって本開示に援用され、本開示の限定的な説明としてではなく、本開示の例示的な実例として提供される。本開示は、これらが請求項の範囲又は意味を限定するように使用されないという理解のもとで提出される。さらに、詳細な説明において、説明は例示的な実例を提供しており、また、本開示を簡潔にする目的で様々な実施例において様々な特徴がともにグループ化されていることが分かる。本開示の方法は、特許請求されている主題が各請求項の中で明示的に記載されているよりも多くの特徴を要するという意図を示すものとして解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が示すように、本発明の主題は、単一の開示されている構成又は動作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。添付の特許請求の範囲は、これにより、詳細な説明に援用され、各請求項は、別々に特許請求されている主題としてそれ自体に基づいている。
【0050】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図されるのではなく、特許請求の範囲の文言に矛盾しない完全な範囲を与えられるべきであり、すべての法的均等物を包含するものとする。しかしながら、請求項のいずれも、米国特許法第101条、第102条、又は第103条の要件を満たさない主題を包含することは意図されておらず、また、そのように解釈されるべきではない。
【国際調査報告】