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特表2023-527363リアルタイム・ドリップ・チャンバ・モニタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】リアルタイム・ドリップ・チャンバ・モニタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
A61M5/168 532
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572576
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021032067
(87)【国際公開番号】W WO2021242526
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】63/030,817
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アバル、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バージェス、ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアン、ラムクマール
(72)【発明者】
【氏名】ザークル、マイケル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066EE10
4C066QQ01
4C066QQ45
4C066QQ52
4C066QQ73
4C066QQ77
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ85
(57)【要約】
注入ポンプと共に用いられる静脈内セットのためのドリップ・チャンバ検出アセンブリが、提供される。ドリップ・チャンバ検出アセンブリは、ドリップ・チャンバに結合されたセンサを含む。このセンサは、ドリップ・チャンバ内の流体レベルと関係する信号を生成するように位置決めされる。信号データは、注入ポンプ又はコントローラに送信される。流体レベル・ステータス又は状態が判定され、注入システムの閉ループ制御のために用いられ、異常状態に基づき、アラームを生成する及び/又は注入ポンプを停止させる。ドリップ・チャンバ検出アセンブリを動作させる方法も、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ本体、
流体入口ソースと結合するように構成された入口コネクタを有する入口端、及び
出口レシーバと結合するように構成された出口コネクタを有する出口端
を備えるドリップ・チャンバと、
前記ドリップ・チャンバに一体的に結合され、前記チャンバ本体内の流体状態を示す信号を、前記チャンバ本体内で生成するように構成されたセンサと
を備えるドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項2】
前記センサは、前記ドリップ・チャンバの前記入口端に配置されている、請求項1に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項3】
前記センサは、送信機/受信機のペアとして構成された送信機及び受信機を備える、請求項2に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項4】
前記送信機は、前記チャンバ本体内の流体レベルへと下向きに光学信号を送信するように位置合わせされた光学送信機であり、前記受信機は、前記チャンバ本体内の前記流体レベルから上向きに反射された前記光学信号を受信するように位置合わせされた光学受信機である、請求項3に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項5】
前記光学信号は、垂直ではない角度で前記入口端から送信され、前記反射された光学信号は、垂直ではない角度で前記入口端へと受信される、請求項4に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項6】
前記チャンバ本体は、前記チャンバ本体の流体が空である場合に、前記光学信号が前記光学受信機へと上向きに反射されないように構成されている、請求項4に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項7】
前記送信機は、前記チャンバ本体内の流体レベルへと下向きに音響信号を送信するように位置合わせされた音響送信機であり、前記受信機は、前記チャンバ本体内の前記流体レベルから上向きに反射された前記音響信号を受信するように位置合わせされた音響受信機である、請求項3に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項8】
前記音響受信機は、前記チャンバ本体の流体が空である場合に、前記出口端の内側表面から上向きに反射された前記音響信号を受信するように位置合わせされる、請求項7に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項9】
前記センサは、前記ドリップ・チャンバの前記チャンバ本体に配置されている、請求項1に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項10】
前記センサは、無線周波数識別(RFID)タグを備える、請求項9に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項11】
前記RFIDタグは、前記チャンバ本体内の流体レベルがRFIDタグを閉塞しない場合に、前記ドリップ・チャンバから信号を出力するように構成されている、請求項10に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項12】
前記センサは、注入ポンプ及びコントローラのうちの一方に流体状態データを送信するように構成されている、請求項1に記載のドリップ・チャンバ検出アセンブリ。
【請求項13】
静脈内(IV)セットであって、
流体ソースに結合されるように構成された流体ソース・コネクタと、
IVチューブと、
ドリップ・チャンバ検出アセンブリであって、
ドリップ・チャンバ本体、
前記流体ソース・コネクタに結合された入口コネクタを有する入口端、
前記IVチューブに結合された出口コネクタを有する出口端、並びに
前記入口端及び前記ドリップ・チャンバ本体のうちの一方に一体的に結合され、前記ドリップ・チャンバ本体内の流体状態を示す信号を、前記ドリップ・チャンバ本体内で生成するように構成されたセンサ
を備えるドリップ・チャンバ検出アセンブリと
を備える静脈内(IV)セット。
【請求項14】
前記センサは、前記入口端に配置され、送信機/受信機のペアとして構成された送信機及び受信機を備える、請求項13に記載のIVセット。
【請求項15】
前記送信機は、垂直ではない角度で前記入口端から下向きに前記ドリップ・チャンバ本体内へと信号を送信するように位置合わせされ、前記受信機は、垂直ではない角度で前記入口端へと、前記ドリップ・チャンバ本体内から上向きに反射された前記信号を受信するように位置合わせされる、請求項14に記載のIVセット。
【請求項16】
前記送信機は、前記ドリップ・チャンバ本体内へと下向きに光学信号を送信するように位置合わせされた光学送信機であり、前記受信機は、前記ドリップ・チャンバ本体内に流体レベルが存在する場合に、流体から上向きに反射された前記光学信号を受信するように位置合わせされた光学受信機であり、前記ドリップ・チャンバ本体は、前記ドリップ・チャンバ本体の流体が空である場合に、前記光学信号が前記光学受信機へと上向きに反射されないように構成されている、請求項14に記載のIVセット。
【請求項17】
前記送信機は、前記ドリップ・チャンバ本体内へと下向きに音響信号を送信するように位置合わせされた音響送信機であり、前記受信機は、前記ドリップ・チャンバ本体内の流体レベル、及び前記ドリップ・チャンバ本体の流体が空である場合の前記出口端の内側表面のうちの一方から上向きに反射された前記音響信号を受信するように位置合わせされた音響受信機である、請求項14に記載のIVセット。
【請求項18】
前記センサは、前記ドリップ・チャンバ本体に配置され、前記センサは、無線周波数識別(RFID)タグであり、前記RFIDタグは、前記ドリップ・チャンバ本体内の流体レベルが前記RFIDタグを閉塞しない場合に、前記ドリップ・チャンバ本体から信号を出力するように構成されている、請求項13に記載のIVセット。
【請求項19】
ドリップ・チャンバ検出アセンブリを備えた注入ポンプを動作させる方法であって、
静脈内(IV)セットのドリップ・チャンバを流体容器に結合するステップであって、前記ドリップ・チャンバは、ドリップ・チャンバ検出器を有する、ステップと、
前記流体容器から前記ドリップ・チャンバ内へと流体を解放するステップと、
前記ドリップ・チャンバ検出器の送信機から前記ドリップ・チャンバのチャンバ本体内へと信号を送信するステップと、
前記ドリップ・チャンバ検出器によって、前記送信された信号に基づいて、前記IVセットの動作中の前記チャンバ本体内の流体状態を監視するステップと、
流体状態データを、前記ドリップ・チャンバ検出器から制御デバイスに送信するステップと、
前記流体状態データに基づいて、異常な流体状態が前記ドリップ・チャンバ内に存在することを判定するステップと、
異常な流体状態の前記判定を、前記注入ポンプの閉ループ制御システムに提供するステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記閉ループ制御システムによって、アラームを生成するステップ、及び
前記閉ループ制御システムによって、前記注入ポンプを停止させるステップ
のうちの一方を更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、注入ポンプにおける統制されていないフロー状態の検出に関し、より詳しくは、リアルタイム・ドリップ・チャンバ・モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
静脈内(IV)セットは、重力及び注入ポンプでの流体送達用途のために、医療分野において広く用いられている。そのようなIVセットは、典型的には、ドリップ・チャンバ、チェック・バルブ、及びローラ・クランプなど、IVセットを通過する流体のフローを統制するための少なくとも1つのフロー制御デバイスを有する。注入ポンプのためのIVセットが適切に動作するには、ドリップ・チャンバ内の自由なフロー状態を検出して、その状態を改善するためのアラート及び/又はアクションを提供可能であることが要求される。典型的な解決策としては、自由なフロー状態を判定するために、ドリップ・チャンバと共に外部光学センサを用いること、又はドリップ・チャンバの壁部を通じて撮像して点滴の形成をカウントするカメラ視覚システムが用いることがある。しかし、これらの解決策は、ドリップ・チャンバ壁部の変色、ドリップ・チャンバ内の曇り又は結露、及び滴下効果に起因するドリップ・チャンバ壁部上の蓄積した小さな水滴などの状態により、悪影響を受けることになり、それによって、このシステムが、ドリップ・チャンバ内の点滴を確実に識別してカウントすることが妨げられる。これらの理由により、ドリップ・チャンバ内の流体レベルを正確に監視するために、これらの制約を克服する方法及びシステムを提供することが望ましい。
【0003】
添付の図面は、本開示の更なる理解を提供するために含まれており、この明細書に組み込まれその一部を構成するものであり、本開示の実施例を図解しており、詳細な説明と共に、本開示の原理を説明するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】流体供給源の内容物を患者にポンピングするようにそれぞれの流体供給源にそれぞれが接続された4つの流体注入ポンプを有する、例示的な患者ケア・システムの正面図である。
図2】典型的な組み立てられた注入セットの概略図である。
図3】本開示のいくつかの態様による、ドリップ・チャンバ検出アセンブリの斜視図である。
図4】本開示のいくつかの態様による、図3のドリップ・チャンバ検出アセンブリの正面断面図である。
図5】本開示のいくつかの態様による、ドリップ・チャンバが部分的に満たされた状態にあるドリップ・チャンバ検出アセンブリの正面断面図である。
図6】本開示のいくつかの態様による、ドリップ・チャンバが空の状態にある図5のドリップ・チャンバ検出アセンブリの正面断面図である。
図7】本開示のいくつかの態様による、ドリップ・チャンバが部分的に満たされた状態にあるドリップ・チャンバ検出アセンブリの正面図である。
図8】本開示のいくつかの態様による、ドリップ・チャンバが空の状態にある図7のドリップ・チャンバ検出アセンブリの正面図である。
図9】本開示のいくつかの態様による、ドリップ・チャンバ検出アセンブリを用いる方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下に与えられている詳細な説明は、主題の技術の様々な構成を記載しているのであって、主題の技術が実施され得る唯一の構成を表現するように、意図されたものではない。この詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供するための特定の詳細を含む。それゆえ、特定の態様に関して、非限定的な実例として、寸法が提供される。しかし、主題の技術はこれら特定の詳細がなくても実施され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの場合に、よく知られた構造及びコンポーネントが、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック図の形式で示されている。
【0006】
本開示は、主題の技術の実例を含むが、添付の特許請求の範囲の範囲を限定しない、ということが理解されるべきである。以下では、主題の技術の様々な態様が、詳細ではあるが非限定的な実例に従って、開示される。本開示に記載のある様々な実施例は、異なる方法及び変形形態として、所望の適用例又は実装例に従って実行され得る。
【0007】
図1に示されているように、患者ケア・システム20はコントローラ60と4つの注入ポンプ22、24、26及び28とを有し、各注入ポンプは、上流流体ライン30、32、34及び36と、それぞれ流体的に接続されている。また、4つの注入ポンプ22、24、26及び28は、それぞれが、下流流体ライン31、33、35及び37と、それぞれ流体的に接続されている。これらの流体ラインは、静脈内(IV)投与セットなど、その中を通過して流体が流れることが可能な、任意のタイプの流体導管であり得る。シリンジ・ポンプを含めて、多種多様なポンプ機構のうちの任意のものを用いることが可能であるということが留意されるべきである。
【0008】
流体供給源38、40、42及び44は、様々な形態を取り得るが、この場合にはボトルとして示されており、反転されてポンプの上方に吊り下げられる。流体供給源は、また、バッグの形態、又はシリンジを含む他のタイプの容器という形態を取る場合もあり得る。患者ケア・システム20と流体供給源38、40、42及び44とは、両方とも、ローラ・スタンド、IVポール46、テーブル・トップなどに設置される。
【0009】
流体供給源の流体のそれぞれを患者の体内に注入するために、別々の注入ポンプ22、24、26及び28が用いられる。これらの注入ポンプは、流体を流体供給源から流体ラインを通過して患者48まで移動させるために、それぞれの流体ラインに作用することになるフロー制御デバイスである。個別のポンプが用いられるため、それぞれのポンプは、特定の医療用流体を各流体供給源から患者の体内へ、医師によりその流体に関して処方された特定の速度で注入するのに要求されるポンプ又は動作パラメータに、個別に設定されることが可能である。このような医療用流体は、薬剤、栄養素又はそれ以外の流体を、含み得る。
【0010】
流体供給源38、40、42及び44は、それぞれが、電子データ・タグ81、83、85及び87それぞれに、又は電子送信機に結合されている。注入システムに関連するどのようなデバイス又はコンポーネントも、電子データ・タグ、リーダ又は送信機を備え得る。
【0011】
図2に示されているように、典型的な注入セット50は、チュービング55によってすべて相互に接続されたドリップ・チャンバ52と、チェック・バルブ54と、ローラ・クランプ56と、Y-ジャンクション58とを含み得る。典型的な注入セット50は、追加的な注入コンポーネントを含んでも良く、コンポーネントとチュービング55との任意の組合せで形成されても良い。ドリップ・チャンバ52と共に、外部光学センサ又は外部カメラ視覚システムが、用いられ得る。
【0012】
本開示のいくつかの態様によると、主題の技術は、IVセット内に一体化される。これにより、IVセットに追加される外部コンポーネントが不要になり、外部コンポーネントのドリップ・チャンバへの適合に要求される追加的な調整又は校正が不要になる。その代わりとして、IVセットに容易且つ効率的に結合されることが可能な一体型の流体レベル検出アセンブリが、ドリップ・チャンバに設けられる。
【0013】
次に図3及び図4を参照すると、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ100は、チャンバ本体112と入口端114と出口端116とを有するドリップ・チャンバ110を含む。入口端114は、流体バッグ又は容器(図示せず)などの流体ソースに結合され得る入口ソース150(例えば、チュービング、スパイク)と結合するように構成された入口コネクタ119を含む。出口端116は、IVセットにおける別のコンポーネント又は患者に結合され得る出口レシーバ152(例えば、チュービング)と結合するように構成された出口コネクタ117を含む。
【0014】
ドリップ・チャンバ検出アセンブリ100は、それぞれがチャンバ本体112の入口端114(例えば、上面)に配置された送信機130及び受信機140(例えば、送信機/受信機のペア)を有する、光学センサ120を含む。送信機130及び受信機140は、ドリップ・チャンバ110内の流体レベル115に対して、ある角度で、光学(例えば、光)信号OSを送信し、光学信号OSを受信するように位置決めされている。よって、送信機130/受信機140のペアは、図3に示されているように、チャンバ本体112が流体レベル115を含むときには、流体レベル115が送信機130から送信された光学信号OSを受信機140への光学信号OSとして反射する点に合焦されている。図4に示されているようにチャンバ本体120が空であるときには、送信機130から送信される光学信号OSは、反射する流体を有しないので、受信機140によって受信される光学信号OSは存在しないことになる。
【0015】
送信機130/受信機140のペアの位置決めは、流体レベル115を見下ろす方向の角度θを与え、結果的に、流体レベル115に衝突する流体の小滴によって形成されるリップル摂動を生じる。リップル摂動の周波数と流体レベル115の変化率とに関して、反射された信号を受信機140において解析することにより、プロセッサ(例えば、コントローラ60)は、IVセット内の統制されていない状態すなわち自由なフロー状態を判定する。光の送信及び受信は、チャンバ本体112内の非常に僅かな流速又は滴下速度の正確な決定を提供する。受信機140からのデータは、閉ループ制御を確立し、異常なフロー状態においてユーザへのアラートを生じさせるため、注入ポンプ(例えば、注入ポンプ22、24、26、及び28)又はシステム・プロセッサ(例えば、コントローラ60)に、有線又は無線でインタフェースされ得る。反射信号が存在しないことを受信機140で検出することにより、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ100は、流体ソースが空になっている又は閉塞されているかどうかを、リアルタイムで検出することができ、この情報は、ポンプを自動的に停止させる及び/又はアラートを生成するなど、システムの閉ループ制御において用いられ得る。本明細書で用いられる場合、「リアルタイム」という用語は、一般に、ユーザ若しくはシステムが以後のプロセス若しくは決定が適時になされるほど十分に直ちに感知する、又はプロセッサが何らかの外部プロセスに遅れないことを可能にする、処理の応答性のレベルを指す。
【0016】
次に図5及び図6を参照すると、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ200は、上述されたドリップ・チャンバ110を含む。ドリップ・チャンバ検出アセンブリ200は、それぞれがチャンバ本体112の入口端114(例えば、上面)に配置された送信機230及び受信機240(例えば、送信機/受信機のペア)を有するセンサ220を含む。センサ220は、超音波圧電センサ、飛行時間(TOF)センサなどの音響センサであり得る。送信機230及び受信機240は、音響(例えば、音声)信号ASを送信し、ドリップ・チャンバ110内の流体レベル115に関する音響信号ASを受信するように、位置決めされる。このように、送信機230/受信機240のペアは、図5に示されているように、チャンバ本体112がいくらかのレベルの流体を含むときには、送信機230から送信された音響信号を流体レベル115が反射して受信機240に戻すように位置決めされる。図6に示されるようにチャンバ本体112が空であるときには、送信機230から送信された音響信号ASは、出口端116の内側表面118から反射し、音響信号ASが、受信機240によって受信される。この場合には、音響信号ASがチャンバ本体112の長さ全体を移動するため、反射された音響信号ASは、受信機240に到達するために、より長い時間期間を要する。
【0017】
送信機230/受信機240のペアの位置決めによって、音響信号ASが流体レベル115又は内側方面118から戻る跳ね返りが、受信機240への音響信号ASとして生じる。送信機230からの音響信号ASの送信と受信機240による音響信号ASの受信との間の時間(例えば、信号のタイム・ラグ)を解析することにより、プロセッサ(例えば、コントローラ60)が、チャンバ本体112内の流体のレベルを測定/決定し、そのレベルは、流体の流速を判定するために、既知のポンプ/IVセットの設定及び/又は先の流体レベルの測定と、比較され得る。この場合、ドリップ・チャンバ110内の流体レベル115を、リアルタイムで知ることができ、流体レベル115の変化率を決定すること、したがって、正常な流体状態と異常な流体状態との差異を識別することが可能になる。
【0018】
音響信号AS、ASの送信及び受信は、照明状態及び光学的反射に影響を受けることなく、そのような信号の検出は、チャンバ本体112内の非常に正確な流体レベルの検出を提供する。受信機240からのデータは、閉ループ制御を確立し、異常なフロー状態においてユーザへのアラートを生じさせるように、注入ポンプ(例えば、注入ポンプ22、24、26、28)又はシステム・プロセッサ(例えば、コントローラ60)に、有線又は無線でインタフェースされ得る。内側表面118からの反射された音響信号ASを受信機240で検出することによって、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ200は、流体ソースが空である又は閉塞されているかどうかをリアルタイムで検出し得、その情報は、システムの閉ループ制御において用いられ得る。閉ループ制御は、流体ソース情報に基づいて、ポンプの自動的な停止及び/又はアラートの生成などのアクションを取り得る。
【0019】
チャンバ本体112内の流体の変動するレベルに基づいて、一連のアラームが、インタフェース及び/又はユーザに提供され得る。例えば、最初のアラームは、流体レベルが特定のレベルより低下するときに提供することができ、連続的な閾値レベルを通じて流体レベルが低下し続けるにつれて、より緊急的なアラームを生成することもできる。流体レベルの決定は、ポンプ動作のための情報を提供するために用いられ得る。例えば、チャンバ本体112が、流体レベルを全く有していない(例えば、チャンバが空である)と判定される場合には、流体ソース(例えば、流体供給源38、40、42、44)が空であるか又はポンプ(例えば、注入ポンプ22、24、26、28)が充填/送達サイクルの間に正常に(例えば、重力IVセットのように動作するように)動作していない、という判定がなされ得る。
【0020】
次に、図7及び図8を参照すると、ドリップ・チャンバ検出器アセンブリ300は、上述したドリップ・チャンバ110を含む。ドリップ・チャンバ検出器アセンブリ300は、チャンバ本体112の内部又は外部に配置されたセンサ320を含む。センサ320は、ワイヤレス・センサ、無線周波数(RF)センサなどであり得、図7に示されているように、センサ320がチャンバ本体112内の流体レベル115によって遮蔽されているときには、センサ320がスキャナ読み出し信号SRSによって読み出されることが不可能であるか、又は、センサ320からのセンサ送信信号STSがチャンバ本体112の外部へ通過することが不可能である。しかし、図8に示されているように、チャンバ本体112が空であるときは、センサ320が信号ソース/スキャナから送信されたスキャナ読み出し信号SRSを反射することができるか、又は、センサ320からのセンサ送信信号STSをドリップ・チャンバ110の外部に送信することができる。反射されたスキャナ読み出し信号SRS又は送信されたセンサ送信信号STSは、クエリ・スキャナによって又は任意の他のリーダによって、受信され得る。
【0021】
例えば、センサ320は、アンテナを備えた無線周波数識別(RFID)タグであって、そのRFIDタグの電力特性の低下が、物理パラメータの変化と関係するようなものであり得る。よって、RFIDタグ検出の変化を監視することが、IV容器(例えば、流体供給源38、40、42、44)の状態と関係し得る。充満状態では、RFIDタグに対する背景誘電体は、流体ベースの薬剤である。IV薬剤の主たる成分は水であり、水は、RFIDリーダから入来する電場のほとんどを打ち消す極性誘電体である。したがって、RFIDタグが流体に隣接しているときには、そのRFIDタグは、読み出すことが不可能である。しかし、空の状態では、RFIDタグに対する背景誘電体は空気であって、結果的に、読み出し可能な状態となる。こうして、RFIDタグの検出を観察することによって、ドリップ・チャンバ110の充満状態から空の状態への状態変化が、したがって、IV容器(例えば、流体供給源38、40、42、44)の充満状態から空の状態への状態変化が、推測され得る。
【0022】
センサ320は、チャンバ本体112の任意の所望のレベルに位置決めされ得る。例えば、センサ320は、図8に示されているように、チャンバ本体112の底部に位置決めされ得る。別の実例としては、センサ320が、流体レベルがセンサ320よりも低下すると信号がセンサ320から反射される又は発信されるように、閾値となる流体レベル(例えば、流体レベル115)より僅かに下に位置決めされ得る。更に別の実例としては、複数のセンサ320をチャンバ本体112の複数の異なる位置に配置して、流体レベルがそれら複数のセンサ320のうちの別の1つより低くなるたびに、新たに反射される/発信される信号を提供するようにすることもできる。IVセットと一体化されたそのような1つ又は複数のセンサ320は、正常な状態及び不良状態(例えば、流体ソースが空の状態、流体入口が閉塞されている状態)において、ドリップ・チャンバ110内の流体レベルの監視を提供する。
【0023】
説明されているドリップ・チャンバ検出アセンブリの実施例(例えば、アセンブリ100、アセンブリ200、又はアセンブリ300)は、説明されている検出機能をサポートするために、追加的な要素を含み得る。例えば、ドリップ・チャンバ検出アセンブリは、アセンブリに含まれている要素に給電するための電源を含み得る。電源は、例えば、流体ソースが吊り下げられる注入ポンプ又は静脈内(IV)ポールから受け取られるワイヤレス信号から電力を生じさせる誘導電源であり得る。いくつかの実装例では、電源は、電池であり得る。いくつかの実装例では、電力が、アセンブリと流体ソースが取り付けられている注入ポンプ又はIVポールなどの別のデバイスとの間に形成される導電経路を介して受け取られても良い。この導電経路は、投与セットの一部に形成されることもあり得る。アセンブリに含まれ得る要素の他の実例には、検出プロセスの全部又は一部を調整するためのマイクロプロセッサ、アセンブリとの間で情報を通信するためのトランシーバ、検出プロセッサのために測定又は設定を記憶するメモリ、或いは、アセンブリ又はアセンブリを含む注入セッションのステータス若しくは状態を示す、人間に知覚可能な出力(例えば、音声、視覚、触覚)を提供する出力要素が含まれる。
【0024】
閉ループ制御のアクションの実例には、ポンピング速度の調整又は注入流体ソースの高さの調整など、注入速度を変更するアクションが含まれる。閉ループ制御のアクションの他の実例には、状態が調整されるか若しくは新たな情報が注入ポンプに提供される(例えば、新たな流体ソースをスキャンする)まで注入ポンプの1つ又は複数の機能を非作動化すること、検出アセンブリから受け取られた情報に基づいてユーザ・インタフェースを動的に更新すること、又は音声ファイルなどのメディア・コンテンツを再生させ、検出された閉塞の訂正を可能にする言葉によるコンテンツを提供すること(例えば、患者が、例えば腕の置き方により注入ラインを意図せず閉塞してしまうことがあり得るため、音声ファイルが、腕を持ち上げる又は移動させるきっかけを提供することができる)が含まれる。
【0025】
アセンブリは、ドリップ・チャンバ内の流体レベルを評価するために音響又は光学信号をどのように用いることが可能であるかを説明する。この評価は、信号の測定に基づき得る。いくつかの実装例では、流体レベルの測定を提供するために、信号が変換され得る(例えば、信号強度nが、xミリリットルの流体に対応する)。この変換は、注入されている流体、流体ソースの高さ、投与セットの設定、又は注入ポンプと密接な検出可能な他のパラメータなど、注入の特性に動的に基づき得る。いくつかの実装例では、この評価は、速度又は傾向を決定することなど、時間を含み得る。そのような実装例では、単一の測定された又は変換された値は、単独では、システムの応答を生じさせないことがあり得るが、一連の値(例えば、3、5、10、100)の観測が、注入状態(例えば、閉塞、容器が空など)を検出するために用いられ得る。この検出は、1つ又は複数の測定された又は変換された値と閾値との対応を識別することを含み得る。検出のための閾値は、システムによって保存されている静的な値であるか、又は、例えば、注入されている流体、流体ソースの高さ、注入ポンプの流速、投与セットの設定、又は注入ポンプと密接な検出可能な他のパラメータなど、注入の特性に基づいて生成される動的な値であり得る。
【0026】
図9は、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ(例えば、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ100、200、300)を用いてIVセットを動作させる方法900を示している。方法900は、注入ポンプ、注入ポンプ・モジュール、流体を運ぶ注入ポンプが付随した患者ケア・ユニット(PCU)、サーバ、注入ポンプ・コントローラ、検出アセンブリに含まれたマイクロプロセッサなど、1つ又は複数の調整デバイスによって、実行又は調整され得る。
【0027】
ステップ910では、ドリップ・チャンバ(例えば、ドリップ・チャンバ110)が、流体容器(例えば、流体供給源38、40、42、44)と、流体的に結合される。例えば、チュービング(例えば、チュービング55)が、ドリップ・チャンバ(例えば、入口コネクタ119)と流体容器との間に結合されても良く、又は、スパイクが、ドリップ・チャンバと流体容器とを、直接に結合しても良い。ステップ920では、ドリップ・チャンバが所望の流体レベル(例えば、流体レベル115)を有するようになるまで、流体が、流体ソースからドリップ・チャンバ内へと解放される。ステップ930では、ドリップ・チャンバ内の流体状態が、IVセットの動作中、ドリップ・チャンバ検出器(例えば、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ100、200、300)によって監視される。例えば、光学信号(例えば、送信機130/受信機140のペア)、超音波/飛行時間信号(例えば、送信機230/受信機240のペア)、又はRF信号(例えば、RFIDタグ320)が、ドリップ・チャンバ内の流体レベルを監視するために、用いられ得る。
【0028】
ステップ940では、ドリップ・チャンバ検出器からのデータが、制御デバイス(例えば、コントローラ60、注入ポンプ22、24、26、28)に、有線又は無線で送られる。ステップ950では、受け取られたデータが、異常な又は望ましくない流体状態が存在するかどうか(例えば、流体ソースが空である又は閉塞されている、正しくない流体流速)を判定するために、解析又は測定される。例えば、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ(例えば、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ100)からの光学信号が、リップル摂動の周波数及び/又は流体レベルの変化率に関して解析され、流体ソースが空である又は閉塞されているというリアルタイムの指示が提供され得る。別の実例としては、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ(例えば、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ200)からの超音波信号が、ドリップ・チャンバ内の流体レベルを測定するために解析され、流体レベルは、流体の流速を決定して正常な流体状態と異常な流体状態との差異を識別するために用いられる。更に別の実例では、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ(例えば、ドリップ・チャンバ検出アセンブリ300)からのRFID信号が、ドリップ・チャンバが空かどうか、そして更に、流体ソースが空である又は閉塞されていることを判定するために解析される。
【0029】
ステップ960では、判定された状態が、注入システムの閉ループ制御に用いられる。ステップ970では、アラームが、閉ループ制御によって生成される。例えば、アラームは、注入ポンプのディスプレイ及び/又はユーザ・デバイスにおいて生成され得る。ステップ980では、注入ポンプが、閉ループ制御によって停止される。例えば、注入ポンプのソフトウェアが、判定された状態の発生時又は受信時に、ポンプを自動的に停止させることができる。別の実例では、ステップ970からのアラームを受け取ったことに基づいてユーザによって、注入ポンプを手動で停止させることもできる。
【0030】
開示されているプロセスの方法におけるブロックのどの特定の順序又は階層も例示的なアプローチの例示であると理解される。設計又は実装における選好に基づき、プロセスにおけるブロックの特定の順序又は階層は再配列され得ること、又はすべての図解されているブロックが実行されると理解される。いくつかの実装例では、ブロックのうちのどれもが、同時に実行され得る。
【0031】
本開示は、任意の当業者が本明細書に記載された様々な態様を実施することを可能にするように、提供されている。本開示は、主題の技術の様々な実例を提供しており、主題の技術は、これらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであろうし、本明細書で定義されている包括的な原理は、他の態様に適用され得る。
【0032】
単数形の要素への言及は、特にそうであると述べられていない限り、「1つであり唯一」を意味するものとは意図されておらず、むしろ「1つ又は複数」を意味するものと意図されている。特にそうでないと述べられていない限り、「いくつか」という用語は、1つ又は複数を指す。男性形の代名詞(例えば、彼の)は、女性及び中性の性別(例えば、彼女の及びその)を含むし、その逆も同様である。見出し及び小見出しは、存在する場合には、便宜上のためのみに用いられるのであって、本発明を限定しない。
【0033】
「例示的」という語は、本明細書では、「実例又は例示として機能する」ことを意味するように用いられる。本明細書において「例示的」と記載されているどの態様又は設計も、他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であるとは、必ずしも解釈されるべきでない。ある態様では、本明細書に記載されている様々な代替的な構成及び動作は、少なくとも均等であると見なされ得る。
【0034】
本明細書で用いられるときには、一連のアイテムの前に置かれており、それらのアイテムのうちの任意のものを分離するための「又は」という用語を伴う「~うちの少なくとも1つ」という語句は、そのリストの各アイテムを修飾するものではなく、そのリストを全体として修飾するものである。「~のうちの少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つのアイテムの選択を要求するのではなく、むしろ、アイテムの任意のもののうちの少なくとも1つ、及び/又はアイテムの任意の組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又はアイテムの各々のうちの少なくとも1つを含むことを意味し得る。例を挙げると、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ若しくはCのみ、又はA、B及びCの任意の組合せを指し得る。
【0035】
「態様」のような語句が、そのような態様は主題の技術に不可欠であることや、又はそのような態様は主題の技術のすべての構成に適用されることを含意することはない。ある態様に関する開示が、すべての構成に、又は1つ若しくは複数の構成に適用されることがあり得る。ある態様が、1つ又は複数の実例を提供することがあり得る。ある態様のような語句が、1つ又は複数の態様を指すことがあり得るし、その逆も同様である。「実施例」のような語句が、そのような実施例は主題の技術に不可欠であることや、又はそのような実施例は主題の技術のすべての構成に適用されることを含意することはない。ある実施例に関する開示が、すべての実施例に、又は1つ若しくは複数の実施例に適用されることがあり得る。ある実施例が、1つ又は複数の実例を提供することがあり得る。ある実施例のような語句が、1つ又は複数の実施例を指すことがあり得るし、その逆も同様である。「構成」のような語句が、そのような構成は主題の技術に不可欠であることや、又はそのような構成は主題の技術のすべての構成に適用されることを含意することはない。ある構成に関する開示が、すべての構成に、又は1つ若しくは複数の構成に適用されることがあり得る。ある構成が、1つ又は複数の実例を提供することがあり得る。ある構成などの語句が、1つ又は複数の構成を指すことがあり得るし、その逆も同様である。
【0036】
本明細書で用いられる場合に、「ユーザ・インタフェース」(対話的ユーザ・インタフェース、グラフィカル・ユーザ・インタフェース、又はUIと称されることもある)とは、入力信号を受け取るため、又は電子情報を提供するため、及び/又は任意の受け取られた入力信号に応答して情報をユーザに提供するための、データ・フィールド及び/又はそれ以外の制御要素を含む、ネットワーク・ベースのインタフェースを意味し得る。制御要素には、ダイアル、ボタン、アイコン、選択可能なエリア、又はそれ以外の知覚可能なしるしが含まれ得、これらは、対話が行われる(例えば、クリック、タッチ、選択されるなど)と、UIを提示するデバイスのためにデータの交換を開始するUIを介して提示される。UIは、全体として又は部分的に、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)、FLASH(商標)、JAVA(商標)、.NET(商標)、C、C++、ウェブ・サービス、又はリッチ・サイト・サマリ(RSS)などの技術を用いて実装され得る。いくつかの実装例では、UIは、説明されている態様のうちの1つ又は複数に従って通信する(例えば、データを送信又は受信する)ように構成されたスタンドアロンのクライアント(例えば、シック・クライアント、ファット・クライアント)に含まれ得る。この通信は、通信状態にある医療デバイス又はサーバとの間のものであり得る。
【0037】
本明細書で用いられるとき、「判定する」又は「判定すること」という語句は、多種多様な動作を包含する。例えば、「判定すること」は、ユーザの介入なくハードウェア要素を介して、算出すること、計算すること、処理すること、導出すること、生成すること、取得すること、参照すること(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造において参照すること)、確認することなどを含み得る。また、「判定すること」は、ユーザの介入なくハードウェア要素を介して、受け取ること(例えば、情報を受け取る)、アクセスすること(メモリにおけるデータにアクセスすること)などを含み得る。「判定すること」は、ユーザの介入なくハードウェア要素を介して、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含み得る。
【0038】
本明細書で用いられるとき、「提供する」又は「提供すること」という語句は、多種多様な動作を包含する。例えば、「提供すること」は、以後の検索のために記憶デバイスのある場所に値を記憶すること、少なくとも1つの有線又はワイヤレス通信媒体を介して値を直接に受け手に送信すること、ある値への参照を送信又は記憶することなどを含み得る。「提供すること」は、また、ハードウェア要素を介して、エンコードすること、デコードすること、暗号化すること、復号すること、検証すること、認証することなども含み得る。
【0039】
本明細書で用いるとき、「メッセージ」という語句は、情報を通信する(例えば、送信する又は受信する)ための多種多様なフォーマットを包含する。メッセージは、XML文書、固定フィールド・メッセージ、コンマ区切りメッセージ、JSON、カスタム・プロトコル又は同様のものなど、情報の機械可読な集合体を含み得る。メッセージは、いくつかの実装例では、情報の1つ又は複数の表現を送信するのに用いられる信号を含み得る。単数形で書かれている場合であっても、メッセージは、複数の部分として組成され得る、送信され得る、記憶され得る、受信され得るなどと理解されることになる。
【0040】
本明細書で用いられるとき、「選択的に」又は「選択的な」という用語は、多種多様な動作を包含し得る。例えば、「選択的な」プロセスとは、複数の選択肢から1つの選択肢を決定することを含み得る。「選択的な」プロセスとは、決定を下すための、動的に決定される入力、予め設定された入力、若しくはユーザの始動による入力のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装例において、選択を行うために用いられる入力の個数をnとして、n入力スイッチが、選択的な機能性を提供するために含まれ得る。
【0041】
本明細書で用いられるとき、「対応する(correspond)」又は「対応している(corresponding)」という用語は、2つ以上の対象、データ・セット、情報、及び/又はその他の間における、構造的、機能的、定量的及び/若しくは定性的な相関又は関係を包含し、好ましくは、対応又は関係とは、2つ以上の対象、データ・セット、情報、及び/若しくはその他のうちの1つ又は複数を、同一である又は等しいように見えるように変換するために用いられ得る。対応は、閾値、値の範囲、ファジー論理、パターン・マッチング、機械学習評価モデル、若しくはそれらの組合せのうちの1つ又は複数を用いて評価され得る。
【0042】
どの実施例でも、生成された又は検出されたデータは、「遠隔」のデバイス又は場所へ転送され得る。ここで、「遠隔」とは、プログラムが実行される場所又はデバイスとは別の場所又はデバイスを意味する。例えば、リモートな場所とは、同じ都市における別の場所(例えば、オフィス、実験室、その他)、異なる都市における別の場所、異なる州における別の場所、異なる国における別の場所などであり得る。そのように、あるアイテムが別のアイテムから「リモート」であるとして示されているときに意味されているのは、これら2つのアイテムが同じ部屋の中であり離れていても良いこと、又は少なくとも異なる部屋にあるか若しくは異なる建物にあり少なくとも1.61km(1マイル)、16.1km(10マイル)、若しくは161km(100マイル)離れていても良いことである。情報を「通信する」とは、適切な通信チャネル(例えば、私設又は公共のネットワーク)を経由して、その情報を電気信号として表しているデータを送信することを指す。アイテムを「転送する」とは、そのアイテムを物理的に運ぶことによるのか又は(可能であれば)それ以外の態様によるのかにかかわらず、そのアイテムをある場所から次の場所に移動させる任意の手段を指し、少なくともデータの場合には、そのデータを搬送する媒体を物理的に輸送すること又はそのデータを通信することを含む。通信媒体の実例には、無線若しくは赤外線伝送チャネルが含まれるし、更に、別のコンピュータ若しくはネットワーク接続されたデバイスとインターネットとのネットワーク接続が含まれ、又は電子メールの送信とウェブサイト上に記録された情報などとが含まれる。
【0043】
ある態様において、そうでないと述べられていない限り、以下の特許請求の範囲を含めて、本明細書で与えられているすべての測定、値、等級、位置、大きさ、サイズ、及びその他の仕様は近似であり、厳密なものではない。ある態様において、それらは、それらが関連する機能及びそれらが属する技術分野で慣習的であるものと首尾一貫した合理的な範囲を有することが意図されている。
【0044】
開示されているステップ、操作若しくはプロセスの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例示であると理解される。設計の選好に基づき、ステップ、操作若しくはプロセスの特定の順序又は階層は、再配置され得ると理解される。ステップ、操作又はプロセスのうちのいくつかは、同時に遂行されることがあり得る。ステップ、操作又はプロセスのうちのいくつか又は全部が、ユーザの介入なしに自動的に遂行されることがあり得る。添付の方法の請求項(もし、あれば)は、様々なステップ、操作又はプロセスの要素を見本となる順序で提示しているのであって、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0045】
当業者に知られている又は後に知られるようになる、本開示全体を通じて記載されている様々な態様の要素に対するすべての構造的及び機能的な均等物は、参照によって本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。更には、本明細書において開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かとは関係なく、公共に捧げられるものとは意図されていない。請求項のどの要素も、その要素が「~ための手段」という語句を用いて明確に列挙されていない限り、又は、方法の請求項の場合には、その要素が「~ためのステップ」という語句を用いて列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に従って解釈されるべきではない。更に、「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が用いられている限り、そのような用語は、請求項において「備える(comprise)」が移行句として使われる場合に解釈されるときの「備える(comprise)」という用語と同様であるように、包括的であることが意図されている。
【0046】
本開示の発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明及び要約書は、ここで本開示に組み込まれ、本開示の限定的な記載としてではなく、例示的な実例として提供されている。それらは、特許請求の範囲の範囲又は意味を限定するように用いられることはないとの理解と共に提出されている。加えて、詳細な説明では、記載が例示的な実例を提供していること、そして、様々な特徴が本開示を合理化するための様々な実施例としてグループ化されていることを、見ることが可能である。この開示方法は、特許請求された主題が、各請求項において明確に列挙されたものよりも多くの特徴を要するという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映しているように、本発明の主題は、単一の開示されている構成又は操作の全部の特徴よりも少数の特徴に存する。以下の特許請求の範囲は、ここで詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別々に特許請求されている主題として、それ自体で存在している。
【0047】
特許請求の範囲は、本明細書に記載されている態様に限定されることが意図されてはおらず、請求項の記載と首尾一貫する全範囲が与えられ、すべての法的均等物を包含することになる。それにもかかわらず、いずれの請求項も、米国特許法第101条、第102条、又は第103条の要件を満たさない主題を包含するとは意図されておらず、そのように解釈されるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】