IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ズークス インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-527373摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避
<>
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図1
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図2A
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図2B
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図3A
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図3B
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図4
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図5
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図6
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図7
  • 特表-摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/09 20120101AFI20230621BHJP
【FI】
B60W30/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572618
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 US2021033931
(87)【国際公開番号】W WO2021242702
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】16/884,975
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム アンソニー シルヴァ
(72)【発明者】
【氏名】アビシェク クリシュナ アケラ
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA32
3D241BA33
3D241CC01
3D241CC17
3D241DC18Z
3D241DC20Z
(57)【要約】
自律車両または半自律車両内の車両安全システムは、環境内の車両と他の移動するオブジェクトとの間の衝突を予測し、回避し得る。車両安全システムは、例えば、オブジェクトに関連付けられた知覚された軌道の状態パラメータに摂動を加えることによって、環境内の別のオブジェクトについての1つまたは複数の摂動軌道を決定し得る。各摂動軌道は、それが車両の計画軌道と交差するか、または潜在的に衝突するかを決定するために評価され得る。いくつかの例では、車両安全システムは、複数の摂動軌道の分析の結果を集約して、衝突確率および/または衝突予測に関連付けられた追加の重みまたは調整要因を決定してもよく、衝突予測および確率に基づいて車両が取るべきアクションを決定してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のプロセッサと、
実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、
環境内のオブジェクトに関連付けられた状態データを受信することと、
前記オブジェクトに関連付けられた知覚された軌道を受信することと、
前記知覚された軌道に少なくとも部分的に基づいて、摂動軌道を決定することと、
前記環境内の車両に関連付けられた軌道を受信することと、
前記摂動軌道および前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記オブジェクトと前記車両との間の衝突の可能性を決定することと、
前記衝突の可能性に少なくとも部分的に基づいて、前記車両についてのアクションを決定することと
を含む動作を実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶する、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体と
を備える、システム。
【請求項2】
前記摂動軌道を決定することは、複数の摂動軌道を決定することを含み、前記動作は、
前記複数の摂動軌道および前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の潜在的な衝突の数を決定することと、
前記潜在的な衝突の数がしきい値数を満たすか、または超えると決定することと、
前記潜在的な衝突の数にさらに少なくとも部分的に基づいて、前記車両についての前記アクションを決定することと
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記動作は、
前記複数の摂動軌道の数に対する前記潜在的な衝突の数に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突の確率を決定すること
をさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記状態データは、前記オブジェクトに関連付けられた加速度データ、前記オブジェクトに関連付けられたステアリング角速度を含み、
前記オブジェクトに関連付けられた前記複数の摂動軌道を決定することは、前記加速度データまたは前記ステアリング角速度のうちの少なくとも1つを変化させることを含む、請求項2または請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記状態データは、前記オブジェクトに関連付けられた分類をさらに含み、
前記摂動軌道を決定することは、前記オブジェクトに関連付けられた前記分類に少なくとも部分的に基づいている、請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記動作は、
前記摂動軌道に関連付けられた確率を決定することと、
前記確率に少なくとも部分的に基づいて、前記衝突の可能性を変更することと、
前記確率にさらに少なくとも部分的に基づいて、前記車両についての前記アクションを決定することと
をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記オブジェクトと前記車両との間の前記衝突の可能性を決定することは、
前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、第1の時間に前記車両の予測位置に関連付けられた第1の領域を決定することと、
前記摂動軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間における前記オブジェクトの予測位置に関連付けられた第2の領域を決定することと、
前記第1の領域と前記第2の領域との間の重複を決定することと
をさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
環境内のオブジェクトに関連付けられた状態データを受信するステップと、
前記オブジェクトに関連付けられた知覚された軌道を受信するステップと、
前記知覚された軌道に少なくとも部分的に基づいて、摂動軌道を決定するステップと、
前記環境内の車両に関連付けられた軌道を受信するステップと、
前記摂動軌道および前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記オブジェクトと前記車両との間の衝突の可能性を決定するステップと、
前記衝突の可能性に少なくとも部分的に基づいて、前記車両についてのアクションを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記摂動軌道を決定するステップは、複数の摂動軌道を決定するステップを含み、前記方法は、
前記複数の摂動軌道および前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の潜在的な衝突の数を決定するステップと、
前記潜在的な衝突の数がしきい値数を満たすか、または超えると決定するステップと、
前記潜在的な衝突の数にさらに少なくとも部分的に基づいて、前記車両についての前記アクションを決定するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の摂動軌道の数に対する前記潜在的な衝突の数に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突の確率を決定するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記状態データは、前記オブジェクトに関連付けられた加速度データ、前記オブジェクトに関連付けられたステアリング角速度を含み、
前記オブジェクトに関連付けられた前記複数の摂動軌道を決定するステップは、前記加速度データまたは前記ステアリング角速度のうちの少なくとも1つを変化させるステップを含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記状態データは、前記オブジェクトに関連付けられた分類をさらに含み、
前記摂動軌道を決定するステップは、前記オブジェクトに関連付けられた前記分類に少なくとも部分的に基づいている、請求項8から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記摂動軌道に関連付けられた確率を決定するステップと、
前記確率に少なくとも部分的に基づいて、前記衝突の可能性を変更するステップと、
前記確率にさらに少なくとも部分的に基づいて、前記車両についての前記アクションを決定するステップと
をさらに含む、請求項8から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記交差点を決定するステップは、
前記車両に関連付けられた第1のバウンディングボックスを決定するステップと、
前記オブジェクトに関連付けられた第2のバウンディングボックスを決定するステップと、
前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、第2の時間における前記第1のバウンディングボックスの第1の位置を決定するステップと、
前記摂動軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時間における前記第2のバウンディングボックスの第2の位置を決定するステップと、
前記第1の位置および前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の時間において前記第1のバウンディングボックスと前記第2のバウンディングボックスとの間の重複を決定するステップと
をさらに含む、請求項8から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、請求項7から14のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、摂動オブジェクト軌道に基づいた車両衝突回避に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
【0003】
本PCT国際出願は、2020年5月27日に出願され、「VEHICLE COLLISION AVOIDANCE BASED ON PERTURBED OBJECT TRAJECTORIES」と題された米国特許出願第16/884,975号の優先権の利益を主張し、この米国特許出願の全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0004】
車両には、環境内のオブジェクトを検出し、オブジェクトを回避するように車両を制御するために使用される衝突回避システムが装備されることがある。衝突回避システムは、駐車車両および道路障害物などの静止オブジェクトと、他の車両、自転車乗用者、歩行者、および動物などの移動オブジェクトとの両方を検出し得る。例えば、いくつかの衝突回避システムは、車両の経路内のオブジェクトを表す、環境内の表面の存在を検出および識別し、次いで、表面との衝突を回避するように車両のブレーキングおよび/またはステアリングシステムに作動させることによって動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第16/136,038号明細書
【特許文献2】米国特許出願第16/189,726号明細書
【図面の簡単な説明】
【0006】
詳細な説明は、添付の図を参照しつつ説明される。図において、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現われる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、類似または同一の構成要素または特徴を示す。
【0007】
図1】環境を横断する車両を例示し、環境内の第2の車両についての車両軌道および複数の摂動軌道を描く図である。
図2A】環境を横断する車両および第2の車両を例示し、車両間の潜在的な衝突を描く図である。
図2B】環境を横断する車両および第2の車両を例示し、車両間の潜在的な衝突を描く図である。
図3A】本明細書において説明される一定の技法による、潜在的な衝突ゾーン内の車両とオブジェクトとの間の時空間重複分析の一例を例示するグラフである。
図3B】本明細書において説明される一定の技法による、潜在的な衝突ゾーン内の車両とオブジェクトとの間の時空間重複分析の一例を例示するグラフである。
図4】本明細書において説明される一定の技法による、環境内の車両と、オブジェクト車両の加速度およびステアリング角速度に対する摂動に基づいた複数の摂動軌道とを例示する図である。
図5】本明細書において説明される様々な技法を実装するための例示的なシステムのブロック図である。
図6】本明細書において説明される一定の技法による、環境内を移動する車両とオブジェクトとの間の潜在的な衝突に関連付けられた予測および/または確率を決定する例示的なプロセスを例示する図である。
図7】本明細書において説明される一定の技法による、摂動軌道のマトリクスについてのオブジェクトと車両との間の衝突予測の決定を例示するチャートである。
図8】本明細書において説明される一定の技法による、環境内を移動する車両とオブジェクトとの間の潜在的な衝突に関連付けられた予測および/または確率を決定する別の例示的なプロセスを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、環境を横断する車両と環境内の他の移動オブジェクトとの間の衝突予測および回避を改善するための技法を説明する。車両は、自律車両、半自律車両、または手動制御車両を含んでもよく、移動オブジェクトは、他の車両(例えば、自動車、トラック、オートバイ、原動機付自転車等)、歩行者、自転車乗用者、動物等を含んでもよい。車両内の車両安全システムは、環境内の他のオブジェクトを識別し、他のオブジェクトについての1つまたは複数の摂動軌道を決定し、次いで、車両軌道とオブジェクトについての摂動軌道(または候補軌道)との間の交差を決定することによって潜在的な衝突を予測し得る。例えば、車両安全システムは、車両についての軌道(または計画された経路)を、環境内で移動する別のオブジェクトについての複数の取り得る摂動軌道と比較し得る。オブジェクトについての摂動軌道を決定するために、車両安全システムは、オブジェクトの現在の(または知覚された)軌道の1つまたは複数のパラメータ、例えば、速度、加速度、および/またはステアリング角速度などを修正(または摂動)し得る。1つの摂動軌道または複数の摂動軌道に対して、車両安全システムは、摂動軌道が車両についての計画された軌道と交差するかどうかを決定し得る。1つまたは複数の摂動軌道が、計画された車両軌道と交差する場合、次いで車両安全システムは、車両とオブジェクトとの間に潜在的な衝突があり得ると予測し、潜在的な衝突予測に基づいて、車両が取るべきアクションを決定し得る。
【0009】
本明細書において説明される様々な例において、車両安全システムは、車両と同じ環境内で移動する1つまたは複数のオブジェクトに関連付けられた状態データを受け取り得る。オブジェクトについての状態データは、車両上のセンサシステムによってキャプチャされたセンサデータに基づいてもよく、オブジェクトの分類と、オブジェクトの知覚された状態(例えば、オブジェクトの現在の知覚された速度、オブジェクトの現在の知覚されたヨーレート、オブジェクトの現在の知覚された線形加速度および/または角加速度等)とを含み得る。いくつかの場合において、車両安全システムは、車両内の別のシステム、例えば、車両の別個のセンサシステム、知覚システム、および/または主要な車両制御システムなどから、状態データを受け取ってもよい。付加的に、または代替的に、車両安全システムは、1つまたは複数のセンサ(例えば、LIDAR、RADAR等)からの生のセンサデータを直接使用して、オブジェクトデータを決定してもよく、センサデータを使用して、オブジェクトについての知覚された状態パラメータ(例えば、速度、加速度、ステアリング角速度等)を決定してもよい。
【0010】
オブジェクトについての現在の(または知覚された)状態パラメータを使用して、車両安全システムは、オブジェクトについての複数の摂動軌道を決定し得る。各摂動軌道は、オブジェクトがオブジェクト自体の現在の知覚された位置から移動することができる、1つの取り得る軌道を表し得る。例えば、オブジェクトについての現在の知覚された位置および状態パラメータは、第1の時刻(t0)に対応し得、各摂動軌道は、時間t0におけるオブジェクトの位置から遠ざかる、後続の時刻(t1、t2、t3等)における一連の点を有する経路を含み得る。オブジェクトについて、車両安全システムによって決定される各摂動軌道は、状態パラメータの異なる組み合わせに基づき得、これらは、オブジェクトについての現在の状態パラメータから修正される。例えば、オブジェクトについての単一の摂動軌道を決定するために、車両安全システムは、1つまたは複数の摂動パラメータを使用して、オブジェクトの知覚された加速度、オブジェクトの知覚されたステアリング角速度、または両方を修正し得る。複数の摂動軌道を決定するために、車両安全システムは、摂動パラメータの異なる組み合わせを使用し、異なる大きさの正のおよび/または負の摂動パラメータを含み得る。少なくともいくつかの例において、そのような修正および摂動は、最小限にされ得、それにより、最も可能性の高い軌道のまわりのパラメータ空間、最も極端な軌道、動的にもしくは運動学的に制限された軌道、またはその他は、相互作用のありとあらゆるシナリオが考慮されることを依然として確実にしながら、必要な計算リソースを最小限にするように摂動される。
【0011】
車両安全システムは、オブジェクトについての摂動軌道を、摂動軌道と車両についての計画された軌道とを比較することによって分析し、軌道が交差するかどうかを決定し得る。いくつかの例において、車両安全システムは、車両軌道およびオブジェクトの摂動軌道に基づいて、車両およびオブジェクトについてのバウンディングボックス、経路多角形(または回廊)等を含む予想される領域を決定して、車両のそれぞれの軌道に従う車両間に時空間重複が発生するかどうかを決定し得る。軌道間の交差は、潜在的な衝突を表し得、車両安全システムは、車両軌道およびオブジェクト軌道に基づいて、異なる時間間隔における領域(例えば、バウンディングボックスまたは回廊)間で検出された重複を分析して、車両とオブジェクトの各摂動軌道との間の潜在的な衝突の可能性を決定し得る。車両を制御し、環境内の車両と他の移動オブジェクトとの間の衝突を回避するための技法の付加的な例は、例えば、2018年9月19日に出願され、「Collision Prediction and Avoidance for Vehicles」と題された特許文献1において見出すことができ、特許文献1の全体は、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれている。
【0012】
いくつかの例において、車両安全システムは、車両軌道およびオブジェクトの単一の摂動軌道に基づいて、衝突予測を決定し得る。個々の摂動軌道について、衝突予測は、2値決定(例えば、交差または非交差、衝突または非衝突)とし得る。他の例において、車両安全システムは、オブジェクトの複数の摂動軌道を決定および分析してもよく、複数の摂動軌道からの結果に基づいて、単一の衝突予測を決定してもよい。そのような例において、衝突予測は、個々の摂動軌道からの結果に基づいて、発生する衝突の比率および/または確率として計算され得る。次いで、車両安全システムは、衝突予測に基づいて、車両が取るべき1つまたは複数のアクションを決定し得る。そのようなアクションは、潜在的な衝突のリスクを回避または軽減するために、車両の自動化されたブレーキ機能および/もしくはステアリング機能(ならびに/または他の車両制御システム)を起動することを含み得る。
【0013】
本明細書において説明される技法およびシステムは、環境内を移動する他のオブジェクトとの潜在的な衝突をより正確に予測および回避することによって、自律車両または半自律車両の動作および機能を改善し得る。例えば、直線軌道に基づいて、ならびに/または環境内のオブジェクトについての一定の速度、加速度、およびステアリング角速度を想定する軌道に基づいて、衝突を予測するシステムは、動的オブジェクトによる軌道における潜在的な変化を考慮しないことがある。例えば、人間のエージェントによって駆動される、またはインテリジェントなソフトウェアベースのエージェントによって制御される車両などの動的オブジェクトは、多くの場合、単一の軌道に従わないが、それらの速度、加速度、およびステアリング角速度を、環境内の他のオブジェクト、交通条件もしくは気象条件に応じて、またはナビゲーションもしくはルート最適化の目的等のために、変えることがある。動的オブジェクトが、不変の運動パラメータ(例えば、一定の速度、加速度、および/またはステアリング角速度等)を有して、一定の軌道に沿って進行することになると想定するシステムは、オブジェクトとの潜在的な衝突を正確に予測することができないことがある。動的オブジェクトによって行われ得る軌道摂動を予測することができないことによって、そのようなシステムは、衝突が発生しないであろう場合に不正確に衝突を予測し、衝突防止アクションの不必要なトリガを引き起こすことがあり、衝突が発生することになる場合に衝突を予測することができず、より深刻で危険な衝突をもたらすことがある。
【0014】
これらの問題に対処するために、本明細書において説明される技法およびシステムは、軌道摂動(または修正)に基づいて、環境内のオブジェクトについての摂動軌道を決定すること、および、車両とオブジェクトとの間の潜在的な衝突をより良好に予測するために、摂動軌道を分析すること/評価することによる、改善された車両ベースの衝突予測を含む。いくつかの技法は、衝突を予測するための確率的なアプローチを使用することを含み、確率的なアプローチにおいて、車両安全システムは、環境内の移動オブジェクトについての複数の摂動軌道を決定し、個々の摂動軌道を評価し、発生する衝突の全体的な確率を計算するために結果をアグリゲートする。例えば、車両安全システムは、オブジェクトを車両と衝突させる第1の数の摂動軌道を決定し得、第2の数の摂動軌道は、オブジェクトを車両と衝突させないことになる。次いで、車両安全システムは、第1の数と第2の数との比率に基づいて、衝突の確率を計算し得る。衝突確率を計算した後、車両安全システムは、確率を1つまたは複数のしきい値範囲と比較して、潜在的な衝突を回避または軽減するために車両が取るべきアクションを決定し得る。
【0015】
上述したように、車両安全システムは、オブジェクトの知覚された軌道の状態パラメータを摂動させることによって、摂動軌道のセットを決定し得る。1つまたは複数の摂動パラメータを使用して、車両安全システムは、1つまたは複数の摂動された速度、加速度、ヨーレート、および/またはステアリング角速度(もしくは角加速度)を含む、摂動された(または修正された)状態パラメータを決定し得る。摂動された状態パラメータの各セットは、オブジェクトについての摂動軌道に対応し得る。いくつかの例において、車両安全システムは、第1の摂動パラメータを使用して、オブジェクトについての修正された加速度(例えば、線形加速度)値のセットを生成し、第2の摂動パラメータを使用して、オブジェクトについての修正されたステアリング角速度(または角加速度)値のセットを生成し得る。いくつかの場合において、オブジェクトについての摂動された(または修正された)状態パラメータのセットは、摂動パラメータのプラス係数またはマイナス係数に基づいて、オブジェクトについて知覚された、知覚された状態パラメータを修正することによって計算され得る。例えば、オブジェクトについての摂動された(または修正された)線形加速度パラメータのセットは、オブジェクトの知覚された線形加速度+/-線形加速度摂動パラメータ、知覚された線形加速度+/-線形加速度摂動パラメータの2倍などを含み得る。同様に、オブジェクトについての摂動されたステアリング角速度のセットは、ステアリング角速度摂動パラメータの正の係数および負の係数によって摂動された、オブジェクトの現在の(または知覚された)ステアリング角速度に基づいて生成され得る。次いで、車両安全システムは、摂動された加速度と摂動されたステアリング角速度との一意の組み合わせごとの摂動軌道を含む、オブジェクトについての摂動軌道のセットを決定し得る。
【0016】
いくつかの例において、摂動された(または修正された)状態パラメータ(例えば、摂動された速度、摂動された加速度、摂動されたステアリング速度等)のセットを決定するために使用される摂動パラメータは、オブジェクトの分類に基づき得る。例えば、車両安全システムは、状態データと共にオブジェクト分類を受け取ってもよく、または知覚データもしくはセンサデータ、ならびに異なるタイプの車両(例えば、自動車、トラック、オートバイ等)についての、および/または様々な他のオブジェクトタイプ(例えば、自転車、動物、歩行者等)についての、異なる摂動パラメータに基づいて、オブジェクトについての分類を決定してもよい。例えば、摂動パラメータ値、ならびにオブジェクトについて生成される摂動軌道の数および/または範囲は、運動学的なおよび/または動的な制約、ならびにオブジェクトのタイプ/分類に関連付けられた能力に基づいてもよい。例えば、環境内のオブジェクトの所与の知覚された軌道について、車両安全システムは、オブジェクトが自転車である場合には、自転車の運動学的なおよび/または動的な制約に基づいて、摂動軌道の1つのセットを生成してもよく、オブジェクトが自動車である場合には、自動車の異なる運動学的なおよび/または動的な制約に基づいて、摂動軌道の異なるセットを生成してもよいなどである。また、上記の例は、オブジェクトの知覚された加速度および知覚されたステアリング角速度を摂動させることによって、摂動軌道を決定することに言及しているが、他の例において、車両安全システムは、他の状態パラメータの摂動、例えば、摂動されたオブジェクト速度、摂動されたオブジェクトヨーレート等などに基づいて、異なる摂動軌道を決定してもよい。
【0017】
また、いくつかの実装例において、車両安全システムは、各摂動軌道に関連付けられた確率を決定し得る。上記に論じられた全体的な衝突確率計算とは対照的に、摂動軌道についての軌道確率は、オブジェクトが摂動軌道に従うことになる確率を指す。例えば、車両安全システムが、オブジェクトについてのN個の異なる摂動軌道を決定する場合、それは、各摂動軌道がオブジェクトによって従われる等しい機会(例えば、1/N)を有するとデフォルトで決定し得る。しかしながら、他の例において、車両安全システムは、いくつかの摂動軌道が他の摂動軌道よりもオブジェクトによって従われる可能性が高いと決定し得、異なる摂動軌道に対して異なる確率を割り当て得る。そのような例において、車両安全システムは、異なる確率を使用して、摂動軌道の評価の結果に重み付けをし、それによって、より可能性の高い摂動軌道に対して有利に、かつ、より可能性の低い摂動軌道に対して不利に、全体的な衝突確率計算に重み付けする。
【0018】
一定の例において、車両とオブジェクトとの間の衝突確率の計算は、付加的な要因、例えば、潜在的な衝突の予測される重要性、予測される非衝突の物理的な接近(例えば、予測される異常接近)、ならびにオブジェクトに関連付けられた状態データまたはセンサデータの整合性および信頼性などにも基づいて、重み付けされ、および/または調整され得る。車両安全システムは、これらの要因の各々を、本明細書において説明されるように決定および使用して、車両とオブジェクトとの間の衝突予測の計算に重み付けし/または調整し得る。例えば、車両安全システムは、より重要性が低い衝突よりも重要であると予測される潜在的な衝突に重み付けしてもよい。車両安全システムは、異常接近摂動軌道を考慮するために、ならびに/または、オブジェクトに関連付けられた、より信頼性が低いもしくは一貫しない状態データおよび/もしくは状態パラメータを考慮するために、衝突確率を調整してもよい。
【0019】
これらの例によって例示されるように、本明細書において説明される技法およびシステムは、環境内の他の移動オブジェクトとの潜在的な衝突をより正確に予測および回避することによって、自律車両および半自律車両の動作および機能を改善し得る。オブジェクトについての複数の摂動軌道を決定および評価することを含めて、本明細書において説明される予測的なアプローチを使用して、車両安全システムは、オブジェクトとの潜在的な衝突をより正確にかつ包括的に予測し得る。オブジェクトがそれらの現在のコースまたは軌道に沿い続けることになると想定するシステムとは対照的に、本明細書において説明される技法は、オブジェクトについての異なる摂動軌道に基づいて衝突確率を計算することを含み、これは、動的オブジェクトが一定の軌道に従うことになると想定することによって引き起こされる、衝突の不正確な予測および非衝突の不正確な予測を低減し得る。
【0020】
さらに、本明細書において説明される技法およびシステムは、予測される衝突に応答して車両が取るべきアクションを決定することに関する、車両の動作および機能も改善し得る。複数の摂動軌道に基づいて衝突を予測するために確率的なアプローチを使用する場合、車両安全システムは、単一のアクションを行うまたは行わないという2値選択を行う必要がない。代わりに、車両安全システムは、異なる衝突確率しきい値および範囲に基づいて、いくつかの異なるアクションのうちのいずれかを開始し得る。また、本明細書において説明される技法は、車両安全システムが、衝突確率計算と、付加的な要因、例えば、衝突確率計算における信頼度および潜在的な衝突の予測される重要性などとの組み合わせに基づいて、車両が取るべきアクションを決定することをさらに可能にする。したがって、車両安全システムは、衝突確率および関連する要因に基づいて、より広い範囲の取り得るアクションを実行して、潜在的な衝突を回避することおよび/または軽減することにおける車両の動作を改善し得る。
【0021】
図1は、様々な付加的な車両および他のオブジェクトを含む環境100を横断する車両102を例示する。(経路または計画された経路とも称され得る)車両軌道104が、車両102について例示されており、車両102が車線を変更するプロセスであることを示す。環境100は、車両102から反対方向に進行する第2の車両106を含む、複数の他の車両および他のオブジェクトも含む。この例において、第2の車両106は、道路を横断する歩行者110が理由で減速した第3の車両108を回避するために、車線を迅速に変更する(またはそらす)プロセスにあることが示されている。車両106の観点からは、それは路上で右から左への方向に移動しているが、左から右へのステアリング角度も有しており、車両106が、その進行方向に対してより真っ直ぐな軌道に戻るプロセスにあることを示している。
【0022】
3つの異なる摂動軌道112も、車両106について示されており、図1に描かれたシーンに続く時間期間において車両106が駆動し得る3つの潜在的な経路を表す。この例における摂動軌道112(1)、112(2)、および112(3)は、車両106が、図1に描かれるようなそのロケーションから進行することになるステアリング角速度(例えば、角速度および/または加速度)に関して変わる。摂動軌道112(1)は、車両106についての最も鋭いステアリング角速度を描いており、車両106は、道路の中央線114のすぐそばに接近したり、または交差したりしない。摂動軌道112(2)は、車両106についてのより広い(または、鋭角さがより低い)ステアリング角速度を描いており、車両106は、中央線114のすぐそばに接近するが、交差しない。摂動軌道112(3)は、車両106についてのさらに広いステアリング角速度を描いており、これは、車両106を中央線114と交差させ、点116において車両102についての軌道104と交差させる。
【0023】
いくつかの実装例において、車両102は、本明細書において説明される様々な衝突予測および回避技法を行うように構成された様々な構成要素を含む車両安全システムを備え得る。図5に関してさらに詳細に説明されることになるように、車両安全システム534は、車両102内で動作する別個のおよび/または独立したシステム(例えば、別個のコンピューティングデバイス)として実装され得る。他の例において、本明細書において説明される衝突予測および回避技法は、他の車両システム、構成要素、および/またはコンピューティングデバイスによって実装されてもよい。例えば、本明細書において説明される一定の技法は、プランニング構成要素524および/または予測構成要素526によって少なくとも部分的に、またはこれらに関連して、実装され得る。
【0024】
下記にさらに説明されるように、車両102は、環境100内のオブジェクトを検出および識別するように構成されたセンサを含む、センサシステムを含み得る。様々な例において、車両102は、リモートセンサ、例えば、別の車両上で動作するセンサ、および/または環境100内の別の場所に搭載され、動作するセンサ(例えば、交通監視カメラ)などからも、センサデータを受け取り、使用し得る。車両安全システムは、車両102内のまたは車両102の外部の様々なシステムによってキャプチャされたセンサデータに基づいた状態データ(知覚データとも称される)を受け取り得る。状態データは、環境100内で検出された複数のオブジェクトを識別し得、様々なオブジェクト属性、例えば、オブジェクトについてのオブジェクト分類、サイズ、位置、体勢(pose)、向き、および状態パラメータ(例えば、速度、ヨーレート、線形加速度、角加速度等)を含み得る。付加的に、または代替的に、車両安全システムは、車両102に近接した、環境100内のオブジェクトを検出するように構成された1つまたは複数の専用センサを含んでもよい。そのようなセンサは、カメラ、運動検出器、LIDER、RADAR等などの、車両102に搭載されるセンサを含み得る。
【0025】
3つの摂動軌道112が、本例において示されているが、車両安全システムは、他の例において、任意の数の異なる軌道を決定し得る。また、本例において、摂動軌道112は、車両106のステアリング角速度を変えることによって決定されている。しかしながら、他の例において、車両安全システムは、任意の他の状態パラメータ(例えば、速度、ヨーレート、線形加速度、角加速度等)を個々にまたは任意の組み合わせにおいて変えて、摂動軌道112のセットを決定してもよい。
【0026】
また、本例は、単一のオブジェクト(例えば、車両106)についての摂動軌道112を描いているが、他の例において、車両102の車両安全システムは、環境内の複数のオブジェクトについての摂動軌道のセットを決定してもよい。例えば、車両102は、環境100内の車両106、車両108、歩行者110、および/または他の移動オブジェクトについての摂動軌道を決定し得る。いくつかの例において、車両安全システムは、状態データを分析して、車両102に近接したどのオブジェクトが移動しており、どれが移動していないかを決定し得る。次いで、車両安全システムは、移動オブジェクト(例えば、自動車、トラック、オートバイ等)、歩行者、自転車乗用者、動物、ならびに移動路上障害物、例えば、タンブルウィードおよびデブリなど等についての摂動軌道を決定し得るが、非移動オブジェクト(例えば、樹木、駐車車両等)についての摂動軌道を決定する必要はない。いくつかの実装例において、車両安全システムは、非移動オブジェクトに対して標準的な衡突回避動作を実行し得るが、摂動軌道および衝突確率計算を決定する場合には、非移動オブジェクトを無視してもよい。
【0027】
いくつかの例において、車両安全システムは、車両102の近接範囲内の移動オブジェクトについての摂動軌道を決定し、近接範囲外のオブジェクトについては決定しなくてもよい。いくつかの例において、近接範囲は、車両102とオブジェクト106とが潜在的に交差し得る時に対応する距離範囲(例えば、50m、100m、200m等)および/または時間範囲(例えば、2秒、3秒、...、6秒、...、10秒等)であってもよい。そのような場合において、車両安全システムは、車両102および車両106のロケーションおよび/または速度を比較して、車両106が、車両106についての摂動軌道を決定するのに十分に近いか否かを決定し得る。他の例において、車両安全システムは、車両102の推定される停止距離および/または環境100内の他のオブジェクトに基づいて、近接範囲をオンザフライで決定してもよい。そのような場合において、車両安全システムは、車両102についての、および/または環境100内の他のオブジェクト(例えば、車両106)についての、様々な属性、例えば、オブジェクト分類、重み、現在の速度、ブレーキングシステム仕様等などを受け取り、または決定し得る。車両安全システムは、オブジェクト属性および他のデータ(例えば、気象、道路条件等)を使用して、車両102および/または車両106についての推定される停止距離を決定し得、推定される停止距離を使用して、車両106が、車両106についての摂動軌道を決定するのに十分に近いか否かを決定し得る。
【0028】
上述したように、図1は、車両軌道104と車両106についての摂動軌道112(3)との間の交差点116を描いている。車両軌道とオブジェクトの摂動軌道との間の交差を決定するために、そのようなシステムは、生成される軌道経路および/または座標セットを比較し得、共通の座標系内の軌道を比較して、何らかの重複する点を検出し得る。図1の例は、軌道104および112(3)を線として描き、交差点116を単一の点として描いているが、他の例において、車両安全システムは、車両/オブジェクト軌道を、環境100を通じた移動の予想される経路を有する二次元または三次元の多角形オブジェクトとして決定してもよい。例えば、車両安全システムは、車両およびオブジェクトのそれぞれのサイズおよび形状に基づいて、環境100内の車両および他のオブジェクトについてのバウンディングボックスを決定し得る。車両安全システムは、車両/オブジェクトの向きに基づいてバウンディングボックスの角度を変更すること、および/またはバウンディングボックスのまわりに任意選択の安全バッファを適用することを含めて、環境100に基づいた仮想座標系を通じてバウンディングボックスの移動を予想し得る。そのような例において、車両/オブジェクトについての決定された軌道が交差する場合、車両安全システムは、仮想座標系内の車両およびオブジェクトを表すバウンディングボックスの予想された移動に基づいて、交差を多角形の衝突ゾーンとして定義し得る。下記に論じられるように、車両安全システムは、次いで、衝突ゾーンにおける車両およびオブジェクトの進入時間および退出時間に基づいて、衝突ゾーンにおける車両102とオブジェクトとの間の時空間重複の量を決定して、潜在的な衝突を予測し得る。
【0029】
図2Aおよび図2Bは、それぞれ環境200Aおよび200Bを例示し、環境200Aおよび200Bは、環境100と同様または同一であり得、環境200Aおよび200Bにおいて、車両102の車両安全システムは、車両102の軌道104、および車両106などのオブジェクトの摂動軌道112(3)に基づいて、潜在的な衝突を決定し得る。
【0030】
いくつかの例において、車両安全システムは、車両102およびオブジェクト車両106に関連付けられたサイズおよび/または空間領域を決定し得、サイズまたは領域を車両軌道と共に使用して、車両102と車両106との間の潜在的な衝突の見込みまたは可能性を決定し得る。図2Aに示されるように、いくつかの例において、車両安全システムは、車両102に関連付けられたバウンディングボックス202と、オブジェクト車両106に関連付けられたバウンディングボックス204とを決定し得る。バウンディングボックス202および204は、衝突を回避するための、車両102および車両106のまわりの安全距離を表す安全バッファを含めた、それぞれの車両の寸法(例えば、長さ、幅、および高さ)ならびに形状に基づき得る。例えば、車両安全システムは、車両106の知覚されたエッジのまわりの付加的な安全バッファを含めて、車両106の知覚された軌道に沿った、車両106の知覚されたエッジ(最前点および最後点、左端点および右端点)に基づいて、オブジェクト車両106についてのバウンディングボックス204の寸法を決定してもよい。様々な例において、バウンディングボックス202および204について使用される安全バッファのサイズおよび形状は、車両102および車両106のサイズ、速度、タイプ、または他の特性に依存し得る。例えば、より高速の車両、より脆弱な車両/オブジェクト(例えば、自転車もしくは歩行者)に対して、または、車両安全システムが、オブジェクト車両106のサイズ、形状、軌道もしくは他の状態パラメータについての知覚データについて、より少ない信頼度を有するシナリオに対して、より大きな安全バッファが使用されてもよい。
【0031】
図2Aにおいて、車両102および106についてのそれぞれのバウンディングボックス202および204は、第1の(現在の)時刻t0において示されており、次いで、現在の時刻に後続する複数の異なる時間間隔における予想として示されている。この例において、第1のバウンディングボックス202(t0)は、現在の時刻における車両102について示されており、一連の予想されるバウンディングボックス202(t1)、202(t2)、202(t3)、および202(t4)は、車両102の計画された軌道に基づいて、現在の時刻から前方へ移動する一定の時間間隔で示される。同様に、第1のバウンディングボックス204(t0)は、現在の時刻における車両106の知覚された状態に基づいて示されており、一連の予想されるバウンディングボックス204(t1)および204(t2)は、オブジェクト車両106の摂動軌道112(3)に基づいて、同じ時間間隔(t1およびt2)において示されている。本例において示されるように、車両安全システムは、後続の時間間隔におけるバウンディングボックス202および204についての予想される領域を計算する場合に、予期される車両操作(例えば、曲がること)、ならびに車両102および106の向きおよび位置に対する対応する効果も考慮し得る。
【0032】
いくつかの例において、車両安全システムは、各時間間隔においてバウンディングボックス202および204に関連付けられた領域を比較して、何らかの重複が存在するか否かを決定し得、重複は、車両102と車両106との間の交差または潜在的な衝突を示し得る。例えば、車両安全システムは、バウンディングボックス202(t1)および204(t1)のサイズ、形状、およびロケーションを比較して、重複が時刻t1において存在するかどうかを決定し、同様に、バウンディングボックス202(t2)および204(t2)を比較して、重複が時刻t2において存在するかどうかを決定するなどし得る。図2Aに示されるように、いかなる時間間隔においてもバウンディングボックス202とバウンディングボックス204との間に重複は存在せず、したがって、車両安全システムは、交差が存在しない、および/または車両102と車両106との間で潜在的な衝突の可能性は低いと決定し得る。
【0033】
対照的に、図2Bにおいて、車両安全システムは、車両102の計画された軌道104に基づいた、第1の一連の予想されるバウンディングボックス206(t1)、206(t2)、および206(t3)と、オブジェクト車両106の摂動軌道112(3)に基づいた、第2の一連の予想されるバウンディングボックス208(t1)、208(t2)、および208(t3)とを決定済みである。本例において示されるように、バウンディングボックス206(t2)とバウンディングボックス208(t2)の間に重複が存在しており、時刻t2においてまたは時刻t2付近で、車両102と車両106との間に潜在的な衝突が発生し得ることを示す。
【0034】
上記の例は、個別の時間間隔におけるバウンディングボックスを予想することによって、潜在的な衝突を決定することを説明しているが、車両安全システムは、他の例において、様々な他の技法を実装してもよい。例えば、いくつかの場合において、車両システム安全は、各車両102および106についての予想される経路多角形または自由形式の回廊を、それらのそれぞれの軌道104および112(3)に基づいて決定してもよく、経路多角形(または回廊)の重複に基づいて決定された潜在的な衝突ゾーン内の時空間重複分析を実行してもよい。例えば、その全体が、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれている、2018年9月19日に出願され、「Collision Prediction and Avoidance for Vehicles」と題された特許文献1において、より詳細に説明されているように、車両102と車両106との間の潜在的な衝突ゾーンは、軌道104と軌道112(3)との間の交差点、ならびに車両102および車両106に関連付けられた1つまたは複数のオフセット距離に基づいてもよい。車両安全システムは、車両102および車両106の長さおよび/または幅に基づいて、オフセット距離を決定してもよく、安全バッファ、または車両102が衝突しないことになる、オブジェクト(例えば、車両106)からの安全距離を表す任意の他の距離も適用してもよい。例えば、車両安全システムは、車両102についての予想される移動回廊と車両106についての予想される移動回廊との重複に基づいて、潜在的な衝突ゾーンの寸法を定義するために使用されるオフセット距離を計算してもよく、測定は、軌道104と軌道112(3)との交差点116の前後の点について実行される。様々な例において、移動回廊のサイズは、車両102および車両106の中心から、ならびに/または車両102および車両106の最前点および最後点から、それらの軌道に沿って測定され得る。潜在的な衝突ゾーンについてオフセット距離を計算する場合、車両安全システムは、車両操作(例えば、曲がること)、および車両の位置に対する対応する効果も考慮し得る。
【0035】
車両安全システムは、車両についてのバウンディングボックスと潜在的な衝突ゾーンとの間の重複の最初の点および最後の点に対応する、車両102および車両106についての進入点および退出点ならびに進入時間および退出時間も決定し得る。例えば、車両102は、潜在的な衝突ゾーンへの進入点と、潜在的な衝突ゾーンからの退出点とを有し得、車両106は、それぞれへの別個の進入点および退出点を有し得る。いくつかの例において、車両軌道104および/または摂動軌道112(3)は、一連の軌道サンプル点として定義されてもよい。そのような例において、車両安全システムは、潜在的な衝突ゾーンの境界と交差する前の最後の軌道サンプル点と、潜在的な衝突ゾーンの境界と交差した後の最初の軌道サンプル点とを識別することによって、車両102および車両106についての進入点および退出点を決定し得る。
【0036】
潜在的な衝突ゾーンの寸法を定義するオフセット距離は、車両安全システムによって、予め定義された距離(例えば、一定の値)、例えば、車両102および車両106の知られているまたは知覚された長さおよび幅、ならびに/またはバッファ値に基づいて、決定され得る。いくつかの場合において、車両安全システムは、交差点116の前に、車両軌道104および軌道112(3)に対するオフセット距離を決定してもよく、これは、交差点116の後に軌道104および軌道112(3)に基づいて決定される距離と同じ距離であっても、または異なる距離であってもよい。例示として、車両102についての進入点は、交差点116の前の軌道104に沿った10フィート(3.048m)のオフセット距離を有する位置を表し得、車両102についての退出点は、交差点116の後の軌道104に沿った5フィート(1.524m)のオフセット距離を有する位置を表し得る。同様に、車両106についての進入点は、交差点116の前の軌道112(3)に沿った12フィート(3.658m)のオフセット距離を有する位置を表し得、車両106についての退出点210は、交差点116の後の軌道112(3)に沿った8フィート(2.438m)のオフセット距離を有する位置を表し得る。これらのオフセット距離は、例に過ぎないこと、および、他の例において、車両安全システムは、安全バッファ、オブジェクトタイプおよび向き、衝突の衝撃角、ならびに/または様々な他の要因に基づいて、異なるオフセット距離を決定しても良いことが、理解されるべきである。
【0037】
図3Aおよび図3Bは、潜在的な衝突ゾーン304内の車両302とオブジェクト306との間の時空間重複分析の2つの例を例示するグラフ300Aおよび300Bを描く。車両302は、車両102と同様または同一であってよく、オブジェクト306は、第2の車両(例えば、車両106)または環境内の何らかの他の移動オブジェクトであってもよい。
【0038】
上記で論じられたように、車両302内の車両安全システムは、時空間重複分析を実行して、潜在的な衝突ゾーン304内の車両302とオブジェクト306との間の衝突のリスクを決定し得る。ここで、図3Aを参照すると、グラフ300Aは、潜在的な衝突ゾーン304内の車両302の軌道とオブジェクト306の軌道との間の時空間重複に基づいた、車両302とオブジェクト306とが交差し(もしくは衝突し)得る、または交差/衝突の高いリスクがあるという、車両安全システムによる分析および決定を描く。いくつかの例において、車両安全システムは、潜在的な衝突ゾーン304へのおよび潜在的な衝突ゾーン304からの、車両302およびオブジェクト306の進入点および退出点を計算および比較することによって、交差が発生し得ると決定し得る。例えば、図3Aにおいて、位置線308は、車両302の計画された軌道を表し、車両302が時刻312において潜在的な衝突ゾーン304に進入し、時刻314において潜在的な衝突ゾーン304を退出し得ることを示す。この例において、位置線310は、オブジェクト306の摂動軌道を表し、オブジェクト306が、時刻316において潜在的な衝突ゾーン304に進入し、時刻318において潜在的な衝突ゾーン304を退出し得ることを示す。潜在的な衝突ゾーン304内の車両302およびオブジェクト306についての時間窓内の重複、ならびに/または潜在的な衝突ゾーン304内の位置線308と位置線310との間の交差点320に基づいて、車両安全システムは、車両302とオブジェクト306との間の潜在的な衝突を表す交差を決定し得る。
【0039】
上記の例において、車両安全システムは、車両302についての単一の軌道(位置線308に対応する)と、オブジェクト306についての単一の摂動軌道(位置線310に対応する)とに基づいて、時空間重複を決定し得る。他の例において、車両安全システムは、車両302および/またはオブジェクト306に関連付けられた複数の潜在的な速度を受け取り、または決定し得る。例えば、ここで、図3Bを参照すると、グラフ300Bは、車両302およびオブジェクト306が潜在的な衝突ゾーン304に進入および退出すると予測される時刻に基づいた、車両302とオブジェクト306とは交差し(もしくは衝突し)ないことになる、または交差/衝突のリスクが低いという、車両安全システムによる分析および決定を描く。この例において、車両安全システムは、車両302オブジェクト306が潜在的な衝突ゾーン304までおよび潜在的な衝突ゾーン304を通って進行し得る、異なる取り得る速度に基づいて、位置円錐322および324を使用して、潜在的な衝突ゾーン304内の車両302オブジェクト306の軌道間の時空間重複を分析する。この例において示されるように、車両安全システムは、車両302についての計画された軌道、ならびに車両302がその計画された軌道に沿って取り得る最小速度および最高速度の推定に基づいて、車両位置円錐322を決定し得る。同様に、車両安全システムは、オブジェクト306についての摂動軌道、ならびにオブジェクト306がその計画された軌道に沿って取り得る最小速度および最高速度の推定に基づいて、オブジェクト位置円錐324を決定し得る。この例において、車両位置円錐322およびオブジェクト位置円錐324は、潜在的な衝突ゾーン304内で重複せず、車両安全システムは、位置円錐322および324の非重複に基づいて、車両302とオブジェクト306とが交差しないことになる、または交差/衝突のリスクが低いと決定し得る。また、いくつかの例において、時空間重複は、時刻に基づいて、車両302およびオブジェクト306の推定位置に関連付けられた、1つまたは複数の確率密度関数(PDF:probability density functions)として表されてもよい。
【0040】
いくつかの実装例において、車両安全システムは、車両302およびオブジェクト306についての2値衝突予測(例えば、衝突または非衝突)を決定してもよい。付加的に、または代替的に、車両安全システムは、衝突予測を、確率、または信頼度と組み合わされた2値予測として決定してもよい。例えば、車両安全システムは、オブジェクト306が潜在的な衝突ゾーン304を退出した時と、車両302が潜在的な衝突ゾーン304に進入した時との間の時間(T)、またはこの逆の時間(T)に基づいて、衝突確率および/または衝突予測信頼度を決定し得る。比較的小さい非重複時間期間(T)の場合、車両安全システムは、車両302とオブジェクト306との間の、より高い確率の衝突および/または、非衝突の予測に対する、より低い信頼度を予測し得る。対照的に、より大きい非重複時間期間(T)の場合、車両安全システムは、車両302とオブジェクト306との間の、より低い確率の衝突、および/または、非衝突の予測に対する、より高い信頼度を予測し得る。
【0041】
図4は、環境400内で移動する車両106を例示する。この例において、車両106は、車両安全システムを含む車両102によって検出されたオブジェクト車両であり得る。この例において、車両102の車両安全システムは、車両106について決定された加速度パラメータおよびステアリング角速度パラメータに対する摂動に基づいて、車両106についての複数の摂動軌道402を決定済みである。上述したように、車両安全システムは、車両106の分類、車両106の位置および向き/体勢、ならびに車両106についての現在の知覚された状態パラメータ(例えば、速度、加速度、ヨーレート、ステアリング角速度等)を含む、車両106および環境400内の他の移動オブジェクトについてのオブジェクト状態データおよび/または属性を受け取り、または決定し得る。
【0042】
車両106について受け取られたまたは決定された、知覚された状態パラメータを使用して、車両安全システムは、車両106についての摂動軌道402を決定し得る。いくつかの例において、車両安全システムは、車両106の知覚された状態パラメータのうちの1つまたは複数を、1つまたは複数の摂動パラメータに基づいた量だけ摂動させること(または修正させること)によって、摂動軌道を決定し得る。図4の例は、車両102の車両安全システムが、オブジェクト車両106についての知覚された加速度(a)を受け取り済みであり、または決定済みであり、加速度摂動パラメータ(p)に基づいて、車両安全システムが、2つの摂動された加速度値(a-p、a+p)を生成済みであることを例示する。また、本例において、車両安全システムは、オブジェクト車両106についての知覚されたステアリング速度(s)を受け取り済みであるか、決定済みであり、別個のステアリング速度摂動パラメータ(q)に基づいて、車両安全システムが、2つの摂動されたステアリング速度値(s-q、s+q)を生成済みである。例示の目的のためだけに、加速度摂動パラメータ(p)は、+/-0.5m/s2、1.0m/s2、1.5m/s2等であってもよく、ステアリング速度摂動パラメータ(q)は、毎秒+/-0.1勾配(g/s)、0.2g/s、0.3g/s等であってもよい。車両安全システムは、摂動パラメータを使用して、知覚された加速度値およびステアリング角速度値を修正することによって、摂動された加速度値のセット(a-p、a、a+p)および摂動されたステアリング角速度値のセット(s-q、s、s+q)を決定して、摂動された値を決定し得る。次いで、車両安全システムは、摂動された加速度値の各々と、摂動されたステアリング角速度の各々との一意の組み合わせに基づいて、摂動軌道を決定し得る。本例において、車両安全システムは、3つの摂動された加速度および3つの摂動されたステアリング角速度の組み合わせに基づいて、9つの摂動軌道402(1)~402(9)を決定済みである。
【0043】
本例は、車両106の知覚された加速度およびステアリング角速度を摂動させること(または修正させること)によって、異なる摂動軌道を決定することを例示するが、他の例において、車両安全システムは、車両106の状態パラメータ(例えば、速度、ヨー、ヨーレート、ステアリング角速度、線形加速度および/または角加速度等)のうちの1つまたは複数の任意の組み合わせを含む、車両106の他の属性を摂動させてもよい。車両安全システムは、他の知覚されたデータ、例えば、車両106の位置、車両106の向き(例えば、体勢)、車両106のサイズまたは分類等などを摂動させることによっても、摂動軌道を決定し得る。
【0044】
また、9つの摂動軌道402が、本例において描かれているが、車両安全システムは、様々な他の例において、任意の数の軌道を決定してもよい。例えば、状態パラメータ(例えば、加速度(a))について、車両安全システムは、aプラスおよびマイナス加速度摂動パラメータ(p)、aプラスおよびマイナス2*p、aプラスおよびマイナス3*pなどを含む、摂動された加速度値のセットを決定し得る。いくつかの例において、車両安全システムは、図4に示されるように、束ねられたパターン内でオブジェクトについての摂動軌道を決定してもよく、他の例において、摂動軌道は、環境全体により均一に分散されるように計算されてもよい。例えば、車両安全システムは、車両106についての隣接する摂動軌道402間の距離を計算して、各2つの隣接する摂動軌道402間の空間が、車両102のサイズ(例えば、幅)よりも小さいことを確認し得る。いくつかの例において、車両安全システムは、移動オブジェクトの動的および/または運動能力に基づいて、値の摂動されたセットの外側の境界を決定してもよい。例えば、車両106についての摂動された加速度値および摂動されたステアリング角速度値のセットは、車両(例えば、自動車、トラック、オートバイ、自転車、歩行者等)のタイプまたは分類と、所定の加速度能力およびステアリング能力のセットならびに/または車両106の特定のタイプもしくは分類に関連付けられた可能性とに基づいて、決定され得る。また、いくつかの例において、車両安全システムは、車両106の能力の範囲に基づいて、摂動される値の数を変更または限定してもよい。例えば、車両106についての知覚された加速度および/またはステアリング角速度が、その車両106についての加速度能力および/またはステアリング速度能力であるか、またはその付近である場合、車両安全システムは、車両106についての加速度能力および/またはステアリング速度能力を越える摂動軌道を除外し得る。
【0045】
図5は、本明細書において説明される技法を実装するための例示的なシステムコンピューティング500のブロック図である。少なくとも1つの例において、コンピューティングシステム500は、車両102などの車両502を含み得る。
【0046】
いくつかの例において、車両502は、運転者(または乗員)がいかなる時も車両を制御することを期待されずに、全行程についてあらゆるセーフティクリティカル機能を実行することが可能な車両を説明する、米国高速道路交通安全局によって発行されたレベル5分類に従って動作するように構成された自律車両などの、無人車両であってもよい。そのような例において、車両502は、あらゆる駐車機能を含む、行程の開始から完了までのあらゆる機能を制御するように構成されることが可能であるので、それは、車両502を駆動するための運転者および/または制御部、例えば、ハンドル、アクセルペダル、および/またはブレーキペダルなどを含まなくてもよい。これは単なる例であり、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、常に運転者によって手動で制御される必要がある車両から、部分的にまたは完全に自律的に制御される車両に及ぶ車両を含む、任意の地上走行型、空中走行型、または水上走行型の車両内に組み込まれ得る。
【0047】
車両502は、1つまたは複数の車両コンピューティングデバイス504、1つまたは複数のセンサシステム506、1つまたは複数のエミッタ508、1つまたは複数の通信接続部510、少なくとも1つの直接接続部512、および1つまたは複数の駆動システム514を含み得る。
【0048】
車両コンピューティングデバイス504は、1つまたは複数のプロセッサ516と、1つまたは複数のプロセッサ516に通信可能に結合されたメモリ518とを含み得る。例示される例において、車両コンピューティングデバイス504のメモリ518は、位置特定構成要素520、知覚構成要素522、プランニング構成要素524、予測構成要素526、1つまたは複数のシステムコントローラ528、および1つまたは複数の地図530を記憶している。
【0049】
また、車両502は、オブジェクト軌道構成要素540、交差構成要素542、確率構成要素544、およびアクション構成要素546を含む、車両安全システム534を含み得る。本例において示されるように、車両安全システム534は、例えば、車両安全システムの改善された性能のために、ならびに/または冗長性、エラーチェック、および/もしくは、車両コンピューティングデバイス504によって決定された決定および/もしくはコマンドの妥当性検証を提供するために、車両コンピューティングデバイス504とは別個に実装され得る。しかしながら、他の例において、車両安全システム534は、同じ車両コンピューティングデバイス504内の1つまたは複数の構成要素として実装されてもよい。
【0050】
例として、車両コンピューティングデバイス504が、一次システムであると考えられてもよく、一方で、車両安全システム534が、二次システムであると考えられてもよい。一次システムは、一般に、どのように車両が環境内で操作されるかを制御するための処理を実行し得る。一次システムは、機械学習などの様々な人工知能(AI)技法を実装して、車両502のまわりの環境を理解し、および/または車両502に環境内で移動するように指示し得る。例えば、一次システムは、AI技法を実装して、車両を位置特定し、車両のまわりのオブジェクトを検出し、センサデータをセグメント化し、オブジェクトの分類を決定し、オブジェクトトラックを予測し、車両502および車両のまわりのオブジェクトについての軌道を生成するなどし得る。いくつかの例において、一次システムは、車両上の複数のタイプのセンサ、例えば、センサシステム506内の光検出およびレンジング(ライダー)センサ、レーダセンサ、画像センサ、奥行きセンサ(飛行時間(time of flight)、構造光等)、カメラ等からのデータを処理し得る。
【0051】
いくつかの例において、車両安全システム534は、センサデータと、一次システム(例えば、車両コンピューティングデバイス504)によって実装されるAI技法とに基づいて、状態データ(例えば、知覚データ)を受け取る別個のシステムとして動作し得、車両502による衝突予測および回避を改善するために、本明細書において説明される様々な技法を実行し得る。本明細書において説明されるように、車両安全システム534は、摂動軌道を決定し、摂動軌道に基づいて交差/衝突を予測するための技法、ならびに、車両および/または車両のまわりのオブジェクトの測位、速度、加速度等に基づく確率的な技法を実装し得る。いくつかの例において、車両安全システム534は、センサからのデータ、例えば、一次システムによって処理されるセンサデータのサブセットなどを処理し得る。例示すると、一次システムは、ライダーデータ、レーダデータ、画像データ、奥行きデータ等を処理してもよく、一方で、車両安全システム534は、ライダーデータおよび/またはレーダデータ(および/または飛行時間データ)のみを処理してもよい。しかしながら、他の例において、車両安全システム534は、任意の数のセンサからのセンサデータ、例えば、センサの各々からのデータ、一次システムと同じ数のセンサからのデータ等などを処理し得る。
【0052】
一次コンピューティングシステムと二次コンピューティングシステムとを備える車両アーキテクチャの付加的な例は、例えば、「Perception Collision Avoidance」と題され、2018年11月13日に出願された特許文献2において見出されることが可能であり、この特許文献2の全体が、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれている。
【0053】
例示の目的のために、メモリ518内に存在するものとして図5に描かれているが、位置特定構成要素520、知覚構成要素522、プランニング構成要素524、予測構成要素526、システムコントローラ528、および地図530は、付加的に、または代替的に、車両502に対してアクセス可能であり(例えば、遠隔コンピューティングデバイス550のメモリ554上などの、車両502から遠隔のメモリ上に記憶され、またはさもなければ、このメモリによってアクセス可能であり)得ることが予期される。同様に、オブジェクト軌道構成要素540、交差構成要素542、確率構成要素544、および/またはアクション構成要素546は、車両安全システム534のメモリ538内に存在するものとして描かれているが、これらの構成要素のうちの1つまたは複数は、付加的に、または代替的に、車両コンピューティングデバイス504内に実装されてもよく、または車両502に対してアクセス可能であり(例えば、遠隔コンピューティングデバイス550のメモリ554上などの、車両502から遠隔のメモリ上に記憶され、またはさもなければ、このメモリによってアクセス可能であり)得る。
【0054】
少なくとも1つの例において、位置特定構成要素520は、センサシステム506からデータを受け取って、車両502の位置および/または向き(例えば、x位置、y位置、z位置、ロール、ピッチ、またはヨーのうちの1つまたは複数)を決定するための機能性を含み得る。例えば、位置特定構成要素520は、環境の地図を含み、および/または要求し/受け取ってもよく、地図内の自律車両のロケーションおよび/または向きを連続的に決定してもよい。いくつかの例において、位置特定構成要素520は、SLAM(simultaneous localization and mapping(位置特定とマッピングの同時実行))、CLAMS(calibration, localization and mapping, simultaneously(較正、位置特定およびマッピング、同時))、相対的SLAM、バンドル調整、非線形最小二乗最適化等を利用して、画像データ、LIDARデータ、レーダデータ、IMUデータ、GPSデータ、ホイールエンコーダデータ等を受け取って、自律車両のロケーションを正確に決定し得る。いくつかの例において、位置特定構成要素520は、本明細書において論じられるように、車両502の様々な構成要素にデータを提供して、車両502の初期位置および/または軌道を決定し得る。
【0055】
いくつかの例において、知覚構成要素522は、オブジェクト検出、セグメント化、および/または分類を実行するための機能性を含み得る。いくつかの例において、知覚構成要素522は、車両502に近接するオブジェクト(例えば、エンティティもしくはエージェント)の存在および/またはオブジェクトタイプ(例えば、自動車、歩行者、自転車乗用者、動物、建物、樹木、道路表面、縁石、歩道、未知等)としてのオブジェクトの分類を示す、処理されたセンサデータを提供し得る。いくつかの例において、知覚構成要素522は、車両502に近接する静止オブジェクトの存在および/またはタイプ(例えば、建物、樹木、道路表面、縁石、歩道、未知等)としての静止オブジェクトの分類を示す、処理されたセンサデータを提供し得る。付加的な例または代替的な例において、知覚構成要素522は、検出されたオブジェクト(例えば、追跡されるオブジェクト)および/またはオブジェクトが位置付けられる環境に関連付けられた、1つまたは複数の特性を示す、処理されたセンサデータを提供し得る。いくつかの例において、オブジェクトに関連付けられた特性は、x位置(グローバル位置および/またはローカル位置)、y位置(グローバル位置および/またはローカル位置)、z位置(グローバル位置および/またはローカル位置)、向き(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)、オブジェクトの大きさ(サイズ)、オブジェクトタイプ(例えば、分類)、ならびに、状態パラメータ、例えば、オブジェクトの速度、オブジェクトの加速度、オブジェクトのステアリング角速度および/または角加速度等を含んでもよいが、これらに限定されない。環境に関連付けられた特性は、環境内の他のオブジェクトの存在、環境内の他のオブジェクトの状態、時刻、曜日、季節、気象条件、道路条件、暗さ/光の表示等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0056】
一般に、プランニング構成要素524は、車両502が環境を通って横断するために従うべき経路を決定し得る。例えば、プランニング構成要素524は、様々なルートおよび軌道ならびに様々なレベルの詳細を決定し得る。例えば、プランニング構成要素524は、第1のロケーション(例えば、現在のロケーション)から第2のロケーション(例えば、ターゲットロケーション)へ進行するためのルートを決定してもよい。この論考の目的のために、ルートは、2つのロケーション間を進行するための通過点のシーケンスを含み得る。非限定的な例として、通過点は、街路、交差、全地球測位システム(GPS)座標等を含む。さらに、プランニング構成要素524は、第1のロケーションから第2のロケーションへのルートの少なくとも一部に沿って自律車両を案内するための命令を生成し得る。少なくとも1つの例において、プランニング構成要素524は、通過点のシーケンス内の第1の通過点から、通過点のシーケンス内の第2の通過点へ、どのように車両502を案内するかを決定してもよい。いくつかの例において、命令は、軌道または軌道の一部であり得る。いくつかの例において、複数の軌道が、後退ホライズン技法に従って(例えば、技術的な許容範囲内で)実質的に同時に生成されてもよく、複数の軌道のうちの1つが、車両502をナビゲートするために選択される。
【0057】
いくつかの例において、予測構成要素526は、環境内の他のオブジェクト(例えば、エージェント)の摂動軌道を生成し得る。例えば、いくつかの場合においてプランニング構成要素524内に実装され得る予測構成要素526は、車両502からのしきい値距離内のオブジェクトについて、1つまたは複数の摂動軌道を生成し得る。いくつかの例において、予測構成要素526は、オブジェクト(例えば、車両106)のトレースを測定し、観察および予測された挙動に基づいて、オブジェクトについての軌道を生成し得る。
【0058】
少なくとも1つの例において、車両コンピューティングデバイス504は、1つまたは複数のシステムコントローラ528を含み得、1つまたは複数のシステムコントローラ528は、車両502のステアリング、推進、制動、安全性、エミッタ、通信、および他のシステムを制御するように構成され得る。システムコントローラ528は、駆動システム514の対応するシステムおよび/または車両502の他の構成要素と通信し、および/または、これらを制御し得る。
【0059】
メモリ518は、車両502によって環境内をナビゲートするために使用され得る、1つまたは複数の地図530をさらに含み得る。この論考の目的のために、地図は、トポロジー(交差など)、街路、山脈、道路、地形、および環境一般などの、ただし、これらに限定されない、環境に関する情報を提供することができる、二次元、三次元、またはN次元においてモデル化された任意の数のデータ構造であってもよい。いくつかの例において、地図は、テクスチャ情報(例えば、色情報(例えば、RGB色情報、Lab色情報、HSV/HSL色情報)等)、強度情報(例えば、LIDAR情報、RADAR情報等)、空間情報(例えば、メッシュ上に投影される画像データ、個々の「サーフェル」(例えば、個々の色および/または強度に関連付けられた多角形))、反射率情報(例えば、鏡面性情報、再帰反射性情報、BRDF情報、BSSRDF情報等)を含んでもよいが、これらに限定されない。一例において、地図は、環境の三次元のメッシュを含んでもよい。いくつかの例において、車両502は、地図530に少なくとも部分的に基づいて、制御され得る。すなわち、地図530は、位置特定構成要素520、知覚構成要素522、プランニング構成要素524、および/または予測構成要素526に関連して使用されて、車両502のロケーションを決定し、環境内のオブジェクトを検出し、ならびに/または、ルートおよび/もしくは軌道を生成して、環境内をナビゲートし得る。
【0060】
いくつかの例において、1つまたは複数の地図530は、ネットワーク560を介してアクセス可能な遠隔コンピューティングデバイス(コンピューティングデバイス550など)に記憶され得る。いくつかの例において、複数の地図530は、例えば、特性(例えば、エンティティのタイプ、時刻、曜日、その年の季節等)に基づいて、記憶されてもよい。複数の地図530を記憶することは、同様のメモリ要件を有し得るが、地図内のデータがアクセスされ得る速度を増加させ得る。
【0061】
車両安全システム534は、本明細書において説明される様々なシステムおよび技法を使用して、車両502についての軌道および/または環境内で識別する他のオブジェクトについての摂動軌道を決定するように構成されたオブジェクト軌道構成要素540を含み得る。いくつかの例において、オブジェクト軌道構成要素540は、構成要素522~526から、プランニングデータ、予測データ、知覚データ、および/または地図データを受け取って、車両502についての計画された軌道、および環境内の他のオブジェクトについての摂動軌道を決定し得る。
【0062】
いくつかの例において、オブジェクト軌道構成要素540は、複数の点を含み、車両502および/または環境を通る他のオブジェクトの計画される経路の二次元表現を表す経路多角形として、軌道を決定し得る。経路多角形は、軌道が決定されている車両502またはオブジェクトの左側の境界および右側の境界(または最も外側のエッジ)を表す、点のペアとして表され得る。いくつかの例において、左側の境界および右側の境界(例えば、最小距離)は、付加的に、車両502またはオブジェクトの最も外側のエッジの外部のバッファを含んでもよい。また、経路多角形、または軌道を定義する点の他のセットは、車両502または他のオブジェクトの操作、例えば、曲がることなどに基づいて、個々に調整され得る。そのような例において、オブジェクト軌道構成要素540は、軌道についての点ペアの左側の点および/または右側の点を、操作に基づいて、ある距離(例えば、3インチ(7.62cm)、5インチ(12.7cm)、8インチ(20.32cm)等)の外側へ調整し得る。様々な例において、左側の点および/または右側の点は、曲がることに関連付けられた曲率半径に基づいて、その距離の外側へ調整され得る。
【0063】
様々な例において、オブジェクト軌道構成要素540は、軌道を表す(例えば、経路多角形についての)単一の点のセットおよび/または関連する点のペアを生成し得る。図4に示されるように、いくつかの例において、単一の軌道についての点のペアおよび/または単一の点は、互いから一定の間隔(例えば、0.2秒間隔、0.5秒間隔等)に存在し得る。いくつかの例において、点のペアおよび/または単一の点は、互いから可変の間隔に存在してもよい。様々な例において、点のペアおよび/または単一の点は、互いから等しい距離の長さ(例えば、経路に沿った長さ)で表されてもよい。そのような例において、点ペアの各左側の点/右側の点は、その点ペアの次の左側の点/右側の点から予め定義された距離(例えば、1メートル、3フィート(91.44cm)、18インチ(45.72cm)等)に存在し得る。いくつかの例において、点のペアは、互いから異なる長さの距離に存在してもよい。様々な例において、距離は、車両/オブジェクト操作、速度、環境内の交通の密度、および/または、軌道が決定される車両502もしくはオブジェクトに影響を与える他の要因に基づいて、決定され得る。
【0064】
いくつかの例において、オブジェクト軌道構成要素540は、(例えば、プランニング構成要素524および地図530から受け取られるプランニングデータおよび地図データに基づいて)車両502についての単一の計画された軌道を決定し、車両502が動作している環境内の1つまたは複数の他の移動オブジェクト(例えば、車両106)についての複数の摂動軌道を決定し得る。いくつかの例において、別のオブジェクトの軌道は、そのオブジェクトが(例えば、知覚時における)現在位置からおよび/または進行方向に基づいて進行し得る任意の数の取り得る経路を含み得る。例えば、本明細書において説明されるように、オブジェクト軌道構成要素540は、オブジェクトについての1つまたは複数の知覚された状態パラメータ(例えば、速度、加速度、ステアリング角速度等)を決定し、次いで摂動させることによって、複数の摂動軌道を決定し得る。いくつかの例において、オブジェクト軌道構成要素540は、環境内のオブジェクトに関して、知覚構成要素522からデータを受け取り得る。いくつかの例において、オブジェクト軌道構成要素540は、オブジェクトが、車両502のしきい値距離(例えば、1ブロック、200メートル、300フィート(91.44m)等)またはしきい値時間(例えば、2秒、3秒、6秒等)内にあると決定し得る。エージェントが車両502へのしきい値距離または時間内にあるという決定に基づいて、オブジェクト軌道構成要素540は、オブジェクトに関連付けられた軌道を決定し得る。いくつかの例において、オブジェクト軌道構成要素540は、環境内の各検出される移動オブジェクトの取り得る軌道を決定するように構成され得る。
【0065】
様々な例において、交差構成要素542は、本明細書において説明される様々な技法を使用して、車両502の軌道および/または環境内の他のオブジェクトについての摂動軌道の1つまたは複数の間の交差を決定して、潜在的な衝突ゾーンが環境内に存在し得るかどうかを決定し得る。潜在的な衝突ゾーンは、経路多角形および軌道に基づいて、車両502とオブジェクト(例えば、車両106)との間で衝突が発生し得る領域を含み得る。少なくともいくつかの例において、オブジェクトについての摂動軌道およびオブジェクト属性(例えば、オブジェクトサイズ、位置、向き、体勢等)は、オブジェクトについてのオブジェクト多角形を計算するために使用されてもよい。そのような例において、衝突ゾーンは、車両502についての経路多角形と他のオブジェクトについてのオブジェクト多角形との間の重複領域によって定義され得る。
【0066】
いくつかの例において、車両502に関連付けられた軌道が、オブジェクトに関連付けられた少なくとも1つの摂動軌道と交差する場合、潜在的な衝突ゾーンは、車両502とオブジェクトとの間に存在し得る。様々な例において、交差構成要素542は、車両軌道とオブジェクト軌道とがしきい値距離(例えば、2フィート(60.96cm)、3フィート(91.44cm)、4メートル、5メートル等)内にあることに基づいて、潜在的な衝突ゾーンが車両502とオブジェクトとの間に存在し得ると決定し得る。いくつかの例において、しきい値距離は、予め定義された距離に基づき得る。様々な例において、しきい値距離は、車両および/またはオブジェクトの知られているまたは知覚された幅に基づいて、決定され得る。いくつかの例において、しきい値距離は、車両502および/またはオブジェクトのまわりの安全バッファを表し得るバッファにさらに決定され得る。
【0067】
いくつかの例において、交差構成要素542は、車両軌道および/またはオブジェクトについての摂動軌道のエッジを、車両およびオブジェクトの知られているまたは知覚された幅に基づいて、車両502およびオブジェクトの中心からそれぞれ拡大し得る。車両軌道(または経路多角形)およびオブジェクト軌道(または経路多角形)の拡大された幅が、交差するおよび/または最小許容可能距離(例えば、3インチ(7.62cm)、5インチ(12.7cm)、1フィート(30.48cm))内で通過する場合、交差構成要素542は、潜在的な衝突ゾーンが存在すると決定し得る。車両軌道および/または経路多角形の拡大された幅が、交差しないおよび/または最小許容可能距離を越えて通過する場合、交差構成要素542は、衝突ゾーンが存在しないと決定し得る。最小許容可能距離は、搭乗者が車両内に存在するかどうか、環境内の道路の幅、搭乗者の快適さおよび/または反応、搭乗者の学習された耐性、ローカルな運転エチケット等に基づき得る。
【0068】
様々な例において、潜在的な衝突ゾーンが存在し得るという決定に基づいて、交差構成要素542は、潜在的な衝突ゾーンの境界を決定するように構成され得る。いくつかの例において、潜在的な衝突ゾーンは、4つの要素、すなわち、車両進入点、車両退出点、オブジェクト進入点、およびオブジェクト退出点を含み得る。車両502およびオブジェクトの進入点および退出点の各々は、位置と距離とを含み得る。オブジェクト進入点およびオブジェクト退出点は、オブジェクトの軌道に沿って、軌道サンプルなどの軌道サンプルを含み得る。いくつかの例において、オブジェクト進入点およびエージェント退出点は、衝突のリスクが存在しない軌道サンプルを表し得る。様々な例において、オブジェクト進入点位置は、車両502についての軌道または経路多角形との交差(例えば、収束)に先立って、オブジェクトの摂動軌道に関連付けられた最後の軌道サンプルを識別することによって決定され得る。いくつかの例において、オブジェクト退出点位置は、オブジェクトの摂動軌道と車両502の軌道または経路多角形との間の収束の後に、オブジェクト軌道に関連付けられた最初の軌道サンプルを識別することによって決定され得る。オブジェクト進入点およびオブジェクト退出点に関連付けられた距離は、軌道に沿った距離として、それぞれの位置から導出され得る。
【0069】
交差構成要素542は、車両軌道または経路多角形の前後のオフセット距離に基づいて、車両進入点位置および車両退出点位置を決定し得る。いくつかの例において、オフセット距離は、車両502の軌道に対して垂直に測定される距離を含んでもよい。いくつかの例において、オフセット距離は、軌道の前後の経路多角形(例えば、車両経路)に沿って測定される距離を含んでもよい。様々な例において、オフセット距離は、経路多角形の中心から測定されてもよい。いくつかの例において、オフセット距離は、経路多角形に沿って車両の最も前方の点から測定されてもよい。そのような例において、オフセット距離は、車両操作(例えば、曲がること)、および車両502の位置に対するその影響を考慮し得る。
【0070】
上記で論じられたように、様々な例において、交差構成要素542は、1つまたは複数の潜在的な衝突ゾーン(その境界、例えば、車両進入点および退出点およびオブジェクト進入点および退出点など)に対して時空間重複分析を実行し得る。様々な例において、時空間重複は、予測されたまたは摂動されたオブジェクト軌道および車両502の計画された軌道に関連付けられた位置円錐として表され得る。様々な例において、交差構成要素542は、車両位置円錐とエージェント位置円錐とを決定するように構成されてもよい。車両位置円錐は、潜在的な衝突ゾーンを通る計画された軌道(例えば、経路多角形)に沿った、車両502の推定速度に基づいて決定され得る。オブジェクト位置円錐は、潜在的な衝突ゾーンに関連付けられたオブジェクトについての摂動軌道に沿った、エージェントの推定速度に基づいて決定され得る。
【0071】
様々な例において、オブジェクトの推定速度は、交差構成要素542の推定加速度(例えば、正加速度および負加速度)から導出され得る。加速度は、高速挙動モデル(例えば、積極的な挙動)に基づいた正加速度と、低速挙動モデル(例えば、保守的な挙動)に基づいた負加速度とを含み得る。様々な例において、オブジェクトに関連付けられた正加速度は、交通法規、道路規則、ローカルな運転エチケット、交通パターン、エージェントの意味論的な分類等に基づき得る。いくつかの例において、正加速度は、初期速度に基づいて、環境内で可能性のある正加速度の最高量を表し得る。様々な例において、オブジェクトに関連付けられた負加速度は、環境内で可能性のある負加速度の最高量、例えば、オブジェクトの初期速度に基づいたものなどを表し得る。
【0072】
様々な例において、交差構成要素542は、潜在的な衝突ゾーンに対するオブジェクトおよび車両502についての位置線(例えば、308および310)および/または位置円錐(例えば、322および324)を決定し得る。車両502およびオブジェクトについての位置線および/または円錐は、潜在的な衝突ゾーンに対するオブジェクト進入時刻、オブジェクト退出時刻、車両進入時刻、および車両退出時刻に基づき得る。オブジェクト位置円錐322および車両位置円錐324について、交差構成要素542は、それぞれの最高速度に基づいて、オブジェクト進入時刻および車両進入時刻を決定し得る。そのような例において、潜在的な衝突ゾーンへの進入時刻は、速度の最も積極的な推定に関連付けられ得る。様々な例において、オブジェクト退出時刻および車両退出時刻は、それぞれの最低速度に関連付けられ得る。そのような例において、潜在的な衝突ゾーンへの退出時刻は、速度の最も保守的な推定に関連付けられ得る。
【0073】
いくつかの例において、時空間重複は、時刻に基づいて、オブジェクトの推定位置に関連付けられた1つまたは複数の確率密度関数として表され得る。オブジェクトの推定位置は、推定加速度と、そこから導出された速度および/または他のシステムもしくはサブシステム(例えば、知覚構成要素522のサブシステムであり得る予測システム)の出力から導出され得る。確率密度関数は、積極的な運転速度および保守的な運転速度、ならびにオブジェクトの加速度に基づいた不確実性、例えば、交通法規、道路規則、ローカルな運転エチケット、交通パターン、エージェントの意味論的な分類等に基づいたものなどを表し得る。確率密度関数は、オブジェクトに関連付けられた二次元領域または三次元領域を表し得る。確率密度関数の曲線の下の領域の総計は、1に等しくなり得る。
【0074】
様々な例において、確率構成要素544は、交差構成要素542によって実行される時空間重複分析に基づいて、車両502および/もしくは他のオブジェクト(例えば、車両106)との間の衝突の予測ならびに/または衝突の確率/リスクを決定し得る。いくつかの例において、確率構成要素544は、車両502の単一の軌道およびオブジェクトの単一の摂動軌道に基づいて、潜在的な衝突ゾーンに対する車両502およびオブジェクトの位置線および/または位置円錐の間の重複に基づいて、衝突の確率を決定し得る。例えば、潜在的な衝突ゾーン内のどこで位置線が重複するか、および/または位置円錐間の重複の量(例えば、時間差、円錐重複の割合等)に基づいて、確率構成要素544は、衝突のリスクが比較的高くなり、中程度になり、または低くなり得ると決定し得る。
【0075】
また、本明細書において説明される様々な技法を使用して、確率構成要素544は、車両502の計画された軌道およびオブジェクトの複数の摂動軌道に基づいて、車両502とオブジェクトとの間の衝突の確率も決定し得る。例えば、交差構成要素542は、(例えば、オブジェクト状態パラメータの摂動に基づいて)オブジェクトの複数の摂動軌道を分析してもよく、確率構成要素544は、複数の摂動軌道の分析の結果に基づいて、単一の衝突予測を決定してもよい。いくつかの場合において、確率構成要素544は、計画された車両軌道に基づいて、車両502と交差または衝突すると決定される、オブジェクトについての摂動軌道の割合(または比率)に基づいて、衝突確率を決定し得る。
【0076】
いくつかの実装例において、確率構成要素544は、オブジェクトについての複数の摂動軌道の各々に関連付けられた軌道確率も決定し得る。あくまでも例として、車両106について、図4を参照して上述した摂動軌道402の各々は、関連付けられた軌道確率を有し得る。軌道確率は、オブジェクト(例えば、車両106)が摂動軌道に従うことになる確率を指し得る。いくつかの例において、確率構成要素544は、いくつかの摂動軌道402が他の摂動軌道よりも車両106によって従われることになる可能性が高いことも決定し得、異なる摂動軌道に対して異なる確率を割り当て得る。そのような例において、確率構成要素544は、異なる軌道確率を使用して、摂動軌道の分析の結果に重み付けし、および/または、より可能性の高い摂動軌道に有利に、かつ、より可能性の低い摂動軌道に不利に、全体的な衝突確率計算に重み付けし得る。例えば、下記に説明されるように、確率構成要素544は、他の車両からの観察された移動パターンおよび挙動に基づいて、規則および/またはモデルを実行して、より可能性の高い摂動軌道またはより可能性の低い摂動軌道を決定してもよい。
【0077】
様々な例において、アクション構成要素546は、車両502と別のオブジェクト(例えば、車両106)との間の衝突の予測および/または確率決定に基づいて、他の要因と共に、車両502が取るべき1つまたは複数のアクションを決定し得る。アクションは、オブジェクトに道を譲るために車両を減速させること、オブジェクトに道を譲るために車両を停止させること、車線を左側へ変更することもしくはそらすこと、または車線を右側へ変更することもしくはそらすこと等を含んでもよい。決定されたアクションに基づいて、車両コンピューティングデバイス504は、例えばシステムコントローラ528などを通じて、車両502にアクションを実行させ得る。少なくともいくつかの例において、そのようなアクションは、詳細に説明されているような、オブジェクトについての複数の摂動軌道に基づいて確率構成要素544によって決定される衝突確率に基づき得る。様々な例において、車両の横方向位置を調整するとの決定に応答して、例えば、左側または右側への車線変更において、車両安全システム534は、構成要素540~546に、更新された車両軌道(または経路多角形)を生成させ、更新された車両軌道に対して付加的なオブジェクト軌道をプロットさせ、更新された潜在的な衝突ゾーンを決定させ、時空間重複分析を実行させて、決定されたアクションが車両502によって実行された後に衝突リスクが依然として存在し得るかどうかを決定し得る。
【0078】
理解され得るように、本明細書において論じられる構成要素(例えば、位置特定構成要素520、知覚構成要素522、プランニング構成要素524、予測構成要素526、1つまたは複数のシステムコントローラ528、1つまたは複数の地図530、ならびに、オブジェクト軌道構成要素540、交差構成要素542、確率構成要素544、およびアクション構成要素546を含む車両安全システム534は、例示の目的のために、分割されたものとして説明されている。しかしながら、様々な構成要素によって実行される動作は、組み合わされてもよく、または任意の他の構成要素において実行されてもよい。
【0079】
いくつかの例において、本明細書において論じられる構成要素の一部または全部の態様は、任意のモデル、技法、および/または機械学習技法を含み得る。例えば、いくつかの例において、メモリ518および538(ならびに下記に論じられるメモリ554)内の構成要素は、ニューラルネットワークとして実装されてもよい。
【0080】
少なくとも1つの例において、センサシステム506は、LIDARセンサ、レーダセンサ、超音波振動子、ソナーセンサ、ロケーションセンサ(例えば、GPS、コンパス等)、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ等)、カメラ(例えば、RGB、IR、強度、奥行き、飛行時間等)、マイクロフォン、ホイールエンコーダ、環境センサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサ等)等を含んでもよい。センサシステム506は、これらのまたは他のタイプのセンサの各々の複数のインスタンスを含み得る。例えば、LIDARセンサは、車両502の角部、前部、後部、側面、および/または上部に位置する個々のLIDERセンサを含んでもよい。別の例として、カメラセンサは、車両502の外部および/または内部に関する様々なロケーションに配設された複数のカメラを含んでもよい。センサシステム506は、車両コンピューティングデバイス504に入力を提供し得る。付加的に、または代替的に、センサシステム506は、特定の周波数において、所定の時間期間の経過後に、ほぼリアルタイム等で、センサデータを、1つまたは複数のネットワーク548を介して、車両安全システム534へおよび/またはコンピューティングデバイス550へ送り得る。
【0081】
車両502は、上述したように、光および/または音声を放出するための1つまたは複数のエミッタ508も含み得る。本例におけるエミッタ508は、車両502の搭乗者と通信するために、内部オーディオエミッタおよび内部視覚的エミッタを含む。限定ではなく、例として、内部エミッタは、スピーカ、ライト、サイン、ディスプレイ画面、タッチ画面、触覚型エミッタ(例えば、振動および/または力フィードバック)、機械的アクチュエータ(例えば、シートベルトテンショナー、座席ポジショナー、ヘッドレストポジショナー等)等を含んでもよい。本例におけるエミッタ508は、外部エミッタも含む。限定ではなく、例として、本例における外部エミッタは、進行方向を伝えるためのライトまたは車両アクションの他のインジケータ(例えば、インジケータライト、サイン、ライトアレイ等)、および歩行者または他の近くの車両と音声で通信するための1つまたは複数の音声エミッタ(例えば、スピーカ、スピーカアレイ、ホーン等)を含み、これらのうちの1つまたは複数は、音響ビームステアリング技術を含む。
【0082】
車両502は、車両502と、1つまたは複数の他のローカルコンピューティングデバイスまたは遠隔コンピューティングデバイスとの間の通信を可能にする、1つまたは複数の通信接続部510も含み得る。例えば、通信接続部510は、車両502上の他のローカルコンピューティングデバイスおよび/または駆動システム514との通信を容易にし得る。また、通信接続部510は、車両が、他の近くのコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス550、他の近くの車両等)、および/またはセンサデータを受け取るための1つもしくは複数のリモートセンサシステム532と通信することを可能にし得る。
【0083】
通信接続部510は、車両コンピューティングデバイス504を別のコンピューティングデバイスまたはネットワーク、例えば、ネットワーク548などと接続するための物理的なおよび/または論理的なインターフェースを含み得る。例えば、通信接続部510は、IEEE802.11標準によって定義される周波数などを介したWi-Fiベースの通信、ブルートゥースなどの短距離無線周波数、セルラー通信(例えば、2G、3G、4G、4G LTE、5G等)、または、それぞれのコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインターフェースすることを可能にする任意の適切な有線通信プロトコルもしくは無線通信プロトコルを可能にすることができる。
【0084】
少なくとも1つの例において、車両502は、1つまたは複数の駆動システム514を含み得る。いくつかの例において、車両502は、単一の駆動システム514を有し得る。少なくとも1つの例において、車両502が複数の駆動システム514を有する場合、個々の駆動システム514は、車両502の対向する端部(例えば、前部および後部等)に位置付けられ得る。少なくとも1つの例において、駆動システム514は、駆動システム514および/または車両502の周囲の条件を検出するための1つまたは複数のセンサシステムを含み得る。限定ではなく、例として、センサシステムは、駆動モジュールのホイールの回転を感知するための1つまたは複数のホイールエンコーダ(例えば、ロータリエンコーダ)、駆動システムの向きおよび加速度を測定するための慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計等)、カメラまたは他の画像センサ、駆動システムの周囲におけるオブジェクトを音響的に検出するための超音波センサ、LIDARセンサ、レーダセンサ等を含んでもよい。ホイールエンコーダなどの、いくつかのセンサは、駆動システム514に固有であり得る。いくつかの場合において、駆動システム514上のセンサシステムは、車両502の対応するシステム(例えば、センサシステム506)と重複し、または対応するシステムを補足し得る。
【0085】
駆動システム514は、高圧バッテリ、車両を推進するためのモータ、バッテリからの直流を他の車両システムによる使用のために交流に変換するためのインバータ、(電動式とし得る)ステアリングモータとステアリングラックとを含むステアリングシステム、油圧アクチュエータまたは電動アクチュエータを含むブレーキングシステム、油圧構成要素および/または空圧構成要素を含むサスペンションシステム、トラクションの損失を軽減し、制御を維持するためにブレーキ力を分散させるための安定制御システム、HVACシステム、照明(例えば、車両の周囲の外部を照明するためのヘッドライト/テールライトなどの照明)、および1つまたは複数の他のシステム(例えば、冷却システム、安全システム、車載充電システム、DC/DCコンバータなどの他の電気構成要素、高電圧接点、高圧ケーブル、充電システム、充電ポート等)を含む、車両システムの多くを含み得る。また、駆動システム514は、センサシステムからのデータを受け取り、前処理し、様々な車両システムの動作を制御し得る駆動システムコントローラを含み得る。いくつかの例において、駆動システムコントローラは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサに通信可能に結合されたメモリとを含み得る。メモリは、駆動システム514の様々な機能性を実行するための1つまたは複数の構成要素を記憶し得る。さらに、駆動システム514は、それぞれの駆動システムによる、1つまたは複数の他のローカルコンピューティングデバイスまたは遠隔コンピューティングデバイスとの通信を可能にする、1つまたは複数の通信接続部も含み得る。
【0086】
少なくとも1つの例において、直接接続部512は、1つまたは複数の駆動システム514を車両502の本体と結合するための物理的なインターフェースを提供し得る。例えば、直接接続部512は、駆動システム514と車両との間でのエネルギー、液体、空気、データ等の伝達を可能にし得る。いくつかの例において、直接接続部512は、駆動システム514を車両502の本体にさらに解放可能に固定してもよい。
【0087】
少なくとも1つの例において、位置特定構成要素520、知覚構成要素522、プランニング構成要素524、予測構成要素526、1つまたは複数のシステムコントローラ528、1つまたは複数の地図530、ならびに車両安全システム534およびその様々な構成要素は、上述したように、センサデータを処理し得、それらのそれぞれの出力を、1つまたは複数のネットワーク548上で、遠隔コンピューティングデバイス550に送り得る。少なくとも1つの例において、位置特定構成要素520、知覚構成要素522、プランニング構成要素524、予測構成要素526、1つまたは複数のシステムコントローラ528、1つまたは複数の地図530、および車両安全システム534は、それらのそれぞれの出力を、特定の周波数において、所定の時間期間の経過後に、ほぼリアルタイム等で、コンピューティングデバイス550に送り得る。
【0088】
いくつかの例において、車両502は、センサデータを、ネットワーク548を介してコンピューティングデバイス550に送り得る。いくつかの例において、車両502は、リモートセンサシステム532および/またはコンピューティングデバイス550から、ネットワーク548を介して、センサデータを受け取り得る。センサデータは、生のセンサデータおよび/または処理されたセンサデータおよび/またはセンサデータの表現を含み得る。いくつかの例において、センサデータ(生のまたは処理された)は、1つまたは複数のログファイルとして、送られおよび/または受け取られ得る。
【0089】
コンピューティングデバイス550は、プロセッサ552と、地図構成要素556およびセンサデータ処理構成要素558を記憶するメモリ554とを含み得る。いくつかの例において、地図構成要素556は、様々な解像度の地図を生成するための機能性を含み得る。そのような例において、地図構成要素556は、ナビゲーション目的のために、車両コンピューティングデバイス504に1つまたは複数の地図を送り得る。様々な例において、センサデータ処理構成要素558は、1つまたは複数のリモートセンサ、例えば、センサシステム506および/またはリモートセンサシステム532などから、データを受け取るように構成され得る。いくつかの例において、センサデータ処理構成要素558は、データを処理し、処理されたセンサデータを、車両安全システム534による使用などのために車両502へ送るように構成され得る。いくつかの例において、センサデータ処理構成要素558は、生のセンサデータを、車両コンピューティングデバイス504に、および/または車両安全システム534に送るように構成され得る。
【0090】
車両502のプロセッサ516、車両安全システム534のプロセッサ536、および/またはコンピューティングデバイス550のプロセッサ552は、本明細書において説明されるようにデータを処理し、動作を実行するための命令を実行することが可能な任意の適切なプロセッサとし得る。限定ではなく、例として、プロセッサ516、536、および552は、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、または、電子データを処理し、その電子データをレジスタおよび/もしくはメモリに記憶され得る他の電子データに変換する任意の他のデバイスもしくはデバイスの一部を含み得る。いくつかの例において、集積回路(例えば、ASIC等)、ゲートアレイ(例えば、FPGA等)、および他のハードウェアデバイスも、それらが、符号化された命令を実装するように構成される限り、プロセッサと考えられ得る。
【0091】
メモリシステム518、538、および/または554は、非一時的なコンピュータ可読媒体の例である。メモリシステム518、538、および/または554は、オペレーティングシステム、ならびに1つまたは複数のソフトウェアアプリケーション、命令、プログラム、および/またはデータを記憶して、本明細書において説明される方法、および様々なシステムに帰属する機能を実装し得る。様々な実装例において、メモリは、任意の適切なメモリ技術、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、シンクロナスダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、または、情報を記憶することが可能な任意の他のタイプのメモリなどを使用して実装され得る。本明細書において説明されるアーキテクチャ、システム、および個々の要素は、多くの他の論理的構成要素、プログラム構成要素、および物理的構成要素を含んでもよく、これらのうちで、添付の図に示されるものは、本明細書における論考に関連する例にすぎない。
【0092】
いくつかの例において、メモリシステム518、538、および/または554は、少なくとも作業メモリと記憶メモリとを含み得る。例えば、作業メモリは、プロセッサ516、536、および/または552によって操作されるべきデータを記憶するために使用される、限定された容量の高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)であってもよい。いくつかの例において、メモリシステム518、538、および/または554は、データの長期記憶のために使用される、比較的大容量のより低速のメモリであり得る記憶メモリを含んでもよい。いくつかの場合において、プロセッサ516、536、および/または552は、記憶メモリに記憶されているデータを直接操作することができず、データは、本明細書において論じられるように、データに基づいて動作を実行するために、作業メモリへロードされる必要があり得る。
【0093】
図5は、分散型システムとして例示されているが、代替的な例において、車両502の構成要素は、コンピューティングデバイス550に関連付けられてもよく、および/またはコンピューティングデバイス550の構成要素は、車両502に関連付けられてもよいことが、留意されるべきである。すなわち、車両502は、コンピューティングデバイス550に関連付けられた機能のうちの1つまたは複数を実行してもよく、この逆であってもよい。
【0094】
図6は、車両と環境内で移動するオブジェクトとの間の潜在的な衝突に関連付けられた予測および/または確率を決定し、衝突予測および/または確率に基づいて、車両が取るべきアクションを決定するための例示的な処理600を例示する。いくつかの例において、例示的な処理600の一部または全部は、本明細書において説明されるように、コンピューティングシステム500内の1つまたは複数の構成要素によって実行され得る。例えば、例示的な処理600は、車両コンピューティングデバイス504の構成要素から受け取られる状態データに基づいて、図5の車両安全システム534を参照しつつ説明され得る。ただし、処理600は、コンピューティングシステム500において描かれたもの以外のコンピューティング環境およびアーキテクチャも利用し得ることが予期される。
【0095】
動作602において、車両安全システム534は、環境を横断する車両についての軌道を識別するデータを受け取り、または決定し得る。車両は、車両102と同様または同一であってもよく、車両軌道は、上記で論じられたような、車両102の計画された軌道104であってもよい。いくつかの場合において、車両安全システム534は、車両コンピューティングデバイス504の構成要素から、車両102についての車両属性(例えば、位置/ロケーションデータ、分類データ、サイズデータ、向き/体勢データ、状態パラメータ等)を受け取ってもよく、車両属性データに基づいて、車両102についての計画された軌道を決定してもよい。付加的に、または代替的に、車両安全システム534は、車両102についての計画された車両軌道を、車両コンピューティングデバイス504のプランニング構成要素524および/または他の構成要素受け取ってもよい。上記で論じられたように、車両安全システム534によって受け取られたまたは決定された車両102についての軌道は、計画された経路点のセットおよび/または環境100を通る車両102の計画された経路の二次元の表現を表す経路多角形を含み得る。
【0096】
動作604において、車両安全システム534は、車両102が移動しているのと同じ環境内で移動する1つまたは複数の他のオブジェクトに関連付けられた状態データを受けとり得る。この例において、受け取られた状態データは、環境100内を移動する第2の車両106に関するものであり得るが、他の例において、受け取られた状態データは、任意のタイプ/分類の自動車、トラック、オートバイ、自転車、動物、歩行者等)のオブジェクトを含む、複数の異なる移動オブジェクトに関連付けられたデータを含み得る。オブジェクト車両106(および/または他のオブジェクト)についての車両安全システム534によって受け取られる状態データは、オブジェクト属性、例えば、オブジェクトの位置/ロケーション、オブジェクト分類/タイプ、オブジェクトサイズデータ、オブジェクト向きおよび体勢データ、ならびに車両106に関連付けられた様々な状態パラメータを含み得る。上記で論じられたように、状態パラメータは、例えば、知覚された速度、線形加速度、角加速度、ステアリング角速度、ヨーレート等、および/または車両106の任意の他の知覚された移動特性を含んでもよい。いくつかの例において、車両安全システム534は、車両コンピューティングデバイス504の知覚構成要素522および/または他の構成要素から、車両106に関連付けられた状態データを受け取り得る。状態データは、車両106を位置特定し、車両102と車両106との間の距離および向きを決定し、センサデータをセグメント化し、車両106の分類を決定し、車両移動を知覚および予測し、車両106についての計画された経路または軌道を生成するために、車両コンピューティングデバイス504の構成要素内でAI技法を使用して決定され得る。
【0097】
動作606において、車両安全システム534は、動作604においてオブジェクトについて受け取られた状態データに基づいて、オブジェクト(例えば、車両106)についての摂動軌道を決定し得る。上述したように、オブジェクト軌道構成要素540は、車両106の現在の知覚された状態パラメータのうちの1つまたは複数を摂動させること(または修正すること)によって、車両106についての摂動軌道を決定し得る。例えば、車両安全システム534は、速度摂動パラメータに基づいて、車両106の現在の知覚された速度を摂動させてもよく、または、加速度摂動パラメータに基づいて、車両106の現在の知覚された加速度を摂動させてもよく、または、ステアリング角速度摂動パラメータに基づいて、車両106の現在の知覚されたステアリング角速度を摂動させてもよいなどである。この例において、車両安全システム534によって決定された1つまたは複数の摂動されたパラメータは、付加的な摂動されていないパラメータと組み合わされて、車両106についての摂動軌道を決定し得る。例えば、車両安全システム534は、摂動された加速度パラメータ(例えば、a+p)と、速度、ステアリング角速度等についての摂動されていないパラメータとを使用して、動作606において摂動軌道を決定し得る。
【0098】
動作608において、車両安全システム534は、動作602において受け取られたまたは決定された車両軌道と、動作606において決定されたオブジェクト(例えば、車両106)の摂動軌道との間の交差を決定し得る。いくつかの例において、交差構成要素542は、本明細書において説明される様々な技法のうちの1つまたは複数を実行して、車両106についての車両軌道と摂動軌道との交差を決定し得る。例えば、交差構成要素542は、上述したように、車両102と車両106との間で、潜在的な衝突ゾーンを決定し、潜在的な衝突ゾーン内の時空間重複分析を実行し得る。いくつかの場合において、車両安全システム534は、動作608において、車両102と車両106とが衝突すると予測される、または衝突すると予測されないと、それらの軌道に基づいて決定し得る。他の例において、車両安全システム534は、動作608において、車両102と車両106との間の衝突の確率、または予測(例えば、交差または非交差、衝突または非衝突)をその予測に関連付けられた信頼度と共に決定し得る。
【0099】
動作610において、車両安全システム534は、分析および/または評価されるべき、オブジェクト(例えば、車両106)についての付加的な摂動軌道があるかどうかを決定し得る。上述したように、車両安全システム534は、車両106についての摂動されたパラメータの様々な組み合わせに基づいて、複数の摂動軌道を決定し得る。例えば、図1の例は、3つの摂動軌道を描いており、図4の例は、9つの摂動軌道402を描いており、図7における例は49個の摂動軌道を描いており、車両安全システム534のオブジェクト軌道構成要素540は、他の例において、任意の数の摂動軌道を決定してもよい。車両安全システム534が、車両106について付加的な軌道が決定および/または分析されるべきであると決定した場合(610:はい)、処理600は、動作606に戻って、車両160についての別の摂動軌道を決定および/または分析する。
【0100】
対照的に、車両安全システム534が、車両106に関連付けられた摂動軌道の全てが決定および分析されたと決定した場合(610:いいえ)、処理600は、612に進んで、車両106についての摂動軌道に基づいて、1つまたは複数の衝突予測を実行する。いくつかの例において、車両安全システム534は、車両106についての複数の摂動軌道を決定し、車両102との潜在的な衝突に関する個々の摂動軌道の各々を分析し、次いで、発生する衝突の全体的な確率を計算するために分析の結果をアグリゲートすることによって、確率的なアプローチを使用してもよい。例えば、オブジェクト軌道構成要素540が、オブジェクト(例えば、車両106)についての複数の軌道を決定する場合、車両安全システム534は、車両102の軌道と交差すると予測される軌道の第1の数と、車両102の軌道と交差しないと予測される軌道の第2の数とを決定し得る。次いで、車両安全システム534は、第1の数と第2の数との間の比率に基づいて、車両102と車両106との間の交差/衝突の確率を計算し得る。
【0101】
図7を簡単に参照すると、オブジェクト(例えば、車両106)についての摂動軌道のマトリクスを例示するチャート700が示されている。本例において、車両安全システム534は、7つの摂動された加速度値のセット(a-3pからa+3p)、および7つの摂動されたステアリング角速度値のセット(s-3qからs+3q)に基づいて、摂動軌道のマトリクスを決定し、車両106についての49個の異なる摂動軌道をもたらす。車両安全システム534は、本例において各摂動軌道を分析して、各摂動軌道に関連付けられた交差予測(例えば、潜在的な衝突の予測)を決定済みである。本例において、交差予測は、2値(Y/N)の値であり、車両安全システム534は、49個の摂動軌道のうちの17個について正の交差予測を決定済みである。したがって、チャート700において示される例の場合、車両安全システム534は、動作612において車両102と車両106との間の35%の確率(例えば、17/49)の交差(または衝突)を決定し得る。
【0102】
図7における例は、交差予測を2値(はい/いいえ)の値として表すが、他の例において、車両安全システム534の交差構成要素542は、車両106に関連付けられた各摂動軌道について別個の確率(例えば、0.00から1.00)を決定してもよい。そのような例において、車両安全システム534は、別個の確率に基づいて、例えば、別個の確率を平均すること、および/または別個の確率に対して他の統計的手法を実行することによって、車両102と車両106との間の交差の全体的な確率を計算し得る。
【0103】
動作612において決定された予測および/または計算された確率は、車両102と車両106との間の衝突の予測または確率、および潜在的な衝突に関する付加的な予測および/または確率も含み得る。例えば、下記により詳細に説明されるように、車両安全システム534は、車両軌道および他の車両属性に基づいて、動作612において潜在的な衝突特性も決定し得る。そのような衝突特性は、例えば、潜在的な衝突の重要性測定、および潜在的な衝突に関連付けられた信頼度を含み得る。
【0104】
動作614において、車両安全システム534は、動作612において決定された衝突予測および/または計算された確率に基づいて、車両102が取るべき1つまたは複数のアクションを決定し得る。例えば、車両安全システム534のアクション構成要素546は、交差(または非交差)および/または衝突(または非衝突)の予測、予測に関連付けられた確率および/または信頼度、ならびに他の要因(例えば、潜在的な衝突の重要性)に基づいて、車両102が取るべきアクションを決定し得る。様々な例において、アクション構成要素546は、オブジェクトに道を譲るために車両102を減速もしくは停止させること、オブジェクトを回避するために車線を左側もしくは右側に変更することもしくはそらすこと、ならびに/またはシステムコントローラ528を通じて任意の他の車両を実行して、潜在的な衝突のダメージを回避および/もしくは軽減する可能性を増加させることを含む、車両102についてのアクションを決定し得る。
【0105】
いくつかの例において、車両安全システム534は、複数の衝突確率しきい値および/または範囲に基づいて、動作614において、車両102が取るべきアクションを決定し得る。例えば、車両安全システム534が、動作612において衝突確率(例えば、N%の衝突の確率)を決定した場合、次いで、動作614において、車両安全システム534は、確率値を、1つまたは複数の衝突確率しきい値または範囲と比較し得る。例示すると、車両安全システム534は、95%の衝突の確率を決定した場合、車両102についてのアクションの第1のセットを決定し得、75%の衝突の確率を決定した場合、車両102についてのアクションの第2のセットを決定し得、50%の衝突の確率を決定した場合、車両102についてのアクションの第2のセットを決定し得るなどである。
【0106】
図8は、車両と環境内を移動するオブジェクトとの間の潜在的な衝突に関連付けられた予測および/または確率を決定し、衝突予測および/または確率に基づいて、車両が取るべきアクションを決定するための、別の例示的な処理800を例示する。いくつかの例において、処理800は、付加的な特徴および技法を含む、処理600の1つまたは複数の特定の実装例を表現し得る。例えば、下記に説明されるように、処理800は、車両安全システム534がオブジェクト(例えば、車両102)の異なる摂動軌道についての異なる確率を決定する技法を説明するために使用され得る。処理800は、車両102についての衝突確率および/または決定されたアクションが、付加的な要因、例えば、潜在的な衝突の予測される重要性、予測される異常接近、ならびにオブジェクト車両106についての摂動軌道を決定するために使用される状態データまたはセンサデータの整合性および信頼性などに基づいて、重み付けおよび/または調整され得る技法も含み得る。処理600を用いて上記で論じられたように、例示的な処理800の一部または全部は、コンピューティングシステム500内の1つまたは複数の構成要素によって実行され得る。例えば、例示的な処理600は、車両コンピューティングデバイス504の構成要素から受け取られる状態データに基づいて、図5における車両安全システム534を参照して説明され得る。しかしながら、処理600は、コンピューティングシステム500内に描かれたもの以外のコンピューティング環境およびアーキテクチャも利用し得ることが予期される。
【0107】
動作802において、車両安全システム534は、環境を横断する車両102についての軌道を受け取り、および/または決定し得る。いくつかの例において、動作802は、上記に説明された動作602と同様または同一であり得る。例えば、動作802において、車両安全システム534は、環境100を横断する車両102についての軌道を識別するデータを受け取り、または決定し得る。いくつかの場合において、車両安全システム534は、車両コンピューティングデバイス504のプランニング構成要素524または他の構成要素から、付加的な車両属性(例えば、位置/ロケーション、分類、サイズ、向き/体勢、状態パラメータ等)と共に、車両102の知覚された(または現在の)軌道を受け取り得る。
【0108】
動作804において、車両安全システム534は、状態データを受け取り、環境内を移動する別のオブジェクト(例えば、車両106)に関連付けられた複数の異なる予測されたを決定し、受け取られた状態データに基づいて、オブジェクトについての複数の摂動軌道を決定し得る。いくつかの例において、動作802は、処理600における動作604および動作606と同様または同一であり得る。上述したように、車両安全システム534のオブジェクト軌道構成要素540は、車両106の現在の知覚された状態パラメータを摂動させること(または修正すること)によって、車両106についての摂動軌道のセットを決定し得る。例えば、オブジェクト軌道構成要素540は、1つまたは複数の摂動パラメータを使用して、車両106の状態パラメータ(例えば、速度、加速度、ステアリング角速度等)を摂動させ得る。
【0109】
図8に示されるように、処理800は、動作806において分岐し、車両安全システム534が、動作804において車両106について決定された摂動軌道ごとに別個に動作806~812を実行し得ることを示す。下記に説明されるように、オブジェクト(例えば、車両106)についての異なる摂動軌道ごとに、車両安全システム534は、摂動軌道に関連付けられた確率、車両102と車両106との間の交差または衝突の予測および/もしくは確率、ならびに/または摂動軌道に固有であり得る付加的な要因に基づいた重みまたは修正を決定し得る。様々な例において、別個の動作806~812は、車両安全システム534によって、異なる摂動軌道について、並行してまたは連続して実行され得る。
【0110】
動作806(1)~806(N)(集合的に動作806)の各々において、車両安全システム534は、摂動軌道に関連付けられた確率(例えば、0.00から1.00)を決定し得る。いくつかの例において、車両安全システム534は、同様のオブジェクトの履歴上の/観察された移動パターンおよび/または車両106の現在のシナリオと同様のシナリオにおけるオブジェクトに基づいて、摂動軌道の確率を決定してもよい。例えば、車両安全システム534は、運転している間または特定の操作(例えば、後退、駐車、合流等)を実行している間に、観察された車両挙動および/または移動パターンに基づいて、機械学習されたモデルを訓練および実行し得る。例えば、訓練されたモデルは、一定の車両タイプについての一定の操作、例えば、長期間にわたり自動車またはトラックにおいて高い線形加速度または横方向加速度を保持することなどは稀であると決定し得、車両安全システムは、訓練されたモデルによって決定された摂動軌道の確率がより低くなるように軽減し得る。いくつかの例において、車両安全システム534は、知覚された状態データおよび共分散に基づいた1つまたは複数のフィルタ(例えば、拡張カルマンフィルタ(EKF:Extended Kalman Filters)、無香料カルマンフィルタ(UKF:Unscented Kalman Filter))を使用して、オブジェクト106が特定の摂動軌道に従っている出力確率を決定し得る。付加的に、または代替的に、車両安全システム534は、環境内の他のオブジェクトに対して同様の向き、速度、および測位を有するオブジェクトの履歴データに基づいて、ヒューリスティックルールベースの分析を実行して、車両106が特定の軌道に従う可能性を予測し得る。したがって、履歴データは、現在の時刻において車両106によって実行されている操作と同様の操作を実行する以前のオブジェクトを表現し得る。いくつかの例において、車両安全システム534は、車両106が取ることになる軌道をより正確に予測するために、車両106と同様の分類、サイズ、向き、および速度を有するオブジェクトに関連付けられた履歴データを使用してもよい。
【0111】
付加的に、または代替的に、車両安全システム534は、交通法規、道路規則、ローカルな運転エチケット、交通パターン等と共に、環境100内の道路構成(例えば、車線マーキング、中央位置、交通信号および標識、横断歩道等)に基づいて、動作806において、車両106が特定の軌道に従うことになる確率を決定し得る。
【0112】
さらに、いくつかの例において、車両安全システム534は、環境100内の他の静止オブジェクト(例えば、樹木、縁石、中央分離帯、駐車中の自動車等)の位置、ならびに環境100内の他の移動オブジェクトの現在の軌道または摂動軌道に基づいて、動作806において、摂動軌道の確率を決定し得る。例えば、車両安全システム534は、樹木、駐車中の自動車へ、または車両106の視界内に現在ある移動オブジェクト(例えば、自転車、自動車、もしくは歩行者)の現在の経路へ車両106を駆動させることになる摂動軌道に対して、より低い確率を決定し得る。同様に、車両安全システム534は、明確に視認可能な静止オブジェクトまたは移動オブジェクトへ車両106を駆動させることになる摂動軌道に対して、比較的より高い確率を決定し得る。
【0113】
動作808(1)~808(N)(集合的に動作808)の各々において、車両安全システム534は、車両102の計画された軌道、および車両106に関連付けられた特定の摂動軌道に基づいて、1つまたは複数の交差決定を実行し得る。いくつかの例において、動作808は、処理600における動作608と同様または同一であり得る。例えば、動作808において、車両安全システム534は、動作802において受け取られたまたは決定された車両軌道と、車両106の特定の摂動軌道との間の交差を決定し得る。上記で論じられたように、交差構成要素542は、潜在的な衝突ゾーンを決定し、車両102と車両106との間の潜在的な衝突ゾーン内の時空間重複分析を実行し得る。動作808において、車両安全システム534は、軌道に基づいた、車両102と車両106とが衝突することになるかどうかに関する予測、車両間の衝突の確率、ならびに/または衝突予測および関連付けられた信頼度を含む、1つまたは複数の予測決定および/または確率計算を実行し得る。
【0114】
動作810(1)~810(N)(集合的に動作810)の各々において、車両安全システム534は、動作808において決定された衝突予測および/または確率に適用されるべき、1つまたは複数の重み値および/または修正を決定し得る。いくつかの例において、車両安全システム534は、車両102と車両106との間の潜在的な衝突に関連付けられた重要度を決定し得る。例えば、動作808における正の衝突予測(または、0%よりも高い衝突確率)の場合、車両安全システム534は、衝撃角度、車両の衝撃位置、および潜在的な衝突の他の特性に基づいて、潜在的な衝突についての1つまたは複数の重要性メトリックを決定し得る。そのような要因を使用して、車両安全システム534は、潜在的な衝突がかすり衝突であるか、または質量中心衝撃衝突であるかを決定し得る。車両安全システム534は、潜在的な衝突が後部衝撃衝突、側面衝撃衝突、または前部衝撃衝突等であるかも決定し得る。いくつかの例において、車両安全システム534は、付加的な要因、例えば、車両およびオブジェクト分類タイプ(例えば、トラック、自動車、オートバイ、自転車、歩行者等)ならびに車両速度、サイズ/重み、搭乗者の人数、道路条件および気象条件等などを使用して、潜在的な衝突についての重要性メトリックを決定し得る。
【0115】
また、動作810において、車両安全システム534は、動作808において決定された衝突予測および/または衝突確率計算に関連付けられた信頼度に基づいて、1つまたは複数の重み値および/または修正を決定し得る。例えば、車両安全システム534は、潜在的な衝突ゾーンにおける車両102と車両106との間の予測される距離および/または時間差が特定のしきい値未満(例えば、異常接近)である非衝突予測に対して、より低い信頼度を決定し得る。また、車両安全システム534は、センサデータまたは知覚データが、潜在的に信頼性が低い、整合しない、および/または環境要因(例えば、車両間の部分的なオクルージョン、暗さ、霧、雨等)によって損われると決定される状況における衝突または非衝突の予測に対して、より低い信頼度を決定し得る。
【0116】
動作812において、車両安全システム534は、動作806~810において決定された個々の軌道の組み合わせまたはアグリゲーションに基づいて、車両102および車両106についての1つまたは複数の全体的な衝突予測および/または衝突確率決定を実行し得る。いくつかの例において、動作812は、処理600における動作612と同様または同一であり得る。例えば、車両安全システム534は、車両106の摂動軌道の全てに対して、動作806において決定された交差/衝突予測結果または確率を平均またはアグリゲートすることによって、車両102と車両106との間の衝突の全体的な確率を計算し得る。様々な例において、動作812において、車両安全システム534は、複数の摂動軌道についての衝突予測と非衝突予測との比率を計算し得る。付加的に、または代替的に、車両安全システム534は、複数の摂動軌道について、動作808において決定された別個の衝突確率を平均してもよい。
【0117】
いくつかの例において、動作812において車両安全システム534によって実行される決定および/または計算は、動作806において決定される軌道確率にも基づき得る。例えば、異なる摂動軌道についての衝突予測または確率をアグリゲートし、平均し、または他の手法で組み合わせる場合、車両安全システム534は、軌道確率変数を使用して、計算を重み付けまたは修正し、その結果、より高い確率の軌道が、より低い確率の軌道よりも全体的な衝突予測および確率に影響を与える。様々な例において、車両安全システム534は、動作806において決定された様々な確率をスケーリングおよび/または正規化して、動作812において全体的な衝突確率を決定し得る。また、車両安全システム534は、動作810からの付加的な重み値および/または修正に基づいて、動作812において決定された全体的な衝突予測および確率を修正してもよい。例えば、車両安全システム534は、動作810において、1つまたは複数の摂動軌道からの潜在的な衝突に対して、より高いレベルの重要性を決定することに基づいて、衝突確率または他の関連する予測を増加させ得る。同様に、いくつかの例において、車両安全システム534は、動作810において、摂動軌道に対して、衝突予測/確率に関連付けられた、より低い信頼度または信頼性を決定することに基づいて、衝突確率または他の関連する予測を増加させてもよい。
例示的な条項
【0118】
A.1つまたは複数のプロセッサと、コンピュータ実行可能な命令を記憶する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令は、実行された場合、1つまたは複数のプロセッサに、環境内のオブジェクトに関連付けられた状態データを受け取ることであって、状態データは、車両のセンサによってキャプチャされるセンサデータに少なくとも部分的に基づいており、状態データは、第1の時刻に関連付けられる、受け取ることと、状態データおよび摂動パラメータに少なくとも部分的に基づいて、オブジェクトに関連付けられた複数の摂動軌道を決定することと、環境内の車両に関連付けられた軌道を受け取ることと、第1の摂動軌道、および車両に関連付けられた軌道に少なくとも部分的に基づいて、第1の時刻の後の第2の時刻におけるオブジェクトおよび車両に関連付けられた交差を決定することと、交差に少なくとも部分的に基づいて、車両についてのアクションを決定することと、アクションに少なくとも部分的に基づいて、車両の動作を制御することとを含む動作を実行させる、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体とを備えるシステム。
【0119】
B.動作は、複数の摂動軌道、および車両に関連付けられた軌道に少なくとも部分的に基づいて、複数の摂動軌道に関連付けられた交差の数を決定することと、交差の数がしきい値数を満たすか、または越えるかを決定することと、交差の数に少なくとも部分的にさらに基づいて、車両についてのアクションを決定することとをさらに含む段落Aのシステム。
【0120】
C.動作は、第1の摂動軌道に関連付けられた確率を決定することであって、確率は、オブジェクトが第1の摂動軌道に従う可能性を示す、決定することと、確率および交差の数に少なくとも部分的にさらに基づいて、車両についてのアクションを決定することとをさらに含む段落AまたはBのシステム。
【0121】
D.状態データは、オブジェクトに関連付けられた加速度データ、オブジェクトに関連付けられたステアリング角速度、およびオブジェクトに関連付けられた分類を含み、第1の摂動軌道を決定することは、摂動パラメータに少なくとも部分的に基づいて、加速度データまたはステアリング角速度のうちの少なくとも1つを変えることを含み、摂動パラメータは、オブジェクトに関連付けられた分類に少なくとも部分的に基づく段落A乃至Cのいずれか一項のシステム。
【0122】
E.交差を決定することは、軌道に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻における車両に関連付けられた第1の領域を決定することと、第1の摂動軌道に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻におけるオブジェクトに関連付けられた第2の領域を決定することと、第1の領域と第2の領域との間の重複を決定することとを含む段落A乃至Dのいずれか一項のシステム。
【0123】
F.環境内のオブジェクトに関連付けられた状態データを受け取るステップと、オブジェクトに関連付けられた知覚された軌道を受け取るステップと、知覚された軌道に少なくとも部分的に基づいて、摂動軌道を決定するステップと、環境内の車両に関連付けられた軌道を受け取るステップと、摂動軌道および軌道に少なくとも部分的に基づいて、オブジェクトと車両との間の衝突の可能性を決定するステップと、衝突の可能性に少なくとも部分的に基づいて、車両についてのアクションを決定するステップとを含む方法。
【0124】
G.摂動軌道を決定するステップは、複数の摂動軌道を決定するステップを含み、方法は、複数の摂動軌道および軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両とオブジェクトとの間の複数の潜在的な衝突を決定するステップと、潜在的な衝突の数がしきい値数を満たすか、または越えるかを決定するステップと、潜在的な衝突の数に少なくとも部分的にさらに基づいて、車両についてのアクションを決定するステップとをさらに含む段落Fの方法。
【0125】
H.複数の摂動軌道の数に対する潜在的な衝突の数に少なくとも部分的に基づいて、車両とオブジェクトとの間の衝突の確率を決定するステップをさらに含む段落F乃至Gのいずれか一項の方法。
【0126】
I.状態データは、オブジェクトに関連付けられた加速度データ、オブジェクトに関連付けられたステアリング角速度を含み、オブジェクトに関連付けられた複数の摂動軌道を決定するステップは、加速度データまたはステアリング角速度のうちの少なくとも1つを変えるステップを含む段落F乃至Hのいずれか一項の方法。
【0127】
J.状態データは、オブジェクトに関連付けられた分類をさらに含み、摂動軌道を決定するステップは、オブジェクトに関連付けられた分類に少なくとも部分的に基づく段落F乃至Iのいずれか一項の方法。
【0128】
K.摂動軌道に関連付けられた確率を決定するステップと、確率に少なくとも部分的に基づいて、衝突の可能性を変更するステップと、確率に少なくとも部分的にさらに基づいて、車両についてのアクションを決定するステップとをさらに含む段落F乃至Jのいずれか一項の方法。
【0129】
L.交差を決定するステップは、車両に関連付けられた第1のバウンディングボックスを決定するステップと、オブジェクトに関連付けられた第2のバウンディングボックスを決定するステップと、軌道に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻における第1のバウンディングボックスの第1の位置を決定するステップと、摂動軌道に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻における第2のバウンディングボックスの第2の位置を決定するステップと、第1の位置および第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、第2の時刻における第1のバウンディングボックスと第2のバウンディングボックスとの間の重複を決定するステップとを含む段落F乃至Kのいずれか一項の方法。
【0130】
M.状態データは、車両のセンサによってキャプチャされるセンサデータに少なくとも部分的に基づき、状態データは、オブジェクトに関連付けられた加速度データ、およびオブジェクトに関連付けられたステアリング角速度を含み、摂動軌道を決定するステップは、摂動パラメータに少なくとも部分的に基づいて、加速度データまたはステアリング角速度のうちの1つまたは複数を変えるステップを含む段落F乃至Lのいずれか一項の方法。
【0131】
N.プロセッサによって実行可能な命令を記憶する、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令は、実行された場合、プロセッサに、環境内のオブジェクトに関連付けられた状態データを受け取ることと、オブジェクトに関連付けられた知覚された軌道を受け取ることと、知覚された軌道に少なくとも部分的に基づいて、摂動軌道を決定することと、環境内の車両に関連付けられた軌道を受け取ることと、摂動軌道および軌道に少なくとも部分的に基づいて、オブジェクトと車両との間の衝突の可能性を決定することと、衝突の可能性に少なくとも部分的に基づいて、車両についてのアクションを決定することとを含む動作を実行させる1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0132】
O.摂動軌道を決定することは、複数の摂動軌道を決定することを含み、動作は、複数の摂動軌道および軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両とオブジェクトとの間の潜在的な衝突の数を決定することと、潜在的な衝突の数がしきい値数を満たすか、または越えるかを決定することと、潜在的な衝突の数に少なくとも部分的にさらに基づいて、車両についてのアクションを決定することとをさらに含む段落Nの1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0133】
P.動作は、複数の摂動軌道の数に対する潜在的な衝突の数に少なくとも部分的に基づいて、車両とオブジェクトとの間の衝突の確率を決定することをさらに含む段落N乃至Oのいずれか一項の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0134】
Q.状態データは、オブジェクトに関連付けられた加速度データ、オブジェクトに関連付けられたステアリング角速度を含み、オブジェクトに関連付けられた複数の摂動軌道を決定することは、加速度データまたはステアリング角速度のうちの少なくとも1つを変えることを含む段落N乃至Pのいずれか一項の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0135】
R.状態データは、オブジェクトに関連付けられた分類をさらに含み、摂動軌道を決定することは、オブジェクトに関連付けられた分類に少なくとも部分的に基づく段落N乃至Qのいずれか一項の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0136】
S.動作は、摂動軌道に関連付けられた確率を決定することと、確率に少なくとも部分的に基づいて、衝突の可能性を変更することと、確率に少なくとも部分的にさらに基づいて、車両についてのアクションを決定することとをさらに含む段落N乃至Rのいずれか一項の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0137】
T.オブジェクトと車両との間の衝突の可能性を決定することは、軌道に少なくとも部分的に基づいて、第1の時刻における車両の予測される位置に関連付けられた第1の領域を決定することと、摂動軌道に少なくとも部分的に基づいて、第1の時刻におけるオブジェクトの予測される位置に関連付けられた第2の領域を決定することと、第1の領域と第2の領域との間の重複を決定することとを含む段落N乃至Sのいずれか一項の1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0138】
上述した例示的な条項は、特定の実装例に対して説明されているが、本文書の文脈において、例示的な条項の内容は、方法、デバイス、システム、コンピュータ可読媒体、および/または別の実装例を介して実装されることが可能であることが理解されるべきである。また、例A乃至Tのいずれも、単独で実装されても、または例A乃至Tのうちの任意の他の1つまたは複数と組み合わせて実装されてもよい。
結論
【0139】
本明細書において説明される技法の1つまたは複数の例が説明されてきたが、その様々な変更、追加、置換および均等物が、本明細書において説明される技法の範囲内に含まれる。
【0140】
例の説明において、本明細書の一部を形成する添付の図面への参照が行われ、それは、特許請求される主題の特定の例を例示として示す。他の例が使用されてもよいこと、および、構造変化などの、変化または変更が行われてもよいことが、理解されるべきである。そのような例、変化または変更は、意図した特許請求される主題に関する範囲から必ずしも逸脱するものとは限らない。本明細書におけるステップは、一定の順序で提示され得るが、いくつかの場合において、順序付けは、説明されているシステムおよび方法の機能を変化させずに、一定の入力が、異なる時刻にまたは異なる順序で提供されるように、変化させられてもよい。開示されている手続きは、異なる順序でも実行され得る。また、本明細書における様々な計算は、開示された順序で実行される必要はなく、計算の代替的な順序付けを使用する他の例が、容易に実装され得る。再順序付けされることに加えて、計算は、同じ結果を有するサブ計算へ分解されてもよい。
【0141】
主題は、構造的な特徴および/または方法論的な動作に固有の文言において説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義される主題は、説明されている特定の特徴または動作に必ずしも限定されるとは限らないことが理解されるべきである。むしろ、特定の特徴および動作は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示されている。
【0142】
本明細書において説明される構成要素は、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶され得、ソフトウェアおよび/またはハードウェアにおいて実装され得る命令を表す。上記に説明される方法および処理の全ては、1つもしくは複数のコンピュータもしくはプロセッサ、ハードウェア、または、これらの何らかの組み合わせによって実行される、ソフトウェアコードおよび/またはコンピュータ実行可能な命令において具現化され、これらを介して完全に自動化され得る。方法の一部または全部は、代替的に、専用コンピュータハードウェアにおいて具現化されてもよい。
【0143】
条件付きの文言、特に、「してもよい」、「得る」、「ことがある」または「あり得る」などは、特に別記しない限り、一定の例は、一定の特徴、要素および/またはステップを含むが、他の例は含まないことを提示する文脈において理解される。したがって、そのような条件付きの文言は、一般に、一定の特徴、要素および/もしくはステップが、何らかの形で1つもしくは複数の例のために必要とされること、または、1つもしくは複数の例が、ユーザ入力もしくはプロンプトの有無に関わらず、一定の特徴、要素および/もしくはステップが含まれるか、もしくは任意の特定の例において実行されるべきであるかを決めるためのロジックを必ずしも含むことを示唆するようには意図されていない。
【0144】
「X、YまたはZのうちの少なくとも1つ」という句などの接続的な文言は、特に別記しない限り、アイテム、用語等が、X、Y、もしくはZ、または、各要素の倍数を含む、これらの任意の組み合わせのいずれかであってよいことを提示するためのものと理解されるべきである。単数として明示的に説明されない限り、「1つの」は、単数および複数を意味する。
【0145】
本明細書において説明されるおよび/または付属の図において描かれるフロー図内の任意のルーティン説明、要素またはブロックは、モジュール、構成要素、セグメント、またはルーティンにおける特定の論理関数もしくは要素を実装するための1つもしくは複数のコンピュータ実行可能な命令を含むコードの一部を潜在的に表すものとして理解されるべきである。代替的な実装例は、本明細書において説明される例の範囲内に含まれており、その範囲内で、要素もしくは機能は、当業者によって理解されるであろう関係する機能性に応じて、削除されてもよく、または、実質的に同期して、逆の順序において、付加的な動作と共に、もしくは動作を省略することを含めて、図示されたもしくは論じられた順序とは順不同で実行されてもよい。
【0146】
多くのバリエーションおよび修正が、上述された例に対して行われてもよく、それらの要素は、他の許容可能な例の中にあるものとして理解されるべきである。あらゆるそのような修正およびバリエーションは、本開示の範囲内で本明細書において含まれるように意図されており、以下の特許請求の範囲によって保護される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】