(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】多重接続を確立するための方法、ネットワーク装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20230621BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20230621BHJP
H04W 8/18 20090101ALI20230621BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20230621BHJP
【FI】
H04W48/16 131
H04W88/06
H04W8/18
H04W72/0453
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573469
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 CN2021091201
(87)【国際公開番号】W WO2021238575
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202010477382.2
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515003145
【氏名又は名称】チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHINA TELECOM CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】31, JINRONG STREET, XICHENG DISTRICT, BEIJING 100033, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】シェ,ウェイリャン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジャンアン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ペン
(72)【発明者】
【氏名】ル,ナ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジジュン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG06
(57)【要約】
移動体通信の分野に関連する多重接続を確立する方法、ネットワーク装置、及びシステムを提供する。この方法は、第1モードのネットワーク装置がユーザの端末から送信された接続要求を受信し、ユーザの優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に応じたレベルの第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択し、第1モードのネットワークの接続ポリシーに応じて、端末との第1モードのネットワーク接続を少なくとも一つ確立する。そして、第2モードのネットワーク装置に、第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を通知し、第2モードのネットワーク装置が、第2モードのネットワークの接続ポリシーに応じて、端末との第2モードのネットワーク接続を少なくとも一つ確立するようにする。第1モードのネットワークと第2モードのネットワークとで構成されるマルチモードのネットワークでは、第1モードのネットワーク装置を制御ポイントとし、第2モードのネットワーク装置と組み合わせることで、異なるユーザの優先順位に応じて階層的な多重接続を確立し、差別化された共有ネットワークサービスを実現する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重接続を確立する方法であって、
第1モードのネットワーク装置が、ユーザの端末から送信された接続要求を受信し、
第1モードのネットワーク装置が、ユーザの優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に応じたレベルの第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択し、
第1モードのネットワーク装置が、前記第1モードのネットワークの接続ポリシーに従って、前記ユーザの端末と少なくとも一つの第1モードのネットワーク接続を確立し、
第1モードのネットワーク装置が、第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を第2モードのネットワーク装置に通知し、前記第2モードのネットワークデバイスが、前記第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、前記ユーザの端末に対して少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立するようにする、ことを含む、方法。
【請求項2】
前記第1モードのネットワーク装置が、前記第1モードのネットワークの接続ポリシーと、前記ユーザの優先度に対応する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択し、
第1モードのネットワーク装置が、前記ユーザと前記ユーザが属する事業者の優先度に応じて、前記第1モードのネットワークの接続ポリシーと、前記ユーザの優先度に対応するレベルにあり、前記ユーザが属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択し、
前記ユーザが契約事業者に属する場合、前記第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、前記第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーとユーザプレーン接続ポリシーとを含み、前記第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、前記第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含む、又は、前記ユーザが共有事業者に属している場合、前記第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーを含み、前記第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つの第1モードのネットワーク接続を確立し、少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立し、
前記ユーザが契約事業者に所属している場合、前記第2モードのネットワーク装置は、前記第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、前記ユーザの端末と前記第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立し、前記第1モードのネットワーク装置は、前記第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシー及びユーザプレーン接続ポリシーに従って、前記ユーザの端末と前記第1モードのネットワークの少なくとも一つのコントロールプレーン接続及び少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立し、前記第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続から前記第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続へのユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオンにして、前記ユーザの前記ユーザプレーンデータを前記第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続及び前記第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続で送信する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも一つの第1モードのネットワーク接続を確立し、少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立し、
前記ユーザが共有事業者に属している場合、前記第2モードのネットワーク装置は、前記第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、前記ユーザの端末と前記第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立し、前記第1モードのネットワーク装置は、前記第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワークの少なくとも一つのコントロールプレーン接続を確立し、ユーザプレーンデータを前記第2モードのネットワークから前記第1モードのネットワークにシャントするためのシャントスイッチをオフにして、前記ユーザの前記ユーザプレーンデータを前記第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続で送信する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1モードのネットワーク装置が、前記ユーザの端末から送信された公衆陸上移動体通信網(PLMN)番号に従って、前記ユーザが属する事業者が契約事業者又は共有事業者であると判断することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1モードのネットワーク装置が、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、前記ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することは、
前記第1モードのネットワーク装置が、ユーザの端末が測定できる周波数ポイントから、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することを含み、
前記第1モードのネットワークの接続ポリシーは、前記第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、前記第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む、又は、前記第2モードのネットワークの接続ポリシーは、前記第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、前記第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1モードのネットワークの接続ポリシーと、前記ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することは、
前記第1モードのネットワーク装置が、前記ユーザと前記ユーザが属する事業者の優先度に応じて、前記ユーザの端末で測定できる周波数ポイントから、前記第1モードのネットワークの接続ポリシーと、前記ユーザの優先度に対応するレベルにあり、前記ユーザが属する事業者と一致する前記第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することを含み、
前記第1モードのネットワークの接続ポリシーは、前記第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、前記第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む、又は、前記第2モードのネットワークの接続ポリシーは、前記第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、前記第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザの優先度が高いほど、前記選択された組み合わせの性能が向上し、
前記性能は、カバレッジ性能又は容量性能の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーにおけるコントロールプレーン接続の周波数ポイントは、前記第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーにおけるユーザプレーン接続の周波数ポイントよりも少ない、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1モードのネットワーク装置が第4世代の移動体通信の基地局又は第3世代の移動体通信の基地局であり、
前記第2モードのネットワーク装置が第5世代移動体通信の基地局である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
第1モードのネットワーク装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合され、前記メモリに格納された命令に基づいて請求項1乃至10のいずれかに記載された多重接続を確立する方法を実行するように構成されたプロセッサと、を備える第1モードのネットワーク装置。
【請求項12】
多重接続を確立するためのシステムであって、
請求項11に記載の第1モードのネットワーク装置と、
前記第1モードのネットワーク装置から通知された前記第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を受信し、前記第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、前記ユーザの端末と少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立するように構成された第2モードのネットワーク装置と、を備えるシステム。
【請求項13】
前記第1モードのネットワーク装置が第4世代の移動体通信の基地局又は第3世代の移動体通信の基地局であり、
前記第2モードのネットワーク装置が第5世代の移動体通信の基地局である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
プロセッサによって実行されたときに、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の多重接続を確立する方法のステップを実装したコンピュータプログラムを格納した非遷移コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体通信の分野、特に多重接続を確立するための方法、ネットワーク装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々なモードのモバイルネットワークがあり、例えば、第5世代(5G、第5世代)モバイルネットワーク、第4世代(4G、第4世代)モバイルネットワーク、第3世代(3G、第3世代)モバイルネットワーク、等がある。異なるモードのモバイルネットワークが共存するモバイルネットワーク環境では、複数接続技術を用いることで、ユーザの端末が異なるモードのモバイルネットワークを同時に集約して伝送速度を向上させることができ、多重接続ネットワークにおけるユーザのサービス体験を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明者は、各モードのモバイルネットワークを複数の周波数ポイントシステムに展開できることを発見した。例えば、4Gモバイルネットワークは、800MHz、1.8GHz、2.1GHz、等を含む複数の周波数ポイントシステムに展開でき、5Gモバイルネットワークも2.1GHz、3.5GHz、4.9GHz、等を含む複数の周波数ポイントシステムに展開できる。周波数ポイントシステムごとにカバレッジ性能や容量性能が異なるため、差別化された共用ネットワークサービスを実現するために多重接続をいかに確立するかが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態によれば、第1モードのネットワークと第2モードのネットワークによって形成されるマルチモードのネットワークにおいて、第1モードのネットワーク装置をコントロールポイント(又はアンカーポイント)として、第2モードのネットワーク装置と組み合わせて、ユーザの異なる優先順位に従って階層的な多重接続を確立することにより、差別化された共有ネットワークサービスを実現する。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態によれば、多重接続を確立する方法であって、
第1モードのネットワーク装置が、ユーザの端末から送信された接続要求を受信し、
第1モードのネットワーク装置が、ユーザの優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に応じたレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択し、
第1モードのネットワーク装置が、第1モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末と少なくとも一つの第1モードのネットワーク接続を確立し、
第1モードのネットワーク装置が、第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を第2モードのネットワーク装置に通知し、第2モードのネットワーク装置が、第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末に対して少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立するようにすることを含む方法を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置が、ユーザの優先度に対応するレベルの、第1モードのネットワークの接続ポリシーと第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせ、を選択することは、
第1モードのネットワーク装置が、ユーザとユーザが属する事業者の優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応したレベルにあり、ユーザが属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することを含み、
ユーザが契約事業者に属する場合、第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーとユーザプレーン接続ポリシーとを含み、第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含む、又は、
ユーザが共有事業者に属している場合、第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーを含み、第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの第1モードのネットワーク接続を確立し、少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立することは、
ユーザが契約事業者に属する場合、第2モードのネットワーク装置は、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立し、第1モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシー及びユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワークの少なくとも一つのコントロールプレーン接続及び少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立すると共に、第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続から第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続へのユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオンにして、ユーザのユーザプレーンデータを第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続及び第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続で送信することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの第1モードのネットワーク接続を確立し、少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立することは、
ユーザが共有事業者に属している場合、第2モードのネットワーク装置は、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立し、第1モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワークの少なくとも一つのコントロールプレーン接続を確立すると共に、ユーザプレーンデータを第2モードのネットワークから第1モードのネットワークにシャントするためのシャントスイッチをオフにして、ユーザのユーザプレーンデータを第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続で送信することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置は、ユーザの端末から送信されたパブリックランドモバイルネットワーク(公衆陸上移動体通信網:PLMN)番号に従って、ユーザが属する事業者が契約事業者は共有事業者であると判断する。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置が、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することは、
第1モードのネットワーク装置が、ユーザの端末が測定できる周波数ポイントから、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することを含み、
第1モードのネットワークの接続ポリシーは、第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む、又は、第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置が、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することは、
第1モードのネットワーク装置が、ユーザとユーザが属する事業者の優先度に応じて、ユーザの端末で測定できる周波数ポイントから、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにあり、ユーザが属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することを含み、
第1モードのネットワークの接続ポリシーは、第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む、又は、第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、ユーザの優先度が高いほど、選択された組み合わせの性能が向上し、性能は、カバレッジ性能又は容量性能の少なくとも一つを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーにおけるコントロールプレーン接続の周波数ポイントは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーにおけるユーザプレーン接続の周波数ポイントよりも少ない。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置が第4世代の移動体通信の基地局又は第3世代の移動体通信の基地局であり、第2モードのネットワーク装置が第5世代移動体通信の基地局である。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、メモリと、
メモリに結合され、メモリに格納された命令に基づいて上述した実施形態のいずれかに記載された多重接続を確立する方法を実行するように構成されたプロセッサと、を備える第1モードのネットワーク装置が提供される。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、上述した実施形態のいずれかに記載された第1モードのネットワーク装置と、第1モードのネットワーク装置から通知された第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を受信し、第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末と少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立するように構成された第2モードのネットワーク装置と、を備えた多重接続を確立するためのシステムが提供される。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、プロセッサによって実行されたときに、上述した実施形態のいずれかに記載された多重接続を確立する方法のステップを実装したコンピュータプログラムを格納した非遷移コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0018】
以下、各実施形態又は関連技術の説明に使用する必要がある添付図面について簡単に説明する。本開示は、添付図面を参照して進める以下の詳細な説明からより明確に理解されるであろう。
【0019】
以下の説明の図面は、本開示の単なるいくつかの実施形態であり、他の図面もまた、創造的努力を払うことなく、当技術分野の通常の技術者によって導出され得ることが明らかであるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態に係るものであり、階層的な多重接続を確立する方法の概略フロー図を示す。
【
図2】本開示の他の実施形態に係るものであり、階層的な多重接続を確立する方法の概略フロー図を示す。
【
図3A】本開示の他の実施形態に係るものであり、シャントスイッチをオフにしたときの情報伝達の概略図を示す。
【
図3B】本開示の他の実施形態に係るものであり、シャントスイッチをオンにしたときの情報伝達の概略図を示す。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に係るものであり、階層的な多重接続を確立するためのシステムの概略図を示す。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態に係るものであり、第1モードのネットワーク装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施形態における技術的解決策は、本開示の実施形態における図面と併せて以下に明確かつ完全に説明される。
【0022】
特に明記されていない限り、本開示における「第1」、「第2」、等の記述は、異なる対象を区別するために使用されるものであり、サイズ、順序、等を表現することを意図したものではない。
【0023】
本開示によれば、第1モードのネットワークと第2モードのネットワークとによって形成されるマルチモードのネットワークにおいて、第1モードのネットワーク装置をコントロールポイント(又はアンカーポイント)として、第2モードのネットワーク装置と組み合わせることにより、ユーザの異なる優先順位に従って階層的な多重接続を確立し、差別化された共有ネットワークサービスを実現する。
【0024】
図1は、本開示のいくつかの実施形態により、階層的な多重接続を確立する方法の概略的なフロー図を示している。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の方法は、ステップ110~140で構成される。
【0026】
ステップ110において、第1モードのネットワークと第2モードのネットワークとで構成されるマルチモードのネットワークにおいて、第1モードのネットワーク装置は、ユーザの端末から送信された接続要求を受信する。
【0027】
ここでのユーザは、契約事業者のユーザであっても、共有事業者のユーザであってもよい。
【0028】
第1モードのネットワークは、例えば、第4世代モバイルネットワーク又は第3世代モバイルネットワークであり、第2モードのネットワークは、例えば、第5世代モバイルネットワークである。従って、第1モードのネットワーク装置は、例えば、第4世代モバイル通信の基地局(略して4G基地局)又は第3世代モバイル通信の基地局(略して3G基地局)であり、第2モードのネットワーク装置は、例えば、第5世代モバイル通信の基地局(略して5G基地局)であるが、これら装置は例示されたものに限定されない。
【0029】
ステップ120において、第1モードのネットワーク装置は、ユーザの優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応したレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択する。
【0030】
第1モードのネットワーク装置は、異なるレベルの第1モードのネットワークの接続ポリシーと第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせをあらかじめ設定しておき、第1モードのネットワークの接続ポリシーとユーザの優先度に応じたレベルの第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択することができる。ユーザの優先度が高いほど、選択した組み合わせについての、カバレッジ性能、容量性能、又はその他の性能を含むパフォーマンスの向上が得られる。
【0031】
カバレッジ性能が良好から不良の順に第1モードのネットワーク接続を、接続の1、接続の2、接続の3とし、容量性能が大から小の順に第2モードのネットワーク接続を、接続の1、接続の2、接続の3とすると仮定する。第1モードのネットワークの接続ポリシーと、対応するレベルの第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせは、ユーザが署名した共有ポリシーの優先度に応じて選択される。例えば、ユーザAの優先度が高い場合は、第1モードのネットワーク接続の1と第2モードのネットワーク接続の1との組み合わせを選択でき、ユーザBの優先度が低い場合は、第1モードのネットワーク接続の2と第2モードのネットワーク接続の3との組み合わせを選択できる。なお、これらは例示であって、組み合わせの選択はこの例に限られない。
【0032】
第1モードのネットワークのカバレッジ性能が第2モードのネットワークのそれよりも優れているとし、第2モードのネットワークのデータ伝送性能が第1モードのネットワークのそれよりも優れているとし、第1モードのネットワーク装置が複数接続ネットワークのコントロールポイント(又はアンカーポイント)であるとし、第1モードのネットワークの接続ポリシーが第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続として展開することでユーザが正常にネットワークにアクセスできることとし、これらに基づいて、第1モードのネットワークのユーザプレーン接続は、契約事業者のユーザ等の特定のユーザに対してさらに展開でき、第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークのデータプレーン接続(すなわち、ユーザプレーン接続)として展開できることする、と仮定する。第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーにおけるコントロールプレーン接続の周波数ポイントは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーにおけるユーザプレーン接続の周波数ポイントよりも小さくなる。そのため、多重接続技術により、異なるモードのモバイルネットワークの性能上の利点を集約してユーザにサービスを提供し、ユーザは第1モードのネットワークの良好なカバレッジ性能を享受できるだけでなく、第2モードのネットワークの良好なデータ伝送性能を享受することができ、これによりユーザのサービス体験を向上させることができる。
【0033】
第1モードのネットワークの接続ポリシーは、第1モードのネットワークの少なくとも1つの接続構成を備え、第1モードのネットワークの各接続構成は、1つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを備える。
【0034】
第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークの少なくとも1つの接続構成を備え、第2モードのネットワークの各接続構成は、1つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを備える。
【0035】
いくつかの実施形態では、ユーザの端末が、測定可能な周波数ポイントの情報を第1モードのネットワーク装置に報告し、第1モードのネットワーク装置は、ユーザの端末が測定可能な周波数ポイントの中から、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に応じたレベルの第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択する。そのため、端末が測定可能な周波数ポイントと、複数の周波数ポイントを同時に接続するための端末の能力と併せて、ユーザにとって効果的な接続ポリシーの組み合わせが選択される。
【0036】
例えば、優先度の高いユーザAが測定可能な周波数ポイントにおいて、第1モードのネットワーク接続の1の周波数ポイントがない場合、第1モードのネットワーク接続の1と第2モードのネットワーク接続1との組み合わせは、性能レベルは高いがユーザAに割り当てることができず、ユーザAが測定可能な周波数ポイントにおいて、第1モードのネットワーク接続の2の周波数ポイントと第2モードのネットワーク接続の1の周波数ポイントが含まれる場合、第1モードのネットワーク接続の2と第2モードのネットワーク接続の1との最適でない組み合わせをユーザAに割り当てることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置は、ユーザとユーザが所属する事業者の優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルで、ユーザが所属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択する。そのため、異なる事業者のユーザに対して接続ポリシーの異なる組み合わせが選択され、異なる事業者のユーザに対して差別化された共有ネットワークサービスが提供される。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置は、ユーザの端末で測定可能な周波数ポイントと、複数の周波数ポイントを同時に接続する端末の能力とから、ユーザとユーザが属する事業者の優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルで、ユーザが属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択する。そのため、ユーザに対して有効な接続ポリシーの組み合わせを選択できるだけでなく、異なる事業者のユーザに対して、差別化された共有ネットワークサービスを提供することができる。
【0039】
ユーザが属する事業者に応じて接続ポリシーの組み合わせを選択する解決策については、
図2に示す実施形態と併せて後述する。
【0040】
ステップ130において、第1モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワーク接続を少なくとも一つ確立する。
【0041】
第1モードのネットワークの接続ポリシーが第1モードのネットワークの一つの接続構成を備えると、第1モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワークの一つの接続構成に従って、ユーザの端末との第1モードのネットワーク接続を一つ確立する。
【0042】
第1モードのネットワークの接続ポリシーが第1モードのネットワークの複数の接続構成を備えると、第1モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワークの複数の接続構成に従って、ユーザの端末との第1モードのネットワーク接続をそれぞれ複数確立する。
【0043】
ステップ140において、第1モードのネットワーク装置は、第2モードのネットワーク装置に第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を通知し、第2モードのネットワーク装置は、第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワーク接続を少なくとも一つ確立する。
【0044】
第2モードのネットワークの接続ポリシーが、第2モードのネットワークの一つの接続構成を備えると、第2モードのネットワーク装置は、第2モードのネットワークの一つの接続構成に従って、ユーザの端末との第2モードのネットワーク接続を一つ確立する。
【0045】
第2モードのネットワークの接続ポリシーが、第2モードのネットワークの複数の接続構成を備えると、第2モードのネットワーク装置は、第2モードのネットワークの複数の接続構成に従って、ユーザの端末との第2モードのネットワーク接続をそれぞれ複数確立する。
【0046】
上記の実施形態では、第1モードのネットワークと第2モードのネットワークで構成されるマルチモードのネットワークにおいて、第1モードのネットワーク装置をコントロールポイント(又はアンカーポイント)として、第2モードのネットワーク装置と組み合わせることで、異なるユーザの優先順位に応じた階層的な多重接続を確立し、差別化された共有ネットワークサービスを実現している。
【0047】
図2は、本開示の他の実施形態による階層的多重接続を確立する方法の概略フロー図を示す。
【0048】
図2に示すように、本実施形態の方法は以下のステップで構成される。
【0049】
ステップ210において、第1モードのネットワークと第2モードのネットワークで構成されるマルチモードのネットワークにおいて、第1モードのネットワーク装置は、ユーザの端末から送信された接続要求を受信する。
【0050】
ステップ220において、第1モードのネットワーク装置は、ユーザの端末から送信されたPublic Land Mobile Network(PLMN:公衆移動体通信網)番号に従って、ユーザが属する事業者が契約事業者又は共有事業者であると判断する。
【0051】
PLMN番号にはMCC(Mobile Country Code)とMNC(Mobile Network Code)が含まれており、MNCによってユーザが属する事業者を決定することができる。
【0052】
第1モードのネットワーク装置は、例えばユーザの端末から送信された接続要求からPLMN番号を取得する。
【0053】
ステップ230において、第1モードのネットワーク装置は、ユーザとユーザが属する事業者の優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に応じたレベルで、ユーザが属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択する。
【0054】
ステップ230aとして、ユーザが契約事業者に属する場合、第1モードのネットワークで選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーとユーザプレーン接続ポリシーを備え、第2モードのネットワークで選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを備える。
【0055】
ステップ230bとして、ユーザが共有事業者に属する場合、第1モードのネットワークで選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーを備え、第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを備える。
【0056】
ステップ240において、ユーザが契約事業者に属している場合、第2モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワーク装置から通知された第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワークのユーザプレーン接続を少なくとも一つ確立し(ステップ240a)、第1モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシー及びユーザプレーン接続ポリシーに従って、少なくとも一つのコントロールプレーン接続、及びユーザの端末との第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立し、第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続から第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続へのユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオンにし(ステップ240b)、第1システムネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続と第2システムネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続とで、ユーザのユーザプレーンデータを送信できるようにする。
【0057】
ステップ250において、ユーザが共有事業者に属している場合、第2モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワーク装置から通知された第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワークのユーザプレーン接続を少なくとも一つ確立し(ステップ250a)、第1モードのネットワーク装置は、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続を少なくとも一つ確立し、第2モードのネットワークから第1モードのネットワークへのユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオフにし(ステップ250b)、第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続で、ユーザのユーザプレーンデータを送信できるようにする。
【0058】
そのため、異なる事業者のユーザに対して異なる接続ポリシーの組み合わせが選択され、異なる事業者のユーザに対して差別化された共有ネットワークサービスが提供される。
【0059】
多重接続ネットワークはコアネットワークとアクセスネットワークで構成され、アクセスネットワークは一般的にコントロールプレーンとユーザプレーンとが分離されたネットワークアーキテクチャを採用している。5GモバイルネットワークのNSA(Non‐Standalone)デュアルコネクションソリューションを例にとると、4G基地局の展開された周波数ポイントは5G基地局のそれよりも少なく、4G基地局のカバレッジ範囲は5G基地局よりも大きいため、NSAデュアルコネクションソリューションでは、4G基地局がコントロールプレーンシグナリングの送信を担当し、5G基地局と4G基地局とがデュアルコネクション技術によりユーザプレーンデータの送信を共同で担当し、これにより4G及び5Gのモバイルネットワークの性能を集約する目的が達成される。4G基地局と5G基地局とのプロトコルスタックは、例えば、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層、RLC(Radio Link Control)層、MAC(Media Access Control)層、PHY(Physical)層、等から構成される。4G基地局と5G基地局とは、どちらもEPC(Evolved Packet Core)に接続される。4G基地局は、例えばLTE(Long Term Evolution)基地局であり、5G基地局は、例えばNR(New Radio)基地局である。
【0060】
カバレッジ性能が良好から不良の順に第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続を、接続の1、接続の2、接続の3とし、容量性能が大から小の順に第1モードのネットワークのユーザプレーン接続を、接続の1、接続の2、接続の3とし、容量性能が大から小の順に第2モードのネットワークのユーザプレーン接続を、接続の1、接続の2、接続の3と仮定する。第1モードのネットワークの接続ポリシーと、対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせは、ユーザが署名した共有ポリシーの優先順位に従って選択される。
【0061】
図3Aに示すように、ユーザAが共有事業者のユーザであり、かつユーザAの優先順位が高い場合、第2モードのネットワーク(例えば5Gネットワーク)から第1モードのネットワーク(例えば4Gネットワーク)へユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオフにすることで、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続の1と第2モードのネットワークのユーザプレーン接続の1との組み合わせを選択でき、コントロールプレーンシグナリングは第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続の1を介して送信され、ユーザプレーンデータは第2モードのネットワークのユーザプレーン接続の1のみを介して送信される。コントロールプレーンシグナリングの送信は破線の矢印で示され、ユーザプレーンデータの送信は実線の矢印で示される。
【0062】
図3Bに示すように、ユーザBが契約事業者のユーザであり、かつユーザBの優先順位が高い場合、第2モードのネットワーク(例えば5Gネットワーク)から第1モードのネットワーク(例えば4Gネットワーク)へユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオンにすることで、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続の1及びユーザプレーン接続の1と、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続の1との組み合わせを選択でき、コントロールプレーンシグナリングは第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続の1を介して送信され、ユーザプレーンデータは第1モードのネットワークのユーザプレーン接続の1と第2モードのネットワークのユーザプレーン接続の1とを同時に介して送信される。コントロールプレーンシグナリングの送信は破線の矢印で、ユーザプレーンデータの送信は実線の矢印で示されている。
【0063】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係り、階層的な多重接続を確立するためのシステムの概略図を示している。
【0064】
図4に示すように、本実施形態のシステム400は、第1モードのネットワーク装置410と第2モードのネットワーク装置420とから構成される。
【0065】
第1モードのネットワーク装置410は、いずれかの実施形態に従って、階層的な多重接続を確立する方法を実行するように構成されている。例えば、ユーザの端末から送信された接続要求を受信し、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に応じたレベルの第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせがユーザの優先度に応じて選択され、第1モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワーク接続が少なくとも一つ確立され、第2モードのネットワーク装置に第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報が通知され、これにより第2モードのネットワーク装置は、第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワーク接続を少なくとも一つ確立する。階層的な多重接続を確立するためのその他の方法については、前述の説明を参照することとして以下での繰り返しを割愛する。
【0066】
第2モードのネットワーク装置420は、第1モードのネットワーク装置から通知された第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を受信し、第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末と少なくとも一つの第2モードのネットワーク接続を確立するように構成されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置410は、ユーザとユーザが所属する事業者の優先度に従って、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルで、ユーザが所属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択するように構成されており、ユーザが契約事業者に所属している場合、第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーとユーザプレーン接続ポリシーとを含み、第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含み、ユーザが共有事業者に所属している場合、第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーを含み、第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含む。
【0068】
ユーザが契約事業者に所属している場合、第2モードのネットワーク装置420は、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワークのユーザプレーン接続を少なくとも一つ確立するように構成され、第1モードのネットワーク装置410は、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシー及びユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワークの少なくとも一つのコントロールプレーン接続及び少なくとも一つのユーザプレーン接続を確立し、第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続から第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続へのユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオンにするように構成され、これにより、ユーザのユーザプレーンデータは、第1モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続及び第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続で送信される。
【0069】
ユーザが共有事業者に属している場合、第2モードのネットワーク装置420は、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第2モードのネットワークのユーザプレーン接続を少なくとも一つ確立するように構成され、第1モードのネットワーク装置410は、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーに従って、ユーザの端末との第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続を少なくとも一つ確立し、第2モードのネットワークから第1モードのネットワークへのユーザプレーンデータをシャントするためのシャントスイッチをオフにするように構成され、これにより、ユーザのユーザプレーンデータは、第2モードのネットワークの少なくとも一つのユーザプレーン接続で送信される。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置410は、ユーザの端末で測定できる周波数ポイントから、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択するように構成され、第1モードのネットワークの接続ポリシーは、第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含み、第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1モードのネットワーク装置410は、ユーザの端末が測定できる周波数ポイントから、ユーザとユーザが属する事業者の優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにあり、ユーザが属する事業者と一致する、第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択するように構成され、第1モードのネットワークの接続ポリシーは、第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含み、第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む。
【0072】
図5は、本開示のいくつかの実施形態に係る第1モードのネットワーク装置の概略図を示す。
【0073】
図5に示すように、本実施形態に係る第1モードのネットワーク装置410は、メモリ511と、メモリ511に結合されたプロセッサ512とを含む。プロセッサ512は、メモリに格納された命令に基づいて、いずれかの実施形態に従って階層的な多重接続を確立する方法を実行するように構成されている。
【0074】
例えば、プロセッサ512は、ユーザの端末から送信された接続要求を受信するように設定されており、ユーザの優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に応じたレベルの第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択し、第1モードのネットワークの接続ポリシーに応じて、ユーザの端末と一つ以上の第1モードのネットワーク接続を確立し、第2モードのネットワーク装置に、第2モードのネットワークの接続ポリシーの情報を通知し、これにより、第2モードのネットワーク装置が、第2モードのネットワークの接続ポリシーに従って、ユーザの端末と一つ以上の第2モードのネットワーク接続を確立する。階層的な多重接続を確立するためのその他の方法については、前述の説明を参照することとして以下での繰り返しを割愛する。
【0075】
別の例として、プロセッサ512は、ユーザとユーザが属する事業者の優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルで、ユーザが属する事業者と一致する第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択するように構成されており、ユーザが契約事業者に属している場合、第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーとユーザプレーン接続ポリシーとを含み、第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含み、ユーザが共有事業者に属している場合、第1モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第1モードのネットワークのコントロールプレーン接続ポリシーを含み、第2モードのネットワークの選択された接続ポリシーは、第2モードのネットワークのユーザプレーン接続ポリシーを含む。
【0076】
別の例として、プロセッサ512は、ユーザの端末で測定できる周波数ポイントから、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにある第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択するように構成されており、第1モードのネットワークの接続ポリシーは、第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含み、第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む。
【0077】
別の例として、プロセッサ512は、ユーザの端末が測定できる周波数ポイントから、ユーザとユーザが属する事業者の優先度に応じて、第1モードのネットワークの接続ポリシーと、ユーザの優先度に対応するレベルにあり、ユーザが属する事業者と一致する、第2モードのネットワークの接続ポリシーとの組み合わせを選択するように構成され、第1モードのネットワークの接続ポリシーは、第1モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第1モードのネットワークの各接続構成は、一つの第1モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含み、第2モードのネットワークの接続ポリシーは、第2モードのネットワークの少なくとも一つの接続構成を含み、第2モードのネットワークの各接続構成は、一つの第2モードのネットワーク接続の周波数ポイント情報と帯域幅情報とを含む。
【0078】
メモリ511は、例えば、システムメモリ、固定不揮発性記憶媒体、等を含むことができる。システムメモリは、例えば、オペレーティングシステム、アプリケーション、ブートローダ、その他のプログラム、等を格納する。
【0079】
第1モードのネットワーク装置410は、さらに、入出力インターフェース513、ネットワークインターフェース514、ストレージインターフェース515、等を備えることができる。これらのインターフェース513,514,515だけでなく、メモリ511及びプロセッサ512は、例えばバス516によって接続することができる。入出力インターフェース513は、ディスプレイ、マウス、キーボード、タッチスクリーン等の入出力デバイスの接続インターフェースを提供する。ネットワークインターフェース514は、様々なネットワークデバイスの接続インターフェースを提供する。ストレージインターフェース515は、SDカードやUSBディスク等の外部記憶装置の接続インターフェースを提供する。
【0080】
本開示は、プロセッサによって実行されたときに、いずれかの実施形態に従って階層的な多重接続を確立する方法のステップを実装するコンピュータプログラムを格納した、非遷移的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0081】
本開示の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供することができることは、当業者には理解されるべきである。従って、本開示は、ハードウェア全体の実施形態、ソフトウェア全体の実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの側面を組み合わせた実施形態を取ることができる。さらに、本開示は、コンピュータプログラムコードをその中に具体化した、一つ以上の非遷移的コンピュータ可読記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリ等を含むが、これらに限定されない。)上に実装されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0082】
本開示は、本開示の実施形態に従って、方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフロー図及び/又はブロック図を参照して説明される。フロー図及び/又はブロック図の各フロー及び/又はブロック、及びフロー図及び/又はブロック図のフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラムの命令によって実装できることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、組み込みプロセッサ、又はその他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサに提供して、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フロー図の一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで指定された機能を実装する手段を作成するようにマシンを生成することができる。
【0083】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置が特定の方法で機能するように導くことができるコンピュータ可読メモリに格納することもでき、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、フロー図の一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで指定された機能を実装する命令手段を含む製造物品を生成する。
【0084】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置にロードして、コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置で一連の操作ステップを実行してコンピュータ実装プロセスを生成することもでき、従って、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデバイスで実行される命令は、フロー図の一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで指定された機能を実装するステップを提供する。
【0085】
上記の説明は、本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示を制限するために使用されるものではなく、本開示の精神及び原則の範囲内でなされる修正、同等物、改善等は、本開示の保護範囲に含まれるべきである。
【0086】
本出願は、2020年5月29日に出願された中国特許出願第202010477382.2号に基づいており、優先権を主張しており、その開示は本出願にその全体が組み込まれている。
【国際調査報告】