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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】新規イミダゾピラジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20230621BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20230621BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
C07D487/04 144
C07D487/04 CSP
A61K31/4985
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573676
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2021064473
(87)【国際公開番号】W WO2021244997
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/093723
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ラーナー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヨーンチアーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ソーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,チェンガーン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF05
4C050GG04
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB05
4C086GA14
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB35
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)を有する新規イミダゾピラジン誘導体、およびその薬学的に許容され得る塩を提供し、式中、XからX、RからR、RからR10、A、およびLは、ここに記載される通りである。
化合物を含む医薬組成物、化合物を製造する方法、および医薬として化合物を使用する方法、特に、細菌感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防のための抗生物質として化合物を使用する方法がさらに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
(式中、
が、NまたはC-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、NまたはC-R11であり、
が、NまたはC-R12であり、
但し、XからXのうちの多くとも1つはNであり、
、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、カルバモイル-C-C-アルキル、カルボキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、ハロ-C-C-アルコキシおよび基
【化2】
から選択され、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、シアノ、C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、ハロ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキルおよびハロ-C-C-アルコキシから選択され、
、R、R11およびR12が、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシおよびハロ-C-C-アルコキシから選択され、
、RおよびR10が、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、ハロ-C-C-アルコキシおよびC-C-アルコキシ-C-C-アルキルから選択され、
13、R14およびR15が、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシおよびハロ-C-C-アルコキシから選択され、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環であり、
Bが、5~14員のヘテロアリールであり、
およびLが、それぞれ独立して、共有結合、カルボニル、およびC-C-アルキルジイルから選択される)
またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
が、C-Rである、
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
が、NまたはC-Rである、
請求項1または2に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
が、C-R11である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項5】
が、C-R12である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項6】
が、水素、C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、カルバモイル-C-C-アルキル、カルボキシ-C-C-アルキルおよび基
【化3】
から選択される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項7】
が、基
【化4】
である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項8】
が、水素、C-C-アルキル、およびカルボキシ-C-C-アルキルから選択される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項9】
が、C-C-アルキル、およびカルボキシ-C-C-アルキルから選択される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項10】
が、メチルおよびカルボキシメチルから選択される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項11】
が、水素である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項12】
が、水素である、
請求項1~11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項13】
が、アルキルである、
請求項1~12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項14】
が、エチルである、
請求項1~12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項15】
が、水素またはハロゲンである、
請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項16】
が、ハロゲンである、
請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項17】
が、フルオロである、
請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項18】
が、水素またはハロゲンである、
請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項19】
が、ハロゲンである、
請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項20】
が、フルオロである、
請求項1~17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項21】
が、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ-C-C-アルキルから選択される、
請求項1~20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項22】
が、C-C-アルキルまたはC-C-アルコキシ-C-C-アルキルである、
請求項1~20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項23】
が、メチルまたは2-メトキシエチルである、
請求項1~20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項24】
が、水素またはC-C-アルキルである、
請求項1~23のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項25】
が、水素またはメチルである、
請求項1~23のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項26】
10が、水素またはC-C-アルキルである、
請求項1~25のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項27】
10が、水素またはメチルである、
請求項1~25のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項28】
11が、水素またはハロゲンである、請求項1~27のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項29】
11が、水素である、
請求項1~27のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項30】
12が、水素またはC-C-アルキルである、
請求項1~29のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項31】
12が、水素である、
請求項1~29のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項32】
13が、水素である、
請求項1~31のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項33】
14が、水素である、
請求項1~32のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項34】
15が、水素である、
請求項1~33のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項35】
が、C-C-アルキルジイルである、
請求項1~34のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項36】
が、-CH-である、
請求項1~34のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項37】
が、C-C-アルキルジイルである、
請求項1~36のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項38】
が、-CH-である、
請求項1~36のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項39】
Aが、ピペリジルである、
請求項1~38のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項40】
Bが、ピラゾリルである、
請求項1~39のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項41】
Cが、アゼチジニルである、
請求項1~40のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項42】
請求項1に記載の式(I)の化合物
(式中、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
が、水素、C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、カルバモイル-C-C-アルキル、カルボキシ-C-C-アルキルおよび基
【化5】
から選択され、
が、水素、C-C-アルキル、およびカルボキシ-C-C-アルキルから選択され、
、R、R13、R14およびR15が、水素であり、
が、C-C-アルキルであり、
、R、およびR11が、それぞれ独立して、水素またはハロゲンであり、
が、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ-C-C-アルキルから選択され、
、R10およびR12が、それぞれ独立して、水素またはC-C-アルキルであり、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環であり、
Bが、5~14員のヘテロアリールであり、
およびLが、それぞれ独立して、C-C-アルキルジイルである)
またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項43】
請求項1に記載の式(I)の化合物
(式中、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
が、基
【化6】
であり、
が、C-C-アルキルまたはカルボキシ-C-C-アルキルであり、
、R、R11、R12、R13、R14およびR15が、水素であり、
が、C-C-アルキルであり、
およびRが、ハロゲンであり、
が、C-C-アルキルまたはC-C-アルコキシ-C-C-アルキルであり、
およびR10が、それぞれ独立して、水素またはC-C-アルキルであり、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環であり、
Bが、5~14員のヘテロアリールであり、
およびLが、それぞれ独立して、C-C-アルキルジイルである)
またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項44】
請求項1に記載の式(I)の化合物
(式中、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
が、基
【化7】
であり、
が、メチルまたはカルボキシメチルであり、
、R、R11、R12、R13、R14およびR15が、水素であり、
が、エチルであり、
およびRが、フルオロであり、
が、メチルまたは2-メトキシエチルであり、
およびR10が、それぞれ独立して、水素またはメチルであり、
Aが、ピペリジルであり、
Bが、ピラゾリルであり、
Cが、アゼチジニルであり、
およびLが、-CH-である)
またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項45】
式(I)の化合物が、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
2-[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
2-[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]酢酸;
2-[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジフルオロ-フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
2-[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
2-[1-(カルボキシメチル)-4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[6-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-フルオロ-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[6-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール]-4-イル)-2-フルオロ-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[5-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[4-メチル-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-(4-ピペリジルメチル)ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-[[1-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-N-[(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-イル)メチル]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-[[1-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]ベンズアミド、および
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミドから選択される、
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項46】
(i)ヘテロアリールハライドC1(式中、RからR、AおよびLが、各請求項で規定される通りであり、「Hal」はハロゲン、好ましくはヨウ素である)と、
【化8】
ボロン酸(エステル)B1(式中、XからX、RからR10および環Bは各請求項で規定される通りであり、各Rは独立して水素またはアルキルであり、2つのR基は、それらが結合している酸素原子およびホウ素原子と一緒になって、環状ボロン酸エステルを形成してよい)との、
【化9】
1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの遷移金属触媒の存在下での、式(I)の前記化合物を得るための、Suzukiカップリング、または
(ii)アリール/ヘテロアリールハライドE1(式中、RからR、A、LおよびXからXは、各請求項で規定される通りであり、「Hal」はハロゲン、好ましくは塩素である)と、
【化10】
ボロン酸(エステル)I1(式中、RからR10、および環Bは各請求項で規定される通りであり、各Rは独立して水素またはアルキルであり、2つのR基は、それらが結合している酸素原子およびホウ素原子と一緒になって、環状ボロン酸エステルを形成してよい)との、
【化11】
1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの遷移金属触媒の存在下での、式(I)の前記化合物を得るための、式(I)の前記化合物を得るための、Suzukiカップリング、を含む、
請求項1~45のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を製造する方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法に従って製造された場合の、請求項1~45のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項48】
治療活性物質として使用するための、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項49】
請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩と、治療不活性担体とを含む医薬組成物。
【請求項50】
抗生物質としての使用するための、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項51】
院内感染およびそれに起因する疾患の治療または予防における使用のための、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項52】
グラム陰性細菌によって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防における使用のための、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項53】
前記グラム陰性細菌が、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種および大腸菌から選択される、請求項52に記載の使用のための、化合物。
【請求項54】
前記グラム陰性細菌がアシネトバクター・バウマンニである、請求項53に記載の使用のための、化合物。
【請求項55】
エンテロコッカス・フェシウム、ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌、またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防において使用するための、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項56】
エンテロコッカス・フェシウム、ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌、またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防のための方法であって、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項57】
抗生物質としての、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の使用。
【請求項58】
エンテロコッカス・フェシウム、ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌、またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防のための、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の使用。
【請求項59】
エンテロコッカス・フェシウム、ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌、またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防のために有用な医薬の調製のための、請求項1~45および47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の使用。
【請求項60】
本明細書で上述した通りの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抗菌特性を示す新規イミダゾピラジン誘導体に関する。本発明はまた、細菌感染症および結果として生じる疾患の治療または予防のために、特にアシネトバクター・バウマンニおよび/または緑膿菌による感染症および結果として生じる疾患の治療または予防のために化合物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アシネトバクター・バウマンニおよび緑膿菌は、非常に限られた治療選択肢しかない新興病原体として過去数十年にわたって認識されてきたグラム陰性、好気性、非発酵性細菌である。
【0003】
カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマンニおよび多剤耐性(MDR)緑膿菌は、それぞれ、米国疾病管理予防センターによって緊急かつ深刻な脅威であると考えられており、院内感染の大半を現在引き起こし、抗菌剤の活性から効果的に「逃れる」いわゆるESKAPE(エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌およびエンテロバクター種ならびに大腸菌病原体に属する。
【0004】
アシネトバクター・バウマンニおよび緑膿菌は、抗生物質を広範囲に使用することにより、公知の全ての抗菌薬に対する耐性に関しての選択が可能となり、細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症などの感染症を引き起こし得る場所である集中治療室および外科病棟において最も頻繁に発生する。
【0005】
アシネトバクター・バウマンニは、耐性決定因子を上方制御および獲得する優れた能力を有し、院内環境でのその生存および拡大を許す環境持続性を示し、その結果生物体は感染症発生の頻繁な原因となり、その環境に固有のヘルスケア関連病原体となる。緑膿菌感染症はまた、通常、院内設定で、または免疫系が弱まった患者において起こる。慢性肺疾患の患者にとって特に危険である。緑膿菌は、多くの異なる種類の化学療法剤および抗生物質に対する固有の耐性を有し、排除するのが非常に困難な病原体となる。
【0006】
全てではないとしても、利用可能な治療的選択肢のほとんどに対して抗生物質耐性が増加しているため、MDRアシネトバクター・バウマンニ感染症、特にカルバペネム耐性アシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症は、処置することが極めて困難または不可能でさえあり、集中治療室での罹患率および滞在時間が増大しているだけでなく、死亡率も高い。同様に、いくつかの種類のMDR緑膿菌は、カルバペネムを含むほぼ全ての抗生物質に耐性である。危険性は高いままである。CDCによる2019年の報告は、米国の病院で32,600例および2,700例の死亡を報告した。米国感染症学会(IDSA)の抗菌薬利用可能性タスクフォース(AATF)によると、アシネトバクター・バウマンニは、「充足されていない医学的ニーズと現在の抗菌薬研究開発パイプラインの間に存在するミスマッチの代表的な例」であると考えられてきたし、現在でもそうである。したがって、アシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる疾患および感染症の治療に適した化合物を同定することが強く求められており、必要とされている。本発明は、アシネトバクター・バウマンニおよび/または緑膿菌の薬剤感受性株ならびに薬剤耐性株に対して活性を示す新規化合物を提供する。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物
【化1】
またはその薬学的に許容され得る塩(式中、XからX、RからR、RからR10、AおよびLは本明細書中に記載の通りである)を提供する。
一態様では、本発明は、
(i) ヘテロアリールハライドC1(式中、RからR、AおよびLは、本明細書で規定される通りであり、「Hal」はハロゲン、好ましくはヨウ素である)と、
【化2】
ボロン酸(エステル)B1(式中、XからX、RからR10および環Bは本明細書で規定される通りであり、各Rは独立して水素またはアルキルであり、2つのR基は、それらが結合している酸素原子およびホウ素原子と一緒になって、環状ボロン酸エステルを形成してよい)との、
【化3】
1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの遷移金属触媒の存在下での、式(I)の前記化合物を得るための、Suzukiカップリング、または
(ii)アリール/ヘテロアリールハライドE1(式中、RからR、A、LおよびXからXは、本明細書で規定される通りであり、「Hal」はハロゲン、好ましくは塩素である)と、
【化4】
ボロン酸(エステル)I1(式中、RからR10、および環Bは本明細書で規定される通りであり、各Rは独立して水素またはアルキルであり、2つのR基は、それらが結合している酸素原子およびホウ素原子と一緒になって、環状ボロン酸エステルを形成してよい)との、
【化5】
1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの遷移金属触媒の存在下での、式(I)の前記化合物を得るための、式(I)の前記化合物を得るための、Suzukiカップリング、を含む、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を製造するプロセスを提供する。
【0008】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載のプロセスに従って製造される場合の、本明細書に記載の式(I)の化合物を提供する。
【0009】
さらなる態様では、本発明は、治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩と治療不活性担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0011】
さらなる態様では、本発明は、抗生物質としての使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0012】
さらなる態様では、本発明は、院内感染およびそれに起因する疾患の治療または予防における使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0013】
さらなる態様では、本発明は、グラム陰性細菌によって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防における使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0014】
さらなる態様では、本発明は、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防において使用するための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
定義
本発明の特定の態様、実施形態または実施例に関連して記載される特徴、整数、特色、化合物、化学的部分または基は、それらと両立しない場合を除き、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された特徴の全て、および/またはそのように開示された任意の方法もしくはプロセスの工程の全ては、そのような特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。本発明は、前述のいずれの実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なものもしくは任意の新規な組合せ、またはそのように開示された任意の方法もしくはプロセスの工程の任意の新規なものもしくは任意の新規な組合せに及ぶ。
【0016】
用語「アルキル」は、1~6個の炭素原子、例えば、1、2、3、4、5、または6個の炭素原子の、一価または多価の、例えば、一価または二価の、直鎖または分岐の飽和炭化水素基を指す(「C-C-アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~3個の炭素原子、例えば、1、2または3個の炭素原子を含む。アルキルのいくつかの非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル(イソプロピル)、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、および2,2-ジメチルプロピルが挙げられる。アルキルの特に好ましいが非限定的な例は、メチルである。
【0017】
用語「アルコキシ」とは、酸素原子を介して親分子部分に結合した、上で規定されたアルキル基を指す。別途指定のない限り、アルコキシ基は、1~6個の炭素原子を含む(「C-C-アルコキシ」)。いくつかの好ましい実施形態では、アルコキシ基は、1~4個の炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルコキシ基は、1~3個の炭素原子を含む。アルコキシ基のいくつかの非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシおよびtert-ブトキシが含まれる。アルコキシの特に好ましいが非限定的な例は、メトキシである。
【0018】
用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、またはヨード(I)を指す。好ましくは、用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)またはブロモ(Br)を指す。「ハロゲン」または「ハロ」の特に好ましいが非限定的な例は、フルオロ(F)およびクロロ(Cl)である。
【0019】
用語「アミノアルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1つがアミノ基により置き換えられているアルキル基を指す。好ましくは、「アミノアルキル」は、アルキル基の1、2または3個の水素原子がアミノ基により置き換えられているアルキル基を指す。アミノアルキルの好ましい、但し非限定的な例は、アミノメチルおよび1-アミノエチルである。
【0020】
用語「カルバモイルアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがカルバモイル基によって置き換えられているアルキル基を指す。好ましくは、「カルバモイルアルキル」は、アルキル基の1、2または3個の水素原子がカルバモイル基によって置き換えられているアルキル基を指す。カルバモイルアルキルの好ましいが非限定的な例は、カルバモイルメチル、1-カルバモイルエチル、および2-カルバモイルエチルである。
【0021】
用語「カルボキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがカルボキシ基で置き換えられているアルキル基を指す。好ましくは、「カルボキシアルキル」は、アルキル基の1、2または3個の水素原子がカルボキシ基によって置き換えられているアルキル基を指す。カルボキシアルキルの好ましいが非限定的な例は、カルボキシメチル、1-カルボキシエチル、および2-カルボキシエチルである。
【0022】
用語「ヘテロシクリル」は、3~14個の環原子、好ましくは3~10個の環原子、より好ましくは3~6個の環原子の飽和または部分的に不飽和の単環式または二環式、好ましくは単環式環系を指し、前記環原子の1、2、または3個はN、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。好ましくは、前記環原子の1~2個はNおよびOから選択され、残りの環原子は炭素である。より好ましくは、前記環原子の1つはNであり、残りの環原子は炭素である。「二環式ヘテロシクリル」とは、共通した2個の環原子を有する2つの環からなる複素環部分、すなわち、2つの環を分離する架橋が、単結合であるか、または1個もしくは2個の環原子の鎖であるかのいずれかであり、スピロ環部分、すなわち、2つの環が1個の共通の環原子を介して結合されている複素環部分を指す。ヘテロシクリル基のいくつかの非限定的な例には、アゼチジン-3-イル、アゼチジン-2-イル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソ-1-ピペリジル、2-オキソ-3-ピペリジル、2-オキソ-4-ピペリジル、6-オキソ-2-ピペリジル、6-オキソ-3-ピペリジル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、モルホリノ、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン-3-イル)、ピペラジニル(例えば、ピペラジン-1-イル)、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、または2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルが含まれる。ヘテロシクリルの特に好ましいが非限定的な例としては、ピペリジルおよびアゼチジニルが挙げられる。
【0023】
用語「ヘテロアリール」は、合計5~14環員、好ましくは、5~12環員、より好ましくは5~10環員を有する、一価または多価の、単環式または二環式、好ましくは二環式の環系を指し、系の少なくとも1つの環は芳香族であり、系の少なくとも1つの環は1つ以上のヘテロ原子を含む。好ましくは、「ヘテロアリール」は、独立してO、SおよびNから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む5~-10員のヘテロアリールを指す。最も好ましくは、「ヘテロアリール」は、独立してOおよびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~10員のヘテロアリールを指す。ヘテロアリールのいくつかの非限定的な例としては、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、インドール-1-イル、1H-インドール-2-イル、1H-インドール-3-イル、1H-インドール-4-イル、1H-インドール-5-イル、1H-インドール-6-イル、1H-インドール-7-イル、1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル、1,2-ベンゾオキサゾール-4-イル、1,2-ベンゾオキサゾール-5-イル、1,2-ベンゾオキサゾール-6-イル、1,2-ベンゾオキサゾール-7-イル、1H-インダゾール-3-イル、1H-インダゾール-4-イル、1H-インダゾール-5イル、1H-インダゾール-6-イル、1H-インダゾール-7-イル、ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、オキサゾール-5-イル、チアゾール-4-イル、および1,2,4-オキサジアゾール-3-イルが挙げられる。「ヘテロアリール」の好ましいが非限定的な例には、ピラゾリル、例えば1H-ピラゾール-4-イルが含まれる。
【0024】
用語「ヒドロキシ」は、-OH基を指す。
【0025】
用語「アミノ」は、-NH基を指す。
【0026】
用語「シアノ」は、-CN(ニトリル)基を指す。
【0027】
用語「カルバモイル」は、-C(O)NH基を指す。
【0028】
用語「カルボキシ」は、-C(O)OH基(すなわち、カルボン酸)を指す。
【0029】
用語「ハロアルキル」は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロによって置き換えられている、アルキル基を指す。好ましくは、「ハロアルキル」は、アルキル基の1、2または3個の水素原子が、ハロゲン原子、最も好ましくはフルオロによって置き換えられている、アルキル基を指す。ハロアルキルの特に好ましい、但し非限定的な例は、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、および2,2-ジフルオロエチルである。
【0030】
用語「シアノアルキル」とは、アルキル基の少なくとも1個の水素原子がシアノ基で置き換えられている、アルキル基を指す。好ましくは、「シアノアルキル」とは、アルキル基の1、2または3個の水素原子がシアノ基で置き換えられている、アルキル基を指す。シアノアルキルの特に好ましいが非限定的な例は、シアノメチル、1-シアノエチル、および2-シアノエチルである。
【0031】
用語「ハロアルコキシ」は、アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロによって置き換えられている、アルコキシ基を指す。好ましくは、「ハロアルコキシ」は、アルコキシ基の1、2または3個の水素原子が、ハロゲン原子、最も好ましくはフルオロによって置き換えられている、アルコキシ基を指す。ハロアルコキシの特に好ましい,但し非限定的な例は、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシである。
【0032】
用語「アルコキシアルキル」とは、アルキル基の少なくとも1個の水素原子が、アルコキシ基によって置き換えられている、アルキル基を指す。好ましくは、「アルコキシアルキル」は、アルキル基の1、2または3個の水素原子がアルコキシ基によって置き換えられているアルキル基を指す。アルコキシアルキル基の特定の非限定的な例は、2-メトキシエチルである。
【0033】
用語「ヒドロキシアルキル」とは、アルキル基の少なくとも1個の水素原子が、ヒドロキシ基によって置き換えられている、アルキル基を指す。好ましくは、「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基の1、2または3個の水素原子、最も好ましくは1個の水素原子が、ヒドロキシ基によって置き換えられている、アルキル基を指す。ヒドロキシアルキルの好ましい、但し非限定的な例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル(例えば2-ヒドロキシエチル)、および3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルである。
【0034】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的にまたは別様に望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、特に塩酸、および酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸により形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加することにより調製され得る。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩などが含まれるがこれらに限定されない。有機塩基から誘導される塩には、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂などの塩が含まれるがこれらに限定されない。式(I)の化合物の特定の薬学的に許容され得る塩は、塩酸塩、フマル酸塩、乳酸塩(特にL-(+)-乳酸から誘導された)、酒石酸塩(特にL-(+)-酒石酸から誘導された)およびトリフルオロアセテートである。
【0035】
式(I)の化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体等のエナンチオマーの混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性のラセミ体またはジアステレオ異性のラセミ体の混合物として存在することができる。
【0036】
Cahn-Ingold-Prelog則により、不斉炭素原子は、「R」または「S」配置のものであり得る。
【0037】
用語「処置」とは、本明細書で使用される場合、以下を含む:(1)症状、障害または状況を抑制すること(例えば、維持処置の場合、その少なくとも1つの臨床的症状または無症状の疾患の発症または再発の停止、低減または遅延させること);および/または(2)状況を緩和すること(すなわち、症状、障害もしくは状況、またはその臨床的症状もしくは無症状のうちの少なくとも1つの退行を引き起こすこと)。処置されるべき患者に対する利益は、統計的に有意であるか、または少なくとも患者もしくは医師にとって認識可能であるかのいずれかである。しかしながら、疾患を処置するために患者に医薬が投与される場合、転帰は必ずしも有効な処置でなくともよいことが理解されるであろう。
【0038】
用語「予防」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物において、特に、状態、障害もしくは状況に罹患しているかまたは罹患しやすいが、その状態、障害もしくは状況の臨床的症状または無症状をまだ経験していないかまたは示していないヒトにおいて発症する状態、障害または状況の臨床的症状の出現を防止または遅延させることを含む。
【0039】
用語「哺乳動物」には、本明細書で使用される場合、ヒトおよび非ヒトの両方が含まれ、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ネズミ、ウシ、ウマ、およびブタが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい実施形態では、用語「哺乳動物」とは、ヒトを指す。
【0040】
用語「院内感染」は、病院内感染症(HAI)を指し、病院またはその他のヘルスケア施設において獲得される感染症である。病院および非病院環境両方を強調するために、医療関係感染症(HAIまたはHCAI)と呼ばれることもある。このような感染症は、病院、養護ホーム、リハビリテーション施設、外来クリニック、または他の臨床環境で獲得され得る。
【0041】
本発明の化合物
第1の態様では、本発明は、式(I)
【化6】
(式中、
が、NまたはC-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、NまたはC-R11であり、
が、NまたはC-R12であり、
但し、XからXのうちの多くとも1つはNであり、
、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、カルバモイル-C-C-アルキル、カルボキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、ハロ-C-C-アルコキシおよび基
【化7】
から選択され、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、シアノ、C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、ハロ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキルおよびハロ-C-C-アルコキシから選択され、
、R、R11およびR12が、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシおよびハロ-C-C-アルコキシから選択され、
、RおよびR10が、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、ハロ-C-C-アルコキシおよびC-C-アルコキシ-C-C-アルキルから選択され、
13、R14およびR15が、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、アミノ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシおよびハロ-C-C-アルコキシから選択され、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環であり、
Bが、5~14員のヘテロアリールであり、
およびLが、それぞれ独立して、共有結合、カルボニル、およびC-C-アルキルジイルから選択される)
またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0042】
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供し、式(I)の化合物は、式(II):
【化8】
である。
【0043】
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供し、式(I)の化合物は、式(III):
【化9】
である。
【0044】
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供し、式(I)の化合物は、式(IV):
【化10】
である。
【0045】
一実施形態では、本発明は、
が、C-Rである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0046】
一実施形態では、本発明は、
が、NまたはC-Rである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0047】
一実施形態では、本発明は、
が、C-R11である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0048】
一実施形態では、本発明は、
が、C-R12である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0049】
一実施形態では、本発明は、
が、水素、C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、カルバモイル-C-C-アルキル、カルボキシ-C-C-アルキルおよび基
【化11】
から選択される、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0050】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、基
【化12】
である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0051】
一実施形態では、本発明は、
は、水素、C-C-アルキル、およびカルボキシ-C-C-アルキルから選択される、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0052】
好ましい実施形態では、本発明は、
は、C-C-アルキル、およびカルボキシ-C-C-アルキルから選択される、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0053】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
は、メチルおよびカルボキシメチルから選択される、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0054】
一実施形態では、本発明は、
が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0055】
一実施形態では、本発明は、
が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0056】
一実施形態では、本発明は、
が、アルキルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0057】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、エチルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0058】
一実施形態では、本発明は、
が、水素またはハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0059】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、ハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0060】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
が、フルオロである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0061】
一実施形態では、本発明は、
が、水素またはハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0062】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、ハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0063】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
が、フルオロである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0064】
一実施形態では、本発明は、
は、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ-C-C-アルキルから選択される、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0065】
好ましい実施形態では、本発明は、
は、C-C-アルキルまたはC-C-アルコキシ-C-C-アルキルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0066】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
が、メチルまたは2-メトキシエチルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0067】
一実施形態では、本発明は、
が、水素またはC-C-アルキルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0068】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、水素またはメチルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0069】
一実施形態では、本発明は、
10が、水素またはC-C-アルキルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0070】
好ましい実施形態では、本発明は、
10が、水素またはメチルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0071】
一実施形態では、本発明は、
11が、水素またはハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0072】
好ましい実施形態では、本発明は、
11が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0073】
一実施形態では、本発明は、
12が、水素またはC-C-アルキルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0074】
好ましい実施形態では、本発明は、
12が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0075】
一実施形態では、本発明は、
13が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0076】
一実施形態では、本発明は、
14が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0077】
一実施形態では、本発明は、
15が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0078】
一実施形態では、本発明は、
が、C-C-アルキルジイルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0079】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、-CH-である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0080】
一実施形態では、本発明は、
が、C-C-アルキルジイルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0081】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、-CH-である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0082】
一実施形態では、本発明は、
Aが、ピペリジルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0083】
一実施形態では、本発明は、
Bが、ピラゾリルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、
Cが、アゼチジニルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
、R、およびR11が、それぞれ独立して、水素またはハロゲンであり、かつ
12が、水素またはC-C-アルキルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0086】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
およびRが、ハロゲンであり、かつ
11およびR12が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0087】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
およびRが、フルオロであり、かつ
11およびR12が、水素である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0088】
一実施形態では、本発明は、
が、水素、C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、カルバモイル-C-C-アルキル、カルボキシ-C-C-アルキルおよび基
【化13】
から選択され、
が、水素、C-C-アルキル、およびカルボキシ-C-C-アルキルから選択され、
、R13、R14、およびR15が、水素であり、
およびLが、それぞれ独立して、C-C-アルキルジイルであり、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0089】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、基
【化14】
であり、
が、水素、C-C-アルキルまたはカルボキシ-C-C-アルキルであり、
、R13、R14、およびR15が、水素であり、
およびLが、それぞれ独立して、C-C-アルキルジイルであり、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0090】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
が、基
【化15】
であり、
が、メチルまたはカルボキシメチルであり、
、R13、R14、およびR15が、水素であり、
およびLが、-CH-であり、
Aが、ピペリジルであり、
Cが、アゼチジニルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0091】
一実施形態では、本発明は、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
が、水素、C-C-アルキル、ヒドロキシ-C-C-アルキル、カルバモイル-C-C-アルキル、カルボキシ-C-C-アルキルおよび基
【化16】
から選択され、
が、水素、C-C-アルキル、およびカルボキシ-C-C-アルキルから選択され、
、R、R13、R14およびR15が、水素であり、
が、C-C-アルキルであり、
、R、およびR11が、それぞれ独立して、水素またはハロゲンであり、
が、C-C-アルキル、ハロ-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ-C-C-アルキルから選択され、
、R10およびR12が、それぞれ独立して、水素またはC-C-アルキルであり、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環であり、
Bが、5~14員のヘテロアリールであり、
およびLが、それぞれ独立して、C-C-アルキルジイルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0092】
好ましい実施形態では、本発明は、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
が、基
【化17】
であり、
が、C-C-アルキルまたはカルボキシ-C-C-アルキルであり、
、R、R11、R12、R13、R14およびR15が、水素であり、
が、C-C-アルキルであり、
およびRが、ハロゲンであり、
が、C-C-アルキルまたはC-C-アルコキシ-C-C-アルキルであり、
およびR10が、それぞれ独立して、水素またはC-C-アルキルであり、
AおよびCが、それぞれ独立して、3~14員の複素環であり、
Bが、5~14員のヘテロアリールであり、
およびLが、それぞれ独立して、C-C-アルキルジイルである、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0093】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
が、C-Rであり、
が、NまたはC-Rであり、
が、C-R11であり、
が、C-R12であり、
が、基
【化18】
であり、
が、メチルまたはカルボキシメチルであり、
、R、R11、R12、R13、R14およびR15が、水素であり、
が、エチルであり、
およびRが、フルオロであり、
が、メチルまたは2-メトキシエチルであり、
およびR10が、それぞれ独立して、水素またはメチルであり、
Aが、ピペリジルであり、
Bが、ピラゾリルであり、
Cが、アゼチジニルであり、
およびLが、-CH-である、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0094】
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供し、式(I)の化合物が、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
2-[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
2-[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]酢酸;
2-[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジフルオロ-フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
2-[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
2-[1-(カルボキシメチル)-4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[6-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-フルオロ-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[6-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール]-4-イル)-2-フルオロ-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[5-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[4-メチル-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-(4-ピペリジルメチル)ベンズアミド、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-[[1-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-N-[(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-イル)メチル]-2-エチル-ベンズアミド、
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-[[1-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]ベンズアミド、および
【0095】
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミドから選択される。
【0096】
好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供し、式(I)の化合物は、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、
2-[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イウム-1-イル]酢酸、
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[6-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール]-4-イル)-2-フルオロ-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド、および
【0097】
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミドから選択される。
【0098】
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩、特に塩酸塩、フマル酸塩、乳酸塩(特にL-(+)-乳酸から誘導された)、酒石酸塩(特にL-(+)-酒石酸から誘導された)およびトリフルオロアセテートから選択される薬学的に許容され得る塩を提供する。さらなる特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を(すなわち、それぞれ「遊離塩基」または「遊離酸」として)提供する。
【0099】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、その中の1つまたは複数の原子を、異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えることにより同位体標識される。このような同位体標識された(すなわち、放射性標識された)式(I)の化合物は、本開示の範囲内であると考えられる。式(I)化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、それぞれ、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えばH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iが挙げられるが、これらに限定されない。特定の同位体標識された式(I)の化合物、例えば、放射性同位体を組み込むものは、薬物および/または基質組織分布研究において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち、Hおよび炭素-14、すなわち、14Cは、それらの組込みの容易さおよび即時検出手段を考慮すると、この目的に対して特に有用である。例えば、式(I)の化合物は、所与の同位体の1、2、5、10、25、50、75、90、95、または99%で濃縮することができる。
【0100】
より重い同位体、例えば重水素、すなわちH等による置換を行うと代謝安定性がより高くなり、例えば、インビボ半減期が長くなるかまたは必要な投与量が少なくなることにより、特定の治療的利点が得られ得る。
【0101】
11C、18F、15Oおよび13N等の陽電子放出同位体による置換は、基質の受容体占有を検査するための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用であり得る。同位体標識された式(I)の化合物は、一般的に、当業者に公知の従来の技法により、または前に用いられた同位体標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用して、以下に記述される実施例に記載されるものに類似するプロセスにより調製され得る。
【0102】
製造プロセス
本発明の式(I)の化合物の調製は、逐次的または収束的な合成経路で行うことができる。本発明の化合物の合成を、以下のスキームに示す。得られた生成物の反応および精製を行うために必要な技能は、当業者に公知である。以下のプロセスの説明で使用される置換基および指数は、反対の指示がない限り、本明細書で前に示される意味を有する。より詳細には、式(I)の化合物は、以下に示す方法、実施例に示す方法、または類似の方法によって製造することができる。個々の反応工程のための適切な反応条件は、当業者に公知である。また、記載された反応に影響を及ぼす文献に記載の反応条件については、例えば、以下を参照されたい:Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,3rd Edition,Richard C.Larock.John Wiley&Sons,New York,NY.2018)。本発明者らは、溶媒の存在下または非存在下において反応を実行することが便利であることを見出した。用いた溶媒の性質に関しては、それが反応または関与する試薬に悪影響を及ぼさず、かつそれが試薬を少なくともある程度溶解することができるならば、特に制限はない。記載された反応は広範囲の温度にわたって起こる可能性があり、正確な反応温度は本発明にとって重要ではない。-78℃から還流温度の間の温度範囲において記載の反応を実行することが便利である。反応に要する時間もまた、多くの要因、特に反応温度および試薬の性質に依存して、大きく変動し得る。しかしながら、0.5時間から数日の期間が、記載の中間体および化合物を得るために通常十分であろう。反応順序はスキームに示されるものに限定されないが、出発物質とそれらそれぞれの反応性に応じて、反応工程の順序は自由に変更することができる。出発物質は、市販されているか、または以下に示す方法に類似する方法、本明細書に引用された参考文献もしくは実施例に記載されている方法、または当技術分野で公知の方法によって調製することができる。
【化19】
式中、RおよびR10は、本明細書で規定される通りであり、好ましくはHまたはMeであり、
Xが、ハロゲンまたはHであり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキル、C1-6アルコキシであるか、またはBocもしくはMOMなどの保護基である。
【0103】
中間体Bの化合物は、スキーム1の経路に従って調製することができる。RXを置換ピラゾール類似体(I)でアルキル化して中間体Aを得、これを構成要素(II)とカップリングさせて構成要素IIIを得ることができる。次いで、パラジウム触媒およびホスフィン配位子を使用して、ボロンエステル(中間体B)を達成することができる。
【化20】
式中、Rは本明細書で規定される通りであり、好ましくはMe、Etまたはハロゲンであり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アミンまたはC1-6アミノカルボニルであるか、またはBoc、MOMなどの保護基である。
【0104】
中間体Cの化合物は、スキーム2の経路に従って調製することができる。8-クロロ-3-ヨード-イミダゾ[1,2-a]ピラジン(IV)を4-アミノ安息香酸類似体(V)と反応させて構成要素VIを得ることができ、これを縮合剤、例えばDMSO中のHATU/DIPEAと共にアミン構成要素VIIとカップリングさせて式中間体C1の化合物を得ることができる。
【0105】
酸条件下で保護基を除去して中間体C2を得、これをさらにRXでアルキル化して中間体Cを得ることができる。
【化21】
式中、RおよびR10は、本明細書で規定される通りであり、好ましくはHまたはMeであり、
Xが、ハロゲンまたはHであり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキルもしくはC1-6アルコキシであるか、またはBocもしくはMOMなどの保護基であり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アミンまたはC1-6アミノカルボニルであるか、またはBocもしくはMOMなどの保護基であり、
は、本明細書で規定される通りであり、好ましくはMe、Etまたはハロゲンである。
【0106】
中間体Dは、スキーム3の経路に従って調製することができる。中間体Cとボロンエステル(中間体B)とのSuzikiカップリングは、パラジウム触媒およびホスフィン配位子を使用して達成して、式中間体Dの化合物を得ることができる。
【化22】
式中、RおよびR10は、本明細書で規定される通りであり、好ましくはHまたはMeであり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキルもしくはC1-6アルコキシであるか、またはBocもしくはMOMなどの保護基であり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アミンまたはC1-6アミノカルボニルであるか、またはBocもしくはMOMなどの保護基であり、
は、本明細書で規定される通りであり、好ましくはMe、Etまたはハロゲンである。
【0107】
中間体Fは、スキーム4の経路に従って調製することができる。中間体Cとアザ-アリールボロンエステル(VIII)とのSuzukiカップリングは、パラジウム触媒およびホスフィン配位子を使用して達成して、式(中間体E)の化合物を得ることができる。次いで、古典的なパラジウム触媒系を使用して中間体Iをさらに鈴木カップリングして、式中間体Fの化合物を得る。
【化23】
式中、RおよびR10は、本明細書で規定される通りであり、好ましくはHまたはMeであり、
Xが、ハロゲンまたはHであり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキルもしくはC1-6アルコキシであるか、またはBocもしくはMOMなどの保護基であり、
は、本明細書で規定される通り、好ましくはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アミンまたはC1-6アミノカルボニルであるか、またはBocもしくはMOMなどの保護基であり、
は、本明細書で規定される通りであり、好ましくはMe、Etまたはハロゲンである。
【0108】
実施例A~Dは、スキーム5の経路に従って調製することができる。中間体Dおよび中間体Fのメチル化は、室温でアセトニトリル中DIPEAを用いてMeIのような温和な条件で達成することができる。保護基の除去は、メチル化工程の前または後に、異なる置換に基づいて行うことができる。
一態様では、本発明は、
(iii)ヘテロアリールハライドC1(式中、RからR、AおよびLは、本明細書で規定される通りであり、「Hal」はハロゲン、好ましくはヨウ素である)と、
【化24】
ボロン酸(エステル)B1(式中、XからX、RからR10および環Bは本明細書で規定される通りであり、各Rは独立して水素またはアルキルであり、2つのR基は、それらが結合している酸素原子およびホウ素原子と一緒になって、環状ボロン酸エステルを形成してよい)との、
【化25】
1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの遷移金属触媒の存在下での、式(I)の前記化合物を得るための、Suzukiカップリング、または
(iv)アリール/ヘテロアリールハライドE1(式中、RからR、A、LおよびXからXは、本明細書で規定される通りであり、「Hal」はハロゲン、好ましくは塩素である)と、
【化26】
ボロン酸(エステル)I1(式中、RからR10、および環Bは本明細書で規定される通りであり、各Rは独立して水素またはアルキルであり、2つのR基は、それらが結合している酸素原子およびホウ素原子と一緒になって、環状ボロン酸エステルを形成してよい)との、
【化27】
1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの遷移金属触媒の存在下での、式(I)の前記化合物を得るための、式(I)の前記化合物を得るための、Suzukiカップリング、を含む、
本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を製造するプロセスを提供する。
【0109】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載のプロセスに従って製造された場合の、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0110】
本発明の化合物の使用
実験セクションに示すように、式(I)の化合物およびその薬学的に許容され得る塩は、病原体により、特に細菌により、さらに詳細にはアシネトバクター種により、最も詳細にはアシネトバクター・バウマンニにより引き起こされた、感染症およびそれに起因する疾患、特に、菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症、および創傷感染の治療または予防のために貴重な薬理的特性を保有する。
【0111】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容され得る塩は、抗生物質として、特にアシネトバクター種に対する抗生物質として、より具体的にはアシネトバクター・バウマンニに対する抗生物質として、最も具体的にはアシネトバクター・バウマンニに対する病原体特異的抗生物質として活性を示す。
【0112】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容され得る塩は、抗生物質として、すなわち、細菌感染症の処置および予防、特にアシネトバクター種によって引き起こされる細菌感染症の処置および予防において、より具体的にはアシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる細菌感染症の処置および予防において適切な抗菌薬学的成分として使用することができる。
【0113】
本発明の化合物は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種によって、最も具体的にはアシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症の治療または予防のために、単独でまたは他の薬物と組み合わせて使用することができる。
【0114】
一態様では、本発明は、治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0115】
さらなる態様では、本発明は、抗生物質としての使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0116】
さらなる態様では、本発明は、院内感染およびそれに起因する疾患の治療または予防における使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0117】
特定の実施形態において、前記院内感染およびそれに起因する疾患は、菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染、またはこれらの組合せから選択される。
【0118】
さらなる態様では、本発明は、グラム陰性細菌によって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防における使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0119】
特定の実施形態では、グラム陰性細菌によって引き起こされる前記感染症およびそれに起因する疾患は、菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染、またはこれらの組合せから選択される。
【0120】
さらなる態様では、本発明は、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防において使用するための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0121】
好ましい実施形態では、本発明は、アシネトバクター・バウマンニもしくは緑膿菌またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0122】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、緑膿菌によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0123】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、アシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0124】
さらなる態様では、本発明は、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防のための方法であって、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0125】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の、抗生物質としての使用を提供する。
【0126】
さらなる態様では、本発明は、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0127】
さらなる態様では、本発明は、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌またはこれらの組合せによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防に有用な医薬の調製のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0128】
特定の実施形態において、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌またはこれらの組合せによって引き起こされる前記感染症およびそれに起因する疾患は、細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症またはこれらの組合せから選択される。
【0129】
さらなる態様では、本発明は、病原体、特に細菌によって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種、最も具体的にはアシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症の治療または予防において使用するための、上で規定された式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0130】
さらなる態様では、本発明は、病原体、特に細菌よって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種、最も具体的にはアシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症の治療または予防のための方法であって、上で規定された式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩を哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0131】
さらなる態様では、本発明は、病原体、特に細菌によって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種、最も具体的にはアシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症の治療または予防のための、上で規定された式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0132】
さらなる態様では、本発明は、病原体、特に細菌によって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種、最も具体的にはアシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症の治療または予防のための医薬の調製のための、上で規定された式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。このような医薬は、上記に規定された式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む。
【0133】
医薬組成物および投与
一態様では、本発明は、上記に規定された式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、1つ以上の薬学的に許容され得る添加物とを含む医薬組成物を提供する。例示的な医薬組成物は、実施例1~4に記載されている。
【0134】
さらなる態様では、本発明は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種、最も具体的にはアシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染症およびそれに起因する疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症の治療または予防のための、上記で規定される式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容され得る塩と1または複数の薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0135】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容され得る塩は、医薬(例えば薬学的調製物の形態)として使用することができる。医薬製剤は、経口(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル剤および軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤または懸濁剤の形態)、経鼻(例えば、点鼻スプレー剤の形態)、または直腸(例えば、坐剤の形態)等で、体内に投与することができる。しかし、投与は、非経口的に、例えば筋肉内または静脈内に(例えば注射液または輸液の形態で)行うこともできる。
【0136】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティング錠、ドラジェ、および硬ゼラチンカプセルの製造のために、薬学的に不活性な無機または有機添加物を用いて処理することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを、例えば、錠剤、ドラジェおよび硬ゼラチンカプセルのためのそのような添加物として使用することができる。
【0137】
軟ゼラチンカプセルに適した添加物は、例えば植物油、ワックス、脂肪、半固体物質、および液状ポリオールなどである。
【0138】
溶液およびシロップの製造に適した添加物は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコースなどである。
【0139】
注射液のための適切な添加物は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などである。
【0140】
坐剤に適した添加物は、例えば、天然油または硬化油、ワックス、脂肪、半固体または液状ポリオールなどである。
【0141】
さらに、薬学的調製物は、防腐剤、可溶化剤、粘度増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、または酸化防止剤を含むことができる。また、さらに他の治療上有用な物質を含有することもできる。
【0142】
投与量は広範に変化させることができ、当然、各特定の症例における個々の要件に適合させる。一般的に、経口投与の場合、約0.1mg~20mg/kg体重、好ましくは約0.5mg~4mg/kg体重(例えば、約300mg/人)の毎日の投与量を、好ましくは1~3の個々の投与量に分けて、例えば同じ量で構成し得るのが適切であろう。しかしながら、示されている場合には、本明細書で与えられる上限を超えることができることは明らかである。
【0143】
式(I)の化合物と他の薬剤との共投与
式(I)の化合物もしくはその塩または本明細書に開示される化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩は、処置のために、単独でまたは他の薬剤との組合せで用いることができる。例えば、組合せ医薬製剤または投与レジメンの2つ目の薬剤は、互いに悪影響を及ぼさないように、式(I)の化合物に対して相補的活性を有し得る。化合物は、1つの医薬組成物内で一緒にまたは別々に投与し得る。一実施形態では、化合物または薬学的に許容され得る塩は、抗生物質と、特に、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌、またはこれらの組合せによって引き起こされた感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防のための抗生物質と、共投与することができる。
【0144】
用語「共投与すること」は、式(I)の化合物もしくはその塩または本明細書に開示された化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、ならびに抗生物質製剤を含む、1つまたは複数のさらなる医薬品有効成分の、同時投与、または任意の方式の別個の連続する投与を指す。投与が同時でない場合、化合物は互いに近い時間で投与される。さらに、化合物が同じ剤形で投与されるかどうかは重要でなく、例えば1つの化合物が静脈投与され、別の化合物が経口投与されてよい。
【0145】
典型的には、抗菌活性を有する薬剤は、共投与され得る。このような薬剤の特定の実施例は、例えば国際公開第2017072062号、国際公開第2019185572号および国際公開第2019206853号において例示されている、カルバペネム(メロペネム)、フルオロキノロン(シプロフロキサシン)、アミノグリコシド(アミカシン)、テトラサイクリン(チゲサイクリン)、コリスチン、スルバクタム、スルバクタム+デュルロバクタム、セフィデロコル(フェトロージャ)、マクロ環状ペプチド、およびマクロライド(エリスロマイシン)である。
【0146】
一態様では、本発明は、さらなる治療剤をさらに含む、本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0147】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物と追加の治療剤とを含む薬学的組合せを提供する。
【0148】
一実施形態では、前記追加の治療剤は抗生物質製剤である。
【0149】
一実施形態では、前記追加の治療剤は、エンテロコッカス・フェシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、緑膿菌、エンテロバクター種または大腸菌、またはこれらの組合せによって引き起こされた感染症およびそれに起因する疾患の治療または予防に有用な抗生物質製剤である。
【0150】
一実施形態では、前記追加の治療剤は、国際公開第2017072062号、国際公開第2019185572号および国際公開第2019206853号に例示されている、カルバペネム(メロペネム)、フルオロキノロン(シプロフロキサシン)、アミノグリコシド(アミカシン)、テトラサイクリン(チゲサイクリン)、コリスチン、スルバクタム、スルバクタム+デュルロバクタム、セフィデロコル(フェトロージャ)、マクロ環状ペプチド、およびマクロライド(エリスロマイシン)から選択された抗生物質製剤である。
【実施例
【0151】
実施例
本発明は、以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。しかしながら、特許請求の範囲は、本実施例の範囲に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0152】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載の方法によって、または当業者に公知の方法、例えばキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルSFC)もしくは結晶化などによって、分離することができる。
【0153】
特に記載のない場合、全ての反応例および中間体は、アルゴン雰囲気下で調製した。
【0154】
本明細書で使用される略語は、以下の通りである。
ACNまたはMeCN アセトニトリル
BINAP 2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン
CFU コロニー形成ユニット
d 日
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
EtOAcまたはEA 酢酸エチル
FA ギ酸
h(複数可)またはhr(複数可)時間
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HPLC-UV:紫外線検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー
IC50 最大半量阻害濃度
IC90 90%阻害濃度
PE 石油エーテル
PdCl(DPPF)1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
PG 保護基
Precat プレ触媒
prep-HPLC 分取高速液体クロマトグラフィー
rt 室温
sat 飽和
SEM 2-メトキシエチル(トリメチル)シラン
FA ギ酸
TFA トリフルオロ酢酸
wt 重量
X-PHOS 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
【0155】
中間体A1
1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール
25mLマイクロ波バイアルに、DMF(15mL)中の3-メチル-4-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2g、9.61mmol)、1-ブロモ-2-メトキシエタン(1.74g、12.5mmol)、KCO(1.73g、12.5mmol)およびヨウ化カリウム(319mg、1.92mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、マイクロ波中、100℃で15時間加熱した。反応混合物をガラス繊維紙に通してフィルタにかけた。濾液を真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中10%~40%EtOAc)によって精製して2gの粗生成物を得て、粗生成物を分取HPLCによって精製して、1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(550mg、2.07mmol、収率21.5%)および1-(2-メトキシエチル)-5-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(316mg、1.19mmol、収率12.4%)を得た。MS[M+H]:280.3.
【0156】
中間体A2
1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール
25mLマイクロ波バイアルに、DMF(15mL)中の3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2g、9.01mmol)、1-ブロモ-2-メトキシエタン(1.63g、11.7mmol)、KCO(1.62g、11.7mmol)およびヨウ化カリウム(299mg、1.8mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、マイクロ波中、100℃で15時間加熱した。反応混合物をガラス繊維紙に通してフィルタにかけた。濾液を真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中10%~40%EtOAc)によって精製して、1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(1.5g、5.35mmol、収率59.5%)を得た。MS[M+H]:281.1.
【0157】
中間体A3
トリメチル-[2-[[3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール-1-イル]メトキシ]エチル]シラン
100mL丸底フラスコ中で、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.5g、7.21mmol)、SEM-Cl(1.56g、1.66mL、9.37mmol)およびDIPEA(2.8g、3.78mL、21.6mmol)をDCM(30mL)と合わせて無色溶液を得た。反応物を室温で2時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中0%~30%DCM)によって精製した。トリメチル-[2-[[3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール-1-イル]メトキシ]エチル]シラン(2.4g、収率98.4%)を得ること。MS[M+H]:339.4.
【0158】
中間体B1
2-[[4-[2,3-ジフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-3-メチル-ピラゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン
工程1:2-[[4-(4-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)-3-メチル-ピラゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン
25mLマイクロ波バイアルに、ジオキサン(15mL)/水(1.5mL)中3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(1g、2.96mmol)、1,4-ジブロモ-2,3-ジフルオロベンゼン(1.61g、5.91mmol)、1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(193mg、296μmol)およびNaCO(940mg、8.87mmol)を添加した。バイアルに蓋をして、マイクロ波で100℃で2時間、N下で加熱した。反応混合物をガラス繊維紙に通してフィルタにかけた。濾液を真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中25%~80%DCM)によって精製すると、2-[[4-(4-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)-3-メチル-ピラゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン(324 mg、803μmol、収率27.2%)を得た。MS[M+H]:405.1.
【0159】
工程2:2-[[4-[2,3-ジフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-3-メチル-ピラゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン
100mL丸底フラスコ中で、ビス(ピナコラト)ジボロン(265mg、1.04mmol)、4-(4-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)-3-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(324mg、803μmol)、PdCl(dppf)-CHCl付加物(58.8mg、80.3μmol)および酢酸カリウム(237mg、2.41mmol)をジオキサン(10mL)と合わせて暗赤色溶液を得た。混合物を80℃まで加熱し、N下、15時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中30%~80%PE)によって精製して、2-[[4-[2,3-ジフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-3-メチル-ピラゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン(350mg、777μmol、収率96.7%)を得た。MS[M+H]:451.3.
【0160】
以下の中間体は、同様に調製した。
【表1】
【0161】
中間体C1およびC2
tert-ブチル4-[[2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]ベンゾイル]
アミノ]メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体C1)
2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]-N-(4-ピペリジルメチル)ベンズアミド(中間体C2)
工程1:2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]安息香酸
4-アミノ-2-エチル安息香酸(3g、18.2mmol)および8-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン(5.33g、19.1mmol)をMeCN(33mL)およびAcOH(3.3mL)に懸濁した。混合物を密封マイクロ波管中100℃で18時間加熱し、次いで、室温に冷却した。沈殿を濾過によって回収し、エーテル(30mL×3)で洗浄した。ケークを真空中で乾燥させて、生成物である2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)安息香酸(7.08g、収率95.5%)を得た。
【0162】
工程2:tert-ブチル4-((2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)ベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
50mL丸底フラスコ中で、2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)安息香酸(287mg、703μmol)、tert-ブチル4-(アミノメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(196mg、914μmol)、HATU(348mg、914μmol)およびDIPEA(273mg、368μl、2.11mmol)をDMF(5mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を25mLのHOに注ぎ、EtOAc(25mL×3)で抽出した。有機物を合わせ、飽和NaCl(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中0%~5%MeOH)によって精製して、tert-ブチル4-((2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)ベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(363mg、601μmol、収率85.4%)を得た。MS[M+H]:605.4.
【0163】
工程3:2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]-N-(4-ピペリジルメチル)ベンズアミド
50mL丸底フラスコ中で、tert-ブチル4-((2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)ベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(240mg、397μmol)をTHF(4mL)と合わせて、淡黄色溶液を得た。HCl(水中)(1.65mL、19.9mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を次の工程に直接使用して、2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]-N-(4-ピペリジルメチル)ベンズアミド(200mg、397μmol、収率99.9%)を得た。MS[M+H]:505.0
【0164】
中間体C3
tert-ブチル3-[[4-[[[2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ中で、2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-N-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンズアミド(200mg、397μmol)、tert-ブチル3-ホルミルアゼチジン-1-カルボキシレート(220mg、1.19mmol)およびNaBHCN(125mg、1.98mmol)をMeOH(10mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、3時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。反応混合物を25mLのHOに注ぎ、EtOAc(25mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaCl(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、tert-ブチル3-[[4-[[[2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート(160mg、238μmol、収率59.9%)を得た。MS[M+H]:674.2.
【0165】
中間体C4
tert-ブチル2-[4-[[[2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]アセテート
50mL丸底フラスコ中で、2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-N-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンズアミド(120mg、238μmol)およびDIPEA(40mg、54μl、309μmol)をDMF(3mL)と合わせて淡褐色溶液を得て、tert-ブチル2-ブロモアセテート(60.3mg、309μmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を25mLのHOに注ぎ、EtOAc(25mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaCl(25mL)で洗浄した。有機層をNaSO乾燥させ、真空中で濃縮して、tert-2-[4-[[[2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]酢酸ブチル(112mg、181μmol、収率76.1%)を得た。MS[M+H]:619.2.
【0166】
中間体C5
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-4-ピペリジル]メチル]-2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]ベンズアミド
50mL丸底フラスコ中で、2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-N-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンズアミド(140mg、278μmol)およびDIPEA(46.6mg、63μl、361μmol)をDMF(3mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。2-ヨードアセトアミド(56.5mg、305μmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を25mLのHOに注ぎ、EtOAc(25mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaCl(25mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中0%~10%MeOH)によって精製して、N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-4-ピペリジル]メチル]-2-エチル-4-[(3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ]ベンズアミド(112mg、199μmol、収率71.9%)を得た。MS[M+H]:562.2.
【0167】
中間体D1
tert-ブチル3-[[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート
25mLマイクロ波バイアルに、tert-ブチル3-((4-((2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)ベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(75mg、111μmol)、4-(2,3-ジフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-3-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(100mg、223μmol)、PdCl(dppf)-CHCl付加物(8.15mg、11.1μmol)およびNaCO(35.4mg、334μmol)を、ジオキサン(10mL)/水(1mL)と共に添加した。バイアルに蓋をして、マイクロ波で100℃で2時間、N下で加熱した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中0%~10%MeOH)によって精製して、tert-ブチル3-[[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート(39mg、44.8μmol、収率40.3%)を得た。MS[M+H]:870.6.
【0168】
以下の中間体は、同様に調製した。
【表2-1】
【表2-2】
【0169】
中間体E1
tert-ブチル3-[[4-[[[4-[[3-(6-クロロ-2-フルオロ-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート
25mLマイクロ波バイアルに、tert-ブチル3-((4-((2-エチル-4-((3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)ベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(100mg、148μmol)および(6-クロロ-2-フルオロピリジン-3-イル)ボロン酸(28.6mg、163μmol)、PdCl(DPPF)-CHCl付加物(21.7mg、29.7μmol)およびNaCO(47.2mg、445μmol)を含むジオキサン(10mL)/水(1mL)を添加した。バイアルに蓋をして、マイクロ波で100℃で2時間、N下で加熱した。反応混合物を次の工程に直接使用した。MS[M+H]:677.5.
【0170】
以下の中間体は、同様に調製した。
【表3】
【0171】
中間体F1
tert-ブチル3-[[4-[[[2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート
25mLマイクロ波バイアルに、tert-ブチル3-((4-((4-((3-(6-クロロ-2-フルオロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(101mg、149μmol)、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(46.5mg、224μmol)、1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(9.72mg、14.9μmol)およびNaCO(31.6mg、298μmol)を、ジオキサン(10mL)/水(1mL)と共に添加した。バイアルに蓋をして、マイクロ波で110℃で2時間、N下で加熱した。反応混合物をガラス繊維紙に通してフィルタにかけた。粗濾液を真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、DCM中0%~20%MeOH)によって精製して、tert-ブチル3-[[4-[[[2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-ピペリジル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート(60mg、83μmol、収率55.7%)を得た。MS[M+H]:723.5.
【0172】
以下の中間体は、同様に調製した。
【表4】
【0173】
中間体G1
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-[(1-メチル-4-ピペリジル)メチル]ベンズアミド
工程1:4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-(4-ピペリジルメチル)ベンズアミド
50mL丸底フラスコ中で、tert-ブチル4-((4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(275mg、377μmol)をTHF(2mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。HCl(1.89mL、22.6mmol)を添加した。反応物を室温で20分間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を次の工程に直接使用して、4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-(4-ピペリジルメチル)ベンズアミド(237mg、377μmol、収率99.9%)を得た。MS[M+H]:629.5.
【0174】
工程2:4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-N-[(1-メチル-4-ピペリジル)メチル]ベンズアミド
50mL丸底フラスコ中で、4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチル-N-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンズアミド(237mg、377μmol)、ホルムアルデヒド(153mg、1.88mmol)およびNaBHCN(118mg、1.88mmol)をMeOH(6mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応混合物を50℃に加熱し、20分間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。反応混合物を25mLの飽和NaHCOに注ぎ入れ、EtOAc(25mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaCl(25mL)で洗浄した。NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチル-N-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ベンズアミド(242mg、377μmol、収率99.9%)を得た。MS[M+H]:643.4.
【0175】
以下の中間体は、同様に調製した。
【表5】
【0176】
実施例A1
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸
【化28】
100mL丸底フラスコ中で、tert-ブチル3-((4-((4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(39mg、44.8μmol)をDCM(3mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。2,2,2-トリフルオロ酢酸(1.02 g、8.96 mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製して、N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ピペリジル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸(9mg、10.2μmol、収率22.7%)を得た。MS[M+H]+:640.2.
【0177】
実施例A2
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸;ギ酸塩
【化29】
【0178】
工程1:tert-ブチル3-[[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-1-イル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート;ヨウ化物
50mL丸底フラスコ中で、tert-ブチル3-((4-((4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(29mg、33.3μmol)およびMeI(23.7mg、167μmol)およびDIPEA(21.5mg、167μmol)をMeCN(3mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応物を室温で2時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮して、tert-ブチル3-[[4-[[[4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[3-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-1-イル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート;ヨウ化物(29.5mg、33.3μmol、収率100%)を得た。MS[M+H]:884.9.
【0179】
工程2:N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸;ギ酸塩
50mL丸底フラスコ中で、1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)メチル)-4-((4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド)メチル)-1-メチルピペリジン-1-イウム(29.5mg、33.3μmol)およびHCl(水中)(1.11mL、13.3mmol)をTHF(2mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。HCl(水中)(1.11mL、13.3mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製して、N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸;ギ酸塩(9.4mg、12.4μmol、収率37.1%)を得た。MS:654.8.
【0180】
以下の化合物を同様に調製した。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0181】
実施例B1
N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド;ギ酸;ギ酸塩
【化30】
【0182】
工程1:tert-ブチル4-(5-(8-((4-(((1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)カルバモイル)-3-エチルフェニル)アミノ)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3-イル)-6-フルオロピリジン-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート
50mL丸底フラスコ中で、BocO(24.2mg、111μmol)、tert-ブチル3-((4-((2-エチル-4-((3-(2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)ベンズアミド)メチル)ピペリジン-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(40mg、55.3μmol、)、DMAP(2.03mg、16.6μmol)およびDIPEA(21.5mg、166μmol)をTHF(3mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮して、tert-ブチル4-(5-(8-((4-(((1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)カルバモイル)-3-エチルフェニル)アミノ)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3-イル)-6-フルオロピリジン-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(45.5mg、55.3μmol、収率99.9%)を得た。MS:823.7.
【0183】
工程2:tert-ブチル3-[[4-[[[4-[[3-[6-(1,3-ジメチルピラゾール-4-イル)-2-フルオロ-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-1-イル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート;ヨウ化物
50mL丸底フラスコ中で、tert-ブチル4-(5-(8-((4-(((1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)カルバモイル)-3-エチルフェニル)アミノ)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3-イル)-6-フルオロピリジン-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(45mg、54.7μmol)、MeI(38.8mg、17.1μl、273μmol)およびDIPEA(35.3mg、47.8μl、273μmol)をMeCN(5mL)と合わせて、薄い赤色溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を次の工程に直接使用して、tert-ブチル3-[[4-[[[4-[[3-[6-(1,3-ジメチルピラゾール-4-イル)-2-フルオロ-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンゾイル]アミノ]メチル]-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-1-イル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート;ヨウ化物(45.8mg、54.7μmol、収率100%)を得た。MS:837.7.
【0184】
工程3:N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド;ギ酸;ギ酸塩
50mL丸底フラスコ中で、4-((4-((3-(6-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-フルオロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド)メチル)-1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)メチル)-1-メチルピペリジン-1-イウム(45mg、53.7μmol)をTHF(2mL)と合わせて、淡赤色溶液を得た。HCl(1.34mL、16.1mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製して、N-[[1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-2-エチル-4-[[3-[2-フルオロ-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]ベンズアミド;ギ酸;ギ酸塩(6.6mg、8.87μmol、収率16.5%)。を得た。MS:637.
【0185】
以下の化合物を同様に調製した。
【表7-1】
【表7-2】
【0186】
実施例C1
4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-N-[(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-イル)メチル]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸塩
【化31】
50mL丸底フラスコ中で、4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチル-N-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ベンズアミド(60mg、93.3μmol)、MeI(66.2mg、29.2μl、467μmol)およびDIPEA(60.3mg、81.5μl、467μmol)を、MeCN(5mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応物を室温で15時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製して、4-[[3-[2,3-ジフルオロ-4-[1-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-N-[(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-イル)メチル]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸塩(10.6mg、14.8μmol、収率15.8%)を得た。MS:657.5.
【0187】
以下の化合物を同様に調製した。
【表8-1】
【表8-2】
【0188】
実施例D1
N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジフルオロ-フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸塩
【化32】
工程1:N-((1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド
50mL丸底フラスコ中で、N-((1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド(14mg、18.5μmol)およびHCl(462μl、5.54mmol)をTHF(2mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、15時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮して、N-((1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド(11.6mg、18.5μmol、収率100%)を得た。MS[M+H]:628.5.
【0189】
工程2:N-((1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-((3-(4-(1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジフルオロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド
50mL丸底フラスコ中で、N-((1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-((3-(2,3-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド(11.6mg、18.5μmol)、3-ブロモプロパ-1-イン(4.4mg、37μmol)およびDIPEA(7.17mg、9.68μl、55.4μmol)を、DCM(2mL)と合わせて、淡褐色溶液を得た。反応物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮して、N-((1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-((3-(4-(1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジフルオロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド(12.3mg、18.4μmol、収率99.8%)を得た。MS[M+H]:667.8
【0190】
工程3:N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジフルオロ-フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸塩
50mL丸底フラスコ中で、N-((1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-((3-(4-(1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジフルオロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル)アミノ)-2-エチルベンズアミド(12.3mg、18.4μmol)、MeI(13.1mg、92.2μmol)およびDIPEA(11.9mg、16.1μl、92.2μmol、式:5)をMeCN(3mL)と合わせて、淡黄色溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、15時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製して、N-[[1-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-1-メチル-ピペリジン-1-イウム-4-イル]メチル]-4-[[3-[4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジフルオロ-フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-イル]アミノ]-2-エチル-ベンズアミド;ギ酸塩(6mg、7.84μmol、収率42.5%)を得た。MS:681.5.
【0191】
アッセイ手順
抗菌薬感受性試験:
90%増殖阻害濃度(IC90)の決定
化合物のインビトロでの抗菌薬活性を、以下の手順に従って決定した:
アッセイは、10ポイントのIso-Sensitestブロス培地を使用して、アシネトバクター・バウマンニ ATCC17961および緑膿菌 ATCC27853に対する化合物のインビトロ活性を定量的に測定した。
【0192】
DMSOのストック化合物を、384ウェルマイクロタイタープレートで2倍に段階希釈し(例えば最終濃度50~0.097μMの範囲)、Iso-Sensitest培地中に49μlの細菌懸濁液を播種し、50ul/ウェルの最終容積/ウェル中において最終細胞濃度を~5x10(5)CFU/mlとした。マイクロタイタープレートを35±2℃でインキュベートした。
【0193】
細菌細胞増殖を、16hの経時変化にわたり20分毎に、λ=600nmでの光学濃度の測定により決定した。増殖阻害を細菌細胞の対数増殖中に計算し、増殖を50%(IC50)および90%(IC90)阻害する濃度を決定した。
【0194】
表1は、アシネトバクター・バウマンニATCC17961株に対して得られた本発明の化合物1リットル当たりのマイクロモルでの90%増殖阻害濃度(IC90)を提供する。
【0195】
本発明の特定の化合物は、IC90(アシネトバクター・バウマンニ ATCC17961)≦25μmol/lを呈する。
【0196】
本発明のさらに具体的な化合物は、IC90(アシネトバクター・バウマンニ ATCC17961)≦5μmol/lを呈する。
【0197】
大部分の特定の本発明の化合物は、IC90(アシネトバクター・バウマンニ ATCC17961)≦1μmol/lを呈する。
【0198】
表2は、緑膿菌ATCC27853株に対して得られた本発明の化合物の1リットル当たりのマイクロモルでの90%増殖阻害濃度(IC90)を示す。
【表9】
【表10】
【0199】
実施例1
式(I)の化合物は、以下の組成の錠剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用することができる。
錠剤あたり
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0200】
実施例2
式(I)の化合物は、以下の組成のカプセル剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用することができる。
カプセル剤あたり
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg
実施例2
実施例3
式(I)の化合物は、以下の組成物の注入溶液の生成のための活性成分として既知の方法で使用することができる:
有効成分 100mg
乳酸90% 100mg
pH4.0に調整するためにNaOH適量またはHCl適量
浸透圧を290mOsm/kgに調整するため塩化ナトリウム適量またはグルコース適量
注射用水(WFI)100ml添加
【0201】
実施例4
式(I)の化合物は、以下の組成物の注入溶液の生成のための活性成分として既知の方法で使用することができる。
有効成分 100mg
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン 10g
pH7.4に調整するためにNaOH適量またはHCl適量
浸透圧を290mOsm/kgに調整するため塩化ナトリウム適量またはグルコース適量
注射用水(WFI)100ml添加
【国際調査報告】