(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-29
(54)【発明の名称】アンテナ挿入電極構造体およびそれを含む画像表示装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/44 20060101AFI20230622BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20230622BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20230622BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230622BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
H01Q1/44
H01Q13/08
H01Q21/06
G06F3/041 422
G06F3/044 120
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551271
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 KR2021000435
(87)【国際公開番号】W WO2021172743
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0022987
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ピョン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,チェ・ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】メン,チャン・ジュン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB06
5J021CA03
5J021JA07
5J045AB05
5J045DA10
5J045HA03
5J045MA07
5J045NA03
5J046AA07
5J046AB13
5J046SA01
(57)【要約】
本発明の実施形態のアンテナ挿入電極構造体は、タッチセンシング領域およびアンテナ-タッチセンシング領域を含む基材層と、基材層のタッチセンシング領域内に配列される第1のセンシング電極と、基材層のアンテナ-タッチセンシング領域内に配列される第2の行センシング電極および第2の列センシング電極と、行方向に隣り合う第2の行センシング電極を接続する第2のブリッジ電極と、列方向に隣り合う第2の列センシング電極を接続する第2の接続部と、アンテナパターンとを含む。アンテナパターンは、基材層のアンテナ-タッチセンシング領域内に配置され、前記第2の行センシング電極および前記第2の列センシング電極のそれぞれよりも大きな面積を有し、平面方向において、第2のブリッジ電極および第2の接続部を回避して配置される放射パターンをそれぞれ含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチセンシング領域およびアンテナ-タッチセンシング領域を含む基材層と、
前記基材層の前記タッチセンシング領域内に配列される第1のセンシング電極と、
前記基材層の前記アンテナ-タッチセンシング領域内に配列される第2の行センシング電極および第2の列センシング電極と、
行方向に隣り合う前記第2の行センシング電極を接続する第2のブリッジ電極と、
列方向に隣り合う前記第2の列センシング電極を接続する第2の接続部と、
前記基材層の前記アンテナ-タッチセンシング領域内に配置され、平面方向において、前記第2のブリッジ電極および前記第2の接続部を回避して配置される放射パターンをそれぞれ含む複数のアンテナパターンとを含む、アンテナ挿入電極構造体。
【請求項2】
前記第2の行センシング電極は、前記放射パターンの周辺に配置され、前記放射パターンの枠に沿って延びるバー(bar)パターンまたは折れパターン形状を有するサブ行センシング電極を含む、請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項3】
前記第2の接続部は、前記放射パターンの周辺で前記放射パターンの枠に沿って延び、折れ部を含む変形接続部を含む、請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項4】
前記第1のセンシング電極は、
第1の行センシング電極および第1の列センシング電極と、
行方向に隣り合う前記第1の行センシング電極を接続する第1のブリッジ電極と、
列方向に隣り合う前記第1の列センシング電極を接続する第1の接続部とを含む、請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項5】
前記第1の行センシング電極と前記第2の行センシング電極は同じ面積を有し、前記第1の列センシング電極と前記第2の列センシング電極は同じ面積を有する、請求項4に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項6】
前記第1の行センシング電極は、前記第2の行センシング電極よりも大きな面積を有し、前記第1の列センシング電極は、前記第2の列センシング電極よりも大きい面積を有する、請求項4に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項7】
前記第2の行センシング電極および前記第2の列センシング電極は、それぞれ前記第1の行センシング電極および前記第1の列センシング電極の4n(nは、自然数)分割に対応する、請求項6に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項8】
前記第1の行センシング電極は、行方向に沿って互いに接続して第1のセンシング電極行を形成し、前記第2の行センシング電極は、行方向に沿って互いに接続して第2のセンシング電極行を形成する、請求項6に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項9】
前記タッチセンシング領域において、前記第1のセンシング電極行のそれぞれから延びる第1の行トレースと、
前記アンテナ-タッチセンシング領域において、複数の前記第2のセンシング電極行を併合して延びる第2の行トレースとをさらに含む、請求項8に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項10】
前記第1のセンシング電極、前記第2の行センシング電極、第2の列センシング電極、および前記アンテナパターンは、いずれも同じ層または同じレベルに配置される、請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項11】
前記アンテナパターンは、前記放射パターンから延びる伝送線路をさらに含む、請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項12】
前記放射パターンおよび前記伝送線路は、メッシュ構造を有する、請求項11に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項13】
前記第1のセンシング電極、前記第2の行センシング電極、および前記第2の列センシング電極は、前記放射パターンと同じメッシュ構造を有する、請求項12に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項14】
前記第2のブリッジ電極は、中身が詰まった(solid)構造を有する、請求項13に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項15】
前記放射パターンの周辺を取り囲むダミーメッシュパターンをさらに含む、請求項12に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項16】
前記アンテナパターンは、前記伝送線路の一端部に接続され、中身が詰まった(solid)パターン構造を有する信号パッドをさらに含む、請求項12に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項17】
前記放射パターンの面積は、前記第2の行センシング電極および前記第2の列センシング電極のそれぞれの面積よりも大きい、請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項18】
前記第2の行センシング電極または前記第2の列センシング電極のそれぞれは、前記放射パターンの4n(nは、自然数)分割に対応する、請求項17に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項19】
前記放射パターンの中心部は、平面方向において、それぞれ前記第2のブリッジ電極および前記第2の接続部が配列される整列ラインの間に配置される、請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体。
【請求項20】
請求項1に記載のアンテナ挿入電極構造体を含む、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ挿入電極構造体およびそれを含む画像表示装置に関する。より詳細には、アンテナパターンおよびセンシング電極を含むアンテナ挿入電極構造体、並びにそれを含む画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示装置とタッチセンサが共に結合され、画像表示装置に表示される指示内容を人の手や物体で選択してユーザの命令を入力できる電子機器が、例えばタブレットPCのような様々な形態で開発されている。
【0003】
また、前記画像表示装置は、スマートフォンなどの通信機器と結合されている。そのため、高周波または超高周波(例えば、3G、4G、5Gまたはそれ以上)帯域の通信を実現するためのアンテナが前記画像表示装置に実装され得る。
【0004】
前述のように、タッチセンサおよびアンテナが1つの画像表示装置内に実装される場合には、限られた空間内に複数の電極を挿入するためのデザインの設計が必要となる。また、前記アンテナによって、タッチセンサのセンシング電極の接続が切断することや、センシングチャンネルの抵抗が増加することがある。
【0005】
そのため、空間効率性を向上させるとともに駆動安定性を改善したアンテナおよびタッチセンサの設計が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、向上した電気的特性および空間効率性を有するアンテナ挿入電極構造体を提供することである。
【0007】
本発明の課題は、向上した電気的特性及び空間効率性を有するアンテナ挿入電極構造体を含む画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1.タッチセンシング領域およびアンテナ-タッチセンシング領域を含む基材層と、前記基材層の前記タッチセンシング領域内に配列される第1のセンシング電極と、前記基材層の前記アンテナ-タッチセンシング領域内に配列される第2の行センシング電極および第2の列センシング電極と、行方向に隣り合う前記第2の行センシング電極を接続する第2のブリッジ電極と、列方向に隣り合う前記第2の列センシング電極を接続する第2の接続部と、前記基材層の前記アンテナ-タッチセンシング領域内に配置され、平面方向において、前記第2のブリッジ電極および前記第2の接続部を回避して配置される放射パターンをそれぞれ含む複数のアンテナパターンとを含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0009】
2.前記項目1において、前記第2の行センシング電極は、前記放射パターンの周辺に配置され、前記放射パターンの枠に沿って延びるバー(bar)パターンまたは折れパターン形状を有するサブ行センシング電極を含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0010】
3.前記項目1において、前記第2の接続部は、前記放射パターンの周辺で前記放射パターンの枠に沿って延び、折れ部を含む変形接続部を含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0011】
4.前記項目1において、前記第1のセンシング電極は、
第1の行センシング電極および第1の列センシング電極と、行方向に隣り合う前記第1の行センシング電極を接続する第1のブリッジ電極と、列方向に隣り合う前記第1の列センシング電極を接続する第1の接続部とを含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0012】
5.前記項目4において、前記第1の行センシング電極と前記第2の行センシング電極は同じ面積を有し、前記第1の列センシング電極と前記第2の列センシング電極は同じ面積を有する、アンテナ挿入電極構造体。
【0013】
6.前記項目4において、前記第1の行センシング電極は、前記第2の行センシング電極よりも大きな面積を有し、前記第1の列センシング電極は、前記第2の列センシング電極よりも大きい面積を有する、アンテナ挿入電極構造体。
【0014】
7.前記項目6において、前記第2の行センシング電極および前記第2の列センシング電極は、それぞれ前記第1の行センシング電極および前記第1の列センシング電極の4n(nは、自然数)分割に対応する、アンテナ挿入電極構造体。
【0015】
8.前記項目6において、前記第1の行センシング電極は、行方向に沿って互いに接続して第1のセンシング電極行を形成し、前記第2の行センシング電極は、行方向に沿って互いに接続して第2のセンシング電極行を形成する、アンテナ挿入電極構造体。
【0016】
9.前記項目8において、前記タッチセンシング領域において、前記第1のセンシング電極行のそれぞれから延びる第1の行トレースと、前記アンテナ-タッチセンシング領域において、複数の前記第2のセンシング電極行を併合して延びる第2の行トレースとをさらに含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0017】
10.前記項目1において、前記第1のセンシング電極、前記第2の行センシング電極、第2の列センシング電極、および前記アンテナパターンは、いずれも同じ層または同じレベルに配置される、アンテナ挿入電極構造体。
【0018】
11.前記項目1において、前記アンテナパターンは、前記放射パターンから延びる伝送線路をさらに含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0019】
12.前記項目11において、前記放射パターンおよび前記伝送線路は、メッシュ構造を有する、アンテナ挿入電極構造体。
【0020】
13.前記項目12において、前記第1のセンシング電極、前記第2の行センシング電極および前記第2の列センシング電極は、前記放射パターンと同じメッシュ構造を有する、アンテナ挿入電極構造体。
【0021】
14.前記項目13において、前記第2のブリッジ電極は、中身が詰まった(solid)構造を有する、アンテナ挿入電極構造体。
【0022】
15.前記項目12において、前記放射パターンの周辺を取り囲むダミーメッシュパターンをさらに含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0023】
16.前記項目12において、前記アンテナパターンは、前記伝送線路の一端部に接続され、中身が詰まった(solid)パターン構造を有する信号パッドをさらに含む、アンテナ挿入電極構造体。
【0024】
17.前記項目1において、前記放射パターンの面積は、前記第2の行センシング電極および前記第2の列センシング電極のそれぞれの面積よりも大きい、アンテナ挿入電極構造体。
【0025】
18.前記項目17において、前記第2の行センシング電極または前記第2の列センシング電極のそれぞれは、前記放射パターンの4n(nは、自然数)分割に対応する、アンテナ挿入電極構造体。
【0026】
19.前記項目1において、前記放射パターンの中心部は、平面方向において、それぞれ前記第2のブリッジ電極および前記第2の接続部が配列される整列ラインの間に配置される、アンテナ挿入電極構造体。
【0027】
20.前述の実施形態のアンテナ挿入電極構造体を含む、画像表示装置。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施形態によるアンテナ挿入電極構造体では、アンテナパターンの放射パターンをタッチセンサのセンシング電極の相互接続のための接続部及び/又はブリッジ電極を回避して配置することができる。これにより、放射パターンの挿入によるセンシング電極のジャンクション部の断切を防止するとともに、アンテナパターンを挿入しても所望のタッチセンシング感度を維持することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記放射パターンの周辺のセンシング電極は、前記放射パターンと同じ形状を有し、前記放射パターンよりも小さい面積を有するように形成できる。これにより、前記アンテナパターンが前記ブリッジ電極及び/又は接続部と完全に重ならないように容易に配列することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記放射パターンおよびセンシング電極はメッシュ構造を含み、前記放射パターンとセンシング電極との間にダミーメッシュパターンをさらに含むことができる。これにより、電極視認現象を防止するとともに、画像表示装置の表示領域における透過率、画像特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の領域を説明するための概略平面図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の電極構造および配列を説明するための概略平面図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の電極構造および配列を説明するための概略断面図である。
【
図4】
図4は、いくつかの例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の電極構造および配列を説明するための概略的な部分拡大平面図である。
【
図5】
図5は、いくつかの例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の電極構造および配列を説明するための概略的な部分拡大平面図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態による画像表示装置を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態は、アンテナパターンとセンシング電極が同一平面内に共に配列されているアンテナ挿入電極構造体を提供するものである。また、前記アンテナ挿入電極構造体を含む画像表示装置を提供するものである。
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0034】
本出願で使用される「列方向」および「行方向」は、絶対的な方向を指すのではなく、互いに異なる2つの方向を指す相対的な意味として使用される。
【0035】
図1は、例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の領域を説明するための概略平面図である。
【0036】
説明の都合上、
図1では、センシング電極およびアンテナパターンの図示を省略している。前記構成については、
図2でより詳細に後述する。
【0037】
図1を参照すると、タッチセンサ-アンテナ構造体は、センシング電極およびアンテナパターンが配列される基材層100を含むことができる。
【0038】
基材層100または前記アンテナ挿入電極構造体は、タッチセンシング領域TR、アンテナ-タッチセンシング領域AR、および回路接続領域CRを含むことができる。
【0039】
タッチセンシング領域TRは、基材層100の中央部を含み、ユーザのタッチ入力がセンシングされる実質的なタッチセンサの活性領域として提供され得る。
【0040】
アンテナ-タッチセンシング領域AR(
図1の破線)は、タッチセンシング領域TRの両端部および両側部の少なくとも一つに隣接して配置することができる。
【0041】
例えば、一実施形態では、アンテナ-タッチセンシング領域ARは、タッチセンシング領域TRの一側部または一端部に隣接するように配置できる。一実施形態では、アンテナ-タッチセンシング領域ARは、タッチセンシング領域TRの一側部および一端部に連続して隣接して配置することができる。一実施形態では、アンテナ-タッチセンシング領域ARは、タッチセンシング領域TRの周辺部を取り囲むように配置することもできる。
【0042】
アンテナ-タッチセンシング領域ARは、例えば、高周波または超高周波(例えば、3G、4G、5Gまたはそれ以上)の移動通信を実現するためのアンテナパターンが実装される領域であってもよい。例示的な実施形態によると、アンテナ-タッチセンシング領域AR内には、アンテナパターンと共にタッチセンサのセンシング電極の一部が分布することができる。
【0043】
回路接続領域CRは、基材層100または前記アンテナ挿入電極構造体の外郭領域を含むことができる。
図1に示すように、タッチセンシング領域TRと回路接続領域CRとの間には、アンテナ-タッチセンシング領域ARを配置することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、回路接続領域CR内には、アンテナパターンの信号パッドを配置することができる。また、回路接続領域CR内には、センシング電極に接続されたトレースが分岐して延びることができる。
【0045】
前記アンテナ挿入電極構造体は、タッチセンサおよびアンテナパターンを駆動・制御するための集積回路(IC)チップをさらに含むことができる。例えば、アンテナ駆動ICチップ190は、回路接続領域CRの基材層100の一端部上で前記アンテナパターンの前記信号パッドと電気的に接続することができる。タッチセンサ駆動ICチップ195は、回路接続領域CRの基材層100の他端部にタッチセンシング領域TRと隣接するように配置され、センシング電極から分岐される前記トレースの末端部と電気的に接続され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、アンテナ駆動ICチップ190と前記信号パッドとの間、およびタッチセンサ駆動ICチップ195と前記トレースの末端部との間には、それぞれフレキシブルプリント回路基板(FPCB)を配置することができる。例えば、アンテナ駆動ICチップ190は、前記フレキシブルプリント回路基板上に直接実装することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、アンテナ駆動ICチップ190と前記フレキシブルプリント基板との間には、リジッドプリント回路基板(Rigid-PCB)のような仲介回路基板(例えば、画像表示装置のメインボード)を配置することができる。例えば、アンテナ駆動ICチップ190は、前記仲介回路基板上に表面実装技術(SMT)によって直接実装することができる。
【0048】
図2および
図3は、それぞれ例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の電極構造および配列を説明するための概略的な平面図および断面図である。具体的には、
図3は、タッチセンシング領域におけるセンシング電極構造を示す断面図である。
【0049】
図2を参照すると、アンテナ挿入電極構造体は、基材層100の上面上に配列される、アンテナパターンと、タッチセンシングのためのセンシング電極とを含む。
【0050】
基材層100は、前記センシング電極およびアンテナパターンを形成するための支持層またはフィルム型の基材を包括する意味で使用される。例えば、基材層100は、タッチセンサまたはアンテナ誘電層に通常使用されるフィルム材料を特に制限なく使用することができる。
【0051】
例えば、基材層100は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系樹脂;イミド系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;硫化ポリフェニレン系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラル系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;エポキシ系樹脂;ウレタン系またはアクリルウレタン系樹脂;シリコン系樹脂などを含むことができる。これらは、単独であるいは2以上を組み合わせて用いることができる。。
【0052】
基材層100は、光学透明粘着剤(Optically clear Adhesive:OCA)、光学透明樹脂(Optically Clear Resin:OCR)などの粘接着性物質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、基材層100は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、ガラスなどの無機絶縁物質を含むことができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、基材層100の誘電率は約1.5~12の範囲に調節することができる。前記誘電率が約12を超えると、駆動周波数が減少しすぎて、所望の高周波帯域での駆動を実現できないことがある。
【0054】
いくつかの実施形態では、前記アンテナ挿入電極構造体が実装される画像表示装置の層またはフィルム部材を基材層100として提供することもできる。例えば、ディスプレイパネルに含まれるエンキャプセレーション層またはパッシベーション層などを基材層100として提供することもできる。
【0055】
前記センシング電極は、相互静電容量(Mutual Capacitance)方式で駆動するように配列できる。前記センシング電極は、タッチセンシング領域TR上に配列されている第1の行センシング電極110および第1の列センシング電極120を含むことができる。前記センシング電極は、アンテナ-タッチセンシング領域AR上に配列されている第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140を含むことができる。
【0056】
第1の行センシング電極110および第2の行センシング電極130は、行方向に沿って配列され、それぞれ独立した島(island)パターン形状を有することができる。前記行方向に沿って互いに隣り合う第1の行センシング電極110は、第1のブリッジ電極115を介して互いに電気的に接続することができる。前記行方向に沿って互いに隣り合う第2の行センシング電極130は、第2のブリッジ電極135を介して互いに電気的に接続することができる。
【0057】
これにより、タッチセンシング領域TR上で前記行方向に延びる第1のセンシング電極行が定義され、複数の前記第1のセンシング電極行を列方向に沿って配列することができる。また、アンテナ-タッチセンシング領域AR上で前記行方向に延びる第2のセンシング電極行が定義され、複数の前記第2のセンシング電極行を列方向に沿って配列することができる。
【0058】
第1の列センシング電極120および第2の列センシング電極140は、前記列方向に沿って配列することができる。第1の列センシング電極120は、第1の接続部125によって互いに接続することができる。第1の列センシング電極120と第1の接続部125は互いに一体に接続され、実質的に単一の部材で提供され得る。第2の列センシング電極140は、第2の接続部145によって互いに接続することができる。第2の列センシング電極140と第2の接続部145は互いに一体に接続され、実質的に単一の部材で提供され得る。
【0059】
例えば、第1の列センシング電極120および第2の列センシング電極140は、第1の接続部125および第2の接続部145によって共に前記列方向に沿って延びることができる。これにより、タッチセンシング領域TRおよびアンテナ-タッチセンシング領域ARにわたって前記列方向に延びるセンシング電極列を定義することができる。また、複数の前記センシング電極列を前記行方向に沿って配列することができる。
【0060】
例えば、第1の接続部125及び第2の接続部145は、前記列方向に延びるバー(bar)状を有することができる。
【0061】
前述のセンシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、又はこれらのうちの少なくとも1つを含有する合金を含むことができる。これらは単独で又は2以上を組み合わせて使用することができる。
【0062】
一実施形態では、センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135は、低抵抗および微細線幅を実現するために、銀(Ag)または銀合金(例えば、銀-パラジウム-銅(APC)合金)、または銅(Cu)または銅合金(例えば、銅-カルシウム(CuCa)合金)を含むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)、インジウム亜鉛スズ酸化物(ITZO)のような透明導電性酸化物を含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135は、透明導電性酸化物および金属層の積層構造を含むことができる。例えば、センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135は、透明導電性酸化物層-金属層の2層構造、または透明導電性酸化物層-金属層-透明導電性酸化物層の3層構造を持つこともできる。この場合、前記金属層によってフレキシブル特性が向上し、抵抗を下げて信号伝達速度を向上させることができ、前記透明導電性酸化物層によって耐腐食性、透明性を向上させることができる。
【0065】
センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135は、黒化処理部を含むことができる。これにより、センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135の表面での反射率を減少させ、光反射によるパターン視認を低減することができる。
【0066】
一実施形態では、センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135に含まれる金属層の表面を金属酸化物または金属硫化物に変換し、黒化層を形成することができる。一実施形態では、センシング電極110,120,130,140およびブリッジ電極115,135または前記金属層上に黒色材料コート層、またはメッキ層のような黒化層を形成することができる。前記黒色材料またはめっき層は、ケイ素、炭素、銅、モリブデン、スズ、クロム、モリブデン、ニッケル、コバルト、またはこれらの少なくとも1つを含有する酸化物、硫化物、合金などを含むことができる。
【0067】
黒化層の組成および厚さは、反射率の低減効果を考慮して調整することができる。
【0068】
アンテナ-タッチセンシング領域AR上には前記アンテナパターンが配置され、前記アンテナパターンの周辺に第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140を配列することができる。例えば、前記行方向に沿って複数のアンテナパターンを配列することができる。
【0069】
前記アンテナパターンは、放射パターン50と、伝送線路60と、信号パッド70とを含むことができる。放射パターン50は、例えば、多角形のプレート状を有し、放射パターン50から伝送線路60が分岐して延びることができる。信号パッド70は、伝送線路60の末端と電気的に接続することができる。
【0070】
放射パターン50は、アンテナ-タッチセンシング領域AR上において、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140と共に配列することができる。信号パッド70は、回路接続領域CR上に配置することができる。伝送線路60は、放射パターン50から延び、回路接続領域CR上で信号パッド70と接続することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、回路接続領域CR上にはグランドパッド75をさらに配置することができる。例えば、一対のグランドパッド75を、信号パッド70の周辺において、信号パッド70を挟んで信号パッド70と離隔して配置することができる。
【0072】
前記アンテナパターンは、センシング電極110,120,130,140と実質的に同一または類似の導電物質を含むことができる。例えば、前記アンテナパターンは、前述の金属または合金、または透明導電性酸化物を含むことができ、金属層および透明導電性酸化物の複層構造を有することもできる。
【0073】
例えば、前記アンテナパターンは、前述の黒化処理部を含むこともできる。
【0074】
例示的な実施形態によると、前記アンテナパターンは、センシング電極110,120,130,140と同じ層または同じレベルに形成することができる。例えば、基材層100の上面上に、前述の金属または合金(例えば、Cu-CaまたはAPC)または透明導電性酸化物を含む導電層を形成することができる。前記導電層をエッチングすることにより、センシング電極110,120,130,140および前記アンテナパターンを共に形成することができる。
【0075】
前記アンテナパターンをタッチセンサのセンシング電極110,120,130,140と共に同じ層または同じレベルに含めることにより、アンテナ挿入電極構造体の厚さを減少させるとともに、アンテナパターンの放射特性(例えば、垂直放射)がセンシング電極110,120,130,140によって遮蔽または阻害されることを防止することができる。
【0076】
図3に示すように、基材層100の前記上面上には、前記アンテナパターンおよびセンシング電極110,120,130,140を共に覆う絶縁層160を形成することができる。ブリッジ電極115,135は、絶縁層160上に形成することができる。ブリッジ電極115,135は、絶縁層160を貫通して、隣り合う行センシング電極110、130を互いに電気的に接続することができる。
【0077】
絶縁層160上には、ブリッジ電極115,135を覆うように、パッシベーション層170を形成することができる。絶縁層160およびパッシベーション層170は、シリコン酸化物、シリコン窒化物などの無機絶縁物質、またはアクリル系樹脂、シロキサン系樹脂などの有機絶縁物質を含むことができる。
【0078】
例示的な実施形態によると、放射パターン50は、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140と実質的に同じ形状を有し、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140のそれぞれよりも大きな面積を有することができる。
【0079】
例えば、放射パターン50、第2の行センシング電極130、および第2の列センシング電極140は、それぞれ菱形またはダイヤモンド形状を有することができる。一実施形態では、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140は、放射パターン50よりも小さい面積を有し、例えば放射パターン50の4n分割に対応することができる。nは自然数であり、例えば1~4であってもよい。
【0080】
本明細書で使用される「4n分割に対応する」という用語は、正確に4n分割面積に等しいだけでなく、実質的に4n分割によって形成され、電極間の独立性、整列/配置/接続などのための公差/誤差を含む概念として理解されるべきである。
【0081】
一実施形態では、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140は、放射パターン50の実質的に4分割に対応することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、タッチセンシング領域TRに含まれたセンシング電極110,120も、アンテナ-タッチセンシング領域ARに含まれたセンシング電極130,140と同じ面積を有することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、
図4で後述するように、タッチセンシング領域TRに含まれたセンシング電極110,120は、アンテナ-タッチセンシング領域ARに含まれたセンシング電極130,140よりも大きい面積を有することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、タッチセンシング領域TRに含まれたセンシング電極110,120は、アンテナ-タッチセンシング領域ARに含まれたセンシング電極130,140よりも小さい面積を有することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、放射パターン50は、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140とは異なる形状に形成することもできる。例えば、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140はバー(bar)状であってもよく、放射パターン50は長方形状であってもよい。また、放射パターン50、第2の行センシング電極130および第2の列センシング電極140の形状は、タッチセンサの回路設計、画像表示装置の空間制約などを考慮して多様に変更されてもよい。
【0086】
例示的な実施形態によると、第2のブリッジ電極135および第2の接続部145は、平面視において、放射パターン50を回避して配置することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、第2の行センシング電極130は、放射パターン50の周辺に配置されたサブ(sub)行センシング電極133を含むことができる。例えば、サブ行センシング電極133は、放射パターン50の枠形状に沿って延びるバー(bar)パターンまたは折れパターン形状を有することができる。
【0088】
サブ行センシング電極133は、隣接する第2の行センシング電極130と第2のブリッジ電極135を介して互いに接続され、前記第2のセンシング電極行を形成することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、第2の接続部145のうち、放射パターン50に隣接する第2の接続部145(以下、「変形接続部143」と呼ぶこともある)は、変形した形状を有することができる。例えば、変形接続部143は、放射パターン50の枠のプロファイルに沿って折れ部を含むライン状を有することができる。
【0090】
前述の例示的な実施形態によると、アンテナ-タッチセンシング領域ARでは、センシング電極130,140の面積を放射パターン50よりも小さく形成することができる。これにより、複数のアンテナパターンの放射を実現するための放射パターン50のピッチ(pitch)(例えば、共振周波数の半波長)とセンシング電極130,140のピッチの相違によって発生するブリッジ電極及び/又は接続部の断線をより容易に回避することができる。
【0091】
また、サブ行センシング電極133および変形接続部143を用いて、放射パターン50の周辺における第2のセンシング電極行および第2のセンシング電極列の連続性を維持することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、回路接続領域CRに隣接する前記第2のセンシング電極行の連続性を維持するために、一部の第2のブリッジ電極135は、アンテナパターンの伝送線路60上に延びることもできる。一実施形態では、アンテナパターンにおける電流、電界の流れの阻害を防止するために、伝送線路60上への第2のブリッジ電極135は省略することもできる(
図5を参照)。
【0093】
いくつかの実施形態では、放射パターン50の面積は、センシング電極110,120,130,140の面積よりも小さいか等しいように形成することもできる。
【0094】
この場合も、放射パターン50は、アンテナ-タッチセンシング領域ARにおいて、第2のブリッジ電極135および第2の接続部145を回避するように配置できる。例えば、
図2に示すように、第2のブリッジ電極135と第2の接続部145は平面方向で互いに交差し、
図2における列方向の仮想の直線(整列ライン)に沿って共に配置することができる。
【0095】
放射パターン50は、それぞれの中心部が平面方向において前記整列ラインの間に配置されるように、例えば前記行方向に沿って配列することができる。
【0096】
図4は、いくつかの例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の電極構造および配列を説明するための概略的な部分拡大平面図である。
【0097】
図4を参照すると、タッチセンシング領域TR上に配置されたセンシング電極110,120は、アンテナ-タッチセンシング領域AR上に配置されたセンシング電極130,140よりも大きな面積を有することができる。
【0098】
一実施形態では、第1の行センシング電極110の面積は、第2の行センシング電極130の面積よりも大きくてもよい。例えば、第2の行センシング電極130は、第1の行センシング電極110の実質的に4n分割(nは、例えば1~4の自然数)に対応することができ、例えば4分割に対応することができる。
【0099】
第1の列センシング電極120の面積は、第2の列センシング電極140の面積よりも大きくてもよい。例えば、第2の列センシング電極140は、第1の列センシング電極120の実質的に4n分割(nは、例えば1~4の自然数)に対応することができ、例えば4分割に対応することができる。
【0100】
タッチセンシング領域TRでは、センシング電極110,120の面積を大きくしてパターニング工程の容易性を確保するとともに、センシングチャンネルの抵抗を下げることができる。
【0101】
また、アンテナ-タッチセンシング領域ARでは、前述のように、アンテナパターンのピッチを考慮して、より小さいサイズのセンシング電極130,140を挿入することができる。これにより、アンテナパターンにおける放射特性、およびアンテナパターンの周辺におけるタッチセンシングのためのチャンネル特性を共に確保することができる。
【0102】
前述のセンシング電極行およびセンシング電極列の末端部から、それぞれ行トレース180および列トレース185を延びることができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、
図4に示すように、アンテナ-タッチセンシング領域ARに配置された複数の(例えば、2つの)センシング電極列を、タッチセンシング領域TRにおいて1つのセンシング電極列に併合することができる。これにより、各センシング電極列ごとに1つの列トレースを分岐させることができる。
【0104】
タッチセンシング領域TRに配置された第1のセンシング電極行ごとに行トレース180(例えば、第1の行トレース)が延び、アンテナ-タッチセンシング領域ARに配置された複数の第2のセンシング電極行(例えば、2つの第2のセンシング電極行)が併合され、1つの行トレース180(例えば、第2の行トレース)にカップリングされ得る。
【0105】
例えば、アンテナ-タッチセンシング領域ARにおいて、第1のサブ行トレース180aおよび第2のサブ行トレース180bを1つの行トレース180に併合することができる。
【0106】
図5は、いくつかの例示的な実施形態によるアンテナ挿入電極構造体の電極構造および配列を説明するための概略的な部分拡大平面図である。
【0107】
図5を参照すると、アンテナパターン、例えば放射パターン50および伝送線路60はメッシュ構造を有することができる。いくつかの実施形態では、センシング電極110,120,130,140もまた、メッシュ構造を含むことができる。
【0108】
放射パターン50の周辺には、ダミーメッシュパターン80を配置することができる。ダミーメッシュパターン80は、平面方向において、放射パターン50と、第2の行および第2の列センシング電極130,140との間に配置することができる。
【0109】
ダミーメッシュパターン80を配置することにより、放射パターン50とセンシング電極130,140との間のノイズおよび相互信号干渉を吸収または遮断することができる。また、ダミーメッシュパターン80により、放射パターン50の周辺の導電体の分布偏差が減少し、電極視認現象を抑制または低減することができる。
【0110】
ダミーメッシュパターン80は、放射パターン50と離隔して放射パターン50を取り囲むように形成できる。ダミーメッシュパターン80は、回路接続領域CRに延びて、伝送線路60の周囲にも配置することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、信号パッド70およびグランドパッド75は、アンテナ駆動ICチップ190とのボンディング抵抗および給電抵抗の低減のために、中身が詰まった(solid)金属パターンで形成することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、ブリッジ電極115,135は、チャンネル抵抗の低減のために、中身が詰まった(solid)構造を有することができる。例えば、ブリッジ電極115,135は、ITOのような透明導電性酸化物含有ソリッドパターンであってもよい。
【0113】
図6は、例示的な実施形態による画像表示装置を示す概略平面図である。例えば、
図6は、画像表示装置のウィンドウを含む外部形状を示している。
【0114】
図6を参照すると、画像表示装置300は、表示領域310及び周辺領域320を含むことができる。周辺領域320は、例えば、表示領域310の両側部及び/又は両端部に配置することができる。周辺領域320は、例えば、画像表示装置の遮光部またはベゼル部に相当し得る。
【0115】
図1で説明したアンテナ挿入電極構造体のタッチセンシング領域TRおよびアンテナ-タッチセンシング領域ARは、表示領域310に含まれ得る。これにより、センシング電極110,120,130,140および放射パターン50は、表示領域310内に配列することができる。前述のように、メッシュ構造を利用することにより、放射パターン50およびセンシング電極110,120,130,140のユーザによる視認を防止することができる。
【0116】
アンテナ挿入電極構造体の回路接続領域CRは、周辺領域320に含まれ得る。これにより、信号パッド70によって周辺領域320におけるアンテナ駆動ICチップ190との電気的接続を実現することができる。
【0117】
また、トレース180,185の末端部は、周辺領域320においてタッチセンサ駆動ICチップ195と電気的に接続することができる。
【国際調査報告】